P.A.WORKSアニメOVAランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのP.A.WORKS成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月02日の時点で一番のP.A.WORKSアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.3 1 P.A.WORKSアニメランキング1位
Another OVA 『The Other -因果-』(OVA)

2012年5月24日
★★★★☆ 3.7 (459)
2103人が棚に入れました
TVアニメ『Another』のOVA。アニメ本編では描かれなかった見崎鳴のこれまでを、完全新作のオリジナルアニメーションで綴るファン必携のアイテム。
ネタバレ

はなび@虹色 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り

わたしの、「Another0『The Other -因果-』」の楽しみ方

「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」

わたしの、総評です。

見崎鳴、藤岡未咲の2人の姉妹のおはなしです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの『つながり』を描いています。

Anotherはこのおはなしを含めて、全13話だと思っています。
そして、中でも、この0話がいちばん好きです。
そのくらい大切で、明るくて、哀しくて、つらくなるおはなし。

本編に含めて放映してほしかったって気持ちはあります。
ミスリードが成立しなくなるので、難しかったのはわかりますけど・・。

そのため、「Another」本編を見た後に、見ることをおすすめします。

さらに、0話を見た後に本編を見返してみると、
鳴ちゃんに対して、物語全体に対しての印象が、だいぶ変わります。
それまでとは、また違う視点で楽しめると思いますよ^^


「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
{netabare}
前半は、仲良し姉妹の日常を描いた、明るい内容になっています。

この「見崎鳴の明るい日常」って、
本編では描かれることがなかった場面なのですよね。

現象によって、未咲ちゃんを失わなければ、
鳴ちゃんも、本来の、明るくて、よく笑う普通の女の子でいられたのに。

現象さえ起らなければ、他の3年3組のクラスメイト達だって、
中学校生活を満喫する普通の男の子や女の子でいられたはずなのに。

「普通の日常」を描くことで、現象の理不尽さがより際立ちます。

後半は明るい日常から一転して、現象の恐怖に突き落とされます。

大切な人を理不尽に奪われることへの怒り、哀しみ。
日常から、死の恐怖に常に怯える毎日に突き落とされる落差。

日常と現象を同時に描いていることは、
この物語の中で重要な意味を持ってきます
{/netabare}

「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
{netabare}
この0話はAnother全体から見てもとても密度が濃いです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの気持ちや想いが詰まっています。
双子の姉妹のつながりを描いたおはなしです。


見崎鳴
{netabare}
姉妹としても、親友としても、
本当に、未咲ちゃんのことを大切に想っていたのでしょうね。
だからこそ、未咲ちゃんのことを何としても守りたかった。

未咲ちゃんがいたからこそ、本当のお母さんともつながっていられた。
未咲ちゃんを失ったことで、お母さんとのつながりも断たれてしまった。

ひとりぼっちになってしまった。

それがもう見ていて、本当につらかった・・。
{/netabare}

藤岡未咲
{netabare}
好きな人もいて、やりたい夢もあって、
おしゃれにも興味があって、家族を思いやる優しさもあって、
本当にかわいらしい女の子。

なんで未咲ちゃんなの!?って、
見ていて本当につらかった、哀しかった・・。
やっぱり、こんなのひどい・・理不尽だよ・・。
{/netabare}
{/netabare}

「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」
{netabare}
たった1人の双子の姉妹であった未咲ちゃんが、
現象によって、「4月の死者」となってしまった。

未咲ちゃんのことを何があっても守るって思っていた、
鳴ちゃんはその時、ものすごい葛藤をして苦しんだと思います。

3年3組に入りさえしなければ、死なずに済んだのかもしれない。
死の色が見えていたのに、何もできなかった。助けられなかった。
でも、なんで未咲が、死ななくちゃならないの!?、って。

未咲ちゃんが亡くなったあと、
鳴ちゃんが眼帯を外し、鏡の前で怒りをぶつけるシーンがあります。

私にとって、このシーンはアニメ版Anotherでいちばん好きなシーンです。

鳴ちゃんのくやしさ、無力感、そして、怒りが一気に流れ込んできて、
涙がぼろぼろと溢れてきました。Another本編ではいちども泣かなかったのに。

この出来事のあと、物語はAnother本編へと入っていきます。

{netabare}
でも、未咲ちゃんを救うことができず、お母さんとのつながりも断たれ、
学校ではいないものにされて、哀しみに毎日を過ごすしかなくなって、
鳴ちゃんは心を閉ざすしかなかったんじゃないかな・・。

そんな、鳴ちゃんが本当にかわいそうで、痛々しくて、見ていられなかった。
{/netabare}

この0話を見た後だと、Another全編を通して、
鳴ちゃんの印象はとても大きく変わります。
そして、未咲ちゃんが「4月の死者」であることが、
本編で重要な伏線となっていきます。

0話を見て、改めて思います。

鳴ちゃんが経験した、くやしさ、無力感、怒りって、
実は、3年3組の生徒全員に言えることなのかなって。
{/netabare}

わたしなら、こんな方に「Another 0『The Other -因果-』」をおすすめ!!

「Another 本編をすべて見たことがある方」(←これが前提条件です)
「Anotherの物語をより深く知りたいと思う方」
「本編では描かれなかった鳴、未咲姉妹の伏線を知りたい方」

投稿 : 2025/02/01
♥ : 34

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

もうひとつの因果

本編である『Another』の1話の前の話、0話となる25分のOVA。
本編でのヒロイン見崎鳴(みさき めい)の双子の姉妹で
実の親のほうと暮らしている藤岡未咲がメインのオリジナルエピソード。

1話で鳴が持っていた人形の意味や、鳴の現在の家庭事情、
15歳を目前にした双子の姉妹である未咲との仲の良さなどが
短い時間の中、丁寧に描かれていく。

観る人によっては百合っぽく感じてしまいそうなほど
仲の良い2人を見ていると、とても微笑ましい。

未咲が「かわいい」って指差したものを、
鳴は「未咲のかわいい、は変わってるね」と言っていたけれど、
女の子って本当によく「かわいい」って言葉を使うし
時々その「かわいい」に対して「どこがだよ」って思うことも多々あるので
鳴の言葉にはなんだか笑ってしまった。

外見がそっくり同士で、どれほど仲が良い姉妹でも、
やっぱり価値観はそれぞれなんだよな。

そんなほのぼのしたシーンから一転、あることから緊張感が
ハンパなく漂い始め、画面に意識を集中してしまうものだから
耳も敏感になって、些細な物音でもビクっとくる演出は秀逸。
言ってしまえばホラーの基本だったりするわけだけれど、
この『Another』ほど音楽や効果音が優れていると思ったアニメ作品は
今まであまり観ていない。
アリプロの唄うOPも雰囲気ぴったりだし、穏やかなEDもやっぱり好きだし。
作画はめちゃ好みだし、もう大満足(笑)

タイトルどおり、因果な出来事が起きるわけだが
それは未咲に起きたことだけでなく、鳴の養子入りの段階からして
すでに因果は始まっていたのだよね。

人間の幸せはその人の感じ方、つまり価値観次第。
でもその人ごとに起きていること、防がれていることは
時期こそ違えど、案外等しいものなのかもしれない。

それにしても、また鳴ちゃんの家が見れて嬉しかった!
僕もいつか、あんな工房を持ちたいなぁ・・

この作品は本編を観てからのほうが断然、良いので
未視聴の方はぜひ、本編を先にどうぞ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 34
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「Another」本編を見終わってから見ましょう。

原作未読。

ホラーアニメ「Another」のOVAです。
Another本編では描かれていなかった、鳴の過去が明かされます。

Another本編のレビュー→ http://www.anikore.jp/review/444765/

本編同様、綺麗なグラフィック、特に錆びや水の表現はとてもリアルでいいですね。
また、影を落としていない、鳴の明るい顔や笑い声を聴くことができます。
ファッションもとてもかわいらしいです。

本編の{netabare}「理不尽な呪い」の正体{/netabare}は分からないですが、本編で鳴がとった行動の意味が分かってきます。
{netabare}
1.美咲の変わった趣味
本編で、鳴がなぜあんな不気味な人形を持っていたのかという理由付け。

2.「鏡」「姉妹(きょうだい)って二親等なんだよね」
双子という鏡のような存在なのに、価値観も生き方も異なる。
そんな状況を表現。

3.繋がっている人形
繋がっていることで、見たくないものまで見えてしまう。
そんな状況になりたくなかったという、鳴の気持ちの表れ。
本編での鳴のセリフ、
「おだやかな顔をしてる。繋がってるのにこんなに安心していられるなんて、とても不思議」
という言葉に繋がってきますね。

4.遊園地の観覧車
本編で遊園地の観覧車に乗りたがらなかった理由。
過去を思い出したくないという思いと、ぐるぐると同じことを繰り返したくないという比喩。
{/netabare}

また、少ない人数に焦点を当てているため、心情描写が丁寧で、キャラクターが引き立っていました。
少し百合展開がありますが、「仲睦まじい」の言葉で表現できる程度のものです。

なお、使用されている曲は本編と同じもの。
違うのは内容だけですね。

本編で曖昧だった内容を補完する意味でも、本編視聴後に観ることをオススメします。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 27

63.3 2 P.A.WORKSアニメランキング2位
恋旅~True Tours Nanto~(OVA)

2013年4月28日
★★★★☆ 3.7 (78)
512人が棚に入れました
富山県南砺市が、同市に拠点を置くアニメ制作会社ピーエーワークスに委託して製作されたアニメ。
いわゆる聖地巡礼を目的とした観光客を誘致するため、南砺市の利賀・福野、井波・平・上平、福光・井口・城端の各地区を舞台とした3話が製作され、また作品は市内に訪れないと見られない仕組みとなっており、視聴目的の観光客の誘客も図られている。
現在では公式Youtubeチャンネルにて視聴が可能になっている。
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ナントっ!

富山県南砺市が舞台の
ご当地PRアニメ作品です

一話約6分の全6話
3組の男女の恋愛ストーリーが各2話づつの構成です

・耀司と千晶編
 {netabare}大人(25、6歳くらいでしょうか?)の恋愛のお話
 耀司くんの転勤話で二人の揺らぐ恋心が描かれています{/netabare}

・晴喜と葵編
 {netabare}高校生で幼なじみの二人のお話
 若い二人の純情なお話です{/netabare}

・匠と夏子編
 {netabare}二十歳くらいのちょっと大人の恋のお話
 夏子ちゃんの片思いからお話がはじまります{/netabare}

どのお話も人物の感情がうまく表現されていて
お話に入り込みやすいのですが
時間が短いということもあり
ストーリーはとても
"ベタ"なものになっていることは否めません

でも
ひとつのお話で10~12分の枠で
とても効率よく内容が盛り込まれていると思います

特に
耀司くんと千晶ちゃんのお話
最後はウルっと来ましたよ
{netabare}自分の過去を重ねてしまって^^{/netabare}


背景のデザインはとてもよく出来てました
現地で色々見比べたのですが(後述)
さすがご当地PR作品です

そして
さすが P.A.WORKSですね
画がとても綺麗です
地元の地の利というのもあるのでしょうか
細かな部分まで観察されてて
とても丁寧に描かれてました

私はiphoneで視聴したのですが
スマホのディスプレイで観てても
充分
満足できるほどのクオリティです


話は大きく逸れますが
この作品の
それぞれのお話は
南砺市が合併する前の
旧市町村ごとに
舞台が設定されています

お話に出てくる町は全部で8つなのですが
実は
3つのお話全てに
スキー場のある町が出てくるんです

耀司と千晶編・・・利賀(とが)
晴喜と葵編・・・・たいら
匠と夏子編・・・・福光(ふくみつ)

匠と夏子編では
実際に福光にあるIOX-AROSA(イオックスアローザ)
というスキー場が舞台となっています

ちなみに
利賀は「スノーバレー利賀」
たいらはそのまま「たいら」
(名前は"たいら"ですがコースはかなり"タイト"です^^)
という名前のスキー場
です

自慢じゃありませんが
(自慢にもなりませんが)
わたくし
これら3つのスキー場全て
滑りにいったことのあるのですが

なぜか
いっしょに行ったのは
全て違う人・・・

どのような関係の人かは
おいといて・・・(^^!

南砺は私にとって波乱にとんだ地なのです^^

思い出の地
恋多き南砺のお話なのでした~

一度遊びに来てみられ~^^


余談で
(長文注意)

{netabare}実は
この作品を知ったのは
あにこれサイトの「TrueTears」のレビューを
見たのがきっかけです

レビューを読んで
興味を持ち
「TrueTears」でググったら
この作品に偶然
行き着いてしまったのです

タイトルを見て
最初は

パクり?

って怪しんだのですが
南砺市がPR作品として
まじめに(?)製作されたということが分かり

しかも
「アニメーション制作は当市に拠点を置くP.A.WORKS 主な制作スタッフ・キャスト・アーティストには 南砺市城端地区を主に舞台にしたTVアニメ 『true tears』を手掛けたメンバーが集結し 南砺市各エリアの美しい自然・風土・文化・などとともに 3つのオリジナルラブストーリーを描き出す(ばぁぁん!)」
(作品サイトからコピペしました・・・"ばぁぁん!"は私が勝手に付けました^^)

のうたい文句に
期待が膨らみ
視聴を決意しました!(そんなに重大なことでもないのですが)



しかし
あらためて
サイトの内容を読んでいくと
ナントッ(洒落じゃないよ^^)
この作品
現地に行かないと観られないということを知りました

視聴は
ワンセグか
スマホに専用アプリをインストールして観るという
方法があるのですが
スマホはGPS機能を使っていて
そのエリアに行かないと視聴できない仕組みになっているのです

その他には
南砺市の旧自治体ごとの施設に行って
その庁舎内にあるモニターで
視聴できるということです

詳細は作品の公式サイトをご覧ください(宣伝かよ!)

いずれにしても現地に赴くしかないのですが
コレはナントしても(何回も言いますが洒落じゃないよ^^)
観てみたい
という欲望が膨らむ一方
富山の道よくわかんね~しな~
という葛藤に陥り

しょ~がない^^
富山の道に詳しい
友人"M"を道連れにすることに・・・

5月のゴールデンウィークの最終日

連休の無駄な時間をつぶすため
買い込んだ小説(古典部シリーズだよ^^)も早々に読み終えてしまい
休日が1日余ったので
急遽
当日の朝早くに"M"に電話しました(迷惑なヤツだ)

朝6時・・・^^!

("M":"M"、シ:シス子)
電:プルルルル・・・プルルルル・・・(×10回)
  ・・・ガチャ(やっと出た^^)
M:もしもしぃ
  (私からの電話だと知ってやる気のない声)
シ:ぐへへ~
  おネエちゃん今どんなパンツはいてるのw
M:朝はよからなにふざけとるんや~!
  死ね!
  ボケ!
  (かなり眠そうでご機嫌斜め)
シ:(素に戻って)
  いや~
  天気がいいから
  ドライブにでも行きたいかな~って・・・
M:はぁ
  どこにぃ
シ:福光・・・"のほう"・・・
M:ふくみつぅ?
  な~んでそんなとこにぃ
シ:ん~アニメでも見に行こうかな~って^^
  ・・・てへぺろ^^
M:ぜんっぜんっかわいくね~しぃ
  っていうかなんでアニメなん?
  意味わかんね~しぃ
  っていうか福光って遠いしぃ
  あんたっ
  この前もむりやんこ山に引っ張り出して・・・
  ("イニD"レビュー参照)
シ:(話を聞かずに)
  往復で2時間くらいやし~・・・いいやろ~
  お昼ラーメン奢るし~
M:行こ(即答)
シ:(ふっふ~ん尻の軽いヤツだ)
  じゃあとで迎えに行くね~

(方言が入り分かりにくくなってしまってスイマセン(^^!)

っていうか
実際には
福光はまだ近い方で
一番奥の利賀ともなると片道で軽く2時間くらい掛かるんですが・・・

バカめ!
悪徳訪問販売みたいな
胡散臭い話に
まんまと引っかかりやがったぜ^^

朝9時・・・

なにも知らない
ナビ女"M"を
文字どおりナビシートにしばりつけ
南砺市に向けレッツゴー!(お~!)

ゴールデンウィーク最終日の朝早くに
叩き起こされ
ご機嫌ちょ~ワルな友人に構うことなく
私だけノリノリ絶好調で
南砺市に到着

でも・・・

ま~
とにかく
大変でした

視聴できるエリアまで移動して作品を視聴して
また
次のエリアまで行って視聴しての繰り返しで

専用アプリには地図機能もあって
視聴エリアに入ったら
知らせる機能も備えているのですが
どこがどのお話のエリアなのかいまいち分かりにくくて
車のナビと
ナビシートのわがままナビ女を巧みに"操作"しながら
1日中走りまわってました

途中で視聴しながら
「わ~みてみて・・・意外と画が綺麗や~・・・」
って・・・あれ?
ナビ女にガチ無視されてヘコんだり

お話にプチ感動して
涙してたら
「あんたなぁに涙流しとるん?はよラーメン食べにつれてけや!!」
って速攻で現実に引き戻されたり

せっかくこんな山奥まで来たんだから・・・

世界遺産の「五箇山合掌集落」を
にわか観光したり

やっていることのスケールが
大きいのか
せこいのか
自分でもよく分からなくなるくらい
いろいろ
紆余曲折しながら

ようやく帰路についたのが
夕方の5時ごろ

ナビシートのナビ女は
車のナビとスマホを見ながら道案内をして
しかも
作品の舞台はほとんど山あいにあり
タイトなワインディングロードと
私の"イニシャルD"張りの派手なドラテクの煽りをもろにうけ
車に酔ってしまい
ヤバイ状態になってました

ごめんねナビ・・・じゃなかった^^・・・"M"
私の奢ったラーメンはちゃんと完全消化してね^^{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 24

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

“ご当地”でしか観れんという正真正銘の“ご当地アニメ” 短いながらも良く出来ていてビビる

P.A.WORKSのお膝元でもある富山県南砺市を舞台にした3組のカップルによる6つのオムニバスラブストーリー
現地の観光名所で直接アプリを立ち上げて位置情報を認識させるか、お役所等の公共施設で限定的にワンセグ配信されているものを受信するかの2通りのみで視聴可能
とまあ、観光誘致のためのかつてない【超ローカルアニメ】


『Ture Tours』などという“超ダサい”タイトルはともかくとしてw
ちゃんと『Ture Tears』のスタッフとキャストを再集結させている気合の入れっぷりは凄いです
だからちゃんと西村純二が監督、岡田麿里が脚本、音楽はeufonius、彩陽も井口さんも名塚も出ている
強いて言うなら上田夢人や関口可奈味(ネ申)が不在なのは痛いところでしょうか
1話約5分×6話、とまあかなり短いながらも現地観光名所の魅力をちゃんと盛り込みつつ、普通にラブロマンスとして良く出来ているのだから拍手モノ
遥々東京から富山へと出向いた甲斐もあったってもんですw


現地でアプリ起動→オリジナルアニメ視聴→(ここまでの流れが最もな特色、以降の機能についてはガルパンの聖地巡礼アプリなんかでも実装済み)→観光名所でキャラクターカメラ起動→ツーショット撮影→キャラクターボイスで観光案内→役所などで現地へ行ったことを写真で証明→(ハイパー晒し者タイムw)→オリジナルポストカードが貰えます→全6枚中3枚以上集めるとポストカードブックが貰えます


☆晴喜と葵☆
幼馴染が故に距離が近すぎてお互いの気持ちが見えなかった高校生カップルのお話
後編はこれまでの「友達以上、恋人未満」な関係が心地良すぎたと苦悩する後日談
3組の中では王道、良い意味でベタな展開
吉野裕行さんの下手っぴな歌が聴けるのはコレw

舞台は北陸の小京都とも呼ばれる町並みと圧巻の彫刻が息づく『井波』
そして国重や世界遺産に指定されている合掌造り集落が残る『平』、『上平』


☆匠と夏子☆
スキー場で初めて出会ったはずの草食系な匠とアウトドア派の夏子
でも夏子は匠を以前から知っているような素振りを見せる・・・
ちょっと凸凹気味だけども、いつの間にか惹かれあっていく二人のお話
残り2組はマリーの脚本だがこの二人だけジュンジの脚本
なので「夏子があざとい」とか「匠がHENTAI」とまあ他の2組よりラブコメ風味で毛並みが違うw

舞台となるのは日本最大のゴンドラ設備を持つスキー場、IOX-AROSAのある「福光」
それと「井口」、P.A本社もある「城端」
桜ヶ池のサービスエリアにある馬鹿デカいボルタリング施設も出てきます
ホントにデカいですw
赤祖父湖の円筒分水槽は個人的にツボ


☆輝司と千晶☆
転勤の話が一転、別れ話になってしまった倦怠期のカップル
最後の旅行先は思い出の地、富山へ・・・
3組の中で最も賞賛したいお話です、出来れば一番最後にチェックしてほしい
「夢の中では王子様と王女様なんだ」という、マリーの脚本ではお馴染みの乙女チック妄想タイムが炸裂しているのもポイント
前編は輝司視点、後編は千晶視点で進むので二人の気持ちのすれ違いを感じ取ってほしいですねぇ

舞台となるのは蕎麦が美味かったりギリシャ風劇場があったりで大自然とのギャップがそそられる「利賀」
そして喧嘩神輿が有名な夜高祭で賑わう「福野」
夜高祭は是非一度リアルタイムで観てみたいです


ショートショートながら、P.Aはかなり良い仕事をしたと思います^^b
ただしこの企画、一度視聴すれば半永久的に動画が解禁されてしまうのでほぼ一回訪れるだけで終わってしまうのが少し寂しいところ
何か今後に繋がるものをこれから模索していって頂きたいですね
もちろんtrue tearsやAnotherの聖地巡礼も忘れてはなりませんw


最後になりましたがこれから南砺市を訪れる、って方へのワンポイントアドバイス
最初からアプリに入っている動画の画質はかなり酷い(笑)
ですのでオプションの「高画質動画ダウンロード」機能を用いてあらかじめ動画を落しておくことをオススメします
一度ダウンロードすれば位置情報認識後に解禁される動画は画質MAXのモノになります
これオススメ

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

地物アニメ

ご当地のなかのご当地アニメ。
富山県南砺市は、かの作画職人製作会社P.A.Worksのお膝元になります。
富山県の西部に位置し、岐阜県や石川県と隣接する山間の地区が多い地域。雄大な自然と昔ながらの文化を残すのが自慢ですが、観光名所としての知名度は今一つ。
有名じゃないだけで、世界遺産(合掌造り集落)も有しており観光資源や見所は結構豊富なんですけどね。
お隣の白川郷や金沢といったメジャーな観光地の陰に隠れてしまうのがなんとも惜しい。

そんなワケで、かの南砺市をアニメで世間にアピールしよう!というのが本作。
アニメ制作はもちろんP.A.Works、お金を出すのは行政です。


内容はというと、5分程度のショートで6本。
前後編に別れた3つのお話。少し年代の違う3組のカップルを描いた群像劇で、胸の奥をくすぐるような恋物語となっています。
南砺市のあらゆる名所旧跡を背景にして、甘酸っぱいやりとりが行われている会話が中心のお話。
まぁ、「リア充爆発しろ!」
と、僻みで言ってしまいたくなるような内容です(^。^;)
観光誘致のためのアニメですが、P.A.Worksを目当てに訪れたオタク達に反感買わないかなぁ~、と超余計なお世話な心配をしてみたりしなかったり・・・TARITARI


お話そのものは無難なもの。
アニメの出来も、背景こそ多岐にわたり綺麗に描かれていますが、P.A.Worksの仕事にしては並の出来です。
私個人としては、昔から行ったことのある場所・見覚えのある場所が多数登場しているので、結構胸を弾ませて視聴することができましたが、この地に縁のない人の目にどう映るかは正直なところ未知数。
ですが、落ち着いた雰囲気で旅情を楽しみたい、まさに本作の登場人物のような恋人同士での旅にはマッチしてる南砺のいい所はアピールできていると思います。
まぁ、それが目的のアニメなので当然といえば当然ですが(^_^)b


ともかく、
南砺に訪れて、スマホアプリでダウンロードして視聴するという方式は面白い試み。
スマホがなくても、道の駅などの要所でテレビ視聴できるようにもなっています。
面倒ではありますが、旅に出かけるなんてのは、こういうキッカケや動機が必要なもの。
近隣には聖地巡礼スポットも多数あり、温泉も豊富で山の幸のみならず北陸の海の幸も美味しく楽しめる好条件な立地。

訪れて損はありませんので、機会があれば是非お越しくださいませ(^_^)ノ

・・・と、地元興しに協力してみるw

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19
ページの先頭へ