自主制作で猫なおすすめアニメランキング 1

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64.2 1 自主制作で猫なアニメランキング1位
彼女と彼女の猫(OVA)

1999年10月1日
★★★★☆ 3.3 (225)
1100人が棚に入れました
都会で一人暮らしをする彼女と、偶然彼女に拾われた一匹の猫の物語。ある日、彼女の留守電に彼からのメッセージが入る。

『彼女と彼女の猫 -Their standing points-』は、新海が日本ファルコムに勤めながら作った作品であり、完全に個人で制作された5分弱のモノクロアニメーション作品である。生活していくことの漠然とした寂しさ・微かな痛み・ささやかな温もりなど、言葉では伝えにくい感情を映像と音に託した作品で、心の琴線に触れるそのプロット構成や、全編モノトーンながらも緻密に描かれた作画やカット割の良い演出などは、従来の自主制作アニメーションのクオリティーを遥かに超え、高く評価されている。また、音楽は天門が手がけており、これが新海のアニメーションの魅力を引き出すことに成功している。これらの画面描写や演出技法、天門との音楽性の一致などは、後の新海作品のまさに原点となっている。編集の違いにより、フルバージョン・3分バージョン・ダイジェスト版の3つのバージョンが存在する。後に制作・販売された『ほしのこえ』のDVD版に映像特典として収録された。

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

僕と僕の彼女

静かなモノクロの世界

緻密な背景の中に、落書きのように描かれた
可愛く愛くるしい猫ちゃん。


…何かが、おかしいのだ。



女性らしくない殺風景な部屋、ベランダ。

散らかった服、日用品、パイプ椅子、電話機。



時おり映る『彼女』は
いつも何かを考えている様子で

何故だろう?
とても生々しく見える。

そして
『彼女』からは

温かさが、猫ちゃんへの愛が、
全く 感じられないのだ。

…空虚な密室の冷たさ 孤独だけが伝わってくる。



反して
部屋の外の世界は温かい。


ベンチでじゃれあう2匹の猫ちゃんは
自由で楽しげだ。



猫ちゃんは…どっちの世界が良いのかな?




冷たく、空虚な、モノクロの世界は、
辛い

だって、寂しいから 不安だから。



『彼女』は
『彼女』も


不安な ギリギリの場所から、

色とりどりの『外』に出る時がくるのかな。



なんて事を…考えずにはいられないのです。












おわり。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 38

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一遍の詩。芸術性極まる短編アニメーションの名作

独自のスタイルで現代屈指の映像作家として知られる
新海監督のもっとも古い作品です
5分という短編でありますが、映像作品として非常に優れています
16年夏に最新作が劇場公開されますので
この作品の魅力についてお伝えしたいとおもいます

・新海誠監督について
作品の特徴は圧倒的といえる背景の美しさと、詩的な台詞によって
表現される美しい世界観です


・この作品の魅力について
①美術
一人住まいの女性の部屋が非常にリアルに描写されています
片付いた部屋でなく、だらしなさ加減、家具のセンスなどが
非常にリアルです。小物のレイアウトは緻密
台所のシンクの汚れた器や、カゴに詰め込まれた洗濯物等
表現にこだわりぬかれています

対象的に主人公である猫はディフルメされて表現されており
これは猫が現実世界と離れた存在であることを
実にうまく表現できているのではないでしょうか


②ストーリー進行
たった5分の物語であり、主人公は女性と猫のみ
視聴者は物語の内容を猫のひとりごとから知ることしかできません
女性が何を考えているかを猫フィルターを通してしか知りえない
この試みは非常におもしろいです


・タイトルで一遍の詩とした理由
主人公である猫のひとりごとで進行するストーリーですが
猫のひとりごとが詩的なもの言いという事
猫の朴訥とした声と作品のもつ雰囲気があわさると
非常に情緒があります

物語にリアリティを持たせる為に、あえて芝居がからない
素人の声で語り手をさせるあたりジブリチックですね


・さいごに
情緒ある雰囲気がお好きな方や、詩がお好きな方は楽しんで
いただけると思いますので
ぜひご覧いただきたいです

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16
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