snow さんの感想・評価
3.0
各話の配置とか構成はいいけど、各話ごとが細部まで詰まってない印象の序盤。後半は今までのお話をまとめてく流れから著しく微妙な回はなかったものの、一番デキが良かったのは過去編の9話で最終回は大オチ含めてやや微妙。
ニトロプラスの人のアニメ脚本構成初挑戦ということで、想定外もあったのかな。
ラストは、カナエちゃん寿命なら放置しててもカナエシステムなくなるよなぁ、ってのと住民にティーンの青春お涙を見せて理想的な方に進みましたってのがちょっと・・・。
物語を通して、選択を突きつけるってのがうまく機能してなかったので、最後に両取り成功しても、そらそうなるやろねぇってな感じ。
物語中に両取りは不可能という酷薄さと最後に両取り実現するものすごい奇跡の描写が両方不足気味だったかと。
それでも次に期待したくなるオリジナルアニメではありました。
同じ期に3本アニメ放映したCloverWorksのみそっかす扱いなわりには、オリアニ売りの某とか某を越えてるし。
間に合わずと総集編のせいで次の期にめり込んでたけど、放送枠とかやりくりできるのかなぁ。どうせアニメ放送するからという枠の抑え方なんでしょうか。
いっかいやすみ<55>
6話まで視聴。
初回だと超人能力で活躍する単純なヒーロー物って呆れ気味の印象だったけど、全然そういう方向ではないじゃない。なんであんな展開を初っ端1時間スペシャルでやっちゃったのかな。
単話ごとは微妙でもそれぞれバラエティのある展開なので、見飽き感は薄い。
RGBの対立でドラマ的に深まるかなってところで、開始前から囁かれてた作画不安が炸裂したのか7話は延期して再放送。
最終回がズレると面倒だなぁ……観続けるか微妙なライン上ではあるけど、同じ用に微妙な同期中では現状これがトップくらいの位置なのに。
のんきな進行<52>
3話まで視聴。
2話はひたすら過去の提示で能力使っての山場無し。
そりゃタメの回も必要なんだろうけど、それがただタメのみで終わってしまうのはどうなのか。
3話では選択の重み付け。初回であっさり両方助けたせいで。やたら軽くご都合に見えてしまってたけど、今回は両取りが失敗。
犠牲になったのがカバ先生で、関係を描写してたけど喪失感はイマイチ。
話をまたいだストーリー進行計画を練ったのかもしれないけど、各話単位での魅力が足りな下げ。
両取りの失敗は初回でやった方がよかったし、その上で選択しないと大切な人がどんどん失われていくみたいな示唆を入れとけば緊張感でたんじゃないかなぁ。
トータルな構成としても、1話はご都合ヒーローアニメっぽい話で動きで見せるぜ、2話は過去話ばっかやるぜ、3話目でようやく選択肢に重みをつけるぜって最重要の序盤にのんきだなぁ。
お話だけアレな気が<52>
1話視聴。
初回1時間枠ながらも1話ということらしい。
冒頭、女の子が車に跳ねられる事故映像で目をキャッチしてから能書き独白が始まって、ちゃんと工夫してるなぁとオリジナルアニメに対する甘々な良かった探し。
演出は優れてたのか、お話がチュートリアルな事件といった感じで普通だったのに退屈することなく1時間観れた。
パルクールな動きをする青とかアニメ用の動きのキャラですわね。
ラストが強引で、線路に挟んだってのがどうやって?だし、割と時間があって下はバラストがひいてあるんだから石を一つ一つ抜いていくのも難しくなさそうだし、それを超スピードで引っこ抜いたら足千切れそうだしと、無理無理でしたわ。
作ってる方も無理があると思ったのか、どうやって足を抜いたのかは画面の外というなんかお話と演出が分離してるような感じ。
トロッコ問題出したかったんだろうけど両方助けたらトロッコ問題にならないし、そもそも誰も葛藤してないという。
総作画監督が作画崩壊が起きそうとツイートしてるのが本作のことだとか囁かれてたり、なんか不穏な現場ですねぇ。
nyaro さんの感想・評価
3.0
話がつまらなくて一回切ろうかと思いましたが、SFはなるべく頑張ってみようと思い視聴。まあ、テーマとかやりたい事は浅くはないですので見られました。が、やってる事がちょっとなあ、という感じです。
さて、未来予測がどこまでできるか、ですが、竜巻が地域的に発生する確率を計算することは出来ても、発生した結果誰が死ぬかの予想はできません。落雷も同様です。バックトゥザフューチャーのように未来の情報がないと不可能です。
これはラプラスの悪魔であり、不確定性原理によりどんなに優れた量子コンピュータがあっても、それどころか神ですら絶対に不可能という結論が出ています。(つまり、ブタ野郎の古賀朋絵ちゃんということですね)
ここがSFとしては厳しいです。既にSFのクリエータとしては常識ですので、私はVR内のシミュレートとか未来から見ているのでは?と予想しました。が、本作は結局そこの種明かしがありませんでした。つまり、言葉どおりコンピュータの計算で予想できるという結果です。これはいただけません。
また、RGBその他の目が光る演出ですね。この非人間的な演出も同様です。特定の音楽などにより人間の思考が偏っていく、誘導される、精神状態に異常をきたす、肉体の枷が解放される、のはSFとしていいでしょう。でも、あの目の光り方は人間ではないサイン以外の何物でもありません。そして、主人公の非人間的な能力も同様です。あれが演出で絵の見せ方だということだとしたら、ちょっとミスリードもいいところです。
そしてなぜシステムに脳を使わなければならないかの設定もあいまいです。
という具合にSFとしてはガバガバだし、演出もおかしいところだらけでした。
RGBは結局、法=ルールつまり客観に従う判断、善悪=個人の価値感つまり主観に従う判断、どちらでもない両方救う道の模索の3通りでした。
この点はいいと思います。トロッコ問題の出題意図は、正解を出すことではありません。哲学ですから徹底的に考えることで、正義とは何かについて考えるプロセスです。アニメでそれを表現しようとした試みは面白いと思います。
自動運転の車のプログラミングの問題もホットですね。事故が起きそうなときに搭乗者を助けるか歩行者を助けるか。もちろんメーカーとしては搭乗者優先になるんでしょうけど、こんなのは外部に公表できるわけがありません。人間だからこそ許される行為です。
カルネアデスとは、緊急避難の問題で法律を勉強するときに議論されます。(難破したとき一人しか掴まれない板があったらと言う話)
オープニングの扉のトリアージという言葉はストーリーには無かったですが、コロナ下で話題になりました。医療がひっ迫したときの治療の優先順位ですね。
ソーシャルポイント…中国の信用ポイント問題ですね。個人の情報を監視することで人の信用度を図ることです。個人情報の侵害ではありますが、中国や場合によっては韓国でも実施されつつあります。
日本ではソシャゲのポイントみたいに軽い使われ方をしています。日本でもポケモンゴなどは位置情報をオンにするための誘導ですし、そのスマホで決済すればどこでどんな時にどういう動機で何を買ったかなど簡単に解析されてしまいます。
残留思念ということで人の生死の問題をクリアしていますが、あれは脳死問題を表現した?明確に語られてはいませんが。
また、優れた研究者の命は重いか、というのも考えられると思います。
こういう問題提起があったのは良いと思います。
重ねていいますが、トロッコ問題は人の生死の問題ですから理屈で考え尽くすことが重要です。簡単に解答があるという人は疑ってかかるべきです。ただ、現実問題としてAIにプログラミングしなければなりません。もっと怖いのはAIが人の命に軽重を付けたら、それがブラックボックスだとしても受け入れるのか?どうするんだ?というのが本作のテーマです。
なお、最近電車をドリフトさせて両方助けると言う動画が流行っているみたいですね。
ただ、ストーリー全体ですよね。先ほど言った通りSFとしてはまったく適当です。そして、それぞれのRGBの判断ですね。これが組み合わさって何かを表現していましたでしょうか。いきなり冒頭の選択で第3の選択が成功してしまいます。
その後、コンフリクトにより失敗とかいろいろありますけど、じゃあ、その個々の判断の判断基準がストーリーに沿って、RGBたちが徹底的に考える、つまりトロッコ問題の意味になっていたか。なんとなく頑なに自分を守っているだけに見えました。
そして最後の結論。正義を個々人に任せるではポピュリズムになってつまり2022年の現状になってしまいます。せっかくの問題提起が堂々巡りしかできないという感じで、何が主張したかったのかがまったく見えず、お前等で考えろという丸投げな気がしました。
総評です。生命倫理、個人情報と社会を主題にした企画は良かったと思います。設定ももうちょっとSF的に整合性をとれれば悪くはありませんでした。ただ、脚本、演出、構成、すべてが中途半端です。
キャラデザ、作画がもうちょっと一般的な形におさまっていれば、まだ誤魔化せたかもしれませんが、特徴がありすぎましたね。
それとアルドノアゼロとかサイコパスとかの焼き直し感がすごくて、ニトロプラスもいよいよ枯渇したかなあ、という感じでしたね。残念です。
いいところ悪いところが極端なので全部3で評価しておきます。
以下 視聴時のレビューです(3話まで)。
1話 あー来ましたね。挑戦的なオリジナルアニメ。いいですね。これはSF的などんでん返しをねらったパタンでしょうね。前後編ありましたが面白かったです。
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2話 もんじゃの優勝が陰謀って…
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3話。ひょっとしてRGBはマギシステム?トロッコ問題の深層学習でしょうか。
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