P.A.WORKSで神社なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のP.A.WORKSで神社な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のP.A.WORKSで神社なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.4 1 P.A.WORKSで神社なアニメランキング1位
有頂天家族(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1682)
8079人が棚に入れました
京都には人間と狸と天狗が住んでいる。下鴨神社・糺(ただす)ノ森に暮らす下鴨家。狸界の頭領であった父・総一郎は、ある日何の前触れもなく狸鍋にされたのだが、その経緯は今も謎に包まれていた。残された四兄弟のなかでも偉大な父の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり」をモットーに、生真面目だが土壇場に弱い長兄・矢一郎、蛙の姿で井戸にこもっている次兄・矢二郎、臆病ですぐに尻尾を出してしまう末弟・矢四郎、そしてタカラヅカ命の母に囲まれて暮らしていた。隠居中の大天狗・赤玉先生の世話を焼いたり、神通力を得た人間の美女・弁天に振り回されたり、はたまた五山送り火の夜空で宿敵・夷川家と空中決戦を繰り広げる日々の果てに、突如下鴨家を襲う絶体絶命の危機! 父が鍋にされた真相が明らかになるなか、固い絆で結ばれた一家の運命はいかに!

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、井上喜久子、石原凡、佐倉綾音、梅津秀行、飛田展男、西地修哉、畠山航輔、樋口武彦
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今期一番まとめが完璧だった!(最終話まで

全13話。原作小説未読。

京都を舞台に、狸と天狗と人間が入り乱れて繰り広げる波瀾万丈のハイセンスコメディドラマ!


●関連URL
・番組公式サイト:http://uchoten-anime.com/
・番組公式Twitter:http://twitter.com/UchotenAnime


※相関図
http://p.twpl.jp/show/orig/wjOMs


最初はたぬき合戦ぽんぽこ的なジブリ風のアニメになるのかなぁと想像していたんですが、まさかの四畳半風味!
なんか主人公のセリフ回しが凄く四畳半っぽい。
四畳半凄い好きだったので期待値8/10。
絶対最後まで見る。


原作未読の人向け、ネタバレ無し補足説明

・主人公・矢三郎はタヌキ
 天下の大ダヌキ・下鴨総一郎の息子四兄弟の三男

・赤玉先生は天狗
 4兄弟のもと先生。赤玉ポートワインが好物。弁天にベタ惚れ。昔は名を馳せていた凄い天狗だった

・弁天(鈴木聡美)
 天狗の赤玉先生にさらわれてきた、もと人間
 修行の末、ほぼ天狗になった
 大人になったのか、もともとの性格なのか、先生をほったらかしで遊び回っている

・金曜倶楽部
 京都の重鎮たちのよりあい。月イチで宴会をする。メンバーを七福神の名で呼び合う
 忘年会で毎年タヌキ鍋を食うのがなわらし


○総評
いやぁ実に良いアニメだった。
弁天キャラが全然好きになれなかったので途中で見るのを放置していたが実に良いアニメだった。
この辺で断念した人もいるのではなかろうか?惚れた理由は結局明かされなかったって言うか最初のあれでって事なのかな。
最後まで魅力は感じなかったが。
しかしこのアニメ弁天の話が中心ではない。人間と天狗と狸の三つ巴の話なのである。
主軸は要するに勢力争い見たいな話。なのでちょっと話がややこしいので一気見とかの方がお勧めかも?
キャラの名前や誰が何処の勢力かとか覚えてないと分かり辛い話かもしれない。
簡単に言うと大人版たぬき合戦ぽんぽこ?ジブリ?みたいな感じw
萌え路線のアニメにうんざりした人やジブリ好きにはお勧めの作品です。
あと化物語っぽい会話劇も特徴かな。じっくり話聞いてないとわからなくなる感じがあるかも。


各話感想
{netabare}2話
ママンの話かな。なんで主人公はいつも女装してるんだろう。
アニキはカエルに化けてるのね。
招き猫はさっきの双子が化けたのかな?
何故口が動かないんだ。手抜きなのか化けてるから動かないのか。
虎でけぇ!なんか妖怪大戦争みたいになってきたw
何処噛んでるんだよw
結局オカッパ双子も狸だったのね。
兄さん絶望先生っぽいなwさすが同じ作者のデザイン。
母上なんで狸になっているんだろう。
母上また人間に化けたか。
父上は弁天に食われたのか?金曜クラブに食われたのか?
うーんそのうち鍋にされて食われちゃいそうな予感がしてきた。
弁天はやっぱ敵なんだな。何故惚れたし。


3話
うーーん弁天が本当に良くわからない。なんで惚れたんだ?
なんか漂うビッチ臭が気に入らない。
しかし相変わらず背景の映像が綺麗だなぁ。良くも悪くもジブリっぽい。
クジラのしっぽが引っ張ってみたいとか意味がわからない。

弁天にイラっとしてから見てなかったが再開。


4話
母上はなんでいつも宝塚の格好なんだろう。
先生入り口で何してんだwなんともへそ曲がりなじいさんだw
弁天キャンセル多いなw
ちらし寿司食べたくなってきた。なんとも便利な茶釜エンジン。
たんぽぽくらいの毛玉って随分ちっちゃいんだな。
蔵馬天狗vsヤクシボウ&父上って事か。偽如意ヶ嶽事件。
なんかホント弁天イラっとするキャラだなぁ。
なんという花火戦争w
風神の扇子かなんかなのかな?
貴重な燃料ワインを飲むなw
風神雷神の扇無くしちゃったのか。
逃げの弥三郎w


5話
金曜クラブのトップは弁天なのかな?
お茶飲んでる相手は誰なんだ。今日も牛丼かw
なんで慌てているのか。ダルマに変身したか。
箪笥の引き出しに入ってるのは金角と銀閣の妹だったのか。
あぁそういやあの空飛ぶ家壊したらって約束してたっけ。
ってか胸が口元と一緒に動いてるw
すき焼きうまそうだ。ホテイさんと肉の取り合いw
この集まりは人間の集まりなのか。
この弁天の上から目線な感じがうざいなぁ。
ホテイさん見とれすぎだろw
狸は雑食なのかな?雷を怖がるってもしかして母上か?
食べちゃいたいほど好きなのだ。なんだこの人もかw
弁天ホント嫌なキャラだなぁ。わがまますぎる。まるでバブル女だな。


6話
連れ去っちゃったのかよw師匠となった赤球を蹴り落としたとか何がどうなってんだw
ホテイさん無理し過ぎだろw
父上が食われた夜にホテイさんは惚れたのか。
ん?弁天泣いてるのか?
葉巻のポイ捨てかよ。まぁフィルター無いから問題無いか。
なんで握り飯と酒持ってんだよw
焼きおにぎりはうまいよなぁ。味噌焼きオニギリが好きだ。
一風変わったと言うより一昔前のバブル女じゃないか。
毒の入ったものでも食うもんなぁ人間は。発酵食品だの腐ったもんでも食うしな。
なんか銀の匙みたいになってきた。
狸に食われるのが良いだと?ホテイさん上級者すぎて付いて行けない。
昔そう言った狸がいたって父上か。やっぱりか。
立派な狸だからおいしいって理論はおかしいだろ。
やっぱり母上を救った人だったのね。
キスしただけで惚れたとかって理由なら実に下らないな。まぁよくある話でもあるけど。
弁天はなぜ泣くのだろう?


7話
酒は飲めるうちに飲んでおくことだ。良い事言ったように見せかけてそうでもない罠。
弟可愛いな。先生天狗風を吹かすって天狗じゃないのかw
香水ってファブリーズ?w先生力が無くなってるww
なんともうまい流れを作ったもんだ。ちゃんと風呂行くきっかけを作ったわけか。まるで秘書とか官僚みたいだ。
それでも先生なかなか入る気無いのかww子供か!w
どうしようもないエロじじいだなぁまったくw
おい股の手ぬぐいで殴るなきったねぇww
今度は風呂に使ったら出ないのかよwwまったくどうしようもない大人の子供はこれだからたちが悪いw
何気に弥三郎を気にかけてるのな。
なんだなんだここは両国の風呂なのか?夷川親衛隊とはなんだ?タダ飲みの愚連隊なのか。
まーた金角と銀閣か。相変わらず弱いこの小物感が実に良いキャラしてるw
誇大広告って四文字熟語じゃねぇw前の樋口一代もあれだったがw鉄のパンツってなんだよw
いやいや兄上おまえが風呂に放り込んだんだろwアッー水風呂はやめたげてw
捕まった日誰かとぐでんぐでんになるまで飲んでいたのか。一体誰と…弁天か?
なんとカエル兄貴と飲んでたのか。
もしかしてカエルから戻らないのも責任を感じてとかかな?
酔っ払った父上をほったらかしにしたのか。やっぱりそれで責任を感じて井戸から出ずにカエルから戻らずにいるのか。
生きている限り必ず別れはやってくるからな。ある程度一線置いて事前に受け入れておかないと辛いものになってしまうんだよね。
あれなんか深い話になってきたかな?


8話
おや兄さんえらくゴキゲンの悪い声だ。
元気そうだね阿良々木君、何かいいことでもあったのかい?を思い出した。
京都で一番やる気のない狸とは誰の事だ?カエルの兄様か。
弥三郎の許嫁に恋しちゃったのか。えびす川カイセイ…
父上になんでも相談してたんだな。人間ならそうそう無いだろうなこういうの。父親と仲良くやっている友人を見た事が無い(男限定だが)。
うーむしかし酔っ払っている風ではなかったよなぁホテイさんの話だと。
勝手に勘違いして責任感じちゃってる感じかな。なる程ねぇ。
しかし間々で入ってくる絶望先生風?のMOBがシュールw
乳ではなく父だろw何がそんなにおっぱいに魅力があるのかわからない。おっぱいよりケツだろ!
父上に最後にあったのは先生だったのか?化けられる身ではないとはいかに?
え?死んだ後の話なのか?それとも先生の妄想なのか?それとも死ぬ事を覚悟しての発言なのか?
母上だったのかこの人。変身するとわけわからんな。
カイセイが好きだった事を言っちゃうのか。なんだ母上は知ってたのか。
弥一郎(´;ω;`)ブワッ
「1つの大きなさよならが残された者達をつなぐこともある」名言(/_;)


9話
なんかややこしくなってきた。カイセイの名は父が考えたのか。
ちょwホテイさんバームクーヘンどんだけ重ねてるんだよw
なんという大食いw一口で飽きるわこんなのw
後三週間で狸狩りが始まるのか。
あぁなるほど双子の妹ちゃんがカイセイだったのか。未だ姿を見せないから覚えられない。
弁天の前だと化けれないってどういう事?魅了されちゃってって事なのかな?
さてどちらが後釜になるのやら。師匠に託しちゃうんかいw
女の子はオシリを冷やすと子宮に影響があるからなっておいお前は男だろw
先生相変わらず動かないのなwきっかけ作るんだろうなまたwなんともツンデレであるw言い換えれば不器用ってとこか。
実にうまく交渉したもんだな。
だからなんでそんなシリを温めたいのよwカイセイの声!?いい加減姿を表したらどうなんだ…
なる程女湯から話してたのかw割りと可愛かったw
妹ちゃん兄貴をバカアニキと言いつつも慕ってるんだな。
生天狗か。まぁ狸の天敵だもんな。
元許嫁だったのかよ。今は違うのか。あれ?そういやどっかでそんな話あったような…
謝罪のコメントはなんだったんだろうか。


10話
偽えもんを決める日がやってきたか。
父上に憧れていたのか兄貴。夷川が何か企んでるのか。
父の死んだ日だったのか。兄貴気をつけろよってなんか死亡フラグな気がしてくる…
弟ちゃんまた騙されてるのかよ。やっぱり閉じ込められたか。
ヤジロウはほっとけばいいって完全にフラグだよな。
フライドチキンを食べるカエルってなんかシュールだな。歯が無いのにw
父上の最後の言葉…
何か大変嫌な事が起こりそうなのか。雷神が来たのか。
風神雷神の扇拾った奴は誰なのか。
恐らく金曜クラブに拐われたか…?
鍋にされるのかやっぱ。おじさまを鍋にしたのは私の父だと!?妹ちゃん姿現すの初めてじゃないか。
なる程妹ちゃん変身したまま話聞いてたのか。弁天…
なんで兄弟を売ったんだ。そしてまたこいつの策略か。


11話
弁天は味方になるのか。弁天うぜぇ…
都合よく天狗だの人間だの言いやがって。ツンデレかよ。
淀川教授なんで変身して店員になったんだ。母上まで捕まってたのかよ。
なる程薬を混ぜるためだったのか…って金閣銀閣だったのかよ。
あーあ皆捕まっちまったか。完全に悪代官w
なんだよその鉄のおむつw
そういやカエルの兄さんだけか捕まってないの。
なんだ妹に弱いのかよw
卑怯極まりないな夷川。まるで天狗や人間のする事…
ドナドナドーナードオナー…
おっ妹ちゃん赤色灯に気付いたか。見つかるの早っ!何故巴投げw力つええw


12話
カエルの兄ちゃんまた変身出来るようになるのかな?電気ブランで燃料投下か!?
キタ━(゚∀゚)━!
なんつう酔っぱらい運転w逆に捕まえたかwなんだこいつらが扇持ってたのか。
「おもしろきことはよきことなりー」
自転車は押して歩きましょう。ってのがシュールw
電車の外の背景が永遠ループしてるんだが…やっぱりか。
なっいつの間に電話をしてたんだ!おいおいET並に空飛んでるなw空飛べるのかよwww
そーっと所じゃねぇwwwぶっ飛んだぞw
檻を開ける作画省きやがった。
母上の事か…潜入捜査かよwなんだ弁天さっきの耳打ちで告げ口したのかと思ったら違うのか?それとも…
選挙のほうがせまってきているのか。先生ナイスタイミングwwしかも泥酔状態w間に合ったか。
うわっ金曜クラブも来たのか同じ所に…何か大変なことになりそうだな。
うおー凄い盛り上がり方が良い!遂に次回最終回!


13話
人間と狸と天狗の三つ巴。さてどう結末が着くのだろうか。
むしろ弁天が何を企んでるんだ…
あっそうだ!ホテイさんそういえば母上助けたんだったっけ…鳥肌立った。
遂に鉢合わせたかw
ん?なんでそこまで夷川が母上に固執するんだっけ?
さすがホテイさん!w待ってました!いいぞもっとやれ!w
まぁ矛盾があるのが人間だよな。さぁて弁天どう動く?
っと思ったら師匠www何してんのww浮気の現場wうまいなw
アッー!全部ふっとんだーw先生激おこプンプン丸w
師匠相変わらずちょろいなww
あれそういやカエルの兄さんもう変身戻れるのにw
ヤジロウ兄さんとお母さんの会話でなんか泣けた(´Д⊂ヽ
ホテイさんと話してる時の後ろで弟の仕草が可愛いw
カイセイちゃんマジヒロイン!
最終的にこのセリフに落ち着くな。「おもしろきことはよきことなり」
いやぁ今期最高にうまいまとめだったのではなかろうか?実に良いアニメだった。
本当に面白かった。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 63
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

一つの大きなサヨナラが、遺された者達を繋ぐこともある。

2013年7月放送。
全13話。


【前置き】

原作者は、メディア芸術祭アニメーション部門大賞のアニメ「四畳半神話大系」も書かれた『森見登美彦さん』。
(本作は、森見作品の中では「毛深い子」という愛称で呼ばれていたりするそうですww)
そして制作は、安定と信頼の作画で定評ある『P.A.WORKS』。

『森見登美彦』に『P.A.WORKS』
どちらも、私にとっては名前を聞くだけで条件反射してしまう単語です。
事実、本作の放送が始める少し前、来期のアニメ一覧を眺めていた中で本作『有頂天家族』を見つけた時も、私の…今思えば「阿呆」の血が無性に騒いだのを覚えています。

『うむ。これは、見ないわけにはいくまい。

 これも、阿呆の血のしからしむるところだ。』

なんて台詞、本作を見る前は出る筈も無かったわけですけどね。



【あらすじ】

千年の都・京都。
ここでは古来より、人に化けた「狸」と「天狗」が、人間に紛れ暮らしておりました。

狸一家『下鴨(しもがも)家』の三男であり、偉大な亡き父から「阿呆」という一点の血を受け継いだ主人公『矢三郎(やさぶろう)』も、その中の一人。
狸界では「名家」であることも顧みず、彼は日々をただ面白可笑しく過ごしていました。

しかし周囲では、その偉大な亡き父の遺志を継ぐ、次期頭領を決める「偽右衛門(にせえもん)選挙」で、躍起立つ者(狸)が出始めておりました…。



【論じてみる】
{netabare}
正直、序盤の数話は
「本当にこれから、四畳半の時のようにドンドンと面白くなるのかな?」
と、半信半疑でした。
理由として、キャラの立ち位置や関係性が分かりにくく、どういう風に話が進んでいくのかも明確でないので、続きが全く気になる感じになれなかったのです。
上記のあらすじにしても、第1話の時点ではよく見えてこなかったですし。

第4話「大文字納涼船合戦」にしても、内が見えないキャラクター達がドンチャン騒ぎをしていても一緒に楽しめるワケもなく、ただただ温度差を感じました。
「四畳半神話大系」の実績が無ければ、まず間違いなく切っていたことでしょう。


ただ、P.A.WORKSの作画は流石の一言。
久米田康治さんが描く、角張った特徴的なキャラクターデザインをアニメ的に上手く表現しながらも、緻密に描き込まれた舞台背景は、見ているだけで心地良かったです。

京都という舞台上どうしても人通りが多いわけですが、そのモブも事細かに動きますので、スタッフの職人魂を感じましたね。
退屈な序盤を視聴継続出来た要因としては、この作画は非常に大きかったと思います。


そして中盤より、やっとこさ

「偉大なる父親狸が、狸鍋にされ人間に食べられてしまった。」

というエピソードを元に、徐々にそこに関わっていたキャラクター達が浮き彫りになっていき、少しずつ物語にも魅入るようになっていきました。

ストーリーとキャラの立ち位置が明確になってくると、序盤とは打って変わりの面白さ。
もぅ毎週、楽しみで仕方無くなっていました。

特に第8話「父の発つ日」にある、次男であり蛙でもある「矢次郎(やじろう)」の回想語りは、胸に響きましたね。


『その当時の俺は、厄介な問題を抱えていた…。

 俺は大いに悩み、その想いを父に打ち明け…判断を仰いでいた。


 俺は…、カタのつけようのない恋をしていた…。』


作中ずぅぅっと引っ張ってきた次男坊の本心。
そして、それを軸に語られる偉大な父の死の真相。

あくまで自分の中でですが、数多あるアニメ作品の中でも間違いなく、私にとって数少ない『神回』と言える一話でした。


ラストに関しても、とんでもないドンデン返しはありませんが、良い意味で予想通り気持ち良く楽しく終わっていたので、本作としては丁度良い塩梅でした。
予想が出来てしまい、そのまま予想通りでも、その絵が見たくて楽しみで仕方無い。
そんな気持ちで、ラスト3話は見ていた気がします。
{/netabare}



【偽右衛門 下鴨総一郎】
{netabare}
さて…「毛深い」だけでなく中々「味のある」キャラクターの多い本作。
その中でも、特に魅力的で味わい深いキャラクター、偉大な父親狸『下鴨 総一郎(しもがも そういちろう)』について、じっくり語りたいと思います。

この父親は、まさに「カッコイイとはこういうことさ」と言わんばかりの立ち振舞いでしたね。


山に化けることが出来る程の、非凡の化け力を持っていた父。
しかし突然、狸を食べる会「金曜倶楽部」に捕まった父親は、その人間達に鍋にされ食べられてしまっていました。

中盤、その父を食べた張本人の一人、大学教授の「淀川 長太郎(よどがわ ちょうたろう)」と矢三郎は奇しくも出会うのですが、そこで語られた父の最期は、想像していたものとは随分と違っていたのです。

その淀川は、人間であるから狸を食うのは当然と言いながらも、「食べることは愛すること」とも言い、狸に対し深い愛情を抱いていました。
そんな淀川に対し父は、狸界のタブーを破り…こう言葉を交わしていたのです。


「俺はコレまでにやりたいことは全てやり、子供達も大きくなった。

 末はまだ小さいけれども、兄たちが居るから…あとは助け合って立派にやっていくであろう。

 俺は種をまき、そこそこ育てた。

 一匹の狸としての役目は全うしたんだ。

 残された日々は天恵である。つまりは儲け物である。

 したがって…、まあ…ここであなた方に食われたところで一向に構わない。

 食いたければ食うが良い。」


狸が喋ったことに驚く淀川にも井を返さず、


「貴方ならば喋っても構わんかな…と、ふと思ったのだ。

 我が生涯最後のイタズラと言うべきか、阿呆の血のしからしむるところだ…。」


と、落ち着きながらも…「狸らしい」個性そのままに、それから食べられるまでの時間を、父は淀川と語り合っていたのでした。

父親の最後となったこのエピソードは、はたから見た残酷さとは裏腹に、まるで長年信頼しきった間柄のような会話を見せており、良い意味での違和感を生む演出がなされていました。
しかしまぁなんと潔い狸(おとこ)でしょうね、惚れ惚れいちゃいましたよ。


そんな父を想い返し、矢三郎は終盤前(第8話の最後)に、こう語っておりましたね。


『この世にサヨナラするにあたり、我らの父は、偉大なるその血を律儀にも四つに分けた。

 長兄は、責任感だけを受け継ぎ、

 次兄は、暢気な性格だけを受け継ぎ、

 弟は、純真さだけを受け継ぎ、

 私は……、阿呆ぶりだけを受け継いだ。

 てんでバラバラの兄弟をつなぎとめているのは、海よりも深い母の愛と、偉大なる父とのサヨラナである。

 一つの大きなサヨナラが、遺された者達をつなぐこともある。』


私はこの2つのシーンが作中でも大のお気に入りで、特にこの矢三郎の台詞の一連シーンでは、演出や音楽の挿入も抜群に良かったのも重なり、不覚にもボロ泣きしてしまいました。
正直、今もこの台詞を読み返すだけで、目頭が熱くなってしまう程です…。


下鴨家を始め、本作を彩るキャラクター達は皆どこかで、この父と繋がっていて、良くも……そして悪くも触発されていました。
それほど、この父親狸『下鴨総一郎』は、大きな存在だったんですね。

今もサントラで、このシーンの曲を聴いています。
曲のタイトルは、『一つの大きなサヨナラ』です。

アカン、泣けてきてしまった……。。。
{/netabare}



【総評】

初見では、序盤で人物設定や世界観が掴み辛く、馴染みづらい点は大きなマイナス。
原作ファンや前知識を持つ人でなければ、ここで切ってしまう人も多かったのではないでしょうか。

ですが後半は、そのマイナスを補って十二分に余りのある、大変面白く心動かされる「馬鹿馬鹿しい狸活劇」となっておりました。

しかし、いやはや序盤の悪印象から、まさかボロ泣きに発展するとは……。
これだから、物語は追ってみないと分かりません。
勿論、数多ある原作の中からアニメ化された作品なので、誰が見ても面白くない内容だなんてことはありえない、と思って一応追ってはおりましたが。
(と言いつつも、やっぱり自分には合わないケースがよくありますので、こういう風に覆るケースは珍しかったです。)


私は、ラノベ作品によくあるような、いわゆる萌え系のアニメも喜んで鑑賞します。
付け加えるなら、本作と同時期に放送されていたアニメを見て、「小学生は最高だぜ!」とも言っていた、本当どうしようもない阿呆の萌え糞豚です。

それでも、このような大人の鑑賞にも十分耐えうる、でもそれでいてカッコ付けて高尚ぶらずに面白いものを描く、こういう作品も大好きです。

この作者が描く「阿呆」に、私はたまらなく魅力を感じてしまうんですよね。
それが面白い出来事に繋がり、それが面白い周囲を呼び込んできてくれるのですから。

そして、まさに『四畳半神話大系』がそうであったように、それが周囲を巻き込んだ「良きこと」にも繋がっていくのですから…☆彡


まさに「面白きことは、良きことなり。」でした。

読んでいただき、ありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『下鴨 総一郎』声 - 石原凡さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『夷川 海星』声 - 佐倉綾音さん



以降、獣に当てた駄文なので〆ておきます。
{netabare}
さて…、これまで美少女にのみ、その欲情を露わにしていた私ですが…。


本作を見てからというもの、私は

『美少女』

ならぬ

『美少狸』

にまで、欲情の目を向けてしまいかねないようになってしまいました。

これに限っては、オスだろうが問答無用で手を出しかねない勢いである。


野生の狸は危険? 気性が荒い? 疫病も持っている?

ノープロブレム。

本能の赴くままに行動している時の私の気性の荒さは、野生の狸を凌ぎます。

爪も使います。

歯も使います。

舌も出します。

何より、私もこの通りの病気持ちです。


以降、私が京都に赴いた際は、町に隠れ住む『美少狸』は、決して私に近づいてはいけないと警告しておきます。


もし私に発情期があるとするならば、狸とだけは同時期でないことを願ってやみません。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

たぬき・天狗・人間 さて、どんな話でしょう。

物語:4.3 作画:4.7 声優:4.3 音楽:4.2 キャラ:4.6 【平均:4.4】                           (82.4)

ジャンル        :コメディ、群像劇
話数          :全13話
原作          :森見登美彦(小説)
アニメーション製作 :P.A.WORKS
監督          :吉原正行
シリーズ構成     :菅正太郎
脚本          :菅正太郎、檜垣亮
キャラデザイン    :久米田康治(原案)、川面恒介
音楽          :藤澤慶昌
主人公声優      :櫻井孝宏
OP           :「有頂天人生」作詞・歌 - milktub / 作曲・編曲 - 宮崎京一
ED           :「ケセラセラ」作詞 - 林英樹 / 作曲 - 佐藤純一 / 編曲・歌 - fhana

参照元        :Wikipedia「有頂天家族」

【あらすじ】
 千年の都・京都。ここでは古来より、人に化けた狸と天狗が、人間に紛れて暮らしていた。糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父であり、狸界の頭領「偽右衛門」でもあった総一郎はある年の瀬、人間たちに狸鍋にされ、帰らぬ狸となってしまった。遺された息子たち「下鴨四兄弟」の三男で「面白く生きる」がモットーの矢三郎と、それを取りまく狸と天狗と人間たちの奇妙で多彩なキャラクターが繰り広げる奇想天外なコメディドラマ。 Wikipedia 有頂天家族「物語」より

【特徴】
①独特のセリフ回し
②コメディだけどシリアス
③家族、兄弟
④事件の真相
⑤好事家

【長所】
①謎多きキャラの行動が意味深
②微笑ましい家族模様が描かれている
③狸、天狗、人間の関係が面白い
④独特のセリフ回しが見所

【短所】
①日常会話で使われる事の無い語句を多用するため、煩わしく感じる事もある
②一見すると何について描いた物語か分かり辛い

【理由】
{netabare}[ 長所 ]
①作中にしっかりヒントが隠されていました。この謎は物語の引きの強さに寄与していると感じました。
②物語の温か味を感じられる部分です。また、感動する部分は家族関係の話になります。
③3つの種族が狸界の下鴨家と夷川家の争いに深く関わる物語です。この3種族の事情は各個にあり、物語の構成を面白くしていると思いました。 
④本作の目立つ特徴のうちの一つ。特に主人公である矢三郎のセリフが個性的。

[ 短所 ]
①要するに、人によっては何を言っているのか分からないという事になるかもしれません。よって、独特のセリフ回しは長所にも短所にもなると考えます。
②作品のジャンルがはっきりしません。楽しめる事が出来れば大した問題ではありませんが、結局何を描いた物語だったのかが分かり難く感じる事もあると思います。{/netabare}

【総括】
 様々な要旨を題材とした作品です。どの様な作品かという事をはっきり断言出来ませんが、【特徴】【長所】に挙げたような事を描いた作品でした。そして物語は最終話でしっかり締まります。また、上記には挙げませんでしたが作画、音楽共に綺麗で、キャラに至っては扱いも丁寧です。更に、キャラデザインはクセが少なくとても見易いです。尚、笑いを取るタイプのコメディ作品ではありませんが総じてクセが少なく見易いので、万人にお勧め出来る作品だと思いました。



【思った事・蛇足】

●どんな内容?
群像劇、家族愛、その他諸々描かれていましたが
私が思うに本筋は何かと言うと

『下鴨家、夷川家、両狸一族における頭領の座を掛けた争い』

だと思います。
その争いの中で家族愛だったり、種族ごとの群像劇が描かれていました。



●見所が多いと思ったキャラクター

1.矢三郎
  群像劇というよりこの矢三郎メインで進行する物語でした。
  主人公で下鴨家の三男。

2.矢二郎
  カエルから元に戻れなくなった下鴨家の次男。

3.弁天様(鈴木聡美)
  うーん・・・ ちょっと変わってました。
  天狗の妙技を赤玉様に伝授された人間。
  金曜倶楽部メンバー

4.布袋(淀川長太郎)
  大分変わった人でした。
  大学の農学部教授。
  金曜倶楽部メンバー



●好事家
この表現で正しいのか分かりませんが
人生を面白おかしく生きるキャラクター達が多数登場します。

観終えると
人生を面白おかしく生きる方法を模索したくなる!
…かもしれませんw



●阿呆の血のしからしむるところ

意味:アホの血統がそのような愚行を行わせているのだ。

私「あほうのちからしむところ…??」(汗)


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視聴前はタイトルやサムネ画像から作品の雰囲気を想像出来ず
積極的に観たいと思える作品ではありませんでした。
それにジャンルはコメディとwikiに書かれており
笑いのツボに入らなかったら楽しめないかもしれないと
そんな風に思ってました。


しかし
いざ観てみると違いました。


コメディはコメディでも
「笑いを取るタイプのコメディ」ではありませんでした!
コレ重要です!
更には話が進むにつれてシリアス度が上がります。


こんな具合に書くと「堅苦しい雰囲気なのか?」と思うかもしれませんが
そういう訳ではありません。


あらすじにも書かれていますが
ある日、主人公を含む狸一家(下鴨家)の父が人間に食べられてしまうのです。
そして物語は
偉大な父が人間に捕まってしまうという経緯に
徐々に隠された真実が明らかになって行くといった構成になります。
(※勿論明らかになった後も物語は続きます。)
なので
真実に迫るにつれてしんみりする場面や
家族の温もりを感じる場面などがあり
笑いとは程遠い内容だと思いました。


ですが!
描かれるキャラクター達は
わがままな天狗のおじいちゃんだったり
おかっぱ頭の四字熟語を使いたがる双子の狸だったり
はたまたやる気のないカエルだったり。
他にも個性的なキャラクターが登場し
これらのキャラクター達のおかげで堅苦しい雰囲気にならず
最後まで気楽に見ることが出来ました。




総括に書きましたが
兎に角クセが無く見易いので
万人にお勧め出来るのではないかと思います。



●グラフ[物語の転機が分かってしまう可能性あり※閲覧注意]
http://shinbakuns.blog.fc2.com/blog-entry-31.html

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

69.8 2 P.A.WORKSで神社なアニメランキング2位
RDG レッドデータガール(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (1101)
5485人が棚に入れました
「普通」になりたい少女の願いが、未来を変える――
善も悪もない、新たな学園ファンタジー!
世界遺産に認定される熊野古道、そこにひっそりとたつ玉倉神社。
鈴原泉水子は、神社の宮司である祖父に育てられ、外の世界をほとんど知らない。
長いお下げ髪、めがね、引っ込み思案。
泉水子がさわるとパソコンも携帯もなぜかフリーズしてしまう。
「もっと、普通の女の子になりたい」
周りと違う自分に悩んでいた、そんなある日、
幼なじみの相楽深行が玉倉神社に現れて、泉水子の通う中学校に転校してくることに……
泉水子自身もまだ知らない大きな運命が、静かに動き始める!

声優・キャラクター
早見沙織、内山昂輝、米澤円、石川界人、木村良平、福山潤、釘宮理恵、野島裕史、ブリドカットセーラ恵美、石田彰、朴璐美、井上和彦
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ただのファンタジーラブコメだった件。 

全12話  
ブランド:P.A.WORKS
ジャンル:セカイ系オカルトファンタジーラブコメ
テーマ
不思議な力を持つ少女・鈴原 泉水子が普通になりたいと願う成長物語。

【ストーリーと観方】
タイトルにあるRDGとは、絶滅危惧種の少女。
「あらゆる人々が手に入れたいと思うほど、唯一無二の不思議な力を持つ存在」

その存在を巡る話で進みますが、残念ながら不思議な力は部分的にしか判明しませんw
寧ろ置き去りで終わるので、序章と割り切って下さい。

泉水子に関わる相良深行に注視し、どのように2人の関係が変わり築かれてゆくかが観所です。
序盤は、2人の心情描写がブレて苛々しますが、何を成すべきか理解できていない為です。
さらに宗田真響・真夏の姉弟が中盤から組み込まれ泉水子を触発させる存在になります。
宗田姉弟関係により、さらに超展開要素を増し世界観の理解に努めようとすると拍子抜けします。

世界観を占めるオカルト用語を深く理解する必要はないです。
なんとなくボンヤリと雰囲気アニメとして認識すると良いと想います。

【作画】
OPから引き込まれる熊野古道が素晴らしく、全体的に丁寧に描かれています。意外とバトルシーンが多いですが緊迫感は伝わりません。美麗としか伝わらず残念です。

最初からテーマは分かりますが、世界観との整合性を気にするあまり方向性が蜃気楼のようにボヤけてしまいます。2クールで全て補完する内容であれば申し分ないです。原作は面白いと感じさせてれるモノはありました。

以下、各話感想・個人的な解釈で用語を綴っています。

1話{netabare}
主人公・泉水子のキャラデザインが悪い印象を植え付けるイメージに感じられました。

人をイラつかせる気質というのでしょうか。 
幼少時代から変わらないお下げ・眼鏡・内向的な性格。
まるで昔の虐められキャラの特徴みたいですね;

そんな彼女がある時、変わりたい想いによって前髪を切ることで
少し世界に良くも悪くも変化が起こります。
彼女の不思議な力が関係しているみたいですね。

RDGとは、絶滅危惧種の少女
「あらゆる人々が手に入れたいと思うほど、唯一無二の不思議な力を持つ存在」
と、彼女の不思議な力が、どれほど偉大なモノかは不明です。

そして変わりたい彼女は親に決められた高校に行きたくない と決意します。
その意志を尊重するのが、深行は山伏の家系みたいですね。
一生、彼女を守る・擁護する存在とは不憫すぎますね。

それによって彼も色々と犠牲になっている部分もあるんでしょうね。
だからと言うて幼少時に泉水子を虐めていいわけではないですが・・・。

と、人間臭い心理描写が掘り下げられて私は好きです。

普通に生きたい彼女の想いと不思議な力の謎をゆっくり見せる雰囲気ですね。
ひとまずP.A.WORKSに期待してみましょう。{/netabare}

2話{netabare}
修学旅行(東京)へ深行と二人で母に会いに行きます。
道中、真っ黒な悪霊?みたいなモノに付きまとわれます。
彼女を利用したい霊とわかります、どうやら彼女は憑依体質で、
彼女に降臨する姫神という存在を欲する理由らしい。

能力説明・深行が泉水子に少し動揺しながらも守る姿勢が好感触になった話。 {/netabare}

3話{netabare}
和宮の正体が神格の霊で彼女が望んだから現れ霊になったらしい、ここを去ろうする泉水子を行かせないとするが・・・深行のヘタレっぷりがでるが神格の霊がそれだけ偉大で恐怖する行動は納得。
それよりも深行が鳳城学園へ行くから、私も行く てどうなの???
心移り激しすぎ、「なんで、私、父に逆らってまで転校したいと思ったんだっけ」 とシーンがあるが、軸がブレすぎでしょ、性格が変わりすぎでしょ、呆れた。
それが伏線なの? と云いたくなる。
そして舞、また舞ですか、P.A.WORKSの十八番ですね・・・全作品で必ず出てきます。{/netabare}

4・5話{netabare}
神霊と話せなくなると人類は滅ぶ、これが物語の肝らしい。
真響と真夏の術により死んだ三つ子・真澄が神霊の力で、高柳の式神を圧倒する。
陰陽師や術師など登場するが、泉水子と深行のラブコメに近づける構成になっているだけですね;ラブコメは好きですが、浮世離れした世界観に生きるキャラ達に感情移入できない。 {/netabare}

6話{netabare}
学校の存在意義。その背景は高柳を絶滅危惧候補にする目的で設立されている節があり、それを阻止する真響派の対立。真響は生徒会を自らの一派に組み入れようとするが、中立な組織かつ判定者という位置付け。
だが、現状、真響の力だけでは高柳の式神に抵抗力が弱い為、、泉水子を引き入れるとするが・・・それに見合うパートナー深行の力量を試そうとする。 
やっと全体像が見えてきましたが、RDGを求める組織背景が現状ないのでキャラが泳いでいる雰囲気。
恐らく深行と泉水子は真響と対立することはないが、姫神の力を知られ巻き込まれてゆく展開かな と安易だが感じます。{/netabare}

7話{netabare}
スピード感あるテンポがない為、物足りないですね。 物語としてはおもしろいと想うが、キャラの掘り下げにシャーマニズム要素が色濃く表れ現実感とオカルトのバランスが悪いですね。
深行の技量は一般人程度だが動じない度量から期待させてしまった結果、真響は拍子抜け今後なにか裏がありそうな気もしますね。
日本史研究会のダメ元勧誘・生徒会長の舞・真夏の馬が死にかけ帰省。真響と真夏の共有にズレが生じると真澄のバランスが悪くなるとのこと。そして互いに真澄への想うバランスがズレると、恐らく真澄が存在できなくなるのだろう。 その為、真響が真夏を想うことで均衡が崩れる為、真夏は逃げた。 と、継ぎはぎのように辿っているが本筋は大丈夫ですか・・・。{/netabare}
8話{netabare}
まず、視聴が辛くなった; 真夏は真澄と一緒になることで真響の幸せを考えていたらしい、対象相手が神霊で瓜二つの顔立ちでわけわからなくなってくるw 
そして真澄から真夏を奪還する為に姫神の力で行くが、真澄は泉水子に探りをいれるが、その気持ちに触れることで真夏の意識が戻され全て出てしまうと真澄でなくなるらしい、要は一部の真澄の意識が全て真夏を支配され消える と、だが、誤って真澄を解放し暴走する所へ母が姫神の力を使い封印して終わり。回りくどい構成ではないか? もう少しスマートにできないのか; 深行も真夏を助ける為にでむくと黒い羽があったり、和宮が助けてくれたとか、なんかついていけないw{/netabare}
9話{netabare}
超展開で文化祭で高柳との紛争まがいの話は蛇足にしかなっていない。姫神の存在は泉水子の血筋の者で人類を絶やす程の力によって滅亡という未来が変わらなかった、そして自分の力が人類と敵対することから、この力を引き留めてくれる存在を求め人類を救おうとしている連中が山伏や和宮とのこと。 後半だけ観ると面白いが、説明口調で流し駆け足で面白みが半減している。全体的な物語としての魅力が欠け過ぎている。 そして深行に普通の女の子として認めて欲しい という変わりたい真意がわかったが、これまでの心情描写の表現が活かされていない、全て後手になり詰め込んでいる様にしか見えない。{/netabare}

10話{netabare}
再び学園祭の主軸へ変わる。泉水子と真澄の会話内容が引っ掛かったぐらい。真澄にとっての好きとは食うという行動。高柳は霊を取り込む使役するという。解釈らしい。何かしらの伏線とわかるが、不明すぎる。そして真響とのズレとは? いい加減、説明しろと言いたくなる。後2話で終わるの?{/netabare}

11話{netabare}
戦国合戦という催しの裏にある高柳VS真響派閥の世界遺産候補を賭けた戦いが始まった。
その一方、泉水子自身は先日の件によって深行から再び携帯電話を持たされる。また、壊すかもという不安もあったが、深行を信じ自分も信じたいと願い持つことに。
その矢先に高柳の陰陽術にはめられ暗示を掛けられる。高柳の目的は、フェイズ・新たな相を作り人間の都合が良い世界にすると考えているっぽい。 その計画を担う予定であった泉水子の暗示が解け、自力で姫神の力を使いフェイズを潰す! 
そして姫神であることが周りにばれ、普通で居たいと想う気持ちとの拒絶となった。そしてフェイズを潰した反動で地鳴りが起きる。
もう、ついていけない展開と割り切っていたので、クライマックス少し面白くなってきたw{/netabare}

12話{netabare}
冒頭から坊主から姫神が目覚める予言が~とか真夏が傍を離れたとか意味が分からん。そして深行と真夏は泉水子を探すがいない。居たのは犬になった、高柳www なんだ、いきなりギャグみたいな展開で笑ったw 泉水子は新たなフェイズに消えたとのこと、カラスの和宮と犬の高柳を連れて助けに行くことになる。
この時の深行の台詞がこのアニメで一番面白かった、「鳥と犬がお供だな、猿がいれば桃太郎だな」 このクライマックスでその台詞はおもしろすぎるwww
そして真澄が使役するた霊を倒さないと泉水子には会えないとのこと。
一方、泉水子の心情描写として地鳴りを起こすほどの力があったのは、姫神ではなく自分だったと別々の存在だと私が想いたかっただけなの? と自問自答するところへ深行の信じる力で全てをなぎ払い、2人を繋ぐ携帯電話によって泉水子の元へ辿り着く。
そして泉水子へ命令口調で告白する「必要だって言えよ!」。
まるで台詞回しがキムタクみたいでちょいクサすぎで恥ずかしいw 姫神にならず、人類を滅ぼさず、必要だって言えよ。
すいません、くどかったですねw
これが泉水子の欲しかった台詞ですね、変わりたかった理由は、普通の少女として見てもらいたい。
という想いを全12話で描き序章になった作品。{/netabare}

【解決した内容】{netabare}
■12話 真響のズレについて説明がありましたが、整理するとこういうことかと。
真響の望みは真夏へ心臓をあげて1つになること。真響は真夏と真澄がいつも一緒と考えているので、3人が一緒になるという意味と解釈した。真響は真夏しかほぼ眼中に無いので真澄とのズレが生じたいう見解でいいのか原作読まないとはっきり分からないね。 だから、2人が消えずに済む方法として、泉水子を好きになることで解決しようとした。 真夏が真澄は変わらないヤツだったと想っていたけど、好きなヤツを見つけたんだという台詞があることより。
また、最後に浮気してごめんという台詞を考えると真響のズレは真澄のズレにもなっていたと解釈でき、その意図がわかった真響は3人の関係修復がされた様にもみえる。

■泉水子がなぜ姫神の力を持ったか、そしてRDGとは何か?
人間よりずっと高い波動に神霊は住んでいる、昔は多く居たが今は絶滅危惧種とのこと。
要は、姫神が特別視されていない時代があってその子孫である泉水子にもあって当然と解釈できる。
それがどういう経緯で滅びに繋がる力になったのかと気になりますね。9話の説明だけではわからんw{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

イライラして、怒りすらこみあげてきましたw 雑すぎる話しでラノベの怖さを知りました

久しぶりに見た気がする、一見まともに見えるけど、かなりの無茶振りアニメ。
設定が謎すぎて、1~3話あたりまでは、唐突な展開にかなりの混乱が予想されます。
視聴していてもペースがつかみにくい。

{netabare}
巫女に山伏、陰陽師やら、それ系の学生を集めた学園モノ
とわかっていれば、それだけでも理解するのが早いのになぁ。

特に最初がホラーめいた展開で“あえて違う方向へ混乱を誘っている”
のがわかるだけに、ちょっと惜しい。

東京レイブンを思い出す設定ですが、
残念ながら満足度は200倍くらいあちらが上か。

無駄にわかりにくくしたこと&誰も彼もがめんどくさい設定
かかえてて、内輪で争いあう内ゲバ設定に、作品のおもしろさ
が半減してる気がします。

では、気を取り直して~。

ヒロインの泉水子(いずみこ)は熊野神社の巫女さまで女子中学生。
いつの日か、その身体には姫神が降りてくる予定の神聖な身体のようで、
その秘めた力を狙う輩が無数にいるらしい。
それも人間から悪霊の類までいろいろと・・・。

そこでボディーガード役にと幼馴染の相良(さがら)くんが
転校してきますが、この相良くんの性格がキツイのなんの。
幼い頃は、泉水子が泣くまでボールをぶつけて楽しんでた
という根性曲がりです。(その後、いい人に変化)

ただ、山伏としての法力は低レベルで、
あまり戦力にはなっていないような~。
なので完全無欠の白馬の王子様タイプのヒーローというわけでもなく、
実力不足を気合いで補おうとする性格ですね
(ほぼ無理ゲーなんですが)

でまぁ、すぐに気がつくのが、この作品の世界の設定が
ちょっと異常だということ。

ラノベによくある唐突な展開もですが、この世界について
何も情報を知らされず、キャラ同士も話さないしで、
たとえ泉水子の仲間や味方のそぶりをするキャラでも、
何かしら裏があったり、泉水子の力を取り込もうとしてくるんで、
正直、いいように使われてる泉水子に気がつけよと、注意しろよと、
アホさ加減にイライラしてきます。

特に世間知らずで育ってきた泉水子は重症ぽいです。
メンタルが激弱で、ちょっとしたことで怯えてオーロラ
リバースしちゃうし、それでいて知らないことを恥と思わず
強気の逆切れをしてくるのでやっかいです。

→何してんだよ!
→そんな怒らなくても!
→ダメだって言ったじゃないか!
→ワタシ、知らない!!!
→さらなるピンチへ
→何てことしてんだよ!
→だってだって!
→ダメだって言ったじゃないか!
→ワタシ、知らない!!!
→被害甚大な事件へ
のパターンの繰り返しです。

見てるとお父さんもお母さんとも離れてくらしている
(お父さん海外?お母さんは公安勤めで離れ離れ)ようで、
どーしてこうも育児放棄してるんかなぁ~と。

誰もが泉水子は重要だ、大事だといいながら、その役目や意味合い、
警戒すべきものなど、何も教えず育ててきたって・・・ちょっとねぇ・・・。
まぁ、いつかは姫神が降りてくれば、泉水子の自我なんて
消えてなくなるかもと思えば、あえて何も教えていないのかもしれません。

ただですね、それならそれで、中学を卒業してから東京に
行かせたりせず、ひっそりと熊野で過ごさせるだろうし、
合点がいかないんですよね。

物語は中盤から学園遍にはいります。
実はこちらが本編の模様。

能力者に囲まれて、ようやく穏やかに暮らせるかと思いきや、
結局、ここでも学園内での権力争いに巻き込まれ、トラブル続きに。

親友ポジションの女子友のマユラですら、学園トップの座を狙っていて、
泉水子の力に気がついており、派閥の仲間に加えたら戦力になると
そろばんを弾いています。
※相良くんが止めるのもきかず、姫神の秘密を話したための模様

で、毎回、損な役回りで苦労して大怪我を負わされているのが、
前述のボディーガードの相良くんなわけです。
無用の争いに巻き込まれるのはごめんとばかりに、
早くから中立を表明する生徒会にはいります。

それが泉水子をまもることにもなるだろうと考えですね。
ですが、マユラの勧誘は続きますし、泉水子もマユラを信じている風で、
相良くんの苦労はなんなの?て感じに。

あげくマユラからは、泉水子のボディーガードとしての本当の能力を
試すべく、天狗の集団からボコられたりもしますw
※相良くんの法力は、ここでは素人・初心者レベルです!

ひどいですよね~。
てか、このときの泉水子が最悪なんですね。
ぶるぶる震えながら弱弱しい声で「やめて・・・」というだけ。
でもマユラは強引で、怪我する前に本気出しなさないよ!
とかえらく上から目線でやめる気もなく、これには殺意すら抱きましたw

泉水子、お前のために怪我してるのに、なんでもっと必死に
止めないのか? マユラに殴りかかるくらいできないのか?
なんでそんなに簡単に許してしまうのか?

エリート校という設定で、術士としてもそれなりの血筋の子弟が
集まっているはずなのに、学園内では術のかけあいやらやり放題で
周囲にも迷惑かけまくりのルールもへったくれも無用の無秩序状態。

さすおにの風紀委員みたいな存在もなく、こんな危ない学校
をすすめて入学させた両親の見識も疑うレベルです。

まぁ、最後まで本当の悪人が登場しないんで、そこだけは救いか。

一応、最後まで見ようと思えば見られる話しですが、
設定が微妙すぎて、自分はないですね。
正直、おすすめしません。

話しは単純なだけに、もう少しシンプルに構成しなおして、
仲間と協力して立ち向かう物語にするとかすれば、
ストーリーに引きこまれていたかもしれません。

追記
泉水子を怒らせて、犬の姿に変えられてしまった高柳くん(陰陽師)。
元の戻し方がわからないからって、最後まで犬の姿だったけど、
もどれるんだろうかw ←すごい適当設定ですよね

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

ネガエバデテクルヨー

山伏、陰陽師、心霊などなど、和風学園ファンタジーの世界観は魅力的であったが、
正直なところ、人物に共感できず、世界観にもあまり浸れず・・で退屈に感じることが多かったアニメ。
全体的に自己完結・自己中心的な考え方の人物ばかりに感じる。
ちょっと打ち解けたと思っても次の回になればそれぞれ勝手に行動してることなんてことがざら・・。

あまりに特段楽しめた点が思いつかなかったのでせめてどうしてつまらなかったのか分析してみることに。

■人物への感情移入の難しさ
作品の性質としては、泉水子とそれを取り巻く環境の変化(はじめての○○という経験)を眺めながら、
周囲との関わりや泉水子自身の心情を感じ取っていく、というタイプのものだと思うのだが、
まず話の軸としての目的(世界遺産云々)がぼかされているので、各々人物の目指すところが分からない。

目的がはっきりしないので、考えも掴めず、行き当たりばったりでふらふらとしている印象しかなかった。
主軸となる主観的視点もなく、客観視できるほどの説明もなく、断片的な情報が飛び交うよう。
それが当然のように受容されている超常現象と人物たちの心情に視聴側とのギャップを感じてしまう。

■盛り上がりの乏しさ
なにがどれほど凄いのか、怖ろしいのか、とかが感覚的すぎてわからない、というのもあるかもしれない。
具体的に泉水子ちゃんのやったことといえば・・{netabare} 電子機器破壊したくらいじゃないか? {/netabare}
結局不思議な力とはなんだったのか、どんな選択に迫られ、なんの決定をしたのか、
世界遺産選定やらは何の関わりがあったのか、サブキャラ達は何がしたかったのか・・
その辺りは全くわからなかった。

ホラー要素のようなものもあったが、差し迫った危機として感じられるような展開にはならず。
とするとやはり人物の心情変化等に注目するしかないのだけど、
前述のように共感は難しく、そこに至るまでの展開も毎度唐突なんだよ・・色々と・・だった。

視聴時感想
{netabare} P.A.Worksに外れなし!との期待を込めて観始めたアニメ。
でも1話の時点では話もまだ見えてこず、登場人物にはイライラさせられること請合い。
見所もみえてこないので本当に様子見状態。

<先行6話まで観て>
関心が上がった回を↑ 下がった回を↓ 変わらなかった回を→とすると
1話→ 2話↓ 3話→ 4話↑ 5話→ 6話↓ と、こんな感じ。
全体的に演出ながい・内容わかりにくい・会話がおもしろくないの三拍子で、未だビミョーな感じ。
もともと晩熟型のイメージだし、後半展開を期待してるので切るつもりはないけど、
うーんどうなんだろう、現状でもうかなり楽しめてるって人もいるんだろうか?

先行7話 やっぱわかりにくい物語っすね 今回の展開をテキトーに要約してみた。
{netabare}
前回の続きからバトルウウ→ネガエバデテクルヨ!→相良ほんとに弱かったんやなwww→デュフフ我らSMFソーダマユラファンクラブですぞ→さがら「うわ頭ぶつけたいてえwww」→\突然の舞/→いずみこ「あやべえ真澄幽霊だから成仏しちゃうじゃんwww」→ますみ「うわーふっとんだー(だがこのフィールドでは俺の方がつよい)」 さがら「納涼できたっしょ?(フォロー完璧)」→馬がしにそうううう→真夏「まゆらと認識がずれたらますみがやべえからおまえくんなしwww」→まゆら「来たよ!」→真夏「くんなっていったのにwwwうわああいでよスタンド馬 SBRいってきます」
まぁソーダさんと三つ子関係の掘り下げをしたいんだなぁ~という感じはわかった。
真夏の意味深な発言やらは次回明かされるんでしょう。
{/netabare}
わからないことが多くてもやもやする展開多いな。


8話
「唐突なんだよ・・色々と・・」 まさに

11話
「今のは何だ?」「わからない・・」
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

65.7 3 P.A.WORKSで神社なアニメランキング3位
グラスリップ(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (1165)
5336人が棚に入れました
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。

声優・キャラクター
深川芹亜、早見沙織、種田梨沙、逢坂良太、島﨑信長、山下大輝、東山奈央、茅野愛衣
ネタバレ

アガパンサス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

グラスリップ解説最新版・分かりました

ネット上では「分からない」としか言われていない本作品。
いくつかの話をピックアップして見ていこう。ただし最終回の伏線になっているところは途中でも解説してしまうので、一通り観てからこのレビューを読んでくださいです・・・

1話のポイント
{netabare}
1話は最終話への伏線が沢山あるので重要。
・ヤナが「先のことは分からない」と言うが、透子は「ずっと友達でいたい」と言う。
→ヤナの「不吉な」セリフが、話数の進行に伴い、従来の友達関係が壊れていくことの伏線になっている。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→このとき、目をつぶって手を合わせている点に注目。最終話で同じセリフが言われるが、その時は手を合わせないし目をつぶることもない。より前向きになっていることが分かる。つまり、1話の時点で、透子は未来を他人任せというか「なんとなく」しか意識していなかったが、最終話で「はっきりと」意識して「自分で切り開く」ことを決心したのだと言えるだろう。
・ジョナサンが浮いている。残りの名前にフッサールとか出てくる
→間違いなく、「浮いている」ジョナサンとカケルが対応している。
→最終話でユキが「ジョナサンは冒険者だが、残りの名前はみんな哲学者だよな」と言うのに注目。
・透子は「放し飼いがいい」と言うが、カケルは「猫に襲われるだろ」と言う
→自由がいいか、守られているけれど不自由なのがいいか?とも解釈できる。カケルが自分自身の殻にこもっている証拠ともいえる。これを補足するものとして、透子の家でジョナサンが暴れまわるが、これは自由への欲求とも受け取れる。
{/netabare}
2話のポイント
{netabare}
・カケルは透子と会って、初めて映像と声の両方が合わさった欠片を見た。
→カケルは音の欠片を聞き、透子は映像の欠片を見ている
・透子が4人の友達から離れて電車がドン!な欠片
→これは、4人が死ぬという意味ではない。この時点でも想像はできるが、12話で透子が「私がみんなと過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことによって、はっきりと伏線が回収される。つまり透子は4人と親しい友達でいるつもりだったが、それは表面的なもので、実は透子自身は浮いた存在であり、次第にそれが明らかになっていく、ということ。今後の話で、まさにこの映像のようなストーリー展開がなされていく。
・ユキとヤナの恋愛感情が露呈して、5人の友達関係が崩れていく
→カケルは5人にとって「部外者」。しかし部外者の登場によって5人の表面的な関係が崩れていくのである。
{/netabare}
3~6話は、あまり重要ではない。未来の欠片をめぐって視聴者はじらされる。その中で、次第に5人の中の恋愛感情が育っていく回だとみておけば、大きな間違いではないだろう。一応5、6話だけ少し。
5話のポイント
{netabare}
・ヒロの恋愛感情がサチに向いている
・ヤナがユキに棒読みな告白をする
→これで5人の友達関係は完全に崩れてしまった。5人の人間関係はヤナが1話で予言したように「変わって」しまったのである。
{/netabare}
6話のポイント
血なまぐさいケンカがあるが、それ自体はあまり重要ではない
{netabare}
・透子がカケルとのキスシーンの欠片を見る
・カケルが「透子に味方してほしかったのかな」と言う
→透子とダビデの心理的な距離は近づきつつある
{/netabare}
7話のポイント
未来の欠片の正体が判明したり、カケルの今までの人生がどういうものだったかが明確になる非常に重要な回である。
{netabare}
・3人のカケル
→カケルは常に自分を冷めた目、つまり第三者的な目で見ている。これはすべてのことについてもそうである。
・テント暮らしの象徴するもの
→カケルは常に世界の「外」にいる。透子達5人に対しても、輪に入ることはなく「外側」にいようとする。
・透子が「高いところに登っちゃダメ」と言うが、カケルは「少しでも落ちる可能性のある所には登れない」と言う
→カケルは「挫折に対する恐怖」を感じている。だから何事も夢中になることがなく、冷めた目で外から見つめている。このことが、1話で透子に「そんなのお前の価値観でしかないだろ」というセリフにつながる。つまりカケルにとって「価値観」はすべて相対化されており、「カケル自身が何をしたいのか」という部分が気持ちの中に全くないのである。
・最後の砂浜でのシーン。ヤナの後ろ姿から鳥(後にトビと判明する)が沢山飛び出してきて「お似合いカップル」と憎らしくつぶやく「映像と声があわさった欠片」を透子が見る
→「未来の欠片」は、タイムマシン的なイメージで捉えた未来の予測ではなく、その人が抱えていたり自分が遭遇している現実に隠された「本質的なもの」と考えられる。これは最終話で透子が「未来ではなく、まだ起こっていない、でもきっとこれからおきること」という言い方もしている。「未来の欠片をみる力」というのは、「現実に表面的に存在しているわけではないが、そこに潜む本物をみる」能力と言ってもよい。「本当の想いや本音、隠しているもの、隠されているものを見る力」と言ってもよい。少なくとも、「ふつうの意味での未来」とは別の意味が「未来」に隠されていると考えないと、このアニメのストーリーが意味不明になってしまう。透子とカケルは未来予知能力者では全くない。
・9話の伏線として、サチが透子への好意をヒロに打ち明けるシーンがある。その打ち明け方がドロドロしているためか、ヒロはサチと一定の心理的な距離を置くようになった。これを、「ヒロはサチの友達でしかないと悟った」と解釈する人がいる。そうも読めるが、後で二人は登山デートをして、ついにヒロがサチを背負うところまで仲が発展していくのだから、「単なる友達」ではない。10話でヒロがサチへ読書感想をメールで伝えるというシーンからも、やはり二人の関係は特別なものになっているのである。ヒロがサチから一度心理的な距離を置いて冷静になったからこそ逆に本物の愛につながっていくのではないか。
{/netabare}
8話のポイント
カケルと透子の関係が重要な段階に入る。
{netabare}
・透子の欠片:二人の女性の会話中に窓ガラスが割れる→表面的な二人の関係を見破ったということではないのか。
・雪が透子の欠片の中で降り始める
→欠片の中に透子とカケルがキスをするシーンがあり、「やはり二人は両想いであることがはっきりしていくのかな?」と予想することは簡単である。では、雪の正体とはいったい何だろうか?これは、12話で透子が見るカケルの「唐突な当たり前の孤独」のシーンにつながる。つまり、キスをするだけでなく、カケルが抱える本当に重大な問題を透子が理解することによって、二人の関係は単なる肉体関係としての恋愛ではなく「本物の関係」になるのである。
{/netabare}
9話のポイント
{netabare}
・サチが透子とヒロの二人に告白する。
・透子がスケッチに描いた鳥を消している→これがトビの姿なので、7話でヤナから飛び出した鳥はカラスではなくトビではないかと思われる。あまり本質的ではないが・・・
・サチの言う重要なセリフ:「明日のために」→最終話への伏線。明日のために今日を一生懸命生きよう、ということ。
{/netabare}
10話
{netabare}
・ヒロが読書感想メールをサチへ送る。ようやく気持ちが通じ合ったかなと言う感じがする。
・カケルが欠片を見ることができなくなった
→次第に自分自身の「外」から「内側」へカケルの気持ちが移ってきていることの証。平たく言えば、カケルの「自分自身」が「覚悟を持って生きる」決心がつき始めている、ということ。
・「唐突な当たり前の孤独」
→「自分に友達が出来ても、自分が引っ越しなどでいなくなったらその友達は自分のことを忘れてしまう」経験のこと
{/netabare}
11話
{netabare}
・透子とカケルが一夜を過ごすが、カケルは「一緒にいるのが怖い」と言う。カケルは転校しようとしていたが、母に「一緒に世界を回らないか?」と誘われてしまう。だから、せっかく透子と仲良くなったのにまた別れる羽目になってしまい、やがて透子に自分が忘れられてしまうのではないか。また唐突な当たり前の孤独を味わってしまうのではないか。だったらやっぱり透子との仲は無かったことにしよう・・・というカケルの気持ちが読み取れる。
・サチがヒロに「また山に歩いて登りたい」と言う
→そういえば3話では車で登っただけだった。より二人の仲は親密になっている。
・サチが「近くにいるのに相手が見えないって不思議じゃない?」とヒロに言う
→二人の仲はまだ本物になっていないことを想起させる。雪はその象徴であると考えれば、透子の欠片がどういう意味かも説明できる。つまり、カケルがこの孤独についての問題を解消できない限りは、カケルと透子が本物の関係になることはできない、ということ。ただしカケルと透子は二人で花火の欠片を見ることができているので、二人の世界を共有し始めているのは確かであり、本物の関係になっていくと期待できる。もしかしたら、サチも「唐突な当たり前の孤独」を感じていたのかもしれない。病弱で学校にあまり行かないから友達が出来なくて・・・そうした中で透子は大切な存在だったと・・・
・カケルの母のピアノ演奏が始まり、カケルと透子は手をつないで聴き始める。
{/netabare}
12話のポイント
2話の重要な伏線が回収される回である。
{netabare}
これは並行世界でも未来の世界でもない。カケルの感じていた「唐突な当たり前の孤独」を透子が感じるシーンが大半を占めている。透子が「私がみんなと一緒に過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことで、2話の欠片についての説明がなされ、伏線が回収される。最後に、透子は現実の世界に引き戻される。

※補足
「これは単純に透子が友達を失う苦しみじゃないか」という意見がある。そうではない。冒頭のシーンで透子は4人に喫茶店で会っている。でも4人はいまひとつ透子のことを見てくれていないし、花火大会で挨拶しても「覚えていない」。たぶん、カケルもこういう感覚を味わっていたのだろうなと想像できるのだ。さらに、前述したように、このシーンは透子と4人の関係が露呈するという二重の意味もある。失うのではなく、「元々本当は」友達ではないのだ。

※補足2
したがってこれは透子が4人に対して感じた疎外感でもある。その中でカケルだけは「本物」だった。カケルが透子にとって本当に大切な人になった瞬間である。

{/netabare}
13話のポイント
この回ですべての重要な伏線が回収されると言ってよい。
{netabare}
・4人が喫茶店に集まる。ヤナが「偶然5人集まること、前はよくあったよね。」と言う
→やはり2話で透子が見た欠片につながっている。やはり5人の関係は変わってしまい、透子は4人から離れてしまった。これは見方を変えれば、5人の仲は「本当は友達ではなかった」と露呈したともいえる。残る4人の関係も変化しているためヒロが言うように「何かキンチョーする感じ」である。
・カケルが山歩きをしていたのは父の影響と判明する
・透子の母も欠片を見ていたと判明。しかし「思いもしなかったことばかり起きた」と言う
→「未来の欠片」は、やはり普通の意味での未来ではないことは明らか。母は「今、精いっぱいやらないと」とも言う。これが、このアニメで最も重要なテーマと言ってもよい。
・流星には「星に願いを」と言うように、「願い事」の意味が隠されていると言える。将来への希望である。
・「ジョナサンは強いて言えば冒険者」とユキが言う
→カケルは「放浪」ではなく「冒険」を始めた、と読み取れる。前向きに生き始めた、ということ。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→1話の花火大会で言った時よりもかなり前向きな言い方になっていることに注目。すでに解説済み。
・テントはもうない。だからカケルはもういない。しかし一人で登校する透子には「透子」と呼びかけるカケルの声が聞こえる。
→カケルと透子は別れてしまった。二度と二人が会うことはないのかもしれない。しかしカケルのことを透子は覚えているし、二人の想いは通じ合っているのである。だから、「友達ができても自分はやがて忘れられる」ということはもうない。カケルは「唐突な当たり前の孤独」を感じて苦しむことはもうなく、人生の意味を見出して前向きに進み始めているのである。そして、二人をつなげているのが、山で投げたビー玉?のうち、拾い忘れた一粒(最後に出てくる青い玉)、ということになっている。さらに、この山が二人にとっての「一緒に過ごした忘れられない場所」なのだ。また、透子は4人から離れて一人になってしまった(やがて4人からは忘れ去られるかもしれない)が、それは「唐突な当たり前の孤独」ではなくもっと力強い孤独である、という意味も込められている。
{/netabare}
<まとめ>
グラスリップは、要約すれば「カケルが透子と出会うことによって人生の意味を見出した」アニメと言えるだろう。
<感想>
ここまでメモを取りながら「読む」アニメは初めてだった。何度一時停止をしたか分からない。でも「分かった」時の感動はすごいものがある。いやー感動しますよ。TARITARIをはるかに超える、爽やかな美しい感動ですよ。

<補足>
OPで少し幼い透子たちが描かれている意味
→この時点でヒロがサチに好意を抱いている。つまりこのころから5人の関係は変わり始めていたが、表面的には今まで通りのつもりだった・・・と解釈できる。ちなみに、サチと透子が親しかったらしいこともわかる。
ジョナサンがカケルならニワトリが5羽しかいないのは何故?
→ジョナサンはカケルだけでなく透子も象徴しているのではないか?二人とも最後は唐突な当たり前の孤独を共有し、最後はそれを振り切って前へ進んでいくという共通点がある・・・トビはもちろん、カケルのように「世界を外から見る冷めた視点」のようなものを表している。
「グラスリップ」の意味
→グラスとトリップ(旅)と西山監督が言っている。個人的にはこちらの方が好みですね。透子がガラスのようにキラキラしたものの向こうに「未来の欠片」を見る。これを「未来へ飛ぶ=トリップ」と捉えたイメージ。しかしそれではスペルがGlassripにならなければならない。
→Glass+slipで「ガラスが滑る」という意味もある。ガラスが滑ると割れる=5人の人間関係が壊れる、ということ

<日本アニメの終焉について>
 こういう難解なアニメが受けなかったということは、もう日本のアニメは終わりに来たのかなと思えてくる。
 ざっくりと日本のアニメ史を分けるとするならば、昭和世代と平成世代に分けることができるだろう。昭和時代の作品は「何かが起きて」物語の進行とともに大きな山「クライマックス」ができる、という素直で爽快な「格好いい」ストーリー性があった。
 しかしこうしたストーリー性のネタが次第に切れてきた。それが平成時代である。ここで登場したのが「何ですかこれ」的な作品である。それは例えばセーラームーン(ただしTV版、原作は根本的にテーマが異なる)のようなパロディ性のあるものであったり、エヴァンゲリオンや少女革命ウテナのようにストーリーの軸を視聴者の予想を「あえて」裏切る形で完結させようとする作品であった。これは、ネタ自体の新しさを追求するのに限界が生じたために、その構成の仕方について新しい手法を提案したためである。これは、ストーリーにいくつかの解釈の可能性をもたせるものであるため、「考察厨」の間で論争が起き、「話題」になることによって作品が売れる、というビジネスモデルであった。しかし視聴者はすぐにこのモデルに順応してしまい「慣れて」しまった。こういう作品を苦労して作っても、「要するにいろいろな解釈をすればいいのだな」「考えるのではなく感じろ」という風に「冷静な」感想しか出てこない。
 視聴者にインパクトを与えるにはどうしたらいいのか?昨今のマンガ作品は「どれも似たようなもの」や「既に観たことがあるもの」になってしまっている。萌えに走るとただのエロアニメとして批判され、ギャグはネタが古いorひねりすぎとして批判される。SFは既に科学の世界で実現しつつあるものか、既に実現したもののデフォルメでしかない。「技術」に走ってグラスリップのような作品を作ると、「どう解釈することもできない」意味不明な作品と受け取られてしまう。だから、新しいものを作っても新しさが今一つだし、ウケないのだ。
 どこの世界でも、最近「イノベーションの重要性」が叫ばれつつあるが、これはイノベーションが困難になってきている証拠だと思われる。
 ホント、これからのアニメ界、どうしたらいいのでしょうね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ガラスを透かして見た世界の向こうは、あやふやなれど美しい

この作品、皆さんの評判がすごく悪かったので逆に見てみたくなりました。
いえただ単に評判が悪いだけならスルーするところなのですが、皆口をそろえて「意味が分からない」との感想ばかりで。
何がそんなに意味不明なのだろうと見始めたのが経緯です。


結果として、確かにむず痒い感覚の残る作品でした(笑)

でも悪い作品かというと個人的にはそう思いません。
グラスリップを見ている間は色んなことが頭の中に浮かんでは消え、浮かんでは消え・・・意味は全て理解できなくとも心を満たしてくれました。

こういう作品なので、たまには足りない頭を絞って少し考えてみたいと思います。
一応本編及び『true tears』のネタバレを含むことをご承知の上でお読みください。



ものすごく長い{netabare}
この作品を語るときしばしば西村監督の前作『true tears』の話が出てきますが、比較すべきは恋愛要素ではないと思います。(厳密には前作ではありませんが同制作会社の同監督作としてよく比較されるため)

多分true tearsといえば‘主人公の眞一郎はどのヒロインとくっ付くのか?’という部分が最も面白くて作品の肝になっていると考えている方多いと思います。

自分も昔はそう考えていたんですが、グラスリップを見てみた結果監督の最も見せたかった部分はそこではないんじゃないかと思い直しました。

肝心なのは、眞一郎が誰と付き合うかではなくこの先どう生きていくか。

恋愛の中で彼の選び取った未来、その結果として誰がパートナーとしてふさわしいか。そんなストーリー。

岡田麿里さんが絡んだことで恋愛要素がマシマシになり、そちらばかり注目されますが、監督のやりたかったことはもっと素朴でいて広いテーマだったのかなと・・・。
(岡田さんのシナリオのおかげで面白さが増して現在の高い評価があることは異論の余地もないです)

今もう一度true tearsを見ると評価も変わってくる気がします。



ですから、おそらくtrue tearsからグラスリップのテーマ自体は一貫して『未来』だったと思います。

今回は監督色が強まった分恋愛色は薄まり、それぞれのキャラクターの行く末に目が向けられています。

恋愛アニメとして期待して見ると、消化不良でもの足りなさを感じます。

告白シーンの淡泊さ、その後の経過のあっさりさ。


恋愛モノで面白いところといえば、「誰と誰がくっ付くか」「いつくっ付くか」そして「共感できる心情なり台詞」にあると思います。

ところがこの作品はそのどれもイマイチ当てはまっていません。

誰と誰がくっ付く、の面白さは既に六人の中でカップリングがほぼ出来上がっているのでドキドキはあまりありません。

いつくっ付く、の面白さも序盤で告白を済ませて関係に破たんも見られないため特に高揚感も無し。

そして視聴者の共感、ですね。これが上手く行かなかった要因は、やはり透子と駆の複雑な心情描写に限ります。

複雑なことそれ自体が問題とは思いません。
true tearsでは乃絵の複雑な感情表現を、眞一郎が視聴者の声を代弁する形で問答し乃絵の真意を引き出していたため、全くもって理解不能とはなりませんでした。

グラスリップではその代弁者や仲介役が存在せず、二人の意味深な会話が視聴者にダイレクトに伝わる形でした。

視聴者の「どういうこと?」の疑問に応えてくれるキャラは強いて言えば透子の母である真理ということになるでしょうが、それでも分かりづらかったですね。そういえば、名前がそのままですね(笑)



まあそういうわけで、恋愛アニメとして見るべきではないと解釈したのです。

主軸となるのは「なんだか分からない、不確定なもの」。

これは前述の「未来」であったり、はたまた自身の「居場所」であったり。

それぞれが分からないなりに求めているものを見つけていく物語。


‘未来が読める=超能力者’や‘光の欠片=ファンタジー要素’との見方もあるみたいですが、思春期の不安を目に見える形で表した心象風景と言うやつであると思います。
駆くんが三人に分裂するのも、実際に彼が特殊な能力を有しているとかではなく彼の中で意思が分裂しているだけ。「現在・過去・未来」だったり?

まあ説明不足というか描写不足は否めません。
オカルトめいたお話に見えてしまってもそれは視聴者に非があるのではなく、制作者の力量不足ということでしょう。


未来が見えている駆が求めているのは居場所で、居場所のある透子は未来を見たがっています。

透子が11話「ピアノ」で駆に向かって‘ここがきっと私の場所なの’と呟いたのは美術準備室でした。
準備室というのは、その意味の通り不確定なものを表していると分かりますね。

六人の中で透子と駆だけが異質なのはEDの映像からも明らかで、駆を除いた五人は一緒に居て透子だけが駆のことを気に掛けている。

これは、やなぎ・幸・雪哉・祐の四人が見据えているのは今(現在)で、駆と透子だけが未来を見たがっているということでしょうか。

そうです、多分四人はきちんと未来が見えていて、自身の居場所もちゃんと見つけているようです。
未来が見えているというよりかは、大切な人がいることで不安を感じることがなくなった感じかな?


駆と透子が求めているものは異なっているようで、実は似たようなものであったのかも。

12話「花火(再び)」で二人の関係がちょうど逆転する形となったとき、透子は実は四人との居場所は自分の居場所ではなかったことを自覚してしまいます。

逆に居場所のなかったはずの駆はあっさりとその輪に入っていきます。

これってつまり、二人に欠けているもの・求めているものは「よく見えない、分からない」だけで同じようなものなのかなーと。
言い換えれば両方とも「未来の欠片」だと思います。


13話「流星」で流れて行った星々は二人の未来の欠片、あのとき初めて二人の想いが共有されて唐突な当たり前の孤独から解放された、のでしょうね。



正直僕もちゃんと理解はしてません(笑)
細かい所(例えば幸ちゃんの読んでる書物の意味とか)までカバーしきれませんし、12話での冬景色もイマイチ分からないんですよねー・・・。

あと、やなぎ達は哲学者が由来の鶏、透子は冒険者を由来とした鶏(ジョナサン)、翔はどうやら鷹?鳶?がそれぞれ比喩的に用いられているようです。
が、それらの表す真意は果たして。。。?

そこら辺は賢い方にお任せします(笑)
{/netabare}



あと、当たり障りない印象として
{netabare}
舞台を彩る夏景色が大変美しかったです。
青春を描くとき一番映えるのはやはり夏だと実感。


それからこの作品は音楽が素晴らしい!!

BGMって「視聴者の気分を盛り上げるため」と「登場人物の心情を表すため」と二通りの使い方があると思うのですが、この作品は全て後者でした。

本当に音楽の果たす役割が大きいですね。明るい音楽は前向きな、暗い音楽は後ろ向きな感情を表していました。

クラシックがメインで、個人的に好きなのは‘Nocturne In E Flat Major, Op.9 No.2(ショパン)’。
クラシックに関しては無知ながら、これは昔から好きで聴いていました。
これが流れるときはキャラも穏やかな気分でいる日常シーンです。

主題歌、OP「夏の日と君の声」が気に入りました。Chouchoさんの曲で一番好きです。
イントロから爽やかな雰囲気で夏らしく、これだけは本当リアルタイムで聴いておけばよかったと後悔・・・。

ED「透明な世界」は歌詞がグラスリップのことを見事に表現していると思います。
透明なガラスの向こう、カタチのない世界、透かして見えた景色、世界が生まれる。。。
印象的な歌詞ばかりです。これを聴いてから物語に入ると没入感が違うかもしれません。(あえて、EDです)


好きなキャラクター。これは断然で駆(ダビデ)くんです!
皆が恋愛に恋い焦がれている中で一人別の方向を向いていて、孤高の男という雰囲気が好きです。
それでいて哲学的な感性が素敵です。アダ名も気に入ってます。
彼を演じた逢坂良太さんも凄いですね。どこまでもブレずに淡々としゃべり続ける姿に惚れました。

ヒロインだと幸(さち)ちゃんです。文学少女+眼鏡娘萌え!って感じです。
眼鏡だから地味なキャラかと思いきやパンチの利いた一面もあり、そこも好きです。
{netabare}
最初は透子ちゃんに片思いしていたという、まさかの百合少女!
それでいて幸なのに薄幸扱いされる不憫さ。
色々美味しすぎます。
{/netabare}


最後に、グラスリップの意味について。
グラス+スリップで欠片を表すみたいです。
他にもグラス+タイムスリップやグラス+トリップで「旅」を表すという解釈もあるみたいなので、どれが正解か分かりませんが、自分は上のグラス+スリップ説を推します。
{/netabare}



いや~~・・長い。長すぎる。
グラスリップとこのレビュー、どっちが分かりづらいか良い勝負ですね(笑)

考察を要する作品が必ずしも良い作品となるとは限りません。
でも僕はこうやってグラスリップについて考えて想いを馳せている時間がとても楽しかったです。

もちろん皆さんのレビューを見た上で、ある程度の覚悟と知識をもって臨んだから今の感想があるのだと思ってます。

だから、どんな酷評でも全員のレビューにサンキューを付けたいほど感謝しています。

ありがとうございました。

僕から言えることは、恋愛に囚われず広い目線で物語を眺めて下さいということです。

あ、ネタバレ部分の解釈は全部自己流の解釈なのであまり参考にはならないかもしれません。ごめんなさい(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

惜しい感じがする

福井県坂井市が舞台だったかな。
ガラスを通して不思議な感情だったり、未来予知だったりを主人公の深水透子が経験して不思議な体験をするお話だったような。

ラブストーリーな展開もあるのかなと思ったけど、もう終わり?という感想だった。もうちょっと掘り下げてほしかったかな。
早見沙織さん演じる高山やなぎは良かったンゴ。
キャラソンも

キャラクターが魅力的で主題歌もガールズアンドパンツァーや氷菓などで波の乗っていた?ChouChoと花咲くいろは絡みもあるnano.RIPEでよいし、P.A,WORKSだけあって作画もよかったのですが、物語の内容が惜しかったと感じました。2クールやれば、面白くなったかも。

OP
夏の日と君の声 ChouCho
ED透明な世界 nano.RIPE
イメージソング
ルーセントアイズ ChouCho


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。

1. 花火
大勢の人で賑わう花火大会会場。深水透子と高山やなぎは、やなぎが輪投げで手に入れた不思議メガネをかけてはしゃいでいた。透子がメガネをかけると、ぼんやりとした風景とともに「やっと見つけた」という声が聴こえてくる。一瞬戸惑ったものの、親友幸へのプレゼントにぴったりなノアベルを見つけたこと、また井美雪哉と白崎祐が屋台で大量に買ってきた食べ物の前に、その出来事は忘れてしまう……。後日、学校でにわとりのジョナサンをモデルにしてクロッキーをする透子に、ひとりの男子生徒が声をかけてくる。その優しい声音はどこか聞き覚えがあった。

2. ベンチ
いつものように祐の祖父が経営するカフェ「カゼミチ」に集まった透子たち。そこに現れた沖倉 駆は「俺はあの日、君と同じものを見た」と透子に告げる。いきなり来て馴れ馴れしく話す駆を警戒する雪哉たちだったが、駆は気にせず透子に待ち合わせ場所と時間を伝え立ち去ってしまう。微妙な空気が残る中、幸は戸惑う透子を見て彼女に同行することを決める。翌日、駆は幸がいることに特別驚く様子もなく、「透子には何かきっかけがあると、幻覚のようなものが見えるんじゃない?」と、彼女たちしか知らないはずの事実を口にするのだった。

3. ポリタンク
駆と一緒にいる時、きっかけがあれば“未来の欠片”がはっきり見えること。そして、やなぎのことを好きだと思っていた雪哉からの突然の告白。今までの日常が大きく変わろうとしていることへの不安と、親友たちが離れ離れにならずにすむ方法を考えた末、透子は駆に頼み“やなぎと雪哉の未来を見る”ことを決意する。自宅に隣接する工房でガラスを吹きながら駆を待つ透子は、おぼろげな“欠片”を見はじめる。そして突如それは鮮明になり、やなぎの泣き顔が映し出される……。一方、祐もある想いを胸に秘め、明日行われる登山に備えていた。

4. 坂道
登山の帰り、幸が入院しているイメージを見た透子は、彼女からの着信に慌てて出るも、予想とは違い、やなぎがレッスン中に右足を怪我したと聞かされる。急いで病院に向かった透子だが、右足に包帯が巻き松葉杖を使うやなぎと、肩を貸す雪哉の姿を見て、微笑みながらそっとロビーを後にするのだった。一方、ケガもなく無事に帰宅した幸は、登山の時に祐と交わした会話、「俺、幸って名前……好きだな」という言葉を思い出していた。そんな時、借りた本を返しに祐が幸の家を訪れる。玄関先でいつもより緊張している祐に対して、幸は「あがる?」と声をかける。

5. 日乃出橋
怪我から復帰して初めての記録会に向かう雪哉と、それに付き添うやなぎ。雪哉は緊張はしていないつもりだったが、やなぎが持つ動画用のビデオカメラからは自然と視線を外していた。一方、カフェ「カゼミチ」をひとり訪れた透子は、祐の祖父から祐は今日デートで店にはいないと聞かされる。思わず携帯で幸の番号を呼び出そうとして思いとどまるが、その足は自然と幸の家に向かっていた。透子の訪問に慌てた祐は見つからないよう幸の部屋から脱出。だが幸は、付き合っているわけではないが、つい先ほどまで祐が部屋にいたことを透子に伝える。

6. パンチ
まだ薄暗い早朝から工房に入りガラスを吹く透子。同じく朝早くから目覚め“未来の欠片”によって透子の声を聞いてしまう駆。“未来の欠片”のせいで駆を意識してしまう透子は、駆から電話があってもろくに話さず切ってしまう。午後、祐からの電話でカフェ「カゼミチ」にいつもより早く呼び出された透子は、幸とのことを打ち明けられ、また後から来たやなぎからは、雪哉に告白したことを聞かされる。これまでの関係が徐々に変わり始めるなか、祐から幸へのサプライズ花火大会が提案される。

7. 自転車
自宅前の海岸でやなぎと話す透子。雪哉と駆の勝負にやなぎが平手打ちで割って入ったこと、幸と祐の関係、そして幸の検査入院について話していると、波のきらめきをきっかけにして“未来の欠片”が見えてしまう。それは病室で横になっている幸の笑顔、そして傍らには祐の姿があった。嬉しくなった透子は思わず「やっぱり幸、大丈夫」と口にしてしまい、いぶかるやなぎに対して、慌ててごまかすのだった。一方、幸の病室を訪れた祐は、初めて幸の母親に出会う。緊張する祐だが、幸に「ボーイフレンド」と紹介され、さらに身体を強張らせるのだった。

8. 雪
夕暮れの波打ち際で見た“未来の欠片”は、透子が倒れ込むほど強烈なものだった。駆は「きっちり説明してもらうから」というやなぎの台詞を聞きながら、彼女に連れ帰られる透子を見守ることしかできなかった。後日、幸のお見舞いに訪れたやなぎは、雪哉が自分に黙って陸上部の夏合宿に行ったこと、幸と祐のこと、海での出来事と透子と駆の関係を彼女に話す。そして透子と駆の間に何か秘密があるのではないか? もし知っているなら教えてほしいと頼むが、幸は、どこか悲しそうな表情を浮かべながら「特別な関係なのかも……」と答えるのだった。

9. 月
雪……そしてキス。そんな駆との“未来の欠片”を見た透子。いつもなら聞こえてくるはずの“未来の欠片”が聞こえない駆。合宿に行った雪哉にメールを送るやなぎ。メールの送信者を見て朝練に向かう雪哉。祐に「夢十夜」というメールを送る幸。幸からのメールの内容が夏目漱石の小説だと知る祐。お互いどこかギクシャクしているものの、それぞれの未来が少しずつ動き始めていた。そんな中、透子は幸から「約束の場所に行きたい」と連絡を受ける。少しとまどいつつ待ち合わせの時間と場所を決めるのだが、その後祐にも、幸から、同じ時間と場所のメールが届く。

10. ジョナサン
麒麟館の展望台。“約束の場所”で透子と祐に告白した幸。驚く2人を見てどこか吹っ切れた様子の幸は、3人で月を見上げていることに嬉しさを感じる。その夜、自宅で妹の陽菜から、やなぎが“新しい自分になる”と言っていたと聞かされた透子は、自分も前に進むべく駆との関係をあらためて考えることに。翌日、駆の家を訪れた透子は、駆の母から、ピアニストとしての母の仕事の関係で転校を繰り返してきたこと、そのことによって感じる孤独を、駆が「唐突な当たり前の孤独」と呼んでいたことについて聞かされる。

11. ピアノ
美術準備室の壁に寄りかかり静かに座る透子と駆。以前見た未来の欠片が現実となったことに困惑しながらも嬉しく思う透子だったが、「駆君、私のこと本当に好きなのかな?」「私たち何もわかり合ってない」と心に引っ掛かっていた思いを口にする。自分の気持ちを見透かされた気がした駆は、自分が未来の欠片を見るきっかけでもあった母が弾くピアノを聴きに来てほしいと、透子に伝えるのだった。一方、幸は祐に、また山に登りたいと告げ、雪哉は初めてやなぎのレッスンを見学しに行くことを決める。それぞれがそれぞれの明日のために動き出した。

12. 花火(再び)
父がガラス工房を持つことになり、東京を離れ家族で引っ越してきた深水透子は、慣れない土地でうまくやっていけるか不安を感じていた。そんな時、駅で偶然出会った沖倉 駆。彼に連れられカフェ「カゼミチ」を訪れた透子は、井美雪哉、高山やなぎ、永宮 幸、白崎 祐たちと出会う。小学校の時からずっと一緒だという彼らに誘われて、透子は花火大会を見に行くことに。雪哉とやなぎ、祐と幸、そして駆と透子。それぞれが楽しそうに花火を見上げている風景。それはもしかしたらあり得たかもしれない、透子の未来の欠片が紡ぐ世界だった――。

13. 流星
透子が見た世界。彼女にとってその衝撃は大きく、駆の母のピアノ演奏が終わると同時に気を失ってしまう。透子が目を覚ますと、そこには心配そうに彼女を見つめる駆の姿があった。自分のせいで危険な目にあわせてしまったと感じた駆は自らを責めるのだが、透子はもう少し駆の家にいたいと言う。心配する家族を帰してひとり残った透子は、もう一度ピアノが聴きたいと駆の母に願いでる。そして曲を聴きながら透子は駆が居なくなると感じるのだった。その頃「カゼミチ」には雪哉、やなぎ、祐、幸が偶然集まっていた。長く短い夏がもうすぐ終わりを迎える。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
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