2020年度の魔法少女アニメ映画ランキング 1

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年10月07日の時点で一番の2020年度の魔法少女アニメ映画は何なのでしょうか?
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69.5 1 2020年度の魔法少女アニメランキング1位
おジャ魔女どれみ20周年記念作品 魔女見習いをさがして(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.6 (47)
185人が棚に入れました
帰国子女で会社員のミレ(27)、教員志望の大学生のソラ(22)、フリーターのレイカ(20)年齢も住む場所も悩みも…なにもかもが違う三人を引き合わせたのは―――魔法玉!?不思議な巡り合わせで一緒に旅に出ることになったまっすぐで、ちょっぴり不器用な彼女たちのニュー・マジカル・ストーリーが いま 始まる!

声優・キャラクター
森川葵、松井玲奈、百田夏菜子、三浦翔平、石田彰、浜野謙太

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い意味でも悪い意味でもファンムービーに留まらず。

 おジャ魔女ファンとしては当然見てきました。「思い出コンテンツ」として商売だけの匂いしかないような志の低いことがない辺りは「デジモン last evolution」と同じ。流石は関pが関わっている作品だけのことはある。


 おジャ魔女たちは殆ど出ないが、明らかに本作はおジャ魔女の面白さと本質であるテーマを受け継いでいる。こういう継承ならええねぇ。


 とにかく、楽しくて親しみのあるキャラ達の物語がスーっとテンポよく心に入ってくる。彼らがすぐに好きになるし、だからこそ彼等の地に足がついた苦しみも心に響く。


 今回の主役の三人は声優じゃない方がやってるが、ほんまにキャラとの相性がピッタリである。特にももクロの方がやってたレイカちゃんは、おジャ魔女というよりキラプリのひまりん感がある良い方言キャラでした!。


 とにかくテンポがよく物語がスイスイと進むが、軽くて甘過ぎなお菓子のようにならないバランス感覚がちゃんと働いているのも見事!。


 全体的にかなり満足な作品だったが、「last evolution」のような傑作とは言い難いかな。どれみの面白さは、物語がどうこう以上に時間をかけてキャラ愛を育てていくのと、子供向けとは思えない「痛み」があるところだった。


 それに対して、2時間もない映画では少々サクサク過ぎる。しかも、本作は大人たちが主役だけにあまりにサクサクだと軽くなってしまっているところがある。もっと溜めが必要だったかも。1クールのアニメのが良かったかなぁ〜。


 そして、これはファンとしてのワガママだが、やはりもっとどれみ達が見たかった。過去の話を上手く利用するのでもいいから、もっとサービスがあっても良かった。


 鬼滅でも話題の石田さんも出てるのだが、どうせならドッカ〜ンの「離さないで、繋いだ手と手」の幽霊の少年のデザインに似せた感じにするとか、ファンならニヤリな描写があっても良かった。それが目的化したらアカンが。


 本作を見て改めてサトジュンさんはアニメ界の木ノ下恵介だということを改めて思った。本作に限らずサトジュンさんの作品は子供向けタイプに限らず甘さと優しさが基調にある。しかし、それは誤魔化しや騙しの甘さでも、建前や綺麗事の甘さではない。


 世界に辛い現実があるのは知ってるし、建前の裏でズルや嘘が横行してるなんてもちろん知っている。だからといって「世の中なんて嘘ばっかじゃん!。真面目にやって馬鹿見るくらいなら、私も抜け駆けするしかない」なんてニヒリズムや敗北主義に本当に強い人は陥らない。


 それでも…、人には譲れない大切な物がある、それでも…人は良くなりうると信じる。理想に向けて、祈りや願いを胸に人は少しずつでも努力し続けることができれば…。このオプティミズムは現実無視ではなく、現実を知ってもそれを乗り越えていく強さがある。


 子供たちに向けて作品を作ってきたサトジュンさんには、背中で敗北主義と狡さを教えるような格好が悪い大人ではない。たとえ時勢に逆らう形でも、人が持つ誠実さと心の力を信じ、百万言よりも心に響く物語という形でそれを示してくれる。リアリスト気取りな「ぶっちゃけ」という名のみっともない人間が溢れる中で、子供向けを多く手掛けた職人タイプの監督の方が一周回ってロックじゃん!。


 本作のサトジュンスピリット。心のチカラこそ本当の魔法というメッセージ、幻想こそ現実に強く生きる原動力になるというテーマはプリキュアにも引き継がれている。優しさという魔法を私は信じ続けていきたい。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 16

とまと子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

終わらない物語

 
わたしはおジャ魔女世代ど真ん中…というわけではなくて、最初の「おジャ魔女どれみ」はきっと全話観てたと思いますが、その後のシーズン(「無印」「#」「も〜っと!「ドッカ〜ン!」の全部で4シーズン=4年間続きました)はところどころ観たか、全然観てないか…という年代です。

だけどやっぱり、「どれみの続きの物語」と聞いたらなんとなく期待しちゃいますよね…?

で、観た結果としては、とっても良かったです!
すごく丁寧に作られた気持ちのこもった秀作だと思います♬


始まってすぐに思ったのは、確かにこれはTVシリーズとは違う設定ですが、演出のテンポやわらかな色合い、ギャグのセンスや表情の描き方とかが、まさにどれみシリーズそのまま…ということです。

でも、だからといって決して子供っぽく単純化されているわけではなく、うまく生きられない大人の女性たちの悔しさとか想いとかを細やかに時にはシビアに描いてくれています。

こういう風に「魔法のお話」から「リアルのストーリー」に作れ変えられるのは、きっともともとの「おジャ魔女どれみ」という物語に製作者のみなさんがしっかりとした考えや想いをお持ちでいたからこその応用なのだと思います。
人気があったのにはやはりちゃんと理由があって、その「物語のチカラ」があれば、どんな設定に移そうともちゃんと「どれみ」は蘇るんですね♡


おジャ魔女どれみシリーズは、もともと魔法少女モノとしてはあまり派手な魔法の場面はなくて、むしろ魔法がなくても解決できるやり方でストーリーが進むアニメでした。
それは「強く想うことが一番の魔法」という、製作者のみなさんのメッセージだったのかも知れなくて、そのせいか4年間続いたシリーズの終わりに、どれみ達はせっかく手に入れた魔女になれる資格を捨てて魔女見習いから普通の子どもに戻ります。

今思うと、そんなどれみ達がキラキラと輝いて見えたのは、彼女たちが魔法を使えたからではなくて、彼女達がホンモノの魔法の世界を知っているという「自信」を持っていて、だからこそ最後には自分が信じたことを思い切って実行できる…という、その輝きだったのかも知れません。


もしこの映画が大人になって再び魔法を使うどれみ達のお話しで、TVシリーズの大人版としての"おまけ"のお話しか、あるいはスピンオフとしての映画になっていたとしたら、わたしはこれほど好きになっていなかったかも。

子供の頃にわたしがどれみから受け取った夢や魔法の物語は、魔女になんかならなくたって、ただ信じている人たちから励まされ、ちゃんと今の自分に自信を持つことができれば続けることができる…

そういう「終わらない物語」として、この映画は確かに正統な「おジャ魔女どれみ」に繋がるお話しで、ちょっとくたびれた大人になったわたしにどれみのげんきを再び与えてくれる素敵な魔法でした♪♬

投稿 : 2024/10/05
♥ : 2
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ずいぶん酷評されてますけどもね、全然そんなことないですよ。

少なくともボクはめちゃくちゃ感動して始まって5分でウルウルしだして、最後までうるうるしっぱなしでしたよう。

まあ、ビービー泣くようなことはなかったですが、なんかまあよかったですわ。
でもあんまりどれみちゃん関係ないかなとは思いましたけども。

プリキュアの前ですよね。これね。

まあおジャ魔女放送時はボクはもうとっくにおっさんになってましたし、その頃おジャ魔女の版権商売の仕事もからんでたってこともあって毎週見てましたしですね、おジャ魔女自体に特別な思い入れはありませんでしたので、純粋に女の子の自分探しの旅系の話だとしてフツーに見れました。


ハナシはちょっと横にそれますけども。

インターネットが普及し始めたころ、その頃趣味で一生懸命音楽やってたんですよね。そんで好きなアーティストのファンサイトのBBSなんかで意気投合した仲間なんかとバンド作って。それから自分らのサイト作って、そしたら日本中のあっちこっちと音楽でつながった仲間とかできて。ライブ活動も地元大阪以外にも東京や名古屋にも行ったなぁ。

要するにインターネットのおかげでひとつの趣味を通して世代も仕事も異なる、接点のない人とつながることができるようになったと。

インターネットで人がつながる感動物語って『電車男』とかに代表されるようにその頃わりとアツかったんじゃないかなと。


そんで魔女見習の話に戻りますけども。

インターネットではないですが、一つの趣味ってゆうかまあ好きなおジャ魔女を通して知り合った接点のない3人がそれぞれの生きざまの中で成長していくとゆう話の流れが、そのボクが一生懸命バンドとかやってた頃とものすごいリンクしてしまって、なんかまあ他人事として見れんかったですよ。


最後みんなで{netabare}カフェ{/netabare}やるんとゆう話で終わるんですが、まあ3人ともそれぞれの個性を生かした{netabare}カフェ{/netabare}になっててそれはそうかもなんですが、ボクはやっぱり3人とも一人一人それぞれの道を別々に歩んでいくって話に落としてほしかったかな。


まま、おジャ魔女ファンがみたらがっかりするみたいで、まあそらそうだろうなぁと。
おジャ魔女好きの女の子3人の話なんだから。


酷評はどうもそこんところみたいなんですが、ボクにとってはそおゆうアレでなんか懐かしいとゆうか、軽く胸を熱くするお話でした。


なんか昔これハマったよなー。あの頃のみんなどうしてるかなー。
みたいなちょっと優しい気持ちになれる作品でした。

投稿 : 2024/10/05
♥ : 4
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