shino さんの感想・評価
3.5
浮き上がれヴェラシーラ
新海誠、映像叙事詩の始まり。
物語を動かすのは2人の少年。
憧れの少女との遠い日の約束。
国境の向こうの塔へと、少年は飛行機を疾らせる。
日本が南北に分断統治されたもう一つの世界。
舞台は東京/青森/北海道/そして少女の夢の世界。
眠り続ける少女の夢。
{netabare}青春の夢と喪失、ここでもそうなのだ。
繰り返される新海誠のテーゼ、{/netabare}
今はまだ手が届かないものに共感する。
歩いても、歩いても道に迷い、
たどり着けない遥か遠くの約束の場所。
自分でも驚くほどの、遠回りを経験して、
日々成長していくものだ。
次こそはちゃんと歩こう、ちゃんと飛ばそう。
そんな気にさせられる繊細な作品です。
空の向こうに広がる透明な空、
空と雲の描写が圧倒的に美しいですね。
浮き上がれヴェラシーラ。