MAPPAで仲間なTVアニメ動画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のMAPPAで仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のMAPPAで仲間なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.0 1 MAPPAで仲間なアニメランキング1位
呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変(第2期)(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (338)
1179人が棚に入れました
最強の2人 戻れない青い春 2018年6月、両面宿儺を己の身に宿した虎杖悠仁。 2017年12月、祈本里香の呪いを解いた乙骨憂太。 そして更に時は遡り2006年(春)—。高専時代の五条 悟と夏油 傑。 呪術師として活躍し、向かうところ敵のない2人の元に、不死の術式を持つ呪術界の要・天元からの依頼が届く。 依頼は2つ。天元との適合者である“星漿体(せいしょうたい)” 天内理子、その少女の「護衛」と「抹消」。 呪術界存続の為の護衛任務へと赴くことになった2人だが、そこに伏黒を名乗る“術師殺し”が“星漿体”の暗殺を狙い介入する…。 後に最強の呪術師と最悪の呪詛師と呼ばれる五条と夏油、道を違えた2人の過去が明かされる―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

生き方を決める

MAPPA制作。

懐玉・玉折編、
五条と夏油、高専時代の活動記録、
生き方を決めた2人の物語が描かれる。

不死の術式を持つ天元だが不老ではなく、
一定以上の老化を終えると星漿体との、
同化が必要となり、五条と夏油は、
星漿体である天内理子の護衛を命じられる。

{netabare}呪術界にしても、重要な任務であり、
ここで彼らは大きな挫折を経験することになる。{/netabare}

やはり優れた娯楽作品で面白いです。
五条の優れた才能が開花していく様と、
夏油の心が闇へと傾き始める様が対比されていく。

心乱れ疑う夏油の葛藤もよくわかる。
{netabare}呪術は非術師である人々を守るためにあるが、
愚かで無能な非術師を守る価値はあるのか!?
様々な事件を見聞し、価値観が揺らぎ始める。{/netabare}

彼らは岐路に立つ、そして混沌の渋谷事変へ。

最終話視聴追記。
五条封印を狙い渋谷を封鎖した夏油勢力、
後半は戦闘に継ぐ戦闘でしたが、見応え満載です。
{netabare}人類の可能性を探り、混沌を意図して生み出す。
人類の未来は呪力の最適化にあると夏油は語る。
双方に死傷者が続出し、渋谷事変も閉幕する。{/netabare}

再び呪術全盛の世が始まろうとしている。
虎杖、乙骨の更なる覚醒と活躍に期待しています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

このまま邪道ド真ん中を驀進して欲しいです

引き続き原作未読で視聴。

【物語 4.0点】
人間と呪いの激闘、“呪い合い”を通じて、
秩序を強いる文明社会に封じられた人間の本性を丸裸にしていく。
王道というより、いっそう邪道を極めていく、自分にとっては期待通りの展開でした。

呪いこそが剥き出しな人間本来の姿であるが、曝け出し過ぎれば渋谷も文明も崩壊する。
だからと言って、呪いその他を、払って封じ過ぎた社会における人間は生ける屍同然である。
特級呪物・両面宿儺(すくな)を内包した虎杖(いたどり)悠仁は人間と呪いの間に風穴を開け得る諸刃。
最強の呪術師・五条悟は、呪いを過度に規制しようとする呪術協会の“おじいちゃん”たちには想う所が多々ある。
五条先生が管理下に置いた虎杖悠仁をどう扱うのか?どうなってしまうのか?
これは悟や虎杖がヒーロー主役ポジから世界から危険視、敵視されるヒールポジに転換する波乱もあり得る。
というより個人的には是非そうなって、さらに人間の性をぶちまけて欲しい。

こうした見通しと願望を抱いて2期視聴に挑んだ私。
結果、(※核心的ネタバレ){netabare} 五条悟は封印、両面宿儺の一時封印解放で、意図せず渋谷で虐殺を働いてしまった虎杖は、今後協会から追われる身となるのでしょうか。{/netabare}
興奮させられる幕引きでした。

全体構成は前半部「懐玉・玉折」にて、五条悟の挫折やら友との決別やらの青春時代を描写。
後半「渋谷事変」で現代の時系列に戻り、人間VS呪いの構図の転換と、傷付く仲間や自身の罪など大きなプレッシャーにさらされた虎杖悠仁の心身の変容を描く。

いずれも五条悟という最強の存在に振り回されたり、どうにかしようと食らいつく周りの悲喜交交がシナリオの軸。
作中、状況を「五条悟だから」で説明され虎杖が納得するシーンがありましたが、
私も納得し過ぎて吹き出してしまいましたw
五条先生ワイシャツも{netabare} 25万円{/netabare} で最強ですしw

「懐玉・玉折」と「渋谷事変」の間に挟まれた『劇場版 呪術廻戦0』のエピソードの重要度も上がったため、放送中再鑑賞。
正しく生きたい乙骨裕太と、正しく死にたい虎杖悠仁。
二人がどこで邂逅或いは衝突するのか?も個人的に関心事でしたが、
2期では{netabare} 乙骨が虎杖討伐を決意表明し{/netabare} 期待感を高めつつ持ち越し。
強い動機もあるので、制作が決定した3期「死滅回游」以降も当然視聴継続します。


1期Cパートのユル~い日常カット「じゅじゅさんぽ」が見られなかったのは地味に残念w
その代わり?2期次回予告の各キャラによるナレーションはユルく、しかし鋭く人生を語っているようで好きでした。

私のお気に入りはエピソード4(第28話)の釘崎野薔薇の次回予告。
{netabare} 「意外な一面って慣用句を考えた人は、人間を立体だと思ってて、
薄っぺらいって悪口を考えた人は、人間を平面だと思っていたのかなぁ?

どちらにせよ裏と表はあるんだね」{/netabare}
私も大概中身ペラペラですが、裏はちゃんとあると語ってくれたようで何か勇気付けられましたw


【作画 5.0点】
アニメーション制作・MAPPA

バトルアニメーションの最高峰。

先日BD4巻&5巻リリースに合わせて、「渋谷事変」の一部エピソードを映画館で振り返り上映する企画があって、私も行って参りました。

TVアニメで劇場版クオリティ!という褒め言葉が定番化した昨今ですが、
呪術2期の場合は劇場アニメの中においてもトップクラス。
これはアニメーターに追加ボーナスあげないと、といった感じで作画の凄まじさを再認識。
宿儺(すくな)の戯れで倒壊する渋谷のビル群とか、スクリーンで体感すると大迫力過ぎて笑いますw

本シリーズもまた呪術を通じて各人、各呪いが抑圧された“人間性”を花開かせる、
バトルで語るタイプの作品。
メカ丸の巨大メカなどは胸が踊りました。

ユニークだなと思ったのは、禪院直毘人(ぜんいん なおびと)の投射呪法を、
コンテ指示書?など剥き出しのアニメ制作現場風の背景も交えて再現したシーン。
老練1級術師の最速戦闘を支える“コマ打ちセンス”、フレームレートへのこだわりwなども伝わって来ました。
MAPPAにはアニメ制作現場においてオールリテイクを意味する『全修。』と題したオリジナルアニメ企画がありますが、そちらの方も楽しみです。

バトルだけでなく人間ドラマを演出した作画、背景美術も印象的。
私は特に夏油傑(げとうすぐる)が最悪の呪詛師へと変貌する前の、雨のカットが脳裏に焼き付いています。
“吐瀉物を処理した雑巾”のような呪霊取り込みを繰り返してきた夏油の、
人間への献身から、凡俗な大衆への不信と蔑みへと移り変わる心中の他、
(※核心的ネタバレ){netabare} 釘崎やななみん{/netabare} 離脱前の回想シーンなど、心情描写も上々でした。


【キャラ 4.5点】
若き日の五条悟と戦い土を付けたフィジカルお化け・伏黒甚爾(とうじ)。
遠い昔、悟と同様の無下限呪術を操る五条家当主と刺し違えた禪院家当主と同じ十種影法術を受け継ぐ甚爾の息子・伏黒恵。

恵は家柄も御三家の分家筋みたいな立ち位置で、
虎杖(いたどり)のサブで組み頭脳戦を仕掛けるような、
才能無き弱者ポジション(でもないですが)で意地を見せるタイプのメインキャラと思っていましたが、
2期を見て、伏黒は今後ジョーカーになり得るポテンシャルを秘めているのかもと認識が改まりました。


1期から虎杖と対峙し続けて来た宿敵・特級呪霊・真人との因縁も渋谷で頂点に。
相変わらず人間の魂をこねくり回して弄ぶ、倫理観を捨てて欲望に忠実になる呪いらしい言動で、
利他よりも自己実現の利己からくると思われる虎杖の正義感のメッキを剥がすトリガーとなる。


「渋谷事変」でカッコ良かったのが七海建人。
ななみんは最後までクールでしたが、私は特に助太刀して、後輩を痛めつけた敵をシメるななみん。
ターミネーターみたいで相手がいたたまれなくなりましたw


【声優 4.0点】
伏黒甚爾(とうじ)役に子安 武人さん。
禪院直毘人(ぜんいん なおびと)役に中田 譲治さん。
ただでさえ七海建人役に津田 健次郎さんがキャスティングされたりしている所へ、
粘度高めのキャストが追加投入され、声優陣はさらにネットリw

収録エピソードで面白いと思ったのが、
宿儺(すくな)役の諏訪部 順一さん。
原作アクションコマの詳述により「うっ!」とか「くっ!」とか、
キャスト陣にアドリブも求められたというバトルシーン。
けど、史上最凶の呪術師・宿儺は一方的に鏖殺(おうさつ)するだけなので、
ヤラれることもなく、諏訪部さんも特にアドリブの必要も無かったそうでw
アフレコでもキャラ能力格差って出る物なのだなとw

ナレーション担当・榊原 良子さん。
バトルアニメを堪能したい層からしたら、術式解説が無粋と感じる方もいるかとは思いますが、
正直、多彩な術式が乱れ飛び状況理解が追い付かない原作未読組の私にとってはナレーション解説が命綱でしたw


【音楽 4.5点】
劇伴担当は旧来の三者共作から照井 順政氏に一本化。

これによりジャンルの守備範囲が狭まることもなく、
むしろ制作スタッフとの連携も取りやすくなったのか、映像との一体感が増す方向に先鋭化。
奔放にフレーズを奏でるジャズ、現代音楽風が呪術百花繚乱を好演出。

特に、虎杖(いたどり)VS脹相(ちょうそう)戦は、
ジャンル横断、リズムの緩急も自在なバトルBGM「Resolve」を筆頭に、
渋谷駅構内の効果音も交えて、漏水が続くトイレ内での赤血操術との激闘を再現した、
音響、映像共に大好きなバトルシーンです。

かと思えば落ち着いたピアノ曲でしっかりと心情描写も下支えしてくる。
色々スタッフ変更があった2期ですが、この音楽担当一本化は上策だったと思います。



主題歌

「懐玉・玉折」
OP・キタニタツヤ「青のすみか」
ED・崎山 蒼志「燈」

「渋谷事変」
OP・King Chu「SPECIALZ」
ED・羊文学「more than words」
(以上敬称略)

個人的には「青のすみか」の爽やかさが鮮烈。
OPアニメも青々としていて。五条先生や夏油にもキラキラした青春があったんだなぁと。
「渋谷事変」OPが不穏な旋律で、出血多量だから尚更w

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

作画レベルが爆上がりの大人気作品第2期。五条先生の過去編&渋谷事変編

原作既読。1期視聴レビュー済み。全23話

五条先生の過去編と渋谷事変を描いた第2期。

正直1期のワクワク感を超えてくるものは無かったな。原作読んだせいもあるけど、物語は終始バトルだし、爽やかと言うより淀んだ暗い話ばかりなのであまり見てて楽しくない。
ただ、バトルシーンの作画は半端なく力が入ってる。1期で爆売れしただけあって予算あるんだなって感じ。
特に脹相と悠仁とのバトルは液体の描写が凄かった。言ってる事よく分かんないけど作画やべえなってことは分かる。

原作の難解さをアニメで分かりやすくしたことが1期がヒットした要因かなと思ってたけど、2期目は複雑さが増してよく分かんないし、画面ずっと暗いし、キャラクター達もどんどん傷ついていくから悲しくて辛かった。
原作はそろそろ完結らしいが、初めてみた時のあの衝撃を超えるものはこれから先出ないと思うので、3期は気が向いたら見ようかなって思ってます。熱がすっかり冷めた2期となりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

80.4 2 MAPPAで仲間なアニメランキング2位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (550)
2482人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

Walk on the Wild Side

ノイタミナ×MAPPA制作。
原作は吉田秋生の少女漫画の金字塔。

原作表紙のデザインが秀逸だなと興味をひき、
タイトルのフォントも素敵ですよね。
いつか視聴したかった作品です。
タイトルはサリンジャーからでしょうか。
あにこれのメインクラスターには、
吉田秋生と言えば「海街diary」かも知れませんね。

NYのソリッドな空気感とキャラ紹介。
バナナフィッシュの言葉の謎もあり、
初回、ラストの引きは上々だと思います。

13話視聴追記。
{netabare}中盤、盛り上がる演出もあるものの、
粛々と物語が進行し続きが気にならない。{/netabare}
ここからの後半戦に期待しましょう。

最終話視聴追記。
終始、一定基準で安定はしており、
{netabare}これはもう好みの問題ではないでしょうか。
永遠に変わらない2人の透明な絆、
素晴らしい余韻を残す万感の終幕でした。{/netabare}

ED曲は世界観に合っていて素晴らしい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ハードボイルド欠乏性アンダーグラウンド

イタリアのシチリア島を起源とする犯罪組織をマフィアと呼びます。

マフィア映画の面白さは一般人が決して覗き込む事のないアンダーグラウンドを見せること。

人を食い物にするバイオレンスな彼らの世界にも存在するルール…日本で言う義理人情や、ビジネスの駆け引き、
暴力と権力によって誰に縛られること無く社会の強者として君臨する本能的で野心的な欲求を満たすような作品群。
往々にして事実と異なるエンタメ脚色をされるのはファミリー(組織)の絆や男の挟持、自己犠牲を盛り込むことで、
殺人、艶のあるシーン、歪な癖、薬物など、法に触れ倫理観を逸脱する刺激的な描写が多いのも特徴となります。

本作BANANA FISHは面白そうな題材と映像美だけに惜しい。

男性キャラのセックスアピールに集中し過ぎていて、これは少年性愛者で売買を生業にしているパパが元凶。
マフィアの世界やビジネスシーンの面白さを見せること無くBANANA FISHの謎と男性の美しさに頼ってしまいます。
男性のセクシャリティを売りにするのは少女漫画雑誌の女性向け作品なので問題はないがあまりに一辺倒すぎる。

作中で度々見られる中心人物の関係者が組織の暴力に晒されるのは往年のマフィア映画での王道パターン。
ジャンル愛好家なら見知った展開に「何か」物足りないのは過去作と比べ欠乏していた「ハードボイルド成分」。
殺しの呆気無く冷たい余韻や激情と復讐心に駆られた怒りなどマフィア映画で重要な暴力性や渋みは感じられず
酒の旨味もタバコの苦味も香らせない。中国系マフィアの美青年が登場したのも俗っぽさが加速したように思う。

最初から最後まで丁寧な作画が好みだっただけに惜しく、キャラクターや画面作りもジャンルには優等生過ぎた。
尖ったセンスや刺激的な表現をもっとぶつけてみればキラリと光ったかもしれない佳作アニメという印象です。

「マフィアの世界で少年の儚げな友情を描きたかった」と言われれば何も言うことはありませんし成功しています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

88.6 3 MAPPAで仲間なアニメランキング3位
ゾンビランドサガ(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1222)
4565人が棚に入れました
いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。
7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。
死して蠢く、ゾンビによって……

否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”
少女たちの願いは、たった一つ。
「私たち、生きたい。」
これは、少女達が起こす奇跡の物語サガ。


声優・キャラクター
宮野真守、本渡楓、田野アサミ、種田梨沙、河瀬茉希、衣川里佳、田中美海、吉野裕行、高戸靖広

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第1話冒頭のインパクトは過去最強クラス!?

アニメオリジナル作品。

第1話冒頭のアノ場面。
思わず声が出ちゃいましたねぇ(笑)
インパクトありすぎでしょ。

第2話くらいまでは、とても楽しそうに演じておられる宮野真守さん”だけ”が印象的な作品。
”ゾンビ”と”アイドル”という、相容れないモノのギャップを楽しむ作品。
その程度の認識でした。
正直、色物枠だと思っていました。

だけど、【良い意味で】完璧に裏切られちゃいました。
コメディとシリアスのバランスの良い、名作でした。

しっかりとした物語。
安定した作画。
声優さんもとても良かったです。
OP/ED、挿入歌も、申し分ありません。

アイドル育成系としても、史上最強クラスと言っても過言ではないレベルの作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 105
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

多くの人の記憶に残った、異彩を放つアイドルアニメ

アニメーション制作:MAPPA、監督:境宗久、
シリーズ構成:村越繋、キャラクターデザイン:深川可純
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ

2018年の秋クールで、どのアニメを思い出すかと問われて、
いちばん多く名前が挙がるのがこの作品ではないだろうか。
はっきり言うと、私はアイドルを題材にした作品が苦手で、
今まで1本も、まともに観たことがない。
ただ、ゾンビファンではある。
『ゾンビ』のDVDはノーカット版を持っていて、
20回は観ているし、ロメロ監督(犬ではない)の
ほかのゾンビ映画もほとんど視聴している。
それで何も知らずに観始めた結果、アイドルアニメも
観られることに気づいてしまったのだった。

主役がゾンビということで、ゾンビ映画のオマージュが
あるかと思ったら、犬の名前以外は感じられず。
ただ、1話目のインパクトはこの作品がいちばん強烈だった。
主人公のさくらがいきなり車にはねられ、
デスメタルとともにOPへと突入。
さくらの体が青色に変化する始まり方は、
かなりショッキングだった。

2話以降のOPアニメーションも派手な色遣いで、
ひとつのストーリーとして構成されており、笑わせてくれる。
EDのコーラス曲は『翼をください』を想起させて、
懐かしい気分にさせてくれた。
{netabare} 話として特に面白かったのは、2話のライブ会場で、
やる気のないメンバーに切れたさくらが、
たえちゃんの取れた頭をぶっ叩いて、
サキとラップバトルを展開するところだった。 {/netabare}
宮野真守による東京喰種の月山習を想起させるような過剰な演技にも
次第に慣れていき、気が付いたときには、
ほぼリアルタイムで必ず観る1本となっていた。

話の展開としては、過去の記憶のないさくらが、
自分の朧げな思い出を手掛かりにしながら、
アイドル活動の素晴らしさ、感動をほかのメンバーにも
伝えて盛り上げながら、それぞれが過去と向き合い
佐賀県の有名なものと絡んでいく物語となっている。
ドライブイン鳥のCMやガタリンピックへの挑戦、
アイドルとしての価値観の違いなども絡めながら
チームとしての結束力を高めていく。

曲も上手く作っていて、全体的に良かったのだが、
上手くやれば、もっと面白くなったと思う。
ストーリーはかなり勢いに任せているように感じられ、
全体をしっかり構成していなかったのは残念だった。
{netabare} 思わせぶりな記者のシーンが頻繁に挟まれるが、
最終回まで何もなく、そのまま終わってしまう。
また、さくらの過去話を最初から最後まで引っ張り、
物語の核としたのに、その部分の話が全く練られておらず、
ただの運の悪い女という話にしたことも良くなかった。
特にさくらの過去話は、もっとしっかり作ってくれたら、
最終回でさらに盛り上がったと思うし、
感動できたのではないだろうか。 {/netabare}
そこには詰めの甘さを感じてしまった。

ただ、全体を見渡してみると、
ゾンビのアイドル話に佐賀県という、
まとめられないような異質なものを上手く組み合わせ、
多くの人の記憶に残る、面白いアニメを作った。

アイドルアニメの異端として、続編も制作。
今後も盛り上がっていきそうだ。
(2019年1月27日初投稿・2021年4月10日修正)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 101
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

佐賀が舞台の屍(かばね)のSAGAに 目尻下がるは人の性

2018.12.24記


よく言われる「3話まで待て!」の上位互換が「初回から神回」とすれば、本作の場合、

 {netabare}「開始1分30秒!括目して見よ!」{/netabare}

最短記録更新です。

ゾンビ×アイドル×佐賀県と斬新な組み合わせ。よくこれで佐賀県民は文句言わないなと思いきや、広報広聴課と県の支援も取り付けてたり、さすが“はなわ”の自虐を受け入れた佐賀県。度量の深さに敬意を表するものであります。
製作会社のMAPPAしかり、音楽会社母体のエイベックス・ピクチャーズの参画も気になります。実写はめ込みの実験的なED「魔法少女サイト」、湘南乃風起用と合わせて、え!?それEDに持ってくる?の「ぐらんぶる」と本作への関与度合いは与り知らぬものの、音楽表現にも期待です。

大筋のストーリーは、生没年もバラバラな7人(体?)のゾンビが集められて、謎のプロデューサー巽幸太郎の指揮下、ご当地アイドルとして佐賀県の窮状を救うぞ!・・・という話。まともに取り合うには躊躇する内容です。これ説明されて「よし!観よう!」ってなりますか?普通はならんでしょう。
・・・そんな期待値の低さを逆手にとって、冒頭の衝撃で視聴者を巻き込み、その後は予定調和を廃したネタを矢継ぎ早に投入し、とかく目の肥えたヲタ層をも唸らせる一品に仕上がっちゃいました。製作陣は作品のバランスを取るのも大変だったでしょうに。お疲れ様でした。

ある種、素材の化学変化が魅力の作品であるため、面白さに触れるとネタバレ必至のレビュアー泣かせの作品な気がします。冒頭の1分30秒超えて、できれば完走なり断念された方向け、以下の続きを見ていただければと。
ちなみに私は、数ある良作群の中のひとつ。傑作には届かないものの1クールで良くまとめた構成力も好印象なお奨めしやすい一品、と捉えてます。
未視聴の方は、ぜひ「組み合わせの妙」なり「作品全体のバランス」に着目してみると面白いかもしれません。



(1)素材の組み合わせの妙→予定調和でないものと王道のもの
■とことん佐賀?
広告費出したん?と思えるくらい佐賀ネタ満載です。
{netabare}通常ロケハンして風景絵に借用+αくらいで聖地化が可能なところ、・・・骨の髄まで佐賀でした。登場人物の佐賀弁、嬉野温泉含めた各スポットの利用、くらいまでならわかります。そこからさらに、アイキャッチでの観光アピール、TV通販ばりの久光製薬サロンシップ(作中は久中製薬サガンシップw)の効能アピール、ドライブイン鳥のローカルCMロケしたり店長さん出演させたり。ここで店長さんの棒読みを非難するのは無粋というものでしょう。{/netabare}

■キャラの配置
生没年バラバラで生じるギャップと関係性がコメディでもシリアスでも活きてきます。
{netabare}平成アイドル(水野愛)と昭和アイドル(紺野純子)との対比は6~7話の柱。アイドル変遷史をダイジェストで見ているかのようでした。
伝説の山田たえ(ロメロ含む)がいることで、後半のゾンビ臭が薄くなる展開の中でも、ゾンビ作品であることを視聴者に認識させてました。彼女なしではただのアイドルものに見えてたかもしれません。
この配置は絶妙だったと思います。
巽幸太郎は唯我独尊w 宮野真守さんさすがだなぁ、としか言いようない本作のMVP。山田たえ役の三石琴乃さんも助演女優賞でしょう。声なき声を使っての表現の幅の広さはさすがベテランです。{/netabare}

■アイドルらしからぬ楽曲
きゃっきゃうふふのキャラソンにずらしを加えて、作品の魅力に仕上げてます。
{netabare}ゾンビの呻き声とデスメタルの相性の良さは言われてみれば納得するがこれは気づかんかった。その昔、マーティン・フリードマンが演歌とメタルの親和性を説いて唸ったのに近い衝撃を覚えました。これ第1話でしたね。
続いてラップバトル。さくら(本渡楓さん)とサキ(田野アサミさん)きちんとそれらしく聴こえてました。お疲れ様です。そこにボイパを被せるのはHIPHOPの王道ではあるものの、アイドルものでは見たことないし、ゆうぎり姐さんが三味線でカットインする編曲も斬新。これが第2話。序盤この2曲で引き込まれたのは私だけではないはず。{/netabare}

■整合性のなさは勢いで不問にする
火葬文化の日本でなぜゾンビ?と誰もが感じる違和感は、きっちり作中で言及しつつ、「よくわからん、まぁいっか」でスルーする。下手に言い訳しない潔さで、ご都合展開のツッコミが入る余地がありませんでした。そもそもゾンビが架空だからね、っていうツッコミはあるかもしれません。


(2)作品全体のバランスの良さ
6話から趣きが少し変わりましたね。脱予定調和から王道への転換です。
{netabare}ゾンビコメディや佐賀推しの度合いを弱めアイドル成長物語にシフトしていきました。己への向き合い方が“死因”だったりするのが本作の特長です。結果、1クールの中で転調してもしっかり纏まめてきましたね。個人的には前半のノリで押し切ってほしかったのですが、好みの判れるところだと思います。
6~7話は純子と愛。8話はリリィ。9話はサキ、とキャラ掘り下げ回でした。本作ならではの死んだ理由と生前の想い(または未練)に向き合う良回が続きます。それに合わせてキャラソンをあててくるのは王道ですが安心できますね。いずれも良曲でした。
転調で違和感を感じることの無いように特別EDを除き、1話からのEDは継続してましたし、キャラ回終わってからED「光へ」が流れた10回はそのレクイエム調の曲が沁みいる感覚を覚えました。
同じく転調の繋ぎとして安定の山田たえ、巽の存在。そして完成度が徐々に上がってく「目覚めRETURNER」は7話が集大成でした。3話と7話を比べると歌の巧拙含めて違いが見えてきます。{/netabare}

成長物語の定番。“トラブル発生”もおさえてましたね。{netabare}さくらの生前記憶は、実際戻ってみたら、なんとも救いようがなく不憫な記憶でした。{/netabare}
ピンチを救うのはやはり仲間。水野愛(種田梨沙さん)が再浮上してきて種田さん好きにはたまらんかったでしょう。私がそうですから。

{netabare}「失敗とか後悔とかを、全然ダメなことだと思ってないからですかね!」
「それって絶対、次につながることですし」
「そういうの全部ふみこえた先に、誰にも負けない私がいると思ってるので!」{/netabare}

上手くコメディ→シリアスへと軸足を移しながら、ステージの山場を2回{netabare}(7話「目覚めRETERNER」エレクトリカルVerと最終話「FLAGをはためかせろ」){/netabare}盛り込むなど、アイドルものとしてもしっかり仕上げたてんこ盛りの全12話でした。

ゾンビ×アイドルの組み合わせに“はあっ?”となったのも今は昔。キャラ掘り下げ回の題材に『死』が絡まざるを得ないこの異色の取り合わせが結果的に効きまくっており、“ゾンビ×アイドル?ええじゃないか!”と完走する頃には考えを改めていることでしょう。



繰り返しになりますが、序盤のカオスさ加減を維持したまま突っ走って欲しかったので、その点は残念です。それでも失速とは感じさせなかったスタッフの力量には感謝!
どう考えても2期を期待させる終わり方で、続きがあるならぜひ観たいです。
ソンビ映画あるあるの“続きがあると見せかけてその後音沙汰なし”みたいなのは、今回に限っては要らないですよ。


{netabare}・幸太郎がさくらの同級生っぽいシーンのあれって何?
・ゆうぎり姐さんの首周りの傷やもちろん伝説の山田たえの掘り下げは壮絶なものになりそうとの期待
・ゾンビバレするのか?あの記者の立ち回りで話は大きく展開しそう。愛とアイアンフリルとの邂逅は想像するだけで切ない{/netabare}

謎の種明かしというより、話をもっと膨らませられるネタが豊富という意味で続編に期待です。



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2019.06.08追記

■どうやらアニメ『神撃のバハムート』の登場キャラ“リタ(CV沢城みゆき)”がモチーフになった、とその後風の噂で聞いた。

■キャラソンもキャッチーかつJPOPへのオマージュがみてとれて好感。
・リリィ曲{netabare}:さだまさし{/netabare}
・サキ曲{netabare}:気志團{/netabare}
さしずめ『目覚めRETURNER』は{netabare}Perfumeだってみんな思うよね。{/netabare}




視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ

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2018.12.24 初稿
2019.06.08 追記
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 97

85.3 4 MAPPAで仲間なアニメランキング4位
呪術廻戦(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (861)
3421人が棚に入れました
少年は戦う――「正しい死」を求めて。辛酸・後悔・恥辱。人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む。呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く。そして、呪いは呪いでしか祓えない。驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い"に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指"を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう。呪いである“両面宿儺"と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……。呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、小松未可子、内山昂輝、関智一、津田健次郎、中村悠一、諏訪部順一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

呪いの王、呪力の痕跡

MAPPA制作。

人の負の感情から生まれる化物、
呪霊を使役し祓う呪術師たちの戦い。
禍々しいその力は人に何を伝えるのか。

MAPPAの躍進は大歓迎だ。
主題歌、ED曲良好、素晴らしい。
シナリオ構成の瀬古浩司氏も、
その仕事、すこぶる好調を維持している。

呪術師とその呪術、怪奇事件、秘学、
個性豊かなキャラクターが街に溢れ出し、
{netabare}呪力を手に入れた主人公・虎杖悠仁は、
特級呪物「両面宿儺」を口にしたことで、{/netabare}
怨霊、化物を一網打尽に出来るのでしょうか。

きっと長丁場、楽しめればと思います。

最終話視聴追記。
現世に於いても、蔓延る負の感情、
呪いの脅威と対峙し祓う呪術師たち。
呪術全盛は、平安時代だと言う、
きっと歴史の闇で暗躍してきたのでしょう。
禍々しく穢れた、世界観が好みである。

序盤最大の事件、渋谷事変へ。
{netabare}冥冥の活躍、呪詛師たち、呪霊の百鬼夜行、
夏油の野望は完遂され新世界は訪れるのか。{/netabare}

原作0巻、乙骨登場は劇場版へ、
ますます今後の展開が楽しみですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 65
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

外野の声をなるたけ廃す

原作未読

アニメ全般に言えること。視聴のトリガーは様々で本件の場合は「なんかすごいらしい」という理由。ちょい特別感を醸し出してましたよね。
視聴者の分母が大きくなれば目立ってくるのがネガティブ評なわけで自分はフラットより若干そちら側。その理由を因数分解すると外部要因が多そうだったので先にそちらを棚卸してからその前提を基に内容に触れることにします。


■後ろ向き理由其の一:バトル

バトルがしんどいから。二十歳前後で週刊少年ジャンプの定期購読を止めましたがほぼこれが理由。バトルする“背景”により踏み込んだものは別ですがなかなかお目にかかれるものではありません。
端的に当時の私にはこれらが子供っぽく見えたんですね。それ以降は単発で話題作をつまみ食いする程度で向き合ってます。好きなジャンルではありません。


■後ろ向き理由其の二:マーケティング

仕掛けるタイミングが悪い。やや先走り感あり。作られたブームと感じるとせっかくの良い作品もミソがついてしまう不幸。いわゆるネクスト○○ってやつですね。○○で儲け損ねた大手が二匹目のどじょうを狙ってるように見えてしまったのが気の毒です。
中身とは別のところで陰謀論やら場外乱闘やらが起きていてなんだかなぁというのも気の毒です。
{netabare}終盤で“渋谷決戦”を煽りながら劇場版へと誘導する展開もまあそうだよねって感じでした。{/netabare}

バトルに関心がなくマーケティングにも後ずさり。影響は否定しませんが実際観た結果は

 {netabare}まあ普通{/netabare}

主人公以外の主要キャラクター。キャラは立ってるがベクトルが似たり寄ったりで数のわりにはヴァリエーションに乏しい。4分割の分布図作ったらどこか一方の領域に偏ってる感じ。皆さん揃ってスカしてるのでガヤが欲しくなってきます。{netabare}木村昴さんが演じてた京都高専のマッチョはいい感じでした。{/netabare}
戦う理由にはきちんと味付けが欲しいところで若干薄味な印象です。ただしバトルそのものは見た目楽しく幸福なアニメ化だったといえます。

人間の恨みつらみが化け物化する設定は馴染み深いわけでして、もとの人間(だった)の業の深さが面白みに直結します。その点ナイスなところはナイスで、{netabare}いじめられっこ順平くんの悲しき末路なんて{/netabare}良いエピソードもありました。良き点悪しき点両方あるのです。総じて

 戦いそのものが楽しい
 作風に沿って戦う背景の説明はちょい頑張ってほしい


主人公虎杖悠仁(CV榎木淳弥)の行動指針となったじいちゃんとの関係をもっと掘り下げて欲しかった気がします。土台が固まっていれば良きバトルシーンは相乗効果でもっと魅力的に映ったことでしょう。
“切なさの残高”がほぼない状態から始まり物語が進行してるように映ってしまったのが敗因でした。


全24話から後はいったん保留で、今回の前日譚を劇場版で公開するとのことです。
煽りがけっこう凄かったことで期待よりもむしろマイナスからの入りだった人は私だけではないと思いますけど、お世辞抜きでヒット漫画に素晴らしい動きがついたことで払拭されたと思います。バトルものとしては良いアニメ化でした。
ただし不得意ジャンルにおいて私が感じる苦手なポイントはそのままで上乗せがなかったのは残念。こういうのも微妙な匙加減でどっちにも転ぶんですよ。
もちろん謎だらけ最強五条悟(CV中村悠一)の今後の動向次第で評価が変わる位置につけてる作品だとは思います。第1R終了した今の時点でイダドリもそうですが真横にポジショニングしてた伏黒恵(CV内田雄馬)と釘崎野薔薇(CV瀬戸麻沙美)が刺さっていれば爆上がりだったのになぁ。

バトルものはキャラ次第ってことです。受け止め方は人による。



※一言

{netabare}原作者さん、地元岩手の出身だし応援してますぜ!

釘崎の東京リスペクトっぷりはものすごく共感できるのよ w
主人公の仙台出身設定みたいに手近な都会が仙台ってのも共感できるのよ ww

あー憧れの八木山ベニーランド!!{/netabare}



視聴時期:2020年10月~2021年3月 リアタイ視聴

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2021.04.24 初稿
2021.12.17 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 56

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

全てにおいてよくできていてびっくり。巨人・菅野投手並の完成度!

<2021/4/10 追記>
先日最終話見ました。
うん。
面白かった。
最後まで優等生。
次回作は映画ですか。
どれくらいヒットするか、注目ですね。

<2020/12/31 追記>
いやー、レベル高いっすね。
アニメ好きなら好きになるなにがしかのフックがある。
それだけ数多くの魅力あります。
「キャラクターの魅力」
「物語の練り込まれ度」
「演出の完成度」
「映像美」

さらに、大事な点として
「見ることに躊躇が要らない」

これ、実は結構大事で。
見たら面白いんだろうけど、この先辛い展開がありそうだとかなんらかの理由で食が進まないことは多々あります。
そういうことがない。
まさに優等生。
各パラメーターにおいて高得点という化け物作品なのかもです。

これだけの作品だと鬼滅のような売れ方をつい期待してしまいますが、それは難しいんでしょうね。
本作は漫画やアニメが好きな人にとって百点満点。
でも普段そういうの見ない層にどれだけ訴求力があるかというとそこはやはり疑問があります。

それだけ鬼滅の刃という作品が、家族愛というこのコロナ禍で改めて見直された大事な価値観に訴える力の強い作品なのだと思います。

もし、「どちらが好きか」と問われると悩んだ末に「四月は君の嘘が一番好き」と答える自分が想像できますが 笑。

<2020/10/3 初投稿>
見始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作は未読。
少年ジャンプだそうです。

録画予約した時、タイトルが
「呪術廻戦/犬と猫どっちも飼ってると毎日楽しい」
となっていたので意外とハートフルなのかな?
とか思っていざ見てみたら
「呪」に纏わるハードなダークファンタジーでした。

意表突かれたのは自分の勘違いからなんですが。

第一話を観た感想は、
・ノラガミを少年誌っぽくした感じ
・結界師をジャンプっぽくした感じ
・血界戦線を和風にして、割と普通にした感じ
・つまり「妖」とか「呪」とか「怪」とか「神」とか「鬼」とか「禍」とか「蟲」とかの漢字が似合いそう。
・こういう感じ好き

ちなみに第一話のサブタイ「両面宿儺」
たしか大昔、日本神話の創世記に現れたとされる鬼神。
貌が二つに手が8本だったかな。
このネーミングは本作の雰囲気をよく表してるのかもしれません。

この手の話は好物なので今期期待枠に入りました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

82.1 5 MAPPAで仲間なアニメランキング5位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (502)
2075人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

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2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

業火に薪をくべる

原作、諫山創。

地下室で見つけたグリシャの手記。
エルディア帝国、パラディ島、マーレ、
九つの巨人、力の継承者たち。
エレンが辿り着いた海の向こう側、
いつ終わるとも知れない戦争が続き、
ここに物語の根幹が開示され始める。

原作者による英断であろうか、
ジーク、ライナー側からの描写を置いた。
大国マーレの現状と野望である。
物語を重厚なものへと発展させるには、
必要不可欠だと判断したのだろう。
いささか体感速度を落とすことになるが、
{netabare}始祖ユミルフリッツを知る事に意味はある。{/netabare}

双方向に、他民族を、
征服し浄化した歴史がある。
人の悪業を以て歴史は、
業火に焼き尽くされようとしている。

我々はどちらにしろ薪をくべる。

最終話視聴追記。
{netabare}マーレ潜入、混迷を極める戦場。
あまりにも大きすぎる幾多の犠牲に、
これが正しい選択なのかと揺らぎ始める。
運命と対峙し乗り越えなければならない。
救済とはいったい何であろうか!?
自身への揺らぎ、信仰、他者への信頼、{/netabare}
ここが描かれた最終章前半の物語でしょう。

いよいよ決断、断罪の時が迫る。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ただただすごい!

原作は昔1巻だけ読みましたがほぼ未読です。

3期(~59話)まではWIT STUDIO制作でしたが、今期はMAPPA制作に変わりました。
制作会社が変わると雰囲気などが変わる作品が多いので、大丈夫かなと心配しましたけど皆さんの評判が良いみたいなので、ちょっと期待しながら視聴を始めました。

これはすごい!
様々な謎の提示とそれが徐々に明らかになっていくところももちろん面白いんですが濃密な人間ドラマも丁寧に描かれていて、見終わった直後の感想は「ただただすごい!」でした。

いきなりマーレと連合国との戦争シーンから始まりちょっと面食らいますが、マーレとそこで生きるエルディア人を最初に丁寧に描くことで、それが後ですごく効いてきます。

今までずっと攻められていたパラディ島の人々が{netabare} ついにマーレを攻撃する{/netabare}展開は、3期までしか見ていないのならカタルシスを得られる展開かもしれませんでしたが、前記のとおりマーレでの人々を丁寧に描くことでもっと深みのあるドラマになっていると感じました。

エリンがライナーに語った「お前と同じだよ」という言葉が重いです。

そして67話。悲しすぎる。
サシャも、 {netabare}ライフルを撃った{/netabare}ガビも・・
70話で{netabare}逃げたガビたちを迎えてくれた一家がサシャの実家だったという展開、そしてマーレから来たと知りながらも友達になってくれたサシャの妹のカヤが、サシャを殺したのがガビだと知ったとたん、憎しみの表情を浮かべてガビを殺そうとする {/netabare}展開など、色々と考えてしまう目の離せない展開が続き、そしてやるせない気持ちになりました。

ほかにも、{netabare}ジークの裏切り、そしてエレンの離反と、{/netabare}先の読めない展開が続いてあっという間の75話。
名作だと思います。

続きのFinalパート2が今冬予定ということですが、今からとても楽しみです!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

70.5 6 MAPPAで仲間なアニメランキング6位
平穏世代の韋駄天達(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (185)
556人が棚に入れました
“韋駄天" × “魔族" × “人類"、何が起こるか誰にもわからない禁断のバトルロワイアルがいま始まる―!! 壮絶な戦いの末、圧倒的な速さと強さを誇る戦いの神々「韋駄天」が世界を破滅に導く「魔族」を封じ込めてから800年。今や“あの戦い"は遠い神話の中の昔話でしかない。生まれてから一度も戦ったことのない「平穏世代の韋駄天達」が平和ボケしている中、何者かにより、再び魔族が長い眠りから復活させられた―!? 武力、智略、政治、陰謀、使えるものはとにかく何でも持ってこい! ノールール&ノーリミットな三つ巴のバトルロワイアルがいま始まる!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

お手軽にハイブリッド戦争

原作未読


キービジュアル/サムネや作品タイトルから少年誌でもさらに子供向けな内容を想像してさほど期待してませんでしたがところがどっこいでした。紛れもなくクール(2021夏)トップの面白さです。

韋駄天≒神様と魔物が対立する設定。強力な魔物を封印し平和が訪れ800年経過した世界が舞台です。脅威が去って久しいため、いい加減平和ボケしてるよの趣旨で“平穏世代の韋駄天達”なんでしょう。
半端な幕切れは原作との兼ね合いみたく、ならばと韋駄天が如く駆け抜けた疾風怒濤の全11話でした。


原作者クール教信者さんの同クール3連発。『小林さんちのメイドラゴンS(2期)』『ピーチボーイリバーサイド』『平穏世代の韋駄天達』のうち一つになります。食べ比べしてみるのも一興ぐらいの構えでしたが、なかなかどうして共通したテーマが見え隠れするのもお楽しみポイントです。余力があれば他のもどーぞ!
と褒めまくりなのですが一点。俺たたエンドでもないぶつ切りエンドが減点材料ですかね。だがネガティブ要素はこれくらい。というわけで中身なんですがあらすじ抜きでエッセンスを以下ご紹介↓

パワーゲームが上手いこと描かれてます。韋駄天VS魔物の構図はもとより第3極人間の立ち位置が趣深い。魔物に使役されるのは想像つきますが韋駄天にとって必ずしも守るべき存在ではありません。第一優先は魔物の殲滅であり人間保護は副次的なもの。
国家に例えるとわかりやすい。友好だなんだのというのはホームグラウンドの安全が担保されてこそ成立すること。一昔前は韓国、今だと台湾。あくまでロシアの南下や赤化勢力の橋頭保としての半島であり、沖縄防衛・シーレーン確保のための台湾であるのが地政学の常道です。“友好”は副次的で自国の国益優先で考えるのが筋なため「○○が親日だから」は要素であって不可欠な条件ではありません。
本作での人間は“プレイヤー”とはならず大国の都合で右往左往する〝傍観者”であり、言い方悪いですけど駒。それがうまいこと出てます。二項対立なプレイヤーと流動的な第三者という大枠部分がシンプルでわかりやすい。

そんなパワーゲームを下支えするのがややエログロな表現手法が取り入れられていること。なかなかお目にかかる機会がありませんが本作では特長となってます。
そりゃ胸糞に蓋できればいいんでしょうけど敗者がどんな目にあうかは自明の理ですからね。ウィグルとかどうなん?って話です。話せばわかるは絵空事。こと世界は残酷で不条理なのです。
た・だ・し…アニメでそれ見たいかどうかは人によるでしょう。私は抵抗のない人。むしろそれっぽい作風でしたらメタでも表現されてないと冷めるかもしれません。

 平穏世代=平和ボケ

かどうかは観てのお楽しみですがほぼ答え言ってるようなもんですね。
最後にインテリジェンス。情報戦です。ウォーポテンシャル=戦力も強い上で情報戦に強ければ万事安泰ですが、たいていは弱いところこそ情報戦に力を入れるものです。
ネタバレ無しではここまでですが、きちんと弱いほうが必死で情報戦仕掛けてきます。火力よりも情報戦がどれだけ大事かわかるような作品となってるんですよね。不思議なことに『三国志』で諸葛亮や司馬懿ら軍師の計略の威力をまざまざと見せつけられて知っているくせに、現実社会に置き換えると途端に感覚マヒしちゃって影響力工作の威力やどんなものかが分かんなくなることが多い。スパイ天国という単語は知ってても具体的にどんな工作があるか指摘できる人は少ないものです。


となんやかんや堅苦しいネタですんませんでした。実際は脱力系と言っていいくらい小難しさとは無縁なのでご安心を。この手の作風での教科書は『進撃の巨人』あたりかと思いますが、その『進撃の巨人』の設定を荒くしておふざけ増やして原型留めてはないんですけど旨味成分が遺伝子レベルでは一緒みたいな感じ。

ぶつ切りエンドだけはポカーンなるかもわかりません。11話と短めですから、サムネ/キービジュアルでイマイチ食指が動かん方もちょい重い腰をあげてもらって損はないと思える良作でした。
途中区切りのつけ方が綺麗だったらさらに点数上げてるのでもったいないですね。



※ネタバレ所感

■食べ比べ

言うまでもなく他のクール教信者作品との比較です。
{netabare}敵対種族とのコミュニケーション問題ばっかですね(笑) 

本作では魔族が絶滅危惧種という設定で、種の生存をかけて必死。うっかり肩入れできちゃう悪いやつらなんです。彼らにとって韋駄天は種の存続を脅かす不倶戴天の敵。
たしか300体だったと思いますが個体数の少なさで生じる危機感からか倫理観は吹っ飛んでましたね。劇中では輪姦・児童姦はもとより女性を生む機械と見立て多子出産推奨は当たり前と胸糞展開でした。
これがリアルだ!としたり顔で言う気はさらさらありませんが、どういう人たちがどういう時に胸糞なことやらかすかは歴史に複数事例があるので知っといて損は無いでしょう。尼港事件・通州事件・真岡郵便電信局事件あたりは良いテキストになると思います。

韋駄天側のミスは慢心なのかしら。私がたまに大日本帝国ネタを使う理由なんですけど日本型組織の良いところと悪いところの見本市みたいなとこあるからなんですよね。
それで慢心についてなんですが、当時の日本って
片手間に東南アジアに出張って200年~300年居ついていたイギリス・オランダ・フランスを駆逐し
片手間にドイツ第三帝国を敗走せしめたロシア改めソ連の南下を満蒙エリアで食い止め足止めして
片手間に内戦状態で国の体をなしてなかった共産軍・国民党軍の便意兵に連勝
しかも一等国民として調子に乗り満州で狼藉を働き散々足を引っ張る列島出身でない同胞を抱えながら
ついには太平洋渡ってアメリカの国土に攻撃加えるオマケつき

それぐらい強かったって解釈は可能です。それを地でいくくらいお強い韋駄天の皆さん。これで情報戦でも勝ってたらと悔やまれる展開だったので示唆に富むなぁと高評価の理由の一つです。

『ピーチボーイ』だと敵対種族の和解模索を示唆するくらいで終わってましたが、こちらは今のところお花畑皆無です。平穏世代と言いながら世界は残酷です。『メイドラゴン』となると私は1期止まりでして日常劇に落とし込んだ中にほろ苦さを感じる作りだったと思います。いづれの作品でもハレーションが必ずどこかで描かれ、そんなやっかいなテーマに向き合おうとの姿勢を感じるんですよね。{/netabare}


このアニメ観てまともな情報機関が欲しくなりました。
あまり性差を言わない私ですがこのアニメはパワーゲームに鼻の利く男連中が好きな気がします。



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.14 初稿
2021.12.04 タイトル修正/配点修正 -0.2

投稿 : 2024/11/09
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「面白かったけど、ここで終わるの?」という感じですね。

読んでないのでわかりませんが、「ここで終わる」に関しては原作事情によるものみたいで仕方がないようです。

ストーリーはいろいろとありますが、ぶっちゃけて言えば「超頑丈な異能者」(韋駄天)と「そこそこ頑丈な異能者」(魔族)によるバトル的なお話ですね。

韋駄天も魔族もその存在の維持は人類の存続に依存している一方で、どちらも人間は生存に必要な分だけ生きていれば良いという点で人類とは別の倫理観を持っていて、本当の意味で人類には与しない存在になっている点が面白いです。

韋駄天と魔族は不倶戴天の敵であり、普通に戦えば韋駄天が勝つであろう状況で、しかし頭を使うことで魔族側も韋駄天に対抗しうるという構図になっています。

韋駄天側の頭脳担当イースリイと魔族側の頭脳担当ミクの心理戦と、不倶戴天という状況自体をなんとかして人類も含めた三者の共存が図れないかと悩むギルといったあたりのキャラクターたちが本作を面白いものにしてくれていると思います。

ということで終始面白く観ることができたんですが、最終回が「え、ここで終わるの?」的なものだったのでそこは残念ですね。続編があればきっと観ますけど、いつのことになるのだろう…?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

THE尻切れトンボ!

斬新な最終回でした。
強引にまとめちゃいましたね。

今までも最終話に問題のある作品は多かったけど、これは別次元に凄かったですね。

前半~中盤までは、確実に面白かったし、終盤に向けての展開も良かった。
高評価に値する作品だと思ったけど‥。

原作ストックが無いのに、何故、今アニメ化する必要があったんだろう?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

70.0 7 MAPPAで仲間なアニメランキング7位
RE-MAIN(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (122)
345人が棚に入れました
知らない自分に、僕らは出会う
総監督・脚本 西田征史(「TIGER & BUNNY」) × アニメーション制作 MAPPA(「呪術廻戦」)の初タッグで水球に挑む!

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

もっと単純につくってほしかった

この物語は、おそらく原作者の方が工夫に工夫を凝らしたのだと思われます。
でも、工夫を凝らせばいいものができるとは限りません。
もっとシンプルにつくってほしかった。
そうすれば、かなり感動できたと思います。

主人公のミナトは、中学で水球日本一になったチームのエースストライカー。
その彼が、突然事故で意識不明となります。
意識が戻ったのは一年後、しかも過去の記憶をすっかり失くしていました。そのうえ、まるで別人のように、性格もすっかり変わっていたのです。
もちろん一年間も寝たっきりの状態だったので、たくましかった筋肉もすっかり削げ落ちています。水球の技術もゼロになりました。

そんなミナトがゼロの状態から再び水球をやり始め、仲間と一緒に切磋琢磨します。
ここまでは凄く良い内容でした。
この延長で最後までやってほしかったと、つくづく思います。


でも、ここからは、見たくないものを見せられた気分です。
原作者は工夫を凝らしたつもりかもしれませんが、
それが視聴者の私には、不愉快にしか感じられませんでした。

確かに車の事故を起こしたのは母親ですが、あそこまでひどく恨み言を言うのはやめてほしい。まるで幼稚園児のようなふるまいです。

それに、エースは自分勝手に振る舞って良いといった監督さん。あなたは本当に水球を知っているの? と思わず言いたくなります。
しかもそれを真に受けて、ミナトはチームメイトに独裁者のようにふるまってしまう。
これじゃあ、みんなやる気をなくします。
視聴者も、見る気を失くします。

最終回にしても、いきなり怒鳴り散らして、最後にあればフェイクだったと言われても、そのとき感じた不愉快さは、なかったことには戻りません。

もっと単純につくってほしかった。つくづくそう思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ワイも不時着

オリジナルアニメ


岡山舞台の水球アニメ。中学で全国制覇した主人公が不慮の事故で記憶(だけ)を亡くし浦島太郎状態で高校生活をスタートするというとこから。競技の記憶もごっそり抜けてることもあって全国制覇メンバーのお友達も寂しそうなんだけど本人はどうにも反応しづらい。
この記憶の欠落した時点を境に前後の自分はまるで別物。ある意味で生まれ変わったようなものですがいかんせん同一人物なんでね。徐々に記憶を取り戻したリなんだりでビフォアアフターが混じったり反目したりと単なる水球アニメになるところへコショウ一振りスパイスつけてる感じです。

 創部(または再建)→なんかしらの結果出す

これを1クール尺で頑張るので区切りのいいところまでになりますがどこで一服つかせるかは腕の見せ所。評判良かったら続編も…を念頭に置いてるかもしれません。

 夏・プール・男の裸

とリアタイ視聴期の季節感にも合い納涼一服気分で楽しみました。
男だらけアニメにたまに見られる“男同士の変な距離感”はありませんでした。一方でプールだけに『Free!』みたいなスイミー作画を期待したところこちらもさほどでもないです。作画はよくわかりませんが目立ってスゲー!みたいなのはありません。
私としては特に刺さらず可もなく不可もないという評価です。後述ネタバレのどうでもいい理由が気になってたのと、よくよく考えたらオリパラ開催期間中で未知なるスポーツにワクワクするのもドキドキするのもアニメ外で充足できてたのでお腹いっぱいだったかも。
夏場の清涼剤くらいの感覚で臨まれてはいかがでしょうか。。。



※雑感

■『forget me not』

水球で有名な人だと吉川晃司さんを思い浮かべる人も多いでしょう。たしか広島ご出身だったから岡山の隣県ですわな。その飲み友達だった故尾崎豊の代表曲一つと同名タイトルがOPに使用されてます。もちろん尾崎のとは全く違う楽曲ですよ。
めっちゃ爽やかで夏やプールや男の裸が映えるチューンでした。K-POPみたいですね。「煌めく日差しが♪」が「煌めくぅひじゃしが」に聞こえてたのであーなるほどでした。
で、めっちゃ爽やかなのはいいとしてたぶん私がバカ耳だからだと思うんですけど
{netabare}サビ部分がユーミン『守ってあげたい』のソレと被るんですよこれが。ユードンハフトゥウォーオリ♪のとこ。以来脳内にカチッとセットされてしまい最後までユーミンの顔がチラつき邪魔をしました。{/netabare}

{netabare}気になりだすとユーミンだろうがKーPOPだろうが脳内比率のうちOPを占める割合が高くなってきます。こじれると、、、
K繋がりで韓流ドラマあるあるの一つ“とりあえず記憶喪失!”と本作の基本設定の相性が良いじゃーんとかどうでもいいことを考えるに至ります。
そしたら関連してもっとすごいのぶっ込んできましたね。“記憶喪失してる期間のスライド”という力技。今度は一部思いだしたけど別の期間の記憶が抜けちゃうという脳医学臨床の最先端をゆく症例でございます。なにか糸が切れた瞬間でした。{/netabare}

王道スポーツものではなく韓流ドラマという魔解釈から抜けきれないため本レビューは参考にしないでくださいませ。


■韓流おかわり

悪ノリ続きです。ここまで来たらどんどんいったれーっ!とそれっぽい違和感が残った3点を追加

1.{netabare}曙学館(しょがくかん)の備前監督(CV緑川光){/netabare}
 {netabare}高校の学校スポーツは教育の一環です。仮に建前でもですよ。なので中学優勝時の記憶が戻った主人公に対する大人の態度としてあれはないかな、と。体調やメンタルなどみなと君その人個人への気遣いはなし。かつての教え子に大きな変化が生じているのにです。「大丈夫か?どうだ?」くらい声かけてあげりゃいいのに、あくまで競技者視点でのうんぬんかんぬんのみ。全国クラスならなおさらメンタルケアなんて大事だろうに。どうにも違和感しかない監督さんの対応でした。アニメ的にも大人は魅力的に描かないとだめよね。{/netabare}

2.{netabare}川窪ちぬ(CV Lynn){/netabare}
 {netabare}つまり記憶無くなる前のオラオラみなとくんが気になってたということね。KISSも意味不明で「ズキュゥゥン」な唐突さでした。同じオラオラでも適宜適切ワードをぶち込んでキュン死させるのが日本の少女漫画。オラオラなまま性格どんなでも結果出しちゃうあなたがどうにも気になるわの韓流ドラマ。ちぬちゃんは後者っすね。好きな人は好きなんでしょう。{/netabare}

3.{netabare}曙学館手前の試合{/netabare}
 {netabare}試合展開、心理描写、軒並み稚拙なんだけど試合には勝利。プロセスより結果重視。順位序列が上であることを優先。なんだかなぁ{/netabare}
 {netabare}最終回。曙学館に1点取るとこも上手いことやったった感醸し出してたけど自身の競技力低下には見ぬふりで、だまくらかしただけでドヤられてもなぁ{/netabare}

歌と記憶喪失設定だけではないと魔解釈をさらにこじらせてるためやっぱり本レビューを参考にしてはいけません。



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.03 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ドッペルのような

全12話

中学の時、水球で有名選手だった主人公が交通事故に合い、中学3年間の記憶が喪失してしまいます。記憶喪失のまま高校進学をした主人公は部員が1名の水球部に勧誘され、色々あって競技する人数も集まり、また水球始めるお話です。

部員が1名から始まる水球部、人数が集まったとはいえ半分以上が素人、また主人公も水球経験者とはいえ記憶にないのですから最初は全然うまくいきません。

輪が進むにつれ少しずつ纏まってきて連帯感が出てきた矢先にあることが起こり急展開します。
{netabare}
主人公が記憶を取り戻し、記憶を失った期間を忘れるということは分かりましたが、その間の性格?精神?は何処へいったんでしょうね。

以前の性格に戻り180度変わってしまったので、主人公に良い感情はなくなりました。
{/netabare}
部員たちの距離が縮まりましたが、まだまだ完全ではないようですね。

前半の方が観やすいと思いましたが、後半も終盤あたりは良かったと思います。

OPはENHYPENさん、EDは仲村宗悟さんが歌っています。

最後に、水球といえば水中の格闘技といわれるほど激しいスポーツでせめぎ合いは大変だと聞きますね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13
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