軍師で侵略なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの軍師で侵略な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の軍師で侵略なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.8 1 軍師で侵略なアニメランキング1位
アルスラーン戦記 風塵乱舞(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (514)
2737人が棚に入れました
聖マヌエル城での戦いから一ヶ月。パルスでは未だ終わりの見えない戦乱が続いていた。ルシタニアの侵攻によって生じたパルス国内の隙を突き、ペシャワール城砦に攻め込む遊牧国家トゥラーンの軍勢。パルスの兵たちは懸命に持ちこたえているものの、圧倒的な数の敵を前に、もはやその命は風前の灯。しかしそのとき、一迅の黒い風が戦場を駆け抜け、トゥラーン兵たちを次々と切り伏せる。続いて響く、涼やかで力強い「ヤシャスィーン!」の声。アルスラーンとその仲間たちが、帰ってきたのだ。

声優・キャラクター
小林裕介、細谷佳正、浪川大輔、花江夏樹、KENN、坂本真綾、沼倉愛美、羽多野渉、内山夕実、梶裕貴、稲田徹、玄田哲章、斉藤壮馬、日野聡、茅野愛衣、櫻井孝宏、津田健次郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

まぁ、全8話なので覚悟はしていましたが…

この作品は、アルスラーン戦記の続編に位置する作品です。物語に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

王都エクバターナを奪還するため、着々と力を付けてきたアルスラーン一行…
その破竹の勢いは増すばかりです。

ですが、その一方で不穏な空気の密度と混沌さも増してきたように思います。
牢に閉じ込められているアンドラゴラス…自らを正統なパルス国王であると主張を続ける銀仮面…

力を付けているのはアルスラーンだけではなく、黙って囚われ続けているアンドラゴラスではありません。
この作品ではずっと燻っていたこれらが一気に爆発して動き出す様が描かれています。

きっとそれぞれ自分の本分があるのだと思います。
それでもやはりアルスラーンに肩入れしながら視聴する事しかできませんでした。
優しさ溢れる判断には甘さがあるかもしれない…けれど、それは真っ当に立ち直る機会を与えてくれているから…

今のアルスラーン達には司法がありません。ですが、相手の事を深く考え裁量する姿を目の当たりにすると良い国王になるとしか思えませんし、そんなアルスラーンの人格だからみんながついてくるのだと思います。

アルスラーンの周りには。騎士以外に色んな人がいます。
身分や職業に拘ることなく分け隔て無いのも、彼の魅力に拍車をかけています。
しまいにはとんでも無い人までアルスラーンを訪ねにいくのですが、これは本編でのお楽しみ…
アルスラーンの人となりによるモノなのですが…個人的にはこういう展開は大好物です^^

一方、どうしても解せない事もあります。
物語の中でアルスラーンはアンドラゴラスから勅命を受けるのですが…何故あんな仕打ちの様な勅命を出さなければならなかったのでしょう…
エクバタール奪還に向け、アルスラーンの貢献度は決して小さくはありません。
それなのに…
その真意は今回も結局分からず終いでした。

王族の内紛でもめているのは、パルスだけではありません。
もめているのはルシタニアも一緒でした。

でも…人の欲って、何故こうも際限が無いのだろう…
そりゃ「無い」より「有る」方が良いものってたくさんありません。
けれど、ここで実際に争っているのは一般の人より遥かに良い暮らしをしていて、富も権力も十分過ぎるくらい持った人たちばかり…
きっと使え切れないくらいの富と権力を持っているにも関わらず、それでも欲しがってしまうのは何故なんでしょう…
人は富と権力を持てば持つほど卑しくなっていく生き物なんでしょうか…
こんな中だからこそ、アルスラーンの気高さが眩しく見えるのかもしれません。

オープニングテーマは、藍井エイルさんの「翼」
エンディングテーマは、Kalafinaさんの「blaze」
オープニングとエンディングとも平成の歌姫なんて何と贅沢なんでしょう…
もちろん、どちらの曲も文句なしに恰好良いです。
唯一気になるのは藍井エイルさんの体調でしょうか…
調子が良くないとの事でしたが…早く快方に向かう事を祈念しています。

全8話の作品でした。この変則話数を聴いた時から覚悟はしていましたが、
これから物語は最高潮を迎える…の直前で終わってしまうのは、やはり残念でなりません。
三つ巴の真っ向対決…無茶苦茶続きが気になって仕方ないです。
それに個人的にはエトワールの今後が気になります。
続編の制作…楽しみにしています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

lll1 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

なんだこれ

 原作小説、漫画は読んでません。テレビアニメのシーズン1は視聴済みです。
 銀河英雄伝説と同じ作者ということで期待してましたけど、まぁ、面白くないです。

 何からつっこめばいいのか分からないので、ネタバレにならない部分から。
 まず、音楽。本編中に流れるサウンドトラックが残念。盛り上がる場面で流れる曲が同じ。もっとサウンドトラックを充実させてほしかった。次に主題歌。もっと作品の舞台に合わせたOP,ED曲を使うべきだと思う。NHKの大河ドラマでパフュームの曲を使ったらどうなるか・・・最悪でしょう。主題歌を作風に合わせることで、この作品の印象がだいぶ変わると思う。

 声優については、特に言うことないです。

 次に作画。作画は控えめに言っても悪かったと思います。戦闘シーンの迫力のないこと。CGのレベルの低さと相まってとても残念。戦闘シーン以外でも手抜きに感じられるシーンが結構あった。

 登場人物は、現実味が無いです。この作品は楽しい・魅力的・素敵と言ったようなファンタジーの部類ではないと思ってました。あくまでも架空世界での現実・リアルを描くような作品だと。けれど、現実味が感じられない。そのせいか、この世界に全然入り込めない。魅力を感じない。

 ストーリーにも触れたかったけど、何言ってもネタバレになる気がしたので。ふせて書きます
 ↓以下ネタバレ
{netabare}
 ストーリーの都合の良いこと。ダリューン、ナルサスがいればどうとでもなるだろこれ。危険なシーンにおいても、まるで緊迫感がない。
 せっかく、アルスラーンが独りになる展開があったのに結局合流。アルスラーンが独りになってからのストーリーに期待したが、期待外れ。これじゃストーリーに変化がない。

 港町ギランでは、頭の良い設定のシャガードが出てきますが、本当に頭が良いのか疑問。まぁ、ナルサスの策によってアルスラーン側が勝つことは容易に想定できたけど、アルスラーンにも苦戦している様子・シーンなどがほしかった。

 最後に、イノケンティス王が刺されるシーン。このシーンは本当に呆れた。別に笑うシーンでもコメカルなシーンでもないのに、刺されて「痛いのじゃ、痛いのじゃ」。なんでこんなコミカルなセリフにしたんだろうか。意味が分からない。
{/netabare}
最終評価は 3 / 10点です。正直2点です。しかし、最後まで視聴はできたので3点にしました。
 シーズン1の最初の頃の面白さは、どこにいったんだろうか。本当に残念な作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3期が来るまでは、観なくてもいいかもね。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
アルスラーン戦記の2期ですが、全8話とかなり短いです。ラストも正直、かなり中途半端に終わっており、「打ち切りじゃないか」と噂されたほど。どうやら、色々な事情により、最初からここで切る予定だったようです。

内容は別につまらなくないんですが、結構、欲求不満になっちゃうので、3期が(あるかは知りませんが)決まってから観るか、原作や漫画で完走する気があるなら観ても良いかなという感じですかね~。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
思ったことは、「やっぱり、戦争モノなら、仲間は男が多いのが普通だよな~」と。

いや、男尊女卑とかじゃなくてね、普通に考えれば、肉弾戦であれば、一部例外を除いては、女性よりは男性の方が強いでしょ。なでしこジャパンですら、男子高校生にボコられるわけですし。

もちろんアニメだから、一部強キャラの女性キャラもいてほしいし、キングダムみたく軍師的な立ち位置ならOKです。が、昨今のなろう系みたく、「冒険者パーティー、主人公以外全員女性」みたいなのは、凄く冷めるんですよね。そんなわけないやん、みたいな。

本作の男率の高さに、逆に新鮮さを覚えてしまいました。

原作は、中学校の時に読んだので完全に記憶にないんでふが、本作の展開で一番残念だったのは、アルスラーンが父王から疎外され、1人旅立たされた時、仲間が皆ついてきたこと。あそこは、ある意味、アルスラーンの自立として、1人の力だけで新たな人間関係を築き、仲間を5万人集め、その後、再集結してほしかった。

あそこで皆ついてきちゃう過保護っぷりにより、イマイチ、アルスラーンに魅力が出ないんだよね。周りのキャラの方が格好よく見えちゃうもんね、主人公よりも。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

67.3 2 軍師で侵略なアニメランキング2位
将国のアルタイル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (189)
841人が棚に入れました
ここではない世界、いまではない時代。
将軍と呼ばれる為政者たちの治める草原と砂漠の国・トルキエ将国。
12年前、隣国・バルトライン帝国との戦争で母を失ったマフムートは、
平和な国にしたいと希い、トルキエ史上最年少で将軍となった。
しかし、交易で得た巨万の富をもって安寧を取り戻したトルキエに対して、再び帝国の侵略が始まる。
犬鷲・イスカンダルを相棒に国家間に渦巻く陰謀と策略を切り裂かんと動くマフムートは、
いかにして自分の国を平和へと導くのか?
―――理想と現実の狭間で彼のとる行動とは…?

声優・キャラクター
村瀬歩、古川慎、KENN、諏訪部順一、小西克幸、緒方賢一、津田健次郎、小林ゆう、櫻井孝宏、中井和哉、内山昂輝、茅野愛衣、島﨑信長、岡本信彦、佐藤拓也、日笠陽子
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「現実を知らない理想」は「絵に描いた餅」だけど、「理想のない現実」もまた「救いがない」。

カトウコトノによる原作漫画は、『月刊少年シリウス』(講談社)での連載が2024年1月に終了(全27巻、現在読書中)。第41回講談社漫画賞少年部門受賞。
アニメは、全24話(2017年)。監督は、『どろろ』、『SPY×FAMILY』などの古橋一浩。制作は、『呪術廻戦』、『ヴィンランド・サガ(2期)』などのMAPPA。
(2024.5.27投稿)

本作も前回の『天鏡のアルデラミン』と同様、個人的に好きで続きを作って欲しいアニメの応援レビュー。

本作のざっくりとしたイメージを伝えるなら、同じ田中芳樹原作小説の『アルスラーン戦記』の世界観に『銀河英雄伝説』のストーリーを組み込んだ感じ。

正直にいって、同様に中東がモデルで、優男の主人公マフムート(CV.村瀬歩)が犬鷲の「イスカンダル」を肩にのせていたり(「アルスラーン」と「アズライール」)、マフムートの従者であるキュロス(CV.KENN)が「ギーヴ」に、アビリガ(CV.諏訪部順一)が「ジャスワント」に似ていたりするので、見た目はより有名な『アルスラーン戦記』の類似作感があります。
(※『将国のアルタイル』(2007年9月~)の方が、『鋼の錬金術師』などの荒川弘による『アルスラーン戦記』のコミカライズ版(2013年8月~)より先に発表されてます。ただ、『アルスラーン戦記』の原作小説(1986年発表)の影響が強そう。なお、オマージュについて私はネガティブな印象はないです。詳しくは『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のレビューで書いてます。)

もっとも、当然ですが、中身は異なります。


【独自の世界観】
本作では火縄銃や大砲(設計図のみ)が出てくるので、ルネサンス期(14~16世紀)のトルコ(作中の「トルキエ」)、地中海(作中の「セントロ」)と、その周辺国をモデルとした架空の世界が舞台(※『アルスラーン戦記』はイスラム教が広まる前の時代)。

ただ、作中に登場する「ポイニキア」は、紀元前に滅びた「フェニキア」を意味するのですが、市民から選ばれた者による多数決で政治が行われるなど古代ギリシャ・ローマ時代の文化をそのまま冷凍保存した、その時代を代表するような国になってます(※異なる時代の国が混在している)。

また、本作の時代のこの地域をモデルとするなら必須と思われるキリスト教とイスラム教の存在、および、その対立について、ほぼ描かれていません(※『アルスラーン戦記』では、キリスト教は出てくるがイスラム教は出てこない)。

代わりに、ドイツをモデルとした「バルトライン帝国」による他国を侵略し領土(市場)を拡大することで自国の繁栄を目論む「帝国主義」と、主人公が仕えるトルキエを中心とする「その帝国主義に対抗する勢力」との争いが描かれています。

したがって、本作では、宗教や文化の対立ではなく貿易航路の確保など経済対立を中心として描かれているので、モデル国がキリスト教国かイスラム教国かに関わらず利害が一致した勢力で手を組みます。

あと、本作は架空の世界ではあるのですが、『アルスラーン戦記』と異なり、魔法、魔物といったファンタジー要素がない。
そこで、主人公の貿易を利用して物の流れを操作する「スパイ的な暗躍」や、帝国のルイ宰相やピノー将軍も無能ではなく彼らとの「頭脳戦」が見処になってます(この辺を指して、ストーリーは『銀河英雄伝説』と言ってます。)。

まあ、そもそも『アルスラーン戦記』を知らない人には関係のない話なのですが、荒川弘による『アルスラーン戦記』のコミカライズ版や原作小説のファンも雰囲気は似てますが別物として楽しめる作品だと思います。

ただ、注意点としては、これまで書いてきた内容に興味がある人には安心してオススメできる作品といえますが、逆にピンと来ない場合は、避けた方が無難かもしれません。


【あらすじ(公式HPのイントロダクションから引用)】
ここではない世界、いまではない時代。
将軍と呼ばれる為政者たちの治める草原と砂漠の国・トルキエ将国。
12年前、隣国・バルトライン帝国との戦争で母を失ったマフムートは、平和な国にしたいと希い、トルキエ史上最年少で将軍となった。
しかし、交易で得た巨万の富をもって安寧を取り戻したトルキエに対して、再び帝国の侵略が始まる。
犬鷲・イスカンダルを相棒に国家間に渦巻く陰謀と策略を切り裂かんと動くマフムートは、いかにして自分の国を平和へと導くのか?
―――理想と現実の狭間で彼のとる行動とは…?


【理想と現実の狭間(※物語後半の説明のため若干のネタバレ有り)】
{netabare}物語の序盤で、マフムートは将軍という公の地位にありながら私情で動き、結果的に大活躍するものの私情で動いたことを理由に将軍から降格。
そこから第13話まで、セントロ周辺諸国を査察し社会の現実というものをお勉強することに。

なので、特に序盤の主人公は「平和のため」という理想が先走って現実を知らない青二才として描かれているため、主人公として頼りない。

マフムートは、OPとED曲の変わる第14話から、現実を飲み込んだうえで、なお平和という理想を追求しようと活躍し始めるので、序盤は主人公が成長するまで少し我慢が必要かもしれません。

もっとも、こうしてマフムートは、「現実を知った理想主義者」に成長し、また、トルキエの有力な将軍であるザガノス(CV.古川慎)は、「理想を忘れた現実主義者」として主人公とは対照的に描かれていくことになります。

というところで24話までが終了。これからが、いいところなのに!(笑)

「理想と現実」、それは人間社会の永遠のテーマでもありますが、「現実を知らない理想」は「絵に描いた餅」だけど、「理想のない現実」もまた「救いがない」。

主人公は、帝国のもつ圧倒的な軍事力という現実を前に平和という理想のために戦争をし、その戦争に勝つために多くの人を殺し、周囲から恐れられる将軍となります。しかし、それは、平和という自分の理想から、どんどんかけ離れた存在になっていくことを意味しています。

正に理想と現実の狭間に揺れ、時には現実に打ちのめされながら、何とか理想を最後まで貫こうとする主人公の姿が本作の見処の一つになってます。


さて、今年、原作漫画は完結しましたが、アニメはちょうど半分くらいまで。個人的には、是非アニメの続きを作って欲しい作品です。{/netabare}


【戦闘中の部隊の動きがわかりにくい】
本作に限った話ではないのですが、戦争での戦闘シーンにおける部隊の動きがわかりにくい。
俯瞰視点での部隊の配置・移動の解説か地図での説明がないと、どこに何があって、どこに行ったのかが、原作漫画を読むか自分で整理しないと多くの人がついていけないと思われます。
「知略」が本作の売りの1つで、その辺が視聴者に分かりにくいと魅力も半減してしまうと思うので、もう少し分かりやすくして欲しかったです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

犬鷲使いの少年将軍(パシャ)、乱世に挑む!

この作品の原作は未読です。
この作品の視聴の決め手は公式HPのPVでした。
キャラデザこそイメージは異なりますが、年端のいかない少年が背負いきれないほどの重圧を抱え、国を守っていく…
服飾や各種設定に違いはありますが、「アルスラーン戦記」を彷彿とさせる世界観を感じたからです。

この物語の主人公は、史上最年少で将軍の地位に駆け上がったトゥグリル・マフムート…
彼は17歳という若さで将軍になったのですが、そんなにも昇進を急いだのは彼なりの理由がありました。
彼は幼い頃、戦争で故郷と親を失いました。
だから大切なモノを突然剥ぎ取られ…何もかも一瞬で失ってしまう怖さ・怒りといった感情を知っています。
そんな思いを二度と繰り返したくはないから…

どうして戦争って無くならないんだろう…と思います。
信仰宗教や思想の違い…国家の在り方の違い…他と違うところはきっと山ほどあります。
中には認めたくない…或いは認められない一面があるかもしれません。
でも、そこを踏まえてどうして共存できないんだろう…と思います。

きっと人間って共存を許容できる範囲…を自分勝手に線引きしているのではないでしょうか。
最も最小単位は人間個人…このレベルで見ると世の中全てが違っています。
でもここで線を引いてしまうと、逆に人間は滅びてしまうでしょう…
だって人は一人では生きていけないのだから…
それにそこで線引きをしたら…仲間はおろか、結婚だってできなくなります。
だから人は必ず何らかの妥協と許容を受け入れて生きていると思うんです。

だから後は線の引き方だけの問題…という気がしない訳ではありませんが、それならこれまで延々と続いてきた争いの理由が説明できません。

戦争で一番傷付くのは、戦争をしようと決めた人ではありません。
その戦争に巻き込まれて最前線に追いやられた人たちです。
たくさんの血を流して、たくさんの家族を引き裂かれた人たちです。

マフムートの掲げる理想…そこに辿り着くにはまだまだ痛みを伴う事を知った彼は、彼が思い描く平和への最短ルートを目指して駆け出し…物語が動いていきます。

マフムートは序盤から大活躍です。
自身も思い描く理想を実現するため奔走する彼…

でも駄目なんです…
一国家の一将軍がどんなに気張っても、これまで積み上げてきた歴史と確執がマフムートの前に立ち塞がるんです。
一方向からだけの見方は不足していて、物事を判断するにはありとあらゆる情報を駆使いなければならない…
マフムートが自力でこの考えに辿り着いた訳ではありません。
「そう仕向けられた」といっても過言ではないと思います。

戦争を止めるためには政治、経済、軍事的駆け引きが必須であり、それら駆け引きが所謂戦争そのものであること…
こちらに思考と物語が軸足を移した以降、この作品の面白さが俄然増したように思います。

そう、何も直接対峙することだけが戦争ではないのです。
それぞれの国が、それぞれの長所を活かして争いから活路を見出す…
この駆け引きの面白さは正直半端ありません。

人、権力、国家を動かすには何が必要か…
勿論、金太郎飴の様にやり方は一つではなく、相手が変われば立場も変わるのできめ細かい配慮が必要となります。
でも、そのきめ細やかさの大切さ…そして尊い血を流すよりよっぽどマシである事を痛感します。

それでもこれで終わらないのが世の常…
戦争と侵略を止めようとしない帝国に対し、マフムートを率いるトルキエはどの様に対峙するのか…
百戦錬磨の帝国兵と遊牧の民を祖にするトルキエとの間にどのような火蓋が切って落とされるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、シドさんの「螺旋のユメ」とCIVILIANさんの「赫色-akairo-」
エンディングテーマは、Flowerさんの「たいようの哀悼歌(エレジー)」とCHEMISTRYさんの「Windy」

2クール全24話の物語でした。
「アルスラーン戦記」とは主人公の立ち位置がちょっと違いましたが、仲間の信頼を得て大きな流れに抗おうと懸命に努力する雄姿は中々に熱い展開だったと思います。
終盤の直接対決に策士同士の戦いに光明に通ずるものがあったと思います。

帝国 vs トルキエの戦いは、これから益々激化の一途を辿るものと思います。
「続きはアニメで…」の願いが叶う事を期待しています。
エンドカード直前…突然のテロップに思わず心が躍ってしまいました。
「続報」の情報ではありませんでしたが、ファンには堪らないサービスだと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あらゆる理不尽を飲み込んで、少年(マフムート)は前へ進む…

この作品や流れを植物で例えると、タネを植え、芽が出て、双葉や四葉と育ち花が咲く…みたいな感じですね。物語序盤が入り辛く、設定や相関図や勢力図等を頭に入れるのが大変なので途中で切る人も居るかもしれません。ある程度物語が進むと主人公の成長などもあり楽しめると思います。

原作・未読。
スピンオフ・未読。
アニメ・全話視聴。(2クール24話)

時代は中世くらい?かな。武具・装備から推測すると中東やアラビアやトルコ辺り?かなと。建造物がトルコ風だったからトルコかも?

物語は知謀・策略・逆転劇、ファンタジーだけどこーゆー系が好きな私は楽しめた作品ですね。
他作品の『アルス○ーン戦記』に似てるとこがあります。時代や衣装だけなら『○ギ』も入るかな。(アラジ○とかアリ○バとかのやつね。)
前半は主人公『マフムート』の若さによる青臭さ、パシャ(将軍)なのに国の危機より友人を優先するという愚を犯し咎められる。
これから何が起こるか察知しているが何も出来ないマフムートは見識を広げる為に『犬鷲・イスカンダル』と旅に出る…。
と、最初のあらすじ的にはこんなとこかな。私はこれ以降から面白くなってきました。
成長や仲間、同盟締結方法や兵法・軍事、騎馬民族だから出来る行動や知識等々…、私は好みでした。
ただ本屋の人に聞いたらアニメではかなり端折ってると言われましたので結構削られてるのかな?と。

個人的に思った事はこの作品は『ゲームシナリオ』でも行けたと思います。寧ろそっちの方が設定も物語も入りやすいかな?と。
ちょっと一見さんには優しくない入りだったと思います。

多少ファンタジー要素がありますが『異能力』は少なめなのでリアル寄りかな。男性も女性も普通に殺されたりする描写もあるのでそこも良かった。
戦いはリアル寄りなのでそんな描写が無いと萎えます。
前半・中盤・後半で『マフムート』の戦い方、考え方が変わり、成長していくのも良かった。
自分の目で見て、自分の耳で聞いて、世界を知っていく…。直接感じた物を手に入れ、新たな仲間も手に入れる。
しかしそれだけじゃなく、あらゆる理不尽や不合理を飲み込んだり、時には利用される…。
そこら辺のストーリーの抑揚は結構良かったと感じました。

ただ!これだけは言いたい!
私はそこまで酷くなければ作画とかミス等はツッコまないんですがこれは…
最終話、締め近くのテロップ!
『バトルライン』
…どこよ!?
『バルトライン』じゃないの?
締めに入ってるのにアレは反省点だと思います。

策略・知謀等の解明するのが好き、『アルス○ーン戦記』好き、騎馬民族の戦い方を観たい方等にはオススメします。
ゆったり観たい方、殺害や血が苦手な方、凝った設定が苦手・覚えるのが嫌って等の方にはオススメしません。
絵柄が少女漫画的なのでそこは好き嫌いがあるかな?と思います。

「どんなに立派な思想があろうが、どんなに長い歴史があろうが、そんな物は生き延びる為に何にも役にもたちゃしない。チカラだけが生きる術なんだよ!」(敵)
「老獪(ろうかい)な現実主義者と未熟な理想主義者、国家に必要なのはどっちだと思う?…正解は両方だ。青臭さを現実主義が抑え込み、現実主義は青臭さによってその悪しき所を改革される…」(同盟国)
(セリフ一部抜粋)
結構「へー…」って勉強になりました。これ以外にもありますが一部にしておきます。

マフムートの様に外の世界に触れると考え方も変わるし、自分の知ってる当たり前は外では全然違ったり…
こーゆー他民族、他国家の考え方を楽しむのも一興ですね☆

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

71.0 3 軍師で侵略なアニメランキング3位
キングダム 第5シリーズ(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (66)
268人が棚に入れました
紀元前、中国西方の秦国(しんこく)。 今は亡き親友・漂(ひょう)と夢見た「天下の大将軍」を志す元・下僕の信(しん)は、少年の頃、秦王の座を巡るクーデターに巻き込まれ、第31代秦王・嬴政(えいせい)と運命的に出会った。 秦軍所属の「飛信隊(ひしんたい)」隊長として戦場に身を置く信は、嬴政とともに、誰も成し遂げたことのない「中華統一」を目指し、同世代の将である蒙恬(もうてん)や王賁(おうほん)らと切磋琢磨しながら着実に出世を重ねてゆく。 一方、若くして秦王の座に就いた嬴政もまた、じっくりと宮廷内で力を蓄え、ついには相国・呂不韋(りょふい)から国の実権を奪還。これによりいよいよ宿願・中華統一へと本格的に乗り出すこととなる。 中華統一に向けた新たな拠点とするため、趙国(ちょうこく)にある「黒羊丘(こくようきゅう)」の攻略を狙う秦軍。 信率いる飛信隊も攻略戦に加わるが、この戦いで秦軍の総大将を務めるのは「戦いの天才」と呼ばれ、勝つためならば非道な手段も厭わない桓騎(かんき)だった。 対する趙軍総大将は、稀代の天才軍師・李牧(りぼく)から信頼され、「沈黙の狩人(ちんもくのかりゅうど)」との異名を持つ慶舎(けいしゃ)互いに底知れぬ恐ろしさを秘めた総大将の下、要所・黒羊丘を巡る攻防戦が始まる!

声優・キャラクター
信:森田成一
嬴政:福山潤
河了貂:釘宮理恵
羌瘣:日笠陽子
渕:赤木進
尾平:鳥海浩輔
桓騎:伊藤健太郎
黒桜:永峰遙
雷土:乃村健次
摩論:佐久間元輝
那貴:小西克幸
リン玉:八代拓
ゼノウ:蓮岳大

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理想の大将軍を目指して一直線に駆け上がる…飛信隊の絆の力をとくと見よ!

この作品の原作は未読ですが、TVアニメは第1期~第4期まで視聴済です。

私の身の回りでこの作品を好む人が少しずつ増えているのは喜ばしいことです。
普段、会社の同僚にアニメの話は絶対できませんが、その人たちとなら少しは出来る様になりました。
とは言ってもキングダムだけですけれど…^^;

同僚の中にはアニメが面白いからということで原作に手を出した方もいらっしゃいますし、私の家族は実写版を見てアニメに興味を持ち始めています。
その方々はこぞって「アニメ版の方が面白い」と言ってくれています。

また、私の家族は私が普段アニメばかり見ているので、すっかりアニメを毛嫌いするようになってしまいましたが、本当に面白い作品は人を惹き付ける魅力があるんだと思います。


秦が目指す"中華統一"にむけての第一歩、
<対趙国>開戦の狼煙となる「黒羊丘の戦い」が幕を開ける──。

「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて、大人気連載中の原 泰久による漫画「キングダム」。
物語は、春秋戦国時代の中国を舞台に、天下の大将軍を目指す少年・信しんと、
後の始皇帝となる若き王・嬴政えいせいの活躍を描く中華戦国大河ロマン。

同作は、2013年第17回手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞、さらに原作コミックスは累計一億部突破。
そして2019年には初の実写映画化を果たし、興行収入57億円の大ヒットを記録、一躍社会現象となった。

TVアニメは2021年4月~に放送された第3シリーズにて史上最大の戦いと謳われる【合従軍編】が放送。
続く2022年4月~に放送された第4シリーズでは「成蟜の変」 から
「加冠の儀」までを描き【国内統一編】の完結を迎えた。

原作:原泰久監修の元、第5シリーズは2024年1月~放送開始!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

TVアニメ第4期までで秦国の国内は統一され、ここからいよいよ中華統一に向けた戦いが始まる…という訳ですが、予想していなかったことが一つだけ…
これまで最低でも2クール分は放送されていたと記憶しています。
それなのに、この第5期が1クール全13話の物語だったのがビックリです。
NHKが制作委員会に入っているので、これまで通り2クールの尺を使ってくるものと予想していましたよ。

確かに、今回描かれた「黒羊丘の戦い」は、1クールで描くにはちょうど良いボリュームだったのかもしれません。
wikiをチラ見したところ、ここからまた長い戦いの道が続くみたいなので、結果オーライだったのかな。

私はwikiをチラ見しかせず、極力ネタバレを喰らわないように心掛けていますが、次の物語の設定には何やら半端無い熱量を感じることになりそうです。
本当は見たくなかったんだけどな…
どうしても視界に入ってくる情報が拒めない時ってありますよね。

そして、釘ゅ演じる河了貂と、日笠さん演じる羌瘣は今回も抜群でしたね。
キャラの立ち回りも抜群でしたが、お二人の声質が堪らなく耳に心地よいです。
お二人とも沢山の作品に出演しているので、身体には本当に気を付けて欲しいです。
この二人になにかあったら、日本のアニメが大パニックに陥ると思いますので。

今回描かれた「黒羊丘の戦い」は、本当に苦しい戦いでした。
そもそも楽な戦いなんてこれまでありませんでしたけれど…
これまで主要登場人物にばかりスポットが当たっていましたが、副長の渕(えん)さんや、尾平(びへい)にスポットが当たったのは個人的にいは嬉しかったかな。
二人とも飛信隊の最古参ですからね^^

使われ方は対照的でしたが、結果的に飛信隊の絆をより深めることになりましたからね。
そして、信の思い描く理想の大将軍像もハッキリと脳裏に焼き付けることができました。
武功に関しては不満が無い訳ではありませんが、これで歩みを止める信ではないでしょう。

信、そして飛信隊がどこまで大きくなるのか、本当に楽しみですね!
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、DeNeelさんによる「導火」
エンディングテーマは、Novel Coreさんによる「RULERS」

1クール全13話の物語でした。
しっかり堪能させて頂きました。
そして、続編の情報を楽しみに待っています。
次は2クールで描いて貰えると嬉しいかな~^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

桓騎の戦術は戦術とは言い難く・・・

紀元前での秦国の戦いを描いた物語です。
秦国の国王嬴政(えいせい)は中華統一を目指しています。そのため、隣国である趙国を併合する必要があり、今回の戦いは黒羊丘の争奪戦です。

主人公の信(しん)の率いる飛信隊は、今や八千人の大部隊になりました。
しかし、今回の戦いの総大将は桓騎(かんき)であり、5万人を率いており、飛信隊も桓騎の配下として戦うことになります。

桓騎は戦いの天才です。但し、彼の戦いには正義とか悪とかの概念はありません。
戦いに勝つためならば、なりふり構わず何でもします。戦いに無関係な集落を襲い、財産を奪い皆殺しにしても、一切気にかけることはありません。
それに対して、趙国の部隊は国民の命を大切にします。

この戦い、どちらが正義でどちらが悪かというと、懸命に国民を守っている趙国軍が正義で、他国に侵略し、奪略、殺人を繰り返している秦国が悪です。
だから信や飛信隊副長の羌瘣(きょうかい)、そして飛信隊の軍師である河了貂(かりょうてん)は、大いに憤ります。
飛信隊は正義の部隊として、常日頃から戦いとは無関係な人たちへの奪略、殺傷を禁止していたためです。

今回は、信や羌瘣の怒りの心が大いに表現されていました。
そして、河了貂が今回編み出した戦術の基盤も、結構心に刺さりました。
また、飛信隊の古参である渕(えん)や尾平(びへい)の信念もしっかりと描かれており、なかなか見ごたえがあります。


ところで、
桓騎の戦術は戦術とは言い難く、誰もが立案できない、というか立案しないと願いたいものです。
なぜならば、桓騎の戦術は人間の良心を射抜いたものであり、良心ある人に対しては必ず成功する作戦だから。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

正義と悪の対比が魅力的、対照的な桓騎軍の異質さを描くアニメシリーズ第5期

2024/02/01 1話視聴
第5期にして、最高の始まりの1話だった。
めちゃくちゃに引きが強い。作画もいい。敵大将、慶舎との闘い期待できるぞこれは。

2024/04/06 視聴完了
原作既読。アニメシリーズ1期~4期まで視聴レビュー済み。
黒羊丘編。全13話

推しキャラ桓騎の圧倒的な強さを感じることの出来る黒洋丘編、原作でも好きでしたがアニメでも楽しむことが出来ました。

正義と悪、光と闇のような対照的な飛信隊と桓騎軍を描くことで、主人公信と秦王嬴政が中華統一するために乗り越えなければならない壁を明確に描いていた物語に感じました。
桓騎軍の特殊さ桓騎のカリスマ性と残忍性、漫画よりグロさは控えめですが充分楽しめました。いつでもニヒルな笑みでかっこいいお頭最高。

OPとED曲は、映像も音楽も今までのシリーズの中でも1番好き。特に桓騎軍がメインで描かれるエンディング曲は過去一この作品にピッタリだったと思います。キングダムファンのアーティストが書き下ろしたという歌詞が素晴らしい。ファンにはたまらない1曲となっていますのでオススメ。

作画は前半はとても良かったですが、後半になるにつれ崩れが目立ちました。特に9話は酷かった。

作画の残念さはありつつも、物語は相変わず面白いし、ラストで嬴政が語る統一国家の目指す未来を見てみたくなりました。次からは途中で原作漫画を見るのを断念したくらい長い戦いの始まりになるので、アニメ化したらどうなるのかテンポよく進むのか謎ですが、続編があれば引き続き追っていきたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
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