2023年度の部活TVアニメ動画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2023年度の部活成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の2023年度の部活TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.6 1 2023年度の部活アニメランキング1位
もういっぽん!(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (213)
531人が棚に入れました
『週刊少年チャンピオン』にて大人気連載中! かわいくアツい、柔道ガールズ・ダイアリーがTVアニメ化! 柔道はもう卒業(おしまい)! 高校では彼氏作って甘酸っぱい三年間を送るんだ。 日焼けすると道着が擦れて痛いし、寝技で髪の毛抜けまくるし、寒稽古つらいし、鼻血は出るし、骨折するし失神するし、たいして強くなれなかったから、もうやらないって決めたの。 だから……だから思い出させないでよぉ。 この”一本”の、気持ちよさ。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

柔らか戦者

●冬アニメトータルバランス№1作品に確定

「覇権アニメ」という言葉にはなんとも言えない歪な響きや妙な思い込みめいたものを
感じ、この言葉に以前よりある種の違和感を覚える人も少なくなかったように思います。

あまりに露骨な点数操作の出現により「あにこれ」における「覇権アニメ」というものには
全く以て意味がなくなったような状況になりました。

単に点数が高い低いだけでは中身が伴っているという証明にはならず、むしろ
点数操作により自己満足なランキングは幾らでも捏造できるというわけであります。

そういう状況を踏まえて改めて言えることは、本文付きレビューにおいて
作品の中身についてどのように評価されているかということになるかと思います。

本作は今期アニメの中でも物語性において優れた素養を持ち合わせており
特に主人公と部活メンバーとの人間関係における心理描写という面では
非常に繊細で、ハートフルな各キャラの思いが巧い事表現されており
よって見事なまでに視聴者を感化するように至らしめるわけであります。

単にキャラデザが可愛いとかではなく、キャラの内面性における心情の表現が饒舌
でありまして、それによってキャラの持ち味が引き出されているという特質から、
ただの萌えアニメとは一線を画すべき存在であり、情緒感溢れる優れた表現力ありきの作品
だからこそ今期の首位に君臨するのでございます。

このような本作に対抗できる作品があるとしたら、今期では「ブルーロック」と
「ヴィンランド・サガ」位であり、この3作品が他を圧倒してると言うべき状況であります。

「ブルーロック」は本作よりもエンタメ性に優れており、スポ根お約束の熱い展開も
ありつつ、見やすい作風でありますからより万人ウケがいいのはこちらと言えますが、
エンタメ性が高いとそれに反比例するようにして心理描写がさっぱりしがちになるため
共感性という点ではやや劣勢と言うことになります。

「ヴィンランド・サガ」は本作に負けず劣らずの高い表現力を持ち合わせていますが、
ダークファンタジー並みに重くて陰鬱な描写が多く、ある種のクセが強いので
幾ら作品の完成度が高いといえども、万人ウケする可能性は低く、あまり人にお奨めできる
ような作品とは言えない類のものになるでしょう。

と言うことでトータルバランスの良さで考えると本作こそが
今期№1作品に確定するわけでございます。


●「物語」絶対主義宣言

作品の好みは当然の如く人それぞれでありますが、大雑把に分類すると
「作画中心主義」と「物語中心主義」の2つ観点があるように思います。

{netabare} 物語中心主義者は作画クオリティの判別に疎く、一方で
作画中心主義者は複雑な設定や心理描写などを見落としがちになる。
そのような一般傾向がもしかしたら?あるのかもしれません。

作画クオリティーの判別にはとことん鈍い当方からしてみますと
作画中心主義の方々とは、まるで代々木の学院に通っているような?そんな偏見めいた印象を
抱いてしまうのは不徳極まりないことで自重せねばなりませんが、
ある種の職人気質があり、職人気質特有の技術論を持つ、専門家の観点から作品を評価している
そのような印象を抱いています。

物語中心主義者は恐らく作品に登場するキャラの中身=人間性を重視する傾向が強く
その関係上今まで生きてきた人生観に基づく尺度でキャラの人間性を測り
物語展開の良し悪し決めているのではないかとそのように推測するわけでありますが、
人間と言うのは長く生きれば生きるほど、例えば「理想の恋人観」なども
見た目よりも性格重視という風に変化する傾向があるような気がいたします。

ということで本作が年寄り向き作品だとは決して申しませんが、
登場キャラの人間性や作品内で描かれる人間関係を重視し
キャラの心情に対して共感性が強い傾向がある視聴層には
本作はかなり破壊力があると言えるように思うわけであります。

「鬼滅の刃」のブレイクによりアニメ視聴者層は厚くなったとも言えますが
「物語中心主義」の視聴層は相対的に希薄化されたような気もいたします。

もしも仮に本作の評価がこれ以上伸びないようなことがあるとしたら?
今のアニメ事情は以前とはまるで異なるものとなったというのが
{/netabare}その背景にあると言えるのかもしれません。


●駄作作品を悉くぶん投げろ!

作画だけしか取り柄が無い異世界似非グルメ作品だとか、百合だけしか取り柄が無い作品
だとかいう類のただのマニア向け路線は本作の敵に非ずであります!

現状性懲りもなく作画だけしか売り要素が無い変態性癖アニメの類がしぶとくランク上位に
しがみついているようでありますが、物語重視の評価で考えたらただのマニア向けアニメが
高評価で終わると言うには無理があり過ぎるように思います。

マニアにはマニアの趣味趣向の自由があるとしても、マニアの意見がすべてのファンの意見を
代弁するとかいう話には無理あり過ぎるため、最終的にすべてのアニメファンの意見を反映
した結果して選ばれるべきは本作でるべきであるとの確信が回を追うごとに強まって参りました。

作画いいとか言う評価は、実は物語の弱さを誤魔化す言い訳でしかないのではないかと
思われても仕方がないくらいに本作に比べて物語性が脆弱な気がするのは、
果たして気のせいでありましょうか?

兎に角マニアが騒いでるだけの駄作作品を悉くぶん投げるのが
本作に課せられた使命であると確信することろであります。


●名作候補筆頭格が動き出す!?

6話で大技炸裂、完全覚醒したかのようにも思えます。

個人的な今期の名作候補と言えば「ヴィンランドサガ」と「大雪海のカイナ」でありますが
前者は色々と重苦し過ぎたり、後者はややマニア向けだったりということで
完成度が高いとしても必ずしも人気が出るとは言い切れない部分があります。

それに比べると本作はキャラの持ち味が視聴者の心に刺さりやすく
感情移入しやすいため、不特定多数の層から支持される潜在能力を持っている
ように考えられるわけであります。

現状ではリアクション薄めでありますが、口コミで本作の評判が徐々に広がれば
上方修正の雨嵐も必然であると予想できるわけでございます。。


●一撃必中!
本作の最大のライバルは王者「ブルーロック」であると個人的に考えています。

単純に見ていて圧倒的に面白いのは「ブルーロック」でありますが
{netabare}その一方で本作にはボディブローの重みのような独特な打撃力を感じます。

随所随所で重みのある一撃を喰らい、蓄積されたダメージが終盤戦にはどのような
結果をもたらすのかは未知数であり、計り知れない結末をもたらすような
そんな漠然とした予感が頭をよぎるのでございます。

主人公が天然と言う意味では「転天」の主人公とキャラが被っている
とも考えられる故に敢えて比較してみますと
「転天」の方は「百合関係」を強調したような物語に対し本作の方は
まさに王道の友情物語を大展開するであろうと目されるわけであります。

ただの百合では済まされな濃厚な人間関係を描く物語がいよいよ動き出し
そしてここから、怒涛の猛追撃が開始されるのであります。{/netabare}

●ライバルをすべてぶん投げる実力は鉄板!?
物語とキャラ性による潜在的シナジー効果を推し量るのならば
本作がトップ3に入るのは造作もないことのように思われます。

1クールという短期ではその能力を十分発揮できない可能性も懸念されますが
相対的に見た限りでは「萌え」を売りにした他作品を物語性において圧倒している
ようでありますので、パフォーマンスに疑いはないように思われます。

とは言えスポ根柔道もの作品のため一般視聴者の食いつきはやや鈍いような印象でありますが
今後の怒涛の巻き返しに大いに期待したいところであります。






スポ根系と言いますと今の時代ではあまり注目されないような気がいたします。

同じジャンルの「ブルーロック」こちらには、少し変化球気味でエンタメ性が強いという
アドヴァンテージがあり、個人的にも「ブルーロック」の方が好みでありますが
本作は主人公が女子高生であることから、視聴者の好感度という点においては
本作の方に分があるように思えます。

天然さっぱり系の主人公の友情物語展開に対する需要は相応に高いものと見込まれる故に
場合によっては人気アニメとして高く評価されることも?
もしかしたらあり得るのかもしれません。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良いアニメ。素晴らしいアニメ。でも、「剣道」部的には、批判もしなければならなかった(苦笑)

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
女子高生、柔道部アニメ。

スポ根として、とても素晴らしい。爽やかだし、熱いし。良いアニメですよ。

でも、、、レビューでは、前半は誉めてますが、後半と余談では、剣道部的な難癖をつけちゃいました(汗)

柔道部の皆さん、スミマセンm(_ _)m

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、誉めます。

柔道の試合展開が、熱い。まず、ここが1番の魅力。

柔道や剣道、相撲など、武道の試合を、面白く描くことは、以下の理由で、難易度が高いと思っています。


①卓球やバドミントンなど、お互いに何度もポイントが入る競技は、見せ場を多く作れますし、試合展開にも変化を生み出しやすい。ボクシング等の格闘技も同様で、「ダメージ」という見せ場は多く作れます。

しかし、柔道は1本(技あり含めると、自他で最大3ポイント)。剣道は2本(自他で最大3ポイント)。相撲は、勝つか負けるかのみ。痛めつけることが目的の競技でもない。単純に、見せ場が少ないんです。やるとしたら、「惜しい」なんだけど、あんまりやりすぎると、試合が間延びします。


②サッカーやラグビー等の、何点取られても試合時間が約束されている競技は、強豪校との試合を描きやすい。前半はリードされる苦しい展開を描きつつ、徐々に追い上げ、逆転できる時間的猶予があるから。

しかし、剣道も柔道も、1本とられたら、そこで試合終了。長くても、数分(剣道は、高校でも4分。中学なら3分。柔道も同じだっけか)。しかも、実力差が大きいときは、マジで5秒くらいで試合終わります。3年間努力してきて、5秒で引退試合終えるという残酷なことは、リアルでもわりとあることです。


③バスケットや野球のように、ポジションがある競技は、ポジションごとに異なった展開やプレーを描けます。また、団体競技は、連携プレイも描けます。

しかし、武道は基本的に、1対1で、同じことをしています。先鋒とか中堅は出る順番であり、ポジションではありません。プレースタイルの違いはあるから、それで試合展開に差をつけないと、同じことが5回繰り返されるだけです。


と、このように、武道はアニメや漫画にしにくいと思います。そもそも、スポーツのように、ゲーム制があるのではなく、極めて実用的なもの(武術)から生まれているわけですし(同様に、陸上や水泳も難しいと思います)。

そんななか、

①に関しては、1試合1試合を変に間延びさせず、テンポのよい試合展開を心がけ、ポイントで回想や心理描写を入れることで、一本を取る瞬間のカタルシスを生み出していました。

②に関しても、ちゃんとアッサリ負けさせるところが素晴らしいです。あれは、なかなかやれないと思います。ついつい、弱い頑張りキャラには感情移入しちゃうけど、リアルさを失わないギリギリのところで、弱いキャラに見せ場を作っていましたね。

③は、剣道に比べれば柔道の方が、技の種類が多く、体重というキャラ付けもできるので、まだ描きやすいのですが、にしても、良くできていました。立ち技(スピード)、寝技、試合巧者、天才と、キャラ立ちしていましたし。ポジションがない分、技術的な繋がりではなく、精神的な繋がりを描くのも、武道では大事ですね。

ということで、これまで、「YAWARA」「帯をギュッとね!」等読んできましたが、充分、互角に戦える魅力があったと思います。

長くなるので書きませんが、日常パートも充分に面白いです。


では、何に文句をつけるかというと、、、南雲ですよね、剣道部的には(苦笑)

やっぱり自分が剣道を、かなりガチにやってきたからこそ、悪い意味で感情移入しちゃいました(苦笑)

といことで、ここからは、「剣道部による、剣道部員に向けた、難癖」と思ってもらえれば(苦笑)

まず単純に、「友達と一緒にいたいから、部活を変える」ってのが、全然共感できませんでした。

これが、弱っちい選手ならまだ分かるんですが、1年生で、団体戦とはいえ、埼玉からインターハイに出る難しさ、分かっているのかな~。しかも、インハイ前に退部してるし。周りのメンバー、どんな気持ちかな?

そんだけ適当な気持ちでやってきても、インターハイに出られるくらい、剣道って楽勝な競技、と、バカにされているような気になりました。あくまで、「私は」ですが。

あと、私も高校時代は柔剣道場で部活やってきたから分かりますが、この2つの部内で転部するって、まずないです。だって、毎日同じ環境で練習するんですよ? 気まずいどころじゃない。

実際、アニメでも、南雲が転部する前は、柔道部の背景で、よく写り込んでいた剣道部も、南雲転部後は、ほとんど写らず、「柔道場」になっていました。

だったらはじめから、屋外の部活から転部させれば良いのに。

これで、転部後に、剣道部から嫌みを言われ、葛藤する様子などを描くなら良いのですが、すでに、「なかったこと」にされている感じが、寂しく、「剣道部が使い捨て(踏み台)にされたな」という気がしました。

南雲が、剣道部ではなければならない理由はなんでしょうか?

私はむしろ、序盤は、南雲の存在を高評価していました。それは、こういう部活モノには珍しく、部外から、主人公を励ましたり、一緒に青春を楽しめる、リアルな友達キャラになると思ったからです。

ようは、スラダンにおける、赤木と青田みたいな関係を期待していたんですよね。残念でならない。

まあもし、「柔剣道場」で「応援される転部」を描くなら、例えば、試合中の事故(竹刀の先革が破れ、飛び出した竹刀の一部が目に当たり、失明は免れたものの、先端恐怖症になってしまった)とかで、剣道をやりたいのに、やれない南雲を描き、

そこを、未知に誘われ、剣道部の仲間も、祝福して送り出してくれる、とか。

南雲の夢を、「父のような警察官になること」にし、そのために剣道を始めた回想を流し、事故の後、父親に「警察官には柔道も必要だぞ」と背中を押され、一歩踏み出す、とか。

そんな風なドラマを1つでも入れてくれれば、個人的には、もっと感情移入して観られたのかな~と(苦笑)

てな感じで、自分の個人的な感情だけなら、☆3なんですが、流石にこのクオリティで☆4をつけないのはと葛藤し、☆4にしました。

もう一度言います。

良いアニメですよ、剣道部以外には(笑)
{/netabare}


【余談~剣道部から見た、柔道部~】
{netabare}
高校時代、柔道場とは同じ空間で稽古していました。共にインターハイ常連の部でしたから、どっちの部も、同じくらいキツイ練習はしていました。

が、、、うちの学校がたまたまそうだっただけでしょうが、柔道部は、、、可哀想だったな~(苦笑)

剣道部にも柔道部にも、良い先輩もいれば、悪い先輩もいるし、大抵、「しごき」はあります。

でも、剣道部のしごきは、体力的・精神的にキツイのがメインですが、柔道部はそこに、肉体的にキツイ(痛い)が入ってくるので(汗)

黙想(無言で瞑想)してる時、締め落とされそうな柔道部員の「すみません、すみません、許してくだ、、、」の声、忘れられないな~(苦笑)

まあ、世の中には、「青葉西」のような爽やかな柔道部も、いっぱいあるんでしょうが(笑)

あと、いつも目のやり場に困ったのが、柔道部女子の着替えですね(笑)

彼女ら、結構普通に、柔道場で着替えてました。といっても、スパッツみたいなのは履いてましたが、わりとセクシーです。

でも、なんていうか、みんなかなりの「ガチムチボディ」なんですよね~、鍛えてるから。顔は小さくても、太ももはみっちり、みたいな。

別に見たいわけじゃないんですが、ついつい、チラっと見てしまうのは、男のサガでしょうか(苦笑)

そういえば本作は、妙にこの部分の作画には、力が入ってた気がしました(笑) ガチムチな体型とか、下着(スパッツやタンクトップ)の感じとか、やけに、リアルだなと(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

自分史上最高で十二分に熱い柔道アニメ

蒸し風呂のような夏の暑さに耐え、氷のような畳の上の寒稽古にも耐え、
日焼けした肌が柔道着に擦れる痛みにも耐え、鼻血に骨折も乗り越え……。
稽古を重ねても大して強くなれなかった柔道は中学まででオシマイにして、
高校では彼氏を作って青春するんだ。

一度は競技引退を決意した主人公少女・未知らが、再び柔道に打ち込んでいく。
『少年チャンピオン』連載中の同名コミック(未読)のアニメ化作品。


【物語 4.5点】
世のスポ根物の激しい能力インフレを眺めていると、思考がバグって、
全国制覇、将来プロやオリンピック以外の部活は無価値なのでは?と錯覚してしまいがち。

ですが本作は、もう一度、柔道をやってみたい。
あの娘と一緒に、もういっぽん。
インフレばかりに頼らなくても、自分たちなりに青春すれば部活は十分に熱いことを証明する、
私のような凡俗にも共感性の高い内容。

例えば8話の博多南戦。{netabare} 古豪復活を願い力んで校名を連呼しプレッシャーをかけてくるOBの檄を、
温かい“なっちゃん”コールに変えた五郎丸 冴と未知の一戦。{/netabare}
名門校の伝統継承、規律を叩き込む人間教育以前に、
自己実現の一助となるのが部活動のあるべき姿という一理を感じました。


主人公・未知の柔道もやる、だからと言ってパフェも海も彼氏も諦めないという姿勢も、
この場合は散漫ではなく、青春への貪欲さとして評価できます。
未知の中学時代の先輩たちも彼氏持ちばかりとか、
最近のこの手の女子部活物には珍しい肉食ぶりも一周回って新鮮でした。


構成としては、{netabare} 金鷲旗大会{/netabare} にて、現状の自分史上最高を表現した所で一区切り。
作品の主旨は伝わったので、ここで終わっても良い気もしますが、
私としては{netabare} “大型新人”南雲の試合デビュー{/netabare} は見てみたい気持ちもあります。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・BAKKEN RECORD
タツノコプロが2019年に設立した新興レーベル。

“柔道をちゃんとやる”ことを第一に、試合シーンにソースを集約。
駆け引きの肝になる組手の迫力などの再現性。
回り込みなど多彩なアングルからの撮影による臨場感。
作画の注力が高熱量の柔道描写として結実。

一方で日常シーンはミニキャラの“生首”でしのぐなど、
オンオフの切り替えを統率し、1クールを無事完走。

ただ、率直な感想として、全体的にもう少し枚数があれば尚良かったという欲は残りました。
最後、念願の{netabare} 海水浴{/netabare} にしても止め絵中心で、全力出し切って倒れ込みました~って感じで清々しいような、無念なようなw
今後の戦力充実による底上げに期待したいスタジオです。


【キャラ 4.5点】
主人公の園田 未知。いっぽん“みち”
ワクワク柔道少女ぶりの熱が方々に伝播して、
廃部していた柔道部の復活、強敵(とも)との熱い青春が展開する、
典型的な競技の魅力布教型の部活ヒロイン。

未知と遭遇する仲間や強敵(とも)もまた、各々が柔の道に挑む個人的な事情や信念を抱えており、回想、モノローグでの解像度アップも良好。
その胸の内をキャラ間では、ひけらかさずに、秘めた感情の一端を試合でぶつけ合うのみ。
多くを語り合わぬまま、未知を中心に輪が広がっていく。
この適度な距離感が心地良かったです。

その観点から私は地味に2話の早苗がお気に入り。
{netabare} 未知とまた柔道やりたいと言い出しっぺの早苗が、実は両親と高校では勉学専念を約束。
早苗が悩みを未知に打ち明けぬまま、自力で両親を説得し、柔道部に入部する。
未知はそのいきさつを何も知らないし、詮索してこないけど、いつも通り笑い合って取っ組み合ってくれた。{/netabare}
この安心感、安定感。
私は柔道苦手だけど、このアニメなら行ける!と確信した回でした。

青葉西柔道部メンバーの中では“秘密兵器先輩”こと姫野紬も印象的。
顧問の夏目と二人三脚で培ってきた引き出しをフル活用して猛者に挑むシーンはグッと来ました。

中学時代のわだかまりを晴らすように、闘志をぶつけ合う氷浦永遠と天音恵梨佳。
未知を{netabare} 「パフェ泥棒」{/netabare} と目の敵にして絡んでくる妹尾。
など学校間のライバル関係も上々。

ただついに終盤、王道スポ根キャラが来たか!と思ったら、
{netabare} 強豪・立川学園顧問・犬威のスパルタ指導は外面で、
素は青西の顧問・夏目先輩を慕う乙女だったという、{/netabare}
まさかの百合事案?にはズッコケそうになりましたがw


【声優 4.0点】
技名連呼して指導を食らうw主人公・園田未知役の伊藤 彩沙さん。
身体能力が高い未知を事あるごとに剣道に引きずり込もうとする南雲安奈役の稗田 寧々さん。
ムードメーカーとなる明るいボイスも作品を彩りましたが、
“ちゃんと柔道をやる”意味で貢献したのが、体力勝負を印象付けた各キャストの荒々しい息遣い。

特に滝川早苗役の安齋 由香里さんのゼェゼェ言いながら、寝技で食い下がる演技は泥臭さがありました。


ライバル役には他作で主役級も務めてきた猛者も数多くキャスティング。
一人挙げたいのが錦山高・堂本恵役のファイルーズあいさん。
78キロ超級の重量級太めボイスもいける芸域の広さを再認識しました。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は成田 旬氏。
王道のピアノやギターなどで表現する青春のキラキラ感。
特にストリングスのフレーズが美しい「青春の記憶」は純度と高揚感を併せ持ったバランスの良さで重宝され作中多用。

OP主題歌はSubway Daydream「Stand By Me」
ゆるいボーカルで漸次前進していくバンドソングが作風にマッチ。
余談ですが本曲も収録されたアルバム「RIDE」を、マイペースで上げて行きたい時に流したりします。
「ケサランパサラン」とかゆ~るゆるで良い感じです。

ED主題歌は青西柔道部メンバーによる「いっぽんみち」
“みち”で韻を踏む前向き青春ソング。
OPよりは前傾姿勢ですが、やはりここも目標設定や進捗を過度に求めず慌てない感じ。



【1話感想】柔道の気持ち良さをアニメーションで伝えようとする意欲を買いたい

長いので折りたたみ。
{netabare}
主人公・園田 未知(みち)……中学では大した結果は出せなかったが、驚異の柔軟性を持ち、ときおり理解を越えた返し技を繰り出す。

氷浦 永遠(ひうら とわ)……未知の中学最後の対戦相手。組み付いたら引き剥がせない握力の強さなど柔道選手としての能力は十分だが、奥手でメンタルに課題がありそう。

滝川 早苗(さなえ)……おっとり三つ編み眼鏡っ娘。未知と中学時代に2人だけの柔道部をやっていた友人。

南雲 安奈……中高共に剣道部。未知の運動神経を見込んで執拗に剣道に誘い込もうとする。


何かキッカケ一つ、指導一つで開花しそうな才能も秘めたキャラ。
加えて廃部同然からの青春という滑り出しと、キャラも設定も変哲のない部活物との印象。

惹き付けられたのは柔道の描写。
組み手にしても、私はゴチャゴチャと袖を掴み合う地味な駆け引きとの印象でしたが、
選手視点で描き込まれた組み手は、ボクシングかよwと軽く恐怖心を覚えるくらいのスピードと迫力。

この緊張感の中で立ち技や寝技をかけたり、返したりする。
そりゃ、玉のような汗かいて、ゼェゼェと息も上がるわと納得。

未知の柔軟性にしても、永遠の怪力にしても、言葉だけでなく、
回り込んで臨場感を出すカメラワークも含めて、
アニメーションでしっかり魅せて伝えてくる姿勢が好感できます。

未知の、柔道の気持ち良さを思い出させないでよ~との実感が、
視聴者も映像体験で共有できるのは大きいです。


一方で、作画は常に高カロリーというわけではなく、止め絵で凌ぐシーンも。
日常会話パートで、ちびキャラ顔の掛け合いでつなぐ演出はチョット苦手です。

1話にしてこれだと、中盤辺りで作画の息が上がる場面もあるかもしれません。


けれど、動かして題材の魅力を伝えてこそのアニメーションと再認識できた上々の初回。
今期アニメの“もういっぽん”としてオススメしたい作品です。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 35

66.1 2 2023年度の部活アニメランキング2位
青のオーケストラ(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (157)
460人が棚に入れました
バイオリニストの父の影響で中1まではコンクールで活躍していた青野一(あおの・はじめ)。父親が家を出たことでバイオリンから離れ、無気力になってしまう。しかし、中3の秋に秋音律子(あきね・りつこ)と出会い、初心者の彼女にバイオリンを教えることで再び音楽と向き合っていく。 音楽の楽しさを再確認した青野は、秋音とともに強豪オーケストラ部のある海幕(うみまく)高校に入学。ライバルや仲間たちと切磋琢磨し、自分自身や過去と対峙し才能に磨きをかけていく。青野だけでなく、家族や才能をめぐるさまざまな悩みを抱える部員たち。それぞれに乗り越えながら、定期演奏会に向けて自分たちの演奏をともに作り上げていく。音楽で心を通わせていく、青春群像劇。

声優・キャラクター
青野 一:千葉翔也
秋音 律子:加隈亜衣
佐伯 直:土屋神葉
小桜 ハル:佐藤未奈子
山田 一郎:古川慎
立花 静:Lynn
羽鳥 葉:浅沼晋太郎
原田 蒼:榎木淳弥
青野 龍仁:置鮎龍太郎
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

NHKの目利きが一番の戦犯?!個人的には今年ワースト2かな/2023/11/23追記

【レビューNo.89】(初回登録:2023/10/9)
コミック原作で2023年作品。全24話。
「クソアニメのレビューを書く」という体験を1回しましたが、負のエネルギー
が体を突き動かすというか・・・
個人的にはクソアニメのレビューを書くのは、時間のムダだし腰を上げるのにそ
こそこエネルギーがいるので、基本「レビュー止めとこ」ってなるわけですが、
それでもレビューを書きたいと思うのは、相当なクソアニメってことなのかw

(ストーリー)
かつてはヴァイオリンのコンクールで数々の成績を収めていた少年・青野一。
しかし著名なヴァイオリニストの父親は不倫から家族を捨て離婚。そのため一
は父親を憎み、ヴァイオリンを止めていた。
しかし中学3年時、担任の武田先生の依頼から秋音律子にヴァイオリンを教える
ことになり、自身も自分と向き合い再び弾き始めることになる。
そして武田先生が指し示したのは、オーケストラ部の名門「海幕高校」へ入り、
音楽を続ける道だった。
秋音とともに海幕高校に進学した青野は、そこでコンクールでトップの成績を収
めていた佐伯直と出会い、ヴァイオリンの腕を競うことになる。

(評 価)
音楽モノってあんまり観ないのですが(特にバンドモノとか)それでも「のだめ」
をはじめ、「この音止まれ!」「ユーフォニアム」など「音楽モノに外れなし」
というのが今までの私の認識だったのですが、それを見事に覆してくれましたねw

・絶望的に魅力のない主人公
 ・陰キャっぽいビジュアルの悪さもあるんですが、なんか主人公に絶望的に魅
  力がないんですよね。
  一番の原因が、何をやりたいのかが分からず共感できない点ですね。
  まあ「メジャー:茂野吾郎」のようにギラギラしてればいいのかということ
  でもないのですが、まず最初の「海幕高校」もオーケストラ部入部も動機が
  曖昧なんですよね。
  「漠然とヴァイオリンが上手くなりたく、なんか流れのままに」
  って感じで。
 ・その後佐伯や先輩との出会いにより
  ・もっとヴァイオリンが上手くなたいという強い思い
  ・オーケストラ部のコンマスを目指すという大きな目標etc
  輪郭は強化されるのですが、見せ方が悪いのかこちらに熱く伝わるものがなく
  「ストーリー都合だけで、青野が本当にそういう思いを抱いているの?!」
  という感じで、何故か共感できないんですよ。
  ざっくりいうと、結局
  「青野一という『人間』をどう描きたいのか」
  をしっかり定めず、「設定」だけで見切り発車してるなっていう印象ですね。  
 ・あと何かにつけ「(不幸自慢の)親父が悪い」的な後ろ向きな点も。
  (この部分は、終盤で「自分の音楽の源流には父親がいる」と感じる描写が
   増え「原作者がやりたかったのはこれなんかなあ」って感じる部分はあり、
   改善の見込みはありそうですが)
 
・上っ面をなぞったようなストーリー
 ・ストーリーもなんというか、音楽モノや青春モノの外れのないテンプレ的な
  レールを集めてきて、その線路上で物語を走らせているという感じで、
  「『青のオーケストラ』という作品を観てワクワクする」
  といった満足感が皆無なんですよね。
  (以前レビューした「僕ヤバ」とは真逆だなっとw)
  王道展開というより、上っ面をなぞったようなストーリー展開って感じ?!
 ・あとストーリー構成のチグハグさも。
  主人公をろくに描いていないのに、高校入学早々秋音と(もう一人のヒロイ
  ン?)小桜ハルの中学時代の重いエピソードが展開され、そっちのキャラの
  深掘りが始まっちゃうので、なんじゃそりゃ?Iって感じで。
  それでいて青野の方は「いつ魅力的になるんや」って期待してたら、上述の
  通りでアニメ終わっちゃったよとw
  そして秋音の方も中学時代は魅力的なキャラに映ったのに、高校に入り上述
  エピソードが終わると、なんとなく埋没しちゃったなっと。 
 ・それに「名門:海幕高校」という設定も、まるで活かせていないのも致命的。
  原田や羽鳥がもっと魅力的に描かれていれば作品の見え方も違っただろうに、
  この辺も描写が甘く「ただのいい先輩やん」って。
  また顧問の鮎川先生も厳しく怖いらしいが、作品を観る限りいうほどかと?
  部の方針なのか分からんが、「ユーフォニアム」と比べてもなんか緊張感が
  足りず緩くないかと。空気にメリハリ感がなく、作品的には「名門校たる所
  以はどこにあるのか」よくわからんレベルだなっと。
  (時々それっぽいセリフや描写は入るが、作品としての一貫性が確立されて
   いないから「点」で終わり、そもそもアニメとしての演出も出来が悪いの
   で説得力がないんだよね。)
  高校では部活のシーンが大きなウエイトを占めるのに、ここに独自の面白さ
  がないとか、一体どういうことやねんとw

・最大の隠し玉も不発?!
 ・この作品最大の隠し玉は(以下重要ネタバレ)
  {netabare}「佐伯は青野の父親の不倫相手の子供だった!!」
  たしかにネタとしてはセンセーショナルなのですが、作品を観る限りなんか
  これも不発に終わったなっと。
  それによりどんでん返しがあった訳でもなく、作品の面白さに大きく貢献し
  た訳でもなく、「一体何だったんだ?!」って感じでwww
  (一応2人が完全に分かり合えたとか、青野が一皮むけた扱いになってるが、
   その辺の描写もアニメとしては・・・って出来なんだよなw)
  これなら、この設定がなくても大局には支障なかったのでは?
  (まあ原作者的には、最大のオリジナリティだから「なし」にはできないで
   しょうが。穿った見方をすれば、原作者もこの設定を思いついたところで
   満足してしまい、そこで思考停止しちゃったのかなっと。){/netabare}
 ・この作品も全体的にイベント頼みで、それに沿って人物を動かしてるだけで、
  結局「人間」をしっかり描いていないんですよね。
  個人的に魅力的だったのは、中学時代の秋音だけでしたね。
  (あとは武田先生位で、思えば中学時代がこの作品のピークだったかなっとw)

総評としては
・音楽モノをやってる割には、そこに特筆すべきエッジがある訳でもなく
・では青春群像的なものを見せたいのかといえば、「人間」をしっかり描いてい
 ないから、主人公以下主要キャラが魅力的に見えず
「『青のオーケストラ』という作品は何をやりたいのかよく分からない」
まま終わってしまったという印象ですね。
そもそも「著名なヴァイオリニストの父親」以外は「音楽モノ」である必要性が
あったのかという、根幹から疑いたくなるレベルで
「『音楽モノ』の作品として、『音楽』とどう向き合っていくのか」
という観点を軽視しすぎでは、という印象を受けました。
(それっぽい曲の解釈を入れたから、『音楽』と真摯に向き合った作品というの
 はちょっと違うだろうっと。それじゃこちらに響くものがない訳で、この辺り
 も『主人公の魅力のなさ』に大きく影響してるように感じる)
それに全般的にアニメとしての演出も弱く、センスが感じられなかったかな。
  
NHKで放送する作品って、どこか1本芯が通っていて「さすが」って感じが強かっ
たのですが、この原作のどこが琴線に触れたのか?
単純に出来の悪さなら「なろう系の量産型異世界モノ」など下はいくらでもある
でしょうが、この辺とはそもそも予算をはじめ土俵が違いますからね。
NHKがバックでこの出来とか正直救いようがねーなとw
そういう意味では、個人的には今年ワースト2の作品だといえるかも。
個人的な見解ですが、一番の戦犯は
「NHK、なんでこんな作品選んじゃったの?!」
目利きが曇ったのか、こんな上っ面だけの作品に騙されるんじゃねーよと。
(クラシック音楽という題材と「小学館漫画賞」少年向け部門受賞という看板だ
 けで選んだんじゃねーのかと)
2期決定らしいですが、なんだかなあって感じですね。
それよりも「アオアシ2期」をさっさと制作しようよとw

(訂 正)
・今年ワーストワン → ワースト2
 「Buddy Daddies」が今年のアニメってことが抜け落ちてました。
 個人的にはこの作品が断トツのワーストワンですね。
 でもそれに次ぐ印象の悪い作品かなっとw

(2023/11/23追記)
{netabare}個人的には「101匹足利尊さん」の「青臭い心の振動が響いてくる」というレビュー
が興味深く「なるほど、そういう見方もあるのか」と。

ただ個人的には「やっぱり評価できない作品かな」っていう点は変わらずで、その
辺を補足。

>一番の原因が、何をやりたいのかが分からず共感できない点ですね。
レビューを書いている時に感じたのは、逆に、
「自分がまだ未成熟で何者かわからないから、それを探していく物語」
として進めていく路線もアリじゃないかと。
でも本編をみる限りでは、そういうのをメインに置くわけでもなく
・父親の離婚という不幸自慢
・オーケストラ部の名門校
・佐伯の衝撃告白 etc
原作者は「青野という人間をどう描くか」よりも、いろいろキャッチ―なパーツは
集めたもののそこに深みはなく「どうストーリーが見映えするか」という表面的な
描写にご執心なのかなっと。
>「人間」をしっかり描いていないから、主人公以下主要キャラが魅力的に見えず
結局この原作者がやってることは「人物描写」ではなく、「彼はこういうタイプの
人間です」という「レッテル張り」レベルにしか見えなかったんですよね。

>オーケストラ部の名門校
> 原田や羽鳥がもっと魅力的に描かれていれば作品の見え方も違っただろうに、
ここも追加で書くと
・ずっとヴァイオリンを続けていた佐伯より、ブランクのあった青野の方が評価が上
 (一応青野の努力している描写もあるが、表面的でなんか軽い)
・2年のトップがダンス部と兼部のチャラい羽鳥(しかも1年に簡単に負ける)
で、名門校の威厳や演奏家の厳しさがまるで感じられないんですよね。
そして原田も凄いコンマスらしいのですが、人物描写が甘いので説明セリフメイン
で無理やり持ち上げている感じで、コンマスなんて知らなった私に一発でコンマス
の価値を理解させた「のだめ:カイ・ドゥーン」の描写とは雲泥の差だったなと。

それにストーリー構成のチグハグさも追記すると、通常2クールアニメなら
・1クール目は丁寧な下準備をして
・2クール目に入った辺りからメインテーマを解放して一気に面白くみせていく
という感じなのですが、
・1クール目で下準備ができていない
 → 中学編の導入部はよかったが、それ以降は秋音と小桜の掘り下げが始まった
   り(それが後の展開の面白さに繋がるなら理解できるが単発で終わった感じ)
   上述の通りいろいろサボってるって感じで、漠然と部活の様を見せられてい
   るだけ
・2クール目のここからというところで
 → 青野のお母さんが倒れた
 → 佐伯の衝撃の告白
 で、話の腰を折るという・・・
 しかも、佐伯の衝撃の告白はかなり重い話で、もっとここで深堀してもいいとこ
 ろだが、結局中途半端で終わり。
 これなら「部活の方針等で大喧嘩して本音をぶつけ合って分かり合えた」という
 展開とどう違うのって感じなんですよね。
 せっかく意味深な爆弾ぶち込んだなら、それをしっかりと活かせよと。
 なので、大事なタイミングでこんな話をぶち込んでくるから「この作品は一体何
 をやりたいんだ?」という評価になっちゃうんですよね。
・で、こんなことをしているから、物語的には「定期演奏会」までしか進まず
 → 定期演奏会前に長い原田らの思い出語り
   これで演奏会は演奏に集中するのかと思いきや
   演奏中にも更に思い出のフラッシュバックって、感動の押し売り演出がウザい
 しかもここに原田→羽鳥への厳しい言葉とか、ホンマ意味分からん。
 これどのタイミングで言ってたんや?!それにより物語の整合性が・・・

>上っ面をなぞったようなストーリー
こんな感じで個人的には褒められる部分がほとんどないって感じなんですよね。
しかも2クール使ってこれだと弁解の余地はないかなっと。
(エピソードは進むも、こちらに積み上がってくるものがないという・・・)
唯一評価できるとしたら
>終盤で「自分の音楽の源流には父親がいる」と感じる描写が増え
「人間としては最低だが、音楽家としては認めることができる」という流れが2期に
みられれば、青野の成長として本作の意義も少しは出てくるのかなっと。
それ以外は「『青のオーケストラ』という作品を観てワクワクする」が皆無って感じ
で、私には全く合わない作品だったかなっと。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

最終回の演奏の見せ方がこの作品を象徴している。

「新世界より」を新たな高校生活に仮託して、演奏時に想いを馳せるというのは、誰でも思いつく展開だよなあ、と思っていたので意外ではありませんでした。つまり、普通の終わり方でした。

 最終回なので、演奏にモノローグを乗せるのは邪魔ですけど、そうしないと物語にならないのは理解します。
 しかし、「のだめカンタービレ」でこの演奏の時間が終わってしまうのが残念だ、というモノローグそのままじゃないですか。それまでのドラマが個人的でオーケストラとしてのストーリーが弱い分、そのモノローグには違和感がありました。このオーケストラにそんなに思い入れするほど何かあったかなあ?と。

 で、第4楽章は黙って聞かせてほしかったなあ…せめて心情のモノローグかカットイン程度に留めて欲しかった。この辺はやはり「響け!ユーフォニアム」の1期最終回の見せ方を見習ってほしかったです。

 で、指揮者のドヤ顔。このドラマの最後の演奏で最後はそのクローズアップが正しいの?誰の物語?指揮者の物語?まあ、いい演奏ができたという表現なんだとは思いますが…

 原作はどうか知りませんが、やはり音楽アニメとしてCGを含めて、演奏の見せ方に不満が残る作品でした。

 さて作品です。部活ものとしては苦難がないとドラマにはならないでしょう。が、あまりにも苦労の作り方が、家族とか場外なんですよね…音楽に対する情熱とか、オーケストラ=いろんなパート、いろんな人がいて、その調和というドラマが必要だったのでは?指揮者の教師が強すぎて、その辺があいまいだったですね。

 楽器にそれぞれのキャラの意味性をのっけるようなキャラ付けでもないし…題名の「オーケストラ」に何を感じればいいのか全く分からないということと同様、最終回の演奏で何が言いたいのかさっぱりわかりませんでした。

 まあ、あまり深く入り込んでみていたわけでは無いので、これくらいで。演奏楽しみにしていましたが、本作に対する不満と同レベルで演奏の見せ方に不満は大きかったです。
 音楽の評価は5でしたが、最終回の不満の分、マイナス1で4とします。




以下、視聴時のレビューです。

4話 型通りの平凡な音楽もの。普通に面白いです。CGは気持ち悪い。

{netabare}  4話まで視聴。肝心の音楽が本格的に始まったらレビューしようとおもってたらここまで来てしまいました。
 音楽の漫画・アニメってなんで親との確執がいるんでしょうね?四月は君の嘘、ユーフォのあすか先輩、ましろの音…はおじいさんでしたっけ?のだめのイケメンもそうでしたっけ?何となく導入の雰囲気も似ています。
 音楽ものって、スポコン構造になるから型がきまるんでしょうか。男女混成になる分、恋愛要素も取り入れやすいし、病的な性格や家庭問題とも芸術との兼ね合いで絡みやすいのもあるでしょう。

 つまり型があるので、音楽の漫画・アニメって導入はみんなそこそこ面白いんですよね。そして本作も例外ではなく、導入はなかなか面白いです。この先がライバルとの切磋琢磨だけなら凡百な作品になるでしょうけど。話の雰囲気的に主要登場人物の音楽と家庭・性格の問題をクローズアップして解決するのでしょうか。

 要するに今のところ意外性はないですけど、普通に面白いです。できれば2クールで…といいたいですけど、無理かなあ。NHKならワンチャンあり?よくわかりません。

 で、アニメなんですけど、普通のパートはまったく問題なく見られていたんですけど、オーケストラのCGはなんとかしてほしい。あれは駄目でしょう。一番肝心の部分ですからね。

 あと海幕高校って海浜幕張の幕張総合高校がモデル?だとすると俺ガイルの稲毛高校の近くの意識高い彼のいる高校と同じ高校…かな?{/netabare}


5話 断念時のレビュー。

{netabare}  すみません。話がどうこう言う前にCGが生理的に無理です。不気味の谷の底っていう感じです。オーケストラならまだそういうものだと思って我慢しましたが、メインキャラの単独の演奏であれじゃあ…せめてOPぐらいの出来なら…秋音律子とか可愛くつくってるじゃないですか…

 まあ、もうしょうがないですね。NHKが技術協力したんでしょうか?話ではないので原作者さんのせいではありません。ただ、今週の展開でかなり平凡感はありましたけど。

 これから先、CGやめて止め画…いやイラストボードにしたらいいのでは?演奏がよければそれだけで一つの作品になりますよ?
 浅い回の断念は通常評価はデフォルトにしますが、作画だけかなり低めに付けさせてもらいます。{/netabare}


12話 追記です。「新世界より」やるのかあ…音楽だけ聴こうかなあ…

{netabare} Dアニメの12話のあらすじで「新世界より」の文字が。「新世界より」は私のもっとも好きな音楽です。生まれて初めて買ったクラッシックがこれと「くるみ割り人形」だったなあ。両方ともカラヤンです。
 高校生の頃は夏の夕方とかに聞くのが大好きでした。今でも年に10回くらいは通しで聞くくらい好きです。

 音楽「だけ」はこの作品いいので、ひょっとしたらそこだけは見るかもしれません。しかも第3楽章をクローズアップしてるみたいです。いいですねえ。バイオリンソロの主旋律も。
「響け!ユーフォニアム」では麗奈が第2楽章をやってました。あれはペットの響きがカッコいいので、そういう選曲はさすがです。
 そして「新世界より」は、高校生くらいが一番憧れる曲なのかもしれません。なんか、分かりやすいです。映画音楽みたいでカッコいいし。

 なお、ついでに話をポツポツと拾いましたが、話進んでねー…断念して良かったかも。というか、皆さんのレビュー読ませてもらいましたが、レビューもあまり進んでいない気が…{/netabare}

14話の前半の練習は良かった。音楽がいいとCGは(多少)許せました。

{netabare}  あとで音楽集は出してほしいですが「新世界より」第1楽章の練習を聞かされるとちょっと鳥肌でした。風邪をひいてしまうのではと言うくらいゾクゾクしました。

 何気にですけど、後半の第3楽章のバイオリンの練習もああいう形で聞くことがないので、良かったです。ただ、音楽の時間が短すぎです。もっともっと聞きたいです。

 この作品、オーケストラに青春をかける的なドラマとしては、残念ながらあまり琴線にはふれませんでしたが、音楽はいいですねえ…といっても、私、中学生の演奏だとしても好きな曲なら感動してしまう程度の耳なので、偉そうなことは言えませんが、14話の練習風景は非常に良かったです。

 CG受け入れるので、音楽パートをもっと下さい。

 なお、断念した、にしてますが、お話は多少追ってますが、ほぼ見てないので。音楽はしっかり聴かせてもらいます。 {/netabare}



23話 「新世界より」を演奏するということで毎週チェックしてきましたが、音楽を描きたい作品なんでしょうか?

{netabare} 例えばふざけているように見える「のだめカンタービレ」が名作なのは、才能とオリジナリティ、練習環境、師匠と弟子、恋愛と表現、演奏会とは?音楽大学とは?そういったものが丁寧に描かれていて、音楽とヒューマンドラマが相互に絡み合っていました。

「響け!ユーフォニアム」になると、スポコンものっぽく、多少「音楽の練習、表現論」と言う点で物足りなさはあるものの、モチベーション、定期演奏会に対する取り組み方、自分を確立するような表現があって、それを上手くブラスバンドの部活と絡めて表現していました。
(1期だけの評価。2期は本作と同じ。ヒューマンドラマ化しました)

 さて、本作です。本当に音楽が描きたくて描かれていますか?と聞きたくなります。前半でこそソロのうまさとファーストバイオリンの違いみたいなところはありましたけど、それだけだしなあ。
 父親の関係がどうのこうのとかなんかホームドラマで良くね?という話です。

 その姿勢はアニメを見ていると感じられますが、フルの演奏がほとんどありません。上にあげた2作と比較して極端に演奏シーンが少なくないでしょうか?そもそもCGが噴飯ものですけど。つまり、演奏をマンガ・アニメ表現として見せたいと思っていないということです。

 たまたま私が「新世界より」が好きだったので、楽しみにしていましたけど、出てくる音楽が「くるみ割り人形」に「四季」に「カルメン」って…まあ、好きなんですけどあまりにメジャー中のメジャーです。これでは原作者が交響曲を愛していると思えませんし、生演奏を楽しんでいる人の作品ではない気がします。しかも、2クールのアニメでフルで演奏見せないとかありえないでしょう?1クールのユーフォですらあれだけ音楽に尺使ったのに…

 マンガ作品ですから、すべてにおいて経験や愛着が必要ではありません。脳みそで舞台設定をしてテーマを決めて描けるのがマンガのいいところです。ですけど、この作品からは何か「このテーマのマンガが書きたいという」熱いものが伝わってきません。つまり取材不足か音楽への興味が薄いのか。原作者の熱量がヒューマンドラマに向かってしまっている気がします。要するにBLに見えます。
 しかもそのドラマが薄いというか…この程度のドラマなら1クールで結末つけてよ…と言いたい感じです。音楽が上手くなるのが要するにメンタルの問題に帰結しているだけだし。

 新世界よりは全部で46分くらいだと思いますので、2話で全部演奏してほしい。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

青臭い心の振動が響いてくる

一度はバイオリンを辞めた元・天才少年は、高校でオーケストラ部で再び演奏し始める。
そこで心を通わせる中で生じる様々な葛藤や成長を描く同名青春群像コミック(未読)のNHK Eテレ連続テレビアニメ化作品の1期目(全24話)


【物語 3.5点】
シナリオのバランスとしては音楽作品で青春しているというより、
青春している少年少女が音楽やってる。
そこを割り切れた視聴者などとだけキャッチボールが成立する、ハマるゾーンが狭い青春アニメ。
私は割り切れたので、また岸 誠二監督、構成・柿原 優子氏の『月がきれい』タッグは波長が合うのか、結構、満足度は高め。


序盤から主人公・青野一(はじめ)の中学時代から掘り下げ、海幕高校オケ部のエピソードが始まるのは3話から。
深掘りすると決めたキャラ回では主人公以外でも例えば{netabare} 律子やハルが経験した中学時代のイジメとトラウマ{/netabare} など、
演奏は二の次にして思春期の心の揺れ動きにフォーカスし続ける。

音楽アニメとして期待したら青春エピソードが重た過ぎて入り込めない可能性大ですし、
部活アニメとして期待しても、キャラ掘り下げに尺を使い過ぎて2クールかけて、3年生最後のとは言え定期演奏会1回終えるが精一杯。
コンクールはどうしたwとなりかねません。

大体、青野や佐伯の昼ドラ並みにドロドロな過去なんて、音楽アニメに必要なの?
と問われたら、必須ではないですよねと答えるしかないです(苦笑)

ただ必須じゃないんだけど、様々な青春を生きる少年たちが、
言葉にならない想いをぶつけられるのが音楽。
性格が違う者同士でも合奏すれば一つになれる。
だからクラシックは時代を越えて何度も奏でられる価値がある。

青春の中で音楽をどう位置づけるかの整理はできている作品だと思います。

終盤21話、{netabare} 野の父・龍仁{/netabare} によるバイオリンは振動が共鳴し音を出す楽器。
心にも振れ幅があればあるほどよりいっそう音は豊かになる。
この音楽観は作品のあり方やテーマも代弁していると言えるでしょう。

あの回は青野が部活の青春を通じて心を開いて来た成果が、
過去の捉え直しを通じて感じられる。
本作らしい主人公覚醒回として印象に残っています。


21話までは物語4.0点だったのですが、ラスト2回に亘る定演回が思ったよりグッと来なかったので3.5点に。

演奏会自体はタップリ尺が取られているのですが、合奏は群像回想劇等のBGMに使われる構成。
本作を青春アニメとして割り切っている私にとっては音楽を脇に回す構成そのものには不満はないです。

ただ、その回想等の内容がサイドストーリー感があるシーン多めで、感動が脇に分散した感じ。
{netabare} コンマス原田先輩に、お前自分に甘いだろ?と喝破された羽鳥{/netabare} の件など、中々の良シーンもあるにはありましたが。

せっかく尺を費やして衝突も繰り返して青春して来たのなら、
多少重複しても良いので、メインエピソードの熱量をダイレクトに伝える回想シーンをピックアップして欲しかったです。


私の心に一番響いた演奏シーンは、定演ではなく意外と8話のバッハ「G線上のアリア」だったり。
{netabare} 律子とハル。{/netabare} 心の傷を共有する者同士が、2話分の尺と言葉を尽くしてもなお言い表せない想いを月夜に向けて音色に乗せて響かせた。
青春作品で音楽をやる意義を感じたワンカットでした。


【作画 3.0点】
アニメーション制作・日本アニメーション

物議を醸した演奏シーンでのCG。
CG自体のクオリティは悪くはない。
むしろ大人数による息が合ったオーケストラの迫力を演出できる利点もありますし、
表情描写まで対応して好感できる部分もあります。

ただ途中まで手描きで演奏する人物を描いておいて、唐突にCGに変わるのには違和感を覚えます。
CGに切り替わる度に、視聴の集中が切れる。
それだったら、いっそ楽器持ってる人間は全部CGにしてと何度も思いました。

日常シーンでの作画カロリーの著しい低減具合から見るに演奏シーンまで手描きで行けるだけの作画兵力は恐らくない。
だからと言って、フルCGアニメにするだけの技術力があるとも思えない。
全体的に制作体制が脆弱だったのではと言わざるを得ません。


このままだと作画基準点割れは必至ですが、どうにか3.0点キープしたのは、
ブルーを強調した画面作りが、私の好物だったから。
校舎から、制服から、主題歌アニメーション、主人公の髪色、名字まで青尽くしの多幸感。
ブルーがCGへの切り替えで切れかけた私の集中力を繋いだ命綱でした。


【キャラ 4.0点】
天才バイオリニストの父との愛憎を抱える主人公・青野一。
ドイツからやって来た宿命のライバル・佐伯直。
多少言葉をぶつけ合っただけでは解決しない。本気で喧嘩しないと分かり合えない。
2人を筆頭に、1話分のキャラ回では処理しきれない豊富な設定量で
(一部視聴者を胃もたれさせつつw)
心で響かせる音楽を表現。

その設定量が、脇に至るまで敷き詰められている辺り、
本作が心を重視していることが伝わって来ます。
終盤、{netabare} 武田先生の柔道部時代からオケ部での青野父との青春{/netabare} まで掘り下げられたのには舌を巻きました。

私が地味に好きなのは秋音律子と立花静の関係性。
初心者に苛立つ経験者というよくあるギスギスの構図なのですが、
{netabare} 初心者・律子が中学時代に相容れない他者と衝突するばかりだった苦い経験を経て、
同じ轍を踏むまいと懐の深さと成長を見せる辺りが、{/netabare}
コクが深いカップリングだなと思います。


【声優 4.0点】
主人公・青野一役の千葉 翔也さん。
本作では時に声を荒らげて本音をぶつける熱い演技も交えて、
貧弱な作画ではカバーし切れない心の葛藤も好表現。

岸 誠二氏が共同監督を務めた『よう実』でも主演したチバショーならば観るというのが、私の主たる視聴動機に。

チバショーの相手になった佐伯直役の土屋 神葉さん。
序盤は繊細な美少年ボイス中心でしたが、以前主演した『ボールルーム~』でも熱情をぶつけて来た土屋さんとなら、
ライバル舌戦もヒートアップするに違いないとの期待も私の視聴を後押し。
そして、2人は期待通りの掛け合いで魅せてくれました。


【音楽 4.5点】
作中クラシック曲は洗足学園フィルハーモニー管弦楽団を基軸に、
キーキャラクターの演奏にはプロのバイオリン奏者も当てて再現。
その演奏で主人公や周囲の人生を翻弄した青野父の奏者には、米国の世界的奏者・ヒラリー・ハーン氏を招くなど、
奏者とキャラの格もグローバル規模で調整。

個人的にMVPだったのが初心者・秋音 律子の演奏を担当した山田 友里恵さん。
下手くそなんだけど、何か心を動かされる。青野も思わずまたバイオリン弾きたくなっちゃう。
このさじ加減が絶妙でした。


クラシックにはそれほど詳しくない私でも聞いたことある曲ばかりだったのが親しみやすかったです。
特にライバルとの決着を付ける曲などとしても頻出したドヴォルザーク「交響曲第9番『新世界より』」第3楽章は、
この夏の私の作業用BGMとしても重宝しました。


OP主題歌はNovelbright「Cantabile」
鬱屈から立ち上がる歌詞世界に合わせて、ストリングスもアレンジしながら高揚感を表現した良作青春ソング。

ED主題歌は「夕さりのカノン feat.『ユイカ』」
お笑いコンビ・霜降り明星の粗品さんが作詞・作曲を担当。
痛切さもあるOPとは対称的に楽しげなムードのED。
例え本編が修羅場でも、EDで音を楽しむと書いて音楽を感じられる貴重なひと時を提供。

ネタ作りに作曲と創作に貪欲なお笑い芸人のバイタリティーには圧倒されます。


【付記】
放送終了後、2期制作も発表。

メインキャラの過去の問題には概ね解決の道筋がついたと思われるので、続編はもう少し音楽、部活アニメ寄りにシフトするのでしょうか?
もっとも青野、律子、ハルのトライアングルに引火などしたらまた別でしょうがw
いずれにせよ続編視聴の機会があれば方向性を示すサインは見逃さないようにしたいです。

あとは作画兵力をもう少し増強していただければw

投稿 : 2025/03/01
♥ : 23

70.8 3 2023年度の部活アニメランキング3位
ツルネ ―つながりの一射―(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (85)
350人が棚に入れました
“自分”を探し続ける 弓の道

そこには 彼らの物語がある

想えば想うほど 憎しみに染まる心

求めれば求めるほど 喪われてゆく色

“自分”であり続けるために もがきながら進む

好きを見つめ続ける日々を 疑い 信じながら


さぁ 歩いて行こう

この道は

いつかの“自分”へ つながっている
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

よりいっそう道を極める弓道アニメ

1期劇場版に引き続き原作未読で視聴したTVアニメ版2期目。

【物語 4.0点】
桐先高校に続く新たなライバルとして、「斜面打ち起こし」の射形を貫く二階堂 永亮が率いる辻峰高校が登場。

「美しい射が当たるとは限らない。が、正しい射は大概美しい。」
いや、弓道は競技なんだし、当たれば良いんでしょ?ぶっ潰してやるよ。

団体戦の息合い、5人のリズムが掴めないと苦闘する風舞高校。
そんなもん、各々が自由奔放に射れば良いだけでしょう?

弓道とは“道”と言うが果たしてそうなのか?
二階堂や辻峰高校を続編展開のためのヒール役としてだけではなく、
前作で構築した弓道論に対する反証材料として有効活用し、
道としての弓道描写の探究を極めていく。

最終回、{netabare} 神事{/netabare} で締めくくるというのも本作らしいです。


ただ広義の美少年アニメ枠ということもあってか、
二階堂も、胸襟を開いてみれば、湊や愁への執着も純心から。
少年たちがピュア過ぎて、きれい過ぎると言いましょうか。
加えて神聖さすら感じる弓道の高尚さ。

毒沼恋しき捻くれ者の私にとっては、触れても浄化されて消滅しないように、
毎回視聴するタイミング、心理状態を選んで観る作品でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・京都アニメーション

前作で弓道描写を突き詰めて、まだやり足りないことがあった求道者・京アニ。
2期では回り込み撮影による、アングル開拓で弓道の静と動をさらに探究。(※1)
私は特に静の描写にグッと来ました。

日常シーンでは作画カロリーをセーブして一休みするカットもある本作。
ですが弓道の場面では人物が静止している場面ですら、その佇(たたず)まいから
少年たちが積み重ねて来た想いやら半生やらを感じて、心が動かされます。

背景では、登場人物の内心を暗示したかのような絵画群も芸術点が高いです。
個人的には辻峰の不破が二階堂のバイト先で、心に踏み込もうとする際に映る、
銀狼を手懐ける絵画などが、二人の関係性を示唆しているようで興味深いです。

スタッフ陣には画壇でも勝負できそうな猛者が揃っているようで。
動画でも静止画でも、アート性は頭ひとつ抜けてる印象です。


【キャラ 4.0点】
『~つながりの一射』ということもあってか登場人物間の様々な絡みが展開。
湊が風舞高校の5人と息合いの歯車が噛み合わなくなると、
その内に{netabare} 七緒と海斗{/netabare} がギクシャクしだす辺りに団体戦の難しさ、少年たちの繊細さが垣間見えます。

中盤以降キャラのつながりの輪は学校の枠を越えて拡大。
7話で{netabare} 愁と遼平{/netabare} が急接近したのは意外な組み合わせでした。
いつの間にか名前読みになっている二人に嫉妬する菅原兄弟が可愛らしいですw

新ライバル・辻峰高校・二階堂の核心に踏み込むに当って、
競技としての弓道の極みも体験し、道としての弓道も悟りつつあるマサさんと絡めていくのも上手かったです。
ただマサさんも良い事言うんですが素直に受け入れられない間で言葉を投げかけるのが何ともw
終盤、{netabare} 二階堂と風舞の静弥 が、マサさん嫌いで一致するの{/netabare} が面白いですw


ピュアな美少年たちを横目に風舞の女子部員3人は相変わらず豪胆。
今回は市民大会で団体戦もやったりと見せ場もありました。
特に妹尾梨可(せおりか)は異性にも同性にもモテモテですね。
{netabare} 辻峰の男・大田黒のアタック&玉砕。清々しかったですw{/netabare}


【声優 4.0点】
辻峰の二階堂役の福山 潤さん。
私怨含みの挑発的な口調で湊や愁に突っかかりシナリオを動かすヒール役を務めるが、完全にヘイトされる領域には踏み込まない感じ。
やがて可愛い一面も表現し、美少年アニメ枠の的は外さない巧みなコントロール。


藤原愁の妹・紗絵を演じた若山 詩音さん。
天然?と思うほどのマイペースを通してしまう気品を好表現。
東条役の森田 順平さんの落ち着いた執事の演技と合わせて、貴種っているんだなぁ~と溜息が出る。
自宅に弓道場があっても、アナログレコード回っていても違和感がない藤原家の上流ムードを演出。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は横山 克氏。
1期劇場版レビューにて私は2期はTVアニメ1期の富貴 晴美氏の方が良いんじゃないか?
と捻くれた願望を記しました。

近年の横山氏。パワーがあって良いBGMだけど、
動、動、動と感動を煽る感じになって、静と動が上手く切り替わらないのでは?との一抹の不安があったからなのですが、終わってみれば全くの杞憂でした。

メインテーマ「Tsurune-The Linking shot」から、
静寂のピアノに、ストリングスを重ねて躍動させていく、緩急で魅せてくれます。

思えば横山氏も昔『四月は君の嘘』劇伴でも緩急自在だったお方。
おみそれ致しました。


OP主題歌はラックライフが「℃」で続投。
バンドサウンドを重ねて、僕らのつながりを表現した爽やか青春ソング。

ED主題歌は丁「ヒトミナカ」
心情も情景も美しい、このバラードの歌詞で、毎回作品を綺麗に締めることができるのは、
瞳に映る景色まで描き切る作画による説得力があってこそ。


完全屋内施設となった全国大会。
グラウンドの端に立て掛けた畳に向かって射撃練習する辻峰高校弓道部。
多彩になったシチュエーションに合わせ“弦音”の素材も新規に収集、作成したとのことで。(※2)
音響もまた前作で極めた表現のさらに先を行っています。

「弓を引くその人の気持ちが音になる」
その音は確かに私の心を射抜いていきました。


【参考文献】
※1 Febri 特集 作りたかったのは「背中を押してくれる作品」『ツルネ -つながりの一射-』山村卓也監督インタビュー
※2 Febri 特集『ツルネ -つながりの一射-』 音響効果・倉橋裕宗が作る「その瞬間にふさわしい音」

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

十人十音

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
青春弓道アニメの2期。「流石、京アニ」という、安定したクオリティですね。

基本は、男子高校生の爽やかな青春と友情といった感じですが、同じく武道をやっている身からすると、武道としての要素もしっかりと描かれていて、充分に楽しめました。

三期も期待ですね!

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
特に感動したのは、4話目。

地方大会を機に、自らの射形を見失ってしまった湊が、自分と向き合い、乗り越えようと努力する話。

ゴム弓を命じられた後のカット。本来、必要とは思えない、野球部のノック。その打撃音がやけにリアルだった。

そこで、「ハッ」と思い、以降、音に注目しながら、作品を観ることにした。

すると、本作には様々な素晴らしい音があることに、後ればせながら気付いた。

ゴム弓の軋む音、スマホのマナーモードの音、雨粒が地面を叩く音、自販機から落ちる缶コーヒーの音、踏み切りの警告音、掃除機やタイピングの音、カップがひっくり返る音。

本作のタイトルは「弦音」だから、弓道に関わる音はこれまでも注目してきた。選手一人一人の「弦音」は全員違うし、的に当たる音も、一射ごとに変えていた。それは気付いていたけれど、ここまで、色んな音にこだわって作っていたとは気付かず、聞き流してきた自分を恥じた。

弓道は、武道の中では珍しく、対人競技ではない(他は、空手の型くらいかな?)。

だからこそ、「自分の型(射形)」を追求する武道であり、その「型」は、十人十色で良い。

弓道は、求道。自分の射を、どこまでも求め、己を高めていく個人的な武道。

と同時に、「息合い」。孤独になりがち競技だからこそ、他者と高め合ってい、世界を広げていくことが重視されていた。

息合いは、「生き合い」でもあるのだろう。音楽は、全く同じ音をいくつ重ねても、美しさは生まれない。異なる音同士が重なり、調和するからこそ美しいハーモニーが生まれる。

古来、「殺人」を目指してきた武道は、どの競技においても、「活人」に変わってきた歴史がある。弓道における「活人」の理想形を見られた気がする。

本作のテーマと、弓道の競技性、京アニの技術。

全てが調和し、美しいアニメを生み出していた。

本作のシナリオには、正直、特段の独創性や、天才的な展開があるわけではないと思う。わりと普遍的な(王道の)話を、弓道という珍しいテーマでやっているだけだと言われれば、そうかもしれない。

同じく京アニの「Free」と見比べれば、似てない要素を探す方が難しいとも言える。

ただし、京アニが、「Free」で一番こだわっていたのは、水中の作画シーンだと思う。「音」にこだわる本作とは、演出の方向性が違う。

私が思う京アニの凄さは、「原作の良さ(魅力)を見抜く目」にある。

例えるならば、モデルのスカウトが、「将来どんな顔に成長するか」や「化粧映えするか」「どんな服を着せたら似合うか」を見抜いた上で、事務所に所属させる、みたいな。

この原作の、どこを磨けば、どう光るのかを見抜く目が確実で、それをやりきるだけの技術力があるから、ハズレの作品が極めて少ない。

「けいおん」「ユーフォ」「小林さん」「エヴァガ」と、全て、方向性が違うが、全て名作である。

私はP.A.WORKSも大好きなのだが、あそこは逆に、得意なジャンルや作風が特化していて、そこにハマる原作やアニオリだとめっちゃ面白いけど、ハマらない時は、なかなかフルスイングで空振るからね(笑) まあ、それも含めて、私の二大好きな制作会社なんですがね(笑)

京アニには、これから先も、素晴らしい原作を見抜き、素晴らしい作品を創り続けてほしいと思います♪
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その歩みが“君”になる。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
第1期は全13話かと思っていましたが、wikiをググってみるとOVAで第14話が制作されていたとの事でした。
配信はされていないようなので、OVAを視聴するには円盤を購入するかレンタルするしか方法が無さそうです。

OVAの物語は第1期の続きらしいですが、京アニさんとして放送せずとも内容は繋がっていると判断されたのでしょう。
もちろん、機会があったら是非視聴したいですけれど…


“自分”を探し続ける 弓の道
そこには 彼らの物語がある

想えば想うほど 憎しみに染まる心
求めれば求めるほど 喪われてゆく色

“自分”であり続けるために 
好きを見つめ続ける日々を 疑い 信じながら


さぁ 歩いて行こう
この道は
いつかの“自分”へ つながっている


弓道における“勝ち”“負け”とは何か。
“あたる”と“あてる”の違いは何か。
数だけでは計れない問いに向き合う弓引きがいた。

風舞高校弓道部の鳴宮湊は県大会優勝を果たし、
日々の情熱を弓道だけに注いでいた。

ああ、やっぱり弓道が好きだ。
もっと引きたい。一本でも多く。


同じ頃、これまで無名だった辻峰高校弓道部が地方大会へ進出。
湊達の前に不敵な笑顔で立ちふさがったのは、
辻峰の実権を握る二階堂永亮。

俺はお前らを潰すために
弓道を続けてるんだ、みくびるなよ。

彼らの想いは射となって放たれる。
それぞれの射がぶつかる時、
まだ誰も知らない、答えが生まれる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

流石京アニさんブランドといったところでしょうか…
京アニさんと言えば、あの事故の事がどうしても頭をよぎってしまいます。
きっとそれは京アニさんで働くスタッフの方々も一緒だと思います。
傷だって全然癒えていないし、あの日の事を忘れたことはきっと一日だって無いと思います。

でも、ずっとそこで蹲っていては前に進めません。
だから私たちは全部背負って前に進もう…

凛とした佇まいや所作と、京アニさんらしさ溢れる緻密な仕草…
あくまで個人的な見解ですが、そんな気持ちをこの作品の中で見た気がします。

一方、物語の方は全国大会までと全国大会での活躍の様がキッチリ描かれていました。
もちろん、メッチャ見応えありましたよ。
私もジャンルは異なりますが、学生時代に団体戦で大会に出場したことがあります。
もうだいぶ経つと言うのに、あの時の緊張や感動はまだ身体が覚えているんですね。

弓道なので、キャラが画面所狭しと動き回る作品では無く、基本的に静です。
この静と静を打ち破る動の描き方は流石京アニさんとしか言い様がありません。
こういう作品を本当に「良い作品」と言うんでしょうね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ラックライフさんによる「℃」
エンディングテーマは、丁さんによる「ヒトミナカ」

1クール全13話の物語でした。
しっかり堪能させて頂きました。
次の京アニさんの作品の視聴を楽しみにしています!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8

72.2 4 2023年度の部活アニメランキング4位
君は放課後インソムニア(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (204)
637人が棚に入れました
「曲がいると、学校に行きたいと思う。これってどんな関係なんだろう。」 不眠症に悩む高校生・中身丸太は、文化祭の準備を抜け出して入った物置になっている天文台で同じく不眠症の曲伊咲と出会う。二人は秘密の場所を共有することになり...? 青春漫画の旗手・オジロマコトの原作を、若手スタッフ陣がアニメ化。 <あなたの眠れない夜にも、きっと意味がある――>
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ストーリ-ではない。思春期純愛ポエムであり生々しいリビドーの表出でもある。

 23年11月再評価です。23年春に見たときは、評価は4.1にしながらヒロインの○○設定が気に入らず、それでドラマを作るのは安易だろう?と思い一応全部みてましたが「断念」としていました。
 また、天文や天体観測に対する造形の浅さで単にギミック・モチーフにしてしまっているのが奥行としてどうよ?というのにも反発がありました。

 ただ、23年のラブコメをもう一度振り返っているのですが、この原作者って「富士山さん」の人だったんですね。なるほど…と思いました。何が言いたいかというと、この人は「ポエム」の人です。つまり思春期の恋愛を心情を映像で表したいという感じの人です。

 そうなると「インソムニア」は、天文というより「天体観測」「夜空」なにより「2人だけの夜の空間」そして重要なことですが「純愛・プラトニック」という要素…というより気持ちを、描きたい衝動のまま表現した作品なのかもしれません。
 つまり、ストーリーどころかエピソードすら比較的どうでもよく、そういう気分や雰囲気を絵にした結果出来上がっている作品なのでしょう。

 この原作者はアダルトコミックも書いているし、ミヒロさんというAV女優の自伝のような作画もしています。気が付くのは確かに線や造形を見ると同一人物の痕跡はあるのですが、絵柄はガラリと違います。
 それでも「富士山さん」にも「インソムニア」の原作にも特にヒロインの肉体には生々しい質感があります。そう…絵柄が写実的でなくなった分より生々しくなっています。

 この人のもともとのモチベーションは、女子の肉体または場面を描きたい人なのかなと思います。冬の場面も結構長いしので身体そのものより女子をいろんな形で切り取りたいだけなのかもしれません。視線の人ですね。
「富士山さん」もそんな感じでした。原作者はどうやら女性のようですので、その女子を描く原動力にどんなリビドーがあるのかはわかりません。
 つまり、女子の内面にある女子に対する歪んだリビドー…それが憧れなのか劣等感なのか願望なのか、しかしそういう性的な内面を昇華した、あるいはよりエロくしたものを形にしたのが本作なのかな、と思います。

 そこに生命…タナトス問題が入って来て、宇宙ですから生命そのものに内在するドロドロした欲望がこういうポエムになったのかな?という気がします。

 その点で「明日ちゃんのセーラー服」と似ていますが、あちらは男の欲望、視線が露骨な分、本作の正反対とも言えます。

 ちょっとネットで話題になったようですが、設定の天文部の2人のストーリーって借り物らしいですね。なるほど、そこに何かこの作者は純愛とそこから先の何かを見たんでしょう。ヒロインの○○設定はそうなると重い話というより設定だけの気もします。

 まあ、アニメとしてはラブコメだと思いますので、その点でこのレビューはどうかとも思いましたが、作画の良さとヒロインの肉感は表現していたと思いますので、このレビューでいいと思います。

 ということで、うーん。ストーリーは過大評価でした。4を3.5にします。その代わりキャラ、特にヒロインと主人公の関係性はなんとなく納得がいったので4を4.5に変更。トータルで4.1のままにしておきます。



以下、1回目視聴時のレビューです。


12話 インソムニアと天文で話を作って欲しかった。

{netabare}  9話の水着回の胸の傷跡と、1話の病気云々の話で、病気が絡んでくるんだろうな、と思って休止中…と言いつつ結局見てます。つまり、気になるし、出来が悪い訳でないです。

 ただ「4月は君の嘘」のトラウマがあって、病気で感動を作る話に反発を覚えます。「ヴァイオレットエバーガーデン」の劇場版も同様です。「君膵」は始めから病気だと題名で言っているので覚悟して見ているし、その結末を相対化する仕掛けがあったので、非常に評価が高いです。
 が、本作の行く末が、たとえ死という結末じゃないにせよ、ちょっとヒロインを病気にした時点で見たくないという気分になりました。

 ヒロインの性格が奔放なのは「死への達観」なのかもしれませんが、やはり男の側に立った時の気持ちを考えると、病気を持ち出されるとどうしても辛くて見てられなくなります。ヒロイン側にその点で葛藤がなく、素直に愛情を表現できるとやはり反発を覚えます。
(とはいえ「4月は君の嘘で」ヒロインが結局告白しないのがイラつきましたけど)

 姉の回想によると他人との距離感を保つようになったのに、主人公にだけは特別…みたいなことなのかわかりませんけどね。ラブストーリーに関しては上手くできているので、ヒロインの病気でいつ死ぬかわからないという葛藤とかその辺はさすがに表現されてますし、今後何かがあるんでしょうけど…うーん。

 作品それ自体は、インソムニアという症状と天文部という隠れ家に、2人で潜んで昼寝をする。という「共犯」関係から、恋愛に発展するというのは悪くないと思いし、そういう設定の部分をとっぱらって考えると、ラブストーリーとして自然で悪くはないと思います。

 天文について恐らく原作者は興味ないだろうな、というのが透けて見える部分に反発は覚えますが、舞台づくりとしては機能したのかなあと思います。

 作画、画づくりは素晴らしいですね。非常に丁寧で奇麗に作られています。キャラデザも押しつけがましい萌えじゃなくて、好感がもてます。

 それだけに、天文部室と眠れない病気という設定を組み合わせて、そこだけで物語が作れなかったかなあ、と思う次第ですがどうでしょうか。

 12話まで見ているクセに何言ってるの感はありますが、気分的に「断念した」にしておきます。{/netabare}





1話 女性原作らしいキャラと展開と恋愛…胸キュンします。

{netabare}1話 見た瞬間に女性原作だとわかるキャラデザと雰囲気ですね。調べるとやはり女性みたいです。前情報はゼロです。このマンガの存在すらしりませんでした。あらすじの天文部という言葉に惹かれて視聴しました。

 ヒロインが可愛いくて悶えてしまいます。ボーイミーツガールとしては不自然な展開なのに、ちょっと強引なヒロインの魅力でグイグイきます。そして天文部。いいですね。夜と相性がいい部活です。浪漫を感じます。胸がキュンキュンしてしまいます。

 とにかくキャラ造形から舞台設定、展開が素晴らしいです。アニメも奇麗に作ってあるし、これはいいですね。入院という不穏な言葉が話に絡まなければいいのですが、どうでしょう。女性作家はその辺容赦ない場合がありますので、心配です。

 やっぱり恋愛ものは女性作家ですね。超期待枠です。

 なお「よふかしのうた」との類似性を感じますが、3ヶ月差でこちらの方が早いです。そして、普通3ヶ月で新連載が用意できるとも思えないので、シンクロニシティでしょうか。ビックリするくらいの相似ですが、時代の気分として昼の学校では心を閉ざす本当の自分は夜…みたいな感覚が共通なのかもしれません。{/netabare}


8話 作者は天文に多分興味はなく、雰囲気だけな気がします。また、不眠症設定が活かせてるでしょうか?そこはこれからでしょうけど。

{netabare} なるほど、ヒロインの不眠の原因はわかりました。1話で不穏な感じが嫌でしたがどうなんでしょう。セリフでは大したこと無いような感じですが…女性作家って時々突然なんちゃって病でやっちゃいますからね。アニメの範囲であるかわかりませんけど、やっぱり不穏な感じが嫌な作品ではあります。

 2人の距離感が徐々に接近して行きながら、ちょっとしたエピソードを重ねてのは面白くはあります。が、思ってたほどインソムニアというか夜の世界の物語が活きている感じがありません。

 また、天文活動も多分素人っぽいですね。星にもギリシア神話等にも興味があるような描き方ではなく、単に雰囲気でしかない感じです。
 天文好きが天体観測に行って料理をするとも思えませんし、なにより臨海学校の天文写真です。2時間露光でああいう写真をとるなら、自動追尾の赤道儀がないと撮れません。2時間露光していれば、30度分星が動くので星の光が線になります(手動ならづっとカメラのそばにいないと駄目だし)。

 花火と天文を絡めるのも天文好きからすると???ですし。

 そういうところを見るとインソムニア設定や天文部設定が活かしきれておらず、単なる青春ラブコメの設定でしかない感じで期待外れはありました。

 それと1話の後半のヒロインのちょっと大胆な服装もキャラ付けとして結局意味がわかりませんでした。病気の人間の何か生きるとこと、死へ恐怖みたいなものがヒロインの言動に見えてくれば、もっと深く入れるのに、と思います。

 ということで、思っていたよりも普通なラブコメでした。期待値マックスだった1話に対して、その後がどうも…今後はヒロインの病気設定と主人公の原因が絡んで、どこまで魅せられるか、ですね。

ただし、病気を人質にして、感動を作ろうと思うならあまり期待できません。本音を言えば病気とは関係ないところの感動を産み出してほしいなあ。{/netabare}


9話 ヒロインの水着の着替えのシーンから言って、展開はまあそういうことかあ…それだけは避けて欲しかった。

 水着の着替えのシーンの傷跡と、ずっとTシャツ着てますもんね。要するに手術痕ですよね?クリエータがこれだけ分かりやすく描いているということは、そこが今後のテーマなんでしょう。

 面白くないわけではないですが、病気で感動を作るのは、もういいです。同じ病気ならインソムニアを出した意味と夜の世界、つまり天文での感動が欲しかったです。ただ、作者はそこに興味ないみたいです。

 病気展開でがっかりするくらいなら辞めておきます。一旦休止で。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 20
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

星の種族の秘密の小部屋、ナンバーは「C、N、N、+1」

●フラグ

【星の種族】の物語ですから、方向性は概ね決まったようなものであります。

当方としましては坦々と「彼らの」裏設定が機能してることを明確に示すだけであります。

一番重要なのは因果律の解明でありますが、物語が美しいならなお良しということになるでしょう。


●【偶像】の病

「満天に輝く星空」のように美しい物語は、理想的でしょうか?

{netabare}流星群の塵くず、花火、夢の中の光景。
望めば「※願い」は叶います。

七つの橋渡も既に叶ったようであります。

安眠は安らぎであり、静寂の時は訪れます。

半分の鼓動は半分の幸せを意味するのでしょうか?
それとも幸せとは相対的なものなのでしょうか?

「※願え」ばなんでも叶うなら人は「※願い」
「※願わずには」いられなくなるでしょう。

「※願う」幸せ「叶う」幸せ。
「※願いが叶い」幸せになったなら人はそれ以上願わなくなるでしょう。

「※願い」とは熱病みたいな一夜の夢なのかもしれません。

なすべきことはなすべきなのであります。
その一方で人は星に「※願い」ます。

人が星に「※願う」のは、それがなすべきことではないと知っているからなのかもしれません。

人は「※願い」通りにはいかない人生を生きます。
「※願い」通りではない人生だとしても意味がないわけではないでしょう。


「※願い事」の結末がどのような形で示されるか注目していきたいと思います。{/netabare}



●「※願い」の代償は高くつく?

「3221」の数字の中に【スカル&ボーンズ】のナンバーが含まれているのが伏線であったようです。

{netabare} 「骸骨団」でありますから、フラグの意味も自ずと見えてくるでしょう。{/netabare}



夜更かしの種族には、吸血鬼や黒蜥蜴星人、はたまたネクロマンサーや水星の魔女、
そしてプラネタリアンがいるのでしょう。

彼らは恐らく「星の種族」であります。

織姫と彦星が夜明けの晩に出会ったように、彼らも出会うべくして出会うのでありましょう。

さてあなたは、星空にロマンスを求めますか?

少なくとも当方は星に願いを託しません。
未来世界の月旅行にも行く気がありません。

それでも星の種族が出会って行き交う物語に興味ないわけではありません。

主人公とヒロイン、双方さっぱりした感じのキャラでありますが、特にヒロインのさっぱり感が
いい具合で、それに加えて作品の雰囲気も登場キャラにマッチしているような感じで、
雰囲気アニメとしては率直に好感度が持てるように思います。

本作最大の見どころは星空よりも、私服に着替えた「彼女」の姿と言うべきかもしれません。

私服に着替えヒロインの正体は、もしかしたらヴィジュアルクイーンと呼ぶべき
スーパーセレブだったりするのかもしれないですが、
その一方で当方は花より団子でありまして、求めるものは
ロマンティックな天体観測よりも「星の種族」の生態観測だったりします。

本作のヒロインもお約束の「アホ毛」ホルダーでありますから、
当然の如くそれの持つ意味について深堀する次第にございます。


【フェニキア人】は「海賊」の種族であり、{netabare}「星の種族」でありました。
【フェニキア人】はその野蛮さと残忍性により忌み嫌われ、土地を追われるようにして
北へ北へと新天地を求め海を徘徊するのであります。

【フェニキア人】と同じく【バアル神】崇拝に改宗したユダヤ人の「ダン族」も
これと運命を共にし、やがて北欧に生息する【ケルト民族】と融合を果たし
【フェニキア人】、「ダン族」、【ケルト人】の混血の種族が誕生するのであります。

鶴と亀が出会ったようにして【フェニキア人】と【ケルト人】が出会ったのは、とても重要な
意味があるのですが、今はざっくり海賊の種族がどこまで行きついたかを先に申し上げましょう。

混血の末裔は長い年月を経て遂にアメリカ大陸にまで行き着いたのであります。

ローマ帝国に海上貿易拠点群を滅ぼされ土地を追われるようにして行き着いた
北方の地より再び世界に向けて航海の旅に出たというわけであります。

これはまるで「ヴィンランド・サガ」であり「Dr.ストーン」の海賊キャラみたいでも
ありますが、そもそも海賊の元ネタが【フェニキア人】でありますから、
「みたい」というよりは「ワンピース」にしてもむしろ【フェニキア人】の末裔
そのものを描いている言う方が適切なのであります。

海賊と言えば「キャプテンハーロック」でもお馴染みの「髑髏の旗」でありますが
この髑髏がトレードマークである秘密結社が【スカル&ボーンズ】であります。

【スカル&ボーンズ】=【骸骨団】は米国イエール大学に所在する秘密結社であり
ブッシュ大統領親子などが所属しておりました。

この秘密結社があった部屋の扉には「322」の数字が記されておりました。
「322」は「CNN」と変換されるという話であります。

「C」はアルファベット3番目なので「3」になり
「N」は反転させると「Z」ですが、「Z」=「2」なので
「CNN」=「322」となるとのことであります。

「322」とはどのような意味がある数字なのでしょうか?
その答えを握るのが海賊の種族である【フェニキア人】であるわけであります。

「322」というのは「聖書」=「創世記」の「3」章「22」節を意味します。
創世記3章22節には何が記されていたのでしょうか?

その箇所ではアダムとエバが「蛇」に誘惑され
【禁断の果実】を食べてしまうシーンが記されております。

「蛇」は【サタン】=【反逆者】であり、【堕天使ルシファー】であります。

人類の祖先たる「アダム」と「エバ」が【禁断の果実】=「知恵の実」を食べて、知恵を得た
ということでそれは即ち、今まで見えなかったものが見えたので「目が開けた」ということ
でありまして、このように神の叡智を知り悟りを開いたような状態を【プロビデンスの目】
を用いて表現するわけであります。

創造主の言いつけを破り【禁断の果実】をうっかり食べてしまったことを「堕落」とし
反逆と肉欲の罪=「原罪」を負ったが故に【エデン】を追放されたという解釈がある一方で
【禁断の果実】により「目」が開けたことを【光の天使】による「祝福」を受けたとして
楽園追放を好意的に捉える真逆の解釈も存在します。

「322」の数字に特別な意味合いがあるとする【スカル&ボーンズ】は
当然後者の解釈の立場をとり、【光の天使】の祝福を好意的に捉えるわけであります。

「【光の天使】の祝福を受けたもの」を【イルミナティ】と言いまして、【フリーメイソン】の
中枢に潜り込み組織を操る輩が【イルミナティ】であると言われております。

「光」は「イルミネーション」でありまして、「光で照らされたもの」が【イルミナティ】であります。

学校の教科書に書いてある「啓蒙思想」の「啓蒙」とは「闇を光で照らす」という意味であり
「啓蒙思想家」と言えば【イルミナティ】ということになります。

近代市民革命を起こしたのは【イルミナティ】という名の合理主義者であり、
ロックやルソーなどの偉い先生方も【イルミナティ】であり、ロベスピエールも
そして恐らくギロチン開発者もみんな【イルミナティ】というオチになります。

【イルミナティ】をわかりやすく言うと【ルシファー】崇拝の信者たちということになります。

【ルシファー】は【堕天使】でありますから【悪魔族】であり、【デーモン族】であります。
【デーモン族】=【鬼神族】なので【鬼神バアル】と【堕天使ルシファー】は
同じ種族ということになります。

ということで【ルシファー信者】も【バアル信者】も【イルミナティ】ということになり、
「星の種族」も【イルミナティ】という結論になります。

【イルミナティ】は「光」信者なので光り輝く「星」が好きということになります。

1話でヒロインが自身の掌に書いた「それ」は、主人公の掌に転写され数字が記されます。

鍵を開ける秘密のその数字は「1223」の逆転したものであります。
逆転の数字なので逆から見ると「322+1」=「CNN+1」となります。
322は「3章22節」のことでありますが「1」はたし算のための数字であります。

3+2+2+1=8
【8】は【8芒星】を暗示しますが、【8芒星】は【金星】を表します。
【金星】は【女神】と【光の天使ルシフェル】を意味する星であり、
【女神アシュタルト】は【鬼神バアル】の妻であり、やはり【デーモン族】と
【堕天使】に繋がります。

「逆転写」の秘密の数字は「逆転の発想」でであるので【グノーシス主義】と解釈できます。

【サタン】は【反逆者】であり、これも【グノーシス主義】と結びつきます。

夜更かし女子であるヒロインの「アホ毛」は「【鬼】の角」を表していますので、
星の種族【フェニキア人】と逆転写の数字とすべてが繋がるという話でございます。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 1
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

星空を眺めたくなります★彡

[見終わって・・]※各話の感想は下にあります
こういう硬派で真面目な感じのアニメって意外とあんまりないですよね。
健全なイチャイチャも微笑ましかったし、二人の心情も丁寧に描かれてて、静かにココロに沁みてきました。
白丸先輩や顧問の倉敷先生、友人の受川、蟹川、穴水、野々さんなど、まわりの人たちもキャラがいい感じに立ってて、みんなでイベントを頑張ったり、わいわい楽しく打ち合わせをしてたりしてるシーンも良かったです。
先日、原作に手を出して、最新刊の13巻まで読みました。
アニメは6巻くらいまでなんですけど、終盤の展開が{netabare}アニオリになってて、最後思い出の映像ダイジェストでまとめてたりしてるので、{/netabare}もしかするとこれで完結なのかも。。
とはいえ、この後の展開も個人的にはすごく良かったので、2期やってくれると嬉しいです!!

[初回感想]
石川県の七尾高校の生徒で不眠症に悩む中見丸太(なかみがんた)と曲伊咲(まがりいさき)が出合う青春ドラマ。

原作はビッグコミックスピリッツ連載中みたいですが未読です。

私自身は寝つきが良いほうだし睡眠時間は最低6時間は寝ないとダメな人なので、眠れない人の大変さや悩みはよくわからないかもですけど、PV見たときから雰囲気が良さげで気になっていた作品でした。

なんとなく雰囲気はNHKドラマっぽい硬派な感じ。キャラ絵もかな。
劇中に流れてる曲も静かだけど場面に寄り添ってるような。
この雰囲気好きかもです♡

同じクラスってだけで全然接点のなかった二人が、共通の悩みをきっかけに知り合う展開。
二人だけの秘密の隠れ家、秘密の夜のお楽しみ会・・
そこでは素直な気持ちになれて、なんでも話せるような気がして・・
そんな、素敵な青春ドラマになるような気がします。

隠れ家が天文部ってとこも素敵。
3話で新キャラも登場して、今後の天文部の活動も楽しみです♪

aikoのOP「いつ逢えたら」めっちゃいいです♬
この作品の雰囲気にぴったりですね。

2話「猫の目星」
{netabare}おにぎりキャラ、仙台ゆるキャラのむすび丸みたい。
二人だけの共通の秘密があって、同じ目的を持ってたりしたら、中見と曲が仲良くなるのも自然のなりゆきですよね。
でもこのままバレずにいけるはずもなく・・
見つかったのが優しくて理解のある先生で良かった。
二人が今後どんな関係になっていくかわからないけど、どちらにしても二人にとってとても素敵な忘れられない思い出になるんでしょうね。。{/netabare}

3話「一つ星さん」
{netabare}隠れ家の天文部を続けるためにちゃんと活動することを求められた二人。
昔天文部にいた卒業生の白丸結(しろまるゆい)にアドバイスをもらいに訪ねていくことに・・
眠れない二人の秘密の世界が続くのかなと思ってたので、白丸さんが入ることで今までの空気感が変わったらどうしよう・・ってちょっぴり心配してました。
白丸さん、なかなかお茶目で好きになれそうだし、彼女がバイクで出かけてお料理しながら天体撮影してるマイペースな感じが、ゆるキャン△のしまりんみたいだなぁーって思ったり。
なにより、星空の写真がとても綺麗で、ちょっと写真やってみたくなりました♪
今回のお気に入りは、白丸さんが綺麗に撮れた写真を誰かに見せたくなって、思い切って深夜に二人に送信しちゃうんだけど、嬉しい反応が返ってきて思わず笑顔になるシーン★彡
天文部で独りぼっちで活動してた白丸さんの気持ちを考えるとじんわりします。{/netabare}

4話「天津甕星」
{netabare}曲も中見もそれぞれ他の友達と絡むシーンがちゃんと描かれてるバランスの良さもいい!
白丸先輩の「のわっ!」好き。照れて部屋に入れないシーンも。。
今期青春ものがいくつかあるけど、この二人みたいな淡ーい感じも良きです♡{/netabare}

5話「飛び上がり星」
{netabare}千里浜の臨海学校。
普通だったら楽しいはずなんだけど、不眠症の中見にとってはそれどころじゃないみたいで・・
気持ちを表わしてるみたいに降り続ける雨。
やっと晴れて、夜の浜辺で待ち合わせる二人。
浜辺ではしゃぐシーン、見たことある?って思ったらOPのシーンかな。
海に向かって二人で叫んで笑いあうとか、青春してるなぁ。
シートに二人で寝そべってるシーンはもう恋人でしょこれ♡{/netabare}

6話「走り星」
{netabare}白丸先輩、お茶目でピュアで後輩思いだし、結構好きかも(^^♪
流星群観測会を開くために他の生徒たちに協力を頼みこんだり、1話の頃と比べると中見が何かに一生懸命になって、話せる知り合いが増えて、みんなでお好み焼きを食べてるところ、なんかじわっときました。
これも曲との出会いがきっかけなんですよね。
いつまでも二人が良き友達でいれたらいいな。。{/netabare}

7話「花火星」
{netabare}みんなで見た花火の後、天文部での二人のシーン。
二つの気持ちがつながる瞬間。
自分の中の思いを相手に伝えたくなる気持ち。
そして相手の気持ちが自分の中に沁みてくる。
不安な夜、二人だけのラジオですぐそばにいてくれる気がして。
今回の話、すごく良かったです☆
見終わった後、余韻に浸ってしまいました。{/netabare}

8話「集まり星」
{netabare}中見と曲のふたりで始めた天文部の活動。
いつの間にか流星観測会の準備を一緒にしてくれる仲間が増えて
みんなで買い物行ったりお弁当食べたり。。
私も、観測会盛り上がればいいなって楽しみにしながら見てました。

・・・え?・・なんで・・

中見あんなに頑張ってたから、がっかりする気持ちわかる。
私もがっかり。
バス亭でのラジオアプリを使ったふたりの気持ちのキャッチボール。
なんか、これ見ててたまこラブストーリーの糸電話思い出しました。
中見はわたしの特別なんだよ!
今期スキローも僕ヤバもいいけど、この静かに沁みてくる感じも好きだな。
白丸先輩のスケコマシで一転、笑いになるとこも好き♪エビのお見合いとかw{/netabare}

9話「星合」
{netabare}いい星空写真を撮るために合宿旅行を計画するけどお金が無くてバイトを探すけど・・
白丸先輩のとこで雇ってくれないかな・・って思いながら見てたらそんな展開になってちょっと嬉しい♪
海からまっすぐ中見の様子を見に来たり、ナンパされたって嘘ついて反応見たり・・曲って中見のことほんとに好きなんだなって。
泊まれるところも確保できて二人で踊ってる姿を炊飯器の上からじーっと見てるネコに笑った。。{/netabare}

10話「姉はん星」
{netabare}合宿旅行のはじまり。
イサキのお姉さんが運転手兼付き添いで同行することになって。
小さい頃から病気のために普通の子とは違う扱いをされてた妹に対してイジったりケンカしたり自然体で接してくれるお姉さん、イサキのことが好きなんだなって感じます。
心臓のことを中見に話したことに驚いて、イサキをかっこよくて眩しいって言ってくれた、そんな彼に自分の妹への思いを伝えて託して。
見てて北陸もいいなぁ行ってみたいなって思いました。{/netabare}

11話「夜明けの一番星」
{netabare}撮影スポットをまわる二人。
見附島行ってみたい!・・普通の観光客だと夜のライトアップは綺麗でいいけど、星空写真撮るには障害なんですね。
今は防犯の意味もあってどこでもライトアップされてる感じなのでスポット探しも大変なのかな。
二人だけのつかの間の共同生活。
一緒にスーパーで買い物して一緒に料理作って一緒に楽しく食べて・・
わくわくしてドキドキしてとても楽しくて。。わかるよその気持ち。
子供の頃朝目覚めたときに起きていた出来事が中見のトラウマ。
でも今は朝起きるとイサキがいてくれる・・
中見の自分の奥底にある気持ちを聞いて思わずキスをするイサキ。
僕ヤバ見ててキュンキュンするのとはまた違う、じわじわーっと心に沁みる感じ、すごくいいです。{/netabare}

12話「迷い星」
{netabare}降り続く雨。
前回に引き続いての二人のわくわくドキドキな共同生活。
足の指が触れてお互いにぴくっとなって照れるところ、二人の空気感でてていいな。
みんなが訪ねてきてくれて急に賑やかになる感じも好き。
曲はどんなおばあさんになる?って聞かれたイサキの憂いを含んだ笑顔。
急に不安な気持ちになってイサキの手を握る中見。
ココロの微妙な動きがよく描かれてると思います。
二人きりの事実を親バレしてしまい連れ戻されそうになるけど・・
若いっていいなぁ。。
次回、二人の旅の終着点を見届けたいです。{/netabare}

13話「最古の星」
{netabare}「言い出した僕が叱られるよ」じゃなくて「一緒に叱られよう」ってとこがいいな。
そう、これは二人の旅なんだから。
星空の真脇遺跡の中、中見の告白を聞いて嬉しくて顔を隠してうずくまるイサキ。
すごく素敵な写真が撮れてハイタッチして。。
・・あれ?原作と展開違う・・
最後はEDとOPと今までの映像ダイジェストでまとめてたけど・・もしかしてこれで完結で2期なし?{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 36

70.5 5 2023年度の部活アニメランキング5位
トモちゃんは女の子!(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (235)
779人が棚に入れました
ボーイッシュな女の子×鈍感な幼なじみが織り成す、青春ラブコメディ。 世界からの熱いラブコールを受け、まさか待望のアニメ化決定! 2015年、Twitterでの連載開始以来、ボーイッシュな主人公と幼なじみの織り成す不器用ながらも真っ直ぐな恋愛模様が多くの読者に支持され、2019年に惜しまれつつ完結したコミック『トモちゃんは女の子!』。 「第2回 次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門第1位受賞し、今なお多くのファンの根強い人気を誇り、国内に留まらず、海外のファンからも熱い支持を集める本作が遂に待望のアニメ化! 幼なじみの久保田淳一郎に恋するボーイッシュな女子高校生・相沢智(トモちゃん)は、淳一郎に“女の子”として見てもらいたいがいつも空回り。果たして、トモちゃんの不器用な乙女心は淳一郎に届くのか…!? 観ればきっと、あなたも二人の恋を応援したくなる――。 2023年――トモちゃんと個性豊かな仲間たちが繰り広げる“青春ラブコメディ”が世界を虜にする!

声優・キャラクター
相沢 智:高橋李依
久保田淳一郎:石川界人
群堂みすず:日高里菜
キャロル・オールストン:天城サリー
御崎光助:天﨑滉平
田辺達巳:松岡禎丞
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

(最終)これは「令和版『月刊少女野崎くん』」→王道ラブコメを見事にアップデート!!

【レビューNo.47】((最終レビュー)初回登録:2023/4/1)
コミック原作の2023年作品。全13話

(ストーリー)
ボーイッシュな女の子×鈍感な幼なじみが織り成す、青春ラブコメディ。
幼なじみの久保田淳一郎に恋するボーイッシュな女子高校生・相沢智(トモちゃん)の乙女
心は淳一郎に届くのか…!? (作品情報より抜粋)

(評 価)
・素早い切り返し。淳一郎目線で描かれた第2話が上手かった!
 ・1話は想定通り、トモちゃんが淳一郎に“女の子”として見てもらえず空回りしてる様子
  やトモちゃんの「残念女子ぶり」を上手く印象付けた半面、
  「この展開で十数話続くのか?」
  と不安も感じたのだが・・・
 ・{netabare}ところが2話早々に、実は淳一郎はトモちゃんのことを“女の子”として意識していて、
  今度は素直になれない淳一郎の空回り振りをぶっ込んできたのは本当に上手かった!
  以降の展開で、トモちゃんだけでなく「実は互いにすれ違ってる」というワンランク上
  のギャグに昇華できるようになり、淳一郎の行動原理が「友情だけなのか?」という彼
  なりの「ラブ」も表現可能となって、エピソードにグッと幅が広がった感じですね。
  (これは「野崎君」にはなかった秀逸な仕掛けでしたね(^_^)){/netabare}

・サブキャラもしっかり育てていた
 ・3話終了時点では、「群堂以外のサブキャラが弱く大丈夫か?」という懸念があったの
  ですが4話以降でその点についても手を入れてきました。これでエピソードに広がりが
  出てマンネリ化することなく上手く物語を進めていたと思います。
  ただ「野崎君」と比べるとまだまだキャラが弱いかなっと、心配してたのですが・・・
 ・{netabare}9話でやられました!全てはこのエピソードへの伏線だったのか!!
  ・群堂:ダーティーなキューピット
  ・キャロル:これまで笑顔を崩さなかった彼女の渾身の泣き顔
  ・御崎先輩:軟弱野郎が見せた精一杯の漢気
  サブキャラ達の見事な競演で神回になりましたね。
  この手のラブコメではあまりカップル成立という展開は少ないのですが(ギャグの引き
  出しとして引っ張るために)これはもう祝福するしかない最高の演出でした!{/netabare}

・令和版にアップデートされたレベルの高いラブコメ
 ・紆余曲折ありましたが、「淳一郎×トモ」も最後に
  {netabare}「親友でライバルで恋人である」
  という2人らしい関係で結ばれます。{/netabare}
 ・ジャンル的には「野崎君」の流れを汲み(「野崎君」のレビューで解説したように)
  ・王道パターンを丁寧かつ全力でやる。
  ・サブキャラも丁寧かつ魅力的に描き、キャラを育てていく。
  ・それをテンポや演出等で効果的にアニメとして面白く魅せる。
  という基本を踏襲した、コメディに主軸をおいたラブコメだったと思います。しかし
  「ラブ」の部分でもしっかり魅せる。それも作品の全体像ときちんと調和した形で。
  これは令和版に見事にアップデートされた、レベルの高いラブコメだったなと。

基本は「淳一郎×トモ」たちのラブコメでしたが、{netabare}群堂が時折みせるトモへの複雑な感情{/netabare}
も、今までのラブコメにはないスパイスの利いた演出でよかったかな。
作画も始めの方はちょいちょい怪しく気になったが、途中から慣れたのか改善されたのか、
あまり気にならなくはなってたな。

OPが実はかなり秀逸だったと思います。OP映像を見ればどんな作品か1発でわかるし、
曲もコミカルでマッチしてましたね。
「挙・動・不審は~♪」から始まるEDのキャラソンも、この作品らしい味がありGood!


---------------------------------------------
過去レビュー(2023/1/28 4話分)
【4話分追加】やはり基本を丁寧にやるラブコメは面白い
{netabare}
(評 価)
・基本に忠実→サブキャラを丁寧に描いた第4話
 前回のレビューで指摘した「サブキャラの魅力がまだ弱い」。ここにちゃんと手を打ってきました。
 やっぱり制作陣はちゃんと分かっています。本作の基本構造はとてもシンプルです。
  ★トモちゃん、淳一郎の「ラブ」をしっかり「コメディ」で落とす
 それゆえに飽きられやすい危険もはらんでいます。なので「サブキャラを魅力的に育てる」作業は
 必須です。今回は群堂をはじめキャロルや御崎の新たなる魅力を上手く印象付けました。
 しかもギャル2人も使い捨てでなく、ちゃんと活用しています。こういう地道な展開は必ず後半に
 活きてきます。この先も楽しみです。
・2話の展開が活きる淳一郎の言動の意味
 前回のレビュー「淳一郎がトモちゃんのことを“女の子”として意識してる展開を早々にぶっ込んで
 きたので作品への評価は一変」について解説。
 {netabare}
 「トモちゃんが淳一郎に抱きついてみるシーン」ですが、上述展開がなければ淳一郎はただの鈍感
 野郎で普通のギャグ展開です。でも淳一郎がトモちゃんへの「ラブ」ゆえのあのリアクションなら
 、景色はまるで変わってきます。トモちゃん「淳一郎は鈍感野郎」→「それはおめえもだよ!」
 という一つ上の笑いに昇華できます。互いに思い合っての行動なのに、共にすれ違うというWの面白
 さに繋がります。
 それに上級生をボコった淳一郎の動機は「友情」だけなのか・・・それをまた敢えてトモちゃんに語
 らないところにきちんと淳一郎なりの「ラブ」が成立するのです。
 2話があればこぞ成立する「ラブ」と「コメディ」の展開。
{/netabare}

やっていることは地道な積み重ねです。でもその積み重ねがあることで1ランク上の「ラブコメ」に
昇華できる。やはりそういう基本を丁寧にやる作品はしっかりとした面白さがあります。{/netabare}
 
---------------------------------------------
過去レビュー(2023/1/21 1~3話分)
【3話視聴】「月刊少女野崎くん」が帰ってきた?! 今後失速しない仕掛けを準備できるか?
{netabare}
(評 価)
{netabare}
・予想通り。トモちゃん目線で描かれた第1話
 タイトル通り、淳一郎に“女の子”として見てもらいたいが空回りしてる様を中心に、とはいえ
 普段の言動から「実はトモちゃんもかなり『残念女子』だよね」という部分をギャグ展開で見せ
 、主人公を上手く印象付けた滑り出し。
 普通に面白かった半面、「この展開で十数話続くのか?」と不安も感じたのだが・・・
・素早い切り返し。淳一郎目線で描かれた第2話
 実は淳一郎はトモちゃんのことを“女の子”として意識していて、今度は素直になれない淳一郎
 の空回り振りを早々にぶっ込んできたので作品への評価は一変。「これ意外といけるかも!」
 最後に大きな爆弾(?)で次週も気になる上手い引きで終わったし。
・序盤の仕上げ安定の第3話
 上述爆弾もこの作品らしいオチで回収すると、第3話は登場人物達の関係性の再整理や二人の恋
 の前途多難さを再度印象つける丁寧な仕上げで序盤を締めくくったって感じでしょうか。
{/netabare}

ここまで視聴した感想は、「月刊少女野崎くん」を思わせる懐かさのあるラブコメ作品だなっと。
ヒロインの恋の行方を巡るドタバタ感やノリや勢い、ラブとコメディのバランス等作品の空気感が、
ちょうどあの作品を彷彿させるんですよ。
(本作も4コマ漫画原作らしいので、テンポ等が近いのかも)
本作も目新しさはないが、古典的な展開を基本通り丁寧に描いているので安心感があるというか。
ただ「月刊少女野崎くん」は個人的に、「ラブコメの教科書」ともいうべき超優良作品なんですよね。
(初心者の方に「オススメのラブコメは?」と聞かれれば、迷わず(入門書として)本作を推すレベル)
そんな「野崎くん」との比較からの懸念材料
 ・サブキャラの魅力がまだ弱い
  親友の群堂以外は今のところ何とも・・・
  「野崎君」はサブキャラの個性と魅力もしっかり描かれており、サブキャラだけでも話を回して
  いけるレベルだったが、本作はどうか。まだ新キャラ登場するんですかね。
 ・多面的な展開は可能なのか
  「野崎くん」は主人公が「学生少女漫画家」ということから、そちら方面の話を展開したり、サブ
  キャラの部活ネタやサブキャラ同士の恋模様といった多面的なストーリーで最後まで飽きさせる
  ことなく完走しましたが、本作はどう打開していくのか。
 ・作画がちょいちょい怪しい
  個人的には作画はあまり気にならない鈍感な方なのですが、その私が気になるレベルというのは
  ちょっと問題かも(笑)

今期期待してた作品「スパイ教室」「久保さん」→大外れ、「アルスの巨獣」→テンポヤバくない?!
等で、個人的には「トモちゃん」がNo.1になる可能性も浮上してきましたね。主人公トモちゃんは魅力
的に描かれていると思うので、今後失速せずに完走できるかに注目ですね。
{/netabare}

(2022/1/23追記)
【レビューNo.22】「月刊少女野崎くん」のレビューアップ。
本作に興味を持たれた方はそちらを参照ください。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

メイン二人は良かった。

{netabare}
ラブコメ枠。
オタクに媚打っている感じはあまりなく、ラブコメ嫌いの自分でも楽しめた部分は楽しめた。

主人公ヒロイン共とにかく強いという設定のラブコメ。
トモちゃんは強いと言っても現在は淳一郎には敵わない程度で割と現実寄り。これ系の作品だと珍しいね。
二人は幼馴染で、昔から競い合っていた仲なのもあって、今の関係性には必然性を感じられて良い。
二人とも似たような性格ですごくお似合いなカップル。
トモちゃんは性格は強気な割に恋愛となると弱気になるのはちょっとギャップがあって面白かった。
お互い恋愛不器用で空回りが連続していく感じ...。
だけど最終回で二人の関係性については一区切りがつき、話としても綺麗にまとまっていて良かったと思う。
最終的にトモちゃんが感情の方は女の子らしくなっていって、淳一郎もトモちゃんを女として認識していくようになっていく感じが良かった。

駄目(苦手)だったのはサブキャラ。
群堂さんとキャロルの二人の話があんま良くなかった気がする。
特に群堂さんは和解するとは言え、明らかに人を傷つけるような発言をしたり、主人公を階段から突き落としたり、行動がぶっ飛んでて共感できない。
あれで、他人が仲良くなるための自己犠牲みたいな雰囲気を醸し出してるのが正直痛すぎる。
キャロルは特段嫌いではなかったけど、普段泣かなそうなキャラの泣き顔を映してのお涙頂戴はあんまり好きじゃない。
普段はデフォルメチックな作画なのに、感動的なシーンでだけまともなデザインになって、キャラのギャップを大きく作って感動させようとしてくるのは苦手だった。(群堂さんもそうだったけど)

OPはこれぞスルメ曲って感じの曲。
EDはあまりよくないけど、男性ボーカルになった回は笑った。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆3
告白スタートw これもう作品の底見えてるんだが。
1クールもたんでしょ。1話から既に退屈w 何を見せられてんだ。
なんか地味。キャラも魅力ない。
なんで男子部に入れるんだよw 根暗女パートが退屈。男の存在感薄くね?

2話 ☆7
エロアニメかな? 脱いだことバレるか? リセットだ。
女の子に手を振るうな。ゆるふわ系女子。この群堂の方が可愛い。
まあ思ったよりは悪くないな。
キャロルいいキャラしてたし。なんだこのED。

3話 ☆7
OPスルメ。トモちゃんに限らず淳くんも相当やベーやつで草。童謡曲w

4話 ☆7
スルメ曲。心が完全に男子。サイゼリアの間違い探し並にわからん。
見た目殺伐すぎる。外人にドン引きされてそうw 主人公も父を見習え。
なろう系か? 前から不意打ち。なんか草。校内でこういうのいらんわw
ヒロインで影薄くなってるけど主人公も化け物だわ。

5話 ☆8
今の時代スマホ使えや。ぷりんちゃん
全部埋まって全滅ってあんま無いだろ。郡堂さん可愛い。
主人公今回空気。
見た目に反して、オセロ強くて数学できるとか頭いいなキャロル。
男の入ったあとに入りたがらないのはちょっと女の子らしい。
ウイイレなのが陽キャぽい。9時は夕方だろ。0時で夜更かしw
このアニメリアタイ勢は全員夜更かしということになるな。草。

6話 ☆9
あるあるのノリだなw 声で気づけ。さすがに気付きそうだが。
吹っ飛びすぎだw スパイファミリーで見た。戦闘アニメかな?
パスかよw これは熱血スポーツアニメ。
もういっぽん! 郷間もいい奴で好き。
一応純一郎の方がさすがに強いのか? そこは現実的?
精神的に負けている・・・。

7話 ☆9
猫さんかな? てか幼なじみかよwもう付き合えよ。壊す方も悪い。
ゴキブリにしか見えん。
トモと会わなかった世界線の純一郎ってクソ陰キャそうだなw
この頃から最強か。またその頃には真っ二つになってそうw
ゲーム卒業出来たことによる今。10年経ってもDSやってる奴w
なんだその水着はw どこから出てきた。ハーレムかよ。
今更だけどこのアニメ純一郎以外の男キャラほぼ影無いな。

8話 ☆8
レズか? こんなに落ちる祭りは存在しない。守ってあげる立場に。
急にキレるじゃん。お礼の前に殴ったこと謝罪しろ。
見張り役とかキャロル頭いいなw 強気で言った方がいいな。
謎スタンガン草。ラブコメなのにこういう展開は2人の性格上仕方ないか。
お前ら同じ学生だろ。何でこんなヤクザものみたいなw 急に生きる金髪w

9話 ☆7
ひねくれ過ぎやろ。バトル漫画でよくある展開。たまに鋭いことを言う。
これ振られてる? こいつクズではw 気を引くためか。病んだか?

10話 ☆5
マラソンも男と同じレベルなんかw 背負って一位とか正気か。
強いと言ってもちゃんと男には敵わない現実的なレベルなのはいいな。
前も聞いた話w
前回といいキャラにギャップ作って感動させようとしてくる感じ苦手....。
男版ED誰得だよw
可愛いと思うということはトモちゃんを初めて女の子として認識したってことか。

11話 ☆6
個人なのに綺麗な店だな。地味に有能なキャロル。
階段から突き落とすのは違うだろ。
みすずじゃないと解けないは意味わからんくね。

12話 ☆8
親も似たような感じだなw お化けは怖いんかよ。郡堂気にかけてたんか。
これは策士。

13話 ☆7
お前は女っぽいななんか。親父さぁ。勝てないんかい。

曲評価(好み)
OP「くらえ!テレパシー」☆8
ED「yurukuru*love」☆3
10話ED「Jiribaki_love」☆2
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ダークサイドすら愛おしい素晴らしいキャラ造形。感動しました。

 23年見逃した作品として気になってました。

 正直こんなに感動するとは思いませんでした。別に涙がこぼれるというわけでもないんですけど、視聴後感が非常に爽やかで幸せな気持ちになります。
 そして、変な言い方ですけど包容力というか受容性がちょっとだけ増した気がします。1日たてばもとに戻るとは思いますが、この作品を見たという経験は結構大きい気がします。

 ジェンダー論うんぬんのニュースがあって、外野が騒いだようです。そもそもこの作品は、アイデンティティとペルソナのギャップ、思春期の性への目覚、女らしさ、変化をするのではなく自分を認めること、親と子供の関係性、嫉妬と友情…と、作品にレッテル張りをしようと思うとなんでもできそうです。

 ただ、この物語はストーリーを類型化しないでそのまま受け入れるほうが私は感動が深いと思います。というのはキャラ造形が素晴らしく、活き活きとしています。キャラ造形が良く上手く描けているので、トモちゃんの内面・外面をいろんな視点で問題とリンクする形で分解できると思います。

 ですが、分解してしまうとそれでトモちゃんのリアリティが発散してしまいそうです。作中の家族や過去を含めた人間関係の中でのそのままの「トモちゃん」こそ「トモちゃん」ですので、描かれているままに見ていけばいいのでは?と、思います。

 その結果、トモちゃんの周囲にいる淳一郎、みすず、キャロルのどのキャラにも感情移入できます。内容はギャグですけど3人の行動原理にはちゃんとエゴも描写されていて、それぞれのキャラが持つ心情のダークサイドも思春期的なリアリティがあってなかなか愛おしいです。

 また結論として、冒頭の親友問題…これが結構いい感じで最後まで貫かれます。ここは是非見て感じたほうがいいと思います。なるほど!?という感じで説得力があるような無いような…でも、新しい考え方だし、いい結論でした。


 この作品の特徴は、トモちゃんと淳一郎が2人とも努力していることです。もちろん主には空手です。自分を高めたうえで自分とは何かを問いかけ、疑問に思い変えなければと思う。自分より強いものを認める。相手にとって自分とは何かという悩みが非常に初々しいです。のんべんだらりと生きているのに、いつのまにか隣に美少女がいるのとは違います。

 また、その2人の出会いもただ近距離に住んでいる幼馴染じゃないことに注目です。相手に追いつきたいという長年の関係性が生み出した「代替のいない相手」であることが重要なのでしょう。
 その自然な恋愛感情がこの作品の感動のポイントなのかな、と思います。やさしいから、命を助けてもらったから、○○が優れているから、という理屈では人は好きになりません。好きになるべくして好きになったことが物語から読み取れます。これも理屈ではないでしょう。「美少女が近くに来て、いつの間にか好きになってくれてたらなあ」、では絶対にないです。

 なお、1つだけ、12話で感動したのに13話がなあ…ちょっと面白エピソードだった気も…ただ、まあ、最後がいいのでいいですけど。


 23年は「僕の心のヤバい奴」「長瀞さん2期」等ラブコメに見るべきものがありました。
 ○○さん系と呼ばれるギャグ・癒し系も多くなりましたが、型通りの王子様もの、突然現れて冒険が始まる「ボーイミーツガール、ガールミーツボーイもの」、不幸から引き上げられる「シンデレラもの」、境遇の違いで分断される「ロミオとジュリエットもの」、美醜のバランスが問題になる「美女と野獣もの」、愛か世界かの「世界系」、お転婆な少女が女になる「そばかすもの(造語)」等々あります。

 本作については「そばかすもの(造語)」の類型ではあっても、その発想は逆転してます。物語の類型化でカテゴライズされた価値観から本当の意味で脱却できたラブストーリーとして…とかいいだすとキリはないですが新しさを感じました。
 その効果が生まれたのは、設定のズラしというよりはお互いが努力と悩みの果てに、急には変わらないことを主体的に選択した結果、相手を尊重する、認め合うという恋愛観だからです。
 まあ、こうやって言葉にするとそれだけでズレる気もしますので、是非作品を見て下さい、としか言いようがないです。

 評価はストーリーとキャラは…5つけたいなあ。その代わり作画と音楽は3にします。声優は調整で4にします。
 まあ、作画に文句が言いたいと思う反面、それを感じさせない素晴らしい話です。点数は合計4ですが、90点はあげたい作品です。

 そう何度も繰り返しみるかわかりませんが、1度じっくり見て良かった作品です。1年くらいしたらもう1度みたいかなあ。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 22

66.7 6 2023年度の部活アニメランキング6位
スパイ教室(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (262)
813人が棚に入れました
陽炎パレス・共同生活のルール。 一つ 七人で協力して生活すること。 一つ 外出時は本気で遊ぶこと。 一つ あらゆる手段でもって僕を倒すこと。 ――各国がスパイによる"影の戦争"を繰り広げる世界。 任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、死亡率九割を超える『不可能任務』に挑む機関―灯―を創設する。 しかし、選出されたメンバーは実践経験のない7人の少女たち。 毒殺、トラップ、色仕掛け――任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、クラウスに騙しあいで打ち勝つことだった!? 世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい!

声優・キャラクター
リリィ:雨宮天
クラウス:梅原裕一郎
グレーテ:伊藤美来
ジビア:東山奈央
モニカ:悠木碧
ティア:上坂すみれ
サラ:佐倉綾音
アネット:楠木ともり
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

しょぱい教室

最終話でまたしてもシリアス展開{netabare}を匂わせるような感じで幕引きであります。

スパイものとしては大失敗だったからパイを食べたのかは定かではありませんが、
最後はハッピーエンドで丸く収めておけばまだマシだったような気も致します。

劣等生代表のリリィには緩衝材としての機能があるようで、これを前面に出しておけば、
色々なことの誤魔化しが効いたはずですが、切れ者キャラのグレーテが出張って来て
シリアスパートになると逆に空回り感が増幅するような印象を受けてしまいます。

もしも落ちこぼれメンバーを見てただ和むだけの作品だったならば
案外それなりの人気作品になっていたのかもしれませんが、どういうわけか
シリアスパートが匂わせだけで、結局何もないという肩透かしを繰り返して
しまっているため、続編ありきと言えどもかなり微妙な幕引きであったようにしか思えません。{/netabare}

●予定調和をもたらす「先見の明」?

グレーテと先生の髪型は何気に似ています。
髪で輪っかを{netabare} 形成しその輪っかで左目を囲うような感じのものであります。

この髪型は「烈日の黄金郷」のヴエコや「忍の一時」の主人公母親と同じものでありますが
片目を強調するこのような表現の元ネタは【プロビデンスの目】というものでございます。

【プロビデンスの目】は【プロメテウスの目】とも言いまして、
「先を見通すことができる」目というような意味合いになるかと思います。

「この目」により「先見の明」を得られるわけですから、グレーテは政治家先生の並外れた
射撃の精度や弾丸の起動もすべてが見えていたということになります。

例えば「鬼舞い」の主人公妹のヘアピンにより表現される【プロビデンスの目】では
この効力により、大学院に飛び級できたり、性転換の新薬を開発できるという
ある種のチート能力を得られることが示されております。

【プロビデンスの目】はとても便利な設定であり、これさえあればすべて辻褄が
合ってしまうため、様々なシーンで多用されます。

この「全能なる目」というものを知らないと物語の展開について行けなくなることも
多々ございますので、是非とも目の描写には注意を怠らないように心がけてください。

弾丸の起動と発射タイミングが読めることについては「魔眼」で説明はつきますが
しかしそれで納得できるかどうかは別の話であります。

シリアス展開における予告ホームランからの見事な空振りのような結末には、
ここまで来るとむしろ潔いと言えるようなまでの爽快感をも抱いてしまいますが、
意外にもラストミッションと思われたエピソードはあっさり終わりまだまだ続きが
ある{/netabare}となるとやはり予告ホームランを期待してしまうしかないでしょう。


●何か起こるかと身構えているも?

{netabare}特に何も起こらなかったというのが今までの流れであります。
緩い日常からシリアスの任務に移行したとしても、かえって微妙な展開だったりもします。

個人的にはコメディにはあまり興味はありませんが、本作の場合はコメディパートの方が
まだマシと思える程シリアスパートにキレがありません。

恐らくは尺の都合上今回の任務がラストミッションであると思われます。

ターゲットをいぶり出す一連の流れまではまぁ良しとして、
いきなり交戦状態になり、そして最大のピンチを救ったのが鳥であります。

鳥を手なずけるスパイというのもある意味粋ですが、自己犠牲の鳥さんが
瀕死の重傷に陥ったならば、リアクションが難しいところであります。{/netabare}

取り敢えずここで物語評価を1段階下方修正しておきます。

●結論から言うと、本作は「鬼舞い」よりは面白い

当方はアニメアンチであり、日常系アンチであります。
故に当然の如く日常系の代表作みたいな{netabare}「鬼舞い」に辛口評価となるのは必然的帰結でございます。

前回当方は、本作を日常系として見たら案外いけるというようなことを申したわけですが
その考えは想定外なまでにビンゴでありました。

日常系の典型とも言える「鬼舞い」を見た後にあたかも日常系作品のような本作を見ると
その対比効果なのか詳細は不明ですが、何故か本作の方が遥かに面白いと感じられるのであります。

日常系の何が面白くないのかと言えば、個人的にはバカの一つ覚えみたいに毎回毎回
同じような展開を延々と繰り返し、それを見ているとそのバカの一つ覚えに辟易し
げんなりするというのがその理由であります。

本作「スパイ教室」は半人前のスパイたちがトライ&エラーを繰り返す日々を描いている
という意味においては恰も日常系作品のようにも見えますが、それでもミッション遂行という
目的意識、あるいは達成意識があるだけ大分マシで未来志向性があるとも言えるわけであります。

理由はただそれだけでも、ただ作画だけが凄いという理由でごり押しされている
「鬼舞い」に比べたら本作の方が遥かに「物語性」においては優位にあると確信いたします。

既に「観終わった」?という熱狂的ファンの猛攻により「鬼舞い」の評価は、もはや
「あにこれ」ユーザーには制御不能な状況に陥り、「覇権」というスラングの真意は
覇権国家中国を暗示していたかの如く?真のあにこれユーザーであったはずのかつての
レビューワーたちの意見はガン無視される状態になりつつあります。

その正体が、中華勢なのか?AIによる自動書き込みなのか?定かではありませんが
そのごり押しにより、あにこれユーザーみんな大好きな「覇権」を鬼舞いが獲得するとしたら
少なくとも生粋の日本人のレビューワーが、「鬼舞い」の作画ではなく物語について
第三者にわかるように言葉を尽くして説明すべきだと思います。

もしもそれができないというならば、覇権を握ったのは「彼ら」という皮肉なオチになるだけデス。{/netabare}

●日常系極上教室

本作に期待をし過ぎると{netabare} 失望する結果となりますが、何も期待せず
スパイものではなく日常系として見たら案外慣れるものかもしれません。

細かく見れば減点要素は多数あり、あまりオススメもできませんが
何も考えずに気軽に見れる作品と言えばそのように思え、
何となく視聴継続できるというのが本作最大の利点なのかもしれません。

盛り上がりもしないが急降下するわけでもないフラットな日常系{/netabare}
それはそれで需要があるような気もいたします。

●またシリアス展開に戻る?

キャラデザだけで肝心の中身{netabare}が伴わないようなままここまで時間を消費
しただけのような気がいたします。

新たな任務によりまたシリアスな展開に戻りそうな予感もいたしますが
ドタバタコメディ訓練期間にどのような意味があったのか巧い事
示すことができるのでありましょうか?

いつぞやの不可能任務回には大した意味もなかったようにしか見えず
印象もほぼ残っていないよう謎多き物語展開でありましたが
改善の兆しが全く見えない現状では悪夢が再び繰り返される予感も払拭できず…{/netabare}

この流れをそろそろなんとかしないと鬼舞いになりそうであります。


●下方修正止む無し
前回はリリィリーダーが体を張ったプレイで見事笑いを取ってくれたことにより
印象はすこぶる良く、{netabare}改善の兆しも見えたようにも思えましたが・・・
いよいよこの辺が限界点なのかもしれません。

不可能任務達成前に遡るような形で進行する物語構成には、
【8】人目のメンバーの関係で少しでも早く隠し玉の【8】人目を登場させたい
という意図があったからそのようになったのでは?という憶測も
十分成り立ちそうな気もいたします。

不可能任務のオペレーション回ではシリアス路線を目指していたようでありますが
気が付けば緩い感じのコメディ路線に舵を切っていたりして、
方向感が定まっていないような印象を受けてしまいます。

最終的には完全なるコメディで仕上げるという選択肢も残っていそうですが裏設定的な解釈では
またシリアス路線に戻るという可能性も捨てきれません。

キャラ的な要素で言えば十分人気アニメになり得る潜在能力を秘めている本作ですが
キャラと物語とのシナジー効果が未だ発揮されておらず、物語に今一つ魅力が感じられません。

現状の物語評価は「3」がいいところで、もしもこの先更に迷走することになるなら
それ以下の評価にもなり得るようなジリ貧の下降トレンドに入ったような {/netabare}気配をも感じます。


●回想による奇襲攻撃が意図するものは?
本作のメインテーマはどうやらSPY家族的な{netabare}「家族」のようでありまして
そこに焦点を当てるような具合で敢えて回想シーンの挿入が図られたようでありますが、
これは次の展開で大きな動きが顕在化する変化の兆しを意味するものでありましょうか?

五話にしてようやくやや多すぎるような印象あった各キャラの持ち味や
それぞれの絡みが巧いこと描かれ、今までの中では一番まとまりがある物語展開のように
見えましたが、そろそろ土俵際いっぱいでケツにに火がついた本作に逆噴射の機会が{/netabare}
ようやく到来するのか?見極めたいところであります。

ちなみにキャラ性を最大限に生かしたリリィリーダーの渾身のハニートラップ、
あるいは自虐的羞恥プレイは、予想外に笑撃的でありました・・・

●再起不能か?サイキッカー

{netabare} 緩い感じで進行中、未だ進路転換の兆しなしであります。
初回の掴みは悪くないような印象を受けましたが、予想外にゆるゆるな方向に進み
ここまで来てしまうと後戻り不能なレベルと言えるのかもしれません。

不幸を招く少女の正体がサイキッカー的存在と判明したのが
今回の唯一の救いだったかもしれません。

ナチスドイツやCIAはその手の研究をしていたらしいので、アーニャ・フォージャーも
実はただのフィクションとは言い切れないところあり、まだ完全妄想的スパイものではない
かもしれない?可能性は残っているような気もいたします。

もしもなんつってスパイコメディ路線をこのまま最後まで突き進むとしたら、ある意味
それは潔いと言えますが、意図するところが不明ということになるような気がいたします。{/netabare}

●テンポが良すぎる【8】人衆
路線としては相応に緩い感じでサクサク進行しているようであります。

直前での急な{netabare}作戦変更には盗聴器ありきの陽動作戦という意味合いがあったということは
一応理解は出来ましたが、完全に伏線を回収したわけではないので、もしかしたら終盤辺りで
機能する可能性も無きにしも非ずなのかもしれません。

しかしながら現状までのこの緩い路線ならば、どちらかというSPY家族寄りなので
もしかしたら?プリプリよりもよりライト層向きなのかもしれません。

3話にしてラスボス級を倒してしまいましたが、それ以上の盛り上がり展開を果たして
今後描けるかどうか?{/netabare}次回以降が運命の分かれ目と言えるのかもしれません。



●「髪」が暗示する未来
裏設定的な話になりますがクラウス指導教官は、{netabare}「烈日の黄金郷」の「ヴエコ」や
「忍の一時」の主人公母親と共通点がありますが、もしかしたらこれは
「チェンソーマン」のアル中先生で示された「先見の明」を暗示しているのかもしれません。

「プロジェクトチーム名」は【灯火】、指導教官の願いは「家族」でありますから、
これはもしかしたら、予想外の急展開もあり得るということなのかもしれません。

当初の予想では「SPY家族」並みに緩い展開で行くのかと思いましたが、
教官の回想シーンを見る限りは、シリアス路線に {/netabare}向かうようにも思えます。



「SPY家族」に「プリプリ」とスパイ系作品は人気が高い傾向があるように思いますが
本作もその流れに乗ってグイグイ行きそうな手応えを感じます。

取り敢えず可愛い女の子キャラを敷き詰めればそれだけで人気アニメになり得る
こともしばしばあるのがこの世の常でありますが、ぱっと見た感じその条件は
十分クリアしているように思います。

どちらかと言うとシリアス路線の「プリプリ」に比べるとやや緩い感じの路線で
あるようですが、緩目の方がより多くの層に受け入れられることもあり、また
最近の人気作品の傾向を見ると明らかにコメディタッチの作風が支持されている
ことからしても、人気作品枠で考えたならば本作はかなり有力候補になり得ると
予想することができるでしょう。

今期始まったばかりでありますが、現時点での人気作暫定筆頭候補と言わせて頂きましょう。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャラアニメとして見れば極上

{netabare}
ラノベのスパイもの。
ラノベ+豪華声優多数投入の時点で地雷臭がしてたけど、自分は予想に反して楽しめた。(世間評価は散々だったけど・・・)

あらすじ見た時は暗殺教室的な話かと思ったけど、案外早い段階で歴とした(?)スパイになる。
萌えアニメxスパイはプリンセスプリンシパルとリリスパがあるけれど、どちらとも結構雰囲気は違う。プリンセスプリンシパルのスパイ要素をガバガバにして萌え要素を強化した感じ。
あと、男の存在感も大きい。そこはラノベらしいところでもあるかも。

さっきも書いた通り真面目にスパイアニメとして見ると、あり得ないぐらいガバガバ。
たんもしに匹敵するレベル、5分に1個ぐらいは突っ込みどころがある。
そこで酷評されるのは仕方ないと思うけど、自分はここまでガバガバだと一週回って許せたというか、その突っ込みどころもギャグとして見られたかな。
重大な任務にも関わらず雰囲気も常にゆるゆるだし、こういうのもありじゃないかと。どちらかというと萌えアニメ好き向けアニメという感じはする。
シリアスな場面でもどこかしらおかしな場面があって何ともシュール。
まず、「不可能任務」というラノベ感満載の語句の時点で面白い。
リリィのポンコツさとこの作品の脚本のポンコツさが調和してて嫌いになれなかった笑

それにスパイ要素はガバガバでも、個別回やキャラのやり取りは良かった。そういう意味でもキャラアニメであることには違いない。
スパイ要素とは関係ない日常回がやたらと多く、キャラ同士の絡みも多いから、みんなで楽しそうにやっている感じが伝わってくる。
スパイが楽しんでていいのかという点はともかく笑
皆で助け合うような回も多く、空気感が良い作品だった。
あと何より、クラウスのキャラが良かったかな。
これ系の作品だと邪魔になりがちな男キャラだけど、この作品は上手く溶け込ませられていたと思う。
あくまで教師と教え子の関係で、教師としての立場からアドバイスをしたり、時には寄り添ってあげたり好感の持てるキャラだった。
萌え豚だけど、このアニメで一番好きなキャラはと言われたらクラウスかもしれない笑
しっかりとした雰囲気を醸し出しながらも、所々変なところがあったり、極めつけの「極上だ」のセリフはシュールで面白かった。
女キャラ複数人に対してクラウス一人だけど、ハーレムに傾倒してないのも良かった。結局恋結ばれずで終わってしまったけど、最終的には結ばれてほしい...。

時系列シャッフルはちょっとわかりにくかったけど、ああせざるを得なかったのは分からなくもない。難しいところ。

私的評価:85点
私的ベスト回:5話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
リリスパ枠orたんもし枠じゃないよなこれ。スパイファミリー。
キャラ全員の立ち絵の構図ダサすぎてワロタ。
落ちこぼれ集めて不可能任務って要するに捨て駒ではw 物騒な絵だ。
サイコパスかな? 男なろう主人公かな? 口調がラノベ臭い。
は? 殺さないのぬるい。乗っとるやんけ。
足枷ならしゃがめば針打ち込めるだろw シリアスなのかギャグなのか。
B級臭すぎるけど嫌いじゃないよ。これが暗殺教室ですか。

2話 ☆8
やっぱり暗殺教室じゃないか。男の裸要らない。茶番感。裸で喋んなww
このネタアニメ感好き。不可能任務の呼び名がダサすぎる。
最強のスパイってなんだよw スパイの割に統制甘すぎるだろ。
結構の日になるんかい。不可能任務な割に空気軽すぎて草。
触りたいだけだろこの警官。決起会で草。開催認めるのかよw
ボス呼ぶのかよw
これ酔ったフリして殺すんだよな? 決起会実は伏線だったりする?

3話 ☆8
悪魔のリドルか? 荷物持ちじゃんけんで草。なんで剣なんだよww
いや、スパイなら見捨てろw
なんで七つの大罪なんだよ、こいつら何言ってんだw
他のやつも毒に耐性あって草。捕まっとるやん。
おじさん情報ペラペラで草。お前らは殺されても特に何もないだろ。
そりゃ見捨てられる。何故か殺されない前提で動くクラウス。
能力ってなんだよ。異能力モノか?w なんで剣使わないんだよw
やっと剣使った。いや、銃じゃなくて剣な時点で謎だが。
じゃあクラウスに倒されるじゃん。
情報垂れ流しだったのに奈落人形は本物なのかよw
俺を殺してくれええええ。8人目可愛いな今更だけど。

4話 ☆9
初OP。チンピラさん。そうはならんやろ。和泉くんか?
街中で何作ってんだよw そんな非現実なw 縛り方。
マジでこのお遊びにはいつまで付き合えばいいw
拠点特定させるために先生とエルナを利用したのか。
草なんで鎖取れたんだよw 銃が当たったからか? 無理だろw
やっぱ好きだなこのアニメ。

5話 ☆10
エロアニメで草。全員で襲撃したいってなんだよw 遠足じゃないんだぞ。
何書いてるんだよw 草。先生ホモだからな。可愛い。
これ時系列シャッフルか? あほやろ。
てかエルナ館の中で喋りまくってて草。スパイとは。何やってんだよw
極上だ…。若いな。やっと初の映像付きED。

6話 ☆9
スパイごっこ定期。お姉ちゃん...。割れないガラス。可哀想。
いや、これ服への落書きと変わらんだろw 毒を疑え。
マジで毒入ってて草。これにスパイがわざわざ介入して目立つ意味ある?
目指す動機それなりに意味わからんくて草。
一応この国のスパイに関係する人物なのかw
答えるまでもなく繋がってねーだろw リリィ正論じゃん。
極上だ。特殊EDか。

7話 ☆10
胸がデカすぎる。美味しそう。草。リリィあほの子すぎて好き。
クラウスに友達いないとかいう畜生。エルナ喋ってて草。
動物使いかw 7人で負けるとか。ハーレムクラウス。
長所を見出して上げる有能教師。

8話 ☆8
旅行で草。気抜けてるのはお前だろw 灯火に情が移ってきたか?
極上だ…。草。不可能任務後なんか。不可能任務いっぱいあるんかよw
部活の大会みたいなテンションで不可能任務を見てて草。
撃たれてるやん。意味わからんくて草。
わざわざ変装して相打ちさせるとか回りくどすぎる。
いや、こんな時間に仲間割れかよw
このお遊びにはいつまで…って毎回言ってんな。
クラウス気遣ってあげる優しさ。
グレーテは変装よりも頭の良さの方が得意分野か。
グレーテの特殊EDは無いのかよ。最強弱そう。

9話 ☆9
リリィ選ばれなそう。テストのたとえ的確で草。この男怪しすぎて草。
まずい言いつつちゃんと食べる。
殺されるの怖いからビビって気性粗くなってるのか?
自分からスパイですって言ってるようなもので草。
ジビアは長女ではなく守られた側だった? 名推理。急に頭良くなるw
こいつらよりおじさんの方が強くて草。

10話 ☆7
ビッチか? クラウスの前で言うなw 適当な設定だw 今なら倒せるぞ。
メイドがタバコ吸うな。ガバガバ爆弾。鳥はセーフ。

11話 ☆9
そういうことかよw そりゃリリィは置いてかれるだろうなw
なぜ声真似する。フォローなのか事実なのか。哀しき過去。
明日にも死にそうな声。マニュアル人間。そうはならんやろw
運任せで草。ジジイ神エイム。あの日見た光景(ケツ)
そこは極上だ…だろ。なんでそんなケースに入れてるんだよw
だから何で箱に入れるw 知ってた。
灯火メンバーを子供のように見てるわけか。

12話 ☆8
最後は日常回か。俺様回最後までなかったな。茶番回かな。
スパイが民事に介入して変に目立つな。滅茶苦茶で草。
ろうきんでありそうな話。クラウス万能で草。ovaでやりそうな。
クソ野郎で草。恋愛要素が1対1なのがいいな。歌下手すぎ。

曲評価(好み)
OP「灯火」☆7.5
ED「Secret Code」☆7.5
4話ED「Fool on the secret」☆8
6話ED「DON'T」☆8
7話ED「SPARKLEscape」☆7
12話ED「偽りない幸福を」☆2
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 6

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

スパイ物は難しい。不可能任務は上手く表現出来るだろうか?表現出来ませんでした!

 最終話(12話)まで観ました。

 最終話は日常回でした。相変わらずシナリオは全く破綻しています。グレーテ達は、あれコレとスパイらしく調べたりしますが、最後はリリィの毒頼みです。

 結局、暴力的アプローチに頼るなら、Aパートのみで充分です。ボスの暗号も意味不明です。

 このアニメは、脚本がゴミなので、日常回で小悪党を懲らしめる話をダラダラやる方が良さそうです。

 ラストの2期に続くョ的なシリアスな引きも全く気になりません。ここまで可愛い女の子キャラを愛でる以外にウリのない作品も珍しいです。

 シナリオの酷さをオカン級の寛容さで許せるなら、オススメなアニメです。

………………………………………………………………………

 8話から11話、愛娘編観ました。

 全話おかしい話ですが、細かいツッコミは、「梨花はわたくしのもの」さんのレビューが参考になります。

 しかし……、トリックは相変わらず酷いです。こんなやり方ではメンヘラ女グレーテさんと言えども、命がいくつあっても足りませんよ。

 しかも、何で警察が介入して来ないんでしょうか?こんなに派手に立ち回ったら、敵スパイを炙り出すより先に逃亡されます。

 警察が無能なのかも知れませんが、一応公権力が介入してきたら、スネに傷を持っている人間は退散せざるをえません。目をつけられたらスパイ稼業もおしまいです。

 ただ、ここまで観ていると、大分キャラクター達に愛着が湧いてきます。

 作画は良いので、シナリオが根本的におかしく、期せずしてギャグアニメになっているのを除けば、良作と言えそうです。ラスト1話楽しみです。
 

……………………………………………………………………… 
 7話まで観ました。4話以降、キャラの掘り下げ回を延々とやるつもりのようです…。

 3話の一発ネタのために作った設定は忘れてしまったんでしょうか?もう、リリーが「肉は7等分!」とか、館内で叫んでいるんですが…。
 
 一発ネタが足を引っ張ってこのような構成になっているのが見え見えで何か盛り下がっています。

 今さらキャラの能力とかを見せられても、3話がなぁ。

 このまま緊張感のないキャラ紹介が続いていったら、好きなキャラを発見出来なかった視聴者には観ていて辛いものがありそうです。

 次回から新展開!?続きが楽しみです。帝国のショボイスパイが出て来そうですが。
…………………………………………………………………… 

 4話観ました。今回は新キャラの掘り下げ回です。新キャラはスパイと言うより超能力者じゃね?なんて突っ込みは野暮です。

 不可能任務がー!とかより、先生と生徒達がスパイごっこしている今回のような話の方が人気出そうです。

 シリアスな話だと、粗が目立つので、今回のように人を殺さない方向で行って欲しいです。

 人が死なないだけで、生徒達の雑な仕込みも許せる気分になるのは不思議です。

 また、不可能任務が始まりそうなので、次回以降心配です。菩薩のような寛容な心で見守りたいと思います。

 ……………………………………………………… 
 
 3話観ました。敵味方のスパイが白熱の騙し合い……?

 帝国が間抜けすぎです。もっと上手い方法あるだろ!後、ネタばらしを全部台詞で説明するの辞めい!

 これは美少女達を楽しむアニメのようです。不可能任務もスパイもオマケでしかありません。

 小学生の考えたような脚本に腹がたたなければ視聴継続しても良いかもです。これからも茶番劇が続きそうなので、寛容な心で見守るとします。

 ゾルゲ事件がー!とか生意気言って申し訳ありませんでした。そんな次元のアニメではありませんでした。

……………………………………………………………………
 2話まで観ました。いよいよ主人公達が死亡率9割の不可能任務に挑むのですが、大風呂敷を広げすぎの様な気がします。

 参加スパイの9割死亡って、一国に張り巡らせたスパイ網が全滅した位のインパクトです。以後の諜報活動は再起不能レベルです。前線の工作員のみをスパイと言っているのでしょうか?

 日本でも、太平洋戦争直前に有名なゾルゲ事件が起きていますが、情報統制にも関わらず、著名人のスパイ協力者もたくさんいたため、当時の人々は報道で事件をある程度は知っていました。

 まして、スパイの卵達が自国の大惨事を知らないなんてあるんでしょうか?正直、国に対する忠誠心が揺らぎかねない事態だと思います。極上の教官が言うほど大した事では無かったのでしょうか?

 潜入先の超重要極秘施設が首都近郊の海岸にあったり(戦争になったら真っ先に狙われるやろ…)、お嬢様に化けて敵国に入国しているのに眼帯をつけたままのキャラがいたり(いくらなんでも怪しすぎる…)突っ込み待ち!?な感じがします。真面目に物語を考えているのでしょうか?

 不可能任務がどんな物なのか、ハラハラしながらも、3話以降が楽しみです。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

69.2 7 2023年度の部活アニメランキング7位
BanG Dream! It's MyGO!!!!!(バンドリ! マイゴ)(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (176)
303人が棚に入れました
キャラクターとライヴがリンクする次世代ガールズ・バンド・プロジェクト、"BanG Dream!(バンドリ!)"から生まれる"現実(リアル)"と"仮想(キャラクター)"が同期するバンド"MyGO!!!!!"(読み:マイゴ)の活動がスタートする。
"迷子でもいい、前へ進め。"をキャッチコピーに燈(Vo)、愛音(Gt)、楽奈(Gt)、そよ(Ba)、立希(Dr)の5人で構成されている。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最高に面倒くさいガールズバンドアニメ

【物語 4.5点】
私がいわゆる“2.5次元”コンテンツのアニメに関して、しばしばもどかしさを感じるのは、
コンテンツの中核で、偶像(アイドル)であるキャラを傷つけまいと躊躇する余り、
青春描写の踏み込みが浅くなりがちなこと。

物語の中で人物を息づかせるために必要な挫折や醜さを晒す脚本を書くと、
推しを傷付けられたとすぐに炎上する風潮。
それを気にしてか脚本が無難に萌えるネタに迷走したりする。
相当な青春作品の名手でも2.5次元だとカオス脚本を書いてしまう背景かと思われます。


その点、本作はとことんシリアス路線を志向し、序盤からキャラを偶像視せず、
人物同士が全力で傷つき傷つけ合っています。

プロットも最後キラキラなステージで大団円などゴールから逆算する帰納法ではなく、
その都度、このキャラならリアルでどう反応するかを重視してシナリオを紡いでいく演繹法で構築。

キャラにこんなこと言わせたら場が壊れてしまうのではないか?
というセリフもこの人物が言って不自然じゃなければ言わせる。
リアルを突き詰めた結果、最悪物語が崩壊しても構わない。
とにかく視聴者を疲れさせるとの監督の鬼方針w¹

ストレスを9話まで溜めに溜めて10話のライブ回で一気に解放する極端な構成。
煽りを受け11話でバンド名考案、ステージ衣装、新曲と普通の2.5次元アニメなら、
複数回に分けてエモさを醸すチェックポイントとして大事にするイベントを、
たった1回分にすし詰めにし、迷子たちのバンドを象徴する贄に捧げて、12話で慌ただしくバンド結成ライブする忙しなさは演繹法ならではの生々しい感覚。

そして、ライブ後の13話もただでは終わらない。
{netabare} 新バンドAve Mujicaの誕生。{/netabare}
ラストの凡そガールズバンドアニメとは思えないキラキラ感皆無なセリフが心に穴を穿つ重たい衝撃。
MyGO!!!!!はギスギスばかりだったけど、それでも青春していたんだなぁと、
逆説的に思い知らされました。


間違いなく人を選びますし、全然キラキラしてなくて楽しくないし(まぁ、私は終始“ギスドリ”満喫させて頂きましたがw)
嫌悪感を覚える方がいても仕方がない内容。
ですが、私は2.5次元アニメ脚本の自縄自縛を思い切り振り払った本作の挑戦を高く評価したいです。


【作画 4.5点】
サンジゲンによる3DCGアニメーションが軸。
ですが10話の燈から愛音への{netabare} 「一緒に迷子になろう」{/netabare} との殺し文句など、
心を揺さぶる場面では手描き重視で映像を構成することも。

{netabare} 10話ライブシーン{/netabare} のCGを見ていて感慨を覚えたのは泣き顔の進化。
演出の力もあるのでしょうが、各々が違う想いを抱えて、異なる泣き方をする。
この泣きの描き分けがCGでできていることに驚愕しました。
あのシーン。私は泣き顔見るために何度も観てしまいます。

カメラワークについて。10話ライブシーンのように自在にアングルを動かして臨場感を出す演出は相変わらずCGならではだなと思います。

が、それ以上に今回私が興味深いと思ったのが7話の楽屋、舞台裏のシーン。
カメラを敢えて防犯カメラみたいなポジションに固定して、
本番前後のバンドメンバーの落ち着きのない全容を“長回し”で定点観測したカメラワーク演出。

あっちでボーカルが不安で落ち着きをなくしたり、あっちで“野良猫”が気まぐれに動き回ったり。
迷子が迷子のままライブに雪崩込んで、ハプニングだったり、アドリブだったり、修羅場だったりw
俯瞰で体感することで、迷子のバンドのそわそわ感を共有できました。

これが手描きだと掛け合い終わったキャラは描くの面倒だから、とっとと画面から消えて欲しいとなるのでしょうがw
一旦モデル構築してしまえば何時までも映しておける。
これもCGならではの固定カメラ演出だったと思います。


【キャラ 4.0点】
MyGO!!!!!メンバー各人詳細については初回レビューで記したので割愛。

2.5次元では、しばしば、メンバー同士の仲睦まじいカットを多様して、
カップリングが尊い!とファンの忠誠心を上げるビジネスモデルがありますが、
本作はそこも無視。

バンドは上手くいかないもの。絆ではなく打算で結ばれたリアルな関係性の追求。
などの方針の元、脚本がメンバーを和気あいあいとカップリングしそうになると、
仲悪くして!と監督の鬼司令が飛んだそうでw

ただ安易に馴れ合わない女子同士には何とも言えない味わいが滲み出るもの。
私は愛音とそよさんの、どうせ私はこんなだよ、だから何?って感じの“カップリング”が好物ですw


視聴中『バンドリ』が新展開する正体不明の謎の覆面バンドAve Mujicaメンバーが作中で暗躍している。
との噂を耳にして情報を物色。

MyGO!!!!!もポエトミー多用して人を選ぶ面倒くさいバンドですが、
Ave Mujicaに至っては選ばれし者だけが招待される闇の儀式といった感じで、面倒を通り越してもはやアブナイですw

それだけに、どうしてあんな清楚そうなお嬢様方が黒いレースのパン……いやwマスクを付けて、
死と再誕を叫ぶに至ったのか?
何よりCRYCHIC解散の真相は?
制作中だという続編での解答を切望します。


【声優 3.5点】
MyGO!!!!!キャスト各人詳細については初回レビューで記したので割愛。

燈役の羊宮 妃那さん、立希役の林 鼓子さんは声優としてのキャリアもあって安定。

新人の方では愛音役の立石凛さんは、
逃げてる自分を煙に巻く掴みどころのないキャラボイス設定もあってか、
また御本人も初回収録時緊張したと語られていた通り、ややたどたどしい感じ。

それでも5話の愛音の過去掘り下げ回では、
慣れない感じの英語自己紹介も含めて奮闘していました。
ただ、やっぱり私には、愛音のボイスからは中学時代に生徒会長やっていたというイメージは沸いてきません。

一方、そよ役の小日向 美香さんは振れ幅の大きい役柄もあってか見せ場十分。
今後はバンドリだけに留まらず、
悪役令嬢役やメンヘラ女子役から声優としての地歩を固めていって欲しいです。

楽奈役の青木 陽奈さんは……セリフが短くてよく分かりませんでしたw


そんな中、芸能界でも筋金入りの2.5次元アイドル好きとして知られる
宮田 俊哉さん(Kis-My-Ft2)が燈の父役として出演。
先日は総集編ナレーションでも本作の魅力を熱く語っていました。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はElements Gardenの藤田 淳平氏と藤間 仁氏。
キラキラ成分控え目。ピアノ等による静かな心情曲が目立つ。
時に無音も選択し、キャラ同士のギスギスした会話に視聴者を集中させる。


MyGO!!!!!のバンド曲は、キーボードを廃し、ギターを二本置く構成で、
メロディック・ハードコアを追求。
会話を交わすだけでは表現困難な心情を時にポエトリーも交えてぶつける歌詞も痛切な青春パンク。

初回レビューにて私はボーカル役・羊宮さんの役者としての力を引き出す“台本”を用意できるかが鍵との趣旨の見通しを語らせて頂きましたが、
10話のライブ曲は彼女が熱演するに値する素晴らしい“台本”でした。

コンテンツ中で“MyGO!!!!!結成秘話”と位置づけられる本アニメ。
アニメ以前にリリースされた楽曲群も視聴前はもうひと押しかな?と思っていましたが、
“前日譚”である本作を観ていく中で、メンバーの積み重ねて来た想いが語られた曲として愛着が沸いて来ました。
その流れで{netabare} 12話で披露された1stシングル「迷星叫」(まよいうた)のライブシーン{/netabare} は嬉しかったです。


【参考文献】¹『メガミマガジン2023年10月号』「BanG Dream! It`s MyGO!!!!!特集」ライブ・イズ・ワンダフル 迷子たちの悔悟と覚悟 (柿本広大監督インタビュー)より。



【10話感想】ここまでの鬱積した想いを詩(うた)に乗せて解き放った凄まじいライブ回
{netabare}
第10話。概略はこじれた諸々を歌の力で解決する音楽アニメの定番回。

この回の凄い所は、音楽の力を最大火力で放つため、
これまでの9話分を使って、前のバンド解散のトラウマ等を引きずるメンバーたちの抱えた迷いやら、汚さやら、自己嫌悪やらを、
キャラクター価値を毀損する勢いで、全力でえぐり出す鬱展開にひたすら費やして、
10話に向けて鬱屈したエネルギーを溜めに溜めて来た所。

9話でバンドが修復不可能な所までドン底まで落として屈んだ上で、
もう歌うしかないと主人公にも視聴者にも腹をくくらせる。
そして、歌で決めると覚悟してからはグズグズと次回に持ち越したりせず、
この第10話一回で一気に決めた所。

{netabare} 再び一人ぼっちになったボーカルが詩の朗読から始め、
おもしれー女だとギターが戻り、ドラムが戻り、
サイドギターが戻り、バンドにトドメの致命傷を与えたと思われたベースも戻る。
そしてポエトリーから蘇るバンドソング。
最後は心を曝け出した不器用な連中が泣きながらライブパフォーマンス。
(ただし“野良猫”は終始楽しげ){/netabare}

このバンドがなぜポエトリーを多用するのか。
OPアニメでなぜ円を囲んで演奏しているのか。
謎の氷解と手応えと共にMyGO!!!!!の完成がいよいよ近づいて参りました。

私も音楽アニメを見続けていると、こういう展開には多々遭遇しますが、
瞬間最大風速という点では過去最大級の感動回でした。


ここまで正直、ギスギスMAXな展開に心が折れそうになることもありました。
(と言いつつここ数話は、{netabare} 闇堕ちしたそよさんの狂気がIt`s そよtime!って感じで、とても楽しませて頂きましたがw{/netabare} )
キャスト陣がインタビュー等で口々に「10話は絶対見て下さい」と懇願するのを信じてついてきて本当に良かったです。{/netabare}


【1~3話までのレビュー】ボーカル・CV.羊宮 妃那、ドラム・CV.林 鼓子に釣られて飛び込んだ『バンドリ!』スピンオフ

長いので折りたたみ

{netabare}
声優が実際にバンド演奏したりする『BanG Dream!』(バンドリ)
新たな五人組バンド「MyGO!!!!!」(マイゴ)を描いたスピンオフアニメ。
初回は#1~#3の90分一挙放送。

【物語 3.5点】
暗い、重い、面倒くさい。
でも、やさぐれてなければロックじゃないとか痛いこと思っている私w
面倒くさいバンドは嫌いじゃないので望む所。

中心人物となる奥手なVo.燈(ともり)らは、中学時代にバンド崩壊という過去を抱えている。
#1~#2にて、事情を知らない外面陽キャ転校生のGt.愛音(あのん)視点で、トラウマの残る人間関係に外側から踏み込んでいく。

#3にて、ようやく燈の一人称視点にて、過去のバンド結成から崩壊までの内情を語るも、
{netabare} バンド活動が終わった本当の原因は明らかにならず持ち越し。
トラウマは解消せず、MyGO!!!!!結成すらされず。{/netabare}
むしろ鬱が深まって初回放送が終わる。

早い展開を求める昨今の風潮では、1話だけの放送だと、地味だと切られかねない。
よって3話まで一気は英断でしたが、それでも好みは分かれそう。
私は3話までに勝負曲披露すべく諸々飛ばしてでもアピールを急ぐ2.5次元が多い中、
中々気骨があるバンドアニメだなと好感しましたが。
初回で、そんなにキラキラした話じゃないよ?と方向性を示したことはある意味、親切ではあります。


【作画 4.0点】
サンジゲンによる3DCG作品。

本音を言葉にするのが不得手な子が多いため、表情描写も果敢。
帰宅して「表情筋死んだ~」ってなる愛音。伝わって来ますw

顔面だけでは語りきれない心情を反映しようと、風景や小物も駆り出される。
収集癖がある燈がペンギン絆創膏コレクションに秘めた、
過去を取り戻せるかもしれない期待と、やっぱり無理かもとの落胆。
繊細でした。

空間を構築してしまえば、視点変更やカメラワークが容易なのもCGの利点。
三人称と一人称の切り替えもスムーズでした。


【キャラ 3.5点】
メインバンドとなるMyGO!!!!!

迷子とマイゴをかけて「迷子でもいい、前へ進め!」とか言い出すし。
歌詞も“うじうじ しくしく”などとこじらせているし。
イメージカラーもブルーだし、曲名の総画数多いし。
キーボードを置かないギター2人体制だし。
捻くれた私はホント良い感じで面倒くさいな~とニヤニヤしてしまいますw

メンバー
Vo.高松燈(ともり)……高等部1年。“羽丘女子学園の不思議ちゃん”。周囲と折り合えないネガティブ思考などをノートにしたためる内に、作詞の才能も開花。

Gt.千早愛音(あのん)……高等部1年。羽丘女子学園に転校後、軽い気持ちで燈をバンドに誘い地雷を踏んづける。ギター&ボーカル志望だが、演奏はご無沙汰なのか今ひとつな模様。

Gt.要楽奈(らーな)……通学先など謎が多いオッドアイ。初回では{netabare} 超絶ギターソロを披露して去っていった{/netabare} のみだが、リードギターになる片鱗は示した。燈がぼっちだとしたら、楽奈はマイペースを守るひとり好きといった印象。

Ba.長崎そよ……月ノ森女子学園。面倒見の良い、優しいお姉さんといった印象だが燈らと同じ高校1年。大人しい子の世話を焼いて、気持ちを決めつけたり、伝書鳩にしたり……。個人的には、そよが一番警戒すべき人物だと身構えています。

Dr.椎名立希(たき)……花咲川女子学園高等部1年。ライブハウスでバイトする目付きが怖い一匹狼。接客態度も極悪wですが個人的には一番デレると萌えるキャラクターだと期待していますw

その他、燈らと中学時代、CRYCHICで同じバンドメンバーだった女子も絡み複数校にまたがる地雷原を形成。


【声優 3.5点】
MyGO!!!!!は2022年4月の結成後は暫くキャスト名を伏せて活動していたそうですが、
アニメ放送を控えた今年4月にキャストが発表。

Vo.燈(CV.羊宮 妃那さん)
最近『僕ヤバ』ヒロイン役で私がますます深みにハマっている声優さん。
2.5次元については私は『セレプロ』八木野土香役でも歌声を耳にしているはずですが、
声量で押すタイプではないこともあってか、あまり印象に残らず(むしろ、よく食べる道産子のイメージの方が強いw)

MyGO!!!!!においても歌唱しているというより、歌詞を台詞に見立てて演じている感じ。
今後の同バンドの浮沈は、作詞・作曲担当が彼女の演技力を引き出す“台本”を用意できるかにかかっているかと。
これまでのリリース曲も、時にポエトミー(曲が始まっても歌わずポエム喋るやつ)も交えて、ささくれていて良い感じですが、私はもっと攻めても良いと思っています。

Dr.椎名立希(CV.林 鼓子さん)
今年解散した声優ユニット「Run Girls, Run!」メンバー。
最近では『ニジガク』の2代目・優木せつ菜役も務める。
鼓子だけに実は鼓も叩いていたという発表は衝撃でした。
歌って踊って生徒会長も勤めてバンドもやるなんてパワフルですね♪
(二次元と三次元どころかコンテンツの区別もついていないw)

2人のキャスト発表が私がMyGO!!!!!沼に迷い込んだキッカケ。


Gt.千早愛音(CV.立石 凛さん)
「S・響・エースクルー合同オーディション2020」合格から響に所属する新人。
アコースティックギターは弾いたことあるが、エレキギターはMyGO!!!!!で初挑戦。
#1~#2ではモノローグ含めてシナリオを引っ張る役柄でしたが、正直まだ固さがある印象。
愛音も色々事情がありそうなキャラ。深掘りと共に新人声優が一皮剥ける様を見るのも2.5次元の醍醐味。

Gt.要楽奈(CV.青木 陽菜さん)
立石さんと同じオーディション合格から響に所属する新人その2。
キャラ同様、ギター経験は彼女の方が豊富な模様。
バンド組みたい願望がMyGO!!!!!で叶う。
『レヴュスタ』中等部で経験済の2.5次元舞台のスキル発揮にも期待。

Ba.長崎そよ(CV.小日向 美香さん)
『バンドリ!』がキッカケでベースを始めた新人声優がMyGO!!!!!でベースを弾く。
コンテンツも8年続くとこうした事例も出てきます。
初回では、そよの含みのある人当たりの良さを好表現。中々侮れない新人です。


【音楽 4.0点】
MyGO!!!!!が歌う主題歌。
OP「壱雫空」(ひとしずく)、ED「栞」共に痛切な歌詞世界ですが、
同バンドの中では叫びも控えめで、光明が差すだけまだ優しい部類。
あとは梅雨明け前にフライング気味に放送開始して良かったなとも感じました。


作中ドビュッシーなどピアノ定番曲が流れるのも、青春劇の割れ物注意感に拍車をかける。
ピアノ演奏する豊川祥子役に配された声優界最強のピアノガチ勢・高尾 奏音さんの激情はいつ爆発するのか?
震えて待ちたいです。


【感想】
私はアプリ『ガルパ』は未プレイ。アニメも1期3話の「きらきら星」の演出が合わずに挫折した口。
今、振り返れば「Poppin'Party」は、私にはキラキラして眩しすぎたのかもしれません。

ただ『バンドリ!』への興味は持続していて、アンテナ張っていた時に目に留まったのが本作でした。

同じ世界観でPoppin'Partyを軸に横へ広がる展開が目立つ印象だったアニメ本編。
最近は下の世代への縦展開もさかんなのでしょうか?
本作なら予習必須の過去作との関連も少な目で、脱落者の私でも何とか復帰して付いていけそうです。{/netabare}

投稿 : 2025/03/01
♥ : 23

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

新規にこそ見て欲しい最高傑作

や…期待を遥かに上回る神アニメだった。97/100点。
自分は本コンテンツのファンだが、それを差し引いてもシリーズ最高傑作…いや、全アニメ作品含めて、ここ最近でトップに据えてもおかしくないような名作と言っても過言でないのではないか。
繊細な人間ドラマを描いたストーリーがともかく深く、キャラクターが悩み、苦しみ、迷い、それでも前へ歩み出す光景に胸を揺さぶられずにはいられない。
そして3Dアニメーションを長きに渡って業界の最先端で作り続けたサンジゲンさんの生み出す高い映像技術は、息をのむ圧巻の出来栄え。
総てにおいて文句なしの仕上がりだった。


本来ならもっと話題になってしかるべき作品だと思われるも、やはり「バンドリ」の看板が重い足枷となる。
バンドリシリーズと言えば、私のような固定ファンはいるものの、アニメファン全体としての視聴者数は実は少ない。
理由は2017年のTVシリーズ1期が主に作画面で悪い意味で話題となり、それを受けて2期以降はサンジゲン制作の3Dアニメに改修されたものの、本コンテンツのソシャゲである『ガールズバンドパーティ』をプレイ前提で視聴が推奨される内容だったこともあり、ゲームファン以外の視聴者を獲得出来なかったからだ。
また、3度のTVシリーズと映画やOVAも含めれば、実に10作前後制作されていることから、もはや新規が入り込める余地がないように感じられるのも無理もない。


ただし、今作に関してはそんな新規の人にこそ勧めたい!
なぜならシリーズ新章とも言える此度の『It's MyGO!!!!!』には旧作の絡みはほとんど存在しないからだ。
学校やライブハウスなどの舞台設定は旧作を引き継ぐものの、ストーリーはあくまで新キャラたちだけのもので、過去のアニメやゲームの内容を知らなければいけない要素は全くない。
だからこそ「バンドリ」の看板は足枷となり、言い方を悪くすれば邪魔でさえあった。
これはオンエア前から不安要素であり、シリーズファンの自分としては「バンドリ」が盛り上がってほしいけど「バンドリ」である限り盛り上がることができない…もどかしいジレンマに他ならなかった。
全話終了後の結果としては、アニメ系YouTuberさんやアニメライターさんらインフルエンサーが今作『It's MyGO!!!!!』を好評する発信をしてくれたお陰で、それなりに話題に挙がることが多かったのは嬉しかった。
ただ、作品のレベル的には、もっともっと盛り上がってしかるべき大作だったので、今でもアニメタイトルに「バンドリ」をかざしたのは悪手だったとは思っている。


前置きが長くなったが中身のレビューも書かなくてはならない。
今回は長文レビューになりそうなので敢えて項目事に感想を述べたい。


・ストーリー(20点満点中20点)
今までのバンドリシリーズの物語は「キラキラドキドキ」というワードが作品を彩っていたのに対し、ずばり今作は「ドロドロギスギス」である。
メンバー同士の「結束」なにそれ美味しいの?と言わんばかりに、ともかくメンバーがバラバラなのだ。今回の作品は。
ネタバレを避けるため詳細は語らないが、ともかく序盤から堕とす堕とす…上げるかと思いきや、さらにドン底に叩き堕とす!
あまりにも辛く苦しいストーリー、きらら作品が好きみたいなアニメファンはもしかしたら合わないかもしれないけど、自分としては大歓迎である。
過去の神アニメ判定した作品を振り返っても、自分は少女たちが挫折し、悩み苦しみ、そこから這い上がるサクセスストーリーが大好物なのである。

とはいえ、本ストーリーはあまりにも這い上がれる気配すら見えず、特に第9話のラストシーンは辛すぎて頭痛を催すレベル。もちろん「もう見たくない!」ではなく「どうすればいいんだ!助けてくれ!」という頭痛。
美少女アニメでこんなにも心を揺さぶられる作品、未だかつてあったろうか?あるわけがない。生死を扱うアニメじゃないぞ?ただの女子高生バンドアニメだぞ?
もはやどうやっても好転させることは不可能だ…そんな状況の中、それでも諦めなかった主人公の高松燈が第10話で奇跡の逆転劇を見せつける。
ドン底に堕ちたキャラクターたちが、青春のキラメキを一気に爆発させるカタルシスは圧巻の一言。第10話は本作を神アニメたらしめた究極の回だったと言える。
11話はこれまでの殺伐さを一変させるほのぼの回。
12話は「It's my go!!!!!」をサブタイトルとした実質の最終回だった。
そして13話は賛否両論の…(後述)
振り返れば色んな意味で恐ろしいほどに重厚な脚本だった。
毎週毎週、次が気になって仕方がない、久々にそんなアニメを見た気がする。


・キャラクター(20点満点中20点)
いや、キャラも非常に良かったです。
何しろ主人公バンド5人は全員が全員、心に何らかの欠陥を持つ女の子。
単に性格が悪いとかではなく、これまでの人生や、生まれ持った性質も起因してる子もいて、円滑なコミュニケーションを築くことが出来ない。
もちろん『ぼっち・ざ・ろっく』のように、コミュ障の一人を支えるような優しい世界は構築されていない。

例えば、千早愛音は一見するとみんなを引っ張れるようなポジティブな性格に見えるが、その実、自分が目立つことしか考えてない承認欲求の塊で、かつ実力以上に自分のことを過信している割とクズな子。
最初は「なんやこいつ…」と思う程に欠点だらけのキャラなのに、そんなウザ具合が逆にだんだんと愛着を持てるようになっていく不思議。
最初から優等生じゃつまらない、ダメダメな子が成長していく過程が面白いのである。

そんな愛音をさらに超えるようなカス・オブ・ザ・カス、それが長崎そよである。
最初はバンドを支えるママポジションに見えるが、実は真逆のとんでもない腹黒女だったことが発覚。
「なんで春日影やったの!!!」の台詞は個人的名言オブザイヤー。
本性を現した第8話以降は、階段を転げ落ちるかのように堕落し、メンヘラ、ストーカー、裏切りと考えられる全て悪行を行うまでに至る。
申し訳ないが、あまりの没落ぶりはストーリーを盛り上げる意味では最高の役割を果たしてくれた。ネタにもなったし最終的に一番好きなキャラになったのは自分だけではないだろう。
10話における愛音との対話は震えた。最初から切り捨てるためにバンドに入れたはずの愛音が、そよにとって生まれて初めて本音をぶつけ合えるような相手になるとはね…
あんなにダメダメでクズでカスだったキャラたちのことを、わずか数話でどうしようもなく愛おしいキャラに感じさせてくれるように仕立てた脚本は本当に素晴らしい。

あとは主人公の燈。生まれつき人とは感性が違って、他人とうまくコミュニケーションが取れないけど、誰よりも友達との絆を大切にする女の子。
グチャグチャのバラバラなメンバーをひとつに纏める奇跡を生んだ彼女の勇気は、どんな主人公より主人公してたと思う!
他のメンバー2人もめちゃくちゃ語りたいけど、あまりに長くなるので割愛。
また、もう一人の裏主人公、豊川祥子については後で触れる。


・作画(20点満点中20点)
ずっと言ってるけど、サンジゲンのCGは作画を超えてる。
2018年から制作が始まったバンドリ(&D4DJ)のミュージックビデオは全部見てるけど、最初から圧倒的だったのに更に進化が止まらない。
楽器を弾く細かな動きから髪の毛の揺れまで、細部に渡る拘りが毎度素晴らしすぎる。
今作の10話ライブシーンのダイナミックなカメラワークも凄まじかった。
感情の全てをさらけ出し、思いをメンバーにぶつけ合う描写…
あの映像だけでMyGOがどんなバンドなのかを100%再現出来ていた。

もちろんライブシーン以外も褒め始めたらキリがない。
特にキャラクターの表情に関しては、旧作に比べて一段と進化を見せる。
例えに挙げるキャラは、やはり長崎そよなのだが、序盤の母性と若干の嘘っぽさが見え隠れする顔、中盤の「なん春」事件におけるブチ切れ顔、目の光を失った闇堕ち顔、終盤の付き物が取れた顔、時には「わたしの衣装切れてるー!」とギャグ顔かましたり、まさに長崎表情七変化!
そよに限らず、各々のキャラが多彩な表情を見せてくれる本作を見れば「CGには温かみがない」という従来の定説は根本から覆ることだろう。
また、第3話における過去回は終始、燈の一人称視点でストーリーが進む。
まばたきの演出から、ラストシーンで涙で視界がぼやける演出まで…
3Dアニメならではの新しい試みに挑戦していて、見直して改めて素晴らしいと感じた。

そんな文句の付けどころがない仕事をしているのにもかかわらず、バンドリ2期~D4DJまでアニメが思うようにヒットしなかった件で、おそらくブシロード側でもCG路線を切り替える企画案も出ただろうに、サンジゲンさんの長年の功績を裏切らなかったことは称賛に値する。色々アニメが失敗してしまったのは、むしろブシロード木谷会長(社長)のせいだと思ってるので俺は。
サンジゲンさんはいつも最高の仕事をしてくれている。
まじな話で食わず嫌いでCGを敬遠してる人は、頭真っ白にして見てほしい。
作画に負けてる部分なんてひとつもないから!


・声優(20点満点中19点)
これも何度も言ってるけどね、バンドリ声優ってリアルライブで楽器弾くんすよ!
この点でもう既に同じ立ち位置では語れないわけ。
「歌って踊れる?キサマらの居る場所は既に我々が2000年前に通過した場所だッッッ!!」(by木谷海王)

そして本作においては、まず第一に主人公の燈役の羊宮さんである。
前クールの『僕の心のヤバいやつ』で一躍注目声優になった若手有望株。
大手事務所に所属し、次世代を代表する実力があるのに、拘束時間が長いであろうバンドリによく引っ張ってこれたな…って、自分からオーディションに参加してくれたの?…すごく有難いが、キャリアをバンドリに費やして良いのだろうか。
ポスト花澤にもポスト茅野にもなれるし、しかも独自な演技も出来る伸びしろしかない役者さんなので。
実は自分、MyGOの存在は前から知ってて、何ならキャスト名が公開されてない段階でオープニングアクトで登場したリアルライブも遠目で見たことあったけど、その時は「素人のお試しガールズバンド企画」みたいな感じだと思ってて、ボーカルの正体がこんな声優界の未来を担うような方だったなんて予想だにしなかった。

一方、愛音や楽奈は外部からではない自社ブシロ声優。
愛音役の立石凛さんは演技力という意味ではまだまだ新人の段階(それでも楽器が出来る点で文句は全くない)も、なんだか聞けば聞くほど味わい深い声となる。
他キャラのcvだったら少しアカンかもだけど、愛音というキャラにはピッタリな声質で、かつ中毒性があり、アニメ放送後のMX天気予報の「あっつぅ~いねぇ」が毎週の楽しみだった人も少なからずいたのではないか?
今までのバンドリ声優がそうだったように、ソシャゲの『ガルパ』の収録でどんどん演技力が向上することが予測されるが、上手くなって癖が無くなったら逆に困るね…w


・音楽(20点満点中20点)
爽やかな疾走感のあるオープニング曲の『壱雫空(ひとしずく)』がまず好き。
そこからMyGO!!!!!の既存の曲も聴いて全部好きになった。
第10話の挿入歌の『詩超絆(うたことば)』はストーリーの流れで朗読から入ったのだと思ってたら、原曲も同じく朗読でびっくりする。
ポエトリーリーディングというひとつの手法のようで、これがバンドの色となれば面白いと思う(多用されすぎると困るが)。
新章におけるもうひとつの裏バンドAve Mujicaは、重低音が特徴の…何系っていうのか、ヘビメタ系?ビジュアル系?MyGOと全然音楽性が違うのが面白い。
詩に思いを詰め込んで全てをさらけ出すMyGOの音楽と、劇をモチーフに作りこまれた世界観のAve Mujicaの音楽、対照的な2バンドが新たなバンドリを彩っていく今後が非常に興味深い。

今までのバンドリユニットと全て棲み分けが出来てるのがまた良い。
これまでPoppin'Party~Morfonicaまで、Elements Gardenが主に作曲してきたが、新章からはSUPA LOVEという別プロダクションが担当している。ただ、エンディングの『栞』や最終回の挿入歌は、エレガが作曲してるので全部が全部というわけではない模様。
なんにせよ、相変わらずバンドリ曲は全部好みなので、またリアルライブにも行きたくなってきたね。もちろんアルバムも予約完了。


・その他加減点(-2点)
これはマイナスにすべきが今は迷うが、リアタイ時にガッカリしたことで、最終回がAve Mujicaにジャックされたことが少しケチが付いたかもしれない。
Ave Mujica編がアニメで決定したのは大変喜ばしいものの、今作はMyGOの物語のはずで最後は彼女たちで締めてほしかったが何故ないがしろにしたのか、って気持ちは正直ある。せめて12話を形式的に最終回表記とし、13話をエクストラエピソード表記にすれば、不満は無かったかも。
ただ、よく考えたらAve Mujica編も今作に続く「新章第2パート」というわけで、いわばMyGOの物語もまだ終わったわけではないと考えれば、あの締め方はベストだったとも言える。
脚本家様を中心に優秀な制作陣が考えぬいた末の構成だったのだろう。

今作のストーリーを大いにかき乱し、Ave Mujica編の主人公となる豊川祥子。
最終回で祥子の行動理由の一片が明らかになったものの、それでもやや腑に落ちない面もあった。
今作第3話で燈視点の過去回があったように、次回作では祥子視点の過去回が描かれ、彼女の心情の変化の答え合わせが描写される機会があるかもしれない。
また、闇に堕ちた彼女を第2パートで救い出すのが、成長した燈らMyGOの面々となったらとても面白い。
次作の出来次第でマイナスポイントが解消され、満点を狙えるような名作が完成してくれることを期待する。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 5

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

好きにしはったらよろしいですわ。

バンドリもまあいろいろなハナシがありましたけど、今期のバンドリはひと味違う感じですな。

今回は全体的になんか暗い(笑)

今まではポピパの成長物語とかRASとロゼリアの振り返り物語とかそおゆうまあ比較的ノーテンキなハナシで、それはそれで面白かったんですが、今回みたく新しいバンドの結成からハナシするって場合、また同じようなハナシじゃあねぇ。アレやないすか。

んで、今回はこんな感じでってことなんでしょうけど、実はこのハナシ、ボクはハマっております。


なんだか今期見たいアニメ全然なくてですね。
コレと家事をやるでかい猫のハナシくらいしか見てないんすよねー。


実はボクも一応バンドとか長い間趣味でやってましてですね。
40歳半ばくらいまでやとったんですが、ある日突然いろいろめんどくさくなってやめちゃったんですが(笑)、基本バンドなんてものはまともな人間が簡単にハマるものではありません。

とゆー結論に至ったボクからすると今回のバンドリは実に面白い。


特にメンバーが素晴らしい。

タイコはいつもイライラしててオレのゆうことがきけねえのかとゆーオラオラ人間で、サイドギターはヘッタくそで全然練習しないし(笑)、ベースは八方美人の性格ゲロ悪オンナ。リードギターはどうにもならんし(笑)、ボーカルのコだけが陰キャなところを除けばまとも。そんなん。


だからまあリハも常に険悪な感じで、とにかくなんでお前らバンドやってんだってゆうくらい仲が悪い。

んで、仲が悪いのかってゆうと実はそうではなくて抱き合えばお互い棘で傷つけあっちゃうみたいなそおゆう関係なのかな。

なんしかメンバーそれぞれはお互いあまりレスペクトしてないのだけれど、ボーカルの子が書く歌はレスペクトしてるようなんで、ライヴでバチっとはまったら実はすげー!みたいなすぐ解散する伝説のバンド的な。

なんかそおゆう感じのバンド様相を呈しております。


最初からずっと見てて、これスモーキーメディスンみたいなバンドじゃね??とか思ってしまってひとりニヤニヤしとります。


とにかくですな。バンドみたいなもんはそうそううまいことイケへんのですよ。

せやからうまいことイケへんバンドの話はものすごシンパシーを感じてしまい、うんこれ面白い!となってしまうボクを誰が責められよう。


さて、今後の展開ですけど、とりあえずどうなってほしいとかはありませんで、解散するもよし、メンバーそれぞれ別のバンドに拾ってもらうもよし、楽器自体をやめちゃうのもよし、好きにしはったらよろしいですわ。

どんな結末になってもそれはそれでええ思いますんでとりあえず最後まで見てこましたろかなとは思てます。


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


とゆうことで『ダミだこりゃ~このバンド~』と9話見終わって思ったのですが、10話。

これは神回でした。

いやまあもう『ふーん』『へー』の連発でして、まさかそんな風にしてバンドメンバーの演奏が再開されるにいたるとは思いもよらない展開でした。

先にも書きましたがメンバー同士は人間的にはお互いレスペクトしてないのですがこのメンバーを繋ぎ止めていたのはトモリちゃんの詩だったのですなー。

なので、トモリちゃんがメンバーを繋ぎ止めるために歌い続けたのかどうかはわからんのですが(おそらく違うと思う)、とにかく魂の叫びをステージの上から発してそして届けと(これがまた誰に向かってだとか実はよくわからない)。

早いハナシこおゆうことではないかと思いました。


それにしてもラストのライブシーンは実に圧巻で、ものすごいカタルシスのあるステージでした。

これはもうバンドリのライブ史上最高といってもいいほどのステージでした。
(あんなライブされたらそのあと演奏できないよ~。あの後にブッキングされてたバンド可哀想だな~とか思ったりしました。)

なんつったってノンリハぶっつけ本番のライブででサビのメロは出てくるわ、キメは合っちゃうわ、なんだこいつらすげえな!と。

そんあわけあるかいっと思いつつ、いや待てよメンバーによってはセッションで稀にそおゆう時あるかもなとか。

思ったりしてですよ。


いやいやなかなかでした。


まあとにかくそんなわけでステージはものすごいよかったんですが、やっぱりこのバンドはダメだと思うのですよ。

だって、そんじゃあちゃんと活動するかって話になって、ちゃんとリハやって、ライブの計画立ててってこいつらやるか~?って考えたら絶対やらへんて。ってかできへんて(笑)。

でもまあ、クライシックのコピバンじゃあダメだってことと、曲作りは誰かがDTMとかでつくったプリプロを譜面に起こして演奏したりするのはもはやバンドではないとゆうことは気が付いたっぽい。


さぁ~。これあと2~3話で終わっちゃうのか~。
いったいどおなるのやら~~~。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

とゆうことで最終回見てしまいましたわ!

とにかくMyGO!!!!とゆうバンドが出来上がって活動してゆくってことになりましたな。

相変わらずメンバー同士仲悪く、てゆうか歯に衣を着せぬお付き合いができる仲間ってんですかね。

お互い気を使いながら仲良しクラブをするってんならバンドなんかもともとせんほうがええのや!的な人間関係なのかなんかよくわかりませんが、なんかそおゆうよくわからないメンバー関係で成り立っておりますよこのバンドは。

またプレイヤーとしてのレスペクトもメンバー同士あんまりないみたいでそおゆうのんでうまいこといくのかどうか甚だ疑問ではありますが、とにかくトモリちゃんの書く歌がこのバンドの扇のかなめとなっておりましてですな、まあなんとゆうか意識的にはみなさんプロなのであります。


しかしなんか長続きしそうにないなぁこのバンド(笑)。


そおいえばこのMyGO!!!!とゆうバンド。
リアルでもこの声優さんたちが演奏してライブやってんですねー。

ツアーもやってんのかな?
よくわからんけどライブ映像も何種類かYouTubeに上がってますがな!

それがまあまあちゃんと演奏してるんですよ!ビックらこいたー!!

声優さんが練習してバンド的なこともやってまっせみたいなんではなくて、もともとある程度演奏できる人らを選んでキャスティングしてるんすかね。

なんかそんな感じですぜダンナ。

でもボーカルの羊宮妃那ちゃんて僕ヤバの山田ですよね。
これからお芝居の仕事がいそがしくなりそうなのに大丈夫なのか~~~。


心配だ!


・・・ま、ボクがそんなこと心配してもしょうがおまへんですわな。


とゆうことでいったんMyGO!!!!の話はこれにて終わりとゆうことですな。
いやあめちゃくちゃ面白かったですわ!


ほて、この次はバカテク・ヴィジュアル系の仮面バンド、オンナ版MALICE MIZERみたいなバンドの話がメインとなるんですかね。

よくわからんすけど、最近またああゆうバカテク・ヴィジュアル系のバンドも人気なんすかね。

ああゆう速弾き系のギタープレイとかきょうび流行らんような気もしますけどどうなんですか。そんなことないんですか??


ままとりあえず引き続きさらなるダークな展開が待ち受けてそうでいずれにしても楽しみです!!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11
ページの先頭へ