戦いで戦争なアニメ映画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の戦いで戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月23日の時点で一番の戦いで戦争なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.1 1 戦いで戦争なアニメランキング1位
コードギアス 亡国のアキト 第1章「翼竜は舞い降りた」(アニメ映画)

2012年8月4日
★★★★☆ 3.7 (810)
4905人が棚に入れました
監督、脚本家、二人のプロデューサー――たった四人から、コードギアス』は始まりました。お金も、テレビ局も、出版社も、有名な原作も、何もないところからのスタートでした。それがテレビシリーズとして放映され、さらに続編の『R2』が深夜枠から夕方枠へと引き上げられたのは、多くのファンの応援のおかげでした。
あらためて感謝と御礼を言わせてください。本当に、ありがとうございました。最終回を終えた後、多くの方々から続編を望んでもらいました。それらの声に応えるにはどうすればいいのか。我々は再び集まり、話し合い、単純な「続き」ではなく「拡大」を選択することにしました。今回、その嚆矢として、赤根監督のギアスが実現することを、とても嬉しく思っています。今後、発表されていくだろう「拡大」も含めて、みなさんご期待下さい。

声優・キャラクター
入野自由、坂本真綾、日野聡、松岡禎丞、日笠陽子、藤原啓治、甲斐田裕子、川田紳司、茅野愛衣、石塚運昇、森久保祥太郎、小松未可子、瀬戸麻沙美、東山奈央、早見沙織、高森奈津美、伊瀬茉莉也、松風雅也、三宅健太、子安武人
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

赤根和樹 is come back ! 異国の地でぶつかり合う異邦人同士の血・・・ とりま【本家の事は忘れて下さい^^;】 to the "翼竜は舞い降りた"

実に4年の時を経て再始動したコードギアスシリーズの映像化作品第1弾


そもそもこのシリーズの続編を作って欲しいという声は古くから多数あったのですが、谷口監督をはじめとする旧メインスタッフの方々は完成されたシナリオに“単純な続き”を作るというつもりは無かったようで、今作のように“シリーズの世界観を広げる”という手法にあえて拘ったそうです


現段階で推測できる時間軸を考えると恐らく『無印』と『R2』の中間にあった空白の1年間に当たると思います








舞台となるのはブリタニアの猛攻に苦戦を強いられているにも関わらず、危機感の軽薄な貴族と世論の反応に慎重な政治家によって“荒廃した民主主義”がとられるユーロピア共和国連合
(『R2』中盤でユーロピア連合は著しく衰退していくのですが・・・)


ブリタニアの日本占領によって、国を追われることになったヨーロッパ滞在の日本人達
そんな肩身狭き日本人の若者のみで構成されたユーロピア特殊部隊の一人“日向アキト”
部隊を指揮する幼くも誇り高き軍人であり、頭脳と武勇を兼ね備えた美しい女性指揮官『レイラ・マルカル』
そして敵国ユーロ・ブリタニア内で暗躍し、アキトと同じ姓を持つ謎の男『シン・ヒュウガ・シャイング』


彼らの【守る国無きまま今日を生き延びるための死闘】が描かれるサバイバルアクション映画となっております







事前から告知されている通り、スタッフのほぼ全てが入れ替え
監督と脚本は『天空のエスカフローネ』以来の古巣であるサンライズ作品となった赤根和樹
同じく脚本には「バーディーに中野ブロードウェイを走らせたり」(http://www.anikore.jp/anime/1288)「佐天さんに補習を受けさせた」(http://www.anikore.jp/anime/1394)浅川美也
両者ともこれまでのコードギアスシリーズには一切関わったことはありません


今作でまず初めに目を引くのがナイトメアフレームの戦闘シーンがCGとなったことですね


テレビシリーズでは中田栄治、中谷誠一を中心としたメカ作画を得意とするアニメタの技量によって支えられていたメカニックアクションでしたが、今作の赤根監督は『ジーンシャフト』や『ヒートガイジェイ』などのサテライト作品時代のCGアニメ成長期よりメカ描写には3DCGを用いていたこともあり、上記の赤根作品や『アクエリオン』『マクロスF』など一連のサテライト作品、それと『インフィニット・ストラトス』等でもCG監督を務めた井野元英二が率いるチーム“オレンジ”が全てのメカ描写を担当
(オレンジつってもジェレミアじゃねーおw)


これが大変素晴らしく、テレビシリーズとは全くと言っていいほど異質な凄まじくスピード感に溢れる戦闘描写になっており見どころです!


ただ逆説的に捉えると、ユーロピア下で開発されたという主人公が駆る新型ナイトメアフレームの動きなのですが、これまでオイラ達が観てきたナイトメアという陸戦兵器(あるいは『R2』でのアニメらしいキャラクター性をわざと強調したスーパーロボット感)というそれらの概念を打ち破るような独特なものであります;


ナイトメアの特徴とも言える車輪による高速移動はせず爬虫類のように4足歩行で地を這ったり
スラッシュハーケン(ビルをよじ登ったりするときに打つアンカーです)や脱出装置を使用する描写も無く、世界観を引き継いでる作品にも関わらず違和感を覚えるかもしれません
(『R2』当時からユーロピアのナイトメアは独特の路線で描かれていましたが)


この辺りはメカデザにあきまんさんを起用した影響も出ていると思います


総作画監督にはこれまた旧テレビシリーズとは無縁だった島村秀一
これに関しては当人の技量とは別に、“単にキムタカさんの絵に似せているだけ”のような印象もありまして、セルソフト化の際に細かな(細か過ぎると言ってもいい)修正を加えるなど繊細な作画によって描かれていた旧テレビシリーズで目の肥えたファンにはクオリティダウンに見えてしまうかもしれません;


そして音楽も前作のダブルコンポーザーを潔くやめてJAZZYな楽曲を得意とする橋本一子の一択に
これは単純に好みだと思うのですが、前作なら黒石ひとみさんの幻想的なボーカル曲が流れるような切ないドラマシークエンスで普通にピアノソロが流れてくるのはある意味新鮮でした


前作の主題歌はタイアップ臭がわざとらしかったですが(好きだけどw)真綾と菅野よう子のタッグに託され非常に好印象


キャストには入野自由、坂本真綾、藤原啓治、甲斐田裕子、川田紳司、松風雅也といった赤根作品ではお馴染みの声優陣に加えて
端役に小松未可子、瀬戸麻沙美、東山奈央、伊瀬茉莉也などの若手が配されたことに前作からの時間経過を感じますね^q^








とにかくハッキリさせたいのは【反逆のルルーシュに思い入れのあるファンほど今作には期待を裏切られてしまう恐れがある】ことです
シェイクスピアを意識しつつも、結果的にはフィリップ・マーロウを引用することとなった前作と違い、改めてシェイクスピアと思しきシークエンスを混ぜ込んでみたり({netabare}お墓を建てると亡霊が出て来るシークエンスがそうじゃね?{/netabare})、谷口監督ならばまずやらんであろう『暗転の多用』とか、何から何までが“違う”ニューシリーズ


古きギアスを一時忘れ、「Newコードギアスを楽しんでみたい!」という勇気あるアニメファンにこそ扉を叩いて欲しいものです

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

heqijimmi さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前作とどうつながるかに期待!

第1章「翼竜は舞い降りた」、鑑賞了。

戦闘シーンの躍動感は前シリーズを凌駕。
グラフィックの細かさはもはや狂気といったレベル。
(制作スタッフの何人かは死んでるんじゃないか、って心配になるくらい)
ロボット戦闘の映像表現としては過去最高だと思う。

ストーリーは...
前シリーズの世界観を知ってるとずっとワクワクできる。
知らなかったら…なんともいえません。
(今のところは、前シリーズ売りの中二病的爽快感、笑いとかが無いからな~)

総評。
ロボ好き、戦争マニアは観て損なし。
物語をも楽しみたいならば、ルルーシュで予習を。
私は次回作も絶対に観る!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

zunzun さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

OVAだからこそ、多くの人に観てもらいたい力作。

待望のコードギアス アニメシリーズ新作。遅ればせながら先日ようやく視聴し終えました。

個人のレビュー順序から考えると、シリーズの原点である『コードギアス〜反逆のルルーシュ〜』にまず触れておくのが妥当でしょうが、敢えてここは、『コードギアス 亡国のアキト』を。それ程までに私にとっては印象的で素晴らしい作品でした。

と、息巻いていますが、本作、実はまだ未完です。ここでは現在までに公開されている第二章までのまとめレビューとさせて頂きます。

スタッフはTVアニメシリーズの谷口 悟朗監督から、「天空のエスカフローネ」、「ノエイン もうひとりの君へ」の赤根 和樹監督へとバトンタッチしています。個人的にはもうこの時点で胸熱なのですが、現在も愛されているTVアニメシリーズ終幕から第一章公開までに実に4年と時間も経っていたせいか、公開当時の私は他のアニメへ浮気していた事もあり、華麗にスルーしていました。。

...話を戻します。ビジュアル面について、本編に登場するメカニックのうちナイトメアフレーム (KMF) はTVアニメシリーズの『反逆のルルーシュ』『R2』では、ほとんどアニメーターによる手描きでしたが、本作ではオレンジが参加していることもあり、同社によるCG描画になっています。ここが大きなポイントです◎

本作の一番の魅力はOVAだからこそできる突出したビジュアルの美しさにあると私は思っています。一瞬コードギアスシリーズでは無い他作品を観ている感覚に陥る程、美しいです。キャラの作画についてはCLAMPのキャラデザの流麗で繊細な印象を更に活かした出来になっています。年齢別によるキャラの描き分けも素晴らしく、ここがTVアニメシリーズよりも優れている点かもしれないです。美形キャラだけではなく、歳を重ねた渋キャラが綺麗にちゃんと描かれてる。

背景は本作の舞台となるヨーロッパの文化と歴史を感じさせる空気感が上手く表現されています。森や平原、お城に町並みと、どこか上品な雰囲気が漂っていて、本当に素敵です。

そして、CGによるメカの表現がかなり自然で、上記の点と上手く調和を保っていることが一番の驚きでした。。特に冒頭の森での戦闘シーンは必見とも言えるほど美しく迫力があります。とにかく動きまくりで、2度ビックリ。

このビジュアルの衝撃は、個人的に『機動警察パトレイバー the Movie』や『フルメタル・パニック! The Second Raid』を観たとき以来の衝撃でした。とにかく凄いに尽きる。。

とここまで本編のストーリーの内容については触れませんでしたが、ここで少し触れておくと、本作はTVアニメシリーズの『反逆のルルーシュ』『R2』の間のお話で、時系列になっています。舞台はTVアニメ版では存在こそは明かされていたものの、実際にはほとんど登場しなかったE.U.での物語。主人公はルルーシュではなく、イレブンでありながら、E.U.の少年兵である日向アキト。本作での敵もどうやらブリタニアな様子。ヒロインでありE.U.の軍人であるレイラ・マルカルと共に、熾烈を極める強国ブリタニア軍との戦闘へと身を投じていくことになります。

ブリタニアといえば、TVアニメシリーズで描かれた皇帝シャルルの治める大国ですが、この『コードギアス 亡国のアキト』で登場するユーロ・ブリタニアはシャルルの血族では無いヴェランス大公(ユーロ・ブリタニア宗主)が治めるエリア。スタンドアローンで帝国最強にして皇帝直属の騎士であるナイトオブラウンズに匹敵する程の武力を持つ強豪エリア。なので、他エリアと比較しても一線を画している癖の強いエリアなのかも知れません。エリア総督をほぼ血族で固める皇帝シャルルとの関係も気になるところなので今後の展開にも期待ですが、二章の最後にスザクとあの男がE.U.の地に降り立ったことでブリタニア内部でも一波乱ありそうな予感です。

TVシリーズの魅力に、衝撃的な展開を衝撃的な早さで展開していくシナリオが挙げられるかもしれませんが、本作も伏線を幾十にも張り巡らしている印象なので、これからかなり期待出来ると個人的には思っています。大人も楽しめる劇的なピカレスク・ロマンに最高のビジュアル、これほどの力作は他に無いでしょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

69.8 2 戦いで戦争なアニメランキング2位
劇場版 新機動戦記ガンダムW[ウィング] ENDLESS WALTZ 特別編(アニメ映画)

1998年8月1日
★★★★☆ 3.8 (146)
1110人が棚に入れました
かつての戦いから1年。全ての武力を放棄して平和への道を進む世界に対し、トレーズ・クシュリナーダの実子を名乗る少女マリーメイアを頂く謎の軍が宣戦布告した。放棄された筈のMSリーオー他旧式戦力に新型MSサーペントを加えての武力侵攻と、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンの拉致というマリーメイア軍の暴挙に対抗すべくヒイロ・ユイとデュオ・マックスウェルは行動を開始する。しかしその前に立ちはだかったのはマリーメイアの軍門に下ったトロワ・バートン、そしてガンダムパイロットの中でただ1人ガンダムを手放していなかった張 五飛だった。一方特務機関プリベンターを組織して、亡きトレーズの意思を継ぎ地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンはルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図るが、対応に追われていたレディ・アンの前に「火消しの風・ウインド」を名乗るゼクス・マーキスが現れ、プリベンターとして活動する権限と封印されたトールギスIIIを貸し与える様に願い出た。そして廃棄される筈だった4機のガンダムは、カトル・ラバーバ・ウィナーの手によって再び地球圏へと舞い戻る。

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「俺達は後何人殺せばいい?」

TV版続編


~感想~
OVAのリメイク・追加シーンという事で
劇場版の方を視聴することにしました
TV版の続きということだけでも魅力的ですが
ガンダムシリーズの中では珍しく戦後を描いている作品

本作は兵士の思いを代弁していました
世界が平和になれば戦場でしか生きられないこと
戦っていけない自分達の居場所が無くなること
そのことへの強者としての自分が失われることへの不安
しかし命を奪い続けねばならないことへの苦しみと
終わらない戦いからの解放を望む葛藤がありました
兵士は本当に戦場以外では生きていけないのか?
その答えは本作できちんと描かれていました

気になったことと言えば
主人公達の機体のデザインが一新されてたことです
TVで戦争が終わりそれから機体を…ってことになりますよね?
本編で戦争が終わったのにそんなことしていたんだね
なんて思ったりしました
とは言え機体はよくなっていたと思います

最後に機体を破壊してしまうシーンには寂しさを感じました

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

特別編と通常版どちらを見るべきかについては、断然、特別編

ガンダムWの劇場版。OVA作品Endless Waltzの再編集版となっています。
劇場版ガンダムには再編集版というパターンが多いですが、本作は元が全3話のOVAで本作が90分の作品になっているため、再編集である特別版のほうが長く、通常版をそのまま繋いで新作カットを追加したものになっています。
そのため、重要なシーンのカット、ナレーションでごまかす、そもそも完結していないなどはなく、過去の劇場版ガンダムを比較し満足度の高い作品になっています。
もちろんガンダムW本編を前提知識として見ている必要はありますが、本作できれいに完結となっています。

ストーリー、感想は通常版と同じなので、そちらを参照で。

特別編と通常版どちらを見るべきかについては、断然、特別編です。
特別版には戦闘シーンを中心に新作カットの追加や主題歌の変更、つなぎの修正などが行われていますが、それ以上に通常版には登場しないドロシー・カタロニアのシーンが追加されています。
戦闘シーンの新作カットなどは正直、見比べないとわからないくらいなのですが、特別版で追加されたドロシー・カタロニアが民衆を鼓舞するシーンと、「私の知っている男は、墓の下か、あそこにしかいないわ!」というセリフはガンダムWを象徴する場面の一つと思っているので、通常版だと、個人的にはちゃんと見たことにならないレベルと思います。

ドロシーのシーンはなくても話は通じるので、ドロシーの眉毛がむかつくという方については通常版であってもストーリー的に問題はないのですが、そうでない限りは、特別版をおすすめします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

E4GLS さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

平和とは何か、簡潔明瞭にまとめられている

本作はOVA版に新作カットが加えられ、挿入歌が変更になったものです。内容はほとんど変わりませんが、個人的にはこちらがお勧めです。以下、内容です。

ガンダムW本編から1年後、地球で起こった騒乱を描いた物語です。

ガンダムWの完結編として質の高い作品だと思います。
若きガンダムのパイロットやゼクス・マーキスが戦後の騒乱で何を想い戦うのか納得できる形で描かれていました。

ガンダムW本編は突っ込みどころが多い作品でしたが、本作においてはそのようなこともなく短時間でうまくまとめられているのが非常に好印象でした。

作画と音楽も作品の盛り上げに貢献しています。Wガンダムゼロのデザインが本編と大きく異なるのは賛否ありそうですが、個人的には本編から続くガンダムの切ない役割を象徴するデザインとして肯定的に捉えています。

戦争、平和、革命の終わらないワルツが続くというマリーメイアにヒイロ達が何を提示するのか。本編を視聴された方には是非こちらも観てみて欲しいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

66.8 3 戦いで戦争なアニメランキング3位
ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵(アニメ映画)

2012年2月4日
★★★★☆ 3.9 (229)
1083人が棚に入れました
孤独な剣士ガッツは、百年戦争に揺れる地を傭兵として渡り歩いていた。身の丈を超える長大な剣を自在に操り、強大な敵をいとも簡単に倒すガッツ。そんな彼に目をつけたのが、傭兵集団“鷹の団”を率いるグリフィス。美しい姿からは想像もつかない統率力を持ち、大いなる野望を秘めたグリフィスは、自らの夢を叶えるためにガッツを決闘で制し、鷹の団に引き入れる。数々の激戦を共にくぐり抜けるうちに、信頼で結ばれていく仲間たち。なかでもガッツとグリフィスの絆は、今や特別なものになっていた。やがて鷹の団はミッドランド王国の正規軍にのし上がるが、それはグリフィスの目指す頂点へのはじめの一歩に過ぎなかった。一方ガッツは、グリフィスの夢に取り込まれ剣を振り回すだけの人生に疑問を抱き始める……。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

再アニメ化決まりましたね

ベルセルクシリーズは長期連載中の漫画が原作の作品で、10年以上前にテレビアニメが放送されていました。

テレビ版も良いですが、おすすめしたいのはこの劇場版!
制作は独特の魅力を持った作品を多く手がけるスタジオ4℃
キャラクターデザインはリアル系美形の巨匠恩田尚之さんです。
この制作陣に伝説級の漫画ベルセルクの悍ましさ、エロさこの再現度が半端じゃない


最初に観たのはテレビアニメだったのですが、初めてベルセルクという作品に触れたときはここまで嵌るなんて想像だに出来ませんでした。

ごっつい主人公にかっこよさが見つからないし、
ヒロインもベリーショートで、気が強いのであまり可愛く無いなあと。
声も合ってないわけじゃないけどう~んという感想でした。

しかし、それからしばらくして、
リメイクされた劇場版は良いよ!4℃制作だよ!という言葉を聞き、4℃のワードにつられて視聴を再開しました。

恩田さんのグリフィスがね、ガッツがね、本当にかっけーんすよ
この角度から見ても、この角度でも、ごつくても、一瞬女性に見えてもにじみ出るイケメンオーラは隠しきれないのです。

CGについては、そこそこですね。一つ一つのクオリティで言えばCGらしさを前面に押し出したテレっとしたキャラだから、残念に思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、100人切りのシーンをはじめアクションシーンで使われるCGモブの圧倒的な量はなかなか真似できるものでは無いでしょう。しかも甲冑にはいろんな種類があるし…地味ですが、相当大変だったんじゃないかなと思います。

ところで剣風伝奇ベルセルクと比べて一番良かったのは、声でした。

例えば第2話にキャスカがグリフィスに向かって「だけど!」と言うシーンがあるのですが、
剣風奇伝のときは古さを全面的に受けたような臭さを感じたんです。
そのときはセリフ自体も現代ではあまり使われない用法だと思ったのですが、
劇場版を観ると、全く違和感がない…!
これは驚きました。
キャスカの声は断然劇場版の方が良いです。

ちなみにガッツの声優は新人の俳優
バズーサの声はケンコバが抜擢されたということですが
全然違和感がありません。キャスティングが上手だなと思いました。

そして物語。戦闘シーンの割合が多いので、内容自体は大したことは無い気もしますが、テンポが良いので引きこまれてしまいます。
結構グロいので観る時には注意が必要後ですが、是非多くの人に知ってほしい作品となりました。
観終わった後にもっと観たい。と思わせてくれる作品です。
ダークファンタジーが好きな方は是非観てみて下さい!

追記
2016年に再アニメ化されるようですが、一体どんな趣向になるんでしょうか。
PVを観る限りではCGがふんだんに使われていて、アニメというより遊技機の映像みたいでしたが・・・
ガッツの顔は進撃の巨人のエレンみたいな感じでしたね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

Maddmax さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ほとんど愚痴です。

カメラワークは良い出来かな〜。
全体的な出来としては、悪くはない。細かな動作に気を配っているし、でもね、細かいダメな所も多すぎる。
キャスカの剣がシビれるシーンなんかは演出過多。笑ったわww


CGを使う事は良いと思うんだけど…
しかし、CGがショボすぎる…全く重さを感じない。
求めてるのは、ヌルヌルじゃない!甲冑や、武器などのガチャガチャとした重み!ドラゴン殺しの重さを表現出来るのか?
なんかゾット戦もイマイチだったし…剣風伝記の方が良かったと思うぐらい…腕を切り落とさなかったのは良かったけど
作画は良い出来だからこそ、CGとの差が顕著に出てる。

声はやっぱ、ちょい違和感。
特にコルカス違和感あり過ぎ。
グリフィスもカリスマ感が薄れた感じ。悪くは無いんだけど。
リッケルトの「デーモン」はもうちょっと、貯めて言うべきセリフ。おかしすぎ。

あと、ココでこのセリフ持ってくる⁇って所が何ヶ所かあったかな。

カットされているシーンが…重要なの多過ぎ!
ゾットにヤられたディノスが出てくるシーン、アドニスとユリウスの稽古をガッツが見ているシーン、初陣とグリフィスとの水掛けが無いのは個人的には×!
尺の問題もあるけど、ガッツの過去が全くと言っていいほど絡まないって、どうなの??
ガッツのキャラペラペラじゃん!

コルカス達vsガッツ、キャスカのボウガンや、一騎駆けとか、ユリウス、アドニス殺害とか良いシーンもあったけど、ベルセルクファンとしてはもうちょっと愛を持って作って欲しかったかな~

このCGだと蝕が不安…
あの絶望を表現出来るのか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダークファンタジーの歴史は塗り替えられる たった今、この映画のもとに―――!!!

ベルセルクという漫画の作者であられる三浦建太郎先生は、オイラがヨチヨチ歩きの赤ん坊だった頃から漫画家をやっているらしい
だけど連載開始から20年以上経った今もこのベルセルクしか代表作が無い上に、未だに完結の兆しが見えてこないw
三浦健太郎という一人の男がその半生を掛けて描くという実に壮大な大河ダークファンタジー、それがベルセルクですw


さて今作はその一大ベルセルクサーガの礎となった【黄金時代篇】という部分をピックアップ
すでにテレビアニメになってましたがあっちとはスタッフもキャストも総入れ替え、あっちも良く出来てましたけどコッチは規制とかカンケーnothingなので、よりヤリタイ放題に(笑)


唯一に同じなのはタイトルバックに使われているテーマ曲がちゃんと平沢唯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃ、なかったw平沢進さんだって事ぐらいw
いまびん監督といい、なんやかんやでアニメに引っ張りダコですよね、あのお方は


今回の黄金時代篇の3部作が上手くいった暁にはその後のシリーズも映画化するよぉたぶん~?とのことw
いやw日本人がスルーしても世界がほっとかないので安心しますよwええまあwww


んで、結論を言うと【めちゃくちゃ面白いですよ!】
いやなんかもう当たり前に面白すぎてw
血生臭いのとかマッパの女体とかに免疫の無い方以外は是非に見てやってください
満足感も次章への引き具合も素晴らしい限り


画面的にはもうなんかアップのカット以外は片っ端からCGなんですけど逆にそれがいいのよw
割り切った感じがね
でもでもー、細かく見ると鎧姿の体はCGなのに表情を作る顔だけは2D作画だったりして芸が細かい!


昨今横行する3DCGの映画たちとは一線を画す、日本のアニメタよってに培われてきた2D作画の魅力を融合させた【ハイブリットアニメーション】がしゅごい!(@∀@)
トゥーンシェードもここまでキタか!遂に!!


西洋剣術の師範代がモーションキャプチャーの指導を行うなど、戦闘シーンの剣さばきも漫画では絶対に味わえない映画ならではの迫力!


来週辺りドラゴンエイジとか見に行くつもりでしたけど、もうコレ見ちゃうとこの上は無いだろう?って気分になっちゃいやした^q^


説明不足?はてさて、続きや詳細が見たけりゃ次の章も、またその次の章も見て、ベルセルクサーガ盛り上げにゃか!


個人的に「一部例外を除けばアニメでファンタジーはハズレる」って勝手なジンクスがあるんですがw
もうその心配とか全然無いのね~
次章も楽しみです!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

70.6 4 戦いで戦争なアニメランキング4位
銀河英雄伝説 わが征くは星の大海(アニメ映画)

1988年2月1日
★★★★☆ 4.0 (135)
609人が棚に入れました
常勝の天才ラインハルトと、不敗の魔術師ヤンの初対決である第4次ティアマト会戦を中心に展開する。遙か未来において、銀河系に進出した人類は銀河帝国と自由惑星同盟という2つの陣営に分かれ、約150年間という長きに渡って戦争を繰り返していた。宇宙歴795年、帝国軍の若き大将、19歳のラインハルト・フォン・ミューゼルは、遠征艦隊を率いて自由惑星同盟との戦いに向かっていた。

声優・キャラクター
堀川りょう、広中雅志、富山敬、井上和彦、森功至、若本規夫、柴田秀勝、屋良有作

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

本編の前にこちらから

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

二人の英雄の出会いと戦いの物語。
初心者にもとっつきやすい作りで、綺麗にまとめられている。一部他の作品とかぶるところもあるが、元々同じ物語を分割し、別のものとして出しているのだからそれも道理。

登場人物としては(有名どころだけ)

ラインハルト・フォンミューゼル
ジークフリート・キルヒアイス
ウォルフガング・ミッターマイヤー
オスカー・フォン・ロイエンタール
パウル・フォン・オーベルシュタイン
メックリンガー
シュタインメッツ
グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー
フレーゲル男爵

ラザール・ロボス
パエッタ
ヤン・ウェンリー
ダスティ・アッテンボロー
フレデリカ・グリーンヒル
ドワイト・グリーンヒル
コーネフ
ヨブ・トリューニフト

まだ若く、双方ともに軍隊という組織内で恵まれない立場にあるものの、鋭い洞察眼と意見で話を盛り上げる。

ただし、今回は主にラインハルトを主軸としており、ヤン・ウェンリーの活躍を期待していた人には不満が残るだろう。

スペースオペラの傑作だが、スペースオペラというより、スペースクラッシックと評したほうが正しい。

製作された年数が古いため、やはり画像の粗さを感じるものの、今でも十分鑑賞にたえられる重厚な作りだ。

番外だが、まずは本編の前にこちらから見てもそう悪いことではない。

よく聞くと、ラインハルトの声が本編よりも低く抑えられているのと、「終わらせるよ」という彼らしくない台詞が入っていた。まだ全体像ができあがっていなかったのだろうか。

追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

二人の英雄の戦いが 今ここに始まる・・・

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
⇒(10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

この物語は、「第四次ティアマト会戦」が描かれています。
この作品が航海されたのが1988年2月で、先に視聴した「黄金の翼」の航海が1992年12月・・・
こちらの方が古い作品という事になりますが、両者を比較しても古さは感じられません。
むしろ、「黄金の翼」はキャラデザが異なり声優さんも総入れ替えとなっていましたが、こちらはこれまでの外伝の流れをそのまま踏襲しているので、より入りやすいと思います。

この会戦をラインハルトは大将で、ヤンは准将で臨む事になりました。ラインハルトはようやく一個艦隊を指揮できるようになっていましたが、ヤンは准将なので戦略を具申しても聞き入れてもらえないのが実態でした。

それにしても・・・新進気鋭の若手が疎まれるのは世の中の風潮なのでしょうか・・・^^;?
確かに異端に見えるのかもしれません・・・でもそれは、物差しの尺度が自分を基準にしているからにほかなりません。
異端に見える・・・という事は、逆に自分より優秀である事を認めてしまっている事だと思えて仕方ありません。

「年功序列」最近はあまり耳にしなくなりましたが、未だこの体勢が根強く残っている企業があるのかもしれません。
もしそうだとすると・・・残念に思えます。何故なら若手がどんなに頑張っても、どんなに成果を上げても会社はそれを評価しないという事ですから・・・
これでは若手のモチベーションが上がらないのも当然です。

頑張ったら頑張った分だけ評価され昇進にも反映される・・・この成果主義が企業の発展には一番だと思います。同期で差が付くかもしれない・・・先輩後輩の関係が逆転するかもしれない・・・でも、その人より自分はどれだけ頑張って成果を上げたのか・・・胸に手を当てて考えてみれば答えは自ずと出てくると思います・・・

150年もの間・・・300回もの戦争を重ねてきた理由がこの風潮にあるような気がします。
従来の考え方や実績にばかり固執し、新しい風を取り込もうとしない・・・
従来や実績を軽んじている訳ではありませんが、それだけだと進歩がありません。
「研究開発をしない企業は衰退する」という事を聞いた事がありますが、新技術や新規分野の開拓が企業にとって不可欠であるように、帝国軍や同盟軍にも同じ事が言えるのだと思います。

「第四次ティアマト会戦」では、従来の考えや実績に固執した顛末が描かれているので、気になる方は是非本編を視聴頂きたいと思います。

帝国軍と同盟軍のどちらも膠着した戦いをどう動かすのか・・・これがポイントになってくる訳ですが、この状態を打開したのがラインハルトとヤンだったんです。
でも立場上、ヤンの才覚は片鱗しか見る事ができません。それでもラインハルトにとっては十分過ぎる情報でした。

この「第四次ティアマト会戦」は、ラインハルトとヤンがお互いの存在を強く意識した戦いでもあったのです。
きっと「常勝」vs「不敗」の英雄の戦いがここから始まるんだ・・・と思うとドキドキです^^

約60分の作品でした。ここまでの道のりは正直短くはありませんでしたが、時間をかけた分の見返りは十二分にあったと思います。
ここまで視聴してきて思ったのは、少なくても外伝においてはラインハルトが主役でヤンが準主役であるという事です。物語が明らかにラインハルト寄りに描かれています。
宇宙船同士の戦いでも同盟軍の船が沈んでいくシーンの方が明らかに多かったですから・・・^^;
次は最後のOVAとなる「汚名」を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良く出来ている!

1988年上映作。
にしては絵が現在でも見れる。ただしセル画にゴミが付いていたのかそれが気になる。

20年以上前の作品だが現在でも充分満足できるストーリー。
良く考えて出来ていると関心!
ただ、話の都合上、え??というシーンはあったが。それが無いと収拾つかないからしょうがないけど。

なるほど!高評価なの納得。全話観たくなった(^^)
ただ話数多くて大変そうだから観てるアニメ切れたときゆっくりと・・・

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

66.6 5 戦いで戦争なアニメランキング5位
ドラえもん のび太の海底鬼岩城(アニメ映画)

1983年3月12日
★★★★☆ 3.6 (97)
552人が棚に入れました
春休み。ドラえもんやのび太、スネ夫、ジャイアン、しずかたちは太平洋海底でキャンプをすることにした。一行は楽しい第一日目を過ごすが、翌日から五人は謎の世界に引き込まれていく。

めたぼん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

風刺のきいた作品

僕がまだ小さい頃はバミューダトライアングルという言葉は割と世界の七不思議みたいな感じで有名だったんですが今はどうなんでしょう?

結果的にこの作品は東西冷戦と核抑止力論に対する痛烈な批判になっていると思います。でもそれはあくまで結果であってそんな背景を全く考えなくてもエンターテイメントとして十分楽しめます。(当然ですが、僕も子供のころはそんなこと考えていませんでしたから。笑)

ただ全体的に暗い雰囲気であることから公開当時は子供たちにあまり人気が出ず、興行的には振るわなかったようです。

主題歌を岩渕まことさんが担当した最後の回です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

ちあき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

怖かった(思い出補正)

子供の頃何度も観ていたドラえもんの長編アニメ映画。
その中でも本作の印象は「怖い」でした。
恐らく、「戦争」「冷戦」といったテーマが奥底にはあるのだと思います。
武器って人の恐怖心の表れなのかもしれませんね。

大人になって観るとやはり思い出補正されているのは否めません。が、子供と一緒に楽しめる作品です。

またドラえもんのアニメ映画では、武田鉄矢氏が手掛ける歌がとても印象的で、作品の良さを更に引き立ててくれます。本作は「海はぼくらと」

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

愛の特攻

シリーズ4作目。
{netabare}
夏休みに2泊3日のキャンプを計画する一同、皆が海か山かで言い争う中、どちらも楽しめるという理由で海底を提案するドラえもん。
海底にてドキドキキャンプライフを楽しむのび太たちではあったが、その道中で海底人と出会い、地球を救う戦いに身を投じていくという展開。

設定が結構凝っていて、バミューダトライアングルやアトランティス、ムー大陸など、いわゆる都市伝説的な設定を絡めつつ、壮大なスケールを持たせた海底人の歴史が作品に緊張感とワクワクを与えている。

そして今回は何と言っても冒頭から登場する、人工知能を搭載したバギーちゃんの魅力にあふれてた作品だった。
何故か臆病で口が悪く、ドラえもんからも嫌われるしまいだが、心優しいしずかちゃんとの絆が描かれている。

今回は敵が強大で、スリルも大きく、見せ場も多い。
カメレオン帽子によるバリアすり抜けや、しずかちゃん決死の囮作戦、そして全員が捕まり絶体絶命からのバギーちゃん特攻は語り継ぐべき名シーンだ。しずかちゃんの涙にこたえて自ら四次元ポケットから出ていくバギーちゃんの勇姿に感動必至である。

初期作品の中ではかなりクオリティが高い作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

69.6 6 戦いで戦争なアニメランキング6位
さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち(アニメ映画)

1978年8月5日
★★★★☆ 3.9 (60)
294人が棚に入れました
ガミラスの侵略を退けてから1年後の西暦2201年、白色彗星帝国が宇宙の各惑星にその侵略の手を伸ばしていた。地球は復興をほぼ終え、都市は活気づき平和に満ちていた。古代進も護衛艦艦長として輸送補給船団に同行していたが、偶然、発信源不明のメッセージを受信する。そのメッセージは、救いを求めるような女性の声であった。かつてのヤマト乗組員たちは、危機の正体を突き止めるためにヤマトを発進させる。テレザート星に到着した古代たちは、メッセージの発信者であったテレサを救出する。テレサは、白色彗星帝国が宇宙の星々を次々と侵略しており、次に狙っているのが地球であることを告げる。白色彗星帝国は地球に迫り、最新鋭戦艦アンドロメダを旗艦とした地球艦隊を全滅させる。ヤマトは白色彗星の渦の中心核に波動砲を打ち込む。彗星は火の玉となって炎上するが、その中から巨大な要塞、都市帝国が出現する。

声優・キャラクター
富山敬、一龍斎春水、納谷悟朗、仲村秀生、青野武、野村信次、安原義人、神谷明、林一夫、永井一郎、緒方賢一、木村幌、ささきいさお、伊武雅刀、梶哲也、峰恵研、小林修、小宮和枝、大塚周夫、阪脩、村越伊知郎、曽我部和恭、富田耕生、市川治、矢田耕司、上田みゆき、広川太一郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

断固、こちらが正史(笑)!

とりあえずリメイク作品にあたる『宇宙戦艦ヤマト2022 愛の戦士たち』も始まった(2017年現在)ことですし、旧作にあたる本作品について触れておきます。

TVシリーズの総集編だった劇場版『宇宙戦艦ヤマト』のヒットを受けて、完全オリジナルストーリーとして作成された劇場版ヤマト第2弾です。

ストーリーとしては、ガミラスとの戦いを描いたTVシリーズおよびその総集編だった劇場版第1作の直接の続編となります。とりあえず本作を観るならどちらかは観ておいた方が良いでしょう。ただ、新作『宇宙戦艦ヤマト2199』を観ていたらどっちも観ていなくても大丈夫だとは思います。

あらすじに関してはあにこれの「あらすじ」にまとまっている内容でだいたい問題ありません。ということで敵は白色彗星帝国です。親玉のズォーダー大帝は眉毛と髪の毛がつながった面白い顔をしていますが、メチャメチャ傲慢でおっかないです。

旧作のヤマトシリーズの特長の一つとして作曲に宮川泰(みやがわ やすし)を起用している点が挙げられると思いますが、そのおかげで楽曲面ではとても聞きどころのある作品になっています。

本作品では彗星帝国側のメインテーマというべき『白色彗星』という基本曲があって、この主旋律のアレンジがTVアニメ版の『宇宙戦艦ヤマト2』の戦闘場面でBGMとして使用されています。どちらもめっちゃカッコいい曲です。

それと地球防衛軍側の旗艦アンドロメダの名を冠する『新造戦艦アンドロメダ』も名曲ですね。

さて、タイトルに掲げた件ですが、本作を元にして映画公開翌年にTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』が放送されています。

「さらば~」と「ヤマト2」は基本ストーリーは同じなのですが、ラストが大きく異なっています。まあこの違いについては多くの方がご存知だと思うのですが、「さらば~」の時間軸だとその後の続編に話がつながりません。

以後の続編は「ヤマト2」の続編ということになります。しかし個人的にはヤマトは「さらば~」で終わっておけ、という気持ちでいっぱいです。

反物質に関するあたりとかSF考証的にはグダグダで、観ていた当時にもツッコんでいた記憶はありますがストーリー的にはまあまあ面白かったです。

…しかしヤマトでも既に痛い目を見ているのに、新造戦艦のアンドロメダでも艦底を防御できる武装がないのは納得がいかない(笑)。
(↑ものすごくどうでもいい…。)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今の人が観て泣けるかどうかはアレですが

私ら昭和世代のオッサンには宇宙戦艦ヤマトってのは避けて通れない作品ですんで、誰にも読まれなくても一応敬意を表してレビュー書きます。

 松本零士という人は置いといて、アニメとしての宇宙戦艦ヤマトとしてはコレが一番泣けますわね。というか今風に言うと鬱ですわねw
勿論一作目もとてもイイですが、コレ観た後のドッとくる疲労感。
まぁ話を終焉に向かわせるために登場人物を尽く殺してるとも言えるかもしれませんが、子供時分にコレ見せられた日にゃタマランですよ。
どうも松本零士はコレに関しては原作者として否定的らしいですけど、畳みかけるような絶望感はオッサンになった今でもグッと来るんすよねぇ。
 んでラストの沢田研二の歌ですよ。

ん~昭和w
でも2199みたいなリメイクすれば別でしょうが、いい作品沢山見てる今の世代じゃコレでは泣けないかもですね。
特攻賛美って見方しちゃうとちと冷めちゃうかもしれませんが、ザ・コクピットの"音速雷撃隊"で泣ける人ならこの映画も最良の御馳走で御座います(汗)

ホント、これで終わりにしとけばよかったのにね~(汗)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大ヒットが作品の運命を狂わせる

1978年公開:最後のメッセージを信じ、涙を流したあの頃

初代のヒットを受けて作られた『完結編』。
この映画の公開時、最後にこんなメッセージが表示されていました。
『ヤマトを愛して下さった皆さん さようなら もう二度と姿を現すことはありません』
私はストーリーよりもこのメッセージに泣いた子供でした。
ところがわずか2カ月後に始まったテレビアニメ『ヤマト2』でその純粋な気持ちは裏切られることにw
しかしこの作品、何回見ても同じ事を思います。
『ズォーダーって馬鹿なのか?』
もうちょっと真面目にやってればあっという間に地球侵略など終わっていただろうに・・・。
だいたい参謀にいかにも無能そうなサーベラー辺りを置いている時点で酔狂な人なのかもしれません。
あ、だから全宇宙征服なんてことを考えるのか・・・。
私的にこの作品の一番の見所はアンドロメダのカッコ良さです。
活躍度を考えると無駄にカッコイイ戦艦といえなくもありませんがw
ちなみに『ヤマト2』での方が活躍します。
そして私にとって『ヤマト2』の存在価値はそれだけ。
とにかく『さらば・・・』の超絶大ヒットによってヤマトという作品は、
この後負のスパイラルへと入っていったのです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6

67.6 7 戦いで戦争なアニメランキング7位
GODZILLA 星を喰う者(アニメ映画)

2018年11月9日
★★★★☆ 3.7 (54)
218人が棚に入れました
アニメーション映画『GODZILLA』(通称:アニゴジ)がついに最終章を迎える。

二万年後の地球で繰り広げられた、<ゴジラ>とそれに抗う人類の物語。最終章『星を喰う者』では、超科学が生み出した<メカゴジラシティ>をも焼き尽くし、地上の覇者となった究極の生命<ゴジラ・アース>と高次元怪獣<ギドラ>が相まみえる。

『アニゴジ』の誕生は2017年。これにより『ゴジラ』は新たな領域へ足を踏み入れた。同年11月公開の第一章『GODZILLA 怪獣惑星』はゴジラ映画史上初の3DCGアニメーション作品であり、その映像体験は大きな驚きと称賛をもって迎えられ、第二章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』は、アニメーションならではの<メカゴジラ>の新解釈で観客を圧倒した。

そして最終章では、虚空の神<ギドラ>と破壊の王<ゴジラ>がついに激突。戦いの果てに待つのは、人類への啓示か。

監督は、昨年公開の劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』で邦画年間興行収入ランキング1位を獲得し、確かな演出力を遺憾なく発揮する静野孔文と3DCGの第一線で培われた手腕を『シドニアの騎士 第九惑星戦役』、『亜人』、『BLAME!』で磨きあげ、余すことなくその魅力をフィルムに焼きつける瀬下寛之が務め、両者の最高のコンビネーションは最終章でも見事に発揮されている。ストーリー原案・脚本は、『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』などで知られる虚淵玄が担当。観る者全てを出し抜く突破力抜群のアイデアに今作でも驚かされるのは間違いない。

制作は米国エミー賞最優秀賞(デイタイム・エミー賞アニメーション番組特別部門最優秀賞)を4度受賞を果たし、直近では「スター・ウォーズ」シリーズの最新アニメーション作品「Star Wars: Resistance」を手掛けるなど、国内外から高い評価を得ている3DCGスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズ。


声優・キャラクター
宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜、杉田智和、梶裕貴、小野大輔、堀内賢雄、中井和哉、山路和弘、上田麗奈、小澤亜李、早見沙織、鈴村健一
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ゴジラ』が食い散らかしたテーマをSFとして総括した力作。

人類&ビルサルド&エクシフの三種族共同戦線が、
怪獣化した地球の奪還を目指してゴジラに戦いを挑む“アニゴジ”三部作の最終章。

昨今の世界における怪獣映画の再興については、
童心に戻って怪獣を楽しむ気持ち半分、斜に見る気持ち半分。
そんな捻くれた私にとっては、『ゴジラ』映画が繰り広げて来たお祭りの中で、
怪獣とは?怪獣退治とは?ゴジラに通用するのは科学か?伝承か?人類はどうあるべきか?
等々、整理されぬまま散乱したテーマを、硬派なSFの枠組みで、
角度を変えて諸要素を考察したりして、再構築を試みた本劇場版シリーズは、
有意義な思索に耽ることができた刺激的なSF映画鑑賞でした。

最終章はバトルそっちのけで時に心象世界も交えた
哲学的な問答が応酬される場面が特に多かったのですが、
私は食い入るように見入ってしまいました。


ただ、やはり明快な怪獣映画として観るのは全くオススメできません。
だって三部作通じて例えば……
{netabare}ビル群や名所を破壊するゴジラの勇姿が観たい。
都市じゃない二足歩行のメカゴジラが観たい。
この世界の物理法則に則った、首だけじゃなく、ちゃんと胴体もあるキングギドラが観たい。{/netabare}
こんな『ゴジラ』ファンとして求めて当たり前の権利すらSFに蹂躙されるw

第一部・人類の知恵と勇気、第二部・マッドな狂気を含んだ科学と
ゴジラに立て続けにぶつけて、
特に第三部に至っては、カルトな狂信を含んだ宗教が出張って来るわけです。

私としては、カルトじみた宗教の描き方にしても、
人類文明が説明できない現象をカルトと断じるのは、
人類がその現象を理解できるレベルにないからである。
さらに進歩した文明は神への信仰による奇跡をも数学的に説明できる。
などとキチンとSF設定として組み上げられており、
それらを骨組みにして具現化した脅威(即ち{netabare}ギドラ{/netabare})には、
背筋が凍る迫力を感じました。

けれどSFに興味ない方にとっては、怪獣プロレス見物に胸躍らせて劇場に足を運んだら、
怪しげな宗教勧誘ビデオを見せられたwといった感じでトラウマにすらなりかねないので、
鑑賞の際は、自らの視聴動機と本SF映画との
折り合いの目処を立てて行くのが必須だと思います。


本三部作を展開した時期も尚早だと感じました。
例えば、魔法少女が消費し尽くされ、ブームも底を打った所へ、
諸要素を逆さに見たり、SFも交えて再構築してみたりすれば、
それはブレークスルーになり得ます。

が、『ゴジラ』の場合は、2014年に二度目のハリウッドリメイクが成功し、
2016年に日本で『シン・ゴジラ』の大ヒットがあって、
2019年公開予定のハリウッド版続編『~キング・オブ・モンスターズ』と
再興した怪獣映画の収穫期へと向かう上り坂の途上。

そこでゴジラの周辺に転がった諸々のテーマをSFとして冷静に振り返っても、
ゴジラに熱狂していく人々にとっては水を差されかねないタイミング。
私も怪獣バトル要素が悉くお預けにされて、
これは興行的には上映前に予告編が打たれた『~キング・オブ・モンスターズ』が
全部持って行くパターンかな?と苦笑してみたりw


とは言え、再興した『ゴジラ』ブームもやがて踊り場に至り下り坂に向かうでしょう。
パーティーの後で、取り残された人々の耳元に、
実はこんな渋いSFゴジラもあるんですよ♪と囁いてみる。
本作はそう言うポジションの映画だと感じますw

だから私としては本作を良作SFとして評価し語り継ぎつつ、
来たるべき終焉の時を待ちたいと思いますw
(但し怪獣映画ファンの端くれとしては、ブームの終わりは勿論来て欲しくないので、複雑な心境ですw)


以下、一部、時事ネタや私見も交えたキワドい感想&考察長文。

{netabare}人類文明の過ちが怪獣を生んだのではない。
そもそも人類は怪獣を生み出すための前座に過ぎなかったのではないか?

冒頭から虚淵玄氏&ニトロプラスとその一味による
逆からテーマを再構築する伝統の捻り技に脳汁を分泌させられた最終章。

前作で提示された決して倒せないからこそ怪獣という視点も交えつつ、
加速するSF設定はやがて、文明とは興隆と栄華の果てに
怪獣を生み出し滅び去ると言う宇宙観に到達。
主人公は無敵のゴジラとの死闘に加え、
エクシフの信仰や宇宙観から滅びの運命を受け入れ、心地よい終焉を迎えるよう迫られ、
心身共に過酷な状況に追い込まれる。
次第に、主人公はゴジラ相手に単純な勝ち負けとは異なる道。
敗北する運命との向き合い方等を自問するようになり……。


世界にとって普遍的な文明論を投げかける一連の流れの中で、
私が異彩を感じたのは、主人公とエクシフの司教が心象世界で対峙する中で、
やがて破滅する運命にある文明のイメージとして、
“ヒロシマ”や“ナガサキ”を連想させる入り組んだ島国と思しき地形に炸裂する
原子爆弾のキノコ雲と言う、ローカルな題材が提示されたこと。

日本人にとっては“ヒロシマ”や“ナガサキ”は確かに進化し過ぎた文明がもたらす
悪夢や破滅の代表的なイメージです。
ところが世界にとっては、ある人は“ヒロシマ”や“ナガサキ”の悲劇の詳細なども知らなかったり、
原爆など大きな爆弾程度の認識だったり……。
さらに一部の戦勝国(と思っている方々も含む)にとっては、かのキノコ雲、
特に日本に上がったそれは勝利確定や解放の祝砲だったりもします。
先日も、キノコ雲に抱くイメージの相違に起因する騒動が持ち上がったばかり……。

さらに本作はエクシフの司教への抵抗として、
モスラがエノラ・ゲイと思しき重爆撃機を撃墜する、
一部米軍遺族等にとっては噴飯物?のイメージも展開。

そして葛藤の末、披露されたラストの、
美化された特攻映画の如き?ゴジラへの単機突撃。

こんなローカルな日本のネタや思考法で、
普遍的なテーマをNetflixを通じて世界へ発信しても、
一体どれ位の方が理解してくれるだろう?と訝しんでいた私ですが、
やがて『ゴジラ』は日本のローカルな土壌から生まれた作品だと、
スタッフは暗に主張したかったのでは?との仮説も芽生えて来ました。


そこで私が思い出すのは初代『ゴジラ』
水爆実験による第五福竜丸・被爆事故から着想を得たという製作エピソードの流布により、
進歩した人類科学文明による環境破壊への怒りを具現化した
反核怪獣映画とのイメージが一般化している初代『ゴジラ』

ですが私がもう一つ重視するのは昭和二十九年という製作・公開年代。
米軍の焼夷弾により東京が焼け野原と化してから間もなく十年。
東京の街を眺めると一見綺麗で、戦後復興も順調に進んでいるように見える。
けれど敗戦の記憶は未だ人々の心に燻り続けている。

どうにか心の荒廃をなだめて、取り繕った東京の街並みが、
ゴジラによって再び破壊され火の海となる惨劇。
展開される地獄絵図はまさに十年前の大空襲の再来!?

これはもう日本人は敗北や喪失に対して狂気するか、達観するか、墜ちるか。
もはや悟りでも開くしかない、いたたまれない心境。

この敗北感の二段重ねもある点こそが、
私が未だに『ゴジラ』映画は初代が原点にして頂点と信じる理由の一つ。

当時鑑賞した900万人超の日本人がゴジラに抱いた原点の絶望感を説明し切るには、
敗北を重ね、追い打ちをかけられたと言う、
二次大戦での敗戦経験も含めた日本人のローカルな心情の表現が欠かせないのではないか?

こうした視点に立った場合、
一度ゴジラに敗れて地球を追われた人類が再戦を挑んでは跳ね返される。
という敗北を重ねる基本設定の上に、
敗れ続ける人々の心境を日本人特有の?敗北感や死生観も交えて、
ラストに向けて最大化させていく構成は、
これも、ある意味、『ゴジラ』の原点をリスペクトして
世界に向けて誤解や白眼視も恐れず発信した、
勇気ある試みだったと私は受け止めています。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 25

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

あっけない幕切れ

このアニメ映画は、ゴジラシリーズで初の長編アニメーション映画
として制作された作品である。ちなみに、このアニメ映画は3部構成と
なっており、今作はその三作目にあたる。
地味に、専門用語が多いので、それの事前知識を踏まえたうえで
視聴したほうが、比較的スムーズに理解しやすいと思われる。

前作のラストから続いているので、あらすじは省かせていただく。

全体を通した感想だが、今までの2作を全て台無しにしている
としか思えない中々酷い出来だった。ゴジラよりも人間に焦点を
当てていることはひしひしと伝わってきたのだが、
結果として悪い方向へ進んでいったようにしか思えなかった。

良かったところを挙げるとするならば、ギドラのデザイン位だろうか。
かなりスタイリッシュなイメージがあるが、ゴジラアニメにおいては
これで正解だったと言える。

前作よりも明らかに、ゴジラの出番は少なくなっていた。
怪獣バトル要素はほぼ皆無といっていい。一応、戦闘シーン
は用意されているが、非常に味気なく、見所は一切ないので
睡眠時間に利用する視聴者が続出しても不思議ではない。

私自身劇場で見てはいないが、仮に隣の席に座っていたおじさんが
爆睡をしていたとしてもサイレン並みにうるさいいびきを
かいていない限りは起こすことはしないだろう。

なんせ、ギドラに至っては、ただゴジラの体に巻き付いている
だけなのだ。ゴジラvsビオランテでも似たようなシーンが
あったが、特に違和感なく視聴でき作品に没頭することが出来た。
今作のギドラ戦においては何の感情もわいてこない。
任天堂のゲーム、ポケットモンスターに登場するウツボット
による巻き付きの方がよっぽど怖いように見えるのは私だけだろうか。

(一応)痛そうな雰囲気は伝わってくるが、見方を変えれば
マッサージをしているようにも見えるので、誤解を招く
可能性もある。ギドラがゴジラへ向けて、直接光線を放てば
その点は払拭されるのだが、その辺りは議論しなかったのだろうか。
予算が足りなかったという事でいいのかな?

人間ドラマに関してだが、魅力的なキャラクターがいない上に
掘り下げが全くと言っていいほどされていないため、没頭するのは
困難を極めた。そもそも、冒頭から眠気を誘われる会話が
延々と続くので、人によっては眠眠打破などといった
眠気覚ましドリンクを常備する必要が出てくる。

前作では割と好印象だった主人公だが、今作はそこまで惹かれる
ものがない。最後のシーンも共感しづらいものがあったし。
終始コメディアンを貫くことは難しかったから、あの判断
を下したのかな?と自らを納得させることにした。
要は只のこじつけである。

今後も、虚淵氏脚本のゴジラ映画を作る予定はあるのだろうか?
もし上層部内に一人でもその気があるのなら、止めたほうが良い
とだけ告げておく。
この様な作風を求めているゴジラファンは、相当限られている上に
二度も同じ手が通用するとは到底思えないからだ。
一定のファンはつくだろうが、今まで以上に酷評が
溢れかえるリスクの方が高い。

そうなった時どのような対処をするのか、興味本位で見て
みたくはあるが、今後のゴジラ作品に悪影響を及ぼす
可能性がある。ここで手を引くのが賢明な判断だろう。
虚淵ゴジラはこれっきりにしてもらいたいというのが私からの想いだ。

良くも悪くも虚淵色が非常に強いゴジラアニメとなっているため、
虚淵ファン以外は観ないことを推奨する。
今までのゴジラアニメを心の底から楽しんでいる人なら
特に問題なく見れる作品だと考えている。
私からは無理に勧めない。

先にゴジラキングオブモンスターズを見たのでそっちの感想も。
2014版のゴジラよりも明確なバトルシーンが増え、臨場感ある
仕上がりとなっていた。当然のことながら、こっちのギドラは
光線をきちんと吐いてくれるので戦闘面で
退屈することはなかったように思う。初代のオマージュとも
いえるシーンが挿入されているのも大きなポイントとなる。
やはりゴジラはこうでなくちゃ。

冷静に思い返せば、ストーリーは少しばかしおかしなところがあったが、
それを差し引いても心の底から楽しめるゴジラ映画であった。
機会があればまた一度視聴してみたいものである。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

召喚するか、ドアを開けるか

NETFLIX世界配信。
ポリゴンピクチュアズ制作。
静野・瀬下監督、脚本虚淵玄。

シリーズ最終章。
総評としては怪獣映画ではなく、
未知の巨大生物に挑むサイエンスフィクション。
宗教・哲学・科学を交え人類の苦闘が、
称賛すべき映像と共に描かれています。

物語の軸は一貫して「生命論」であり、
この点に於いては一定の評価をしたいのですが、
最終章だけに、論説ばかりが先行して、
スペクタクルな活劇としては物足りないです。
{netabare}ギドラ・モスラ、ほとんど見せ場がない。{/netabare}
やはり娯楽怪獣映画としては厳しいでしょうか。

人類は興味深い観察対象であり、
ゴジラという究極の生命体の前座である。
{netabare}驚くべき進化、生命力で人類史を蹂躙する。
エクシフが仕掛ける、人類史への功名な罠が、
神と崇める、高次元怪獣ギドラを召喚させる。{/netabare}
ゴジラとは人類の傲慢さへの「罰」なのでしょう。

撃退するのか、全滅するのか、
力強くも悲劇的なメッセージと共に、
金色の終焉の翼は天高く舞い上がるのです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 24

73.6 8 戦いで戦争なアニメランキング8位
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 4.0 (50)
210人が棚に入れました
マクロスΔの完全新作。

歌うことは生きること。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

なぜ、このような結末にしてしまったのか…

以下はあくまでも個人の意見です。

正直な話、マクロスΔの監督は、今までのマクロスシリーズの主張、守るべき大切なものを忘れているような気がします。

テレビ版もそうでしたが、劇場版では取り返しのつかない結末になってしまいました。

確かに戦闘シーンは迫力があり、歌も素晴らしいし音響効果も抜群です。
でも、最も大切なものを2つも捨ててしまっている。
それが何かすら、監督さんは気づいていないような気がします。

一つ目は、歌の力で戦いを終わらせることと歌の力で戦いに勝つことには、雲泥の差があります。そのことを忘れられたようです。
ミンメイもバサラもランカもシェリルも、歌の力で戦いを終わらせたのです。戦いに勝ったのではありません。相手を力でねじ伏せたのでなく、相手と理解し合えたのです。

二つ目は命の大切さです。歌うことで寿命が短くなるなんてマクロスシリーズの趣旨に反しています。

仮にマクロス7のバサラが登場して、歌の力でフレイヤに生きる力を与えたならば…
と、つくづく思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9
ネタバレ

石ころ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

油断して観たら、痛い目にあった...

同時上映の短編マクロスFの新作目当てで、合わせて観ました。正直Δの方にはあまり期待していませんでしたが、いい意味で裏切りられました。

詳述は避けますが、マクロスシリーズの肝とも呼べるストーリを占める柱は、歌、戦闘、そして三角関係という認識で、私はシリーズを通して視聴していました。テレビ版Δが公開されたとき、三角関係が薄まってると思って三本柱の一本が揺らいだと思って、やや残念に思っていました。

今回の劇場版視聴後、シリーズの三本柱と思っていた「三角関係」の要素は誤りで、歌、戦闘、そして「{netabare}悲恋{/netabare}」が本当の柱なのではと、思わずにはいられませんでした。今一度、この要素の視点でもって、シリーズを改めて視聴し直したいと思った次第です。河森監督、そして劇場版Δに携わった方々に、気付きをいただけたこと、素晴らしい作品に仕上げ公開していただいたこと、深く御礼申し上げます。心を入れ替えて出直してきたいと思います。

追記:マクロスプラス、7、そして若干Fの要素も、劇場版では含まれています。併せて視聴すればより楽しめると思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ごりごり、燃えた 燃え尽きたんよー

 マクロスΔの続きで、ハヤテやワルキューレら共に故郷に帰ったフレイヤだったです。
 突然の奇襲に立ち向かうワルキューレ、Δ小隊、特にフレイヤが命を賭けて歌うお話です。再び愛の告白、マクロスファン必見驚きのサプライズキャラ登場もあったです。

 以前の「劇場版マクロスΔ 劇場のワルキューレ」は、TV放送のアレンジ構成で少し話をラストも含め変えていたです。今回は完全新作、ワルキューレの歌が目立ちすぎる前回とは違い、フレイヤを軸にハヤテ、美雲、カナメ、レイナ、マキナ、ミラージュなどの絡み、以前明かされた謎を盛り込んだ作りになっていたです。

 フレイヤの里帰りも含めライブを行ったウィンダミアで、一体何が起こるのか?突然の出来事に話は、盛り上がりを見せるです。
 戦いのさなかに、全力を出すフレイヤに一体何が起きるのか?注目です。フレイヤを思うハヤテであったり、美雲であったりとどうなるのかなぁと思ったです。ワルキューレそのものの存在意義も見た気がしたです。

 敵の正体、目的、対抗戦力も何なのかな?設定だったです。「マクロス+」の要素を取り入れたΔならではな、演出も施されていたです。

 自分の身を顧みないフレイヤの決断、その先に何がおころのだろうか?衝撃の展開へと進むのです。人間にしかわからないともいうべき、歌の力を見せたと思うです。以前の戦いの終わった直後、地球人とウインダミアの間で互い全てを受け入れられなかった面も見れた流れで、一つにまとめることができたように見えたです。

 ED後のシーンは、ハヤテたちが受け入れた展開の中で残された希望のように、ハヤテと新たな命を見せたように思えたです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

計測不能 9 戦いで戦争なアニメランキング9位
扉を開けて(アニメ映画)

1986年11月1日
★★★★☆ 3.4 (7)
46人が棚に入れました
 斬新な文体でSF界に革命をもたらした新井素子の同名小説を原作にしたヒロイックファンタジー。萩尾望都原作「11人いる!」と同時上映された。根岸美弥子は、月に左右される超能力を持つ女子大生。彼女は、同じく月に能力を左右されるテレポーター斉木杳ともに、同級生の山岸桂一郎を調べる計画を立てていた。彼もまた、自分たちと同じ能力を持っているのではないかと思ったからだ。しかし、3人が揃った瞬間、時空が歪み、3人は異世界へと運ばれてしまう。気がつくと、目の前には大きな扉がそびえ立っていた。美弥子はそっと扉を開けて…。

ato00 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

時代の寵児、新井素子氏原作の唯一のアニメ

SF小説界の革命児新井素子氏原作のアニメ映画です。
彼女は、当時の堅いSF小説界に新風を吹き込み、80年代に一世を風靡した時代の寵児です。
砕けた文体、柔軟なストーリー、生き生きとした登場人物等により、SF小説界を大衆娯楽化した人物です。
今を時めくライトノベルの走りで、当時深夜アニメがあれば、かなりアニメ化されていたのではないかと思います。
この作品は、新井素子氏のSF小説の唯一のアニメ化作品です。

ストーリーの概要は次の通り。
東京に住む3人の超能力者(サイコキネシス、テレポーター、ライオン男)が揃った時に、異世界の扉が開かれる。
この世界は、剣と魔法(実際は超能力)からなるファンタジックな世界。
主人公'ネコ'(普通の女子大生であり、サイコキネシス)が、滅亡した「中の国」の伝説の王女となって、支配者「西の国」と戦い、「中の国」を再興するというものです。

古いアニメのためか、声、絵柄、シナリオが残念なものとなっています。
特にシナリオは、90分弱に収めるために、急転直下かつ唐突な展開で、ちょっとついていけません。
唯一の見せ場は、「東の国」の鬼姫ディミダ姫とのバトル。
それでもあっさりとしています。

今の技術を使い、十分練り込んだシナリオで丁寧にリメイクすれば面白くなりそうな作品です。

余談ですが、草創期の京アニやシャフトが制作協力していたようです。
たぶんチョイ役でしょうけど。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

異世界で繰り広げられる「扉を開く」ための物語

原作はSF小説家として有名な新井素子さんの一作。


主人公の根岸美夜子、そして斉木香、山岸桂一郎の三人は超能力者。
ある日その能力のため異世界への扉を開けてしまい、そこでの戦争に巻き込まれる・・・というのがあらすじです。


美夜子が訪れた‘中の国’の神官ラディンに伝説の女王の生まれ変わりとして祀り上げられ、国を救うため戦うことになります。


中世的な世界観と現代を生きる少女の組み合わせは今見ると使い古されたものですが、
壮大なファンタジー世界やキャラクターの心情が色濃く描写され中々見応えあるものでした。


異世界の住人では中の国の神官ラディンと東の国の姫ラ・ミディン・ディミダが魅力的でした。

一方はミステリアスで紳士的だが妖艶な雰囲気の男、もう一方は‘鬼姫’と呼ばれるほど勇猛果敢なおてんば姫。

特にディミダ姫は一人称が“わらわ”で中世の姫様って感じが堪らないです。後半の活躍もめざましい。



この作品は異世界で軍勢を率いて戦うただそれだけでなく、あくまで美夜子達の精神的葛藤や成長がテーマであるということが特徴的です。

後半からは彼らの超能力者故の苦しみも描かれ、誰もが感じたことがある疎外感や孤独感に共感することもあると思います。

{netabare}ラディン亡き後川辺で涙する美夜子のバックで挿入歌が流れるシーンが印象的です。 {/netabare}

タイトルにもある「扉を開く」ことの意味は多面性があって考えると面白いです。



作画はリアル調で表情が豊かに描かれていて見応えがあります。音楽もファンタジーチックで引き込まれる迫力があります。

声優陣は井上和彦、平野文、野沢那智、勝生真沙子、島田敏、池田勝など。
また端役で立木文彦、坂本千夏、深見理佳、貴家堂子(←一番驚きました)などが出演と豪華の一言です。

※美夜子を演じる藤本恭子さんは本職でないため違和感がありますが、棒読みでなく抑揚のある声で悪くはないです。
むしろアルタリア役の荒勢さんが棒気味で気になりました。


この映画は同時上映された、同じくSF小説家として有名な萩尾望都さんの「11人いる!」が好評だっただけに比較するとやはり詰め込みすぎな印象があります。

しかし、画面から魅せられる美しさがありました。
なによりジャケット及びポスターの見事なデザインに心を奪われました。
お気に入りの一作です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7
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