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東京24区(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (129)
367人が棚に入れました
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。 そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。 事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。3人は、自分の信じるやり方で、愛する24区(マチ)と人々の未来を守ろうとするが―――
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

企画とテーマ〇。SF設定ストーリー×。RGBの判断に筋がなくラストの納得感がない。

 話がつまらなくて一回切ろうかと思いましたが、SFはなるべく頑張ってみようと思い視聴。まあ、テーマとかやりたい事は浅くはないですので見られました。が、やってる事がちょっとなあ、という感じです。


 さて、未来予測がどこまでできるか、ですが、竜巻が地域的に発生する確率を計算することは出来ても、発生した結果誰が死ぬかの予想はできません。落雷も同様です。バックトゥザフューチャーのように未来の情報がないと不可能です。

 これはラプラスの悪魔であり、不確定性原理によりどんなに優れた量子コンピュータがあっても、それどころか神ですら絶対に不可能という結論が出ています。(つまり、ブタ野郎の古賀朋絵ちゃんということですね)

 ここがSFとしては厳しいです。既にSFのクリエータとしては常識ですので、私はVR内のシミュレートとか未来から見ているのでは?と予想しました。が、本作は結局そこの種明かしがありませんでした。つまり、言葉どおりコンピュータの計算で予想できるという結果です。これはいただけません。

 また、RGBその他の目が光る演出ですね。この非人間的な演出も同様です。特定の音楽などにより人間の思考が偏っていく、誘導される、精神状態に異常をきたす、肉体の枷が解放される、のはSFとしていいでしょう。でも、あの目の光り方は人間ではないサイン以外の何物でもありません。そして、主人公の非人間的な能力も同様です。あれが演出で絵の見せ方だということだとしたら、ちょっとミスリードもいいところです。

 そしてなぜシステムに脳を使わなければならないかの設定もあいまいです。

 という具合にSFとしてはガバガバだし、演出もおかしいところだらけでした。


 RGBは結局、法=ルールつまり客観に従う判断、善悪=個人の価値感つまり主観に従う判断、どちらでもない両方救う道の模索の3通りでした。
 この点はいいと思います。トロッコ問題の出題意図は、正解を出すことではありません。哲学ですから徹底的に考えることで、正義とは何かについて考えるプロセスです。アニメでそれを表現しようとした試みは面白いと思います。

 自動運転の車のプログラミングの問題もホットですね。事故が起きそうなときに搭乗者を助けるか歩行者を助けるか。もちろんメーカーとしては搭乗者優先になるんでしょうけど、こんなのは外部に公表できるわけがありません。人間だからこそ許される行為です。

 カルネアデスとは、緊急避難の問題で法律を勉強するときに議論されます。(難破したとき一人しか掴まれない板があったらと言う話)
 オープニングの扉のトリアージという言葉はストーリーには無かったですが、コロナ下で話題になりました。医療がひっ迫したときの治療の優先順位ですね。
 ソーシャルポイント…中国の信用ポイント問題ですね。個人の情報を監視することで人の信用度を図ることです。個人情報の侵害ではありますが、中国や場合によっては韓国でも実施されつつあります。
 日本ではソシャゲのポイントみたいに軽い使われ方をしています。日本でもポケモンゴなどは位置情報をオンにするための誘導ですし、そのスマホで決済すればどこでどんな時にどういう動機で何を買ったかなど簡単に解析されてしまいます。

 残留思念ということで人の生死の問題をクリアしていますが、あれは脳死問題を表現した?明確に語られてはいませんが。
 また、優れた研究者の命は重いか、というのも考えられると思います。

 こういう問題提起があったのは良いと思います。

 重ねていいますが、トロッコ問題は人の生死の問題ですから理屈で考え尽くすことが重要です。簡単に解答があるという人は疑ってかかるべきです。ただ、現実問題としてAIにプログラミングしなければなりません。もっと怖いのはAIが人の命に軽重を付けたら、それがブラックボックスだとしても受け入れるのか?どうするんだ?というのが本作のテーマです。
 なお、最近電車をドリフトさせて両方助けると言う動画が流行っているみたいですね。


 ただ、ストーリー全体ですよね。先ほど言った通りSFとしてはまったく適当です。そして、それぞれのRGBの判断ですね。これが組み合わさって何かを表現していましたでしょうか。いきなり冒頭の選択で第3の選択が成功してしまいます。
 その後、コンフリクトにより失敗とかいろいろありますけど、じゃあ、その個々の判断の判断基準がストーリーに沿って、RGBたちが徹底的に考える、つまりトロッコ問題の意味になっていたか。なんとなく頑なに自分を守っているだけに見えました。

 そして最後の結論。正義を個々人に任せるではポピュリズムになってつまり2022年の現状になってしまいます。せっかくの問題提起が堂々巡りしかできないという感じで、何が主張したかったのかがまったく見えず、お前等で考えろという丸投げな気がしました。


 総評です。生命倫理、個人情報と社会を主題にした企画は良かったと思います。設定ももうちょっとSF的に整合性をとれれば悪くはありませんでした。ただ、脚本、演出、構成、すべてが中途半端です。

 キャラデザ、作画がもうちょっと一般的な形におさまっていれば、まだ誤魔化せたかもしれませんが、特徴がありすぎましたね。

 それとアルドノアゼロとかサイコパスとかの焼き直し感がすごくて、ニトロプラスもいよいよ枯渇したかなあ、という感じでしたね。残念です。

 いいところ悪いところが極端なので全部3で評価しておきます。



以下 視聴時のレビューです(3話まで)。

1話 あー来ましたね。挑戦的なオリジナルアニメ。いいですね。これはSF的などんでん返しをねらったパタンでしょうね。前後編ありましたが面白かったです。

{netabare}  24区の設定が戦後から続くという話ですので、歴史のIFにも見えますが、おそらくはバーチャルリアリティー内の選択と可能性の問題…なんでしょう。若干火災事故の時の2020年5月10月というロゴの変化で3000という数字っぽい余韻がありました。1000年先のコンピュータの内部…なんでしょうか。

 AIが人類の可能性を確かめている感じ?未来における人類の選択…でしょうかね。3人の能力が高まることから考えて、3名が特殊な役割を与えられたプログラム…かなあ。墓地のテクノロジーとか、ドローンやAI関連が若干現在の技術を上回っている気がしますし。

 とはいえ1話ですから確信はないです。ぜひこの推理をいい意味で裏切って欲しいところ。

 マトリックス+サイコパスに「道徳問題」を絡めた感じな気がします。一番わかりやすいトロッコ問題が来ました。まあ、トロッコ問題の解決としては邪道でしたけど。
 その他、バンクシー(落書きアート)も、道徳と芸術の問題がありますし、パルクール(街を障害物に見立ててアクロバティックな動作で移動する)も同じく迷惑行為かスポーツかで意見が分かれます。

 作画がちょっとアレでしたが、演出でチャレンジングなところもあって不快では無かったです。

 というわけでストーリーというよりSF的設定が明かされるプロセスが楽しみです。ちょっと注目したいアニメですね。

追記 冒頭で赤いランドセルの少女が車に轢かれていました。そのそばにいた少年の髪の色が、主人公の気がします。これは何か関係あるでしょうか。少女は線路に挟まれた娘?

 あとRGBってサブタイトルは3人の男の髪の色ですね。三原色…意味があるんでしょうか。{/netabare}

2話 もんじゃの優勝が陰謀って…

{netabare} 陰謀のスケールが小さすぎて笑いますね。モールの店の構成を商店街と同じにしても魅力はでないと思いますし…価格とか品揃えの幅とか…まあ、分かりやすく表現したかったんでしょうけど、こういうところ、しっかり勉強したほうが脚本に説得力がでると思います。もんじゃがモールの看板で優勝したから地上げって…

 翠堂財閥が絡んでいるという事で、その辺でドラマがあるんでしょう。ところでグルフェスって2018年は12月にやってたのに今回は夏なんですね。それとも半年以上準備期間があるんでしょうか。どういう設定なんでしょう?とにかく時間経過でトリックがありそうなのでその辺気になります。

 やっぱり、あすみちゃんの吹っ飛んだ服装が気になるのと、桜木さん、年頃の女子が毎日黄色いTシャツって…もうちょっと頑張りましょう。5月はこの世界線だと真夏なんでしょうか?

 あと桜木さん、あの窓を飛び越えるのは危険すぎるだろうとか気になることがちょっと多いですね。
 RGBって、実際の髪の色?普通アニメの髪の色って心象風景なんだと思っていましたが…全員染めてるってこと?それともVR世界だから?

 あと落書きアートの彼、素性隠してるならスプレーを腰に付けてお好み焼き食ってるのはヤバいでしょう。

 ちょっとディテールの作り込みが甘いところが多くて、全部が仕掛けなのか単なるアニメの質の問題なのかわかりません。考察する意味があるのかないのかが不明です。SFやるならそういうところは気を付けて欲しいところです。

 さて、最後の場面で「観測」と「収束」という言葉がでまあしたね。シュタインズゲート感がたっぷりです。1話のパワーアップの設定と合わせると、マトリックス的なバーチャルな世界でタイムリープをする感じでしょうか。

 EDの曲名255.255.255の意味はサブネットマスクではなく、RGBのことですよね。つまり「白」っていうことでいいでしょうか。未来はわからないあるいは無限の可能性?{/netabare}

3話。ひょっとしてRGBはマギシステム?トロッコ問題の深層学習でしょうか。

{netabare}  もんじゃの陰謀とか作画とか演出とかストーリー展開とか枝葉の部分は置いておくとすると、要はトロッコ問題…つまり命の選択を徹底的に考えろ…と。となると最後は世界系?何かの選択で助かる側と助からない側がいる未来の話になるんでしょうね。それを3人が超進化して全員助けちゃおうぜ…みたいな。

 RGBの3人はどう考えても人間ではないので、マトリックス的なバーチャル世界の中で倫理をつかさどる投票システムAIという感じでしょうか。

 エヴァでいうところのマギシステム…つまりカスパール、メルキオール、バルタザールの3つのコンピュータがそれぞれのアルゴリズムで未来予測して合議制で決める…みたいな感じですね。

 RGBの3人は、シミュレートからの深層学習、つまり「危機」は学習機会だという事でよろしいでしょうか。いや、合ってるかわからないですけどね。

 うーん。話のテーマは面白いけど、そもそもアニメが面白くないなあ。いやストーリーのボディの部分はつまらなくないけど、エピソードの出来と演出が悪いなあ。もんじゃからのキャベツで、最後は竜巻で自己犠牲ですかあ…まあ…。

 興味があるので視聴は継続しますが、風呂敷広げて畳めなくならないようにしてほしいなあ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/30
♥ : 15

ねるる さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

【酷評】令和のアニメ史に残る圧倒的駄作。

2022/01/27 3話まで視聴済み。

3話まで見たけど、全然面白くならない。切りたくなってきた。

主要キャラの3人が1人の死んだ女に囚われすぎだし、3人とも子供っぽくて、独りよがりな厨二病って感じ。今のところ人気声優に任せて視聴率取ろうとしてる作品にしかみえない。面白くなるのかな…。

2022-04-10 全話視聴終了。
〜あらすじ〜
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。そこで生まれ育った幼馴染"シュウタ"、"ラン"、"コウキ"。しかし彼らの関係は、1人の大事な人の死をきっかけに大きく変わってしまう。そんな中、ある日死んだはずの仲間からの着信があり、彼らに“未来の選択”を迫る。3人が選ぶ未来の選択とは_。

最後まで少しも面白くならなかった。
多くを語る気も失せるくらいの駄作。
トロッコ問題から始まり、色んな問題に手を付けたけど、どれも中途半端で整合性がなく、キャラクターの言動も独りよがりで理解し難く、見ててダルかった。
理解しようと思う気持ちさえ湧かないつまらなさ。

メインキャラ3人が協力しあって2択を迫るトロッコ問題を解決していくと思いきや、そんなことも無く、全て悪い方向に進むというお粗末さ。最終回間近の3人で殴り合うシーンも、安っぽいし、ラストの愛してるもポカンだし。意味がわからない。この作品を見て誰が面白いと思うのか。

加えて作画が崩れる回もあり、どうしようもない。
音楽だけ無駄に良いのもなんか無理。

このアニメのまともだったのは1話と過去回だけかな。
2クールものだったら完全に切ってた。

見切った皆さんお疲れ様でした。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

未来を選べ。

この作品は、オリジナルアニメ作品だったみたいですね。


東京湾に浮かぶ人工島
「極東法令外特別地区」――通称“24区”。

そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、
家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。

しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。
事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。
それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。

3人は、自分の信じるやり方で、
愛する24区マチと人々の未来を守ろうとするが―――

脚本にアニメ初挑戦の下倉バイオ(ニトロプラス)を迎え、
キャラクター原案は多くの女性から人気を集めるFiFSが担当。

「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」など
ハイクオリティな作品を手掛けてきたCloverWorksと、
「ジョジョの奇妙な冒険」のシリーズ監督を務める津田尚克が初タッグを組んだ
オリジナルTVアニメーションが誕生!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

東京湾に浮かぶ人工島とか、ストブラの魔族特区「絃神島」を彷彿とさせる設定ですが、こちらの作品には魔族とか、第〇真祖とかいう人知を超える人外生物が存在することから、どちらかというと人間社会から隔離されてきましたが、こちらは24番目の東京を目指した融合路線を走っていたような気がします。

もちろん、こちらの特区でも超常現象や尋常ならざる状況が起きなかった訳ではありません。
人類しか存在しないこの場所に何度も超常現象が発生する方がビックリしますけれど…^^;

その超常現象をサプライズとして括ると、この作品のテーマはずばり「人生そのもの」だった気がしてなりません。
私たちは、生きるために常に選択肢と隣り合わせです。
人生には等しく無限の可能性があり、その中から選択してきた結果が今の自分なんですから…

この作品を視聴するか、それとも視聴しないか…
或いはレビューを書くか、書かないかも自ら選択した結果の行動です。
違うのは、選択の先を見通せないだけ…
でも、それは息をするのと同じくらい当たり前の事です。

だから、全てを自らが選択することに違和感は感じませんでしたし、寧ろ自分の未来を誰かに決めて貰うことの方が遥かに違和感を感じてしまいます。

そもそも自分で未来を決めなければ、もし受け入れがたい結果だった場合、自分で決めていないからと言って無かったことにはできませんし、誰かに責任を転嫁することだってできません。

だから、自分の未来を自分で選択するのは必然なんです。
誰かの言うことを聞くのだって同じ…
自分で「聞く」ことを選択しているのですから…

もちろん、「決める」って簡単じゃありません。
簡単に決められないこと…の方が寧ろ多いかもしれません。
何故簡単に決められないか…それは常に責任が付き纏うからにほかなりません。
誰もが知っているから思い悩むんです。
これが欠落する時…それこそ社会の秩序が崩壊する時なのかもしれません。

オープニングテーマは、Survive Said The Prophetさんによる「Papersky」
エンディングテーマは、蒼生シュウタ(榎木淳弥さん)、朱城ラン(内田雄馬さん)、翠堂コウキ(石川界人さん)による「255,255,255」

1クール全12話の物語でした。
アニメーション制作は、CloverWorksさん…
今期「明日ちゃんのセーラー服」と「その着せ替え人形は恋をする」と一緒に手掛けられたようですが、3作品にクオリティの差を感じたのは私だけでしょうか。
この作品は他の2作よりクオリティが総じて高いとは思えませんでした。
同一クールに3作品も手掛けた影響なのか、或いは別な大人の事情があったからなのか…
詳しいことはよく分かりませんけれど…
でも、全然楽しめなかった訳でも無いので結果オーライだったかな^^;

投稿 : 2024/11/30
♥ : 9
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