2021年度の爽やかアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の2021年度の爽やか成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番の2021年度の爽やかアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.6 1 2021年度の爽やかアニメランキング1位
アイの歌声を聴かせて(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 3.9 (117)
380人が棚に入れました
長編オリジナルアニメーション映画『アイの歌声を聴かせて』
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

幸せ

かなり楽しみにしていたアニメ映画です。
私はこの作品を知りませんが、Sunny boyだったかな?
アニメを見終わって必ずCMが流れてて、AIとか歌とか私の好きな題材のキーポイントが多くて凄く期待したってのが、この作品を見ようと決めたポイントです!

さて、物語は試験中のポンコツAIのシオンが転校してきてから始まります。
5日間の短く長い物語の始まり。

1日目

AIと言えば完璧なイメージがありますが何故AIの彼女はポンコツなのか……

1つは極秘実験なのに力加減を一切しない。

{netabare} プールに潜れば永遠に水面に上がらないし、片手でバスケットボールを受け止めて片手で凄い力とスピードで投げ返したり、完全に自分の正体を隠そうとしなかったりw{/netabare}

2つ目は転校初日にシオンはミサトに「幸せ?」と聞く。
彼女はAIで「幸せ」とは何か解らないけど幸せ?と聞いてくる。
彼女には幸せはわからず、自分で調べた幸せを実行していく。
ミサトに幸せになって貰いたくて。

{netabare} 友達を作らせようとしたり、AIロボを暴走させピンチになれば白馬の王子様が登場すると思い暴走する様にAIにお願いしたりw
王子様を確認しようと、人気の男子ごっちゃんにキスをしようとしてみたりw {/netabare}

実は実験の責任者はサトミの母なので密かに行われた実験でシオンがAIだとバレてはダメなのですが……

{netabare} 初日でバレた……4人のクラスメイトの目の前で、間違えて緊急停止ボタンを押してしまい……お腹から何か飛び出して…… {/netabare}

ミサトは母がどれだけAIに力を入れてきたか知っているから、密かに知ったこの実験を成功させてあげたくて……
そうして、5人の秘密がはじまる。

2日目

ごっちゃんとアヤのすれ違い。
2人は恋人同士なのですが、いつしかすれ違っていた。
この理由がまた学生らしくて、あるよなぁ〜ってなりますww
思春期だから悩みも不安も沢山ある、相手の何でもない言葉や態度に不安になり、どうすればいいのか解らなくなる……

でも。
{netabare} シオンの「ごっちゃんはアヤの者じゃないよ」って言葉で、アヤもやっと自分の気持ちに勇気を振り絞る事が出来た。
「もっと素敵な人がいる」失恋した人にはNGな事をシオンが言っちゃたりもしてたけどw
シオンのおかげで2人は仲直りが出来た{/netabare}


3日目

サンダーの試合の話
試合本番に弱くて負けてばかりのサンダー
{netabare} でも、シオンが練習に付き合ってくれてw
AIでも女の子の素体だからかサンダーは練習しにくそうでww
それに比べて本番は男子相手だからやりやすかったのか初勝利を決める事になりました。{/netabare}


4日目

サンダーの初勝利パーティーとし学校を抜け出す6人
しかし、このパーティーが結果的に……

シオンは新しい幸せの形を見つける。
{netabare} 誰かの幸せは誰かを幸せにする。
シオンが気付いたのです。
トウマがミサトが好きで、ミサトもまたトウマが好きだと言う事実を。
そこで、ミサトを幸せにする為に告白の舞台がまた素敵なのです!

ソーラーパネルの向きを変えて月や夜空を反射させた地面に光のイルミネーションに空に打ち上がる花火にシオンの応援ソング{/netabare}
告白の舞台としては最高です⸜(๑⃙⃘'ᗜ'๑⃙⃘)⸝

そんな告白の最中、シオンを初め全員捉えられてしまう。
{netabare} それはシオンの制作会社の星間エレクトロニクスの大人達だった。
いきなりアンカーみたいなのを撃ち込まれて残酷なシーンでした(*꒪꒫꒪) {/netabare}

5日目

{netabare} シオンは自分の実験結果を改ざんしていたものを送っていたのでした。{/netabare}

彼女にとって実験なんて関係なくてミサトに幸せになってもらいたくて勝手に考え行動した。

{netabare} 確かに、AIが自立して何かを起こすとエラーやバグとして処理されるし、AIが映画みたいに反逆行為を起こして人間を襲うかもしれない。
そうなると取り返しがつかなくかる……だから、処分される結果になる。{/netabare}
危険を考えたらそれは仕方ないかもしれない…………って思うけど……

それは違うって思います。
{netabare} 大人達からみたらAIが自分達の監視外で動いていた。
結果だけみたら怖いですよね。

でも、ミサト達からみたらシオンは沢山の幸せを教えてくれたAIなんです!
すれ違いの恋心を修復してくれたり、初勝利出来る様に練習に付き合ってくれたり、幸せになって欲しい女の子に告白される舞台を整えたりシオンは幸せになって欲しいって気持ちだけなんです! {/netabare}

確かに彼女は間違えた事もありました。
{netabare} ロボの三太夫を暴走させたりもありましたが、あれだって誰も傷付けてないし止めようと組み合ったサンダーも怪我はしてません。{/netabare}

だから、きっと彼女はその辺も解っていた。

彼女達の中でシオンはAIではなく友達なんです!

シオンの本当の正体には涙がボロボロでました。
シオンの試験内容に「誰かを幸せにする」なんて課題もなければ、何故、ミサトと母の1日が始まる前の掛け声を知っていたりした秘密も明かされましたし、シオンが昔からミサトを知っていた様なセリフがありましたが、それも明かされました。

シオンのミサトが大好きな気持ちに私は映画館でボロボロ涙が出てきて鼻水まで出そうになるし、鼻をジュルジュル言わせたら隣の人に「コイツ泣いてんな〜」って思われそうだったので、我慢しました‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
それほどにシオンのミサトへの想いや気持ちの強さが心にグッときました。

シオンの正体を知ったミサト達は……

{netabare} 敵陣本社に乗り込みます!
そこで、寝たきりのシオンに再開する。
必至に呼び掛け目覚めるシオンに呼び掛けると目を覚ました。

でも、大人達にバレてしまいシオンを逃がそうと友達達も時間を稼ぐ為に頑張ってくれたけど……シオンもバッテリーが少なくて稼働時間も時間の問題。
最後の力を振り絞り他のAI達に協力して大人達の足止めしてもらう。

会社を封鎖された中でシオンを逃がす彼らの作成それは……シオンはAIだから器は必要ない。
シオンの心を別の場所に逃がす為に屋上へと出る……
シオンとはもう触れ合う事は出来ないけど……

彼女を宇宙空間の衛生へと移す作業が始まる。{/netabare}

シオンは嬉し涙は知らなくて、最後も嬉し涙を流すミサトの涙の意味はわからなかった。

だって、悲しいから涙がでるって認識なんだもん‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
{netabare} それでも、ミサトは笑顔で笑って感謝を告げる。
そして、ミサトと過した5日間を思い返したシオンも最初の頃とは違い「幸せの意味が解らない」と言っていたけど最後は「私は幸せだったんだね」って幸せの意味を知ることが出来た。{/netabare}

シオンは沢山の幸せを皆に与えたけど、シオンも知らずのうちに幸せを貰っていた事に気が付いた(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

{netabare} シオンの居なくなった学校で彼らは集まって、告白もしたトウマとミサトはまだ少しウダウダしてて、それを衛生からみたシオンが2人に声を掛ける。
彼女は、ずっと見守ってくれるのでしょうね。{/netabare}

さて、最後の三太夫の顔に貼られて居た物が凄かったですねw
劇場では笑いが漏れてたけど私は感極まって涙を拭うのが必死でしたw

サンダーは愛は重いなぁ〜
愛を拗らせるタイプですねww
{netabare}一応、サンダーの告白が成功してたけど柔道の練習相手としてOK貰えたなんて思ってないんだろなぁww

でも、サンダーの恋の形って素敵だと思います。
恋って誰が誰を好きになってもいいものだし例え相手がAIでも好きって気持ちに代わりはないと思いますし、それを否定する事は誰にも出来なくて否定しちゃダメだと思うからです。
だから、サンダーの片思いって面白いなぁ〜って思います。{/netabare}
恋の形って人の数あって全然違う形をしてる気がしますꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

全体的な感想としては……

物語に無駄がなくテンポも凄く良かったと思います。
歌も演出が少しミュージカル風な感じで、普通に飽きることなく楽しめました。
凄く面白い作品ですし時間ある人は是非見てもらいたい作品です(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

あの素晴らしい「愛」をもう一度

2021年11月16日記載

まずは最初に、僕が予告編を初めて観た時、端的に思い浮かんだ印象を、此処に述べておくと致しましょう。

『ポンコツAIと苦労人少女の百合アニメ』

正直『そういうジャンル』に全く興味が湧かない僕としては「別に観なくてもいいかなあ……?」程度の印象に留めて、思考を終わらせてしまっていました。
しかし、その認識自体が実はとんでもない錯誤であるのに気付いた上映時の事。
そんな程度の低いイチャイチャ次元物語では全然無かった事を痛感してからは、思わず当時の自身を殴りたくなった次第。そんな自分が本作に満足出来たのは、最早言うまでもありません。

この映画はミュージカル映画です。しかしそこらの有名作品よりも「歌う理由」と言うのがしっかり物語の中で構築されており、突然出てきた歌唄いAIの登場に周囲のキャラクターが戸惑う序盤から、段々移ろっていく心境の変移がとても滑らかで堪りません。
また、この物語は受け取る側の志向によって、どんな印象にも移り変わります。
色々な見方を与えてくれると言うのは、ただそれだけで価値を齎す『傑作』の特徴ですが、本作はその盤上に見事乗っかっていた次第。ある人は素晴らしい青春SF群像劇と思うだろうし、ある人は恐ろしいSFホラーだと思うかもしれない。これはAIに触れていく過程を、登場人物と共に追体験していく展開であれば当然の事象でしょうが、ただ1つ揺るがないのは「サトミはこれで救われた」と言う事です。不変の想いが形を変えて、最高に素晴らしき友情と純愛を齎した……この物語はそれで充分『幸せな終わり』なんだと、僕は強く思っています。


{netabare}
さて、僕は本作を『[AI]と[I]と[愛]が見事に上手く絡み合った、友情と純愛のロマンティックSF群像劇』と解釈した次第。
ええ、これは最高の友情映画であり、最高の純愛映画なんですよ。「AI」が物語に絡んでくる中で「愛」の形を知っていき、それぞれが「I」を込めて歌う事で、自らの想いを届けていく。その過程が確かな『幸せ』となりて息衝いていく様を、見事な展開で魅せ付けられました。
その心は、決して後悔しない為。好きだと思える大切な人に、大事な想いを吐露する行為。
その素直さを教えられたのはシオンの起こした行動が全てであり。そんな彼女が教えられた行動経緯の起因には、本作の最重要人物、トウマがいます。
少年の頃から抱いていた、たった1人の少女に対する彼の願いが。今でも心の中では思いつつ、形に出せなかった無垢なる想いが。シオンと言う体現者に「愛の形」を託した上で、その不変を色濃く示した訳で。
それはシオン本来の「疑問」でありつつ、トウマ本来の「願い」でもあり。その軌跡全てが「サトミを幸せにした」んです。トウマの為に独りぼっちとなったサトミを「もう1度幸せにした」んですよ。


この『AI』を通した関係の中で紡がれる『人間の想い』の両立が余りに綺麗で眩しくて、どうしようもなく愛おしくて。どうにも胸がいっぱいになって、抑え切れなくなってしまいました。
ただ正直な所、シオンに明確な自立精神があったかどうか。命令に囚われないで得た心があったかどうか。作中では堅実な確証で以って断言する事は出来ません。
彼女自身がしていた事は、全てトウマの願いに従って起こした従属なのは確かな事。
「シオンは今、幸せ?」と言う疑問に肯定出来たのも「人間を幸せにする」AIの原理に従った結果に過ぎないかもしれません。
しかし、シオンもこれまでの過程で多種多様なそれぞれの『幸せ』と『愛』の形を学習し、記憶し、応用し、確かに関わった時間があります。だからこそ、最後のトウマの台詞が心に強く響くのです。

「シオンにも、心はあったんじゃないかと思うんだ」

そう、結局は「受け取る者次第」
『人間』として『AI』に対する想いとどう接していくか。人間のみが持つその機微が、大切な関係と成り得るのです。
それ故本作は、青少年達の変わり行く心理の行方を描いた友情映画でもあるし、幼少期より抱いてきた想いが見事形を変えて体現した最高の純愛映画でもある。
そしてアンドロイドのシオンが加わった事で、新たな関係で再度彩られた、良質なSF映画と断言出来ます。
だから僕はこの作品が好きなんでしょう。色々な見方を与えてくれて、観る度に気付かなかった発見を魅せてくれる。このアニメ映画が好きなんでしょう。

本作に登場する子供達は、AIとこれから密接に関わっていく事が増えるかもしれない世界の中で、物語が導き出した理想像です。
この『物語』をどのように捉えるかは人それぞれでしょうが、少なくとも僕は本作を観た後、確かな「愛と希望と未来の笑顔」を信じたくなってしまいました。
シオン(AI)と関わった子供達の未来が『幸せ』で溢れますように。
「手を繋ぐ事の出来た」2人の未来が、もっと『幸せ』で溢れますように。
『アイの歌声を聴かせて』はそんな願いを観客にも抱かせてくれる、正しく『愛の物語』でした。
{/netabare}

最高の友情と純愛を魅せ付けてくれた本作に、大きな愛の感謝を込めて。
サンダー、ゴッちゃん、アヤ、シオン、そしてサトミとトウマの皆が大好きです。
この幸福の輪が更に広がっていく事へ『人間』としての願いを込めて。締めの運びと致しましょう。

ああ、最高に幸せだ。


P.S.
本作が気に入った人は、ロバート・F・ヤングの時を越えしロマンSFや山本弘のアンドロイドSF小説『アイの物語』が気に入るでしょう。
特に後者は、吉浦康裕監督も確実に意識していると思いますので、鑑賞前でも鑑賞後でも、読んでみる事を薦めます。リスペクトオマージュ盛り盛りで、中々面白いですよ。


2021年11月18日追記
{netabare}
-----------------------------------------
吉浦康裕
@yoshiura_rikka

#アイの歌声を聴かせて
サトミとトウマのフルネームはそれぞれ、天野悟美(あまのさとみ)、素崎十真(すざきとうま)です。この二人の名前はペアで考えました。どういった意味合いでペアになっているのか、分かった人は相当マニアックです。

午後0:00 · 2021年10月31日·Twitter Web App
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ついさっき、この名前の由来に気付きました。裏設定でこんなに感動したのは、久し振りの事だと思います。
素崎十「真」と天野「悟」美。取り敢えず分からない人は、もう1つのアイの物語『わたしは真悟』を読んで下さい。

そうか、シオンは真悟でもあったのか……鳥肌止まらないですよこれは。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

AIものとして低レベル。心理描写も弱い。歌は…うーん。

 本作については、AIものとしてのレベルは相当低いと言わざるを得ません。  
 まず、誰がどう見てもシオンが自然な人間の振舞をしているとは思えません。そして、その実証をしないで学校に送り込むというのが科学者として不自然です。

 まあ、トウマが作ったプログラムが自己進化の末にシオンの機体に実験日にインストールされたのかもしれませんが、途中経過を観察するときに気付くでしょう。そもそもシオンの機体はスタンドアローンじゃなかったの?ネットワークに外部的なデータリンクとしてつながるにしても、根幹のプログラムをいじれるのはおかしいでしょう。
 そして、ばれないための実験なのに、機体停止時の挙動がお腹から機械が飛び出す仕様にするとか極めて不自然です。

 設定上はシオンが自らそこを隠蔽していたということだと思いますが…うーん。その能力ってどっから来たんでしょう。そのレベルのAIがそんな不自然な動きをするって…シオンが人前ではもっと落ち着いていればまだ良かったんですけどね。

 野良プログラムがAI進化して、トウマのサトミに対する愛情がプログラムの一部になっていて、プラスサトミの好きなアニメが行動原理になっていた、かな?うーん。これで納得感がありますかね?子供が作った単純なプログラムの話だよなあ…うーん。
 だとすればまだオカルトの方が納得感があります。父親か母親、昔の友達との死別した魂とか。

 この作品の対象年齢層がわかりませんが、今AI事情がこれだけ出回っている2020年代にやる話ではありませんでした。

 では、AIシオンを取り巻く登場人物の恋愛・友情物語としてはどうか。シオンのアイデンティティが単純にサトミの幸せを願うというだけで、なんというかその気持ちに核が無いんですよね。シオンの内面というか感情が描けていないので、単純な条件付けにしか見えません。結果的にシオンがドタバタやって偶然各人がくっついて行きますが、歌が歌えるAI実験機の意味が極めて薄かったように感じます。

 ここが最大のテーマでもありストーリーの核でした。伏線も演出もすべてここに収斂しているので、ここに乗れるかどうかでしょうね。私は乗れませんでした。

 つまり、SF設定、AI設定はおいて置いて、シオンというAIに何かの感情移入ができるか?といえばまったくできませんでした。そして設定が不自然すぎて、サトミ、トウマ、母…だれかに感情移入できたでしょうか?

 サトミってどういう性格かって言われても、うーん、としか言いようがありません。なにか彼女のアイデンティティがみえてくるような描写ってありましたっけ?まあ、真面目なんでしょうけど、一方で一番肝心なシオンの危険性について隠ぺいしようとするし。で、友達も隠ぺいに巻き込もうとするし。つまり身勝手だということ?
 サトミの内面を見せる演出が少なすぎたのが良くなかったのかもしれません。

 それと母の努力って意味がなかったということ?そして、最後はラスボスの承認でおしまい?あのAIを野に放った危険性についてはみんな周囲の言う通りかと思います。

 ヒューマンドラマとしても、あの嫌な女が急にしおらしくなって告白しちゃったり、サトミの周囲に突然人が集まったり、非常に不自然でつぎはぎでした。
 AIものとしても駄目、青春群像劇としても心理がまったく響きませんでした。


 正直言うと、まず、細かい話ですが、冒頭の炊事の場面からちょっと変だなとは思いました。料理で一番大変なのは、下ごしらえと後片付けです。火が自動的につくのが自動化のような描写でした。ここでああ、SF的なセンスがちょっとなあ、という感じです。
 今風の家庭と自動化という発想なんでしょうけど、そこに深い考察があるように見えなかったです。

 それとグレーぎりぎりでの実験だ、という冒頭の会話からあまりシオンそのものに正義がみえなかったですね。だから、子供たちがシオンの危険性を隠蔽しようとしているのが滑稽に見えたり、母が間抜けに見えたりしたのも良くなかったです。

 いろいろ書きましたが、要するに心がざわつくような、何か印象に残るようなものがなかったですね。SF的なセンスオブワンダーもないし、人間ドラマとしての事件、ストレス、因縁、苦悩…なんでもいいんですけど、後で引っ掛かって考えたくなるような何かが何もなかったです。

 ということで、最後の感動シーンを描きたいから描いたような映画かな?正直いえばAIものは一番好きなジャンルなだけに、しかもまだ550円の購入コンテンツです。
 評価的には本作はダメダメですね。私は映画は金をとる(サブスクですけど有料コンテンツだった)、時間をとることを考慮して厳しく評価します。ということを割り引いてもあまりいい出来とは思えませんでした。

 映画としては100点満点で20点くらいですね。ストーリーとキャラ造形には点は上げられません。特にシオンの不自然さに何かはあるだろうとは思っていましたがカタルシスが無かったです。点数がつくのはおもに最後の方のエフェクトと作画です。正直集中してみるのがしんどかったです。期待してたのに残念でした。

 サカサマのパテマと同じ人が作ったとは思えません。AIものとしては、イブの時間もヒューマンドラマや差別問題としては見るところはありましたが、AI設定が良くなかったですからね。AIもののセンスがちょっと無い感じがします。

 そうそう、肝心の歌ですが、まあ歌がモチーフなのにそのレベル?という曲と歌唱力でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

71.3 2 2021年度の爽やかアニメランキング2位
サイダーのように言葉が湧き上がる(アニメ映画)

2021年7月22日
★★★★☆ 3.7 (77)
281人が棚に入れました
17回目の夏、地方都市⸺。コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル。人気動画主の彼女は、“カワイイ"を見つけては動画を配信していた。俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。

声優・キャラクター
市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一、井上喜久子

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

沢山の大切なもの

この作品は、自分の言葉を伝える事が苦手なチェリー君と自分の出っ歯にコンプレックスをもつスマイルちゃんのひと夏の物語。

まず、アクションシーン?
ビーバーのデパートでの逃走劇は躍動感が凄く本当に飛んで跳ねてって言葉がまさにその映像に出ていましたね。
動きが面白く楽しく見えましたが、流石にリアルであんな逃走劇すると大問題ですねww

チェリー君の母が腰を痛めて、パート先の施設に休みの間に息子のチェリー君が代打でお手伝いするのですが、その施設に居るお爺さんはレコードの空箱?ケース?を持っているのですが、肝心の中身がないのです。

そのレコードは、お爺さんにとって、特別な忘れたくないけ忘れてしまいそうな物で、そのレコードを探していたのです。

それは、死別した妻の歌った曲だったのです。
これは探しちゃうよね。
だってさ、大切な人が居なくなってしまうと10年、20年、30年、と経つと、その人が存在した事は覚えてるけど、その人の仕草や声や笑顔が少しづつ記憶から失われてく……

でも、その人が残した物があるのなら?
それは、きっとその人の掛け替えないのない宝物になる。
それが今回はレコードだった。

チェリー君もスマイルちゃんも、そんな気持ちが解るから必至にネットで探して、ヒントになりそうな場所を走り回り探し回る。
そして、2人はそのレコードを見つけだす!
でも、そのレコードを聞く前に、レコードが波打っていて直そうとスマイルちゃんが、パリンッ!って割っちゃった‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

多分、それでも皆は多分許してくれた。
何故なら、スマイルちゃんが、大変な中、探してくれたのを知ってるから……
だから、きっとお爺さんも。

でも、そうじゃないんです。
大切な人の大切な想いを、知ってるスマイルちゃんは、それでもレコードを接着剤で何度も何度も修復しようとしますが、全然くっつかなくて……なんか凄く解る……

やっとの思いで探し出したレコードを自分が割ったとなれば、どれだけ自分を追い込むか、周りが許してくれても自分が自分を許せない……
だから、中々直らないレコードに涙して、お爺さんにも謝るしかなくて……謝っても罪悪は消えないしレコードも戻らなくても謝るしかなくて……
でも、形だけはスマイルちゃんは直します。
凄く頑張ってたんだなぁ〜と凄く感じたシーンでした。

でも、実は、いかにも灯台もと暗しって言葉が似合う場所に2枚目のレコードを発見www
私も、スマイルちゃんが割ったシーンの次の施設の場面でレコードの裏面と同じものを発見!
ある!ある!あるじゃん!ってなりましたw
だれよwレコードをあんな改造した人w
結局、お爺さんは自分が改造した事を忘れてたのねww


さて、スマイルちゃんはコンプレックスを抱えています。
誰でも多分コンプレックスって抱えてるものだと思います。
スマイルちゃんは、そのコンプレックスが嫌いで人前でマスクを付けたり、口元をかくしてご飯を食べたり、時にはダイエットと言って皆と食べなかったり。

でも、チェリー君は、そんな彼女のコンプレックスを好きだと言ってくれます。
コンプレックスって多分簡単に受け入れられないからコンプレックスなんだと思います。
多分、これはチェリー君だから彼女は最後にそれを素直に喜べたのかな?って。

好きな人が、自分の嫌いな物を好きだと言ってくれたら、それは自信に繋がるのかもしれません。
例え、見知らぬ誰かに受け入れられなくても……例え、自分では中々受け入れなくても、きっと好きな人のその一言なら、そんなコンプレックスな自分と向き合える力になる。



チェリー君は言葉の表現が苦手な男の子
そんな彼は、唄?俳句?を書くのが好きでSNSや俳句?唄?の教室みたいな場所で唄を作っています。
それは文字で自分の気持ちが伝えやすいから。
ですが、唄の先生がチェリー君に自分の創った唄を人前で詠ませるシーンがあります。

この唄の先生はこの時だけの登場ですが、結構好きになれたキャラです。
チェリー君からすれば先生は苦手な事をやらせただけに感じるでしょう。

やらされた側からすれば、放っておいてよ、ウザイなぁ、余計なお世話!と思うでしょう。
私も昔は本当にそれ思いました。
苦手な事を押し付けられて、やりたくない事やら習い事なら、やらされてきました。
当時は嫌いな事をするから苦でよくサボったり逃げたりしました。

ですけど、大人になる事に時間が過ぎ去る事に、それは克服しなければならない事でした。
チェリー君もそうです。
自分の気持ちを素直に伝えるのは難しい事です。
でも、伝えなければいけない事は山ほどあります。

チェリー君はどうして文字で伝わる唄をわざわざ声にだして言わなければいけないのかと、先生に文句を言います。
先生は「声に出して伝わる事もあるでしょう」
と言います。
誰かに、伝えて知ってもらうって大切な事で、黙っていても伝わる事なんて中々ないし、伝わっても伝えたい事の半分も伝わらずに終わることもあります。

優しさは一定値を超えると甘さに変わります。
嫌な事を無理矢理させる事はよくありません。
でも、苦手な事を遠ざけるばかりでは、その人の為にはなりません。
その人を想うなら、苦手な事にチャレンジするチャンスってのを与えてあげる事も優しさだと思います。
だから、先生はそのチャンスを作ってくれたのかな?と。

そして、先生は唄の先生です。
先生はチェリー君の唄にチェリー君の感じた気持ちが凄くピュアに表現されている事に感動したのかな?って思いました。
そう言うのは、第三者じゃなくて本人が読む事でより強く綺麗に伝わるから、人前で読ませたのかな?ってww
唄を聞いて皆さんが拍手をくれました。
それは声に出して伝えたからでしょう。

そして、チェリー君は引越しをするのですが、引越しの前日まで、スマイルちゃんに引越しの事を話してなかった…………(*꒪꒫꒪)

あぁ〜……ダメダメだよ‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
しかも、スマイルちゃんはいきなりの事で、それをチェリー君の母から聞くオチがつく……
確かに、言い出せないのも解るよ。

でも、相手側に立ったらさ、別れの日がわかっていれば、もっと沢山の時間を共有したりさ、思い出作りしたりさ、その別れの時間までの時間をもっと大切に使えたのにって思っちゃう。

お別れパーティしたりさ、行きたいところに一緒に沢山行ったり、自分の気持ちも伝えられたかもしれないのに……

でも、伝えられないのだ。
チェリー君は言葉で伝える事が苦手だから……
お別れ……言葉にしないと伝わらない事の1つ。


そして、引越しの日に彼のスマホにスマイルちゃんのお祭りのライブ配信が流れる。
それは、2人で一緒に花火を見ようと約束していたお祭り。

そして、スマイルちゃんは彼に沢山の気持ちを伝えようと皆に協力してもらう。
チェリー君もそのメッセージを見て車から降りて走り出す!

彼は祭り会場に行くもスマイルちゃんを見つけられない……そこで、ヤグラに登り身体全体に恥ずかしさMaxで真っ赤かで、マイクをとる!


ステージで何かをした事はありますか?
トークでも歌でもいい何かをした事はありますか?
あの瞬間って緊張と恥ずかしさで心と喉が凄く震えて今自分が凄く震えている事を痛感しませんか?
それを、言葉を伝える事が苦手なチェリー君が必至に伝える!
自分の作った唄をひたすら大きな声で伝える。

それは、周りの人には意味不に聞こえるかもしれない……興味なんて示して貰えないかもしれない……花火が始まると皆、チェリー君を無視して花火をみる。
ただ、1人以外は……

それでいい!
チェリー君の愛の告白は……
チェリー君の気持ちは……
勇気を出して伝えたい言葉は……

たった1人だけのもの。
他者になんて理解されなくても、伝えたい人に伝われば、それだけでいい!
それだけで、苦手な事にチャレンジした意味になる!
それ以上のものは必要ない。

この作品を見て感じたのは。
自分のコンプレックスに悩んだとして好きになれなくて、嫌気がしても世の中生きていれば、いつかは、そのコンプレックスを好きになってくれたり理解してくれる人が現れて、いつかは克服出来るかもしれない。

苦手な事に立ち向かうのは嫌だし怖いけど勇気を振り絞った先にあるのは幸せかもしれない。
自分の苦手を逃げる理由にしないで立ち向かう事で、チャレンジして良かった、頑張って良かったって思えるかもしれない。

そんなメッセージがあった気がします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

merolin08 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「分かりやすさ」と「作画」◎

【はじめに大まかな感想】
・全体的に分かりやすい
・作画いい
・劇中歌が素敵

 キービジュアルに一目惚れして遅ればせながら視聴しました。コミュニケーションが苦手で俳句でしか自分の思いを表現できない主人公「チェリー」と、出っ歯がコンプレックスでマスクが手放せないネットアイドル(?)「スマイル」との一夏の思い出。結論から言うと雰囲気で楽しめない人は評価が下がっちゃうかもという印象です。

 まずはストーリー。俳句という取っつきづらいテーマですが、劇中に出てくる俳句はあえて一般の人にもわかりやすいように作ってるっぽいですね。同様に、起承転結の「転」の部分は重要なポイントをガッツリ見せてくれるのでキャラの心情変化なども追いやすく、かなり見やすい構成になっています。考察たくさん系もいいですが、個人的にはこうやって見る人を意識して作られた作品には好感を持っちゃいますね。テンポもよく、ほのぼのした雰囲気がとても好みでした。
 逆に展開の目新しさという点では少し薄いかな、という印象です。個人的にアニメはエンタメ全振りで見るタイプなのでメッセージ性とかはあまり気にしないのですが、アニメ映画はそこを重要視する人も少なくないと思うので、そういう層にはあまり向かない作品かもしれないです。
 ストーリーで気になった部分を一つだけ、個人的には「ラストがちょっとなぁ…」という印象でした。 {netabare}チェリーが「君が好き」と、はっきり言ってしまったところ。ど素人ながら、俳句の良さって間接的な表現っていうのも一つあるんじゃないかと思うんですよねぇ。"I love you"=「月がきれいですね」と似た感じといいますか。「やまざくら~」の俳句で思いは伝わっているのに、そこ直接的な表現する必要あったかな(しかも公衆の面前で)。このラストシーンで俳句の趣が損なわれたというか、俳句好きのキャラ設定と整合性が取れていないように感じてしまいました。あとスマイルのコンプレックスに対する意識は本筋中の本筋だったので、もう少ししっかり描いてほしかった気はします。{/netabare} とかグチグチ言ってますが、ラストの細かい部分に目を瞑れば全体的なストーリーは綺麗にまとまっていると感じましたし満足してます。

 次にこの作品の一番の褒めどころ「作画」。冒頭でも触れましたがキービジュアルが好き、と感じた方は映像だけで見る価値ありです。キャラデザが可愛いのはもちろんのこと、建物などオブジェクトのビビットな色使いや、影の境界に主線を入れる画法など、特殊な作画が随所にちりばめられていて目が楽しいです。あと、スマイルの洋服に結構力が入ってるんじゃないかなと感じました。何種類も出てきたし、どれもユニークで可愛かった!安定感も含めて文句なしの作画だったと思います。

 あとは細かいところですが、劇中歌がとっても素敵だったので注目です。キャストは原作映画お決まりの主要キャラゲスト声優パターン。これについては永遠に賛否両論なテーマだと思いますが、個人的には全然気にならなかったですね。特に杉咲花さんやっぱ上手だなぁ、蒼井優さんと同じ匂いを感じるぞ…!主人公の市川染五郎さんについても、最早なんとなく本業じゃない感じが「アニメ映画見てる!」って感じがしてよくないですか?(笑) 映画のゲスト声優文化意外と嫌いじゃないんですよねぇ(というか見てるうちにそういう体になった笑)。

 まとめの前に小言なんですが、主人公のニックネームね。冒頭でがっつり「チェリーボーイ!」って呼ばれるけど、最後まで童貞がどうのってシーンはないんかい!下ネタ0だったしファミリー層への意識はあったんだろうけど、主人公の性格のメタファーならやんわりでも触れて欲しかったし、結局視聴者の注意を散らしただけだったような。どんな意図だったんだろう(´σ `)?
 という感じで、要所に気になるところはありつつも全体を通したら「観てよかったな」と感じられる作品でした。特に作画が気になる紳士淑女の皆さんにオススメです!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高にエモくて面白いラブストーリー。ただ2つの見過ごせない点あり。

 夏ですし、今テレビ番組で一番好きなのがプレバトの俳句コーナーということでこの作品再視聴ですね。

 この作品見始めは色調がビビッドすぎるのと、動きが多すぎ、騒がしい演技と効果音で、なんじゃこりゃ?となります。

 が、キャラデザと構図と動きがいいのと、田舎のショッピングモールという、地方においてそこがすべての人が集まる場所という舞台設定が秀逸です。地方社会のコミュニティーとしての機能が言外できちんとでていました。当然文化の発信地でもあります。そういう部分を感じるのが心地よかったです。だから出会いもあったわけで。

 そして、特に2人が一緒にショッピングモールから帰る夕方の風景が、なにか胸に刺さります。同じ道を何度も2人で通る描写がイコール2人の時間の積み重ねにもなっていました。

 また、キャラ造形が比較的スムースに物語の中で説明されるので、いつのまにか面白くなってゆきます。

 色彩の変化には注目すべきでしょう。どんどん淡く彩度が落ちて行くのがとても良かったです。音も静かになって行きます。

 俳句と動画配信者の組み合わせ、人前で話すことと容姿のコンプレックスの対比、老若男女の組み合わせに、声がでかいレコードを探す老人を組み合わせることで、昔と変わらない恋心を見事に描き出していました。

 と、時をこえた2つのラブストーリーに関しては非常に良かったです。最近「耳をすませば」に深く感動しましたが、本作もそれに劣らず感動しました。それとショッピングモールとスマホ、SNSという題材だけに、より身近な物語だったのも良かったと思います。

 で、2点気になるところがありました。これはちょっと物語や作画の良さではカバーできませんでした。一つは俳句と物語の結びつきといいますか「サイダーの様に」だったかです。

 ヒロインスマイルが感動するショッピングモールの帰り道の俳句とか、キーとなる山桜の俳句などとても良かったし、エピソードとも絡んで上手かったと思います。

 ただ「サイダー」というのは俳句がどんどん湧き上がってくる様子だと思うのですがラストの主人公の{netabare} 告白はサイダーの様に…だったかですね。なんか真っ赤になって一生懸命俳句を詠む姿は、もう少し別のものだった気がします。俳句は文字だ、という主人公の主張とあいまって、 {/netabare}本当にいいラストなのは間違いありません。
 言葉を変えると、夏のイメージの重ね方が強引な気がすると言った方がいいかもしれません。

 それと大貫妙子さんの歌です。もちろんシュガーベイブ時代からみんなの歌まで皆好きなんですけど、さすがにもっと若々しい声の歌い手さんじゃないとなあ。あの初々しい少女に合ってましたか?
 ここも容姿と恋愛は関係ない、可愛らしさとは人それぞれだというメッセージが、{netabare}主人公の俳句を読み上げるという告白と重なって、ヒロインがマスクを取って笑うカタルシス {/netabare}になっているので最高でした。ですが、大貫妙子さんでは声がベテランすぎです。


 評価です。作画はいいです。最高です。キャラも同じく性格から内面、感情の動きまで丁寧に描けていました。が、音楽はまあ減点ですねえ。4までかなあ。それとストーリーの「サイダーのように」がやはり見えませんでした。これは大きすぎる部分なので4にしておきます。

 が、主観的には物語にはかなり感動しました。キャラは主人公2人含めて皆良かったです。そして、アニメーションの良さは「ああアニメ映画を見たなあ」という充実感になりました。90点!という感じでしょうか。

 それと劇中、画面に出てくる俳句は、全部拾いきれてないのであとで見返すかもしれません。発見があれば追記をします。

 なお、 ラストは{netabare}引っ越しはするので、一旦は離れ離れですよね?その後はご想像にお任せしますでいいのかな? ただ、SNSでいっぱい俳句を投稿することでしょう{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
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