演技おすすめアニメランキング 26

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの演技成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の演技おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.0 1 演技アニメランキング1位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (241)
824人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漫画のメディアミックスの光と闇

『かぐや様は告らせたい』などの赤坂アカ(原作)、『クズの本懐』などの横槍メンゴ(作画)による原作漫画は、『週刊ヤングジャンプ』と『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中(既刊15巻、原作既読)。
アニメ2期は、全13話(2024年)。監督と制作会社に1期からの変更なし。監督は、『私に天使が舞い降りた!』、『恋する小惑星』などの平牧大輔。制作は、『イエスタデイをうたって』、『NEW GAME!』などの動画工房。
※3期の制作が決定。および、原作漫画が単行本16巻で終了することが発表。
(2024.7.1投稿 10.12「全体の感想」を追加)

【あらすじ】
自らの作品に強いこだわりを持つコミュ障漫画家・鮫島アビ子(CV.佐倉綾音)は、自ら描いた漫画「東京ブレイド」が「2.5次元舞台」としてメディアミックスされるほど大人気であった。
しかし、あがってきた舞台の台本を見たアビ子は、その内容に納得できず脚本家を「この人、ちょっと創作者としてのセンスが…」と全否定。2期は、こうした漫画のメディアミックスの光と闇を中心に描かれていくことに…

なお、今回も1期の「恋愛リアリティショー」と同様に、本作の内容と類似していて、なおかつより悲惨な事件が直近にリアルでも生じていました。
もっとも、本作は、そういう問題がなぜ生じてしまったのかを、漫画家からの視点だけではなく関係者の様々な言い分を代弁するような形で解説するような内容にもなっていると思います。


【漫画のメディアミックスの光と闇】
2期の冒頭は、作中で人気漫画とされる『東京ブレイド』の「2.5次元舞台」で実際に行われているという演出のキャスト紹介から始まります。いきなりド派手な演出です。

当然、このシーンは原作漫画にありません。なぜなら、漫画とアニメは、同じ二次元ではあっても、無音声で静止画(漫画)と有音声で動画(アニメ)とで表現形態が異なるからです。

仮に漫画原作者が、このシーンの細かいイメージを持っていたとしても、漫画では表現できません。そこをアニメ制作者が原作者の意図を忖度して必要な動き・音などの情報量を付け足し、そのイメージをどこまで再現できるのかが腕の見せどころだったりします。

もっとも、漫画とアニメは、表現形態が違うのですから、漫画のシーンをアニメでもできるだけ同じように再現することだけが必ずしも「効果的な表現」とはいえない場合もあります(例えば、動画の強みを生かすため、バトルシーンを加えたり長くしたりするなど)。そうすると、同じシーンでも原作者と監督との間で表現者として異なる解釈の余地も生じてきます。

加えて、アニメの場合は、時間的な尺の問題もあるので、原作漫画の内容をカットする必要も出てくる。そして、カットした内容と辻褄を合わせるため、原作の内容自体にも修正が加えられることに…


本作の内容は、漫画を2.5次元舞台化する際の舞台裏を赤裸々に描いているわけですが、面白いことに『【推しの子】』という漫画をアニメ化する際にも同じ現象が起こっているという「二重構造」になっています。

というわけで、特に原作ファンにとっては、アニメが原作漫画をしっかりアニメ化出来ているかどうかも見所の一つかもしれませんね(笑)


【音楽】
オープニングは、『呪術廻戦2期-懐玉・玉折』オープニング「青のすみか」などのキタニタツヤと元SexyZone現timeleszの中島健人のユニットGEMNが歌う「ファタール」
エンディングは、『呪術廻戦2期-渋谷事変』エンディング「more than words」などの羊文学が歌う「Burning」

オープニングの「ファタール」は、フランス語で致命的、運命的という意味。特にオープニングは、歌詞が本作の内容とリンクしてます。


【全体の感想(※2024.10.12追加)】
{netabare}私は原作漫画のファンですが、2期は原作漫画をしっかりアニメ化出来ていたと思います。なんなら原作以上のクオリティであったとすら思います。
もっとも、そう思う一番の理由は、舞台という題材自体が漫画よりアニメ向きだったということに尽きると思います。

例えば、漫画で「役者の感情表現に依存した演技」と書いたところで、その部分の表現について、声と動き、なんなら音楽まで情報が加えられるアニメの表現に情報の少ない漫画が敵うとは思えない。ただ、アニメ制作者が補ったそれらの情報が適切であることが前提にはなりますが…

でも、本作のアニメ制作陣は、こちらの想定をはるかに超える情報を補っていたので、リアルで『東京ブレイド』の舞台を作るつもりで取り組んでいたんじゃないかと思うほどのクオリティでした。本当にそこはすごいと思いました。
(※ちなみに、本当にリアルで『東京ブレイド』が年末に舞台化されるそうです)。


あと、2期は、アイを殺害した犯人を追うミステリー部分がかなり後退してしまった内容だったのですが、漫画家自身が漫画のメディアミックスの問題を漫画化したことに意味があると思ってます。

実際はアニメよりもっとひどいのかもしれないし、そうじゃないのかもしれませんが、メディアミックスに関わる様々な人たちのリアルな一面が見れたことが、アニメのレビューを書く私にとっても参考になる部分がありました。

小説や漫画をアニメ化する際、多くの関係者が初めから駄作を作るつもりなんかなくても、本作の伝言ゲームのようなディスコミュニケーションが生じることで、いわゆる「クソアニメ」ができてしまう。

原作自体は、アニメ化されるくらいなんで、多くの人から支持される面白さがあったはずなんですけどね…


さて、2期は単行本8巻までのアニメ化でした。実は、原作漫画が16巻で終わることと3期の制作決定が発表されたので、3期は今まで通りのペースだと2クールで一気に最後までできることになります。

個人的には、結末がどうなるかにもよりますが、最後まで一気にやった方がよさそうだとは思っていますがどうなるでしょうか。
ちなみに、私は漫画とアニメで結末を変えるのもアリだと思ってます。{/netabare}


【14話の感想】
{netabare}まあ、売れた作家に文句言える人って貴重ですよね。
そんなに文句言うなら、あなたが書けばいい、どうせあなたの感性で書いても売れやしないって言われるわけですから…。

いいシーンでした。{/netabare}

【15話の感想】
{netabare}前半は、「原作者VS脚本家」
お互いがリスペクトを持てば分かりあえるかもという1つの理想像。まあ、話し合ってもお互いに譲歩する気がなきゃまとまるものもまとまらないので、確かに博打です。

後半は、「幼馴染VS今カノ」
他人の境遇を想像して泣くことができるやつに悪いやつはいねえ!
私は、有馬かなより黒川あかね派!だけど、アクアの楽しい思い出のほとんどは、「かな」とのものばかり(笑){/netabare}

【16話の感想】
{netabare}目の星が黒くなったり白くなったりする演出が、1期と比べてパワーアップ。ダークサイドに落ちると次第に白から黒になっていって、感情表現の一つみたいになってますね。

あと、東京ブレイドの公開初日。吐息が白くなる描写がすごい。

2期は、物語上、特にアイの影が薄いのですが、オープニングにも出てくるし、アクアのトラウマとして、ちょいちょい存在感を発揮。【推しの子】は、やっぱりアイの物語でもあるなあと。

そして、「幼馴染VS今カノ」ラウンド2「開幕」です。{/netabare}

【17話の感想】
{netabare}劇中劇である「東京ブレイド」が開幕しちゃいました。

舞台は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメの方が表現しやすいと思うわけですが、その分、補わなければいけない情報が増えるので、原作漫画をどうアニメ化するのかを個人的に注目していました。

そんな中、上で書いたように「漫画では表現できないアニメならではの表現満載」で、アニメの良さが出ていたと思います(まあ、「キャラの原作の再現度が高い」っていわれても、そもそも「東京ブレイド」知らねーよとは思いましたが(笑))

あと、今回は黒川あかね役の石見舞菜香さんが推す鳴嶋メルト回。メルト推しが増えそうな内容でしたね(笑)

※劇中劇であるはずの「東京ブレイド」のレビュー動画を発見。コメント欄も秀逸です。上で「東京ブレイド」知らねーよと書いた自分が恥ずかしくなりました。天才っているんですね。
https://youtu.be/jLh1sONIDYY?si=TkaTCkL870QwZDuR
{/netabare}

【18話の感想】
{netabare}個人的には、舞台とあかねの過去の回想シーンとの繋ぎがよかった。
回想シーンって、物語に違う物語が入ってくるので、繋ぎが難しい。そこを冗長にならずに緊張感を保って元の物語に戻っていったように感じました。間の取り方が上手いというか。

あとは、原作漫画では、役者の感情演技に依存した脚本と書かれていただけのところを、実際に声優さんたちが実演していくところが見処に。特に石見さん、普段からはちょっと想像つかないような声で、別人かって思うくらい頑張ってます。{/netabare}

【19話の感想】
{netabare}前回が黒川あかね回で今回が有馬かな回。

対比されて描かれることが多い二人。演技の方向性。幸せな家庭で育ったあかねと不幸な家庭だったかな。
最終的に、アクアをダークサイドから救い出すのはどっちなんでしょうか。

もっとも、かなは、自分の本性を抑えて周囲に合わせるキャラを演じてきたところがアイと似ているといわれています。が、この舞台限定ではあるものの、かなは本来の性格を取り戻しています。アクアもかなによって本性を取り戻すんでしょうかね。

さて、次回からは、舞台の打ち上げが始まって、おそらくアイの敵討ちの話もようやく少し進むはず…{/netabare}

【20話の感想】
{netabare}アイの声優である高橋李依さんが久々の出演。これもアニメならではの表現ですよね。

舞台の表現は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメ向きだと思うので、アニメ制作は色々と補充する情報が多くて大変だったと思います。
でも、その困難を乗り越えて、これから本当に舞台「東京ブレイド」が作られることになるんじゃないかというくらいのクオリティでした。特に最近の技術と融合した舞台の進化もわかって興味深かったです。きっと漫画原作者陣も喜んでいるはず(笑)

さて、ようやくアイの敵討ちに関するミステリーも進行。原作が佳境を迎えているので、3期があるとして結末まで描き切った方がよさそうというのが個人的な見解ですが、どうなりますか。

【劇中劇「東京ブレイド」舞台化決定!】
20話の感想で「東京ブレイド」舞台化されるのでは?と書いたら、本当に舞台化されるようです。キャストの見た目だけですが、気合入ってますね。
https://www.marv.jp/special/theater_lalalai/{/netabare}

【21話の感想】
{netabare}朝帰りをして、ルビー、有馬かな、黒川あかねから心配されるアクア。愛されてるねぇ。アクアの正妻候補は、一応、この3人(※一人『ヨスガノソラ』がいますが(笑)、ルビー(さりな)のB小町再結成の回想シーンも含めて、これからの展開の前振りになってます)。

アイの敵と思しき人物が既に死んでいるとわかり、復讐という宿命から解放され、アクアの「右目に宿る星」が昇華して消滅するというアニオリ演出。

もっとも、物語は、これからアクアをめぐるラブコメも本格化するのですが、ミステリーの方もこれで終わりというわけではなく…むしろ結末に向けて盛り上がっていくはず…

まあ、まずは原作漫画の結末がどうなるか。そして、『【推しの子】』の場合は、アニオリ結末もありっちゃありだと思ってます。というか、漫画とアニメの結末をあえて変えるくらいはやってきそう。{/netabare}

【22話の感想】
{netabare}前半は有馬かなとのデートで、後半は黒川あかねとのデート。どっちも、そのままお持ち帰りできそうだったんですけどね(笑)

2期は、こんな感じで有馬かなと黒川あかねの対比が多かった。前半は、少女漫画が始まったのかと思いました(笑)後半は、あかねと別れようとしているというのもあるとは思いますが、かなと比べてアクアの態度がちょっとあかねに対して冷たい感じもする。でも、これは、二人の恋人としての関係値があがっているからこそとれる態度ともとれると思うんですよ。

さて、誰がアクアの正妻の座を射止めるのでしょうか。

最後のシーンで出てきたアクアに似た謎の男、エンディングで「サングラスの男:???」となっていましたが、隠しきれない大物オーラというか…宮野真守しかいないだろ!(笑){/netabare}

【23話の感想】
{netabare}今回はアイドルMVの作り方。未成年は深夜働いてはダメとか(ブラックな職場の代表格だった芸能界も「コンプライアンス」が浸透ですか(笑))、地下アイドルは大手事務所所属アイドルの10分の1以下でMV作ってるとか、ちょいちょい取材の成果らしき「リアル」を挟んでくる。
本作のテーマである「汚い現実」を「きれいな嘘」で覆い隠したのが芸能界。個人的には、こういう社会派的なところ好きです。

あとは、アクアの前世である雨宮吾郎の生い立ち。吾郎は父親が誰かわからないのですが今のところ手がかりはなし(物語に関わってくるかも不明)。ルビーの前世である天童寺さりなとは、母親からの愛情に恵まれなかったところが共通点。おそらくアイの本来の子供は、「魂がなかった」と言っているので死産だったと思われます。

1期ほどの盛り上がりはなかったですが、2期も概ね好評だったので3期もあるとは思うのですが、おそらく原作漫画が、原作陣が長期休養などに入らない限り、1年以内に終わりそうなので、まずはそっちを見届けたいと思います。{/netabare}

【24話の感想】
{netabare}今話でアクアと黒川あかねがキスしていましたが、あかねって『東京ブレイド』の「鞘姫」がそうであったように「負けヒロイン」感が満載なんですよね…。個人的には、あかねとアクアとの関係を原作漫画の最終回に向けてどう決着させるのかが注目点だったりします(ほっぺを膨らませるあざとさなどで、女性人気はあまりないようですが(笑))。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

案の定原作同様のダレ方、アニメはこれでも中だるみを上手く誤魔化せてる、おすすめ度★★☆☆☆

ついにスタートした待望の2期。原作だと賛否分かれる舞台編、そして原作は舞台編以降失速気味になってしまうのだが、果たしてアニメではどのようにして盛り上げてゆくのか。

芸能界の影と光に着目したドラマとサスペンス要素を掛け合わせた内容なのだが、原作ではサスペンス要素は舞台編は停滞している印象で、案の定舞台関係のゴタゴタを繰り返している描写が多い。某日テレ系列のドラマの事件を彷彿とさせる制作と原作のゴタゴタをアニメで揶揄する展開は琴線に触れかねない話題。

それはさておき、この舞台編から原作が急転直下でつまらなくなってゆく。舞台編は大筋のサスペンスそっちのけで芸能界の豆知識をうだうだやるだけでダレにダレているのだが、アニメは派手な演出と作画の動きで躍動感や勢いを持たせているため、これでもだいぶ原作よりは見応えはあると思う。

とはいえアニメの演出で取り繕おうが、つまらない物はつまらない。赤坂アカ作品は初速のインパクトは凄いが終盤になるにつれ面白くなくなるとよく言われがちだし事実、かぐや様は告らせたいも終盤は失速が酷すぎたのだが、まぁ推しの子も同じ轍を踏んでいるわけで…

アニメにおける舞台編は映像表現だけは凄いけど、肝心の内容はとにかく牛歩がすぎる。芸能界の裏側や闇を描くのがもはや目的であり、本筋の復讐がしばらくそっちのけになるのでテンポをそいでいるだけ。9話も費やす必要が薄い。

原作とアニメ2期追って思う事だけど、原作の方は後付け設定や復讐主軸によりかけてルビーが雑な扱いになりつつあるので、案の定全盛期は1期までだなぁと思わせられる原作も引き伸ばしや作者の逆張りが見え透いた展開が続く。1期っていうかB小町ファーストライブまでは不満もあれど悪くは無い感じで良くも悪くも先が気になる感じだったがなぁ、この作品も同じ赤坂作品のかぐや様は告らせたいの竜頭蛇尾のDNAを引き継いでしまった訳か…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お気に召すまま

“アイのお気に召すまま”と言うべきか。
これは今期のオープニングを見るまでもなく、2.5次元の住人に、原作者と製作者、役者を巻き込んで演じられるメタ世界。

"All the world's a stage,
(この世はすべて舞台だ)
And all the men and women merely players;
(男も女もすべて、ただの役者に過ぎない)
They have their exits and their entrances."
(皆それぞれに登場し、退場していく)

足し引きすることは何もなかろう。

しかし、このセリフの直前には「見るがよい、不幸なのは我々だけではない。この世という広大な劇場(This wide and universal theatre)では、もっと悲惨な見世物が演じられている」というセリフが置かれているそうだ。
それゆえに、かの名セリフが際立つのである。
(音楽之友社WebマガジンONTOMO、体感シェイクスピア! より抜粋)

あえて言うなら、その語り手である『憂鬱なジェイクイズ』同様、すべてを達観し、俯瞰する“脇”、アクアくんの存在が映えるのであり、“アイ”と言う見せ物がさらに輝きを放つわけだ。

もちろん、キレッキレの演出と作画、そして今回もまた道化役を演じてくれる有馬カナ、何よりアビ子先生の個性があればこその舞台であることは間違いない。そうでなければコメディとして成り立たないのであるから^ ^。
                (2024/07/19)
それぞれの“願い”が結界を越えるとき、
夢が現実に滲み出すのである。
それは神仏の戯れか…、
登場する者、そして…、

えっ!えぇぇぇぇ〜〜〜!

3期が待ち遠しい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

62.8 2 演技アニメランキング2位
疑似ハーレム(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (83)
275人が棚に入れました
ヒロインは1人! だけどハーレム??? 漫画のようなハーレム状態に憧れる演劇部の先輩「北浜瑛二」と密かに想いを寄せる先輩の前だと、つい“キャラ”を演じてしまう「七倉 凛」。 ツンデレちゃんに、小悪魔ちゃん、甘えんぼちゃん、クールちゃん、おしとやかちゃん。 演じるキャラが増えれば増えるほど、抑えきれなくなる先輩への想い。 ちょっとバカでかなり鈍感な瑛二に、七倉は、ありのままの自分で、想いを伝えられる日は来るのか…?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3話 設定のわからない4コママンガ感。疑似ハーレムというアイデアを活かせていない。

1話 アイデアは良いけど上滑り感。文字通りのはやみん劇場です。

{netabare}  疑似ハーレムってそういうことかあ…知識ゼロで見始めたのでその点ではアイデアには感心しました。そしてはやみん劇場です。文字通り。演技派を選んだのでしょう。

 ですが、どうでしょう?「上手さ」の質が早見沙織さんの方向性でいいか、ですね。アニメキャラですので演技の変化のつけ方は難しいところです。ですから演技そのものよりも、声質が変わるカメレオン声優タイプの上手さの方が驚きは大きいかな、という気もします。まあ、そこは本作の肝ですから、今後どう見せてくるか、です。

 さて、アニメ本編ですが、ヒロインリンちゃんがなぜ先輩にそんなにべったりなのか?が分かりません。なぜ演劇が好きなのか、他の1年生はどうしたのか、性格はどういう娘なのか?などが描かれないまま話が進行するので、2人の関係性に乗っかれない気がしました。

 ヒロインの本当の性格を描写せず「疑似」=「演技」に翻弄される感じなのかなとも思いましたが、そういう描写でもありません。

 そのヒロインの焦点の当て方がどうなるかで作品の奥行が決まりそうです。アイデアは面白いので本作は3話まで確認したいかな、と思います。導入の1話はちょっと上滑りなので今後を期待ですね。

 それとキャラデザなんですけど、ヒロインの頭が大きすぎる気がしました。 {/netabare}


2話 なんでもう初詣?作画が紙芝居でつらい。断念候補です。

{netabare} 作画が紙芝居すぎてつらいです。ヒロインの演技を楽しむ作品なはずなのに。それと2人の世界すぎて話がタイトルの疑似ハーレム感がありません。ただのバカップルに見えます。というか、2話まででまったく感情移入できません。淡々と何かが進行しているだけに見えます。

 何よりなんでもう初詣いってるの?ここまでが導入で次の学年から描きたいということ?ちょっと話自体が何をやりたいか意味不明な上に、アニメとしての画面に魅力がなさすぎです。なお、ED後のショートコーナーだけ面白かったです…ちょっとだけ。

 3話冒頭確認して、このままの感じなら断念ですね。{/netabare}


3話 設定のわからない4コママンガを途中から読んだ気分です。

 今回は比較的はやみんの演技のバリエーションがエピソードに落とし込まれている気もします。今までで一番ヒロインが可愛いかも…1,2話と比較すればですが。

 が、やっぱりラブコメなのにときめかない、萌えない、感情移入できません。そして面白くないです。設定のわからない4コママンガを途中から読んだ気分です。それでも恋愛の進展を意識できれば、面白いケースはあるでしょうけど、本作はパーツパーツの寄せ集めみたいです。そこが「疑似ハーレム」のタイトルの所以なのかもしれませんが、効果的とも思えません。

 残念ながら視聴断念ですね。3話を最後まで見るのもつらいので半分であきらめます。マンガ版ならひょっとしたら…と思わなくはないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

演技上手な後輩にいろんなキャラを演じてもらうプレイ

という話でした。

4コマなんでしょうかね。
多くの小ネタを矢継ぎ早に繰り出す感じ。
ただ畳み掛けるようなテンポは悪くないです。4コマのネタが少ないと1つずつを長々やることもありますからね。

まあ作画はちょっと微妙。悪いってほどではないのですが… まあちょっと微妙ですね。

後はヒロインがあっさり男を好きになり過ぎていて、あれ、いつのまに、という感じになります。
最初の小ネタで心を掴まれていたのでしょうか。

男がちょっと残念な感じなんですが、男の無茶振りがあってこそのヒロインなのでまあ仕方ない感じですね。

総じて悪くはないと思いました。
ただ、これ所詮一発ネタなんですよね。こういうヒロインどうですか?
という。
演技上手で多くのキャラを演じ分けてくれるヒロインという一発ネタ。

確かになかなか可愛くて良いですね、とは思いましたが、その先があるようには思えない。

2人がずーっといちゃいちゃしている様子を眺めるだけの話です。
いやそれを言ったらどのラブコメも一緒なんですが。

高木さんは高木さんと西片君がイチャイチャするのを眺める話だし
僕ヤバだって山田さんと市川君がイチャイチャするのを眺める話です。

違いはキャラ2人をどこまで好きになれるかだけですね。ヒロインを好きになれるのは当然で、男も好きになってこそイチャイチャが楽しい。
例に挙げた2つは男の方が可愛い、くらいの勢いで好きになったので楽しめました。

そういう点では本作の男はあまり好きになれませんでした。
なんでこいつがモテてんの? となります。
そう考えるとやっぱ切りどころですね…。

うーん、まあもう少し考えます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

イチャイチャ。

初見評価 
演劇部に入った女の子と先輩のラブコメ。
特徴は女の子がツンデレやクール系などを即興で演じ疑似ハーレムを築くこと。
見ててほほえましくまあありそうな話とストーリー自体は好印象。
だけど、作画のレベルが低いのと展開が一話で飽きてしまったのが残念。


9話まで視聴
短編集のような構成で少しずつ中を深めていく。
物語はあまりなくとにかくイチャイチャしてる。
ずーっとイチャイチャしてる。

最終話まで視聴
ちゃんと綺麗に完結した。だらだらやると思っていたら高校を卒業し結婚まで見せてくれるとは。
まあだいぶはしょってる感は否めないけど最近の、二期ありきの中途半端な終わり方する作品より好感が持てる。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

85.0 3 演技アニメランキング3位
【推しの子】(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (729)
2138人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。

声優・キャラクター
アイ:高橋李依
アクア:大塚剛央
ルビー:伊駒ゆりえ
ゴロー:伊東健人
さりな:高柳知葉
アクア(幼少期):内山夕実
有馬かな:潘めぐみ
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アンチアイドルものとして秀逸かも。ただ星野アイが強烈すぎた。

 1回目視聴時は、作品の見方を間違えて脱落しました。時間をおいて冷静になって本作を見てちょっと思った事と何で見方を間違えたのか、です。

 本作の位置付けなんですけどちょっと「まどかマギカ」を思い出しました。つまり同作が魔法少女モノに対するアンチテーゼだったように「推しの子」は「アイドルもの」あるいは「アイドル」というジャンルに対するアンチテーゼなのかな?と。
 その点で出来は良いのですが、まどマギほどのインパクトは残せませんでした。それはやはり星野アイのせいかな、と思います。

 本作のある意味での不幸は1話があまりに強烈でした。星野アイが魅力的、挑戦的、挑発的すぎて、私には星野アイそのものがテーマに見えてしまいました。星野アイについて全編通じてじっくりと描かれて行く話かな、と思ったわけです。その視点で見ると、1話は名作ですが、その後どんどん本題からズレて行っているように見えます。

 まどマギの3話と同じ役割ですが、しかし本作の1話はクオリティが高すぎた気がします。しかも一挙放送ですからインパクトが半端じゃないです。私は8巻くらいまで既読ですが原作もしょっぱなの星野アイパートはあまりに強烈です。絵もいいんですよね。

 ただ、今回冷静にその続きを見ると、アイドルを中心とした芸能界について丁寧に取材し「裏側」つまりは「虚構」「嘘」を描いています。ネットアイドル、実写化、子役、恋愛リアリティショー、アイドルの給料、ダイコン役者…等々要素を1つ1つ描いています。リアリティがありすぎるのか炎上したり、説教臭いと言われましたが、しかし、それだけよく取材しているという事でもあります。

 もちろん嘘がテーマであることは明示されていますので、ちゃんと読めている人には今更何言ってるの?でしょうが、星野アイの生きてきた痕跡を見る物語と思ってしまうのは無理からぬことだと思います。

 アクアとルビーが転生者でアイの何か(嘘と愛?あるいは嘘と魅力?)を引き継いでいる…かの様にみえる目の星も、芸能界あるある、芸能界の裏側という作品のテーマに注目するのには阻害要因になっています。

 そうやって見ると、芸能界のダークサイド、嘘と虚構を丁寧に見せて行く、つまり「偶像としてのアイドル」とか「アイドル物」の解体なのかな、と。そのためにアイの妊娠が必要だったのではないか?と思います。

 ただ、アイの妊娠の相手についてはサスペンスとして残っているのが上手いところで、それがストーリーの中心になりつつ展開しているのでアイについての物語も当然語られるでしょうし、そこは楽しみです。

 OPの「アイドル」の歌詞や小説「45510」を読めば、本作がアイドル=嘘を中心に語っているのが分かります。ただ、どこかで子供たちに残した言葉以外の愛が語られる気もします。
 それは廻りまわって、アイドルへ愛とアイドル肯定の物語になる可能性は感じます…が、現時点ではよくわかりません。今のところ裏側、虚像、アンチになっています。

 そして気になるのはタイトルの魚尾ですね。原稿用紙の真ん中の【 】っぽい記号です。何が言いたいんでしょう?夢オチ?それとも本作そのものが映画の中?とにかく虚構・フィクションの予感はあります。


 評価は4.0にしてましたが、4.2に変更です。ストーリーを3.5から4にあげます。途中で終わっているので完全な評価が出来ないのでちょっと減点があります。
 キャラは…まあ5しかないかなあと思いつつ、やっぱり星野アイが強烈すぎて、作品のバランスを崩したと言う点で4.5のままにしておきます。
 作画はやっぱり背景美術は気に入らないのですが、人物はいいです。3.5を4にします。
 音楽の5はやっぱりOPなんですけど、本作のOPってOPアニメの魅力が支えるところが大きいんですよね。音楽だけならそこまでバズったかわからない気がします。ただ、映像時代の音楽としてアニソンがなぜ売れるか?と言うとやはり映像そして「キャラ」「物語」とセットだから、というのはあると思います。




以下 1回目視聴時のレビューです。

テーマ・ストーリー・設定の構造を取り違えていたかも…

{netabare} 途中で断念しましたが、2期が来るということで結末だけは気になるので多分見ることになると思います。2期発表と同時に一応1期全話確認しました。

 本作については、原作を読んだ時点では、以下のような話だと思っていました。

 ストーリーは、星野アイというスーパーアイドルの殺された原因である恋愛あるいは性交の相手、その情報を犯人に漏らした相手を見つけ出す。
 テーマは「嘘と愛」であり、星野アイがどういう生き方をしてきたか、アクアが芸能界の追体験をすることで理解する。
 話の舞台・話を進めるためのエピソードとして、芸能界の虚構性つまり嘘の部分と、恋愛の部分つまり愛の部分を描く。
 こういう構造かと思っていました。


 ですが、改めて原作ではなくアニメを見て、ひょっとしたらですが見方を間違っていた?と思いました。

 ストーリーは、アクアがアイが生きていた芸能界に染まりつつ嘘と恋愛を知って行く。
 テーマは、各エピソードで芸能界の虚構と現実の部分を赤裸々に描く。
 舞台・設定は、星野アイというスーパーアイドルが殺された世界に転生した熱狂的なファンが星野アイ殺しの裏の事情を探って行く。

 つまり、私は星野アイの20年…あるいはプロファイリングによれば15歳の時に何があったかを追う。星野アイというアイドルの象徴的存在をアクアが知って行く。つまり、星野アイにとっての愛と嘘=アイドルとは何かを描いて行くのがメインの話かと思っていました。
 が、実際にこの作品が描きたいのは芸能界や各種クリエーターの虚構とか裏事情を特に作者は描きたいのかなあと思いました。

 
 当初、これだけ色んな形で子役、実写化、アイドル、ユーチューバー、恋愛ショーという形で、様々な見せ方をされている意味がわかりませんでした。ですので、話が引き延ばされて冗長だなあと感じました。 
 本作原作が段々つまらなくなってゆく…と私が思う原因が、一つは恋愛リアリテショーで星野アイの秘密に何も絡まないじゃん、と思った事が一つ。
 そして2期の冒頭からあるであろう、東京ブレイド多分「刀ラブ」の舞台が本当に演技の話ばっかりになるからです。このパートで私の心は原作から離れました。

 ですが、逆にこういう芸能界・SNS等の様々な形を丁寧に切り取られて見せられると「あれ?こっちがテーマで星野アイが舞台だった?」と思ったわけです。あまりに主義主張が激しいですよね。
 となった時に、私はあくまで物語の謎、星野アイというキャラクターに興味があるのであって、芸能界の裏側には興味はあまりありません。

 そして1話がちょっと色褪せます。あの話はほぼ「パーフェクトブルー」の焼き直しですが、換骨奪胎して一人のスーパーアイドルの人生を追う冒頭としてはものすごい物語だなあと感心していました。が、本当にこの調子で最後までいくならかなりがっかりです。


 で、まあ、それとは別に謎についての仕掛けですが、気になっているところです。

 星野アイが転生している可能性ってないんですかね?あるいは星野アイの相手が転生してないか。
 医者が死ぬ前に、アイは妊娠していたのに転生した矛盾って何かあるんでしょうか?タイムリープとかはないのか?
 星野アイを殺した犯人と医者を殺した犯人って本当に同一人物なの?そこに仕掛けはないの?
 瞳の星の意味は何かありそうですよね。アカネの瞳に宿った以上遺伝だけではなさそうです。

 それとタイトルの「推しの子」の手偏が切れて土偏みたいになっている理由。子のデザインももちろんです。「の」が瞳になっているのは分かります。強調のカッコである【】の意味は?そうではなくて【】の前後に線が入っていますので、カッコではなく原稿用紙の真ん中、魚尾(ぎょび)つまり創作物ということ?推しの子という存在自体が創作だと言うメタ的な仕掛け?


 本作OPは良いですよね。水星の魔女の1期といい内容を織り込んでいるのに好感がもてます。
 そして、アニメの作画は星野アイを初め、アイドル的な場面の作画は大したものだと思います。が、やっぱり背景美術とか、舞台以外の作画は止め画がかなり多いし、線の感じなども私はあまり好みではではありませんでした。

「断念」から「見終わった」になりますが、ストーリー・テーマは思っていたよりも深くないかも、などと思ってしまいました。改めて家に積んである8巻まで読んで、考えてみます。{/netabare}


 

以下 3話断念時のレビュー

{netabare}  断念です。原作8巻くらいまで読んでいるので、そことの違いがないのと、アニメならではの展開がないのを確認しました。OPもPVが公開されてます。

 断念の判断の理由なんですけど、1つ目がアイドル星野アイとはどういう人間だったか、というアウトラインを後からアクアが知って行くという話が大筋になるのかと思いますが、そこが弱いんですよね。つまり1話がピークでそこから2、3話とダダ下がりです。
 もちろん原作を知っているというのもあるんですけど、原作視点でも同じ感想です。結果的にアイドル恋愛もの…になってしまった気がします。(ひょっとしたらアクアが芸能界で生きて行く、恋愛をする(してみる)というアイの追体験を通じて何かを知る、感じるというのはあるかもしれませんけど)

 また、45510という小説が後付けで発表になったのは、つまりストーリーでそこを丁寧に追わないということでしょう。それは作品としては大きなマイナスポイントです。そここそが作品で一番見たい部分です。これをアクアが犯人を追う過程で知るべきでしょう。正直この小説が出たからアニメも漫画も断念する気になりました。

 2つ目が、原作のキャラデザというか絵の雰囲気が中途半端に再現されているアニメとしては見づらいです。しかも、その人物が完全に浮いてしまうような適当な背景美術をなんとかしてください。いくらなんでも適当すぎでしょう。アニメとして画面に魅力が無さすぎます。これも1話のアイが動くシーン以外はですけど。
「その着せ替え人形は恋をする」でもちょっと感じた感覚です。いわゆる狭義の作画はそんなに悪くない感じなんですけど、絵作りです。

 3つめがこのペースだと原作を追い越して結末まで描く気がないだろうと判断したからです。

 ということで、原作がもともとアイデアはものすごく良かったし1巻(アニメ1話)は最高に良かったのに、その後がついて行けていなかったのが最大の失敗でしょう。
 人気作なのでレビューもいっぱい出てくると思いますので、そちらを後で確認します。それと連載で結末が出たころに一気読みするかもしれません。あるいはアニメが原作に先だって、最後まで描き切るなら見直します。

 なお、OPフルコーラスの歌詞に「マリア」という単語が出てきました。マリアが妊娠するのは世界で一番有名な理由ですよね?ですので、そういう結末な気もします。むろんアイドル=偶像でイコンとしてのマリアかもしれませんが。
 あるいは歌詞から言って愛を知るためだけのお試しだったという気もします。興味が残るのはそれくらいですが、2話以降でそこが中心にならなかったのが残念です。

 評価は1話があるので比較的高いですが、アニメになるとトータルの作品で見たときいろんな部分がアンバランスで、見ていて気持ちが悪くなる作品でした。

 なお、原作未読の方は、そうはいっても途中までは普通に面白いのでアニメで見る意味はあると思います。{/netabare}




以下 1話のレビュー

1話 面白いのは知ってますが、長期連載の弊害もある作品かなあと。

{netabare}  最近ではめずらしく本屋で1巻の表紙でジャケ買い大人買いした作品です。本当に魅力的な表紙です。ですので、中身は当然知っています。

 感想は言い辛いです。現段階では原作でアニメの1話部分をもうちょっとじっくり見せて欲しかったということですね。つまりアイの深掘りですね。テーマ的にもドラマ的にもです。まあ、本当はこんな長期連載の予定ではなかったのだと思います。

 そして人気が出たことがちょっと悪い方に作用した作品かなあという気がしなくはありません。アニメ1話部分は本当に面白くて引き込まれました。人気は当然ですけど、こういう作品は終わりを決めて、7巻とかくらいで終わらせてほしかったなあ。そのほうが密度が濃くて結果的に名作になると思います。まあ、書評ではないので、これくらいにしますけど。

 それにしても、最近作画水準が高いアニメが多いせいか、こう止め画が多いとちょっと画面的に退屈ですね。1話くらいもっと動かしても良かった気がします。舞台のシーンは頑張ってましたけどね。

 横槍メンゴさんのカラー絵は本当に魅力的なので、そこの水準は無理にしても、もうちょっとなんとかしてほしいかなあ。

 感想として何が言いたいかというと、結末を原作者とアニメ制作陣で共有しているなら、ストーリーを圧縮して結末まで描いてほしいなあ、ということです。{/netabare}



追記1話は「パーフェクトブルー」に匹敵する素晴らしい出来でした。

{netabare} 追記 1話の出来の良さについて描くのを忘れていました。1話目は施設育ちで愛を知らない「アイ」が、愛していると嘘をついている。だから、自分の最愛の子供たちに愛していると言えなかった。そしてアイが愛していると言えるのは、どうなった時?という話です。

 現状でも相当素晴らしいのですが、正直言ってこの1話だけをブラッシュアップすれば今敏監督の「パーフェクトブルー」と比肩しうる作品になれたかなあと。特にアイというキャラの深掘りがあればなあという気がします。テーマ性は良いし、舞台設定、謎とストーリー展開もエンタメとして本当によくできていました。

 ファンタジー部分については、アイドルのピークで事件が起きないといけないこと、そして、赤ちゃんとしてアイが接しているうちに事件が起きないと、それを理解する自我が赤ちゃん側にないといけないので、こういう形のドラマを作れなかったと思いますので、必然性をちゃんと感じました。

 という感じで私の印象では1話がピークではありますが、そうはいってもその愛を知らないアイが誰の子供を作ったのか?という最大の謎がありますのでその点は目が離せません。

 で、1話目のEDで流れたYOASOBIの曲ですけど、この1話のテーマそのものを歌っていました。フルバージョンのPB付きがアップされていますが、この曲だけでも作品の1話を奇麗に1つのドラマとして歌いきっており、大変すばらしい曲になっています。
 これを1話だけの使用で2話以降曲を変えられたら、素晴らしい演出力だと思いますが、どうでしょうか?

 それと作画は再視聴すると思っていたよりもマシでした。ただ、アイが出ているパートとそれ以外の出来に差がありすぎる気もしました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

かとー さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

一部信者による過大評価の作品だと思います。

アニメは3話まで見ました。YOASOBIのテーマ曲はやっぱり凄いと思う。ただ、個人的にあまりにも過大評価すぎる作品だと思います。漫画は右肩下がりだと思うし、途中で一切見なくなりました。絵の担当の方は18禁作品をメインに描いてたはずだし、かぐや様の作者もありきたりなストーリーを提供してるだけ。底は見えてる作品だと思います。一部の熱狂的なファンがひたすらこの作品の評価を上げてる印象があります。他に面白くて良いアニメたくさんありますよ!
2期も当然見ません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最初からメディアミックス化を意識していたかのような計算された構成

【レビューNo.122】(初回登録:2024/5/5)
コミック原作で2023年作品。全11話。(初回は90分)
元々YOUTUBEで原作が紹介されていて、原作買うか迷ったんだよな。
(結局マイナー感溢れる「早乙女選手、ひたかくす」にしたんだけどw)
まあいうてる間に、順当にアニメ化されたなっと。
・交流あるフリークスさんのレビューに刺激を受けた
・ちょうどABEMAで一気見放送してて復習できた
を受けて、リアタイ時に残念したレビューを書いてみようかと。

(ストーリー)
田舎の産婦人科医ゴローは、自分に懐いていた患者・少女さりなの影響により
アイドルオタクになっていた。そんな彼の元に、活動休止中の彼の推しアイド
ル・星野アイが双子を妊娠した状態で現れたことで物語が動き出す。

(評 価)
・「星野アイ」と「物語の起点」をしっかり印象づけた初回拡大放送
 {netabare}主人公は高校生になった星野アイの息子・星野愛久愛海(アクア)なのです
 が、物語を進めていく上で
 ・彼にとっての「スーパーアイドル・星野アイ」という存在の位置付け
  (そして双子の妹・瑠美衣(ルビー)にとっても)
 ・彼が芸能界に関わる強い動機付け
 をしっかり印象づける必要がある訳ですが、これを出し惜しみせず初回拡大
 放送で一気にみせ、視聴者のハートを鷲掴みにするという・・・
 これはホント上手い戦略でしたね。
 本作の構成的にも、初回分は完全にプロローグ的な位置付けですからね。
 キリがいいプロローグを一気に片付けて、2話以降から本編を展開していく
 というやり方は、理にかなっているなという印象ですね。
 まあこれも「覇権アニメ候補」という金看板があるから打てる強気な戦略な
 んでしょうが、それが功を奏したように思います。{/netabare} 

・芸能界の表と裏を描写した秀逸なストーリー展開
 {netabare}(アイドルアニメとか基本観ないので、詳しいことは知らないのですが)
 アイドルやマネージャーなど一部の関係者にスポットを当てた作品は数あれ
 ど、こういう大局的な視点から芸能界の表と裏を描いた作品って今まであっ
 たんですかね?!
 ・まず掴みのアイで
  「この芸能界において嘘は武器だ」
  という新しい切り口を提示
 ・次にアクアを
  ・他のアイドル志望者のように芸能界に憧れを抱いておらず
  ・復讐劇のために芸能界に関わっている
  という1歩引いたキャラ付けをした上で、彼の目線を中心に
 ・ルビーで
  ・アイドルに強い憧れをもち、芸能界はキラキラした世界
  という従来のアイドルアニメ要素も残しつつ
  (この2人が二律背反的に描かれているのがホント上手い!)
  また定番的なタレント達の人間ドラマを描きながらも
 ・ここに監督やプロデューサー、ADなど制作陣側の視点なども加えていく
  (これを善や悪というバイアスをかけることなく、それぞれの立場からの
   道理として客観的に描いているのもナイス!) 
 ・更に「ネット炎上」という社会問題をぶっ込み、一般人まで巻き込む
 多角的に芸能界を描いているストーリー展開がホント秀逸です。
 これを(2クールと引っ張らず)11話の1クール作品として濃密に描き、最後
 はアニメ演出が最も映える「アイドルライブ」~「2期のプロローグの引き」
 で完璧に締めるという・・・{/netabare}

・キャラをポイ捨てせず有効活用も上手い
 {netabare}新展開を創るために
 ・新キャラを出してポイ捨て→で、また新展開のために新キャラ登場
 という作品も多いですが、本作はキャラをポイ捨てせずしっかり有効活用
 しているのがニクイですね、
 ・その象徴的なキャラが”有馬かな”ですが
  ・子役として典型的な「天狗になったキャラ」として描かれるも
  ・高校生になり、今度は「挫折を知った『元天才子役』」として再登場
  ・更にまさかのルビーのアイドルユニットに参加
   以降芸能界のよき先輩やアクアのヒロイン候補としてレギュラー入り
 ・また「恋愛リアリティショー編」で共演した2人も
  ・MEMちょ →実は昔アイドル志望で、ルビーのアイドルユニットに参加
  ・黒川あかね →2期の「2.5次元舞台編」で再びアクアと共演決定
          (しかも有馬かなとは子役時代からの因縁つきw)
  いや~、早速使い倒してますねえw
 それに監督やプロデューサーなども長い付き合いになりそうで
 「狭い芸能界=人脈(人の縁)がモノを言う世界」
 というのを体現している部分もあるように感じましたね。
 「使えるキャラをしっかり育てて次に繋いでいく」
 そういうことがきちんと出来ている作品かなっと。{/netabare}
 
芸能界の表と裏を多角的に描く、「新しい芸能界エンタメショー」を展開しつ
つも、アイドル要素はガッツリやり、ライブシーン(劇中歌・振り付け・ファ
ンとの一体感)といったアニメ映え等との親和性やバズりを狙った
「最初からメディアミックス化を意識した計算された構成」
だったのかな、というのは強く感じましたね。
(タレントの人間ドラマなんか実写映えもしそうですし)
もしそうなら、まさに狙い通りなんだろうし。
本作の難点を挙げると、最初に
{netabare}「黒幕を捜して復讐劇」
というミステリーをぶち上げたものの、それがほとんど進まないところですが、
これは長期連載を意識した大人の事情的な部分もありますからねえ。
(これがサクサク進むと連載終っちゃうんでw){/netabare}
さすが「覇権アニメ候補」と前評判が高かっただけのことがある、満足度の高
い作品だったと思います。

OP「アイドル/YOASOBI」
・今更いうまでもなく世界を獲っちゃったし、その功績で「日米首脳会談」に
 も招待されたしねw
ED「メフィスト/女王蜂」
・女王蜂の曲は独自性が強く個人的には苦手なんですが、今回もいい意味でブ
 レていないのかなっと。今回は飛ばさず聴いてましたね(笑)

最後に刺激を下さったフリークスさん、アザ━━━(*゚∀゚*)ゞ━━━ス!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

76.2 4 演技アニメランキング4位
ユーリ!!! on ICE(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (741)
2987人が棚に入れました
日本中の期待を背負って挑んだグランプリファイナルで惨敗…
故郷吸収に帰ることになったフィギュアスケーター勝生有利。

「現役続行と引退はハーフ ハーフ…」そんな気持ちで実家に引きこもっていた勇利のところに突然やってきたのは世界選手権5連覇のヴィクトル・ニキフォロフで…

日本の崖っぷちスケーター勝生勇利と、ロシアの下克上スケーター ユーリ・プリセツキー。

2人のユーリと、王者ヴィクトル・ニキフォロフで挑む前代未聞のグランプリシリーズが今、幕をあける!

声優・キャラクター
豊永利行、諏訪部順一、内山昂輝、細谷佳正、本城雄太郎、安元洋貴、宮野真守、小野賢章、前野智昭、村瀬歩、野島健児、福山潤、日野聡、羽多野渉、土岐隼一

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

BLアニメというけれど?

「男子フギィアスケート」なんて書いてあるので当初期待してませんでしたが、非常に良い作品です!!!
1話、2話にて物語の掴みはOK。勇利の成長に焦点を当てます。
無論、ユーリにも成長の過程が組み込まれますが、やはり主役は勇利。
憧れ、ライバル、嫉妬、勝負、挫折、涙、達成、努力・・・たくさん要素が組み込まれています。観ていて楽しいですよ。

このアニメ、BLアニメというけれど、師弟関係とはそういうものではないでしょうか。
選手はコーチを信じて演技をして
コーチは選手を信じて大会に送り出す。
もし、これが男女の話の方が当たり前のようでつまらない展開になるのではないかと思いました。これで良し!
陽気に振る舞うビクトル。
憧れの選手にコーチをしてもらえるユーリ。
この組み合わせは最高だと思います。

敢えて残念なのは、このアニメ1クールで最後が急ぎ足。もっと個々の選手を掘り下げて欲しかった。個性のあるキャラが多いのでもっと楽しめたのではないでしょうか。

最後にOPのディーンフジオカにびっくり!良い曲です!

2018年2月平昌オリンピック開催。
2月12日付けの東京新聞 「東京エンタメ堂書店」記事にて
ユーリ!!!ONICEを絶賛しております。
それと、日本男女ペアが劇中曲にて挑戦するそうですよ。
プロも作品を楽しんでいるようですね(笑)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 54
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

素晴らしいフィギュアのアニメだが…それを隠れ蓑にした卑しいラディカルフェミニズム思想と悪意の反日ルサンチマン

原案:久保ミツロウ、山本沙代
監督構成:山本沙代
脚本原案:久保ミツロウ
キャラクター原案:
アニメ制作:MAPPA

数値評価のみ先行します。

【作品総論(BLと反日の評価分)】
さて、タイトルにあるラディカルフェミニズムですけど、監督、脚本はBLを描いていますが、それ自体は問題ではなく、彼女らの趣味の範囲を超え、フィギュアの世界観を利用(悪用)し思想(イデオロギー)としてのフェミニズムを啓蒙している作品であることに着眼します。

説明に入ります。
{netabare}本作のBL表現を見ると彼女達は上野千鶴子氏の影響を多大に受けているようですが、上野氏の思想の源泉は「文化マルクス主義」です。
マルクスとその盟友エンゲルスは、プロレタリア独裁を達成させるために、伝統的な共同体に根ざす性規範を破壊することで革命を成し遂げることも模索しています。
この目論見はレーニンテーゼにおける「ネガティブウェルフェア(絶対平等主義)」と一体化しており、レーニンは「女性は家事の苦役におしひしがれており、彼女をこの状態から救い出しうるのは社会主義だけである。社会主義だけが、われわれの小さな家計から共同経済へ、土地の共同耕作へとうつっていくときにだけ、ただそのときにだけ、女性は完全に自由となり、完全に解放されるであろう。」と述べています。

この急進的なレーニンテーゼが残した後遺症は当時のソ連社会でも許容ができないほど社会問題を招き、離婚の急増、性犯罪の増加、出生率の激減など大混乱の末、後のスターリンによって過激なフェミニズム政策は撤回され、これを導き出したマルクス=エンゲルスの疎外論は封印されます。

つまり、下記でも説明しますが、百合に対抗するようにBLシナリオを組み立てた動機が男権に卑屈なネガティブウェルフェアであり、ネガティブウェルフェアの顛末はレーニンテーゼに基づく政策の結果のとおり、社会に極端な歪みを生じさせました。
現在は耳触りの良い「家事のアウトソーシング」、「ライフスタイルの自己決定権」、「性の自由化」として、暴力革命の実行者レーニンの思想が堂々とまかり通っている異常事態と踏まえることが必要です。

少子化問題の核心もラディカルフェミニズム思想の蔓延であろうことは、過去のソ連の体験からも推測できます。
よって、少子化問題はいくら対策を打っても、ラディカルフェミニズムを後押しする政策全てを停止しないと解決には至らないでしょう。

昨今、百合も含めて異常性愛ストーリー作品は大なり小なりフェミニズム思想の影響を受けてはいますけど、「ラディカル」であるか「マイルド」であるかの思想の分水嶺は「マルクス主義」をどう捉えているのかで判別します。

「マルクス主義」には経済闘争として一般に知られている旧ソ連型「マルクス=レーニン主義(スターリン主義)」の他に、さらに悪質な「文化マルクス主義(マルクス主義哲学or西欧マルクス主義)」が存在します。

・マルクス主義哲学の原典として代表的なもの
『啓蒙の弁証法』(ホルクハイマー、アドルノ共著)
→マルクス哲学の再構築。
『獄中ノート』(グラムシ)
→共産革命の達成の為にプロレタリア階級に於ける文化的ヘゲモニーの重要性。
その為には、マスメディアをフル活用しプルジョアが嫌がる、家族の解体、女性の労働者化、育児の社会化、性の自由化を達成しなければならないとしました。

・ラディカルフェミニズムの原典として代表的なもの
『歴史と階級意識』(ルカーチ)
『エロス的文明』(マルクーゼ)

→ルカーチ理論は「文化テロリズム」に特化しており、我が国でも猛威を振るった異常な性教育ジェンダーフリーはルカーチ理論が原典です。

→マルクーゼはフロイトを哲学的に考察し、その共通項である、唯物論、無神論から「エロス」をマルクス哲学に当てはめ、抑圧の解放こそが革命達成の早道と結論します。
その結果はベトナム反戦運動で開花し、ヒッピー文化を生み出した「戦争よりもセックスを!」は余りにも有名ですね。
また、彼はフリーセックスの他にドラッグの自由化も主張しています。
彼は「われわれが着手すべき革命は、社会制度を広汎に渡って解体するような革命である」とマルクス哲学に基づき社会を堕落させる「文化テロ」の目的を明確に述べています。
事実、彼の思想は我が国のみならず欧米のラジカルフェミニズムへも多大な影響を与えています。
本作では勇利のショートプログラムで「エロス」が登場します。
BLの不道徳性と合わせて「エロス」が登場したこと自体、マルクーゼを知らないと思いもつかない偶然性ですし、よって本作は文化テロを意図している根拠ともなります。

これら「文化マルクス主義」の格率は「唯物論的疎外」です。
マルクス主義の特徴は「階級闘争」(唯物的弁証法)に集約されますけど、これは「マルクス=レーニン主義」であれ「文化マルクス主義」であれ同様に適用されます。

「文化マルクス主義」に於ける「文化テロ」の攻撃の対象は、男は男らしく、女は女らしく、結婚は男女がするもの、嘘を言ってはいけない、他人に迷惑をかけてはいけないなど疑問の余地がないほど素朴で伝統的な精神文化です。
欧米社会ではキリスト教の教義に基づく道徳を破壊が目的であり、我が国であれば神道や仏教や儒教的な道徳観念が破壊の対象となります。

なお「疎外」は哲学用語ですので、通用されている国語的な意味とは異なります。
これを説明をするとウンザリするような長文となりますので、興味のある方は同書を読むか、調べてみて下さい。

「唯物的疎外論」はロシア革命の正当化に関わる根本的な問題を孕んでいたことから、政治的事情でソ連共産党が否定し続けた曰く因縁付きの哲学でもありますけれど「マルクス主義」は多岐に及んで一つのロジックを構成しており、ソ連のように都合良く部分否定をしマルクス哲学を捻じ曲げる立場では論理的矛盾を引き起こし、結果として体制崩壊に至っています。

計画経済とネガティブウェルフェアを貫いたソ連の崩壊に慌てふためき「文化マルクス主義」を取り入れ修正したのが、毛沢東支配下で一度失脚した鄧小平の「改革開放」踏まえ管理資本主義へと転換した中国共産党と、暴力革命放棄を偽装し破防法逃れを図った日本共産党の現在のテーゼです。

彼の国は経済的には成功(しかし、人為的にコントロールされた市場経済は近い将来収拾がつかなくなり暴発するでしょう)しても、モラルも文化的水準も惨憺たる状況であることから察しますところ、どのような繕いをしても、「設計主義的合理主義」の権化である「マルクス主義」は百害あって一利なしであり、この世から抹消すべく、全否定するべきイデオロギーです。

また、イスラム国の政治思想でも、イスラム教はキリスト教社会への対立構図に利用されているだけで、教義の影響など殆どなく、同国を研究している米国の政治学サイドでは「文化マルクス主義」の影響が節々にあるとのレポートも散見されます。
後に述べる東アジア反日武装戦線やカンボジアのボルボトもそうですけど、テロの陰に必ずマルクス有りです。

「文化マルクス主義」は第1次大戦後、帝政ドイツを倒したドイツの共産主義者達の手で研究がスタートします。
マルクスの世界観では経済活動【下部または土台】が経済以外の文化や宗教、道徳【上部構造】を規定するとされています。(史的唯物論)
我が国では共産党の幹部であった福本和夫氏が本研究に参加をしていますし、彼は戦後多くの死者を出したシナの「文化大革命」を支持しています。
ここからも、凡そどのような思想かお察しできるでしょう。

「マルクス=レーニン主義」が経済階級闘争での革命を説いているのに対し、後年、マルクス哲学の研究者により発達した「文化マルクス主義」は文字通り太古から人々に根付いている伝統文化の意識、観念の破壊を促進することで革命を成就させることを説いています。
マルクスが共産主義を説くのに用いたのは「弁証法」ですけど、「弁証法」は元来が詭弁術ですので、妖怪同様、如何様にも論理を変化させることが可能です。
更に「文化マルクス主義」は憲法学や思想研究者以外に国民には殆ど知られていないことから、マルクスやエンゲルスの幻想を隠避、偽装するにも都合が良いのです。

この「文化マルクス主義」は戦前にナチスに迫害され、米国へ亡命したドイツの哲学者や社会学者が米国の大学で教鞭をとっていたことと相まり、特に自虐史観の生みの親であるWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)と憲法改正に関わったGHQ民政局へ勤務した米国国務省エリートの思想へも大きな影響を与えています。
後にレッドパージで対日政策に関わった国務省の役人の多くは罷免されます。

「マルクス主義」の基本形は善悪の二項対立でテーゼとアンチテーゼを立てる至ってシンプルなものです。
ジンテーゼを正当化する舞台装置や演出にこそ実は多大の努力が払われています。

経済階級闘争ではブルジョワ(資産家)が悪でプロレタリアート(労働者)は善であり、その心は労働者階級は「搾取」をされている(『資本論』、『共産党宣言』より)です。
「搾取」、経済学用語では「剰余価値」ですけど、これは既に経済学的に否定されたので、経済階級のような観念対立自体が存在いたしません。

帝国憲法の改正で「文化マルクス主義」どのように作用したかと簡単に説明をしますと、
日本が戦争を起こした根本は国家体制とその価値観が問題であり、それらを担保している憲法改正はポツダム宣言履行の最重点課題でした。
正義は「連合国の価値観」で悪は「帝国憲法の体制下にある全ての日本的価値観」である二項対立で弁証し、「日本の価値観」を否定した彼等のジンテーゼは、我が国の伝統を一切無視した「日本国憲法草案」を導き、帝国憲法下の旧体制絶対悪演出の舞台装置として「軍国主義」が祀り上げられ、「東京裁判」や「歴史の塗り替え」、「軍の解体」などが行われます。

しかし、書き物の「帝国憲法」を塗り替えても、それに上位し、かつ我が国の絶対規範である不文慣習律の「國體」は変更出来ません。
連合国は大芝居の割には徒労に終わり、2600年以上の歴史を有する我が国の絶対規範を塗り替えることは出来ませんでした。

連合国は我が国の歴史の重みには勝てなかったどころか、米国に至っては朝鮮戦争の勃発で共産主義の恐怖にやっと気がついた為体ぶりですが、マッカーサーの対応は早くGHQから文化マルキストを追放し、日本悪の対日政策を根本から改め再軍備の指示と同時に早期講和へと舵を切ります。

先帝昭和天皇におかれましては「ポツダム宣言の受諾は國體の変更に非ず」と察せられたことは誠に驚愕たる慧眼であり、現代に於いても「日本国憲法」に上位する「國體」には些かの揺るぎもありません。
左翼の論理である「法実証主義」に囚われ「國體」の本質を見失っていた軍官僚には理解しがたい「御聖断」ではあったかもしれませんがね。

さて、「太平洋戦争」につきまして、私が懇意にさせて頂いていますレビュアーさんも他の作品で問われていますので、ここではその見解を記しておきます。
なお、本作のレビューには直結いたしませんで、更に畳みます。
{netabare}「太平洋戦争」は国際法で認められた「自衛権の行使」であり、東京裁判の結果は政治的偽計の産物です。
その理由は、開戦前夜の重要国策で御名御璽が得られている「帝国国策遂行要綱」において、対米英蘭開戦の目的は「自存自衛」と明言していることと、連合国の過失を鋭く衝いたパール判決書の法的客観性に拠ります。

米国は立場上、太平洋戦争に於ける我が国の自衛権行使は認めてはいませんけど、イラク戦争は当時の我が国と同様の法理の下で発動された米国の自衛戦争であり、このイラク戦争の正当化を唱え続ける以上、東京裁判の結果を否定することと論理的な等価となります。
ただし、昭和天皇が危惧されていた通り「日独伊三国同盟」は本当に必要であったか否を考えると「否」であり、ドイツと手を組んだばかりに不必要に米英の対日感情を悪化させ、引いてはシナに付け入る隙を許し、ヒトラーの台頭を警戒していたコミンテルンの対日工作を本格化させ、国共合作等、自由主義陣営と共産主義陣営を結託させてしまった事実は批判をするべき点です。

日中事変(戦争)につきましても、真の動機は満洲事変ではなく、上海事変にあり、その理由から「自衛権の行使」です。
東京裁判では「満洲事変」が原因とされていますけれど「満洲事変」は当時の国際連盟の仲介(リットン調査団)で国際法的には既に決着がついていますし、満洲事変を境に国民政府と戦争状態に至った情況証拠(国交断絶や国民党政府軍の戦時動員など)も何一つありません。

「リットン調査団報告」では、自虐史観教科書では我が国が侵略したかのように書かれていますけど、全文を読むと軍事占領以前にシナ(国民党政府)の統治能力の無能さを批判する内容となっています。
国際連盟は建前では軍事占領は認められなくても、統治能力がない国民政府よりも我が国が統治した方が良い結果を生むことを重々承知の上で、主権と実効支配を分離し国連委任統治として実質的に我が国が統治することを提案しています。
つまり、国際法的には結論に達していた「満洲事変」を東京裁判の論点とすること自体、政治ショーであり、法理的にすら成立していません。

引用

『調査団が集めた事実を証拠として使えば、むしろ日本は、中国を世界平和を乱した罪で告発さえできる。 』
(『アメリカの鏡・日本 抄訳版』ヘレン・ミアーズ著、伊藤延司訳)
上記はアメリカ人目線での指摘ですけれど、シナはそれ程までに目に余る存在とも言えましょう。
尖閣海域領海侵犯や南シナ海での侵略行動等、過去にはウイグル、チベット、内モンゴルへの侵略、しかし、シナの無法主義は中共で始まったことではなく、清や国民党政府時代から行われており、そういう事実を広く集めていた国際連盟が当時の国際情勢に照らしても、シナに偏った報告が出来るわけもないのです。
後にドイツに騙され、様々な外交的錯誤を犯した松岡洋介全権代表や外交的駆け引きを知らず「リットン調査団報告」の真意を読み間違え、「満洲国の独立」に固執した軍上層部の偏狭な考え方こそが、戦争へと転がり落ちた大きな落とし穴とも言えましょう。

現代に生きる私達は、先人の踏み間違いで300万人以上の犠牲を払った先の大戦へ至ったプロセスを顧みつつ、我が国に降りかかる危機を正確に分析する見識を養う必要がありましょう。
それはけっして自虐史観や9条に頼ることではなく、我が国の伝統を尊ぶアンディティティを確立していく中で、我が国に悪意を抱いているのはどの国であるかを捉え、用心かつ警戒を怠らないことです。{/netabare}

「反日イデオロギー」も「マルクス主義」の産物です。
マルクス主義の二項対立の定式に当てはまると炙り出されますけど、国内の「反日イデオロギー」は「反戦運動」や「反原発運動」同様に実態としては「反権力闘争」の一環です。
手法としては、シナや半島のように元来反日勢力が存在する国家に、戦時中の出来事をデマゴーグとして吹き込み、外交的に騒ぐ頃合いを見計らって相乗りしてくる低劣かつ姑息な手段が概ねデフォルトです。

具体的には「慰安婦」や「靖國参拝」が有名ですね。
どちらも朝日新聞が火をつけ、シナや半島が政治問題として騒ぎ、朝日新聞ほか国内の左翼メディアがフォローアップし、国際問題にまで発展しています。
しかし半島に於ける慰安婦問題は、強制連行を取り上げ、朝日新聞が担ぎ上げた吉田清治氏の「捏造」が発覚して以来、着地点を見失い朝日新聞が謝罪に追い込まれた事実を以ってマスコミの無責任体質や、権力の監視を唱えながらも我が国を貶めるデマゴーグを鳴らし、国民世論をミスリードし、後世の国民に残した負の遺産に対する責任は、廃刊や閉局にも匹敵する行為です。

実は朝日系列で用いたこの手法は1970年代に極左組織「東アジア反日武装戦線」が実行をしています。
同組織は同じ極左組織である「日本赤軍」や「革マル」、「中核派」とは活動形態を異にし、三菱重工爆破事件以後は完全に地下に潜ってしまい実態が掴めない不気味な組織でもあります。
警察庁公安部では、なお活動をしているとして要視察に指定をされています。
反日武装戦線のテーゼも当然(常軌を逸脱した)「マルクス主義」ですけど、高学歴が多い新左翼の連中のマルクス研究能力からすると、暴力革命路線からマスコミへと流れ込み、ペンによる文化破壊路線へと転換した程度のことは容易に察しがつきます。

反日武装戦線のテーゼ(ルンペンプロレタリア革命論等)は余りにバカバカしくて此処には書きませんけど、彼等が反日をする理由は感情ではなくロジックであり、其れなりにあると言うことです。
しかし、その狂気の理屈に酔いしれ、大量殺人を犯した事実まで見逃す訳には行きません。

本作の製作委員会には朝日新聞の系列である、テレビ朝日が参加をしています。
テレビ朝日も親会社の失態とともに報道ステーションでの一件もあり政府、政権には当然に逸物があるでしょうね。
加えて本作は、今後テレビ朝日がアニメにチカラを入れていくための渾身の作品とも聞きます。

本作に於いてシナや半島の反日国家を必要以上に意識し、盛り立てた反日行為は政権に対する当て擦りや嫌味程度かもしれませんけど、反日イデオロギーの成れの果てがテロと大量殺人ですので、些細な反日メタファーであっても、責任のある大人の立場としては批判を徹する態度で臨みます。

さて、ラディカルを峻別する「文化マルクス主義」とは上述で若干の説明をいたしました。
我が国の代表的フェミニストである上野氏は、マルクス・エンゲルス同様、伝統的な家族制度の破壊を是として、同性愛を肯定しています。
マルクス、エンゲルス他、文化マルキストの影響を受けている上野氏を触媒として、孫請け的に影響を受けている女性文化人が多いことも有名です。

本作では勇利の家族の描写は殆どなく、同性愛を匂わせるヴィクトルとの師弟関係の描写に過剰なまでに尺を割いています。
本作の総時間とヴィクトルと勇利の濃厚な関係描写に費やしている時間の比率を考えれば、尋常ではないことに気がつくでしょうし、10話の教会の賛美歌に合わせ、勇利が顔を赧らめながら、ヴィクトルと指輪を交換する描写に至っては、ヴィクトルの「金メダルの為に」で表層を取り繕ったとしても、海辺でのユーリの露骨な性的嫉妬の描写の尺を含め師弟愛を超越した同性婚肯定の直喩かとも思われます。
また、このシーンが金メダルの伏線だとした場合、もっと別の表現が可能です。
態々BLとしていることでも、本作は確信犯としてBLを強調しています。

また、ラディカルフェミニズムは過激な女性解放思想の一つでもあり、文化マルクス主義に感化され、百合を差別として考えた監督や脚本が勇利、ユーリの名称設定を百合に引っ掛けたのかもしれません。

なお、本作はBLではないという主張の殆どは「BL要素があっても本作の趣旨とは関係がない」旨の反論ですけど、現にBLを理由に視聴中止が続出している現実の説明には至っていません。

BLにしても百合にしても個人が趣味で楽しむ範囲なら未だしも、社会通念上許容はされてはいないことを認識した前提で、本作のように公共の電波の乗せ不特定多数に啓蒙するなど、一線を超えると拒絶反応が生じるのは普通の感覚です。
その普通の感覚を詭弁を用いて希釈する姿勢こそが「ラディカルフェミニズム」を通して「文化マルクス主義」に蝕まれている証しとも言えます。{/netabare}
ゆえに、
本作はBL(同性愛)の啓蒙【道徳破壊】と反日【国家のアンディティティ破壊】とをセットにしていることで文化マルクス主義作品であることは明白です。

なお、イデオロギーの観測は単に左翼であるだののレッテルを貼ることではなく、作品に仕組まれたイデオロギーを浮き彫りにし、何がどのように左翼思想であるのか論理的な説明を加え反駁をすることが大切です。


【各話各論】
第1話視聴済。

物語概要
漫画家久保ミツロウさんとアニメ演出家山本沙代さんの共同企画によるオリジナル作品。
引退間際の主人公勇利(ゆうり)が男子フィギュア界でもう一人のユーリ(ロシア人)がフィギュア界のトップアスリートヴィクトル(ロシア人)の指導受けて世界に羽ばたくサクセスストーリー。

巷で評判でしたので視聴をいたしました。
人気の高いフィギュアを物語に取り上げたのは正解ですね。
おそらく、本格的なフィギュアアニメを待ち望んでいた方々も大勢いたかと思います。
実在の誰某を連想させる設定としていない点も好感度が持てます。
振付設定はフィギュア振付氏の宮本賢二氏が担当しており、その点でも本格的なフィギュアアニメとして評価しても差し支えないでしょう。
しかし、振付が動画に活かされているかというと別問題。
一見、よく動いて見えますけど、スロー再生ではよく動くところ動きが悪くなる分界の繋がりでギクシャクが目立つ部分も多い。
おそらく、実写取り込みのコマと原画のカットが合っていないのかもしれません。
京アニの動きはスロー再生でもギクシャク感がほとんどないことを考えると、原画のカット割と中割の手間のかけ方を工夫すると、もっと滑らかで自然な動きとなるはずです。
これが制作会社限界のクオリティなら、あとは崩れることがないようにクオリティを維持してください。
私のような底意地悪い解析をしている視聴者もいることを念頭に、制作会社は絶えずクオリティの向上を目指して欲しいものです。
特に、キャラの動きが作品の良し悪しを左右する作品であれば尚更。
演技のカメラワークと効果音は、フィギュア中継をよく研究しており満足いくレベルの演出ですけど、カメラバイアスがかかっているので生でフィギュアを観た印象とは誤差があります。
今後はレベルの違う競技者の差をどのように表現して視聴者に伝えるのかが気になるところです。

次に2点ほど制作側が注意を払った方がよいと思われる点。
{netabare}メアニメの評価は作品の良し悪し以外でも足を引っ張る伏兵が潜んでいます。
特にタブーなことは物語に必然性がない特アに関することの描写や風刺。(国内向け放送ではあえて必要はない)
かつては「サムゲタン」の一言で全否定された極端な例もあります。
せっかくのオリジナルなのですから、作品外の政治的な理由で批判を受けかねない描写に対して、制作サイドは気を配っていただきたいものです。
(テレ朝が製作委員会に参加していることで、政治利用の疑念はおおいにありますけど・・)
(1)駅構内の垂れ幕に書かれたハングル文字。
(2)演技のカメラワークで、日章旗よりも太極旗の登場頻度が多いことと、太極旗が正面中央へ映る頻度が多い。
キャストを見た限り、ハングルも太極旗もなければないで物語の進行には影響はしないでしょう。
国際大会だから太極旗があっても不自然ではないとの反論がありそうですけど、そうであればなぜ北朝鮮国旗はないのかという矛盾も生じます。
韓国で放送しても最小限の修正で済ませる意図がどうしても見え隠れしますよね。{/netabare}

8話までの中間レビューです。
{netabare}【物語】
本作はどこそこでもBLアニメとして評価されているきらいがあるが、気色が悪いシーンが多々あるのは否定しない、しかし、物語の品質は下げても基軸を歪めるほどではないと思う。

欧米人は我々日本人から見ると大なり小なり同性愛的なコミュニケーションの取り方をする事も多々ある。
私の姪がフィギュアを習っていて数回練習を見学に行ったことがあるが、日本人コーチ(女性)はバリバリの体育会系なのだが、ロシア人コーチ(女性)の接し方はまさに百合を連想するような行為を公然と行うことに文化の違いを肌身で感じたものである。

男子フィギュアの欧米人コーチでも、選手とのコミュニケーションの取り方は文化の相違で大なり小なり同性愛的に見える振る舞いはあると思う。
本作におけるBL表現は個人的な許容範囲として100歩譲るにしても、ヴィクトルと勇利の関係で妙に作画にチカラが入っている描写も多く、この過剰表現とキャラ項目に書いた点を合わせると、BLアニメのレッテルを貼られるのは致し方がないかもしれない。

こと、フィギュアは氷上のバレエでもあり、欧米ではスポーツと言うより芸術に近い感覚がある。
芸術に関与している欧米人は過激なポストモダン、特にラディカルフェミニズムに傾倒している方々も多く同性愛推奨者など、社会通念的に首をかしげたくなる人物が多いのも事実だ。

また、フィギュア競技では長らく東洋人は差別的な境遇に置かれていたが、欧米人にとってバレエは西洋文化を代表する格式ある伝統芸術であり、バレエ文化がない東洋人が演じるのは烏滸がましいという自意識もあったのだろうが、近年この偏見が緩和された背景には、偏見を受けながらも過去から築き上げた我が国選手の活躍と貢献があった意味は大きい。

しかし、製作側はこの我が国フィギュア苦難の軌跡を弁えているとは言えず、多分に特アへのネット配信を睨み、特にシナに対しては検閲への媚売りなど政治的、かつ、商業的な理由で安直に反日国家のシナや半島をクローズアップしている罪は大きい。

世界GPで勇利がシナ大会から出場する必然性などもなく、舞台はシナ以外でも良いはずだ。
更に、シナ大会でも気分が悪いところ、バックのスポンサー企業では「ヒュンダイ」と「サムスン」を強調するなど何処の国のアニメよと言いたい。
8話、イ・スンギル紹介のシーンの太極旗では気分を害したので早送りで飛ばした。

現在中韓関係は悪化しており、シナ側で韓流ドラマの放送中止や韓流タレントの降板が相次ぐなど、半島文化のパッシングが吹き荒れている。
これは、本作企画段階では想定し得ない状況だろうし、反日の定式通り中韓セットとしたことが逆に仇となったようだ。
さて、どうやってシナ側の検閲に対する折り合いをつけていくのだろうか。

シナリオの久保さんは長崎県佐世保市の出身だが、佐世保市は左翼活動が盛んな都市でもあり、良識があれば対馬の現状を考え半島を強調するシナリオは抑制すると思う。
更に、コンテとシリーズ構成の山本監督は未だ韓流脳が冷めていないのか、思想に問題があるのか…
『さくら荘』でもやらかしたように、女性監督は政治的にデリケートな部分に対して無頓着過ぎる。
どうも両者とも上野の扇動に被れたのかラディカルフェミニズムを含め変な思想が見え隠れしているが、テロ朝とは利害が一致しているようだな。

また「おそロシア」と揶揄され、強硬な政治路線を歩むロシアに対する国民感情もけっして良好とは言えない。
特に極東ロシアへの旅行経験がある方は、シベリア鉄道の旅情を打ち砕く横柄で融通がきかないお役所対応に最悪のイメージを抱くだろうし、ソ連時代よりも酷いという感想も聞いたことが…

しかし、個人で接するロシア人の多くはプーチンのようなダーティーなイメージではなく、気さくで思い遣りが深い方々が多く素朴でもあり、来日しているロシア人の多くは親日家だ。
私のアニメ仲間の一人もロシア人でガルパンの大ファンでもあるが、ヴィクトルの描写は過激過ぎると批判的であった。
一般に自己顕示欲が強いアメリカ人よりも好感が持てるが、集団化すると横暴になるロシア人気質は如何なものか。

本作の反日イズムはBLとフィギュアの陰に隠れて見え難いが一般視聴層の政治的無関心と無自覚つけ込み、反日を刷り込む悪質な技法は流石テロ朝アニメとも言える。
製作側の政治的意図が露骨で正直気分が悪い。

どれ程出来が良くても反日や左翼的性質のある作品は2以下としているが、物語はまだ続いているし、基軸のフィギュアについてその演出は見事であることから評価は3を上限に考えることとする。

【音楽】
フィギュア作品だけあって劇中曲はどれも精錬されている。
特にタイトルともなっているフリー曲『Yuri on ICE』については数多にあるアニメの劇中曲のなかでも5つ星クラス。
OP、ED曲を含め最高評価でも良いと思う。

【キャラ】
キャラ設定の現実性には?の部分もあるが、キャラの立て方は上手い方だろう。
逆に立ち過ぎて、BL疑惑にまで及んでいる。
しかし、引退か継続か、スポーツ選手としての岐路に立つ主人公勇利の設定は緊迫感が感じられず甘い。
勇利の設定の甘さは後述するように、豊永さんの演技でカバーされていることを忘れないで頂きたい。

ユーリの勇利に対するジェラシーは、本来純粋にスポーツ選手として頂点を極めたヴィクトルの実力を占有している事実に対しての事だと思うが、ユーリの美形キャラデザ含め、ユーリのジェラシーを性的なものに転化したいようだ。
きっとBLは監督や脚本の趣味なんだろうが、スポーツアニメのライバル関係描写としてはチープであり物語全体のクオリティを下げていることに気がついているのだろうか。

また、『あまんちゅ!』でも感じたことだが、ギャグコメディでもないのに、節操がなく必然性のないデフォルメの多用も逆効果でいただけない。

【声優】
内容的に男性声優の演技力が作品の善し悪しに影響するが、総じて役どころをしっかりと演じており、平均以上だと思う。
特に勇利はキャラの性格上相当幅のある演技力が必要だが、豊永さんは期待以上に勇利を熱演している点は賞賛に値する。
女性声優に押されて霞がちな男性声優陣の熱演こそ本作品の持ち味とも言える。

【作画】
レビュー初期で原画の差し込みがおかしくモーションがぎこちない旨の指摘をしたが、回を重ねるごとに改善され、今では2Dの到達点とも言える完璧なモーションが再現されていると思う。
しかし、競技のカメラワークだがフィギュアは競技会場が限られるためテレビでしか観戦したことがない視聴者が大部分でその層には満足がいくだろうが、生観戦の醍醐味を知っている層には物足りないないだろう。
部分部分のカメラワークに、会場俯瞰など生の臨場感も挿入されていればもう1ランク評価が上がる。

追記
昨日、NHK杯フィギュア男子フリーを会場観戦したが、やはり本作の臨場感、躍動感不足はどうしても否めない。

競技動画に対しては現場の悲鳴が聞こえてきそうな高水準だが、他の部分ではモブの使い回しや動画の省略、背景仕上げの荒さやエフェクト処理の甘さなどが散見される。
競技動画に多くのリソースを割いている分、妥協すべきところではあるかもしれないが、京アニのようにモブから背景から動画から全てをパーフェクトに熟しているスタジオも存在するのだから、MAPPAの課題点として今後に活かして欲しいところだ。

ここは辛口で評価をすることになるだろう。

なお、物語での指摘事項は監督、脚本含めたプロデュース姿勢の問題であり、MAPPAの作画チームが負う責任ではないことは書き添えておく。{/netabare}

第9話メモ
{netabare}ほう。
イ・スンギルをフリーで失敗させて順位を落とし、今後の尺で登場させない方向へ舵を切ったか。
8話までの中間レビューで「シナとの折り合いをどうつけるのか」と記述したが、早速、半島sageのシナリオに組み替えて来た。
現実、前回のイ・スンギル登場回では微博(シナのツイッター)での評判も散々だったらしい。(シナ当局の自演もあるだろうが)
さらに、ロシア大会では半島企業らしき広告も皆無だったな。
シナでは中国共産党肝入りでの韓流外しが猛威を振るっており、こうしないと配信ビジネスに影響が出るからね。
つまり、シナの検閲逃れでシナリオを書いているのがバレバレの回だった訳だ。
それにしても左側の連中の考えそうな呆れた日和見展開だ。
シナ題名:冰上的尤里

それと、福岡空港の床標識にあるハングルもあえて必要はないな。
今期放送の『WWW.WORKING!!』では原作を改変してまで徹底的に半島臭を排除している。
それが我が国において半島が置かれている立場を鑑みた健全かつ正常な対応だし、逆に本作の非常識性が客観的にも浮き彫りにされる点でもある。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

師弟愛とは違う別の何か/作画のトレパク疑惑について

3話までの感想

{netabare}
スケートアニメでした。
漫画では見たこともあるのですが、スケートをメインテーマとして描いたアニメは初めて観ました。というか、スケートアニメなんて描けるはずがないと思ってました。(スケート靴を履いたアニメは知っていますが)

作画はすごいの一言です。プロスケーターが監修?に入っているのですね。スケーティング動画も3Dではないけど、実写をトレースしてるでしょ絶対。そうでもなければこれだけのリアルな動きは描けないと思う。ちゃんと体重が乗っているし、エッジワークを追い掛けたくなるような作画は圧巻です。お金掛かってるんだろうなあ。(苦笑)
フィギュアに関してはちょっと細かいのですが、スケート描写に期待出来るというだけで個人的にはかなりポイント高いです。

ストーリーに関してです。
2話まで見て。女性が主なターゲットなのでしょうか?自分はそっち方面はまったくわからない(むしろ苦手)のですが、キャラデザもそこまでキラキラした絵ではなく、熱いスポ根もの+ほど良いギャグという印象を受けました。テンポが良いので見易いです。メインのストーリーもどんどん進みますが、王道のスポ根もの真っ只中を行きそうで安心感があります。キャラも立っている。
あ、そっか三角関係が女性に受けてるのか。もちろん面白かったのですが、ネットの反応見ると若干温度差は感じます。(^^;; これから物語がどう進むかは楽しみですが。

キャラクターの生き様が垣間見えそうなアニメ、実在のスケーターに重ねて見てしまうところがあります。ただ、やっぱりスケートの演技自体は本物には敵わないと思うので、アニメでしか見せられない何かに期待したいです。(期待値高過ぎてハードル上がってます)

3話視聴
あ、そっか、ユリじゃなくて薔薇…なのか?(^^;;(他の方のレビュー見ながら)
お断りしておくと、自分はBL脳皆無です。むしろかなり苦手な部類…(^^;;

でも、これはガチですね。(^^;;
いえ、決してホモではないと思いますが、ある意味ホモよりもガチだと思う。()フィギュアの選手とコーチって固い信頼関係で結ばれているので、その絆は恋人以上(性的な意味ではなく)だったりすると思うんです。コーチが憧れの選手なわけでしょ。もうね、これは…(^^;;
ここまでガチなんだから、わざわざ釣りみたいな演出入れなくてもいいのに。画面いっぱいにホモやられると辛い…
歓喜のあまりハグってのはありだと思うけど。

勇利のあの演技も誰かに向けてのものだと考えると…いや、考えないでおこう。(苦笑)

{/netabare}


4話までの感想

{netabare}
評価はまだしてないので、暫定値(あにこれの現在の値)入れておきます。
ホモ成分多めでそこばかりツッコミ入れてますが、ストーリーは面白いです。今後の展開が気になるところ。ギャグも面白いですが、もうちょっとシリアス部分をゆっくり堪能したい気も。

23歳で引退とか、女子はともかく男子はまだ早いかな〜。でも、ユリオ君も年のこと気にしてたし、やたらと時間を強調するのは何かあるのかな⁉︎と勘ぐってしまいます。
また、色々と妄想してしまう(BL以外の部分で)のですが、想像力を掻き立てられるのは良作の証拠、じっくり本編を追っていきたいと思います。で、全部見終わったら感想書きます。(たぶん)
{/netabare}


5話まで見て(6話見れない)

フィギュア好きだし、スポコン路線メインなら多少の女性向けサービスは我慢したのですが…
師弟愛なら見たかったです。でも、どう見ても普通の師弟愛には見えません。
ぶっちゃけ、ホモを描くためにフィギュアを選んだのでは?と腹立たしくさえ思ってしまいます。ユーリ好きな人で現実のフィギュアもこんなものだと言う人がいますが、少なくとも私はそんな目でフィギュアを見たことはありません。(怒)
監督と原作者?が女性で歯止めが効かなくなってるとしか…
このアニメに限ったことではないのですが、女性の考える男同士の距離に違和感を感じます。それとも自分の感覚がおかしいのでしょうか?

BLサービス差し引いても自分が期待していたスポコンアニメにはならなさそうですね。2話あたりまでは面白かったです。



追記

作画だけはプロまで呼ぶ力の入れように感心していたのですが…トレパクはNO!です。

(ここで言うトレパクとは他者の画像や動画を無断トレース(もしくは模写)してオリジナルとして使用する行為の意味です。)

ダンスシーンのトレースは酷い…
振り付け師の方が本当にお気の毒です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 29

68.6 5 演技アニメランキング5位
ガーリッシュ ナンバー(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (643)
2615人が棚に入れました
かわいい外見と世を舐めきったメンタルを持つ女子大生・烏丸千歳。
夢と希望と野心を抱いて踏み込んだ声優業界で、彼女が目にしたのは、おかしな業界のシビアな現実の数々だった――。
仕事なし×やる気なしの新人声優・千歳に、人気声優への道は開けるのか!?

声優・キャラクター
千本木彩花、本渡楓、石川由依、鈴木絵理、大西沙織、中井和哉、梅原裕一郎、堀内賢雄、江口拓也

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ちゃんと見返してみたら、本気で名作でした!!(全話通し見ブルーレイ購入して)。

予備知識ほとんどナシでの視聴です。

>1話まで視聴して
声優モノですか。最近増えてますね。
1話の率直な印象としては
「なんかギスギスした暴露系な所がウリな作品なのかな?」ってところでした。
正直不快感のようなものが強くて続きを観る気は起きず
そのまま1話切りしてしまっていました。


>2話まで視聴して
世間では6話くらいまで放送された頃でしたか・・
ふとどこかのWEBページで目にした「〇〇〇〇、ガハハ」の文字列が目に入り
ちょっと気になって久しぶりに2話を観てみました。

すると自分の中での印象が、かなり変化していました!。
一番大きかった変化は”主人公の印象”ですね!!。

1話見た時点では、なんかどんな性格なのかまったくつかめず
マイナスイメージが強すぎた自分でしたが
少しずつ慣れてくると
この主人公には悪気がないというか、天然な感じというか
単に正直なだけというか、自然体というか、ある意味まっすぐというか
・・素直に受け入れられるようになっていました。


>7話まで視聴して
そこからは本作にとても興味が湧いてきたので、7話までほとんど一気に見てしまいました。
主人公の印象はさらに加速して
”社会人である自分”としては、むしろこの主人公を見習うべきところが多々あるなと
感心させられるまでになっていました^^。

ふとこぼれまくる本心も日頃自分が感じていることと共通することが多く、親近感がわきます。
時々しゃべり終わりにくっつける口癖の「〇〇んけど。」。←自分もよく言ってるわw。

主人公以外のメインの5人もそれぞれ丁寧に性格や心情が描かれていていい感じですね。

アニメ制作におけるいろんなトラブルと
それらに対峙した時のそれぞれの職種の実態を描く様は
SHIROBAKOやそれが声優とはまた違った切り口で
でも不快感は感じさせず、痛快に描いてるところが好感度高いです!。

---------------------------------------------
>全話通し見ブルーレイ発売を知り、1話まで再視聴して(2年ぶり?に)

全話通し見ブルーレイですか!?。
放送当時はちゃんと全話見終え、気に入ったのでコミックスも購入し
個人的にアニメ放送は好印象で締めくくられたように記憶してるのですが
既に2年くらい?が経過した現在、内容がどうだったか思い出そうと努力してみましたが
いっこうにどんな経過と結末だったか、まったく思い出せなくなってましたww。

「キャストと原作者が反省するガーリッシュ ナンバー反省会」・・だと!!?ww。
それもワゴンセール価格1万円ぽっき・・ってwww。

ええー?、そこまで卑下するような内容ぢゃなかったように思うのに
でも、ひさびさのこういった展開。。。
嫌いじゃないです!!。
どんどん攻めていってほしい!!!。

幸い??w、放送終了当時は
満足度は高かったもののBDを購入するまでには至らず
今となっては、内容を思い出せないまでになってしまっていたこのタイミングで
・・・やってくれましたねwww。
・・・いい!!・・と思います!!!。


放送当時に感じていた自分の満足感が、本当にそうだったのかを確認するため
2年ぶり?に、本作の再視聴を開始してみて
まず1話までの時点ですが、
「やっぱ、自分が満足した記憶は間違ってなかった!!」です(確信!)。

若干、兄貴の”上から目線??”・・・が気になり(ウザい?)
ここはもう少しどうにかならんのか??とも感じましたが

でも何より、主人公の”流れに身を任せて乗っていくスタイル”←絶賛!、
大人たち?のいい意味でのいい加減さ(ポジティブ思考ともいえる?w)にブラボー!、
主人公の鼻歌?の歌詞(←現実見てる!)・・が何気にお気に入り^^。

ああー、このままだと全話通し見ブルーレイ買ってしまいそうです^^。
(2期?なども期待してるのでその意味もあり応援したい)
(画質劣化がどうなのか若干気になるけど、北米版BD同等?と考えれば問題なさそう)

単品で発売された時の特典的なもの?(内容知らんけど)があるなら
なりふり構わずつけて売ってほしいなあ~ww。

反省会の内容は、やはり気になります!!。
でも反省なんかしなくていいんじゃないかなあ~(してないと思うしww)。


今回のこの商法、他作品でもどんどんなりふり構わずやってほしいですね!。
需要はあると思います♪。

---------------------------------------------
>全話通し見ブルーレイ購入して。
はい、全話通し見ブルーレイ購入しました♪。
  (⇒心配していた画質は全く問題なく、1枚で全話見れて快適で、さらに格安です^^)

当初のお目当ては「キャストと原作者が反省するガーリッシュ ナンバー反省会」だったのですが・・
その部分に関しては全くの期待はずれでしたw(内容薄っすいし、反省もしてない・・)。
(・・いっそのこと全話で反省会やってくれたら、もっと評価できたのですが。。)

で、ガッカリしてしばらくBD放置してたのですが
今期は個人的大不作のため、観る作品がなくて困っていたところ
本作のBD、せっかくなので本編も観てみようかな?・・といる流れに。


いやー、やっぱ本作、本気で「お仕事アニメ」の傑作だと再認識しました!!。

特に個人的に今期3DCGキャラに苦戦しているせいもあってか
本作のキャラの表情が素晴らしく生き生きしてるように感じるんです!!。
凹んでる時も、テンション上がる時も、悩んでいる時も、その他すべてで。

登場キャラもメイン・サブ含めて、みんなキャラが立ってて魅力的だし
声優さん方も楽しんで演じておられるように感じます。
キャラのやりとり観てるだけで、たくさん元気もらえる貴重な作品♪ではないでしょうか?。

OP/ED曲も秀逸です♪。


一部では「○死作品」?とかっていわれてるのかもしれませんが
自分にとっては素晴らしく大満足させてくれた作品でした!!。
これからも何度も何度も再視聴させてもらうことになる気がします^^。
(★の評価、MAXまで上昇しました)


「修羅」のアニメ化中止は、本当に残念で仕方ありません・・。
願わくば本作がもっともっと再評価されて、「修羅」のアニメ化が復活してほしいな~。ほしいな~。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 28
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ダメ人間喜劇

ガーリッシュナンバー修羅というWeb配信の四コマギャグ漫画を見ているのですが、アニメよりも登場人物全員が馬鹿になってて面白いですよ。

【1話時点でのキャラの印象】
{netabare}
烏丸千歳
本作の主人公。声優。性格はクズ!(公式認定)
初回にてそのクズっぷりを表す行動、発言が連発。ラノベだからといって原作を読まずグータラ!(仕事をもらっておいてとか、役者としてどうなのとか、色々思うがとにかくクズい!)原作者であろうが、裏では容姿に対してボロカスな評価をしている(裏表がありすぎてドン引き)。地位と名声、そして金が大好き!アイドル声優上等!(欲求に忠実!)
こんな声優さんいやや…こいつに良心はないのか!とまあ、見事なクズキャラとして成り立ってますね。

園羽百花
クズの先輩…ではなくアイドル声優の先輩。年は主人公よりも下らしい。 世渡りが上手い。こちらも原作者を裏ではボロカスに言っている。二世声優(この設定がまた黒さを感じる)

九頭(くず)P
お調子者で仕事は適当?。シースーとか言っちゃう時代遅れなプロデューサー。実はケチ。

難波(なんば)社長
この人のとりあえず流行ってるんだろ的なノリで「勝ったな!」を連呼する適当感が良い。(ヱヴァがネタを今さら?というその遅さが全然アニメに興味ないことを伺わせて笑える)勢いとノリで生きてきたタイプだろうか。でも実はケチ。

{/netabare}
【クズを克服する話ではなく、クズのまま立ち回ってほしい】
{netabare}
キャラクターが一癖も二癖もあるこの作品。クズ主人公にクズの仲間が惹かれあい、お調子者なPと適当でノリでgoサインを出すアホ社長の超適当なアイドル声優企画に主人公は抜擢され、金と名誉に目がないクズな主人公はヤル気満々。ダメ人間達の野望が渦巻く桃園の誓いなのか。あきれる真面目な兄兼マネージャー。

欲望に忠実なダメ人間サイドが、真面目サイドの人物達をどう困らせていくか。実に楽しみですね。
間違ってもダメ人間が全うな話になる雰囲気じゃない喜劇だと期待しています。
{/netabare}

【2話感想】
{netabare}
千歳調子乗ってますね~。挨拶の基本が崩れてきてるのが見ててなんかもどかしい。
声なき悲鳴というのは原作者のことなのかな。原作側に座っていた喋らない人、もしかして原作者?
それにしても千歳ヒロインのアニメのPVが酷かった・・・それにうおおお!とかいっちゃう観客を描かれるとなにか馬鹿にされている気がしてならない・・・でもまあそんなもんなのかね~

{/netabare}

3話ー4話【求められている内は花】
{netabare}
百花が良く口にする「それが求められているんだから、良いじゃない」というのが今後の話の軸になっていくのですかね。
ただ求められていること(中身のない、くだらないことでも)をやって、今は受けがいいが、飽きられたらどうするのか?自分達に何が残るのか?(そこまで追いつめるかは分かりませんが)

千歳は求められていることを喜んでこなしますが、他人の目を気にするタイプでもあります。(ツイッターの反応を気にする辺り)さて、千歳が求められなくなったらどうなってしまうのか、今後の展開を期待します。

また、ステージ本番前の千歳が不安感をあらわにしている描写があります。本番中はあれほど堂々としていたのにこのギャップはなんでしょう?これは千歳が実は普通の女の子と同じですよ、ということなのか、期待に弱く、逆境、本番に強いという性格の現れなのか…。でも、新人の時の本番前にその不安に襲われた気持ちは、大事に覚えていてほしいなあ、と少しいとおしく見えたシーンでした。

百花の方は求められていることがくだらなくても、求められているならそれで良いと肯定するのは、諦めなのか、求められないことの辛さを知っているからなのか。それともそれを否定したとき、自分に何もないことが怖い感情からの逃げなのか。こちらも気になります。

蛇足ですが、千歳の卵焼き?のデザインがされた服が印象的です。彼女の服のセンスはどう量れば良いのでしょう?現実の声優さんでも私服のセンスが微妙と思われている人がいますが、そういった声優さんのエッセンスを取り入れているのかもしれません。
{/netabare}

5話【だめだよ、だって仕事だもん】監督ッ・・・!

{netabare}
監督さん、YESマンなだけだと思っていましたが、引き受けた仕事をやりきる、すごいな、当たり前だけどしっかりしてる。

作品内の制作会社の仕事ぶりは、あまり描写が無いですが、封筒がいっぱいあるんだなあと少し感心しながら観てました。

仕事を終わらせるプロ意識がある監督、仕事に手を抜く千歳。何でも頑張る八重達。

皆何かしら頑張っているけど、何もしていない千歳。千歳に明日はくるのか。

お渡し会っていうのは声優さんが渡してくれるんですか。知らなかった。

しかしアレですね。空戦を作っていた会社とは思えないぐらい今の所しっかりしてる。どこの絵をとっても表情可愛いし・・・。作画崩れたみたいな場所も感じないし、そういう噂もきかない。

{/netabare}

【6話ー沖縄だ!勝ったなガハハ】
{netabare}
九頭Pガチクズ…。
さて、少し疑問なのですが、沖縄にいってpv作って予算を使えてなぜ良かったと安堵しているのでしょうか?そこら辺の仕組みがよく分からないですね。

今回一番可愛かったのは柴崎さんかな?酒に酔っていつもは押さえている感情をコミカルにぶちまけるその姿に可愛さを覚えます。

それにしても26歳でそろそろ声優やめよっかなと思うとは、現実の声優さんでもよくあるのでしょうか?むしろアラサーにさしかかって売れ始める人の方が最近よくみる気がします。

少しずつではありますが、柴崎さんが千歳達に打ち解けているのがみていて嬉しい回でした。

{/netabare}

【7話-親も色々、子も色々】
{netabare}

柴崎さんは親とケンカ別れで東京に出てきていますが、親はそれでも心配してくれます。東京に子供の顔を見に来る親に対して、恥ずかしいからと邪見に扱う芝崎さん。でも、親が子供の事をいつでも心配に思ってくれることを羨ましくみていたのがが百花。

百花の親は、子供をもう子供扱いしない。声優のプロとして自分で判断できると思っている。ですが百花は、親が自分を心配してくれること、つまり必要とされることを望んでいます。だから、気にもしていない水着の事をきいて、親の気をひこうとしました。そんな子供じみた願いと遠回りの行為が「あほくさ」「(バカな千歳を見て)わたしも」なのでしょう。

特定の誰かに心配されたいという気持ちに焦点を当てた回でした。

京の柴崎さんへのフォローが上手くて、バイト生活でも大人ですよね。他者を心配できる余裕がありつつ、自分自身の将来のこともしっかり見ている。親に言われなくても親の心配もするし。

次回の温泉街って背景見て一発で分かってしまったw銀山温泉ですね。
{/netabare}

【8話~どいつもこいつも不器用だ】
{netabare}
温泉回だ勝ったなガハハ。え?ちーさまいないの?

まあそれはそうとして、百花も百花の母親も、柴崎さんも、その父親も。みんなみんな気持ちを伝えるのが下手。そのせいですれ違ったり、心配したり、気を引こうとしたり。

でも、誤解が解ければ、ほんの少しの言葉でわかりあえる。「行ってきます」「体に気を付けろよ」恥ずかしさを隠したいからそれでいい、相手が不器用なこともわかってる。

百花の方も、わかりづらい親の愛だったけど、百花にとって「まってるわ、私のライバル」という母親の言葉は、いつも自分のことを見ていてくれいる、親にとって自分が特別な存在であることを理解するのに十分な言葉だったのでしょう。


今週はガリナンに似合わない感動回という感じですが、たまにはいいじゃない、心が通じ合うことをテーマにしたって。柴崎さんの父親が泣いてる子供時代の柴崎さんと家族の写真を見て「あいつの声は昔からよく通るからなあ」という言葉に、柴崎さんが覚えていない子供の頃のことを父親が覚えているって、ああ、この人は本当に子供の事を見守ってきて、子供のことが本当に好きなんだ、と考えて、ぐっときて、涙が出てきました。子を思う親の顔に弱いな…(笑)

ところで今回舞台となった銀山温泉、旅館には止まったことはないので、綺麗な夜景、みてみたいな。

【ここまできて一話で書いたレビューを振り返る】
さて、一話の時点で「ダメ人間喜劇」とタイトルをつけ、ダメ人間サイドが真面目サイドを困らせるというコメディ喜劇を求めましたが、若干違う方へ向かっています。
真面目サイドがいるのではなく、みんな少し変だけど、頑張って生きてる。明るく、面白おかしく、前を向いて。そういう、明るさが喜劇にとって必要なのかもしれません。
今のところ、自分の考えていたただ面白いという喜劇の枠組みを新しく考え直せたので、この作品には感謝してます。
{/netabare}

【9話~後ろから押され始めた】
{netabare}
新人声優の入れ替わりは早い・・・!主演を1回やったらもう新人扱いは出来ない。ナンプロの社長は行き当たりばったり感出してるけど、狙ってやってる感じはしますね。賞を取った声優を掻っ攫うとはナンプロ社長やるなあ。

京の扱いを見ると主演1回演じさせて、売れなかったら切るみたいではないようだが、千歳はどうなのなることやら。

業界でのポジションを得たと思っている千歳ですが、そういうことじゃない、周りの人が目の前の仕事に集中していて、千歳は手抜きばかり。

やはり安心できる人や、仕事がなくなって不安を感じる千歳は「普通」の部分があって、成長できる所をもっていそう。

悟浄くんは1回主演演じてやめてしまったらしいけど、何が理由だったのか・・・。千歳のように慢心?家庭の事情?「つまんねえ芝居」といった厳しい発言は自分の過去に被るから?
いつもクソだの価値が無いだの千歳をボロクソにいっているが、誕生日プレゼントを用意してるあたり、大切に思ってるんだなあ。今後は千歳が変わるために兄弟が鍵になるのでしょうか。
{/netabare}

【10話~気付いたら周りにはだれもいない】
{netabare}
ちーさまようやく特別扱いされてないことを気付いたかー。でも今の現状から変われると思えていない状態。そもそもちーさまが特別扱いされていたことの描写が薄いかもなー。多分新人のちやほや感や、主演を政治で獲得したことが特別扱いなんだろうけど。

そして周りは売れて、ちー様は売れていないことにも気付く。

九頭Pはようやくやる気でた。来週から頑張るのか?

ナンプロ社長さんはあえて厳しい現実を突きつける役回りともとれるな。人に嫌われるような損な役周りも社長としてこなさないといけないし。ただそれでもまだ情けをかけるあたり、やはり根は悪くないと思いたいが・・・(9話の感想でも書いたけど、一向に売れてなかった京を置いてるのだから、頑張っている子には甘いのかもしれない。)

悟浄君は目が出なかったかー。それ以外にも何かあるのか・・・ちーさまは身内でありながら何も知らんのかい!声優の技術的アドバイスが出来ないのは、悟浄君が自分を下手だと理解しているからかな。 {/netabare}

【11話~一番になりたい】
{netabare}
ようやく自分のやばさを認識し、気落ちする千歳。現場の空気を悪くする。
ナンプロ社長、素顔を見せる。人を育てるって難しい。
千歳以外のキャスト陣、千歳の評価はボロクソだが、やっぱり千歳が好きなんだな。
悟浄君の過去。京と同期だったのか。
悟浄君に皆が千歳のためにアプローチをするよう訴える。

千歳の自己評価と現状の辛さを告白する。そして悟浄君に勇気付けられる。

自分の中の駄目な部分を受け入れつつ、挫折しても何とか立ち上がれた千歳を見ると、何かエネルギーをもらえます。失敗しても、自分のダメさにうんざりしても、何とか諦めずやっていく。その前向きさがこの作品の良さかもしれません。

{/netabare}

【最終話~勝ったなガハハ!】
{netabare}
千歳が現場へ走るシーンと転ぶシーンの緊迫感が良いですね。いろいろな事を誰かのせいにして努力せずにいた千歳が走る。転んでも走って現場に向かう。色んな言い訳をとりあえず忘れてとりあえず走る。何かしなくちゃいけないという意思を感じます。

千歳の自分の引け目の告白からの、これからの方針をぶっちゃける。
いつものちー様が戻ってきたけど、いつもとは少し違う、すこし成長したちー様。

そして渾身の「てやー!」で笑ってしまった。ここからいい雰囲気で現場が回る。そして全員での「てやー!」。少し抜けた感じの真面目が面白い。

そしてまた遅刻して、今度は迷わず走る千歳。(寝間着から着替えるときにいつもの玉子焼きの服がタンスに大量に(笑))大して現状は変わってないかもしれないけど、少し変わった千歳。ダメ人間はダメ人間なりに頑張って生きてる。

ライブシーンでこの作品の物語の終わりを感じ、満足感と名残惜しさを感じました。

そして、またダメ人間から出る、ダメそうな企画。まあでもなんとかなるでしょという明るい雰囲気。

色々辛いこともあるけれど、頑張って生きてることを描いた作品でした。

でも頑張っているっていっても明るくいこうじゃないという、最後の「勝ったな、ガハハ」の流れから、気楽さや人の適当さへの肯定を感じて、とても明るく前向きな作品だと感じました。

{/netabare}

総評
{netabare}

色々つらいこともあるけど、頑張って生きようと、前向きにさせてくれます。

それでいて気負いをさせるような説教くささがなく、気楽でいいんだよという明るさをもっています。

頑張って生きて、辛いことが終わったら皆で笑い合おう。そんな明るさと楽しさを持った作品です。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 54
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

リアリスト渡航氏が世に問うた綺麗事では済まされないマーケットの現実

原作:Project GN
監督:井畑翔太
構成:渡航
アニメ制作:ディオメディア
主要キャスト
烏丸千歳cv千本木彩花(主人公:「ナンバーワンプロデュース」所属。新人だけど努力も苦労もしたくないクズ)
烏丸悟浄cv梅原裕一郎(ナンプロのマネージャー。千歳の兄。バカ妹に手を焼いている。)
久我山八重cv本渡楓(千歳の同僚で新人声優)
片倉京cv石川由依(千歳の事務所の先輩声優)
苑生百花cv鈴木絵理(両親の七光りで脚光を浴びるJK声優。黒いガキ「ヴォイスエンタープライズ」所属)
柴崎万葉cv大西沙織(プロ意識とプライドが高い人気声優。自意識過剰「いろはプロダクション」所属)
九頭(くず)Pcv中井和哉(アニメのプロデューサー。製作委員会で販売を担当している外見も中身もチャラ男)

原作未読。

12月21日追記
※師走でもあり、また忘年会や各種夜の会合が重なり、他の作品のレビューへリソースを割いている為、本作の各話レビューが停止して申し訳ありません。
{netabare}七海の登場で本作は大きく動き、あのちーさまが自らを振り返り成長の兆しが見えてきた予想外の展開となってきました。
そして、渡航作品の醍醐味の一つ、兄悟浄と妹ちーさまの会話劇は『俺ガイル』や『クオリディアコード』以上の切れ味です。{/netabare}
既に本作は佳境に入り、今後は総評で締めたいと思います。
渡航氏が本作で伝えたかったことは単なる内情暴露ではなく、リアリズムという見方によってはねじれたフィルター通し、偽善を求めず世の中の裏と表の関係性から「エンタメの商品価値」を問うた作品です。
本作を他のアニメ作品と相対比較しただけの表層を浚う程度では、渡航氏独特の斜めに構えたメトニミーは理解できないでしょう。
本作を的確に理解する為には、幅広い人生経験もまた必要となりますことから、視聴者を選ぶ作品でもあり、世俗に塗れる、つまり世の中の裏を見ている経験など視聴者の社会的な立ち位置で評価もバラつくと思います。

ここで暫定ですけど、点数評価も行います。
各点の根拠は総評で記述します。
--------------------------------------------------------------------------------

7話まで視聴したので中間レビュー的に追記します。
(他の業界作品との類似性について)
本作から『それが声優!』や『SHIROBAKO』のような展開を期待している声も多いようですが、本作の内容はかかる作品へのアンチテーゼではありませんし、アニメのプロデュース段階から描いている点で、声優とアニメ制作に特化した両作とは異なりアニメ作品誕生から業界を俯瞰しているゆえに、両作とは一線を画したストーリーとなっています。

確かに『それが声優!』と『SHIROBAKO』並びに『アニメーション制作進行くろみちゃん』は本作を視聴するに当たり「参考」とはなりますが、上記のとおり切り口や視点が全く異なるので「比較」には至りません。

また、『それが声優!』や『SHIROBAKO』が業界を正確に描写しているかというとそんなことはない。
どちらもそれぞれの業界の一断面にスポットを当て、世間に見せたくない黒い部分には蓋をし、ストーリー上どうしても表現しなければならない黒い部分はグレーにしてお茶を濁し綺麗にまとめているだけです。

上記に関して、昨今騒ぎがあったので『SHIROBAKO』で分かり易く例えてみますね。

原画セッションは絵麻の成長物語で構成されていますけど、この作品では「動画」の待遇が描かれていません。
原画であっても安アパートに暮らし、具のないカレーで節約している絵麻以下の動画の境遇を描いたら世間はどう思うでしょう?
ほとんどの方はこれで業界の「黒い部分への蓋」を察っして頂けると思います。

つまり、両作とも業界のブラックな部分を虚偽表示手前ギリギリまで希釈し、穿って見れば良いイメージへと「印象操作」をしている作品です。

アニメ制作現場の雰囲気に関しては『アニメーション制作進行くろみちゃん』のエピソードの方が過剰演出ではあってもアニメ制作には関わりたくないと思いたくなるほど、ドロドロとした現場の空気が醸し出されています。(制作したゆめ太カンパニーが結局消滅したのは別としても。)

12月6日追記
長らく『それが声優【裏】』としていましたけど、本作はアニメを一つの商品パッケージとして見ているので、このタイトルでは範囲が狭小であることから変更します。
なお、タイトルは確定で考えています。
この作品、私の見込みの通り他のサイト等でも高評価を得ており大勢はほぼ決着したようで、今更書き足すこともありませんけど、惰性で各話を記述していきます。

第1話メモ

業界ナンセンス物でぶっちゃけ面白いです。
第1話からクズキャラのオンパレード、業界の闇やら毒素が出るわ出るわ(笑)
内容は、デタラメや非常識がまかり通る興業業界では当然の出来事を描いているだけですけど、本来タブーに触れることを果たしてどこまで描ききれるか見もの、勢いで、枕営業まで描いたらお見事です。
あえてネタバレは書きません。
この作品も個人的には当たりでした。

「それが声優!」を未視聴の方は並行して御覧になると、より楽しめると思いますよ。

第2話メモ
おいおい。予想に反して引き込まれてきました。
俺ガイルファンの私としては視聴=嵌る宿命だったか!
{netabare}クオリディアと違って渡航氏単独脚本は清々しいほどエポックメーキングな毒が出ている。
灰汁が強い作品のアニメ化はディオメディアの作風にも合っているようだ。
漫画だと絵柄と性格ギャップが激しい千歳のバカで浅はかで性格悪い毒のある表情が実に巧く表現されている。
キャラデザ、キービジュすっ飛ばしてPVとかディオメディアの実話っぽいし、アニメの制作費とクオリティの話題はディオメディアの自虐ネタか。
このスタジオは王道アニメよりも毒アニメを制作した方が向いているのかも。{/netabare}

第3話〜第4話メモ
はいはい。ここまでクズっぷりを露わにしたら、逆に潔くて清々しいw
真面目に制作してもコケる作品もあるのだから、ナンセンスで作り込むのも有り。
いや、万人受けを狙っていないことすら私は魅力を感じる。
ディオメディアもあえて業界を自虐的に制作しているのだろうし、アンチやナンセンスもので制作スタジオの差別化を図る経営戦略だってあっていい。
この作品、業界ドキュメンタリーじゃあるまいし、内容を真面目に考えてもコレはしょうがないがない。
{netabare}原作者をいびってシリーズ構成降りた脚本家のモデルは存在せず、{/netabare}話しを面白可笑しく盛っただけでないかな。
渡航氏とディオメディアの組み合わせを考えると、仕掛けて来ても不思議と違和感がないw
そもそも、{netabare}脚本家が現実にあの対応をやれば社会人として問題であり、仕事すら干されかねない。{/netabare}

渡航氏が繰り出すネタを【ネタ】として受け止めないとこの作品を楽しめないかなw
クリディアコード作画が逝ってても、今期の万策尽きたー!の多さを見るとA-1の力技で放送落とさなかったのだから渡航氏はさして気にしてないだろうけど、業界クライシスも現実になってきているから、これからは{netabare}先行上映で1話を上映出来ないケースも出て来るかも、{/netabare}ある意味旬というか皮肉たっぷりな内容。
SHIROBAKOだってある種の誇張や事実の脚色はあるでしょうし、むしろ制作進行くろみちゃんの方がギャグで薄めてはいるけど、あれでシビアな現実を表現しているのかもしれない。
{netabare}だからかもだけど、この作品では作打ちネタで炙るだけの脚本も書けるのかな。3話の脚本渡航氏だったしw
荒れた作打ちの結果1話は案の定無惨だったけど、そんなことどこ吹く風でTwitterのフォロワーの方が気になるちー様はある意味「神」だ。{/netabare}
今期はガチな作品が多いし、これぐらいバカバカしい作品も息抜きに丁度いい。
ちー様がクズでも心臓に毛が生えたような糞度胸と鋼鉄のメンタルで乗り切ってしまう、どこか憎めないキャラだし、だからこそ私も乗れるし、毎週観るのが待ち遠しいということは、私的に楽しめている証拠だね。

第5話メモ「渡航氏のまとめCOMPLEX丸出し回だな。ガハハ」
(公式より)
脚本:さがら総
絵コンテ:数井浩子
演出:筆坂明規
総作画監督:木野下澄江、西田美弥子、石川雅一
作画監督:大田謙二、水野隆宏、LEVEL ZERO

{netabare}4話に引き続きさがら氏が脚本か。どーりで渡氏のついは第三者目線なわけだ。
公式見てびっくりしたのは一話にかかっている総作監と作監が6人?どれだけリテイク出てるんだ・・はぁ?
人海戦術はクオリティに対する渡航氏の執念みたいのも感じるね〜草

今回の見どころは心を折られた涙目ちーさまだろう。
リテイクの成果なのか目茶可愛いんですけどw

まぁ、お渡し回の模様が叩かれたのは自業自得なのだけど、ちーさま的には納得いかないんだろうよ。
ちーさまの泣き顔可愛いから、フィルターなんかかけないでもっと泣かせよう。
しかし、妹の泣き顔を見て思わずフォローする悟浄君って実はシスコンだろ。
ちーさまって、あー見えても結構繊細なんだ。

自己愛の塊ちーさまの設定って渡航氏のアニマに潜む女性イメージの具現化かな。
こういうタイプの娘ってアニメキャラにしたら無惨なクズキャラで正直アニオタの敵だけど、リアル仮定の男目線ではどこか脆弱で危なっかしくって守ってあげたくなる魅力もあるよねw
ある意味、アニオタに挑戦状を叩きつけたキャラか。

兎にも角にもギャップ萌えした回だよ。

でもちーさまが何もしていないってのはちょい違う。
あの子は努力型の八重と京と違って天才ではなく【天才肌】なんだよ。
褒め殺しておだてればそこそこの仕事はするんだから、自分の黒歴史は封印してもっと妹のことをナデナデしてやりなさいよっ!

クズPのクズエグさから見ると、世間知らずのちーさまなんて可愛い存在じゃないかいw
結局、クースレは原作者も監督も壊して誰も幸せにはなれなかったけど、更に分割2クールとか死人出そうだな、これ。
そうそう、次回は水着回だよーん☆{/netabare}

第6話メモ「ゴージャスなメンタルの行き着く果ては?」
脚本:渡 航
絵コンテ:井畑翔太
演出:久慈吾郎、井畑翔太、胡蝶蘭あげは
総作画監督:木野下澄江
総作画監督補佐:石川雅一、西田美弥子
作画監督:西田美弥子、小川茜、徳永さやか、大村将司、洪範錫

今回は渡航氏脚本。
相変わらず、作監修正でクオリティを維持してるんだな。

右を見ても左を見ても非難ゴーゴーなこの作品。
社会人であれば、空気のように存在する薄汚さを見せつけられるのがそれ程に嫌なのか、それとも身に覚えがあるが故にブーメランと感じてしまうのか。

本作の表層を浚っただけであるとか、はたまた本作の世界観でもある社会の歪みを直視し、リアリズムへの立脚が可能か否かでも評価は大きく異なるようだ。

リアル社会で様々な辛酸を舐めているならば、本作を観て叩く理由などほとんどないとも思うが、社会経験がない層やアニメはかくこうあるべきとの信念、臭い物には蓋をすべきと考える偽善に立てば叩きたくもなるのかもしれない。
その意味で本作はユートピア社会を求めるポピュリズム階層に対してはドMな役割期待も担っているとも言える。

また、本作はあえて「天然クズキャラ」のちーさまを主人公に立て、登場各キャラの「本音」を抉り易い環境設定にしている点が大きな特徴だ。

一定の社会経験があれば身近にゴロゴロしているちーさまキャラの設定には「苦笑」で応じる余裕は保てるが、彼女の存在をポジティブに捉える事ができなければ、本作への理解も抵抗感という不合理な感情の介入で掻き消されるだけかな。

第6話まで視聴した限り、業界に纏わることの多くはネタで、全てを額面通りに受け取る必要はないでしょう。
また、一部に事実の摘示があっても、尺と演出の都合で大袈裟かつ矮小化されている程度の事は常識の範疇で理解可能であり、したがって本作の内容を以って業界総論とはとうていならない。
ま、本作をどう捉えるかの切り口によるが、社会の縮図としてみるとケーススタディとしての役割は十分に果たしており、社会学の教材としては応分の妥当性はあるだろう。

{netabare}今回、アバンからExcelの収支計算書。
前回赤字発表されたアニメ【製作】幹事社の収支内訳だが、原作使用料1話20万か。
これがラノベの原作使用料相場なのかな。
クースレ方式ならば話数に比例して使用料が増加するが、てっきり放送単位だと思っていた。
渡航氏のカミングアウトかもしれないが、いやいや面白いものを拝見したw
この後、ラノベ作家がデスられるが、渡航氏の自虐ネタが冴えていて面白い。

原作使用料負担の根拠
記事より引用
>日本文藝家協会の規約第25条の「映画制作及び上映等における著作物の使用料は、番組制作費や提供価格等を斟酌(しんしゃく)し、1000万円を上限として利用者と本協会が協議して定める」
ソース
http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2501A_V20C13A9000000?channel=DF280120166614&style=1

上記は映画の例だけど、渡航氏相場が高いか安いかや権利者が誰であるかは別にして、放送アニメでもさすがにタダは常識外かな。
仮にタダでも著作権(ラノベの場合は出版社所有が多い)があるから勝手には使えないだろし、タダならタダという契約も必要になる。

Aパート
赤字開き直りで予算使い込みくず企画クースレ御一行様沖縄到着。
ちーさまの私服、今回は変えているね。この服かわいいんじゃない。誰趣味?
其々の事情で浮かない顔の面々。
ちーさまは生の叩きが尾を引いているが、その他の事情は後々明らかになる。

で、こんな本作の水着回はどうであったかというと・・
ディオメディアよ1カットやらかしたかw勝ったな、ガハハ!
乳首描いていないからBPOは無問題ーってノリかな、いや私は全然構わないがw

この水着回のために劇中歌まで作成とはチカラ入っているね☆うん。
貧乳の百花がちーさまの貧乳を腐してたいるのが笑える。
悟浄君の説得で水着になった万葉のオッパが一番だったな。

使い込み予算が貧弱のゆえの旅行で、声優達は大部屋。
でも、ちーさま以外の声優の本音が出たこのシーンは面白い。
泡盛で盃を交わす京と万葉、悪酔いした万葉は山形弁丸出しでちーさまと百花とに絡む。
彼女達の共通の悩みが明るみになる。
ここを見ればED曲の歌詞の意味が分かるだろう。

すっかり酔っ払っ百花をえげつない枕投げで撃沈し、生での叩きからすっかり立ち直ったちーさま、この脳天気さがマジかわいいw
百花もJKのくせに酔っ払い達に付き合うとはさ、親の七光りに関係なく将来大物になりそうだ。

バーでのくずP&社長とマネージャー達の距離間隔イコール心理的な距離の暗喩演出はなかなか上手いね。
ある意味、詐欺師一歩手前のくずPだが、この程度の思慮の浅いチャラ男はどの業界にもいるだろう。

彼のスキルは押しの強さで、大手のPという立場を絡めて上り調子の時は営業上の利用価値は十分にあると思うが、価値がなくなれば捨て易いタイプでもある。
そのくずPを煽てて果実はしっかり頂く、うん、ナンプロ社長はなかなかの巧者w

Bパート
くずPに対する上司の・・から。
以後、声優部屋宴会では明らかにされなかった百花の憂鬱へと続く。
京や万葉から何かを感じとったのかな。
その後の暗喩が意味深だけど、これ次回以後の伏線だろうからここで見解めいたことは書かないでおこう。

一方リゾート気分のまま声優オーディションに臨むちーさま。
その後の打ち上げで現実を知ることになるが・・・負けたなガハハ!

悟浄君とちーさまの関係はクオリディアコードの霞と明日葉や、俺ガイルの八幡と小町との類似性もあるが、渡航氏のアニマはこういう兄妹関係がテンプレ化しているのかな。
大型テレビ当たった、、勝ったなガハハ!<そいうのはもち腐れって言うんだよ(草)

クースレの打ち上げ会場貧乏くさw
万葉の様子がおかしい・・また酔い潰れた、沖縄からの伏線が続く。

ちーさまが沢山いるよー!ちーさまの代わりも沢山いるよー!

地獄絵図ね・・ボソ・・壁のポスターが・・w

屍クースレ2期を捨て駒にしたくずP、勝ったなガハハ!

今回は伏線回収と今後の伏線と相当内容が詰め込まれた回だった。
これとフリフラの録画は同一回を最低2回は観てしまうのは何故だろうか。
おっと、予告がシュールで吹いたw{/netabare}
ちーさま負けたなガハハ!

第7話メモ「親の心子知らずでもないぞ」
脚本:菅原雪絵、渡 航 
絵コンテ:ひいろゆきな
演出:ひいろゆきな、井畑翔太、胡蝶蘭あげは
総作画監督:木野下澄江、石川雅一、西田美弥子
作画監督:加藤弘将、小川茜、伊集院いづろ、j-cube
{netabare}今回、脚本参加の菅原雪絵さんは、オーバーロードのシリーズ構成をやった方。
内容は万葉と百花の対比回であり、結構マジな内容で掘り下げも深い。
ちーさまは今回脇役に回ったが、親子の関係性は渡航氏には書きにくい脚本かもしれない。
また、今回は、親目線か子供目線かの年代によって、この作品を何としても否定したい印象操作を含めて視聴側のレビューも異なるだろう。

まず、声優という職業に子供が就くとなると大抵の親は反対するだろうし、これは私も例外ではない。
もし、娘がそんなことを言い出したらあらん限りの説得をする。
子供に妙な苦労をさせたくないのは大方の親の本心だ。
つまり、万葉のお母さんは親として普通の感覚の持ち主であることにシンパシーを抱くことがレビューの前提となる。

万葉は役者に憧れてこの世界に入ったのだろうが、それは両親のコンセンサスを得てはおらず、両親とも芸能人である百花との大きな立場の違いだ。
以前に万葉と百花の会話で、万葉は失敗すると後がない背水の陣で声優をやってる旨、百花にカミングアウトしている。

この万葉の答えを百花はどう受け止めたのであろうか。
ここから百花が両親に対する微妙な態度が始まったように思うし、万葉のプロ意識の原点も背水の陣にある。

子供に愛情がない親など基本的にはいない。
愛情の注ぎ方が其々異なるだけであり、愛情の受け止め方もまた異なる。
万葉は母の愛情を十分に理解しているだろうが、でもそれは今の彼女にとってとても重くまた負担に感じている。
そのことが、自宅やスタジオでとった彼女の天邪鬼な言動に如実に表れているが、乳離れしているようでまだしていない子供だなぁと思う。
親に心配をかけているうちは、自立したとは言えないんだよ。

対し、百花。
一生懸命に親離れを模索している最中かな。
万葉の生き方は彼女の人生観に大きな影響を与えているようだし、反面教師としてちーさまを見ている。

ここでは八重との会話に着眼するが、卑屈な八重の態度に「百花でいいよ」「そっちの方が気楽だから」にと両親のプレッシャーへの本音の吐露は、取り繕っている自分と等身大の自分との間に葛藤が生じたからであろう。

親の七光ではなく素の自分自身に存在価値を見いだし、恵まれ過ぎている自身の環境へ疑問を抱きだしたことは彼女の成長を意味する。
そして、環境に甘えている自分自身へのカウンターとして、周囲に甘えているちーさまに対し「ほんとこいつ馬鹿ね、私もだけど…」これは自身のアイデンティティに揺らぐ彼女の本心だろう。

ちーさまスマホの着信音と寝言(ずっと仕事ない)に吹いたwww

さて、本作はちーさまのキャラが濃すぎて他のキャラが相対的に薄くなりがちだが、物語はけっして、ちーさま視点で動いているものではなく、群像劇として観れば自ずと物語に対する視野が広がるし、多くのキャラにスポットを当て物語を組み立てる演出もなかなかのものである。
現時点では作画、演出、構成、脚本とも高レベルの作品だ。

各話レビューはちーさま萌えで記述しているが、親目線としては馬鹿な子ほど可愛いのも反面の真理である。{/netabare}
総評は群像劇としてレビューするつもり。

第8話
脚本:菅原雪絵、さがら総
絵コンテ:井畑翔太
演出:飛田剛
総作画監督:木野下澄江
作画監督:木野下澄江、石川雅一、加藤弘将、徳永さやか、小川 茜、大村将司、上野卓司、是本晶、陣内美帆、石田啓一、YuMinZi
{netabare}相変わらず、作監レベルでクオリティを支えているが、ディオメディアの本作に対する意気込みが感じられる。
一部動かないとの指摘もあるが、はて、日常アニメにモーションがそれ程必要なのかな?
寧ろキャラの表情や、ボディーランゲージのような微妙な表現にはユーフォ2並に手を抜いていないとも思う。
実際、この作品、意外と暗喩が多く、作画に自信がないとこういうコンテも出来ないだろう。
その点でも、無闇やたらに声優の演技に頼る会話劇とは一線を画した作り込みだ。
私的には物語の性質と鑑みて十二分に満足のいくレベル。

さて、今話はちーさま抜きで物語が進む。
こういう思い切った構成も好感が持てる。
今までは、悪巫山戯が多かったが、今話はガチで物語を組み立ててきた。
この緩急の付け方は巧みであるし、高度な構成力を窺わせる。
舞台は万葉の実家である温泉宿だが、クズPもしっかり同行w

しかし、クズPの排除はせず、咬ませ犬的に用いたのは次回の伏線を含めて上手い演出だと思った。
この回のメインは、万葉と百花と絆の深化、双方の親の意識の相違、不器用な万葉の父だが子を想う愛情の深さを万葉が再確認をして一つ皮が剥けたこと。
百花は自分探しの旅を万葉の里帰りに求め、今後の自分の方針に踏ん切りを付けたこと。
今話は万葉、百花の成長物語だ。
私的には万葉の父親の気持ちが痛い程分かるし、これほど感情移入をした回もない。
いや、ホント男親は不器用なものなんだってw

今話も前話に引き続き、菅原さんの脚本。
渡航脚本とは違う味付けで、本作の土台を崩さずしっかりと緩急を付けたシナリオは見事だ。
今後、他作品でも菅原脚本には注視していこう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 47

80.9 6 演技アニメランキング6位
昭和元禄落語心中 助六再び篇(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (488)
2198人が棚に入れました
八代目八雲に弟子入りして早十年、ひよっこだった与太郎もいよいよ真打に昇進。襲名するのは、八雲の兄弟子であり小夏の父親でもある「助六」の名だった。順風満帆のようにも見えるが、そうもいっていられない。落語はいまや時代に取り残されつつある。父親がいないまま母親となった小夏のことも心配だ。三代目助六となった与太郎は自らがたぐり寄せた縁をしょって立つことができるのか……?

声優・キャラクター
関智一、石田彰、小林ゆう、小松未可子、牛山茂、関俊彦、土師孝也、加瀬康之、須藤翔、遊佐浩二、山寺宏一、林原めぐみ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

大衆文化としての文化の寿命は五十年……三百年続いた大衆文化・落語の行く末は?

原作コミックは未読。

レビュータイトルの元ネタは作中のとある“センセイ”の“大衆文化論”から……。
近現代社会における伝統的な大衆文化、芸能を考えると、
とかく映画、テレビなどの刺激の強い娯楽の前に斜陽の文化。
今や風前の灯火……といった憂いを抱きがち。

けれど、昨今の落語ブームの最中……。
かつて落語を脅かした映画やテレビが、五十年の寿命を迎え、
大衆娯楽の主役から転がり落ちたり、岐路に立ったりしている。
そんな苦境の一方で、一部大衆から根強い人気を集めている落語。
その勇姿を横目に本作を観ると、落語の恐ろしいまでの底力、生命力を実感します。


よって、{netabare}八代目・八雲が如何に深い業を抱えた名人だったとしても、
一人の人生の総決算に、落語を道連れに心中するなど到底不可能。

むしろ揺るがない落語という見えている結末。
落語を受け継ぐ人々がどう生きていくのか?
そこに着目し、感慨を得る、私にとっては意義深い一時でした。{/netabare}


二期では{netabare}芸人とスキャンダルについても考えさせられながらの視聴。

私も例えば、ネット等で本人または家族に前科や問題行動のあった芸人等が
復帰するニュースが流れたりすると、
芸能界って甘い世界だなぁ~と、つい叩きに加勢して火遊びしたくなりますがw
本作を観た上で、“身体検査”で合格した者以外には芸の披露を認めない。
こんな世間の風潮を見ると、自らのことなど棚に上げて、
何とも雑な時代だなぁ~とため息が出てきます。

八話にて、{netabare}支援者の組長逮捕で八雲復活に水が差されるシーン。
世の中には単純な勧善懲悪とは別の、
あの逮捕を野暮だと思う感性のベクトルが存在する。
示唆に富んだ印象的なシーンでした。{/netabare}{/netabare}


落語の寄席を再現した声優陣の演技は今回もお見事。
完璧な芸だけでなく、例えば懸案を抱え、
緊張で滑りそうになりつつも、場を持たせる綱渡りの舞台等には、
こちらも冷や汗をかかされました。

さらに鮮烈な色彩による背景が印象的な作画。
林原めぐみさんのOP主題歌や、そっと上品に物語を締めるED曲など、
いずれも芸術的で格式が高い。


大衆文化としての文化の寿命は五十年との仮説に基づけば、
日本の漫画やアニメも寿命が尽きてそろそろ灯が消える頃……。
けれど本作くらいの作品が出て来れば、まだまだ延命しそうです。

日本漫画アニメ界のろうそくの灯はなかなかしぶといようです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

とある落語家の一生と繋いでいく先の物語…人間ドラマのアニメとして傑作

待っていました落語心中。2期は八雲と与太郎改め3代目助六の物語ですね。また、助六と小夏の関係や小夏の子供のこと、昭和元禄の意味など明らかになっていくのでしょうか。本当に楽しみです。

1話…真打昇進でも与太郎は与太郎
{netabare}八雲師匠と先代助六の壮絶な昔話から一転、修行積んできた与太郎がとうとう真打に昇進です。しかも、助六を名乗ることになった。しかし、時はバブルの絶頂期、落語は古いものとして敬遠され客も少なくなり、寄席は1箇所だけになっていた。1期で助六が言っていたことが頭をよぎります。
そんな状況でも与太郎改め助六は相変わらず。人たらしで周りからも好かれ、客席と仲良くなるような感じ。でも落語はちゃんと学んでいて、師匠にきちんとした対応で先代とは大違い。しっかり筋も通す。
小夏にできた子供を引き取り、小夏との生活を決めた助六。いったん決めたら動かない性格も変わりません。
助六の前に現れた人気作家の樋口。助六は樋口と飲み、樋口が先代助六を見ていたこと、落語に対する造詣の深さに興味を引かれ、意気投合する。樋口はかつて、菊比古時代に弟子入り志願して断られた彼だった。樋口が落語の生き残る道として新作を助六に提案し、助六も興味を持つ。
八雲に助六がまた一緒に住むことを宣言し、八雲は諦めにも似た感じで了承するが、新作落語は否定した。八雲は「落語心中する」といい、自分の代で落語は終わらせることを思っていた。

最初の話とはいえ、いきなり深い感じで入るところがいかにも大人のアニメを感じさせます。これをアニメには興味のない親友と見たのですが、すぐに1期を見ると宣言してしまいました。アニメというよりドラマです。人の心情の移り変わりとかどんどん展開されるのでしょうね。毎週楽しみです。{/netabare}

2話…助六のもがき
{netabare}助六の入れ墨写真が週刊誌に載る。過去がばらされTVでも批判される。気にしない助六だったが、レギュラー番組を降板させられたりして仕事が減っていく。助六はもうひとつ悩んでいた。自分の落語が確立できていないこと。先代助六のマネも見破られてうけない、八雲のような色気も出せるわけではない。寄席も盛り上がらない。
樋口に励まされる飲みの席に八雲が。そこで助六は師匠から励まされ、前を向き始める。助六が帰ったあと、樋口と八雲が会話する。八雲は樋口を覚えていた。樋口は驚くが、八雲に言う。八雲の落語を伝えていくこと、新作を作ること、八雲と先代助六の話を伝えることを。

常に前向きにしか生きていない助六も悩むんだな…当たり前か、ひとつの道を極めるのは簡単なことではないし。
八雲も少し変わってきているのかも。小夏の子供がキーになりそうです。そして樋口の言葉の重さ。まだ過去の話に続きがありそうな…{/netabare}

3話…はたして誰の子なのか?
{netabare}助六は稽古と子育てを繰り返す毎日。樋口に誘われ花火見物に来たら、料亭でに親分が来ることを知り、小夏を追いかけ料亭に。
親分に挨拶するも、小夏の子供のことで問いかけ親分にぶん投げられる。殺されるかもしれないと抑えられるも、小夏の子は俺の子だと啖呵きって出ていく助六。小夏の悩みを全部受け止める助六。
八雲と親子会を願う助六に、八雲は居残りを覚えろという条件を出す。そして助六の前で披露するが、それは八雲ではなく、先代助六の話そのものだった。

助六の男気、親分と女将の大人の会話、八雲の落語、濃くて面白く感動もあるというしびれる回でした。助六が少しずつ自分の落語を見つけて感じです。
一期が濃すぎたので、二期の助六はどうかなとも思ったのですが、なんのなんの、とてつもなく魅力的でひかれます。{/netabare}

4話…寿限無教団現れる
{netabare}5年後、子どもは幼稚園に通うようになっていた。助六は人気者になり、寄席も常に満席に。小夏は下座で働いていた。
ある寄せの帰り、八雲の車に樋口が乗り込んだ。新作を見てもらおうとしたが、原稿は八雲に破られた。しかし、樋口も引く気がない。
幼稚園で落語をすることになった助六。子供番組で人気になっていたのは助六が演じていた寿限無。子供たちはすらすらと言え、ノリが良い。そこで助六は小夏を舞台に上げる。戸惑いながらも寿限無を始める小夏。そして客が一緒にノリ、小夏は話しきった。

今回は不思議な感動を覚える回でした。助六が男前なのと、八雲の影の部分が対照的で、一体八雲に何があるのかを知りたくなります。もうひとつ、八雲が子供にメロメロなことにビックリ。そう来たかという感じです。
小夏は落語家になりたいと言っていたことを思い出しました。この流れはそうなるのか?{/netabare}

5話…そこに見えたのはあっちの世界なのか?
{netabare}八雲と助六の親子会が開かれることになった。やりたいといっていた助六だったが、さすがに戸惑いを隠せない。
親子会までの間、助六は居残りについて考える。樋口から居残りだけを集めたテープを借りて勉強する。全員が全員、違うことに気づき、自分の場合を考える。
親子会当日、八雲から近頃の行動について問われる。助六は半端だった背中の刺青に色を入れて完成させたのだ。これが自分の決意だと。そして、居残りも我を出すのではなく、空っぽにして楽しむのだと。
親子会、先に上がった助六は客席を爆笑させる。続いて八雲が「反魂香」を語り始める。八雲の名人芸とも言うべき語りで客席は引き込まれていく。香が焚かれ怪しい雰囲気が包み込む。幕引き直前に異変が起こる。八雲の前に現れたのはみよ吉、それでも最後まで演じ幕が降りる。その瞬間、倒れる八雲。八雲の前に現れたのは先代の助六、助六は八雲の首を絞めるのだった。

八雲師匠の語りが怪しく、枯れ具合も相まって、本当に引き込まれました。石田さん、すごいです。
助六は先代と同じで人を引き付けますが、根本的に違うことがはっきりしました。先代は「客を楽しませる」を第一にしてました。これに対して三代目は自分が楽しまなきゃという心境に至りました。面白い対比です。後半にかけて、この当たりをクローズアップしてくれると面白いなと思います。{/netabare}

6話…そして助六は助六の落語を見つける
{netabare}舞台上で倒れた八雲はそのまま病院へ運ばれた。慌てる助六と小夏。客はこの事を知らず、助六は残って落語を続けることにした。
助六は「居残り」を語りはじめた。枕なし、気も焦るなか、助六は演じ続けた。この話に客はどんどん引き込まれ、笑いが包み込んだ。助六の居残りは最高の出来だった。移動の車中、最高の出来だったのに八雲に聞かせることができず、助六は松田とともに泣いた。
病院へ着くと小夏と萬月が待っていた。八雲は心筋梗塞で、医学部出身の萬月の初期処置が良かったために一命をとり止めたが、意識は戻らなかった。
八雲の意識が戻らないまま一週間が過ぎた。助六は八雲の分まで働いていた。高座上がりの時、席亭から寄席の建て替えを話を聞いた。そこには歴史を積んできた建物への愛情が溢れていた。電車で移動する助六のもとに樋口がやって来た。樋口は助六の演じた居残りを褒め、八雲とも先代とも違う、新たな助六の落語を見たと話した。別れ際、先代のフィルムが残っている可能性があるとと伝えた。
その頃、病院では八雲が意識を取り戻していた。

あという間の30分でした。居残りは圧巻です。聞きやすいし、何よりアニメの良いところを活かした演出がニクいです。
先代のフィルムが残っているということは、真実に迫るということなんでしょうか。ひとつのクライマックスになるのかな?
関西で大きな地震…阪神淡路大震災のことでしょうね。ということは、平成7年か。あれから22年。八雲が生きていたら90越えていたことになるのかな? あの建物が残っていたら、確実に文化財だったはず。{/netabare}

7話…真実を墓場まで持っていくとはこの事を言う(神回)
{netabare}八雲が意識を回復したものの、引退を口にしていた。勝手に病室を抜けてベンチに座っている八雲のもとに小夏が訪れる。八雲は窶れていた。引退する大きな理由は口が回らないということだった。
助六は松田とともに樋口の誘いで先代のフィルムが残る四国へ向かった。あの場所、亀屋旅館だ。亀屋の従業員が迎えにきていて、樋口を「坊っちゃん」と呼び親しげにしたのを見て、助六と松田が驚く。樋口は幼い頃に父親に連れてこられ、以来、ちょくちょく訪れていた場所だったのだ。しかも、ゆりえ(みよ吉)のことも知っていたのだ。みよ吉は亀屋旅館の女中していて、そこから満州に渡り、先代八雲の妾となって菊比古といい感じになっていたと言うのだ。そして、樋口はみよ吉が入れ込んだ菊比古の落語を見て、落語家になろうとして挫折し、現在に至ったのだ。
フィルムが上映される。そこには若き日の八雲が楽しそうに落語を演じていた。そして先代助六のフィルム。助六は観客の一人になっていた。助六の芝浜を見て、助六は泣いた。先代助六は小夏とみよ吉と一緒にいた時間が幸せだったのだろうと。
上映後、みよ吉の墓に向かう助六たち。そこで松田から驚きの話を聞く。助六の本当の最後の話だった。真実は残酷で、みよ吉に刺された助六を菊比古が介抱しているところに松田と小夏が出くわし、小夏は菊比古が指したと勘違いしてしまったところにみよ吉が小夏に謝り、小夏はみよ吉を押し込んでしまい、転落して助六が飛び込み、ともに落ちていったということだったのだ。つまり、二人を落としたのは小夏だったと言うのだ。小夏は気を失い記憶の断片が残り、八雲を親の敵として育ち、八雲は真実を隠したまま小夏を育てたのだ。松田は助六と樋口にこの事を口止めするとともに、八雲の心を救ってほしいと願う。
助六が家に帰ると小夏が待っていた。助六は泣きながら小夏を抱き締めた。

本当に濃い回でした。過去のフィルムで久しぶりに先代助六の落語を見ましたし、若い頃の菊比古の話もたっぷり聞けました。そのフィルムの質感、見事な再現。それと、銀杏並木の落葉風景も見事な色彩でした。
先代助六とみよ吉の最後があまりにも残酷すぎて…。松田さんが小夏に誰の子供か分からない子を宿した時に見たこともないほど怒ったというのも、この事があったからなんでしょうね。なにも言わず小夏に敵と思われても大事に育ててもらった訳ですし。ただ、もうひとつ疑問が。松田さんが話したのは刺された後のこと。刺した瞬間は見てないんですよね。途中まで真実なら、みよ吉に心中迫られた菊比古を庇って助六が刺されたということになりますが、果たして?
それにしても八雲の枯れっぷり、見事です。この八雲見ていると、なぜか歌丸師匠思い出すのですが、歌丸師匠はアクティブなので全然タイプ違いますね…。萬月さんは鶴瓶師匠がモデル?
ともかく、この回はこの作品の神回です。本当にすばらしいアニメです。{/netabare}

8話…この師匠にこの弟子あり
{netabare}萬月師匠と小さな会場で落語会を行う助六。片付けを行う若者は助六の一番弟子だという。いつの間にか弟子を持つようになっていたのだ。
体調の優れない八雲、そんなときに樋口が訪ねてきた。樋口は過去の資料を八雲に見せ、八雲に自分の芸を残すべきと訴え、八雲が残したくないのであれば消去するという。
忙しく働く助六と小夏、河原で佇んでいたときに助六が八雲が歩いているのに気づく。駆け寄る二人に弱気な発言をする八雲だった。
八雲は親分と会っていた。お互いに年老いて、気弱な二人だが、親分は八雲の落語を見たいという。兄貴もまた同じだったが、松田さんが機転を利かす。
八雲と松田が芝居を見物したあと、松田は車を料亭の方へ向けた。そこには助六が待っていて、そこで一席を興じてほしいほしいというものだった。襖を開けると、そこには八雲と親しい面々が揃っていた。まずは助六が話を始める。それは「芝浜」だった。そう、先代のフィルムを見た助六が自分の話として興じたのだ。芝浜を演じられた八雲は心が疼いた、逃げられないと悟り、話を始める決心をした。そして話始めた瞬間、警察が現れそこにいた親分を逮捕した。容疑は銃刀法違反だった…

今週もずっしりと重くなる話でした。枯れ行く八雲に、どんどん前に向かっていく助六の対比がなんとも言えない雰囲気を醸し出しています。
助六が話すのは居残りかと思ったら芝浜、これはさすがにやられました。しかも、上手いもの。あの事を思い出しながら話す助六が涙流すシーンはグッと来ました。そして、ラストの逮捕のシーン…思わず金八二期の加藤が逮捕されるシーンを思い出したのは…俺だけでしょうね…。{/netabare}

9話…そこに現れたのは…死神だった
{netabare}親分は懲役6年だった。八雲、信坊と助六が揃って銭湯に行き、そこで助六が慰問の落語に行こうと八雲を誘う。八雲は刑務所の慰問落語を行う、話は「たちきり」だった。その話は受刑者たちの涙を誘った。話しのなかでみよ吉を見る八雲、それに気づく小夏、さらに小夏が気になる助六だった。
助六の落語会に顔を出す八雲。その途中で抜け出す八雲に樋口が問いかけるが、八雲の助六の評は散々だった。そして樋口に助六へ扇子を渡して欲しいと願う。その扇子は二代目が使っていたあの扇子だ。
ある日、寄席に八雲がやって来た。そこにいた萬月と小太郎を追い出し、一人で舞台に向かった。誰もいない場内、舞台の蝋燭に灯をともし、話を始める。「死神」だった。その語りはその後の流れを案じるかのような枯れはて、怪しいものだった。話が終わろうとするとき、その人が客席に現れた、二代目助六。二人は話し始める。その話の終わりに助六が八雲を捕まえ、甘いと言って蝋燭を客席に投げる。助六は死神に変わっていた。客席が火の海になり、死神に押さえつけられる八雲に、三代目が助けにやってくる。八雲は「死にたくない」と本音を言い、助六に救われる。

枯れていく八雲師匠に追い討ちをかけるみよ吉と先代の助六。覚悟を決めていたのに、最後の最後に死にたくないといった八雲師匠の本当の気持ちが見れて泣けました。ようやく八雲師匠が救われたのではないかと思いたいです。
ここのところずっと重たいのだけど、引き込まれっぱなしで、本当に1話が早いです。石田さんの枯れっぷりの見事さ、やっぱり中の人は大事だと改めて思います。{/netabare}

10話…邂逅…その後に待っているもの
{netabare}寄席は燃え落ちた。間一髪で救われた八雲は病院へ、助六は寄席の後片付けに。席亭から「元気でいりゃ落語なんざどこでもできる」「お前がいてくれて本当によかった」と声をかけられる。
桜の咲く時期、小夏と話す助六。いつものとおりの会話の中で、小夏のお腹には助六の子供が宿ったことを知り喜ぶ二人。
樋口と助六が落語について話す。新作は師匠の目の黒いうちはやらないという。そして、師匠と自分の関係について語る。
病院から戻った八雲。小夏と話す。小夏がこれまで見せたこともない、八雲への思いと感謝を語る。八雲の表情もこれまでに見たこともないくらい柔らかいものだった。助六の落語がラジオから流れ、笑う二人。そこへ信之助が元気に帰ってくる。静かで暖かい時が流れる。
そして、場面は突然変わる。廊下と思しき場所に倒れた八雲に、再び先代助六が近寄ってきた…。

この回は30分、涙溜めっぱなしでした。席亭の言葉、小夏と助六の子供が宿ったこと、小夏と八雲の会話と、八雲の表情。ようやく小夏と八雲が邂逅した感じです。枯れ果てた八雲が、なにかツキが取れたようなやさしい表情をしたのがすごく印象的で、なんだかんだ言いながらも先代とみよ吉の子供を育ててきて、ぶっきらぼうでも、ちゃんと分かってくれたことが嬉しかったのか、本当に泣けました。
それにしても、またもや先代助六が現れたけど、今度ばかりは嫌な感じです。だって、次回予告に人物登場してないし…せっかく生き延びて、ようやく穏やかになれたというのに…。{/netabare}

11話…別れは悲しまないように
{netabare}倒れた八雲に寄ってきた先代助六は言う「おめぇさん、死んじまったんだよ」と。そう、ここは死後の世界への入り口だった。助六から死んでしまった理由が聞かされる。穏やかだった午後のひとときのあと、様態が急変し、逝ってしまったのだという。
助六から三途の川の渡船場を案内される。そこは賑やかな街場だった。人生全うした人は懐が多目に渡されすぐに渡れるのだが、助六は少ない上にあの性格である。懐が貯まるわけがなかった。
ここは死後の世界。容姿も変えられるということで助六は信さん、八雲は坊となって昔の二人の会話を始める。風呂場では助六と菊比古になり、会話のなかで助六が刺された本当の理由がさらりと明かされる。助六は小夏を残したことを悔いていたが、菊比古が育て上げたことに感謝した。
風呂上がり、みよ吉が助六のもとに来て文句をいう。そこに菊比古が居たもので助六を差し置いて二人っきりになり会話する。みよ吉は明るかった。そして、助六を大事に思っていた。菊比古の後悔はすうっと消えた。
助六が菊比古とみよ吉を連れて寄席に向かった。なんでも燃え落ちた寄席がここにやって来たのだという。そこには鬼籍の名人たちの名前がずらりと並び、連日演じられているのだという。早速「八代目八雲」の名前があり、八雲はやれやれと思う。
助六が舞台に上がり、話を始める。みよ吉と菊比古の間に子供の頃の小夏が座る。なんでも、最も話を聞かせたい人が一人座れるのだという。場を盛り上げる助六の落語。小夏もみよ吉の膝に座りニコニコ笑っている。
助六のあとを菊比古が話すことになる。助六のあとは嫌だという菊比古に、助六は背中を押す。菊比古は意を決し、八雲の姿となって話を始める。八雲が話を聞かせたかったのは信之助だった。
いよいよ八雲が三途の川を渡るときがきた。助六と八雲、永遠の別れである。二人はまたいつか会おうと約束し、船出する。船頭は松田さんだった。驚く八雲だったが、松田は八雲を見送るのが仕事だと言ってにっこり笑った。

悲しいはずの別れをこのような表現にするとは…かえって泣けました。助六と菊比古の話が全て繋がって、これで二人の物語が終わるんだなと実感しました。
二人のやり取りとみよ吉の話し。全てがきれいにまとまって、本当にいい話です。
最後の最後に松田さん、まさか連れていっていなよね?
もう一話、かなり現代っぽいけど、何年先のことなんだろう。どんな終わりかたにするのか、楽しみでもあり、寂しくもあります…{/netabare}

12話…大団円!この先も繋いでいく物語
{netabare}話は現代に進む。成長した信之助と八雲が亡くなったときには小夏のお腹にいた小雪は高校生になっていた。信之助は落語家になっていたが、どうやら天才と騒がれ、10人抜きで二つ目に昇進していた。
レコード会社との打ち合わせをすっ飛ばし、小夏からこっぴどく叱られる信之助、そこには樋口も同席していた。新之助と小雪が帰った後、樋口から八雲全集が完成しそうだと聞かされ、それに伴う評伝の内容で、どうしても小夏に確認しておきたいことがあったらしい。それは「信之助はひょっとして八雲の子供なのでは?」ということだった。小夏は八雲のことを語り「本当のことは墓場まで持っていく」と言って真実は話さなかった。
新しい寄席が完成し、また、助六は「九代目八雲」として大名跡を継ぐことになった。お練は神輿担いで賑やかに、いかにも与太らしいお練であった。寄席のこけら落とし。口上も軽やかに、これからの落語会のことを明るく話す、本当に明るい未来を描いている感じが伝わる。
先を務めたのは「五代目菊比古」こと信之助だった。そしてトリは「九代目八雲」である。死神を話す。そのクライマックス、八雲が見たものは先代だった。「お前にも見えるようになったかい、哀れだねぇ」と話しかける先代。ハッとなり締める八雲だった。
興行も終わり、桜を眺める八雲と樋口、それに松田さん。松田さんは95歳になっていた。これまでの思い出を話し、良かったと語る松田さん。
樋口と八雲、樋口は先代のことを、そして、与太のことを云々語るが八雲は流す。たった一言「こんなおもしれぇものが無くなるわけねぇべ」と言って。

終わった…。墓場まで持っていくと言った小夏。信之助の本当の父親のこと、先代助六の本当の最後、小夏も与太も互いに墓場まで持っていく話はあれど、たぶん、二人とも知りたくないだろうし、最後まで知らないままでいいのだろうと思います。この話には面倒なことは抜きにして進んでいく展開が似合います。にしても、信之助の姿が若いころの菊比古に似せたのがなんともね…
「助六が八雲になる」これは大きなテーマのひとつだったと思うのです。初代も二代もできなかったことを三代目で成し遂げた、与太郎という人物だからこそ成しえたのだろうと解釈します。
樋口が言っていた「一人で潰すこともできれば、一人で復活させることもできる」これは重い言葉だったなと思います。本当にそうですね、どこの世界にでもある話ではないかと思います。
これで千秋楽。すばらしい物語でした。{/netabare}

まずはこれをアニメにした製作陣に大拍手を贈ります。また、命を吹き込んだ声優陣にも大拍手です。中の人たちが一人でも違っていたら、まったく別の作品になったことでしょう。パーフェクトな陣容でした。

ちょっと感動しすぎて、何を書いたらいいのか戸惑っています。内容について書こうとしても、登場人物に書こうとしても、何を書いても陳腐な感じがして、少し間をとって、もう一度1期から見直して、加えようかと思います。

とある落語家の一生と出来事。昭和から平成をまたいだ時代の移り変わりも加わる人間ドラマです。ドラマ好きの人が見て損は感じない作品に仕上がっていますので、多くの人にお勧めしたいアニメです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 41
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

第1期に比べるとだいぶ完成度が落ちるけど、なお独自の見所がある作品です。

2016年1-3月に放送された第1期は、落語の世界を舞台とする独特の作風で随分面白かった記憶があるのですが、その丁度1年後に放送されたこの第2期は、視聴前の期待値が高くなりすぎていたこともあって、主にシナリオ面で些(いささ)か失望してしまいました。

その第1期の方は、個人的に3周コンプまでして、レビューもやたら長くなってしまいましたが、この第2期は、1周しただけで「もういいや」という気分になってしまい、このままだと内容を忘れていく一方なので、記憶に残っている範囲で簡単にレビューしておきます。


◆主なマイナス・ポイント

やっぱり

(1) シナリオに色々と{netabare}ヤクザ(※反社会的暴力集団){/netabare}が絡んでくる点と、
(2) あからさまな{netabare}精霊会議(というか幽霊会議){/netabare}をやっちゃった点。

・・・かな。
個々の回のシナリオは相変わらず見所が多いのだけど、個人的にはどうしても、この2点で全体シナリオには第1期ほどの高い点数は付けられません。

そして、それに加えて

(3) 第1期の大詰めで描かれた{netabare}「助六(信さん)とみよ吉の違(たが)え心中」が、本当は事実ではなくて、八雲(菊比古)が小夏を庇うためについた嘘だった{/netabare}・・・というエピソード(※第7話)を見たときに、何だか丁度自分が前作で一番驚嘆してしまったシーンについて、いきなり卓袱台(ちゃぶだい)をひっくり返された!みたいな残念な気持ちになったこと、
(4) 第1期のときのように、落語ネタに紛れて{netabare}歌舞伎の助六心中ネタ{/netabare}を用意周到に作中に忍び込ませておく、といった芸の細かさが、今回は見当たらないこと、

・・・も若干のマイナスとなりました。


◆逆にプラス・ポイント

落語の世界を舞台とする独特な作風・・・という点で、前作と変わらずやっぱり大きな視聴価値を有する作品と思っています。


《結論》取り敢えず第1期をお試し視聴してみて、もしそこでハマった人なら、その後日譚という位置づけで一回は視聴して損のない作品です(※つまり、第1期は強くお薦めできる作品ということ)。


◆制作スタッフ
{netabare}
原作コミック     雲田はるこ
監督         畠山守
シリーズ構成     熊谷純
キャラクターデザイン 細居美恵子
音楽         澁江夏奈
アニメーション制作  スタジオディーン{/netabare}


◆各作品タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

====== 昭和元禄落語心中 -助六再び篇- (2017年1-3月) ======
{netabare}
第1話 ★ 与太の助六襲名披露、樋口先生(ひーさん)、落語界の死神、未練
第2話 ★ 与太(助六)のスランプ、二人会での失態、八雲師匠と樋口の再会
第3話 ★★ ヤクザとの因縁、与太の男気、父親、八雲師匠の「居残り」 ※あからさまなヤクザネタは流石に×
第4話 ★ 人気噺家助六、信乃助の成長、古典と新作落語、小夏の高座
第5話 ★ 師匠との親子会、「反魂香」、八雲人事不省(みよ吉・先代助六の幻影)
第6話 ☆ 与太の「居残り」、雨竹亭の建替え話、八雲意識回復
第7話 ★ 樋口と百合絵の縁、徳島の上映回(八雲師匠、先代助六)、心中事件の真相 ※卓袱台返し・・・
第8話 ★ 料亭やな島の一席(与太の人情もの(芝浜))、吉切組組長逮捕
第9話 ☆ 鈴ヶ森刑務所慰問会、八雲の一人落語、死神、雨竹亭炎上、未練
第10話 ☆ 小夏懐妊、与太と信之助の「のざらし」、八雲と小夏の和解、冥途の渡し
第11話 ★ ※ここで精霊会議!(シュールな展開で違和感強いが見所はある回)
第12話 ★ 八雲没後17年(小雪高校進学)、雨竹亭開席(五代目菊比古、初代小助六、九代目八雲) ※ラスト花川戸を歩く助六(与太)で締めは◎{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)8、☆(並回)3、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.1

OP 「今際(いまわ)の死神」(第2話、4-10話)
ED 「ひこばゆる」(第4-10話)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

72.0 7 演技アニメランキング7位
千年女優(アニメ映画)

2002年9月14日
★★★★☆ 3.9 (447)
2163人が棚に入れました
芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。

声優・キャラクター
荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、徳丸完、片岡富枝、石森達幸、佐藤政道、小野坂昌也、小形満、麻生智久、遊佐浩二、肥後誠、坂口候一、志村知幸、木村亜希子、サエキトモ、野島裕史、浅野るり、大中寛子、園部好德、大黒優美子、山寺宏一、津嘉山正種

shisune さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

だって私…

主人公の藤原千代子の半生をインタビューを通して思い返していく、というお話。
場面の移り変わりがおもしろいんですが、若干混乱しました(最初だけ)。
千代子の一途な恋心がなんとも言えません。

物語のラスト、おもいっきり、監督に突き飛ばされましたね~。
五キロくらい吹っ飛ばされた気がしました。
まさに衝撃のラストです。
最後のシーン、思わず声に出してしまいました(笑。
ものすごい裏切りです。

なんといっても今敏監督。万人におすすめできる良質のアニメーションです。
ほんとに、もっともっと監督のアニメを見たかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

千年を納得させる女優の回廊

今敏監督作。

本作は大女優千代子に、取材を行い談笑しながら物語が進まれる。名女優ゆえ、めったに取材に応じないが、何かを開ける鍵を渡すため訪れた取材陣。ただ話はソファーに座りながら、その一女優の出演作を時代と合わせ、女優の年齢の順に流されていく。

本作の面白い所は、何の前触れもなくその映画の世界に入り込ませ、そんな中、取材者2人も同じ世界に入り込み取材を行うという疑似パラレルな展開。それを現代の取材時間(ソファーでの取材)と、疑似パラレルの取材時間(映画の中)を唐突に移り変えて、時間の感覚をずらしてきやがる所。

最初の出演作で女優になる決意をした彼女と同じように、見てる側にも映画(本作)を見る価値ある、風な演出ほどこし、彼女は恋人を探して疑似パラレルの幾つもの世界を渡り歩くことになる。

出てくる疑似パラレルは、関東大震災、満州、戦時中の投獄等々。時代劇からSF風までの彷徨う時の回廊。ここが社会派アニメ的にも魅せられ、深みみたいなものを感じるし、勘ぐって社会派としても見ちゃった回廊。

疑似パラレルの変化を通して様々な役をこなしながら幾つもの物語を魅せてくるし、取材野郎も役者としても噛んでいたりして、一癖あるドキュメンタリーなのか、ロマンティックな恋なのか、社会派アニメなのか、鍵という伏線によるサスペンスなのか、と、いうフェイクらしいものを入れてくる。

「現在の取材による時間」「様々な疑似パラレルによる時間」
「疑似パラレルの中で経過する役と年齢」「演出のフェイクによる感情変化」
そんな側面を持ちながら、一つ芯を通した鍵と恋。だがその芯にも癖演出。

千年を感じさせる為に用意された幾つもの疑似パラレルやメッセージ的フェイクは、重みと不思議な軽さを伴った、心が安堵したような悲しい心地よさに包まれた。私ごときが、ことの顛末まで書くのは野暮ですなこりゃw視聴して頂きたい一作。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 37

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

淡くて激しくてしたたかな

とある大女優が自分の人生を“恋心”という部分に焦点を当てて振り返る、という物語。

終始インタビュアー&カメラマンの二人組みとの会話~回想シーンという映像が続くのですが、女優ということで、回想を映画の演技シーンになぞらえて、さらには回想にも二人組が入り込んでくる、という、実験的で、かなり奇抜な映像表現がこの作品の特徴です。

これ、本当に面白い表現だと思うし、この題材とこの表現を組み合わせることを前提にした脚本は完璧すぎるぐらいうまいんですけど、回想と演技のシーンを重ねるということは、どうしても視聴者にとっては感情移入の妨げになると思われます。
回想に入り込んでくる二人組も、説明役、場面転換のアクセント、と効果的な働きもしているのですが、やっぱりこれも感情移入したい人にとってはノイズになってしまいます。

ということで、映像表現としてはとても面白いのですが、同時にあまりの奇抜さに面食らってしまって、全く作品に入り込めない、ということになる可能性もあります。
私の場合は初見がそうで、2回目に観たときにやっと落ち着いて観れました。

あとは感情移入を求める人も注意が必要です。
感情移入できないこともないですが、かなり女性向け、しかも対象年齢高め、と、ものすごく観る人を選ぶ作品です。

とはいえ、今敏さんの作品は、アニメーションという媒体に対してのアプローチがあまりにも個性的で、多くのアニメ作品とは全く違ったベクトルを持っているので、合う合わないは別として、「こういうアニメもあるんだ」と、観ておいて損はないと思いますよー。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

70.9 8 演技アニメランキング8位
スキップビート!(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (347)
1706人が棚に入れました
高校にも行かず日夜バイトに明け暮れる主人公・最上キョーコは幼馴染であるロックミュージシャン・不破尚と同居し、生活費を一人で賄っていた。歌手志望で家出同然に上京した尚に献身的に尽くす事が無上の喜びだったが、尚がデビューし超人気歌手となった後は次第に距離が開いてきていた。
そしてついにある日、自分が単なる家政婦代わりに上京させられたことを知り、あっさりと別れを告げられる。捨てられてしまったキョーコは失意の中で尚に復讐すべく、芸能界入りに挑戦する決意を燃やす。執念と根性で無理を通し、尚の所属するアカトキと並ぶ大手芸能プロダクションのLMEの新人発掘オーディションに参加し審査員の意表を突き、一次審査を通過する。しかし続く二次審査で愛する心と愛されたいと思う心が欠けている事を露呈してしまい、落選してしまう…。

声優・キャラクター
井上麻里奈、小西克幸、宮野真守、早水リサ、川中子雅人、石井康嗣、今野宏美

GenesisATN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

引き込まれる

いわゆるシンデレラストーリーに分類される、オシャレに疎かった主人公が見事に化け、芸能界入りをするという流れの話です。

この作品のひとつの魅力として、主人公がブラックだというところです。
NARUTOでいうところの、内なるサクラのような心理描写が面白いです。
表ではいい顔をして、心の中ではどす黒い考えをしているような、そういったイメージです。

しかしながら、そんな主人公でも根っからの悪というわけでもなく・・・。

というように、主人公の心の成長も見所のひとつです。

笑いあり、感動ありの作品です。

男性でも抵抗なく観ることのできる少女マンガ作品なので、アニメが気に入った人は漫画もオススメです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

sakura さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

芸能界サクセスストーリー♪

少女漫画原作ですが、子どもから大人まで男女ともに楽しめる作品で、とてもお勧めです☆
根気強く元気いっぱいのヒロインが、周りを惹き込み成長していく姿に、とてもワクワクしました。
主人公を取り巻く人たちもそれぞれに魅力的で好感が持てます。
笑いあり、ラブあり、感動ありの楽しいアニメです♪

中だるみや詰め込みすぎも感じることなく、全話楽しむことができました。
ただ一つ残念なのは、これからという所で終わってしまったことですね。
放送終了当時は二期を期待してたんですけどねぇ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

motty さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

思わず原作を買った。

こんなにも面白い少女漫画原作のアニメを見たのは、本当に久しぶりでした。
アニメは中途半端なところで終わってしまうので、そのままの勢いで古本屋に直行して、漫画を全巻大人買いしてしまうほどに面白かったです。
芸能界に入って主人公が活躍していくという、どこかにありそうな話なのに、他の漫画にはない面白さがあります。
普通の少女漫画にはいないような主人公が、毎日一生懸命奮闘している姿に、エールを送りたくなるのと同時に、何故か笑ってしまいます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

61.0 9 演技アニメランキング9位
こえでおしごと!(OVA)

2010年11月17日
★★★★☆ 3.4 (308)
1502人が棚に入れました
いたって普通の高校生の女の子である青柳柑奈が16歳の誕生日を迎えた時に姉の弥生からバイトをやらないか?と頼まれた仕事がエロゲの声優だった、、、。ひとりの普通の女の子の声優サクセスストーリーが、今始まる!

だんちょー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

あれ?想像してたのと違う。

OVA全2話。

1時間程度なので、まぁまずは見てくださいwww

開始10秒で吹きました。そしてこの作品ちゃんとR-18指定されてますよね?www

声優さんの仕事の話なのですが、まさかエロゲ声優の話だったとは・・・

『声だけで景色を見せられる声優』すごく素敵なことを言ってるんですが、内容が・・・ けしからん!まったくけしからん!

MAKOさん・・・ 『かみちゅ!』ではあんなに私を癒してくれたのに・・・

この作品では違う意味で癒してくれましたwww

まぁ嫌いじゃないんですけどwww

この作品を見て、声優さんって大変なんだなって思いましたよ。

とりあえず、お子様には決して見せないで下さい。

また視聴するときは必ず1人のときに見ること、壁の薄い部屋の方はイヤホンを推奨しますwww

最後に・・・ 私はこの手の作品は『嫌いじゃない』と補足。『好き』とは言ってないぞ。

7/21 若干訂正。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 32

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

18禁じゃないの?

開始6分の地点でエッ~!!!!?と思わせる驚愕な展開でした。
声優に恥ずかしい事を言わせているアニメで思いつく作品は「生徒会役員共」。
しかしその作品が薄くなるほど、このアニメは生々しく過激なエロアニメです。
とはいえ18禁には分類されていない・・・。
制作会社も「ストライクウィッチーズ」や「咲-Saki-」などを手掛けたスタッフが独立して今では「Aチャンネル」を制作している会社。
気になる声優陣は、「かみちゅ!」や「宇宙をかける少女」の主人公を演じた「MAKO」の他、名前を出されてもイマイチわからないがそれなりに有名なアニメ作品に出演している人と新人声優で構成。
これから察するに18禁と同じ部類ではないのだが、実際見てみると18禁としか思えない・・・。
恥ずかしい演技を声優にどんどんさせています。
主人公を演じる「MAKO」は美少女アニメキャラのような可愛い声を出すので、その恥じらう姿にすごくドキドキです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「かみちゅ!」の「一橋ゆりえ」が大好きな人への挑戦状 B+

原作未読

私の中では、数あるアニメキャラで五指に入れても良いくらいのキャラが「かみちゅ!」の「一橋ゆりえ」なのですが、この作品を見てかなりのショックを受けてしまいました。この作品の主人公・青柳柑奈(かんな)がゆりえと同じ声優さん(MAKO)だったのです。予め成分を確認しておかなかった私が悪いのですが、知っていれば見なかったかもしれないです。

ただし、この作品を全面的に否定するつもりは毛頭ないです。ストーリーそのものは、奇抜な展開は特になく、余り惹かれるものは感じませんでしたが、短いながらもキャラの成長も描かれており印象は悪くはありません。エロゲの声優という役回り上それなりの描写が多いということに引っ張られて、物語自体の評価を困難にしているという感じですね。

本作の見所(というか聞き所)は9割方声優の演技です。内容からして、18歳以上の男性にしかお勧めしづらいのですが、MAKOさんのプロ根性には素直に脱帽です。エロゲーの存在そのものを許容できるのであれば、女性であっても視聴してみる価値はあると思います。プロとは何かという視点で見ることさえできれば、決して悪い作品ではありません。

ただ、私自身、かなりのショックを受けたということは、どこかエロゲーの声優さんを見下していたところがあったのだと思います。しかし、この作品には、エロゲー声優という仕事に誇りを持っている登場人物もいて、そのキャラが放つ台詞には重みを感じました。役者でもそうですが、汚れ役の一つもできないうちは一流にはなれないと思います。きっと、粉骨砕身の思いで働いている声優の思いは、この作品だけではとても伝えきれないでしょう。

結果的には、見てよかったと思っています。MAKOさんが主演でなければ、多分そうは思わなかったでしょう。表面的に切り捨てられても仕方がない作品だとは思うのですが、一方で、製作者側の強い思念が潜んでいる作品なのだと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

85.3 10 演技アニメランキング10位
かげきしょうじょ!!(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (503)
1480人が棚に入れました
未来のスターを目指し、輝く舞台へ情熱をそそぐ歌劇少女たちの〈青春スポ根ストーリー〉!!大正時代に創設され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。“オスカル様"に憧れる、178cmの長身を持った天真爛漫な少女、渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田 愛。何もかもがバラバラな彼女たちの、希望と葛藤に満ちた音楽学校生活が今、幕を開ける──!!
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

懸命に頑張る歌劇少女たちの群像劇

未婚女性のみの劇団員を育成する「紅華歌劇音楽学校」での少女たちの奮闘努力を描いた物語です。
主人公だけでなく多くの人たちの喜び・悲しみ・成長を描いています。


渡辺 さらさ(わたなべ さらさ)は紅華歌劇音楽学校の100期生。
彼女は幼い頃に歌舞伎役者を目指していました。
でも歌舞伎役者には男しかなれません。
だがら彼女の今の夢は、紅華歌劇団でオスカルの役を演じること。
それは言い換えれば、紅華歌劇団でトップを掴みとることを意味しています。

奈良田 愛(ならた あい)は、さらさと同じ部屋で同学年の少女。
彼女は国民的アイドルグループのメンバーでしたが、ファンに暴言を吐いたためアイドルグループを脱退しました。彼女は過去のトラウマで男性恐怖症だったのです。

さらさは178cmの長身で力持ちですが、誰にでも笑顔を振りまく明るい少女。
彼女の無垢な笑顔は、まるで天使のように可愛いです。

愛は多くの男性が振り向くほどの美女ですが、笑顔をつくることができない冷めた少女。

この対照的な二人が、物語前半の主人公です。
そして後半は…


オープニングは、sajiが歌う「星のオーケストラ」元気が出る歌です。


エンディングは『星の旅人』。さらさと愛が歌っています。
とても迫力がある美しい歌です。
このエンディング、注意して聞いていると、いろんな人たちが歌詞を変えて歌っています。

第四幕、第十幕のエンディングは 杉本紗和と山田彩子が歌う「シナヤカナミライ」でした。

第五幕のエンディングは 山田彩子が歌う「My Sunset」です。{netabare}

第五幕は、山田彩子が主人公
美しいソプラノの歌声を持つ彼女は無理な減量により心と体を壊してしまいます。
そんな時に懸命に励ましてくれたのが小野寺先生。
小野寺先生の愛情ある指導に、けっこう胸が熱くなりました。

どんなにつらくとも、やめてしまったらそれで終わりです。
あきらめなければいつか歌劇団の大階段の真ん中で歌い、誰よりも真っ先に拍手をもらう日が来るかもしれない。
小野寺先生のおかげで立ち直った山田彩子は、その可能性を信じて頑張ります。{/netabare}

第八幕のエンディングは 星野薫が歌う「薔薇と私」です。{netabare}
 
第八話は星野薫が主人公ですが、彼女は頑張り屋さんです。

薫は、母親も祖母も有名女優。
いつも母親や祖母と比べられますが、薫にはそのような才能はありません。
でも彼女は歌劇が大好き。だから頑張れます。何度つまづいても頑張ります。
彼女のそのひたむきな生き方は、ある男性を立ち直らせることができました。
それは、ささやかな出来事ですが、とても素敵な出来事でした。{/netabare}

第九幕のエンディングは 沢田千夏と沢田千秋が歌う「薔薇と私」でした。{netabare}

第九幕は、千夏と千秋の双子姉妹が主人公です。
二人は何をするにも一緒。とても仲良しです。
でも同じ役を希望しても、役は一つしかありません。
ジュリエット役をやった千秋が憧れの野原ミレイと楽しそうに話しているのを嫉妬した千夏は、いつの間にか冷たい態度をとるようになります。そして思わぬ事件が起きます。
二人は、初めてケンカをします。
でも、離れ離れになると、やはりお互いが愛しくなります。二人はやはり仲良しです。

今回は、さらさが名フォローを何度もしてくれます。さらさがいると明るくなりますね!{/netabare}

第十二幕のエンディングも、杉本紗和と山田彩子が歌う「シナヤカナミライ」です。{netabare}

第十二幕でオーディション前に自信のない彩子を励ました紗和の言葉には、力強い説得力と優しさが感じられました。

男性と付き合った経験のないジュリエット役の彩子に対して、自分も人を殺した経験などないがティボルト役をすると言い放ち、未経験という点では同じだと安心させます。
さらに、失敗することを恐れていると必ず失敗する。そして、人よりうまくやろうと思っても失敗する。だから、今、自分にできることを精一杯しなさいと励まします。さらに、彩子は可愛いと誉めちぎり、自信を持たせるのです。

紗和に励まされた彩子は、見違えるほどのびのびと演技します。
勝ち抜くためには、ダメもとでもアピールしなければ始まらない。
彩子は自分にそう言い聞かせ、見事に役を演じ切りました。{/netabare}

第十三幕のエンディンは…、まさかのsajiが歌う「星のオーケストラ」でした。{netabare}

第十三幕では、さらさが活躍しますが、私はこの幕の主人公は杉本紗和だと思います。
紗和は、予科生の委員長。入試ではトップ合格したほどの実力の持ち主です。
品行方正で非の打ちどころが全くないのですが、紙一重の差で、さらさにティボルト役をとられてしまいます。
くやしい。泣きたいほど悔しいはずです。でも、彼女は泣きません。
さらさに嫉妬することもありません。それどころか、役に選ばれたさらさや彩子に対してケチをつける人たちから彩子やさらさを守ります。
紗和は、本当に心の清らかな人でした。

それでも紗和は、破天荒なさらさがうらやましいと感じます。
でも、紗和はさらさにのような性格になることはできません。
そんなときに、本科生委員長の竹井朋美(たけい ともみ)から悩みを見透かされ、そして励まされるのです。
「努力に裏打ちされた実力は、決して自分を裏切らない」
紗和は朋美の言葉により、自信を取り戻します。そして新たな目標を見つけるのです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 69

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

食わず嫌いを反省中

<2021/9/29 追記>
最終話見ました。
「萌。その一言で腑に落ちる」
確かにそれはわかるー 笑。

例えば「腐女子のつづ井さん」読んで学んだのですが。
女性はもしかしたら男性以上に萌えに飢えてんじゃないか

その対象が
・男性アイドルならジャニーズとか
・王道の少女漫画とか
・ヒーローなら仮面ライダー俳優とか
・舞台なら2.5次元とか
・BのLとか
・アニメなら・・・たくさんありすぎてわけわからん 笑
・そして「ヅカ」

それらは全てリビドーの根本を辿ると同じ気はするんですよね
(同じにするな!と怒る声が今にも聞こえてきそう 笑)
とりあえず、その欲望は男より広く深いと思う。

という考察は置いといて。

本作は素晴らしい。

「一つ一つに真摯」

これに尽きます。

<2021/8/16 初投稿>
原作未読
6話まで見ました
評点は中間評価です

本作、事前の評判が良いことは聞いていたものの、1話をちょっと眺めたら宝塚
そちらの世界には全く興味なかったので脱落したのですが

予想以上にあにこれで評判が良い

都合よくATXで見逃しキャッチアップ用の再放送があったのと
最近の新型コロナ感染再々々々拡大で家にいる時間もさらに増えたこともあり
見てみましたよ

やー面白い!
面白くてびっくりしました。

正直いうと、やはり少女漫画全開の世界はやはり居心地悪く感じます
でもそんな気分を吹き飛ばすようなパワーを物語に感じます
エピソード一つ一つは王道な展開だけど王道は大事。
腕と才能がある人がしっかり王道を描ききるとすごい作品が生まれることありますし

キャラもいいですね
群像劇のように沢山出てきますが、人の顔覚えるの苦手な自分でもすぐ覚えられた
これはキャラ作りが上手いことの証。

というわけで、ただ今、自分の食わず嫌いを反省中です。。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 57

Dave さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

神戸より愛をこめて

神戸に住んでいても宝塚なんてまったく興味なかったし、少女向けアニメかなって期待してなかったけど…ごめんなさい、これ最高です。早くも1話にてずきゅーんとハートを撃ち抜かれました。良作は1話目で掴みに来ますね、なにこれめちゃくちゃ面白い。気付いたらWikipediaで宝塚を調べていました。骨太のストーリー、丁寧な演出、キャラクターの掘り下げ、明らかに一級品。一話ごとにきちんと見どころがあって、それぞれのキャラクターにしっかりと個性と背景がある。好きじゃなかったキャラクターが一番好きなキャラクターになるとか、最高でしょ。

宝塚音楽学校、もとい紅華音楽学校に25倍の倍率を突破して入学してきた少女たちが、スターを目指して切磋琢磨していく物語。スポコンものといって差し支えないと思うんですが、大きく違う点はあくまでも個人戦なんですよね。仲間であってライバルでもある色んな才能にあふれた少女たちが、正々堂々と勝負して高みを目指していくのが圧巻。それぞれに決して譲れない目標をもって、絶対にライバルには負けないというヒリヒリした想いでぶつかっていきます。そこは基本的に弱肉強食のシビアな世界。でも、お互いに好敵手としてリスペクトしているからこそ、清々しい勝負に視聴者はくぎ付けになります。

すずしい顔をしていても、誰だって順風満帆ではない。特に選ばれた者たちばかりが集まる場所では、絶対の強者はいない。妬みを言うのではなく、腐るのでもなく、ただひたすら真っ向から勝負に挑み続ける少女らの姿に、心が震えます。負けたときには悔しさに涙しながらも、しっかり上を向いて「おめでとう」とライバルに言える、そんな「清く 正しく 美し」い彼女たちを応援したくなりました。

彼女たちの下には、ステージに立つこともできなかった1000人以上の少女たちがいます。実際、宝塚に限らず、トップに上り詰めるのは並大抵のことではないでしょう。紅華(宝塚)に入ったってトップになれるのは一握り。それでもひたむきに努力しているすべての彼女たちに、乾杯!

神戸を素敵な作品の舞台にしてくれてありがとう!
2期を神戸在住の家族全員で心待ちにしています!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 41

74.0 11 演技アニメランキング11位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (262)
855人が棚に入れました
悪夢は終わらない。 絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。 ジャガーノートとの闘いのさなか、奈落に消えたベルとリュー。 行き着いた先は、全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵――『深層』。 満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。 迷宮決死行の渦中、五年前の後悔に苛まれる妖精はかつての仲間を追憶する。 一方、ベル不在のパーティの前に現れたのは、双頭の巨竜アンフィス・バエナ。 破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が全てを呑み込む。 希望も光明も失われた迷宮で、冒険者達が辿る運命は幕切れか、それとも…… これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、過酷に満ちた【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダンジョンRPG視点で見て、良い感じでカビ臭くなってきた

引き続き原作ライトノベルは未読。

【物語 4.5点】
これぞ迷宮(ダンジョン)。
展開はハードで、お気軽異世界ファンタジーが量産される昨今のトレンドからは外れており、人は選ぶが、ダンジョンRPG好きには断然オススメ。

2期、3期と、意外と迷宮に潜らなかったので、ヤキモキさせられました。
ですが、一方で、ここまでダンジョンRPGの諸要素を巧く設定・シナリオ化しているとの手応えもあり……。

例えば……
{netabare} ・迷宮を巡るパーティー間競争→ファミリア間の抗争、駆け引き。
・倒されたモンスターが転生しながら無限POPする迷宮の異様→「人造迷宮ークノッソスー」建設者の狂気。
・迷宮内の“友好的なモンスター”への対応を巡る相対的な善と悪→冒険者たちから迫害される「異端児-ゼノス-」を助けることにした【ヘスティア・ファミリア】{/netabare} etc.……

そこにダンジョン愛を感じることができていれば、「迷宮決死行ーデスパレートー」となるこの4期分割2クール目は、迷宮の醍醐味を収穫できる至福のひと時となる。
信じて視聴し続けて本当に良かった。


構成は、満身創痍で「深層」に落ちた主人公ベル・クラネルと“疾風“のエルフ、リュー・リオン。2人の脱出サバイバル。
「下層」にて“英雄”ベルを失いパーティー瓦解の危機を抱えながら、ベル救出か撤退かの狭間で揺れる仲間たち。
かつてリューを襲ったパーティー壊滅の悪夢の回想。
3本柱のプロットで迷宮(ダンジョン)とは何かを徹底的に思い知らされる最悪で最高な{netabare} 四{/netabare} 日間。

中級以上のパーティーにとって一番恐ろしいのは落とし穴(シュート)からの格上モンスターによる数の暴力(また、そういう敵に限って仲間を呼ぶんですよw)

本作の決死行には、次エンカウントしたら絶体絶命。一歩進むのにも手に汗握る。
迷宮の緊張感が見事に再現されており、私も『Wizardry』シリーズ等でやらかした時のトラウマも思い出し悶えながら視聴しましたw


ダンジョンRPGで最も脳汁が出る瞬間と言えば、
パーティー全滅の危機を、普段は気にも留めないアイテムやシステムをフル活用して切り抜けた時。

この観点からグッと来たのが、{netabare} ヴェルフ即席の鍛冶による《魔剣》生成と反抗。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

率直に『ダンまち』も視聴者の選別も進み、1期に比べたら話題性も収益性も落ちているはず。
それでもアニメ化し続けてくれる同スタジオ。この律儀さが有り難いです。

「深層」“白の迷宮”のムードを演出した、くすんだ色彩選択も印象的。
ここもまたグラフィックの変化と共に緊張感が増す迷宮の魅力を伝えていました。

ドロドロ、ネバネバな迷宮サバイバル食の数々。
大体ダンジョンに飯テロを求めるなんて間違っているんですよ。
{netabare} 腐った死体から漁った傷んだポーションでも、スライムの粘液{/netabare} でも、飲める物は何でも啜(すす)って生き残らなければなりません。
(でも{netabare} リューさん先輩面して、絶叫するベルくんにゲテモノ喰らわせておいて、結局、自分は口付けませんでしたよねw{/netabare} )


そして、ベルくんとリューさん。装備大破して裸同然となった男女の脱出劇。
ある意味、豪奢な大鎧より難しそうなボロを纏ったキャラを粘り強く描写し、サバイバル感を盛り上げる。

それにしても、こんな危機的状況でもラノベ的ラッキースケベに遭遇してしまうベルくんw
第21話。{netabare} 肌を密着して濡れた身体を温め合う2人{/netabare} の描写には不謹慎ながら欲情しそうにw
ただ、あの場面はリューを縛り付けていた恐怖と贖罪意識が淡い恋慕により溶解する重要なカット。
決して安直なサービスシーンではなかったです。


【キャラ 4.0点】
“例の紐”も“ヴァレン某(なにがし)”もまともに登場しない。
メインヒロイン飛車角落ちで大丈夫か?となった4期。

ヒロイン枠のリューも終盤まで謎だらけでヘスティアやアイズには遠く及ばない印象。
ですが「深層」を彷徨い、リューの過去が深掘りされる内に、
ベルくん争奪戦でも強力なヒロインに化ける。

リューが過去に所属した【アストレア・ファミリア】のメンバーたちも、モブではなく確立され、リューの人格に深みを与えていました。
“正義”に関する問答が、上述のダンジョンにおける相対的な善悪とも混じり合って味わい深かったです。


モンスターでは迷宮(ダンジョン)の仕組みを脅かす輩に災厄をもたらすジャガーノートの異端性。
まるで『不思議のダンジョン』の死神みたいな番人ぶり。
期待する目的から外れた冒険者たちの言動は許さない。抵抗する間もなく瞬殺する寒々しさ。
大迷宮を創造した者の強烈な意志と狂気を想起させられる手強い一体でした。


【声優 4.5点】
リュー役の早見 沙織さん。
トラウマが積み重なった人格を好表現。
「深層」より深い人間表現ができる。その上デレると、とびきり可愛い。
清楚ボイスだけじゃない。はやみん流石です。

ベル・クラネル役の松岡 禎丞さんは今回も良く叫びました。
痛恨の一撃に、毒味に、不可抗力的スケベシーン。何でも叫べる。
「貴方は尊敬に値するヒューマンだ」


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の井内 啓二氏。
本格的に迷宮の絶望を掘り下げる深章に合わせて選曲も重厚化。
リューが諦めて贖罪にかこつけた自己犠牲に逃避しようとする度に、
手を差し伸べるベルを奮起させるように鳴り響く「英雄願望」のメインフレーズ。
シビれました。

OP主題歌はリュー役・早見沙織さんの「視紅」
ED主題歌はsajou no hana「切り傷」
いずれもリューの心境を捉えたバラード。

“一緒に帰ろうって決めた 優しい陽だまりへ”

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

悪夢は絶望へと続く――迫り来る厄災の脅威 妖精の脳裏に蘇る追憶の光景 間違った私に「正義」はもう…… 過酷な「現実」に抗う少年と妖精の決死行

この作品の原作は未読ですが、アニメ版は本編、劇場版、OVAと一通り視聴済…
かと思ったら、第3期のOVAは未視聴でした。

本来なら、OVAは円盤を購入した方への特典なのでしょうけれど、最近は配信サイトでOVAが視聴できるようになっています。
第3期のOVAもdアニメストアで配信されていましたので。

まぁ、棚の目につくところに置いておけば、そのうち気になって視聴するでしょう。
自分のことながら、この安直さに時折辟易することもありますが、きっとこればかりはもう治しようもないと思いますので^^;


悪夢は終わらない。
絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。

ジャガーノートとの闘いのさなか、
奈落に消えたベルとリュー。

行き着いた先は、
全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵

――「深層」。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
迷宮決死行の渦中、
五年前の後悔に苛まれる妖精は
かつての仲間を追憶する。

一方、ベル不在のパーティーの前に現れたのは、
双頭の巨竜アンフィス・バエナ。

破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が
全てを呑み込む。

希望も光明も失われた迷宮で、
冒険者達が辿る運命は幕切れか、
それとも……

これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、
過酷に満ちた【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

振り返ってみると新章・迷宮篇だって相当過酷な展開の連続でした。
でも今回の深章・厄災篇を見てしまうとこの印象は大きく変えられることになります。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
公式HPのINTRODUCTIONには、少年と妖精の置かれた状況をこの様に表現していました。
ですが、目の前に繰り広げられる惨劇は、こんな言葉に置き換えられるほど
易いモノなんかじゃありませんでした。

時間の経過に伴い、どんどん死に引っ張られているのを身体全部で感じざるを得なくて…
1分1秒…その場に留まる時間が長引くほど恐怖が加速度的に増していく…
きっとこれまで、これほどの身の危険を感じたことは無かったのではないでしょうか。

ですが、こんな人生の最後を迎えるような状況であるにも関わらず、悠長な感傷に浸る暇なんて二人には微塵もありませんでした。

「殺らなければ殺られる…」

そのために存在するのがこの深層なのですから…
だから、例えここで二人の冒険が終わってしまったとしても少しも不自然じゃありませんでした。

主人公は死なない…
そんな暗黙のルールが通用する様な甘い場所じゃありませんでしたので。

だから考えるのは、次の瞬間のその一手…
自らの身を挺して仲間を逃がす…そのためなら何をも厭わない鋼鉄の意志の赴くままに動く…
かつての仲間に自分がして貰ったように、今度は自分がその役目を追う番だとはっきり認識できる。

でも、ダメなんです…
もう一人が二人で一緒に帰るんだの一点張りで、握った手を放してくれないんです。
それに、未だ早いとかつての仲間も認めてくれず門前払いでしたので…
色んな思いや願いが幾重にも繋がって、人間の生へと続いているのを実感します。
だから人は生に執着するのかもしれません。

身体中が痛くて前に進むのが苦しい…
誰でもこういう場面には遭遇すると思います。
ですが、途中で諦めてしまったら、もっと違う痛みと苦しみに苛まれることになるのを、無自覚で無意識ですけれど私たちの本能が知っているのかもしれません。
これだけでも十分に頑張る理由になると思うんですけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、はやみんによる「視紅」
エンディングテーマは、sajou no hanaさんによる「切り傷」
歌い手さんが新章のオープニング・エンディングと入れ替えになっていました。
最近、ちょいちょいはやみんの楽曲を耳にする機会がありますが良きですね~
今度の楽曲も大好きでした。

1クール全11話の物語でした。
視聴には痛みと苦しみを伴いましたが、それ以上に仲間の絆と信頼を感じることができたと思います。
人には変わらない部分と変わる部分が存在していて、その案配は人それぞれで決して否定するモノではないことを実感させて貰いました。

続編…は私が心配することではありませんよね。
必ず制作されると確信していますので^^
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

シリーズ全体の構成を崩してしまった感じ。最終話は??設定いいの??

ラノベですらしんどくて長く感じたこのパートを2クールですか…

{netabare}  最初に言っておくと、この作品の大ファンです。ラノベは当然ソードオラトリア含めて全部持っていますし、通しで何度か読み返しています。アニメも3期までは大満足で視聴していました。

 で、この4期にあたる部分なんですけど…しんどすぎるでしょう?ラノベで文字で読んでいても本当に辛かった。爽快感がないというか、遊びがないというか。話は想像つくと思います。彼の性格から言ってリューを見捨てるでしょうか?

 ただ、辛い。ひたすら辛くて、痛くて、先が見えなくて、暗くて、しんどい話が延々続きます。アニメ化大丈夫かなあ、という懸念がそのまま表れています。

 この部分、8~9話くらいに縮めて作った方がいいのでは?と思っていた懸念がそのままの形でアニメの出来につながっています。1クールだとそれだけで終わるなあと思っていました。緩い部分も混ぜて欲しいですからね。
 それが2クールです。もちろんこのしんどさを表現するのに2クールかけて作られるのがうれしいファンもいると思います。が、私は原作の時からここは長すぎると思っていました。

 3期の重要で最高に面白い部分をちょっと物足りなさを感じますが、1クール12話でテンポ良くまとめたのになぜ???という感じです。だったら3期目のところを16話とか18話で作って欲しかった。あるいはソードオラトリアの続きでもいいでしょう。あっちも面白いのに出来が…という不満があります。

 この先面白くなるだけに、なんとかならなかったかなあ?5期目大丈夫かなあという不安がでます。

 1回断念します。あとで見るとは思いますが、4期…うーん。ラノベとアニメの媒体の違いを消化できなかった気がします。{/netabare}



 結局最後まで見ました。原作読んで感じていたより2人がボロボロじゃないのはアニメだから?
 原作は胸をかきむしるようなこれでもかというきつい描写でしたが、その辺はマイルドになっていました。 あのコロシアムのところとかもっともっと絶望的だったからこそ、ベルの行動が感動的だった気がします。
 それだからこそ言いたいのは、やっぱり長すぎです。

 このパートはリューの素性とベルへの気持ちを自覚するパートでじっくり描きたいのはわかるのですが、しかしリューそのものが本筋では完全に脇役です。魅力的だし役割は重要なキャラですけど。
 重要キャラのアイズもフレイヤもあんまり出ないしなあ。


 そして、最終話ですけどアレ、原作勢からするとちょっとおかしくないかな?ネタバレになるので言い辛いですけど{netabare} 「豊穣の女主人」のメンバー…〇〇とヘスティア様が同じ場所にいて {/netabare}いいのかなあ???という気がしました。直接顔を合わせた描写ではないですけど、明らかに同じ場所にいましたよね。1期から丁寧にそこは気を付けていたのでは??

 うーん。やっぱりシリーズ全体を通じての構成がいびつになったなあ、このパートを2クールはちょっと飽きるかなあという感想になります。ここで躓かなければいいけどなあ。

 評価は高くつけられません。特にストーリーはアニメとしては爽快感やカタルシスが弱いわりに、最後の描写が温かったです。また2人の絶望からのカタルシスやリューの気持ちなどが伝わってこなかった気がするので2にしています。また、2より下は付けづらいので声優で調整してます。お二人の演技が悪いわけではないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

70.7 12 演技アニメランキング12位
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (250)
678人が棚に入れました
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて......。 その言葉を政近も聞き逃しはしない。 なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ!! 気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。 そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。 ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は——!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

1話 足の指の作画がすごい。それとOPEDは一見の価値あり。

{netabare} お隣の美少女系のラスボスなんでしょうか。結構題名は聞いた気がします。だからでしょうか、作画はいいですね。動きはそうでもないですが造形は綺麗だと思います。

「なんでこんなやつがモテるんだ」系ご都合主義ハーレムラブコメではあるんですけど、ロシア語で独り言を言うという設定はなかなか面白いですよね。思考が読める一種のテレパシーものに近い感覚です。

 作画・キャラデザは顔はテンプレなのはいまいちです。髪もつやつやしていいんですけど、髪がなびかないのは良くないですね。あと、アホ毛はそろそろやめましょう。
 太ももは今時らしく結構太ましいかな?絶対領域の質感はそれほどでもないです。
 ですが、足指の作画が綺麗で驚きました。CGモデル…ですよね?最近は区別がつかないので何とも言えません。違うのかなあ…とにかくヒロインの足指の形状は素晴らしかったです。

 それとOPEDのアニメの凝り方もすごいですし、EDアニメの作画スタッフは「#01エンディングアニメーション」となっていたし、キャラソンだったので、毎話変えてくるんでしょうか?だとすると相当気合いが入ってます。絶対領域の質感も本編よりいいです。このEDだけでも見る価値はあるかも。

 ということで、本作は見る気がなかったのですが、他のアニメの続きでいつの間にか始まったので見始めたら、結構見るべきところがあってちょっと驚きました。 {/netabare}


2話 アーリャのMプレイが主体?そして毎週1パンツ。

{netabare} 本作の見方はアーリャがいじめられるMプレイを堪能するということでよろしいでしょうか?
 心の内面を公開され、苦手の辛いものを食べさせられ、着替えでも恥ずかしい恰好を見られる。そういうマインドを計算しているのかどうかわかりませんが、無自覚やられ萌えキャラとして愛でる感じです。それと毎週1パンツかな?
 恋愛は今のところおまけかな。生徒会がらみと家族関係でストーリーは作るのでしょう。

 そうそう、妹=幼馴染設定はかなり強引ですが、これもアーリャの勘違いでヤキモチプレイの一環なんでしょうか?

 今週のEDは曲を知りませんでした。もうちょっとメジャーな曲でお願いします。まあ、一応調べましたけどね。

 あと、試着室の着替え…20分43秒のアーリャの四つん這いのポーズですが、脚のデッサンおかしくないですか?かなり違和感がありました。

 視聴継続は…まあ、ありかな。話が展開するまで見てみたい感じですね。{/netabare}


3話 あれ?パンツとロシア語のデレは?

{netabare} 出会いとデレを入れないと説得力がないのはわかります。わかりますけど、どうしてこう理に走るんでしょうね?アーリャの性格はわかりますし、文化祭のところの裁縫のところまでの心情は結構共感できます。

 一方で政近の解決方法はちょっと…いやかなり不自然です…裏での暗躍とクラスのメンバーの動きが想像できません。つまり、2人の関係性を作るための虚構感をものすごく強く感じます。「ごめん」のところはわざとらしすぎて身もだえしました。なぜ、童貞妄想系のラノベはこういう理屈を作るかなあ…と本当に余計なことを…という感じでした。
 
 そしてその後のアーリャのデレの心の動きが理解できませんでした。これを入れるくらいなら出会いは「遅刻食パン」の方がましかもしれません。2人って幼馴染だったんですよね?もうちょっとそっちの話を利用すれば自然な展開になるのに…そうだ、そもそもロシア語設定があるんだから、アーリャの気持ちを先取りできて惚れられるでいいじゃないですか。これだとロシア語が出オチになってしまいます。

 今回の展開で特に主人公の作り物感がものすごくでました。もっと薄いキャラにして視聴者が自分がそこにいたら…という妄想にふさわしい薄いキャラにすればいいのに、と思いました。

 真面目に言えば、シリアスをやるならそれなりの覚悟が必要です。アーリャにその性格造形を持たせた以上、それをテーマにした話を展開できるのでしょうか?できないなら入れるべきではないエピソードでした。

 ということで、評価はがた落ちです。がた落ちですが、来週ちゃんとルーティンのパンツとデレがあれば許しましょう。そう…大事なのは型です。

 でEDは「みゆき」のOP?ED?忘れましたが「想い出がいっぱい」ですね。私の印象だと別れの曲のイメージなんですけど、この作品の結末がそうなる暗示なんでしょうか?
 毎週歌は聞くと思いますが、中途半端な展開だと継続はどうしようかな、と思い始めてきました。 {/netabare}


4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

 うーん、話が面白くないです。1,2話は結構面白かったんですけど。エロシーン云々というより、4話のサッカー部と野球部のあれはなんですか?何か感心するところとかありました?
 
 普通高校のグラウンドの予約なんて曜日ごととかで決まってだろうとか、あれだけでかい高校でサッカーと野球のグラウンドが競合しているんかい!という突っ込みはさておいても、解決方法になんのヒネリもないです。アーリャがウニャウニャ言っていたのを政近がはっきり伝えただけでは?手伝いというのはありましたけど…

 生徒会室の問答もこいつら何言ってんの?としか思いません…なんでしょう、ドラマがないというか、エピソードで見せてよとしか言いようがないです。あのシーンで面白い・感動・感心・ほっこりなどの感情の動きはまったく感じませんでした。

 3話の中学生が文化祭でお泊りで準備するとかいう話もそうでしたが、無理やり作った政近スゲーの話がまったく刺さりません。3,4話って話の流れとして非常に不自然で、単にアーリャを下げて政近を上げるためだけの話でした。

 これは正直想像以上に面白くないです。EDのチョイスも良くわからないし。失礼ながら声優さん、決して歌が上手いわけでもないし。

 これは…一旦切ろうかな…アーリャは可愛いですが、話が決定的に面白くないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ツンデレじょうずのアーリャさん

男性向けのハーレムラブコメ

でもこれはラブコメなのか?
ラブコメ見てるはずなのに、チートアニメを見ているような気分

アニメのデキはとても良くて、しっかり美少女達の可愛さを引き出せていますね

隣の席のクールビューティー美少女が日本語ではつれない言葉だけど、ロシア語では大胆にデレていて、実はロシア語理解している主人公がドキドキするラブコメ・・・なんだけど、次々とキャラの濃い美少女が表れるし、主人公は実は超ハイスペックで学校で無双して美少女たちにモテモテな様子はまるでなろう系主人公のよう
主役はアーリャさんのハズなのに、どんどん影が薄くなっていきます・・・

話はホントに学園版なろうって感じで特に面白くない。
相手に通じてないと思ってただストレートに気持ちぶっちゃけるだけで、ロシア語なんておいしいネタをうまくいかせてないのも勿体ない

でもかわいいからそれで充分でしょ、知らんけど

1話からミニスカートで靴下履かせて~って言いだして切ろうかと思った

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

むしろ生徒会選挙に惹かれて後追いした視点のレビュー

無気力な主人公高校生男子にツンツンしながらも、バレないようにロシア語でデレている同じクラスで隣の席のメインヒロイン。
が、実は幼少の頃、ロシア人少女と交流があった主人公はロシア語のデレを理解できていて……。
同名小説(Web短編版、ライトノベル版共に未読)の連続アニメ化作品の1期目(全12話)


【物語 3.5点】
夏アニメ放送開始当初から、『ロシデレ』初回から盛り上がっているな~と横目でチラ見しつつ、
“〇〇さん”系に関しては私はお腹いっぱい。

本作もバレてない外国語のデレがバレていて……という風味は特徴的ですが、
刺激的なのは最初だけで、あとはユルくてじれったい日常の掛け合いが続いていく。
頬杖をついて微笑みかけてくる、如何にもなメインヒロイン・アーリャのビジュアルからして、
量産型〇〇さん系なのだろうなどと、
世間に背を向ける、持病の天邪鬼を発症し、様子見を決め込んでいた私。

興味が出てきたのは、放送中盤以降。
アーリャが主人公男子のサポートで立候補を目指す生徒会会長選挙がストーリーの軸となって、
当初のようなツンデレなどラブコメの安定供給を期待していた一部視聴者からコレジャナイと脱落者が出ているらしい。
(あとは{netabare} 催眠術{/netabare} などエロがハイレベル過ぎて付いていけないとかw)
など色々と雑音が聴こえてきたから。

私はむしろ、ただデレデレするだけの凡庸なラブコメかと思っていたが、
本作には生徒会選挙を通じて作者が伝えたいテーマがあるのでは。
消費され使い捨てられるだけでは終わらない、残る芯がちゃんとある自分好みのラノベアニメなのでは。
と、またぞろ逆方向に天邪鬼が発症し、夏も終わる中、後追い視聴し始めた次第。


その生徒会選挙。
学内民主主義が盛んな私立征嶺学園の校風もあってか、
内容は会長候補と副会長候補がコンビで戦うことを重視する。
相当先の本選に向けて、事前の評判を左右する学生議会での討論バトル、実質立候補者演説となる終業式の生徒会挨拶など、予備選ポジションのイベントが長いスパンで続いていく。
米国大統領選なんかも彷彿とさせる本格的な選挙戦マラソンレースが1期では完結せず、
制作決定した2期も続いていく。

選挙に向けた“政治劇”も、私心を満たすためのハリボテ政策提言。
噂の流布や、時に{netabare} さくら{/netabare} も使う聴衆への印象操作。
本音と建前を使い分けるダーティーな部分も結構、描写されており。

これはなるほど、アーリャのツンデレで息抜きしたいと思っていた視聴者の中には胃もたれする人も出てくるわと納得w


が、生徒会選挙には、やる気を無くしていた主人公少年が、
何事にも本気なアーリャに惹かれて、全力を出すことを思い出していく。
ラブコメの根幹にも関わる要素が示唆されており、私は好感触。

何より私自身が選挙権取得後、国政選挙投票は皆勤する(今週末も当然行く)
薄汚い政治茶番劇も含めて、選挙戦見ると血が沸き立つ選挙大好き人間ですから。

2期も選挙戦目当で、是非視聴したいです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・動画工房

手描き感重視の柔らかいタッチには工夫を感じますが、
作画カロリー自体は安定はしているが及第点くらいかなとの印象。
が、ラブコメで肝要なヒロインが可愛いという部分は譲らないという信念は好感できます。

私との相性で言えば、キャラクターデザインの室田 雄平氏。
アニメ版『ラブライブ!』無印のキャラデザで、私の推しであるロシア系のエリーチカ含めて、
散々私を萌え殺してくれた御方がデザイン調整したヒロインズには、
私の本能が逆らえません。
(余談ですが、アーリャといい、エリーチカ妹といいロシア女子はお汁粉を飲み物扱いするものだという風評被害の拡大が止まりませんw)
氏のデザインで躍動するヒロインズの瞳のキラキラは本当に綺麗ですね。
(据わったジト目も含めてw)

作画4.0点まで上げるダメ押しとなったのは全12話毎回違うEDアニメーション。
OPも含めて、様々な衣装で目の保養になったアーリャら萌えキャラファッションショーには、
どうもごちそうさまですといった心境です。


【キャラ 4.0点】
個人的に一番惹かれたのが主人公少年の久世 政近。
典型的な、普段やる気ないけど、本気出したら無双する系の主人公。
ただ、こういうキャラって恋愛にも無関心、鈍感なことが多いのですが、
彼の場合は、上述の通り、幼少期の初恋体験と挫折経験が、かなり至近距離にある模様なのが特徴的。
今後、恋と選挙がどう絡んで彼の真意が明かされていくのか、2期以降も目が離せない主人公です。

メインヒロインのアーリャ。
ロシア語デレこそ個性的だが、二次元世界では何処にでもいるフツーのツンデレといった感じで、
私にとっては第一印象は意外と薄かった彼女。

正直、途中までは、会長選でも最大のライバルとなる周防 有希(ゆき)の方が、
キャラクターとしては面白かったくらい。
中等部で政近と組んで生徒会長も務めた清廉さと、裏のゲスい表情。
そして{netabare} 政近の実妹としてオタクトークも絡めながら、兄にグイグイ迫る{/netabare} さらなる裏の裏の本性と、
ウラオモテが激しすぎて衝(笑)撃的でした。

が、有希を始め、裏表を器用に使い分けるキャラが続々と投入され、周囲を掻き回す度に、
終盤になるに連れ、裏表の少ない真っ直ぐなアーリャの
(単にロシア語でデレるのを隠せない程、不器用だとも言えるが)
無色透明なピュアヒロインとしての価値が浮き彫りになって来た感じ。


政近とアーリャの“ロシデレ”が掛け合いの中心ですが、
政近は他の女子との絡みも面白かったです。
特に、ほんわかした外面を被ったアーリャ姉・マーシャにペット犬扱いされる政近が微笑ましかった?ですw

興味深かったという面では政近と宮前 乃々亜。
共に副会長候補として、アーリャと谷山 沙也加という不器用者の会長候補を支えるためには、
駆け引きや印象操作で手を汚すことも厭わない者同士の会話からは、渋い味わいが滲み出ていました。


【声優 4.0点】
ヒロイン・アーリャ役の上坂 すみれさんは上智大学外国語学部でロシア語を専攻しており、
“ロシデレ”にはうってつけのキャスト。

よく日本語は世界で一番難しいと言われますが、
それは文字の種類の多さや、SVO(主語、動詞、目的語)からSOVにひっくり返す文法などの話であって、
発音パターンに関しては日本語はかなり少なくてシンプルな方。

欧米圏における無声音と有声音の聞き分け、使い分けなどは日本人の私には勝手が分からず苦労しますし、
中国語の四声(せい)とかリズム音痴な私には厳しいですし、外国語発音って誠に難しいですが。
ロシア語に至っては巻き舌が多用されるため、私には本当にムリ。
ロシア語とか、聞いているだけで舌がもつれそうになりますw

ロシア語監修が萌えキャラに寄せて、優しい印象の発声を意識してくれたとのことで、
本作のロシア語はまだ巻き舌控え目なのかな?と思っていましたが、
クライマックスの終業式挨拶での上坂さんは巻いてましたね~。
最近の声優さんの多芸ぶりを改めて思い知らされました。


『ぼざろ』結束バンドのメンバーは、他作でしばしばコンビで出演したりしますが、
本作では谷山 沙也加役の長谷川 育美さんと、宮前 乃々亜役の青山 吉能さんが、
会長&副会長候補ペアとして主人公ペアの前に立ちはだかりました。
視聴者にもシリアス要素でプレッシャーを与える演技で、また違った色を出してくれました。

裏表が多いキャラ同様、色んな声を使い分ける声優さんもまた奥が深いです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は堤 博明氏。
〇〇さん系の日常・ラブコメ対応に関しては『高木さん』で勝手知ったる同氏。
本作は舞台がセレブも通う高校とあってか、優雅な旋律も目立った印象。
もっとも{netabare} 「誰でも出来る催眠術入門」{/netabare} ではキッチリと縦笛の音程を外してコメディ対応して来ますがw


主題歌はヒロイン・アーリャのリサイタル。

OP主題歌「1番輝く星」
常に上を目指して研鑽する中で芽生えるこの感情は恋心なのか?
ヒロインの性格や葛藤を的確に捉えたアップテンポナンバー。

ED主題歌は往年のカバー曲が中心。
こうしたカバー企画は、第5話・MONGOL800「小さな恋の歌」や、第9話・いきものがかり「気まぐれロマンティック」など、ゼロ年代のJ-POPが中心になることが多い印象。
ですがアーリャさんは初手からフィンガー5「学園天国」(1974)を仕掛けて来るなど、
昭和歌謡曲に、ボカロ曲やアニソンとレパートリーが多彩でした。

時にいきなり出サビで、キャッチーさを重視する昨今の音楽トレンドの中で、
第7話・小田和正さんの「ラブストーリーは突然に」の長~いイントロをTVサイズに押し込んだ編集にもこだわりを感じました。

でも結局、私が映像含めて一番良いEDだなと感じたのは、
最終12話のオリジナル曲・「ハナモヨイ」
お花見シーズンに聞き返してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

80.4 13 演技アニメランキング13位
映画大好きポンポさん(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.2 (202)
632人が棚に入れました
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

声優・キャラクター
清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隈亜衣、大塚明夫
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

🏅クレイジーなくらい活きが良い映画と対峙する喜び

“ニャリウッド”にて映画監督に憧れる根暗なアシスタント青年が、
敏腕プロデューサーの“ポンポさん”に抜擢され、
映画人としての階段を駆け上がって行く。

元・深夜ショートアニメの没企画を、
pixivでコミックとして公開した同名作品の劇場版。
(鑑賞後、無料公開部分を閲覧)

【物語 5.0点】
泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がかっこいい。
2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽としてやさしくない。

映画制作物ということで、登場人物に、
理想のエンタメ論を代弁させる本作自体が、有言実行してみせる所が、
格好良すぎて感動します。

作中、理想の編集を求めて七転八倒する新人監督に報いるように、
序盤の何気ないシーンを終盤に回収する伏線芸、
劇中劇内の人物と制作者をシンクロさせる心情描写
など、映画好きならこれくらいキャッチできるよな?
と受け手の想像力も信じて、リアリティより夢のある映画実現のために培われて来た
脚本、編集の秘術を次々に投げ込んでくる快刀乱麻ぶり。


見た目はロリ、中身は大人のポンポさんを光源に、
明るい作風の中で心を弾ませつつ
夢の実現のために何かを犠牲にする狂気にも踏み込むなど、
軸もシッカリしている。
「幸福は創造の敵」の真意。凄く納得させられました。


何より気に入っているのが、
{netabare}上映時間90分が理想の尺とキャラに言わせておいて、
本作の本編をキッチリ90分にまとめ上げた所。{/netabare}


【作画 5.0点】
アニメーション制作・CLAP

人物作画で特徴的なのがカラフルな主線。
昼光にはグリーン、ネオンにはパープル、水面反射光にはブルーと、
使い分けることで、照明を追求する主人公ジーンの撮影へのこだわりを、ここでも体現。

画面分割、ワイプ(次の画面が前の画面を押しのける)
背景も昼夜で違う表情を見せる街並みを描き込み、
タイムラプス撮影(低速度撮影によるコマ送り風動画)による
日常シーンの早送り、巻き戻し演出を再現する。
など演出、編集手法も多彩で、
好テンポ追求という劇中劇との共通課題の解決に貢献。


こういうカットがあるから映画が好きになれたんだと
思い出させてくれる映像構築が
多数再現された玉手箱を開ける至福。


ジーンが身を切るようにフィルムを編集カットする
“アクションシーン”もクレイジーで圧巻♪


【キャラ 4.5点】
プロデューサーのポンポさん。
「ポンポさんが○○に来たぞーっ!」などと、
状況説明とキャラ立ちを両立させる軽快な口調でテンポアップに貢献しつつ、
随所に敏腕の哲学と言動を垣間見せる。

ポンポさんに埋もれた才能を見出す審美眼や、夢を阻む障壁を撤去する豪腕を持たせ、
常識を超えたポジションに確立することで、
新入りアシスタント・ジーンや、新人女優・ナタリーの抜擢という、
夢のようなサクセスストーリーに説得力を持たせる。
リアリストの“ご都合主義”批判など、
トラブルすら逆手に取ってマーケティングに生かす
ポンポさんが暗躍してシャットアウトするぞーっw


アニオリキャラの銀行員・アラン。
元・万能“陽キャ”の伸び悩んでるサラリーマン。

正直、私はクリエイターを描いた作品は別世界の住民を見ているようで、
あまり得意ではありませんが、
アランが夢を追う人間を見つめる一般人代表として
間口を広げてくれたのは有り難かったです。
影の主役として共感度の高いキャラでした。


【声優 4.0点】
ジーン役の清水 尋也さん&ナタリー役の大谷 凛香さん。
夢世界に引き上げられる新人役には敢えてタレント俳優陣をオーディションで起用。
拙い演技も映画業界に飛び込んだばかりの若者の初々しさを狙ってのことと、一応は容認できる。

清水さんは狂気を孕んだイケメンの役作り等に実績がある俳優。
(実写版『ちはやふる』の須藤役とか)
エキセントリックな演技が、終盤開花するジーンの映画人としての本性にマッチ。


ポンポ役の小原 好美さんは安定のキャラ作りだけでなく、
女優経験もある声優としてアドバイスを送ることでも、上記二人をサポート。

アニメ映画主演にどうしてもタレント、俳優を使いたいスタッフの皆さん。
一本に一台。脇に小原さんを置いときましょう♪


“世界一の俳優”マーティン・ブラドック役には大塚 明夫さん。
頼もしいベテランがいると制作も楽そうです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は松隈 ケンタ氏。
序盤はコメディタッチも交えて軽快に、
終盤は音楽をテーマにした劇中劇制作ドラマの佳境に、オーケストラ等も交えて重厚に。
BiSHなど豊富な音楽プロデュース経験に基いて、多彩なジャンルを動員する引き出しの多さで対応。

主題歌・挿入歌はKAMITSUBAKIスタジオのアーティスト陣が提供。
エネルギッシュなバンドサウンドや前のめり歌詞が爽快だが、
音楽が場面を引っ張る感じではなく、
既に感情や芸術が爆発しているシーンに追い打ちをかけて来る感じなので、
気持ちよく突き抜けることができます。


【感想】
シナリオだけでなく、作品自体の出来の良さに、
こういう映画を待っていたんだと泣けて来る、会心の劇場鑑賞でした♪

最近、映画がつまらなくて、エンドロールまで立たずに観られたためしがない。
そんな方にこそオススメしたい快作です♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 34

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

演出と場面転換と構成が凄い。テーマもいい。最高に面白い映画でした。

 映画はみんなで作るものだ、を否定した映画だと思います。初めはそういう雰囲気を出していましたが、結果的に映画は監督が何を見せたいか=監督が面白いと思うのはなにか?に収斂していきます。

 リアリティの部分ですが、これはジーンが成功するのがご都合主義だという見方もできますが、何のために冒頭にニャカデミーショーの場面があったのか。それはジーンの成功物語ではなく、ジーンが成功したからクローズアップした、という風に見れます。
 その裏にある数多の失敗例、夢破れた人は見せてないだけだ、という表現なのでしょう。

 ジーンという名前はGENE、つまり遺伝子です。フィニは映画のラストの「完」ですね。映画の遺伝子を受け継ぎ、映画の本質を理解し、物語を提供できる人という意味だと思います。ポンポさんと祖父が出てくる、フィルムからデジタルの場面はそういう意味もあるのでしょう。

 銀行のシーンはもうちょっとナタリーに尺を取ってくれたらなあという気もしましたが、しかし、ここは受け取り方ですね。ポンポさんが我儘をきいたのも頭取がOKしたのもジーンの情熱です。結局は、みんなの力を集めるには、映画を作りたいという一人の男がいるかどうかです。

 映画のためにすべてを切り捨てるという「編集」と「人生」と「劇中劇の主役」を重ねる。そして、アリアは感情、情熱です。それを描き切ったストーリーが素晴らしかった。

 更に本作のもっともすごいのが、演出と場面転換、構成です。あるいはキャラの輪郭のピンクとかミドリの輪郭です。とにかく飽きない。面白い。ワクワクする。映画の内容そのものです。

 美人の女優だけ出していればいいというのは古い映画の感覚です。「ローマの休日」だって、内容は少女マンガです。オードリーヘップバーンが出てるからいい。ブルックシールズ、ナタリーウッド、イングリッドバーグマン、マリリンモンロー。ポンポさんは女優ありきでしたが俳優も似たようなものです。
 憧れの価値観は多様化してしまい、スターが不在になりましたが、美女を見たいと思う心はそれだけに純粋な感動につながります。古い考えゆえに一つの正しい考えでもあります。ポリコレ云々は本作では考えすぎかなあ。

 スピルバーグ、ルーカス、コッポラ、リドリースコット、キャメロン、フィンチャー。みんな名作も撮りましたが、デビュー時はほとんどB級作品です。そうなると、ジーンくんは長い映画が好き、ニューシネマパラダイスが好きと言っていたので、おそらくシンドラーのリスト、地獄の黙示録、ファイトクラブなどの名作系に行くのでしょう。キャメロンみたいに結局「アバター2」かよというB級監督ではない気がします。

 それと日本の作家やマンガ家、有名アニメ監督とかみんなその分野のスーパーオタクですからね。ルーカスやタランティーノもそうですね。本作のすべてを切り捨てろという主張は極端でもないと思います。むしろ、自然に切り捨ててきた人間が最高峰になるんだということですね。

 正直言うと、この作品知名度は高いし評価は高いのが不思議です。なんか酷評されるような感じなのですが、意外なことに映画〇ムでも、4.0ありました。興行収入は1.6億円しかないと聞いてましたが…。
 つまり、単純に面白い。そして浅く見てもテーマ性が分かる。更にこの映画の裏を自分で補完して創作というものを深掘りしてもいい。どの段階でも楽しめる映画ということでしょう。


 サブスクに無料公開されたので、再視聴しましたが、再び夢中になってしまいました。10回以上は軽く見てるのに不思議です。

 以前、視聴しながら15分単位くらい毎に感想を書きましたが、とりとめがないので全面書き換えしました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

デイミアン・チャゼル監督にオススメ。そんなに肉付きを気にすることないって!。

 呪いのような業の部分を外さない、クリエイターや夢追い人の物語という点ではデイミアン・チャゼル監督の「セッション」と「ラ・ラ・ランド」を思わせるもんがある熱い傑作でした!ただ、少々気になる点も…。


 正直新人女優ナタリーの存在が軽い。声優さんが上手い人じゃないのも意味があるのかな?と思ったが、最後まであんまり…。


 あと、ポンポさんの映画90分論は少々引っ掛かった。つまんない映画は尺に関係なくつまらん、面白い映画は尺があっても問題ない。尺の問題はケースバイケースであって、あんまりザックリした意見で片付けるのはどうかと思う。短い尺で面白いのが最高だが、魅力的な要素を描きこむために溜めが必要な時もある。それこそ本作のように…。


 正直90分でまとめないで、もう30分くらい必要だったと思う。ナタリーの部分は勿論やし、原作にないキャラのアランをどうせ入れるならもっと彼の部分も必要だったかも(プレゼンの部分は流石に少々強引だったかな)。そして、一番必要だったのはラストの爆上げのための溜めである。


 社会不適合者、「僕には映画しかない」というように、ジーンが映画だけしない行き場がない人間だってのはたびたび言及されるが、それが痛切に感じられて「あ、この人は本当に駄目人間だけど、他人事きゃなくて愛おしいなぁ…」と思える部分をもっとやはりエピソードで描くが必要だったかな。特典の漫画の部分やれば良かったのに(これの後半も見たぁ〜い)。


 さらに、苦労の部分があんまりなくて、人間同士がぶつかり合うことがあまりない。相手が悪い人だからぶつかるんじゃなく、これだけに賭けて生きている駄目人間同士だからこそ不器用にぶつかってしまう部分があるだろし、そういう過程を経ることでこそ表面的じゃない繋がりができると思える。シン・ゴジラじゃないが、最近摩擦係数が少ない作品ばっかなのはどうかと。


 それにしても、作中作の「マイスター」はそれこそ賞レース狙いな感じの割と意識高い感動作な感じだけどなぁ…。それこそポンポさんの信念なら、低予算だけど好きにボンクラ魂を爆発させた作品で、バカ映画なのに感動させるって作品の方が良かったような。


 以上のように気になる部分が少々あったけど、良かった部分が実にしっかりしてました!。持たざる者だからこそのクリエイター論、足りない物があるからこそそれを埋めるためにクリエイターは作り続る、造り手も受け手も映画の中に自分を見つけたい、人間は状況や環境を越える想像と創造の力を持っている、これらのテーマな部分が熱くエピソードの形で表現されているんだから思わず目頭が…。


 全てを一つに賭けて切り捨てていった果ての景色…という点では「セッション」、夢追い人の狂気と捨てざるをえなかったことの痛みすら無意味ではなかった…、という点では「ラ・ラ・ランド」を思わされた。どちらもオールタイム・ベストベスト級に好きな要素なので好きに決まってます!。


 それにしても、「ペーターゼン」って「シークレット・サービス」とかのウォルフガング・ペーターゼンかな?。他にはあんまり思い浮かばぬ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 28

69.4 14 演技アニメランキング14位
ガラスの仮面[東京ムービー版](TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (98)
477人が棚に入れました
かつて舞台『紅天女』(くれないてんにょ)で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は横浜で静かな生活を送っていた。
そんな月影の下をたびたび訪れる男たちがいた。大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一である。彼らは原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと目論んでいたのである。
しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。
そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

姫川亜弓の存在が、このアニメのポイントです。

長編有名少女漫画原作。
絵柄は今風ではないけれど、ストーリーと演出がすばらしいです。

演劇界の話のためか、演出が過激なのが特徴的。
シリアスなスポコンものと言った感じで、きびしいコーチ、清々しいライバル、陰で支える人物、品行方正な憧れの君、暖かい仲間たち等、少女漫画的なスポコン要素が一式揃っています。

主人公北島マヤが様々な障害を乗り越え成長していく姿が感動的です。
一方、ライバル姫川亜弓は巨人の星の花形満のように正々堂々としていて、嫌味がありません。
彼女はこの物語の感動を際立たせる存在ですね。

51話と長いわりには中だるみがなく、次が気になる良いシナリオでした。
原作漫画同様、アニメとしても名作と言えるでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

草風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

熱くなります!

少女漫画の大傑作と聞き、前から興味を持っていました。
でも原作はかなり長いので、アニメで楽しもう!と思って見始めたら、これが面白い!!
どんな境遇でもお芝居への情熱を持ちつづけ、女優へと成長してゆくマヤちゃん。
彼女を見てると、自分も頑張ろうと思えます。
ライバルの亜弓さんも、正々堂々の人なので、憎めません。
むしろ主人公より好きかも(笑)

男女関係なく、ぜったいハマります!
おすすめです!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

くろえ☆そふぃーな さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

聖地への険しい道、永遠のライバルの存在って大きい

とにかく面白いです!1話目からつかみが良くハマってしまいました。
続きが気になってしかたなく、一気に観たアニメです。
演劇の天才少女が才能を開花させていくという感じで、
カレイドスターと同じで、簡単にいうとスポ根+サクセスストーリーです。

演劇をテーマにしているだけあって、どの演劇も凄いです。
声優さんの演技も凄く良くて、
その飽きさせない様々な演劇に引き込まれてしまいました。
観てると楽しくて時間の経つのが凄く早く、そんな魅力の詰まった作品です。

カレイドスターの時もそうでしたけど、ライバルの存在が凄く大きい。
ライバルの姫川亜弓は主人公のマヤの凄い所をすぐに認めるという性格で、
観ていて嫌みがなく清々しいです。この2人は尊敬できる関係で凄く良かったです。
マヤちゃん以上に努力家で頑張り屋さんなところも好印象を受けました。

マヤちゃんの演劇が大好きだから一生懸命取り組みたいという、
とっても頑張り屋さんな所が私は凄く好き。演劇への情熱を凄く感じました。

ストーリーは過酷な試練が幾度となく待ち受け、それを乗り越えるために努力する。
その為には厳しい稽古をつまないといけないですし、そして1歩1歩階段を昇っていく。
またどんな運命が待ち受けているかという、凄く先が気になる展開の連続。
次回予告の語りも良いと思う。
それに世界名作劇場の「私のあしながおじさん」みたいな素敵なお話も。
激動過ぎてとても起伏のあるストーリーに思えました。

メインキャラの過去のエピソードや丁寧な伏線の回収も良いと思います。
たまにドキっとさせられました。
中だるみとかすることなく視聴者を飽きさせない作品だったと思います。

カレイドスターが好きな人は一度騙されたと思って観てみてください。
きっとハマると思います。私は凄く楽しめたので同じような人にお勧めしたいです!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

62.7 15 演技アニメランキング15位
カブキブ!(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (121)
428人が棚に入れました
歌舞伎大好きな高校1年生、来栖黒悟(くるすくろご)の夢は、部活で歌舞伎をすること。
けれど、入学した高校にそんな部は存在しない。
「それなら、自分たちで作っちゃえばいいんじゃない?」
親友のトンボと一緒に、まずはメンバー集めに奔走するけれど……! ?
青春歌舞伎物語、開幕!

声優・キャラクター
市川太一、梅原裕一郎、逢坂良太、河西健吾、島﨑信長、甲斐田裕子、内山夕実、朝井彩加、山本和臣、前野智昭
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

むしろ傾(かぶ)いていない、王道の創部モノ

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
初心者の寄せ集めで何かを仕上げていく。しかし、その中には様々なジャンルの天才が含まれていて、、、という実に王道の創部モノ、青春モノ。

ストーリーとしては可もなく不可もなく。BLは全然大丈夫。歌舞伎の様々を知れたのは良かった。ただ、映像や演技の点で、歌舞伎の迫力を充分に表現できていたとは言い難く、そこはやや残念だった。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ当然、「昭和元禄落語心中」とは比べられちゃうんでしょうね。伝統芸能つながりで。歌舞伎という男の世界を描く以上、どうしてもBL要素は入ってくるのかな?

歌舞伎は3回ほど、付き合いで観た程度。正直、特に面白いとは思えなかったです(まあ、私が坊やだったんでしょうw)。

でも、アニメという、身近で手軽な媒体によって、自分とは縁のなかった世界に触れられることは単純に喜びです。

そういう導入系アニメは基本的に興味深く観られます。「ろんぐらいだぁす!(ロングライド)」や「あまんちゅ!(ダイビング)」などは、(自分にとっては)導入系で面白かったです。

そんな中、最高クオリティで魅せてくれたのが、「昭和元禄落語心中」でした。勿論、本作はそこには及ばないです。まあ、比べるのはあまり良いことではないけれど。

主人公はクロ、と見せかけ、実は阿久津や蛯原の方が強いストーリーを持っているようでした。クロはあくまで繋ぐ役。本当に黒子のような存在でしたね。

意外と珍しいのは、創部モノなのに最終話までメインキャストが全員揃わない点。そういう点でも、蛯原は裏の主人公と言えると思います。

雪降る歌舞伎座の前で、クロと蛯原が語り合うシーンは、なんか良かったです。二人とも歌舞伎を愛する気持ちは同じくらい熱くて、でも進んでいる方向は全く違って、でもでもいつか必ず二人の道は交わるのだろうと想像できる、熱い展開。

部活モノとしてはそれで充分なんだけど、歌舞伎モノ?としては、やはり難しいんでしょうね。まず演目が長すぎて、フルサイズだとアニメにのらないし。動きもあるので、作画にも予算割かなければだし、勿論、声優さんの実力は求められるし。

最終話でなんとか一幕?を見せましたが、大半が名乗りのシーン×5で、歌舞伎の迫力はイマイチ伝わらず(ちなみに、レビューにあたり、YouTubeで、市川海老蔵さんや中村獅童さんが演ずる白波五人男を少しだけ観てみましたが、やっぱり迫力がありまし。生で観たらもっとあるのでしょう。なんか、ルパンみたいな筋なんですかね)。

それから、「素人」「歌舞伎らしきモノ」と切って捨てた蛯原と、切り捨てられた面々(丹羽や数馬ら)との「差」が、素人の自分にはよく分かりませんでした。なんとなく、蛯原の方が裏声なんか使って台詞の繋ぎが良いような気もしましたが、微妙な違いですし、プロと素人にはその程度の違いしかないの? とか、思ってしまいました。そもそも、阿久津の演技の方が好きでした。

まあ、私のような歌舞伎初心者以下には、良し悪しはあんまり判断できないっすけどね。

あと細かいことなんですが、体操部の動きが少な過ぎて、むしろそっちを観たくなっていましたw 登場シーン以外はほぼ体操の要素がなく、あれで新入部員が体操部に入ってくれるか心配になったほどです(笑) 勿論、この作品があくまで「歌舞伎」を魅せたいのはわかっていますが、「歌舞伎と体操の融合」なんて、メチャメチャおもしろい取り組みだと思うんですよ(リアルであっても良さそう、スーパー歌舞伎みたいなので)。それこそ、「カブキブ」でしか表現できないものだと思うし。だから、個人的には12話だけでも作画をガチで頑張って、体操部をバンバン跳ばして、歌舞伎同好会のメンバーで緩急をつけて、演目をもっと長く見せ、なんだったら30分マルマル使って歌舞伎をしっかり魅せて欲しかったです。

とにかく、悪くはないアニメでしたが、歌舞伎のような総合芸術をアニメにする、ハードルの高さは実感しました(ユーフォ2レベルの神作画と、落語心中レベルの神演技力が融合しないと難しいのかも)。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
「昭和元禄落語心中」に比べれば色々落ちるが、導入系、創部モノ、導入系のアニメとしては及第点くらいだと思う。

主人公のクロは正に黒子のような役目を果たし、実際には蛯原や阿久津の方がキャラが立っていた印象。

尺や作画、声優の問題もあり、歌舞伎をアニメにするのは難しいと思った。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
作画、ちょっと厳しいな~。ペラペラだ。女性を入れていくとしたら、良い感じ、なのかな? 伝統文化だから、そのへんの機微は分からないな。前歯がとれるとか、一生に関わる大事件だよ。

2話目
剣道もそうだけど、無駄に「伝統文化」「精神」なんて言って敷居を高めると、底辺が狭まり、結果、衰退する。間口は広い方が良い。まさかのお姉展開は笑ったw 「昭和元禄落語心中」とは、声優陣のレベルが違うな(悪い意味で)。

3話目
やっぱり、歌舞伎1本丸々見せる根性はないか。まあ、演目の長さが落語とは違うからしょうがないな(アニメに入りきらないw)。いきなり歌舞伎のストーリーにダメ出しするとか、良いね。チビはまだしも、ブスや、特にデブではないでしょ。教頭先生が普通に良い先生なアニメは珍しい。

4話目
主人公が一番の大根ってのは良いね。ん? そもそもなぜそこに阿久津がいるの? そんな描写あったっけ?

5話目
阿久津はアホの子ですねw 文化祭定番の勝負展開。つか、外郎売りの大事なところ(早口言葉パート)やってないじゃん(盆まめ盆米盆ごぼう、粉米のなまがみ粉米のなまがみこん粉米のこなまがみ とか)。そこをアニメで魅せないと、意味がない気がする。

6話目
歌舞伎のリアルなダメ出しが多いアニメですね。わりと好きです、そういう姿勢。う~ん、このアニメの場合、キャラの掘り下げより、真っ直ぐにじっくりと歌舞伎を見せて欲しいんだけどな。

7話目
展開としての意外性はないですね。演劇部部長、策士だ。

8話目
舞台にプロジェクターで背景映してたけど、どこにプロジェクター置いたんだろ? 影写ってないけど、という無粋な突っ込みw やっぱり、肝心の歌舞伎の迫力がな~。

9話目
ここでも、月がきれい、か。

10話目
天才、二人。蛯原が八雲で、阿久津が助六って感じ?

11話目
いよいよ、ラストに向かっていきますね。全員集合の流れですね。

12話目
う~ん、イマイチ。歌舞伎の魅力、迫力、もっと観たかったな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

無難な青春部活もの。嫌いじゃないですが世間ではウケないと思われます。

原作は同タイトルの小説(角川文庫刊)。アニメ視聴前はタイトルのみ知っており、具体的にどんな話かは知りませんでした。現在も未読です。

とりあえず高校に入学した主人公の来栖黒悟(くるす くろご)とその友人の村瀬とんぼが、歌舞伎を演じるクラブである「歌舞伎部」を設立しようとする話らしいです。

この手のストーリーにつきもののお話として「まずいきなり部としては認められないから同好会としてスタート」とか、「同好会を設立するためにも最低5人のメンバーが必要」とかがあり、序盤では同好会の設立自体で引っかかっている模様。

それでも2話で2年生の先輩2名を歌舞伎鑑賞に連れていくことに成功しています。3話目で、実際に観劇となるようです。同好会の設立に使える尺はせいぜい4話か5話くらいでしょうから、あと2話くらいで概ね作品の方向性は見えてくると思います。

いくつかの歌舞伎演目や出雲阿国(いずものおくに)に始まる歌舞伎成立の歴史などには言及するも、梨園(りえん: 歌舞伎界のこと)といった言葉は特に説明なしに作中で使用しているようです。

ただ歌舞伎座での講演の音声ガイドについて言及したり、歌舞伎はそもそも堅苦しいものではなく大衆向けの娯楽であると作中人物に言わせたりと、歌舞伎自体を普及させようという気持ちはあるようです。

おそらく通常の青春部活もののフォーマットは踏まえつつ、歌舞伎の魅力を語ろうというのが本作の狙いなのでしょう。ただ、狙い通り進むのかは何とも言えないところ…。

余談: EDの「お江戸 -O・E・DO-」(カブキロックス)の原曲は昔、沢田研二が歌っていた「TOKIO」です。これはズルい。ちょっと笑ってしまった…。

勘違いでなければ、「上坂すみれ feat.カブキロックス」として『げんしけん二代目』のOPを担当したはず。

2017.6.23日追記:
最終回まで観終わりました。最終話前にありがちなトラブルを解消しつつ、白浪五人男の「稲瀬川勢揃いの場」という演目を途中切らずにやり切ったのは良かったんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

nico81 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

歌舞伎ファンとしては…

2話まで視聴。上演シーン、とても観ていられません。
表情が乏しいどころか全くない…能面みたい…いや能面のほうがまだ表情ある。
これでは歌舞伎の醍醐味である見得のカッコ良さも動きの優雅さもまるで伝わらない。
アニメーションの限界…いや、動きだけなら本気出せばできるはず…(ユーリ!!!onICEや坂道のアポロンが良い例)
だけど、表情の細かな動きまではさすがに難しいのだろうな、とは思います。

それと、ひとつ言っておきたい。
歌舞伎の魅力を知りたいなら、中村屋の公演をたったひとつ見るだけで十分わかります。
Eテレでもたまにやるから観てください。

それにしてもイヤホンガイドの説明とかアホくさい。その前にどんなものかわかってもらうほうが先でしょうが。
そんなことより出雲阿国のエピソードを膨らませて歌舞伎の成り立ちを紹介するほうがよっぽど有意義なのに。
それこそそのエピソードをモチーフにした「猿若江戸の初櫓」っていう華やかでポップで楽しい演目もありますし。
または、「昼の部夜の部と分かれてて、それぞれ大体三幕構成、まるっと観るとチケットも高い。でも実は、気軽に安く一幕だけ観れる幕見席ってのがあるよ。行ってみる?」→短い舞踊演目(それこそ藤娘とか)を観劇しながら内容解説。
みたいに、見どころ伝える上に気軽さも紹介っていう流れならまだわかる。

演目名をちょこちょこ出す割にその内容を伝えるシークエンスはほぼなし、観劇シーンも演目の解説ゼロで上演パートすっとばしているので、ハナからそこには焦点を当てるつもりはないのでしょう。
昭和元禄落語心中っていう、古典芸能への情熱と愛情と敬意に満ち溢れた高品質アニメを観たあとだったので期待しすぎました。
歌舞伎はどうでもよくて単に学園青春物として楽しめる人には良いと思いますが。

ただひとつ、EDがカブキロックス(のカバー)! やるじゃん!
テンションあがったのそこだけでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

67.6 16 演技アニメランキング16位
私の百合はお仕事です!(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (127)
406人が棚に入れました
「ようこそ、カフェ・リーベ女学園へ!」 ここは架空のお嬢様学校。 店員同士が姉妹(シュヴェスター)となり、清らかに美しく給仕をするサロン。 日頃より誰からも愛されるような振る舞いを心がけている陽芽は、とあるきっかけでリーベ女学園の生徒として給仕をすることに。 そこで出会った女生徒・綾小路美月を何気なく「お姉さま」と呼んでしまい…? 演技(ソトヅラ)と本音が咲き乱れる、お給仕生活はじまります!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この喫茶店は幻想です!

メイドカフェ系のコンカフェのことは結構知ってるつもりですけど、この作品のコンカフェは現実とは全然違います
※どういうところが違うかは下のほうにネタバレタグで隠しています

でもストーリーには関係ないので気にしないほうがいいのかも、面白かったけど見ていて気持ちいいアニメではないですねー

百合アニメだけど、女の嫌らしいところが満載で性格かなり悪いしずっとギスギス、ドロドロしています
地獄か!!ってくらい背筋がゾクッとなる泥沼の女コミュが楽しめるのが本作品の魅力
絶対関わりたくないけど外から見るなら面白い、人間の業を感じますね

アニメのクオリティは高いけど、負の感情とか陰湿な部分の表現がちょっとマイルドで可愛さを捨てきれてないのが惜しいかな?
嫉妬に狂ったときの女の醜さはこんなものじゃないですよ、裏の顔とかヤバすぎてとても放送できるものじゃないです
問題が先送りで気持ちに決着ついてなさそうだからこの後惨劇が起きそうで怖いですねえー


【コンカフェの話】
{netabare}
お客様は毎日来るわけじゃないし、来店時間もバラバラなので途中から見てもどういう関係なのかわからないので、百合をテーマにするならもっと違うやり方をしないと商売になりませんから、こんなコンカフェはないと思います

実際のメイド喫茶系のコンカフェは入店前に料金システムや設定の説明をコンセプト壊さないように上手に説明されます。
だいたいは滞在時間で加算or席代+料理代+追加サービス料のはず
追加サービスは多種多様で、オムライスに文字とかラテアートのような提案から、一緒にチェキ(写真)撮ったり、カラオケしたり、ライブしたり、浴衣やサンタクロースなどのコスプレしたり、ミニゲームしたり、キャストに特技があるなら披露したり・・・とにかくキャストとお客様が触れ合うサービスなんですよね、常連の人はだいたいこれ目的で来店されます。
コンカフェにとって大きな売上げが期待できる部分なのですが、この作品のコンカフェは普通のカフェに寸劇を追加しただけって感じでした
現実に百合学園のコンカフェやるなら、追加料金払ったお客様の前だけで寸劇することになるんじゃないかな?需要あるかわからないけど

女学園設定なのに、舞が「店長」って呼ばれてるけど、「生徒会長」とか「理事長」とか、開店のことは「OPEN」だけどこれも「登校」、退店の時は「下校」とか、
現実のコンカフェならこういう細かいとこまでこだわると思う
細かいことは置いといても、コンカフェはコンセプトが命なので
システムや設定がよくわかってない主人公をいきなりお客様の前に出すのはナシです

お客様との距離が近いしキャストもお客様もだいぶ独特な人が多いのでモチベ低いと続かないんですよ
人気店だと「顔とコミュ力には自信があります!!」っていう自信過剰・・・じゃなかった、「期待の」バイト希望者も多く入ってくるので人手不足にはならないですし
給料は固定給+歩合制なところが多くて人気があるキャストは高い時給で働けるのでお金目的で働く子か、この仕事が好きで働く子に分かれます
モチベが高い子が多いしそういう子がお店の売り上げを伸ばすので、意識の低い子に嫌々やらせてもお店の評判悪くするだけでいいことはないのです

キャストは地下アイドルみたいなもので「自分を魅力的に見せること」「お客様を楽しませること」が大事
他のキャストとうまくいけば意気投合して仲良くなれるけど、人気が大事の歩合制で女だらけの職場っていつ爆発するかわからない火薬庫みたいなもの・・・
誰かが喧嘩すると秒で派閥ができあがるし、お客様との距離が近いから変なお客さんに当たるときついし、
人気がないとお客様から「あの子と代わって」とか「君と話しててもつまらない」とか「うざい」「キモい」など酷い言葉も言われるし、人気のあるキャストは接客中のセクハラやナンパ、ストーカー被害があります
そんな待遇の差からキャスト同士でもめることになりがちで、ストレスが大きい
それでも続けられるのは「稼ぎたいから」「働いていて楽しいから」「アイドル気分になれるから」
でも何と言っても可愛い制服が着れるところが良くて、制服目当てにバイトする子も多いです

長々と語りましたけど、嫌々働くような仕事じゃないってことをわかってもらえたら幸いです
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

キャラの可愛さと話の内容が反比例

よく美少女キャラがわちゃわちゃするアニメを百合アニメと言う人がいますが、私は恋愛感情、もしくはそれに似た感情が百合であり、例えばごちうさなんか全く百合アニメと思わない、そう言う認識です。なのでこのアニメはタイトル通り百合アニメだと思います。ただそんなにくどくなくて見やすいですよ。きららアニメのブレンド・Sみたいなカフェの百合特化型ですね。ただいざこざと言うかシリアスな面があり、見た目はきららアニメっぽいですが、内容は別物で面白いですね。

推しの小倉唯が主人公って久しぶりで期待したんですが、可愛いけど外ヅラを使う少し腹黒いキャラで良いです。準主人公のすみぺとのやり取り、この2人はやはり演技が上手い楽しめます。大きく2つのエピソードで構成されてますが、2つめが話を引っ張ったわりに解決がそれ?と感じ惜しかったと思います。

キャラも可愛いし作画もほぼカフェのシーンですが良いと思います。他の声優さんの演技も良く、キャラに個性もあります。コメディな要素もありますしその点も見やすいです。個人的には田村ゆかりの店長がいろいろ謎な上に結構無能でツボりました^_^

OPは映像も可愛く曲は小倉唯で最高
EDは小倉唯とすみぺが歌いこれまた最高

ただ好きな声優さんだから評価も上がるんですか、そうでないと合わない可能性ありです。賛否あるアニメだと思います。あと細かい事は気にするなアニメなので、説明を求めてツッコむ方は無理です、じゃあバイトやめればええやんで話終わりますから。私的にはそう言う見方をして第1話で断念するのはもったいないと思いますけどね。

タイトルからは予測出来ない展開で面白いですよ。平均満足度4点台はかなりお勧めアニメなので、良かったらご覧ください。

2023年9月1日

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

嘘の功罪がスパイシーな百合作品

演技(ソトヅラ)抜群の美少女JK・陽芽(ひめ)がクラスメイトの果乃子と共に
ミッションスクールの百合ムード等を提供するコンセプト・カフェ「リーベ女学園」で働くことになり、
確執や恋愛絡みなど、店舗の裏側でも嵐が吹き荒れる同名コミック(未読)の連続アニメ化作品(全12話)


【物語 4.0点】
前後半で2つのメインストーリーを展開する全体構成。

前半は陽芽が“姉妹(シュヴェスター)”の契りを結んだ先輩店員の美月との確執。

陽芽のコンセプト・カフェの無理解によるボタンの掛け違いか?
優雅そうなカフェだし、その内ゆるふわと丸く収まるのだろうか?平凡だな……切ろうかな?と軽く見ていたら、
3話~4話にかけて{netabare} 小学校時代、2人は親友だったが、陽芽が友情を守るため重ねた嘘により、関係が破綻。
それを根に持つ美月、過去を思い出してからも納得できない陽芽。{/netabare}
という重量級の理由をみぞおちに食らって目が覚めました。


後半は人気投票企画「ブルーメ選挙」が続く中、
陽芽と美月の愛憎を横目に見ていた果乃子の嫉妬。
これを店に波乱をもたらす危険な恋愛要素とみなした先輩店員・純加が絡んでこじれて行く。


陽芽の外面と友情を守るための嘘が導火線になった面もありますが、
わだかまりを解く媒体となったのも「リーベ女学園」の演技。

人間にとって嘘はどのくらいの塩梅が、どんな用法が最適か?
探っていく感じが、割り切れない人間関係を象徴していて苦味が効いています。


割り切れないと言えば、後半は特に、恋は過ちであるという価値観に久々に触れた感もあり、
物語4.0点到達の決め手に。

恋愛物を巡っては、何で好きになったのか分からない、その判断は納得できない。
との批判をよく見かけますが、私は恋に落ちた人間の言動を全て合理的に説明しきれる恋愛物なんてAIと会話するより退屈だと思っていまして。

その観点から、恋愛は、店の人間関係を壊してしまう危険要素。
恋心の取り扱いに難儀する、果乃子と純加の葛藤と口論には惹き付けられる物がありました。

恋愛の不合理性に関しては、むしろ百合作品の方が洞察が深いのではないか?
共感できるかどうかは別として、触れてみる意義はある心情描写だと好感しました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・パッショーネとスタジオリングスの共作。

時折、華のミッションスクールのイメージ映像を挟んだり、
カフェ内の百合の瞬間で背景に花を咲かせたり。
コンセプト・カフェに酔いしれる観衆の心境を視聴者と共有。

前半から嫉妬の睨みが効いている果乃子の縫い付けるような視線など、
言外の心理描写も中々。

作画カロリーはそこそこながら、ポイントは押さえた感。


ただスタッフに巨乳好きがいたのか?美月の夏服乳揺れ案件のインパクトが強すぎて(苦笑)
これをまた最終回に持って来られたものですから、
私はそれ以外の作画のことが中々思い出せませんw


【キャラ 4.0点】
「リーベ女学園」の新人・白木陽芽と間宮果乃子は店では白鷺、雨宮と名乗る。
2人が出会う先輩店員も源氏名を名乗っており、本名は演技の下の正体と共に後々知ることになる。
この設定も嘘というテーマを深める視点を提供する。

主人公・陽芽(ひな)は処世術としての演技が抜け目ないようで、店舗業務では抜けも多いポンコツな面も。
外面も完璧というわけではなく、演じていない本音を言える親友がいないと落ち着かないようで。
そのポジションが今は果乃子で昔は{netabare} 美月{/netabare} というわけですが、
これが台風の目になるという自覚にも欠ける。
物語展開上は起爆剤ですが、困った娘ですw

むしろ鉄仮面なのは店長の舞さんでしょうか。
ロリ中学生みたいな笑顔の外面で、
{netabare} ぶつかって怪我をしたとこじつけて陽芽をカフェに引きずり込んでおきながら、
ギプスで固めた腕を平然と振り回す言動w{/netabare}
どんだけ面の皮分厚いのかと呆れ果てます(笑)
それだけに多少の修羅場では動じない頼れるリーダーでもあります。


そして、やっぱりワケありだった{netabare} 厨房の寧々{/netabare} さん。
明らかに自身も周りも破滅させてしまう間違った恋なのに深入りしてしまう。
本作の恋愛観を象徴するようなキャラでしたが、
原作ではさらに計算をこじらせた深い事情があるそうで。

嘘は用法用量を守って適切に使いましょう。


【声優 4.0点】
主人公・陽芽役の小倉 唯さん。
中の人も可愛らしいお方で、昔、見た配信番組では、
共演した女性声優をも狂わせる事案がしばしば発生w
外面を操るあざとさを表現するようになって、魔王化していたらどうしよう?
と余計な心配をして本作のラジオ等も拝見しましたが、相変わらずの天使ぶりで一安心w

香乃子役の田中 美海さん
元「Wake Up, Girls!」の中でも妹ポジションを務めたロリボイスを武器に、しぶとく生き残っている美海さん。
声優歴の中で、毒ボイスも交えて来た経験が、本作の嫉妬の演技でも光り、
キャリアの積み重ねも幅の広がりも着実。


メインの新人店員役を姉妹(シュヴェスター)役として受け止めるのが
美月役の上坂 すみれさんと、純加役の小市 眞琴さん。
店員コンセプトの外面と、素の姿の落差も大きい役ですが、卒なくこなす。
特に、{netabare} 普段はギャルの純加が、店では白紙の本を読んで知的なメガネ娘でキャラ作りする件{/netabare} が凄いですw


その他、店長がCV.田村 ゆかりさんだったり、
過去の因縁に{netabare} CV.瀬戸 麻沙美さん{/netabare} やCV.伊藤 静さんが絡んで来たり。
「リーベ女学園」の層は厚いです。


あとは、カフェ内でお嬢様学園の演技を堪能する客たちの感嘆のガヤ。
毎回、聞くのが楽しみでしたw


【音楽 3.5点】
劇伴担当は大橋 恵氏。特撮戦隊ヒーロー物BGMの実績も目立つ方ですが、
本作では優雅なワルツでカフェのコンセプトを表現する。
裏側のドロドロで重たくなれば修羅場曲に変わりますw

OP主題歌は主演・小倉 唯さんの「秘密♡Melody」
十八番のスウィーボイスで視聴者の脳を溶かしつつ、
微量の小悪魔成分もアレンジされたメロディで懇願する罪な一曲。

ED主題歌は陽芽&美月。“姉妹(シュヴェスター)”によるデュエット曲「夢が覚めても」
嘘と本音(しんじつ)の狭間で尚も惹かれ合う。
二人の関係性や作品テーマも押さえたアップテンポナンバー。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

66.7 17 演技アニメランキング17位
先輩はおとこのこ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (99)
272人が棚に入れました
男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。 ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。 「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。 しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ! さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。 可愛いものが大好きな、まこと。 まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。 まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。 3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

5話 話が拠れている感じ。感情・内面・関係性に納得感がありません。

1話 それほど深くない、設定どまりの気もします。期待しすぎたかな?

{netabare} 思っていたよりもライトな雰囲気でした。この話の見どころである「関係性」に意外性がるのか?と言われるとそうでもない気がします。

 性自認ではなく女装癖だとすると、男性の社会的役割につかれていることからの逃避としての変身願望とか、可愛いものへのあこがれとか、性的な倒錯とか理由は様々な様ですが、そこをどこまで前提条件としてキャラづくりしているかで、主人公の言動のリアリティが生まれる気がします。

 別に物語でそこを描かなくてもいいですが、その理由なしになんとなく女装だと主人公の心理とかキャラがブレブレになると思います。そこ、でしょうね。ただ、その点で心配なのがサキですね。何が彼女の気持ちを主人公に向かわせたのかですが、思春期の女子によくある疑似的な同性思慕…性に対する忌避とか潔癖とかそういうことからきているのなら男とわかれば対象から外れる気もするのですが、そこがよくわかりません。

 そこから考えて、何となくそれほど深い話ではなく、設定の面白さだけなのかな、と思わなくはないです。今時ですから興味あるテーマで期待しましたが、現状ではそれほどかな?切ろうか迷いましたが、最後の着替えのシーンに何か思惑がありそうですので、まあ、3話くらい様子見ですね。

 なお、作画は…動かないですね。止め絵、クローズアップとデフォルメを多用してますし…それほど作画に力は入っていない気がします。そこもちょっと期待が薄い理由です。{/netabare}


2話 くじらさんは何者?母親が結構な毒親で話としてはいい流れです。

{netabare} なるほど…男性性を強要する母親がいましたか…ならこの展開は理解できます。そして、最後のシーンへと。これは結構ドロドロきそうで期待が持てます。

 3人の関係性にもうちょっと緊張感が欲しい気もしますが、その辺は後からでしょうか。むしろ今週は母親との関係性の説明回でした。あのプレハブの素性は今週は説明なかったですし、いろいろ継続して話が深掘りされるのでしょうか。

「くじら」というアーティストの歌がOPEDで起用されている上に、作中でくじらのぬいぐるみが出てくるのは何か意味があるのでしょうか?魚と哺乳類の間…どちらでもないという意味とか?あるいはこのアーティストがトランスジェンダーの人とか?{/netabare}


3話 今日の話だと子供ゆえの不安定、自分勝手な振舞いと見てしまいそう。

{netabare} 女になりたいことと女装が好きなことは違う気がするのですが、どうなんでしょう?あるいは性の嗜好は?性指向は?

 咲に対する告白はどうなのでしょう?少なくとも誠実とは言えない気がするのですが。そして、咲も相手の姿かたちが変わると、嫌になってしまうのでしょうか?
 また、パーティーに誘ってくれた女の子を放り出して行くのは、男の子として最悪の行為です。
 これが「スーツが借り物」の意味にどうつながってくるかです。まだ子供であるということか、男性であることが借り物であるのか。

 どうも友達である竜二からの想いには応える雰囲気がないので、少なくとも性嗜好・指向はバイではなく、ストレートですよね。

 母親の苦悩、父親の折衷案…どちらも親としてはまともだと思います。なんとなく話の大きな構造は面白い視点だなあ、と思ったのに、少々表面的に話が流れて行きました。それぞれの人間に視線を向けないのは子供の証拠です。主人公まことの葛藤が、対母親しかないんですよね。その辺が今後描かれるのでしょうか?自分のアイデンティティの問題として向き合っていないので、少々浅さを感じてしまうのでしょうか?

 これが服装の趣味(らしさ、としてジェンダー論的な決めつけの問題ととってもいいですけど)、性自認、性指向、性嗜好の4つの観点からどう話が展開するんでしょう?その辺がお話のためのお話だと、期待外れです。{/netabare}


4話 咲の描き方が良くわからない。感情は自然に各話で繋がっているのでしょうか?

{netabare} 竜二の「まことが本当は女の子だったらよかったのに」発言をどうとらえるかです。竜二がゲイで女の子だったら好きにならずに友達でいられたという意味でしょうか。作中では女の子とイチャイチャしていても何も思わないという表現でした。しかし素直にとると「本当の女子なら好きにならなかった」と取れます。モノローグですので嘘はないと思います。

 で、今回4話で男の恰好の湯上りのまことにときめいていますので、これだと竜二は性嗜好・指向がホモセクシャル、ゲイということでしょう。竜二の表現は一貫性がある気がします。

 そして、竜二の妹小夏の登場ですね。この子が咲はまことが好きと明言した一方、後半で「本当に好きなのか?」と疑問を呈しました。そして最後の不穏な感じです。ここです。男がやはり好きではなく女のまことが好き、ホモセクシャル、レズということでしょう。ただ、その割に男の裸を見て鼻血だしてるじゃん、という気もします。

 ちょっと今回の表現が錯綜していましたので、特に咲の感情が読み取りづらかったです。ここにおそらくドラマが入ってくるのでしょう。クジラモチーフも相変わらずですので、やっぱり何かあるのでしょうか。

 単話ごとの連続性が良くわからなくなりつつありますが、どうなんでしょう?上手く綺麗に感情表現が自然に繋がっているのでしょうか。{/netabare}


5話 話が拠れている感じ。感情・内面・関係性に納得感がありません。

 何が描きたいのか理解できなくなってきました。まことの女装問題は一旦置いておいて、今度は咲の問題になるということでしょうか。で、咲は家族の関係で八方美人の性格になって、好き嫌いが感情的に理解できないということでしょうか。

 なんとなくですけど、話として途中から方向展開したように見えます。三角形を作るにはまこと→咲、咲→竜二、竜二→まことの構造に無理やりもっていったのかなと。くじらをやけに強調するなあとは思っていましたが、まったく上手く使えてないんですよね。大きさだけの問題なんでしょうか。

 まあ、連載あるあるですけど、1話から追ってみるとそれぞれのキャラの感情がやっぱり不連続な気がします。ちょっと期待外れ感が大きいですね。

 一旦、中止します。ラブコメというよりラブストーリーで感情に乗れない、内面が見えない、描きたい人間関係に納得感がない、というのはちょっと期待が持てません。




 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

まこと君とは一体何だったのか?トランスジェンダー的な問題をギャグに落とし込むのは、やはり無理がある…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.10.03

 8話あたりから咲はめでたく空気になりました。母親と義母(咲の婆ちゃん)との間に確執があり、家族が微妙な感じなのですが、そんなん珍しくもありません。高校生にもなって、何を言ってんのか!

 咲が空気になったのは、まことのせいでもあります。結局まことは何者なのかが、上手く描けていないため、周りの人物達もボヤケてしまっています。

 性自認は男性?女性?性指向は?竜二と付き合ってみたり、咲に手を出そうとしたり、バイセクシャルなの?

 まことは、高校生活の最初の方で、女性として生活しており、男だとバレて女子コミュニティから排除された描写がありましたが、女子生徒を危険にさらした高校の責任はどうするんでしょう?高校を騙して女の子として入学したの?高校は実は男の子でしたで、そのまま在籍させるの?猥褻目的で女性に化けていた可能性もありますよね?恐らく、こんな簡単な話では済まないと思います。

 まことの祖父が出てきたりしますが、この人も性自認や性指向が謎です。可愛いもの好きで化粧したり女装したりしますが、趣味レベルなの?

 このアニメは、非常に色々なモノから逃げています。ヤバくて、描写出来ないなら、そもそも題材に選ばなければ良かったのです。

 まことは高校生なので、トランス女性になるとかそういった話はまだ無い様です。まことの性的対象が不明なのも、未熟な高校生だから!で逃げています。まことは結局、トランスジェンダーなのかさえ怪しいです。

 実に換骨奪胎したアニメです。原作もそうなのかもしれませんが、端から覚悟が足りていません。昨今のLGBTQを巡る社会情勢や議論等をつまみ食いしただけの、社会問題ファッションアニメでしか無かった様です。

 好きな物を好きでいたい!まことが結論として言っていることは魔法少女マジカルデストロイヤーズのオタクヒーローと同レベルの浅さを感じました。

 母親も、「息子がアブノーマルだったとは、こういうことだ!」と叫びながら、ランバ・ラルなみにガラスを突き破って自爆するくらいの気概が欲しかったです。

………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2024.27.30

 どうも、デフォルメパートで分かり易い感情表現(興奮して鼻血を出したりするテンプレ表現)を多用するせいで、LGBTQに寄り添った意識高い系アニメとは、一概に言えない感じがします。

 まこと君がトランスジェンダーなのは間違いなさそうですが、性自認と性的な嗜好がボヤかされているので、単なる女装好きっぽくも見えます。

 私は自分と可愛い物が大好き!女は可愛い!私は可愛いので女装したい!三段論法的な邪悪さも感じます。

 また、まこと君は性的に中性的で、美少年兼美少女なので親友の竜二も単純にゲイと言うわけではなさそうです。

 まこと、咲、竜二の関係も、咲がドチビの性的に未成熟な少女として描かれているので、三角関係が成立しておらず、まこと君の性的魅力(フェロモン)に惹きつけられている蟲2匹といった関係性です。

 物語が進展して、竜二が咲を意識する展開になれば、話は変わっていきそうです。そうはならないかな?

 何となく敷居が高そうでしたが、まぁ、深いことは考えずに気楽に観ても大丈夫そうです。

 しかし…まこと君、トイレやシャワーはどうしてるんでしょうね?高校にはトランスジェンダー専用のがあるんでしょうが、外ではどうしているのか?その辺も曖昧にしています。

 お馴染みの新宿二丁目のゲイ達は、見た目が邪悪で禍々しい連中です。醜男が女装して醜女になっていると、警戒されるのに、美少年兼美少女だと許されるんか?

 この作品に通底するルッキズム臭は、キャラクターがアニメとして動くと更に強調されますね。咲の反応でもそうですが、見た目が良ければ女子風呂、女子更衣室等々に入ってきてもラッキースケべでOK!的な…。

 咲も別に深いキャラではなく、単なる面食いでメス犬ムーブをかますビッチに見えなくもないのが残念です。

 ガワだけでなく、キャラクターの掘り下げがもっとあることに期待しています。

 特に咲は吶喊色ボケアスペの変態娘にしか見えないので、今後のキャラクターとしての成長に期待大です。

………………………………………………………………………

  3話追記 2024.07.29

 4話をレビューする前に、昭和の知識で誤ったレビューを更新しなければなりません。

 まこと君と蒼井咲が衣装を交換することに対する違和感は、私のファッションセンスが古いから感じる可能性はもちろん否定出来ません。服飾の専門家ではありませんので、認識の限界はあります。

 しかし、ユニセックスやフリーサイズというのは、そんなに万能な概念ではありません。

 男女兼用の衣服は、身体の線を出さないワイドシルエットが中心の様です。これは、民族衣装的な発想です。これなら、少ない資源で色々な体形の使用者に適用出来ます。

 しかし、作中で咲の着用しているドレスは、どう考えてもワイドシルエットではありません。身体の線を強調するデザインっぽいです。

 また、フリーサイズと言っても、まこと君はバスケで活躍出来る位の身体能力を持っている描写がありました。おそらく、身長も人並みにあるのでしょう。

 バスケは身長依存スポーツです。NBAでは2メートルでも低身長と言われている昨今、日本の高校生が授業でやっているバスケであっても、活躍出来るなら平均身長以下とは考えにくいでしょう。まこと君はチビのヒョロガリではありません。

 さらに、竜二は咲をちびっ子と呼んでいます。男性はあまり女性をチビとは認識しないのですが(男性より基本的に身長が低いから)それでもちびっ子と称しているのだから、女性の中でも小さい個体なのでしょう。

 そんな性差も体格差もある個体同士が着衣の交換が出来るとは思えません。

 また、オシャレの基本は身体のサイズに合ったものを着用することにあります。着用出来れば良いというものではありません。

 サイズが合っていなければ、チャップリンの生み出したキャラクター、小さな放浪者の様なギャグキャラになります。

 このキャラは、一応、紳士のスタイルだけど、靴もズボンもブカブカ、上着はピチピチの何かおかしい人物、道化の極みとして、今でも世界中で愛されています。

 当然、そんな描写は作中にありませんので、すさまじい個体差があっても似合う衣服を咲は着用していたことになります。

 こんなオーパーツみたいなのが、実在するんでしょうか?車が空を飛び、メタンが吹き出す軟弱地盤の地獄の大地にカジノや万博会場が作れる今の技術力なら、ラフォーレ原宿付近には実在しているのかもしれませんが…。

 しかも、咲は逃げ上手の若様の諏訪頼重ばりに未来を拾って先輩とドレスを交換することを予知して備えていたんでしょうか?

 普通は自分のドレスを他人(しかも男)が着るなんて想定しないはずですが?

 しかも、ユニセックスの難しい点は、チャップリンを引き合いに出すまでも無く、男女兼用でどちらにも合う、ダサくならないデザインを追求しなければならない点にあります。

 そのため、普通の衣服よりデザイン料が上乗せされ、値段が高くなりがちです。咲はワザワザそんなのを用意してたなんて、もはや出演するアニメを間違っています。

 アベンジャーズに日本代表のサイキッカーとして登場した方が、活躍出来ます。スーサイド・スクワッドでも良いですね。

 で、なければ咲は極虎一家の枢斬暗屯子さんみたいにワイルドセクシー系女子なんでしょうね。この辺が少女漫画的なルッキズムなんだよ!小柄な可愛い系女子が舐めんじゃね〜!(# ゚Д゚)

 レビューはあくまで作品に対する個人的な見解であり、本来的に正解や誤りはありません。レビューアーがそう感じたら、そうなのです。

 作品に対する愛は理解しますが、過度な擁護は自由な感想
の表明を萎縮させ、結果的に作品の魅力を減じる結果となるでしょう。

………………………………………………………………………
 3話まで観ました。2024.07.24

 ラストは違和感を感じます。性自認は各自の自由だとしても、肉体は言うことを聞きません。

 感動的な海岸でのラストシーンですが、現実ではギャグになります。先輩は絶対に蒼井咲のドレスを着ることは出来ません。

 どんなに華奢な男性でも、肉体はドッペルイクスとは違います。赤ん坊の頃から男子は肩幅があって、逆三角のフォルムのため、どんなにビッグサイズの女性モノ衣装でも、第二次性徴以降は肩が入りません。

 蒼井咲がラッキーシモノビッチみたいに肩幅1メートル超えの女子高校生なら話は別ですが、あり得ない描写に、所詮はこの程度、少女漫画的なルッキズムなのか…と感じます。

 精神と肉体との折り合いがつかない状態が悲劇なのです。現実味が薄いのはフィクションなので仕方ないですが、過度の期待は禁物の様です。

………………………………………………………………………

 2話まで観ました。2024.07.18

 なかなかコミカルで面白い雰囲気はあります。主人公につきまとう後輩の蒼井咲も、一線を越えた嫌がらせはしてこない、わきまえた女子ですし、親友の大我竜二も良い青年です。

 2話では、3人で遊びに行ったりするのですが、なんか良い感じです。

 ただ…、肝心なのはこれからですね。主人公はこれからどんどん男になっていきます。私も経験ありますが、自分でもわかるんですよ…。男として肉体が完成していくのが…。

 私はトランスジェンダーではないので、筋肉がゴリゴリついていく自分の肉体がとても愛おしかったですが、主人公にとってはどうなんでしょう?

 また、親友と後輩は所詮他人なので、ジェンダー規範を逸脱した主人公に好意的ですが、これから関係を深めていくと、主人公の母親みたいに闇堕ちするのでは?

 これからどうなるのか、とても楽しみです。

………………………………………………………………………

 初回観てのレビューです。2024.07.06

 コミカルな感じで、ギャグとしては中々面白そうです。ただ、虎の尾を踏む危険性があります。

 後輩は、モラトリアム期女子に発病しがちなライト百合っぽいですが、先輩はガチのトランスジェンダーの様です。

 多様性への理解が進んだとは言え、女装して登校するのはかなりのプレッシャーです。周りのノーマル達がどんな酷いことをしてくるか分かりません。単なる二重人格のサイコパスや女装趣味で片付けられる問題ではありません。

 最近、会社同僚の女性社員が男性になりました。胸と子宮を手術で除去し、男性ホルモンを投与してやっと、裁判所に性別変更を認められたそうです。

 この方は地方出身なんですが、上京して初めてカミングアウトしたそうです。他人に基本的に関心を示さない東京じゃないと、場合によってはトランスジェンダーは死を意味します。

 肉体が男性ならリンチ、女性なら輪姦される危険が高いそうてす。性的、社会的に世間様から期待される役割から離脱する人間を田舎の地域社会は許しません。

 男性支配の強い社会だからなのか、田舎の同調圧力なのか不明ですが、LGBTQが普通に生きられる地域は日本でも限られています。

 我が社でも、一部の幹部が扱いに困ると嫌がってひと悶着ありました。一応、先進的な取り組みをしている事業所っつーことになっているにも関わらずですよ…。

 ふたなり男の娘AV をライトにした様な、ちょっとエッチな感じの作品にする気なのかもしれませんが、危険すぎます。

 こんな地雷を上手くアニメ化出来るのか?すごく気にはなります。

 注 最初のレビュー時は、性同一性障害と記述しましたが、否定的なニュアンスがあるので、トランスジェンダーに修正しました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

リアルな心情や環境が刺さる。

初見評価
最近多いジェンダーレス作品。
割と軽い雰囲気の作品かな?
自分も学生時代同性を好きになった事あるけど、少し距離が近いだけでホモホモ騒ぎになり、親に同性愛って人がいるんだってーとそれとなく言うと「キモ」と一蹴されたことがある。性別関係なく人のことを愛せるってとても素敵な事と思ってた当時は人格否定されたようで傷ついた記憶がある。
だから主人公の気持ちがよくわかる。俺もこんな美形だったら女装してたと思う。

9話まで視聴
男だけど女性的な主人公、男だけどそんな主人公が好きな友達、女で主人公のことを好きだと思うけど好きがわからない後輩。
それぞれが相手のことを思い動くからすれ違いも起きて、、、。
それに合わせて、それぞれの家庭環境が見えてきて少しずつ重くなっていく。

友達の家庭はおそらく平均的な家庭。
主人公の家はお母さんがヒステリックで不安定。
後輩の家がかわいそう。
自分も小学生の頃、父は「子供はいらない」と女を作って出て行って、母はヒステリック系で日々育て方を間違えただの産まなければよかっただの言われ突然数日帰ってこなかったり怒鳴るは物を投げるはで中々苦労したほうだと思う。
家庭って選んで生まれれないし、事あるごとに普通の家庭だったらなって悲しくなる気持ちよくわかる、家族が味方じゃないと思った時の孤独感はとても辛かった。でも、一番つらいのはそんな親でも自分にとっては家族で憎いんだけどどこか信じて期待してしまうそしてまた裏切られて自己嫌悪。
いっそのこと他人と思えたら楽なのにって何ども思った。
そんなしんりがリアルに描かれてると思う。
けどなんか、ホントはいいお母さん風で閉めようとしてるけど身勝手な親は許せない。

自分語りが多くなってしまうけどそれくらい現実的な設定で自分と重ねてみてしまう。
蒼井ちゃんのこの経験は無駄にならないきっと幸せになると信じたい。

後、残念ポイント。
作画が低予算なりに頑張ってるって感じ。もっと金かけてたら大作だったと思う。あと、ED騒がしい。雰囲気台無し。

最終話まで視聴
最終的にそれぞれの家庭の問題も一歩踏み出すことができ幸せな形で終わることができよかった。ちゃんと区切りよく終わってくれてとても好印象。
主人公とお母さんが歩み寄る展開とかグッとくるよね。
ただ回収できてないことが気になる。
1,結局蒼井ちゃんのお母さんはなんであんな長い間あってあげなかったの?
金に余裕出来たから会いに来たってちょっと都合よくない?また余裕なくなったら捨てるってこと?
貧乏だろうが今の日本ならまともに働いてれば生活はできると思うし、
ましてやおばあちゃん家持ってんならバリバリ働けば三人で生活だってできたんじゃないの?
そこについての説明がほぼなくなんかいい雰囲気って感じでごまかしてた感じ。
2,蒼井ちゃんのお母さんがまことに似てた発言。その設定いる?
なんか見覚えある。(誰なんだろう。)あ、まことに似てる(え、複雑な関係?)って憶測が膨らんだのにそのまま触れることなく終わった。
え、その設定いる?それとも、原作では続きがあるのかな?

もしかしたら、今後明かされていくのかもだけどとりあえず気になった。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

64.1 18 演技アニメランキング18位
ゲキドル ACTIDOL SCHOOL(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (103)
262人が棚に入れました
謎の災害・世界同時都市消失から5年世界は混乱の中にありながらも、少しずつ復興を遂げようとしていたそんな世界で3Dホログラムを用いた「シアトリカルマテリアルシステム」を使った演劇に魅せられ光り輝くステージを目指す少女たちがいたそれぞれの思いを胸に今、ステージの幕が上がる

声優・キャラクター
赤尾ひかる、持田千妃来、諏訪彩花、花澤香菜、M・A・O、山本希望、髙野麻美、秋吉あや、佐藤亜美菜、鳥海浩輔、八島さらら、水橋かおり
ネタバレ

kabaj31 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひっそりと期待。。。

■完走後の感想

回を重ねるごとに面白くなっていくアニメでした。

{netabare}第5話でドールが赤い目になって覚醒した辺りから、
このアニメはいったいどこに向かっているんだ? と、とまどいつつも、
目が離せないアニメになっていきました。
SF要素が濃くなり始めてから終盤の11話になっても、そこからの着地点が見えず、
最終話の12話まで、ダレることなく見れました。
最終話のサブタイトルが「終わりよければすべてよし」なのは笑いました。

個人的に、過去改変モノについて、過去は変えられないから過去であり、
過去が変えられないからこそ、今大切なモノを大切にしようというエンドしか
無いものだと思っていましたが、こういうやり方で変えることも出来たのかと、
少し感心しました。
ゲキドルが過去改変モノに入るかどうかはわかりませんが。

OP、EDについては、前半のOPはアイドルものっぽい歌で、
あ、これ見なくていいやつだ、って感じのOPでしたが、
EDで、あ、これは見なくちゃいけないと思いました。
後半のOPが、じわじわ、妙にかっこよく思えたりもしました。

音に関しては、BGMや効果音、環境音や、ザワザワとした周りの声など
基本を押さえていて、非常に良かったと思います。

声に関しては、あいりの他にあれ? と思う人が何人かいましたが、
劇のシーンでは、せりあ、あいり、ともに気合いの入った演技で
すごかったと思います。
終盤のかをるやドールの声もすばらしかったと思います。

キャラに関しては、
ストーリーが濃い分、後半から終盤にかけて、キャラの魅力は薄くなっていったように思いました。
その点については、もっと、劇パートをたくさん見てみたかったなぁという気がします。

最後に、
人を選ぶ内容ですが、
SF好きならオススメしたいと思うアニメでした。{/netabare}


■第2話までの感想

第2話まで視聴。

「ここは、どこですか?」
「太陽系第三惑星、地球。その直径は約一万三千キロ。
一つの衛星を持ち、炭素型生物の生存に適した大気組成と‥」
「わかります。いえっ、わかりません! 地球のどこですか?」

舞台演劇を題材にしたアニメでしょうか。
元々、劇中劇のHOTDの様なゾンビモノに興味があったのですが、
こちらの本編の方が、ストーリーがしっかりしている気がします。

一部の都市が消滅していたり、近未来的な舞台装置とかが出てくるようですが、
今後、それらがどのような方向でストーリーに絡んで行くのか今のところ不明です。
ただ、登場キャラの紹介や、それぞれのキャラにちなんだエピソードで話が進ん
で行くタイプのストーリーではないような気がします。
なにか大きな柱のあるストーリーであることを期待しています。

もしかすると魂がこもった作品になるのか、ならないのか、
化けるのか、化けないのか、注目してみたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

北山アキ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ストーリーの表層だけじゃない含蓄

6話まで観て
アイドルでも演劇でもなかった?SF?
と思ったけど終始一貫して演技論を通したヒューマンドラマは手放さない本命にも見える。
ロボ子が観客それぞれの願望をオンデマンドに投影できる究極のアイドル(偶像)になったようにも見える一方で、自分の意思を持っているようにも見える。
でも、ロボットの意思とか言うと見方が陳腐かつ短絡的になるから、別々のものを見ている観客側から「客観的な世界の存在を当然視する素朴な見方をいったん停止」という現象学的なアプローチをするだろうか??
演じることで生きる者と演じられることで生きる者の断絶と邂逅の先にあるのは救済の物語か、はたまた人間の存在の絶望か?
(なんとなく煽ってみたくなった)

4話まで観て
今回、がっつりSF的テーマに踏み込んだ、のか?
演劇とSFというかAIやバーチャル・リアリティの親和性は1話目から感じていたけど、ここからストーリーにどう絡めてゆくか期待。

(俳優でもアイドルでも)演技をつくるという行為における情報処理のプロセスは人工知能のモデル開発的に面白そう。知らんけど。
で、それが技術であり、データなら、移転が可能であり、だったら感情とは?記憶とは?ロボ子とは?妹とは?わたしとは?みたいな?
生物学的な意味での寿命の有無に起因するなんやかんやの違いが舞台といVRを通して昇華されるか?

2話まで観て
成熟したジャンルほどマンネリを打破しようとおかしなことをしてくれるんじゃないか?
アイドルものなんて固定客とそれ以外に分かれそうな、先入観ができあがって新規を掴むのが難しそうなジャンルだ。
だからこそ(数もあるし)結構頭おかしい作品も実際出てきていると思う。
それこそがアイドルものへの期待感。
そもそも偶像なんて欲望の容れ物を描くわけだから頭がおかしいもんができて当然。
たいがいはテンプレのお人形さんがでてくるだけで期待外れに終わるけど。

初回で意表をついてきた「アイドリープライド」より真っ当に挑戦的な感じがするのが「ゲキドル」。
(2.5次元化とかの商業展開でしょ?とかは作品とは切り離して)
演劇なのかアイドルなのか?
そんなことより、SF展開がくるのか、来ないのか?
要素はあると思う。
ならないと思うけどね。万が一ね。と思って様子見。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「SFっぽい設定だけ匂わせてる」わけじゃなくて、本当にSFじゃないですか!

第10話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

作中でも言っている通り「演劇」+「アイドル」で「ゲキドル」らしいんですが、そこにSF要素を絡めるという「売る気あるんか?」みたいなニッチな設定と作劇の衝撃作です。

このニッチさから、本作からは多数の視聴者が脱落していると思われますがSFに甘い私は視聴を続けています。

地上波では第1話だけTokyoMXで観ることができて、以後は改めて毎週BSフジ「アニメギルド」枠での放送を追っています。

作中で起きた「世界同時都市消失」という災害やTMS(シアトリカルマテリアルシステム)という演劇用の舞台システム、そしてその一部であるアンドロイド(女性型だから本当は「ガイノイド」)っぽい「ドール」(アリス)といった辺りには元々SF要素を見せてきていた本作ですが、それらは作劇上の「舞台装置」的な設定ではなくて、ストーリーの根幹部分でこの作品はSFらしいということが終盤でわかってきてビックリです。

ストーリー展開に合わせて途中でOPが変わりますが、旧OP「ゲキドル!」はいわゆる「地下アイドル」っぽいいかにも「アイドルグループのテーマ曲」といった感じで、新OPはゲキドルというユニットの物というよりは本当に物語のストーリーに沿った歌詞の曲です。

最初から新OPを聞かせてしまうよりは、確かにこのOP曲切り替えの方が良いと思います。

ED曲は各キャラクターによるキャラソンですね。このED曲を割り当ててもらえている四人が「主要キャラクター」ということなんでしょうか。

「ダンデライオンガール」(守野せりあ)
「キズナ」(各務あいり)
「制服DOLL」(アリス)
「トーキョーロンリーガール」(雛咲いずみ)

※各ED主題歌の背景アニメが、それが直接の原因で本作を忌避する人が出るかもしれないレベルでエロい。

SF設定に演劇要素をどう結末に絡めるのかが終盤の見どころでしょうか。一応、期待して観てみたいと思います。

2021.4.9追記:
最終話まで観終わっていましたが、更新が遅れていました。通じる人には通じるかもしれませんが、そのまんまというわけではないんですけどちょっとオーガス(『超時空世紀オーガス』)を彷彿とさせる最終回でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

57.0 19 演技アニメランキング19位
SPIRITPACT(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★☆☆ 2.8 (61)
261人が棚に入れました
除妖師である「楊敬華(ヨウ ケイカ)」は交通事故に遭遇し、命を落としてしまい、亡霊となってしまうという衝撃の展開からスタート。楊敬華は、偶然で出逢った陽冥司の「端木煕(タンモク キ)」と契約を結び、端木煕の影霊となる。不運な亡霊「楊敬華」とイケメン金持ちの「端木煕」のコンビは、鬼や妖怪と戦うなどの幾多の困難を乗り越えながら、無二の親友となっていくという展開になっている。

声優・キャラクター
井口祐一、武内駿輔、大久保瑠美
ネタバレ

jujube さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

これが100%中華製アニメの実力だ![完走後追記]

1話視聴。ハオライナーズ系列はだいたい初回見てるんだけど、ついに制作スタッフに日本人が1人も居ないアニメを達成したよ!(吹替は別)

作画はキービジュ詐欺だよねー。
キービジュはpixiv系イラストレーターが描いた風なので、アニメ絵ですら無い。めちゃくちゃ腐狙い乙。
まあ本編絵はそこまで酷くは無いからいいけど。作画崩壊とか原型を留めていないとかは無いからご安心ください。
まあキャラのギャグ顔の崩し方が古き良き時代を感じるなぁ。80年代的な。

声優は、うーん。そういうキャラなんだろうけど、主人公がちょっと高音で騒がしすぎてウザいかな。

音楽はOPもEDも中華製ポップスだけど、90年代初頭的な。街中に流れてたとしても空気で箸にも棒にも引っかからないやつ。まあ特筆するものではない。
ただBGMがなんでこのタイミングでこれ?って感じの謎セレクトばっかりで、もうちょっと勉強した方がいいね。尺も考えずにダラっとかけっぱなしじゃあかんよ。

物語としては、中華製アニメのストーリー物の中でまだ取っ付き易い設定。
能力者一族の由緒正しき(現在没落気味)青年が事故死したら、外見はうら若き少年期の霊体になって、もう一人の能力者の韓流風イケメン青年の英霊?になれと契約を持ちかけられる話。そして2人での悪霊退治が始まる。

ストーリー物でも若干BL風味のゆるふわバトルアニメだし、突っ込んだら負け!細かいところは無視して。前後の整合性はましな方。
中国人の論理で動いてるんだから、そこを楽しもう!
ガチガチなシリアスやられて、伏線張ろうとすると途端に失敗するからね中華製は。
これは無駄な大風呂敷広げて無いからゆるっと見られる。

万人にお勧めはしないけど、中華製アニメってどんなん?って興味の人には入門編としていいかも。他のは仙境系が多く、設定が日本人に馴染みなさ過ぎと、脚本の齟齬も大きかったりで付いて行けないことが多い。
{netabare}
先行配信の中国ではご腐人方に大人気だったらしい。(話半分)
BL要素はまあ主役2人が顔が良くて主従関係ってところ。契約は金の指輪を嵌めること。→脈絡無く「結婚しろってこと?」とか言うセリフがある。
日本的な腐に媚びるってレベルに達して無いから、どうしても直接的な表現になるね。性的なものは無くカラっとしたもの。まあ一般視聴者も気にしなければそれだけのこと。
他作品では中国でのゲイの扱いが気になるほど、それ下ネタギャグにしていいの?なんてのもあったが(笑)
{/netabare}

作中で韓流言い過ぎなのは、中国内でやはり相当浸透してたんだなーってのが感じられた。
まあ、もうしばらく視聴継続できるだろう。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<完走後追記>
いやあ完走してしまったよ。
一応中華物にしては珍しく、起承転結を感じられた。
(中には凄まじい投げっぱなしENDも見られるからねw)

というか、すみません。これモロBLでしたわ。(訂正)
若干どころか、ガッツリ{netabare}キス{/netabare}してますやん。
愛だの、恋だのは一切言わないけどw
なんで唐突にそれをした?!一切ムード無しwww

もう見てからだいぶ時が経ったので、多くは語らない(忘れた)けど、
中華風ギャグの崩し方がやっぱり引くよなー。
それまでシリアスで引っ張っていたシーンで、いきなりキャラ崩してギャグにするんだけど、脈絡なく相手を攻撃してギャアギャア言っているように見えて全然面白くないんだが。

そう言えば、海外反応系で「ドリフターズ」のギャグシーンも欧米では受け入れられない人多数だったな。
自分としては和やかに皮肉の応酬しているとこなんかギャグシーンとして秀逸で好きだったんだが。これが理解できない欧米って…
とか思ったけど、お笑いの文化の壁は厚い。
(それにしては、自分の好きな斉木楠雄は一部の欧米人には大ウケだったな…まじで境目が分からん。)


そいや、中華製OPが途中からコロッと日本語歌詞になっていたのには笑った。無駄な労力だったね。
別に歌がメインじゃないから、そこは力入れなくても良いんだがw


まあ、全体的に耽美系BLの雰囲気を出そうとして中華なりに頑張っていたのは感じられたよ。そこは評価する。
(ふとしたシーンが妖しく儚げで美しい…まさに耽美)
最近の日本だと耽美系は少々廃れている感じがあったから余計に好ポイント。
耽美系はOVAはまだしもまずTVアニメ化されないしね。
(その日和具合がガチBLアニメが成功しない理由だと思う。セレクトする原作がまず面白くないから、本当にアニメ化するほど売れてるのか?ってまじで思うし、そういうのに限って何故か巻数が多いし。ロマンチカが売れたのはごり押しアニメ化で先駆者だったからと思っている…←独断と偏見)

まあ、そんな中で当作品においては、BL界の一筋の風のように気持ち良く吹きそよいでいきました。(大抵は風になれない・・・つまり空気ってことさ!)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ハオライナーズ枠作品…って、既に枠化されていたんですね。

この作品の原作は未読…最近各クールに1~2作放送される発信源が中国の作品の一つです。
日本と中国とでは文化、歴史、民俗的違いがあり、時にその違いを作品の中で如実に感じる事がありますが、アニメを日本で定着させる上でしっかりステップが踏まれていたと思います。

最初は日本の制作陣が中国の作品を取り上げてアニメ化…
次に日本と中国の制作陣が協働で中国発の作品をアニメ化…
そしてこの作品もそうですが、スタッフはほぼ中国の方々で占められている…
アニメの歴史に大きな差がある事を踏まえ、段階的に中国独自の作品を独自の方法で浸透させています。
なので、視聴する側も違和感なく入り込めるような配慮がなされていたように感じました。
だって、タイトルにも記載しましたがTOKYO MXでは「ハオライナーズ枠」が設定されているそうなので。

そして肝心の作品の内容ですが、やはり民族的違いを感じずにはいられません。
主人公は特別…所謂英雄で、選ばれた存在…そして強い…
最初は普通の一般人…けれど、ひょんな事から自分の背負う運命や力に目覚め、物凄い力を発揮していく…
そしてひょんな事とは…例えば運命のパートナーに出会ったり、突如戦いに巻き込まれたり…
ひょんのバリエーションは様々ですが、この様なヒーロー的な作品が好まれるのはこういう運命に憧れを抱くから…若しくは面白さが分かりやすいから…

きっと日本の人口の数倍を抱える中国なので、物語のジャンルも色々存在しているのだと思います。
だから原作の人気もさることながら、中国作品の特徴を日本で打ち立てる…という視点で見てみると、分かりやすさが大切なんだと思います。

この作品の主人公の楊敬華 (ヨウ ケイカ)は、運命の人である端木煕(タンモク キ)と出会い彼を守護する立場となるのですが、端木煕が特別な存在なので、楊敬華の事を良く思わない人が色々と企てを図り…絶体絶命のピンチを経て、楊敬華は自分自身が秘める本当の力に目覚めていく…物語はざっとこんな感じです。
これまでいくつか「ハオライナーズ枠」の作品を見てきましたが、構成はよく似ていると思います。

ただ一つ難を上げると、アニメ化される範囲が圧倒的に狭い…という事でしょうか。
2017年冬アニメで霊剣山の2期が放送されましたが、この様に中国発の作品で継続して放送される作品は決して多くありません。
続編が放送された霊剣山ですら物語としてはまだ序盤…
物語の核心に迫る前でアニメが終わってしまうので評価が難しいんです。

それでは、この作品がつまらなかったか…というと好みはあると思いますが、決してつまらないとは思いませんでしたが、物語の核心は遥か彼方なんだろうな…と思いながら視聴していました。

物語の続きが気になるなら、その続きは原作で…
という思惑もあるかもしれませんが、私はそこまで手が届きそうにありません。
だって、日本の大好きな作品ですら原作に手がついていないのですから…

これから中国発の作品がどの様な道を進んでいくのか…
これには興味があるので、これからも「ハオライナーズ枠」の作品は視聴したいと思います。
今後、あっと驚くような作品が放送されるのを期待しています。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

Miyu_miyu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

続きが気になる!二期でてほしいなぁ~

まず、最初にこれは私、一個人の感想であることと、私は基本なんでもありなので、評価はわりと甘めにしています。それをご理解いただけたうえで読んでいただけると光栄です。

とうとう最終回!! 観終わりました(^^)他の皆様のコメントを拝見するとクソアニメみたいな評価ですが・・・
そうですね、私は物語としては面白いと思いました。そもそも主人公が幽霊って言う設定はここ最近のアニメでは久しぶりだったので、新鮮に思えました。
原作が中国の作品って言うのも、興味がわきましたね。たいてい外国の作品だと日本の作品には及ばない印象がありますが、取りあえず見てみようと言うノリで観始めましたが、まあまあだと思います。(もっとひどい物もあるからなぁ~www)
二人が出会ったのは偶然だったのか、運命のいたずらか・・・二人の前世(祖先)が関わっている設定も恋愛方面でも観ていてドキドキしました。過去にどんな事があったのか、その出来事が今の主人公たちの関係にどう影響しているのかが、毎週だんだん解っていくところを楽しんで観させてもらいました。
作画はまあまあかな・・・。もっとひどい物も知っているので、それと比べたらわりと丁寧な作品だと私は思います。たまに「このシーンは本当に必要なのかな??」と思うところはありましたが、全体的にはいいアニメだと思います。
BL好きな方には「物足りない!もっとドキドキするシーンが欲しい!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。けいこうで言えばSuper Loversが近いと思います。
私はこのアニメをどっちかと言うと恋愛物としてではなく、二人の信頼関係(友情/家族愛の一種?)をベースにしたアニメとして観ていただきたいなと思います。恋愛要素はあるにはあるのですが、あいまいな所なのではっきりした関係ではないですね・・・
ですがもちろん、幽霊物や妖怪系がお好きな方には見てもらいたいですね。
話は面白いので。
ただ、最後のシーンがすっきりしない分、二期をやってちゃんと物語を完結して欲しいですね。思わせぶりな場面で終わるのは正直あまり好きではないので。(笑)
それでも、観て損はしないと思います。(結局人それぞれですが・・・)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

61.3 20 演技アニメランキング20位
CUE! アニメ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (91)
250人が棚に入れました
『CUE!』は、リベル・エンタテインメントが2019年10月25日に提供を開始したスマートフォン向けアプリケーションゲーム。CUE! 1st Anniversary Party「See you everyday」にてアニメ化が発表されました。

実績も経験もない、できたてホヤホヤの声優事務所『AiRBLUE』。そこに所属するのは個性豊かな声優の卵たち。彼女たちはいまの自分に何ができるのかを考え、それぞれが信じる形で夢へと駆け出していく! しかし、夢を抱きつつも直面する厳しい現実。苦悩、挫折、葛藤――。いくら練習を重ねても、全員がオーディションに合格することは叶わない。声優を目指す者なら誰もがぶつかる壁を前に、彼女たちはどう立ち向かっていくのか? 新人声優たちによる物語が、いま始まる。

声優・キャラクター
六石陽菜:内山悠里菜
鷹取舞花:稗田寧々
鹿野志穂:守屋亨香
月居ほのか:緒方佑奈
天童悠希:鷹村彩花
赤川千紗:宮原颯希
恵庭あいり:飯塚麻結
九条柚葉:村上まなつ
夜峰美晴:安齋由香里
神室絢:松田彩希
宮路まほろ:山口愛
日名倉莉子:鶴野有紗
丸山利恵:立花日菜
宇津木聡里:小峯愛未
明神凛音:佐藤舞
遠見鳴:土屋李央
鳳真咲:日笠陽子
五十鈴りお:洲崎綾
由良桐香:五十嵐裕美

mimories さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

このクオリティで2クールやるとは…

 
(7話脱落→復帰完走)

なぜ復帰してまで観たのか自分が分からない。
7話視聴後の想像を超える残念な内容。

ストーリーもキャラの思考も低いレベルに設定されてるので、ターゲットは小学生女児あたりと思われる。であれば雑な作りでも文句は出ないだろう。文句言う大人など相手にする必要ない。

とりあえず考えなしに声優目指してずっとバイトで食いつなぐみたいな人が増えないよう祈るのみ。だから小学生にも観てほしくないし、大人にも…誰にも薦められない(笑)

__________

(7話視聴後)

プレイヤーがマネージャーらしい原作ゲームは未プレイ。このアニメとはかなり違うのだろうか?

本アニメの売りであり難点はキャラの多さ。気に入るキャラがいれば観てて楽しいかもしれない。が、キャラ付けが雑というか、魅力そっちのけで無理やりな差別化設定ばかり。これではキャラの多さが弱みにしかならない。

話自体もマシな回とどうしようもない回がある。
それより気になるのは、これコンテの人いないの?監督は寝てたの?ってくらい工夫の無い構図。素人が趣味でやってんじゃないんだから…と思うくらい酷い。

キャストは…もうノーコメントで。

ここまで観てはじめて2クールだと知る。1クール我慢しようと思ってた心が折れた(笑) というわけで脱落。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

これは酷い。まあ声優に仕事を作るためのアニメと考えれば価値もあるのか

声優というのは非常に狭き門である。
その理由としては、一人の売れっ子声優が何本ものアニメの主役を独占できるところにあるのでしょう。
作画は何百人という人海戦術だから下手な人でもそれなりに生きているみたいですが、声優は頂点にしか仕事がない。
だからほとんどの声優は生き残ることができないのでしょう。

そう考えればヒロインを15人も無意味に出すこのアニメは、15人もの声優に仕事を作ったわけで、そこは偉いのでは無いでしょうか。
しかし本当に偉いと言われるためにはそのアニメが大ヒットしてその声優の代表作といえるくらいに良い作品になってこそだと思うので、単に仕事があれば良いってものではないと思いますけれどね。

内容としてはかなりきついです。
声優を題材にしたアニメなのですが…全くおもしろく無い。
冒頭から主人公らしき人が台本を落として奇声を上げるという意味不明な出だしでドン引きさせられた状態からの… いや全部つまらいので挙げ連ねるのも面倒なのですが。

特に何だこりゃと思ったのはキャラの無駄な多さですね。無駄に大勢出すと焦点がボケて誰一人わからないんですよ。主人公は誰?
15人はどう考えても多すぎ。
キャラ1人1人を描く気なんてさらさらなく、ただ無駄にキャラを出しただけなのでしょうね。
知らないですけれど、デビュー確約の声優学校でもあって、その卒業生を全員ヒロインにぶっこんだとかですかね?

こりゃ酷いなと思ったのは演出も演技も悪いので、作中の演技が良い演技なんだか下手な演技なんだか、全然わからない。
いい演技だとコメントしていましたが、まったく説得力がない。

比べるのもなんですが、かげきしょうじょは演技に凄く説得力があって、登場キャラのコメントにもなるほどと納得できたのですが、本作は違和感しか無いです。

絵も悪いです。絵柄的には可愛らしさはあるのですがレベルが低く、まあ全体的にレベルが低い中では些細な問題ですね。

というわけで色々ひどかったですが、15人もの声優が仕事をもらえたなら、まあ良かったんじゃないですか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

卵とはいえ、プロですよね?

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
声優育成ゲーム(サービス終了)のアニメ化。という、やや爆死臭がしますが、それだけで酷評はしません。作画など、アニメとして、一定のクオリティはあると思います。

まず、キャラ数が多くて覚えられないのは、私の問題かもしれないので、置いといて(笑)

全体として、「薄っぺらい」という印象です。作画、演技、キャラ、設定、演出、ストーリー、全てにおいて。

具体的には、特にストーリーがややご都合主義的に動き、安易な感じがしました。勿論、なろう系などもっとご都合主義なアニメはいくらでもあるけど、これは、「声優業界を深く知るゲーム・アニメ業界」が作る作品なので、「声優ってこんなに甘い世界なの?」という印象を受けてしまいました。

我々もアニメが好きだからこそ、こういうアニメには、余計に厳しい見方をしてしまうのかもしれません。

レビューでは、「新人声優をアニメ化する難しさ」を「新人アイドル」と比較しながら、書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(3話まで)】
{netabare}
例えば、高校野球をアニメ化するのと、プロ野球をアニメ化するのは違う。

物語である以上、成長は必須で、その点、学生(アマチュア)は描きやすい。しかし、プロというのは、その学生の中から選ばれた一握りの存在なわけで。いくら新人とはいえ、高校野球のスーパースターレベルであるべき。当然、その悩みや成長も、より高度になるべき(だから、メジャーやドカベンみたいに、学生野球の続編以外では、スタートからプロスポーツ選手が主役の作品はめちゃくちゃ少ない)。

んで、本作は「プロスタート」という設定であるのに、どう考えても「アマチュアスタート」のノリ。

声優として少しでもアニメに関われる人は、約3%。声優で飯を食える人は0.1%とも言われます。非常に狭き門です。

皆、デビュー前(養成所預かり)だとしても、それぞれの声優学校ではトップレベルの力や才能がある(から選ばれた)はずなのに、それが全く無かったことになっている。

これ、安易にアイドルアニメの構成を模していると思うけど、アイドルと声優は全く違って。

アイドルは、アクターズスクールやハロプロ研究生みたいに、セミプロレベルからデビューする人もいるだろうけど、「容姿」の一点突破で、少しトレーニングをしただけの素人がプロデビューすることもある。なぜなら、アイドルにとっての「作品」とは、「自分達自身」であり、素人からの成長ですら、ウリの1つになり得るからだ。

一方、声優にとっての「作品」とは、「アニメ」のことであり、それは、監督や作画スタッフなど、多くの人物が作りあげた作品に「スタッフの一員として一緒に参加する」という意味合いが強いだろう。

アイドルにしたって、作曲家や振り付け師など多くの方が関わるが、それはあくまで「アイドル自身を輝かせる」ため、いわば、神輿としてのアイドルを縁の下で支える存在である(それはそれで、アイドルの方にもプレッシャーや難しさはあるだろうけど)。

アニメの場合は、「アニメ」という神輿を担ぐ一員としての声優がいる。だから、音痴な新人アイドルに対しての批判より、棒演技の新人声優への批判の方が強いのだろう。だって、音痴でダメージ食らうのはアイドル自身だが、棒演技でダメージくらうのは、その作品に関わる全ての人だから。声優と作画マンはアニメの一番正面に出るスタッフだから、「作品をぶち壊した戦犯」みたいな扱われ方をしてしまう。

と、こういう厳しさの中に身を置き、声優の方々は日々努力され、プロとしての仕事を果たしているのだろう。私達アニメ好きは、そういう点に敬意を払っているし、普通の視聴者よりは厳しい見方をしてしまうかもしれない。

その点において、この作品に出てくる「プロ声優」の意識やレベルの低さには、疑問を感じてしまった。

これが、声優養成所のアニメなら、何の問題もないし、むしろ、応援したくなるんだけどね。

(もしくは、ガーリッシュナンバーみたいに、失敗や苦しみを描くなら良い。本作も3話まではトントン拍子だけど、流石に、中盤以降は苦しむ展開にするんだろうけど。知らんがw)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
ん? 声優アイドルアニメか。あのキャラ数を覚えられる自信がない(苦笑)  う~ん、プロなのに意識低すぎないか?

2話目 ☆2
特に努力描写もなく、注目されるか。

3話目 ☆2
練習描写、短っ(苦笑) いたれりつくせりやな。こんなに良いもんなのかな? 原作理解度だけで? 同じ事務所から、新人を3人も起用する。色々、叩かれるぞ?(笑) いや、今時、「歌って踊るのは声優じゃない」なんて言う声優の卵、いるか?

4話目 ☆


5話目 ☆


6話目 ☆


7話目 ☆


8話目 ☆


9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

64.5 21 演技アニメランキング21位
声優ラジオのウラオモテ(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (84)
246人が棚に入れました
「夕陽と~」「やすみの!」 「「コ―コーセーラジオ~!」」 「この番組は、偶然にも同じ高校、同じクラスのわたしたちふたりが、皆さまに教室の空気をお届けするラジオ番組です!」 声優としてもクラスメイトとして、と~っても仲良しなふたりのほんわか声優ラジオがスタート・・・・・・というのは「オモテ」の話。 夕陽の素顔は根暗な地味子、対するやすみは生粋のギャル。見た目も性格も正反対なふたりは、口を開けば大ゲンカ。 「・・・・・・・何その眩しさ。本当びっくりするくらい普段とキャラが違うな、いつもの根暗はどうしたよ?」 「あなたこそ、その見た目で可愛い声を出すのはやめて」 収録が終わればそこは修羅場、嫌味と罵りの嵐が吹き荒れる! こんなやつと一緒にラジオなんて、絶対に無理! でも、オンエアは待ってくれない・・・・・・! 前途多難な声優ラジオ、どこまで続く・・・・・!? プロ根性で世界をダマせ!バレたら終わりの青春声優エンタテインメント、NOW ON AIR!

声優・キャラクター
歌種やすみ/佐藤由美子:伊藤美来
夕暮夕陽/渡辺千佳:豊田萌絵
桜並木乙女:長谷川育美
柚日咲めくる:東山奈央

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

アニメ化するべきでは無かった。原作者はキモヲタか業界ゴロのどちらかだろ!

 最終話(12話)まで観ました。2024.06.27

 原作者には悪いけど、アニメ化しない方が良かったですね。これ、声優に一番詳しい組織(アニメ製作会社)が、大して業界情報を持っていない原作者のラノベをアニメ化するという、地獄絵図になっています。

 声優ブームが落ち着いて、我々視聴者にも声優残酷物語が明らかになりつつあります。

 そもそも70年代から80年代のアニメのムック本とかに載っている声優インタビューを読んでみると、声優達は業界をボロクソに言っています。(特に銀河鉄道999映画版のムックはやばかった)

 声優なんて目指してなるものでは無く、俳優崩れが仕方なくやるもんだとか、低スキルワークに過ぎないので何年やってもキャリアにならないとか、給料が安くて生きていけないとか、業界ヒエラルキーの最底辺の声奴隷に過ぎないとか、酷いもんです。

 そして現在、アニメ業界は規模だけがデカくなったものの、声優の待遇は改善されていません。競争だけが激化しています。さらに、A.Iで代替も出来そうです。

 本アニメは、高校生声優2人が業界で頑張る話ですが、はっきり言ってメルヘンです。

 多分、声を当てている声優も、アニメ監督他のスタッフの方々も、こんなことあるわけねーじゃんとニヤニヤして原作者を馬鹿にしながら製作しているのが見え隠れします。

 業界内部のことを、外部の人間が小説に書くと、キモヲタの妄想にしかなりません。

 これ、原作者がアニメ業界内部の人間だったらさらに悪質で、声優業界の惨状を知っていながらも、こんなメルヘンなお花畑ラノベを書けるというのは、業界と癒着した業界ゴロでしかありません。

 どっちに転んでも、妄想思弁小説で辞めとけは良かったのです。ただ、構造的に声優が主役のアニメが面白く無いということが分かったのが一番の収穫でした。

 後、私は陰キャが演技について偉そうなことを言うのが鼻につきました。ほぼコネのクセに…。事務所のゴリ押しとかと余り変わらんだろ。

 また、声優如きにキャスティング権など無いので、先輩に評価される意味なんてあるの?全員別撮りだろ?

 原作者がキモオタなのか、業界ゴロなのかが、一番気になります。どっちにしてもクソですね。
………………………………………………………………………
 10話まで観ました。2024.06.15

 9話でクリスマス会をカラオケでやってクラスの友達と遊んだり、10話でイベント出たりしてなんやかんやでギャルの演技はオーケーになりましたとさ。

 どうも普通のアイドルモノの様な感じになってしまいました。ラジオはどこへ?

 声優業界の詳しい状況を描けない縛りでもあるのか、ゆるい雰囲気です。もっと、陰キャとギャルの差が開いて欲しかったです。

 声優業界も、陰キャの様にパパが監督みたいなコネが無いと駄目らしいですが、其の辺をもっと深掘りして欲しかったです。

 後、声優イベントで、主人公達女子高生声優他に告白ボイス対決をさせたりしてましたが、イベントってあんなにキモいの?若い娘にセクハラして、反応を楽しんでいる様な悪趣味さを感じます。

 声優のギャラとかがも明らかにならないし、リアルティも欠如しているので、裏も表も無い、緩いなんちゃってお仕事モノでしか無いようです。

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 8話まで観ました。2024.06.03

 6話、7話と意味不明な展開が続きます。ギャルと陰キャがキャラを作っていた事にファンは怒っているらしいですが、これ、演技そのものを否定してますよね?

 プライベートそのままじゃ、声優にならないじゃん。時々大人の事情で出てくる棒演技声優が良いってこと?普段通りにボソボソ台詞を喋られてもなぁ…。

 普段からアニメ声じゃおかしい人です。しかも演技なしじゃ現況、高校生キャラしか出来ません。

 もう、人を殺したことがある人しか殺人犯役出来ないと言っている様なもんで、ファンの方がおかしいでしょ。転生したことないのになろう主人公やるな!レベルです。

 そして、陰キャの弁護士マッマとの賭けで引退チキンレースをやりますが、こんな茶番でファンに許されるのかな?物理攻撃されなきゃカウントしませんレベルのハードルの高さはズルですねぇ…。

 この二人、ちょっと事件起こしすぎです。無許可路上興行で警察に怒られるでしょ。

 そして8話、何か許されたことになってからの、ギャルが悪役に挑戦して上手くいかね〜と悩みますが、こんなの挫折でも何でもありません。

 オーディションでレギュラー役ゲットした時点でスーパーエリート声優ですよ。私の友人など、一回もアニメに出演出来ずに引退ですよ?大半の声優はデビューしてもこんなもんです。

 人型決戦兵器に搭乗して出撃した経験が無いから駄目なのかな?プロなんだから頑張って欲しいですね。
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 4話まで観ました。2024.05.03

 今回で一区切りって所でしょうか。陰キャの裏営業疑惑を晴らすためにギャルはキャラを作るのを辞めて、ラジオ配信することを決意します。

 顔出し営業してるのに、本来はギャルで、声優の仕事のキャラは作ってましたって…。普段はヤマンバギャルメイクかなんかしてんの?本当の自分とは?

 昔の子供向けアニメみたいに、偽物ヒーロー出現!劇中の登場人物はヒーローが本物かどうか分からないけど、視聴者には一目瞭然的な昭和演出かよ…。

 売出し中の芸能人(アイドル)ポジで一般人の中に混じったらオーラが消えるなんて、声優とは言え不味くない?

 陰キャも、正体が全国的にバレましたが、人気アニメの主演に決まっても、ヲタク以外は興味が無く、平穏に高校生生活出来ますよ的な業界の甘えが見え隠れします。

 アイドル声優のファンって、そんなに物分かりが良くて、世の中に影響力無いものかな?撮り鉄みたいに、自殺特攻して来ない?

 何か、現実感の無いファンタジーになってきたので、そろそろ潮時かもしれません。
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 3話まで観ました。2024.04.27

 主人公のギャルと陰キャ、顔出しで仕事しているのに同級生に正体がバレて無い様です。ストーカーになりそうな同級生ファンが特定しようとして興奮してますが、気付かないなんてことある?

 百合営業もやり過ぎ感があります。一緒に家風呂入る?そしていつもの胸揉ませろ…。男同士だったら、珍宝がデカいからフェラチオさせろ位にキモいんですが…。

 ネットにアップする画像も顔を出さないのですが、ラジオで公開放送とかしてましたよね?家の場所とか特定されない様に背景に気を使うとかなら分かりますが、今更顔を隠す意味ある?

 陰キャのマッマは金持ち弁護士で、娘がドル売りしているのを良く思っておらず、初対面で同業者のギャルに対して恥さらしだみたいなことをグチグチ言いますが、二人で私生活切り売りしてますが今更?

 そして陰キャに枕疑惑が…。オチは読めますねぇ…。声優業界の闇を描きたいのか、女子高校生声優二人の成長と成功を描きたいのか…。

 高校生ラジオも不人気で打ち切りとか劇中で言ってますが、色々ぶっ込み過ぎて迷走中です。そもそも未成年に私生活切り売りさせんなよ…。

 主人公達、女子高校生で生活もかかって無いのに、ギラギラし過ぎです。ギャラもいくらもらっているのか不明ですし、部活動ものっぽい雰囲気と業界の殺伐とした状況が上手く噛み合っていません。

 青春ものなのか、業界残酷物語なのか…。迷走していて観ていて疲れます。
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 2話観てのレビューです。2024.04.18

 何か、トントン拍子に仕事が入ってきます。主人公達、セットでアニメのメインキャストに決まり、アイドル売りもする様です。主人公達は舞台で歌って踊ります。陰キャとかギャルとかどこ行った?

 ドル売りするのにギスギスしている暇なんてありません。しかし、素人新人では無いとは言え、人前で見事にパフォーマンスできるんだ…。

 サービス停止ソシャゲ宣伝謎アニメのCUE!みたいに、バンバン仕事が入ってきて、スターダムにのし上がりそうですが、そんなに甘い業界なのかな?

 女子高校生である必然性も無くなってきています。ギャルの方は売れるために何でもする覚悟で、コネでも何でも良いから売れる時に売るんじゃ〜!若さぶん回してアドバンテージ活かすんじゃ!新人枠で無くなる四年目から景色が変わるんじゃ!とかマネージャーとグチグチ言あいますが…。

 仕事に制限がある女子高校生の身分は邪魔なんじゃ…?SHIROBAKOの赤毛みたいに高校卒業後でも良かったのでは?商売上の理由かな?う〜ん…です。
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 初回観てのレビューです。2024.04.11

 同じ高校のクラスメイトで女子高校生声優の二人がラジオをやることに!しかし、性格は真逆だった!上手く仕事出来るのか!?

 と、いうコメディですが、レジェンド級ならまだしも、売出し中のアイドル声優は普通に仲が悪そうなので、意外性は全く無いです。

 構造的にも仕方無い所があって、一同に集まって仕事をする必要も無く、一人何役も出来るので、芸能人の〇〇キャラ枠より競争が激しそうです。

 しかも、メインキャスト以外、誰も覚えちゃいません。加齢で席が空くわけでもないし、レジェンド級が50年位少年キャラ枠を独占したりもします。

 正直、ヒーロー、ヒロインそれぞれ5人位、後は子供、老人、父母等のバイプレイヤー、数は少ないけどドラえもん、ちびまる子ちゃん級の声優とキャラが一体化したアニメのキャストとで20〜30人もいればアニメ業界回るでしょ?

 アイドル声優は演じられるキャラも被っているせいで、ライバルが失脚すればストレートに己の利益になるので、ファンの場外乱闘も含めて蹴落とし合いが大変そうです。

 主人公は二人とも女子高校生で生活がかかって無いので、ギラギラはしていませんが、高校生でデビュー出来ているエリートという面も含めて、陰キャやギャルとかのキャラ付けが必要なのでしょうか?

 素の自分と違うとか、成長とか描きたいのかもしれませんが、芸能人なんて、客席から狙撃される危険があっても舞台に立ちたい承認欲求の化物じゃないと、やろうと思わないでしょう。

 声優という特殊技能者を高校生というオブラートに包んでラジオを舞台に面白い話が作れるのか、凄く疑問に感じます。

 取り敢えず、次回以降に期待です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

8話 うーん、深掘りできず、かな。期待感がなくなったので断念します。

1話 バカバカしいのも一周回ってアリ。メタのメタで面白いかも。

{netabare} 歌種やすみ(声優17歳)佐藤由美子(JK17歳)伊藤美来(声優27歳)
夕暮夕陽(アイドル声優17歳)渡辺千佳(JK17歳)豊田萌絵(声優29歳)
だそうです。

 普通アニメは情報入れないで見るんですけど、今回声優さんの情報をwikiで調べてしまいました。すごいのが来ましたね。

 もうバカバカしさも一周回って、ここまでくるとアリかな、という感じです。メタ的な上にメタでもうメタメタという感じです。これは見ちゃうなあ…普段声優さんには演技と声の雰囲気以外まったく興味はないんですけど、それだけにどう言う話になるか面白そうです。

 ひょっとしたらアイドルものの亜流なのかな、という気もしますが、キービジュアルと年齢的に多分違いますよね?結果的に1話は結構面白かったです。

 あれ、オリジナルと思ったら原作付…だと?既刊11巻?ひょっとして人気作品でした?(ついでに調べたら累計20万部だそうです。中堅クラスかな?){/netabare}


2話 出落ち感。コンセプトが中途半端でリアリティが弱いかも。

{netabare} 惜しいかなあ…というのが感想です。もうちょっとギスギスというか距離感の縮まり方がゆっくりの方がいいのでは?それと歌種やすみのコンプレックスとか業界の順位とかをストーリーに織り込むのはいいんですが、それがサラッとしている印象です。

 アニメ業界でやるアニメ業界ものだけにもっと「声優さんのお仕事」としてリアリティがあるヒューマンドラマがシリアスのものが見たかったかな。それかもっとコメディにするか、アイドルものにするか…ちょっとコンセプトが見えづらいです。

 それと最後のコンサートの部分で「本人が出てきて謝る」というのは業界ならあるんでしょうか?普通この場に来れないから休みなのであって「来れるなら歌え」だと思うんですけど。薬なりなんなりで対応するよね?というのと、失敗とか受け入れられていない、という雰囲気が全然描けていません。エピソードとしてのリアリティが弱いですよね。

 どうでしょうね?出落ちかもしれない、と思い始めています。次週判断ですね。{/netabare}


3話 お風呂シーンでもう中断しようと思ったら、なかなかいいギスギスが…

{netabare} 前半のお風呂シーンでそっち?という感じだったので「ああもういいかな」と思ったら、母親登場です。母親の無理解そのものはテンプレではあるんですけど、そのあとのギスギスとかいろいろとの合わせ技で、ちょっと興味が…見るもの多くて切りたいんだけど、結構面白いかも…このギスギスがもっとドロドロしてくると最高なんですけど。

 うーん、もうちょっとみたいかも。{/netabare}


4話 実力とアイドル的な売り方のアンビバレントが描けていれば最高だったんですけど。

{netabare}  なんでしょうね。思った通りにストーリーが展開しすぎて自分が予言者になったのでは?と思うくらいでした。本来ならもう切りたいんですけど、ウラの話題で何を出してくるのか、という興味だけはあるんですよね。
 今回の話、もしあの中年男が本当に愛人(コンプラ的にプラトニックでもいいですけど)なら見直しました。そのストーリーが描ければ本当に声優さんの裏を描けていると思います。

 私は、声優さんのプライベートが作品に影響することに今の業界の問題があると思っていますので、そこにテーマ性があれば最高だったと思います。それが演技・声での評価とアイドル的な売り方に対する矛盾にもつながってくるし。一方でそれで売れている声優さんもいるという事実とそれもエンタメになっている部分が描けたと思います。

 原作付なので業界に精通した裏話ではないかもしれませんが…だからこそそこまで突っ込んで描けたと思うので、ちょっと惜しいなあとは思いました。

 まあ、面白そうな回があれば見るかもしれませんが、いったん断念…いや、微妙ですね。来週もう1回みようかな。 {/netabare}


5話 視点はいいんですけど、原作者の自己陶酔にも見えなくはない

{netabare} 焦点の当て方として「アイドル声優」の是非に行きそうで、結局は肯定的なのかな?その辺りに興味はありますね。ただ、やっぱり原作者が業界人でないとすると、自分の声優という職業に対する考え方が物語に反映するだけなので、リアリティという点では難しいでしょう。

 その辺りはアイドル声優を単にアイドルとして肯定的に見たい願望どまりなのか、現状否定で声優の実力を声だけに求める、という話になるかですが…まあ、話の構造上、自分らしさとか実力がすべてとか言う結論の割には、アイドルとしての視点から外れず、次世代アイドル的な落としどころなんですかね?結局彼女たちは容姿が優れていますから。

 ギスギスは面白いのですが、少々原作者の自己陶酔にも見えなくはないです。私の理想の声優さんはこんな感じ、ただし美少女に限るみたいな。ここでルックスに問題がある声優の成り上がりが描ければ最高だったんですけど。

 それとそもそもなんですけど、声優のメインのファンとのコミュニケーションの媒体ってラジオなんですか?昭和から平成前期のころはそうだったらしいですけど…でEDアニメにラジカセです。今の人はラジカセってわかるんですかね?

 ただ、結構ギスギスが面白いし、東山奈央さんんとか藤田咲さんを使うあたり、ちょっとした意味を感じなくはないので、もうちょっと見ようかな。{/netabare}



7話 題材は面白いんですけど、エピソードの作りがなあ…

{netabare} お話のためのお話感がなくはないですね。確かにアイドル声優にとって、プライバシーというのは重大な問題でしょうし親の方針と未成年問題かあ。ただ、民法改正がありましたからね。18歳の誕生日しだいですけど、卒業までというのは制作サイドで直してもよかったかも。とはいえ、親の態度としては自然な気がします。

 見るか見ないか微妙なラインになってきましたね。エピソードの題材としては面白いんですけど7話の最後の方がどうもなあ…だんだん見なくなるかもしれませんし、だらだら見続けるかもしれない、という感じです。ただ、まあ、キャッキャうふふの能天気な業界ものよりは面白いかもしれません。{/netabare}


8話 うーん、深掘りできず、かな。期待感がなくなったので断念します。

 ちょっと楽しみにしていた声かける件は先週でさらっと終わったのかな?うーん、親の思惑と声優活動活動そしてファン。深掘りする素材はあったのになあ、という感じで残念です。

 それと作画悪くなってきてます?もう断念するのでいいですけど、視点はいいんですけど、ちょっと話の展開に興味が持てなくなったのと、改善する期待値が低くなったので断念します。

 話はよくないですが、何となくポテンシャルはあったので3。キャラは芯が感じられず感情移入も萌えもなかったですので2.5。声優さんはまあ題材的にむつかしいですが評価せずの3。作画は2、音楽は3とします。

 初めのギスギスがよかったなあ、という気がします。ただ、点ほど悪い印象ではないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

貴方のそういうところ本当に嫌い

作画かなり悪いしリアリティのないおかしな話だけど、キャラクターは好きで楽しめました
声優がテーマのアニメってなぜか声優の演技が酷いこと多いけど、今回はちゃんと声優の凄さがわかる演技で特に最終回の演技は素晴らしかったですしシナリオもラストは良かった、途中までは微妙でも終わりが良いと印象がいいですね

シナリオはずーっと何かおかしくて、一つ一つうまく説明できないけど何か引っかかる
この作品のシナリオがおかしい原因は話を書いた人がアイドル声優にガチ恋する声優オタクだからかな?って思った
声優に対する感覚が普通の人と違うような

一番おかしいと思った部分は、 {netabare} アイドル声優の清純なイメージが壊れたらファンが裏切りだと言って叩き始めて、元の清純なキャラクターが好きだったのにって訴えるファン達
普通は夕陽が父のコネで役もらったこと(実際はそうじゃないけど)のほうが叩かれそうだけど、叩かれてる理由がキャラクターが変わったことっていうのが普通の感覚と違うと思う
声優じゃなくて、声優がファン向けに作っているキャラクターに恋しているっていうことかな?
僕の大好きな夕陽ちゃんはこういうキャラだ、学校でもキラキラしているに違いない、僕の大好きなキャラを守れってこと?
なかなか濃いオタクですね・・・ {/netabare}

もう一つ、ねむりと夕陽の距離感とか、めくるちゃんの人とのかかわり方とかなんか変、うまく説明できないけど

他に気になったところ {netabare}
・やすみと夕陽がSNSに自分の身バレするような写真アップしていたけど、小さい事務所でも芸能人のオフィシャルアカウントはマネージャーがチェックしてるのであんなことになりません、代筆していて本人が書いてないこともあるくらいなのに
・素のキャラがウケてラジオが好評で視聴者が増えたのに、ファンから叩かれて炎上していて、本業の仕事は減る??
{/netabare}
こんな感じで変なところは多いけど、つまらない話ではなかったです

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

67.3 22 演技アニメランキング22位
ワールドダイスター(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (85)
224人が棚に入れました
20世紀、輝かしい演じ手「ダイスター」の出現によって、演劇は世界規模の大ブームとなり、数多の役者たちは「ダイスター」を目指し、その頂点たる「ワールドダイスター」となることを夢見ていた。 鳳ここな、16歳。彼女もまた「ワールドダイスター」になる夢を追い、憧れの劇団「シリウス」の入団オーディションに挑もうとする。 ここなはそこで目の当たりにする。 きらめく才能の持ち主たちを。 舞台に懸ける覚悟と情熱を。 そして、自身に秘められた“センス”を。 光溢れる舞台の上で、夢と輝きに満ちた物語が、いま始まる――。 舞台で輝く、私だけの光(ルビ:センス)

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

意識が低い

 
4話途中で断念。

まず、主人公の意識が低い。最終的にダイスターだかワールドダイスターになるのか知らんけど…。これだけ意識の低いキャラが将来スターになるのだとしたら、観てるコッチはビミョウな気持ちにならざるを得ない。いや売れない地下アイドルでもお前なんかより全然頑張っとるわ…的な。

それもこれも内容の雑さ。あまり考えてない練られてもいない説明する気もない。
まず、彼女らが立つ舞台の大きさや凄さなどを微塵も感じさせてない。なんでここから世界的役者を目指すのか理解できなきゃ凡作一直線。
主人公は「憧れの」という劇団の主役までやってるキャラを1ミリも知らん描写をわざわざ突っ込むわ、ホント雑すぎてアタマが痛い。
作画も間違ってる部分あるしビミョウ。音楽自体は悪くないと思うが急に歌うし。ヘタクソか。

こういう作品はキャラが頑張って成長して目指す舞台に立つのが楽しいのかと思ってたが、センス←とかいう異能だけで片付けてしまうせいでキャラに全然魅力が備わらない。当然感動もない楽しくもない。監督さん今後は頑張ったほうがいいかと。

いろいろと意識が低いので断念。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

最終回の演劇シーンだけでも良いから観て欲しい

“大演劇時代”と呼ばれる一大演劇ブームが到来したパラレルワールドにて、
若手育成に力を入れる日本の劇団・シリウスから、
役者の星“ダイスター”のさらに頂点“ワールドダイスター”を目指す少女たちを描いた、
メディアミックスのアニメ作品(全12話)


【物語 3.5点】
今回タカヒロ氏は脚本ではなくストーリー原案としての参加。
ですが浅草を闊歩するゆるキャラ、本番前に流しそうめんでリラックスする新妻八恵など、
タカヒロ作品特有のゆる~い空気は健在w

それでいて主題、本作においては演劇のことになると、
カメラアングルなども意識した芝居の奥深さとか、単純に演じる技術だけじゃない配役の判断とか。
突如ガチンコモードに切り替わる極端さもタカヒロワールドの法則。
つんのめらないためにもタカヒロ関連作品の履修歴はあったほうがベターかと。


役者の才能がある種の超能力として発現する「センス」設定が特徴的。
一般にオーラなどと感覚的に表現される要素を「センス」として記号化し掴みやすくする効果はありましたし、
{netabare} ここなと静香の出会いと別れ{/netabare} などシナリオ軸には「センス」設定ならではのスパイスが効いていました。

ただガチンコ演劇モードに深入りすればする程、「センス」の一言で済まさないで、
スタッフなりの演劇観で、もっと詳述して。
もっと言えば、「センス」設定だけでなく2次元アイドル風の萌え要素もノイズに思えるほど、
演劇先鋭化への欲が出る。
ジレンマを感じる構成でもありました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・Lerche

キャラクター原案・Mika Pikazo氏の描く少女は宝石のような瞳がチャームポイント。
「センス」を発動した役者は目が発光しますが、光らせがいがあります。

日常シーンの作画は凡庸。
感情が高まる場面では星空など背景美術も交えてギアを上げて来ますが平均レベル。

圧巻なのはやはり演劇シーン。
劇場を模型から作って背景に落とし込む。
人物作画はモーションアクターに迎えた実際の劇団員動きをキャプチャーするロトスコープ手法で構築。
制作体制からして、作中劇だけ完全に別次元の作品です。


【キャラ 3.5点】
メディアミックス展開としてはマズいかもしれませんが、
1クールアニメとしては的は絞れている。

そもそも本コンテンツはアニメで描かれた劇団・シリウスの他、
合計4つの劇団の少女たちがしのぎを削る団体戦のキャラ設定。

それをシリウスの主要6人にメインキャラを絞り込み、シリウス以外のメンバーは顔見せ程度に留める。
さらに主人公の高2女子・鳳ここな、静香の2人をメインストーリーの軸に据える。
あとは来日してつっかかってくるカトリナ(※{netabare} 光速でデレますがw{/netabare} )
“ダイスター”に最も近い小学生団員・新妻八恵を刺激薬に使いつつストーリーを展開。

メインキャラでありながら、柳場ぱんだ、流石知冴(ちさ)の中学生コンビは、8話で軽く掘り下げられた程度。
他劇団との因縁含めて、詳しくはゲームアプリに回された感。

これでは大きな萌えの玉手箱から推しを探してもらう販促は期待できませんが、
1クールに無理にキャラをすし詰めにして物語が破綻するよりはマシです。


ところで静香には、{netabare} ここなが理想とする才能ある役者のイメージを具現化した「センス」である{/netabare} という独特の設定がありますが、
序盤は説明無しに、静香とシリウス団員の掛け合いが繰り広げられるため、
静香ちゃん団員じゃない感じなのに何で当たり前に存在しているの?何か見落としてる?
と私は不安になりましたw


【声優 4.5点】
主人公ここな役の石見 舞菜香さん。
作中劇での男役も含めた演技、歌劇への対応を求められる難役。

自分の殻を破りたいとオーディションに挑んだという石見さん。
この春アニメでは『推しの子』の天才女優役でも決定的な仕事を決めてくれましたが、
本作と合わせて殻は木っ端みじんに爆散して吹き飛びましたね。
今後、作中劇要素のある作品では欠かせない声優として重宝されると期待してしまいます。

石見さんに匹敵するくらい唸らされたのが新妻八恵役の長縄 まりあさん。
ランドセルしょったロリ萌えボイスを提供する量産型か?と油断させておいて、
{netabare} 『アラジン』{/netabare} では主役が喰われる空気感を表現する“ダイスター”級の演技。
歌唱の「センス」も上々でした。

カトリナ役の天城 サリーさんは22/7・藤間 桜役のトリリンガル。
外国語能力という特技でナナニジの中でも頭一つ抜けている感。
但し本作ではあまり馴染みのないドイツ語でしたがwただやはり発音は様になってました。
もちろん、ここなのライバルとして並び立つだけの作中劇対応も発揮。
狂気溢れるカトリナの{netabare} ファントム{/netabare} も観てみたかったです。


シリウス副主宰・柊 望有役の森 なな子さん。流石 知冴役の佐々木 李子さん。
舞台経験もあり、客席まで声を飛ばす技術を持つキャストとの共演も、声優覚醒の一因に。

声優の役者としてのセンスも花開くラストの長尺演劇シーン{netabare} 『オペラ座の怪人』{/netabare} は没入感抜群。
例え「センス」とか“ダイスター”とか、タカヒロ氏のノリとか、分からなくても、
これだけ観れば今どきの若い声優は本当に凄いと目をみはる物があるはずです。
正直、最終回の演劇シーンだけ観てグッと来てから、初回の“舞台裏”から見ていくというルートも全然アリだと私は思います。
7月からアプリ宣伝がてら再放送もしてますしねw



【音楽 3.5点】
劇団シリウスの面々によるOP「ワナビスタ!」
ここな&静香によるED「トゥ・オブ・アス」など主題歌は歌劇要素もアレンジした、
スマホアプリ対応も視野に入れたキャラソン。
2次元アイドル風楽曲としては凡庸な印象ですが、そこもフォローする声優の芸域の広さには脱帽です。

劇伴は三者による共作。
こちらも和風から洋風まで多彩な世界観の作中劇用の楽曲も分担してカバー。
舞台の流れを表現した演劇シーンのBGM、劇中歌は一度限りの使用曲も多く、そういう意味でも作中劇だけ次元が違います。

そう言えばラストの舞台{netabare} 『オペラ座の怪人』{/netabare} の劇中歌作詞には唐沢 美帆さんの名前も。
アニソンシンガー・TRUEが作詞提供者としても2次元世界で暗躍しているのは嬉しいですね。

興が乗ってきた所で、もう一回、第十二幕見てこようw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ソシャゲ縛りのセンスという概念が、登場人物のキャラクター性を破壊している。

 12話(最終話)まで観ました。2023.06.27

 かなり、作画も物語も良かったです。演劇ものをしっかり作ったなぁ〜という感じです。

 ただ、ソシャゲの宣伝という性格上、ゲームでは重要と思われるセンスという概念を挿入しているのが良くありませんでした。

 キャラクターの努力が描けて無いと、「梨花」さん他、他のレビューアー様が書いていますが、作中、センスによってキャラの能力と個性が決まっているので、努力描写がうまく出来ていません。

 劇中、センスは進化すると言及されていますが、種別が変わる描写はありませんでした。

 ゲームだと、個性ある能力のキャラクターを鍛えて組み合わせてバトルするような遊び方を想定しているのかもしれませんが、個人として演劇に参加しているアニメでは、キャラクターの成長描写を妨げるファクターでしかありません。
 
 センスの権化のような静香も良くありませんでした。設定上、主体性のある人間とも言えず、何となく、ラストは主人公とワールドダイスター目指す流れになっていましたが、努力と成長の描写は不可能でしょう。

 青春群像劇には努力と成長描写が必要ですが、センスがキャラクターの能力と個性を固定化してしまいます。

 RPGでは、キャラの役割が厳密に決まっているため、戦士は体力と物理攻撃力を上げる閉じた方向にしか成長しませんが、主体性のある人間は、思考錯誤しながら努力して成長していきます。

 本作品の登場人物は、センスのせいで、人間としての主体性を奪われているところに、青春群像劇としての物足りなさがあると思います。

 キャラ造形は魅力的なのに、中身が伴ってないのがとても残念でした。

……………………………………………………………………… 

 8話まで観ました。2023.06.02

 地味な舞台演劇をアニメ化した意欲作なのですが、同期の推しの子に比べると、芸能に対するヒリヒリ感が足りません。

 芸能界は何故売れるのかが誰も分からない、無理ゲー的な地獄の生き残りレースをしている世界です。売れるアイドル、評価される役者の正解はありません。

 本作品では役者の凄さをセンスという特殊能力で説明してしまうのが評価の分かれる所です。

 難しいかもしれないですが、演劇論とかの蓄積はあるはずなので、作品に落とし込めれば良かったと思います。

 演劇を分かりやすくするために、センスという概念を使用しているのでしょうが、視聴者もそこまで馬鹿ではありません。

 作画も頑張っているのですが、演劇の世界の深さを描ききれていないので、次回が気にならないところがつくづく残念です。
………………………………………………………………………

 4話まで観ました。2023.05.04

 演劇やっていると、センスという特殊能力が発動するようです。

 4話まで、良く主人公のセンスの意味が分かりませんでした。あまりのことに脳がついていって無かったというか…。

 念やスタンドみたいなのがいきなり出てくるとか、理解が追いつかないですよ。

 このセンス、下手をすると演劇自体を否定しそうです。観客に幻覚を見せるとか、一人何役も演るとか、感情をイジるとか、とんでもない能力もありそうです。

 実際、主人公のセンスは、現実世界に干渉できます。犯罪にも使えます。いや、犯罪以外に有効な使い道が思いつきません。

 なんか…、演劇などやっている場合か!?という印象しかありませんが、今後どんなスタンド使いが出てくるのか楽しみです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

62.0 23 演技アニメランキング23位
スケートリーディング☆スターズ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (59)
172人が棚に入れました
「君は一生僕には勝てない。」ライバル・篠崎怜鳳からのその一言に、フィギュアスケートを辞めた前島絢晴。数年後、高校生となった前島は持ち前の運動神経をいかし、様々な部活の助っ人をしながら、何かに打ち込むことのない日々を過ごしていた。ある日、前島はライバルだった篠崎がシングルからスケートリーディングへ転向するという記者会見を目にする。そんな前島の前に流石井隼人と名乗る少年が現れる。彼は前島が以前シングルで活躍していたことも知っている様子で、「俺には、お前が必要だ」とフィギュア団体競技・スケートリーディングの世界へ誘うのだった。

声優・キャラクター
内田雄馬、古川慎、佐藤元、梅原裕一郎、土田玲央、千葉翔也、日野聡、前野智昭、花江夏樹、神谷浩史、竹田海渡、小野友樹、斉藤壮馬、野島裕史、野島健児

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

スポ根かと思ったら…二次元アイドルPVだった

 
スケートリーディングという架空のスポーツなのは挑戦的で良いと思う。
が、スミマセン観ててあまり面白くない。華やかそうだが競技の魅力が全然伝わってこない。作品がキャラ偏重になってるせいじゃないだろうか?

で、そのキャラは個性を出そうと必死なのはわかるが、やりすぎて逆シナジーになってるような。序盤からみんな主張が強すぎて鬱陶しい上に焦点がバラバラになり、結果として浅くなってるように思う。

キービジュアルを見てのとおり、人が多すぎる。アイドルをグループで売り出して、その中で推しを作ってもらいグループのファンになってもらう…みたいな手法と同じだろう。

自分はキャラのファンになろうと思って観てるわけじゃないんで、内容が軽薄に見えればもう終わり。5話目の途中まで頑張ってみたが脱落。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女性向けですが、男が見ても面白そう。クオリティが高そうで興味深い

イケメンが多数出てくる、女性向けの内容ですね。
でも時々クオリティが高いのがあるので欠かさず見ています。

ただまっとうにスポーツモノとしても見られるなら、男性が見ても面白いはずです。
ホモ描写さえなければ、スポーツアニメの少年向けと女性向けは、大して変わらないんですよ。キャラのビジュアルが美形かそうじゃないかだけの違いだと思います。

本作はクオリティが高そうで、男が見ても面白そうすね。
女性向けだけれど見てよかったという、当たりです。こういうのがあるから対象外でも0話切りとかできないんですよ。

スケートリーディングというのはオリジナル競技でしょうか。
フィギュアスケートをチームで行うと。危険そうで現実にできるかはわかりませんが、現実にあっても面白そうに思えます。
まあペアがあるんだからチームがあっても良いのでは? とも思いますね。それとも既にあるのでしょうか。

ポジションの名前がちゃんと決まっていて、リード、ウイング、ガードが1人ずつ居れば他の編成は自由と。これはチーム毎に様々な特色が出せそうなところは面白そうに思いました。
主人公とライバルの関係性、コーチの少年との関係性など興味深いです。
女性が見てもエモいのでは。

チームメイトは、まだ露出は少ないのにそれぞれ特徴的に思えました。
寡黙で実直そうなキャプテンや、クールメガネやらお調子者やら、それぞれ主人公を認めていたりいなかったり、関係性が面白そう。

他の質の悪い女性向けアニメでは、ちゃんとキャラ紹介したはずなのに、全然特徴とかが見えず覚えられないのに、こう、さりげない描写でキャラの特徴を掴ませるのはさすがですね。
しかし人数がやけに多いですが…2チーム作るのかな?
それとも様々な編成で演技を見せようというのでしょうか。

スケートの描写もかなり高品質。
ユーリON ICEほどクオリティが高くは無いでしょうけれど、スケートものはまたクオリティが高いな、と思わせてくれる良い出来です。
監督谷口悟朗だからというのもあるでしょうか。
やはりアニメの出来は監督の存在が大きいですね。

これは視聴したくなります。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

agito さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

すべてが中途半端

スケートアニメなのにスケートシーンがほとんど無いし、わちゃわちゃがメインかと思ったら主人公の「俺が俺が」に引っかき回されて不愉快が先にくるし。「他の選手を監禁して自分がリンクにあがる」とか相手の振り付けをパクって勝つとか、スポーツ部の話なのにスポーツマンシップを馬鹿にしてるし(よく『谷口悟朗だから胸糞展開はあり』って言われるけど、これ高校の部活の話なんだけど? 反則上等のアングラスポーツならまだ分かるけど?)、何より登場人物が多すぎで描写する時間が無いの当然だし。

さっきも言ったけど主人公が「俺が俺が」で団体競技が何か学ぶ気が無いし、でもいつのまにかみんなと仲良くなって見てる方は「?」。主人公にくっついてる策士気取りの相棒がむしろ主人公なんじゃないかって作り手側の贔屓も感じて心証は良くないし。

そもそも、わざわざ『スケートリーディング』というオリジナルスポーツを作ったのか分からない。せっかく設定したウィングやガードは言葉だけで、結局主人公の4回転ジャンプが必殺技になるとか、ワイドショーレベルのフィギュアスケートの知識を適当に当てはめてるだけだし、なんなんだこれって感じ。作ったけど実は単なる思いつきで、設定を活かす気なんかさらさら無いのが丸わかりでげんなりする。

だいたいスケートの作画がどれだけ大変か『ユーリ!!! on ICE』を引き合いに出すまでもないのに、それを理解した上でフィギュアスケート、しかも1チーム5人も登場させるとか正気の沙汰じゃないよね。本当に何を考えて作ったんだろう。

分かるのは「何年か前に流行ったスケートアニメにして、流行してる漫画家にイケメンわんさか描かせて、流行の声優に喋らせとけば腐女子は釣れるだろう」って思惑。そういう制作会社の考えも含めてがっかりなアニメだと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

73.6 24 演技アニメランキング24位
ブルーサーマル(アニメ映画)

2022年3月4日
★★★★☆ 3.9 (47)
169人が棚に入れました
高校時代、バレーボール一筋で頑張ってきた都留たまき。サークル活動や恋愛などで充実した、“普通の大学生活”に憧れ長崎から上京するも、入学早々とある事故でグライダーを傷つけてしまう。その弁償のために“体育会航空部”の雑用係をすることに。思い描いていた大学生活とはかけ離れた環境に不満を抱いていたが…、主将である倉持の操縦するグライダーで初めて《空》へ飛び立った瞬間から、一面に広がるその美しさに魅了されていく。
「もっとたくさん飛びたい!」とだんだん《空》の世界に夢中になっていくたまき。
彼女の天真爛漫な性格は周りを明るく照らし、気づけば、共に練習に励む先輩の空知や同期との間にも固い絆が生まれていくのであった。
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

あまりの面白さに原作読破し聖地巡礼もしました!原作と全然違うので解説します!!

長崎出身の大学1年生女子、都留たまき(通称つるたま)が上京し、青凪大学体育会航空部の面々やグライダーと出会い、仲間やライバル達と共に切磋琢磨しながらグライダーパイロットとして成長していくスポ根青春群像劇
年1でテレビ放送している「鳥人間」の方ではなくウインチや飛行機で牽引して飛ばし、スピードを競うのが「グライダー」です
タイトルの『ブルーサーマル』とは目印になる雲が無い快晴の青空の中で、捕まえる事が非常に困難な上昇気流の事
つるたまはこの『ブルーサーマル』を捕まえるセンスを徐々に開花させていきます


原作は小沢かな先生の漫画で全5巻で完結済み
正確には打ち切りに遭ってます;
アニメ映画公開に合わせて連載された、つるたまを航空部に引き込んだ張本人である倉持先輩の過去を掘り下げたスピンオフ『FIRST FLIGHT』が全1巻で完結済み
つるたまをマンツーマンで指導する空知先輩との日々を題材にした番外編的な読み切りも1本あります


元々東映が2016年頃にテレビシリーズとして企画した作品に脚本の高橋ナツコ経由で『東京マグニチュード8.0』で縁のあった橘正紀監督にオファーが入ったそうな
しかしながら企画は頓挫してしまい数年の空白を経て2020年頃に劇場版として再始動しました
そんな経緯もあって原作5巻分を約100分にまとめるという荒業を成し遂げています
この映画を観た方々からは「内容が駆け足過ぎる」という感想が散見されますが自分はそうは思わず「ただただテンポの良い作品だなー」と感じました
その点を後ほど細かくネタバレ込みで解説します


東映は元々新しい試みをしたいとの思惑から外部プロダクションに制作を依頼するつもりで、『ルパン三世』ばっか作ってるイメージから脱却を図りたい老舗のテレコムがこれに応えた形になった様です
劇中では実に1年の出来事が消化される為、四季折々の風景が特に空模様を中心にして美麗な背景美術で描き出され、それだけでも観応えあります
またグライダーは3DCGで起こしたレイアウトをノリダーこと橋本敬史が中心となって2D作画に描き直すという手の込みよう
ディティールの少ないグライダーは3DCGだと味気なくなりがちなのでそれをカバーするためだそうでメカ作画のなんたるかを考えさせられます
音楽は全編フィルムスコアリングで特に上空のシークエンスでは金管楽器がメインの劇伴が爽やかな"滑空"の様子を彩る
主題歌と挿入歌を手掛けたSHE'Sの爽やかな歌声、ホーンセクションの軽快なメロディライン、縦ノリのリズムもこの劇伴達と調和が取れてる
つるたま役は声優初挑戦の堀田真由が努めるがアフレコ前にわざわざ実写映画の様に読み合わせをしたというだけあってナチュラルな芝居に仕上がっています
その芝居に表情豊かなつるたまのアニメーションが載ると良い意味でギャップがあってより一層つるたまというキャラが魅力的に感じます


ここまででかなり丁寧に作り込まれた作品である事がお判り頂けると思います
自分は爽やかな作品世界に浸れた感動の勢いのまま、主な舞台である埼玉県熊谷市に聖地巡礼に行ったり、原作も全て読破してしまいました
そこで気付いたのですが、この映画はだいぶ原作とは違います
以下からはネタバレ込みでその違いを細かく解説します


{netabare}
まず先述の通り原作は端的に連載打ち切りを喰らっていて、最終第5巻の中盤から散々広げた風呂敷をほぼ畳まず唐突に終わりを迎えます
映画では関東大会が省略され全国大会のみ描写されてますが原作ではこの関東大会の最中、その結果やそれ以降の全国大会は一切描かれずに卒業し社会人となった面々と全国大会の優勝旗だけが最終回で描写されてるんですね
この様に原作が唐突に終わりを迎えている故に、映画を駆け足に感じた方々の違和感の正体とはアニメスタッフがシナリオ制作に苦心した結果なんだと思います


原作5巻分を約100分にまとめるという都合上、カットされたエピソードがあります
コンテ撮の編集で実に50分は削ったと監督は仰ってますが、明白に原作にあって映画に無いエピソードはつるたまの初ソロフライトです
原作では重要なエピソードとして描かれていて、このエピソードのラストでつるたまが事故を起こしかけるという彼女や彼女を取り巻く面々にとって一つの転機となる出来事です
しかし映画では点描、尚且つつるたまは無事に初ソロフライトを成功させてます
このエピソードは当初全カットの予定でしたが原作者小沢かな先生やグライダー監修の丸山毅氏からグライダーパイロットにとっての通過儀礼なので、という希望で点描という形にして残される事になったそうです


その一方で映画で追加された描写もあります
冒頭の長崎を旅立つシークエンスとクライマックスの全国大会以降はほぼ全てがオリジナルなんです
原作でつるたまの複雑な家庭環境は矢野お姉ちゃんを通して徐々に明かされていきますが映画ではつるたまの実の母の人物像はこの冒頭に集約されています


その他にも映画があくまでつるたま目線になる様に朝比奈さんの過去や空知先輩に兄弟がいるという描写はオミットされました
朝比奈さんは天才的な素質を持つ同期を世界大会に送り届ける空港までの道中で交通事故に巻き込まれ死亡させてしまい、自身も足に後遺症を抱えています
そんな悲劇があった故に自分と親友の果たせなかった夢を倉持先輩に背負わせているのです
空知先輩には兄と弟がいて、兄は倉持先輩を体育会航空部に引き込むキッカケとなった人物で『FIRST FLIGHT』に登場します
弟は空知先輩をグライダーの世界から引き離してパイロットになる夢に専念させようと画策するトリックスターで、原作終盤につるたまが2年生に進学すると新入生として登場します


そもそも原作の倉持先輩は青凪の全国大会団体優勝を掲げておきながら個人としての実績しか残さず卒業を迎え、つるたまの2年目が始まる、という矛盾を孕んでいるのですが映画は1年間に物語が集約されているが故に倉持先輩の公約は達成されているという最良の道を辿っています


また、羽鳥の過去も原作では細かく語られてます
映画では霧ヶ峰の青阪戦で阪南館の秘密兵器として羽鳥は顔を見せてますが原作では唐突に新人戦で初登場し、散々強キャラ感を出した割につるたまの才能に打ち負かされてしまうという咬ませ犬っぷりですw
実は羽鳥は中学からグライダーを経験しているエリートで、逆に言うとグライダー以外の取り柄が無く、あんな性格なので友達もいないという寂しい人であることが明かされます
だからグライダーでつるたまに負けたことがショックでデイリーの表彰をボイコットしてしまったんですね


これら周辺人物の掘り下げを映画に盛り込んでしまうと観客の没入感やつるたまへの感情移入が他の人物に目移りしてしまうので削って大正解でしたでしょう
そもそも原作は群像劇として広げるつもりだったのか細かい設定が大量にあり、それらが連載打ち切りによりほぼ手付かずのまま投げ出されてしまっています
それらを取捨選択して約100分にまとめたんですからこの映画の脚本は凄く良く出来てるんですよ


一番大きな変更点はなんといってもドイツで墜落した倉持先輩が原作ではそのまま死去したとされてる所を映画では生還しており失踪しただけだった事に改変したところですね
これについては小沢かな先生自身もご納得の上で改変した様です
ラストのつるたまと倉持先輩の無線でのプロポーズの様なやり取りは原作ではドイツに旅立つ前にされる、二人にとってほぼ最後の会話だったのですが、映画は生還していた倉持先輩との会話にする事でハッピーエンドのサゲとしてるわけです
確かにグライダーは危険なスポーツですがグライダーの楽しさを伝えるはずの作品で若者が命を落とす、というのは頂けないですよね
原作では倉持先輩、朝日奈の同期、空知先輩の高校時代の友人と3人もの若者がグライダー事故で死んでます・・・いくらなんでも人殺し過ぎ・・・
そうでなくても倉持母は病死しますからね
ちなみに原作第1話の1ページ目でドイツの空の青さに涙するつるたまが描かれているので打ち切りでもそうでなくても倉持先輩が死去する事は予定調和だったという事と思われます
かなり前向きな捉え方をしても原作はハッピーエンドとは考え難いですね


原作はグライダーの魅力よりもつるたまを中心とした恋模様に漫画としての面白さを注いでいる事が見受けられるのですが、映画のつるたまは倉持先輩でも空知先輩でもなく「空に恋してる」様に描かれています
そんなつるたまのひたむきさに本人が意図せずとも倉持先輩も空知先輩も、羽鳥ですらも惹かれていく・・・というのが映画の狙いになってます
原作は恋愛像が古典的というか、刺さる人には刺さるんでしょうけど観ていてより気持ちが良いのは映画の方ではないかと思います
原作はつるたま以外にも室井さんと成原くん、矢野お姉ちゃんと倉持先輩といった具合に男女の恋愛関係を描写することに注力しています
これは『FIRST FLIGHT』にも引き継がれているので小沢先生が本当に描きたいのは実のところ恋愛ってことなんじゃないでしょうか?


また、映画の方が登場人物が総じて清々しくなっています
これに関しては原作の前半がかなり迷走してて、中盤ぐらいでキャラが固まってくるのでその中盤以降を基準にしたと思われます
序盤の部活勧誘の時にディスカスの翼を破損させてしまったつるたまに対し原作の空知先輩は胸ぐらを掴んで迫ってくるんです
いくら高価なディスカスを壊されたとはいえ自分のミスを棚に上げて新入生女子の胸ぐらを掴む空知先輩はいくらなんでもガラ悪すぎですw


また、つるたまがディス工のドライバーを紛失するシークエンスですが映画ではツナギのポケットに穴が空いて不可抗力的に失くしてますが、原作ではそのまんま失くしたとされています
この件に機体班の班長、相原先輩は映画では丁寧に事の重大さを説明し、全員でドライバーの捜索をします
しかし原作では「グライダーなめんな」と言ってキレ散らかし、つるたま1人にドライバーを探させます
それだけ相原先輩が真剣という事なんですがついこの間はいったばかりの新入生にそこまでの責任を追わせるのはちょっと理不尽ですよね
映画と原作では体育会航空部がホワイト企業とブラック企業ぐらい対応が違うと思いますw
これも観ていて気持ちが良いのは映画版でしょう


また、つるたまがヒロインとしてより魅力的に思えるようになる工夫もあって、つるたまが興奮するとすぐ方言が出てくる方言女子要素は映画の方が強調されてます
原作だとこの方言要素はあまり安定してないです
キャラとして魅力的なのは映画の方でしょう


ちなみに原作でもあまり掘り下げられず放置されてしまった要素として、一見すると体育会系じゃない倉持先輩や室井さんが体育会航空部でやっていけてるのは実は倉持先輩は剣道道場の孫、室井さんは空手部の出身という意外な一面があったからという事になってます
これだけはオミットされてしまったのが実に惜しい要素でしたねw
また「鳥人間」こと航空研究会と体育会航空部との因縁も原作ではチラっと垣間見ることが出来ます


余談ですが原作最終回では社会人になった主要人物が倉持先輩を慈しみながら登場します
空知先輩はジェット旅客機の副パイロットデビュー、成原くんはプロカメラマン、室井さんは空港のグランドスタッフ、矢野お姉ちゃんはブルーインパルス入りが噂される自衛隊の戦闘機パイロット、そしてつるたまは朝比奈さんとドイツへ・・・
そんな中で羽鳥はエアレースパイロットになってますw
原作の完結は2018年ですからその頃はまだエアレースが盛んでしたね
今は大きな大会が無くなってしまいました・・・


ぶっちゃけ原作は多方向に手を広げている割に打ち切りのせいもあって中途半端な作品である一方、約100分の単発映画として、しかも丁寧に完成させたアニメスタッフは正しく評価されるべきだと自分は思います
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

緻密に構築された空間で満喫する上々のフライト体験

グライダーにかける青春模様を描いた漫画『ブルーサーマル―青凪大学体育会航空部―』(未読)を原作にした劇場アニメ作品。

【物語 4.0点】
飛ばし気味だが、何で魅せたいか整理はできており、後味は爽やか。

原作コミック5巻分を1本にまとめたとのことで、
例えば{netabare}倉持と朝比奈の過去{/netabare}など説明不足も感じる。
が、”ブルーサーマル”を本当の意味でタイトル回収して締めくくるまで駆け抜けたいなどの熱意は伝わって来る。

感覚的な部分も多いグライダー競技の解説も、要点は押さえたので、
後は実際に映画館で飛んで、考えるより感じろというスパルタぶりw
ですが、プロット自体は明快なスポ根で、
鑑賞者を誘導する構成は考え抜かれている。
身を委ねて、風を捉えれば、感動、感涙まで突き抜けることも可能。
私も青空が涙で滲むまでは行きました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・TELECOM

緻密。

エンジンもプロペラもないグライダーの飛行体験を鑑賞者とどう共有するのか?
本作は流線背景などの漫画的な嘘は付かず、
徹底的にリアリティを突き詰めることで心躍るフライト映像を実現。

背景美術も、3Dモデルを組み、
飛行シーンでは衛星データ等で高度、方向を算出した上で、
コックピットから見える風景を正確に再現したとのこと。

この計算し尽くされた空間を手描きで構築された白いグライダーが舞う。
臨場感溢れる飛行体験でもあり、上質なアート体験でもある。

私のお気に入りは、霧ヶ峰の山岳滑翔にて、グライダーの動きに合わせて、
背景の山岳風景が遠近3段階それぞれのスピードで回転スクロールするカット。


圧巻の飛行映像を土台に、専門用語等を押さえた競技展開、青春ドラマがスパイスされることで、
目には見えない上昇気流が確かに掴めるのは驚異的。


それでいて主人公・つるたまの多彩な顔芸など遊ぶ所はしっかり遊んでいる。
(学食のうどんをすする、つるたま。美味しそうでしたw)


【キャラ 4.0点】
明るく前向きで元気だけが取り柄と思われた主人公ヒロインが、
優れた感覚を持つ、凄い初心者だった。
そんな主人公など認められない系のサークルの先輩男子とか、
マウント取ってくる他学のライバル男子とか、
まぁ、どうせ、良き強敵(とも)になっていくんだろうけど。
エースはあからさまに秘密を抱え、どうせ、終盤、波乱要素になるんだろうけど。

などなどスポ根王道セットが一式揃っていますので、
スポーツ物視聴経験があれば、馴染みの薄い競技でも視界は良好です。


主人公・つるたま、こと、都留 たまき。
過去や{netabare}姉との確執{/netabare}といった暗部も設定されるが、
それでも前向きで、自然に利他に走る、
{netabare}姉{/netabare}が嫉妬するくらい眩しい主人公の陽性を際立たせるのに使われる。

つるたまは、風をつかむのも、他人の心をつかむのも、幸せをつかむのも上手い。
ハイペースなシナリオを駆け抜ける主人公キャラは原動力でした。


【声優 4.0点】
主人公つるたま役には女優・堀田 真由さんをオーディションで選出。
意中のナチュラルボイスを活かそうとスタッフも本人も奮闘。
声優初挑戦かつ、関西人に長崎弁のコミカルを表現させる無茶振りも、
つるたまの母役で、長崎県人の津田 匠子さんのサポート等で乗り切ったとのこと。

結果、私も終始、明るく楽しく、青春ドラマを完走できました。
タレント俳優を広告塔だけのお客さん扱いせず、熱意を持って起用、ディレクションすること。
周囲の声優さんとのコミュニケーション&フォローもあること。
”ちゃんとした声優”じゃなくてもOKな諸条件だと、つくづく感じます。


主役とトライアングルの様相を呈するエース・倉持役に島﨑 信長さん。
ツンデレな先輩男子・空知役に榎木 淳弥さん。
など脇は声優陣が固め、傷口を晒す演技も含め盤石。
ノッブか?えのじゅんか?どちらのイケボが良いか?
うどんをもう一杯すすりながら徹底審議すべき問題ですw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は海田 庄吾氏。
雄大なトランペットのアレンジが、滑翔の高揚感をアシスト♪

ED主題歌はSHE'S「Blue Thermal」
フルート等の生楽器が踊るにぎやかなアレンジが大空のスケール感を想起させる上向きソング♪
他に挿入歌バラードもあり。


【感想】
体育会系に少なからずアレルギー反応がある私。
本作も、やれ規律だ、掛け声だと暑苦しいですw
が、グライダーの場合、事故は命に関わるため、
体育会系要素も根性論ではなく安全の必要性からと納得したので、
私も無事に滑り出すことができました。

ま、最後は結局、気合とパッションなんですけどねw


とにかく飛行シーンは素晴らしいので、是非とも劇場で体感して欲しいところですが、
上映館が余りにも少なすぎるよー(泣)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

心を軽くして風に乗り群青の世界へ

この映画は私が今年見た映画の中でNo.1です。
2時間という限られた時間の中で、笑いや感動、そして大空の魅力を目いっぱいに感じることができます。
絶対にお勧めするアニメです。


『ブルーサーマル』とは、青空の下で発生する上昇気流のこと。
この気流にうまく乗ることができれば、グライダーは遥かに高い空を飛ぶことができます。
グライダーの操縦者にとっては、まさに「つかまえたら幸せになれる風」です。

この物語は、大学一年生の都留たまき(つるたま)がひょんなことから航空部に入部し、グライダーの操縦をとおして成長してゆく物語です。
しかし、成長してゆくのは、つるたまだけではありません。つるたまに関わった人たちは、何かしらつるたまの影響を受けて成長を遂げます。
見ていて気持ちが良くなるアニメでした。


つるたまは長崎県出身。方言丸出しで東京の大学生活を送っていますが、彼女の大学生活の目標は、恋をすること。
しかし、つるたまの行動がきっかけで航空部のグライダーが壊れてしまいます。
修理には数百万円かかります。とても学生が払いきれる額ではありません。
だからつるたまは航空部の雑用係をすることになります。
でも、倉持主将の操縦するグライダーに乗せてもらったことから、彼女は大空の魅力に取りつかれてしまいます。
そして…


ところで、つるたまはチビで丸っこい顔をしています。美人ではありません。
そして意見が合わない人とは、徹底的に口喧嘩します。
でも、いつの間にか口喧嘩した人とも親しくなります。
彼女には不思議な魅力があるのです。いつの間にか、彼女のもとには多くの人が集まるのです。
そして彼女のグライダーの操縦能力は…{netabare} まるでナウシカのように凄い!
彼女には風をよむ力があります。それは技術でも学問でもなく、持って生まれた勘です。{/netabare}


大空を飛行するときのBGMが最高に迫力ありました。
そして、SHE’S​ が歌う主題歌の「Blue Thermal」これも迫力があります。
作詞作曲を担当されたSHE’S​の井上竜馬さんは、つるたまが一瞬で心を奪われた空の景色を想像できるような軽やかで美しい世界をイメージされたそうです。


私は長崎県出身ですので、つるたまの方言丸出しの話し方が、とても親しみを感じました。方言を聞くと懐かしさを感じます。

このアニメは1クールにも編集可能ですので、ぜひともテレビでやってほしいですね。
そうすればもっともっと感動するでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

63.4 25 演技アニメランキング25位
A3! SEASON SPRING & SUMMER(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (40)
128人が棚に入れました
「カントク!オレたちを…咲かせてください!」東京の郊外の街、天鵞絨(ビロード)町。この町には『ビロードウェイ』と呼ばれる通りがあり、多くの劇団が拠点にする劇団員の聖地となっている。突然届いた一通の手紙を頼りにこの地に降り立ったあなた。元舞台役者のあなたが出会ったのは―…【・借金まみれ!・お客ゼロ!・劇団員たった1名!】かつての栄光を失った潰れかけのボロ劇団!ひょんなことからその劇団を立て直す事になったあなたは、劇団の主宰兼『総監督』を任されることになって―…?

声優・キャラクター
酒井広大、白井悠介、西山宏太朗、浅沼晋太郎、五十嵐雅、江口拓也、土岐隼一、山谷祥生、廣瀬大介、小澤廉、沢城千春、武内駿輔、濱健人、熊谷健太郎、帆世雄一、田丸篤志、佐藤拓也、寺島惇太、豊永利行、柿原徹也、名塚佳織

ジパミィナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

春よりは夏だけど 60点

正直、いつ断念してもな展開だったと思います。
夏が春を下回っていたら、切ってましたね。

全体的にキャラが微妙過ぎです。
痛いキャラが多すぎて展開が白けてしまい、日常会話が面白く無いです。
良い意味での男同士の距離感は好きですが、このタイプの距離感は好きでは無いので、女同士でも言えることですが合わないですね。

演劇自体は骨格というよりも、背骨的なポジションかと思います。良くと悪くと言うところですね。
引き込まれていくようなデキだと良かったのですが。

評価は完走出来たのでギリギリ及第点ですが、中毒性も無いので一見さんかと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

にゅにゅにゅ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

面白かった

ソシャゲの方はただいまランクが272
でしたがストーリー1章7話あたり以降から手つけてません。
イベントも走るだけでストーリーは飛ばしてる人間です。
キャラは大体知ってる程度の知識

正直アニメは期待度薄でした。

でしたが、春、夏、と1クールに綺麗に纏まってて面白かったです。冒頭の改編もなるほど、と思いました。
作画は仕方ないとはいえこの作画で放映したので、この評価です
BGMはちょっとわすれてしまったんですが、OP・ED(春夏)共に良かったです。
アニメから入る人でも楽しめる1クールだと思います。
声優さんでは、江口拓也さんが良かった印象…確か…あとは…覚えてない…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
12
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