◎TARGET さんの感想・評価
3.9
この作品は大人にならないと良さがわからないってことを、今日知った
❏総評
高畑勲監督。1991年作。
ジャンルは昭和ノスタルジー
設定では主人公は1956年生まれとなっているので、
2013年現在57歳ぐらいの人が若かった時代のお話。
ネタバレしない程度に簡単にあらすじ
東京でOLをしている岡島タエ子。彼女は代々東京育ちの家系なので
田舎というものに憧れていた。そして彼女は休暇を取って汽車で
山形へ向かうのだった。
彼女は小学校時代田舎に憧れていた自分を思い出し、そこから
子供の頃の記憶が次々と溢れだす。
彼女は田舎で何を感じ取り、子供の頃の記憶から何を思うのか…
❏大人になってから見て欲しい唯一のジブリ作品
子供の頃見た時は、主人公に感情移入できなかったので
まったく印象に残らず、ふ~んって感じだったのだが、
だいぶ人生経験を積んでから見てみると脇役も含め、
全ての登場人物の気持ちが手に取るように分かるので、
作品に深みが増し、評価が格段にアップ事は確かである。
だから子供は見ちゃダメw
最低でも主人公の年齢27歳は超えてから見るぐらいがオススメ
そもそも私と主人公の世代が違うので、作品内の価値観全てに共感
できるとは言いかねるが、昔はこうだったんだなと思いながら
すーっと感情移入できちゃう作品。
❏昭和の親は厳しく、子供は我慢強い
昔のお父さんって、あんな感じなんだろうか。もし今あんな親父が居たら
子供に反感買っちゃうかもしれないけど、少なくとも当時の家庭には
秩序があるよう見えるし、それはそれで良かったのかもしれない。
また、子供たちも今の子に比べて我慢強いような雰囲気がある。
こういうのって昔は良かったとかって美化されることもあるんだけど、
昔の子供は今の子供に比べると、悪く言えば抑圧されていたわけで、
どっちが正解ってのは難しい所である。
個人的には現代の方が好き。
昔より自由があるし、
大人への主張も許されてるし、
大人からの体罰も無くなったし
でもトレードオフで秩序が無くなってしまったけどね。
まぁバランスが大事ってことで。
❏しわイラネ。笑うとババァに。
顔の表情をリアルに出すために、この作品は先に声優の録音を済ませ、
絵を言葉に合わせていく作り方をしたそうだ。
その際、頬骨の動きを表現するために顔に線をつけてるだけど
27歳の岡島タエ子の顔が一気に40代ぐらいの見た目になる。
その後のジブリアニメには、この老けジワは登場していないので
よっぽど不評だったのだと思われる。
❏最後に
この作品は大人にならないと良さがわからないってことを、今日知った。
昭和ノスタルジーが苦手な私でも普通に見れた。