J.C.STAFFで学園なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のJ.C.STAFFで学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のJ.C.STAFFで学園なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.8 1 J.C.STAFFで学園なアニメランキング1位
劇場版 とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟(アニメ映画)

2013年2月23日
★★★★☆ 3.8 (1476)
8743人が棚に入れました
学園都市製宇宙エレベータ『エンデュミオン』。
その完成を目前に控えたある日、上条とインデックスは無能力者(レベル0)の少女・鳴護アリサと出会う。
路上ライブで素晴らしい歌声を披露していた彼女と意気投合し、放課後を楽しんでいたところ、
アリサにオーディション合格の知らせが舞い込む。
エンデュミオン開通キャンペーンのイメージソングに、彼女の曲が大抜擢されたのだ。
そんな幸せもつかの間、魔術師を引き連れたステイルが突如襲いかかってくる。
ターゲットは、アリサ。なぜ科学サイドの人間である彼女が魔術サイドに狙われるのか?
魔術サイドの強襲を受け、学園都市側は女リーダー・シャットアウラ率いる秩序維持部隊『黒鴉部隊』を展開する。
上条とインデックス、そしてアリサを取り巻く状況が混迷を極める中、ステイルは、こう言った。
「そこの彼女は、魔術サイドと科学サイドの間で戦争を引き起こしかねない」と――。

科学と魔術、そして、歌と奇蹟が交差するとき、『エンデュミオン』を舞台に物語がはじまる――!

声優・キャラクター
阿部敦、井口裕香、佐藤利奈、三澤紗千香、日笠陽子、佐倉綾音、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、伊藤静、谷山紀章、能登麻美子、勝杏里、岡本信彦、ささきのぞみ、川原慶久、こやまきみこ
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とあるシリーズ感謝祭

本編 90分

原作 どちらも未読

アニメ版は どちらも視聴済み


『とある魔術の禁書目録』と『とある科学の超電磁砲』を観てからの視聴をオススメします。


感想だけ

率直な感想を言うと、とあるシリーズオールスターキャラが活躍する印象でした

90分の短い時間に沢山のキャラが登場するので、それぞれそんなに掘り下げられないのが残念ですが・・・
まぁ、しゃーなしですね。

ストーリーは、可もなく不可もなく・・・っと言った感じ


ネタバレ感想
{netabare}
一応、上条当麻が主人公で話が進んで行くけど、今回はそんなに活躍してなかったように感じました
(その分、他のキャラ達が活躍してるからなんだけど ^^;)
イマジンブレイカーも あんまり使っていなかったし、ちょっと残念。
(しかし、この能力だけで よく死なないよね^^;)

でも、やっぱり最後は「説教王子」でしたww (苦笑)
女子の頬に KOグーパンチは、ちょっと引いたよ ∑( ̄[] ̄;)!うわ~!
顔はいけね~な!
やるなら ボディーにしな!ボディー!!
(〃^∇^)o_彡☆あははははっ    


あと、印象に残ったのは、ポニーテールで刀使いの
神裂 火織

生身で宇宙空間に出れるなんて!
んで、
あれって、一仕事したら そのまま大気圏突入して地球に帰ってるの!? (; ゜ ロ゜)!
何でもアリかよ~ って、突っ込み入れずにはいられなかったwww
Σ\( ̄ー ̄;)
{/netabare}


終盤になると、流石に展開が分かっちゃいましたが、
でも、それぞれキャラが活躍してて良かったです。

オールスター勢ぞろいなので、自分は楽しめました。 !(*^ー゜)b! グッ


とあるシリーズが好きな人なら見て損はないですね!
(=´ω`)ノシ



エンディング
「FIXED STAR」 歌 - 川田まみ

劇中歌
「telepath〜光の塔〜」 歌 - 三澤紗千香
「アタリマエの距離」 歌 - 三澤紗千香
「Brand New Bright Step」 歌 - 三澤紗千香
「グローリア」歌 - 三澤紗千香
「明日、晴れるかな」歌 - 三澤紗千香
「OVER」歌 - 三澤紗千香、日笠陽子

イメージソング
「Shining Star-☆-LOVE Letter」歌 - 井口裕香

投稿 : 2024/11/09
♥ : 67
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

禁書目録的超電磁砲<追記;祝Ⅲ期>

2013年時点で「とある世界」を最大限に濃縮した作品。
スタッフの愛情がひしひしと感じられる劇場版です。
タイトルに禁書目録とついています。
しかし、妙な悲壮感がない所とかラストのイケイケ感から、ノリは完全に超電磁砲です。

TV版の主要登場人物が、ほぼ総出演の完全オリジナル作品。
総出演だから、一人一人の登場時間は少ないです。
でも、みんなそれなりにいい仕事をしています。

主要新キャラクターは3人。
それぞれが重要な役割を果たします。
その中でも、アリサの個性が光っていました。
歌はうまいし、いい子だし。

劇場版だから、作画が良い。
歌も丁寧に作られている。
ストーリーもわかりやすい。
ステイルの弟子、魔女っ娘3人組はドジかわいい。
お約束のシーンもふんだんにも盛り込まれる。
等々、とにかく、TV版ファンには至れりつくせりの親切設計です。
当然、この世界にどっぷりつかっている私は、超々楽しめました。

神裂のねーちん、やりすぎって声が聞こえてきそうです。
魔術界に20人しかいない聖人。
それくらいのことはやりますとも。

<追記;祝Ⅲ期>
{netabare}Ⅲ期放送前にTV初放送の劇場版を視聴しました。

いやはや、まあまあ、ご都合カオスの炸裂です。
勢いの暴走が止まらない。
楽しくて仕方ありません。

私をアニメ界に引きずり込んだ「とある世界」がこの秋から再始動します。
Ⅲ期の1話を視聴しましたが、やっぱりカオス。
さて、あなたはこのカオスに耐えられますか?{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

とあるシリーズ初の劇場版。とあるファンの個人的評価

再視聴のためレビュー更新。

・上条当麻を主人公とする「とある魔術の禁書目録」
・御坂美琴を主人公とする「とある科学の超電磁砲」

熱ダーク系ストーリー「とあるシリーズ」で初めての劇場版となったのは禁書目録の方です。
とあるシリーズの世界観の中にきちんと位置づけられていて、シリーズファンには安心して観られる作品でした。

歌手の夢を追いかけて頑張るアリサという無能力の女の子が魔術、科学両方から狙われるというストーリー

アリサに絡んだ陰謀が学園都市を巻き込んでいきます。

1期2期に登場しなかった学園都市のシンボルのようなエンデュミオン(宇宙に繋がるエレベーター)がそびえたっていて、壮大なスケールを予感させる。

とある禁書の劇場版ですが、禁書目録も超電磁砲もほぼキャラクターを総出演させているところファンにはたまらないです。


不幸、不幸と言いつつも良いところをかっさらっていく上条当麻。
いつもお腹空いているけどやっぱり最強シスターのインデックス。
レールガンのヒーロー御坂美琴。
その他、ステイルマグヌスや神裂火織、初期のメンバーも多数登場。
禁書目録の作品で佐天さんが出たのも目新しかったです。
加えて新キャラクターも。
そしてアクセラレータとラストオーダー。このコンビが大好きな私は一番の見所でした。
{netabare}
ストーリーの重要部分に関わってはいるものの出番が少ないです。
私、アクセラレータの位置付けがダークヒーローであることを忘れていました。
けれどやっぱりみせてくれた、素晴らしいお仕事をやってのけてくれました!
{/netabare}
登場するキャラクターが極めて多いため個々の尺が少ないのですが、
そこの中でキャラの魅力を最大限生かせていたのが良かったです。

ライブシーンはとても綺麗ですし戦闘シーンも迫力がありとても見応えがありました。

90分の時間を勢いよく駆け抜け、密度高いです。禁書目録とありますが超電磁砲も絡めた作品です。ファン向け作品だと思います。
上記の理由から私、高評価です!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53

64.5 2 J.C.STAFFで学園なアニメランキング2位
劇場版 灼眼のシャナ(アニメ映画)

2007年4月21日
★★★★☆ 3.7 (295)
1959人が棚に入れました
平凡な高校生・坂井悠二の日常は、ある日突然消滅した。異界から渡り来た、人の“存在”を灯りに変えて喰らう化け物“紅世の徒(ぐぜのともがら)”が悠二を襲う。逃げることも忘れ呆然と立ちすくむ彼を救ったのは、紅蓮の髪と瞳をもつ謎の少女だった。そして──その少女は、悠二にこう告げた。
「おまえはもう【存在】していないのよ」と。「存在亡き者(トーチ)」であった悠二と、彼に“シャナ”と名付けられた少女は、悠二の中に宿る宝具を監視するため御崎市に留まることに。そして二人は、彼をトーチに変えた元凶、この街に潜む紅世の王“狩人”フリアグネと対峙する……。

声優・キャラクター
釘宮理恵、日野聡、江原正士、川澄綾子、櫻井智、生天目仁美、岩田光央、諏訪部順一、こやまきみこ、野島裕史

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

コンパクトシャナ!劇場版を観れば「灼眼のシャナ」を理解できます。

「灼眼のシャナ」を齧るにはもってこいの劇場版。
シャナの何たるかがわかります。

紅世のともがら、フレームフェーズ、封絶、自在法、トーチ、ミステス、メロンパン、うるさいうるさいうるさい。
これくらいわかれば、灼眼のシャナの60%は理解できます。

内容はといえば、1期序盤の総集編的な作品。
と思ったら大間違い、TV版とストーリーが微妙に変わります。
おいしいとこどりのうまい編成。
ラストもお見事。
結構、見ごたえがあります。

フリオイグレシ・・・じゃなかった、フリアグネとのシビアな戦い。
シャナと悠二の心の距離が徐々に縮まります。
マージョリーさんも大活躍。
一方のカルメルさんは・・・、観てのお楽しみです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29
ネタバレ

ぴの@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

“ミステス”坂井悠二と『炎髪灼眼の討ち手』シャナのはじまりの物語。

2007年4月21日公開。

DVDについているディレクターズカット版のほうを見ました。
アニメ版のほうをみたのがかなり前なので、すごくなつかしく感じましたね。やはりこれが灼眼のシャナ!っていうのをすごく感じさせられるものとなっていました。

内容としては、1期1話~6話までのフリアグネとの戦いにオリジナル部分をたくさん取り入れて作ったかんじの映画でした。
作画にもとても力が入っていてよかったと思います。
{netabare}特に最後のほうのシャナ&マージョリーVSフリアグネとの戦いのところはかなりストーリーも圧巻でつい見とれてしまうものでした。{/netabare}

基本的にはアニメ版を見てれば、話にはついていけると思うのですが、シャナ好きな人にはぜひ見てもらいたい作品だと思いました。
ただ、音楽はアニメ版のほうがいいのでは…?と個人的にそう感じましたね。でも良曲です!

読んでいただき、ありがとうです(●^o^●)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

zu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

TV版の総集編?

中盤位までは、TV版の総集編かと思っていたら、終盤は、ストーリーが変

わっていたので、よかった(笑)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

70.3 3 J.C.STAFFで学園なアニメランキング3位
少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(アニメ映画)

1999年8月14日
★★★★☆ 3.9 (115)
608人が棚に入れました
その独特な世界観と音楽性で大人気を博したTVシリーズ「少女革命ウテナ」。本作品は'99年夏、全国東映洋画系にて公開された劇場版「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」。全寮制の名門鳳学園に転校してきた美少年、天上ウテナ。彼の正体は、ある事件をきっかけに、志高く生きる決心をし、その決意から男装するようになった少女だった。鳳学園でウテナはかつての恋人、桐生冬芽と再会する。彼の指には、薔薇の刻印の指輪が妖しく光っていた。それと同じ指輪を手に入れたことがきっかけで、ウテナは学園の生徒会副会長である西園寺と、決闘することになってしまい…。TVシリーズ同様、ミステリアスな展開は健在。ミッチーこと及川光博が声優に初挑戦したことでも話題を呼んだ。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

アニメ史上に残る美しいキスシーン。ウテナが〇〇〇になるんだよ!という頭おかしい最高なシーン。

 人生の一本を選ぶとしたらみんなが大好きな完璧に近い作品も良いが、スキがあっても自分の魂に決定的に刺さる作品を選ぶ方がより自分の一本といえるのではないだろうか?。


 テレビシリーズの「ウテナ」もまさにそんな作品だったが、それを濃縮した劇場版はより自分には決定的な作品であった。奇々怪々な物語は濃縮されたから、テレビシリーズを見ていなければ間違いなくサッパリわからないだろう。さらにミッチーの起用は正直…な印象である。しかし、美しい物語としての「ウテナ」の要素も濃縮されているので、その感性が刺さる人にはずば抜けた作品です。


 キャラクターデザインはアニメ版より進化し、ウテナの白黒の学ランに短帽というよりとんがった衣装や、メガネ無しのより色っぽいアンシーなど全場面でキャラ絵の美しさだけでもうっとりする程に気合いが入っている。


 そのキャラクターたちが活躍する物語や舞台もまた美しい。最初の決闘シーン、薔薇の舞、鏡越しの別れ、ウテナカー誕生、世界の果てを超える二人、全ての場面がウテナが培ってきたアバンギャルドでありながら他には絶対ない美意識に支配されている。


 特にラストシーンの二人のキスシーンは、恐らくアニメ史上に残る美しいキスシーンだろう。単に美しいだけでなく二人が絡み合って一つの機体となり、偽りの平穏な世界から脱出するというシーンは、テレビシリーズと同じく性を超越した対等な掛け替えのない二人を象徴していてまさにシリーズの終わりに相応しい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

TVアニメ版からたった2年…ですがキャラデザはかなり良くなっていると思います。

この作品は、少女革命ウテナの完全新作の長編アニメーション映画です。
完全新作ではありますが、TVアニメ版を視聴してからの方が物語の世界観を含め入り込み易いと思います。そのため、39話ありますがTVアニメ版を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

・ウテナが転校生
・生徒会長である桐生冬芽とは幼馴染
・姫宮アンシーは眼鏡をかけておらず、髪もストレートのロングヘア
この様にTVアニメ版とは若干設定が異なりますが、登場人物の立ち位置や薔薇の花嫁を廻る決闘は変わらないので、すんなり物語の中に入ることができます。

物語の序盤…TVアニメ版のウテナに慣れ親しんできたせいか、ウテナの姿にはちょっとビックリしました。黒の学生服に赤のスパッツ…ピンクのロングヘアが彼女の特徴でしたが、劇場版では学生服が白と黒…これはまだ許容範囲でしたが、一番ビックリだったのは髪の毛がショートカットになっていたことです。あのピンクのロングヘア…綺麗で魅力的だったのに…と思いましたが、ショートカットのウテナも捨て難いのは事実です。

でもデュエリストの姿に変身すると髪の毛はTVアニメ版の様なロングヘアに戻ります。
変身に伴って髪の毛の長さも変わるのかな…と思って視聴していましたが、レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、普段はロングヘアをショートカットに編み込んでいたのだそうです。
プリキュアだって変身したら髪の毛の長さが変わるんです…ウテナが変わっても違和感は無いと個人的には思っていましたが…^^;

一方物語の方ですが「革命が再び訪れる…」という表現がピッタリだと思います。
TVアニメ版でも革命は起きました。それについては理解も納得もしています…
けれど、情報が断片的だった事から消化不良感が否めないのも事実です。

でもこの劇場版では、しっかり尺をとって「革命」について描いています。
そのため、TVアニメ版のラストが分かりづらいと思った方もこの劇場版を視聴する事で腑に落ちる事もあるかと思います。

革命を起こすのは決して簡単な事じゃない…
革命は誰かが起こしてくれるものじゃない…だから雛鳥は卵の殻を割らなくちゃいけない…
革命は起こして終わりではなく、むしろそれが出発点にしかすぎない…
革命には決まった形は無い…だから革命の形は十人十色…
これからの道は決して平坦ではなく、荒れた険しい道が続いている…
一人では乗り越えられない壁が待ち受けているかもしれない…
でも…

ウテナは革命のカードを切ります…
それがどんなカードだったのか、気になる方は是非本編でご確認下さい。
「革命に携わった者の大いなる意思…」が感じられる展開だったと思います。

劇中で使われた挿入歌で印象に残ったのは、やはりTVアニメ版のオープニングでもあった「輪舞-revolution」です。やっぱりこの曲…恰好良いです。

約90分弱の作品ですが中身は濃厚で時間が過ぎるのがあっという間でした。
TVアニメ版を視聴された方は一見の価値のある作品だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

さぁ革命だ!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分くらいの学園ファンタジー。
 おすすめされたのをきっかけに視聴しました。テレビ版の続編ではないということでしたが、一応5話まで視聴しております。5話で切ったわけではなく、1・2話の段階でストーリーの外観がはっきりしていることと、5話までで序盤の安定期に入っていそうでしたので、映画にシフトしました。非常に面白かったので、テレビ版も継続的に視聴していこうとは思っています。映画版はまごう事なき傑作でした。

 この映画は、キャラクターに関してはわかりませんが、世界観に関してはテレビ版を踏襲しているようです。テレビ版のレビューで書いた説明は端折りますので、適宜テレビ版のレビューもご参照ください。

世界観の概要①(テレビレビューまとめ):{netabare}
 テレビ版で書いたこの作品の世界観をまとめます。

・この作品では、「絶対運命黙示録」、つまりメタフィクションをしたい。
・製作者は、このアニメを「学園モノ」、主人公を「王子様」に決めた。
・主人公は、創作の世界では絶対的な存在であり、創作の世界を自由に革命できる。
・登場人物は、この力を欲しがり、「王子様(主人公)」になりたがっている。

・主人公になっても、変えられないものがある。それはアニメの設定である。
・これを変えるためにはアニメの世界を壊し、現実の世界に行かなければならない。
・これこそが真の革命である。


 製作者が言っている「世界を革命する力」とは、「アニメの世界」を脱し、「現実の世界」へ到達することです。しかし、「アニメの世界」にいることを知らない登場人物たちは、主人公になり、アニメの中を自由に変えることだと思っています。

 つまり、この作品の革命者とは、
  ①主人公になり学園(アニメの世界)を支配する仮の革命者
  ②「アニメの世界」を脱し、「現実の世界」へ到達する真の革命者
という2種類の革命者がいるのです。

 また、製作者が言う革命を起こすためには、
  ①登場人物が「アニメの世界」にいることを「自覚」し、
   「アニメの世界」を壊そうと「決意」する「意識の革命」
  ②実際に「アニメの世界」を壊し「現実の世界」に到達する「構造の革命」
という次の二つの革命が必要となります。
 なお、映画では、「現実の世界」は「外の世界」と表現されていました。
{/netabare}

世界観の概要②(映画内での表現):{netabare}
 「構造の革命」に関する生徒会の革命宣言がなくなってしまいましたが、同じことを示したセリフが散在しています。まずはジュリのセリフから。
  ジュリ「この暗闇の奥は、世界の果てへと続いている。」
     「もうすぐ始まる。革命が。」
     「私は(私を縛り付ける)全てを断ち切るために、この力が欲しいんだ。」

 ジュリは、革命の力は、ジュリというキャラクターを縛り付ける全てのものを断ち切ることができる、と言っています。また、「アニメの世界」は「世界の果て」へ通じており、革命が始まることで「世界の果て」へ到達することを示しています。「世界の果て」を越えた先が「外の世界」です。ジュリ自体は革命の力を誤解していますが、どちらの革命であっても、ある程度「断ち切れる」のは事実です。

 トウガとアキオのセリフ。次のセリフは、「アニメの世界」を説明したものです。
  トウガ「全て王子様を中心に作られた場所なのに、生身の王子様だけがいない。」
  アキオ「生きながらに死んでいられる、あの閉じた世界」

 トウガの「全て王子様を中心に作られた場所」というのは、ここが「王子様」を主人公とした創作の世界であることを示唆したものです。実際、「王子様」決定戦である「決闘」をすることで、主人公の座の奪い合いが行われています。
 また、トウガは、「本物」と表現せずに「生身」の王子様がいないと言っています。「アニメの世界」だからこそ「生身」がないのです。「現実の世界」の生がないために、アキオの言う「生きながらに死んでいられる」世界なのです。テレビ版の「生まれているのに、生れずに死んでいく雛」という概念に対応するセリフです。
 そして、アンシー・トウガ・アキオという死者すらも生きていられる世界、これが「アニメの世界」です。「現実の世界」では有りえないことが、起こりうる世界です。

 アキオは「どうせ行き着く先は世界の果て」だと言っています。彼は、ハイウェイでお城をクリアしたその先から出てくる人物です。アンシー殺害シーン(車の鍵を探すシーン)でも、この世界がアニメであることを知っていることが明かされています。
 彼は、この世界が「アニメの世界」であると「自覚」していながら、革命を「決意」しなかった人物です。そして、「アニメの世界」にいることを選んだ「仮の革命者」なのです。

 彼に対してアンシーは「でも私たちの意志でそこに行ける」と言っています。これは「外の世界」へ行こうとする「意識の革命」の話です。アンシーも元々は「自覚」していながらも「決意」しなかった人物ですが、ウテナに感化されて「決意」をしたのです。
{/netabare}

終盤①ウテナの「自覚」:{netabare}
 終盤で描かれているのは、「意識の革命」がもたらした「構造の革命」です。まずはウテナが「車」に変わる直前から確認してみます。

 ウテナはトウガとの対話により、トウガが死者であることを思い出しました。この世界が、死者でも生きていられる「アニメの世界」であることを「自覚」したのです。

 このあとのアンシーのセリフです。
  「あなたは今、学園の王子様。
   どんな奇跡もどんな永遠もその手に掴める。この世界にいる限り。」
 「アニメの世界」にいるかぎり、主人公であれば、思いのままだと言っています。
 アンシーは、自分が死んでいることを知っています。つまり、この世界が「アニメの世界」であることを「自覚」しているのです。ですが、この世界を壊すことを「決意」せずに、仮の革命者を歓迎しているのです。
 ウテナはアンシーの申し出を断り、「外の世界」へと誘います。なぜ、アンシーを誘ったのか。
 アンシーに「バラの花嫁」というキャラクターを捨てさせることは、この「アニメの世界」にいては達成できないからです。つまり、二人ともが真の革命者にならなければいけなかったのです。ここから先の展開は、ウテナとアンシーの起こした革命です。
{/netabare}

終盤②二人の革命と車:{netabare}
 最初の革命者はウテナです。ウテナは製作者が用意した「王子様になりたい少女」というキャラクターを捨てました。これが「自覚」と「決意」に基づく「意識の革命」です。これにより「馬車を模した車」に変化します。

 ウテナがもたらした「構造の革命」は、非常にシンプルです。「車」になるということは、中世的かつファンタジックな世界を捨て、現代的かつ科学的な世界へシフトすることです。また、「車」が走ることで、「学園モノ」から脱し、ハイウェイに至りました。「車」が馬車を模しているのは、王子様のいる中世的な世界が現代に変わったことへのメタファーです。
 つまり、「中世的かつファンタジックな学園モノ」という「少女革命ウテナ」を作っている世界を、「現代的かつ科学的な現実の世界」へと「構造の革命」を起こしたのです。「少女革命ウテナ」という「アニメの世界」を「車」という存在のみで革命してみせたのが、この終盤の意義です。

 次の革命者はアンシーです。アンシーも少女というキャラクターを捨てました。「車」の運転というのは、男性的であり大人の象徴です。これがアンシーの「意識の革命」です。
 アンシーの革命は、ウテナの革命を押し進めるものです。アンシーの「意識の革命」により、「車」はF1マシンのような形態に変化しました。前輪にあった馬のモチーフが、後輪になりました。ウテナが作った現代的な世界を未来的な世界へとシフトさせたのです。ウテナを近代的として、アンシーを現代的でも構いません。いずれにせよ、もう一段階前進させる「構造の革命」を起こしたのです。

 ウテナとアンシーは、真の革命者となることで、互いにないものを補完しました。
 革命前のウテナは、男性的な振る舞いという特徴を持っていました。
 革命前のアンシーは、人間ではなく所有物であると自ら認識しています。
 革命により、ウテナは物へと変化し、アンシーは男性的な振る舞いを獲得しました。互いに不足している部分を補完し、真の革命者として同質化されたのだと思います。

 なお、「車」の鍵はバラの刻印でした。トウガは「これが俺をここに導いた」と言っています。バラの刻印は、製作者がキャラクターに送った主要人物の証であり、「絶対運命黙示録」の一部なわけですが、それは「外の世界」と「アニメの世界」をつなぐものでもあるのです。
{/netabare}

終盤③革命の結末:{netabare}
 このウテナとアンシーの革命の結果は描かれていません。その答えは明らかです。「絶対運命黙示録」が革命されたからです。革命がもたらしたのは、「アニメの世界」からの離脱と「現実の世界」への到達です。
 「アニメの世界」を描かないのは、ウテナとアンシーがいなくなるです。
 「現実の世界」を描かないのは、私たちの世界(実写の世界)だから描く必要がないのです。

 荒野を走るウテナとアンシーのセリフを引用します。
  ウテナ「これから僕たちの行くところは、道のない世界なんだ」
  アンシー「私たちはもともと、その外の世界で生まれたんだわ」
 「現実の世界」は、「アニメの世界」のような設定もなく、未来も分からない道なき世界です。でも、彼女たちキャラクターを産むことができたのも、この「現実の世界」だけなのです。
{/netabare}

エンディングのキスシーン①アドゥレセンス黙示録:{netabare}
 エンディングは、ウテナとアンシーのキスシーンです。これは「アドゥレセンス黙示録」に関する事柄です。

 「アドゥレセンス黙示録」、カタカナだと分かりにくいのですが、おそらく「adolescence黙示録」です。テレビ版は分かりませんが、少なくとも映画版では、「思春期の恋愛を示す」ことが重要な要素として加わってきているのが分かります。

 この映画で描かれている恋愛模様は、全て異常なものです。サイオンジとアンシーは、人間と所有物。ウテナとトウガは、生者と死者。アキオとアンシーは、兄と妹、などなど。ここに並列されるのが、ウテナとアンシーの女と女、です。
 最も異常性の低いものは、ジュリとミキの女性が年上、でしょうか。現代の価値観ではあまり異常性は感じませんが、「姉さん女房」という「女房が年下であることを前提とした言葉」があるわけですから、やはり異常なものの枠内に入れるべきなのでしょう。少なくとも、ごく一般的な普通の恋愛は皆無だったと思います。なぜ普通の恋愛が描かれなかったかというと、「アドゥレセンス」を革命するためです。
{/netabare}

エンディングのキスシーン②アドゥレセンス黙示録の意義:{netabare}
 「アドゥレセンス黙示録」の革命が意味するところを理解するために、もう一度、「絶対運命黙示録」の革命をおさらいしてみます。
 ◆今の世界が、「アニメの世界」であることを「自覚」して、
  まとったキャラクターを捨てる「決意」をすることで、
  「アニメの世界」を壊し、「現実の世界」に到達しよう、です。

 これを一般化してみます。
 ◆今の世界が、普通の世界ではないことを「自覚」して、
  固定観念を捨てる「決意」をすることで、
  今の世界を壊し、新たな世界を創造しよう、となります。

 これを「アドゥレセンス黙示録」の革命で言い換えます。
 ◆普通の恋愛に基づく世界が、普通の世界ではないことを「自覚」して、
  普通の恋愛を捨てる「決意」をすることで、
  普通の恋愛に基づく世界を壊し、新たな恋愛に基づく世界を創造しよう、となります。
 普通の恋愛を捨てる「決意」を見せるために、異常な恋愛を描き続けたのです。

 製作者は、「アドゥレセンス黙示録」、つまり、この世界は普通の恋愛により成り立っているんだ、と示した上で、「あなた達が思っている普通の恋愛に基づく世界って、本当に普通なんですか?」という問題提起をしているのです。その「決意」を先に見せることで、アニメのキャラクターではなく、私たちに「無自覚を自覚しろ」と言っているのです。
{/netabare}

エンディングのキスシーン③アドゥレセンス黙示録の結末:{netabare}
 恋愛は精神面の問題ですから、「意識の革命」に属するものです。
 この映画では、革命が起こった先は描かれておりません。なぜなら、「意識の革命」とそれによる「構造の革命」が起こってしまうと、「現実の世界」に至る、つまり私たちの問題になってしまうからです。

 このような異常な恋愛がまかり通る恋愛革命が起き、そのような思春期が一般化されると、「構造の革命」は起こるのでしょうか。おそらく「起こる」というべきでしょう。

 少なくとも現代社会においては、LGBTの認知度が上がるにつれ、性転換や同性婚が許容される世界になり、いくつかの国では法制化も進んでいます。その可否はともかくとして、恋愛革命は確かに社会の構造を革命しているのです。そして、構造の革命が起こると、革命前の異常を正当化させる力を持ち、批判を許しません。

 これは今だからこそ「起こった」と言えるものです。当時の製作者がどこまでこれを予期していたかは分かりませんが、少なくとも預言(予言じゃないよ)ではあったのでしょう。「アドゥレセンス黙示録」の先見性は、非常に高いものでした。
 ウテナとアンシーは、異常性愛であるレズを現実の世界へ持ち込むことで、私たちの世界を革命してみせたのです。「アドゥレセンス」の革命を、「絶対運命」の革命により現実化したのです。
{/netabare}

ウテナ・女性像・男性像について。随分長文になってしまったので、駆け足で。

まずはウテナから:{netabare}
 映画のウテナは、その性別に対するニュートラルさが強調されていました。オープニングのトウガとの再会シーンでは、十字架に絡みついたバラが描かれています。これは「女性の死」を描いたものです。男性側にシフトするかと思いきや、サイオンジとのバトルでは「男だと行った覚えはないぜ!」ですから、男と女の両方を否定しています。
 バトル中では、剣を抜くとともに、髪の毛が伸びます。男性の象徴を手にすると同時に女性化しますから、やはり性別に対して中立さを維持し続けます。
 女性側へのシフトのきっかけは、トウガだと思われますが、確定するのは「車」が壊れたあとの長髪全裸のウテナです。王子様のコスチュームを脱ぎ去り、誰が見ても女性になりました。女性ウテナが女性アンシーとキスをして、「アドゥレセンス黙示録」の革命となりました。
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続いて女性像:{netabare}
 この作品の女性像は二つだけです。お姫様と魔女です。お姫様は男性に守ってもらうもの、魔女は男性をたぶらかすものです。
 もちろんウテナはどちらにも該当しません。そもそも女性を否定していますし、サイオンジとのバトルでは露骨にホウキ(魔女の象徴物)を壊しています。
 ウテナが両方を否定しているせいで、両方を背負ったのがアンシーです。バラの花嫁の正体は、お姫様兼魔女で、全ての女性像を内包したものです。男性は当然求めますし、女性は否定したくともこの魅力に贖えません。その反面、象徴化が過ぎるためモノ化してしまい、所有物になってしまいました。この傾向は、アンシーが「車」に乗るまで続きます。自我を持って物から人間になり、女性を捨て男性化することで、バラの花嫁ではなくなりました。
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最後に男性像:{netabare}
 男性像は王子様だけです。本物の王子様と偽物の王子様。
 本物の王子様は、個人的なものであって、一般的なものではないというのが結論のようです。王子様を自称する人は、演じているだけで、偽物の王子様だとされていました。

 偽物の王子様の最たるものはアキオでした。このサイトのレビューを見る限り、アキオの声優である及川光博さんへの風当たりは相当強いようです。私は加点対象にしたんですが…(涙)。
 上手いか下手かと言われると、下手です。超下手です。どれくらい下手かと言うと、聞いているこっちが恥ずかしくなるくらい下手でした。でも、これが良かったんです。

 ほかの声優さんが「声優」を全うしている中、一人だけ「声優」をやっていないんです。現実の声なんです。異様な現実感を生んでいるんです。ハイウェイのシーンで、この現実感を見せられてしまうと、「外の世界」つまり「現実の世界」が確かにこの先にあるような強い説得感を持っていました。
 アンシー殺害シーンもとても良かったです。このシーンは、一般的な王子様なんていないんだ、そんなことを言っているやつは偽物の王子様なんだ、と暴かれるシーンです。この時のヘタレっぷりというか、偽物っぷりが輝いていました。
 「現実の偽の王子様」である及川光博さんが、「少女革命ウテナ」の世界でも「現実の偽の王子様」を存分に発揮してくれました。文句なしの偽物の王子様でした(←褒めてます)。
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 キャベツ畑とか、蝿の王とか、たくさんの黒い車とか、藁人形とか、まだまだ言いたいことはたくさんあるんですが、そちらは皆さんにお任せします。

対象年齢等:
 女性はまず大丈夫でしょう。芸術性が高いので男性も問題なし。年齢的には少し高めの方がいいですかね。性表現ではなく、象徴物の処理の難易度の高さゆえです。
 象徴物が多いからというか、象徴物と暗喩でしか語らないから難しいという作品です。逆に、打開策が見えると芋づる式、という感じもありますけどね。お腹いっぱい。

投稿 : 2024/11/09
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