イムラ さんの感想・評価
3.0
「妹ラブコメ」というジャンルをこの世に生み出した
<2021/11/20 初投稿>
原作はあだち充「みゆき」全12巻 1980-1984年に少年ビッグコミックにて連載
「タッチ」と並ぶあだち充の代表作のアニメ化作品です。
放送時期は1983年から1年。
当時、原作大好きだったので楽しみに第1話見たのですが・・・Aパートでテレビのチャンネル変えました。
ヒロインの声を荻野目洋子さんが当てていたのですがこれが悲しかったー
全く「陽あたり良好」といいフジテレビはなにしてくれんだ、コラ!
というわけでアニメの方は挫折しましたが、原作について少し語らせてください(「陽あたり良好」に続いてのあにこれのルール違反ごめんなさい)
本作は
"全くなんの取り柄もない非モテ高校生"の「若松真人」
"クラスのマドンナ的存在"の「鹿島みゆき」
"6年ぶりに再会した義理の妹"の「若松みゆき」
男主人公と二人の「みゆき」のお話です。
高一の夏休み、海の家でバイトするモテない若松真人くんが、ビキニの可愛い女の子になぜか逆ナンされるところから物語は始まります。
いわゆるラブコメ。
それも「妹もの」の元祖
Wikipediaによるとあだち充御大は本作について
「単にかわいい妹を描きたかったんですよ。妹がいない自分の妄想です(笑)」
と語ったのだとか。
この発想が妹ものの根幹ですよね 笑。
ただ、私。
本作にははまりましたが、その他の妹ものはほぼ全滅なんですよ。
「俺妹」も
「魔法科高校」も
「うまるちゃん」も
人気作でなくとも「妹」が入る有象無象のハーレムラブコメも
自分のレビュー調べたら「男主人公とその妹が中心となって繰り広げられる作品」は「鬼滅の刃」「絶園のテンペスト」くらいしかなかった(笑 (2021/11/20現在)
つらつらと思うに、「みゆき」という作品の「妹としてのリアルさ」に憧れてたのかもですね。
妹・若松みゆきさんの兄への態度は自然そのもの。
なんでもあだち先生は当時、仕事場によく遊びにきていた女子高生の言動を参考に「若松みゆき」をつくりあげていったのだとか
わざとらしいツンデレもないし
アホのように「お兄ちゃんスキスキー」でもないし
「ナチュラルな妹像」というのが妹のいない自分には当時ぶっ刺さったのだと思います。
それだけ「可愛く魅力的な妹」がそこにいました。
そして、兄妹という関係性がラブコメに必須の大きな障害となり、物語のラブコメ度を大きく引き上げ、世の(妹のいない)男性を惹きつけたのです。
この魅力は時代を超えても色褪せないようで、十代の甥っ子が私の蔵書「みゆき 全巻」を勝手に読んで、勝手に大はまりしてました 笑