TEE-PURPLE さんの感想・評価
3.6
取り戻せない…そんな日常も受け止めよう…
ダ・カーポの人物などが登場するが、本編とは違うパラレルワールドを舞台とした別の話。さながらif(もし)といったところ。
音夢の死後から一年後の世界を舞台に描かれている。
"もしも"の世界を描いてみたらこうなった…そういった話。
感想{netabare}
人の思い出はそう簡単には消えない。そう…"たった"一年では。それが妹とあったらなおさらだ。純一にとって一番長い時間過ごしてきた人だけあってその存在は大きかっただろう。かつては「愛」さえ芽生えていた。それは音夢の物を捨ててしまえないほど…。
しかし、純一は決別しなければいけない。なぜならば純一はことりと婚約するからである。本来なら婚約は大変喜ばしいことであるが、この作品では「一つの試練」として描かれていると思われる。
音夢を失って絶望していた純一の心の支えになっていたことり。今更であるが今回の主人公はことりである。ことり視点で進行していることもあり、本編とちがった切なさを表現してあると思う。未だに引きずっている純一に寄り添って一緒に乗り越えようとする姿がよく描けていた。前編後編と短いがこの中にとても深い感情が含まれていた。
「あの人の分まで」
という言葉はさながらよく言ったものだ。本当にこの作品に合っている。誰しもいろいろ挫折することもあるが、それを乗り越えるか否かで大きく人生は変わるはずだ。私はそう信じている。
このダ・カーポifでは、純一の挫折をことりが導く(婚約)ことで収束。純一にとって音夢以上にかけがえのない存在になった。設定が複雑なので、本編とはまた違う雰囲気で視聴できたと思う。とても印象に残る話だった。
挿入歌の「存在」が流れているシーンがとても印象に残っています。嬉しいのと、悲しいのを同時に見せてくれる場面で目頭が少し…。おめでとう!という言葉を送ります。私もとても安心しました。
また観ていて思ったのですが、友人の存在も大きいと思います。今回はことりを選んでいましたが、他の子でも頑張っていたら結果が変わっていたのかもしれませんね。それもまたifといったとこで。考えるとキリがないですね。
そういった全体の感想です。2,3回は見返しました。その都度感想が変わり今に至ったわけです。良作でした。
{/netabare}
大切な人を想いながら見てほしいです。