親子で母親なアニメOVAランキング 1

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68.2 1 親子で母親なアニメランキング1位
虫籠のカガステル(Webアニメ)

2020年2月6日
★★★★☆ 3.5 (104)
436人が棚に入れました
21世紀末、人が巨大な虫になる奇病「カガステル」が発症する。“虫(カガステル)"は理性を失い、人を襲う。だが世界的に“虫"の〈駆除〉が認められたのは、世界人口の三分の二が喰い殺された後だった…。カガステル発生から30年後の西暦2125年。人殺しと言われる無情な〈駆除屋〉の青年キドウは、“虫"の巣窟である“虫籠"に近い黄砂の地で絶命寸前の男を発見し、彼の娘を託された。その娘の名は、イリ。父の死の悲しみに打ちひしがれ動こうとしないイリの頬を叩くキドウ。この出会いが二人を、世界を変える。

声優・キャラクター
細谷佳正、花澤香菜、花江夏樹、櫻井孝宏、浪川大輔、森川智之、興津和幸、諏訪部順一、塩崎智弘、茅野愛衣、白鳥哲、間宮康弘、山下大輝、鬼頭明里、杉田智和、悠木碧、鳥海浩輔
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

エクスターミネーター

NETFLIX独占放送配信。

人の体を虫へと変化させる奇病が蔓延し、
人類の大半が死滅した終末世界。
駆除屋の青年キドウは黄砂の砂漠路で、
絶命寸前の男を発見し娘と遺言を託される。

人から虫へ、激烈な進化で理性を失い、
群れを成し人を食す化物へと変貌する。
バイオハザード的な終末観漂う活劇である。
しかし蟻の社会性などこうなると恐ろしい。

起承転結バランス良く物語が展開され、
その裏にある人の「業」も重厚に描かれる。
主題を絞っているあたり週単話だと、
最近の疲れた僕では脱落したかも知れません。
濃密ではあるのですが物語に間延びも感じる。
声優はどこかで聞いた声ばかりで豪華です。
制作費は地上波より多いのでしょうね。

ここに描かれているものは、
擦り切れた道徳心に贖い生きるものと、
{netabare}歪んだ愛を信じた亡霊たちの物語である。{/netabare}
自らの無垢の信者は他人の罪に残酷なのだ。

物語・世界観を重視される方にぜひ。

しかし癒されたい(笑)

投稿 : 2024/11/30
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

どうして、こんな世界に生まれてしまったのだろう。どうして、こんな世界でも生きたいと願うのだろう。

この作品の原作は未読です。
私はNETFLIXで視聴しましたが、久々にNETFLIXに入会した旨味を感じた作品だったと思います。
大人の事情による総集編祭りや放送日時の遅延など、TVアニメ放送における需要と供給のバランスが崩れている状況を最近ちょいちょい目にすることがあります。

個人的にはそれら全てが悪いことだとは思いません。
人間のやっていることですから、いくら重厚なバックアップ体制をとっていたとしても綻びが出るのはある意味仕方無いと思います。
インフルエンザや、新型ウィルスなども世の中蔓延していますし…
ただ出来ることなら、放送日の遅延は止む無しとしてもクオリティだけは最後の最後まで頑張ってほしいですけれど。
ただ言いたかったのは、NETFLIXならそんな心配は皆無であるということ…
放送が遅れることも無ければ相応のクオリティが約束されているって、当たり前のことかもしれませんが、視聴する側からすると嬉しい限りです。
NETFLIXの有料会員数が鰻登りで増えているのも分かる気がします。


西暦2125年一人が巨大な虫になる奇病"カガステル"が発症。
虫は理性を失い、人を襲い繁殖し続ける。

これはカガステルを狩る"駆除屋"の青年・キドウと
閉ざされた過去を持つ少女・イリの物語。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

人が虫化するのに前振りはありません。
発症してから完全に虫化するまで約20分…
この間に仕留めないと取り返しのつかない大惨事に発展してしまうのが、この作品の世界観です。

物語は虫に襲われて絶命寸前の男を極東で育った凄腕駆除屋であるキドウが発見するところから始まります。
その男からの最後の伝言は一緒に居た娘のイリを母親のところに連れて行って欲しいとのこと…
こうしてキドウとイリは出会い、物語が動いていきます。

キドウ役に細谷さん、イリ役に香菜ちゃんが起用されていること…
それにかやのんや鬼頭明里ちゃんが登場するのも相まって耳は幸せ一杯でした。
しかし香菜ちゃん…もうどれだけ鬼懸かった演技をするんでしょう。
しかも声質がとても綺麗…もう何度聞き惚れてしまったことか…^^;

ですが、このカガステルの世界は香菜ちゃんのスーパー癒しボイスをひたすら堪能できるほど甘くはありませんでした。
確かに虫の人当たりの厳しさは正直半端ありません。
大の大人ですら、一噛みで絶命させられるほどの強靭な顎と羽を持っていますし、硬い身体は銃弾ですら容易に弾き返すんです。

ですが、個人的にはその虫の脅威の物陰で暗躍する人間の方が怖かったかな…
確かに目的はあったのかもしれない…
けれど、目的と代償の大きさがまるで噛み合っていないのですから堪りません。
そんな理不尽が通用して欲しく無いと本気で思いながら視聴していました。

でも…この物語はそんな痛みだけの作品ではありませんでした。
揺れ動く心…これまでの生き方が言葉や態度を捻じ曲げてしまう…
それでも勇気を振り絞って一歩ずつ歩み入ろうとする姿勢が個人的には大好物でした。

キドウとイリは互いを知って何を選択するのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Be ZERO」
エンディングテーマは、「臆病な狼 2019」
どちらもHilcrhymeさんが歌っています。
どちらも相当格好良い楽曲だと思いました。

1クール全12話の物語でした。
物語が1クールの中で綺麗に収まっていたと思いますし、見応えも十分だったと思います。
何より地に足の付いた丁寧な仕事っぷりが感じられたのも個人的にはプラスのポイントでした。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 18

でこぽん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

可愛いヒロインと豪華な声優陣なのに…

人が突然、巨大な虫になる奇病。それが"カガステル"。
その奇病で人類の2/3が虫から食い殺されて、衰退した世界での物語。
虫の駆除屋であるキドウと謎の美少女イリを中心に物語は展開されます。


この物語は独自の世界観があり、イリが凄く可愛いので、魅力的なのですが…
私の持つ常識では理解できないところが数ヶ所あり、それがどうしても気になって仕方ありません。

物語に登場する人物が、ときどき非常識的な行動をするのです。
それが無ければわりと良い内容なので、残念です。

例えば、
巨大な虫には銃が全く効かないとわかっていながら、軍人は銃を装備しています。
もちろん虫に対して銃を放つのですが、効かないのでやられてしまいます。
なぜ、効かないとわかっている銃で戦うのでしょうか? もしかして死にたいの?

でも、その巨大虫に対してキドウが普通のナイフで立ち向かうと、ナイフが虫に突き刺さるのです。
なぜ? 主人公だから何でもあり? もしかして銃弾よりも速いスピードでナイフを突き刺した?


また、イリがマリオのお店のお手伝いをして、買い物に行く途中で財布を盗まれるのですが…、
窃盗団のリーダのリジーが「財布を返してほしければ今日中につかまえてみな。つかまえることができれば返してあげる」というと、イリが迷わず窃盗団と鬼ごっこをするのです。
少なくとも、私にはイリが仕事をほったらかして鬼ごっこをしているようにしか見えませんでした。

もし、つかまえることができなかったら、盗まれた財布を諦めるのでしょうか?
人から預かった大切な財布を盗まれたのです。窃盗団の言い分を聞く必要があるのでしょうか?


原作者、脚本家、監督、の誰もが、こんな単純なおかしなことに気づかないなんて、不思議で仕方ありません。

そんな非常識的な行動の描写が無ければ、この物語はもっと評価されたと思います。

ついでに、作品紹介に「世界的に“虫"の〈駆除〉が認められたのは、世界人口の三分の二が喰い殺された後だった」と記載されていますが…、
駆除を決断するのが遅すぎるのでは…。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 18
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