西部劇でアメリカなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの西部劇でアメリカな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月30日の時点で一番の西部劇でアメリカなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.4 1 西部劇でアメリカなアニメランキング1位
天晴爛漫!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (265)
869人が棚に入れました
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?

声優・キャラクター
花江夏樹、山下誠一郎、悠木碧、雨宮天、斉藤壮馬、折笠富美子、櫻井孝宏、杉田智和、興津和幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迷わずいけよ いけばアンダスタン

P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ

全13話完走してなお、時代設定いつ頃だろうと悶々としてました。

新政府とか言ってるから明治にはなってるよね
新右衛門さん帯刀してるし廃刀令前の明治期1870年頃か?
モブの発明王がフィラメント閃いてるっぽいし1880年頃か?
あれ!?それ{netabare}(飛行機){/netabare}って20世紀だったような…

すいませんあらすじに書いてました。以下の通りだそうです。しっかり読もう前情報!

 19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代…


変わり者の科学小僧・空乃天晴(CV花江夏樹)が主人公。人情の機微を知らない偏屈科学者タイプです。となると横で振り回されるキャラが欲しくなるわけで、剣術道場の真面目そうな倅・一色小雨(CV山下誠一郎)がお目付け役となります。小雨は『一休さん』の新右衛門さんに見た目も雰囲気も似たお方。天才を引き立てる凡人代表です。
巻き込まれた一騒動から逃れるどさくさで船に揺られてロサンゼルスへ到着。アメリカ横断ウルトラク…大陸横断の自動車レースに挑むってお話です。

天晴(あっぱれ)が小っちゃい頃に蒸気船を見て目覚めちゃったというのが根っこなので、エンジニア奮闘記みたいなのをレースを題材にしてやるんだろうなぁと期待。偏屈な天晴と凡人小雨のキャラ配置は盤石そうです。
そうして楽しめたのが中盤まで。味変が生じて好みが別れそうな終盤が待ち受けてるのでお楽しみを。


味変1:キャラ変
{netabare}天晴には最後まで自己中な偏屈小僧でいって欲しかった。豆腐メンタル化して萎えた。{/netabare}

味変2:??
{netabare}レースそっちのけになっちゃった。こちらはまあOK。{/netabare}


あまり気をてらわない王道らしい作品かと思います。
早々にキャラを勢揃いさせて固定メンバーを深掘りしていくスタイル。起承転結の転があってきちんと与えられた尺で完結する。画も崩れちゃったら何言われるかわからないブランド制作会社です。バトルアクションも背景も砂ぼこり舞うレースシーンもいい感じですよ。
このルート66っぽい導線や先々の経由地で物語が動くことから『イージーライダー』的なものを想像しました。かなりおちゃらけてますがね。

ただし、エンジニア奮闘記を期待してた私はちょっと肩透かしを食らって影を落とした感じです。わりとご都合だったのであまり気にせず臨まれることをオススメします。
総じて…良さげなパーツを揃えているんだけど作り始めるとしっくりこなくて、それでもなんとか完成品の体裁を整えた感じ。でこぼこならそれで尖らせればよかったのに、となんとも惜しい作品です。



※ネタバレ所感

■新しい時代の幕開け

{netabare}自動車レースの妨害については、自動車の台頭を快く思わない鉄道王っぽいおっさんの依頼をもとにギル(CVツダケン)は動いていたわけでした。新しい時代の胎動そして抵抗。
それであっさりおっさんを殺しちゃってるわけで、そうするとレース妨害する理由がなくなるわけで、それでもレースの邪魔を続けるわけで、そこで持ってきたのが

 力が支配する世界をきぼんぬ!

だそうです。時代設定がそうだからって世紀末救世主伝説に寄せなくても良かったのにと思いますけど、あまり理由は重要視してなかった模様。まあむき出しの暴力が支配する西部劇世界の終焉という見方もできますが、それにとって代わるのが科学技術というのもピンときません。
時代に取り残された徒花って設定も嫌いではありませんがそういうわけでもなさそう。動機づけが弱かったです。{/netabare}

{netabare}レースを楽しむでもエンジニア奮闘記でもなく、“レース仲間VS悪いやつ”にシフトしていくのは構わないのでラスボスは憎たらしい悪役らしい悪役にさせて欲しかったですね。
ホトト、シャーレン、アル、偽ギル兄弟、ディラン、そして杉田…じゃなかったTJと各々いい感じで掘り下げられていました。そこに天晴と小雨も加えたレース仲間たちの魅力と釣りあいを持たせることは至難だったかもしれませんが、ここさえよければレースそっちのけでも評価上げてたと思います。{/netabare}


■なんか気になった些細なこと

1.{netabare}レース実況役の平田真菜さん。『ケンガンアシュラ』でもリング実況でした。{/netabare}

2.{netabare}シャーレン(CV雨宮天)がストⅡの春麗っぽい。一瞬スピニングバードキックのカットいただきました。{/netabare}

3.{netabare}本作MVPはシャーレン雇い主のおっさん。かっこよさが群を抜いてました。{/netabare}

4.{netabare}いやアルのお付きソフィア(CV折笠富美子)かも。テキーラをショットでいける女性には惚れる。{/netabare}


■いいよね!近現代

100年前くらいの設定。場所はアメリカ。街並み背景が楽しいです。このちょっと昔ってのがやっかいで、大昔なら山村の田舎を想像しながら文明の利器を排除すりゃOKで済むのがそうはいきません。
同じP.A WORKSの『天狼』では昭和初期でした。こちらも背景画が楽しかった作品。しっかりノウハウ溜めてると思うので、この“ちょっと昔の世界”で大作つくらないかしら?とひそかに期待してます。
いい脚本家呼んでくださいね。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.26 初稿
2020.11.02 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/11/30
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャノンボール(チキチキマシン風味)? → では、ありませんでしたね…。

「北アメリカ大陸横断レース」っていうのは、たびたび物語の題材にされますよね。映画『キャノンボール』しかり、漫画『スティール・ボール・ラン』しかり。

何で移動するかは時代設定によりいろいろありますが、本作では時代はガソリンエンジン自動車黎明期ということで、蒸気自動車もしくはガソリンエンジン自動車ということのようです。

一度春アニメとして4月スタートしてから新型コロナウイルス禍で中断、7月から再スタートということでここまでまだ新しい話数の放送はないのですが、放送された分の作画に関してはとても安定していると思いました。

第1話でのドタバタで図らずも地元から逃げて不法出国(?)して太平洋を横断してしまった明治維新から間もないころの発明家である天野天晴(あまの あっぱれ)、それに巻き込まれた形で許嫁を日本に残して付いていくことになってしまった一色小雨(いっしき こさめ)といった辺りをメインにお話は進んでいきます。

第1話冒頭ではレースにエントリーしている各車のスタートシーンがありますが、作中設定で「ビッグスリー」的な自動車メーカーがあるらしく、おそらくそれらの製造した自動車はわれわれが「クラッシック・カー」としてイメージするそれのデザインですが天晴の作った車の色物感は際立っています。

スタートシーン以降は、ここまでの3話ではまだレース本番は開始されておらず出場までへの経緯が描かれている感じですが、レースが始まってしまえばロードムービー的な要素も出てくると思われ楽しみですね。

登場キャラクターの男女比的に女性に偏っていない、というかむしろ男性が多いようなのでその辺りにも期待しています。
==

2020.9.28追記:
最終話まで観終わっていましたが、レビューの更新が遅れていました。

チキチキマシンのような参加者同士での妨害という流れから、レース開催そのものへの妨害という事態に至り、たぶん視聴者が(勝手に(?))期待したような作品にならず「裏切られた」という気持ちになった方も多かったのではないでしょうか。

個人的にはこの展開は「なし」とは思わないのですが、それでももっと全体的に常に楽し気な空気の作品を自分もどこかで期待してしまったせいか、ちょっとガッカリな部分もありました。

ちょっともったいない感じもします。観て後悔したということはないのですが、他人にはあまりお勧めしないかな…。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

A級が作るB級アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
P.A.WORKS制作のアニオリ作品。20世紀初頭、西部劇のような世界観の中で、アメリカ大陸横断レースに参加する侍と天才技師という、かなりとっちらかった、B級感溢れる作品。

それを、(私の中では)A級制作会社のP.Aが意図的に作っているというのが興味深かった。

私の評価は、☆4(高評価)に近い☆3(普通)です。車は加速しましたが、アニメ自体は後半に失速したように感じたので。レビューでは、その辺の原因と、本当はどんなアニメになることを期待していたかを書きたいと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤~中盤はB級感を漂わせながらも熱いシーンがあって、シンプルに楽しめた。

しかし、終盤、ギルが登場してからはやや失速。

その理由は明らかで、「レースもの」が「バトルもの」になったから。

後半のレースなんて、かなりオマケくさい。あれだけ延期や変更、修理を繰り返していたら、もはやレースとしての体を成していない。

その上、「じゃあメインになったバトルはどうなの?」といえば、こちらも中途半端。なんのドラマもなく、ギルがディランとTJに普通にボコされて終わりという肩透かし感。ギル、急に弱くなったけど(苦笑)

ラストのトランクのクダリも、ギルの悪行に対してギャグで流すのは、なんか違う感じがした。

勿論、良いところもたくさんあるアニメ。

5話までの仲間集めや車作りはワクワクしたし、天晴が次第に成長し、人間らしくなる描写には上手さを感じた。毎回の小雨の「予告を途中で切られるオチ」にはセンスの良さを感じたし、11話のシリアスで「P.Aが本気出せばこれだけ雰囲気変えられるぜ」って感じも痺れた。

だからこそ、「もったいなさ」を凄く感じる。

私は、もっとレースを観たかった。

本作に最初期待したのは、大陸横断レースを通し、「天晴は車をどんどん(トンデモ)進化させ」「それを(仲間になると思っていた)シャーレンが操り、男レーサーどもをぶっちぎる」。「ホトトが地元の知恵で近道を探したり自然現象を味方にしながら」「小雨が、暴力に訴えてくる敵をバッサバッサと切り捨てる」。

そういう、「足りない部分を補いながら、この過酷なレースを勝ち抜き、それぞれが成長していく、大エンターテイメント作品」を、私は期待していました。

その中で、魅力的なライバルや、厄介なサブキャラを深めていってもいいし、鉄道対自動車の政治的な駆け引きの中でのイザコザや、小雨とシャーレンのラブコメなんかもみたかった。

汽車を車で止める、悪を正義が止める、というラストも確かに熱いかもしれないけど、それより、「切磋琢磨してきたライバル達の、純粋なレースとしての決着」の方が、熱いと思うんだよな~。

P.A.WORKSは大好きな制作会社で、アニオリを連発する挑戦的な姿勢は応援したい。「true tears」から始まり、「Angel Beats!」「花咲くいろは」「TARI TARI」「凪のあすから」「有頂天家族」「SHIROBAKO」「サクラクエスト」など、「小さな世界を丁寧に描く力」が物凄く強く、上記の作品はいずれも面白い。

それが、「クロムクロ」あたりから違和感を感じ、「Fairy gone フェアリーゴーン」、本作もそうだか、「大きな世界を壮大に描く」作品は、そこまでの魅力を感じない。

勿論、先を見据えて、色々分かった上で色んなジャンルに挑戦しているのだろうけど、「餅は餅屋」というので、P.A.さんにはそろそろ、元の路線に戻ってほしいと、いちファンとして思っている。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は安定し、キャラクターも掴みやすい。ちゃんと出来ることの範囲でムチャしている。とりあえず、流石のP.Aかな。地味だけど(笑)

2話目 ☆4
仲間が集まる過程は面白い。シンプルな天晴。不可能への挑戦。保守的な小雨と、革新的な天晴。バランス良いよな。メカニック、ドライバー、護衛と、キャラの配置もバランスよし。

3話目 ☆4
更に、ナビゲーターか。なるほど、天晴も正しい(納得した)アドバイスにはすぐに従うのか。え?➡え?(笑) セグウェイじゃねぇか(笑) アル、格好いな。

4話目 ☆4
再開おめでとうございます! レースというより、レース後が熱かった。

5話目 ☆4
イロモノしかいねぇな(笑) キュウリの早切り(笑) そして、1話に戻る。

6話目 ☆3
絶対にホトトの仇だよな。天晴、格好良い。偽物なのは分かりやすいが、いい人っぽく描かれるのも違うと思う。

7話目 ☆3


8話目 ☆3
あまりにもB級な展開で、ちょっと寒い。

9話目 ☆3
平和な日常回。ハイブリッドエンジンは、和洋折衷の比喩かな。

10話目 ☆4
圧倒的な暴力。まさか、小雨が死にはしないだろうが。

11話目 ☆4
急なシリアス。冒頭の小雨フザケもなし。作画の力の入れ処もよい。あとは、天晴の感情移入の度合いか。小雨ドッキリ(笑) 医療技術が暴力を超える。レースが中止になっても勝手にゴールする。確かに。あそこで医師を誉める天晴が素敵。

12話目 ☆3
さすがに、何じゃこりゃはふざけすぎ(苦笑) カンフーバトルは格好良かったけど。

13話目☆2
なんかかなりアッサリ終わったな。からの~(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/30
♥ : 34

計測不能 2 西部劇でアメリカなアニメランキング2位
カラミティ(アニメ映画)

2021年9月23日
★★★★★ 4.4 (6)
25人が棚に入れました
『カラミティ』は、西部開拓史上、伝説の女性ガンマンと知られるマーサ・ジェーン・キャナリーの子供時代(11歳)の物語です。マーサは家族とともに大規模なコンボイ(旅団)で西に向けて旅を続けていますが、旅の途中、父親が暴れ馬で負傷し、マーサが家長として幼い兄弟を含め、家族を守らなければならない立場になってしまいます。普通の少女であったマーサは、乗馬も、馬車の運転も経験がありません。そんなマーサは、少女であることの制約に苛立ち、家族の世話をする義務をよりよく果たすために少年として服を着ることを決心します。女性は女性らしくという時代にあって、マーサの生き方は、古い慣習を大事にする旅団の面々と軋轢を生みます。更にマーサを野獣からの危険から救ってくれた中尉をコンボイに引き入れたことで、盗みの共犯の疑いまでかけられてしまいます。そして……。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

「ロング・ウェイ・ウエスト」アメリカでもマカロニでもなく【フレンチ・ウエスタン】が導き出した現代への回答

アメリカ西部開拓時代に実在した史上初の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンことマーサ・ジェーン・キャナリーの少女時代を描く82分のフランス&デンマーク合作映画
長篇アニメ映画初の全篇Flash作品であった『ロング・ウェイ・ノース』のレミ・シャイエ監督の下にスタッフが再集結
今作でもアウトラインを廃したアーティスティックな画作りが特徴です


荒野を新天地へと向けて進む幌馬車隊の中に幼い妹や弟の面倒を見る少女、マーサ・ジェーンの姿があった
一家は貧しく、母は旅の途中で亡くなり、父も幌馬車隊の中ではうだつの上がらない立場にあった
一家を支えなければ、と強気な性格のマーサは旅団長の息子でやや傲慢な性格のイーサンを相手にしても怯まなかった
だが女性は控えめに構え、幸せな結婚を望む・・・という事を強要されていた時代
保守的な旅団長や幌馬車隊の仲間達、さらに実の父親からもマーサの破天荒な性格は煙たがられていた
そんなある日、マーサの父は大怪我で動けなくなってしまう
イーサンに貸しを作りたくないマーサは投げ縄を練習し、馬の扱いを覚え、スカートではなくジーンズを履いた
マーサの行いは当時の人々にとってまさに奇行そのものだった
しかしそんなマーサの行動力は運悪くも裏目に出てしまい、とうとう仲間達から家族共々「カラミティ(疫病神)」と呼ばれてしまう・・・


『ロング・ウェイ・ノース』では煌びやかなロマノフ朝時代のサンクトペテルブルクと北極の雪原を見事に対比させたレミ・シャイエ監督でしたが、今作では前作と真逆の色使いをするアメリカ西部開拓時代の荒野や森林が舞台
これをアウトラインを廃したデジタル作画で表現するとなると、単純に色数が増えて工数も増えるので大変です
しかし完成した映像は雄大なアメリカの自然を美しく表現しており、ある意味写実性とはかけ離れた画作りをしているにも関わらず非常に説得力を持っているのが素晴らしい
まさに“絵が動く”事への感動を思い出させてくれる、とてもアニメーションらしい作品だと思います


個人的には最近『ノマドランド』という中国人監督が撮ったアメリカのロードムービーを観たんです
日雇い生活をしながら各地を転々と放浪する高齢者達を描いた作品だったのですが、そこでアメリカンドリームの原点とは商売をして大金持ちになる事じゃなく、西部開拓時代の様に広大な大地を自らの意思で駆け回る事にあるのやも・・・?と描かれていたんですね
だから今作もアメリカ人のアメリカ映画ではなく、フランス人のフランス映画だからこそアメリカの自然の美しさに気付けたんじゃないかな、と感じました


また今作は女性の解放を謳った昨今流行りの路線の作品ではあるものの、アメリカの、特にアメリカのアニメでは忌諱されがちな過激な表現が随所に観受けられます
悪役が女性キャラの首を絞めるカットをポスターにしただけで抗議文が寄せられ、しかもそれが取り沙汰される様な国ですからね、今のアメリカは
ところが今作で疫病神扱いされるマーサは結構露骨に虐げられます
顔を打たれるシークエンスすらあります
フランス映画を観慣れてると思うのですが、フランス映画って未だ暴力、セクシャル、人種に対して過激な表現が比較的許容されてると感じます
もし同じ題材を現在のアメリカで映画にしたら、もっとずっとぬるい作品になった事でしょう
そんな意味でも今作はレミ・シャイエ監督らしい作品になったと思います


その一方で映画が終わる頃にはちゃんとマーサが愛おしく感じる様に上手く出来ているんです
マーサは劇中で実に3回、細かい変化を加えるとそれ以上に衣装が変わります
服や髪型が変われば可愛くもカッコ良くもなれる
マーサは自由な生き方を象徴する存在であるといえます


そして『ロング・ウェイ・ノース』もそうでしたが今作も実は史実に沿ったお話ではありません
そもそもカラミティ・ジェーンの伝説は都市伝説的に様々な逸話が残されています
それこそ既に数本の西部劇の題材にされ、最近だと『Fate/Grand Order』に登場する等、作品毎に描かれ方は様々です
今作はそれを逆手に取り、そもそもマーサ自身が人々に話を語る時に【話を盛りがちだった】という部分に着目しているのです
つまりこの映画とはカラミティ・ジェーンの伝説の一つにしか過ぎず、それが実話が否かは全く問題ではないというところに着地してるのですね
故・高畑勲監督に「映画的な嘘が上手い」と言わしめたレミ・シャイエ監督のこれぞ真骨頂といったところでしょう


さて、原語のフランス語版だけでも世紀の傑作だと思ったのですが、せっかく日本語吹替版も制作されたのでそちらもチェックしました
これが本当に良く出来ているんです
まずマーサ役に起用された新人声優、福山あさきさんのお芝居が心の底から上手い!
マーサの役柄やオリジナルキャストのサロメ・ヴルヴァンの声質とも完璧にマッチしていました
エンドロールでカントリーミュージックを意識したシャンソンの主題歌が流れるのですが、吹替版だとこれを日本語訳にしたバージョンが流れるんですね
そしてこの歌の歌唱もバッチリ嵌っていました
フランス語、日本語、どちらもオススメ出来る完璧な作品に仕上がったのは貴重です
クライマックスとなる金鉱のシークエンスはどちらのバージョンでもお芝居がとても丁寧で聴き応えがあります
ですので是非片方だけとは言わず両方楽しんで欲しいと願います

投稿 : 2024/11/30
♥ : 5

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

一方通行まっしぐら、自分を貫いた少女の話

 吹替版を見たです。西部開拓時代、住む街をめざす馬車による集団移動の旅において、家族を守るために男として振舞う少女、マーサの冒険を描いていたです。

 もともと男勝りだったマーサは、うまく集団に溶け込めないようで家族以外からは、ギスギスした雰囲気があったです。女性は結婚することに強い執着を持つ環境下において、慣習にとらわれない真直ぐなマーサの存在、主張、生き方を受け入れない状況だったです。

 ある日、野獣から助けてくれたサムソン中尉をみんなに合わせることで、後でマーサが思わぬ濡れ衣を着せられるです。
 濡れ衣を晴らすため、マーサは家族を置いて集団を離れ、旅に出るのです。そのさなか、出会いそれを通して、目的を果たす方向に進むのです。
それまでの過程が、語るには長い展開だったです。
 嘘と演技を繰り返したり、少年勝りな行動そのすべてがマーサをとてつもなく成長させていったです。

 目的を話し、家族やみんなのもとに変えてきたマーサの姿は、薬業紙でなくなっていたです。マーサの行動は、みんなを納得させ分かり合う姿が、罷業に良かったです。題名の「カラミティ」とは何なのか?、分かる時が来るのです。自分らしく生きるということを、見せてくれたお話だったです。

 日本にはない絵画のような、絵の具で描いたような美しい風景、独特のキャラクターが、いい味出していたです。なかなか面白いかったです。声優さんもなかなか良かったです。字幕はしらないけど、EDのマーサが、歌っていると思われる歌が分かりやすくこのアニメの世界感にあってて良かったです。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 2

61.1 3 西部劇でアメリカなアニメランキング3位
荒野の少年イサム(TVアニメ動画)

1973年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (11)
45人が棚に入れました
東京ムービー(現・トムス・エンタテインメント)が製作放映した、異色の西部劇アニメロマン。大西部に生まれて母と死別、父とも生き別れた少年イサムは、紆余曲折の末にならず者・ウインゲート一家に拾われる。犯罪者予備軍として養育されるイサムだが、その内なる正義感は彼が悪の道にとどまることを許さなかった。周囲の人の支援を背に、イサムはウインゲート家に逆らい、一人前の正義のガンマンになっていく。原作は『少年王者』などで知られる巨匠・山川惣治の絵物語を、川崎のぼるがリメイクした西部劇劇画。同じ川崎のぼる原作のアニメ『巨人の星』の主力アニメーターだった楠部大吉郎が、作画監修の立場で参加する。

mieu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

西部劇+大和魂

アメリカの地で日本人ガンマンが大活躍する。それだけでも十分に血がたぎるのに、主人公はさらに柔道(柔術?)まで使えるとなれば大和魂が呼び覚まされないはずはない!映画「レッドサン」が好きな人にはお奨めのアニメ。
ただし、ソフト化されていないため視聴の機会が少ないのが難点。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 1

kain さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

タイトルなし

それまでのガンアクションは2Dでしたのに、イサムは立体的で凄く楽しかったです。

再放送を一回、しかも全部ではなく、しか見ていないのですが、未だにこのガンアクションが忘れられません。
 これだけですが、今まで見たガンアクションの中で最高です!
トライガンやノワールやガンスリンガーとは違う好さで、ジオブリーダーズに近いかな?「流れ星シリーズ」のにw


投稿 : 2024/11/30
♥ : 1

きききき さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

原作と違って1話目から主人公がウィンゲート一家の子分になってて驚いた

投稿 : 2024/11/30
♥ : 1
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