てけ さんの感想・評価
4.1
世界スケールの「主観体験」
原作既読。
バトル……ではなく、恋愛ものです。
世界観は地球規模と、とてつもなく大きいです。
それだけスケールの大きな話なのに、わかるのは、自分の恋人のことだけ。
それも断片的なものです。
何か大変なことが起こっているのはわかる。
いつの間にか、どこか遠く、見えないところで変わっていく恋人。
しかし主人公にできるのは、そんな彼女を見守り、声をかけ続けることだけ。
つまり、主人公が見えている世界≒視聴者が見えている世界、主人公ができること≒視聴者ができること、というわけです。
そういう「主観体験」ができるお話です。
そこが最終兵器彼女の最大の魅力だと思っています。
その魅力を引き出す替わりに捨てたのが、世界観の説明や事件の解決。
よく「セカイ系」とカテゴライズされますが、誰にもどうしようもない、ほとんど選択肢のない状況であるため、主人公や身の回りの人間の行動が世界の運命を左右する「セカイ系」とは少し違う気がします。
残された少ない時間の中で、少しずつはぐくんでいく、「純愛ストーリー」として捉えるのがいいのではないでしょうか。
したがって、大きくストーリーを追ったり謎を解明しようとするのではなく、シュウジ≒自分と、ヒロインちせ、サブキャラクターの感情変化に注目して視聴すると楽しめると思います。
正直、サブキャラクターも出さなくてよかった気がするんですが……そこは、視聴者の分身の一部だと考えましょう。
{netabare}
気になる結末。
最終的にどうなったのか、それは視聴者の想像におまかせといったところ……{netabare}と言いたいのですが、実は世界は滅びていないんです。
生き残った人々の話を描いた「スター★チャイルド」という読み切りの漫画が存在します。
「地球はもうだめ」と言い切ったちせは、最後の最後まで、「かわいいけど……ノロい」だったんですね。{/netabare}
{/netabare}
……あ、実写映画版は正直全然違う話なので、原作やアニメと切り離して考えてください。
趣旨をはき違えている気がします。