目覚めで週刊少年ジャンプなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの目覚めで週刊少年ジャンプな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月27日の時点で一番の目覚めで週刊少年ジャンプなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.2 1 目覚めで週刊少年ジャンプなアニメランキング1位
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (484)
2070人が棚に入れました
イタリア、ネアポリスに住む青年ジョルノ・ジョバァーナは、
ジョースター家の宿敵・DIOの血を継ぐ息子である。
幼少時代に迫害を受けて荒んでいた彼は、一人のギャングの男を
救った事をきっかけに、「人を信じる」ことを学ぶ。奇妙なことに、
恩義を忘れず、敬意を持って自分に接するギャングが、彼の心をまっすぐにしたのだ。
そうして、ジョルノは「ギャング・スター」にあこがれるようになった。
15歳になったジョルノは、イタリアの裏社会を
牛耳るギャング組織「パッショーネ」とトラブルを起こし、狙われることとなり…

声優・キャラクター
小野賢章、中村悠一、諏訪部順一、鳥海浩輔、山下大輝、榎木淳弥
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イタリアマフィアとJOJOの世界観は良く似合う

原作。これくらいまでは雑誌で読んでたと思う。


 "Vedi Napoli e poi Mori" ナポリを見て死ね

イタリアのナポリを訪れようとすると必ずと言っていいほどこのフレーズを耳にするかと思います。
魚介美味いし風光明媚なんだけど、けっこう怖いところなので気をつけてね。

長丁場の全39話。2019年春期終了もののフィナーレを飾る本作の冒頭舞台はイタリアはナポリです。



さて、JOJOであります。
これまでのアニメ版は未視聴。続きものは普段スルーなのですが、イマイチだったら切ろうぐらい軽めの感覚で視聴開始。
原作ではシリーズ5番目。アニメは原作の第一部二部を合わせて1st Seasonとしたため、本作は4th Seasonに該当するとのことです。

初出が1987年でいまだ現役の怪物タイトルです。どんな話か知らなくても゛JOJO立ち” はなにかしらポージングする局面では選択肢上位に食い込みますし、聞けば分かる名言の宝庫だったり、現代人が嗜むべき教養の一つとなってます。
がっつり部活しないまでも体育の授業で柔道やっていれば、なんとなくルールは覚えてたりするものでしょう。ファンの総数は多い。ファンでなくても経験者含めれば裾野は広い。そんな作品です。

よって、スタンド (幽波紋) がどんなものかを理解していれば、この4th Seasonから参加しても特に問題はありません。ソースは俺。
スタンドは個人の分身みたいなのが幽体離脱して代理で戦争してくれる便利な能力と思っていただければよいし、見てりゃなんとなくわかるでしょう。
そして途中参加OKのもう一つの理由は、過去キャラが物語の本流に入ってこないこと。本作のJOJO、ジョルノジョバーナ (汐華初流乃) は出自がディオと因縁深いものの設定がそうだってことくらいですし、序盤こそ空条承太郎や広瀬康一くんも登場しますが、早々にフェードアウトしていきます。
{netabare}とはいえ終盤であのキャラサプライズ登場もあるにはあったので一概には言えませんが、知らなきゃダメってほどではありませぬ。{/netabare}


そして、JOJOであります。
Q. どのへんが面白いの?
A. ん?だってJOJOじゃん

Q. あそこイマイチじゃなかった?
A. ほらそこはJOJOだから

Q. あれすごかったね?
A. やっぱJOJOはいいよな~

どなたか魅力を説明できる方、宜しくお願い申し上げます。


単行本集めたり、アニメの過去作押さえたりするようなコアなファンではない私です。それでも独特の世界には引き込まれるのです。世界観は保たれているため匙加減での好き好きになりますね。本作ならではの面白みは以下、


■マフィアをJOJOでやってみた
舞台はイタリア。イタリアと言えばマフィア。ジョルノが構成員に加わりその仲間内と敵対勢力との抗争が物語の土台となって、血で血を洗う4th Seasonでした。
冒頭がナポリからです。ゴミ処理利権をマフィアが握っていてちょっとこじらせたら街にゴミを溢れさせました。なんてのがリアルで起こる土地柄です。
そしてこれが“ヤクザ”ではなくて゛マフィア”というのがミソ。いや当たり前の話なんですが… これまた紳士淑女の嗜みといえる名作『ゴッドファーザー』で描かれた血(絆)、掟、非情のJOJO版です。
何かしらの美学を持った男達が割拠するJOJOの世界観と見事に合致します。


■ずっと追ってるか追われてるか
説明不要。よくネタが尽きないな~と感心します。
真面目な話、これで39話持たせるわけです。誰か途中でやめた人おる?


■小野賢章さんのアレ
「無駄無駄無駄無駄ぁー」
つくづく声優さんの滑舌の良さって凄いなを再確認できます。
いまさらながらこの方ハリーポッターの子役だったんですよね。



■余談
きっと君のクラスにもいたはずだ!

{netabare}職場の同じチームに奈良くん、阿部くん、そしてブサ男がおりました。
迷うことなく左から、“ナランチャ”“アベッキオ”“ブチャラティ”とあだ名がつきました。定着したのはナランチャ。他のは呼びにくいのです。
須田さんとかいたらミスタも揃って良かったのにというのはまた別の話。{/netabare}



うーん、これぐらいにしときます。時間あったら旧作も追いかけたいですね。私みたいなライトなJOJOファンでも充分楽しめるイタリア編でした。


 “Vedo JoJo dopo esultino" {netabare}ジョジョを観て歓喜せよ{/netabare}



視聴時期:2018年10月~2019年7月

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2019.07.29 初稿
2020.02.04 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 48
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ落ちる前から身に纏っているもの

荒木飛呂彦先生原作の長編漫画「※1ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」のアニメ化作品。

今回の舞台はイタリア。2部ではヴェネツィアが、4部ではイタリア料理が取り上げられていましたが、ジョジョの画風に多大な影響を与えたルネッサンス美術発祥の地としても有名ですね。荒木先生のイタリアへの愛は計り知れません。

冒頭のストーリーテラーを務めるのは第4部で活躍したスタンド使いの少年、広瀬康一くん。※2空条承太郎の依頼を受けて、一人イタリアのネアポリス(ナポリ)へと旅立ちます。承太郎さんから直々のご指名とは!康一くん、あんたも成長したもんだ(笑)目的は※3DIOの血を受け継ぐ少年の捜索。

これまでのジョジョを振り返ってみると、主人公の立場が

第1部(舞台:1880年・イギリス)
英国紳士(品行方正、非の打ち所の無い人)

第2部(舞台:1938年・アメリカ)
アメリカ人(ケンカによる投獄7回のチンピラ風の少年)

第3部(舞台:1987年・日本)
日本人高校生(不良のレッテルを張られている。度々暴力事件を起こしている)

第4部(舞台:1999年・日本)
日本人高校生(奇抜な髪型。でも中身は割と普通。ちょいワル少年)

第5部(舞台:2001年・イタリア)
ギャング志望の若者

と、シリーズを追う毎に、何とな~く俗っぽくなっていく傾向があるみたいですね(笑)

ジョジョシリーズは当時の少年向け漫画にしては珍しい、大河ドラマの体をとった作品ですが、その関係で、作中では"ジョースター家の血統"という言葉が目を見張るほど(飽きれるほど?)多くの場面で運用されている印象があります。ともすれば、それがキャラの人格の根幹を成す要素として強調される台詞さえ見受けられたり…。作中に登場する"黄金の精神"や"生まれついての悪"という言葉についても同様。良きにつけ悪しきにつけ、才能、もっと言えば遺伝的特質のユニークさを、原作者の荒木先生が、キャラ造形をする上で取り分け重要視している事が伺えます。

養父の無償の愛を受けながらも自らの性質を変える事のなかった1部のDIO、何不自由無い環境で育ちながらも殺人衝動を抑えられなかった4部の吉良、劣悪な環境で育ちながらも悪には染まり切らなかった本作のジョルノ、それぞれのキャラの個性の在り処は天性とは決して切り離せない場所にある様に思われます。

人は鳥になれないし、その逆もまた然り。思えば、わたし達生物にとって、最も身近な環境とは、外界ではなく、生まれ落ちる前から身に纏っている肉体そのもの。脳や四肢や内臓など…。ジョジョにおける"血統"とは、道徳講義の中で飛び出す「生まれは関係ない。人の価値は成した事で決まる」的な、後天的要素に過度な期待を寄せた綺麗事などによって度外視されるものではなく、むしろ個性の基盤として個々の魂に脈々と息づいているものなのです。生々しさという表現が適当でしょうか、ジョジョに登場するキャラには2次元作品では稀に見るリアリティ、はらわたを引きずり出したかの様な独特の気持ち悪さがあります(褒め言葉)


作画について、4部に続いて最高水準のクオリティ。これまでのシリーズとは比べ物にならない程、複雑怪奇な能力を有するスタンドが数多く登場する第5部なので、漫画表現をどの様に調理してくれるのか興味津々です。比較的単純な能力なので描き易かったのかも知れませんが、ブチャラティのスティッキー・フィンガーズ、ポルポのブラック・サバスの表現については完璧でした。今後とも期待。

音楽について、シリーズを通して安定感抜群のOPEDは健在。OP「Fighting Gold」は前シリーズのPOPな曲調からやや攻撃的な方向に軌道変更している印象。疾走感のある曲になっています。エンディングの選曲については、今回も荒木先生直々のチョイスだそうです。やはりと言うか、さすが原作者、絶妙な相性…。Jodeci氏の「Freek'N You」は、まったりな余韻を残す良曲でした。


様々な境遇に置かれた人々の、歪に入り組んだ精神をダイナミックに描き上げる「ジョジョの奇妙な冒険」、その中では初の、ギャングという悪漢を主役に据えた、4部と並ぶ異色のシリーズ。

ギャングスターを目指すジョルノの旅、最後までしっかりと見届けたいと思います。


※1:英語のPartではなくイタリア語のParte。連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ 黄金なる遺産」となっていた。漫画単行本のブックカバーの装丁としてあしらわれている文字も第5部(47巻~63巻)ではJOJOではなくGIOGIO。芸が細かい(笑)

※2:第3部の主人公でスタンド使い。ジョースター家の血統に属する。以降のシリーズにも度々登場。

※3:吸血鬼でスタンド使い。ジョースターの一族とは深い因縁がある。


船上のスタンドについて(必ずEpisodio 06「ムーディー・ブルースの逆襲」視聴後にお読み下さい)
{netabare}
「船は2隻あった!」

ブチャラティの台詞と共に明らかになった衝撃的事実ッ(笑)

ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の能力は、剣で刺さしたものを(人でも物でも)空気の抜けたゴム風船の様にぺしゃんこにしてしまうというもの。

船を2隻用意し、一隻を剣で刺してぺしゃんこにし、それをもう一隻の船に、服を着せる様に被せて、2隻を1隻に装っていたというのが上の台詞の意味するところ。(多分表面だけでなく内部まで。塗装でコーティングするみたいに)

皮膜の下をモゾモゾ徘徊して不意打ちを仕掛け、ペラペラになった人たちを、そこに引き摺り込んでいたんですね~。例えるなら、床下や天井裏に隠れた忍者が槍でブスリ!とか、排水溝に潜む得体の知れない怪物が、覗き込んだ人をを引きずり込むイメージでしょうか。あなおそろしや(汗)

ブチャラティがスティッキーフィンガーズで船体を攻撃した時、何故皮膜の部分にだけジッパーが開かなかったのか? それであっさりとからくりがばれなかったのか? と言う疑問を他の方のレビューで目にしましたので、これまでのジョジョシリーズを思い返しながら、あれこれと考えてみました。その理由は多分以下の3つ。

1.ブチャラティが皮膜の存在を認識していなかったから。だから皮膜ごとその下の船体をジッパー化してしまった。

2.1の補足ですが、スティッキーフィンガーズは"触れたもの"ではなく拳で"叩いたもの"をジッパー化するから。手加減をしなければ対象物と接触しているものにもエネルギーを伝えてしまうのではないかと思います。スティッキーフィンガーズは服を着ている人の肉体であっても、服越しに叩いて難なくジッパー化しているので、これは間違い無さそうです。(船に被せた皮膜を人間の着る衣服に見立てると解りやすい)

3.通常の物質と"スタンドが融合した物質"は区別出来ないから。

が挙げられると思います。

3も1、2の補足。3部のストレングスや4部のサーフィスを思い出してみると、これらは確か、スタンド使いじゃない人にも見て触れられる類のものだったはず。スタンド能力によってぺしゃんこになった船というのも"スタンドが融合した物質"に含まれるので、生身の手で触っても透けないし、認識し辛かったのかも。でもペラペラ皮膜で覆われた船体ってちょっとだけソフトだったりして(笑)

そしてもう一つ。ズッケェロが再起不能になった後、ペラペラになった仲間達ががパイプの中とかで復元したら危なかったんじゃないの? という疑問について。

もちろんそんなとこに入っていたら大変ですが、それをすると捕虜の位置があっさりとバレてしまう可能性があるので、(作中描写からも分かる様に、もしそうしていたらアバッキオ&ブチャラティに見破られていた)ズッケェロはそうしなかった。

パイプも皮膜で覆われており、両者の隙間に捕虜を隠していたと想像するのが妥当と思います。(それでも狭い場所で復活したらやっぱり危険ですけど)

最後に残った疑問は船底をどう修理したか。内側の船にだけ穴を開けても沈まないし、両方に開けたら両方沈んでしまう。描写が無かったんで何とも言えませんが、船底までは皮膜で覆っていなかったとか…(笑)

これで気兼ねなく次回のジョジョも楽しめますね…って、やっぱりご都合?
{/netabare}

おまけ「中の世界」
{netabare}
(以下、作中人物の台詞とは一切関係ありません)

花京院「ポルナレフ、体の中とか船の中とかさかんに言ってますが、体にも船にも『中の世界』なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。」

ポルナレフ「なに言ってんだ、おめーも見ただろ? 人がジッパーの中から出てきたり、空気の抜けたゴム風船みてーにぺしゃんこになるのを!」

花京院「ええ しかし人体や船体の中にあるのは肉や骨、船室やエンジン、ただそれだけです。」

ポル「教えてもらわなくたって知っとるぜーッ いいか! この場合だぜ! 今の場合をいっとるんだよ! スタンドがあるなら『中の世界』だってあるだろ!」

花京院「ないです」

ポル「おめーなぁ~」

最大の謎はこっちですね。折り畳まれた次元に隠しているとか何とか…ツッコんだら負け確定の設定なので、ここら辺でやめときます(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 42
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

命の限り神にも逆らい戦い続ける

原作既読…
ですが!超忘れてて既読って言えるのか怪しいです(苦笑)

舞台はイタリア。空港とか電車内とか割と近しい再現度だったので
他のいった事ない所も多分再現度高いのかと思います。
気合が入ってますね。風景も楽しめます。

忘れてるとは言え、主人公チームの名前とスタンド能力は覚えてるだろ
と視聴前は思ってました。
完璧に覚えていたのはブチャラティだけ。
{netabare}
・再生…そういやこんな能力だったっけ?(冷汗)で、船のどこに隠れてるん?(滝汗)
・二酸化炭素を追跡できたっけ?知らなかった!
・4番いない理由それなんかー!
・え?こっからどうやって助かるん?蛇の血清?そんな一瞬で効いちゃうぅ!?
{/netabare}
自分の記憶力にいっそう自信を無くした次第です。

た・だ・し! 忘れてるから超面白い!!!
毎回ハラハラドキドキする展開で「え?こっからどうやって挽回するの!?」
と荒木先生の話の展開の巧さに脱帽しっぱなしです。

絵も声優さんの演技も素晴らしいです。
5部から視聴始めてもついてけるはずですので凄くオススメです!

2019.06.15 音楽の配点を4⇒5に修正しました。
{netabare}あのOPを魅せられては{/netabare}変えずには居られませんでした。
声優さんの演技も凄くて、ほんとにアニメ化してくれて心から感謝。
素晴らしいの一言しか出てこないです!

2019.08.30 とっくに見終わっていたんですけど、更新忘れてました
なんといっても最高でした。後半に行くにつれて「まだか…まだか…」
と最新話を撮れたらすぐ見てたのはこれと後数本しかなくって
最後の方は録画じゃなくて完全リアタイ視聴してましたw
OP…最後の変更の時に鳥肌が立ちました。
うぉーーーマジか。いつのまにか{netabare}キンクリ{/netabare}されてたのかぁ!!
と、超興奮してました。

予想できない展開を「なんだとーーー!!」と
アニメキャラと一緒になって画面にツッコミ入れてましたw
とにかく最高でしたー!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 39

86.0 2 目覚めで週刊少年ジャンプなアニメランキング2位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (768)
3360人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

はーすげー!へーすげー!の連続

原作未読


JUMP案件全24話。
謎の石化ビームで人類が活動を止め3,700年。いにしえの時を越えて石化が解けた一握りの人類が科学の途絶えた地球でその科学の知識を駆使して失地を回復していく物語。
主人公はどんだけ幅広く深く網羅してんのよ!なスーパー理系高校生の石神千空(CV小林裕介)。見た目は下仁田ネギを擬人化してオーケンのメイクをしたような感じ。ジャンプっぽいデザインです。そして同級生の高校生ら数名。

『戦国自衛隊』だと現代兵器を信長時代に持ち込んで大暴れとなりますがこちらは持ち込み不可。3,700年ほったらかしだとさすがに文明は絶えて石器時代以前の原始時代かのよう。
同期の『本好きの下剋上』のように現代の頭脳を持ったまま後進文明に乗り込んで「無ければ作ればいい」を試行錯誤するのに似てます。『JIN』も同系統でしょう。そしてさらに文明がないところからスタートするのが本作なわけですからこのテのものでは最難関ハードル。ちょっとワクワクします。

それと自分幼稚園の時でしょうか。世界名作劇場『ふしぎな島のフローネ』から漂ってきた匂いと同じものを感じます。OPもEDも覚えてます。木の上の家は憧れでした。
つまりあぁそういうことか。原体験からくる刷り込みがどうやら自分にはあるようです。
イキリ主人公が教育上どうかとは思われど、少年少女が“科学の面白さ”に触れる良い機会になるやも。


 {netabare}オイラ文系でラッキー?{/netabare}


化学ならびに物理の理系科目に不案内なため、アニメで描かれている試行錯誤の産物が乾いたスポンジに水が浸み込むようにすーっと入ってきます。

{netabare}パクチーとライムなんかでコーラ作れんの?マジでスゲー!{/netabare}

信じるかどうかは俺次第 キリッ なんす。

そして前半のOP「Good Morning World!」がすこぶる良い。なにが良いかって作品にばちっとハマる感覚。久しぶりです。ピストルさんっぽい声質もしっくりくる良曲です。


障害ももちろんありますよ。
文明を起こそうという主人公らを妨害するのは野生の肉食動物や自然の猛威だけかと思いきやそう簡単ではありません。
アンチ文明の敵対する勢力もわりと序盤から登場し、主人公らの前に立ちはだかります。まあバトル要素ですね。


 科学の試行錯誤+バトル要素


このバランスが崩れず2クール完走でした。原作が続いているので続編期待な感じでの終幕。
大袈裟でしょうが“人類の叡智”の触りを感じるのにちょうどよい良作です。ごちそうさまでした。



※オマケ

■“霊長類最強の男”獅子王司ってどうよ?

あらためてこうして見るとすごい名前ですね。さてこの方について
好きですか?嫌いですか?どんなキャラだと思いますか?
私はちょっと受けつけないですね。作者の術中にはまってるのかもしれません。

1.{netabare}動くゴールポスト

敵視する対象が最初は“我欲にまみれた汚い大人”。ピュアな若い連中のみ石化解除しようともちかけ、それを千空に拒否されることで対立の芽が生じました。描かれてませんが、「お前らが年くったらどうすんだ?」と疑問符が浮かびます。
それがいつの間にか“科学を信奉し文明を起こそうとする者”へと。考えが深化したとみるよりゴールポスト動いてんじゃんとみてます。でさっそく作中でツッコミが入りました。途中出会った集落の科学?青年クロムについて千空が言及「俺を殺しても次が出てくる」と。まさにその通りなんですよ。
そのため獅子王司の目指す未来は破綻が約束されてるようなもんです。{/netabare}

2.{netabare}ポル・ポトと変わらん

毛沢東と迷うところですがこっちかな。最初は知識階級だけだったのが順次粛清対象が拡大して…
力で押さえつけるしか方法がないので、この世界で肉体での戦闘力に秀でた司が首領ポジションにいるのがしっくりきます。原作未読の戯言ですが、司陣営でそのうち粛清が始まることでしょう。{/netabare}



■スイカ役の高橋花林さん

超個人的なつぶやきです。
この方1年前の迷作『ソラとウミのアイダ』で主役張られてた方です。すでに多くの方の記憶から消え去っているかもしれない作品ですね。
新人でおそらく初めてゲットした主役級の配役があれでと。そのことをもって高橋さんの今後を案じる旨をレビューで書く、という余計なお世話極まりないことをした記憶があります。
こうして、再会できたのはなによりです。ぜひ頑張ってください。



視聴時期:2019年7月~2019年12月 リアタイ  

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2020.02.07 初稿
2020.07.19 修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 68
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悠大で悠久な物語

<2019/12/22 追記>
全24話見終えました。

面白かったー!

科学の蘊蓄だけでなく、
文明がほぼ原始の世界というだけでなく、
現代に在る科学の凄みだけでなく、
逆転の発想で「今は過去からつながっていて、そして未来に続いていく」ことまでも実感できてしまう。

『悠大で悠久の物語』

ハリウッドが狙ってきそう 笑。

ここは無理があるんじゃないの?という部分ももちろんありますが、そこは架空のお話。
気にしないで見れたモン勝ちです。

二期があるとのことで今から楽しみです。

<2019/7/11 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作未読。
あにこれのあらすじ紹介だけで期待値上げてた作品ですが・・・面白いやんけ( ・∇・)

ざっくり言うとタイトルの通り
「ララーシュタインのような髪型した少年が科学でファンタジーに挑む」
と言う感じかな。

ララーシュタインってなに?と言う方は是非、画像検索してみてください。
ついでに言うとこのララーシュタインさんが登場する作品。
OP曲はグラムロックの名曲ですよ。

閑話休題

さて本作、ちょっと変わってる印象です。

普通、物語の分類で
ファンタジーと言えば「科学的裏付けの全くない空想」作品で。
SF(Science Fiction)と言えば「科学的裏付けがあったり、あるように思わせる空想」、 つまり科学と空想が入り混じった作品なのですが。

ところが本作はどちらとも言い切れない。
強いて言えば
「Science(科学) &(そして) Fantasy(空想)」
で「SF」かな

科学的裏付けが全く感じられない現象に対して
めちゃくちゃ地味な科学的考証の積み重ねで立ち向かう。
ScienceとFantasyの二つが融合せず、お行儀よく隣り合ってる印象です。

地味なウンチクも多い。
そう言うの好きな人にはぴたっとハマると思います。

例えば理系のアニオタの私とか( ・∇・)♪

自分は今期、「ヴィンランド・サガ」「炎炎ノ消防隊」「コップクラフト」と並んで注目しております。

<2019/7/15 追記>
2話目観ました。

炭酸カルシウムの4番目の使い道が意味ありげで気になるー笑。

そして新キャラ登場。
獅子王さん。
濃いですねぇ。
{netabare} 空飛んでる鳥を木の上から飛びかかって捕まえちゃったよ、この人 笑。
チート武力{/netabare} 担当だそうです。

さあこれで3人。
人間、3人集まると派閥が生まれるというような言葉がありますが、もしかしたらこれからはそんな展開なんでしょうか。

獅子王さんの発想は昨今の{netabare} 世代間の断絶{/netabare} のようなものを表してて面白いです。

でも、それを是としたら{netabare} ジャンプのような商業誌には載せられなくなってしまいます。
というわけで主役のララーシュタイン、もとい千空さんはかっこよく反発して、{/netabare} 引きへ・・・

でもですよ。
ちょっと思うんです。
もし{netabare} 獅子王さんの考え方に千空さんが同調して物語が進んだら・・・
結局、若い世代同士が新しい利権を奪い合って理想郷なんてできないってことがわかってEND{/netabare} とかSFっぽくてそれもありかなーなんて 笑。


ところで全く話は変わりますが。
他の方のレビュー拝見してて{netabare} 「石化してるのが表面だけならなんで中身の生物は何千年も生きてるの?」{/netabare} というような疑問を複数見かけました。

そこはファンタジー部分だから、と私は飲み込んでおります。
それ言い出したら、{netabare} 石化したら息できなくて数分で死ぬじゃん、という話だし。
仮に呼吸できたとしても水も食料もなければ一週間ももたないし。{/netabare}
そこら辺はファンタジーなんじゃないですかね。

<2019/9/3 追記>
9話まで観ました。

アニメでも映画でもドラマでもなんでもそうですが。

登場人物に対して「なんでそこ気がつかないの?」とツッコんでる自分いませんか?
それは俯瞰して見てる視聴者だからこそのツッコみな訳で。
物語を進める上での重要な部分ほど気がついてくれない。
それが物語の面白み。

ところが、たまにそういうのが極端に少ない作品もあります。
デスノートとかそうですよね。
登場人物が賢いので先の先、裏の裏まで読む。
ところがそれでも裏かかれちゃう。
で、そこが面白かったりする。

本作もデスノと同じ匂いがします。
千空さんはもとより、獅子王さんもかなり思慮深く用心深い。
お互いに裏の裏の裏を掻きあってもう痒いところもないくらい。

もしかしたらデスノの系譜と言える作品なのかもしれないですね。

デスノのようなイケメンいないので女性人気は覚束ない感じですが、理系男の私はハマってます。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 53
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

紡がれ、途絶え、繋がる

[2019/12/15 V1]
[2019/12/16 V2 追記・修正]

原作については、週刊少年漫画誌連載であるということ以外何も知らず。
こんな物語が、いま、少年漫画誌に掲載されていることに安堵を感じる。


最初の3話でいったんDropしていました。ですが、よく見る海外Reactorさんたちがこぞって応援していたのを見て視聴を再開しました。最近は本当にReaction動画を見るためにアニメを見る傾向が強くなっています。

6話以降は本当に楽しかった。23話は、どうしたのそれっていうくらい走った感じを受けましたが、それ以外はおおむねよいペースだったと思います。回の跨ぎ方が秀逸で、どうしても次の話が見たくなる構成になっていました。キャラデザは最初のころは違和感を感じていましたが、すぐに慣れました。後半に入って少々作画が荒れる場面もあった感じがしましたが、崩壊までは程遠く、十分な質が維持されていたと思います。

本当に楽しめました。


最初に数少ない難癖(?)からやっつけたいと考えます。

{netabare}
===スタート時点ですでに老害・司
{netabare}
正直、敵役としては魅力が薄いなぁ・・・・少年誌の悪いところがここに出たかな。

ま・・・僕自身も社会にでたての若い世代からは老害認定されていてもおかしくない程度には年取ってるんですがね。とはいえ「ケッ、あの老害が」と思う側でもあるわけですよ(強硬に主張する)。

以下、老害予備軍(候補生?)の悪あがき

{netabare}いろんな形で「老害」ってあらわれると思っています。そんななか、僕自身が気を付けようと心掛けていることがあります。それは「自分とは異なり、かつ、それを理解することも共感することもできない考え、思い、感じ方をする人が必ずいる」と考えることです。「いるかもしれない」ではなく、「必ずいる」です。同時に、自分自信が他の誰かにとっての「理解し得ないもの」だとも考えるようにしています(大事な一文忘れてた。。。)。

僕が見てきてしまった老害ライクな方々に共通していたのが「自分の視点・思考・嗜好がすべてであり、人間共通であると思い込んでいる」ように見えたからです。同じ我を通すでも、自分と違う視点を意識しながらのそれと、そうでないものとでは軋轢の大きさが段違いだ、と思っています。
{/netabare}

で、だ。司くんよ・・・・・きみの「気持ち」はわからんでもないがよ。
なにより君も年は取るんだろ?その時どうするの?
{/netabare}

===唆るのは勝手にしろ、だが、100憶パーセントはやめろ。
{netabare}
癖の強い千空の言い回しは、最初のころは面倒に思っていました。でも、慣れました。次の一点を除いて。

何かとの比較において100憶%はありうる。が、千空がいうそれは可能性や確率として絶対=全体であることを意味している。なので「100%」を超えることはない。千空ほどのものがなぜこんな言い方を・・・・。ま、後半に入るあたりではどうでもよくなっていましたがね。
{/netabare}

===ご都合・・・いや、いいよいいよ。
{netabare}
おそろしくご都合展開。だけどこれは仕方がないかな。
村民も復活人も、とんでもない奴らしかいない・・・いや、いいよいいよ、少年誌だし、楽しかったし。
3700年カウントし続けた(想い続けた)わけだが、脳はそんな長い間エネルギー補給なしで保てるものなのかな。それとも、これが「石化」の謎につながるのだろうか。ここがだるい言い訳にならないことを願う。
[追] っていうか、文字どうした。創始者たちもなぜ「文字」「読み書き」を早々に諦めた?まぁ、その場合は創始者の面子からして日本語って選択肢は消えるなぁ・・・妥当な線は英語かな。創始者の子供たちの主言語がいつ日本語に切り替わったのかも不確かだな({netabare}白夜が百物語の構想をしているシーンで「日本語で良い」「あなたの母国語を知りたい」的な話があることから、その時点で白夜たちが交わす言葉は英語もしくはロシア語だったはず。{/netabare})。ちょっと「言葉」「文字」に関するところが甘い感じはする。何か理由があるのかな。
{/netabare}

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まぁ、こんなところです。



以下、僕なりの推しポイント。

「一歩一歩問題解決へとくさびを打ち続ける、揺らがぬ信念」。

6話でコハクが千空に対して言った言葉です。
多分これを聞いた時点でこの作品を気に入っていたんだと思います。

===科学の1側面(だけ)を描いている。だからこその描かれ方。
{netabare}
さて、この物語ですが。。。口悪くいうならば千空による「コロンブスの航路確認」の連続です。もちろん、足りない設備、材料を補うための試行錯誤はあるのだと思います。しかし、基本的には科学史をたどる道程であり、石化前に得た科学知識に基づく再発見・再発明です。

科学を正しく知り、用いることは重要ですが、科学にはそれまでになかった知を紡ぎだす役割もあります。

学生時代に「巨人の肩の上」という言葉を教わりました。科学・研究に携わる者の心得(?)だそうです。曰く、巨人とは人類の積み上げてきた知識・技術の全体を指し、その肩の上に当代の科学・研究者がちょこんと座り(立つ?)今までより少し遠くを見渡しに行く。そしてその科学者もまた巨人の一部となっていく。これが人類200万年の知の発展をあらわすメタファーなのだそうです。

この物語の主人公である千空も、巨人の肩の上に乗って少し遠くを(あるいは、だいぶ遠くを)見渡しに行く、つまり、新たな知を紡ぎだす側に立つはずだった人物なのだと思います。残念ながら謎の石化によって、千空がその肩の上に乗るはずだった巨人が消えてしまい、千空自身が「起き上がる巨人そのもの」になってしまった。彼の死はそのまま人類の200万年の知が瓦解することを意味する状況の中で、彼はどう思って日々を過ごしたのか、少し気になります。一人の少年に押し付けるには、たとえそれがあんな人物だとしてもあまりに荷が重い。

あくまで僕の主観ですが、この点はきっと原作者も気を付けて描いているのだと思います。凄いのは「科学」「人類200万年」であって、千空自身がすごいものであると称賛されることはなかったと記憶しています。コハクが千空を褒めるのは、千空自身の判断、考え方や行動であって、千空と「科学」は別物として描かれているように感じました([追]{netabare}とはいえ、千空の考え方、判断の仕方こそが科学の賜物だともいえる。その点では千空=科学も成り立つ部分があります。{/netabare})。また、千空含め自らを「科学使い」(科学者ではなく)と称しているのもその表れなのでしょうか。

この描かれ方は、とてもよかったと思う。


これを踏まえて、あえて物語全体に難癖をつけるなら「科学」とともに「哲学」も巨人の根幹をなすものなんだよ、と言いたいです。

{/netabare}

===だからこそのクロム
{netabare}
途中から主役がすげ変わったのかと思うほどでした。

200万年の巨人が倒れたとしても、3700年の巨人の肩の上に乗るものがちゃんといる。この描写、というより構図に痺れました。彼がなしたものは、我々から見れば「コロンブスの新大陸発見」に等しいものですが、3700年の巨人の視点からなら間違いなくコロンブスの卵であり、発見だったのだと思います。当代の科学者であり、エンジニアであるクロムが中盤以降は本当に頼もしく見えました。

{/netabare}

===サポートキャラのサポート力の高さ
{netabare}
コハクはもっとヒロインヒロインしていくのかと思っていましたが、全然そんな感じではなかったですね。それが良かった。科学の応援者、千空の理解者として機能していたと思います。

スイカはお役に立ったんだよー。千空のお役にも、物語のお役にも立ったんだよー。

ゲンはお話を通して僕の中で大きく育ったキャラクターでした。現代科学・工学を見知っているが故に状況説明役として完璧な立ち回りができたと思います。彼自身の心の動き、行動もかっこよかった。彼がいることで、千空・クロムだけでは生み出せないドラマを引き出したし、千空の内面を代弁することもできたと思います。

カセキの爺様は、出オチレベルでキャラ設定が見えてしまいましたが(OPのおかげもある)、クラフトマンシップはいつも人の中にあるのだな、と素直に思ってしまいました。まぁ。。。舞台装置としては最重要キャラですけどね。この人いないと中盤過ぎてからの工作はもうどうにもならない。

親父の話は、、、とてもよかった。くそう、よかったよ。

{/netabare}

===いずれもよかった OP/ED x 2
{netabare}
特にOPが印象に残りました。

曲もですが、OP映像が前後半ともに凄くよかった。
構成としては、作中のキャラクター像が見て取れるカットと、作中のキーポイントとなるシーンでつながれていました。
クール開始時点で、キーポイントのシーンがあそこまで形になっている(転用元がOPかもしれないけど)制作工程のゆとりが、作品にも表れていたように思います。
最終話で、ようやくOP構成が全部明らかになったときはちょっとしびれました。

前半OPはただ不気味に描かれていたゲンが後半OPでは一転してかっこかわいらしくなっていたり、後半OPのクロムが千空と対等に描かれていたり、前後半間の変化も楽しめました。

カセキの爺さま、ばかかっこいい。

{/netabare}


2期、楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 50
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