2024年度の2クールおすすめアニメランキング 10

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の2クール成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番の2024年度の2クールおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.4 1 2024年度の2クールアニメランキング1位
逃げ上手の若君(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (171)
550人が棚に入れました
時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。 全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。 逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。 英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は―――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

イケメンの足利尊氏がCloverWorksでアニメ化!!!(※但しサイコパスなラスボス役w)

長年、北条氏が執権を牛耳ってきた鎌倉幕府。
その鎌倉幕府を裏切り滅亡に追いやった足利尊氏。
彼への復讐心を抱き、後に {netabare} 中先代の乱{/netabare} を引き起こす 北条時行が“逃げる”ことで志を果たそうとする。
松井 優征氏による週刊少年ジャンプ連載コミック(3巻まで購読中)の連続アニメ化作品。


【物語 4.0点】
私は時代劇観る際も相当に捻くれておりまして。
武士道を称えるシナリオよりも、
武士道を懐疑する、何なら滑稽だと笑い飛ばすお話の方を私は評価してしまいます。

この観点から、本作の逃げて勝つというコンセプトは変化球でしたが。
武士として栄誉ある死を選ぶより、生き長らえることを第一に考える。
“逃若党”の在り方は、私にとっては全然アリ。

来る宿敵・足利尊氏との決戦に向けて、
時行たちが、クセ強なモンスターと化した異様な鎌倉武士と対峙して、
急ピッチで成長して、これまた異様な逃げ上手モンスターへと覚醒していく展開は、
史実寄りの大河ドラマを観てきた私には、灰汁が強くて、やっぱり馴染みませんがw

第10話で、南北朝~室町時代初頭を、人と不思議が共存していた最後の時代、
祈りによる奇跡は公文書にも記された現実的な公共事業と位置付け。
諏訪頼重に時行の将来を予言する異能を持たせて、
予言を軸に時行育成プランを進行したり。

和風ファンタジー要素については、現代の常識からは思いも寄らない歴史を生み出す設定・世界観として、
私はむしろワクワクして、今後の超展開を楽しみにしています。
人が見えない領域にこそ神は宿る。
増え過ぎた人が現実しか見なくなったら、不可思議は無くなるという解釈、私は結構好きです。

懸念点は、1期では2年足らずの経過に留まった、歴史イベントの消化の遅さ。
2期制作も決定しましたが、時行の生涯を描き切るとなると、
一体何クール必要なのか気が遠くなりますw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CloverWorks

子供向けのギャグで盛り上がっていたかと思いきや、
部位欠損など凄惨な戦の描写が、血飛沫と共にぶち撒けられる、
極端なバランスが目立つ原作。

グロ表現どこまで踏み込むかが個人的に焦点でしたが、
同スタジオは容赦なく描き込んでくれました。

そんな中でも時行の逃げて勝つ描写には一際、魂がこもっていました。
正直、逃げ回るばかりの展開で、面白いバトル映像が出来るのかと、
私は訝しんでいましたが杞憂でした。
追っても追っても捉えられない若君に追い詰められる鎌倉武士の恐怖。
狂気のラスボス足利尊氏とも渡り合える、逃げ一手のポテンシャル(サイコパス)も存分に伝わって来ました。

尚、逃げ勝つことに興奮を覚える時行少年の紅潮した表情などを見て、
海外視聴者の中にはショタ属性に目覚める方もいた模様w
実は、男色等のエロ方面でも、性的コンテンツ認定寸前の、
スレスレのラインを狙っていたと戦慄しますw


個人的には、ちょっと古風な幅広の明朝体で打ち出されたタイトルロゴ、テロップも、
往年の足利尊氏主役の大河ドラマ『太平記』の映像も想起させられ、懐かしかったです。
と言うより、テロップを僅かに揺らす辺り、当時の字幕スーパーの性能限界の再現とか絶対に狙っているでしょうw

鎌倉幕府を裏切る覚悟を決めた尊氏なんかも、NHK大河ドラマ『太平記』で尊氏役を務めた真田 広之さんの姿に寄せて来たりと、
結構オマージュ要素があって嬉しかったです。
もっとも、本作では尊氏謀反の直後、{netabare} 幕府方が細切れにされる{/netabare} ので、性格の違いを思い知らされますがw


【キャラ 4.0点】
ついに現代アニメで躍動したサイコパスなラスボス・足利尊氏。
1期から暗殺にきた{netabare} 護良親王{/netabare} の手下共を、南斗水鳥拳でも体得しているのでは?
って位のチート能力を見せ付け蹂躙するなど絶好調w
人間照準器だの、探知機だの、“征蟻党”だの、イカれた輩しかいない武士の頂に立つのは尊氏しかいませんw

視聴者の中には、尊氏の能力を見て、んなアホなwとドン引きした方もいるとは思いますが。
足利尊氏のピンチ脱出能力と人心掌握術については、合理的な説明に研究者も難儀。
もういっそ漫画的な異能を持ってましたと開き直って楽になりたいと、
私もこれまで歴史関連本読みながら何度も思っていたので、
本作の尊氏像は、ラスボスにするならこんなもんだよなと妙に納得していますw

戦後、反動で足利尊氏を英雄視する中で、割りを食って来たのが弟の足利直義であり、重臣の高師直であり。
後の室町幕府についても、将軍・尊氏は権威だけのお飾りで、実務を担当した直義が実質的な采配を振るっていたという政権像が定説となる中。
歴史関連本でも、大河ドラマでも、例えば(※核心的ネタバレ){netabare} 鎌倉獄中の護良親王暗殺{/netabare} など汚れ仕事は当然、直義が自分で決断してやった悪事だよねという流れが出来ていまして。

これは直義もちょっと不憫だなと私は思っていたので、
本シリーズでは、実直そうな直義に代わって、
戦前、戦中以来、久々に悪の尊氏自らが手を汚しまくる展開を期待したいです。


時行の郎党となる架空の“逃若党”の少年少女キャラたち。
私がジョーカーとして面白いなと思ったのが忍び担当の風間玄蕃(げんば)の、
誰にでも化けられる変装能力。

とかく時行の行く末については、(※核心的ネタバレ){netabare} どうせ史実では負けると悲観する声を耳にしますが、
玄蕃の特技があれば、最悪、史実で処刑された時行は影武者でしたというウルトラCも可能。

個人的には、史実に反して生き残った時行が、足利直冬や直義と組んで、
或いはウルトラEで時行が同年代の直冬に成り代わって、
観応の擾乱で足利尊氏を発狂させる超展開とかも期待したいです。

ただ、そこまで描いたら南北朝時代の主要イベをほぼ制覇する超大作となり、
コミック50巻突破しちゃいそうですがw{/netabare}


【声優 4.5点】
主演・北条時行役の結川 あさきさん。
先だって初主演となった、同じCloverWorks制作のアニメ映画版『トラペジウム』でアイドルの狂気を怪演し、片鱗を示した結川さん。
本作でも純朴な逃げの中に秘められた狂気を好演。
この濁声のホープは、今後も同スタジオ制作アニメの切り札として多用されるのかもしれません。

そんな結川さんと競演(狂宴)したのが風間玄蕃役の悠木 碧さん。
新旧濁声の使い手によるマッチアップで、私の耳は幸せでした。
ただ、宴の席での乱心演技は流石にやり過ぎだとは思いましたw

吹雪役の戸谷 菊之助さんも奥行きを感じる落ち着いた演技で、
TVアニメ版『チェンソーマン』主役抜擢のサプライズ以来、順調な成長を見せてくれました。
結川さんといい、戸谷さんといい、いきなり主演を射止める新人声優さんには相応の才能があるんだなと。

吹雪に関しては、私はネタバレを喰らってまして。
今後、中々のウルトラCを決める難しい役になると思われますが、
この声優さんならこなすと期待しています。


情報公開がもったいぶられていたラスボス足利尊氏役には小西 克幸さんが就任。
私にとって長らく尊氏と言えば真田 広之さんでしたが、
今後は柔和の中のサイコパスを好表現する小西ボイスにアップデートして行こうかなと思っていますw


【音楽 4.0点】
OP主題歌はDISH//「プランA」
和風なアレンジこそ施されてはいますが、内容はちょっとハメ外し過ぎなダンス・ロック。

ED主題歌はぼっちぼろまる「鎌倉STYLE」
こちらに至っては、もはやHIPHOPスタイル。
EDアニメも現代にワープしてますし。

最初、流石に奇をてらい過ぎでしょ?と引いていた私ですが、
今ではスッカリ馴染んで、お気に入りに。慣れって恐ろしいです。

ぼっちぼろまるは、この夏、『マケイン』OPでも存在感を放っていましたね。
同クールで、魂がこもったアニメ化作品主題歌を2つも射止めるとは、引きが強いな~と感心します。


劇伴担当はGEMBI、立山 秋航氏。
GEMBIは和楽器も含めた世界各国の民族音楽、クラシック等からミュージシャンが集結したグローバルなバンド。
必然、本作BGMもジャンルを横断するフリーダムな、エンタメ重視の構成に。

近年、電子サウンドもアレンジしたアニメ版『平家物語』や、
田楽ロックンロールなアニメ映画『犬王』などを喰らい、
今年の大河ドラマでは、政治劇を煽るパイプオルガンも浴びたりしている私にとっては、
和風じゃない時代劇サウンドくらいヘッチャラなのですが。

そろそろ和楽器を全面に押し出した王道時代劇サウンドも恋しくなる頃なので、
カウンターで和風全開なサントラ仕掛けて来る作品も待ってます。



以下、放送前、尊氏アニメ化への期待に居ても立っても居られず書き連ねた勇み足長文。
長くなるので折りたたみw

{netabare}
私がハンドルネームに入れる程度には溺愛している武将・足利尊氏。
どこがそんなに好きなのか?ひと言で表すと意味不明な所に人間味を見出しているからでありましてw

鎌倉幕府から後醍醐帝、北朝、自ら開いた室町幕府などと、
勝馬に乗って、人生楽勝ムードであるはずなのに、
何故かいつも優柔不断としか思えない無為無策で窮地に陥り、
出家して全てを弟たちに丸投げしてみたりと、
周囲と天下を混沌に巻き込む。
それでいて、最後、窮地から反転攻勢に打って出る際は、多くの者や時代の流れを味方にしつつ切り抜けてしまう。

およそ行動原理に一貫性、合理性が見い出せない尊氏の言動は、
数多の研究者、作家を難儀させてきました。
挙げ句、足利家って躁鬱の家系なんじゃね?と大真面目に研究者から匙を投げかけられる始末w

最近も尊氏を題材にした時代小説『極楽征夷大将軍』が帯にて、
“やる気なし、使命感なし、執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?”
と銘打ち直木賞を奪取したりと、どいつもこいつも尊氏のことを好き勝手言ってくれやがるのでありますw
(余談ですが、この小説面白かったです。これで南北朝時代二度目の大河ドラマ作って欲しいくらいです。
但し、その場合、主人公は尊氏ではなく、彼に振り回される弟・直義と重臣・高師直が主役の青春群像劇になるでしょうが)


尊氏という難題をどう解釈するのか?
本作の尊氏は一見すると柔和な風貌をまといながらも、
望まぬカリスマ性を持ってしまって、
僕を誰か止めてくれといった感じで狂気を覗かせる、
ナルシスト方面にサイコパスなラスボス役に造形。

戦前・戦中、国家ぐるみのネガキャンの憂き目に遭ってきた反動か、
戦後は一転、英雄としての一面が再評価され、大河ドラマ主役にもなった尊氏。
そろそろ一周回って、こういう悪役を担っても良い頃合いかと。

尊氏の意味不明な言動は、公武二重支配体制の綻びや、
相続地枯渇により全国で多発したお家騒動に南北朝の御旗を利用されたが故の混迷を、足利家が象徴してしまったが故などと説明されたりしますが。

本原作の切り口で可能性を感じるのが主人公少年・北条時行の“逃げ上手”がもたらす焦燥。
鬼ごっこは絶対強者の鬼が断然有利。
が、追っても追っても捕まらないとなると、鬼も平常の采配だけでは手に負えなくなってくる。
乱心した鬼の尊氏が何をしでかしてくれるのか?

本作は史実に忠実な歴史再現ドラマというよりも、
多くのジャンプ漫画同様、時行と周りに集まる仲間の架空の少年少女たちが、
友情・努力・勝利の原則を踏まえつつ、ジャイアントキリングを果たしていく、
王道バトルコミックのシナリオパターンを踏襲。

特技を強調されたモンスターみたいにデフォルメされた敵武将役のキャラ造形が、
大河ドラマ等に馴染んだ私の脳には合わず。
これが私が3巻で原作購読止まっている一因となっていますが。
そこは素材を間口を広げる方向に料理するのが上手いCloverWorksの手腕に期待したい所。


尚、北条時行関連の歴史で一番生き様がイケメンなのは間違いなく北畠顕家だと私は期待していまして。
ですが、アニメでそこまでたどり着くには、
激戦区の今年の夏アニメで本作が頭角を表し、先々のスケジュールがパンパンと思われるCloverWorksに2期以降を作ると決意させるだけの反響を得る“ジャイアントキリング”が必須。

厳しい戦いになるとは思いますが、この尊氏もお供致します。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

足利尊氏が持つ底知れない「ラスボス感」

いずれもアニメ化された『魔人探偵脳噛ネウロ』、『暗殺教室』の松井優征による原作漫画は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中(既刊17巻、原作未読)。
アニメは全12話(2024年)。監督は山﨑雄太。制作は、『ぼっち・ざ・ろっく!』、『SPY×FAMILY』などのCloverWorks。10.7に2期の制作が決定。
(2024.10.4投稿 10.7推敲)

【足利尊氏が持つ底知れない「ラスボス感」(主人公じゃない感)】
本作のラスボスである足利尊氏(CV.小西克幸)は、足利将軍家の祖として歴史上有名ですが、これまで時代劇やゲームの題材として、あまり取り上げられてこなかったという印象はないでしょうか?
その原因の1つは、昔の人だから資料が少なくてわからないというのではなく、尊氏を「知るほどに不可解な人物」という評価になっていることと関係があると思うわけです。

例えば、尊氏と個人的に親交のあったとされる夢窓疎石という人によると、尊氏は、戦場で危機的状況に陥っても、「笑み」を浮かべて「合戦で負ければそれで終いなのだから、敵が近づいてきたら自害するタイミングだけ教えてくれればよい」と言って全く動揺しなかったらしく。また、一度敵方に寝返った者でも降参すれば直ぐに許してしまう心の広さを持ち、物欲もなく部下に対してとても気前が良かったそう(これだけ見ると、なんか『ドラゴンボール』の悟空っぽくないですか?(笑))。

しかし、尊氏は、ピンチで笑顔を浮かべるような悟空のように、武人として難しいことを考えず単に戦うことが大好きだったというわけでもなく、水墨画を描き、笙(しょう)を演奏し、和歌も嗜むという文化人としての意外な側面も(※Wikipediaの足利尊氏を参照。)。
(※他にも歴史を左右するような重要な局面で、合理的な説明のつきにくい行動や一貫性がないことをするという謎エピソードを多々残し、いわゆる躁うつ病だとか、サイコパスだとか評す歴史家がいるくらい(笑))

なので、本作で、この知るほどに不可解な人物である尊氏を主人公ではなくラスボスに据えたことは英断だと思いました。なぜなら、何を考えているのかわからないというのは、主人公としては感情移入しづらいですが、パワハラ会議で有名な『鬼滅の刃』のラスボス・鬼舞辻無惨のように底知れない恐怖を感じさせるので、ラスボスとしてはピッタリだからです。

本作の尊氏は、第1話から親交の厚かった北条家を笑顔で裏切り、別のシーンでは笑顔で人を切りまくり、一見慈悲深いように見えて実は怖い水墨画を笑顔で描いて、底知れない恐怖を笑顔で周囲に振りまいています。しかし、史実でもそうであったように、その一方で人を惹きつけるカリスマ性も併せ持った不可解な人物。

本作では、そんな笑顔で恐ろしいことを平気でするという腹の底が全くわからない大人物(ラスボス)として、尊氏が上手く描かれていると感じました(そして、この設定が秀逸だと思います!)。


【主人公・北条時行の成長ストーリー】
本作の次回予告でも年号の表示がありますが、1333年の「建武の新政」の2年後、1335年に「中先代の乱」が起きます。「中先代」とは本作の主人公である北条時行(CV.結川あさき)のこと。しかも「乱」なので政権交代に失敗したことを意味しています。この後もラスボスである尊氏を追い詰め、いいところまで行っては逃走するということを何度か繰り返すことに(※歴史的事実なのでネタバレではないはず…)。

というわけで、時行は、「逃げ上手の若君」として少年漫画っぽく「逃げに特化したスキル」を強化していきます。
ただ、中先代の乱のときに10歳だったらしいので、普通に考えれば本人の意思とは関係なく旗頭として北条家の御曹司であることを周囲に利用されただけなのでしょうが、そこは原作が少年漫画。

特に本作では、物語の序盤にあたり、これからラスボスである尊氏を倒し主人公として活躍するため、それに必要な才覚を身に着け、仲間である「逃若党」の面子を集める成長ストーリーになっています。


また、領地を捨てる敵前逃亡が情けないというのは、特に「自分の土地」(一所)を守るために命を懸ける「一所懸命」という鎌倉武士の価値観にも合うと思われるところ。
もっとも、「諦めたら、そこで試合終了」なわけですから、潔く散ってしまうより、執拗に付きまとわれる方が相手にとっては厄介。

物語の終盤で、時行は、自分の領地を奪われ死に急ごうとする保科弥三郎(CV.稲田徹)に向かって、

{netabare}「あなたたちは美しく死ぬ自分に酔っているだけだ」
「あなたたちが生き残れば 悪い国司に抵抗し続けられるのに 虐げられる領民の希望になれるのに」
「潔く死んでも何も残らない!」

と言って、後に諏訪新党として共に活躍することになる弥三郎の死に急ぎを思いとどまらせることに成功します。{/netabare}

しかし、「しぶとく生き残ってこそ、現世での希望になれる!」ということは、弥三郎に限らず、尊氏に滅ぼされた北条家の再興を目指す時行率いる「逃若党」にもいえること(確かに、民衆や後世の歴史家は、11話で言う通り、潔く死んだかどうかでその人物を評価しないですよね。)。

本作では、そんなメッセージ性も感じました。


【諏訪頼重は時行を救うためのギミック?】
本作に登場する諏訪大社の神官で諏訪の領主でもある諏訪頼重(CV.中村悠一)は、時行を北条家の御家人として鎌倉から救い出し、ラスボスである尊氏に対抗するために必要な才覚を身に着け、仲間を集めさせようとします。

もっとも、この頼重、本作では、現人神として神性を帯びていて、不完全ながら未来を見通す力を持つという設定なので、すごろくではなく現代のゲームである「桃太郎電鉄」を知っていたり、メタ発言を繰り返したりします(笑)

特に当時の雰囲気をぶち壊すキャラなので賛否ありそうなのですが…


歴史上の人物である北条時行については、詳しい歴史を知らなくても後の世が鎌倉幕府の再興ではなく室町幕府の始まりなので、初めからバッドエンドであることが歴史的事実として確定しています。

もっとも、一応前途ある少年が観るはずの少年漫画が原作なのですから、初めから頑張っても全く救いのない話ではなくて、確定された未来(バッドエンド)ではない希望のある未来が欲しいところ。
なので、頼重は、最終的に時行を何らかの形で救うための物語上のギミックなんじゃないかと思ってます。原作未読なので先の展開は知りませんが、未来が見えるのなら、何のために未来が見えていたのかの種明かしも含めて、「確定された未来の改変」くらいはできても不思議じゃないですよね。

まあ、いうて物語なんで、それくらいの救いがあってもいいんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

心理描写が乏しく、バトル×コメディな作品。

初見評価
この作品自体完全に初見だけど、始まる前から話題になっていたので無意識にもハードルは上がってしまっていたと思う。
まず評価しやすい部分から。
・作画強弱の付け方が上手で抜くとこは抜く、大事なところは気合が入ってる。
そして顔芸が中々多い作品のようだがまあ、モブキャラでも印象に残りやすいしキャラデザも可愛い。
・音楽もOP・ED共に作風にもあっているし安っぽくもない。BGMも作品も盛り上げている。
これだけで作品として見やすくいい作品。ここからは好みの話。

ストーリー
絵がかわいかったのでもっと子供向けで軽い作品と思っていたのだけど、始まってみれば一話から中々にグロテスク表現が多い。首がポンポン飛んでいく。
歴史に疎いので史実通りなのかはわからないだけど歴史に沿って進んでいるようなナレーションも入る。
主人公が家臣たちに裏切られ一家皆惨殺され逃げ延びて、仲間を集め復興する。
的な話なのだけど割と明るい演出で展開するのでグロ表現はありながらも軽い印象という不思議な雰囲気。
これは好みなのだけど、惨殺直後も主人公楽しそうに死地を潜り抜けており
あまり落ち込む様子がない(あまりってだけで全くと言うわけではない)。
もう少し落ち込んだり悩んだり、あるいはこみ上げる気持ちを抑え込む描写があったほうが最終的に感動も誘えるのではないだろうか。
このままだと、ただ死の局面を楽しむ狂人になりそう。
でも、それについてのセリフも多いし狙っての事なのかな?今後何か言及があることに期待。
まあでもとても面白い作品なので今期Best3くらいには入りそうな作品。

8話まで視聴
最初の雰囲気のまんまって感じかな。
敵はグロく残酷な時代を生々しく表現(一人ヒャッハーが混ざってたけど)している。
が、主人公サイドは商品化向けの可愛い子供たちをイメージしている。
心理描写も乏しく薄いキャラクター像。
そのため、重い時代背景なのにごっこ遊び感があり違和感。
しっかりみるとそこが気になってくると思う。
だけど、ヒャッハーしかりメタ発言しかりおそらくジャンルはバトル×コメディって作品。コメディが入っている作品は考えたら負け。

グロテスク表現と商品化しやすいキャラクター達で注目を集めやすい作品。
まあ、面白いけど最近の子供向けって感じなのかな。
自分の子供には見せたくないけど。

最終話まで視聴
上記通りの評価かな。
戦って強くなって戦って、少年漫画って感じ。
作画や演出はよく見やすくてとっつきやすい作品。
ただ、深みはないかな。面白いねー。で終わる作品。
見返したり勧めたり感動したりってのはない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

66.2 2 2024年度の2クールアニメランキング2位
怪異と乙女と神隠し(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (101)
306人が棚に入れました
見えてはいけない「!」の標識— それは、そこに“怪異”があった証。 とある街の書店員で、作家志望の緒川菫子は、 今日も同僚の化野蓮と、不毛な無駄話に花を咲かせている。 しかし化野には、菫子の知らない秘密があった。 人々が噂する怪談、都市伝説、現代怪異の一部は実在する。 ある日、書店にいつの間にか増える“逆万引きの本”をきっかけに、 二人は街で次々と起こる不可思議な事件に立ち向かっていく。 これは現代社会に巣食うミステリーに挑む凸凹コンビの、 ささやかな友情と別れの物語。

声優・キャラクター
緒川菫子:ファイルーズあい
化野蓮:山下大輝
化野乙:幸村恵理
畦目真奈美:堀江由衣
シズク:高橋李依
天地のどか:会沢紗弥
時空のおっさん:内田夕夜
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

良く練れた話だと思いますが、団地妻のカタルシスや怖さに不満が残る。

 なるほど…結構綺麗に話が終わりましたし、伏線というか怪異が最後の方でいろいろ関連してくるのは、なかなか面白かったです。3話の最後の車いすの少女とか、8話の古書店の話とかですね。牛鬼の先生も結構活躍したのは意外でした。

 それと最終話で気が付いたのが、みどり書店の本も逆万引きの本を持って来た店長は水木しげる氏のリスペクトでしょうか。そういえば1話の不気味な本を持ってきたのも彼でした。

 狭いエリアでの出来事だけにあの街、あるいは董子自体に何かあるのでしょうか、という妄想が膨らみます。その点ではこのアニメ作品自体が小説的な伏線やキャラの使い方、構成になっている気がします。

 不満点は、董子自身の問題の深堀りが中途半端で、せっかく小説ができたときのカタルシスが弱いので、作家論を期待していた部分で拍子抜け感があったことです。その点では途中のエピソードもキャラも上手いと思う反面、弱さは感じました。それが若干の後半のダレにもつながっていました。せっかくうまく畳めるラストだけに惜しかったです。
あと、乙と友人との別れの描写がないのが、最後の物足りなさにもなっているかな。プールのシーンでちょっとそう言うセリフはありましたけど、それだけかあ…という気がします。直接さよならを言う必要はないですけど、葛藤はほしかったかも。

 怪異の怖さはそれぞれのエピソードの開始時には期待感があるんですけど、絵にしたとき怖さが足りなかったかな。特に猫は赤い子も黒猫もダメダメでした。

 怪異とエロは相性がいいので全然いいんですけど、使うタイミングがシリアスのときはやめた方がいいと思います。

 作画のクオリティは可もなく不可もなくですが、11話の作画の動かなさというか出来の悪さ感が残念でした。猫が登場して水着回なのに非常にもったいなかったです。

 作品全体はちゃんとまとまっていて、1つの話になっているので評価したいところですが、面白さでとびぬけてないのと、小説を書くことに焦点が当て切れていない気もします。まあ、絵とか本、本屋とかを使って、小説の周辺の話である崩さなかった努力は感じますけど、そこに関心する深みがなかったかな。

 ということでストーリーは4…は面白さという点で盛っている気もしますが、完結しているしよく練れているので過大評価ではないでしょう。キャラは作り方はうまかったので4.5。
 作画は…うーん、怪異の描き方に不満があるのと、全体的にちょっと安っぽい、11話が残念なので3。そのほかは調整で3.5にします。

 そうそうEDは悪くなかったですね。














1話 面白いけど竜頭蛇尾感があり。風呂敷を広げ過ぎると…

{netabare} これもよくわからないのが来ましたね。ある意味誉め言葉でもあります。奇抜な発想の物語は大歓迎です。ただ、怪奇、都市伝説ものって、恐怖の持って行き方をどうするかでバカバカしくもなりますので、数話見てからでしょうね。

 1話を見るとテーマ性なのかキャラ性なのかちょっとわからないですが、何かは意図している感じです。それと書けなくなった小説家って「菫」つながりだと、「ROD」の菫川ねねねを思い出しますね。ただ、倉田英之氏は参加していないようです。

 出落ちでなければ面白くなりそうな気もしますが、始めに盛りすぎな気がします。風呂敷を広げ過ぎて、畳めず帳尻合わせの作品になる懸念がありますね。竜頭蛇尾にならなければよいのですが。「出会いと別れ」と初めに言って「別れ」を曲解するとシラケますので、その辺は工夫してください。{/netabare}


2話 団地妻って…全体的に妙な面白さがあります。
 
{netabare} 第1話で変身すると死にそうになってませんでしたっけ?という点を脇においておけば、面白いです。怪異と菫子さんの作家としての才能問題というシリアスとメチャメチャな設定とギャグが変な風に絡んでいるのが、不思議な世界観を作っています。女子校にリアリティもないですが、あまり気になりません。

「ダークギャザリング」「虚構推移」「裏世界ピクニック」などと同じようなカテゴリーではあるのでしょうけど、一番見やすくて面白いかも。2話までなら。

 それにしても団地妻っていうセンスがなんとも…作者は昭和の人なんでしょうか?それと先生の声が羽川翼すぎかな。そのズレたところもちょっと面白いです。{/netabare}



3話 いじめが生々しいですが、そだけに呪いに説得力がありました。クリフハンガーがうまいです。

{netabare} いじめのシーンと教師の対応が見ていてつらいくらいのリアリティがあって、それだけに先生の闇落ちに生々しさがありました。ちょっとエロティックな描写がノイズになっている気もしますが、オカルトとエロは創作では相性がいいみたいですし、そこはスルーでいいでしょう。

 それと冒頭の回想シーンのアニメ、いいですね。背景美術が非常にアニメ的な表現としてよかったです。すっきりして見やすいし、アニメ的な情報量として適切で人物を邪魔にしないです。これがアニメの背景ですね。場所も明確です。
 トーテムとかいろいろスノビズム的な外連も入っていますし、話はとてもとても面白いです。今のところオカルティックな部分は悪くないかな…もうちょっと掘り下げてくれたほうが、視聴者に親切な気もします。

 今週のクリフハンガーはちょっと卑怯なくらい気になります。そう…次話へのつなぎがうまいです。

 本作は「終末トレイン」「アストロノオト」「ガールズバンドクライ」などとならんで、ダークホース的にノーマークで面白い作品です。この作品だけ原作付かな?{/netabare}


4話 前回の車いすの子の続きは?小説家の話はどうなっちゃったの?

{netabare} あれ?3話で最後先生の病室に入っていった車いすの少女はどうなったんでしょう?もっと先に続くの?それとも何か見落としたか?猫は何か関係あるの?そこが気になります。

 まだ完全には見えませんが、どうも化野兄妹の呪いの話なのか、成仏の話かそんな感じになりそうです。小説家のしての何かがあるとは思いますが、そっちはなんか薄ーくなりましたね。その点はマイナス評価です。話は面白いですけど、思ったよりも単純なのかもしれません。{/netabare}


5話 黒髪短髪の子は猫?まあ、考察はせずに青年誌的面白さを楽しみます。

{netabare} 黒髪短髪眼鏡の娘が冒頭で雨がこれから降る…といって傘を渡すシーンがあったので、この娘が猫の怪異かな?と思ったら、OPを見るとジャージの違う子が猫っぽいんですよね。多分あのジャージが赤いのだと思いますが…どうなんでしょう?あの子はちょっといなくなった娘に執着がありそうです。実は同一人物かなと思わなくはないですが、その辺は考察する材料も乏しいので素直に来週を楽しみにします。

 それと先生の思惑がわからないのが気になりますね。先生はもう一波乱ありそうな不穏な感じです。

 それにしても、まあサービスカット…というほどのものではないですが、お肌が見えて何よりです。

 青年誌的な面白さがなかなかすごれていると思います。最後まで見られそうですね。Dアニだと「このすば3」の30分後でちょうどいいし。{/netabare}



6話 少しずつ面白さとか不思議さとかがスケールダウンしている?

{netabare}  うーん…少しずつ話が矮小化しているというか、理に走っているというか…面白いとは思うのですが、はじめのころに期待していた「不思議度合い」が少しずつ減っている気がします。当然面白さもですね。

 団地妻と兄妹のメインストーリーはありますし、先生についての何かが残っている気はしますが、今回の話はなんなんでしょうね?正直4話までよりも面白さは8掛けかな、という気がします。 {/netabare}


7話 怪異の説明についていけないのがストレス。

 何を理解していいのかついて行けません。怪異の設定は一つ一つちゃんと作っているか元々あるんでしょうけど、それをダーっといわれると一体何について話しているのかわからなくなります。

 要するにという出来上がった怪物を理解すればいいのかもしれませんが、結果的に怪異の説明が解決に結びついているので、結構ストレスです。テーマがあるのかどうかも読み取れません。これがマンガ版なら字で追えるので問題ないですが、アニメでやるのはどうか?という気がします。

 スズネの過去のエピソードがちゃんとできているだけに、なんか怪異の作り方、見せ方がもったいないなあという気はします。

 そして、おっぱいとふとももは…まあいいんですけど、緩いシーンでやってほしいなあ。シリアスなシーンは少し押さえて、日常シーンで思いっきりやってください。


8話 古書店の話は良い出来でした。ただ、そろそろ何か…

{netabare} 前半の古書店の話は面白かったです。まあ、霊的な家に迷い込むというのはよくある話なので、内容それ自体は普通ですけど作家になる資質やきっかけとして、うまく作った話だったと思います。あのお姉さんが後々助けてくれるのか、単なるきっかけの話で団地妻がエロ体質でオカルト体質なことが言いたかっただけ?

 で、そこでブツリと話がきれてネット…Vチューバーの話への前振りかあ。うーん、いろいろ仕込んだりクリフハンガーを作るのはいいんですけど、いろんな要素がある話だからもっと分かりやすくすっきりした構成の方が、面白くなったんじゃないかなあ…という気がします。

 後に引きずる要素をたくさんチラ見せしている感じですが、あまり回収されてきません。それが怪異ものによくある余韻なのか、それとも伏線の種まきなのか今のところ不明です。ただもう8話です。正直もう残尿感みたいになってきてます。もうそろそろ何かを回収してほしいなあ。{/netabare}


9話 面白いがあまりに平凡でありきたりな話でした。

 話としては面白いし、筋が通ってわかりやすい話ではあります。ですが、まああまりに陳腐というか平凡というかありきたりというか…どんなもんでしょうね?

 あと数話だと思いますので、最後まで見ますがしかしなあ…この作品は団地妻がぶっ飛んでる感じが面白かったので、ちょっとなあ…という気もしました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

でっか!!(何が?)

「怪異」と「標識」とくれば、いまんところ「化物語」が浮かぶんだろうなぁ・・・と。
違うかな・・・、あくまでも現状の私のイメージって事にしておきましょうかw。
一瞬「パクリ(オマージュ)系か?」との予断が頭をよぎる。
あちらは、シリーズを重ねるビッグネームなので、まぁ、ここら辺はお許しをいただきたいところ。

2024.10.13 連休を利用してのぐ~たらTIMEを利用して、某アベマなTVにて一気放送を視聴。

さて、視聴を続けていくと。。。
それなりの魅力ポイントは持っているような作品と感じた。
ちなみに、レビュータイトルの「でっか!」は私的にはそのポイントではない!
一応、お断りを入れておかねばw。

怪異はしっかりと怪しい雰囲気を醸し出しているし、キャラクタが絡むエピソードは少しダークで物悲しいものが多い。
そこを、少し(個人の感想として、エロい方面で)主張の可愛げのあるキャラ達が物語を進めていく。

何だろうなぁ、それぞれのキャラクタが、そこはかとなく気になる感じなんだよねぇ。
キャラデザも、まぁまぁ受けるデザインにまとまっていく気もしたし、グルグル目も苦手な事も多いんだけど、大丈夫だった。
そう言えば、グルグル目は苦手だと言いながら、振り返ってみると印象に残っている作品が多い・・・「だがしかし」や「よふかしのうた」、
・・・ああ、これは原作者さんが一緒だっけか。

あと、イジメに絡む描写も多少なりともあって、苦手な人は嫌かもしれないかなぁ・・・。

さて、緒川菫子と化野 蓮はあれやこれやありながら、諸々の「怪異」に巻き込まれながら、あたかも相棒の様に各エピソードを進めていく、そんな中で、実はエピソードの起点となり、物語を進めていく目的となっているのが化野 乙である。
蓮の妹という事になっているが・・・これは自身でお確かめください。
乙の人間関係の中での怪異の発現から、菫子の人間関係が広がっていき、物語全体を形作っている。
これは、今シリーズの最終盤で登場する董子の新作タイトルを考えれば当然の帰結となる。
そりゃあそうだ、董子の体験がその新作を形作っているのだから。
そしてその新作タイトルをフィードバックする形で、再び物語を進めていく。

この物語の回し方はキライでは無かったかな。
よくあるパターンと言えばそれまでなのかもしれないが、全体を見た中では、少し趣深く、ホッとした感じさえした。

そして、乙からのメッセージが本から・・・。
いいじゃないか、この「書店」「本」の不遇の時代に書店を舞台にして、本を舞台装置として、そして、小説を創るという視点も盛り込んである。
あくまでも、推察だけれでも、この作品の作者さんは書店、本が好きなのだろうと勝手に推察。

最終的に董子と連は物語冒頭の様に書店の店頭に立ち、再び、物語が動き始める準備が完了・・・と。


個人的な感想としては、少し隙間がある様な印象を受けたけれども、キャラクタ、語り口、作品の持つ雰囲気と好感が持てる点が多々あった。
怪異だけに、化ける可能性も少なからずあるのではないかと期待。

残る猫娘wとのカラミや、怪異だけにネタは無限・・・、
乙とのエピソードは大筋では終了しているものの余白もありそう。

作品の力量次第だが、個人的には続きを観てみたいかな、とは思う作品だった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

かりんとう さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

なんとも言えん‥とりあえず乙ちゃん元気でね

オカルト系の作品は好きだし、あらすじ読んだ感じ気になったので観ましたが、2話の時点では微妙と言ったところ。観続けるかやめるか悩んでる感じです‥

この漫画はストーリーで売れたのか、それともヒロインの爆乳やちょいエッチなシーンで売れたのか‥男性受けはいいかもしれないです。
今のところオカルトよりちょいエッチなシーンが目に付く感じ。主人公の言動とか含めて。

この"オカルト×ちょいエッチなシーン"でなんとなくムヒョとロージーを思い出しましたが、私だったらムヒョとロージーのが面白いと感じるかな。

※5話までの感想
やはり怪異と言うよりお色気シーンが目立ちますが、つまらない訳でもないのでなんだかんだ5話まで観続けてます。
オカルトとエロは付きものですが、エロに偏りすぎてバランスが悪く感じる。怪異も今のところ怖さが足りない。
‥と言ってもまだ本と牛鬼しか怪異は出てないので、6話の怪異に期待します。
多分原作の漫画はエロを全面に出したオカルト作品だと思うので、原作を知らないアニメ勢の方でオカルトを期待して観ようと思っている方がいれば‥少し残念に思うかもしれない。
日常のシーンが長く、個人的にはさっさと怪異の話しに進んでくれ!と思ってしまう。
※8話の感想
前々から思っていましたが、無駄なシーンが長くそれで尺を取ってる部分があります。
今回はとくに酷かった。カラオケのシーン、そして誰おま化け猫女の謎ダンスシーン‥。
原作読んだ人に聞きたい!あれらは原作にもあるのかと。

※最終回 感想
うーん‥正直「なんだったんだ??」って気持ちでいっぱいになりました。
時のおじさんがよく分からんとこで滑るとこからもう好きじゃなかったんですが、主人公と団地妻が再会した時のギャグシーンがしょうもなくて‥あ、この作品はつまらない系のギャグ漫画なのか?
で、何事もなく本屋で働いてるし‥なんだったんだ?
妹は帰れてよかったのか?元の世界って天国?それとも死ぬ前なの?

ジャンプは金があるんでしょうね。少しでも人気がでればすぐアニメ化しちゃって漫画の売れ行きをもっと上げるように仕向けてるのかなって思う。
観終わって続きが気になるかって聞かれたら"ならない"と答えます。登場人物、ストーリーに魅力が足りない。
乙ちゃんは可愛かったですが、なんであんな似合わないキワどいジャージを着てるのか謎。全体的にですが、作者の趣味全開!って感じがしてキm‥好きじゃなかった。
ここまでディスってばっかですね(笑)
つまらなくわなかったけど、文句ばっか出てくるってことは(個人的に)良くなかった作品ってことなんだろな。
全部が全部原作が悪い訳じゃないです。無駄な尺取り、演出とかぐだぐだするポイントもありこの作品をより悪くした原因の一つでもありました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

63.7 3 2024年度の2クールアニメランキング3位
2.5次元の誘惑(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (62)
302人が棚に入れました
「リリエーーール!!!」 3次元の女子に興味無し! 漫画研究部部長・奥村は今日も部室でひとり、画面の向こうに映る愛してやまない2次元のキャラクター・リリエルの名を叫んでいた……。 そんな奥村のもとへやってきたのは「リリエルになりたい」という3次元女子・天乃リリサ。彼女は、漫画の中に登場する女の子のエッチで可愛い「衣装」が大好き。 そして、奥村に負けないくらいリリエルを愛する仲間(オタク)だった! 奥村に秘密の趣味がコスプレであることを明かしたリリサは、コスプレの写真や動画が詰め込まれた「ROM(ロム)」のコレクションを見せて伝える――。 「私っ……これを作りたいんです!!」 ふたりきりの部室で始まるコスプレ活動! リリサが変身(コスプレ)したリリエルは奥村が衝撃を受けるほど本物(リアル)で!? 熱意に押された奥村もカメラを手に!? 真摯に熱くコスプレに向き合う彼らが、「何かを熱烈に愛している」全てのオタクへ贈るコスプレ青春ストーリー、開幕!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

11話 アニメのクオリティ不足。話も挫折が無さすぎ。中断します。

1話 ヒロインのコスプレ姿に全集中?ご都合主義妄想展開だけど面白そう。

{netabare} なんと言ったらわからないくらいのご都合主義。童貞妄想全開サイコーだぜ…という感じです。まあ、導入なので評価はこれからかな、というスタートでした。

 ヒロインは結構可愛いです。ポイントはそこですね。作画や背景美術は必ずしも高レベルではないですが、ヒロインのコスプレ姿が非常に丁寧で作画もいいし、お前らこういうのが見たいんだろ?というニーズを拾い上げている気がします。キャラ造形も、無垢系無自覚エロオタクで、コスプレの露出に羞恥心はないけど恥ずかしがる…というのが最高ですね。そう、ヒロインの描写に全集中といってもいいかも…少なくとも1話はそんな感じでした。

 当然「着せ恋」と比較したくなるわけですが、本作の方が相当軽い感じです。ヒロインもギャル系の「着せ恋」に対して、本作はオタク系なのでその対比も面白そうです。女原作・男原作の差なんでしょう。

 主人公は一応個性はあるっぽい無個性男子なのも王道ですね。そしてどうやらハーレムものっぽい雰囲気もありますね。

 部活ものっぽいし、ビッグサイト系のコスプレものらしいし、凝った部分はなさそうなので、普通にニヤニヤしながら見せてもらいます。
 OPEDを見る限り登場人物が多そうで話がごちゃつかなけばいいのですが…という不安はありますが、一方でヒロインと主人公のイチャイチャで終わらないストーリー展開も予感させます。
 テンポや演出は過不足無い感じで雰囲気的に思っていたよりも面白そうな気がします。

 そうそう、本サイトのキービジュアルはちょっとなあ、という感じですが、本編はそれよりも全然いいです。(訂正 キービジュアル大きな画像だと頑張ってました…が頭と体のバランスというか…ちょっと違和感は残りました。なんでしょうね?){/netabare}


2話 ダブルヒロインのエロ作画に命をかけられないなら、断念候補です。

{netabare} テンプレハーレムものの構造?美少女幼馴染モデルって…コスプレはどこ?と思わなくはないですが、EDを見る限り2人のメインヒロインの三角関係でまだ今はキャラ紹介かな。これでモデルの子もコスプレになるのかどうかですけど…その先は考えてもしょうがないので保留です。

 で、肝心の作画…いや、はっきり言って美少女の作画がなあ…モブとかは手抜きで全然いいです。いっそ黒塗りとかシャフトみたいな線でいいです。ですが、せめてヒロインには200%の力で取り組んでほしい。あるいはエロ…立体の魅力です。裸体の表現はもうちょっと何とかなりませんか?骨みたいで全然魅力がないです。この作品の本質は魅惑されるような2.5次元の魅力のはずです。それを視聴者が共有するためにはそこは譲ってはいけません。

 正直話は面白くないことはないです。そもそも期待してませんし、その低い期待よりは少し上かなとも思います。ですが、作画です。美少女エロ作画が本作の命だと思いますが、制作者はどう考えているのでしょう?むしろそのためにあらゆるリソースを投入してください。

 ダブルヒロインの作画が悪いなら次週切ることになりそうです。(最後の1,2分は作画まあまあだった?一応労力・リソースの配分はしてるみたいですけど…){/netabare}


3話 話が動きだして面白くなってきました。でも衣装は普通そうやって引っ掛かりませんよね?

{netabare} 話が展開して思っていたよりも面白かったです。コスプレの衣装づくりに重点を置かないことで「着せ恋」との差別化はできてますね。普通1晩じゃ出来ないでしょう。リアリティを重視するなら自分用に作った衣装の直しとかでしょうけど、そうしないのはそこは設定で乗り切る、という宣言なのでしょう。
 本作はプレイ…写真撮影に主眼が置かれる感じ…というと作品の説明ではその通りなんですけど、その裏にもう1本本筋がありそうです。

 エロコスプレで魅せるのでしょうけど、その裏にラブコメのラブ要素をコスプレの対象となる作品にオーバーラップさせていました。それで主人公が現実とコスプレの間で自分の心情が理解できない感じとか、そんな展開になりそうです。
 リリサがタイトルにもなっているヒロインである以上はリリサエンドなんでしょうけど、まあ、1クールではどこまで行くかわかりません。

 そうそう「衣装がからまっちゃって」「胸パーツが引っ掛かって」はやりすぎですけど、まあ、その手のサービスも忘れないということですね。やりすぎなければその微エロをコメディにしている感じで良いのではないでしょうか。

 作画は相変わらずの紙芝居でしたが、比較的女子の描写は頑張っていたのでそこも2話よりも良かったです。この感じなら十分に視聴継続ですね。来週もさらに展開があるみたいなのでちょっと楽しみになってきました。{/netabare}


4話 失敗イベントの出来や来週への引きが良かった。面白いですが作画がなあ…

{netabare} 話が動くとやっぱり面白いです。初めてのイベントで失敗というドラマと客観的な評価を得るエピソードですね。単純な流れですが失敗が上手く「みんなのイベント」という感じがちょっといいエピソードになりました。

 全体的にオタクあるある的な服選び、居場所、女性のリードのような流れも上手く描けていたので、今回も面白いという評価で良いと思います。来週の引きに期待できそうですので、1クール目の前半のピークは5話になるのでしょう。
 今時まだCD-ROMなんだ…と思わなくはないですけど。デバイスをみんな持っているのでしょうか?

 で、やっぱり作画です。動かないなあ…本当にもったいない。この作品2クールだそうで。だったら、もっと予算使ってクオリティ上げないと後半にまで視聴者が残るか心配です。
 話は面白そうなのに、一番大事なコスプレの魅力が表現できないまま終わりそうです。早急に改善した方がいいと思います。{/netabare}


5話 右肩上がりで面白くなってきました。

{netabare} やっと始動という感じですね。エロ関係で来るのかなあと思っていたら、ちゃんとコスプレで行くんですね。これなら十分面白いです。今週はリリサの作画も可愛かったし。

 初イベント、小さな失敗、レイヤー仲間のコミュニティと交流など、やはり「着せ恋」と話の構成が重なるところがありますが、一つのキャラを推して行くとか、恋愛がコメディ寄りになっているなど、差別化はできていると思います。ROMという軸もありますし。

 右肩上がりで面白くなっているのでここから先も期待が持てそうですね。{/netabare}



6話 サブの男が活躍する作品は期待できそう…と思ったら四天王と廃部問題かあ…

{netabare} それとサブに目立つ男キャラを入れられる話はちょっと期待できますね。カメラマンとして主体的にかかわっていくというのはいい視点だと思います。

 ですが、四天王とは…そうきましたか。バトル展開になるの?たぶん1話冒頭に出てた子たちですよね。

 で、部の要件問題かあ…そのテンプレはいるの?キャラを増やす伏線でしょう。ヒントになるのはEDのキャラ集合のシーンでしょうね。美花莉が入部して、メガネの先生が顧問になって…あと1人新キャラかな?生徒会の女性2人が結構中心の目立つ場所に配置されていたので入部するのでしょうか。

 で、その集合シーンの配置なんですけどメガネの美人先生の立ち位置がコスプレのアダルトチームと並列なんですよね。しかも特大のサイズで。つまり先生はかなりの主要キャラになるのでしょう。だから、廃部ではなく顧問&部活存続と見当が付きます。

 まだ世界観というかキャラが展開しきっていない導入が続いている感じです。

 それにしても、作画さえレベルが高ければなあ…もっともっと注目作になったと思います。{/netabare}


7話 さわちゃん先生そのままでしたけど、まあいいでしょう。

{netabare} まゆら=先生は想像よりもコミカルなキャラでした。もっと真面目な感じをイメージしてました。ですが、重くなるのかなと思っていた展開が軽めの話でいきそうですね。本作ではその方がいいでしょう。序盤で無駄に重くする必要はありません。

 顧問就任の経緯は美人新任で、モテモテで人気があって、過去の記録で脅されて…というのが「けいおん」のさわちゃん先生の設定そのままの気もします。オマージュというにはちょっと似すぎている気もしました。
 そもそも「けいおん」がオリジナルかもわからないのでそこはいいでしょう。キャラとしての人間関係の広がりという点では本作の方が工夫がある気がします。

 結局リリサが古参のコスプレイヤーを次々と篭絡していく話になるのでしょうか?{/netabare}


8話 視点は面白いですが、不安要素も。あとは作画だなあ。

{netabare} 面白い視点でした。コスプレはサブカルチャー=メインじゃない故に人からは認められない趣味という視点ですね。もうえなこさんなどの活躍でメインに近づきつつある気配はありますので、古い認識の気もしますが、まだまだ実際にコスプレを人前でするというのは一般的というにはほど遠いのも事実でしょう。

 趣味に貴賤はない。一般的ではないけど真面目に人生をかけてやっているから部活として認めてもらいたい。一見正しいように見えます。

 が、本作のROMを販売は、いくら趣味に貴賤はないにしても、女性が主体的に肌をさらして、それを販売しお金に換える行為でもあります。奇異に、不快に、部活動としてふさわしくないと思う人がいるのも事実でしょう。

 本作は、企業活動としてプロのコスプレイヤーを出すことで、その辺も見せていました。この娘はまさにえなこさんでしたね。えなこさんはきわめて頭がいい冷静な印象がありますので、ちょっとキャラが違う気がしますけど、オマージュはしているでしょう。
 コスプレが女性の性的な部分で注目を集め利益を得ているという性消費の側面があるという事実をどこまで描くかですね。

 キャラ愛かコスプレという行為そのものを愛することの違いは何か、という視点もありました。

 と、問題提起はいっぱいあるんですけど、どう展開するんでしょうか。面白いとは思いますが、理に走っている気もします。物語になるか説明になるか。楽しみであると同時に不安でもあります。また、あのロケットの中の写真が奥村に見えなくはないのですが、幼馴染的な展開も予想されその辺はどうなることやら。
 
 あと、やっぱり作画なんとかしてください。今週はちょっとひどかった気がします。{/netabare}


9話 演技過剰、説明過多。闘志は内に、以心伝心、涙は秘めるが大事では?

{netabare} 演技過剰、説明過多なんですよね。これをやるから2流になります。まあ、私は原作者でも制作の専門家ではなく視聴者側からの意見なので、作っている側の理屈もあると思います。しかし、見ている側からすると過剰なものはこちらの気持ちを萎えさせるということは言いたいです。

 別の言い方をすれば、過剰なものはこぼれ落ちるだけです。拒否反応でフィルターがかかります。闘志は静かに、涙は描かず、相互理解は以心伝心。その方が受け入れやすくなるし、行間も読めますので情報以上のものが伝わってきます。

 展開は面白いとは思いますので、その辺の文句はありませんが、不満点はそこですね。あとは作画なんとかして。{/netabare}


10話 バトル形式の勝敗をカメラ小僧の数で表現してるのは面白い。ただ、アニメのクオリティが辛い。

{netabare} バトルマンガの形式を囲みの数でやるんですね。そこにリアリティがあるかは別にして発想としては、一つの工夫かなと思います。数による可視化は安易で本当はクオリティの表現ではなく大衆迎合なんですけど、昨今の「いいね数」をはじめ「数=質」あるいは「数=勝ち」という理屈をとる人もいますので有りなんでしょう。アニメ(マンガ)ではわかりやすいのでしょう。

 SNSとも組み合わせやすいし、そうなると「パリピ孔明」をはじめ「音楽もの」「配信者モノ」の再生数などとも同じマインドなんでしょう。本来そこに質の評価は何もないんですけどね。

 あとは753のコンプレックスからの自己表現・自己実現の手段としてコスプレに走ったのは、前回のコスプレ愛についての言説と相反する気もしますが、そこにリリサへの嫉妬のような感情を入れることで、内面の描写は良かったと思います。

 ただなあ…話は面白いんですけどアニメ作品として見ると、やっぱりアニメのクオリティが低すぎて辛いです。異世界転生ならそういうものだと流せるんですけど、美しさが重要な作品ですからね。

 要するにカメラ小僧の感動=我々の感動にならないといけないわけで、その点でこの作品で外してはいけないのが、美少女コスプレのアニメ表現としての完成度です。それがこのクオリティだと辛いなあ。
 うーん…ちょっと休もうかなという気がしてきています。毎週レビューするような中身でもない気がしてきましたし。

 中断にはしませんが、3,4話…あるいは最後終わったらまとめてみようかなという気がしてきました。本当は原作の方がいいかなという気もしていますが…うーん。いつのまに断念にする可能性もありますね。{/netabare}


11話 話ではなくアニメとしてのクオリティ不足。中断します。

 話は悪くないんですけど、11話のクオリティで力尽きました。あと、少し原作を読む機会があったんですけど、このクオリティでは明らかに原作者はお気の毒だと思います。ヒロインのコスプレのすごさが全然伝わってきません。故に10話11話の話に説得力が全くないです。

 ただ、手放しでストーリーが褒められるかというと、やっぱり善人ばかりの暖かい世界の話はちょっと飽きますね。
 753のキャラをもっと工夫できなかったのかなと思いますし、部活がそのまま継続というのも挫折がない一直線の物語だということもあります。つまり、今後の展開はあきるかなというのが中断の理由です。

 それと1クールじゃなきゃ12話は見ますけど、2クールなんですよね?あと1クール見る気にはなれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

忘れていた、コスプレは楽しいってことを!

アニメとしてのデキは決していいとは言えないし優しい世界過ぎてリアリティがない
ラブコメとしては掛け合いが微妙だし、オタク男子の妄想?って感じの都合の良さ
万人に評価されるアニメじゃないけど、私はとても楽しめています

コスプレ愛が詰まった素敵な作品、やっぱり「好き」をひたすら追求した作品は素晴らしい!
万人に刺さる必要なんてないんです、好きな人にクリティカルヒットすればそれは最高の作品だ
最初はただのえっちなハーレムアニメに見えたけど、思ったよりずっとマジメな話でした
これだけ真剣にコスプレをテーマに描いた作品はなかなかない

まず、コスプレやリリサを上げるために誰かを下げようとしないところが好感持てます
レイヤーさんも生徒会長もいい人ばっかりだし
先生の対応が神すぎて子どものやりたいことを尊重しつつ、リスクから守ってあげるのがカッコいい大人だと思います
こんな優しい世界ねーよってのもわかるけど、現実の厳しさよりもコスプレの楽しさをこの作品は描きたかったのでしょう
ランキング1位を狙うとか、勝ち負けとかどうでもいいことだけど、誰だって比べられて負けなんて気分悪いのは当たり前
でも、大事なのは楽しむこと「コスプレは勝負じゃない」「レイヤーはみんな同じものが大好きな仲間」こういう作品のコンセプトが好き

リリサは衣装へのこだわりももちろん、作中の細かいシーンを全部覚えていて、一つ一つポーズから表情まで忠実に再現していくのが素晴らしくて
私が一番好きなタイプのレイヤーさんですね、ほとんどのレイヤーは有名なフレーズとかシーンの再現をいくつかできればいい方なんだけど
原作の細かいカットを一つ一つのポーズに取り入れれるのは本当に愛がないとできない、リアルでこんなレイヤーいたら絶対好きになる

ただコスプレ楽しいー!!ってだけじゃなくて、コスプレが好きなのにできなくなる事情、プロレイヤーの事情、レイヤーの抱える悩みも余すことなく描かれていました
レイヤーさんって人によってだいぶスタンスが違うんですよね、仕事で良く知らないコスをするのも、好きなキャラを徹底的に追及するのも、最新のアニメをみたらすぐやりたくなるのも、形は違うけど、コスプレを愛する気持ちは一緒だと私は信じたいです
{netabare}
「コスプレだって芸術なんだから、もっと自由でいい、私はどんな信念を持ったコスプレも等しく愛している」ってセリフがすごく心に刺さった
レイヤーなら必ず抱える悩み「いつまでもできるわけじゃない」「コスプレへの偏見が怖い」にもしっかり向き合って「好き」を堂々と主張する良いシナリオだと思います
「誰だってなりたいキャラクターになれるのがコスプレの良さ」って言葉もいいですね
{/netabare}
もちろん似合うキャラクターになるのがベストだけど、好きなキャラクターになりたい!って気持ちが一番!
好きなキャラクターになりたい! 好きなキャラクターを撮影したい! グッズ買って応援したい! 人に伝えたい! 自分だけでこっそり楽しみたい?
表現の方法なんてなんだっていいんです、一番大事なのは愛する気持ち、「好きなだけ」でいいんです

【レイヤーあるある?】{netabare}
リリサが古いアニメのコスプレしてコスプレ会場でみんなの注目をかっさらいましたが、コスプレあるあるですね
最新アニメのコスはもちろん大人気なんだけど、古いアニメでも細部までこだわりきった衣装は同じレイヤーさんやカメコのかたにはわかるのでわらわら人が集まってきます

男装レイヤーさんは更衣室で着替える時にすごく気を遣う方が多いみたいです
作中のように女子更衣室に男性が入ってくるように見えて着替えてる女子が落ち着かないのもそうだけど、イケメン男装レイヤーさんの女性ファンは多いので
ファンの夢を壊しちゃいけないから着替えには気を遣うって人もいます
レイヤー同士のレイヤーあるあるの話面白かったし、カメコさんの写真の専門的な話も参考になりました、ただ撮影するだけじゃないんですよね
コスプレって用意するものすごく多いし、会場によって細かいルールが全然違うしルールの数も多いので「これわすれた!!」はレイヤーあるある
更衣室は激混みでできるだけ速やかに退場するのがマナーだけど、トラブルがあったら助け合うのもレイヤーのたしなみ、レイヤーのリアルをすごく良く描けていると思います
レイヤー同士のコミュニティってニッチだから気が合う同士は凄く仲が良くて、イベントで仲良くなると一気にコミュニティが広がります、レイヤー同士の交流はレイヤーやってて良かったと思える瞬間の一つですね(交流が嫌いなレイヤーさんもいるけど)
{/netabare}

【一晩でコス衣装作る?!】{netabare}
ミリエラの衣装を1晩で作ってたけど、布面積よりも細かい装飾多いほうが難しいし時間もかかる
リリサの3話のセリフから、見た目だけじゃなくて角度による見え方とか細かい質感までこだわっているようですし
ウィッグもブーツも特殊だから既製品をベースにするにしてもすごく時間かかると思う
かなり難易度高い衣装だと思います、必要な材料を調達するのも大変だし、一晩じゃ無理ですね
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

理想の風俗嬢を見つけて、理想のプレイをしよう!と、言うアニメの様です。

 14話まで観ました。2024.10.08

 2クールもやる話では無いですよもぅ…。こんな、娼婦の様な真似はお辞めなさい!マジギレしたオカンに怒られそうな展開になってきました。

 高校の部活で公然とコスプレ部をやるなんて、あり得ないでしょ。ヲタク趣味が市民権を得ているなんて思ってはいけません。いまだに幼女を攫う悪魔や鬼畜の一種だと思われていますよ?

 大体、若さと女であることを売っている芸能人じゃ無いのだから、普通の高校だったら、ヒロインは女子コミュニティから排除されます。

 推しの子のルビーみたいに、芸能人が通う高校ならまだしも、無理がありすぎです。

 多様性の時代だから、好きな事を好きと言える様にしたいというメッセージが上滑りしています。

 風俗大好きだから、キャバクラ部とか、イメクラ部、ソープランド部とか作る様なもんで、部としての活動報告はオキニの口コミレポートとか、女子部員とのプレイだ!と言っているのと何が違うの?主人公もヒロインも気持ちが悪過ぎます。

 顧問も糞で、校長先生が一番まともです。これ、部として公認して一般生徒に公表したら、絶対にトラブルになるよね?駄目だろ…。と、当たり前の事を言います。

 取り敢えず、露出の高いコスプレを高校生が趣味でやるには危険過ぎるし、コスプレイヤーの生態をリアルに絵描いているのかも疑問です。ほとんど男性コスプレイヤーが居ないし、周囲のカメラマンも野郎ばかりで、どう考えてもおちんちんをおっ立ててオカズを撮影に来ているイカ臭い奴らにしか見えません。

 こりゃー金を貰わんとペイしね〜や!高校生ラブコメとコスプレイヤーの薄汚い世界観が致命的にミスマッチです。こんなの、未成年からの性的搾取を正当化するゴミですよゴミ!…親父目線になってしまいました…。

………………………………………………………………………

 初回観てのレビューです。2024.07.11

 ヒロインは可愛いのですが、こんな女子高生いね〜よ!のいつものヤツでした。

 ただ、笠希々さんのアニメ感想サイト「アニる!」で、道産子ギャルはなまらめんこいのレビュー見て、これもありかなと思う様になりました。

 笠希々さんによると、道産子ギャルに登場する女性達は、なんか距離感がおかしいですが、キャバ嬢の色恋営業だと思えば観れなくもないそうです。

 全くリアルティの無いと思っていた非実在女子達に対するこの視点は、目からウロコでした。

 今まで、童貞の妄想だ!で片付けていましたが、経験していない妄想の産物を形にするのは難しいです。

 しかし、この手の話は、お金が介在しているプロ女性との交流をモデルにしているのではないか!?

 恋愛で自分の性癖にあった理想の相手を見つけるのは、普通の人には不可能です。そもそも周りに適齢期で自分のタイプの相手がそんなにいませんし、相当モテモテじゃ無いと交流して相手の性癖の確認すら出来ません。

 しかし、お金を払って夜の街へ繰り出せば、どんな無理でも叶います!

 高校時代からの友人が、SM好きなの変態なのですが、専用のお店に行けば、容姿、体形、肉質、プレイオプション等、金次第でいくらでも自分好みのプレイにカスタマイズ出来るそうです。

 しかも、男女問わずプロは必死に料金分は楽しませてくれようと努力してくれます。女性がホスト狂いになるのも分かります。

 本作品のヒロインは、コスプレ着衣プレイ店のプロなのです。我々視聴者は、本来なら大金が必要で、罪悪感もつきまとう風俗でのプレイを、アニメを通して安く手軽に疑似体験出来るのです!

 まさに、原作者とアニメ制作会社に感謝!パンツを脱いでモニター前に殺到せよ!刮目せよ!日本男子の闇は深いですねぇ…。
 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

62.8 4 2024年度の2クールアニメランキング4位
魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 第2クール(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (65)
290人が棚に入れました
暴虐の魔王《不適合者》が刻む覇道の軌跡第五章《選定審判編》 原作:秋氏によるライトノベル。WEB 小説サイト「小説家になろう」にて2017年4月より連載が開始、そして、電撃文庫(KADOKAWA刊)より2018年3月から刊行。 現在までシリーズ累計部数は220万部を突破している大人気小説。イラストはしずまよしのりが担当。2020年7月にTVアニメとして第1期の放送が開始し、これまでにない主人公の圧倒的な存在感や魅力的なヒロインたちは、国内外で多くの反響を得ました。2023年には前作から2年の時を経て《大精霊編》が放送開始。 平和をもたらした暴虐の魔王は、 地底に広がる未知の世界で行われる神の代行者を選ぶ戦い《選定審判》に巻き込まれていく。それは、あらゆる理不尽をものともしない《不適合者》の失われた記憶を辿る物語。そして過去は世界の理へ導かれる——。

声優・キャラクター
アノス・ヴォルディゴード:梅原裕一郎
ミーシャ・ネクロン:楠木ともり
サーシャ・ネクロン:夏吉ゆうこ
レイ・グランズドリィ:寺島拓篤
ミサ・イリオローグ:稗田寧々
エレオノール・ビアンカ:渡部紗弓
ゼシア・ビアンカ:久野美咲
シン・レグリア:羽多野渉
大精霊レノ:阿澄佳奈
熾死王エールドメード・ディティジョン:小山力也
アルカナ:東山奈央
アヒデ・アロボ・アガーツェ:関俊彦
創造神ミリティア:悠木碧

うにゃ@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

クゥイックッ、クゥイックッ、クゥイックッウ~ッウ~~ッ

2期開始時内容を忘れてしまい1期を見直しが、今回の2期2クール開始前も内容を忘れてしまい見直した。

1期2期1クールを見直したおかげで、ストーリー展開のパターンに若干マンネリ感を感じてしまった。
2期2クール目は勇者や神を従えて魔王が俺ツェを進める展開で地底世界の龍族?との戦い。
2期前半は聖歌が皆無だったが、後半は存分に聖歌を歌う。愛の魔法もなかなかで平和を目指す魔王様流石と唸らせる。

3期開始時に聖歌以外はまた内容を忘れてしまうだろうなぁと思いながら、クゥイックッ、クゥイックッ、クゥイックッウ~ッウ~~ッ

100点中65点

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

2話まで視聴。何時もので安心安心。

女の子のお尻がエロい!!男のお尻もエロい!?
コレ喜ぶ層がいるのかwって言うw多分いるんだろうねw

突然の水着回は良いけど着替え方がちょっと笑ったw
あの水着ならしょうがないんだろうけど、なんだろうねアレ(トオイメ
筋肉ついてるから余計に(白目

もちろん女の子の水着姿は良かった(●´ω`●)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

§レイン・スターク§ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

★★★

2024.08.05 ★★★☆(3.2) 1度目観賞評価

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

69.9 5 2024年度の2クールアニメランキング5位
オーイ!とんぼ(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (79)
204人が棚に入れました
トカラ列島を舞台に、ゴルフと人が紡ぐドラマティックストーリー 過去を捨て、世間から逃げるように鹿児島県「トカラ列島」に移り住んだ五十嵐。 "日本最後の秘境"と言われる"火之島"で出会ったのは、島でたった一人の中学生、とんぼだった。 天真爛漫な少女は、とんでもないゴルフの才能を秘めていた!? この出会いをきっかけに、二人の運命が大きく変わっていく…。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「型にはまらないゴルフ」が「型にはめるゴルフ界」に殴り込みをかける!

元プロゴルファー志望のかわさき健(原作・原案など)と、浦和レッズサポーターの古沢優(作画)による原作漫画は、『週刊ゴルフダイジェスト』(ゴルフダイジェスト社)で連載中(既刊51巻、原作未読)。
アニメ1期は全13話(2024年)。監督はオジング。制作は、『ポケモン』などの子供向けから最近『薬屋のひとりごと』なども手がけるOLM Division 2。2024年10月から2期放送予定。
(2024.8.5投稿)

本作は、あまりアニメを観ないゴルフ上手な知人が珍しくススメてきて、キャッチしてるレビュアーさんの評価もよかったので視聴を開始。
大雑把な印象としては、絵柄より、リアルなゴルフシーンとストーリーで魅せる内容になっていると思います。


【あらすじ】
元プロゴルファーの五十嵐一賀(CV.東地宏樹)は、ある不祥事を起こしてプロ資格剥奪・一家離散となり、逃げるように一人鹿児島県トカラ列島「火之島」へ移住してくる。
そこで出会った島で唯一の中学3年生の大井とんぼ(CV.はやしりか)は、今でこそ天真爛漫に見えるが、幼いころに両親を事故で亡くし、祖父であるゴンじい(CV.青森伸)に引き取られたという暗い過去を持つ。
島には島民たちが作った短いゴルフコースがあり、とんぼは、そこで父の形見である「3番アイアン1本」で遊びながらゴルフを覚える。五十嵐は、その自由奔放で型にはまらないとんぼのゴルフに魅せられていく。
とんぼの才能に惚れ、この才能をうもれさせるべきではないと思った五十嵐であったが、島に強い愛着を持つとんぼは島を出たがらない。そこで、五十嵐は一計を案じるのであった…


【経験者が観ても納得のリアルなゴルフのプレイシーン】
私はもっぱら打ちっぱなしに行く程度ですが、原作漫画がゴルフ専門誌で連載中ということもあり、経験者が観ても納得のリアルなゴルフのプレイシーンで、ゴルフの上手い人がすすめるのもわかる内容になっています。

例えば、本作では、きちんとバンカーや傾斜、風などからコースをどういうボール軌道(右に曲げるか、ボールを低く打つかなど)で攻めるかを判断し、それに合わせてボールを叩く位置、スタンスなどスイングを微調整してから打つ。

しかも、元プロの五十嵐(※漫画原作者が元プロ志望)が、その都度、的確に解説をしてくれ、わかりにくい場合は図解まであるので、私のようなゲーム『みんなのゴルフ』程度の知識しかなくても、とてもわかりやすい。

なので、ゴルフにあまり詳しくない人でも見やすいよう工夫がなされています。


【とんぼの型にはまらないゴルフ】
また、作中で五十嵐も言っていますが、ゴルフは、「大リーグ養成ギプス」みたいな上達用の矯正器具があるくらいなので、あれもダメこれもダメという感じで「型にはめた指導」が主流です。

もっとも、「ゴルフは再現性のスポーツ」といわれるので、機械のように常に同じスイングができれば、狙ったところにボールを飛ばせるので合理的なわけです。

しかし、この対極にあるのが「とんぼの型にはまらないゴルフ」。
コースを攻略するために必要なボールの軌道から逆算して、スイング毎に体の各部の動きを連動させながら細かく微調整し、一打毎にスイングを変え同じ打ち方をしない。そして、これを可能にするのが、とんぼのもつ飛び抜けた天才的な感覚というわけです。

本作では、このとんぼの天才的な感覚がコースの最初から最後まで3番アイアン1本で遊びながら回ってきたことから培われたという設定になっています(パットまで3番アイアン(笑))。

アイアンは、基本的に番手が下がるほど飛距離が増えるものの思ったところに飛ばすのが難しくなる。特に3番アイアンは、扱えれば便利なものの、最近のゴルフクラブセットには含まれておらず、プロでも使っている人が多くないらしい。
したがって、扱いが難しい3番アイアンで遊んでいたというところがミソ(そう考えると、とんぼの父が事故死する前に3番アイアンだけ家に置いていったことにも理由があるわけです。)。


「型にはまった指導」は、個性無視なため最近のスポーツ界全般では敬遠される傾向にありますが、ゴルフに限っては、今でも型にはめるのが正義。そこに型にはまらないとんぼのゴルフが殴り込みをかけるというのが本作の魅力の1つになっています。


【人間ドラマもきちんと描かれてます】
さて、今までの説明だと、マニアックなゴルフアニメか!?と思われてしまいそうですが(笑)、1期は、両親を突然亡くし失意のどん底にいたとんぼが、あたたかい祖父や島の人たちに育まれ、ゴルフを通じて立ち直ってきたという人間ドラマもきちんと描かれています。

また、プロゴルファーとして明るい未来を感じさせるとんぼとは対照的に、プロゴルフファーとしての未来や家族をも失ってしまった五十嵐の後悔も描かれています。そして、その過去があるからこそ、五十嵐のとんぼに対する純粋な気持ちがよく伝わってきます。


最初は3番アイアンだけだったとんぼのクラブは、{netabare}様々な人たちとの出会いを通じ、最終的に4本に。

そして、それぞれのクラブに込められた思いと共に、今まで出会ったことのない未知なるコースへの夢を膨らませ、島を出る決意をするとんぼ。{/netabare}

とんぼの本格的な快進撃を目撃するのは、2期以降のお楽しみということになっているので、10月から始まる2期の前に、1期をご覧になってみてはいかがでしょうか。


【「とりあえず、やってみる」(※ネタバレはないが長いので畳んだ感想)】
{netabare}私はゴルフより野球の方が好きなので、野球の例になってしまうのですが、最近のプロ野球選手は、YouTubeなどを通じて情報収集し、ダルビッシュ選手がこういってたなどと言って、コーチの指導をあまりきかないそう。まあ、そりゃ、ダルビッシュ選手以上の実績を残しているコーチは、いないでしょうからね(笑)

もっとも、技術習得に関する情報が増えること自体は、悪いことだとは思わないのですが、選択肢が増えれば、それだけ情報を取捨選択する必要も出てくる。

なぜなら、例えダルビッシュ選手であっても、彼自身の成功体験であって、それが必ずしも万人にあてはまるわけではないからです。

そして、取捨選択する際に重要になってくるのは、自分自身で試行錯誤した経験だと思うんですよね。

とりあえず、遊びながらでもいいので、効率度外視で実際に色々とやってみる。そういう経験がないと、自分で自分に合う情報を選べないと思うんですよ。まあ、その権化みたいなのが、本作の主人公・とんぼだなあと。


さて、最近は、巷にあふれる情報が多くなったこともあり、その取捨選択の効率をあげようとする人が多いように感じています。例えば、ここのレビューを見るのも、効率よく自分の好きなジャンルの面白いアニメが観たいという面もあるでしょう。

もっとも、私は、ここでレビューを書くようになって、他のレビュアーさんのレビューを見て、それまで積極的に観てこなかった『僕の心のやばいやつ』などの恋愛もののジャンルも観るようになりました。
例えるなら、電子書籍でもそれまでの購買傾向からオススメが出てきますが、効率は悪くとも紙の本屋に行くと全然興味のなかったジャンルの本が目について思いがけず買って帰るみたいな感じでしょうか(笑)

なので、自分の思考を「型にはめて」先入観で毛嫌いせず、とりあえず「色々なジャンルのアニメ」を実際に観てみないと、自分に合うかどうかわからないと思う今日この頃です。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゴルフだけでなく人生の解像度も高い良作ドラマ

鹿児島トカラ列島の離島「火之島」で育った天才ゴルフ少女・大井とんぼ。
その才能を本土の陽の当たる世界に送り出したいと願う元プロゴルファーの五十嵐。
人々の心の交流などを描いた「週刊ゴルフダイジェスト」連載コミック(未読)の連続アニメ化作品の1期目(全13話)


【物語 4.5点】
1クール目では、主人公少女とんぼが島を出るか否かの葛藤を描いた「トカラ編」を描く。

とんぼは幼少期、事故で両親を亡くし、この離島の“ゴンじい”に引き取られた経緯があり、
傷心を癒やした、この島で生きる決意は固く。

そこを五十嵐こと“イガイガ”が、
同世代でゴルフ競技に打ち込む少女の円(つぶら)や、
火之島ゴルフコースの設計者である「悪礫島」の爺さん・クタといった、
人々の助力も得ながら、
とんぼの心を開いて、外の競技ゴルフの世界に
どう導いていくかがメインストーリー。

とんぼ説得を試みる五十嵐自身も{netabare} ゴルフ界追放や、それに伴う家庭崩壊{/netabare} というトラウマを抱える。
序盤、五十嵐がゴンじいに、この島に来るまでどうしていたか?と訪ねられ、
「死んでました」とこぼすカット。
ここで私は、本作はただのゴルフマニア向けアニメじゃない。
登場人物の心情にしっかりと向き合う、
万人にも幅広く訴えかける物を持ったドラマなのだなと背筋を伸ばされました。


終盤、クタさんと、とんぼの人生と挑戦についての問答も味わい深いです。
羽を畳んで島に留まって穏やかに暮らすのもよし、
羽をちぎれんばかりにはためかせて、島から出て島以外のことを知るのもよし。
だが、世界には飛び出してみて初めて知ることで溢れている。

自分にとっての安全地帯、コンフォートゾーンに留まるか、敢えて新天地に挑戦するか。
私も岐路に立たされた際に、糧にできそうな貴重な人生訓でした。


このレベルの解像度で紡がれる人間ドラマは一級品。
というより、1期目では、とんぼは遊びの延長線上のゴルフしか知らず、
本気で勝ち負けを争う競技ゴルフを知らない、また受け入れようとしないため、
スポーツとしてのゴルフの試合を直接描く場面がほぼありません。
にも関わらず、良質な人間ドラマにより、毎回、内容は濃密。

最終13話、{netabare} とんぼの作文、ゴンじいのツンデレ?{/netabare} など
人々の人生の一端が交錯し合い極まるトカラ編クライマックスは、
今年五指に入る位には感動します。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・OLM

作画カロリー等は平凡。
が、CGも交えて再現されたショットやコースなどゴルフ描写については、
作者のこだわりを伝えようとの意欲を感じる。

ボールのどの部分をクラブで叩くのか、
インパクト時の足の位置、身体をどう使うかなどによって、
様々なショットを打ち分け、多彩なコースを攻略するゴルフの奥深さ。

それらが作画でも解説、表現できていたからこそ、
私のようなゴルフ素人でも楽しむことができました。

主人公とんぼのゴルフスタイルは文字通り型破り。
ほとんどのプレイヤーが、円(つぶら)みたいに、
色んなケースに対応できる理想のフォームを追求し、
それに基づいたスタイルを固めていく。
対して、とんぼは、コレという形を決めずに、
ショットごとに柔軟に打ち方を変えていく対応力が長所。

が、自由奔放な、とんぼのゴルフも、
決して漫画だから、ゴルフの常識ではあり得ないスーパーショット連発しても許されるという安易な発想ではなく、
理論に基づいた上での“型破り”という印象。
この辺りをゴルフダイジェスト社が監修した上で、表現したゴルフ映像からは、
長年、目の肥えたゴルフ雑誌購読者に好評されて来たという、
作品の底力を感じました。


背景美術では、火之島の夕暮れや星空の風景。
要所で心情演出を盛り上げた絶景でした。


【キャラ 4.5点】
主人公とんぼ、五十嵐(イガイガ)、大井 権三(ゴンじい)。
上述の通り、メインキャラの絡みで泣かせに来るのは想定内でしたが、
不意打ちだったのが、サブからの涙腺攻撃。
{netabare} 文平 理ことブンペイから診療所の“マドンナ”洋子への告白。

子を産めないことから結婚を諦めていた洋子を丸ごと受け入れてのブンペイのアタック。
ブンペイ。ただのモテない芸で場を和ませるだけのモブだと油断していました。
道理で、榎木 淳弥さんがキャスティングされている訳です。{/netabare}
終盤、あの奇襲で私の涙腺防衛網をズタズタにした上での、メインからの波状攻撃。
ズルいです。


イガイガは単なる思い詰めてシナリオを暗くするオッサンというだけでなく、
とんぼのゴルフのことになると顔が怖くなるなど、
不器用故のコメディ要員として明るさを提供する役としても機能していました。
ただ、{netabare} ヤギのフンをおいしい木の実だと偽って食わせたり、危険がいっぱいな田舎の公衆トイレ{/netabare} とか。
とんぼちゃんや火之島はちょっとイガイガいじりすぎやで(笑)


【声優 4.0点】
とんぼ役には、はやし りかさんが初主演。
オーディションで役を得るのもこれが初めての新鋭。
深夜アニメでよくある萌えヒロインとは異なる、
昔の子供向けアニメによく出てくるような、天真爛漫なヒロインボイス。
特に遊びのゴルフでショットを決めた時の「やたー!」が元気で印象的です。

今後、とんぼの成長と共に、はやしさんが、どう演技を変化させるかも注目点かつ懸念点でもありますが、
本作にて、幼少期から中学卒業時のボイス変化にも対応している辺り、心配よりも期待の方が大きいです。


イガイガ役の東地 宏樹さんは、ベテランらしい渋みの効いたオッサンボイス。
その野太い声のまま、とんぼのショットに驚愕したり、いたずらに怒ってみたりする演技が面白かったです。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は戸田 信子。
TVアニメでも重厚なオーケストラが響くようになった昨今。
本作もまた、ストリングスなどは生楽器演奏による収録ですが、
サウンドは往年のアニメ劇伴の明るい曲調を想起させ、
どこか懐かしい曲風です。

これはSacra a soleのOP主題歌「羽ばたけ」にも言えることで。
ビブラートを当てない伸びやかな女声ボーカル聞いてると、
私は童心に帰ります。

ED主題歌はTOKYO GROOVE JYOSHI featuring 大井とんぼ(はやしりか)「Let`s Swing」
ゴルフにはあまり結びつかないジャンルの音楽でスウィングしながら、
攻略の方向性も挑み方も自分で決めるゴルフと人生の不思議を味わい深く語る。
これもまた一昔前のアニメあるあるな感じ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

見た目に騙されるな! かなりインテリジェンスが高いゴルフ作品

【レビューNo.136】(初回登録:2024/7/28)
コミック原作で2024年作品。全13話。
視聴してみるとまさかのガッツリ理論派だったとは・・・
いやーこれは完全に見た目に騙されましたわ。

(ストーリー)
プロゴルファーの五十嵐一賀(イガイガ)は、ゴルフで不正を犯したためゴル
フ界を追われ、新たな職を得るために鹿児島のトカラ列島の「火之島」へと転
居してくる。
そこは人口百数十人ほどしかいない離島で、五十嵐はこの島で中学3年生の少女
・大井とんぼと出会う。
とんばは幼少期に両親をなくしており、漁師をする祖父のゴンじいに引き取ら
れていた。
また島には3ホールの立派なゴルフコースが設営されており、そこでとんばと
プレーをした五十嵐は、彼女の「高い技術と個性的で自由奔放なゴルフ」に大
きな可能性を感じるのだった。
「島の外で本格的にゴルフの才能を開花させてやりたい」
島で一生暮らすことを望むとんぼの気持ちを変えるために、五十嵐は動き出す。

(評 価)
・中学生に見えないキャラデザ
 主人公とんぼは愛らしいのですが、個人的には中学生には見えなかったなと。
 ・幼い顔つき
 ・華奢な体つき
 ・言動の幼稚さ
 最初は小学生だと思っていたのですが、次のシーンでセーラー服で登場して
 「え―――っ」ってなりましたね。しかも中学3年って・・・
 それを象徴するのが終盤なんですが、話は一気に半年後の卒業までワープ、
 そこで登場したとんぼは、
 ・顔つきが大人びてるやん
 ・手足もスラっと伸びて、体つきも改善されてるやん
 ・顕著なのがイガイガとの相対比で
  ・before:頭がイガイガの肩位
  ・after:完全に頭が肩を超えてるやん
  (言動は相変わらずだがw)
 って感じで、これ位モデルチェンジしないと、やっぱ中3~高校生には見えん
 だろうとw

 そんなキャラデザを象徴するように、作品の雰囲気としても
 ・大自然の中でノビノビと
 ・島民皆が家族的な付き合いでハートフル
 ・1打の緊張感のない”遊び”としてのゴルフ
 全体的に”緩く優しい世界”で描かれているという感じですね。

・時代の最先端?! かなりインテリジェンスが高いゴルフ作品
 ただ上述の”優しい世界”に反して、ゴルフシーンはかなり密度が高いです。
 例えばとんぼは
 ・通称「3鉄」(父の形見の3番アイアン)1本であらゆる球を打ち分け
 ・それを遊びの中で独自の感性で磨き上げた
 という「自由奔放なゴルフ」なんですが、これをイガイガが
 ・フォーム(肩の入れ方やスタンス、スイングの軌道等)
 ・クラブ捌き(フェイスやシャフトの使い方等)
 から何故打ち分け可能なのかを事細かに理論的に解説していくという。
 またゴルフコースについても
 ・このコースの設計意図
 ・プレイヤーの攻略作戦
 といった「設計者 VS プレーヤー」といった構図で面白くみせてくれてい
 ます。
 人によっては「いちいち理屈をこねてうんざり」と好き嫌いが分かれそう
 ですが、個人的には
 ・イガイガの解説が的確で演技もよく分かりやすい
 ・アニメの利点を活かした作画・演出が効果的で見やすい
 ということで
 「ゴルフも奥深さを知るとこんなに面白いのか!!」
 と高評価ですね。
 (たった1打に「どんだけ情報が詰まっているねん!」と素直に驚きw)

 ゴルフ作品といえば最近だと『BIRDIE WING』がありましたが、あちらが
 「とんでもゴルフで勝負の熱さをみせる」という(少し昭和臭のする)作
 品だったので、ある意味対極的な位置付けになるのかなっと。
 ちょうどサッカーだと最近の『アオアシ』『ブルーロック』辺りは「個人  
 戦術」や「ゴールアイデア」といった、やはり情報量が多く、サッカーの
 奥深さをインテリジェンスでみせる作品にシフトしてきているので、やは
 り本作もそういう最新の流れを汲む、インテリジェンスが高い作品という
 印象ですね。

ストーリー的には
・島の世界しか知らない才能ある野生児・とんぼが
・(落ちぶれた元プロ)イガイガと出会い、新たなゴルフの世界を知り、島の
 外の世界へ飛び立っていく
という王道展開ではあります。
ただ「勝負の世界」というシリアスさがなく、1期は仕込みに終始したという
感じなので、少しメリハリに欠けるところはあるのかなっと。
しかし
・イガイガや他のキャラとの出会いによるとんぼの成長をしっかりみせ
 (これも出会いによりクラブが1本づつ増え、キャラ名をクラブにつけると
  いう演出が上手い!)
・インテリジェンスが高く、ゴルフの奥深さを提示しちゃんと面白い
という、かなり良く出来た作品だと思います。
2期も決定しましたし、とんぼも「競技ゴルフ」の世界に足を踏み入れること
になるので、その辺りは今後に期待ということで。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

60.2 6 2024年度の2クールアニメランキング6位
ばいばい、アース(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (51)
146人が棚に入れました
様々な動物の姿をまとう獣人が住まう世界に、ラブラック=ベルは唯一の"人間"として生まれた。 牙も毛皮も鱗もない彼女は"のっぺらぼう"と呼ばれ、どこにも自分と同じ種族を見つけることができずに、もの寂しさを感じながら日々を過ごしていた。 「私も、世界と交じり合いたいーー」 そんな想いに胸を焦がし、身の丈ほどの大剣<唸る剣(ルンディング)>と共に、自分のルーツを探す旅に出ることを決意する。 その代償として、数々の試練が待ち受けるとも知らずにーー
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

終わり?2期きますね。今季1,2を争う面白さ。凝ったSF作品でした。

 なかなか配信次の予定がないから調べたら2期があるんですね。25年かあ…うれしいけど打ち切りにしないでください。お願いします。

 というのは、この作品はSFの楽しみ方の一つ、世界観を考察する系統の作品です。「けものフレンズ」「新世界より」などと同系統です。この2作品と違ってエンタメが分かりづらい感じがあります。
 したがって、読み解けない人、楽しみ方が違う人が多くいる作品でもあります。現に私も昔原作を多分1巻と少しで放り投げています。それに本作も4話くらいで、あれ2話のアースって…といって戻ってSFであることを確信しました。

 今、原作を読むと修辞というか文体が面倒なだけで読むとある種の王道SFなんですけどね。読み解けると快感原則に従いどんどんは作中に入り込みますので、こういう読者を楽しませてやろうという作りの作劇はいいですね。それにアニメはかなりわかりやすいです。

 さて、本作の考察は10話のところに書いた通りです。アース、卵、兎、怪力、都市=パーク、唯一の人間…そういうものを読みとけば世界観は見えてきます。この先は剣と理ですね。

 非常にハイレベルなSFで私はかなり好きです。原作者のマルドゥック・スクランブルにもはまったので、相性がいいのかもしれません。

 一応、作画は満点とも言えませんし、続きがあるので満点にはしませんが、24年夏で1,2を争う面白さでした。アトリとどっちかな。

 アトリもジャンルとして一種のハードSFの体裁をしていると1話で読み解けないと見方を勘違いする作品でした。こういう作りの作品が増えるといいですね。




1話 原作は苦行でした。これでも小説の100倍わかりやすいです。

{netabare} これでも小説版よりも随分理解しやすくなっています。原作はずっと前に読みましたが、面白さが分からなかったです。これは「つまらない」とか「面白くない」ではなく、何を読み取ればいいのかがさっぱりわからず面白さが理解できないという意味です。

 ラブラックベルの行く末は気になるので、読まざるを得ないんですけど、苦行の様だった記憶があります。それは、たった1人の人間…人間と出会いたいというテーマに引かれたからかもしれません。

 変な当て字が多いのは今回のアニメでもわかったと思います。説明がなくいきなりいろいろ展開しますし。ただ、アニメ版だとああそういうことか、と今ものすごく納得しています。冲方丁氏は「マルドゥックスクランブル」と歴史ものは非常にわかりやすく面白いのですが、本作原作とかシュピーゲルシリーズは文体が独特すぎて本当につらいです。その点、本作は小説の100倍くらい面白かったです。

 この作品は、それでもわかりづらさで酷評されても仕方がない内容だとは思いますが、しかし、不思議な魅力がラブラックベルにはあります。ですので、私はアニメは最後まで見ます。ラブラックベルが思っていたよりもしっかりしている解釈なんですね。私は小説1巻の表紙にとらわれて、黒髪でもっと弱弱しい姿を想像していました。すでにそこから違います。{/netabare}


2話 ああ、ファンタジーだなあ…やっぱり外連味は大事だなあ。

{netabare} ファンタジーですねえ。わからないことに幻惑されることで不思議な感覚の中に入り込みます。それが非日常の世界に我々を誘う感じ。それでこそファンタジーです。ファンタジーっぽさを思いっきりカッコつけてやっている外連味が最高ですね。原作を読んで想像していた絵と随分違いますが、いいですね。視覚化してくれて本当に助かります。

 さて、一人しかいない「人間」の物語ですが、当然我々の感じる「孤独」のアナロジーだと思います。法…内と外といっていますが、正義と悪ですね。あるいは社会のルールと言ってもいいでしょう。その視点で見る故に息苦しいくて、居場所を見つけられず疎外感を感じるのか。

 切れない剣は、その法を相対化するアナロジーでしょう。すべてが切れる剣がすべてが切れない剣に変わった。その剣を携えて旅に出る…つまり、切るのではなく自分の目で世界を見るということ。師を忘れる…自分の身体で見て感じることが大事だという意味になると思います。名を刻むとはすなわち、自分を意識するということでしょう。
 この解釈は今思いついた適当解釈ですけど、こういう風にぼんやりと考えながら見れる作品は本当にいいなあ。

 そう、この作品はファンタジー世界を借りた自分探しの作品だったんだなあ、と2話まで見て、ちょっと言語化できた気がします。漠然と旅と孤独に感じるものはありましたけど、ああ、そういう感じなんだなあ、とあらためてちょっと感動しています。

 現状小説の1巻と2巻を買いなおして読み始めましたが、やっぱりわかんねー、と思っていましたが、アニメが補助線になって結構読めるようになりました。以前ほどの苦行感はありません。コミック化しているみたいなので、そっちも買ってしまいました。そろそろ届くでしょう。

 たまにはこういう分かりづらい話がいいですね。頭も感性もフル回転します。「ブギーポップ」も相当読み解くのが面倒でしたけど、あれは関係性が面倒なだけで普通に読めますからね。
 ということでさすがにこの作品を面白いという人は少ないのではないかと思いますが、超ハイファンタジーとして雰囲気を楽しめる人は少なからずいるのではないかと思います。ぜひ最終巻までアニメ化してほしいなあ。{/netabare}


3話 アニメにしても面倒くさい作品でした。見ますけど考察は最後にしようかな。

{netabare} 私は最後まで見るつもりで見ているからいいですけど、何でこれをアニメ化した?という気持ちが強いです。小説に比べて100倍わかりやすいですが、小説の面倒くささが普通の作品の1000倍あったということでしょう。今、平行して再読していますが、やっぱりめんどくせーという感じです。

 3話は里親との関係性とか、剣という価値観に対する何かとか、呪いの意味を咀嚼すればいいのだと思いますが、そういわれてもなあという感じです。

 ちょっとこの作品の制作に至った沿革とかは知りたいです。グレンダイザーみたいに金持ちが製作費を出したんでしょうか?

 これ以上の考察は全部見てからのほうがいいかもしれません。あるいは中間点か。いずれにせよレビューはちょっと休憩かな、と思います。{/netabare}


4話 「剣と天秤」とは「法と正義」、「無何有郷」とは無為自然。だとすると「理」とは?

{netabare} 4話以降のレビューは最後まで見てから…と思いましたが、やっぱりメモ的に記録しないとややこしいので続けます。

 まず構造として剣の文字「無何有郷」と「理」の少女の対比です。無何有郷は老荘思想における作為のない理想郷です。「剣」の国では「正義・内」「悪・外」という概念で区分けしています。つまり「自然」と対立する「法」の概念ですよね。

 その剣を「理」の少女が持つとは?「理」を自然法則のようにとれば同じ方向性です。ただ、理とは道理ですから別の意味も持てそうです。

 剣を育てる、剣は替えが効かない。つまり、内面における何かを象徴していると思います。剣をどう使うか?が問われてくる形ですが、その剣の国で呪いで剣で切れなくなるという意味は何か。
「法」=「剣で切る」だとすると「呪い」「無何有郷」「理」の3つが何を象徴するのかがおぼろげながら見えてくる気がします。

 神が剣を天秤で計りました。実は剣と天秤とは法と正義すなわち司法の象徴です。つまり神の木の前でやっているのは裁判のアナロジーです。ですが神はなぜラブラックベルを見ようとしないのか。つまり、法と正義から外れているということでしょう。そこに旅に出る意味が出てくる気がします。

 ラブラックベルは何故1人しかいない人間なのか?1話目で出てきたタコの怪獣が多分何かを象徴している気はします。2人は同類の様に描かれていますので。

 楽章とか脚本とか音楽や舞台のアナロジーが何かですよね。芸術は人間にとって何か?というアプローチでいいのか、それとも作為とかデザインとかそいう人為の意味で考えればいいのか。

 で、2話の聖星のところですけど、どうも地球に見えます。つまり、この作品はファンタジーであると同時にSFなのでしょう。ラブラックベルは地球から離れて月にきてしまった唯一の人間な気がします。気がしますが、それは設定であり含意としては「法と正義」「理と自然」の物語なのでしょう。
 ですが、ばいばい、アース=聖星=地球なら、意味はありそうです。{/netabare}


5話 マーメイドは女性の象徴。そして作り物を操る機械仕掛けの神とは?

{netabare} マーメイドのベネディクティンが依存するものだとすると、ティツィアーノが何に依存しているか?という対比の見せ方をしています。男女問わず自分に従わせた。それが神様ごっこで命がないもの同士の戦いをさせることらしいです。つまり、ベネディクティンとティツィアーノは悪い言い方をすれば女性の悪い面の象徴です。つまり、この話は女性論だと思われます。

 それとティツィアーノは剣を砕かれて悪に落ちたらしいです。ただ、洞窟内の会話だと「正義に綽名すために共闘と言っていた」らしいです。この辺の言葉遊びはもうちょっと咀嚼しないと理解が難しいです。

 そして、ラブラックベルは切れないはずの剣がゾンビ的なものは切れた。アドニスは?付の剣を使って戦う。やはり剣とは何かです。剣=正義であり理性とも取れます。

 それと指揮者とか演出者、脚本者、伴奏とかいます。そして剣士はソリストだそうで。このアナロジーは「作り物」だとは思います。そうするとティツィアーノのやっている戦争ごっことの対比になります。つまり、剣の国の神とは作り物を操るものの親玉だと言っている気がします。

 そういえば時計を持ったウサギは「不思議の国のアリス」ですけど、この世界は不思議の国なんでしょうか。それとも月だからいるのか。
(追記 1話で幼少のベルが何かを割って出てきますが、力の制御ができない怪力の描写があります。やっぱり地球から月に送り込まれた子供で、重力が軽いから重たい剣も扱える…ということかもしれません)

 そうそう、デウスエクスマキナですけど、これって演劇の話の最後の方に脈略なく出てきて解決してしまう「神」の事ですよね。舞台装置だから「機械仕掛」らしいです。つまり、神そのものも作り物だと言っているのでしょうか。「鉄と血の神楽」を自作自演で解決するといっている気がします。

なお、ラブラックベルの剣の文字はNOWHEREをさかさまに書いてあります。つまり、どこにもないということです。4話でOrthrosという剣も出てきました。これはギリシャ神話の怪物だそうで。5話の火のやつはケルベロスですね。
(追記 1話でシアンの剣に記されていたのはALONEで逆さに読むとエノーラ=教示者の意味で使っていました。つまり、師匠あるいは旅人は孤独ということでしょう)

 手遅れにならないうちに少し見返したり、原作をひっくり返して咀嚼しておきます。


追記 3話で登場した治療できる物質は、聖杯ではなく聖灰でしたね。つい字面を見逃しました。そうなると、ナノテクノロジーの存在が疑われます。やっぱりSF的な裏設定の存在が疑われる気もします。それとあの結晶をどうとらえるか。この世界の住人は遺伝子操作か何かなのか。 {/netabare}


6話 いろいろ考えるものが多いですね。

{netabare} 本作で考えるべきは、剣はもちろんですが音楽ですよね。戦闘の他農作業すら楽器で音楽を奏でるとされています。それと演算や機械なるうさぎ等があやつる何かメカニカルというかメカニズムというか、そういうものが何を象徴しているかでしょう。

 マーメイドは両性具有でしたね。決して女の象徴というわけでもないですが、歌を歌っていたのも、ベネディクティンも、ティツィアーノも女形態でした。ベネディクティンがベルに発情して男になったのと、ティツィアーノがアドニスと恋仲だったことが示されましたので、その辺をちょっと考えたいところです。そしてこの世界のおける死とは何かですね。

 6話になりましたので、ちょっと原作を読むのを早く追いついて、考察したいと思っています。あとで何か追記すると思います。{/netabare}


7話 設定や含意を読み取るリテラシーを試されるファンタジー風味のSF

{netabare} ここから原作2巻に入るようです。私はたしかずっと前に4巻まで読んだと思うのですが、2巻は全く覚えていません。今回登場のシェリー姫、歌い手の女性の存在すらまったく覚えていません。ひょっとしたら1巻で挫折したのかもしれません。その辺が記憶から抹消されるくらい読むのが苦行だったし、面白さを拾えませんでした。

 ところが、今回アニメで理解が進みました。もちろん面倒な話ではありますが、明確にファンタジー風SFですね。それは6話までで十分読み取れます。ひょっとしたら私のリテラシーが身に付いたのかもしれませんが。

 今のところ調和に対するイレギュラーな存在としての旅人。旅人は物語世界では何かと言えば、異端であり突然変異つまり変化をもたらすもの、あるいは進化の要因です。剣は正義、良心や自我などアイデンティティに関するいろんなアナロジーだと思います。

 それと今回クローズアップされた歌ですね。音楽=調和でありこの世の仕組み、そして生活の営みで、戦いですらありました。歌と音楽は同じ意味でつかわれているのかどうかすらわかりません。

 1巻までのパートがまだ考え切れてないですが、これはアニメで読み取れるところを素直に見ていたほうが分かりやすいかもしれません。本来原作は設定が読み取れる?という謎かけだったのでしょうか? {/netabare}


8話 理とは神殺しの事か?話が展開して面白くなってきました。

{netabare} 神からの福音を受けたキールは神と一体化してゆきます。そのキールをラブラックは切ることができる。ラブラックが切れるのは人ならざるもの。つまり、ラブラックは神殺しを行うことになると思われます。神は何も見ていないとこがなぜ強調されるのか。これは神が自己完結であり、狂っているということでしょう。
 神殺しがつまり理ということではなく、定めとして神殺しをするものという意味なのかもしれないし、神に変わった正義をもたらすものかもしれません。

 つまり、SF的に言えば、地球から離れたおそらくは月世界の体系が崩れつつあり、そこに理をもたらすもの=地球から卵に乗ってやってきた人間であるラブラックが、神を倒すことで秩序をもたらす物語ではないかと考えられます。ラブラックの怪力は地球の重力で育った人間だからでしょう。

 今回は特に話が展開して面白かったです。バトルへの入り方や、あの歌姫的な子の感情の揺れは素晴らしい演出だったと思います。それとあのラブシーンと一見わからないラブシーン。いいですね。気持ちと自分の立場におそらくは苦しんでいるだろうアドニスの気持ちが痛いですね。

 そうそう「空」というのは中島敦の「名人伝」的なものでしょうね。弓の名人は弓を忘れるというあれです。なんとなく話の方向性が見えてきて、面白くなってきました。

 今、アニメが面白くて原作は1巻まで読んで進めないようにしています。どうやって着地させるか楽しみです。考え違いもあるかもしれませんが、そういう脳みその作業がなかなか心地良い作品です。{/netabare}


9話 パークに閉じ込められた2人の恋愛の行方は?

{netabare}  なるほど…MOONWORKですか。月で働くとも取れますが、そうじゃなさそうです。つまり、ラブラックベルが女であることを知る…アドニスとのラブストーリーがこの作品の結末になることが9話で説明されたのだと思います。

 1話で種をまく魔物が出てきた意味、ベネディクトンの両性性を描いたのはなぜか。そして、この世界がなぜパークと呼ばれるのか。ピアノがあるのか。その辺はもう考察する必要もなさそうです。分かったわけではないですが、作られた世界であり、魂の循環と聖灰の設定ではなく意味を考えれば、閉じた世界であることがわかります。

 旅の意味、剣とはなにか、2人の恋愛の行方は重なるはずです。どんどん面白くなります。いや、面白過ぎるでしょう。これがつまり「物語」です。あと数話では描き切れないでしょうから改めてやっぱり原作を読み始めます。{/netabare}


10話 もう世界観は考察できるはず。あとは剣と理についてですね。

 この話が単なるファンタジーではないということは、もう世界観から読み取れると思います。つまり彼らがやっていることがファンタジー的であってもSF的な意味はあるはずです。機械仕掛けの神とベル=理由の少女の関係は、神殺しによりこの世界をリセットすることでしょう。

 SF的考察をすれば、つまり「パーク」にいる変種ですから、月のテーマパークにいる遺伝子操作された生物か有機的なロボット…しゃべることから考えて後者でしょう。遠景からみたパークはどう考えても人工物です。
 月であることはベルの怪力でわかりますし、しかも頭上に地球(聖星=アース)が見えています。

 神とはメインコンピュータでしょうね。演算はプログラム的なものと思われますし、音楽はテーマパークの名残でしょう。戦いに赴く戦隊はまるでパレードでした。
 結晶も人工物だと思います。神よりも上位の神はすでにいない、ということは、ベルは最後の人類かなにかということになります。青い神官はもちろんデータ的なログでしょう。剣は疑似的な魂=ゴーストか役割としてのアルゴリズムだと考えられます。

 飢餓同盟の役割が何かがまだわかりづらいですが、マトリックスで言えばエージェントスミス的な間違いをただすものかなという気もします。神の姿は暴走しているように描かれていますので、それと対立するものだと思われます。
 アドニスの腐らせるとか墓守りの家系とは何かですね。飢餓同盟がベルと対立するのか味方なのかが見ものですが、対立しないと話にならないでしょう。その果てに神殺しと世界の再生でしょうね。

 剣のNOWHEREは、NOW HEREの現存「どこにもある」の意味と、NO WHEREの「どこにもない」の意味が並列でしょうね。ベルの事だと思います。

 恋愛の要素もあって遺伝子的な要素もありますので、ベルが女になる話かなとも思います。それを示唆するためのベネディクトンでしょう。テーマとしては冒頭のタコと花の合体したようなものが種を残すところから、その辺が含まれると思います。

 それにしても、やっと読み終わった2巻の終わりまでいきなり追いつかれてしまうくらいのスピード感でした。ひょっとしたら2、3話くらいで4巻までやってしまうのでしょうか。もし作品として成立できるなら、それもありかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

自分探しを懐疑する令和時代に生きる意味を問う酔狂なファンタジー

冲方 丁氏の同名小説(未読)の連続アニメ化作品の1シーズン目(全10話)

【物語 3.5点】
原作小説が展開したという2000年。平成年間はまさに“自分探し”ブームの只中。
後に色々な有名人が自分探しの旅に出かけたり、
海外放浪で人生の岐路を発見したという創業者エピソードがもてはやされたり。

これは自分の偏見かもしれませんが、
平成時代、自分の中にしかないはずの自分を、外の世界で探し回った挙げ句、
令和時代になって、自分は何者にもなれなかったと自嘲する。

もちろん令和時代にも、外の世界で自分を探す潮流は続いているのでしょうが、
昨今は自分探しなんかじゃ幸せになれないと、
自分探しを哲学的に反省する言説も目に付く印象です。


本作は、毛皮やケモミミを有した亜人たちがスタンダードなファンタジー世界を舞台に、
石の卵から生まれた、ただ一人の人間の少女として“のっぺらぼう”と異端視され、疎外感を覚える主人公ラブラック=ベルが、
世界と交わることを渇望し、自分は何者かを知る旅に出る物語。
1シーズン目では旅立ち前の試練に挑む様子などが描かれる。

この世界、仕組みがなんとも謎に満ちていて考察と共に、
世界の真理や自分の役割を見極めたくなる要素に溢れています。

ベルの大剣ルンディングを始めとした剣にしても、武器というより、
〈剣の国〉シュベルトランドの都市(パーク)の奥深くに食い込んだ〈剣樹神(ユグドラシル)〉という名の管理システム端末という印象を受けます。
この世界では剣は育てる物という認識が成されているが、
時に剣の狂気に囚われる使い手の末路を見ていると、
〈剣士(ソリスト)〉が剣を通じて“神の依り代”であるユグドラシルシステムに使役されているのではとの感想が残ります。

要素ひとつひとつに、成り立ちや仕組みを熟考させられる点がある。
自分探しなんてとっくに飽きてしまった私だけれど、
このファンタジー世界で旅に出て、また自分を探してみるのも悪くないか。
そう思わせるだけの世界観が本作にはあります。


とは言え、目にする物について、いちいち由来を考えなければ消化できない本作は、
トレンドからは明らかに外れており、
1シーズン目だけでも、私は置いてきぼりになりそうな要素、
解答待ちの課題が多々ありました。

なので評点は2025年予定の2シーズン目観終わるまで、3.5点の暫定評価で据え置かせて頂きます。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

主人公以外全員ケモノ系。状況に応じて雌雄が顕現するマーメイド。
植物に動物が“実る”。
単純な中世ヨーロッパの城郭のコピペじゃない。
〈善〉と〈悪〉の役割に応じて秩序を形作る〈法(テーマ)〉を体現した〈テーマパーク〉の一環としての居城の異様。
いわゆる“映像化不可能(自称)”な作品群のひとつに属するであろう本作。

作画カロリーはややおぼつかないながらも、
独特な世界観を描写するレベルには達していたでしょうか。
見慣れない景色がないとファンタジーとして驚けないし納得できない私にとっては、
好感できる映像でした。


〈農楽者〉が音楽を奏でないと作物が育たないなど、音楽が重視される世界観。

戦でも〈脚本家(リブレット)〉が書いた作戦に基づいて〈演出家(ディレクター)〉が隊をまとめ、〈指揮者(コンダクター)〉が〈剣士(ソリスト)〉を指揮する。
ルールに基づいて〈剣楽隊〉が戦闘を繰り広げる。

殺し合いである戦争に美学も何もあったものじゃないのでしょうが、
きょうび、機械化兵器による、ただの殺戮処分、作業と化しているリアルの近現代紛争映像など見ていると、
本作の戦闘シーンには培われた文化に基づいた美学を感じてしまいます。


尚、ここまで鬱陶しいくらい作品用語を羅列しておりますがw
作中ではこうした用語がテロップで宛字も含めて明示され、
作品理解の一助にはなっています。
コレ、特に専門用語を乱発するファンタジー、ラノベ原作アニメでは必須にして頂きたいです。
イマドキわざわざ公式HPの用語集を参照してまで付いて来てくれる視聴者も珍しいでしょうから。
まぁ、説明されたところで、すぐに理解できるほど、本作は簡単ではありませんがw


【キャラ 3.5点】
主人公少女・ラブラック=ベルは大剣で自由に他者を切ることができない〈旅の者(ノマド)〉の〈呪い〉を背負っている。
剣技を教示した師匠・ラブラック=シアンらには〈理由(ことわり)の少女〉とも呼ばれ、その剣には破損しても無限に刃を生成し続ける、“生き続ける剣”としての特性も備わる。

対する〈月瞳族(キャッツアイズ)〉の青年アドニスは、
〈懐疑する者〉の刻印を有し、触れた他者や剣を腐敗させてしまう〈呪い〉を継承し、他者の剣を奪っては朽ちて使い捨てる嫌われ役を買っている。
その末に手にした剣は“死してなお死に続ける剣”として、ベルの剣と同じ再生能力を有する。

第1シーズンは、一時期ベルと良い雰囲気にもなっていたアドニスを
{netabare} 〈飢餓同盟〉側に闇落ち{/netabare} させることで、生のベルと、死のアドニスという対立軸として確立して終わる。

よってキャラ評価もまた今後の解答待ちの暫定評価ですが、
正直、ここまで色々、原作飛ばしているのだろうなという印象も(苦笑)
アドニスが{netabare} ベルに生殖行動を求める件や、暴行しようと押し倒した件は、
描写を飛ばした上での唐突感なのか、あの唐突感こそがアドニスにおける愛情の欠落を示しているのか私には判断しかねます。{/netabare}

もう一人、この世界で重要な音楽を象徴する〈筆頭歌士〉シェリーにしても、
第七楽章(第七話)にて掘り下げが成されましたが、
一話だけでは、だいぶ駆け足な印象も受けました。

第2シーズンで詰め込み過ぎて、ベルが自分が何者かを見出す以前に、
キャラが正体不明にならないことを祈ります。


【声優 4.0点】
主演ベル役のファイルーズあいさんはエジプト人の父と日本人の母を持つハーフ。
人生経験の中でマイノリティ視点を有した彼女は、
世界からの疎外と交流の渇望を抱えたキャラクター像構築に有用だったとのことで。
最近の声優さんは、声が張れる表現できる、アイドル活動やイベントで通用するルックスもあるのは当たり前で。
その上で、その人にしかない経験があるとか、外国語アフレコができるとか、プラスαないとオーディション突破も難しい。
まことに厳しいレッドオーシャンだなと痛感します。

〈長耳族(ラビッツィア)〉のキティ=ザ・オール役の花江 夏樹さん。
老獪(ろうかい)な少年風ボイスで、この世界でもウサ耳は曲者であること伝えてくれました。

〈剣の国〉シュベルトランドの王は
〈善〉役に津田 健次郎さん〈悪〉役に佐藤 せつじさん。
ネットリボイスのダブルキャストで善悪が一心同体する異形を体現し、作品世界を象徴。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はケビン・ペンキン氏。
アニメ版『メイドインアビス』劇伴でも見せたスケール感はそのままに、
農業、気象、戦争とあらゆる場面で重要視される音楽の存在感表現の上でも実力を発揮。
時にオペラ風の挿入歌で儀式を演出する様には芸術性すら感じました。

OP主題歌はASCA「FACELESS」
“のっぺらぼう”ベルが生きる意味を探して葛藤するメインテーマを正面から捉えた優秀なアニソン。

ED主題歌はLMYK「I LUV U 2」
神秘的なサウンドで毎回を締めくくるラブバラード。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Soul-Searching Journey

なかなかレアな生真面目で正統派なファンタジー。

劇伴がなかなか壮大な感じで好み。

01
獣人世界では異形である人間が自身のルーツを求めて自分探しの物語?

導入としてやること全部済ませた完璧な初回。主人公の置かれた不遇な状況。力の象徴としての大剣。旅に出る決意と修行。師匠との涙の別れ。ひたすらシリアスだが悪趣味な胸糞要素もなく、ちびキャラコメディ演出もないのでスッキリと見やすい。人間というだけでハミダシ者なベル。生きてるだけで疎まれて、自然に振る舞えば嫌われる。生きづらさを抱えた人たちには胸を打つ作品にはなりそう。

しかしモテモテハーテムやざまあオレツエーではないし、主人公のベルも巨乳でもないし露出も少ないし頬もテカテカしてないためキャラの魅力ゥもない。安易なヨシヨシアニメで溜飲を下げるのではなく、きちんと自分に向き合って欲しいという作者の志が感じられる。萌えキャラ推しキャラの魅力つまりエロ要素や、ビックリエウレーカでなんかが分かった風な気がする浅い雑学情報番組よりも、世界観やストーリーそのものを楽しむアニメってのはビジネスとしてはあまりハネない気もするが、これも市場が広がったおかげでしょうか。

記憶の消去ならばそれは今生の別れ以上のもの。ベルに託した想いを邪念で汚さないためでもあったのだろうか。過去に幾多の別れを乗り越えてそれでも異形な存在であるベルを引き取ったシアンは、自身の願いのためにベルを利用したとも言えなくもない。ベルを引き受けた時からこの展開は想定済みであったであろうが、子供の幸せのためには自分が忘れられても構わないという親心。これはやっぱり少年少女のための物語なんだろうな。子供がやすやすとヤバそうな剣を強奪できたり、投獄されても所有を許可されたりとかをツッコむのは野暮なんでしょう。この設定ならシアンの物語こそ見てみたい。

シアン退場でいつもの凡庸な作品にはなってほしくないがどうだろうか。
ファイルーズあい氏の演技はスッキリしててわざとらしさがなくクドくないのがいい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

57.9 7 2024年度の2クールアニメランキング7位
多数欠(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (87)
136人が棚に入れました
多数派が失われる---- 過酷な生き残りゲーム『多数欠』。命運を捻じ曲げる絶大な力を前に、意志をつなぎ立ち向かう少年少女の物語。大人気WEBコミックがついにアニメ化

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

単なる能力バトルに!得体のしれない力を行使してイキるヤツばかりに…。

 14話まで観ました。2024.10.16

 多数欠のせいで人口が激減し、食料を奪い合う北斗の拳状態の世界で、特権利をもった少数のキャラ同士でバトルをするアニメになってしまいました。

 特権利って、特権、権利合わせても60位しか無いハズなのに、やたら持っているキャラが密集しています。一般には情報も無いのに、どうやって特権利を見つけているんでしょうか?

 そして、女王はその貴重な特権利をチェンジ出来るそうです。マジでウザッ!新しい敵対勢力が絡んできても、特権利は生産性がまるで無い能力なので、人類殲滅君みたいに、人類を皆殺しにするくらいしか出来ることがありません。

 そして、皇帝との戦いで自爆し、ここ死ぬとこ?と視聴者を驚愕させた親友もシレッと生きていました。特権利の性質のせいで、物語が既に死に体なのに、まだ戦うんか?大したことの無い物理現象しか起こせない能力で、これからどうするのよ?

 大風呂敷を広げたのは良いけれど、誰も事態を収集出来ない感じです。行き着く先は宇宙の真理とのバトルか、全滅エンド以外無さそうです。
………………………………………………………………………

 13話まで観ました。2024.10.15

 何と言うか…、言語化出来ない感じの違和感がつきまとうアニメです。何かが根本的におかしい…。視聴を続けていると、その正体に気がつきます。

 5話で玉無し弾有先輩が死亡します。1話で死んでるから、4話ぶり2回めの死亡です。そして、長々と回想をぶっこんできます。これで退場なら単純に尺の無駄と言う…。どう考えてもシレッと生き返る伏線としか思えません。

 そして、物語はガンガン進みます。今まで信用出来ないとか、準最強の特権、拒否権を巡って対立したりしていましたが、何故か雑に協力する流れになります。

 お互いガチで殺しあってませんでした?主人公とヒロインは良いとしても、微妙な感じの関係だった先生やら先輩も固い絆で結ばれた仲間だと言う事にいつの間にかなっています。

 皆で協力して皇帝を倒す流れになるのですが、何か展開に納得がいきません。多数欠の方法も、ポスト投函方式を辞めて、パソコン争奪にしたのは良いですが、皇帝に全くメリットがありません。何故、ルールを変えたのかな?

 そして、皇帝との戦いで、登場人物達が実にあっさり死にます。相続権がどうこう言っていたヤツも気まぐれであっさり殺されました。

 味方キャラも、ちょっと自己犠牲の精神が暴走し過ぎで、重要施設の破壊のために、躊躇なく自爆したり、めちゃくちゃです。作戦とか無いのでしょうか?最初から自爆前提の様なのですが、一切伏線も説明も無いので、唖然とします。

 本当にキャラクターの行動と思考が不自然です。武器とか爆弾を用意すれば良いのでは?何故、素手に近い状態で戦いに挑むのでしょう?主人公は頭が良いそうなのに、あまりに準備不足です。皇帝には物理攻撃が効かないかもしれませんが、取り巻きのゾンビには効くだろ?

 最強の特権の命令権も、回りクドい使い方をします。そもそも人類殲滅君が気まぐれに話を持って来たので皇帝との戦いに使うことにしたのですが、実験も無しにいきなり使えるのか不明です。人類殲滅君が嘘をついている可能性もあります。

 この物語は、モブが居ないのが売りらしいですが、むしろ全員モブの様な気がします。次々と新キャラや新しい設定をぶち込んできます。皇帝との戦いで仲間になったぽっと出のキャラも、いつの間にか重要人物になっていたり、得体のしれない特権利を保持しており、暗躍したりします。

 そして11話で新章突入で、主人公がチェンジします。ここまで観ると、最初に感じた違和感の正体が明らかになります。このアニメは、頭脳戦をしている様に見せかけて、後出しの設定や裏設定に合わせて登場人物を動かしているだけです。

 作者が知っていることを、登場人物達が何故か知っており、これから出てくる後出し設定を前提に行動してしまっているのです。ただ、視聴者にはその情報は一切説明しないので、キャラの行動がものすごく不自然かつ不条理に感じます。
 
 キャラが死亡退場しても、作者が生き返らせる気満々なのが、見え見えです。コレではデスゲームの緊張感もありません。どうせ、蘇生権とかあるんでしょ?

 こんな行き当たりばったりのアニメを良く2クールもやるなぁ…。その度胸は評価したいと思いますが、現時点では糞アニメの範疇を出ておりません。

 今後、コレだけ人を殺しておいて、セカイ系みたいな胸糞展開になるらしいので、とても楽しみです。
……………………………………………………………………… 

 3話まて観ました。2024.07.18

 このアニメ、特権、権利保持者の異能力バトルと多数欠の理不尽なデスゲームの二本柱なんですが、見事に噛み合っていません。

 異能力バトル物にするにしては、舞台が日本全国規模(少なくても首都圏規模)なので、主人公達が特権、権利(異能力)を獲得する過程に無理があります。

 なんで主人公の周りの人物しか貴重な特権を獲得出来ないの?まだ、100万人規模で生き残りがいるのに、おかしいでしょ…。

 このクソみたいな設定は、理不尽なデスゲームでお話を回したいだけのご都合主義です。

 特権、権利は合計で65しかなく、ひとつずつ重複して持てるので、異能力者はすごく少数になります。

 こうなると、少数異能力者で徒党を組んだらあっという間にゲーム終了ですが、理不尽な二択が投票される可能を担保するためだけに、他のモブ生き残りが存在します。

 ほとんどのモブ生き残りは、交通機関が停止している中、23区にしか投票ポストや特権封筒が出現しないので、マジで家で死ぬのを待つだけです。

 ただ、話が詰まったら、このモブ生き残りを使いたいと言う作者の都合が見え隠れします。

 異能力者同士の行き過ぎた協力態勢を阻むための撹乱要因としての多数欠なのです。話が行き詰まったら、モブがとんでも無い二択投票したよ〜的な逃げをうつつもりなのが見え見えです。

 ある程度、特権能力者を集めないと、あっさり多数欠で退場して話が終わっちゃうけど、協力されてポストと二択投票を独占、コントロールされたら話が動かなくなっちゃう…。

 こんな当然の様に破綻する設定で、当時流行ったとは言え、デスゲーム物を良く作ったなぁ〜としか思えません。

 登場人物達が全員、親兄弟が死亡しても少しも動揺しないサイコパスなので、感情移入も阻んできます。

 正直、3話でこれでは後何話やっても面白くならないでしょう。損切りラインかもですね。
………………………………………………………………………

 2話まで観ました。2024.07.10

 多数欠で死亡しても、復活出来る選択肢がある様です。死んだメンバーも無事復活!とても納得いきません。

 nyaroさんも書かれていますが、多数欠のルール的に生き返る可能性なんてゼロじゃね?何か反転して生き返ったとか言っているけど、タイトル詐欺でしょ…。

 しかも、一つ前の選択で…という選択肢の範囲を限定する文句が無いので、生き返る側の範囲が不明です。委員長やもう一人の親友は生き返ったの?

 デスゲームで、言葉の解釈や範囲に曖昧さがあっちゃ、頭脳戦もクソも無いじゃん。生存者数が50万人から、220万人になっているので、どこまでの選択肢の死者が生き返ったの?最初から?超適当です。

 後、特権と権利の数が少なすぎ。ポストも24区にしか出現しないし、多摩地区の人間は東京人では無い様です。

 学校内でのデスゲームにすれば良いのに、風呂敷広げ過ぎです。そもそも、皇帝がルールを把握してない可能性が…とかキャラが言っちゃってますが、だったら、俺or他人という選択肢を皇帝が何も考えずに採用する可能性もあるってこと?

 死者も選択肢に入るなら、今まで産まれてきたけど現在は生きていない人類or今生きている人類とかの選択肢が採用されたら、どこまでの人類が復活するの?そもそも人類の定義とは?

 携帯小説みたいに、長文読解力が無い、段落が変わると別の話だと捉える、長期的記憶が維持出来ない様な人間を視聴者に想定してるの?馬鹿にしてんのか!(●`ε´●)

 これから、どんな馬鹿バトルが始まるのか、とても楽しみです。アニメ制作スタッフの方々の精神の健康状態が心配になりますが…。
………………………………………………………………………

 初回観てのレビューです。2024.07.03

 全知全能の神に等しい存在が無茶振りしてくる物語です。デスゲームなのかすら怪しいです。

 質問事項の多数派が死亡するのですが、1話で既に日本の人口は50万人切った様です。

 こんなの生き残るの不可能でしょうよ…。ちょっと考えれば分かります。なのに登場人物達は極めて冷静です。

 とりあえず、童貞で死にたく無いので、2問目から隣の女子を襲うのが最適解ですね。

 学校内とかの狭い範囲で多数派死亡のデスゲームなら駆け引きも出来ますが、どんな属性の奴が生き残っているのか不明で、東京全域に生き残りが散らばっている状況では、運以外の要素は皆無です。

 相当なオチが用意されてないと、単なる馬鹿話です。3話くらいで物語としても死に体となりそうですが、大丈夫なんですかね?

 こんな馬鹿な設定のアニメを作った勇気はすごいと思います。ようやりますなぁ…。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3話 吉田さん1号かあ…どこから突っ込めばいいんだろうか?

1話 これがステルヴィア・ナデシコの佐藤監督なの?びっくりしました。

{netabare} これが「ナデシコ」「ステルヴァア」「モーレツ宇宙海賊」の佐藤竜雄氏の作品なの?とびっくりして腰が抜けそうになりました。ぺらっぺらの作画とテンプレの設定、理不尽・デスゲーム・サバイバル系…とでもいうのでしょうか。XEBECのスタッフが優秀だっただけ?

 作画も設定もガワの問題ですのでキャラに魅力があって話が面白ければ…とも思いましたが、キャラの言動が極めて不自然です。本当に身の回りが死に絶えてそういう行動になる?1回1人で家に帰って一泊してこれます?男女2人がいきなりそんなに仲良くなるの?など、もう場面毎におかしな場所が見つかる感じです。ちょっと韓国系の話かと思いましたが、違うみたいですね。

 原作付きとはいえ、好きな作品の監督もこれでは…と思い、やめようかなと思ったら、最後がそう来ましたか…これで来週次第となりましたね。彼が主人公…なの?期待をしないで一応見ます。{/netabare}

2話 日本語OK?謎は謎でいいですがセリフも状況も全然わからない。

{netabare} もう何をやっているかわかりません。サーヤが号泣しているのがなぜそこまで?という気もしますが、そこはおいて置きましょう。問題は {netabare} 「多数欠で生じた生者OR死者」なら、死者の方が多いはずですが…なぜ生き返るの? ルールは多数が「死ぬ」なら死んでいる人が多いなら死んだままでしょ?{/netabare}

 その時点で何が言いたいの?日本語OK?となりました。まあ、その後そこが論点になるみたいですけど、いきなりルールが1話の説明と違うじゃん、とポカーンとなりました。 {netabare}それと死者が復活したなら、全員生き返ったということ?その上でPC見てない人以外は死んだの?11時58分に読み上げというルールは?東京以外の人は全員生きているということになりません?まあ、あのオッサンが死んだところがポイントなんでしょうけど。 {/netabare}別にルールの説明は話のポイントなので謎のままでもわかりますが、状況を絵で見せてくれないので全くわかりませんし、頭を働かせる気になりません。

 拳銃問答も正直理解しづらいです。あまり説得力を持たない気がするのですが…
 あとあの特権封筒なんですけど、1300万都市…昼間人口は1600万人以上だそうですけど65通だけなんでしょ?なんであんなものが見つけられるの?しかも性格が悪くて、何か企んでいる人だけが見つけられるの?さらにポストやPCを1日で見つける方が無理そうですけど。
 そもそも裏切りって何を裏切っているの?対皇帝連合みたいなイメージ?全然話が頭に入ってきません。

 あとあの小さい子は女性ということ?特権もちということ?鉄パイプのところだと攻撃が当たらないとかそういう感じかなあ。でも、いろいろ矛盾もありますよね?そこが話の本筋?ですが、そういうところも詰め込みすぎです。あと鉄パイプもって転ぶと動脈を切るの?もう全然わかりません。

 話の内容より、何がどうなっているのかわからないし、何より人の言動や状況が理解不能で考察する気になりません。次でよほど改善しなければ、3話切りでしょう。{/netabare}

3話 吉田さん1号かあ…どこから突っ込めばいいんだろうか?

 実篤って、いつ権利の封筒をもらってピンクの子に奪われてたんだっけ?

 なんで満40歳未満OR以上で2択以外っていうことになるの?言葉としてYESorNOじゃなくても、2択になってるじゃんって思うけど形式的なこと?AorB形式はOKだったと思うのですが…そもそも有効な質問を採用するんじゃなかったっけ?後ろで「断る」っていう拒否権で発動しなかったととればいいの?拒否権は個人だって言っていましたけど…
(追記 この質問て有効だったの?うーん…読み取れませんでした。せめて全部の質問で残り人数がどうなったってテロップ入れてくれるだけで全然違うのに…)

 埼玉の教師の「今年、赴任」云々って、このゲームってずっと前から始まってたってこと?この人たちは何をしゃべっているの?

 ただ、まあそういう分からない部分は前回まででもありましたけど「よーし吉田さん1号…やれ」「ふざけんな!」に全部持っていかれました。「ふざけんな!」はこっちのセリフです。
 吉田さん1号?って…この作品ってオカルトありなの?って初めからオカルトかあ…うーん。ゲーム世界にダイブしたわけじゃないんですよね?いや、いろいろ突っ込みどころはありますけど、もう、どこから突っ込めばいいのやら…

 で、ここから後ろの各キャラの問答が全然頭に入ってこなくて、理解しようと努めたのですが、これ理解できている人がいるの?自分が馬鹿になった気分です。

 時系列シャッフルじゃないんですよね?

 いや、もうね。どこまでぶっ飛んでるか気になって、切るに切れないんですけど…しかし、時間の無駄な気も…めったにやらないですが、WIKIとか見たくなってきました。過酷な生き残りゲーム…うーん、このアニメ最後まで生き残る人(つまり見続けられる人)いるんでしょうか?

 
追記 やっぱり断念します。WIKIを読んでも書いてあることがまったく理解できません。ちょっとついて行く自信がありません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

たナか さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

デスアニメ

デスゲームっぽい何か。
キャラデザからしてキッズ向けかも。

02
うわあ…実は生きていた!&生き返った!

もうむり



01
質問という形だが選択肢ではない

二択の条件が表示され多数派がそのまま死ぬ。設問が決定した瞬間に自動的に運命は確定するのでこの時点では戦略もクソもないただの運ゲー。そこで独自のルールが公開される。

・日々ランダムな地域にて質問&二択項目を投票可能。
・有効な質問のみ先着順で受理。
・「特定個人の指定を含む質問」「一度採用されたもの」はNG。
・有効な投票がない場合はランダム質問。
つまり自分以外死ねなど有利な確定条件は封じられている。

・23:55締め切り・23:58読み上げ・24:00執行。
このタイムラグも使う気なのか?意味ナシかもだが使えたら凄い。

・「特権」「権利」という2種の封筒が65個
でました後付け装置。なんでもアリになるのでどう使うのかがキモ。

フラグビンビンな親友は殺す気マンマンなんだろうなあと思えば始まる前から殺してたの笑う。そんで初回から「どう?wwwwビックリした?wwww」なオチをカマしてきた。なナナかな?この時点でもうまともなロジックなど期待出来そうにはない。プレイヤーに出来る行動は問題を投票するだけなので、話運びは封筒を「ドンッ!!」して後付けどんでん返しするだけのような。考えるだけ無駄なので脳死で受け入れるしかないやつ。ジェバンニが一晩で的な。

タイトルのダジャレが全てな一発芸っぽいが一応保留。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

69.5 8 2024年度の2クールアニメランキング8位
T・Pぼん[タイムパトロールぼん](TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (20)
82人が棚に入れました
なにもかもが平凡な中学生の並平凡は、未来からやってきたT・P(タイムパトロール)隊員の少女リーム・ストリーム、不思議な生き物ブヨヨンと出会う。歴史に影響しない、不幸な死を迎えてしまった人間を救う活動をしているというT・P 隊員。任務を遂行する中でリームたちを見た人間の記憶は消されることになっているが、とあることから記憶が消えされなかった凡は、やむをえずタイムパトロールの見習い隊員として迎えられる。 リームとバディを組んで任務を遂行していくことになった凡は、時代も場所もひとっ飛びできるタイムボートをはじめとする未来の道具に大興奮。お調子者の凡だが任務を通じ、それぞれの時代で賢明に生きる人たちの人生に触れていくことになる。 『T・P ぼん』と一緒に、地球と人類の壮大な歴史を旅しよう!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

時間ものSFマンガの名作の丁寧なアニメ化。素晴らしい作品でした。

第2クール

 ゆみ子の印象がコミックと結構違う気がします…いい方に。コミックから結構主体的でぼんを引っ張りまわすイメージがありましたが、どうしてもマスコット的なイメージでした。アニメの方がより主体的なのでキャラとしての役割を果たしている気がします。

 感情というか内面に人間味を感じます。もともとそういう描き方だったと思いますが、声優さんの演技がいいのでしょうか。ちょっと生意気だけど憎めない感じがコミックス版よりも好感がもてます。

 1クールのようなSFの名作というより、SFエンタメ化はしているのですが、ゆみ子はリームがあっさり解決方法にたどりつくのに対して、試行錯誤しているのが作品としての面白さにもつながっています。また、登場人物の事件後の救済の描写にまでストーリーがカバーしているのもエピソードとしての満足感が増している理由でしょう。その分、1クールのような間延び、引き延ばし感が薄まっています。話を見て素直に面白いのは2クールの方が面白い気がします。

 11話・12話はお世辞にもいい出来ではないですが、やっぱりリームとのその後は見たかった点においては良かったです。

 1クール合わせた総括としては、藤子F不二雄作品の連載作としては出色の出来で、SFマンガの名作だと思います。それを非常に丁寧にアニメ化しており、キャラはアップデートしていながら原作の良い雰囲気を残しています。タイムボートもかなりカッコ良く仕上がっています。作画もエフェクトも良かったです。

 感想としては、やはり1クールの最終話はSF発想はしびれるほど好きですしキャラはリーム派なのですが、2クール目でゆみ子編の面白さを再認識しました。
 ただ、私のノスタルジー補正、コミックの知識が非常に大きな要素です。子供のころからの座右の書ですので、アニメ作品としての評価がどれくらい高くなるのかは客観的には評価できません。



第2クール
 
第1話

{netabare} 現在第1話だけ見ました。さて、結構原作と設定を変えてきましたが、あまり大きな影響はないと思います。どちらかと言えばユミ子と組む2、3部の方が長いですが、ちょっと娯楽色が強くなります。一度綺麗に完結したSFの名作ですが、掲載雑誌変更の影響で最終回後に続けたせいでしょうか。
 圧倒的に私はリーム編が好きですが、だからと言ってユミ子編も普通以上に面白いです。

 作品のリストを見ると11話、12話が知らない話です。一応、幻の34話、35話を収録した小学館の新装版の3巻は持っている(1~5巻の2部までは旧コミック版)のですがこの話は知りません。一応作品リストで確認したので漏れはないはずなのですが…
 じゃあ、アニメオリジナルかというと、リームと再会する話がある、と聞いたことはあります。昔のTPボンのアニオリだったのか、藤子F氏は最期までこの作品の構想を持っていたそうでその関係なのかわかりませんが、その作品だとしたらうれしいですね。
 もし、本作のアニオリだとしても、リームとの再会はやっぱりほしいのでそれは受け入れます。作品の出来次第ですけど。

 第1クールと違って、SFとしての考察というより肩の力を抜いて楽しみたいです。{/netabare}


11話、12話を先に見ました。多分アニオリでしょう。ストーリーラインや機械のデザインに藤子F不二雄先生を感じないし(先生ぽくはありますけど)、SF的な構想が先生なら「歴史上で起きた何か」に解決を絡めてくると思います。また、シンプルな話にうなるようなテーマを放り込んでくるような感じでもないので。

{netabare} 結果的に歴史上の事件に絡めはしますが、それは結果論でしかありません。まあ、先生に寄せた工夫をしたのはわかります。が、そういうところがやはり藤子F不二雄先生の天才性を感じるところです。

 そして、その出来なんですけど、うーん、リームがまた出てきたのは嬉しいんですけど、そうじゃないんですよね。事件の原因・プロセス・結果…どこにも見るべきところがありません。リーム編の最終話のすばらしさが改めてわかります。

 で、正直話の出来には期待していませんでしたので、どちらかと言えば、3人が一緒に協力して何かを成し遂げてほしかったなあ。それでユミ子が独立するとか。それで美しく終われたのに。リームの設定も無理やりだし。

 正直この2話については、あっても無くてもいいような話でしたね。評価下げたい気もしますが、本作原作は私の幼少時代からの座右の書ですので、このままで。{/netabare}






第1クール 時間と歴史を哲学するSFジュブナイル。そしてリームが最高でした。

1話 アニメの出来は原作の雰囲気の再限度は高いです。が…話がちょっと薄まるのと令和に通用するか、ですね。

{netabare} ネトフリで12話一気に登録はうれしいのですが、じっくり見たいので少しずつにします。現状1話のみ見た状態です。

 昔少しだけアニメ化された旧作はあまり満足のゆくできではありませんでしたが、本作はいいですね。OPを見る限りCGのモデリングなんでしょうけどど、原作の雰囲気が上手に再現されていると思います。特にリーム、声優さんも含めいい出来だと思います。ちょっとプヨヨンの声がイメージとは違うし演技がうるさい気もしますが、ひょっとしたらもともと原作の想定ではこんな感じだったのかもしれません。
 多分2話でやると思いますが、リームは原作で2016年に生きていたはずなので、もう現実は追い抜いています。本作はどうなっているか楽しみです。

 で、これは原作も同じなのですが、1話のみリームの性格が悪すぎだろうとか、チェックカードとか持っていない前提で話が作られているので、シリーズ上の矛盾点はあります。そこは変えても良かったんじゃないの?という気がします。こういうところを直すのがアニメ制作者の腕の見せ所だと思います。

 不満点としては、24分アニメかあ…原作が1話30数ページくらいあるので、できなくはないでしょうが、やはりちょっと尺を足してますね。話が薄まている印象はあります。

 それと私はノスタルジー補正が非常に強く働いていますので、のめり込んでいますが、本作はそれほどメジャーではないですよね。令和の今のアニメとして原作通りで大丈夫か?という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 抽象概念が発達し始める4年生くらいに見せたい創作物の教科書の1つだと思います。

{netabare} 5話まで見ました。それでいろいろ思い出しました。時間遡航により歴史を改変する、という発想はもちろんドラえもんで小学校低学年で知ったわけですが、多分4,5年生くらいだったころ本作に触れて、その奥行きに感動した記憶がよみがえりました。

 小学校4年と言えばそろそろ抽象概念とか死、性というものを意識しだすころだと思いますが、そういうものを形として見せてくれたのが本作でした。つまり本作は私のSFどころか小説や科学歴史に触れる原体験でありきっかけになっています。

 SFというのはなんて面白いんだろう、と思ったのが4話の記憶を消すことと写真が別とか、アケビの話と石ころの話で因果の積み重ねというのは知らないところで影響している、という部分です。

 と同時に歴史の裏に隠れた「無名の個人」に発想が行くようになりました。歴史であるジョセル王の階段ピラミッドとそれを作った職人という発想で、教科書に載っている出来事や建築物の裏で、たくさんの人が当時暮らしていたという事実を知り、それを絵で見せてくれてひどく感動したことを覚えています。

 気になっていた5話の拷問シーンは、結構再現度が高かったです。このシーン、少年の心にひどくショッキングな映像でしたが、一方でそういうことが人間の歴史の中で事実として行われていたことで人間の本質がきれいごとでないことを学びました。
 死、暴力、性などが心のざわめきになり、忌避する感情と暴力的、性的な衝動が自分の中にも人間の中にもあることを知りました。だからこそ制御することを考え始めたと思います。そういうことをこの作品から学んだことを思い出しました。

 で、本作ですけどネトフリで16歳+の指定なんですね。それはないだろうと思います。こういう作品から吸収できるのは10歳から12歳くらいでしょう。SF的発想、思考、感情、歴史観、倫理と道徳、人間の生死感や残酷さなどを学んでゆきます。藤子F氏の絵でマイルドで見やすくなっています。こういう優れたSFを子供は早いうちから触れるべきだと思います。

 そのおかげで私はこの後、小説とか歴史や物理に興味がでて、字だけの本を自主的に読むようになったと記憶しています。改めて本作のすばらしさを堪能しています。{/netabare}


6話 時間遡航の矛盾をどう解釈するかを子供のころ悩みました。

{netabare} 西遊記…大唐西域記ですね。この話はスケールが大きいので話自体が面白いのですが、幼い心に悩みました。

 ぼんは西遊記の話を劇でやろうとしていました。つまり、猿・豚の孫悟空と猪八戒は知っていました。それが過去に戻って助けるとき、フォゲッターを入れ忘れてその記憶が西遊記になった…という話です。

 1点目の悩み。玄奘三蔵の著書は「大唐西域記」であると作中で説明があります。で「西遊記」は作中では説明はないですが後年(1500年代?)の創作物と言われています。つまり、猿・豚・河童は1500年代の創作のはずなんですけど…というのが1点です。

 今回思ったのが、この点は実は1500年代の著作という説には強い批判があるので、実は玄奘か一行の誰かが裏でこの作品を書いていてそれがひそかに伝わっていた、というSF的なIFは考えられます。であれば著者はあの少年でしょうね。
 あるいは本作をジュブナイルとして大唐西域記=西遊記とあえて単純化して話を作っているのかもしれません。

 2点目の悩み。因果関係のもつれです。ぼんは初めから孫悟空を知っていました。つまり、既定の事実としてぼんが少年を助けに行くという命令を受ける前から、ぼんとリームは猿と豚のぬいぐるみを着て助けている過去があった、ということになります。

 この解釈をどう考えればいいのかを悩みました。これって、さらに言えばぼんが1話で消された場合、西遊記という物語がなかったことになるのではないか?ということです。これは子供心に非常に迷った記憶があります。運命論になってきますよね。
 ドラえもんの1話の話を適用すれば、2人が過去にさかのぼらなくても創作されていた、ととることもできますが、それじゃあつまらないです。

 ということはタイムパトロールの指令は過去のある時点において既定されているとも受け取れます。となると時間遡航による過去改変という心配って、どういう意味を持つのかにもかかわってきます。
 因果関係がループしてはいけない理屈もない、という発想に至れば解決できると思います。 {/netabare}

7話 生贄という立場。1度死ぬということ。その哲学的な意味。

{netabare} 7話のミノタウルスですが、これは生贄というものを考えさせられた作品です。日本昔話の人柱的なもの強烈なのは「キジも鳴かずば」ですが、それはもちろん知っていました。ただ、懲罰的なものではなく、名誉あるものとして送り込まれる生贄についてその2人の心情をクローズアップした本作は、自分の生死感に強く影響を与えました。
 同時に、時間を操作できたとしても、自分が1度死ぬということは哲学的にはどういう意味があるのかを考え始めた最初だった気がします。{/netabare}


9話 日用品のデザインをSF的に考えるという発想

{netabare} 9話「ドラえもん」の長編の何作目かの恐竜ものの原型ですね。子供のころは、この1匹の生物から人類が発生した…みたいな表現に違和感がありました。種としての進化はもっと大きなグループで起きるのだろう、ということですね。
 ただ、長じて「ミトコンドリアイブ仮説」の様に1人の人間がすべての人類の祖先になるんだ、ということを知って本作の意味が逆に深まった記憶があります。(ただし、これは誤解で「ミトコンドリアイブ」は遺伝子の中に共通する遺伝子が含まれている女性で一人の女性から進化したわけではない…ということも更に後で知りました。)

 それと、この作品は空中のテントにものすごく感動したのを覚えています。日用品をSF的な発想でデザインするとリアリティが増す、というのを初めて実感しました。また、こういうIFの中でデザインを真剣に考えることで豊かな発想になるんだな、と思いました。{/netabare}


11話 マラソンの史実からのストーリーの作り方が見事。

 マラソンの元がある、というのを知ったのは本作だと思います。ただ、それよりもこの作品で知って感心したのは、エウクレスとフィリッピデスの2つの説があるというのが本当だということです。

 そうだろうなとは思っていましたが、これを確認したのはネットで検索して始めてしったので、ウィキとかが発展しだして以降だったと思います。話の内容と史実をぴったりと合わせた見事さは、さすがとしか言いようがありません。


12話 時間の流れは人間の歴史という発想がSF的でした。

 タイムパトロールの別組織が未来にもある、という発想がびっくりしました。なるほどなあ、と思います。しびれます。ワクワクします。その設定を無理のないものにするのが、未来ほど時間の流れが速くなる、という現象ですね。

 これって、宇宙の歴史からすると加速するのが急すぎるのでは?って誰でも思うと思います。それにお互いが連絡を取り合えばいいじゃんと。

 この問題、ずっと小学生のころから引っ掛かっていて大学生くらいになるまで考えていたと思います。自分の中の答えだと、人間の認知によって時間の流れが決まるとすると、つまり人間の時間とはつまり歴史である。時の流れが加速するのは人間の発展のスピードと言えるのでは…とひどく自分で合点した記憶があります。

 人間の地球の歴史が断絶したことで時間の流れにも断絶があるのでしょう。そして、物語の区切りとしてこの作品を持ってくるうまさ。素晴らしと思います。


 全体としては、杉の木というモチーフが効いてましたね。800年の時間を眺め続けるという詩情がSFと歴史ロマンを融合させていました。1つ1つの話は時間旅行ものとしてSF的によく練られていて、多分中学生くらい向けながら考えさせられる視点がたくさん詰まっていました。私がSF好きになったのは、本作によってだと思います。

 また、歴史的な視点でも歴史に名前を残さない一般の人たちを意識することができたし、生死感や時間を哲学的に考えるきっかけになりました。並みで、平凡な主人公にすることの意味の深さが伝わってきます。
 
 正直、この後の後半はリーム編の面白さの半分くらいになります。本当に素晴らしいのはこのリーム編だと思います。その点でこの1期は本当に良かったと思います。はじめ、ちょっと冗長でテンポが悪いかとも思っていましたが、見慣れていくうちに気にならなくなりました。

 アニメの出来は藤子F不二夫氏の作風そのままに見事にアニメ化していると思います。作画も素晴らしかったし。なにより少年のころにあこがれたリームストリームというキャラの再現性が素晴らしく、感激しました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

英語学習用2【役立ち度★★★★☆】

【1クール視聴後】
原作未読です。

あんまり視聴継続中に投稿をしないのですが、
本作はあまりにもおもしろかったし、
これから2クール目が始まるので、宣伝を兼ねて投稿します。
(ネトフリでしか観れませんですが・・・。)

特に、英語学習用の英語吹替が最高です。
少し難しいですが、なんとなくの話の経過は分かります。
そして、分からなかったら、種﨑さんが演じる日本語版リームで
内容を確認すればいいのです。
(この日本語版リームがかわいい。かわいいけど、ここは頑張って
 英語版を聴きます。でも、英語版リームも、とてもよいです。)

ということで、観れる環境にある方は、7月からの2クール目の
視聴をおすすめします。


【2クール視聴後】
最高にクールなアニメでした。
藤子・F・不二雄先生は、やっぱり天才なんですね。
1980年にこんな作品を書き上げるなんて、
本当に天才としかいいようがありません。

作品の設定が抜群に良く、
ドラえもんとは違ったSFが楽しめました。
(少し、どころではない不思議と、歴史の勉強になります。)

また、キャラが良い。
リームは、かなり好印象なヒロインですね。
それを現代風にアレンジしつつ、
藤子先生のキャラデザインをしっかりと踏襲したボンズの仕事ぶりも
見事だと思います。
また、{netabare} 2クール目でヒロインチェンジするのがにくい。ゆみこもまた、かわいいヒロインです。 {/netabare}

日本語版の声優(ゲストも含めて)が豪勢なので
ぜひ日本語で聴きたいところですが、
最後まで頑張って英語で視聴しました。

でも、英語版の声優さんもすごい上手いと思います。
自分は、もはや英語版のキャストが一番しっくりきます。

誰か設定やキャラを活かしつつ、
新しい脚本を書いてくれないかな・・・。
ずっと続きを観ていたい、そんな作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

必見の面白さ、大人向けドラえもん。

初見評価
ドラえもんも彷彿とさせる作画のアニメ。
だけど、生と死をテーマにしておりグロ描写や重い内容も多く大人向け。
平凡な高校生が時空を超えて不遇な死を遂げた人々を救っていく。

ピラミッド作った人や魔女狩り三蔵法師や第二次世界大戦、生贄等々時代も場所も様々で各話事に完結しており見やすかった。
ペースも早く明るい雰囲気でありながらもメッセージ性もあり見ごたえがある。
残酷な歴史の数々その上に今の生活が成り立っているんだな、いや今も世界中で同じような残酷な事が繰り広げられているんだなと考えさせられる。

作画もなじみのある絵だけど劇場版のような迫力もあり、声優さんも違和感なく没入できた。
ずーっと、見てられるご長寿アニメにでもなってほしいくらい。

キャラクターも等身大の高校生で理不尽な歴史や、助けられない無力感など葛藤したり無邪気に喜んだりと感情豊かで共感できヒロインも可愛かった。


最後すこし寂しい終わり方だったけど次への布石として楽しみにしてる。
限定配信であまり話題になってないのがもったいない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

58.7 9 2024年度の2クールアニメランキング9位
凍牌~裏レート麻雀闘牌録~(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (17)
75人が棚に入れました
金、女、臓器。欲望蠢く裏レート雀荘を荒らし回る高校生の少年・ケイは、冷徹なる思考、冷艶なる打牌から、裏世界では“氷のK”と呼ばれ、自宅には少女を飼っていると噂される。

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

イミテイション・コールド

ガワをさらっただけの完全劣化別物クソアニメでまいった
懐かしいので一応観るとは思うけど

懐かしいと思って調べたらまだ続いてたとは
思ってたより人気あったのねこれ

本編
・裏レート麻雀闘牌録 凍牌
 2006-2011 12巻

・麻雀死闘黙死譚 凍牌 〜人柱篇〜
 2011-2017 16巻

・麻雀死闘黙死譚 凍牌 〜ミナゴロシ篇〜
 2017-2021 10巻

主役交代
・凍牌 コールドガール
 2021ー連載中 7巻

スピンオフ
・牌王伝説ライオン
 2010-2013 4巻

・牌王血戦ライオン
 2016-2017 5巻

・麻闘伝 ぬえ
 2019-2020 2巻

高校生が裏社会麻雀で活躍、という擦られ古典麻雀マンガが今更アニメ化。ウリである闘牌描写のディティールや残虐胸糞要素がナーフされた完全劣化作品。令和アニメ必須パーツの金髪ロリ幼女も不撓不屈の猛者なので全くブヒれません。解説役のヤクザがちゃんとクソなところだけは原作準拠。ウシジマくんレベルのクソばかり。裏社会ものでも主人公サイドはいいヤクザが多すぎだからねえ。

スリルを求めた麻雀好きの少年がどのような地獄を経て「氷のケイ」と呼ばれるに至ったのかというキャラクター造形の導入や、片山作品には及ばないが細かいディティールの闘牌描写もまるまるカットしたガワだけの別物。展開の山場のみを繋げた構成なので役満!!裏ドラ!!のスーパープレイの応酬ばかりのバトルアニメ。


04
サクサクどころかダイジェスト

リャンメンは高め、リーチは一発、裏ドラは確定、捨て牌待ち牌も全て読み切るスーパープレイの連続。むこうぶちなの?哭きの竜なの?アカギなの?天牌みたいに地味ならアニメ化は無理だろうしなあ。リアリティのある闘牌麻雀漫画とトンチキ裏社会漫画がミックスされた絶妙なバランスが完全に崩壊してありがちな超人バトルになってしまってるがしゃーないのかな。

ちゃんと捨て牌を映すべき時に映してるのは原作通りで評価できる。でもここはアニメ的な調整で解説しないし一瞬だもんな。ジャンプとかなら「な…何ィッここでイーピンを捨てるだとォッ相手の捨て牌を見てみろッピンズが全くないッそれは相手がピンズを使って役を作っているからだッそれなのにここでピンズを捨てるなんてありえないッしかしここで勝負できるのがこの男ッそこに痺れる憧れるゥ」ってな長台詞で解説しちゃうものだけど、いちいちそれをしないのが大人が読む麻雀雑誌の漫画。しかしこれチャンピオンなのよねえ。

ハンタジョジョ鬼滅呪術フリーレン推しの子とか全部セリフで説明しちゃうのが売れるんだから、これもどうせここまで劣化させたのなら、いっそ全部のバトルを解説してアミナも完全な萌えキャラにすればよかったのに。

異物なはずの堂島サンが馴染み過ぎてるトンチキ世界観に寄せられてしまった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

普通の麻雀漫画って印象を持ってしまいましたね

これを見た時、「なんか普通の麻雀漫画がアニメ化するのは珍しいな」と思ってしまいました。

いや、咲、哲也、アカギとか、結構アニメ化しているんで、別に麻雀漫画はアニメ化しない、と言っているわけではないです。

でもまあ、咲なんてのは顕著ですが麻雀以上に魅力的な、盛り上がる部分があって、普通じゃない麻雀漫画だったらアニメ化すると思っています。

でも、近代麻雀とかで麻雀漫画ってのは一大ジャンルでたくさんある印象なんですが、殆どアニメ化とかしないじゃないですか。

だから、「普通の麻雀漫画はアニメ化しない。普通じゃない麻雀漫画はアニメ化する」という印象なのでした。

で、本作は普通側だと感じたので、珍しいと思ったのでした。

普通と普通じゃないかは…。
何でしょうね。プラスアルファの強烈な魅力があるかどうかでしょうか。
主人公がどういう奴でどういう部分が面白くて応援できるのか。
ですかね。

まあ、麻雀の面白さとかを見せられても別によくわからんので、それ以外のキャラの魅力とかが必要だってことですよ。

というわけでまあ…
一話切りですね。特に好きなジャンルではなく、それ以上の魅力も感じられませんでした。

本当に相手が凍りついて死んだりすれば見たかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

賭け麻雀を題材にした作品

麻雀をあまり嗜んでいない人間なのでルールとかは把握してないのであれですが、いわゆる普通の真人間はやってはいけない禁断のゲームの世界で大人たちと渡り合う男子学生の若者が主人公の物語て感じかな。

まず本編中に賭け麻雀は法律で禁止されてますというテロップが流れる時点で、よくこれをテレビアニメ化出来たなといいますか、昔でもよくてOVAになれば良い方といいますか、裏を返せばそれだけ原作が強いのでしょうね。

アメリカの映画だとかなりマイナーな作品になりますが、若き日のマッド・デイモン主演「ラウンダーズ」かな。こちらの主人公は法学部の大学生という身分で賭けポーカーでヤバい連中と勝負をして学費等を稼いでいるところが似ているなぁと。

もっとも、本作の主人公はクールで見た目もスマートな感じながら個人的にはちょっと魅力を感じづらいのが難点かな。いかにも裏社会の人間な大人達をギャフンとさせてしまうのは良いのですが、そんな主人公が強敵に追い詰められ窮地に陥って動揺するところとかあると感情移入しやすいかなと。

これで麻雀に造詣があったら、なお楽しめるのかな。万人受けはしないマニア向け作品て印象です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

68.1 10 2024年度の2クールアニメランキング10位
ライジングインパクト(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (14)
64人が棚に入れました
福島の山間部に祖父と暮らす小学3年生の七海ガウェイン。世界一の飛ばし屋に憧れ、友人と野球の練習に明け暮れる日々を過ごしていたが、偶然近くを訪れていた女子プロゴルファー、西野霧亜と出会う。 初めてのショットで 300ヤード越えという飛距離を出しゴルフに魅せられたガウェインは、祖父の元を離れ、霧亜を頼って上京し世界的な名門校、キャメロット学院に入学する。 優秀なジュニアゴルファーが集うキャメロット学院で世界中のライバルたちとしのぎを削り、ガウェインの才能が今開花する!

声優・キャラクター
七海ガウェイン:久野美咲
ランスロット・ノーマン:花守ゆみり
西野霧亜:大地葉
西野胡桃:種﨑敦美
小泉祐美子:本渡楓
リーベル・リングヴォルド:上村祐翔
プラタリッサ・ボネール:内山夕実
李王煉:竹本英史
ライザー・ホプキンス:武内駿輔
東堂院戒:小西克幸
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