GARNiDELiAでClariSなTVアニメ動画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のGARNiDELiAでClariSなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.5 1 GARNiDELiAでClariSなアニメランキング1位
クオリディア・コード(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (656)
3208人が棚に入れました
人類の敵――〈アンノウン〉と戦争を続ける世界。

 数十年前の〈アンノウン〉侵攻時、コールドスリープ施設に避難させられていた子供たち­は、その眠りから目覚めたとき、己の身に超自然的な力――〈世界〉が発現していること­を知る。東京湾ゲートから現れる〈アンノウン〉から国を護るため、少年少女たちは東京­・神奈川・千葉の各防衛都市で戦いを繰り広げるのだった。

東京をさがら総、神奈川を橘公司、千葉を渡 航が担当し、
“QUALIDEA”を作り上げる。

声優・キャラクター
悠木碧、福原綾香、斉藤壮馬、石川由依、内田雄馬、安済知佳
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局無難なお話でしたが、観て損というわけではない。

12話{netabare}
大方の予想通り、葵が最後にアンノウン側に寝返り敵となったが、最後
のバトルはあっけなく地球を代表する6人がアンノウンを殲滅に追い込ん
でめでたしめでたし・・・。1クールで無難にまとめた感じがします。
最後はカナリヤの歌が皆に勇気を与えて大逆転勝利っていうシナリオなん
だろうけど、無難で陳腐すぎ・・・尺の関係もあるから仕方ないのかも
しれないが、最後のバトルはもう少し中身のあるバトルにして欲しかった
感じがします。作画は良くなかったけど、そこそこ楽しめたので、この
作品はそれで良しってことにします♪{/netabare}
11話{netabare}
いよいよ戦いは佳境に入りました。千種のお母さんが負傷して、6人は
アンノウンとの戦いに向かう。葵は最後になにかしでかしそうな感じが
漂っているが、コールドスリープの子供達は助けられるのかな?
アンノウンの侵略の事情ももう少し詳しく知れたらよかったが、概要は
つかめた感じで、ストーリーはいいんだよね。作画はいつも通りでした。
これ、DVDで作画直したりしないよな・・・。{/netabare}
10話{netabare}
どうも作画の雑さが際立っていたように感じます。引きの作画は適当
なのか・・・背景もなんらこだわりのない殺風景な感じが目立つし、
アップの作画以外は気になって仕方なかったけど今に始まったこと
でもないから・・・で済まないよなぁ・・・。千種兄妹のお母さん、
ちょっと無駄に明るすぎてうるさい。カナリヤ一人で勘弁して欲しい。
さて、本当の戦いはこれからなのだろうが、日本に残るコールドスリ
ープに入った子供たちの救出は可能だろう。しかし、コードをつけている
仲間達は殺すわけにはいかないよな・・・。面白いストーリーだし、
キャラの個性も好きなんだけど、ほんと作画がね・・・毎回言うけど
もったいないよ。{/netabare}
9話{netabare}
カナリヤが戻ってくるまで、じっくりと作ったね。見えている世界は
偽物で、真実は植物系の何かに浸食されている感じでしたが、アンノ
ウンに見えていたものは、実は本当は人間の姿なのかな?そして、管
理局で視覚を制御されている者は、人間がアンノウンに見えて、侵略
者が人間を操作し滅ぼそうと画策していたってことかな・・・。
いずれにしても、なかなか面白い内容なのに、作画が相変わらずで惜
しいね。{/netabare}
8話{netabare}
この世界が人為的に作られ操作されている世界だとしたら、その理由は
なんだろう。ここにきて話の内容が興味深くなってきました。本当の
世界があるのでしょうか・・・そしてそれはどのようにして掴み取ること
ができるのでしょうか?首の後ろにあるチップが空想?世界の原因だと
思うが、もしかしてアンノウンの方が現実世界からの使者だったりする
とか・・・考えすぎかな?後半になってグッと作品の重みが出てきたね。
見続けて良かったです。{/netabare}
7話{netabare}
ほたるが舞姫の危機を救うが、ラストはどういうことだ?舞姫のコード
板がアンノウンに撃たれてから、姫の力が一気にダウンしたということ
は姫はどうなるのか?本部で管理するための電子的識別コードだけの意
味あいじゃないのかな?ちょっと謎。そもそもQualideaって英語は無い
し、これはいったいどういう意味なのかな?Qualifyって動詞があるけ
ど、名詞・形容詞形は―deaが語尾に付く形はないし・・・なんだろね?
英語じゃないのかな?謎だったため、外国のwikiでも調べたが、タイト
ルは、Kuoridia-code? みたいになってて、ローマ字表記でした。
あまりこだわる必要も無いのかもしれないけど気になります。ちょっと
謎が多いので、最後まで観ますw 結構面白くなってきましたが、これ
で、ほたると舞姫まで消えてしまうとか無いよな・・・。なんか見落と
してたかな?録画を観直している時間がないから、次週注目します。{/netabare}
6話{netabare}
アンノウンの大襲撃の指揮にあたる舞姫の過去のエピソードを挿入した
戦闘シーン。舞姫の正義を貫く熱い血は祖父譲りなんだね。そして、仲
間を信じ仲間の為に戦う熱い気持ちの根底にはほたるとの絆が存在して
いて、それはそれで美しい話だと思った。壱弥はただぶち切れてしまっ
たが、戦っているだけマシだなw 次週はほたるちゃんが加勢して、千
種兄妹が東京に到着して、どうにかなるのか?40分もたせれば大丈夫と
いうことだったが・・・。{/netabare}
5話{netabare}
壱弥のカスっぷりは半端無いな・・・。最初の威勢はどこへやら・・・。
ただ、壱弥が塞ぎこんでるおかげで、千種兄妹の会話が多くなり面白い。
明日葉の『うける』を聞くとちょっと笑っちゃう。姫はいい子だね~。
でも、心に深い傷があるようだ。ところで・・・カナリヤはどうなった
んだ?作画は相変わらず所々手抜きっぽいとこあるな・・・w{/netabare}
4話{netabare}
壱弥の最初の傲慢さの必要性は理解できた。壱弥が仲間の重要性を知り
丸くなる所までの4話ですな。しかしさ、やっぱ舞姫が一番強い感じが
します。だけどさ・・・どうやってやっつけたのさ?肝心のとどめの
一撃が作画されなかった理由が分からんな・・・。止め画で戦闘終了し
いきなり舞姫の勝利宣言って・・・あまりにも手抜きすぎないか?
あと、戦闘に歌が出てくるのは好きじゃないな・・・。なんか調子狂う
よ。千葉の兄妹はいい味出してるよね。いいとこもあるけど、荒削りな
面も多くて・・・、でももう少し見ちゃうかなw。
カナリヤはどうなったんだろうか・・・?{/netabare}
3話{netabare} 
相手の力量も測れないような首席でいいのかな?・・・と思いつつ、カナ
リアの歌が止まると、壱弥の戦闘能力が存分に発揮できないことが露呈し
た。その程度であの自信は過剰だよね。舞姫の方が断然強そうだな。
ただ、壱弥はいいとこある奴だということは分かった。強大なUNKNOWNに
対し、3校でどのように戦うのか、次週注目って感じですね。舞姫だけで
勝てんじゃないのかな?・・・とも思いつつw{/netabare}
2話{netabare}
壱弥が1話ほど強烈でなくなったので見易かった。これくらいの気性の悪さ
なら十分耐えられる。霞の存在が壱弥にマイルド感を与えていい関係に思え
る。ある程度メインキャラの紹介は済んだ感じでしょうか。そこそこ楽しめ
そうなキャラの集まりだということが認識できました。あとはストーリーが
どうなっていくのか・・・。{/netabare}
1話{netabare}
まず壱弥が胸糞悪くて嫌い。とても酷い性格で気分を害する。そういう
性格になった訳もあるんだろうけど、これがメインキャラだと、観る気が
失せそうだ。キャラ画もかなり雑な部分が目立つし、戦闘と爆破の作画に
関してはそこそこ力が入っているようだけど、決して綺麗な画ではない。
話もたいして面白くないし、UNKNOWNとの闘いの中で繰り広げられ
る人間模様に興味をそそられない。
別に視聴継続しなくてもいいかな・・・と思うような1話だった。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

オマージュの果て

【2016.09.30 少し修正整理】

作画が弱いと一目でわかる。それだけに、これさえなければという印象を持ちがちなのだが、本当にそうだろうか。


序盤の設定を見ると、いわゆる「テンプレ」の、異能で世界を守る学生ヒーローもので、主要キャラクターたちも人気のライトノベルからピックアップしてきたような類型性を強く漂わせている。
だが、無自覚に類型をなぞった安直さよりも、妙に自信のありげな、確信犯的な迷いのなさを感じさせるものだ。


{netabare}創作物は先行作の影響の上に誕生してくるものだが、「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、おそらく「セカイ系」を源流としている。

社会領域を排除し、キミ/ボクのセカイが世界の存亡という破滅的状況と直接に重なる「セカイ系」は、さらに遡れば『新世紀エヴァンゲリオン』にたどり着くだろう。

正体不明の由来のしれない圧倒的な暴力が理不尽に襲い掛かり、破滅寸前である世界を救うため、基盤も仕組みも分らない「陰謀組織」の得体のしれない権力が、少年少女を意義の不明な死闘へと駆り立てる『エヴァンゲリオン』世界。

ここから、子供の目には理不尽な運命を残酷に押し付ける得体のしれないブラックボックスのような「陰謀組織」に見える「社会」を、すっぱりと整理して消去し、子供の「理不尽なセカイ」と「理不尽に破滅する世界」を二重化する方向へ純化したのが「セカイ系」と言えるだろう。

そして「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、「セカイ系」から、キミ/ボクの関係が世界の命運を決定する=ボクの行動がそのまま世界をコントロールしているという、幼児的な「全能感」の快楽だけを抽出して消費する、「セカイ系」の自堕落な頽廃形態を量産するための「テンプレ」として生じているようだ。

本作の設定やキャラクター造形は、明らかに「テンプレ」をなぞっているのに、「セカイ」の造形に「陰謀」的な得体のしれなさを匂わせることで、「セカイ系」の更にその源流の先行作へ向けてオマージュを捧げているような、意図的な作為感を漂わせる。

この印象は、中盤から終盤にかけ、この「世界」が、「学生」の全能感のための「テンプレ」ではなく、学生を支配下に置くための舞台装置であったことが暴露されることにより、やはり先行作品へのオマージュないしは回答であったからだ、と示しているように思う。

「テンプレ」を疑わずに「学生」に感情移入して「世界」の支配感を甘受していた視聴者は、「世界」の最下層を支える部品に過ぎなかったという「真の」設定を前に、衝撃を受けることになる。


このような仕掛けにもかかわらず、本作が退屈で雑な視聴感しか与えないのは、設定やストーリーに注力しているように見える割に、アニメというビジュアル表現に対して意識が不足しているような印象を感じさせるからだ。

それは、作画が乱れている、といった水準の話ではない。

明らかに戦闘に不向きなスクールユニフォーム的な制服で戦闘する。
人間が無造作に空中浮遊し、自在に空を飛ぶ。
掌をかざしたり、剣を振るだけで遠距離の巨大な敵が爆発する。
等々…

セリフがいかに勿体ぶって意味深長であろうと、それを表現するビジュアルがこのように安易で工夫のないものであれば、アニメという映像表現として説得力が激減するだろう。

異能力によって空を飛んだり敵を爆破するのはいいとして、そこに超常的な力が作用しているのだという映像上の表現が無ければ、他人の夢を説明無しに見せられているようなもので、「凄いことが起きている」という作中の状況に対して白けた距離感しか生まれない。

明らかに映像表現として質を高めようという意図の見えないビジュアルは、そもそもこのストーリーをアニメとして表現しようとする意欲があったのかとさえ疑わしく感じさせる。


そのストーリー自体も、ビジュアルが「テンプレ」の約束事に寄りかかって工夫を放棄した安易なものであったように、やはりオリジナルな工夫は無かったのだとラストで暴露される。

キャラクター各人の異能を「せかい」という明らかに不自然で耳障りな用語で表現していたのは、この「セカイ/世界」が、個々人のセカイ=価値観の闘争の場であると示したかったからであるようだ。

だが、価値観の相対的な優劣が「世界」を形作るとは、現実の価値相対主義を単に追認しているだけであって、改めて創作物として世に問うような何らかの「作家的主張」でも新たな「知見」でもない。

しかも、オマージュを捧げた先行作において、理不尽な暴力をもたらす「敵」が本質的に理解不能な「謎」の存在であったのに対し、説明の可能な侵略行為という「理解可能」な「敵」を設定することで、「異次元」の敵との闘争もまた、価値相対主義に回収されてしまう単なる価値観の闘争という現実の物まねに矮小化してしまう。

先行作に対して「説明」という「回答」を返したように見えるものの、先行作が、価値相対主義の現実を「理解不能な敵」を創造することで撃とうとした地点から、完全に後退してしまっている。

その「価値相対主義」も、結局のところ徹底的に闘争されることはなく、「大人」から勝利を「禅譲」されるようなラストが、本作を、安易で自堕落な「全能感」の満足へと着地させる。

大人と若者の間の壁は普遍的で、若者はいつの時代も「壁」を越えようとする。

本作においても、大人の「世界」を打ち破り、「若者」の世界を創造する「進化」を描こうとしたのかもしれないが、ギリギリの最後の最後で「大人」が退いて勝利を譲るような描写は、近年の若者の主張が、大人との闘争を避け、「居場所を「譲って」くれないのはおかしい」、「後進に道を譲って「くれない」のは間違っている」という「要求」である事態を追認しているとしか見えない。

「要求」する若者が「闘争」しようとする若者の足を引っ張る現実に背を向け、消費者根性が染みついた「要求」を描いてしまう本作は、挑戦的な見せかけにもかかわらず、幼児的な「全能感」の満足を企図した「テンプレ」からやはり脱してはいなかったのだと落胆させる。


ストーリーの貧しさに加え、映像表現の貧しさが、単なる娯楽として視聴することも不可能にした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

waon.n さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

清々しいほど分かりやすい

 キャッチしている人のレビューみて気になったので、観はじめたら止まらないで一気に視聴してしまった。
 別にラノベ原作だからとかでスルーしていたのではなく単純に気づいていなかったんだよな。ということで、少しでも認知されるべくレビューを書きたくて仕方のないそんな作品。
 ただし!
 別に素晴らしい作品というわけでもないのがじれったい。
 そして、なんかレビューしたくなる作品だったことをここに記す!

ライトノベルが原作。
 物語は、終末後の世界感で非日常であり、完全なファンタジー路線ではあるものの、学生をメインに持ってくることで、日常を同時に描きつつラノベらしい長ったらしいセリフ回しの会話劇を楽しめると妙な没入感に浸れる。
 この長いセリフ回しを演出で全て回収しているのが化物語っている化け物みたいなすごいアニメもあるけれど、そこまでは期待してはいけない。

 このアニメをレビューするにあたり調べてみたところ、どうやら、ラノベ界では有名人の3人が別々のレーベルから同名の作品を出すという新しい試みから生まれたものらしい。
 作者によって描く主人公が違うという点はまず抑えておきたいポイントだろう。ちなみにこのなかの3人では渡航しか知らなかった。言わずもがな『俺ガイル』の作者だ。

ライトノベルが原作だということは
 ライトノベルの特徴としては、現実逃避感が他の作品よりも色濃く出てる。これは割と謎の現象だとずっと思っている。
 そして、私としては一番ラノベ原作アニメの好きなところでもある。
 ちなみに、現実逃避感=世界観の破綻ではないので誤解のないように。悪い意味のように聞こえるかもしれないけれど良い意味のつもりで書いている。
 だからここが受け入れられない人は世界観が破綻しているように見えるし感じるしつまらないものになってしまうのだろう。
 そもそも、映像作品であれば、どこかに現実逃避したい欲求があるだろうに、なにも隠すことはないと思うのだがな(揶揄)。
 もちろんなかには本当に破綻しているものも少なからずあるから、アレルギー反応的に見ないという層があるのも納得できてしまうのも悲しい。
 しかし、この現実逃避モードに入ってしまい、没入感に浸ってしまうと、最終回にはあーもうこの仲間たちと物語を楽しめるのはこれでお終いかと喪失感が半端ない。
 これをのんのんびより病ともいう(いわない)。
 この作品の最大の魅力はここにあると私は思う。ただし! この没入感へ誘われることができるのは一握りの上級者のみ……(良いか悪いか判断できない)。

キャラ設定のバランスが良い
 強い個性を持ったキャラが登場するのは割とライトノベルらしさの一つで、ここイコールで作品の魅力として読まれているものもあるだろう。面白いかは別にして。
 今回の作品では東京、神奈川、千葉と3つのグループに分かれていて、それぞれがペアのような形で戦闘をおこなったり日常を楽しんでいる。
 このペアリングを紹介しよう。

まずは東京!
 主人公タイプの男で中二病とドジっ子でヒロイン。
 王道ラブ個風。

次に神奈川!
 脳筋元気少女と冷静だが主席の全てを肯定する女。
 百合っぽい。
 
そして千葉!
 ネクラ兄とツンデレ妹。
 どっかでみた兄妹……千葉でヒッキーで妹的にポイント高そう。

 キャラ設定と、ペアリングがある程度考えられているのも見どころであるが、さらに中二とネクラのやり取りはBLへの守備もカバーしているようにも見えなくはない。(ここ試験に出ます)

主人公が変わっていく構造。
 これは新しい試みのためにそうなったと思っているというかそうせざるを得ないのが、主人公は誰? って話。
 それぞれの本で主人公がいてそれを一つの話にまとめるとなると、ブレる。だから最初から序盤は東京、次に神奈川、最後は千葉で、みたいに恐らく決まっている。もしかしたら原作の段階でもそういうプロットになっていたのかもしれない。

 実はすごく難しいけれど、やっぱり作家なのかね、ちゃんとまとめきった感じはある。この構造も話の流れからすると凄くフィットしてるから不自然にならずに普通にやられたって感じだった。
 んな簡単に壊れるかい! ……みたいなツッコミを入れたくもなったけれどね。タイムスケジュール的に難しいだろうというところか。
 でも、「作画が良かったらな」とも不思議と思わない。そんなの抜きで面白かったと言える。

 いつもなら、絵ガー、音ガーとかそんなレビューもするんだけれど、あんまり書きたくないっていうのが正直なところ。
 作画の良い例と悪い例の両方を2:8位の割合で楽しめるのでおススメだ。この対比が良い所を際立たせることに成功している……もうやめよう。
 きっと複数レーベルに渡ってチェックしていたらあれ?? 思ったより時間取られるからちゃんと描く時間ないね。って感じだったことにしよう。

 ちなみに音楽は謎に力を入れていて、OPもEDも12話なのに変わってたような気がする。っていうか全部良いよ。カッコいい。ClariSとGARNiDELiAが一緒に歌うとかちょっとやってくれた感ある。

 さて、ここまで読んでもらえたらきっとこの作品を観たいと思ってくれることだろうと期待してネタバレはなしで書いてみた。見たことない人がここまで読むかという根本的なところもある。

 早く書きたかった理由はここで、作画が駄目だからこの作品はダメだとかラノベ臭が半端ないからダメだという意見に飲まれてほしくないという理由からだった。睡眠時間をちょっとずつ削って二日かけて書いてみました。どうぞこの下にあるハートマークをダブルクリックしてください。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

68.6 2 GARNiDELiAでClariSなアニメランキング2位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (354)
1487人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





----------------------------------
20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/02
♥ : 69
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

もうやだ

1話感想{netabare}
ひと言で“魂”って言うと「作り手の入れ込み」も含まれるので「そりゃあるだろ」と思ってしまうし、そういうことを言いたいんじゃないってのも分かるので…そうさなぁ、せめて“自我”と表現して欲しかった。
扱いとしては車が近いと思うのだけど、思い入れを抱く人は普通に居るんじゃない?

それよりも…主人公グループの男子3人にそれぞれ妹が居て…。
ひょっとしてこの世界って生む子供の性別が定められてたりする?
第一子は男で次は女で、みたいな(一姫二太郎のが良い気がするが)。
セックスは専らロボット相手で、子作りは人工子宮とか?
まだ全然分からないけどそこら辺の世界観描写に期待。
プラメモみたいな作り手に余りにも都合の良すぎる設定は勘弁。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
2話、あれ?あれれ?
まーた自分語りで恐縮なのですが…2017年にAICがメガゾーン23の新作を作るとかでCFを募ってました。
自分がその存在に気付いた時にはもう募集終わってたんだけど、そこで紹介されてるイメージボードや設定を見てあれこれと想像を膨らませてました。
なのだけど…あっるぇ?ビートレスがなんかそれで想像したのと似通った展開が…(SINじゃなくXIの方、イヴが有機ボディ持ちだそうで、アナログハックのシーンとか非常にやりそうな予感が)。
レッドボックス自体がイヴ+ガーランドみたいなモンだろうし、もしこれで「実はこの世界は巨大な宇宙船の中でしたー」なんてオチが来たら卒倒するかも知れん。

そして3話、な~んかHIEが人間に対し誘導尋問や催眠商法を仕掛けてるように見えてしまうのはワザとかな?
といいつつ自分が誘導尋問って何さ?ってのよく分かってないんだけどね…選択肢を限定し、あたかもそれ以外の選択肢は無いかのように嘯(うそぶ)き、どっちがマシかで尋問者に都合のいい回答を迫る手口ってのは誘導尋問ちゃうかなぁ。
アナログハック自体が催眠商法だし、催眠商法は認可されてる世界ってことかな。
だとしたら主人公は例外として、あの世界の人間がHIEに冷たいのはある意味当然、信用ならんからね、心に壁作っちゃうね。
人間が人工知能に操作されてるっていうか、そういう勧誘に惑わされない精神が人間に求められてるとか、そういう話?
主人公は今後そういった展開になるのかね?「レイシアがボクを意識誘導してくる」とか言って溝が出来るとか。
「私コイツ殺したいんでマスター許可出して。責任はそっち持ちで」って振舞いはどう見ても、ねぇ…。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
まず総集編(5,5話)の感想。
この世界の治安レベルが分からない、総集編でそこら辺の説明してるれるのかなー?と期待したけどそれも無し。
銃ひとつとっても、「現代のリアル日本人(視聴者)が国内で手に入れるよりもよっぽど困難な管理の行き届いた世界」に見えるんだけど、そこでポンと銃手に入れてテロ組織って…うーん?
赤いのが手配した※、と考えようとしても「無いものは用意できない」ちゃうかなー、と。
(※その場合、テログループに銃器が渡ったのは最近ってことになるので違うか)
まずどこで作ってる?どこか戦争してるってこと?軍の払い下げであろうともその行方は追跡されるんちゃう?
演習終了後、薬莢と弾丸の数が合わなかったら大騒ぎになる世界じゃないのか?
作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。
多分これ、原作(活字)なら勝手に補完されてたことが、映像になることでアラが出てしまった例な気がする。
アラって書くと失礼かな、映像化に際して美術の練り込みが甘いというか。
そこへもって総集編でしょ?「そんなこと描いてる暇なんか無い」と言われてるみたいで、う~ん。

透明化して侵入も「上に花びらが積もる」とか描いて欲しかったんだけどねぇ。
手間かかって大変なのは分かるけど、世界観に対して拘りが薄いというか、ホント事務的にアニメ作ってるだけって印象になって…う~ん。

そして新展開の6話感想。
HIEのタイプ名(カテゴリ名)レイシア級と個体名レイシアが一緒なのがちと紛らわしい気がするけどまぁいいや。
レイシア級の最優先目標は自己の保身で、個体ごとに手段はバラバラで、中には人間を利用することも辞さないってのも居るって感じだろうか。
自己の保身は最後の最後まで与えてはいけないものだと思うんだけど…コントロール下に置けなくなる(「あ、これ失敗だ」となっても処分できない)のは明白じゃん、と。
まぁそうしてしまった世界ってことなんでしょう、まいっか。

人間と作り物の違いがどうたらの問答、それ自体は構わないんだけど、「アニメキャラにそれ言わせる?」とメタ的なことを思ってしまうのは野暮だろうか。
そっち方向に話進んだ方が面白い気がするけど、そんなこと無いよね。
ってか小物に未来的ガジェットがほとんど見られなくなってしまったのが気掛かり…「そこまで細かく美術やってる暇なんか無い」って言われてるみたいでのう。
総集編のせいもあって「未来世界を描いたアニメとして大丈夫か?」って疑惑が段々と強まってるワケですが…ホント大丈夫かな?{/netabare}

20話までの感想{netabare}
あーあ、言わんこっちゃない。
6話までの感想の段階で
「作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。」
と指摘しました。
また、主人公周りの仲良し男3人グループにそれぞれ妹が居て、そいつらも親交があるってのは“普通ではない”と受け取ってしまい、妙なことを考えてしまうワケで。
子供を産む数や性別まで管理されてる?ヘタしたら自然分娩も行われてない世界なのかな?とかね。
で、そんな「どんな世界だかようワカラン」ままストーリーだけは進んで…

14話で唐突にスラムや売春宿的なものが登場

やっぱ居るんじゃーーーーん!!
遅い、遅すぎる、もっと早くに入れるべきでしょー。
この描写がないと何がマズいかっていうと「なんでも自動化できるようになったら人間は働く必要があるのか?」っていう、それだけで一つの作品が書けるような設定になっちゃうワケで。
かくいう自分は、欲しいと思った物は全て機械が自動で用意してくれるようになったら、人間はただひたすら無気力になるんじゃないかなーと思ってまして。
要は貧富の差が無くなる、不満が無くなる、欲が無くなる、争いごとが無くなる。
んでもって「そこまでは行ってない」ってのを示すためには「じゃあ不満持ってる連中→働かないと生きていけない連中→貧困にあえぐ連中」を出しておけよと。
ぶっちゃけこの世界の人間は何で働いてるのかワカラン、どんな職業が存在してるのかワカラン。
ケンゴの実家だって、本来はHIEに任せれば済むところを「拘り(趣味)があって自分で料理作ってる」って描写してたじゃーん?
そういう意味でないなら何故あのシーンを挿入したと。
そうしてる間にストーリーだけは進んで、レイシアの目的が語られます(まだ嘘かも知れないが)

資源の再配分

えええ、今更?
繰り返しになるけど「これだけのテクノロジーがあるならとっくにそれは済ませてるんじゃね?え、そこまで至ってないの?」と戸惑ってしまい、どうにも唐突で…。
農業…ってか生産業なんて全部HIEがやってる世界じゃないのか。
不労収入をディスってたが、働かずとも暮らしていける世界って理想郷じゃないのか。
現実ではそのために搾取される人間が居るのがアカン訳だけど、それをHIEが引き受けてくれるなら問題解決じゃね?
あとは自己実現でも目指して趣味に没頭すればいいじゃん。
繰り返しになるけどケンゴの実家はそういうことを表現したシーンじゃなかったのか…本来お店の業務はHIEに全任せして遊んで暮らせるところを、拘り(趣味)で自分(親父=人間)でやってるだけ、ってことじゃないのか。
身の丈に合わせて慎ましく生きてりゃいいのに「もっと暖衣飽食したい」と欲望を広げる既得権者を打倒するって話?
ぶっちゃけアラトもそっち側の人間だよね?、貧困者に同情するシーンとか無いし。

それと上記の考えと同時に別のツッコミ──別っていう割にはリンクしてるんだけど──もずっと頭に浮かんでて。

ハードウェアとソフトウェアがちぐはぐ。
「ちぐはぐな世界を描いた作品」ってことではなく、場面によって設定が変わるというか。
一番あれー?と思ってるのが、HIEとヒトの中間的存在、要は部分的にサイボーグ化した身障者が居ない。
腕だけサイボーグ、足だけサイボーグ…もっと深化して脳以外サイボーグってのも居ていいんじゃね?
HIEとヒトとの対立だか融和だか、とにかく二極に分かれての意見の衝突なら、間を取り持つ・ないし板挟みになって心揺り動かす中間的存在がいた方が良い気がするんだが…。
ひょっとしてそのポジが妹?もしくは眠り姫?と思ったがそんな気配は今のところ無い。
アラトは幼い頃事故に巻き込まれて云々ってのもあったので「実はその時に?」って可能性もあるけどオチに持ってくるようなもんじゃないだろう。
つかレイシアみたいなアンドロイドがあるなら、人型であることを捨てた作業用ロボットもっと出すべきじゃね?
なんで人型ってペナ負ってるのに最強やねん。
「こんなこともあろうかと」とばかりに後から後から新装置出しまくるし…それ作ったのも機械?原料の仕入れ先は発展途上国?
何もないところに電流通せば小麦粉や金塊が生えてくるって世界じゃあるまい?


で、上記の文句って結局は(役職の名前よく知らんが)背景だか美術だかが頑張ってれば回避できたことなんだよね。
6話までの感想と大差無いんだけど(6話の時点で見抜いてたことになる?)、「アニメスタッフにそこまで頑張ってる余裕が無い」ってのが諸悪の根源で…。
乱暴なこと言っちゃえばどんなにストーリーがつまらなくても“近未来的面白ガジェット”がしっかり描かれてたら一定の評価はしちゃうねん、自分は。
けどそれが無い、そこまでやってる余裕が無い。
そのせいで結局は世界観がよく掴めず、出される情報は唐突になり、とても茶番めいたものに成り下がってしまった。
もはやストーリー以前の問題になっちゃって…原作者もこれは苦笑いなんじゃ?
しっかしなんつーか…「現場は大変」ってのは同情するべきなのか?
まさか…今はアニメの数が多すぎるって問題提起をするためにワザと自爆かました?とさえ思えてきたり。


悪い点ばかり書いてしまったので良かった点。
レイシアは元は試作機で、完成一度頓挫した中後継機が作られて、そのノウハウで完成したのがレイシア(だからレイシア“級”って総称がありながらレイシアが最後機)とか、作成順で性能差が出るネタとかは好きでした。
とはいえそれの魅力を存分に表現しきれてたかというと…う~ん。{/netabare}

最終回まで見て{netabare}
放送後回しになった残り4話見たけど感想は↑で書いたのと一緒。
未来がどうとか世界をどうとか、そんなこと言われても「現状がどうなのかがワカラン」、その世界での「今現在」の描写が弱くてどう変えたいのか・どう変わったらヤバいのかとかが全くワカラン。
この世界では人間は働いてるの?どんな職業があるの?
もうここからワカラン事態なので、ホント分からん。
同じこと繰り返すばかりになるのでもう止めとく。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

科学の子

高度AIや、それに駆動されるアンドロイドが社会に入り込んだ世界。

メカ的な技術設定を練るのではなく、法律体系に組み込まれるアンドロイドという視点から世界設定を作り上げているのが斬新だ。
直接に現代社会を反映し、現代的な問題へ通じる巧妙な設定はSFの王道とも見えるが、ラノベアニメ的なフレームがその斬新さの発揮を妨げているようで、少し残念だ。


日本のTVアニメの第一号は『鉄腕アトム』だが、「お子様向け番組」のその最初期から、既に「人間とロボットの関係性」=ロボットと人間を分かつもの、道具とロボットとの差異性、人間によるロボット支配の根拠、などなどの主題が既に盛り込まれていた。
社会的な問題意識をアニメに盛り込むことを嫌うアニメファンも少なくないようだが、仕方がない、TVアニメは、その始祖からしてそういうものだったのだ。

『アトム』と同様に、人間とアンドロイドの混淆する本作の「世界」は、「社会の構成員としてのロボット」という、『アトム』以降にあまりアニメが注目していなかった領域を数十年ぶりに復活させたようだ。

そのTVアニメの始祖において、人間とロボットの関係は、しばしばマイノリティ差別やレイシズムの比喩として用いられ、時には奴隷労働のメタファーでもあった。
が、21世紀の本作の「世界」では、ロボット=AIアンドロイドの位相は、複雑にねじれている。

法的に、いわば人間に奉仕する存在として規定されている本作のアンドロイドは、一方で人間の上に立ち、人間の行動を管理するものでもある。

かつて、日本で海外労働者と言えば、半合法的な疑似的な奴隷労働者のようにイメージされることが殆どだった。
ジャパンマネーを目当てに、日本人のやりたくない汚れ仕事を這いつくばって求めるガイジン労働者。
今でも漠然とそう考えている人も多いようだが、現代の国際競争力を省みれば、低賃金の日本人労働者を効率よく働かせるよう「管理」するためにやってくる管理専門家のほうがリアリティがある。
カルロス・ゴーンのような「管理者」は、欧米人だけでなくMBA取得の東アジア人であってもおかしくないのが今日のリアリティだ。

一方的に奴隷的「奉仕者」であった『アトム』のロボットと、「奉仕者」と「管理者」に分裂する本作のアンドロイドの位相差は、こうした時代的な位相差に対応している。


「管理者」兼「奴隷労働者」のAIアンドロイドと「人間」の関係を表現しているのが、主人公の妹だ。

見た目が美少女でおいしい食事を提供してくれるなら、出自がどう見ても怪しいAIアンドロイドでも、平然と、何の葛藤もなく差し出される料理を口にしてしまう妹は、餌をくれるなら給餌員が誰であろうと関心を持たない豚小屋の豚=家畜のようなものだ。

何も考えずに満腹して陽だまりでまどろむ自堕落な満足に浸りこみ、その満足がどのようなものに支えられているかに無関心な妹は、ゼロ年代論壇の「動物化した人間」そのものであるといってもいい。

妹の自堕落な「動物化」=家畜化を支えているものは、大きく言えば「法体系」だといえる。

半ば家畜化しながら、真の「家畜」のように最後に処分される不安を覚えることなく「奉仕」として疑問を持たずに受け入れていられるのは、消費者=契約の「主体」は「人間」であるという法律体系が基礎にある。

契約が可能であるのは、主体が「自身に関するすべてのことを、合理的に判断し決定する能力を持つ」近代的な「人間」であることを前提としているからだ。
「自身に対する決断の全責任を負える」近代的な人間の契約は、どのようなものであっても有効であるという前提が、すべての商取引=消費を支える。
民事的な契約主体の「人間」観は、民法や商法のみならず、すべての法体系=社会制度の基礎となって、社会を動かしている。

この「自律する人間」が否定されるとしたら、すべての社会制度とともに、すべての商取引=契約=消費も根拠を失って崩壊するだろう。
だが、「自律した人間」が、自身を管理する「面倒」を外注して世話して「もらう」契約を欲望するとき、「自律」性はどこに行くことになるのか。

半ば家畜化して、「自律した」人間から逸脱して事実上の「動物化した」妹が、契約主体として消費を続けていられるのは、崩壊を回避する社会システムの本能が、「空洞化した人間」の空洞化した自律性を「見ないこと」にする欺瞞を必然化するからに他ならない。
事実性に注目して人間の動物化=非・人間化を承認すれば、「人間」を主体とするすべての経済活動や社会関係は無効化する。

現行制度では「主体」ではないAIが無条件に「人間」に奉仕することは、逆に、「人間」の「主体」性が変化していないと擬態する、ある種の「詭弁」でもある。

おそらく作中の大多数の人間を代表している妹が、平然と消費者=奉仕を受けるものとして自堕落に飽食していられる背景には、このように社会の構造変化と過渡期性のバランスがある。


契約において、「人間」は、自律して判断力のある近代的な「人間」=有効な契約主体であるとみなして、契約の有効性を担保しようとする倒錯は、主人公がAIアンドロイドとの「契約」において、現実のアプリやソフトウェアのインストールに似た、「同意」を求められるシーンにも表現されている。

それは、ラノベ的な「スーパーガールとボクのトクベツな絆」のように見せかけながら、それだけにとどまらない。

AIアンドロイドを含めたすべての機械類の操作や作動において、全責任は主体である「人間」がとるという「契約」の原則は、主体が空洞化して「動物化」した実態から目をそらして、契約それ自体の有効性を成立させるための欺瞞ともいえる。
が、誰も読み通せない膨大な契約条件の最後に「同意」を強制する現実のアプリのインストールと同型的であるように、「自律した主体」の自由意思での契約という建前を通そうとする現実を、意識したものでもある。
誰も予測できない未来の瑕疵や損害を「自己責任」の名目で使用者に「同意」させる現実の欺瞞と、判断能力が空洞化した「動物化」した主体に「自律した」人間としてAIアンドロイドの責任を引き受けさせる「契約」の二重化。

主人公とAIアンドロイドとの「使用者責任」を巡る「契約」は、ラノベ的な「美少女との約束」と見えながら、近い将来にAIによる自動運転車が人身事故を起こした際に、すべての人間が直面することになるだろう。

こうした、「契約」を有効化するために無理やりに「人間」を「自律した人間」とみなそうとする欺瞞は、作中の「アナログ・ハッキング」にも表れている。

この設定の不快な印象は、人間の意志の捻じ曲げを、「自分の主体的な判断」であると思い込ませるところにある。
契約は、「自律した」主体が「自由意思」で結んだものでなければならないという法律体系が、事実上の「洗脳」を、「自発的な意志」に見せかける気色の悪い欺瞞を生む。

作中の「世界」において、このアナログハックがさほど問題視されている様子がないのは、これが現実世界の広告代理店と同じことをしているだけと、視聴者には直観されるためだろう。

普通の消費者が広告代理店にいかがわしさを感じているのは、消費者に無理やり商品を売りつけたい本音が透けて見えながら、法体系の建前から、消費者が「自分の判断で」その商品を選んだように意志を操作しようとするねじれが明らかだからだ。

アナログハックは、まさにこの代理店的な欺瞞を表現している。
こうして「自律性」を掘り崩される現実世界の人間が、作中の「妹」を代表とする人間たちの描写を裏付ける。


だが、こうしたすぐれて現代的な諸要素が、いまひとつ説得的に前景化してこないのは、戦闘美少女のバトルというラノベアニメ的なフレームに囚われているからであるように見える。

問題意識の塊のような「妹」の造形も、ラノベ的フレームでは単なる「能天気」キャラに矮小化されてしまう。

主人公に敵対する各陣営は、上述の問題意識に自覚的に見えはする。
問題意識があればこそ、「現状」の社会への敵対行動として現れるのだから。
だが、戦闘美少女のバトルに縛られている結果、問題意識同士が前景化して激突する事態には至らない。

なにより、全体の枠組みを「戦闘美少女と、特権的につながっている取り柄のないボク」というラノベアニメ的設定に定めているため、アンドロイドに人格を見るような主人公の設定も、主役AIアンドロイドに「好意」を寄せるためにする不自然な方便のようで、『アトム』的なロボットと人間の融和を主導するわけでもない。

ラノベアニメ特有の文法に縛られる結果、主人公の立場を「ともかく戦闘を否定して現状を維持する」以外の地点に持っていくことができない。
近代的「人間」の「尊厳」を主張するかのような主人公の立ち位置は、「闘争」をあらかじめ絶対悪として禁じるラノベ的制約にとらわれている以上、単に闘争しない現状維持の日常を絶対視しているだけとしか印象付けられない。

社会の根本におかれた根源的な矛盾を構造化した「世界」で、敵対勢力がその矛盾に向き合っているのに、主人公がラノベ定型であれば、いくら悩んでいるように見せかける描写が続いたところで、単に武力衝突について「のみ」逡巡しているような矮小さから脱することはできない。
原理的な社会矛盾がそこかしこに暗示されているのに、主人公が必死にそこから目をそらし続けているような印象ばかりが残る。

その先に見えるのは、主人公に都合のよい結末しか迎えることがないという予定調和だ。
それは、いかなるものであれ、「自律」を失った「人間」が否定されることのない、「動物化」した人間の自堕落さに直面することのない「世界」だろう。


法体系にAIを組み込んだ「世界」は、法治社会において「科学」がもたらすAIと人間の矛盾にまで踏み込んだ舞台を、用意はした。
が、舞台の上の「物語」が、ラノベ様式ではなくSFであったなら、と思わずにいられない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
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