ClariSで恋愛なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のClariSで恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のClariSで恋愛なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.9 1 ClariSで恋愛なアニメランキング1位
Classroom☆Crisis(クラスルームクライシス)(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (609)
3306人が棚に入れました
火星に作られた日本の新たな都道府県のひとつ、「第4東京都」。この都市の経済特区である「霧科市」に、
航空宇宙事業で名をあげた超一流企業、「霧科コーポレーション」があった。
この会社は様々なジャンルにシェアを広げつつ、「霧科科学技術学園」という私立学校も運営していた。
これだけでも特殊なのだが、さらに異彩を放つクラスが学園内にある。
昼は学園で生徒として勉学に勤しみ、放課後は社員として会社に出社し発展型試作ロケットの開発という重要なプロジェクトに携わっているのだ。
それが「霧科コーポレーション先行技術開発部 教育開発室」――通称「A-TEC」である。

この部署の室長を務める若き天才エンジニア瀬良カイトは、学園に通うA-TECの生徒達の
担任教師でもあり、熱血ロケット先生と呼ばれ親しまれて(?)いた。

物語はこのA-TECに転校生・霧羽ナギサがやってくることから始まる。
創業者一族の名を冠するこの男は、先行技術開発部部長に就任するやいなや、A-TECがこのまま高コストのお荷物部署であり続けるようならばメンバーをリストラし、部署を解散させると宣告する。
それを防ぐには今まで湯水のように使ってきた予算を節約し、開発コストを大幅に削減しなければならない……。
今まで目を逸らし続けていた現実をつきつけられたカイトは、果たしてA-TECの危機を乗り切ることができるのか。
そして霧羽ナギサの真の目的とは――。

声優・キャラクター
森久保祥太郎、雨宮天、小澤亜李、洲崎綾、夏川椎菜、津田美波、豊永利行、南條愛乃、近藤孝行、堀江由衣、阿澄佳奈

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

熱血

近未来SFアニメ。
学園もの、職業もの、宇宙もの等いろいろな要素が詰まっています。
簡単に言うと、闇鍋アニメかな。

宇宙開発事業に携わる霧科コーポレーション。
その一部署、宇宙エンジン開発チームA-TECが舞台です。
高校生部長霧羽ナギサがA-TECに赴任する所から物語が始まります。
のっけから霧羽ナギサは傍若無人。
でも、A-TECの面々と関わるうちに次第に変化が・・・。

中盤の政治話は、こんなことあるわけないよ的でストレスがたまりました。
まあ、それはご愛嬌。
終盤の怒涛の展開には興奮しました。
ゆっくり加速、次第に上昇、途中でつまずくも、最終的にはフルパワー急上昇でフィニッシュです。

本作はミズキとイリスのダブルヒロイン。
ミズキは明朗活発、イリスは冷静沈着。
けど双方とも、いざとなると熱血ですね。
その熱さは爽快そのものでした。
仲の良いダブルヒロイン。
最終的には微妙なヒビが入ってたけど、それも楽しいのかな。

最後に教訓。
技術の世界は人材がすべて。
有能な人材によるチームワークによりなし得ないことはない。
始業の精神を忘れることなかれ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

在りし日のベンチャー企業の香り

原作無しのオリジナルTVアニメ。

キャラクターデザインがかんざきひろ。この作品のせいで、『エロマンガ先生』の原作を読み始めたころに神野めぐみが瀬良ミズキと頭の中でごっちゃになってしょうがなかったとかいうのはわりとどうでも良い話だったりします。

さて、作中の霧科コーポレーションのモデルはたぶん本田技研あたりじゃないかと思うんです。霧科の方がホンダよりデカい感じですけど。

町工場的な中小企業からスタートして、今や一大コングロマリット。創業者2人の苗字である霧羽と科宮を合わせて社名が「霧科」となっているわけですが、会社の経営は技術面を支えた科宮家ではなくおそらく創業時から経営面を見てきたであろう霧羽家が独占的に実権を握っています。

物語の舞台は「霧科科学技術学園」ということになっていますが、これは事実上の霧科コーポレーションの人材育成学校というか青田刈りして人材を抱え込むためのもので、生徒は結局のところ学生というよりはセミプロもしくはプロということになります。

A-TECはいわば「企業内ベンチャー」的なポジションで、クラス担任の瀬良カイトはそんな先進的な技術開発グループの長なわけですが、投入資金の割に採算が合わないという理由で社内政治の圧力を受けて、縮小あるいは解体の危機となり、そのマネージャーとして霧羽ナギサとその秘書である服部花子(アンジェリーナ)がやってくることになります。

この物語では、大企業の一部であるはずのA-TECに技術面でのリーダーであるカイトと経営面でのリーダーであるナギサが揃い、おそらく霧科がかつてたどってきた成長の道を繰り返すマトリョーシカ的な構造が見られます。紆余曲折ありますが、結局「A-TECは第二の霧科」ってことです。

もちろん現実の経営はこのアニメよりもずっと厳しいわけですけれども、それでも「ベンチャー企業特有の熱さ」みたいなものの再現性はなかなかのものじゃないかと思うのです。

それもたぶん今から30~40年くらい前の日本における「第二次ベンチャーブーム」的な感じですかね。大学生なのに起業してしまったり、部活と区別がつかないような素人のノリで仕事を受けてしまったり。そして「技術バカ」には担えない営業や経営の面倒を見る人がいたり…。

というわけで、当時を思い出しながら懐かしい想いでこのアニメを観ていました。なのでとても面白かったです。じゃあ若者にウケるのかというと、それはわかりません…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34
ネタバレ

みけねこ+ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

アニメ視聴者よりドラマ視聴者向きなシナリオな気がするなー。

オリジナルアニメ

★視聴理由
ClariSがエンディングを歌っている。
たぶんClariSじゃなければノーマークだったと思う(笑)

◆物語
長いので伏せとくね。

{netabare} 火星に作られた日本の新たな都道府県のひとつ、
「第4東京都」。この都市の経済特区である「霧科市」に、
航空宇宙事業で名をあげた超一流企業、「霧科コーポレーション」が
あった。この会社は様々なジャンルにシェアを広げつつ、
「霧科科学技術学園」という私立学校も運営していた。
これだけでも特殊なのだが、さらに異彩を放つクラスが学園内にある。
昼は学園で生徒として勉学に勤しみ、放課後は社員として会社に出社し
発展型試作ロケットの開発という重要なプロジェクトに携わっているのだ。それが「霧科コーポレーション先行技術開発部 教育開発室」
――通称「A-TEC」である。
この部署の室長を務める若き天才エンジニア瀬良カイトは、
学園に通うA-TECの生徒達の担任教師でもあり、熱血ロケット先生と
呼ばれ親しまれて(?)いた。物語はこのA-TECに転校生が
やってくることから始まる。新しい仲間を迎え入れようとする
A-TECだが、火星へ向かう途上で転校生が誘拐されてしまう事件が発生。
この難局を乗り切れるのは自分たちだけだと判断したカイトは
A-TECのメンバーたちと共に、前代未聞の救出作戦に乗り出した――。
(コピペ){/netabare}

●感想
社内の内部抗争とか選挙戦での裏工作とかアニメよりドラマ向きの
シナリオだなーと思いました。
まぁそこそこおもしろかったけど万人受けするかって言われると
しないだろうなーって思います。

おまけっぽくあった恋愛要素。
部長いつのまに恋に落ちたんですかー!?
って感じでした。

▽音楽
オープニングテーマ「コバルト」TrySail
エンディングテーマ「アネモネ」ClariS

ClariSがいいのはもちろんだけれでも、
OPのコバルトもいい曲でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

78.2 2 ClariSで恋愛なアニメランキング2位
終物語(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1403)
8407人が棚に入れました
十月下旬、私立直江津高校三年生の阿良々木暦は、転校してきたばかりの一年生女子、忍野扇を後輩の神原駿河から紹介された。
放課後、扇は不思議なことを言い出した。彼女はとある事情から転校を繰り返しており、新しい学校に来るたびにその図面を作成しているという。そして、直江津高校の図面を作成したところ不思議な点があるのだと。図面上は3階の視聴覚室が奇妙に細長くなっているはずが、中からはそうは見えない。もしかしたらそのスペースには何か隠し部屋があるのかもしれないと。暦と扇はその隠し部屋を発見し、中に入るのだが、その部屋から出られなくなってしまう。時計が止まり、扉も窓も接着剤で張り付けられたように動かない。窓や扉を破壊しようにも机も椅子も跳ね返されてしまう。まるで、時が止まったかのように。
扇は何らかの怪異現象では無いかと言いだし、暦は二年前のある事件を思い出す。犯人が分かるまで決して出られない教室で、暦は自分が孤立した原因となった「物語」を扇に語る。

声優・キャラクター
神谷浩史、水橋かおり、井上麻里奈、斎藤千和、堀江由衣、沢城みゆき、花澤香菜、坂本真綾、早見沙織、ゆきのさつき、加藤英美里

PPN さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

満足(^∀^)♪

言わずと知れた西尾維新の物語シリーズ作品。
シャフト、新房監督コンビの代表作の1つ。
全12話。
原作:青春怪異小説(未読)


もう安定感しか感じられないほどの独特な世界観や演出
作画に色彩、会話劇は今作品も健在、特徴的でした。

阿良々木暦と忍野扇の会話劇を中心に進行する構成。
前半は数学が得意な少女「老倉 育」とのエピソード。
後半は忍野忍の過去にまつわる「初代怪異殺し」を題材に。

詳しいレビューは他の良レビュアーの方にお任せ。
おれはぼそぼそっと感想をw

上記しましたが、このシリーズ独特の持ち味は存分に発揮
されていると思います。
視聴者を引き込む方法を知っている作り手の作品といった
印象が相変わらず強く残りましたね。
今作はコメディ要素が少なくどちらかというミステリー系
だったかも知れません、ただ個人的には◎でした。

もう1つ特徴的なのは声優陣、皆さん素晴らしい好演ぶり。
阿良々木暦役の神谷浩史は本当にハマり役ですね。
新キャラ老倉 育役には俗に言うシャフト声優から井上麻里奈。
まぁ、どのキャラも安定感抜群の演技でしたね。
OP、ED曲やBGMの完成度が高かったです(*´∀`)♪


物語シリーズファンとして、とても楽しめました。
もし弱点があるとしたら「飽き」かなぁ(´∀`;)
長いシリーズとなってきているので飽きの来ない作品を
最後まで届けてほしいと思います!




《キャスト》

阿良々木 暦(CV.神谷浩史)
忍野 扇(CV.水橋かおり)
老倉 育(CV.井上麻里奈)
羽川 翼(CV.堀江由衣)
神原 駿河(CV.沢城みゆき)
戦場ヶ原 ひたぎ(CV.斎藤千和)
臥煙 伊豆湖(CV.ゆきのさつき)
斧乃木 余接(CV.早見沙織)
忍野 忍(CV.坂本真綾)




《主題歌》

OP
『decent black』/忍野 扇(CV.水橋かおり)(第1話)
『mathemagics』/老倉 育(CV.井上麻里奈)(第2、3、5話)
『mein schatz』(第7、8、9、11話)
ED
『さよならのゆくえ』/瀧川ありさ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 65
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

終わりを告げる影

シャフト制作。

全体的にサスペンスフルな演出。
新キャラ登場で見所満載です。

「おうぎフォーミュラ」
忍野扇が本格的に動き出します。
謎多き転校生との最初の出会い。
いいキャラしています。
黒目だけにしたデザインが正解ですね。

「そだちリドル」「そだちロスト」
オイラーさん登場、根はいいやつ。
{netabare}阿良々木暦の人間不信の原因である。
そだちロストのラストは、
物語シリーズ屈指の名シーン、
涼やかでお洒落なその余韻が好き。
彼女には幸せになって欲しいです。{/netabare}
隠れた名曲「夕立方程式」必聴です。

「しのぶメイル」
キスショット、初代眷属の登場。

阿良々木暦の波乱必死の高校生活、
いよいよ完結に向け準備は整ったでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

ato00 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

尻すぼみ物語

物語シリーズももうかなりの話数。
と言うことで、数えて見た。

化物語       15話
偽物語       11話
猫物語(黒)     4話
セカンドシーズン  26話
花物語        5話
憑物語        4話
終物語       12話

合計77話とかなりのボリュウム。

個人的評価は低下傾向。
終物語に至っては眠くて仕方なかった。
その原因を考えて見た。

その1;
シャフト演出がワンパターンで退屈。
当初は真新しかった映像表現に慣れてしまった。
冷静になると、紙芝居的な手抜きに見える。

その2;
シリアスに偏重し、笑いの要素が貧弱。
当初は、登場人物のコミカルな会話に目を見張った。
シリアスベースは小難しくて、原作者の自己満足感が漂う。

その3;
ヶ原さん成分が欠如。
私の好きなツンデレヶ原さんはどこに行った?
メインヒロインなのに登場シーンが少ない。
その代わり、余計なキャラが多数登場。
個性的であることは認めるが、興味をそそる性格ではない。

以上のことから、物語シリーズをこれ以上視聴するのはつらい。
終物語ということで、もうこのシリーズ終わりにしませんか?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

68.6 3 ClariSで恋愛なアニメランキング3位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (354)
1487人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

約90年くらい未来の話(第17話: マジかい、こんなに面白くなるなんて聞いてない(笑)!)→ ヒギンズも出てきて、Final Stage堂々完結!

== [下記は5話視聴終了時レビュー: 全話視聴終了時まで逐次追記あり] ==
月刊『NewType』にて2012年頃に連載されたSF小説が原作らしいです。(未読)

評点は観終わってからということで、現時点では保留です。

第5話まで観終わったところでこのレビューを書いています。SFだなんだと御託を並べてはいますが、ぶっちゃけ「人間とアンドロイドのロマンス」からそう遠くない着地点に落ち着きそうに見えて仕方がありません。この先も観ていてもしそうならなかったらごめんなさい。

あ、主人公アラトの妹のユカが可愛いのはちょっとした癒しですね。

人工知能の業界では有名な「技術的特異点」(俗に「2045年問題」とも言われる)を実際に迎えてそれよりもさらに数十年経ってしまった未来のお話らしいです。

今ほどはっきりとこの問題が論じられるよりも前にも「コンピューターが人間の知能・能力を凌駕する未来」みたいなことはいろいろなSFで取り上げられている気がするので、その意味では「古典SF」的なテーマも含んだ作品と言えます。

特にSF好きでなくても有名なところだと映画『ターミネーター』などもそうですね。

いまや5年後の未来を見通すのも難しい昨今、100年近く未来を予測してそれらしい説得力のある映像にするのはとても難しい話だと思います。技術的には網膜投影とか電気的にニセの視覚情報を送るとかしてディスプレイ装置は必要なかったりするかもしれないと思いますが、作中のデバイスは現代とあんまり変わりはないみたいですね。

作中ではhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれる人間そっくりの外見をしたアンドロイドが出てきますが、ヒロイン(?)と目されるレイシアを始めとするレイシア級hIEたちが使用する装備は武装にしろ光学迷彩にしろ、どれもかなり膨大なエネルギーを消費しそうでその供給源はアニメを観ていても良くわかりません(笑)。

この手の話は古典SF的には、作中の用語である「アナログハック」(人間が人間(っぽいもの)を見たときの感情の働き)と、逆に人工知能側が人間と接することで感情(めいたもの)を獲得するかといったあたりがポイントになっていたと思いますが、その意味では特にSF的に目新しい要素はないように思われます。

ただ、「人工知能が感情を獲得する」というのは「SF界のロマン」みたいなテーマでもあると思うので、古いSFファンには響く部分はあるかもしれません。

私はこういうのは嫌いじゃないので観続けてはいますが、他に観たい作品がそこそこありそうな2018年冬クールにおいては特に頑張って観なくても良い作品のようには思われます(しかもこれ、2クールあるらしい)。

それと、第5話まで進んだところで次回は総集編になるようです。まあ、あんまり期待はしていません…。
== [第5話視聴終了時レビュー、ここまで。] ==

2018.5.5追記:
第14話、新OP/EDは今回から。
紅霞姐さん、かっけえ! ……と盛り上がってきたところで、特番の多さでは定評のある本作は次回も特番(笑)

2018.5.26追記:
第16話: 原子力でいうとIAEAみたいな超高度AIの国際相互監視機関(IAIAだっけ?)があることが明らかに。なるほど、超高度AIってスタンドアローンで運用しないと国際協定違反なのか。

さらにいろいろ盛り上がってきたところで水島精二監督の体調不良が本人tweetにより明らかに。ギリギリのところで戦う制作スタッフの状況、笑えない…。

2018.6.9追記:
第17話: 最初は話半分に聞いてたけど、ガチにSFだった!
ビジュアル関係なくストーリーだけで読めそうなので俄然、原作小説に興味が湧いてきた。

これ、深層学習とかニューラルネットとかの近頃のAI事情をある程度知ってる人の方がストーリーに信憑性を感じるんでしょうね。

とりあえず5話時点で見込んでいた着地点は越えそうなので謝ります、ごめんなさい…。

2018.6.22追記:
4話分が「BEATLESS Final Stage」として9月に放送が先送りになるらしいです。まあ、放送される予定が決まっているだけ良しとするしかないでしょうか。
http://beatless-anime.jp/sp/news/detail_0620_1.php

2018.7.9追記:
上記の通り「BEATLESS Final Stage」を残していますが、無印「BEATLESS」としては最終回。ヒギンズも出てきて、登場キャラクターは出揃った感じです。

アニメの総集編とか特別編というと基本的にネガティブなイメージですが、この作品の場合は「Intermission」を号する回については制作が間に合わないという事情で作られたという点はさておき、内容的にはけっこう正しく「総集編」でした。

録画を残しているんですが、「総集編」回も消さないでおこうと思います。

2018.10.1追記:
MXでは9/28, 29の両日に渡って第21~24話が「Final Stage」と称して放送され、無事に完結しました。

シリーズ全編を通じてもちろん主人公は遠藤アラトでヒロインはレイシアだと思うんですが、「影の主人公: エリカ・バロウズ」って感じで面白かったです。たぶんエリカの方が内海遼(うつみ りょう)よりも「影の主人公」の称号にふさわしかったかなと思いました。

1周回って5話時点で想定していた着地点だったのかもしれないですけど、その「1周回る」過程でそれ以上のものを見せてくれたと思います。

とても面白かったです。原作はまだ読んでないですけど、読んでみようかな…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 73
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





----------------------------------
20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 69
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

エリカ・バロウズの孤独

【概要】
 2017冬-2018春、長谷敏司の近未来SF小説を原作とするディオメディア初の2クール作品。全24話…なのですが制作が遅れに遅れ、最終4話はBEATLESS Final Stageとして秋に放送されました。キャッチフレーズは「モノとヒトのボーイ・ミーツ・ガール」。新装文庫版を購入済み。

 舞台は今から100年後の日本。人工知能が人間の知性を超えた後、いわゆるシンギュラリティ以降の世界でのヒトとAIとの新しい関係性を提示するSFストーリーです。

 本作の問題点としてビジュアル的にパワー不足で未来感に乏しいこと、要素を色々詰め込みすぎて理解しづらいこと、主人公のアラト君に共感しにくいこと等が挙げられます。ただこれらの欠点は他の方が既に指摘しており今更感があるので、すでに気合で完走された方向けに、いまひとつ理解されていないように思えるBEATLESSの内容について若干補足をすることにします。といってもSFやAIに詳しい方には退屈な話かもしれませんが。

【シンギュラリティ】
 コンピュータは毎年約2倍の速度(※)で性能を向上させ続けている。この年に2倍の速度でコンピュータが性能を向上させ続けるという法則をムーアの法則と言います。このムーアの法則に従えば、2045年には汎用人工知能(本作では"超高度AI"と呼称されている)が人間の英知を超えた新しいコンピュータやロボットを開発し、加速度的な技術進化が起きるであろうという予測がある。これは一般に技術的特異点、あるいはシンギュラリティと呼ばれます。BEATLESSは2051年に超高度AIが誕生したという設定であり、そこからさらに50年経過した世界のお話です。

 現在は第三次AIブームとされ、ディープラーニングに代表される機械学習の技術革新がありAI開発が世界で加速しています。Googleの開発したAI、DeepMindが囲碁の世界チャンピオンを破ったことは記憶に新しい。すでにAIはGoogle翻訳やSiriなど身近な所で活用されています。かつては空想に過ぎなかったシンギュラリティも現実味を帯び始めているわけです。

 その一方でAIが人間を超える知力を獲得した先には、我々がAIを制御することができなくなり、主従関係が逆転し暴走したコンピュータが人間を支配するような危機的状況が訪れるという懸念もある。人工知能の開発は人類を破滅に導く危険性があると、ビル・ゲイツやイーロン・マスク、今年亡くなられたホーキング博士などの著名な人物が警鐘を鳴らしています。AIによって人間が支配されるディストピアな未来!もあながちSF好きの誇大妄想として片付けられない事態になりつつあるといえます。

 話を戻すと、BEATLESSはこのシンギュラリティ問題、すなわちAIが人間の知能を超えてしまったときに私たちヒトはそのようなモノをどう扱えばよいのか?を問いかけている作品だといえます。

 普通に鑑賞すると新藤アラトとレイシアの物語からひとつの回答を得ることができます。ただ残念ながら僕はアラト君(+妹ちゃん)があまり好きではないのです。彼に対して言いたいことは山のようにあるのですが、彼の悪口を延々書き連ねても仕方がないのでそちらには触れず、裏口から本作を語ることにします。影の主人公ともいえる少女、エリカ・バロウズにまつわるお話です。

 おそらく原作を未読の方は彼女の存在意義も行動原理も理解しづらかったのではないでしょうか。実はエリカはその特殊な出自を背景にして21世紀の現在と22世紀の未来を接続する非常に重要なキャラクターで、ただの解説役ではなかったのです。

※ 正確には半導体の集積度が18ヶ月で2倍になる

【エリカ・バロウズ】
{netabare}
 1クール中盤から登場する褐色の肌にプラチナブロンドの少女、エリカ・バロウズは世界有数の資産家であり、メディアグループ「ファビオンMG」の代表を務める才女です。彼女は「ハザード」と呼ばれる超高度AIが引き起こした大災害で家族を全て亡くし、広大な屋敷にたった一人で暮らしている。屋敷に人は一切寄せ付けず、身の回りの雑用は全てhIEにさせている。またエリカはアンティークの家具に囲まれて暮らし、アラトと出会ったとき紙の名刺を渡したように、あらゆるモノが電子化された22世紀でもあくまで21世紀の風習にこだわる。第16話では現在の人間の世界が「大ッキライ」と声を荒げて言い放つ。

 彼女はなぜこの世界の人やモノ、文化を徹底的に嫌うのか?自身を好奇の目で見る人間や、一人で引き継いだバロウズ家の資産に群がる輩にうんざりしているだけではない。それを読み解くキーワードは実は第1話からさりげなく提示されている。それがhIEの行動管理を行いレイシアたちを制作した企業(ミームフレーム)の社名の一部にもなっている言葉、「ミーム」です。

 「現代の眠り姫」との異名を持つエリカは私たちと同じ21世紀に生まれました。彼女は幼い頃に難病にかかり、当時の医学では治る見込みがなく、冷凍睡眠で未来の技術進歩に託されることになります。そして100年の時を経て、未来技術ナノマシンの力によって全快したのですが、目覚めたとき彼女には友達も家族もいなかった。そして、「目が覚めたらそこらじゅう気持ち悪いものに囲まれていた。」

 BEATLESSで描く22世紀の世界ではhIEと呼ばれる、人間と見分けのつかない外見を持ったアンドロイドが普及し社会を支えています。hIEには人間に気に入られるような表情や動作パターンが組み込まれていて、クラウドシステムからデータを受け取り人間が好感を持つように誘導する。この技術が作中でたびたび登場する「アナログハック」というやつです。

 実はエリカはこの世界にあって「アナログハック」が全く通じない人間なのです。hIEの行動管理は22世紀の人間から収集したデータをベースにしており、100年前の価値観をそのまま引き継いでいるエリカを心地よくさせてくれることはない。人間は習慣・風習・文化といった情報を人から人へとまるで遺伝子のように伝達して積み上げてきた生き物です。これをミームあるいは模倣子といいます。エリカの中には21世紀のミームがそのまま残されており、22世紀の人・文化・風習あらゆるものが愛せない。それが彼女がまとう厭世観、あるいはシニシズムの根源なのです。

 しかし、このエリカ・バロウズという少女は只者ではありません。聡明な彼女はこの構造を完全に理解した上で行動に出ます。ならば自分の力で22世紀のミームを破壊し、更新してやろうと。ミーム産業であるファッション業界を牛耳るべくファビオンMGを買収し、モデルにhIEを登用します。そしてhIEに恋する少年アラトに興味を持ち、ボーイ・ミーツ・ガールというコンセプトでプロモーションする。22世紀であってもやはりヒトがモノに恋愛感情を抱くのは馬鹿げているという見方が強い。エリカはその価値観を変えてやろうと企んでいるわけです。

 第12話。エリカは超高度AIヒギンズが作り出した5体のレイシア級hIEをバロウズ邸に呼び集め、hIE同士の争いをオープンにしようと提案する。この意図はAIが人間の知能を遥かに超えてしまった時代に、超高度AIをスタンドアロン運用するなどして人間が必死に守ろうとしている聖域を破壊し、22世紀の人間の持つミームを切り崩すことにあるのです。彼女の勝利条件は戦いに勝つことではなく、未来が変わりゆく様をこの目で見る事。hIE同士の抗争を焚きつけておきながら彼女が自宅に引きこもり、戦いに直接関わらなかった理由も以上で理解できるかと思います。

 エリカを見ているとかの名台詞、「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることはできる。」を思い出す。過去に執着するのではなく、財力と知力、そして最も汎用性の高いhIEであるマリアージュの能力を使い力づくで未来を変えようとするエリカのスケールの大きさと気高さ。ダークヒロインとしての魅力に溢れているキャラです。どこかのチョロい少年よりも、本作はエリカを主人公にしたほうが面白かったのではないかと思う。
{/netabare}

【総論】
 この結局アニメが言いたかったことは、例えシンギュラリティが現実のものとなりAIが人間を知能を超えてしまったとしても、私たちはミームの進化によって乗り越えることができる。だからフランケンシュタイン・コンプレックスに怯えることなくテクノロジーを進歩させていく、それが正しい未来観であり、私たちの歩むべき道なんだということなのでしょう。

 この考え方自体に疑問や批判もあると思います。「私達は原子力の力すら持て余しているのに、汎用人工知能をコントロールできるとは思えない」という反論は当然ある。作者もそれを承知しているから後半の展開は福島原発事故をモチーフとしているのでしょうけれど、果たして十分な説得力があったのか意見が分かれるところかな。

 ただ、本作が訴えかけていることが理解されないまま「総集編を4回やってなお放送延期した2クールクソアニメ」と不名誉な称号を与えられるのも不憫ですので長文レビューを書かせていただいた次第でして、意外と骨太なSF作品じゃないかと思います。

 まぁでも、チョロくて主体性がないアラト君に共感できないという意見には僕も同感でして、強くお勧めはできない作品なんですけど。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

86.7 4 ClariSで恋愛なアニメランキング4位
ニセコイ(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3119)
17547人が棚に入れました
極道一家「集英組」のひとり息子だが、ごく普通の高校生・一条楽。彼は、10年前、仲良くなった女の子と「再会したら結婚する」という約束をし、その時に貰ったペンダントを肌身離さずに持っていた。そんなある日、楽のクラスにやって来た転校生の美少女・桐崎千棘。最初の出会いから相性最悪で、事ある毎にケンカを繰り返す楽と千棘だが、とある事情から二人は恋人を演じることに。恋心を抱く、クラスメイトの小野寺小咲の事を気にしつつも、恋人のフリを続ける楽。「偽恋物語」の行く末やいかに!?

声優・キャラクター
内山昂輝、東山奈央、花澤香菜、小松未可子、内山夕実、梶裕貴、子安武人
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

原作よりアニメの方が良い!

原作:漫画 既読

全20話

ジャンル:学園ハーレムラブコメ

感想
ジャンプは毎週数作品だけ読んでて、この「ニセコイ」もその内の一つ。

最初、ジャンプでアニメ化の発表を知った時、真っ先に思ったのが、
小野寺 小咲役は、花澤さんが一番合ってる!・・・でした。
そしたらホントに花澤さんで、アニメ観て、やっぱイメージ通りでした。
自分の中では、花澤さんは、このキャラが一番はまり役だと思う。

製作がシャフトだったけど、個人的には原作漫画よりアニメの方が良かった。
演出も、表情、仕草が細かく表せてるし、キャラも奇麗。
OPのクラリスは、文句なくGOODでした。


話は王道のハーレム
設定は・・・ちょっと無理があって、都合いいな~的です。

10年前に、少しの期間出会って遊んだ女の子と、それぞれ鍵と錠を持って別れ、再び出会えたなら、その鍵と錠を使って中の物を取り出せたら結婚しよう
って言う約束を交わすが・・・
なぜか鍵を持つ女の子が3人現れ、誰が本当の相手なのか?顔を覚えていない強引な設定。

そもそも、10年前の鍵と錠を今まで大事に持つくらいの大きな出来事なのに、顔を忘れるかね?
女の子の方も、ちゃんと自分と約束したのか覚えていないと言う・・・
誰一人 正しく覚えていないって!
ありえね~
(無理があるにも程がある!もういい加減ジャンプ卒業しろよ俺!)

最初は、 千棘と小野寺の二人だけだったからまだしも・・・
ジャンプで人気が出てきたら、話を長引かせる為に話題のネタがなくなると、女(それも主人公に好意を持つ)キャラ増やしていくやり方にうんざりです。
今なんて{netabare}鍵を持つ4人目のお姉ちゃんまで出てきて!
もう、呆れて空いた口が塞がらず( ̄□ ̄)
鼻で笑っちゃっいましたよ!ε- ( ̄o ̄*) ハン! {/netabare}

途中、錠が壊れて修理に出しますが、それっきり音沙汰なしとか
さっさと鍵と錠を合わせて結果だせよ!って言いたいです。
そうまでして連載長引かせたいのか?
そんなことしてたら、せっかく良い作品だったのに駄作になっちゃうと思うんだけどな・・・
人気があるうちに、連載期間が早く終わっても最高の形でスパッと気持ちよく終わらせるのも潔くて名作になると思うんだけど・・・
(その点では「バクマン」は最高!潔かった。自分の中ではお気に入りの名作。)
集英社は、名作生み出すより金を生み出し続ける事の方が大事なようで、残念。
それに、自分の作品を思うように終われせられない実績のない作家は不幸かも。
(まぁ、これに関しては、だらだら連載続けた方がいい作家もいるだろうから何とも言えないけどね)

自分的には、アニメは原作通りだらだら話続けるより、オリジナルで誰かとくっ付くEDでも良かったと思いました。

兎に角
話や設定には無理があるし
原作は今現在(2014/05)グダグダで、各ヒロインとの好感度を上げるだけで終わりが見えない状態
アニメは20話で終わってますが、話はここら辺まではとっても面白いです。

学園恋愛ものが好きな人
ハーレムが好きな人
あとは、キャラ目当てに観れる人ならおススメですかね? 


最後に
アニメ2期を原作通り製作しても、絶対1期より評価は下がると断言しときます。


それと、OPを唄ってたClariS のアリスが、学業に専念する為、卒業するそうです。
奇麗な歌声だったので、残念!
ClariSの歌は、カラオケでよく唄うのでw
ただ、解散ではないようなので、これからも期待したいですね。^^

アリスさん、今までお疲れ様でした。
学業も頑張って下さい!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 91
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最恐娘「宮本るり」<追記;OVA>

シャフト制作ビジュアルラブコメ。
シャフトシャフトした演出とか、クラリスのユニゾンとか、私好みでした。

反社会的集団の抗争回避のため、偽装恋人関係の楽と千棘。
同級生小咲と楽のジレッタイ関係を加え、スッタモンダな恋模様がこのアニメの見どころです。
千棘は、暴力的で不器用だけど、無邪気でかわいい。
小咲は、清楚で奥ゆかしく、一途でかわいい。
楽の鈍感な優柔不断さも手伝って、ゆらゆらした三角関係が楽しいです。

私は、千棘派。
性格といい、金髪の先端がピンク色といい、いいですね。
しかし、私のもっとも注目したキャラは、小咲の友人宮本るり。
このアニメではこの娘、最恐ですね。
小咲への強引なツッコミはお見事です。

10年前の約束が放置状態。
偽装恋人の結末が中途半端。
私の好きなアスミス演じる万里花がほぼ空気。
小咲の思いも未決着。
となれば、2期は必然か?

<追記;OVA>
{netabare}全3話。
久し振りにニセコイを満喫しました。
雰囲気まんまです。

シャフトの魅せる演出を再認識しました。
背景の簡略化やカメラワーク。
効果的なアップにより、視聴者の目を自在に誘導しています。

OP曲が懐かしい、CLICKは名曲、STEPもいい。
やっぱりClariSは聴きやすいです。
歌が素直に入ってきます。

一番の好みは、初っ端のるりちゃん回。
眼鏡のないるりちゃんが可愛すぎる。
ただし、そんなに切れないで下さい。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 77

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

鶫が可愛かった♪王道なラブコメでしたが面白かったです!

あらすじ

10年前、一条楽は一人の少女と出会う。
短い時間だったが、2人の間には幼いながらも
愛情のようなものが芽生えていた。

そして少女との別れの時、
彼女は「ザクシャ イン ラブ」(愛を永遠に)の言葉と共に彼に錠を渡す。
彼女は言う。
「いつか私達が大きくなって再会したらこの『鍵』で
その中の物を取り出すから、そしたら――結婚しよう」と。

錠が開かないまま時が過ぎて10年後、
高校生になった楽は転校生の少女・桐崎千棘と出会う。
最悪な出会いの後、親のいいつけで
「千棘と3年間、恋人同士になってもらう」ことになり、
驚愕する楽。こうして2人の「ニセコイ」生活が始まった


感想

(8話まで)


まず僕は原作は全巻持ってるぐらい
ニセコイは好きなんだが
鶫が一番好きだな~♪
鶫がやっと出てきてくれて嬉しいな
これからも出番が多いとうれしいんだが


ストーリーとして王道のラブコメといった感じ
良くも悪くも展開が読みやすく
どこで見たような設定も多いかな
僕としては「ラブひな」を思い出した

まぁ王道だから展開は
特に予想外なことがなく
王道が嫌いな人は合わないかも

ストーリー的には原作に結構忠実に
作られているので好評価。
でも忠実な分展開が遅いかもとも思う
作画も、キャラクターは原作の絵を上げた感じだし、
それに細かい背景がプラスされていよい。

シャフトの演出も悪くないけど
個人的にはシャフト色がちょっと強い気もする
それにシャフトもニセコイも好きなんだが
個人的な意見だがシャフトはラブコメとは
合ってない気がする

でもこれから新しいキャラも
出るから今後の展開も楽しみです♪



(20話まで)

そしていまさらですが
最終話まで見た
最終的な感想を書いときます


作画はとても良かったと思う。
特殊な作品ばかりが目立つシャフトだったので心配していたが、
しっかりものに仕上がっていた。

ただし、演出が合わなかった。
シャフト独特の演出が行われていたが、
この演出は「物語シリーズ」などのように
テンポが早い作品ならばとても効果的なのだが、
この作品のようにスローペースのものに使うと、
より物語の進行が遅くなり、テンポが悪くなると思う。
でも、背景などに散りばめられていた細かい演出は凄く面白かった。

キャラクターはアニメで万里花がさらに可愛くなっていた。
作画と声優の手柄ですね♪
阿澄佳奈さんの博多弁可愛かったです!

原作がベタさや王道ぶりをテーマとしているだけあって、
エピソード毎の出来は比較的安定している部類に入る。
そこにシャフト流の少々過剰ともいえる演出が加わり、
ともすれば退屈になりがちなテンプレ展開に
花を添えるというのが基本的な構図になっている。

 序盤はシャフト側の主張が強すぎた感があるものの、
終盤にかけて最適なバランス感覚を掴めてきたようで、
かなり安心して見れるアニメへと変貌している。
抑えるべきところは抑え、ここ一番で盛り上げてますね。


最終回は原作を読んでいるときからのお気に入りで、
楽しみにしていたが、凄く力が入っていて見応えがあり面白かった。
個人的にはあの最終回の後からが好きなので、
2期もしてほしいなと思う。

鍵の謎も恋の決着もつかない
中途半端な終わり方ですが
そこは原作でも終わってないんで
仕方ないですね


そして鍵を持ったヒロイン3人は
それぞれに個性があって可愛かったし、
声優さんもよくあっていたと思います。

だけど鶫がやっぱり一番好きでしたね!
けど鍵持ってない時点で負け確定なんですよね~
出来れば2期もやって
鶫の活躍増やしてそれを見てみたいですね


というわけで
総評としてはまずまず
後半になるにつれ面白くなっていった

特に万里花が出てから
主人公を巡る恋も白熱して
修羅場が増えて面白かった

まだ話は終わってないから
いつか2期があること
期待して待っています!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
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