沖縄で田舎なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの沖縄で田舎な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番の沖縄で田舎なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.0 1 沖縄で田舎なアニメランキング1位
あの夏で待ってる(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (2734)
13533人が棚に入れました
『その夏の思い出が、僕達の永遠になる』  空は、とても青く澄み渡って。 入道雲が、向こうの山を隠すほどに湧き上がって。 それはいつもの、僕らの街の風景なんだけど。 でも、かけがえのない「夏」だったのだと思う。 その男の子には、「なにもないけど、なにかしたい」って漠然とした気持ちがあって。 だから仲間と一緒に、映画を撮ろうと相談しているところで。 そんなとき、「特別」な女の子が、この街にやってきたんだ。 そして。 男の子の気持ちを、「特別」にしたんだ。
『とらドラ!』、『とある科学の超電磁砲』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を手がける長井龍雪監督のオリジナルアニメ作品。

声優・キャラクター
戸松遥、島﨑信長、石原夏織、荻原秀樹、田村ゆかり、阿澄佳奈、日高里菜

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

季節はずれの忘れられない夏物語 ε- ( ̄、 ̄;A*) アッー

■「あの夏で待ってる」ってこんなアニメですヽ(*^^*)ノ
「おねがい☆ティーチャー」でお馴染みの黒田&羽音コンビがお届けするオリジナルアニメーションなんですね!
そこに「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の長井龍雪監督とキャラデザ担当の田中将賀さんのエッセンスが加わってなんともどこかで味わったことのある雰囲気に仕上がった作品になってますね♪

舞台は長野県小諸市、ときおり噴煙も見ることができる雄大な浅間山の景色がとっても素敵な場所ですね♪
ちょっと足を伸ばせばσ(・・*)アタシがたまに遊びに行く軽井沢があって、軽井沢の街並みも描かれているので、なじみがあってちょっとうれしい気持ちになっちゃいました♪

そんなノスタルジーな雰囲気と夏がとっても似合う街並みに、赤い髪が魅力的な女の子が空から降ってくるんです∑('◇'*)エェッ!?
こっこのパターンは(>▽<;; アセアセ…もはや王道!?
その名はイチカちゃん♪
何やら訳ありのイチカちゃんに巻き込まれる形で出逢う事となった主人公の海人[kaito]。
この瞬間から特別な夏が今始まろうとしているのですね♪
映画製作を通じて集まった仲間達と共にすごした、青春と一方通行の恋の行方はどんな形になって8ミリフィルムに残るんでしょうね(^ー^* )フフ♪


■4話までのちょっとした日記 φ( ̄∇ ̄o)
まず声を大にして言いたいですw
(* ̄o ̄)ゝオーイ…!! なぜ冬に放送するんですかー!!
百歩譲っても春放送くらいですo(≧∀≦。)ノ
四季折々様々な情趣を見せてくれる自然豊かな長野県が舞台で、しかもタイトルに『夏』って付いているのにもかかわらずですよ…冬放送はあり得なさすぎです!
なつまち製作委員会の皆様方…猛烈に反省してくださいね!!
って事で「今は夏!!」って念じながら視聴開始するのでした♪ \(;゚∇゚)/ナツダー…ε-(´o`;A アチィ☆

ヒロインのイチカちゃんと主人公の海人くんは、まぁ…ポイポイッ(/・・)/⌒ξ:D┼<ξ:D┼<って放っておいてもいいかなぁって思ってます!
紆余曲折しながらも一生忘れられないような青春の一ページを作っていくんだろうなぁーって思ってるので、この二人意外に注目していこうと思ってるんです♪
しかもこの作品、あえて登場人物を絞ってキャラ一人一人を丁寧に描写するって意気込みなので結構内容は期待してるんです(#^.^#)
とくに、柑菜[かんな]、哲朗[てつろう]、美桜[みお]、檸檬[れもん]、この4人の関係って1話目から微妙な関係だったりしているので、作品の善し悪しを握っているように思ってます(^ー^* )フフ♪
過去の作品と比較している人が多いのですけど、この作品には演出云々よりも、登場人物の飾り気のないちょっとした感情や表情などを大切にした、深みのあるストーリーを期待したいなーって勝手なことを思ってますw


■総評
まず全体の印象としては、長井監督らしい作品に仕上がっていたんじゃないかなぁって思います♪
1クール12話の中に甘酸っぱい青春ラブストーリーがギュッと凝縮されていて、観ていて非常に心地よく爽やかなストーリーに個人的には大満足でした(*^_^*)
なんといってもキャラクターの「表情」「心情」「言動」がとても丁寧に描かれているので、観ている側にとっても分り易く感情移入しやすい印象を受けました。
感情移入しやすくしていた要因としてもう一つ、ナレーションの効果は大きかったと思います (o^-')b グッ!
やっぱり人は言葉で発するよりも、言葉に出せない感情の方が多いと思うのです☆彡
揺れる感情や言い出せない胸の内をナレーション風にストーリーに織り交ぜられていて、キャラクターごとの心境が手に取るように分かるのでより感情を揺さぶられるのでしょうね♪
お互いの感情が絡みあうような恋愛模様については、悩み傷つきながらも前に進もうとする前向きな恋が描かれているので、どんな恋の結末となっても清々しい気持ちにさせてくれるのではないのでしょうか (*^0゚)v

それと前述したように主人公とヒロイン以外の役どころが絶妙で、ストーリーを引き締めて飽きさせない要因だった気がします♪
とくに神出鬼没の檸檬先輩の存在は宇宙人設定のSF部分のパイプ役に一役買っていた感じですね♪
それにしても一体何者なんでしょうねw うふふふふっ(*゚v゚*)

長井監督の次回作が待ち遠しいです(*^▽^*)

あっそうそう♪ 公式ホームページの「なつまちBOX」短編ノベルをまだ読んでないファンの方は是非♪
霧島海人編と谷川柑菜編がありますよ~♪( *^-゚)/⌒☆゙


■MUSIC♬
OP曲『sign』
 【作曲】折戸伸治 【編曲】高瀬一矢【歌】Ray
 Rayさんのファーストシングル。
 AIRの「鳥の詩」の作曲でお馴染みの折戸&高瀬さんコンビが楽曲担当で注目されてました♪
 爽やかな印象のデジタルポップサウンドとあどけなさを感じさせる歌声が特徴ですね!

ED曲『ビードロ模様』
 【作詞・作曲】中沢伴行【歌】やなぎなぎ
 注目は「君の知らない物語」でsupercellのゲストボーカルだったやなぎなぎさんです♪
 この曲がメジャーソロデビュー第一弾となりました!
 テクノポップサウンドに乗せた落ち着きのある爽やかな歌声がとっても聴き心地の良ですね(^^♪


2012.02.10・第一の手記
2012.06.28・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♬)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 93

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

爽やかで甘酸っぱい恋愛を非常に丁寧に描いていた素晴らしい青春作品!!【総合評価:82点】

2012年冬に全12話で放送された作品。

『とらドラ』『超電磁砲』『あの花』などを手掛けた長井 龍雪監督のオリジナルアニメーション
代表作となる三作品がいずれも素晴らしい完成度と人気を誇る作品。
『あの花』でもオリジナル作品として結果を出しているだけあって期待
ですが、代表作の三つの評価が高いだけに、それらと比較されても大丈夫なのかと言う不安もありました。
しかし、この作品は代表作と比較しても十分な出来の見事な作品に仕上がっていたと思います。
自分としては、2012年冬、期待値を一番上回った作品でしたね。

この作品で一番自分が評価している点は恋愛要素にありました。
登場人物の5人が織り成す多角関係は非常に面白かった。
しかし、多角関係とは言え、ドロドロな愛憎劇になるのではなく、正に爽やかで甘酸っぱい青春を表現できています。
互いに想う相手の幸せを願って、自分の意思を主張できない。
そんな良くある心境をとても丁寧に描いていて、心情描写のレベルはかなりハイレベル。
良くある心情を丁寧に描いているので、非常に感情移入がし易くてとても素晴らしい作品でした。この作品は恋愛要素の暗い面の表現がほとんど無かったものの、甘酸っぱさの表現は抜群で、12話構成にしてこの完成度には脱帽です。

恋愛要素に関してはかなりの出来栄え、もう一つの大きな要素である宇宙人設定は若干微妙でしたね。
まぁ、ヒロインの宇宙人設定が根底にあるからこそ、恋愛要素も盛り上がったのでしょうが
でも、やっぱり恋愛関係の話が一応の収拾が付いた後、ヒロインの宇宙人としての設定を全面に出したラスト2話はどうも微妙な感じはしました。
宇宙人事態が現実味に欠ける事と約一名のキャラがかなり現実味を欠いて上、ラストでその現実味の無さに更なる拍車をかけて来た。
まぁ、その一名も普段の言動は不自然でも、要所要所でしっかりと良い仕事をして、恋愛要素を盛り立ててくれた立役者的な面もありますがね。

今までの爽やかな恋愛要素が宇宙人設定が根底にあるとは言え、心情描写がかなりリアルだったため、ラスト2話は浮いてしまっていた印象。
恋愛要素があまりにも素晴らしかったと言う事、しかもラスト2話まで宇宙人設定は表面的で恋愛要素がメイン
なので、ラスト2話で宇宙人設定を押した話を今まで盛り上がっていた恋愛要素の話と同等のレベルに持っていくのは無理でしょう。

とは言え、ラスト2話も急展開に置いてけぼりにされなければ非常に盛り上がる。
そして、テンプレなかなり使い古されたような展開ではありますが、感動できる作りにもなっています。
今までの複線もしっかり回収してますし、ラストとしては纏まりのある締めでした。

OP、ED、共に良好で非常に作品にマッチした楽曲でした。
歌詞も実はキャラが背景になっていたりして……

作品全体を通して、かなり面白かった作品でした。
特に本作のメインである多角関係は本当に甘酸っぱくも爽やかな恋愛を表現
キャラクターの心情描写も丁寧なので、感情移入もしやすく素晴らしいものでしたのです。
個人的には同監督のオリジナルアニメ作品『あの花』よりも断然本作の方が好きですね。
とても良い作品だと思いますので、未視聴の方は是非とも一度視聴するのを強くオススメいたします。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 132
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一夏(ひとなつ)の青春恋愛観測

夏休み。自主映画撮影。宙から女の子が降ってくる。
宇宙レベルの騒動と比肩する二人のカンケー……。
設定の骨組みは割と定番かつ王道。
({netabare}“MIB”や“裸族”{/netabare}も出てくるけど、きっとフツーw)

でありながら本作が夏になる度、私の脳裏に浮かんで来るのは、
恋バナにSF絡めてハチャメチャやってるようで、
恋愛の甘さだけじゃない。
人を想った故の痛みもしっかり描けているからだと思われます。

本作では、{netabare} 片想いの玉突き事故{/netabare}と言う結構な惨事が起こるわけですが、
そこに踏み込んでこその特別な夏。苦味も経験してこそのひと夏の成長。
と言わんばかりにぶつけて来ます。

こんな構成もあってか、
またスタッフの過去作の履歴から膨らませた期待との齟齬もあってか、
放送当時は、だいぶ批判も多かった思い出が(苦笑)

もっと各登場人物を萌えキャラ化、アイドル化して、
或いは各“攻略キャラ”をオムニバス形式で巡回するギャルゲー原作物の風味にして、
各々を推してる人が傷つかない無難な展開にすれば、
出火することもなかったのでしょうが……。

でも、結局、恋愛アニメとして、後々になっても心に残るのは、
こういう傷痕も刻むことができる作品だと最近改めて感じます。

2010年代は本作の後も、きちんと負け組も作る、
しんどい恋愛アニメが定期的に供給されている印象。

今、振り返ると本作の痛みの描写など、まだ可愛らしいもので、
むしろ好いた惚れたが入り乱れれば当たり前に起り得る話と感じます。
2010年代の割と早い時期に、本作等で改めて痛みに対する耐性が付いた。
受け身が取れるようになったと、妙な感謝の念?すら沸いて来ます。


恋する当事者は、自らに芽生えた訳の分からない感情を処理するだけで精一杯。
だけど隣の友人からは葛藤が良く見える。
けれど隣の恋慕が一望できるからって、自分の気持ちをコントロールできるわけじゃない。
第三者の歪んだ視線も交えて、様々なアングルで恋愛模様を活写する。

この構図もまた典型ですが、それらが滲み出たセリフ回しが私の好み。
自分だけ第三者として冷静に客観視しているつもりでも、
抱いている恋愛感情は隠し切れない。
言動からはみ出した恋のベクトルが突き刺さって実にこそばゆいです。


好きな登場人物は檸檬(れもん)先輩。

種々の権謀や謎スキルを駆使して、恋愛展開に新局面をもたらし、
不敵な笑みを浮かべて、恋バナの記録(盗撮)に勤しむ。
よくいる青春観察ムード盛り上げキャラ。

ですが彼女に“年季”を感じるのは、
このキャラの系譜が、一部参加スタッフらが以前手がけていた、
オリジナル恋愛アニメ『おねがい~』シリーズから続いているということ。

檸檬先輩のCV田村ゆかりさんは『おねがい~』シリーズの頃から本作まで、
名を変え、学校を変え、立場を変え(何故か制服は変えないけどw)
後輩たちの青春恋愛劇を眺めては、うふふふふ~とほくそ笑んでいるのでありますw
流石CVゆかりさん。何年も17歳やってるだけあって、微笑みにも威厳?が漂いますw


私としても、まだまだ檸檬先輩と一緒に?
色んな少年少女の恋物語を覗き見したいので、
これからも性懲りも無く、青春恋愛作品に舞い戻る所存であります。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49

81.1 2 沖縄で田舎なアニメランキング2位
劇場版 のんのんびより ばけーしょん(アニメ映画)

2018年8月25日
★★★★☆ 4.0 (401)
1803人が棚に入れました
旭丘分校」の生徒はたった5人。学年も性格も違うけれど、いつも一緒に春夏秋冬の変わりゆく田舎生活を楽しんでいます。ある日、デパートの福引で特賞の沖縄への旅行券を当てた「旭丘分校」の面々。夏休みを利用して、皆で沖縄に行く事になるのですが……。

声優・キャラクター
小岩井ことり、村川梨衣、佐倉綾音、阿澄佳奈、名塚佳織、佐藤利奈、福圓美里、新谷良子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

卓よ、世間ではそれを”ハーレム”と呼ぶんだぜ(笑)

TV版は第1期、第2期とも視聴済み。
TV版と1ミリも違わぬ、安定感抜群のほのぼのほっこりな世界観は秀逸です。

【はじめに】
{netabare}原作の単行本に付属されていたOVA『沖縄へ行くことになった』の前後の物語。
無口なのに存在感抜群の兄ちゃんが福引で沖縄旅行を引き当てるシーンと、全員の服装が同じ辺りからもうかがえる。

OVAでは、『沖縄旅行が当たった~!みんなで行くぞ~!』って、みんなで準備して、飛行機に乗ったところで終了。
あれれ?せっかくの「ひか姉&なっつん」コンビがまさかの不発で、どこか消化不良・・・。
そんな感想だったので、この作品はとても楽しみにしていたんです。{/netabare}

【舞台は日常から非日常へ】
{netabare}夏休み。
まずは、いつも通り4人で遊ぶ光景。
そして、偶然に偶然が重なり、デパートで買い物をする4人とかず姉、駄菓子屋、そして、卓兄ちゃん。
いわば、ここまではいつもの日常。

卓が福引で沖縄旅行を引き当てたところから、物語が徐々に”非日常”へと動き出します。

そして本作の舞台、沖縄へ・・・。
いつもの、山に囲まれた世界(日常)から、海に囲まれた世界(非日常)へと・・・。{/netabare}

【沖縄でも”らしさ”全開の面々】
{netabare}まあ、舞台が変わったとはいえ、いつものメンバーですからね。
ほのぼのほっこりワールド全開です。

面々の”らしさ”は何気ないシーンでもしっかりと描かれています。

個人的に一番ほっこりしちゃうのはバトミントンで遊ぶシーン。
れんげとバトミントンをする蛍。
あちこちに打ち返すれんげに振り回されながらも、れんげが打ちやすい位置に打ち返す蛍。
れんげに対して、しっかりとお姉さん役を果たす蛍らしさが良く表現されているシーンだと思います。

飛行機や食事の時の座席など、絶妙で良く考えられているし・・・。

終始ニヤニヤ、頬が緩みっぱなしです(笑)。{/netabare}

【唯一、いつもとは違うメンバーが、良いアクセントに!】
{netabare}民宿「にいざと」の看板娘・あおい。
夏海と同じ中学一年生。

民宿のお手伝いをする、しっかり者のあおい。
夏海にとっては、とても気になる存在。

夏海にとっては、同じ年齢の娘は”非日常”。
気になって当然ですよね。{/netabare}

【旅行の醍醐味の表現が秀逸】
{netabare}旅行の醍醐味の一つは、いつものメンバーで非日常を体験すること。
そして、最終日に感じる、得体の知れない”寂しさ”も醍醐味の一つだと思います。

あおいの存在が、旅行の醍醐味である、”楽しさ”と”寂しさ”を、分かりやすく伝えてくれます。{/netabare}

【個人的ツボ=ひかげの存在】
{netabare}フライング土下座~飛行機でビビる~難聴でグダグダ~子供部屋で床寝~船酔い~天然記念物~大人部屋でも床寝~ベット死守~泣いてねぇし・・・。
終始安定のボケ要員。
「ひか姉&なっつん」コンビは鉄壁(笑)。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 39
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

上映館が倍以上に増えるようです!

初日の舞台挨拶は抽選漏れしたため
翌日にあにこれ面子と一回目
今週の舞台挨拶には当選したので
舞台挨拶付きで2回目を観てきました

そんなかんじで初めて観た日は
アニサマ全通の3日目に
会場に行く前に新宿まで寄り道して観たのもあって
かなり疲弊した状況での鑑賞となりました

しかし、この最上級の癒しアニメのおかげで
だいぶ活力を取り戻して3日目へと向かえたように思います

ふだんののどかな田園風景とは舞台は違えど
やっていることはいつも通りの
ゆったり日常アニメ
ゲストキャラクターのあおいちゃんとの
ハートフルな交流もあったりと
とにかく沖縄の情景がとてもきれいに描かれていて
なんだかキャラクター達と一緒に
沖縄旅行を楽しんでいるような気分になりました

あとはサブキャラクターのくせに
{netabare}ジャンピング土下座にはじまり
難聴ネタ
ふとん
リバース
天然記念物
泣いてねーし!{/netabare}
と要所要所でギャグ要員として出動し
美味しいところを全部持っていくひかげに
今回はかなりやられましたw
ほんといいキャラしてる

そしてあまり間を置かずに2回目を見に行ったわけですが
舞台挨拶は置いておいても
2度目の鑑賞でも1回目と変わらず癒されたし
楽しく見れました

そして今は久々にTVシリーズを見返したい思いに駆られています
1期2期ともにdアニメにあるので
今期のアニメをいくつか切れば見れるけどどうしよう?

閑話休題

この映画かなり見れる劇場が少なく
基本的に都会の映画館でしかやっていない感じでした

隣の芝は青いと言いますか
田舎の人は都会にあこがれ
都会の人は田舎にあこがれるものです

のどかな田園風景とゆったりしたスローライフに
まるで異世界ファンタジーでも見るような感覚で
憧憬の念を抱くのは基本的に都会の生活に摩耗しきった層なので
都会に絞っての公開は戦略的に正しかったと思います

この戦略が吉と出たのかどうかは定かではありませんが
館数からするとかなり好調な収益を上げているようで
今回の舞台挨拶にて上映館が27scrから71scrへと
大幅拡大されることが発表されました

特に東北と九州は仙台と福岡で1館づつの上映だったものが
各県で1~2か所みられるようになり
だいぶ見やすくはなってるんじゃないでしょうか?

もし今まで観たいけど近くでやってないからと敬遠していた方がいれば
ぜひもう一度上映館情報を確認しなおすことをお勧めします

この後全国でさらにヒットすれば
劇場版をもう一作
あるいは3期の制作なんて話になるかもしれません
応援のためにもみんなでぜひ観に行きましょうw

おまけ(舞台挨拶内容・ネタバレ含)

{netabare}今回はれんちょん役の小岩井ことりと
なっつん役の佐倉綾音が登壇
映画に関してのちょっとした裏話などをしてくれました

あやねるの話で面白かったのは
夏海とあおいの関係について

あのど田舎の生活では
同い年の子供がまったくいなかったので
夏海にとってあおいは初めての同い年の友達
そして初めて仲良くなった同い年の子と
出会って数日で別れなくちゃいけない
「ほんと切ないよねー」
と、こっこちゃんと頷き合ってました

こっこちゃんは演じる際に考えていたことを
いくつか話してくれましたが
中でもハッとさせられたのは

TV版ではひらたいらさんとの別れを悲しむれんげを
夏海がなかなかにニクい形で元気づけていました
今回の映画であおいとの別れを悲しむ夏海を
れんげが慰めるシーンは
れんげが夏海に教わったことを
夏海にお返しするシーンだと思っているというお話
言われてみるとなるほどという感じで目からうろこでした

りえしょんみたいに難しいことは何も考えてなくて
それでいて感覚的に何でも器用に演じれてしまう人もいれば
こっこちゃんみたいに一つ一つのセリフの意味を
自分なりにあれこれ考え抜いた上で演じてる人もいる
っていうのが面白いですねw{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 33
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残暑お見舞いなのん~

テレビアニメ「のんのんびより」のファンムービーとしては期待を遥かに上回る出来映え!
美しい自然と可愛く楽しい女子キャラたちによる極上の和みと癒し。
ストーリー性も充分あり、70分という、映画としては短めの尺ながら満腹度は100分以上の長編並みに感じる密度の濃さがありました。
作品の魅力が存分に表され、テレビ版を未視聴の方でも、日常癒し系アニメの人気作たる所以に納得し楽しめるのではないでしょうか。

《ストーリー》

旭丘分校の生徒たちをはじめとする田舎の村民9人の沖縄旅行顛末記。
ユーモラスなキャラたちの個性に沿った小ネタ満載の展開にニヤニヤと和むことしきり♪
そんな中にしっかり描かれる、脚本・吉田玲子さんお得意の、ちょっぴり切なくも心温まるハートウォーミングなエピソード。
のんのんらしい優しさもたっぷり伝わり大満足です!

《作画&演出》

テレビ版と同じく手書きの自然風景は美しく、キャラ画との親和性も高くて目の保養になります。(特に夜のワンシーンにうっとり!)

本作のシリーズを通して川面真也監督の演出面でつくづく感服するのは、シーン毎の間尺の取り方。
今回の映画でも、静止したキャラを見せられる度に笑い声や涙をこらえるのに必死になり、長回しで映る自然風景や建物などの器物を見てるだけでうっとりと癒されたり感慨に襲われてしまう。
しっかり情感を汲み取れる時間を充分とりながらも、決して間延びを感じさせないのは卓越した手腕ですね。

《音楽》

テレビドラマと同じくnano.RIPEさんによるOP。
nanoさんは作品に合わせた曲作りが上手く、海をイメージさせるサウンドでバカンスへの出発気分を盛り上げてくれました。
そしてこれまた同じくキャラ4人によるEDは、バックで場面を振り返りながら名残惜しい余韻に浸れました。

また、劇場ならではの音響システムで、水しぶきや波の音、無数の虫の音に包まれながら美しい景色を眺めてると、マイナスイオンのシャワーを浴びながらキャラ達と共に大自然の中に居るような幸せな気分になれました。

《キャラ》

今作では、なっつんこと夏海が一番活躍?
メンバーそれぞれの個性で笑わせてくれる中、いつもはからかい上手の彼女にキュンとさせられます!

あと個人的に一番楽しめたのは宮内三姉妹。
末っ子れんちょんの才能と感受性の豊かさは要所に描かれ、ホント、将来が楽しみな小学1年生。
長女かず姉には、意外な一面に驚きつつ楽しめました。
そして、キャラたちのお笑いの中でも突出してたのが次女ひかげ。
可愛い一面も見せ、今作のR-1グランプリ受賞でしょう♪

《声優さんの舞台挨拶初見学記》

今回、映画上映後にれんちょん役の小岩井ことりさんとほたるん役の村川梨衣さんの舞台挨拶を見る事が出来ました。

幅広い年代の250人程度の観客のほとんどは男性で平均年齢35歳といったところ。
小岩井さんの生「にゃんぱす~!」で始まるおふたりのトークは、村川さんの盛り上げ方も上手で、アニメ関連イベント初参加で変に緊張してた私も和やかな気分で楽しめました。

村川さんの地声は、ほたるんより「ヒナまつり」のアンズっぽく聞こえ、個人的に好きなキャラ声を生で聞けるのはテンション上がる~!
作品の架空の田舎の事をキャストみんなで「(仮)のんのん村」と呼んでるそうで、制作現場の楽しい雰囲気が伝わりました♪

小岩井さんのトークで、 {netabare} れんちょんがスケッチをプレゼントした夏海への気遣いについて、「テレビ版のひらたいらさんのエピソードで、夏海が機転を利かせてれんちょんを元気づけた事に繋がってる」と言われ、 {/netabare}私の感想も深まると共に、小岩井さんの作品への思い入れを強く感じました。


観光地の旅行先がメイン舞台なので、田舎の「のんびりさ」だけが成分不足ですが、それを補う「強壮バカンス成分」がてんこ盛り。
この夏の暑さを和らげるくつろぎと癒しの清涼剤をぜひご一服どうぞ~♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 34

68.3 3 沖縄で田舎なアニメランキング3位
たくのみ。(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (305)
1250人が棚に入れました
転職のため東京にやってきた天月みちる、20歳。
上京したての彼女は、女性専用シェアハウス「ステラハウス春野」に住むことに!
同居人たちとは仕事も年齢もバラバラだけど、美味しいお酒と料理があれば、いつも楽しい!! 
みんなでカンパイ、ほろ酔い“宅呑み”コメディー!!
開封(プシュッ!!)

声優・キャラクター
今村彩夏、安済知佳、小松未可子、内田真礼、安野希世乃

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

市販のお酒を買いたくなる

視聴理由 特になし

序盤 たくのみって「宅飲み」だったのか

中盤 良いねこれ

終盤 ゆるい

この話は東京に上京してきた田舎社会人がシェアハウスに住む話
ジャンルはお酒・日常・社会人
一話に一度(サブタイにもなってますが)お酒の話が出てきます。エビスビールだったり男梅サワーだったり、角ハイボールだったり。「お酒は夫婦になってから」は自作酒でしたが、今作は市販のお酒を紹介・解説しています
基本は日常回ですがその日常回もお酒に無理やり関連付けようとしたちょっと微妙な話だったので、あまり評価はできませんが、
テーマとしては悪くはなかったのではないでしょうか。会社で働く、という「社会にでる」行為は様々な困難が伴います。しかも「子供時代」からいきなり出てくるのですから、環境そのものが違うわけです。そりゃ上手くいくとは限らないでしょう。それでも私達は生きていて、その人生を楽しんでいます。その楽しみの一つとしてこの作品は「家」「お酒」「仲間(友達)」を提示しているように思えました。
私はこのEDの「テストなんか大嫌いだったけどわかりやすくてマシだったな。努力が報われる子供の時代、飛び出したなら生きるだけで精一杯。」という歌詞がなんかココロにズサっときてすきなんですよ。まさにこのテーマに沿っているかな

監督は小林智樹さん。アカメが斬るやセイレン、アマガミSS+の監督をなさった方ですね
シリーズ構成・脚本は高山カツヒコはさん。バカテスやアルドノア・ゼロのシリーズ構成を担当した方ですね
キャラクターデザインは小林真平さん。今回が二回目となるキャラデザだそうです。
劇伴は鈴木真人さん。劇判は初担当だそうです
アニメーション制作はプロダクションアイムズさん。はいふりやデトアラⅡを制作したところですね

作画は悪くなかった印象ですね。ところどころキャラデザがぶれたのは惜しかったですが、それ以外は特に問題はありません
opは「恋愛サーキュレーション」の歌詞を担当したmeg rockさん作詞、アスタリスクed2の作編曲をしたRasmus Faberさん作編曲、真ちゃん役の内田真礼さん歌唱の「aventure bleu」良曲
edはましのみさんの「ストイックにデトックス」神曲
ed歌詞も好きだしメロディーも好き
声優さんは普通でした


総合評価 お酒について詳しくなれる

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

お酒大好き、若い女性たちだったです。

  みちるが東京にやってきて、直、真、香枝らとともにシェアハウスでの楽しい生活を描いたアニメだったです。
 キャラそれぞれ作画など好感が持て、「たくのみ」なだけにお酒とおつまみを楽しむことを描いていたです。

 楽しい事、悩んでいる事、困ったことなどに各々それぞれが、家族、姉妹のように相談に乗った姿を見せてくれたのも良かったです。

 共同生活って、いろいろ難しいような印象あるけど、彼女たちは非常に友好的で良かったです。上京したみちるに対して、優しく仲良く接した香枝、真、直が、良い感じです。

 お酒やおつまみの解説も、彼女たちが仲良くするうえで盛り上ていたです。私は、食べ物のほうがどちらかというと好きだけど、こういうのも悪くないかなぁと思ったです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

lostmemory さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

挑戦は評価したいし悪くない

まず酒やつまみの話という時点でお子様は当然お断りだし
大人の中でも酒にはつまみだろって人にしか向いていない
アニメ。非常にニッチな、需要があるのかないのかよく分からない
人達へ向けて作った挑戦は評価したい

私は酒は人並みにしか飲めないし家で飲むこともほぼないが
作品としては十分良いと思ったし悪くない。

ただ佳作でありこれ以上クオリティを上げるのは無理な
タイプの作品でもある。とはいえ糞みたいなアニメが毎回
量産される中、このレベルのクオリティなら十分合格点を
あげたいと思う。

ただ今後はこういうタイプの作品も増えていきそうで
その点は怖い。こういうのは1つの季節に1作品で
十分すぎる。酒抜きにして食べ物系のアニメ全部含めてね。
ちょっと最近食べ物関連多すぎるよ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

66.7 4 沖縄で田舎なアニメランキング4位
河童のクゥと夏休み(アニメ映画)

2007年7月28日
★★★★☆ 3.8 (211)
972人が棚に入れました
夏休み前のある日、小学生の帰り道に上原康一は大きな石を拾った。持ち帰って水で洗うと、中から何と河童の子供が!!第一声は「クゥ?!!」。康一はこの河童を「クゥ」と名付ける。クゥは康一たちと同じ言葉を話し、何百年もの間、地中に閉じ込められていたことがわかる。最初は驚いた家族もクゥを受け入れ、クゥのことは秘密にしようと決めるが・・・。


声優・キャラクター
冨澤風斗、横川貫大、田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

河童菌~♪河童菌~♪ いじめ・・ダメ、絶対!

『下校途中、川辺で河童の子供を偶然発見した少年「上原 康一」と、その少年に「クゥ」と名付けられた河童の子供とのひと夏の心温まる友情を描いた物語』


映画のトータル時間は約140分と長いですが、とてもほんわかする時間を過ごせました。心温まる話が好きな方にはおすすめですね。観終わった後、じわーーーっときます、じわーーーっとです。分かりますよね?この感覚。また、この作品は2007年のものなので、ほんの少しキャラクターデザインは古く感じるかもしれませんが、内容は全く問題ありませんでした。脚本はしっかりしていました。


物語の流れは、ざっくり分けて3部ぐらいに分かれていると思いました。1部は「思い出作り」、2部は「騒動」、そして3部は言いません。つまらなくなるので・・。出会いがあればその逆もってやつです。分かりますよね大体ね。


監督は「原 恵一」さんです。クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦」を手掛けた方です。ですので、さすがに家族間の掛け合いはお見事でした。上原家が野原家のように見えましたよ。


康一とクゥとが夏休みに2人だけ行った旅は良かったです。ちょっぴり不安でちょっぴりドキドキ、そんな雰囲気が感じられました。


2013年に監督の原恵一さんが続編にあたる小説「河童のクゥ 6年目の夏休み」を発売しているので、ぜひ映像化してほしいです。その続編では、康一は高校生になっているそうです......あーーダメだぁぁー、また小説読みたくなってきたぁぁー、脳が震えるぅぅぅ。


この作品の中で、河童伝説のある岩手県の遠野市が出てくるのですが、そこで河童って見る事は出来るのでしょうか?と言うか、河童を見た事ある方はいますか?ちなみに私事で申し訳なのですが、自慢じゃないですが私は河童を見た事がありますよ。私の周りには結構沢山いるんですよエロ河童。でも私はそんな人達が近くにいても、屁のかっぱなんですけどね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おっさん…(;_;)

以前後半の方だけTVで観て、きっとこれは少年が河童と風変わりな一夏を過ごして、でもやっぱりいつまでも一緒ってわけにはいかないけどハートフルな話なんだろうな、と思っていました。

またTVでやっていたので初めの方から観たところ、だいたいは上記に当てはまるのですが、さらに事細かな人間社会の滑稽さや皮肉な状況を盛り込んだ話でした。

クゥより気持ちを持っていかれたのは、捨て犬「おっさん」。おっさんーー!!おっさん〜〜!!
{netabare}のんきそうでいて、その過去と生涯が辛かった。
学校で殴られるようになって、はけ口として犬を殴るようになってしまった飼い主が、その後どうなったのか。おっさんはきっと気がかりだったでしょうね。
「人間は、変わっちまう」
「ずっと殴られてやりゃぁ、よかったのかな…」って。
以前目にした「虐待されている最中でも親を愛していました」っていう言葉がよぎりました。とても悲しい。 {/netabare}

色々、胸に痛かったです。


妹のありそうな幼児っぽさがうまいですね。知ったかぶったり、河童に対して家庭内の縄張り争い?繰り広げたり、変なところに物隠したり。

主人公の少年の言動…とくに言葉遣いは、すごく「今風な」感じだったり、テレビ出演に浮かれたりと、主人公でありながら社会の一部で翻弄されるように描かれていて、単なる勇気と良心に満ちてはおらず、甘くなかったですね。
でもそんな彼が大手を振って笑って過ごせる世界でもなく、そんなはずじゃなかったのに1人きりで受け止めなければならない状況に追い込まれるところなどリアルでした。もっとも、少しだけ分かち合えた少女の存在や、頼れる家族の繋がりなど、やはりハートフルな部分も生きていました。

原監督は長いことこの作品を映像化したくて、クレしんで結果を出してやっと着手できたものの、原作者の方は完成を見ずに亡くなられたそうで。(wikiうけうり…)
込められた想いが伝わる作品でした。


現在は消失してしまった座敷童の宿、主人公が実際泊まるには人気過ぎて難しかったかな…?「3年先まで予約がいっぱいの宿」だったそうで。今も再建を目指してるんですね。

主人公家族の住んでいた東京の田舎な街並、見覚えがありちょっと懐かしかったです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「オトナ帝国」の原監督による渾身の一作。児童文学アニメと侮るなかれ!!

2007年劇場公開。
本編、約140分。


【前置き】

初期の「劇場版クレヨンしんちゃん」の多くに携わってきた、原恵一監督の劇場映画。
原作があまりアニメ化に至らない児童文学ということから、原監督の意向とは裏腹に中々制作出来なかった経緯があり、「オトナ帝国」(2001)「アッパレ戦国大合戦」(2002)等の実績を経て、やっと本作の制作に着手したそうです。

原作者であえる木暮正夫さんは、本作の完成目前に他界されたそうですが、本作の数々の受賞歴や何よりその出来に対し、きっと雲の上から監督に賛辞の言葉を送っていらっしゃることでしょう。


小学生の姪が遊びに来ていたので、年齢的にもピッタリと思い、宿題終わりのご褒美に身内一同で本作を鑑賞しました。
子供は子供なりに、大人は大人なりに皆無言でじっくり本作を見ていました。
それを遠目で見て一人ほくそ笑む私。
……なんとも変な絵でしたね。



【あらすじ】

小学5年生の「上原 康一(うえはら こういち)」は、下校途中に偶然、川辺に埋もれていた大きな石を見つけます。

好奇心からその石を割ってみると、中には化石のように干からびた生物が出てきたのでした。
それは、長い間地中で仮死状態になっていた『河童』の子供だったのです。

なんとか家族を説得した康一は、その河童に「クゥ」と名付け、共に生活を始めました。
当初は、あるトラウマから人間に対し警戒心を抱いていたクゥでしたが、康一や家族の厚意を機に、徐々に信頼を寄せるようになっていくのですが……。



【語ってみる】
{netabare}
原作が児童文学であることに加え、タイトルや絵の雰囲気からも、本作は子供向けのイメージが強いように感じます。
実際、DVDレンタルでは子供向け棚に入れられていることも多いですね。

しかしその中身は、原監督が原作を大幅にアレンジして上で、環境問題からイジメ、更には過剰なマスコミ報道等、非常に現代社会に対し訴える内容となっており、子供と大人でまた見方が大きく違う作品だと私は思っています。
こういう点は、まさに「オトナ帝国」「戦国大合戦」の様相に似ており、監督の得意分野なのでしょうね。

ただ、それらの作品と大きく違う点として、描写として非常に過激なシーンが幾つかあり、特に小さな子供が見るには注意が必要かもしれません。
冒頭の、クゥの父親が腕を切り落とされ斬殺されるシーンに始まり、陰湿なイジメ、動物虐待、ある事象から鴉が木っ端微塵になり血が飛び散るシーン等がそうですね。
決して、内容の無い不必要な過激描写ではありませんが。



さて、本作を見てまず感じたのが、キャラクターの生々しさでしたね。

本作で登場する上原一家は、決して個性の強い特別な家庭ではありません。
故に子供達の言動や行動は勿論、その大人の立ち振る舞い等も妙に生々しく、それぞれ世代の近いキャラを見たら、変にこそばゆい気持ちにさせられます。
だからこそ、妖怪と過ごすという圧倒的な非現実から、リアリティーの強い内容にもすんなり持っていけたのでしょうね。

このリアリティーさに一役買ったのが、キャラと同世代の子役声優の起用でしたね。
本職である声優さんの子供声の演技が素晴らしいのは私も重々存じ上げているつもりですが、やはり声質から純朴な演技力まで、リアリティーさにかけて言えば本物の子供には敵う筈もありませんものね。
ただ正直、2010年以降の子役声優と比べると、本作での子役は演技的に拙く聞こえたのが本音です。
(特に、感情の起伏が激しいシーンでは。)

お父さん役は「田中直樹さん(ココリコ)」、お母さん役は女優の「西田尚美さん」。
こちらも本職の声優さんではありませんんが、これがまたどちらも名演でした。
特に田中さんは、元々かなりの動物好きなので、動物に対しての台詞には演技力以上の重みがあったように感じました。



物語は、大きく分けて3つ。
『出会い』と『事件』、そして『別れ』で構成されています。

『出会い』は、全体的に子供向けを意識した構成で、クゥとの不思議だけど楽しい日常風景を元に、彼らに信頼が芽生えていく様子が丁寧に描かれています。
秘密に河童を飼い、喜ぶ長男。
自分の地位を河童に脅かされたように感じ、嫉妬する妹。
世話が大変だとぼやきつつ、愛を向ける母。
妙な無責任さで、無邪気に河童と遊ぶ父…。
そして、唯一彼と心で声を交わせる、飼い犬の「オッサン」(←名前)。
先でも述べましたが、彼らのこの行動の生々しさがあって、初めて大人も鑑賞出来る内容に仕上がったように感じます。

そうそう、ここの途中で、河童の生き残りを探しに、康一とクゥが岩手県遠野市まで足を運ぶシーンがあるのですが、ここで出てくる座敷童子は妙~なインパクトがありましたね。
姪は、ここで彼女が歌う童歌を妙に気に入っておりました。
確かに良いメロディーです…、ケド…なんか怖いんだよなぁ……。。。


さて、話の根幹となるのは、この後の『事件』。
クゥの情報を嗅ぎつけたマスコミが騒ぎ出したことをキッカケに、遂に家族はクゥを連れてテレビ出演を快諾することになります。
ここの流れとして、父親が会社の得意先の頼みで断り辛かったことや、これまで頑なにクゥの秘密を守っていた康一が、テレビに出られると聞くや急に態度を変えて喜ぶ様等があり、これまでと違う人間の浅ましさが見え隠れし出したシーンでもありましたね。

その浅ましさは、結果的に何一つ好転することは無く、一つの命と、クゥの叫びにより登場した伝説の生き物によって、一応の解決を見せます。
ただそれは、過剰なメディアが先から一変し、クゥを危険視し隔離すべきだと手の平を返すことにも繋がりました。
去年だけでも、どれだけこの手のマスコミ報道に覚えがあるでしょうね…、なんとも胸糞が悪かったです。


ここから『別れ』の構成となる、以降の30分弱。
ここはハッキリ言って、非常に大人向けなシナリオ構成であり、大騒動の後日談のように基本的に淡々と描かれ『事件』時のような盛り上がりにも欠けるので、子供は退屈するように感じましたね。
(実際、姪は退屈そうでした。大人としては全くなのですが。)

クゥとの別れは、いわば必然です。
最初とは打って変わり、とても真剣な表情で父親が言った

「俺達とクゥは違うんだ、住むところも…生き方も。

 今の暮らしは、クゥにとって自然じゃないんだよ。」

という台詞に、康一も遂に引き下がることしか出来なくなりましたね…。
それは作中、彼が自分の損得でなく、初めて100%クゥの為を思って出した結論だったように思います。

最後にクゥが言った通り、彼はそんな自分を責めていたようですね…。
実際ハッキリ言って、決して完璧な付き合い方ではなかったでしょう。
ただ、それでもクゥは、それを否定することもなく

「オメェに貰った命、大事にするからな~。」

と言いました。
この奇跡の出会い…この短い夏休みの出来事は、彼らにとって、代え難いかけがえのない日々であったことが窺えましたね。
{/netabare}



【クゥ以上に心動かされた存在、オッサン】
{netabare}
本作はタイトルの通り、河童のクゥを物語の主軸として描かれているのですが…。
それ以上に視聴者に強烈な印象を与えるキャラクターが、上原家で飼われている犬の『オッサン』でしたね。
なんともインパクトのある名前ですが、
「拾った時、なんとなく顔がオッサンだったから。」
というのが由来だそうです。
こういうの、小学生にありがちだから困る。(後述)

オッサンは、犬の中では珍しく心で会話が出来るようで、クゥとは人間よりも近い視点で、側で話を聞いてやれる存在でした。
初めて会話した時にオッサンが言った、

「このウチの連中は、そう悪い奴らじゃねぇ。」

という言葉は、クゥが上原家に対し心を開くキッカケの一つになったことでしょうね。
見た目は可愛い雑種犬なのに、こう声色や物言いがホントのオッサンそのものなのが、また良い味を出していました。
(まぁ齢10才は越えているようなので、実際人間的に言えばオッサンですしね。)


実はこのオッサン、人間に飼われるのは、これが2回目でした…。
中盤、メディアに騒がれ浮かれる康一に不安がるクゥを見て

「人間は急に変わることがあるからな…、俺の前の飼い主がそうだった…。」

と、オッサンは自身の昔話を話してくれたのです。
それは、子供の頃は仲良く遊んでいた飼い主から、ある日突然虐待を受けるようになった、見るも聞くも非常に痛ましい話でした。
学校でイジメを受けるようになった飼い主は、その腹いせにオッサンに暴力を振るい始めたんですね…。

「悲しかったよ…。殴られるのも嫌だったし、そんなアイツを見るのも嫌だった…。

 俺は…逃げた……。」

その先で出会ったのが、幼稚園の頃の康一。
オッサン曰く、「子供の頃のアイツに似てた」そうで、彼に着いて歩いたのだそうです。

話の終わりに、「人間はなんで変わるんだろう…。」「なんでだろうなぁ…。」と顔をしかめ合うこの2匹の会話は、自分自身にも問題提起されているような気分になりましたね。
年々このシーンは、涙なしでは見れなくなってきました…。


この後、オッサンはクゥがテレビで騒ぎを起こした時も、呆然とする上原家の中で唯一、自ら咄嗟に動きクゥを逃がしてくれました。
ただこの行動は、クゥを乗せたオッサンを面白がって追いかけて来たヤジウマの車によって、オッサンが事故に遭い命を落とす結果へと繋がるのです…。


『アイツ、ちゃんと生きてるかなぁ…。あのまま殴られてりゃ良かったかなぁ…。

 そうすりゃアイツも気が晴れて…、また…あの頃みたいに……。』


最後の最後にこう言い残す辺り…、やっぱりずっと前の飼い主を引きずっていたんですね…。

そんなオッサンの最後を看取り泣き崩れるクゥを見て、今度は写真を取り出す人間達…。
この一連のシーンは、自分が同じ人間であることが恥ずかしくなるぐらい胸糞の悪い絵が続き、本気で苛々しましたね。

悲しみと怒りと辛さが同時に込み上げるので、好きなシーンとは決して言えませんが、ただ作中で一番印象に残ったシーンでした。
メインであるクゥの、どのエピソードよりも…。

終盤に撮った、オッサンの写真を真ん中にして皆オッサンのようにベロを出して笑う写真は、オッサンがいてくれたからこそ出来た…家族とクゥの心が本当に一つになった時の一枚でしたね。
ありがとうね、オッサン。

しかし子供向けと思いきや、容赦無く救いも無く死んでしまうのは衝撃でしたね。
家族が自責を背負い意識改革する部分でも話として必要なのは分かりますが、足に後遺症が残る程度でも…と思ってしまうのが本音です…。

前の回想シーンも含めて、動物好きの人にはかなり胸を抉る映像のある作品となるので、その点は要注意ですね。
私にとっては、「Another」等のどんなグロ映像よりも、本作の方が目を背けたくなりました。
{/netabare}



【総評】

児童文学を題材にしたアニメ映画として、子供が楽しみしっかり学ぶことの出来る作品だと、私は自信を持って言えます。
(終盤は小さい子だとダレかねないですが、しっかり見て学んでほしいですね。)
加えて大人にも、きっと胸にズキンと突き刺さるシーンが幾つもあることでしょう…。

私は、本作はハッキリ言って、どちらかと言えば大人向けな映画だと思っています。
メインは河童ではありますが、そのクゥと飼い犬を通し、生々しく描かれた家族が、失敗し…そして成長する物語ですので。
前半と後半の描き方の落差はかなり違いますので、そういう意味でも後半までじっくり見て御判断下さい。


さて、作中でクゥがこう言う場面がありましたね…。


「父ちゃんが言ってた…。

 人間は、水や地べたを俺達から奪い、そのうち風や空や、神様の居場所まで自分達のものにしちまう。

 それと引き換えに、魂を失くしちまうだろうって…。」


いつか、この父ちゃん河童が言ったことを、思いっきり否定できる未来が訪れたら良いですね。


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『オッサン(犬)』声 - 安原義人さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『菊池 紗代子』声 - 植松夏希さん




以下、犬の名前について。
(どーでもいい話なので、〆ます。)
{netabare}
作中に登場する犬の「オッサン」ですが、ホント子供は犬に阿呆な名前を付けますよね。
犬側からしたら、たまったものじゃないでしょうに。


本作を見て、小学生時代に友達らと犬の名前について話す機会があったのを、思い出しました。

「チビ」「ラッキー」「ララ」みたいな可愛い名前もいれば、

「アンコ(食べ物)」「バームクーヘン(食べ物)」「ジョイ(洗剤)」「うんにゅ(?)」等、ちょっと耳を疑う名前もチラホラ。


中でも、今も忘れられない名前が『バター』ですね。


当時は聞き流していましたが、大人になって初めて、その犬の名付け親は家族の誰だったのかが気になりました。

お母さんとかじゃないといいなぁ……。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28
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