2021年度の方言TVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2021年度の方言成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番の2021年度の方言TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.9 1 2021年度の方言アニメランキング1位
白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (445)
1350人が棚に入れました
「――見えた?」くくるは、そっと、がまがま水族館のヒミツを教える。「ここではときどき、『不思議なもの』が見えることがある」夏の日差しが降り注ぐ、沖縄。那覇市内からバスに乗り1時間あまり揺られた先に、その水族館はある。沖縄本島南部、美しいビーチのすぐ脇にある、ちいさな、すこしさびれた「がまがま水族館」。18歳の女子高生・海咲野くくるは、そこでまっすぐ、ひたむきに仕事をしていた。祖父に替わって「館長」を名乗るほど、誰よりもこの水族館を愛している。ある日くくるは、水槽の前で長い髪を揺らしながら大粒の涙をこぼしていた女の子・宮沢風花と出逢う。風花は夢だったアイドルを諦め、あてもない逃避行の先に、東京から沖縄へやってきたのだ。がまがま水族館に流れる、ゆっくりとした、やさしい時間。居場所を求めていた風花は、「水族館で働きたい」と頼み込む。出会うはずのなかったふたりの日常は、こうして動き始めた。しかし、がまがま水族館は、「不思議」と一緒に、「閉館の危機」という大きな問題を抱えてもいた。迫りくるタイムリミットを前に、ふたりは立て直しを目指して動き始める。かけがえのない場所を、あたたかな寄る辺を、守るために。

声優・キャラクター
伊藤美来、逢田梨香子
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

優しい未来を目指した 心が落ち着く物語

このアニメを見ると、なぜか心地良く、心が落ち着きます。
おそらくそれは、キジムナーのせいかもしれません。
物語全体が優しい色で覆われているようです。

そして、この物語が目指すものは、「優しい未来」のような気がします。
人や全ての生き物にとって優しい未来をつくること。
そしてその未来をつくるのは、水族館を訪れる幼い子供たち。
今は小さくて何もできないけど、海洋生物に興味を持った子供たちが大人になったときには、きっと優しい未来をつくってくれる。
その願いを込めた物語のようです。

そんな未来を想像すると、心が楽しくなりませんか?


主人公は高校生の海咲野 くくる(みさきの くくる)。明るく元気な女の子です。
そして、ヒロイン(?)は宮沢 風花(みやざわ ふうか)。とても美しい少女です。

物語は、くくるが高校を卒業するまでの前半部と、くくるが社会人になった後の後半部とに大きく分かれています。

■前半部:
くくるは夏休みの間は「がまがま水族館」の館長代理をしています。
両親を亡くしたくくるにとって、この水族館は人生そのものと言える大切な場所。
でも水族館は老朽化で閉館が決まっています。
くくるは何としても水族館を存続させようと奮闘します。

風花は元アイドルグループのメンバーでしたが、優しすぎる性格が災いしてアイドルグループを辞めてしまいます。
傷ついた心を癒すべく沖縄に行ったときに、彼女は偶然「がまがま水族館」に立ち寄ります。
そこで彼女は、不思議な体験をするのです。
それは、まるで魚たちが風化の傷ついた心を慰めているようでした。

壁一面の水槽に囲まれている水族館の中は、まるで神秘の世界への入り口。
私達も今度水族館へ行ったときには、風花のような不思議な体験をするかもしれませんね。

ここで風花は、くくると出会います。
くくるを応援しようと決めた風花は、くくるの家に住み、「がまがま水族館」で働くのです。

{netabare} くくると風花は、がまがま水族館を存続させるために懸命に頑張りました。しかし水族館は老朽化により閉館してしまったのです。

このときのくくるの悔しさがとても切なくて…
くくるは元気な時が一番輝いています。だから早く元気になってほしいです。{/netabare}

■後半部:
月日は流れ、高校を卒業したくくるは、新しくできた大きな水族館「アクアリウム・ティンガーラ」へ就職します。そして営業部へ配置されます。
くくるにとって生き物を飼育しない営業部は不慣れな仕事ばかり。くくるは仕事に押しつぶされそうになります。

そんなときに、いつも真っ先に助けてくれるのが風花。
風花は、くくるの姉のような存在です。いつの間にか、くくるにとって最も大切な人へと変わっていました。

自分を助けてくれる人がいつも横にいてくれたら、どんなに辛くとも頑張り通すことができます。
風花の励ましで元気を取り戻したくくるは、与えられた仕事を懸命にやり抜きます。

{netabare}17話では、くくると風花が懇親会を企画します。
皆にくつろいでもらおうと頑張ります。
贅沢な料理はありませんでしたが、二人の皆への感謝の気持ちがこもってました。
幸せの基準は人によって異なりますが、
こんな接待を受けたら幸せな気持ちになるでしょうね。{/netabare}

くくるにとって最も不慣れだった営業の仕事は、いつの間にかくくるにとって最もふさわしい仕事に変わりました。
営業部だからこそ、全ての飼育員と仕事で話をする機会ができました。
営業部だからこそ、催し物企画でお客様と身近に接することができました。
営業部だからこそ、自分が推し進めたい企画を実現することができました。

嫌だ嫌だと思い続けて仕事をするのと自発的に仕事をするのとでは、同じ仕事でも人生が180度変わります。
そして社会人になったら誰でも、くくるのように挫折感を味わうことがあります。
でも、前向きに仕事を続けていれば、きっと報われる日が来るでしょう。


くくるが企画した白い砂の上での結婚式の様子は、とても素敵で頬笑ましい内容でした。{netabare}
装飾品が殆どなく、裸足で行う素朴な結婚式。
でも、壁一面と天井には沢山の魚たちが優雅に泳いでおり、まるで海底にいるような気分になります。
こんな神秘的な結婚式は、参加された方の心に一生残るでしょうね。{/netabare}


前半部の主題歌「たゆたえ、七色」は、とても心地よい歌でした。


私は若い頃に六年間、沖縄に住んでいました。
青い空に白い雲、そして真っ青な海
サトウキビ畑にシーサー
どれも懐かしいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ペパーミント ブルー

P.A.WORKS制作。
監督篠原俊哉、シリーズ構成柿原優子。

沖縄の水族館で働く海咲野くくるは、
東京で居場所を無くした宮沢風花と出会う。
小さな水族館を舞台にした少女たちの青春群像。

空、海、水槽、青を基調とした美しい映像、
とても透明感に溢れ、どこか涼やかである。
少女たちの夏の思い出、たゆたう七色、
眩しい日射し、水面に漂う夢と動き出す夢。

{netabare}キジムナーがさり気なく登場し、
ファンタジー要素もあるのでしょうか。{/netabare}

涼やかな夏の一篇になってくれればと願います。

12話視聴追記。
物語が大きな節目を迎えました。
ちょうど真ん中で一区切りでしょうか。
とても安定した物語だと思うと同時に、
少し冒険した展開も観てみたいと期待しています。

最終話視聴追記。
物語の起伏が少なく、少々寂しい印象も、
娯楽性より、どこか啓発する物語なのでしょう。
{netabare}子供たちが、幾多の生き物に触れ、想像力を養う。
それが未来へ、きっと優しい世界へと繋がる。{/netabare}

これはこれで徹底しているのかも知れません。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キジムナーと座敷童

オリジナルアニメ


地中海・アジアン・米西海岸やミクロネシア・ポリネシアなどなどこれまで訪れた各国のリゾート地と沖縄との間には決定的な差があると個人的には思ってます。
それは何かというとゆったりとした時間を金で買える世界の名だたるリゾート地と

 ただそこにあるだけでたゆたゆと流るる時間を感じる沖縄

厳然たる差。とりわけ八重山諸島。圧倒的に心地いいんですなこれが。そんな沖縄を舞台に作画で定評のあるPAさんが味付けしたオリジナルアニメとの触れ込みとくれば候補から外す理由がみつからなかった全24話。
たゆたゆとした時間が流れてたんじゃないかと思います。作画は期待通り想定通りとなりますので残るはお話が面白ければ…ってやつですね。

そのお話そのものは視点の置きどころにやや難あり。物語序盤で勘所を捉えその線に沿うのか、読めない展開に身を委ねるのかの大きく二つ。本作の楽しみ方だと前者寄りに見えるのですが、ストーリーの芯の部分(勘所)がなかなか見えづらい。

あらすじ。沖縄を舞台に水族館にまつわるエトセトラ。キャラは海咲野くくる(CV伊藤美来)と宮沢風花(CV逢田梨香子)のW主人公。風花が東京でアイドルの夢破れて実家のある盛岡に帰ると思いきや一転沖縄へ。そこで閉館危機に瀕する水族館の立て直しに奮闘するくくると出会うという流れ。多店舗展開してる大手粉モノチェーン店みたいな二人の名前ですが関西は関係なさそうです。
閉館危機の水族館となりますと日本の北端北海道旭山動物園V字回復みたいな物語か!と思いきやそうでもなかったりします。視点の置きどころに困る理由其の一です。置きどころはいろいろ↓

・〔start〕閉館危機にあえぐ水族館を救う
・{netabare}1クール折り返したら大手水族館に場を移してお仕事に奮闘{/netabare}
・Wヒロインのいろんなベクトルで深い友情物語?
・あるいは成長物語
・溜まり場(食堂)仲間らとの友情?恋愛?群像劇
・持続可能な海洋生物たちとの共生?
・シンプルに海を楽しむ環境映像

2クールの前後半で趣きが変わるのは許容範囲だとして、作品を通して強烈に訴えかけるものはありません。よって万人受けするもんにはならないでしょう。
私の意見は『だがそれでよい』です。ちゃんぷるーしたものをなんくるないさーで受け止めたらこーなるじゃんと無責任にそう思っております。
視聴後になんとなく沖縄行きたくなったんですよ。冒頭“たゆたゆとした時間流るる”とした所以です。ひとまず成功ではないでしょうか。



※ネタバレ所感

■キジムナーと座敷童

キジムナーなんでいるの?と思ったのは私だけではあるまい。物語進行に1ミリも寄与してません。
{netabare}言わずと知れた沖縄伝承の子供の姿をした精霊・妖怪の類ですけど、キジムナーそのものに強烈な個性はなくそこいらで人間と共生してそうなイメージ。共にいれば富をもたらすし怒らせれば不幸に見舞われる程度。そういった強烈なイメージを残さないキジムナーっぽい物語と言えなくもない本編でした。{/netabare}
{netabare}そしてキジムナーと風花の地元岩手“座敷童”の伝承とではネタが被る被る(笑) なぜ岩手の娘?とした理由が見いだせるかもしれません。{/netabare}


■お仕事アニメ?

お仕事アニメとするのに懐疑的な私なんですけどあえてその文脈で話すとしたら?
{netabare}最近流行りのジョブ型(専門性持たせるアレ)ではなく旧来型のいろんな部署を経験させてジェネラリスト育てようみたいなノリでしたね。飼育やりたいなら営業知っとけ!な主人公でした。
入社早々プランクトン呼ばわりされてみて面従腹背するでもなく人をプランクトン呼ばわりするとは何事かと憤慨するわけでもなく、プランクトンの定義違いで怒ったくくるさん。なかなかない反応だと私が上司だったら思います。ベクトルが対人関係ではなく生き物に向いてる。「あ、こいつ生物への愛情はんぱないな」と評価するかも。時が経ちプランクトン呼ばわりされてもはきはきと返事するくくるさんへと変貌。慣れたというより取捨選択できるようになってどうでもいいところは流せるようになったのでしょう。お仕事アニメっぽい成長を感じたのはここくらいでしたが嫌いじゃないです。{/netabare}


■滋味深い

{netabare}前半のがまがま立て直し話と後半のティンガーラ奮闘記にどうしても隠れてしまうくくるの自立の話。過去にとらわれるなと簡単に人は言いますが、亡くなった家族との絆(がまがま)に折り合いをつけるのは難儀なはずで、それでも前を向いて歩み始めるまでをあまり湿っぽくならずに仕立て上げてたのは良かったですね。生まれてこれなかった姉の代わりに寄り添えた風花の存在も大きい。
自分の存在基盤を脅かされた一介の少女が周りのサポートを受けて一進一退しながら過去と決別するでもなく自分の一部分として消化できたことが爽やかな余韻を残してくれたように思えました。ただしドラマティックではないですよ。{/netabare}




※余談

■○○水族館

シンパシーを感じるあの日の記憶。
{netabare}自分語り恐縮です。幼少期の家族旅行の思い出といえば大都会仙台に遊びに行くことで八木山ベニーランドからの松島水族館は定番コースでした。ベニーランドは健在でヤンヤンヤヤーしてるようですが、水族館は数年前に閉館したとのこと。生き物たちは新しく仙台にできた水族館にお引越ししたとかなんとか。じわじわとへこみますね。そんな中で視聴した『アクアトープ』でした。マンボウ元気かな!?{/netabare}


■沖縄雑感

地域性はある。じわりじわりと沖縄を感じる本作において殊更沖縄を主張してないのは意外だったかもしれません。
おっとりゆっくり人が良いみたいな県民性。それ体現してるのおじいと儀武さんぐらいだったんじゃないでしょうか。

{netabare}パワハラ上司はこの際さておき、お仕事風景は前述したジェネラリスト型育成の例のみならず東京でもよく見る風景です。典型的な日本企業。これが外資ならくくるは飼育係の即戦力としての採用だったでしょう。風花も広報でメディア対応してたかもしれません。{/netabare}

そこから連なる本編関係ない本題以下↓

{netabare}そんな“地域性”の差を飛び越えてリアルではここ何年分断工作の最前線となっている沖縄。曰く「基地の犠牲になってる」「日本に独立を奪われた」「内地は沖縄を見捨てた」等々、一部ファクトから曲解を重ねたり捏造したり。国内外の活動家が押しかけている横で当の沖縄県民らはそんなもん荒唐無稽と歯牙にもかけてませんがここ二代の知事は一国二制度とやらにシンパシーを感じております。{/netabare}
{netabare}そこから描ける未来に警鐘を鳴らす言説は前々からありましたけど、いざ現実にある他の国で露わにされてみると単純に「ほれ見たことか!」とふんぞり返る気にもなれません。人民を解放したい軍隊を有する国家がどこかにあるかもしれませんよ。{/netabare}

我々道端のアニヲタにできることはありませんが、ことさら“琉球”を強調する人なら簡単に見つかると思います。「この戦いが終わったら…」並の警戒フラグでしょう。

プロパガンダに無防備な我が国では、しなやかにカウンターするのが水に合ってるのかもしれません。
沖縄も普通に日本じゃん!で貫かれているアニメに尊さを感じる今日この頃でした。



視聴時期:2021年7月~12月 リアタイ

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2022.03.02 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

65.8 2 2021年度の方言アニメランキング2位
八十亀ちゃんかんさつにっき 3さつめ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (92)
270人が棚に入れました
東京育ちの高校生、陣界斗(じんかいと)が転校した先の名古屋で出会ったのは方言丸出しの女子高生「八十亀最中」(やとがめもなか)だった。ネコのような風貌と露骨な名古屋弁を操る八十亀ちゃんは全然懐いてくれず…。かわいい八十亀ちゃんを観察し、名古屋の地位を向上させる、大人気局地コメディ!!

声優・キャラクター
戸松遥、市来光弘、若井友希、小松未可子、東城日沙子、南條愛乃、松井恵理子、赤羽根健治、黒木ほの香、伊藤彩沙、長縄まりあ、間島淳司

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

地方自慢選手権

原作未読 全12話 1話5分のショートアニメ

八十亀ちゃんかんさつにっきの3期です。3期から観ても問題ないかと思います。

今回も新キャラが多く出ていました。

名古屋のことがメインながら結構他の地方の自慢話しも多かったですね。

ネタ切れでしょうかw

箸休めにどうぞ〜

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

味が濃くて旨い名古屋グルメと違い、やればやるほど味が薄くなっていく第3期

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
名古屋ご当地ネタアニメ。ショートアニメとはいえ、このニッチな内容で3期まで続いていることがスゴい。

とはいえ、やはりネタ切れ感があり、正直、1期が一番面白く、2期、3期とパワーダウンしている印象はあります。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作で「へぇ~」となったネタは、

①八丁味噌は三河のもの。
②冷やし中華にマヨネーズをかける。
③からあげ屋でタピオカを買う。

の3点くらいでしょうか。あとはぶっちゃけ、岐阜や三重、静岡のネタの方が面白かった(というか、他の都道府県に頼ってたよね)。

あと、第三都市は、人口なら横浜ですね。地理的なことを言うなら、札幌か福岡って感じがします。

ちょっと親近感を覚えたのは、新幹線で「名古屋駅まであと8分で着くことを知らせるだけの三河安城駅」と言うくだり。あれは笑ったw なぜなら、東北新幹線にも、「いわて沼宮内駅」という、盛岡まであと10分で着く、ほぼ同じ立場の駅があるからね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
岐阜vs三重、戦争。よく分からんが、ただイメージだけだけど、岐阜が勝っている気がする(三重の人に怒られるわw) 八丁味噌は三河のもの。わりと静かなスタート。

2話目 ☆2
3英傑いるのに、ね。

3話目 ☆3
キャプつば のゲーム、懐かしいな。

4話目 ☆
録画ミス。

5話目 ☆3
三河あんじょう駅、あと8分で名古屋(笑) いわて沼宮内駅みたいなもんだな(笑)

6話目 ☆2
一宮、初対面だな。よく知らん。

7話目 ☆3
冷やし中華にマヨネーズ、かけたことないな。からあげ屋でタピオカ(笑)

8話目 ☆2
水族館。まい、可愛いな(笑)

9話目 ☆2
静岡割り、緑茶ハイとは違うのね。

10話目 ☆2
なんか、三河の方がすごくないか?

11話目 ☆2
富士宮でも、うみゃ~なんだ。へぇ。

12話目 ☆3
第三都市アイドル(笑) いや、仙台はないだろ(笑) だから、第三都市は横浜だって(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

名古屋えーとこ3回(さんきゃー)きてちょ~

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期は視聴済です。
私も仕事上、愛知県に約9年ほど住んでいたので、とても愛着のある作品です。


東京育ちの高校生、陣界斗(じんかいと)が転校した先の名古屋で出会ったのは
方言丸出しの女子高生「八十亀最中」(やとがめもなか)だった。

ネコのような風貌と露骨な名古屋弁を操る八十亀ちゃんは全然懐いてくれず…。

かわいい八十亀ちゃんを観察し、名古屋の地位を向上させる、大人気局地コメディ!!


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

この作品が第3期まで制作された理由が良く分かります。
地元愛がしっかり感じられる上、メッチャ面白いですから…

東海地方がネタの宝庫なんでしょうけれど、それだけじゃなく原作者の視点や切り口がこの面白さの原点なんだと思います。

加えて声優陣も、ハルカス、みかこし、南條さんに長縄さんと豪華な顔ぶれがズラリ…
声優さんにはご当地出身縛りがあるにも関わらず、これだけの声優陣が揃うなんて、東海地方出身の方が多いことの表れだと思います。

今回視聴していて思わず吹いたのが第3話でした。
キャプテン翼のオマージュ…正確に言うと、ファミコンゲームの1シーンが突然画面に現れた時にはメッチャ懐かしさを感じたと同時に吹いていました^^;
ゲームをプレイした人にしか分からないツボだったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は、Taikiさんの「雑草魂なめんなよ!」

1クール全12話の物語でした。
現在原作は9巻まで刊行されているそうです。
地元ならではの小ネタで、ここまで連載が続けられるのって凄いと思います。
原作のストックも残っていると思うので、続編の制作を希望します。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

69.4 3 2021年度の方言アニメランキング3位
ましろのおと(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (194)
613人が棚に入れました
「俺の、音――」伝説的な腕を持つ、津軽三味線の奏者・澤村松吾郎。彼を祖父に持つ少年・澤村 雪は、祖父の死をきっかけに、三味線を弾けなくなった……。"好きな音"を失い、アテもなく上京する雪。キャバクラで働く女性「立樹ユナ」に助けられた雪は、ライブの前座として津軽三味線の演奏を披露することになる。雪は、様々な出会いを、想いを三味線の音色にのせて弾く。自分の音を、自分の想いを探しつづけて――

声優・キャラクター
島﨑信長、細谷佳正、本田貴子、麻生智久、宮本侑芽、近藤玲奈、岡本信彦、鈴木達央、梅原裕一郎、畠中祐、三上枝織、梶裕貴、落合福嗣、谷口夢奈、高柳知葉、木村匡也、逢田梨香子、柿原徹也
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

北東北最後のとりで

注) 読み返してみたら内容にあまり触れてないのに気づく。どうかご容赦をば…
原作未読


「僕らが冬の曲書くとなぜか“乗り越えて”“克服するぞ”って色が強くなってしまう(笑)」

『My Desire~冬を越えて』リリース直後にラジオでそう答えてたSLTの佐藤竹善氏は青森の出身。
お隣岩手県民の自分も妙に納得したのを覚えてます。思い浮かぶは厳しい冬が似合う土地柄。雪中行軍といえば八甲田ですし、やはり上野発の夜行列車をおりたら雪の中だったり北へ帰る人の群れはみんな無口でいてほしかったりする私です。

そして三味線。幼少期に近所を回っていた石焼き芋やさんは松村和子「帰って来いよ」がBGMでした。私の冬の記憶。
似たような構造で同じ三本線でも津軽の三味線と沖縄・奄美の三線では見える海の景色が全く違うんですよね。見た目や材質が違うとかさほど問題ではありません。背景となる風土が違うのです。
たぶん三線での『津軽じょんがら節』、三味線での『安里屋ユンタ』に違和感を感じることでしょう。その流れで三味線は津軽の人、三線は島人に演ってもらいたかったりする気持ちわかります?
その地方のエトスが詰まっている楽器がアニメ作品の中でどう扱われているかは見所だったりします。

結論↓

 津軽海峡の波しぶきが見えるアニメ

私にとってはこれだけで充分かしら。原作者の方は八戸出身らしいですね。なんか納得しました。
正直演者の津軽弁は微妙に違和感あったけど、イギリス英語/アメリカ英語ほどではないというかケンタッキーとテネシーの違いくらいの範疇には収まってるので気にせず。皆さんお疲れさまでした。

音と合わせて登場人物。特に青森に所縁のあるキャラたちに共通する

 強情っぱり加減

がいちいち頷ける感覚。そのまま“ごうじょっぱり”と読むわけでしてその字面でお察しください。揃いも揃ってこんなん不器用なのばっかりしかいないのも好印象でした。


音を取り扱うアニメはぱっと思い浮かぶ限り良作ばかりです。アプローチも種類豊富。
作るほうも大変でしょうが本作なりの創意工夫をあえて指摘するなら“風土”です。だいたいここまで述べてきた通り。
和太鼓・和琴など冠に日本がついてるのはいくつかあれど“津軽”みたいに一地方を指してる楽器はそうそうないでしょう。そりゃ濃ゆいわけです。特定エリアに絞られるわけですから。濃ゆい題材を濃ゆいまま表舞台に出した感じ。
OPにもEDにも三味線の音が組み込まれてますし、EDの加藤ミリヤさんなんて歌唱中にそこはかとなく濁音いれてませんでした?

とことんエスニックを楽しんだ良作でした。


{netabare}実は三味線より第2話梅子が唄う『津軽小原節』に最もびっくらこいた記憶がある。{/netabare}



※余談

■青森県民よスマン!

ちょい偏見はいるけど青森新幹線開通はたかだか10年ちょっと前ですよ。
都会からの往来がないので手つかずの東北が残ってるイメージ。いやバイアス?もとい偏見!?

例えばTHEヨーロッパ的な景色がフランスやドイツの旧西側よりもチェコやハンガリーのほうに色濃く残っているように津軽地方には北東北の濃ゆいものが残ってる気がするのでした。
今は夜行列車に乗らずとも新幹線一本で行けちゃいますのでぜひぜひお越しくださいな。


■日本のラテン語

以前、秋田弁がフランス語に似てる~って検証してる番組を見たことがある。
それを受けての以下体験談だが、、、

ヨーロッパをぶらり一人旅してた時、イタリアはヴェニスの水上ゴンドラで青森出身の子と同席したことがある。
目的地一緒で話が弾み、そのうち調子に乗ってずうずう弁でのやりとりに発展し盛り上がってたら途中乗車してきた日本人に

 「Could you take my picture?」

と英語で話しかけられた。

 「Sure」

と快諾し、「はいチーズ」でパチリ。今思いだしてもだいぶシュールですね。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.06.20 初稿
2022.05.20 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

津軽三味線の演奏に引き込まれます♫

[2021.6.19]
最終話を見終わりました。
中盤以降は三味線甲子園の話になって、この音とまれみたいだなーって思いながら見てて、悪くはないんだけど、このまま優勝とかして終わりはつまらないなぁって思ったり。。
で、最終話なんですが・・すごーく良かったです!ビター展開好きの私も満足でした♪
この物語は雪くんが自分の音を探し求める旅なんだなーって。
雪くんの音は澄んだ綺麗な静かな音。色に例えると白。だから真っ白な音=ましろのおと。
大会の結果は・・{netabare}そして勝ちたいと悔しがり、嗚咽を漏らしながら泣く雪くん。
梅子にとっては残念な結果だったかもだけど、この甲子園は雪くんにとってとても大きなものを得られたんだと思います。{/netabare}
すごく続きが気になるところで終わりましたけど、2期あるのかな?
原作読んじゃおうかな・・27巻もあるけどw
※12話の感想も下にちょっとだけ書きました。

[2021.4.18初投稿]
原作は月刊マガジン連載みたいですが未読です。
作者の羅川真里茂さんは青森出身のようです。

春アニメの視聴作品を物色してた時は、サムネの男の子が暗そうだし、津軽三味線のお話?って感じであまり期待しないで見た作品でした。

澤村雪(さらむらせつ)は弘前の高校生。
津軽三味線の名人で憧れだった祖父の澤村松吾郎(さわむらまつごろう)が亡くなり、自分の音を探すために東京へ行くけど・・

絵は綺麗でいいですね!
舞台は弘前と東京。弘前といえば、ふらいんぐういっちを思い出します。
結構津軽弁でしゃべってるけど大丈夫かな、と思っちゃいましたけどそれも含めてなかなかいい雰囲気です。
キャラデザもクセがなくて好きですね。

なんといっても良かったのは津軽三味線の演奏シーン!!
演奏を聴いていると、なんだかどんどん引き込まれていく感じです。

お話自体もとても面白いし、これは今期の中でもおすすめしたい作品です☆
ちょっと原作読みたくなっちゃいました。

[2021.4.20追記]
原作コミックを2巻まで軽く読んでみました。
演奏ももちろんですが演出がいい意味で渋い感じに変わっててアニメのほうが好きかも。
2話の時点でコミック2巻ちょっとと、カットされたシーンも多く進行ペースもわりと早いんですが、うまく編集し直して良い作品になっていると感じました。

以下、各話の感想です♫

【第一話-寂寞】
{netabare} 雪のシーンが綺麗。
ユナさん親切すぎ。というか強すぎ。
自分をきちんと持ってる子みたいだしやりたいことが見つかればいいよね。
雪くんの津軽三味線すごく良かった♫
配信で見てた子はあとで登場するのかな。
ラストはちょっとギャグっぽくて浮いてたようなwって誰?{/netabare}

【第二話-林檎の花】
{netabare} 個性的な女性は梅子さんといって雪くんの母親なんですね。
梅子に促されて、雪くん演奏と梅子さん唄の競演が始まる。
うわ!唄も本格的っぽくてすごい!
そのおかげで下宿先が見つかって良かった♪
東京の高校に転入した雪くん。
同じクラスの前田朱利(まえだしゅり)が1人で津軽三味線愛好会をやってて。
雪くんの兄の若菜が東京に。
兄弟の距離感がなんかいいな。優しいお兄さんだね。
兄弟で競演した演奏がこれまた素晴らしいです♫
ED見てわかったんですが、この作品オリジナル曲みたいで題名が「アレ」だそうですw{/netabare}

【第三話-驟雨】
{netabare} 朱利さんと一緒にいる子って1話で配信見てた子?
朱利さんが聴いてた祖母が口ずさむ曲を聞いた雪くんは松吾郎の曲に似てると感じて。
祖母の前で演奏して欲しいと頼むけど、雪くんに弾けないといわれて。
青森から来た津軽三味線の神木清流(かみきせいりゅう)のライブ演奏を聞く雪くん。
雪くんに興味を持った神木から、何か弾くように言われて弾くけど、どういう音を聞かせればいいか分からなくて。
雪くんって芸術家肌というか、繊細なんだね。難しいな。
でも、とても大切なことでやらなきゃ後悔するんだったらやります、と朱利さんに言われて松五郎の曲を演奏したいと思う雪くん。{/netabare}

【第四話-春の暁】
{netabare} 青森から送ってもらった松吾郎の「春暁」のカセットテープ。
朱利さんたちと一緒にいた矢口海人(やぐちかいと)にテープの再生をお願いして、矢口宅で聴く雪くん。
でも松五郎のように弾きたいと練習するけどなかなかうまくいかなくて。
永森雷(ながもりらい)に言われた「シンプルであることの良さ」をヒントに、松五郎の音をひとつひとつそぎ落としてシンプルな自分の春暁にしようと思う。
雪くんは朱利さんの祖母の前で春暁の演奏をはじめる。
昔疎開先で聞いた若い頃の松五郎のことを思い出すおばあちゃん。
必死に生きるために津軽三味線を弾いていた松五郎。
松五郎の優くて生きる勇気をくれた音色と同じようなものを雪くんに感じて。
松五郎の魂はしっかりと雪くんに受け継がれているんだと。
なんだか見ててちょっとうるっとしちゃいました。
津軽三味線愛好会を朱利さん、雪くん、山里結(やまざとゆい)さん、矢口くんの4人で活動することになりそう。
それを聞いた雪くんの母親の梅子が津軽三味線甲子園を企画するみたいだけど、青森の雪くんをライバルと思ってる女の子とかも絡んできそうで今後の展開が楽しみです♫{/netabare}

【第五話-合奏】
{netabare} 初心者ばかりの津軽三味線同好会。
雪くんの演奏に感動して少しでもそれに近づきたいと話す朱利さんの言葉。
それは雪くんが松五郎に抱く気持ちと同じような気がして。
顧問が連れてきた神木清流と雪くんの合奏・・・今回もすごく良かったです♫ {/netabare}

【第六話-原郷】
{netabare} OP変わりました・・けど前の曲のほうが三味線入ってたし合ってたような。。
青森に合宿に来た雪くんたち。
聴いてくれる人の反応がなによりの教え、人に聴かせなければ自分の音は見つからない。
松五郎が語った話を聞いて個人戦に出る気になり雪くん。
朱利さんや矢口くんの話も盛り込みながら、全員最後まで合わせて弾けるようになるお話の流れは良かったです♪
ちなみに青森市のは「ねぶた」、弘前市のは「ねぷた」です。{/netabare}

【第七話-風】
{netabare} いよいよ始まった津軽三味線甲子園!
青森の人って独特のイントネーションあるから、なんとなくわかるんだよね。
雪くんって自分の気持ちを表に出さないから矢口くんのイライラもわかる。
でも優勝したいって気持ちは同じなんだって分かってよかった。
けど自分中心なとこは相変わらずなのね(-.-)
団体戦やって個人戦も、となるとそれだけで1クール終わっちゃうかも。{/netabare}

【第八話-音叉】
{netabare} 青森のマイマイのチームの演奏、さすがって感じ。
すごーく雪くんを意識しちゃってるとこも面白いです。
いいキャラしてますね♪
梅園学園が優勝しておしまいって展開はちょっとつまらないので、もうひとひねりの展開を期待します。{/netabare}

【第九話-風花】
{netabare} 梅園学園の演奏、とても良かった!
雪くんがスタンドプレーすることなく、みんなの音を大切にしながら演奏してたのも。
そして結果発表。
うん。物語の展開としては良い結果だと思いました。特別賞もらったし。
メンバーみんながすごく悔しい思いをしてる姿にじんわりきました。
それだけ頑張ってやりきったという思いがあるということだから。{/netabare}

【第十話-山嵐】
{netabare} 青森の赤飯って甘いんですね♪ちょっと食べてみたいかも。
雪くんの父親ってあの人だったなんてちょっとびっくり。
だからマイマイはあんなにライバル視してたのかな。{/netabare}

【第十二話-ましろのおと】
OP、前のに戻りましたね♫やっぱりこっちのほうがいいな。
雪くんの演奏をスマホで見てるユナさんが一瞬写って元気そうで良かった。
感想は上のほうにだいたい書いちゃったので。。
今回みたいな苦味のあるビターな展開は物語に深みが出ていいと思います。
雪くんの今後の成長がとても楽しみに感じたところで1期は幕を閉じましたね。
できれば2期やってほしいけど、津軽三味線という地味な題材だけに厳しいかもですねー。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

音楽と映像の親和性が初心者には嬉しい、津軽三味線アニメ。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
「高校生の部活モノ(和楽器)」ということで、おそらく、多くの視聴者が比較するだろう「この音とまれ!」との比較を、自分もしてみたいと思う。

個人的には、

①ストーリーの深さは互角で、共に○。この音は群像劇で、ましろは一人称小説的なため、好みは分かれると思う。

②(恋愛面含めた)キャラクターの良さなら、この音が圧倒的に良い○。ましろは△。

③音楽的な表現なら、この音は○で、ましろは◎。どちらも良いがましろに軍配。

ということで、総合評価は両作共に☆4。この音はバランスのとれた良作であり、ましろは音楽的な表現や苦悩に特化した良作であると言える。

レビューでは、本作の、特に音楽的に良かったと思う部分を書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
自分は岩手県の生まれであり、お隣、青森県の津軽三味線は幼い頃から身近にあった。ニュースとかで音色を聴く機会も多かったし、なにより数年、津軽三味線の本場、弘前市に住んでいたしね。

その上で言わせてもらえば、「三線(沖縄)の方が圧倒的に好き(笑)」。

なんか、魂が震えるんだよね、三線の音色(HYとかBEGINとか、沖縄民謡とか、全部好き)。穏やかで柔らかい響きは、南国の景色とよく似合う。一方、津軽三味線の張り詰めた緊張感と力強い響きは、雪国の景色とよく似合う(実際に演奏方法も全く違い、津軽三味線は打楽器に近い性質を併せ持つ)。

私が津軽三味線より三線を好きなのは、単に私が雪国出身で、雪景色の美しさだけでなく、雪道の運転や雪かきの大変さを嫌っちゅう程知っていて、南国に憧れがあるから(とはいえ、住んでみれば南国には南国の大変さはあるのだろうけどね)。

津軽三味線は、雪国を表現する楽器。

ということを感じるくらい、本作の津軽三味線の演奏と、アニメ演出はスゴい。色々な音楽系のアニメの中でも、ここまで、「音色」「解説台詞」「映像」に親和性を感じる作品は、そうない。

音楽のプロの方々なら、「音」だけで「色」を感じられるのだろうけれど、私のような素人には、「言葉」と「映像」があって初めて感じられる。アニメが総合芸術であることがよく感じられる作品だったと思う。

冬景色には、きちんと冬っぽい音が鳴る。春の訪れも音色で感じる。松吾郎風(雪の前半)の演奏には、老獪さを感じ、雪本来(後半)の演奏には若いエネルギーを感じる。サブキャラもそう。お利口さんとその反抗期が音色で分かる梶貴臣の演奏。スリ上げを多用する荒川潮の演奏。1つとして同じ演奏はなかった(唯一の不満は、皆がベタ誉めする松吾郎の演奏を聴きたかった。雪に似ていて、雪とはレベチの演奏ってやつを)。

これを、曲そのもののを変えて表現するのは難しくないが、「津軽じょんがら節」という(課題曲の)1曲のみで表現しきるには、かなり高い演奏技術が必要だろう。そういう意味では、本作の最大の貢献者は、津軽三味線監修の吉田兄弟さんと、演奏の葛西頼之さんや柴田雅人さんなんじゃないかと思っている。

また、(原作由来だからということもあるかもだけど)あえて1曲のみで表現しきったことで、「津軽三味線の奥行きの深さ」を伝えることもできていた。たった3本の弦でこれだけの違いを生み出せる、凄い楽器だし凄い曲だと思う(これができたのは、「じょんがら節」という、展開が大きく演奏者の個性を引き出しやすい楽曲だからという視点もあり、さすが津軽三味線の圧倒的な代表曲だと思った)。

てか、冷静に考えれば、アニメで同じ曲を3話も弾き続けるって、かなりチャレンジングだよな。決断した監督も偉いと思う。

この感じなら、2期も期待できる。部活動編はここでスッパリ切り、個々を深める展開になるのかな。

海人はサッカー(夢)への再挑戦。雷先輩は複雑っぽい家庭環境の解消と就職(咄家の演奏)。雪は勿論、自分の音を探す旅。

更に、海人×結×朱利の三角関係と、雪×朱利×舞×桜の四角関係の解消。まあ、海人と結、雪と朱利の組み合わせになるだろうけど、ワンチャン、海人と朱利、雪と舞の可能性もあるかな?(笑)

という具合に、本作に足りていなかった群像劇的要素や恋愛要素は今後、、、「伸び代ですね!」(笑)
{/netabare}

【余談 ~「じょんがら」と発音すると、東北訛りの練習になるw~】
{netabare}
東北方言の特徴に「鼻濁音」というものがあります。

鼻濁音とは、日本語で濁音の子音を発音するとき鼻に音を抜くものを言います。特に、「が、ぎ、ぐ、げ、ご」のガ行を「んが、んぎ、んぐ、んげ、んご」というふうに、鼻の方へ抜いた発声法です。通常の「が」は「Ga」で、鼻濁音の「が」は「nGaA」になると書けば、分かりやすいでしょうか。

現代の日本人で、この鼻濁音を発音できるのは、2~3割にとどまり、その多くが東北、北陸地方の人です。(ちなみに、この鼻濁音は中国語では多用されるので、大学の中国語の時に、「発音が完璧」と誉められましたw)

我々東北人は、語頭は「Ga」で、それ以外は鼻濁音のがぎぐげごを使います。つまり、「学校」は「Ga kko 」ですが、「小学校」は「Sho nGaA kko」になります(笑)

私も今回初めて気付きましたが、「じょんがら」という言葉は、「ん(n)」と「Ra(アの母音)」で「が(Ga)」を挟む言葉なので、普通の人が「じょんがら」と発音しても、鼻濁音っぽくなる言葉なんだと思います。

ちなみに、本作の声優陣の津軽弁ですが、「ほぼ全員微妙」でした(苦笑) 主人公の澤村雪役の島﨑信長さんは宮城出身ということで、下手ではないけど、津軽弁とは微妙に違うな~と感じてました。まあ、☆3か4。後は、わりと(津軽弁としては)下手くそで、☆2か3な。特に、澤村梅子と田沼総一は違和感あったな~。圧倒的に上手かったのは田沼舞 役の三上枝織さんです。まあ、青森出身で、ネイティブですもんね(笑) 皆さん、プロなので鼻濁音とか基本的なことはできていましたが、特に文末のイントネーションが微妙に違ったり、濁点をつけるのがちょいと少なかったり、多分、地元民にしか分からない微妙な違和感です(笑)

本来はこれ以外にも、「ザ行」も特徴あるけど、それはまたどこかの機会に(笑)

さあ、「じょんがら」を連呼し、君も東北弁マスターに近づこう! 何のメリッドもねぇけんど(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
津軽三味線。女優かアイドルか分からんが、その卵が、リスク犯して見知らぬ男救うためにチンピラ殴り、泊めるって、絶対にないだろう。ガチの本物の才能との出会い。依存。津軽じょんがら節。津軽三味線の絶対的代表曲だな。まさかの加藤ミリア(笑)

2話目 ☆4
民謡、上手いな(笑) この親子ユニット(笑)、人気出そうだな。なんか、素敵だな、家出息子に手厚い比護(笑) 全国3位で、東京で三味線教室開いたらそれなりに儲かりそうだけどな。

3話目 ☆3
部活になるのね。しかへる、というド津軽弁もそのまま使うか。完璧主義から、1歩を踏み出す。そたらはんかくせぇ(そんなに中途半端な)奴、死ねぇ(笑) 

4話目 ☆3
生きてる?(笑) バアちゃん、語るな~。

5話目 ☆4
こういう、初心者系の部活モノはよくあるけど、いつも思うのは、「皆、よくそんなに熱くなれるよな」ということ。自分はやらされてた剣道だったし、本気でやってたのは、全国がリアリティな目標となってから。初心者なのにあんなに一生懸命になれるのが凄いなと。

6話目 ☆3
OPが6話で変わるのか。ねぶた囃子はちゃんと音にしてほしかったな、こういうアニメだけに。

7話目 ☆3
大会。頭突き(笑) まあ、オール1年である程度いければ、2年後には優勝見えるやな。

8話目 ☆3
素人には大歓声、プロにはイマイチか。戦う前に負けセリフ(笑) 

9話目 ☆4
なんかもう、この音止まれ、だな(笑) 団体は団体の演奏からの個人技。熱い展開だな。集団催眠か(笑)  え? 未成年だっけか(笑)

10話目 ☆4
そうだよな、北東北の赤飯は甘いから(笑) 子供か(笑) 自分勝手な親2人。同じ曲を何十曲もはキツいな(苦笑) 古典の中の異端。プロ向けってことだよな。めっちゃ棒読み(笑) 確かに、少しの雑さは感じる。上手いよな、再現。

11話目 ☆3
演奏の途中でぶった切るのは、どうだろう? こうなると、松五郎の演奏も聴きたいよな。雪が似ていて、雪とはレベチの演奏ってやつを。

12話目 ☆4
ここで初代OPは良いな。もはやファザコン。慕情。やる気にさせるためか。まだ真っ白な音なのね、雪のように。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

68.9 4 2021年度の方言アニメランキング4位
ぼくたちのリメイク(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (323)
951人が棚に入れました
僕、橋場恭也はしがないゲームディレクター。会社は倒産、企画もとん挫して実家に帰ることに……。輝かしいクリエイターの活躍を横目にふて寝して目覚めると、なぜか十年前の大学入学時に巻き戻っていた!?当時選ばなかった道を選んで、憧れの芸大ライフ、さらにはシェアハウスで男女四人の共同生活と突如、バラ色の毎日に!ここから僕の人生(ルート)を作り直すんだ―――クセのあるクラスメイトたちと共に送る新生活がいま始まる!と、意気揚々と始めてみたもののそんなにうまくはいかないみたいで……。

声優・キャラクター
伊藤昌弘、古賀葵、愛美、東山奈央、石谷春貴
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

きたやま荘、立志編

木緒なち原作・シリーズ構成。

ふと目を覚ますと、10年前の今日!?

堅実にも学生時代、経済学部を選択し、
卒業後、ゲーム会社の職に就く主人公は、
同世代のクリエイターの活躍を横目に、
あくせくと日々奮闘しているが、
杜撰な経営、環境に恵まれず会社は倒産し、
失意のまま実家へ帰郷することになる。

あの時人生の岐路で選ばなかった、
クリエイターへの道を巻き戻し、
憧れの芸大ライフをリメイクする。

ReLIFE+映像研、冴えカノでしょうか。
絵もキャラクターも良く出来ている。
割と真面目な物語のようでそこは期待である。

最終話視聴追記。
彼が未来から持ち運んだものが、
{netabare}チート能力ではなく熱量であることは伝わる。
ただがむしゃらに集中し突破する力である。
しかしながらどうにも学べるものが少なく、{/netabare}
ただそんな印象を持ってしまった。
やはり設定が難しいのかも知れませんね。

開幕は上々、後半はそれなりに。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

狂気のマッド調整ニスト

アッ 凶真だっ!じゃなくて
橋田だお!ともちょっと違う

橋場で恭也(CV伊藤昌弘)なる人生の巡り合わせがうまくかみ合わなかった主人公。原作未読。
冗談でなく仕事できるダルと唯我独尊岡部が同居したような男に見えなくもなく、そんな相反する二人が同居しちゃった多重人格者とも見えなくもない。混乱不可避でございます。※注:シュタゲ参照


来たぜ来た来た!リーマン主人公。時期もありますが平均年齢高めアニメに飢えてたかもしれない今日この頃(2021年夏)。
社会に出て数年経ちなかなか上手くいかず「あーあの時の選択肢Bを選んでたら…」とふとよぎったらほんとに戻ってやり直すタイムリープものです。

これ自分もありますね。皆さんも大なり小なりありません?私は法学部行きたかったんですけど

 A 第一志望の大学だったけど違う学部
 B ややランク下がるけど念願の法学部

いやー迷いましたよ。もう今となってはこの主人公のように身悶えすることはないんですけどね。彼の場合、自分が合格辞退した芸大に行っていれば、そこの出身で同世代の綺羅星クリエイターたちといっちょ絡めたかも。なんなら自分も創作活動に打ち込めて違った未来が…みたいな憧れが動機です。

そんな憧憬をもとに過去に戻って芸大に入学してみたら綺羅星クリエイター“プラチナ世代”その人たちと同じ下宿先でした、、、から始まる全12話。

私が通ってた大学はその時期『名前聞いたらわかりそうなプロ野球選手4~5名』『サッカー日本代表』『キー局アナウンサー』『それなりに売れた歌手1人バンド1組』『3期以上続き映画化もされたアニメの原作ラノベ作家』プラチナ世代ばりに人材輩出してた頃合いでした。ただ全く絡みはなかったですよ。そんなもんです。


肝心の中身ですが…なんかねぇ…もう…すごいよ
鑑賞中は行ったり来たりしましたが結論としてはわりと好きです。ただ一般受けは全くしないでしょう。そんなジレンマ。ネタバレ無しで言える部分だと進行がクソなんです。

 私「大谷選手HR王獲れるかなぁ パワー系で日本人競ってるの凄いよね?」 ※注 HR王争い中
 誰「投手としても二桁リーチとか凄いよなぁ」
 私「ああ…うん、凄いよね」

打者大谷で話を膨らませようかというところを投手大谷に転換される。まあ大谷だからいっか…

 私「大谷投げても味方の援護なくて勝ち星つかないよなぁ」 ※注 10勝届くかやきもき中
 誰「そうは言ってもダルビッシュも雄星も大谷より勝ち星少ないんだぜ」
 私「そうそう…言われてみればそうだったね」

大谷に勝ち星積ませる方法論談義を期待しながら他の投手との比較。まあMLBだからいっか…
それなら少し対象ひろげて全方位で構えてみよう

 私「打って投げてなんて100年ぶりの偉業でしょ?凄いよなぁ」
 誰「100年前なんて渋沢栄一全盛期だし大河ドラマおもしれー」
 私「一万円札にもなるしね」

とここまで3段階でズレが大きくなっていくような物語進行と言ったらよいのだろうか。
主人公が戻ってまでやりたいことと未来で得たい結果がぼやけたようなゴールポストが動いてるような

 「こいつ何したいんだろう?」

となります。にしてはさわやかな主人公。突飛な行動と思考をするわりには本人は周囲に気を使っているつもりで悪意の欠片も感じないところにある種の狂気を感じます。あ!“芸術家”ということね、が落としどころ。
アーティストって凡人や常識人とは違う倫理観を持っていても別にいいかなぁと免罪符を渡したい私にとってはアリでした。ただし万人にはおススメしません。
なおOPはポピパ。聞いた瞬間ポピパ。上手い下手ではなく唯一無二の個性はもはやアートである。


※ネタバレ所感

■否定的タイムリープ

なぜ戻るか?どこに戻るか?なぜそう考えるのか?
経緯その他いくら考えても納得できやしません

{netabare}1.芸大へ通う
 ⇒そのまま地元で再就職でもよくね?
2.川越京一離脱まで
 ⇒強いて言えば未来のトップクリエイターがすぐ挫折するのどうなん?
3.シノアキと結ばれた世界線
 ⇒問題解決能力がチート過ぎ
 ⇒プラチナ世代全滅で何したかったの?
4.そして2回めの過去戻り
 ⇒嫁と娘よりもそっちとるんかーい
 ⇒え?戻るとこそこ?芸大入学からでは?
 ⇒いろいろ考えたがコイツの考えマジわからん
5.ぼくたちのリメイク
 ⇒いやいや“たち”はないだろう{/netabare}


■肯定的タイムリープ

ただし本人の悪気はなさそうなのできっと悪いやつではないんだろう。
むしろ穏やかな微笑みの裏に潜む狂気を讃えたい。

{netabare}1.芸大へ通う
 ⇒まあまあ序盤
2.川越京一離脱まで
 ⇒品質と納期の葛藤ね。わかります
3.シノアキと結ばれた世界線
 ⇒恋愛・結婚・出産を経ずいきなりで愛着わかんだろう
 ⇒仕事も家庭もすぐ受け入れるの狂ってるわ(↑)
4.そして2回めの過去戻り
 ⇒前回の反省なくぶっこむの?いかれてるわ(↑)
 ⇒だんだんサイコパスな方向に一直線だな
5.ぼくたちのリメイク
 ⇒一人相撲に“たち”と周囲を巻き込むいかれっぷりに乾杯!{/netabare}


■クリエイターへの夢

この物語は主人公への評価次第です。
新進気鋭のクリエイターが集結しゲーム制作をするニュースがそもそものきっかけでした。

{netabare}「どこで間違えたんだろ。あの時こっちを選んでたら、創作に打ち込んで友達とも議論して、考えて、また作って、そう、プラチナの彼らとも出会って一緒に作品を作って互いに刺激を受けて…そして…そして…」

巻き戻る直前の独白からはクリエイター志向であったことがわかります。
時は流れプラチナ世代を意図せず潰してシノアキと所帯持ってるβ世界線へと飛び、そしてまた芸大時代に戻りたいとロリ先輩に泣きついた時がこちら↓

「僕は…僕は幸せになりたいから過去に戻ったんじゃない。誰かとイチャイチャすることでも…チートして英雄になることでもなかったんです」
「僕は悩みたいんです。痛めつけられたいんです。絶望したいんです。追い込まれたいんです。みんなと。あのみんなと一緒にそれができるのならそれは幸せな未来よりずっと僕が欲しいものなんです」

 意訳:{netabare}青春したい{/netabare}

これは青い鳥症候群といいますか本格的にヤバいやつですね。気に入りました。
社会人としてはファイル整理や部門調整に力を発揮し、芸大でのエロゲ制作においても進行管理やプロデューサー的立ち回りで活躍した橋場くん。適性はどう背伸びしても裏方にあり、そんな彼が軒並みプラチナ世代を潰しときながらふわっふわな理由でまだ関わろうとする厚かましさ。
向き不向きだけではない。唐突な状況突入だとは言え幸せそうな家庭と順調そうな仕事を躊躇なく捨てられる潔さ。せっかくシノアキが絵を再開するの見て自分が背中を押すきっかけとなったぐらい思ってそうで怖いです。だったらもう一回戻ればワンチャンあるぜってやつですね。

 芸術家はイカれてる

世間一般の倫理観から外れていていいよね、と思った時にこの作品を受け入れることができました。
しかも橋場くんはクリエイターに向いてないのがポイントです。芸大戻ってやることは結局ゲーム制作会社のプロマネと今と変わらんというのも予見されるところで物語は終了でした。
その昔、ドイツでは売れなかった芸術家が政治家に転身して身を滅ぼしていった例があったり、適性ないのに思い込み強いという厄介な性格なのにそんなこと他人には微塵も悟られないサイコパス加減に酔うことができましょう。

クリエイターのイカれ具合。向いてない者がドツボにハマる哀感。
クリエイターへの夢がタイムリープしチートできる状況になってこじれているのを見るにつけバッドエンドが映えそうな作品でした。{/netabare}


■実は丁寧なんじゃ?

{netabare}社会人妹と高校生妹とで訛りのキツさが明らかに違ってたんですよ。都会に出て洗練されたのか、時の流れをそれだけでわからせる効果がありました。第1話からしてそうだったので期待は高まりました。{/netabare}

{netabare}クリエイターが集まっての制作風景や修羅場は詳しかった。モノを作る過程の描写がしっかりしてた分主人公の変な言動/行動がエンタメを削いだ感あります。{/netabare}

{netabare}その制作現場はシンプルな“品質”と“納期”のQCD領域の葛藤でした。
納期を優先するあまりクリエイターの尖った部分をボキボキ折ってった橋場くんだったわけですが、それ自体は理解できるしそもそもどうすればいいかの正解がない。
そして第1話に戻ってみる。大手ゲーム会社のプラチナ世代企画はシナリオUPが1か月遅れて開発凍結となってたわけです。

これは面白いテーマを提示してもらったと思っていて、
橋場くん不在の芸大時代からここまで“品質”重視で到達したプラチナ世代がぶち当たる“納期”の壁と、
“納期”重視でリープ先にてクリエイター潰しの前科がある橋場くんが“品質”に軸足を置きながら
最高のゲームを作れるのかどうか?シュ…某なんとかゲートに辿り着くための挑戦なのです、たぶん。{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.03 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

このアニメをリメイクしてほしいな。

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
なんか、すっごいマイルドかつ薄味にした結果まずくなった、Key風味の作品って感じがしました。

設定やキャラクター、ストーリーがエロゲ原作っぽいとは感じていたのですが、(視聴前は出来るだけ情報入れないようにしているから、視聴後に調べたら)当たらずとも遠からずでしたね。

物語がメインの作風なのに、物語の評価が一番低くなってしまうのが、この作品の全てを表していると思います。キャラは可愛く、作画も声優さんも良いので、スタッフは頑張ったんだろうなと。シナリオとシリーズ構成がまずかったかな。

個人的には本作の設定なら、この展開にするよりも、こうしてくれたらもっと好きになれたな、というのがあったので、レビューでは、まず不満を述べた後に、その辺の要望を。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
別に、過去に戻って人生やり直すアニメがあるのは良い。異世界転生が認められるくらいですから、アリだろう。

また、主人公のもっている能力(記憶)も、ブラック企業などで働きながら自らが得たものであり、異世界転生の際に神様からプレゼントされたものに比べれば、まだ納得できる。

「記憶(能力)を保持したまま過去に戻りたい」っていう妄想は、おそらく多く人が1度は思うことであり、現実にはあり得ないことを具現化するのは、アニメの力と言っても良い。

ということで、本作の設定には基本的に文句はないのだが、それ以外の部分で色々と不満が。

まず、シリーズ構成の点で。

1話目で2016年バージョン(現実世界でゲーム会社に再就職し、活躍するも企画が凍結、再び無職に)を挟む必要があったのだろうか?

主人公の絶望感をより深めることで、過去に戻った際の頑張る動機を強めたり、やり直したい人生への枯渇感が増す、対比の効果を狙ったのかもしれない。

が、私は、「人生詰んでるなら、何してもダメ。どうせダメ。やり直してもムダ。それこそ、過去にでも戻れない限り、お前の人生は変わらない」という、絶望的なメッセージに感じた。

まずそれが、大きなマイナス点。

次に、タイムリープ後のダラダラしたラブコメ。

「え? タイムリープしといて、やりたかったのそれ?」と思った。あんな無駄なラブコメやらないで、シリアスでストーリー重視にすべき作品だと思う。

また、5話の「God knows…」は(苦笑) アニメ好きなら皆が知る、あの展開なら、平野綾さんより歌上手くないと成立しないなか、歌えと言われた声優(愛美)さんは、しんどいよな~と思った(ハードル上げすぎ)。

そして、2度目のタイムリープ後は、なんか正論ばかりの説教臭くて観てられなかった。あんなに「デキル男」感をいきなり出されても、なんか引くわ。ていうか、そんだけの能力あんなら最初(1度目のタイムリープ前)から、あそこまでは落ちぶれないだろ。

まあ、現在→過去→未来という構成の中で、未来の前に主人公を好きになれていれば、未来での無双も喜べるんだろうけど、すでに「こいつキライ」となっていたからね(笑)

そんな中、本作2話に見られた「未来のクリエイターからアイディアを奪う葛藤」というのは、面白いテーマだと思った。

私が好きな作家の言葉に、「全てのオリジナルは、観察と模倣の上に成り立つ」というものがある。人間は皆、自らが見聞きしてものを自分の中に蓄積していて、それを意識的に模倣すればパクりだが、無意識的に模倣することからは逃れられないということだ。

極論、「100%オリジナル」なんてものは、この世にはない。音楽もアニメも小説も口説き文句も、必ず何らかの影響は受けている。

普通はそれ(無意識に刷り込まれているもの)を、「パクり」とは思わないだろう。自分も他人も。でも、タイムリープしてきた人物が創作活動するならば、そしてその人物が清廉かつ真の表現者であるならば、「すでに知っていること」は「大きな葛藤の種」であり、「戻ったこと」は「デメリットになってしまう」。未来で知っていることに1ミリでも被った時点で、自分の創作と思えなくなる。

そういう、表現者の葛藤を描くならば、本作の設定は抜群に有効であった。

現代で夢破れた主人公が、人生をやり直すために過去に戻ったが、上記のような葛藤の末に、表面的には成功するも、表現することをやめてしまう。そして、現代に戻った上で、「未来をやり直す」。10年後、ついにプラチナ世代との共演を果たす。

つまり、「タイムリープの否定」。

こんな感じのプロットで本作を作ってくれたら、私的には嬉しい。だから、「このアニメをリメイクしてほしい」なんて皮肉っぽいレビュータイトルにしてみた(皮肉っぽいのはいつもだがw)

が、結局本作は、「異世界転生なろう系=現実社会での知識を活かして無双ウハウハ」の枠を出なかった。

ラブコメやりたいなら、現実でやれば良い。似た設定の「リライフ」には、主人公の葛藤が上手く生かされていたが、本作にはそれすらない。

最終12話、再びタイムリープした後、「僕が過去に持ってきたのは、チート能力ではない。2度と取り戻せない熱量だ」とか言っていたが、はぁ? 熱量って、過去に戻らないと取り戻せないものだっけ?

なんか最終話、綺麗にまとめている風味出していたけど、(強制か放任かの)方法論が変わっただけで、結局、他のクリエイターをなんとかしようと動いている点で、最初のタイムリープとなにも変わらないと思う。傲慢、傲慢。他に影響与えたくないなら山にでも引きこもれば良いし、その世界で生きていくなら全力で生きろ。それで潰れてしまう才能や熱量なら、それまでだと思う。

というか、2回目のタイムリープで戻るなら学生時代ではなく、最初の世界線に戻ってやり直す(そしてシノアキと結婚はできなくても共演まで頑張る)べきだし、学生時代に戻るくらいならあのまま、苦い世界で社会人を全うしながら、シノアキと自分の子供を幸せにするべきだと思う。

これ、二期ありきで作っている作品のかな? だとすれば、今後の展開次第で評価は変わるかもしれないけれど、現状、酷評ってことになりますね、私的には。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆1
人生のやり直し。まあ、異世界転生があるくらいだから、あるある(笑) ん? 戻らない? いや、戻る? これ、2016バージョン見せる必要あるか? これやると、「つまり人生詰んでる、何してもダメ」にならないか? ワクワクしないな~。

2話目 ☆4
未来のクリエイターからアイディアを奪う葛藤というのは、面白いと思う。それが意図的ではないからこそ。その上で、自分の創造ができるか、とかね。

3話目 ☆2
べ、別に大して、凄くねぇ(笑) 楽しくなさそうな飲み会だな~。

4話目 ☆2
そんな、水着ポロりとか、安易な方向に流れてほしくはないんだよな。まあ実際、映画とかで、適当くさい役者なんてごまんといるけどな、ジャニーズとか坂道とかモデル上がりとか。

5話目 ☆2
この展開で、「God knows…」は(苦笑) 平野綾さんより歌上手くないと成立しないなか、歌わされる声優(愛美)さん、しんどいよな~。最後のキスシーンもな、うん。

6話目 ☆3
ハーレムラブコメになってきたな~、微妙。知名度大事、その通り。どう考えても、同人ゲームで金稼ぎは、効率的ではないよな。全乗っかり、ちゃんと条件付き。そうそう、この「未来を知っているアドバンテージ」を、どう使い、どう悩むか。で、このまま「悩み」がないよなら、ただの「なろう」。

7話目 ☆2
悩まないな~。ラブコメだな~。ゲーム作りたいのか? 

8話目 ☆3
失敗する流れか。デバッグなんて、死ぬほど人と時間がかかるよな。ここで退学か。ツラユキがここで心折れて、未来が変わるか。むしろ、自分がぶち壊すという展開。さて、ここからどうもっていくかだな。ケイコさんが恐いな。今度は未来に。

9話目 ☆3
記憶ないのにこの冷静さが、ちょっと恐い。んで、なんで訪問スキルがある? シノアキも引退状態で、他の才能が出てきているか。自分のせいで才能が潰れていく苦悩。こっちに流れるか。ちょっと残念。この作品ならではではなく、タイムリープならではの悩みになってしまったな。

10話目 ☆2
ソシャゲの現場。完全に社長の判断ミスでもあるな。あいつあいつと、これ、動画観た奴、イラッとするだろ(笑) 

11話目 ☆2
う~ん、説教くさい。またタイムリープか。

12話目 ☆1
う~ん、応援できない。過去に戻らないと、熱量は取り戻せないの?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

63.1 5 2021年度の方言アニメランキング5位
2.43 清陰高校男子バレー部(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (98)
375人が棚に入れました
東京の強豪中学バレーチームで深刻なトラブルを起こしてしまった灰島公誓は、子供時代を過ごした母方の郷里・福井に転居し、幼なじみの黒羽祐仁と再会。ずばぬけた身体能力を持ちながらプレッシャーに弱い黒羽と、バレーへの圧倒的な情熱と才能ゆえに周囲との摩擦を引き起こしてばかりの灰島はエースコンビとして成長していくが、中学最後の県大会で衝突し、絶縁状態のまま二人は地元の清陰高校に進学する。男子バレー部で待っていたのは、身長163cmの熱血主将小田と、秀才で毒舌家の副主将青木の3年生コンビや日光アレルギーで常に長袖長ズボンの棺野、バレー初心者の大隈をはじめとする2年生たち。山と青空に囲まれた福井を舞台に、弱小男子バレー部が全国を目指す熱い青春ストーリー!

声優・キャラクター
榎木淳弥、小野賢章、梅原裕一郎、伊東健人、蒼井翔太、木村昴、石川界人、天﨑滉平
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

試合にもっと力入れて欲しかった

※前のレビューをだいぶ書き直しました
【感想】
ハイキューと比べちゃうといろいろ残念だけど、面白かったです

ハイキューと比べるとこちらは試合よりも人間関係が中心で、子どもっぽい理由でもめたりするので、キャラクターがいい子すぎるハイキューより高校生らしさはあるけど、戦術も調子悪い選手や足を引っ張っている選手のフォローをどうしようくらいで工夫している感じがなくて、全国に通用するチームには見えなかったです、試合に期待する人には物足りなく思うかも

あと、男子バレー部のパワーがあまり感じられないのも惜しいかなー

中学の時はバレー部で男子バレー部が人数少ないので男女で一緒に練習していたのですが、女子のスパイクは速くないし角度も緩やかなので県選抜の選手のスパイクでも結構拾えます、でも男子バレーのスパイクは一撃必殺で、すごい角度でドーンと重い一撃がくるのでなかなか拾えません
世界の男子プロとかだと最高到達点は4m近くで時速160kmにも達するそうです、想像するだけでも怖いですねー
スパイクが半分以上拾われる女子と違って男子はスパイクをしっかり撃てばほぼほぼ決まります
だから男子は特にブロックとかでなんとか撃たせないようにするわけです

試合の描写見る感じだと、高校の全国レベルには見えなかったです
あれならたぶん私でも拾える
これは作画とか演出のせいかな?

ハイキューにはそういったスパイクやサーブの重みが感じられたけど、2.43には感じられなかったです、試合やってるシーンも短いですし

バレーは身体能力の差が出やすいスポーツなので心も折れやすいし、レギュラーの枠が少ないので人間関係でよくもめる(-_-;)
部内で起きている問題も、実体験しているのですごくよくわかる
経験者の人が話を書いているってのは感じました、もっと試合シーンに力が入っていればよい作品になったかも

【高校バレーの実情】
地方の高校バレーの強豪校は県大会を何連覇もしているのは当たり前で、男女ともに中学の時に県選抜だったメンバーが揃っているので他のチームが勝つのは難しい
そんな男子バレーボール部の実態がちゃんと反映されているのは良いと思いますけど、エンタメとしては一強とその他大勢ではイマイチ盛り上がらないかも

【キャラクター】
灰島がまるでハイキューの主要キャラ影山(ポジションと能力)と月島(外見と性格)と日向(髪の色)を混ぜたようなキャラクターで、ここまで似てると比較してくれって言ってるようなものよね

主人公はともだち思いなのはいいけど、無神経な発言が多いのと精神的に脆くて、灰島よりこっちのほうが性格に問題アリかな
高校生らしいけど

【一つ許せない描写が9話にあって】
{netabare} 福井の至宝って言われているスバルが、女の子からもらったチョコレートをその場で食べて食べ終えたゴミを投げて後輩によこし、捨てさせるのは態度悪くて引いた

これが福井の至宝がやることなのでしょうか?
「俺は福井の期待を背負ってる」みたいなこと言って悦に浸ってカッコつけてたけど、こんな姿みたら県民もガッカリでしょう

ハイキューにも白鳥沢の牛島君が彼みたいな格上のライバル校の絶対エースというキャラ付けですが、至宝っていうのは牛島君のような心技体兼ね備えた選手のことを言うと思います

{/netabare}

【音楽】
OP曲は結構好きです。スポーツにかけた青春を「麻痺」と表現したところもセンスあって面白いと思います


【各話で思ったこと】
1話
{netabare}
最初ゆにが灰島に話しかけた時にバレーやっていることも話しているのに興味ないみたいな反応だったのに
一緒に練習やろうとしただけで態度が豹変するのはなんでかなー?
どうせ根暗な俺と一緒に練習してくれるやつなんていないって勝手に思ってやさぐれてたの?
それなら最初から愛想よくしたら?

幽霊部員状態だった部員が復帰してきて毎日練習一生懸命やるようになる流れが不自然かな
1クールだしこんなところに時間費やしている場合ではないんでしょうけれど

{/netabare}

2話
{netabare}
地区大会の予選が参加校少なくて予選免除
県大会が1・2回戦で準決勝 上位3校が北信越
参加チーム少ないですね
北信越大会って言うのは多分、石川富山福井新潟長野かな?

試合の動きを見た感じだと、地区大会レベルかなって思いました
たぶん作中の強豪校、守りが残念なので女子の強豪校にも負けますよ
中学編は、いくら地方でも県大会レベルならもう少しレベル高いんじゃないかと思います
でも部活練習風景を見た感じだと人数少ないのが残念ですが強豪校の練習って感じはしました

{/netabare}

5話
{netabare}

灰島の過去の話についてはうまく消化できたみたいで良かった
ただ、暴力事件の真相を話さなかったのは色々と雑だなと思った

バレーは心折れやすいスポーツなんですよね
アタッカーだと特に身長の差がとても大きいですから
挫折とか部員同士の衝突が多くなるのも無理もないかな

それをどうやって技術でカバーするかが面白いところなのですけどね
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

二人のバレーボール

原作は小説らしい

福井県を舞台にした高校バレー男子の話。弱小校に有能な転校生がきて県の強豪校をジャイアントキリングするぞーみたいなやつです。
タイトルの『2.43』は春高でのネットの高さ2m43cmのことらしく予選だと2m40cmなんだそう。県予選と違うレギュレーションにする意味ってない気がするのでなんか不思議です。

小説原作だと内面描写が面白いのが多い印象です。女性作者のスポーツものだと『風が強く吹いている』という良作があるのでそれくらい内面に向き合ってほしいと期待しての視聴でした。
バレーボールだと私は未視聴の『ハイキュー』みたいな比較対象があってその辺楽しめる方も多いのではないかと思います。

蓋を開けてみたら…うーんどうなんでしょう???
内面描写というより競技中のシーンが楽しい作品といったところでしょうか。
団体競技ですからせめて自チームのスターター6名を有機的に絡ませることが肝だった気がします。これが残念ながら主人公格2名に傾斜しすぎでした。題材をバレーボールとする意味がありません。

・バイ(セクシャルじゃないよ)の関係に焦点絞って楽しむならOK
・試合運びに手に汗握るならこれはこれでOK
・競技に向き合いすぎて味方に刃を突き付けるセッターと能天気なアタッカーという相性も◎
 {netabare}※中田久美と大林素子の組み合わせを想像すればよいです{/netabare}

スポーツものとしてそこそこ楽しめる佳作です。水泳や陸上のような個人競技ならなお良かったかも。



※余談

■二番煎じ?

『ハイキュー』知りませんが、比較対象とされてしまう宿命から逃げられないとは思います。
二番煎じ感を象徴するのが主題歌ですね。OPはAdoさん風でEDはセカオワ風に聞こえなくもないというわたくし。いや耳に残る良曲ではあるんですけど。


■ノリきれなかった理由1:バイの関係を深掘り

主人公チームメンバーの作品への関与度合いを◎→○→△→×で示すとこうなります。

【七符清陰高校の面々】
◎灰島公誓(CV小野賢章) セッター(183cm) 中学から福井に出戻ったカミソリセッター
◎黒羽祐仁(CV榎木淳弥) ウィングスパイカー(186cm) センスの塊だがメンタル弱げ。灰島と幼馴染。
○小田伸一郎(CV伊東健人) ミドルブロッカー(163cm) 主将。熱い!だが小さい。
△青木操(CV梅原裕一郎) ミドルブロッカー(193cm) 副主将。小田に誘われバレーを始めた。
×棺野秋人(CV蒼井翔太) ウィングスパイカー(181cm) 病弱設定。詳しくはよくわからない。
×大隈優介(CV木村昴) ミドルブロッカー(187cm) 元ラグビー部。詳しくはよくわからない。
×内村直泰(CV梶原岳人) ウィングスパイカー(175cm) 2年生ということ以外よくわからない。
×外尾一馬(CV若林佑) リベロ(170cm) いたっけ?

せめて自チームは最低限△くらい欲しいところ。1話分×メンバーらのキャラ回あれば景色は違いました。小田と青木なんて良い素材だったのに勿体ない。花道と流川だけ目立つ湘北みたいな感じでした。
ライバルの全国常連福蜂工業高校に至ってはエースの三村統(CV石川界人)とマネジャー越智光臣(CV天﨑滉平)ともはや選手でもなく。裏方に焦点絞るアイディアを面白いと捉えても良いのですけどこのへんは好き好きでしょうね。

{netabare}クライマックスの決勝戦についても、実際問題として清陰2名対福蜂1名で戦ってるようなもんだから、だったらビーチバレーでいーじゃん!と。そんで舞台も北陸から沖縄に移して降り注ぐ陽光のもと水着で…ってどっかにあった気がする。{/netabare}


■ノリきれなかった理由2:ユニくんの勝者のメンタリティ!?

プレッシャーに弱すぎるのがなんともかんとも。後半の覚醒を良しとする以前に全国目指すチームのエースとしてはその資格すら持ってないように見えた私。
県全体のレベルや層が薄いから仕方ないと咀嚼してもよいのだけどなんか煮え切らん。
緊張とは練習量や質が追いついてない弱小校ほどするもんだと思うのです。強豪校だと「これだけやってきたんだから」を拠り所にしびれる場面でアドレナリンが出てくると思われ、それでもやらかしてしまう危うさみたいなのが若狭…じゃなかった若さが持つ輝きというものなんじゃないかしら。

 お前練習してねーだろ

って匂いがぷんぷん。ただでさえ予選に向けた練習だったりプロセスを省いて「こいつらすごく頑張ってきたよな」がない構成なので、ユニくん筆頭に全国レベルのセッターが一人加入してみんな調子に乗ってイキりだしただけのように見えてしまう。
勝利してもカタルシスがないのです。



ユニ役榎木さんはオーディションに臨むにあたり福井出身の親戚に指導を仰いだとか。
『ちはやふる』で福井弁の方言監修されてたあの方でしょうか。
ついでに主人公二人の名前をもじって“ユニチカ”コンビということで実在した女子バリボーチームのなんかしらオマージュがあったものと信じてます。



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴

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2021.04.14 初稿
2021.12.12 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

壁井ユカコ氏・原作小説、待望のアニメ化

原作小説はsecond seasonを集英社文庫版で購読中。

【物語 3.5点】
1クールで{netabare}福井県代表決定戦の決着{/netabare}という区切りまでやり切る。

そのため原作の1stシーズン(文庫本4冊相当)から、
展開、個別エピソードなどを切除し、押し込む。
文芸としての良さを出し切るには尺不足で、
スポ根アニメ風に、無難に締めざるを得なかった感。

ただ、スポ根としても、爽やかさより、心情重視で、
北陸を舞台にした文芸の湿っぽさが先に立つ作風故、
スカッとしたい方は折り合えない可能性。

シナリオの転換点に派手さがないのも文芸原作ならでは。
ここも高校の三年間は、大人が25歳から28歳になるのとは違う密度がある。
大人たちにとっては取るに足らないことも、少年たちにとっては一大事。
といった描写が視聴者に伝われっていれば、これもまた青春と納得できるのですが、
色々、端折った内容で、原作未読組に、届いたのかどうか……。

下手したら、何でこんなことで?結局、引っかき回したいだけなの?となりかねない。
そのリスクが一番大きい脱落ポイントが第5話。
正直、原作既読組の私から見ても、重要シナリオなのに雑だと思いました。


そこを乗り越えれば、終盤、上々の試合描写に酔える。
高校生如きが考え抜いたプランなど、
嘲笑う勝利の女神という皮肉な展開も含めてビターでグッド。

ただ、スピード感重視のため、
作中バレーの専門用語を詳説なしで乱発するスパルタぶりも原作同様w


【作画 3.5点】
アニメーション制作・david production

背景美術は冬の北陸・福井の曇天などを描き込み、
早々、晴れ間が差さない青春の度し難さをフォロー。

人物作画も、決してソースは潤沢ではないが、
ここはキャラデザ・総作画監督の高橋裕一氏らのスタッフ陣が、
試合に賭ける執念の表情、動作等に注力。
最後の{netabare}一撃に賭けた三村統は鬼気迫る描写でした。{/netabare}

印象的なのはCGも交えて再現されたボール。
時にバトル漫画で殴打された顔面の如く、
表皮を波立たせながらコートに叩き付けられるなど、
多彩な“表情”で魅せてくれたMIKASAの公式球が作画面の影の“MVP”


【キャラ 3.5点】
キャラの掘り下げという点で、構成のあおりを受けたのは清陰の二年・棺野。
個別回を飛ばされた上、関連キャラである荊(いばら)ちゃんは人物ごと削除……。
棺野も、フードを目深に被り、時々、女子バレー部で練習したりしていますが、
決して怪しい者ではありませんw(特殊な事情はありますが)

ただ、棺野はまだ思い切ってキャラ整理された清々しさもありますが、
ダメージが大きかったのは主人公の黒羽祐仁(ゆに)でしょうか。
フィジカルに恵まれながら中々バレーに本気にならない。
特に前半部はストレス要因にもなる懸念。

ここも、彼は地元の名家・黒羽家の“本家のボンボン”として、
街の何処行っても注目され、その煩わしさ、甘さから、何事にも打ち込めず、
親戚で不良の頼道に寄り道しているという心情が斟酌されていれば、
共感はできなくても理解はできるのですが……。


もう一方の主役・灰島公誓(きみちか)はバレー馬鹿な部分も含めて“舌好調”♪

そんな生意気な一年の才能と正論に賭けた小柄なキャプテン・小田や、
甘やかさないが認めてはいる長身の青木の凸凹三年生コンビ。

壁となるライバル校の“英雄”三村統(すばる)とマネージャー。

この辺りは“カップリング”含めて掘り下げも良好。


【声優 4.0点】
祐仁……榎木 淳弥さん。青木……梅原 裕一郎さん。統……石川 界人さん。
など豪華男性声優陣が、キツいが温かみがある福井弁の掛け合いを繰り広げる、
県内高校バレー界隈に、
東京から帰って来た灰島……小野 賢章さんが
標準語の言葉のナイフで切り込んでいく構図。

彼女はバボちゃんか~などと方言で突っかかる祐仁に、赤面する灰島w
バレーではえげつなくても、高校生はまだ子供。
男の子って可愛いな~と私を錯乱させる程度にはBLにも訴求する?演技w


【音楽 4.0点】
劇伴は菅野 祐悟氏。小気味よいギターサウンドが大会を好アシスト。

体育館床にボールが弾む音、シューズが鳴る音など、効果音にも臨場感あり。

OPはyamaさんの「麻痺」
バンド&ブラスのコンビネーションが心地良い快作♪
歌詞世界はどちらかと言うと祐仁と親和性が高い。

EDはシンガーソングライター・崎山 蒼志さんの「Undulation」
研ぎ澄まされた個性的なボーカルで、青春を達観したようなエッジの効いたメッセージを放つ。
どこのオッサンなんだろう?と思いきや、御年なんと18歳!若くして悟り過ぎでしょうw
因みに40歳になったら出家したい願望をお持ちだそうですw



以下、放送前の勇み足長文。長いので折りたたみw

{netabare}
ライトノベル作家の登竜門・電撃小説大賞。
かつてその大賞を二年連続で女性作家が制した時期があります。

2003年(第10回)が有川 浩氏。
そして、その前年(第9回)が壁井 ユカコ氏です。

ゼロ年代の同賞は、本当に凄い新人を続々と発掘していましたが、
その中でも、特に、このお二人は文体から既に新人離れしていて、
これは、一介のラノベレーベルの人気作家で収まるスケールじゃない。
電撃文庫もとんでもないことになって来たな。
と、興奮したことを今でも覚えています。

その後、両人はラノベ界から文芸界へと活動の場を移して行きましたが、
有川氏が“大人向けのライトノベル”を志向して、
ヒット作、映像化作品を量産し、一般に認知されていったのに対して、
壁井氏は、ドロリとした描写もあってか?
ここまでアニメ脚本経験はあれど自作の映像化はなし。


ところが今年に入って、壁井氏の小説がついにアニメ化されるらしいと聞き及び、
浮き足だった私は、2012年よりWEB文芸サイトで連載されているという
この高校男子バレー部の青春小説シリーズを手に取り、
久々に壁井ワールドへと足を踏み入れました。


ストーリーは中学時代からの業を抱えた登場人物が高校で……というスポ根の王道。
一方、描写は相変わらずドロっと重たい壁井節。
ザラリとした文体から、アクション描写(本シリーズではバレーの描写)は、
読者のイマジネーションを信じたスピード重視のキラー“トス”を。
心情描写は、心に一体どんな重しを抱えてささくれたら、
目に映る風景がそんなに歪んで見えるんだ。
という主観視点でネットリと。

大体、人物名からして灰島だの黒羽だの、棺野だの荊(いばら)ちゃんだの。
心に土足で踏み込んだら返り討ちにされそうな、
危険な雰囲気がピリピリと伝わって来ます。

で、毒沼に引きずり込まれて悶えている読者のハートに、
試合の流れを読むセンスは抜群なのに、人間関係の空気は読まない
訳あり天才セッター・灰島 公誓(きみちか)の剥き出しの毒舌鋒が突き刺さる。


そんな毒々しいムードに吸い寄せられたのか?
2021年1月よりフジ「ノイタミナ」他で、
david production制作により放送予定の本作には、
シリーズ構成に黒田 洋介氏、
音楽に菅野 祐悟氏など濃い面子が集結♪

ただ、2021年冬もまた深夜アニメは激戦ムード。
そもそも、男子高校バレーの青春アニメ枠には既に、
某ジャンプの人気作が君臨し需要を満たしており、
弱小高校が強豪校相手に下剋上を目指す本作のベタなシナリオ同様、
商業面の戦前予想は苦戦必至……。

原作の醍醐味であるドロっとした心情描写を斟酌できなければ、
変哲もないスポ根物で終わりかねない。
だからと言って、練り上げられた選手各々の過去について、
一人一人ジックリ、ネットリ掘り下げていたら、
ろくに大会もできないまま放送が終わってしまう。
脚本、構成等、良作へのハードルも低くはない。


大体、何で舞台が福井なんや?
そう首を傾げていた私は失念していました。

福井県と言えば、スーパーエース・ガイチこと中垣内 祐一氏(現・全日本男子監督)の出身地。
福井のご当地マイナーアニメと舐めてかかると、
青春の葛藤など諸々詰め込んだバックアタックに吹き飛ばされる!?

黒を纏った奴らがどんなコンビネーションアタックを繰り出してくるのか?
私も引き続き原作小説をめくる指関節をポキポキ解しながら攻撃に備えたいと思います♪{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

60.5 6 2021年度の方言アニメランキング6位
ぶらどらぶ VLAD LOVE(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (94)
277人が棚に入れました
重度の献血マニアの女子高生・絆播 貢(ばんば みつぐ)。足繁く献血車に通っては、看護師に邪険に扱われる日々……。そんなある日、献血車で外人(?)の美少女と遭遇する。青白く今にも倒れそうな彼女は、血を抜かれそうになった瞬間、豹変し献血車を破壊!貢は、意識を失った少女を、なんとなくの勢いで保護し家に連れ帰ることに……。

声優・キャラクター
佐倉綾音、日高里菜、朴璐美、早見沙織、日笠陽子、小林ゆう、高槻かなこ、三宅健太、石川界人、綿貫竜之介、木内太郎、岩崎ひろし、中田譲治
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

【辛口コメント】チーム押井の暴走“採血鬼”ギャグアニメ♪

【物語 2.0点】
やりたい放題。視聴者とキャッチボールする気なし!?(笑)

ネット動画配信という解放区。ポリコレなど、アウトオブ眼中w

献血マニアの女子高生と吸血鬼とのガールミーツガール。
活動を支えるための献血部及び夜間部という枠組み確立の他は
押井 守総監督、西村 純二監督らスタッフたちの昭和の“オタク”趣味の開陳に尺が費やされる。

無礼講とばかりに撒き散らされたネタが、
シナリオとして調理されずに、生煮えのままぶつけられる感。
しかも一定以上のコアな高年齢層以外はキャッチ困難という厳しさw

私も前半は9割方ネタが分らずw
後半に入ると、さながら“汚い映像研”の如き、作中作品の創作回も挟まれる。
マキ監督を通じた往年の映画ネタ(トリュフォー監督作品等とのこと)や
漫画のオマージュ回({netabare}つげ 義春氏{/netabare}とのこと)など、
私の生まれる前のネタがお風呂回、水着回そっちのけで容赦なく投げつけられ、
私は為す術なく、ほぼ全球捕逸(パスボール)w
辛うじて掴めたのは最後の{netabare}『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』{/netabare}くらいw

表現者が自由にやれることが
万人にとって必ずしも面白いわけじゃないと思い知った全12話でした。

我こそは!とのハイレベル“オタク”の方の挑戦お待ちしておりますw


【作画 3.5点】
アニメーション制作・Drive

背景美術は、ぼかしが特徴的なフォトリアル風でホラーシーンもカバー。
むしろ実写も入り、時折、東京の夜景をバックに吸血鬼がフライハイする。

(結局、東京上空で爆撃機(ハンドレページ・ヴィクターとのこと)と
サラマンダーのドッグファイトやりたかっただけでは?という疑惑w)

平成の表現萎縮でスッカリ姿を消した、回転往復ビンタが乱発。
ギャグのオチは概ね建屋の爆散、倒壊w
“自主規制”がガードするとは言え、
“学園のマドンナ”等、昭和の価値観に基づいた露出描写もある。

雲の上から現代人がふるい落とされようが関係ありませんw


【キャラ 3.5点】
メインヒロインの吸血鬼・マイ。
吸血鬼伝説や関連エンタメの歴史を総ざらいした上で、
奥深いヴァンパイア理解に基づいたキャラ造形を……
と行きたい所ですが、こちらもキャラ立ちより、ウンチク披露が優先された感w
とは言え、濃厚な押し入れヒロインは、懐古には訴求。

その他、ヒロインに百合百合しく、バンバン血ィを貢ぐ、女子高生主人公・絆播貢(ばんばみつぐ)
(※血ではなく“血ィ”でなければならぬらしいw)
一斗缶で制裁する女風紀委員長など、
レトロな個性派がごった返す闇鍋感w

だが真打は、アンモラル保健医で血液研究者の血祭血比呂。
生徒への暴力的なツッコミ。方々の方言が混血する粗暴な言葉遣い。
EDアニメの左半分を占拠する彼女の強烈な生き様を受け入れることが、本作完走の絶対条件かw


【声優 4.0点】
ヒロイン吸血鬼・マイ役の日高 里菜さん。
吸血した血ィの主を反映して性格が豹変する
という無茶振りを器用にこなし混迷に拍車w

明るくアブナイ百合ボイスには実績がある貢役の佐倉 綾音さん。
ドスの効いたオトナボイスで生徒とシナリオを引きずり回す血比呂先生役の朴 璐美さん。
暴走監督ボイスで現場を逼迫させるマキ役の早見 沙織さん。

さらには、貢のとーちゃんに{netabare}中田 譲治さん。{/netabare}
など脇に至るまで非凡な声優たちが競演♪

ですが、このカオスに、この豪華声優陣。
申し訳ないですが、私は、正直、勿体ないという感想が先に立ちますw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は川井 憲次氏。
お馴染みの疾走感溢れるストリングスと勇壮な混声コーラスが、
ギャグと人情を無駄に格調高く盛り上げる。
氏は割と真面目?と安心した矢先、
カオスな献血歌謡曲「血ィがS.O.S」を冨永 みーなさんに歌わせ昭和へ逆走w
助けて欲しいのは視聴者の方ですw


OP主題歌はマイver.がLOBEBITES「Winds Of Transylvania」
海外でも活躍するガールズ・メタルバンドが放つ刺激的なロック。

貢ver.がBlooDyeの「Where you are」で百合への想いを探求。
高槻 かなこさんのピュアボイスが未来ずら♪


ED主題歌はalan&Ayasa「赤い雨」
映画『レッドクリフ』主題歌等のチベット族アーティスト・alanさんが参加した妖艶なバラード。


音楽も世界配信に向けて一級品が揃うゴージャスさ。
もはや勿体ないwとツッコむことも本作の嗜み方かw


【感想】
作中劇に寄せられたハチャメチャで最高だったぜ~!
との歓声が象徴するカオスなギャグアニメでしたw

アニメーターも平生は好き勝手にやっているようで、
多くの視聴者が受け取れるように配慮して制作して下さっているのだな。
と本作のストレス発散ぶりを見て、逆に痛感しましたw




【第一話ー特別編ー無料配信版・感想】
長くなるので折りたたみw

{netabare}
一話あらすじ

{netabare}超レア血液型“キメラ型”故に、献血しても有用性がないにも関わらず、
採血制限を待ち切れず献血バスに押しかける程の献血マニアの女子高生主人公。

バンパイアのクセに、人間に噛み付き新たな吸血鬼を生み出すのを躊躇する“美少女”吸血鬼。

血に飢えた吸血鬼が献血バスに乗り込み採血されそうになり車両を破壊する現場に
出くわした献血マニア少女の家に吸血鬼が転がり込み奇妙な同棲生活がスタート……。

採血により吸血鬼の“彼女”を養うため、
稀少血液収集研究家でもある保健美熟女医の忠言により、
主人公は“採血部”を立ち上げることになるのだが……。
{/netabare}

……などと言う、見ているだけで頭痛と貧血に襲われるw
押井守総監督(原作・脚本・一部絵コンテ等)の10年構想のオリジナル連続・吸血鬼ギャグアニメ(全12話予定)


テンポは良好(暴走とも言うw)
が、率直に言って私にとってはギャグは滑り気味に感じ、一笑も出来ませんでした。
ただ、パワハラと抗議されながら、全力出血往復ビンタでツッコむ
古のギャグスタイルを、時代の壁をぶち破って、
現代に押し売りしようとする破れかぶれ感は嫌いじゃありませんw

よって物語評点は基準点割れからのスタートになりますが、
変なアニメだな~wと感じつつも、
川井 憲次氏のBGMやCV.朴 璐美さんの方言罵声など、
興味は持続しており、
取り敢えず、主要キャラが出揃うまでは、
押井総監督とタッグを組んだ西村 純二監督と私との相性も信じて、
何とか食らい付いて行きたいと思います♪


ところで、次話の配信及び放送は何時でしょうか?
4話迄の先行上映イベントは決まっているそうですが……。

ん?未だTV放送もするか、配信でいくか、決まっていない?
どんだけフリーダムな企画なのでしょうかw

形態未定、放送時期未定で据え置いている、あにこれスタッフさんを、
あまり困らせないで下さいなw

※後日、2/14バレンタインデーに前半6話まで一挙配信。
3/14ホワイトデーに後半6話を一挙配信。
結局ギリギリ2020年秋シーズンのネット動画アニメとして分類は決着した模様。

この形態……視聴し辛い(苦笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

やまだ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

パーフェクト自己満足アニメ

こいつぁすげえ。ビッグネームでしか通せない自己満作品。

これはもうよほどの押井信者でもなければ非難轟々なのは容易に想像できる。JK学園モノなのにキャラデザが古臭い。ギャグが古臭い。引用の元ネタも古臭い。というか何もかもが古臭い。ビビビって何だよ。鬼太郎かよ。今時ズッコケって。昭和かよ。昭和だよこれ。そもそもヴァンパイアだからって献血部とか意味不明。女子部員は萌えるのかはわからんが男子は完全に昭和で懐かしさすら感じる作り。

そりゃそうだ。今のポルノアニメが嫌いなヤツが作ったんだから。

誰でも感情移入出来るレベルまで記号化された萌えキャラ。キャラを泣かせて『感動ッ』。下げて上げたら『成長ッ』。初見でしゃぶり尽くせるほど単純でないと『魅力がッ』。順番に全員苦しめていかないと『掘り下げがッ』。

相当楽しんで作ったんでしょう。『意地でも萌えさせてたまるものか』って。

『JK学園アニメの女医』って強力なフックとしての重要な役。そこに年相応なキャラデザってまずありえない。商売を考えた場合にアレを持ってくるヤツは無能どころか企画潰す気マンマンとしか思えない。

絶対わざとでしょこれ。叩かれてるの見たら手を叩いて喜んでたと思う。


いつまでも『攻殻』『うる星』って鬱陶しい。でも好きなもの作れば作ったで全然売れない。何でだよ。そこらのくだらん萌えアニメよりかはよっぽどマシだろ?そんな時に久々のシリーズ企画。しかも好きに作れる配信オンリー。そこで満を持して作ったのがJK学園モノってアンタ。

押井がコレを作ったって事実だけで面白い。
そこ加味出来ないと古臭いで終了かも。でもそれでいいと思う。そう作ったんだから。

特に押井信者でもないけど昭和ギャグも嫌いじゃない。引用全部わかる必要もない。延々とつづくパト2のパロはいくら名場面とはいえそのまんますぎてウケた。

貢のマイに対する偏愛は押井本人の映画に対する尽きない憧れを表現しているッとかそういうわかったような解釈しなくても昭和生まれには普通にギャグ作品として楽しめました。というかこれなんか音声凄くないですか?気のせい?でもつまんなかったら意味ないか。絵がムリな人は声だけ聴けばいいと思ったがそもそもセリフも古いからダメだった。

でも楽曲は何故か昭和ではない。
OPのLOVEBITESは相変わらず曲は良いが音が悪い。
EDはイントロ聴いたらイエモンかと思った。

映画好きかサブカルマニアか押井信者か昭和ギャグ好きなら。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

昭和は遠くなりにけり

2021/08/29 投稿
2021/08/29 加筆・評価下方修正
2021/09/05 「状態」訂正(「今見てる」のままでした)と加筆
2021/09/23 一部補足説明追加


まずは,立ち位置をはっきりさせておきますが,

我輩は「押井信者」である。

という前提でこの文章を読んでいただけるとありがたい。


令和初でスカイクロラ以来の押井アニメ
30何年かぶりの押井守のシリーズ物とかなんとかかんとか・・・

原作・総監督・シリーズ構成 押井守
監督 西村純二

これは,見なければなりますまい(笑)



1話アバン冒頭の俯瞰での東京(?)の夜景を見て期待が高まります。(どうやら「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」を意識した物のようです。)※「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」の説明は12話の作中に有り!

OP「Where you are」Ver.(奇数話のOPはこっち)は映像的にすごくみずみずしく,スタイリッシュ!血比呂先生が苗木を背負って歩くシーンの映像的な美しさはなんとも言えません!!曲も悪くは無いです。これが新しい押井アニメか!って感じです。
なおOP「Winds of Transylvania」Ver.(偶数話)主要女性キャラによるヘビメタバンドによる演奏がメイン。ありきたりかな・・・曲もアニメーションもあんまり好みではありません。(文化祭回でのステージ演奏的な使い方なら評価は違ったかも知れません。)

背景美術が独特でいい味出しています。
「物語シリーズ」の戦場ヶ原家的な感じです。
個人的には餃子の将軍の外観が一押しw


さて,褒めるのはこんな所でしょうか^^;

この作品で最も強く感じたのは,セリフの言い回しの古くささです。
血比呂先生に代表される,謎のえせ方言(うる星やつらのサクラさん的な台詞回し)
「○○じゃと,ゆうとろうが!!」など諸星あたる的な台詞回し・・・
いわゆる,押井守的な台詞回しですね。うる星やつらのキャラクターであればなんとなくそれでいいのですが,本作のキャラクターに言わせるととたんに何というか古くささが際立ちます。遠い昭和の時代からタイムスリップしてきたキャラクターに感じられるというか・・・とにかくそんな感じです。
※シュタインズゲートで牧瀬紅莉栖が「○○と,ゆうとろうが!!」って言っていますね(アニメ版かゲーム版か無印かゼロかゲームのダーリンかフェのグラムかごちゃごちゃになっていますが,どれか1つ以上で確実に言っています。)気になったから記憶があるのかも知れないけど,それほど気にならなかったw

輸血マニア&献血部・・・
立喰師という言葉を聞いたときと同じ居心地の悪さみたいなものを感じます。こう言う設定を作品の中心に据えてくる・・・悪い意味で,押井守ですね・・・

以下押井守との世代的な違いあるいは地域的な違いかも知れませんが言葉の使い方に違和感を覚える物
保険医:自分のイメージでは養護教諭,保健(室)の先生,養護の先生など
夜学:定時制?夜学というと大学のイメージ?
血ぃ:なぜ「血」ではだめなの?聞くたびに違和感が・・・

他にも
往復びんたバシバシとか
突然や夜学設立,全教科養護教諭一人で担当とかいろいろ気になってイマイチ楽しめません。

「おたかさん」「青島幸男」などのうんちくコーナー
知っている層には必要ないし,知らない層は興味が無いし必要も無い。いったい誰に向けているの?
あ!でも,映画のうんちくはちょっと興味を持って見ましたwそれで「インタビュー・ウィズ・バンパイヤ」の冒頭部分を見て,1話アバンの意味が分かったりしました。

6話の文化祭,7話の自主製作映画撮影などは学園物としては悪くは無いです。9話は{netabare}うる星やつら 第76話「決死の亜空間アルバイト」のリメイクですが,うる星やつらの方が元作(造語です、原作とはちょっと違う気がするのであえてこう書きました。もとさくと読んで下さいました)であるつげ義春の「ねじ式」の不思議な雰囲気を良く現れている{/netabare}ような気がします。

個人的な評価としては,令和初の押井アニメは「Where you are」Ver.のOPと背景くらいしか見所が無い残念な作品という気がします。
期待が大きかった分,がっかりも大きかったように思います^^;
「好き勝手にやらせてダメだった押井作品」の括りに入ってくる作品の一つだと思います。

ヒロインがバンパイアのアニメにはあたりが多いのですが,この作品はどちらかというと貢がヒロインですかね?

再度,我が輩は「押井信者」です。
結構好意的に見てこの評価ですが,押井原理主義者からたたかれそうな気が・・・^^;

そして「ルパン三世PART6で押井守がゲストで脚本担当」というニュースを聞いて性懲りも無く期待していたりします^^;

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
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