憎しみで記憶なTVアニメ動画ランキング 8

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の憎しみで記憶な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番の憎しみで記憶なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.1 1 憎しみで記憶なアニメランキング1位
デス・パレード(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1027)
5248人が棚に入れました
「いらっしゃいませ クイーンデキムへようこそ」
何も知らない二人の客を迎えたのは、不思議なBAR『クイーンデキム』と白髪のバーテンダー『デキム』。「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」彼の口から語られるデスゲームへの誘い。やがて剥き出しになる客達の本性。
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム。
裁定者デキムが二人の客へ下す裁定とは…。


声優・キャラクター
前野智昭、瀬戸麻沙美、大久保瑠美、細谷佳正、内山昂輝、白石涼子、柚木涼香、玄田哲章
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人間に人間は裁けない

デスビリヤードとしてアニメミライでやっていたものが1クールでアニメ化したもの。デスビリヤードが割と面白かったので、期待値は高かった。

相違点は{netabare}クイーンデキムで裁定する側にはデキムと知幸という名前で黒髪の女がいるだけであったが、今作はたくさん。{/netabare}

同時に死んだ2人がゲームをして転生するか否かを決めるというのは同じ。また、クイーンデキムに連れてこられた時点では2人は死んでいるという認識はなく、ゲームをするうちに死に至るまでの記憶を思い出していく。

デキムは90Fある裁定フロアのうち、15Fで裁定を下している。今作で謎に包まれたデキムについて明かされる。デスビリヤードを見て面白いと感じた人には見てもらいたい作品。ただ、毎回、ゲームしているわけではない。{netabare}人の死に焦点を当てつつ、死を経験したことのない人形が死、人間らしさを考える。最終話でデキムが人間らしさを手に入れ、知幸とお別れをするシーンは少しうるっときた。{/netabare}神の視点からしか人は裁けないが、人間らしさを手に入れたあとはどう裁くのか。やはり、人間は様々な背景があり、どんな奴でも淡々と裁くことはできないということだろう。そう考えると裁判で判決を出すというのも人生を左右するものであるから、慎重にじっくりしても最適解はないということかなと。このアニメの制作側マッドハウスが何を考えて作ったかは分からないけど。

OPのFlyersは映像でキャラクターたちが踊っているし、曲調的にも体が勝手に動きそうな感じ。EDは数話ほどゲームをさせられた人の映像で幸せそう。

{netabare}
アマゾンプライムから引用のあらすじと1話ごとの感想
#1 デス・セブンダーツ
BAR「クイーンデキム」に一組の夫婦が訪れる。なぜか前後の記憶が定かではない夫婦が、困惑しながらも店の奥に進むと、白髪のバーテンダーに迎えられる。デキムと名のるその男は夫婦へ命を懸けたゲームを行うよう告げる。密室のバーから出る為にたかしと真智子はダーツで勝負をすることに。ゲームを進める中でたかしは、愛する妻の真智子を守るために、ある抜け道を考えつく。

たかしは結婚式のときに真智子の友人が「マッチって勝ち組だよね」と相手が医者らしいと話ているのを聞き、真智子の浮気を疑う。そのせいで、新婚旅行旅行に喧嘩して車で崖の下に落ちて死亡したことを思い出す。実は真智子はたかしとの子を妊娠しており、しかも、マッチではなかったのに、こんなことになってしまったのだった。完全に勘違いしたたかし一人のせいで、死ぬはめになったわけだが、たかしはそれに耐え切れず、発狂するのを見て真智子は辛くなったのか今までのことは演技だったと言う。個人的には演技ではなく、本当に愛していたんだろうなと思われる描写だと感じた。なんとも、後味悪い。結局、ダーツで勝った真智子は虚無、たかしは転生。

#2 デス・リバース
黒髪の女が目覚めると、そこは見覚えのない場所で、傍らには見知らぬ少女がいた。自分の名前すら思い出せない彼女は、その少女・ノーナにデキムのもとへと連れていかれ、彼の仕事を手伝うように告げられる。クイーンデキムにやってきた2人の客を見守りながら、黒髪の女はノーナからクイーンデキムが在る理由を聞かせれる。ノーナによるとゲームは「裁定」に不可欠なことで……。

1話の一部を振り返る内容でもあった。黒髪の女は真智子は一度だけ他の男と過ちを犯したものの、たかしを想う気持ちを見抜く。たかしの勘違いさえなければ、2人は幸せだったと。だが、ノーナは疑り深いたかしの性格なら幸せになるなんて絶対にありえないことも見抜く。前回のもやっとするところが少し解明され、デスビリヤードでも出ていた黒髪の女が登場し、次が気になる。

#3 ローリング・バラード
大学生の三浦しげるが目を覚ますと、目の前には見知らぬバーテンダーが。バーテンダーから命がけのゲームをするよう告げられたしげるだったが、対戦相手だという美しい女性に一目ぼれしてしまう。自分の名前すら思い出せないという彼女から記憶を取り戻す為にゲームをしたいと言われたしげるは、その頼みを承諾し、二人はボウリングで対決することに――。

女性はちさとという名前で引っ越して会えなくなってしまったものの、幼少期に遊んでいたのである。と見せかけてしげるのことを想うあまり、振り向かせたくて整形した舞であった。一緒にバスに乗っていて、しげるが話しかけたところで事故死してしまった。しげるは彼女のことを受け入れ、死後のデートを楽しむ。デキムがデートは5分だけとかボケをかますとは想定外。死にはしたが、幸せな展開で見ていてほっとした。

#4 デス・アーケード
クイーンデキムに訪れた二人の客――立石洋介と橘みさき。芸能人であるみさきはTV番組の撮影だと思い込み、洋介に番組を盛り上げるために協力を求める。ルーレットで選ばれたのは「アーケード」。自らをモデルにしたかのようなキャラクターを操作することに違和感を覚えつつ、ゲームは洋介の優勢で進んでいく。一方、裁定に必要な死者の極限状態を作り出すため、デキムはある行動を起こす。

子だくさんであり、夫に暴力を振るわれて、結婚離婚を繰り返して、子供を育てるために、なりふり構わず生活し、マネージャーに暴力を振るい、腹いせに殺害されたみさき。一方で実の母親にネグレクトを受け、育ての母親の愛情を受け付けようとせず、「お袋と呼んでほしい」という簡単な願いすら叶えないまま、自殺した洋介。お疲れ様の一言でもすごく泣けるよな。暴力を振るわれていた過去のあるみさきが暴力を振るう側になっているというのは実生活でもありそうなこと。でも、衝撃的。

#5 デス・マーチ
黒髪の女がデキムの手伝いを始めてしばらく経ち、今日もクイーンデキムに2人の客がやってくる。いつものように出迎えに行こうとした黒髪の女だが、なぜかデキムに制止される。ホールに現れたのはくたびれた雰囲気の中年の男、藤井と少年の二郎で、特におかしな様子はない。ところが、デキムがゲームの説明を始めると、藤井がデキムやクイーンデキムに見覚えがあると言い出した。かつてない客の反応に、デキムは警戒を深めるが……。

スタートは女が同じ夢を見たところから。どう展開していくのやら。藤井という中年男は太い体だけど、器が小さくて嫌な男。二郎は少年と見せかけてギンティという男。裏で5年目のデキムが裁定者として適しているか常に評価されていることが示されたような感じ。藤井も実はデキムを試すために記憶を植え付けられた人形であった。今回はこれといったドラマがなくて残念。

#6 クロス・ハート・アタック
女子高生の有田マユは気がつくと見覚えのない場所にいた。不思議に思いながらもマユが通路を進むと、赤い髪のバーテンダーがいる和風のバーに行き当たる。ギンティという名のそのバーテンダーは、マユを見るや一方的にゲームで勝負しろと告げ、対戦相手の男を指し示す。その男はアイドルグループ「C.H.A」の原田。大好きなアイドルに会えたマユは大喜びで、ギンティに言われるがままゲームを始める。

猫がボタンを押して手足を置く場所を決めるツイスターゲーム。パンツが見えちゃうけど、嬉しいマユ。もうちょっと可愛い娘がよかったと嘆く原田。早撃ち王子とか週刊誌に書かれてる。早く帰って女に会いたいらしいが、その女が怪しい。怪しくはなかったけど、付き合っていたその女に対し、激しい女遊びのために安易に別れを告げ、自殺され、爆弾を置き土産にされて死んだことを思い出す。マユはライブ後に風呂に入ろうとして足を滑らせて頭部を強打して死んでいたことをツイスターに負けて落下するときに思い出す。なんだかんだあったけども、最後はライブで盛り上がる。ギャグ回だったな。サブタイトルはデビューシングルだったのね。

#7 アルコール・ポイズン
毎晩のように繰り返し同じ夢を見る黒髪の女。クイーンデキムでその夢に出てくる絵本を見つけた女は、戸惑いながらもデキムに持ち主を尋ねる。絵本に心当たりがないデキムだったが、もしかするとクイーンデキムの元裁定者が忘れていったものではと言い出し……。同じころ、ノーナの家に情報部に所属する友人・クイーンが訪れた。酒好きなクイーンは、早速ノーナと飲み始めるとデキムの様子はどうかと尋ねる。

黒髪の女は自らが死んでいることに気付く。デキムが人形を集めているのは裁定を終えた人のことを忘れないためであることが明かされる。でも、忘れてるのかよ。生への敬意は感じられるけども。マユがギンティの手伝いしているのは驚き。ノーナが何故か焦っているようだ。

#8 デス・ラリー
クイーンデキムに人を殺めたことのある客が来店することになり、黒髪の女は不安を隠せない。送られてきたのは島田と辰巳という、どちらも殺人犯とは思えないごく普通の男性二人。「ゲームに勝利するまで外に出られない」というデキムの話に、手分けして出口を探しはじめる。その最中、島田は自分の荷物の中から血まみれの包丁を見つける。動揺し包丁を隠す島田と自らを刑事と語る辰巳。そんな二人が戦うことになるゲームとは。

ホッケーするわけだが、島田は親を亡くした後の妹のことを思い出す。妹が襲われて復讐に燃える一方、辰巳は妻が殺されたことを思い出す。実はどちらも殺人だった・・・?

#9 デス・カウンター
互いの境遇を知った二人は共感を深めると同時に、徐々に記憶を取り戻していく。一方、死者の記憶を見た黒髪の女は今すぐゲームをやめるようにとデキムに諭す。しかし、彼女の制止を聞かず、デキムは裁定のために二人の心の闇を吐かせようとゲームを進めていく。自身の復讐のため命を懸けてゲームに挑む二人だったが、島田に妹を襲った男に関しての重要な記憶が呼び起され…。

かなり印象に残った回。妹を襲った男は1人じゃないと言われた島田は実行犯を殺した直後に入ってきた刑事の辰巳を殺したことが判明。辰巳が不幸な男というだけで終わると思いきや、妻の復讐を果たしてから自身を裁定者と称し、犯罪が起こる現場を見ても、途中で助けることはせずに、犯行が終わるまで見ているだけだったのだ。島田の妹が暴行を受けているときも結末を見届けるだけ。罰を与えるためには被害者が必要と言う辰巳は人間とは思えない。島田はもう一度殺したいと叫び、黒髪の女に制止されるも、辰巳に煽られ、実行してしまう。極限状態は心の闇を暴くものではなく、心の闇を作り出すものかもしれないという気づきを与える回であった。人間は思っているよりも単純である。

#10 ストーリー・テラー
黒髪の女の言葉をきっかけに、デキムは意図的に死者を極限状態に追い込む裁定方法に疑問を抱くようになる。その疑問をデキムはノーナに報告し、裁定者の任を降りようとする。しかし、ノーナから黒髪の女の裁定はどうするかと問われ、逡巡するデキム。一方、黒髪の女は自身体に変化が生じていることに気が付く。それは彼女に残された時間がわずかであることを示していて……。揺れる二人の前にやってきた客とは。

お婆さんがやって来て、ばばぬきがスタート。イラストレーターと言うお婆さんと黒髪の女、デキムで粛々とゲーム。この作品に珍しく、良い人生だったと語るお婆さん。ばばぬきをしながらもデキムは裁定に疑問を感じている。黒髪の女の夢に出てくる物語で少女が耳が聞こえない設定なのは言葉以外でも気持ちを伝える手段があると教えるためであると知る。そのつながりで知幸という名前を思い出す。裁定者が人間の感情を持っているかもしれないと神に近い男オクルスにばれちゃう。

#11 メメント・モリ
今まで一度も裁定に迷ったことのないギンティ。ところが、自分の命よりも原田を優先したマユにだけは裁定を下せず、彼女をウィーギンティに留めていた。苛立ちを募らせたすえ、ギンティはマユに一つの決断を迫る。同じころ、己の名前を思い出した黒髪の女──知幸は、生前の記憶を取り戻すため、デキムからあるゲームへと導かれる。知幸は子供時代の思い出、大好きだった絵本、家族と過ごした日々、様々なことを思い出していく──。

デキムは人が死ぬために生きるのではなく、生きているから死ぬと言うところから始まる。知幸をゲームへの誘導はできなかったが、フィギュアスケートをする知幸。フィギュアスケートの思い出。楽しい思い出ばかり思い出していたが、競技中に重大な足の怪我をしたために選手生命を諦めなければいけなくなった。そのせいで自暴自棄になり、自殺をしていたのだ。死を想えという意味を持つメメント・モリというカクテルを飲み、眠らされる。一方、原田の魂が戻ってくるように願うマユは一緒にエレベーターに乗り込む。恐らく虚無に行ったと思われるが、幸せなのかも。オクルスの頭の毛?が閉じて、髭が開いた。ノーナは次回どうなるのか。

#12 スーサイド・ツアー
死者の裁定のために存在する裁定者は、生も死も経験できない人形であり、人間の感情を知ることはできない。この理にノーナは抗い、裁定者が変化する可能性をデキムに賭けていた。デキムの知幸への裁定を見届けようとするノーナの前に、彼女の企みを知ったオクルスが姿を現す。当のデキムは知幸を眠らせ、ある場所へと連れて行く。知幸が目を覚ますとそこには――。

現生で知幸の死後も生活を続け、気持ちを分かってあげられなかったと嘆く母親を見る。そして、誰か一人死ぬ代わりに生き返ることができるボタンをデキムに渡される。生き返りたいと一度は考えるが、今まで見た死人を思い出し、誰にでも誰か思う人がいると気づき、押すのを止める。泣きながら、母親に謝る様子をデキムは見て涙を流す。すると、彼自身の目が裁定者特有のものではなく、人間のようになり、知幸が見ていた世界が崩れ、デキムは処分される人形の置き場だったと騙して申し訳ないと言う。知幸の裁定を実は行っていた。人形に過ぎないデキムが悲しみを知った。知幸を利用してノーナが裁定者を変えようとしていたように思われる。人形に自我が芽生えて神と戦おうとしている物語だったように感じられた。知幸が転生する際も笑顔でお別れし、作品の最後でも以前とは異なる雰囲気で新たに来た客を迎える。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

感情の果てには『愛』があったというお話

2015年1月~ 日本テレビ系列にて放送
全12話

突然、何も知らない二人の人物がたどり着いた不思議なBAR『クイーンデキム』
出迎えたのは白髪のバーテンダー『デキム』

「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」

半ば強制的にデスゲームに参加させられ、二人はやがて人間の本性がむき出しになっていく
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム
人間の本性を暴いた先に下す『裁定』とはいったい…


まず物語の構成
2話完結のお話から始まり、1話完結の話もあれば
終盤に向けて含みを持たす繋ぎの回もあったり
展開の仕方が様々な作品です

また、あえて物語の結末や登場人物の行動原理
世界観の説明をぼやかすことで
物語の空白を作っているところが特徴です

一応、結論というのは導き出されますが
明確な答えを提示してくれることは無く
果たしてそれが正解なのか?
そんなことを考えてしまうような
文学的な趣きの強い作品でもあります


キャラクターデザインは決して流行りの絵柄では無いものの
洗練されていてカッコイイ絵柄
また全体的に作画がとても良く動きの激しいシーンや
細かい日常の仕草など細部にわたって作画レベルの高さが印象的
特に表情豊かな゛作画の芝居゛が声優さんの凄みのある演技と相まって
思わずおぉっ!唸ってしまう場面が多々ありました
特に9話のゲスト声優 藤原啓治さんの演技と11話のスケートシーンは
このアニメのベストシーンだと思います


そしてこのアニメには実に様々なテーマが内包された作品であると思っています

『既存の自動化された体制への反抗』であるとか
『見ている人の死生観に問いかける』ものであるとか
『正しい人生、より良き人生とは』みたいなものとか

しかしそのどれもがキャラクターや世界観と同じく
明確な回答を提示してくれる作品ではありません
視聴者がどれに重きを置いて見るのか
取捨選択が必要な作品だと感じました

それでも最終回の予告映像を見るとこの作品の主題が何となく感じとれると思います
最終回だけ2分程度のロングバージョンの予告が公開されていて
内容は劇場版の予告みたいな作りになっていて核心的なネタバレは無いので
この予告を見てから視聴すると印象が変わってくるかもしれません
もちろんフラットな状態で見たいという人は閲覧注意です


デス・パレードLast episode予告動画[Long ver.]

https://www.youtube.com/watch?v=40_pSjR_1OM


【総評】
一貫してダークな雰囲気で人間の黒い部分を暴いていく物語かと思いきや
ギャグに徹した回があったり素直に感動できる回があったり
作画・声優・演出が高いレベルで融合した物語の幅広さが印象的でした
それゆえにどっちつかずな展開が気になる人は多いかも
見終わった後、後味の悪いような感覚はありませんが
心によく分からない引っかかりが出来てそれが何なのか考えてしまうような
良くも悪くも簡単には消化できずに様々な感情を呼び起こす作品でした

あとOPがすごくファンクでキャッチーなノリの良い曲でお気に入りです
OPバンド BRADIOは他の曲もどれも素晴らしいです

多くの謎を残し、キャラクターがその後の展開を予感させる態度だったので
2期というものをどうしても考えてしまいますが
個人的には今回、原作・監督・脚本を務めた立川譲さんには
「俺の描きたい物はまだまだあるんだ」
という野心的な心意気を感じたので全く別の新しい作品を期待してます



以下、最終回を中心にネタバレ感想


感情の果てには『愛』があったというお話

{netabare}ずっと疑問だった『裁定者は感情を持たない』という設定
いや、あるじゃんっていう
怒ったり酒飲んで喜んでるのも感情ってやつじゃん
そんな疑問に自分なりの仮説を立てました

まず感情の分類をします
感情の分類は実に様々な人が行っておりいくつもの推論があります
この作品においては六情

喜 怒 哀 楽 愛(いとしみ) 悪(にくしみ)

の六つの感情で分類されると思っています
理由としてはまぁ一番メジャーじゃん?っていうのと
六情は六根とも呼ばれ仏教に由来した言葉であるということ
デス・パレードの劇中には仏教をモチーフにした描写が随所に見られました

喜怒哀楽は自分の内に秘める感情、愛と悪は自分の外 つまり他者に向ける感情であります
裁定者達には潜在的に喜怒哀楽と悪(悪意)の感情はあるけれど
愛、すなわち慈しむ心だけが無くそれを指して
『裁定者は感情を持たない』と定義しているんではないか?というものです

ノーナ以外の多くの裁定者は他者(人間)に対して無関心か悪意という感情しか向けてこなかった
ノーナ自身だって80数年の歳月を経てようやく裁定のシステムに疑問を持ち
裁定の在り方を変えるには人間の心に寄り添うべきではないか?と思うようになります

それだけにデキムの存在は非常にイレギュラーでした

「私は生を全うした人間を尊敬しています」

7話のクイーンとの裁定者の業務引き継ぎの場面で言ったデキムの発言はノーナにとって衝撃だったのです
尊敬という他者に向けた言葉、しかしデキムはその本質(感情)までは理解していませんでしたが
ノーナはそんなデキムに大きな可能性を感じ
『デキムを利用した裁定システム変革計画』が始まったのです

その変革計画を達成するためにはデキムに『愛』の感情を持たせる必要があった
そのためにわざと死の記憶を持たせた女(知幸)を送ったり人殺しの人間を送ったりと
裏で色々やってたわけです


結果、デキムは感情(愛)を手に入れることが出来ました

10話でノーナが「裁定者の記憶容量は気にしなくていい」と言って用意させた
普段の裁定ではありえないほどの膨大な知幸の記憶を元に
仮想空間を作ってまで極限状態を作りだそうとします
今までひたすら無感情に”ただ必要だから”という理由で極限状態を作りだしていたデキムが
初めて『悪意』をもって極限状態を作りだそうとしたのです
デキムはそんな知幸の感情の爆発を受けて心が痛みます
他の裁定者は標準で持ち合わせていた喜怒哀楽すら持っていなかったデキムにとって
知幸の膨大な記憶と感情が流れ込んだことにより『後悔』と『哀しみ』を覚え
慈しみを持って許されたことにより『愛』を覚えました

この一連の流れが演出と相まって素晴らしい最終回でした
特にデキムが笑顔で知幸を見送るシーン
知幸の笑った顔、泣いた顔、様々な表情をフラッシュバックさせた先に彼女に対する『愛』
それがデキムにあんなに良い笑顔をさせたのかと思うと涙が止まりませんでした

そして最後のOP

これから少なくともデキムの裁定は確実に変わっていきます
まだまだ不完全なシステム、不完全な裁定者ではあるけど
このFlyersの曲のように楽しい職場になっていくだろうと

「きっとなれるさ なりたい自分に」

これからのデキムを後押しするようなメッセージを残して
非常に前向きな気持ちいい余韻を残しながら終わったのも最高でした
詐欺OPではなく予知OPだったんですよ!!


ちなみにギンティも『愛』を少しだけ知ったのだろうと思いました
マユのコケシを残していたのもそうですが
黒猫のミーマインが消えていたこと

ミーマインが単純にアイマイミーマインのme,mineだとしたら
有田マユ=Mayu→My
I,my,me,mineのうちmy(マユ)とme mine(ミーマイン)が消えて

残ったのは I = 愛

ギンティにも『愛』の感情は芽生えていたんだよ!!

以上、言葉遊びにもならないこじつけでした


おわり
{/netabare}


11話までの各話感想
{netabare}
【1話までの感想】最後までリドル・ストーリーで行くのか!?
{netabare}リドル・ストーリー (riddle story) とは、物語の形式の1つ。物語中に示された謎に明確な答えを与えないまま終了することを主題としたストーリーである。 ※Wikiより

元々は「アニメミライ2013」の作品内の1つ「デス・ビリヤード」をもとにしたオリジナルアニメ。
原作・構成・監督を務める立川譲さんはTVアニメ初監督らしいですね。
このリドル・ストーリー、最後は視聴者のご想像にお任せしますよ方式は賛否両論ありそうですけど私は好きです。短いストーリー限定ですけど。引っ張りに引っ張って最後は視聴者の~ってやられた作品もありましたし…
この作品に関してはまだどっちに転ぶかわかりません。2話目で1話の答え合わせ的な話をするのかもしれませんし、まだ様子見といったところでしょう。

OPはノリノリな曲でしたね!クイーンデキムの従業員(レギュラーキャラ?)も沢山いるみたいだし日常回というか明るい話もあるんでしょうか。気になるところです(`‘ω‘´){/netabare}

【4話感想】中々見えない本筋に辟易しながらも、この世界観から抜け出せない
{netabare}3話ですっきりいい話で終わってたのに4話でまたモヤモヤが残る展開に。
黒髪の女に何度も突っ込まれる行動に『裁定に必要ですから』とデキムは返してましたが黒髪の女にも視聴者にも納得させるだけの描写が足りなかったので「このゲーム本当に必要なの?」という疑問が残りました。
最後のデキムの謎の包容力にちょっと笑いましたが死を受け止められない人にすべて吐き出させて死というものを改めて受け入れさせるのも裁定者の仕事なのかな。
どんな人生であったとしても最後に「お疲れ様でした」と言われるのはなんだか救われますね。{/netabare}

【6話感想】いったい何なんだこのアニメはぁ!?
{netabare}今回はデキムではなくギンティの所に死者が来るお話。
ゲームの内容はツイスターゲーム。アニメでツイスターゲームをするとエロ回かギャグ回にしかならないけど今作でも立派なギャグ回になってしまいました。
しかも裁定はせず終了!いったい何がしたかったんだ・・・
今回登場したギャル 有田マユは公式サイトのキャラ紹介にちゃっかりいたんですね。ということはレギュラーキャラってことでいいんでしょうか?

死んで悲しむのは残された人達で死んだ当人は案外楽しくやってるもんだよ!むしろ死後のほうが楽しいよ!!な回でした。
{/netabare}

【8話感想】本格サスペンスはじまた この引きは卑怯・・・
{netabare}久しぶりの前後編
人を殺めた人物が送られてくると聞いて自分には経験がないと心配するデキム
そういう人はやはり裁定の基準も変わってくるのだろうか
Cパートで二人とも殺人を犯していたと判明
黒髪の女にも二人の記憶が流れこんでいきそこで島田の妹が襲われている映像や犯人らしき金髪男の顔
辰巳のデスクには島田らしき人物の写真
二人の事件は明らかに繋がっています。では誰が誰を殺したのか…それは来週のお楽しみ
前提条件として裁定者のもとに来るのは「同時刻帯に亡くなった二人」
これを考えるとこのシリーズ史上最も胸くそ悪い展開もありえるかも
次回をドキドキしながら待ちたいと思います。{/netabare}

【9話感想】Q.面白かった?つまんなかった? A.すごかった
{netabare}凄まじい回だった
あれこれ考える間もなくこのドラマに胸ぐらつかまれて引きずられる感覚
声優さんの演技が鬼気迫る名演だったのも印象的でした。
今回でデキム自身にも大きな変化がおきそうです。
今一度裁定者とは何なのか見つめ直すきっかけの回でもあるかな
正直、故意に人の心の闇を暴くってのも相当むちゃくちゃだし辰巳にさらなる苦しみを与える場面は明らかに裁定者の領分を逸脱してる・・・
と思うんですけどねぇ
デキムにとって何が最適な裁定なのか見つけ出す物語なのかな
黒髪の女の件もあるし最後はどうなるんだぁあああぁ{/netabare}

【11話感想】最終話のサブタイは「自殺旅行」
{netabare}前回で名前が明らかになった黒髪の女「知幸」
今回でついに亡くなった原因が判明しました。
自殺…自分の全てを捧げ取り組んでいたスケートが奪われてしまって残ったものは何も無いと思ってしまって…
理解はできるけど心の中ではどこか納得できない部分があるのは私が命をかけて何かを成したことが無いからなのかもしれない
中盤4分くらいのスケートシーンは作画の凄さと相まってすごく綺麗で儚い
アニメでここまでのスケートシーンを見たのは初めてでした。
デキムは自分のすべきことが固まった様子
しかし爺さんが何やらきな臭い
マユが原田くんと共に虚無に落とされるシーンも切ない
しかし最後は原田くんと共にいられて良かったのかな
これがギンティによるせめてもの温情なのか
やはり人間とは理解できないものとしての行動なのかはわからなかったです。
最終話のサブタイトルはスーサイド・ツアー
穏やかじゃないタイトルだけどその真意は如何に!?
覚悟をもって見届けたいと思います{/netabare}

自分用に世界観と用語を整理

【トーテム】
大地から奈落の底へと伸びる巨大なタワー
タワーは無数の階層に分かれていて、それぞれに裁定者が存在する。
他にも裁定者に死者を振り分ける整理係、
死者たちの記憶を編集する情報部など様々な部署が存在する。

【クイーンデキム】
本作の主人公、デキムが管理しているBAR

【裁定者】
人間の魂を裁定し、「転生か虚無」に送り出す者
BARに訪れた客に死んでいることを気づかれないよう、ダーツやビリヤードなどの命をかけたゲームを強制し、その様子から裁定を下す。
{netabare}裁定の基準にゲームの勝敗は関係なく、ゲームの過程から人間の本心や心の闇を見て裁定を決める。そのため意図的にゲームを妨害するなどして「極限状態」を作り出すようにしている。 {/netabare}

【転生と虚無】
裁定を受けた者の魂が向かう場所。
死者の体は魂が送られた後、ただの人形と化す。
転生とは、 {netabare} その名の通りまた別の命となって現世に戻る。{/netabare}
虚無とは、{netabare}あらゆる負の感情と意識を抱いたまま何もない空間に永遠に落とされる。
※公式サイトでは転生と虚無の捉え方がこのようになっています。これを見るにデキムの言う「天国と地獄」は転生=天国、虚無=地獄ということになるでしょう。{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 52
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

そもそも何故裁定するのだろう。何故を想像する作品。

ジャンル        :リドル・ストーリー
話数          :全12話
原作          :立川譲 / マッドハウス
アニメーション製作 :マッドハウス
監督          :立川譲
シリーズ構成・脚本 :立川譲
キャラデザイン    :栗田新一
音楽          :林ゆうき
OP           :「Flyers」作詞 - 真行寺貴秋 / 作曲・編曲・歌 - BRADIO
ED           :「Last Theater」作詞 - Ryosuke・Ryo / 作曲 - Ryo
              / 編曲 - NoisyCell・PABLO a.k.a. WTF!? / 歌 - NoisyCell

参照元        :Wikipedia「デス・ビリヤード」

【あらすじ】
 何も知らない二人の客を迎えたのは、不思議なBAR「クイーンデキム」と白髪のバーテンダー「デキム」。彼は命を懸けたゲームをするよう二人を誘う。そしてゲームを始めた二人はやがて本性が露となって行く。ゲームの果てに自らを「裁定者」と明かすデキムが下す裁定とは…。 デス・パレード公式ページ「作品紹介」参照

【特徴】
①リドル・ストーリー(結末を曖昧にした話)
②シリアスで湿っぽい
③感動

【長所】
①徐々に明かされる記憶の意外さに驚かさせる
②デキムの下した裁定結果の是非を考察させるパターンと意図的に伏せられた裁定の結果自体を考察させるパターンの 2種類ある
③デキムの成長過程が描かれている
④登場キャラに謎が多い

【短所】
①考察ポイントとは別の伏線は回収されない
②確かな解を求める事は出来ない

【短評】
{netabare} まず長所①です。記したとおり意外性のある展開で退屈とは程遠い内容となっていました。驚かされます。
 続いて②です。本作は特徴①にあたる結末を暈して視聴者自身に考えさせるように出来ている話で構成されています。そして考えさせられるパターンが長所②の前者と後者の2種類あるという訳です。視聴者としては「それは違うだろ」とか「何やらかしたんだ?」など、思うところが沢山出てくると思います。こういった思考を促す部分が魅力と思います。
 続いて③です。②のストーリー以外に、裁定を終えていくうちにデキムの心境は徐々に変化します。最終的に物語開始時とどう変化したかという所も見所だと思いました。
 続いて④です。デキム以外のキャラも謎が多く、登場時には不明な所が幾つかあります。しかし、回を追う毎に明らかになる部分もあるので見応えがあります。

 次に短所①です。これは2期も作れる部分を残したという事です。ですが、1期だけでもスッキリする部分もあります。
 続いて②です。幾ら考えたところで明確な答えを得る事が出来ない部分もあります。また、お茶お濁していると捉えるか否かで作品の良し悪しが決まるかもしれません。{/netabare} 

【総括】
 全体的に湿っぽい雰囲気ですが、怨嗟の感情が渦巻いておどろおどろしい雰囲気の回もあれば、少しおちゃらけた雰囲気の回や心温まるやさしい雰囲気の回もあり、心揺さぶる話が多いです。また、ゲームで判明する記憶には意外性があって飽きる事の無い作りになっています。そして、最大の特徴は視聴者に考察を促す作りである事です。以上の事から笑いを求めている、湿っぽい空気が苦手という方以外にはお勧め出来る内容かと思います。

【思った事・蛇足】

デキムはトーテムでも特異な存在のようです。
というのも、生を全うした人間を尊敬しているからです。
何故特異であるかというと
その他のバーテンダーは只管来訪した客をルールに則って裁くだけで
人間を尊敬する事は無いからです。


因みにトーテムで働く従業員は人間ではないです。


それにしても
何故デキムは生を全うした人間を尊敬しているのでしょうか。
謎です。


私は何と無く尊敬する理由について作中の内容から感じ取ったのですが
尊敬する理由も結局推測の域を出ない訳です。
けれども
もやもやする事は無く
「そういう事で良いか」と勝手に納得出来ました。
(納得出来なかったらつまらなかったかもしれない…。)


それと
上では一切触れませんでしたけど
心理描写が丁寧で「感動出来る」物語になっていました。
なので
感動する事を目当てに観るのも良いかなと。
そう思います。




2期やらないかなー。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

82.1 2 憎しみで記憶なアニメランキング2位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (502)
2075人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

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2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

再追記 恐怖も世界観も矮小化してしまったがっかり感。設定を設定で解決しないでほしい。

再追記 ついに結末を迎える前に

{netabare} 本作のもっとも面白いところ、それは孤立した人類の反撃…だと思っていました。島設定がでるまでは。

 壁が一つ一つ破られて、巨人たちに追い詰められ食料が足りない、反撃の手段もない。仲間が次々に死んでゆく。そこに現れた一つの希望。それがエレンイエガーという巨人になれる人類の登場。

 そこには父親との因縁もあり、壁の中の巨人もいて、他に巨人になれる人がいて…それがどう収束するか、というのがワクワク感でした。

 ここに実は島の外に人がいて、人類の生存域を埋め尽くしていたと思っていた巨人も実は島の中に閉じ込められてたいた。

 これは勝手な見方なので作品のクリエータ側からすれば知ったことじゃないかもしれませんが、世界の中で訳の分からないなかで孤立する日本のメタファのようなもの…時代の閉塞感のようなものを見ていたのに、急に問題が矮小化されてしまいました。
 巨人が人類に操られているような設定で、得体のしれない恐怖から兵器へと格下げになった感じです。

 エレンの存在が、過去のストーリーとは乖離して、重要度がいままで積み上げた物語の流れから急に浮いてしまいました。いや、だったら何もしなくてよかったってこと?まあ、外を知り、出て行く必要があったんでしょうけど。
 その意味では狭い世界の外に実は真実が…っていうことで今の現実世界のメタファになってなくはないですけど。
 結末はまだですが、旧ハガレンのアニメ版の最期、等価交換という最大のテーマについて、錬金術を見事に別世界の文明と結びつけたようなカタルシスがありません。

 エレンが立体機動歩兵になって動機とか、母の仇とかどこに行っちゃったんでしょう?ミカサとの思い出や昔の事件の意味は?父親の謎は?こういうドキドキ、つまり3クールかけて描いてきたことが、なんといいますか茶番になってしまいました。

 設定を設定で解決する、という意味を実によく表している展開です。結末で実は●●を◇◇すると▽▽になるから、これで解決するんだよ、と後付けで言われる感じです。考察も謎も意味ね―じゃん、ですね。まあ、この長い物語を畳めるのは大したものですが…。ちょっと残念でしたね。{/netabare}

 総評はファイナルの2期目が終わったら書きます。




以下 初回時の感想です。


テーマ性と設定の浅さにはがっかりしました。追記 なぜ本作が世界系だと駄目なのか


 期待外れ感が強いです。ストーリーの面白さはあると思いますが、テーマ性や設定の浅さなどでがっかりしています。ヒューマンドラマとして見る価値がないとはいいませんが、それは進撃の巨人に期待していたものではありません。

{netabare}  エレンに関して言えば成長というより変身…闇墜ちあるいは魔王化ですね。個人的因縁の伏線は回収されて行きつつあります。ですが、だからどうした感はあります。ミカサが東洋の国のお姫様といわれたところで…ふーんでした。守るべき命令がプログラムされてとか…スクラップドプリンセスですか?

 個人個人に過去の因縁をくっつけて悲惨な話をこれでもか、と積み重ねていますが、本筋の進行が遅すぎます。サシャとガビの話とか必要だった?

 やっぱり巨人どころか立体兵装ですら未知の力の産物でした。そして巨人の秘密に科学や理論といった匂いがしません。つまり、悪魔の力で済ますことになるのでしょう。で、生殖能力を無くす?うーん。ここの謎ときを一番楽しみにしていたんですけど…どうやら、理屈が無いみたいですね。

 結局は、エレンの能力の選択、地ならしで世界を滅ぼすか、生殖能力を無くすのか、あるいは始祖としての能力を消すか…しかないですよね。やっぱり世界系になってしまっています。風呂敷の畳み方の工夫に一縷の望みをかけるしかなさそうですね。

 で、このエレンの選択の材料が提示されていません。彼は何を悩んだ結果、これらの中から答えを選択するか、がテーマになるはずなんですけど。そのためにはやっぱり島とは何だったか、巨人とは何だったかという問題が提起されなければいけないのですが、最終破壊兵器というつまらない舞台装置に堕してしまった感じです。 

 ちょっと3期から感じていたことですが、壁の中の絶対的絶望感という視点が人類が外部に存在していたこと、力関係の逆転があったことで、蒸発してしまっています。人類の希望だった立体兵装が凶悪な兵器として視点が変わってしまいました。

 ヒストリア、アッカーマン等の因縁がどうでもいい問題になってしまっています。もちろん、エレンの能力に対抗する別の戦い…たとえばミカサが東洋のお姫様という身分で何かできるならいいですけど…{/netabare}

 うーん。2000年とか巨人とか公開可能な情報とか、壮大なストーリーとオリジナリティを期待していたいたわりに、伏線回収ゲームみたいな形で最後はやっぱり世界系で終わり?回を重ねるごとに問題が矮小化していく気がします。
 個人の因縁を深いとみるか浅いとみるか、ですが個人の内面に作家性があまり見いだせないです。

 巨人=人間になったことで、自然の中の命の儚さではなく戦争被害になってしまいましたし、人間の残酷な行動がテーマ性に昇華されなくなってしまいました。


 せめて感動ポルノにならないことを望みます。気が付いたことがあったら追記してゆきますが。



追記です。なぜがっかりか。世界系の話が悪いと言っている訳ではありません。本作が世界系エンドになるとかなり出来の悪い世界系になりそうだということです。

 本作は巨人が謎の最大の要素ですが、ユミルの民、巨人の種類、実は人である、壁、王家、イエーガー家の設定はすべて巨人の設定の要素になります。

 で、巨人は前提条件として解決が提示できない謎(ユミルが悪魔からもらった力という説明以上の論理的解決が提示できないこと)だとすると、巨人は世界系の舞台設定になります。
 ですので、これにまつわる話をエレンの選択で解決したとしても、それは設定を設定で解決する…というトートロジーになってしまいそうな感じです。

 巨人の謎を、エレンの謎の力を前提とした選択で解決しても、要は中身が「空」ということになり、テーマ性としてもそうですが、物語としても実は意味が無いことを繰り返していたということになります。

 エヴァンゲリオンのATフィールド=人間=使途というように巨人が比喩的に人間の内面の弱さのような表現でもなさそうです。巨人の意味が破壊兵器としての脅威だけです。

 ですので、巨人の謎だけで物語が進行するとじゃあ我々は何を見ていたんだ?になります。
 エレンの物語としての世界系なら、巨人による危機という舞台あるいは設定に対し、テーマとなる要素がないといけません。一般的には恋愛とその他の価値観の選択になるんでしょうが、恋愛の世界系は普通は力があるのはヒロイン、選択するのが主人公です。

 世界系なら本来はエレンとミカサ、あるいはエレンとヒストリアに注目すべきですが、ファイナルシーズンからエレンに全く感情移入できない描き方で、いろんな人物に焦点を当て始めます。ミカサもすっかり邪魔者になって後付けの設定がでています。ヒストリアなんて名前だけになってしまいます。


 キャラそれぞれのエピソードを「巨人世界」という舞台の上で、オムニバス的に楽しむ構造で終わる気がする、という意味で壮大な歴史の結末を期待したのにがっかりしたという事です。

 こういうエピソードの積み重ねや、謎解き的な伏線回収が好きという人にとっては面白いというのは頭では理解しますが、本筋の謎を謎の設定で解決する、みたいな話は私の好みではありません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

力が入っている

海の向こう側の世界の話からスタートする。
原作の終盤を読んでいないため、理解できず最初は急に時間軸が変化したのかと思ってしまった。

エレンとジークの関係性だったり、ガビやファルコだったり色々と話が動いていく。壁内と壁外の人類同志の交流や敵対が色々と混ざり合ってわけがわからないよ状態。
陰謀、内ゲバ。
リヴァイもどうなっていくのかを楽しみにしたい。
{netabare}サシャが死んだのはショックだった。{/netabare}
力が入っているようで16話までいったところで休止。
怒涛のアニメ作品化で伏線回収して楽しめるでしょう。


OP
僕の戦争 神聖かまってちゃん
ED
衝撃 安藤裕子
OPは神聖かまってちゃんらしく?よくわからないサウンド。歌詞も正直ぼーっと聞いていると何を言っているか分からん。ただ、こんな感じが進撃の巨人にマッチしているとも思える。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は--進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。--やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。


第60話 海の向こう側
人類と巨人との壮絶な戦いが始まって、もうどれくらいの時が過ぎただろうか……。エレン・イェーガーがめざし、たどり着いた海の向こう側では、いつ終わるとも知れない戦争が続いていた。彼らは何者で、何のために戦っているのか? 今、ひとりの少年兵が決死の覚悟をもって、最前線へと身を投じる。

第61話 闇夜の列車
4年に及んだマーレと中東連合との戦争は、マーレの勝利で終結した。だが、あわやマーレの巨人2体が失われる事態は、巨人の力ですべてを支配する時代が終わりつつあることを示していた。対巨人兵器の開発を進める諸外国への後れを挽回すべく、ジーク・イェーガーはあることを軍の上層部に進言する。

第62話 希望の扉
故郷に帰り、母と再会したライナー・ブラウン。その夜、彼は戦士をめざした幼き日々を思い返していた。エルディア人を母に持つライナーの夢は、母と共に名誉マーレ人の称号を手に入れて、離れ離れになった父と共に暮らすこと。巨人の力を継承して世界を救う英雄になれば、その願いが叶うと信じて……。

第63話 手から手へ
戦士候補生の一人、ファルコ・グライス。想いを寄せるガビ・ブラウンを守るためには、自分が「鎧の巨人」を継承しなければならない。しかし、ガビとの成績の差は開くばかり。肩を落として歩く彼に声を掛けたのは、クルーガーと名乗る男だった。クルーガーは家族に無事を伝える手紙をファルコに託す。

第64話 宣戦布告
ファルコに連れられ、とある建物の地下室へと足を踏み入れたライナー。そこで彼を待つ人物の顔を見て、ライナーは愕然とする。そんな中、世界中の注目を集める、ヴィリー・タイバーによる演説が始まろうとしていた。

第65話 戦鎚の巨人
ヴィリー・タイバーの演説によるパラディ島への宣戦布告。その最中、騒然とする広場に、招かれざるものが現れる。

第66話 強襲
混迷を極める戦場。自在に空【くう】を飛び、襲い来る兵士たちに、立ち向かう戦士たち。この戦いの行方は……?

第67話 凶弾
助けを求める悲痛な叫びに応えるかのように、1体の巨人が目覚め立ちはだかる。そして、ガビは一人銃を携え、飛び出していく。

第68話 義勇兵
もしかしたら別の道があったのではないか……。後悔も、懺悔も、失ったものは、二度と戻らない。

第69話 正論
外の世界に味方はいなかった。だから、生き残るため、敵を滅ぼす。戦うしかなかった。それが正しい選択なのか。その是非を知る者はいない。

第70話 偽り者
行く当ても、手がかりも、帰れる保証もない。そんな彼らに手を差し伸べたのは、憎むべき悪魔だった。

第71話 導く者
憎むべきは誰なのか。恨むべきは何なのか。信じたものが、揺らぎ始める。

第72話 森の子ら
助けを求めるガビとファルコ。信じた先に報われる未来があるのか。それとも、報いを受けるのか。

第73話 暴悪
アルミンとミカサを見据え、エレンは語り掛ける。「おまえらと話がしたくてな」と。

第74話 唯一の救い
朦朧とした意識の中、確かめるのは、懐かしい面影と、朧気な記憶。それは、ある人物との出会いだった。その先に待つ自らの使命を果たすため。

第75話 天地
求める未来は、交わらない。互いに想いを抱え、ぶつけ合うしかない。そして、今またぶつかる。始まりの地、で。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

66.3 3 憎しみで記憶なアニメランキング3位
回復術士のやり直し(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.5 (458)
1119人が棚に入れました
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す"ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

声優・キャラクター
保住有哉、渋谷彩乃、石上静香、相川奈都姫、高森奈津美、津田美波、ふじたまみ、稲田徹
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

真の目的は復讐ではないと仮定すれば…けど答えを明かす前にアニメは終了

3話までの感想{netabare}
1話で断念したのだけどワケあって視聴再開。
作ってる側が意図的にゲスキャラを書いてると感じられる分には私は結構平気で観られる。
問題はキャラがゲスいことではなく「ヒールってそういうことだっけ?」というのが不思議で仕方なくて…それが切った理由になります。
で、他の方も沢山指摘されてるしヒール(回復)そのものについては再開するに当たって考えない様にしよう。
…けそ、そこに目を瞑ってもそれ以外がやっぱりおかしい。

『自分で編み出したワケでもないのに経験値を溜めると何処からともなく“能力”が沸いてきて使えるようになる』
というのがよくあるなろう系だけど、この作品のケヤルの能力、ヒールと平野文から授かった能力以外は、ヒール対象者の経験を追体験するのが根拠になってるんだよね?
要は知識が拠り所なワケで、だったら記憶を失わずに2周目へ行けた時点で能力も引き継がれるんじゃね?
「何処からともなく沸いてくる」と「知識が拠り所」とで設定が噛み合ってない様な?
ヒールをかけた時の苦痛も一周目より緩和されそう。
そもそも「もうあんな思いするのはイヤだ」と2周目は酷い目に遭うのを極力避けようと…しないんだ、それって軽くないか?
「どんな仕打ちを受けたか」ではなく「どれだけ恨みを持つ程イヤな思いをしたか」が重要だと思うのだが、強い恨みを持つほどなのかそうじゃないのかよくワカランw
人によっちゃご褒美ですで終わっちゃうワケで…ってか“メイドインアビス”のプルシュカってないだけ全然有情。

とはいえ、3話まで見た限り苦痛に感じる部分は大して無かった。
一旦1話切りした後に評判を聞きすぎちゃったかなぁ?それに比べれば「思ったほどじゃないな」と。
規制で全然見えないがエロシーンも小池一夫とかに比べれば、ねぇ?(それこそ放送できない)
あくまで核心部分のヒールについて目を瞑ってるせいだとは思うけど“オレだけが入れる隠しダンジョン”より全然マシ。
なにせあっちはゲスキャラだと自覚してないっぽいのがキツい。
それと気になるのは…ケヤルが1周目と思ってた周回、ホントに1周目?
実はゼロ周目やマイナス1周目があって、そこでケヤルは悪行を尽くしててその報いで1周目があんなのになってた、みたいなん、無いスか?
「折角地獄の生活を送るパラレル世界送りにしたのに抜け出しやがったなキサマー」みたいな、「1話の平野文が裏切りやがったなチキショー」みたいな。
前評判を聞く限り原作には期待できそうにないけど、アニオリでそんなことやってくれないかなぁ?ふでやすじゃ無理?
スタッフといえばキャラデザがごとうじゅんじだけど、私の知ってるごとうじゅんじっぽさは無くて“神田川ジェットガールズ”寄りに感じる、なんか勿体無い。
あと初代FFはケアルとヒールが混在します(単体/全体の切り替えができなかったため)、5以降は知らん。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
あっれー?なんか面白いんだけど…。
伝え聞く限りアニメスタッフはどうか知らんが原作者は何も考えてない、考えてないが故に「どこかで見たなんかの作品の印象に残ってる部分」をそのまま自分の作品に代入してる「らしい」。
なのだけど、拝借してくるネタや、それらのパーツの繋がり具合等が個人的にはそこまで悪くない感じ。
多分偶然だと思うけどねー、いつそのバランスが崩れるかは分かったモンではない。
あ、それと「回復ってそんなことも含まれるの?」って部分には目を瞑ってるせいもあるが、これは…後述のダミーオスカーの超人間っぷりも大概だしなぁ。

例えばフレイアの扱い。
ケヤルはただ殺すだけじゃなく下僕にしてコキ使い続けるのが復讐のつもりだったけど、それと同時に──
ヒトラーのクローンをヒトラーとは違う環境で赤ん坊から育てたら、やっぱりヒトラーみたいになるのか全くの別人格になるのかどっちだ?、みたいな映画って無かったっけ?
あんな感じで、復讐対象は遺伝子もしくはそれよりもっと根源的な、環境を変えようが変わりようの無い魂からのクズ野郎なのか、それを見極めたがってる?

ノルン発案のケヤルを邪教徒として燻り出そうとした計画、これもあながち当てずっぽうでもないような?
星の精霊=邪神と捉えれば筋が通る、ノルンがそこまで見抜いてたかどうかは不明だけど「侮れない敵」としてはよく書けてるのでは?
村人が迫害されたり、それより前のレナードへの替え玉が見抜かれたのも含めてケヤルにとっては想定外でしょう。
ダメななろう系って敵がザコザコ中のザコで緊張感もへったくれも無いけど、これはそうならない工夫はしてる…気がする。
そして、魔王から賢者の石を手に入れなきゃダメだけど「もしこの周回が気に入らなかったらまたもう一周やり直せばいいや」って考えが、頭のどこかにあるんじゃないかなー?
そう考えるとケヤルが自分のせいだと気に病む感じが薄いのも納得できちゃうというか…。

あと5話、クレハを落とす時「媚薬なんか使わずに自分のナニだけでどうにかせんかい!」と一瞬思ったけど、もしケヤルがそんなことできるタマだったら「なんで一周目の時それやらなかったの?」という疑問が生まれちゃう?
それを回避するための媚薬だったのかな?
…と思うと、なんでそんなトコは整合性ちゃんと取ってるんだよwと良い意味での突っ込みを入れざるを得ない。

実はそんなことよりなにより、上でも触れた小池一夫…の中でもダミーオスカーみを強く感じるw
一周目の気弱なケヤルと以後の落差がそうさせてる?変装が得意だったりレナードの顔を変えたのがそう思わせる?
いや、「なんだかんだそれっぽい理屈ゴチャゴチャ並べてるけど、結局ヤりたいだけだろ?」という、強引なエロ方向への話の引っ張り方が笑えてくる辺りが近いんじゃないかな。
それでいて少年誌的な寸止めをしないのが心地良い。
劇画漫画のノリを80年代表現でいうロリコンアニメに適用するのはどうかって問題はあるけど…ダミーオスカーを読んだことの無い人は是非読もう。
(散々洋ピン系のファックをしといて処女厨こじらせたポエムを詠み上げた時は、作者の天才っぷりに痺れたモンです)

まぁ次回の、囚われの村人をどう解放するのか(それともしない?)次第では評価変わるかも?
いかにもなろう系のオレTUEEで押し切ったらガッカリするかも。
…といいつつ、どうやってエロ方向に話を引っ張ってくか楽しみでもあったりw{/netabare}

8話までの感想{netabare}
7話、村人をどう開放するのか、そもそも救うのか?に注目してたのだけど…まぁこんなもんでしょう。
良くもなければ悪くもない、妥当。
村人どころか会場に来てた観客含め「お前らも同罪だ」と皆殺しするのを密かに期待してたのだけどさすがに無いかw
ただ、唯一生き残った少年を助けたのは自分に恨みを持つ人間を生かすことで贖罪の体を演出したつもりなんだろうけど、どう転んでもケヤルに害を成す存在にはなり得ない。
回復の勇者でもなければ星の精霊に力を与えられたワケでもないただの人間で、ケヤルとは事情が違う。
恨みを買うの上等&リスクを背負う覚悟を見せた“フリ”なだけのパフォーマンス感が半端ないのだけど…それでも無いよりはマシ…なのかなぁ?
それすらも無い作品多いからねぇ、登場人物全てが絶賛して悪いことをした・陰で迷惑を被ってる人が居るというのを見せない(見せなければ「居ない」と同義扱いする)作品、結構あるじゃん?
それがどんなに矮小だろうが無力だろうが「恨まれてる」こと自体に堪えられないそんな作品に対しての皮肉…なのかなぁ?

って、ちょっと待て?ふと思いついた。
そもそもケヤルが精霊の力を得たのは故郷の村近くの池なワケで、やっぱあの村には秘密がある?
この件で恨みを持った少年が精霊の力でケヤルを貶めて、実はそれが一周目のケヤルで…って感じで、恨む→復讐→恨む→復讐でループしてる世界(星の精霊はそれを俯瞰で眺めてる)なーんてことは…考えすぎかw
そういった匂いを漂わせるのはパクりパッチワークの賜物ということにしとこう、あんま深読みしてもね。
とはいえ星の精霊の声が平野文でスゲー重要そうなんだよなぁ…声優から先の展開を推測するのって邪道ではあるんだけどさ。

と、そんな感じで星の精霊に関心が向いてるトコロでの8話、ぶっちゃけ魔王の件はどうでもいいかなw
まぁ個人的に一番楽しみにしてる部分はエロシーンへ繋げるための“強引な話運び”で、エロシーンそのものはそこまで重要じゃない、というかウチの環境じゃ見れないし。
見れないからといってエロシーンが寸止めなのとフルコンタクトとでは予備動作に違いがある気がするのだが、どうだろう?
鼻血噴いて戦意喪失したりアワアワして何もしない作品とか「死ねばいいのに」「(それ以上進んだら放送に引っかかるからって回避方法として)作り手楽してんんじゃねーよ」と思ってしまう自分としては、この振りぬきっぷりには気分の晴れる思いだったりw
8話最後仁王立ちのケヤルに圧倒されるイヴには是非とも「すごい…エレクチオン」と言って欲しかった、ってか言わせたかったんじゃないか?スタッフもw
…って、8話絵コンテ西島克彦じゃーん、狙ってるわコレwwじゃあ魔王の話は必要か。

因みに7話、商人がいつ仲間になったのかカットされたのは頂けない…が、これはひょっとして通常版以外は描写があったりする?
放送のためにカットした部分にストーリー上重要なシーンがあったとしたら…それは仕方ないのかなぁ??{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
同期放送で似た系統の作品と目してた“俺だけ入れる隠しダンジョン”が不快の極みだったのだけど、こっちはそれを感じない。
むしろ気の晴れる思いさえ抱いてしまった。
一体何が違うんだろう?と注意しながら見てたのだけど…こっちはちゃんと主人公に下卑た笑みなどさせて、作ってる側が「こいつはゲス野郎です」と明確にアピールしてたからかなぁ?
主人公がどう見てもゲスな行動をしてるのに作品内では称賛しかされなくて作ってる側の倫理観を疑う作品って結構多くて、それらとは違う空気を感じた。
というか…そういった作品を皮肉ってた?
例えば糞なろう系でよく言われる「女性をトロフィーかアクセサリーの様にしか思ってないみたいだ」ってのに対し、この作品ではハッキリと「ハイそう扱ってます」と言い切ってる。
「楽して強くなってマウント取って異性にモテたい」という下心が丸見えのクセに、なんやかんやと言い訳つけて着飾って(カッコつけて)る煮え切らない作品を見てると「じれったいな、ハッキリ言っちまえよ」と思ったりするのだけど、この作品はそこをハッキリ言ってくれてる。
「オメーの作品なんて根底はこんな下卑たモンじゃねーか」と見せ付けてるというか、核心を包み隠さずオープンにしちゃったというか。
(まぁその…ね、なろうじゃないけどさ、ウマ娘とかさ、「作品の裏側では殺処分された名も無いウマ娘が沢山居るんだろうなぁ」とか思っちゃう人間なんで、ええ)
果たしてこれは作者の力量なのかアニメスタッフの頑張りなのかは知らないけどねー。
シリ構のふでやすなんかそこら辺身に染みて分かってると思うので、アニメスタッフの頑張りの様な気がするけど…どうなんだろうね?

とはいえ、ストーリーの方は思い切り途中で終了。
そもそも「ヒールってそんなことまでできるの?」は途轍もなく巨大な違和感で、個人的には「本来は人智を越えた上位の概念で言語化も不可能で、ひとまずヒールという言葉を充てただけなんだろう」と強引に納得させてたけど、納得しかねるとう意見もよく分かる。
復讐の対象はジオラル王国で、だけど正面から突撃したところで玉砕が関の山なので「ジオラル王国のやろうとしてること」を挫く・少しずつ戦力を削ることをコツコツとやってる、と思えば主人公の目的が分からないということは無いと思う。
というか、本当の究極的な目標は「A:与えられた力でもって欲望の赴くまま好き勝手生きる」で、だけどそれは漠然としてて具体的に何をしたらいいのか分からないので、とりあえずで「B:復讐」に縋(すが)ってる、と解釈すると結構行動は辻褄合ってる気がする。
キャラがおかしいのと作品がおかしいのは別で、復讐という理由付けに『ケヤルは』無理やり縋っているので、動機がイチャモンの様なのは『作品的には』むしろ正しい。
物事には目的と手段があって、「復讐」が両者を行き来する・揺れ動いてる様を描いた作品…だったのかも?
復讐そのものは二の次で、だけどケヤルはそれに気付いてない、みたいな。
もしくはAを続けようとすると王国が邪魔してくるのでBをせざるをえない、とか。
実際最終回では「好き勝手振舞ってたら復讐を忘れかけてイカンイカンと我に返る」という描写があって、心の揺れ動きみたいなことが起きてるので「目的が分からない」のは仕方無いことなのかも?
また、主人公に与えられた力の出所は3つで、誰から与えられたのか分からんヒール・星の精霊に与えられた翡翠眼・魔王の心臓こと賢者の石。
前回は「やり直し」で賢者の石を使ってしまったので、再びそれを手に入れようと魔族の領地へ向かうぞー…ってところでアニメはお終い。
手に入れたら今度は別の使い方をすると思うので、そこまではやって欲しかったかなー?

そうねぇ、ここまでゴチャゴチャ書いたのは『復讐は真の目的ではない』と仮定して見ると面白いんじゃない?ってことなんだけど、それがハッキリするのは賢者の石を手に入れた時だろう、と。
どんな使い方をするかで主人公の真の願いが明らかになったんじゃないかなー?と。
そこまでやってガッカリオチな可能性もあるけどね…。
あと個人的にはケヤルの先祖が星の精霊に何をしたのかも気になるんだけど…原作そこまでやってる?ってか作者はそんなことを仄めかしてたのを覚えてる??

ブレイドは殺してノルンは性奴隷にした、その違いは何?見た目の好み?けどあンた姿変えられるじゃん?
等、不思議に感じる部分もあるが、大抵は「主人公はキの字」で納得できなくもない、するしかない。
これで「主人公は真人間です」って描写されてたら文句も出るが…ねぇ?、他の糞なろう作品もそこんトコもうちっと考えて描いて欲しいところ。
最初に書いた“俺だけ~”も、一瞬でいいから主人公に邪悪な表情させれば大分印象変わったと思うんだけどねぇ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的には神アニメになってしまいました(追記あり:北米版BDを購入して)。

>3話まで視聴して
原作未読です。

1話観た段階では、単純に”なろう系作品”の過激エロ版??・・といった印象。

2話観終えた時点で、「あれっ?結構、面白くないかコレ?」って思って

3話観終えた時点で、それは確信に変わりました!。


面白いです!!。

たしかに完全にほぼエロゲなんですが、かなり良質エロゲなのでは??(詳しくないw)。
もしエロゲ版あるなら買ってもいいくらいだし
それがアニメで毎週観れるというのも、これはこれでかなりありがたい!。


個人的に何が高評価なのかというと
単純な安易なエロイベントの乱発とかではなく
登場人物たちの置かれた環境における絶望がしっかり描かれている。

渦巻く人々の悪意、裏切り、策略など
また恨み恨まれといった連鎖
人間の本質をえぐって描いているあたりなど

今、思い浮かぶのは、コードギアスやひぐらし(初期TV版)
等の要素をしっかり取り込んだ、良質エロゲ!
といったところでしょうか?。


1話2話では見えてこなかった
主要キャラ2名(主人公とフレア)も
3話の時点で、自分の中でかなり魅力的に変化してきました!。
これは話の構成が上手いのでしょうね。

フレアの中の声優さんも、素晴らしい演技されていて
魅力的な演技に感じています!。
これを機に、今後も羽ばたいていかれることでしょう。

4話以降もさらに主要キャラが増えていきそうなので、目が離せませんね!。


-------------------------------------------------
>6話まで視聴して
3話までで感じた確信はゆるぎないです!。

毎週楽しみで仕方ないですし
毎週期待を越えてくる、いろんな意味での”濃さ”が素晴らしい!!。
よくあれだけの要素を詰め込んで
なおかつ成立させていることに驚愕っ。

とにかくアニメ化スタッフ様方が、かなり優秀なのでは??。


まず、ケアルの幼い顔であの言動・・は、ホントイライラさせられますw(誉め言葉)。
それを逆手にとった展開や演出に唸ります!。

作り物?であるかもしれませんが
ケアルガでみせる表情や、おだやかな語り口調にはかなり好感^^。
(ここはケアルガの声優さん絶賛^^)
・・かと思えば1周目で受けた苦しみへの本音吐露と憎しみの感情爆発表情!。

物語の展開や重要なセリフ、キーワードなどの随所に
コードギアス感が溢れてしまってますw。

・・ここは、むしろエロ特化した同人劣化ルルーシュ?
的な楽しみ方もできてしまって、残念ながら評価は下がりません><。

下手したら、単純なパクリといわれてしまうかもですが
この物語にあわせた、新たな上手い使い方、再構成がなされてるので文句なしですね^^。


作品の3種類のバージョン違い!?
(2種は知ってたが3種あるのは今調べて知ったw)・・も見逃せません!。

・テレビ放送版
・やり直し版
・完全回復版

はい。完全回復版というネーミングセンスも秀逸ですし
テレビ放送版も、単純なただの光規制にとどまらず
どこか、のんのんびより的な素晴らしい自然の背景と
時間が止まったかのような、ゆるやかな平和な時間の流れが表現されていますw。

これは、2度・3度おいしい♪。


主人公があまりにゲスいという評をよく目にしますが
1周目であれだけのことをされてしまった人間が
正常でいられることは、まずありえないでしょう><。

本人も語っていますが、いろいろ壊れてしまっています・・。。

でも、壊れてしまっているながらも、なんとかしようとしているところ

なんだかんだいいながらも
時折見せる人間らしさ・・。


また、ただの狂気に描かれているようなところも
それらは本来人間があらゆる両面持ち合わせてるところ・・?
と感じさせられるような
突っ込んで描かれたようなものに、なにか惹かれてしまうのです^^。


音楽面ではED曲がとにかく素晴らしい!!。
3連符??のところのリズム感と世界観の変化が心地よく
まず最初に本作を好きにさせられた要因は
間違いなくこのED曲でした♪。


-------------------------------------------------
>12話まで視聴して
結論から言うと1話から12話まで終始完璧でした!。

エロ系に寄った作品って、序盤数話までは素晴らしいと感じた作品でも
後半はネタ切れ等で失速してしまうことが多いように感じますが
本作は、毎回ネタの捻り方が秀逸でした♪。

特に10話での日笠さん登場は完全に予想外の神展開&神キャストでした!!(絶賛)。


最終話のラストは、若干説明的な感じにもなってしまってましたが
ケヤルガの心情変化描写が描かれていた点がよかった。
(もちろんそのままを鵜呑みにしてるわけではなく)


終盤で仲良くなった彼って魔族だったのですね。
ずっと人間だと思ってました。
生存させておいてほしかったな~。


ケヤルガは心を開いてしまって自分が変わってしまうことを恐れてるのですね・・。
本来の王道正義もの作品では、そっちルートが正解なのかもしれませんが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
ほぼ完全に(99%くらい?)壊れてしまっているので
そちらの方にケリをつけない限りは
もう前に進めなくなってしまっているように感じられます。

でも、時々、わずかに残っている1%の良心のケヤルガが見え隠れする
ところがグッときます。
でも99%の壊れケヤルガによって、打ち消されてしまうのですが・・。
(仲良くなった彼を助けない結果になってしまうあたりも)


あと、毎回のエロ描写ですが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
日課となってしまっているので(立場は逆ではあるが)

逆に壊れてしまってるがゆえに
この日課をこなすことで安心感を得たり
自我が保てているようにも感じられてしまいます。
限られたコミュニケーション手段の1つなのかもですね・・><。

まあ日課ならば仕方ない?・・ですか。。


ああ、書き忘れるところでしたが
クライマックスでの戦闘シーン描写もなかなかよかったように思いました。

あと、キャラデザは文句なしの満点です!!。


はい。2期切望します!。


-------------------------------------------------
>北米版BDを購入して
国内版BDの購入をずっと迷ってましたが金額との折り合いがつかず、ずっと保留にしていましたが
北米版BDが発売されたことを知りました。

レビューでは強制字幕が消せないとあったので、そこがひっかかってたのですが
金額が国内版に比べて圧倒的にリーズナブルだったため、強制字幕を納得したうえで買ってみました。

で、まず家庭用のBDレコーダーで再生を試みたところ再生できませんでした。
リージョンコードは問題ないのですが、国コードロックで機種によっては再生できないようです。

次にPS4で再生してみたところ、再生できました。
ただし、強制字幕は消せませんでした。
まあこれはこれで、英語に親しむ教材に・・。なる?。
・・まあ視聴には問題ないのですが、消せるものなら消したい・・のが本音です。

次にパソコンでの某社の有料再生ソフトで試したところ
最初、再生できなかったのですが
国コードを変更したら再生できました^^。
ただし、強制字幕は消せなかったので、PS4と同じ結果でした。

最後に、無料再生ソフトを試してみたところ、設定で消せました^^。
ただし、日本製の再生ソフトではないので、もろもろ自己責任で・・ということですね。。
まあでも、やはり快適に視聴できたので、結果満足でした。


ひさびさの再視聴でしたが、評価が揺らぐことは全くありませんでした!。
むしろ盤石に。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ゲスの極みケヤル

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
う~ん、評価が難しいな~。快か不快かで言えば、不快なんだけど、面白いかつまんないかで言えば、面白い、、、ような気がしないわけでもない(笑)

これは、エロいアニメではない。ストーリーをもったアダルトアニメだ(笑)

紙屑のように虐げられた主人公(ケヤル)の心が歪み、世界にリベンジしていく話。ほぼエロゲーといえるひどいエロ描写。離脱する人も多いだろうな~と思います。

ちなみに、私は、A-TXの「完全無修せ、、、」じゃなかった、「完全回復版」で視聴です( ・`д・´)キリッ

これを☆1にしている人がいても、「そうだよね」って思うし、☆5にしている人がいても、「そうなんだね」って思う。どちらも理解できる。

「アニメは嗜好品」だから「良し悪しより、好き嫌いが大事」という私の信条からすれば、正に「嗜好品」という作品でした。好きな人は、褒め称えれば良い。嫌いな人は、貶し尽くせば良い。

レビューでは、こんなアニメなのに、ケヤルの心情なんかを真面目に考察してみたいと思います(ちょっとふざけた後にw)。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品から、エロを引いて、攻撃手段をヒールに限定できていれば、名作になったかもしれない。

直す、治す、の範囲でできること。そこにはこだわって欲しかったな~。

まあ、ヒール=再生、なので、拡大解釈で「創造」が出来るという話なんでしょう(記憶とか顔とか)。ただ、細胞を過剰に再生させて破壊するのは分かるけど、相手の記憶やスキルを奪える理屈はよく分かりませんでしたね。まあ、エロのついでなのでしょうが。

さて、本作の特徴です。

意味のないエロは嫌いだが、意味の無さすぎるエロはリアルなのかもしれない。

例えば、「透明人間になったら何をするか」と問われたら、男の99%は女湯を覗きに行くと考えるはずだ(剣道部調べw)。エロ以外を答える人は、1%の聖人君子と、99%のムッツリスケベであると断言する(笑)

普通の男が異世界で、理不尽な能力をもったら、世界を救うより、普通にエロいことするよな~と思う。

だから、ある意味ケヤルは真っ当。色々理由をこねくりまわしたりせず、「ただヤりたいから(娯楽で)ヤる」というのは、潔い。最も、女性の目線に立った時、ケヤルの行為や動機は許せるものではなく、正に「ゲスの極み」だと思う。

ということで、本作、不快です。ただ、そもそも不快さを売りにしている作品で、主人公も、実は善人とか世界の為にとかではなく、極々個人的な欲望のために、悪を成していく。そこを徹底して描く、安っぽさ、無意味さ、残酷さ。なんの深みもないけれど、そもそも、深くないアニメだと開き直られれば、なんか否定しにくい。

そんな不安材料ばかりの本作がギリギリ破綻していないのは、ケヤルが元々は善人で、それを理不尽な暴力によって歪められたという前提(過去)があるから。

私は昔から(アニメでよくある)、「復讐なんて何も生み出さない」というメッセージが、あまり心に響かない。

例えば自分の大切な人が、理不尽な悪意によって奪われた時、確かに復讐してもその人は甦らないかもしれないけれど、だからと言って加害者がのうのうと生きているのは、はらわたが煮えくり返る。

勿論、復讐だろうがなんだろうが、行為自体は正当化されないから、自分自身もなんらかの罰は受けるのは当然。でも簡単に第3者が、「復讐は無意味」とは言えない気はしている。だからこそ、それを高い倫理観や自制心、あるいは、亡くなった大切な人の為にも抑え込んでいる人は、尊敬に値すると思う。

本作のケヤルは、始めは復讐が手段だった。自分が幸せに暮らすための。しかし、徐々に復讐が目的化してくる。復讐依存症、復讐することが幸せになってくる。だって、彼はもうすでに精神に異常をきたしているから。

彼にとって、元々フレアは1番の復讐対象で、始めは道具扱い。自分と境遇の近いセツナや、愛するイヴだけは大切にしたいと思うという、確かな差別化があった。

しかし、フレアではなく、自らが作り出したフレイアには愛着を持つなど、どうやら自分で自分の感情をコントロール出来ていない様子(まあ、女に甘く、男には無慈悲なだけとも言えるけど)。それは、「ケヤルが狂っている」からでも説明つくが、「復讐心の薄れ」ともとれる。

ケヤルが「復讐心がなくなるのが怖い」と言うのは、彼が生まれながらの快楽殺人者ではなく、後天的な復讐依存者だからではないだろうか。

もし、「復讐」という大義名分を、あるいは、復讐対象を失った時、彼は彼が行ってきた残虐非道に耐えられるのだろうか? もしかしたら、彼が復讐を完遂した瞬間が、彼が本当に壊れる時なのかもしれない。

ここからは妄想だが、そんな彼が自らを守るために、せっかく築き上げた幸せな環境を捨て、再び愛するイヴの心臓を奪い、また「復讐」を行うために世界をヒールするとしたら。3周目、4周目と、悲劇を繰り返し続けたなら。

悲しい男の物語として、私は本作を高く評価することになると思います。二期があったら、確実に観ます。

もっとも、今後もただひたすらにエロを貪り尽くすだけの可能性も、かなりありますがね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
なるほど、世界を癒して2周目ね。エロアニメ? ん? 面白いか?

2話目 ☆1
復讐、とはいえ、胸くそ悪いな。ガッツリエロアニメに。判断が難しい、面白い要素もある。

3話目 ☆3
やはり、エロ描写、必要か? 残酷描写、暴力描写はあっても良いと思うけど。変態とレズとホモ。

4話目 ☆2
ガッチリエロゲだな。体液で、て、なぜ? そして、立ちバック(苦笑)

5話目 ☆2
ほぼAV(苦笑) いや、完全にAV(笑)

6話目 ☆3
人を呪わば穴2つ。死んだ人は甦らせない? 一応、自分なりのロジックはあるんだね。

7話目 ☆3
民意を操る。復讐の肯定。刹那はお気に入り扱いなのね。

8話目 ☆4
献血が税金ね。次は、魔王とヤるとしか思えない(笑) それは、魔王も焦るよな(笑) 魔王、チョロ可愛い(笑) 

9話目 ☆3
戦争の終結か、まおゆう、を観た後は浅く見えるよな。復讐は楽しいと言い切るのが、個性だな。

10話目 ☆3
まあ、目的は殺すことじゃなく、復讐だもんな。

11話目 ☆3
予想よりは、わりとあっさり殺したな。三英雄、勇者より強いのか。復讐狂い。

12話目 ☆2
ちょっとあっさり。復讐、そんなもんで良いの?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

89.3 4 憎しみで記憶なアニメランキング4位
進撃の巨人 Season3 Part.2(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★★ 4.1 (712)
3554人が棚に入れました
人類が永きに亘って壁の中に隠してきた、大いなる秘密――。 その真実に一歩近づいた調査兵団だったが、時の王政により反逆者の汚名を着せられてしまう。 しかし、人類はただ飼われるだけの家畜ではなかった。 真実を追い求めるエルヴィン・スミスの執念は兵団のトップを動かし、遂に現体制に対するク ーデターが勃発する。民衆を欺き続けた偽りの王は退き、真の王家の血を引くヒストリア・レ イスが即位。自ら巨人を討ち果たした勇敢な女王のもと、人類は新たな時代を迎えようとして いた。 エレン・イェーガーが得た硬質化の能力と、そこから誕生した対巨人兵器。 着々と反抗の準備を進める人類は、悲願のウォール・マリア奪還作戦を決行する。 人類と巨人、互いの生き残りを賭けた究極の戦い。 その先にエレンは、人類は、はたして何を手にするのだろうか?

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、橋詰知久、朴璐美、小野大輔、神谷浩史、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

俺たちの進撃よ お帰りなさいませ!

この絶望と高揚

つくづくこの作品は極限下の人間描写が素晴らしい。

進撃の巨人3期Part2は全10話。継続No.ですのでクレジットは#50~#59ということになります。極めて濃厚あっという間の10話でした。今クール(2019年春期)ひいては今年上半期の最優良物件と感じる自分はこうも思ってます。


 “途中で断念したみんな!戻っておいでよ!”


1期#01~#25、2期#26~#37、3期Part1#38~#49、そしてPart2とこれまで間隔を空けながらも足掛け5年は続いている長編物語は未だ道半ばにあります。
Finalと銘打たれたシリーズが2020年放送予定とのことでクール数不明ながらクレジット#70を超える大作として幕を下ろすのでしょう。

本作の良さはこれだけ長く続いているのに物語の整合性が保たれているところにあります。
私は原作組でもありますが、アニオリ入れても本筋から逸れることがない。その本筋は一本の線で筋が通っている。ブレがありません。
1期で提示されたのは未知なる巨人の圧倒的な力に抗う人類の意思でした。2期で巨人は見えない恐怖から見える恐怖に変わり、3期ではPart1&2を通じてこの世界の仕組みに踏み込んでいきます。
2期あたりから、外形的な巨人の恐怖が変わったことを面白くないとみる層が一定数いたのも事実でした。あまりこういうことは言わないのですがもったいないことをしてると思われます。出戻ってここまで辿りつけば報われる3期Part2と言えましょう。

やや説明的な3期Part1を踊り場にして、3期Part2では1期さながらの対巨人バトルが復活。これまでの物語の積み重ねによって闘う意味に極めて重たい理由が課せられた上での死闘が繰り広げられることになります。
さらにこれまでのあの場面に出てきたアレ。この場面でのあのセリフ。綺麗に伏線の回収がなされていきます。そしてFinalに向けての新たな謎撒き。ここまでくると、未回収の謎にもきっと答えを出してくれるのだろうとの信頼をこの作品に寄せることができてます。だからこそあらためて言いたい。


“途中で断念したみんな!戻っておいでよ!”


RevoさんもOPに返り咲きましたし。正直なところ曲単体での魅力は乏しいといいますかあんまりお上手ではない方ですよね。それでも進撃の物語にはしっくり馴染むのです。名曲「紅蓮の弓矢」を転調アレンジした「憧憬と屍の道」って、虎舞竜「ロード第二章」との既視感がハンパありません。
・・・褒めてんだか貶してんだか、こちらの曲は今から加速してくぞ!ついてこいよ!を宣誓する凱歌のように私は捉えておりました。


さて、全く未経験な諸氏向けにはどうか?
59話終わってなお続きが気になる物語です。長丁場は承知の上、Finalシリーズを共に楽しむために予習を済ませておきませんか?と推薦しておきたいところです。



■野球は巨人 対する阪神は新劇いや進撃
こんな危険球は嫌だ!の声が聞こえてきそうです。
※纏められなかったがこのエモさだけは残しておきたい!的な以下。

{netabare}#50~#55までの獣の巨人戦を軸とした戦闘描写は特濃レベルでした。ここまで6話分。辞書に無駄回という語が載っておりません。{/netabare}

観ていて苦しくなります。民族殲滅を目的とした強大な相手に対してどう対処すればよいというのでしょうか?
話せばわかるが通じない相手に非力な側ができることには限りがあり、“家畜の安寧”を甘受しようとも先細っていくのは避けられません。

{netabare}#54と前後の回は本作のピーク。

1.エルヴィン・スミスの諦観
「そして私は真っ先に死ぬ。地下室に何があるのか…知ることもなくな…」
これまで頼れる団長、超絶リアリストだったエルヴィンも事ここに至りて感情のある人間だったという事実に驚く。一呼吸置いてそりゃ人間だもんなの納得感に落ち着く。
「俺は選ぶぞ。夢を諦めて死んでくれ。新兵達を地獄に導け。獣の巨人は俺が仕留める」
#53はエルヴィンとリヴァイのやりとりだけで通常なら神回相当。

2.リヴァイの誓い
「待てよ…俺はあいつに誓ったんだ…必ずお前を殺すと…」「誓った!」
獣の巨人を仕留めにかかるリヴァイは作画の凄さも相まり冗談抜きで震えがきた。そして何回も観た。
死んでくれ!と自分が言った盟友との約束。死者(この時点では仮だが)との約束は限りなく重い。

3.アルミンの嘘
「エレン…わかってるよね?一緒に海に行くって約束しただろ。僕がエレンに嘘ついたことあった?だから何があっても僕の作戦守ってくれよ!」
「クソ…わかってたハズなのに…」
「わかってた…お前が誰よりも…勇敢なことぐらい…」
大人達から一転エレンサイド。ここまでしないと突破できない絶望的な状況というのがやるせない。エレンも泣き叫ぶでなく静かに咀嚼する。
#54は鋼、超大型、獣と無理ゲー級の負け戦からの大逆転ながらカタルシスはなし。これ凄いことです。

4.そして選択
リヴァイはアルミンを選んだのではなく、エルヴィンを選べなかったのだと思う。
壁の外。地下室に行きたいエルヴィンと海を見たいアルミンとが描く夢は一緒。諦めさせた夢を掘り起しもう一度地獄を見せることは出来なかったのだろう。団長R.I.P(T_T)
何を選ぼうがどれを選ぼうが地獄という世界は残酷この上ない。きっとこの後、“ここに団長がいれば”という展開が予想され、逆でも“ここにアルミンがいれば”となるのは必定な展開が透けて見える。
なにも時間をかけた選択ばかりを指さない。
・獣を足止めして生存者がいないかと逡巡したリヴァイ
・ライナーの取り扱いを巡るジャンとハンジの躊躇
瞬時に最適解が求められる戦場の非情さがものの見事に表現されているのだ。たまらん。

「アルミン、またな…」
リヴァイが団長を選ぶかという時にアルミンを前にしてのコニー。自身の死をも見越した別離の声掛けなんだよね。
#55 気持ち良さがまるでないが目の離せない展開が続きます。{/netabare}

ここまでお涙ちょうだいはないのですが泣けます。



視点を変えて、、、
こんな事態に陥る前に何ができたでしょうか?味方の損失を抑えるために何が必要だったのか? 諸々端折ると、正確な情報(インテリジェンス)が手元にあればということになるんだと思います。

{netabare}ミクロでならライナー達の潜伏位置や作戦内容。いくらこちらが弱くてもこれさえあれば何とかなりますし有能な指揮官なら次善策プランBプランCくらい練るでしょう。
マクロでなら巨人の正体。単に弱点突破の戦術のみならず、そこに係る利害関係者の思惑や力関係までも包括する情報を指します。{/netabare}

極地戦闘だろうが、国防外交だろうが情報をおざなりにして生き残った組織・国家は古今東西あるんでしょうか?答えは否。
戦争を起こさないために、有事に被害を最小限に食い止めるためにインテリジェンスを強化しないといけないのです。ここ無くして交渉もへったくれもありません。
アホが運用したら危険だ。その通りです。ただし仕組みが無ければやられ放題。仕組みを作った上でさっきのリヴァイの1000分の1程度の負担で糞の中からまだマシな者を選ぶ。我々だって当事者なのです。・・・あ、脱線してもうた。


「僕たちは圧倒的に情報が足りない」
アルミンが再三再四指摘していたことは本質を捉えているのです。


本作3期Part.2の後半は、足りない情報が埋められていく話。納得性のある超展開が待ち受けていることでしょう。
そして、来たるFinalシリーズでお会いしましょう。



視聴時期:2019年4月~6月 地上波リアタイ

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2019.07.10 初稿
2020.01.31 修正
2022.02.27 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 71
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

壁を超えた先の遥かなる夢

アニメーション制作:WIT STUDIO
総監督:荒木哲郎、監督:肥塚正史、
シリーズ構成:小林靖子、キャラクターデザイン:浅野恭司、
音楽:澤野弘之、原作:諫山創

人類の歴史とともに生まれた壁に囲まれた城郭都市。
エジプト文明や古代ローマの時代から
外敵の侵入を防ぐための「壁」は、建設されていた。
エルサレムの旧市街やクロアチアのドブロヴニクには、
現在でも城郭都市が残っている。
そんな歴史を『巨人』が跋扈する架空の世界に置き換え、
見事なエンターテインメントとして成立させた作品。
いよいよクライマックスを迎え、
多くの謎が明らかになっていくPart.3だ。

シリーズは2010年代を代表する大ヒット作だが、
個人的には評価が乱高下していた。
異質な世界観は面白いのだが、
観ていると、作者の都合の良いように
ストーリーが展開しているように
より強く感じさせられてしまったからだ。
その違和感から冷めた目で見てしまう。
{netabare}特に女型の巨人が生き残る展開から
付いていけなくなり、興味がなくなってしまった。{/netabare}
それは、犠牲者が出るからということではなく、
人間の生きているストーリーとして
リアリティを感じられなくなってしまったからだった。

ところが、Part.3に入って、
様々なことが明らかになるにつれ、
Part.1と2の話が全て伏線としてつながっていく。
死んだ登場人物たちが意味のある存在として
物語のなかで浮かび上がってくるように感じる。
それによって、深く物語に没入することができた。
多くの事象がクライマックスに向けて収斂していく。
リヴァイを筆頭にエルヴィンや主役の3人の
キャラクター造形もいい。原作者が最初から
ほとんどの設定を決めて書いているだけに、
キャラの一人ひとりが、よりくっきりと
リアルな姿形で象られている。
主要人物の過去が語られることで、
それぞれの信念を追体験できるのが、
大きな魅力となっている。

同時にPart.3には、大きな柱がある。
それは全員が巨人たちによって支配された世界からの
脱却を求めているとともに、
各々が叶えたいと思っている夢が表出することだった。

アルミンの夢は、築いた壁の向こう側にある
遥かなる海を見ること。
未知の世界に対する憧れ。
またエルヴィン・スミスは、
世界を覆う未知の謎を知るためだけに、
全てを捨てて本心を隠し続け、偽りの世界に生きていた。
{netabare}そして、遥かなる夢を未来に見る者と、
全てを偽り続けながら真実に近づこうとする者との間で
命の選択が行われる。{/netabare}

本当に大切なものを守るために、
人は自分勝手になってはいけないのか。
戦時中の心情は、単純なものではないだろうが、
それでも利己的な物語のほうが好感を抱く。
大義で動くよりも、もっと個人的なことで
最終的には動いてしまうほうが
人間らしいと思ってしまうのは私だけだろうか。

ふたつの夢が交錯し、一方は潰えてしまう究極の物語。
SEASON3の最大の見せ場だ。

そしてもうひとつファイナルに向けて
示された大きな夢がある。
それは「進撃」を続けなければならない
人の使命とでも言うべきもの。
57話から59話で語られるエレンの父・
グリシャ・イェーガーの物語。
私はこの物語で、アルベールビル・オリンピックの
原田雅彦を思い出した。

スキージャンプ団体戦の決勝で原田は勝利を目前にした
最後のジャンプで大きな失敗をしてしまい、
日本は銀メダルに終わってしまう。
ジャンプが終わった後に頭を抱えて
うずくまる原田の姿は忘れられない。
日本中が落胆した日だった。
しかし、それ以上に脳裏に焼き付いているのは、
帰国した直後のインタビューだった。
そのときに原田は「私はこのことを背負って、
ずっと生きていきます」と覚悟を語ったのだ。
私は子供ながらに、凄い人だと思った。
帰国直後に、彼は全てを受け止めて前に進もうとしていたのだ。
後に長野オリンピックで、その覚悟を改めて示すことになる。

今回のラスト3話でクルーガーが巨人を託す相手として
グリシャを選んだ理由----
{netabare}それは妹を連れて壁外に出たことが原因で、
妹を殺されたからだった。
人は失敗を犯した日の後も生き続けなければならない。
クルーガーが初めて同胞を巨人にして崖から突き落とした日を
絶対に忘れていないことと同じだった。{/netabare}
何かをやり遂げるには、全てを受け止めて、
過ちの日からも進み続けなければいけない。
そんな強い意志が必要なのだ。

歴史は繰り返すと言われる。
しかし、過去を忘れ去ってしまい、
負の歴史を繰り返してはならない。
そのためには「痛み」が継承されるべきなのだ。
ラストに向けて人類の夢は、
どのような形で示されていくのだろうか。
(2020年2月15日初投稿)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 57

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人類が永きに亘って壁の中に隠してきた、大いなる秘密…。

2019年の春アニメで放送されたのは、第3期の後半クールになります。
視聴を続けてきた方みんなが如実に感じていると思いますが、season3に入って物語がだいぶ核心に迫ってきていると思います。
最近、第2期を再度一巡する機会がありました。
改めて見てみると、これまで何気なく見聞きしてきた台詞や言動が全て今に繋がっている事に気付くことができます。

ライナーやベルトルトの不可解で意味不明だった物言い…
当時、視聴していた時にはすっと流していましたが、それらの伏線が今になって回収されるなんて…
でもこれに気付いたのは再視聴したからで、そうじゃなければすっかり忘却の彼方だったと思います。

今期を一言で総括すると「色々と衝撃的なクールだった」に尽きると思います。
衝撃の具体的内容はネタバレになるので記載できませんが、公式の物語から推察はできると思います。
またネタバレ要素も無いので、以下に紹介しておきます。

第50話 はじまりの街
夜陰に乗じてウォール・マリをめざす調査兵団。深い眠りにつく巨人の横を通り向ける一同の中で、エレンはひとり呼吸を乱していた。
「もしも奪還作戦に失敗したら?」「自分は人類を救えるのか?」震えるエレンに声をかけたアルミンは、エレンとこれまでのことを振り返る…。

第51話 雷槍
「獣の巨人」を中心とした巨人の大群が出現し、調査兵団は完全に包囲されてします。彼らは足となる馬を死守しつつ、「鎧の巨人」の打倒に全力を挙げる…

第52話 降臨
調査兵団が開発した新兵器・雷槍による攻撃を受けて、「鎧の巨人」は完全に活動を停止したと思っていた。そんな彼らの目の前で「鎧の巨人」は再び動き出し、咆哮を上げる…。

第53話 完全試合
辺り一帯が火の海と化した中、さらに、シガンシナ区の内と外で調査兵団は完全に二分されてしまった。一方、エルヴィンやリヴァイらは「獣の巨人」の投擲による石礫の雨にさらされていた…。

第54話 勇者
絶対絶命の状況の中、調査兵団の新兵たちは、エルヴィンの指揮のもと決死の覚悟で「獣の巨人」に突撃する。一方、エレンたちもまた、ある作戦を練っていた…。

第55話 白夜
エレンはアルミンの前に立ち尽くしていた。悲しみに暮れるエレンのもとに、壁の上から2つの影が姿を現す…。

第56話 地下室
シガンシナ区の壁上。生き残った調査兵団はわずかであった。そしてエレンは、自身の生家の地下室へと足を進める…。

第57話 あの日
エレンの父・グリシャが残した本には、彼の記憶が綴られていた。まだ幼い少年であったグリシャは、ある日突然に、この世の真実と向かい合うことになる…。

第58話 進撃の巨人
グリシャが残した記憶。その中でギリシャが、ある任務を託されることになる…。

第59話 壁の向こう側
壁の外の真実と巨人の正体が明らかとなった。それを知ったヒストリアと兵団幹部たちはある決断を下す。そしてエレンは、壁の外へと思いを巡らせていた…。


はっきりと物語が動いているのを感じることができます。
また、「進撃の巨人」のタイトルの伏線が回収できるのも、今期の大きな特徴だと思います。

そういえば、第1話は「二千年後の君へ」というタイトルでした。
その当時は対して気にも留めませんでしたが、ここまで視聴を進めてきて振り返ると、こんなにも壮大な物語だったんだと気付かされます。

原作者の頭の中は一体どうなっているんでしょうね。
原作は2009年の10月から始まったようなので、約10年が経過している訳ですが、そんな前からこの物語の落としどころをちゃんと考えていたんでしょうか。
だとすると、設定や物語の幹が相当緻密でしっかりしているんでしょうね。
これが面白さの秘訣なのかな…?

それと、今回はオープニングも好みでした。
差し出すのは相変わらず「心臓」でしたが、個人的に好きだったのはオープニングアニメ…
特に序盤…スローで動くリヴァイには鳥肌モノでした。

オープニングテーマは、Linked Horizonさんの「憧憬と屍の道」
エンディングテーマは、cinema staffさんの「Name of Love」

1クール全10話の物語でした。
第4期(The Final Season)が2020年の秋に放送が予定されています。
心境はちょっと複雑…
確かに続きは見たいけれど、終わってしまうのは少し寂しい…そんな感じです。
でも、放送を心待ちにしています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

76.5 5 憎しみで記憶なアニメランキング5位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (428)
1533人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

されど空の青さを知ったカエルちゃん

著名アニメーターのオリジナルアニメ


自分は存じ上げなかったのですが名前を聞けば、な監督と脚本さんとのこと。
そんな予備知識があれば心構えができたものをそうでないとちょっとしたトラップにかかるかも。

まず画が軽いです。主役がツダケンさん。軽い絵と渋い声のマッチングに違和感を覚えます。
次いで第2話まで終わってちんぷんかんぷんです。リアタイでは一挙2話放送でギリ踏みとどまりましたが下手すると離れちゃいますね。
トラップといったのは、 ここまでで"しっかり観よう”という意識が吹っ飛んじゃうかもしれんってこと。流し見ダメ、ゼッタイ!集中しないといかん作品でした。
私も何話か流し見てから、いかんいかんと最初からリピートした口です。

ざっと概要を追うと、
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。
頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。そんなクライムサスペンス。
ミステリと呼ぶにはそこにあまり重きを置いてないような感じがしました。犯人は誰だ?の謎解きもあっさりだし、深層心理にダイブした面々の心の機微がよりこちらの興味をひいてきます。
{netabare}※ジョンウオーカー本人以上に仲間の本堂町小春がぶっ飛んでて良い感じなのです。犯人が魅力的でないキャラ設定なのはわざとじゃないかしら。そこじゃないんだよ!というスタッフのこだわり。{/netabare}


視聴を進めていってなんのこっちゃな部分もおありでしょうが、私も一緒。純粋に視聴に求められる偏差値が高いんだと思います。

それでも推したい作品ではあります。茶目っ気というか遊び心というかクスッとさせる演出ありで、そんなのが見え隠れしてる作品に大外れはない印象。ご多分に漏れず本作もそうでした。例えば設定。

主人公酒井戸が“イド”に入った後、謎解きの重要なモチーフとして必ず死体が用意されています。その名を“カエルちゃん”。別のでも他人のでもイドにダイブすれば必ず会えるという皆勤賞ぶり。そこで誰もが思います。

 {netabare}あー『井の中の蛙(かわず)』ですね、と。{/netabare}

そのうち穴井戸だったり聖井戸だったり井戸尽くしの様相を呈してくる物語。

 {netabare}そんなカエルちゃんは大海を知りませんでした。{/netabare}

 {netabare}ついでにカエルちゃん笑ってくれないんですが胸をさすとげは消えないままだったり。{/netabare}

簡単な連想ゲームにクスッとなります。さらに殺人鬼メーカーのジョンウォーカー。

{netabare}ジョニーウォーカーを連想したのは私だけ?
言わずと知れたウイスキーの銘柄。“ウヰスキー”とも書いたりします。ヰと井。
販元の英ディアジオが韓国に工場を置いたためしばらく日本向けジョニーウォーカーやスミノフはmade in KOREAでした。文大統領が税金上げたもんで撤退みたいなニュースありましたが脱線はこのへんで。
ウイスキーは原酒を寝かせてナンボなわけでしてこちらも熟成熟成また熟成。この殺人鬼も用意周到でしたね。ちょっと類似点があります。{/netabare}

{netabare}それで主人公が“酒”井戸。組織は“蔵”。{/netabare}

{netabare}聖井戸さんだけが持つ“御代”という下のお名前。福井の地酒で「聖乃御代」ってのありましたよね?
脚本の舞城王太郎氏は福井の出身です。ウイスキー関係ないけどなんというかそういったところ。{/netabare}


シナリオとは関係ないところで遊んでみてもけっこう楽しめる。で本編のメインシナリオでも作り手が遊んでるんで素直に楽しかったです。
ホント序盤に軽い画を侮らないで真面目に観続ければいいことがあるんじゃないかと思いますよ。

ネタバレなしはここまで。『マイノリティレポート』『羊たちの沈黙』その他ちょっとでも触れると削がれるタイプの作品です。よろしければ現物を確かめてみてください。
端的に作品から受けた印象を申せば、

{netabare}『大海に出ることの叶わない井の中のカエルちゃんが空の青さを知りえて大海にでることを願う物語』{/netabare}

でございました。



※ネタバレ所感

■声優宮本侑芽のお仕事

飛鳥井木記(あすかいきき)の演者さん。代表作は言わずと知れた『SSSS.GRIDMAN』の宝多六花役。
覚えてますかね?新条アカネとのやりとり。

{netabare}諦観した時のやや強がりの入った演技がすこぶる良いんです、この方。{/netabare}

これまたどうでもいい脱線。
木記→キキ→kick it ! とくれば、Beastie Boys の 『Fight For Your Right 』しか考えられませんよね。えぇ私が好きなだけです。

 You gotta fight for your right. To party

ききちゃんが心から笑える日が訪れますように!


■殺意で狂う人間模様

印象的なシーンと置き換えてもいいかもしれない。なんか切ないのよね。

1.{netabare}井波七星{/netabare}

{netabare}“墓掘り”の相方の女です。彼女のイド内にて、森の中で夜に円環列車が走るのを上から収めたカットを最後に映すんですよ。
「資料によれば井波七星の母親は七星が14歳の時に走行中の電車に飛び込んで自殺。どうやらこの酒井戸が乗る電車が実際にその時母親を轢き殺したもののようです」
ループしてる彼女の心理はここまでで充分に説明されてるのに敢えてぶち込んでくるの切なかったです。

穴開きで1,2話。海外帰りの爆弾魔で3話。そして墓掘りエピソードで4,5,6話と中盤を締めくくって後半にブーストかける良い流れでした。{/netabare}


2.{netabare}名探偵の条件{/netabare}

{netabare}殺人者であること。そして自殺も殺人とカウントするってのが最初とっつきづらかったかも。
つまり殺人犯を口八丁で自殺に追い込んでく酒井戸のスタイルもれっきとした殺人ですよ、と。羊たちの沈黙でも囚人を自殺に追い込んでくのがありましたけどレスター博士のサイコな感じとは違うんですよね。切ない事情がありました。

別件で、熟練の松岡刑事が本堂町(=聖井戸)を送る時も哀愁を漂わせてました。
「ただ俺はお前を推薦しながら俺と他の同僚を守っただけだ」
渋めのおっさんは刑事モノには必要です。{/netabare}


3.{netabare}鳴瓢(=酒井戸)というよりツダケンさん{/netabare}

{netabare}10話が切ない。耐えられん。{/netabare}

4.{netabare}局長の声{/netabare}

{netabare}これ全然切なくないやつです。何だろう…アニメ的な発声にずっぷり慣れてしまったのだろうか。
声が軽くてラスボス感が全くしない。それに棒なんじゃないかと思うくらいひどかった気がする。これ減点要素です。{/netabare}


■最後に遊び心の話に戻るんだが…

遊びと言いきると不敬とも取られかねないのですがお手柔らかに。

{netabare}「違うだろ…君らがどこかに行ってしまったんだ!」
「現実にいるんだ。君のいない…椋もいない…現実に…」
「椋…今そこで君らと一緒にいられなくて…本当に悔しいよ…」

イド内イドで妻に娘に鳴瓢が振り絞るように吐いたセリフ。どんな場面かは完走した人は分かるはず。
悔しいと吐露する鳴瓢の心中いかばかりか。{/netabare}


そこで思い出したのが以下、


{netabare}「国の為重きつとめを果し得で矢弾尽き果て、散るぞ悲しき」

硫黄島守備隊の指揮官栗林忠道中将閣下の辞世の電報です。大本営に“悲しき”の部分を“口惜し”に変えられて世間に発表された逸話はご存知の方も多いでしょう。現代語訳すれば「悔しいよ…」ですね。
それから半世紀の時が流れて、1995年。{/netabare}

{netabare}「精根を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき」{/netabare}

{netabare}慰霊に硫黄島を訪れた現在の上皇陛下が、この"悲しき”という言葉を使われて御製を詠まれています。{/netabare}


序盤私が申し上げた妄想の類ではなくこちらはれっきとした言葉の繋がりを意識されたものです。
それで「聖乃御代」ってことは…絶対にありませんね。すいませんでした。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.10.10
《配点修正》-0.1 全体バランスを考慮


2020.03.25 初稿
2020.04.29 タイトル修正/修正
2020.10.10 配点修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ID-0とは関係ない

2話までの感想{netabare}
ID-0よりリヴィジョンズの続き見たいなぁ(チラッチラッ

でもってこっちはサイコダイブモノ。
あにこれじゃない別の場所で意味が分からないって感想を散見するのだけど、どこが分からないのか分からない。
謎の部分は「ハイここは謎でーす」と明確で、分からないってこととは違うような…多分意味が分からなくなるのは後半になってからだと思うw
で、ひょっとしてだけど、視聴者それぞれの価値観は置いといて、この作品世界では「自殺も人殺しの一種として扱ってる」ってのが分からないと意味不明…かも?と思ったり。
それで本道町は自分のイドを作って「穴開き」の居場所の特定に繋がるヒントを渡した…って部分が意味不明なのかな?
違うのかな?
イドを作る・入るには殺人犯じゃないとダメで、酒井戸をダイブさせてそれが視認したものを外部が観測できる、但しダイブする度に酒井戸は記憶を失くすっぽい(ここ面倒くさそう)。
またイドはそれを形成してる人間(犯人)とリアルタイムでリンクしてる模様。
じゃあ酒井戸は殺人犯?っていうとどうやらそれっぽい、娘を殺されて犯人を殺した?
で、凶悪殺人犯のイドを覗くと共通してジョンウォーカーなるものが居て、同じように「かえるちゃん」も居るがかえるは娘じゃなくて娘と重ねてるだけじゃないかな。
殺意がそれほど特殊だと思ってない人間…例えば“ヴィンランドサガ”のバイキングみたいな奴はシビュラシステムに引っかかるのかどうかは不明。
合ってるかどうかは自分も分からんけど、これだけ分かって意味が分からないってことはあるまい。

その件とは別に、追い詰められた犯人が被害者のフリをして逃亡ってよくあるネタだけど、これだけネタとして扱われると「実際そんなことってあるの?」ってのはちょっと気になる。
とりあえずこれ見てふと思ったのが“ナカノヒトゲノム”もこれくらい冒頭で世界設定説明をしてくれたらまだ見れただろうになぁ、ってことだったり。

現段階では面白そうだけど冒頭でも書いた通り、後半本格的にワケ分からない展開になりそうな予感…哲学とか概念の話になって。
この予感外れて欲しいけど、果たしてどうかな~?{/netabare}

3話感想{netabare}
2話段階ではまだ確定じゃないし言うの控えてたけど、どうやら“羊たちの沈黙”の影響強そう。
前回は被害者になりすまして犯人逃亡がそう思わせたのたけど、今回は「監獄で隣になったヤツを言葉だけで自殺に追い込む」が正にソレ。
羊たち~では「レクターは何を囁いたら自殺にまでできるんだ?」と思ったもんだけど、こっちではそれを具体的にやってくれました。
ってことでパクりではなくオマージュって感じ、悪いということではない。
実際心の奥底、無意識の部分を他人に見られるって首根っこ捕まれるようなモンな気はする、そう考えると平然としてる本道町はかなり頭がイカれてる予感。
…ひょっとしてかえるちゃんはメンガタスズメポジション?
いやでもどうだろう、脚本の人はミステリ作家らしいのでレッドヘリングの可能性も捨てきれない?

それよりも、まさか1話完結=犯人逮捕まで行くとは思わなかった。
イドに入るたびにいちいち記憶失くす設定なので、状況確認するのが面倒そうで(「ここは何処だ?オレは誰だ?」ってのを毎回やられてもクドいよね)もっとダラダラ続く系と予想してたのだけど、結構テンポ良いのかも?
1話の中でよく詰め込んだなぁ、と。
ただ「狙撃手が移動してるんじゃない、塔が回転してるんだ」は“賭ケグルイ”でも見たトリックで目新しさはイマイチ。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
初回2話連続放送で、その段階で「分からない」という意見へ「いやいやまだ分かるっしょ、本格的に分からなくなるのは多分後半」という態度だったのだけど…。
あはは、後半どころか中盤で意味分からなくなっちゃったw

引っかかりを覚えたのは本道町がイカれてるのは元からなのか穴が開いてからなのか分からん所から。
「正義のためなら自分の命なんて関係ねー」って性格なのか「人殺ししたくて警官になりました、凶悪犯居ないかなぁ(ウズウズ」って性格なのか、色々考えてたけどどうでもよくなっちゃった。
次いで5話か、自由落下してるイド。
無重力ってことだったらしいのだけど画面からはそうは感じない、というか見せ方が…意図的なら意地悪、意図的でないなら下手糞。
意図的でないってことはあり得ないと思うので、じゃあなんであんな分かりにくい見せ方したのか、その意図を考え出して…あはは、他のことが頭に入らないw
そして最後、本編で取り上げられてない、「そういうのがあったんだ」と言葉だけでしか説明してない連続殺人事件が他にもあって、それがいきなり本編に絡んで来るのは…どうなんだろう?
これが別媒体に原作が先にあって、アニメ化するに当たり入りきらない・詳しくはそっちを見てネってことなら分かるが、最初から1クールアニメとして作られたものなんだよね?(※)
それが悪いとまでは言わない、もし人気出て続編作ることになったら続きよりもそっちの話やってくれないかな?とさえ思ってる。
けどやっぱり…頭に入ってこないw
真犯人が無意識のウチに7という数字に拘ってたと言われても「ふ~ん」ってだけで「なる程!」には至らなかった。

もう一度最初から見直して、メモ取りながら視聴して理解しながら進めれば面白いのかな?って思わなくもないけど、そこまでの気力は残念ながら起きない。
だって…結局キキは救われないじゃん。
閉め方が良ければもう一回見ようかなとも思うけど、これじゃあちょっと…だったら“pet”をもう一回見るかなぁ、と。
というか単に人に説明するのが下手なだけなんじゃないの?という不信感が…言葉遊びも行き過ぎるとちょっとね。


逆に原作が別媒体で既にあって、それのアニメ化で、原作のほうの情報量が膨大でアニメの話数の中では到底説明し切れなくて、スタッフめっちゃ苦労してそうだと感じるアニメも沢山ありまして。
それに比べりゃ贅沢な立場なのにどうして…とさえ思えたり。

あとキキといったら樹木希林だるるるるぉ!?


追記
穴井戸が死んだのがどうしてか分からんって方が居たので個人的解釈。
イドの中で「名探偵扱いで自分が何者か分かってない状態」は死んでも本体は平気、自分が何者か分かっちゃうと(イドの中で)死ぬと本体は死ぬか昏睡。
記憶を無くして「名探偵扱い」は本体にダメージを与えないようにするガード機能みたいなもんかな?と解釈。
穴井戸は頭の穴のせいでガード機能が働かなかったってことだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よくは分からないけど、面白い(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
アニオリのミステリーもの。

監督は『Fate/Zero』『アルドノア・ゼロ』で知られるあおきえい、シリーズ構成と脚本は『ディスコ探偵水曜日』『九十九十九』で知られるミステリ作家の舞城王太郎が務める。

独特なキャラデザ、非常に難解なストーリーと、特に序盤はうまくアニメの世界に入り込めないが、中盤以降はグッと引き込まれると思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず、連続殺人犯しか名探偵になれないという設定がユニーク。プロのハッカーが、セキュリティを担当しているみたいな。

鳴瓢秋人も本堂町小春も、基本は善人なんだろうけど、殺人鬼の資質があり、状況が状況ではあったが、殺人を犯した。富久田保津は、基本は悪人なんだろうけど、最後は自らの命を捨ててまで、本堂町小春を助けた。

「善人も悪行を成し、悪人も善行を成す」

どんな聖人君子でも、人には言えない秘密を持っていたり、ちょっとした悪いことはしてきているはず。また、歴史に名を残すような殺人犯であっても、家族には優しかったり、友達には冗談を言って笑わせることもあったかもしれない。

ちょっと仏教的というか、芥川的な世界観だけど、多分それが、人間の本質で、「善と悪は紙一重だ」と言いたいのかもしれない。

なんとなく、鳴瓢秋人≧本堂町小春≧富久田保津 なのかな、善人順に並べると。

この中で特に異常だったのが、本堂町小春。無垢ゆえの怖さいうか、危うさがあって、なかなかに魅力的だった。あと、可愛いし(笑)

ラストも綺麗に決まっていたと思う。

自らの歪んだ正義を貫き、イドの中で生きるために自殺した局長を、イドの中のイドで捕まえ、半永久的に罪を償わせる。

あれだけの悪事を主導したジョン・ウォーカーには相応しい末路。色々モヤモヤするアニメだけど、あれでかなりスッキリしたと思う。

ただ、肝心の推理に関しては、あまりにヒントが少なくて、とてもじゃないけれど自力では解けなかった。だから、推理の面で「1本取られた」みたいなのはあまりなかったかな。

用語も難解で、この作品のネーミングには、色んな意味が込められているのだと思う。例えば、「ミズハノメ」や「ワクムスビ」は、それぞれ、「弥都波能売神(水の神様)」「和久産巣日神(食物の神様)」で、いずれも「イザナミ(伊邪那美命)」が死ぬ時に、その尿から生まれている。とすると、飛鳥井木記を「イザナミ」に見立てたと言える。おそらく、「連続殺人犯を生む、母なる存在」として、飛鳥井木記を捉えたたも、こんなネーミングにしたのだろう。そう考えた時、「カエルちゃん」は、「蛙ちゃん」ではなく、「還るちゃん」なのかもしれない。全ての連続殺人犯が、最後に「還る」場所。

他にも、「イド」がフロイトだったり、「酒井戸」「聖井戸御代」「穴井戸」「裏井戸」の本質を示すものだったりする。また、「ジョン・ウォーカー」といえば、ウィスキーを思い出すけど、「酒井戸」とアルコール繋がりがあり、二人には本質的な共通点があるこあとを示しているのかもしれない。

と、1から10までとにかく難解であり、正直、真剣に考えちゃうと頭から煙出そうなアニメである。ここで、「あまりにも難しい問題に出会うと、考えることを放棄してしまう(テストなんかそうだよねw)」という人間の不思議な機能が発動し、私は途中から細かいことを考えるのをやめた(笑) そしたら、なんか逆に面白くなった。翻弄されている感じがクセになるw

実際、このアニメは、「推理を楽しむ」のではなく、「推理をしている様を楽しむ」のが、正解だと思うし。

そういう意味で、「よくは分からないけど、面白い」というレビュータイトルをつけてみた(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ロケットパンチ(笑) なんか、意味分かるような分からないような。

2話目 ☆3
このイド、ようは動機(深層心理)を探ることで犯人を特定するわけか。ミズハノメ、構造が分からんて、オーパーツ的なものなのか?

3話目 ☆3
すげぇシリアスな設定があるのね。

4話目 ☆3
ん? 新名探偵? どんな話に?

5話目 ☆4
殺意と恋愛感情が乖離している。なるほど。

6話目 ☆4
なんだかちょっと、面白くなってきた。誰が真犯人か。連続殺人犯、、、。なるほど。

7話目 ☆4
よくは分からないけど、面白いな、なぜか(笑)

8話目 ☆4
よくは分からないけど、面白いな、なぜか2(笑)

9話目 ☆4
よくは分からないけど、面白いな、なぜか3(笑) 何が夢で、何が現実なのか。

10話目 ☆5
あれが夢だったら、という希望にすがり付きたい気持ち。辛い現実だよな。幸せの描写が痛い。泣けるな。現実を受け止めたってことかな。核心に迫ってきた。

11話目 ☆3
犯人は局長。推理に穴があるかないかわからないけどね(笑)

12話目 ☆3
動機はなるほど。連続殺人犯じゃなけりゃダメで、ジョンウォーカー(局長)は一人しか殺してないんじゃ? 間接的な殺人も含まれるのか?

花は1つ、が下ネタ? 数字が好きなことを考えれば、英語の概念と結び付くのかな? 英語で、「フラワー」と言うと、「小麦粉」を指すと聞く。日本語の「花」と同じように使いたいなら、「フラワーズ」と複数形で使う。「I like flower」でなく、「I like flowers」。つまり、「私は花が好きです」の場合の花は、ある特定の花を指すのではなく、総体としての花を指すのだから、複数形で言うべきという考え方だ。

富久田は数唱強迫があって、数を数えることに苦しんでいた。「1つ」であるものは、数える必要がない。よって、花は「flower」であって、「flowers」ではない、つまり、「多少の違いがあっても、同じ存在である」という境地に辿り着けば、穴を開けずとも数唱強迫から逃れられる。

そういう気持ちを込めて、「花は1つ」「大事な言葉だよねぇ」「一途だ」と言った。けど、本道町には伝わらず、「花=女性器の隠語」で捉えられたから、「下ネタやめて」になったのかな?

13話目 ☆4
ミズハノメの中では、ジョンウォーカーの夢を挫く。身体は死んでいる。すげぇ復讐だな。かなり綺麗に終わったラスト。最近のアニオリの中ではなかなか良かったかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

77.6 6 憎しみで記憶なアニメランキング6位
MONSTERモンスター(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (636)
3520人が棚に入れました
1986年、西ドイツ・デュッセルドルフのアイスラー記念病院に、頭部を銃で撃たれた重傷の少年が搬送されてくる。天才的な手術の腕を持つ日本人外科医・ Dr.テンマは、院長の命令を無視してまでオペを担当しその少年の命を救う。「死」を生む悪魔と「生」を生む医者が出逢ったことで、陰惨な物語の歯車がごとりと廻り始める。
東側の世界では西ドイツ社会を混沌の世界に突き落とすという異常な策謀が進行していた。チェコスロバキア秘密警察のフランツ・ボナパルタらは、子供たちを次々に西側諸国へ送る戦闘要員として教育していく。その過程でヨハンという怪物が生まれた…。
数年後の1995年、テンマと数年ぶりに遭遇したヨハンは確実に巨大な怪物に成長していた。テンマの患者ユンケルスを目の前で何の躊躇もなく射殺するヨハン。自分の中で何かが弾けたテンマは、ヨハンを追いかける。
果たして、テンマはヨハンの殺戮を食い止めることが出来るのか…。ヨハンを衝き動かす『なまえのないかいぶつ』という絵本は何なのか…。ヨハンは何故殺戮を繰り返すのか…。物語はベルリンの壁崩壊後のドイツとチェコを舞台に展開されていく。

声優・キャラクター
木内秀信、能登麻美子、小山茉美、磯部勉、佐々木望
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

奈落へのフリフォーーーヾ(`Д´||)ノーーーールッ作品!!

■評価
ストーリー : ★★★★★ 5.0
演出・構成 : ★★★★  4.0
作画・映像 : ★★★★ 4.0
声優 : ★★★★☆ 4.5
音楽 : ★★★★☆ 4.0
キャラ : ★★★★☆ 4.5

■ストーリー
天才的な脳外科医テンマが、銃で頭を撃たれた一人の少年を助けた事から始まった大規模な殺人事件と、その首謀者である少年に秘められた謎を解き明かしていく全74話の長編作品

■感想
サスペンスやミステリーといったシリアス作品が好きな自分にはヨダレものの作品でした (゚ρ゚)
この作品は大河ドラマの様にスケールが大きいというよりも
底なし沼にズブズブ沈んでいく様な深いミステリー作品です。

この物語は、舞台をドイツやチェコ等の主要都市に移しながら主人公だけの視点ではなく、それ以外の登場人物の視点から話を展開していくので、長編でもメリハリがあって、小さくまとまらず一定のスケールを保っています。

何よりも物語の構成が緻密で、一話一話がすべて点(伏線)になっており、それぞれの点と点が次第に繋げ、1つの線(真相)となっていく過程は非常にスリリングで、登場人物達と一緒に真相を追っている様な錯覚を起こします。
こんな見せられ方したら、見ている側も次が気になって眠れません。意味のない話なんてなかった気がする…。

この作品の演出・構成・脚本の緻密な作りこみを実現しているのはアニメだけでなく、ドラマや映画の世界でも中々お目にかかれないです。
私の憧れの映画監督であるクリストファー・ノーラン監督やデイビット・フィンチャー監督の作品に十分に匹敵、いやそれ以上の作品ではないかと想います。
きっと原作者の浦沢さんの素晴らしい作品のお陰だとおもいますが妥協せずに原作を忠実に作りこんだ製作者の方にもお礼を言いたいです。
ハリウッド??でのドラマ化も決まったみたいですね!!
監督は日本のサブカルオタクのギレルモ・デル・トロです!!
今、パシフィック・リムという映画で日本大好きロケットパンチを発射しまくってる監督さん(ホラー・サスペンスが得意)です。

悪い点は点と点をつなげる時(特に終盤)に、多少強引で乱暴な奇跡?演出?があった事と、なかなか撃てないテンマがじれったいこと…そして一気見しないと話の流れを忘れそうな事くらいですかね。

色々と書きましたが、この作品はあまり難しい考察は必要ありません。シートベルトをちゃんと締めて、あとは重力に任せて奈落のそこへ落下するフリーフォールの様な作品です。

最後に念のため本作は長編であるため、何話かに分けてみるのもありです。私の独断と偏見ですが、話のキリが良いポイントと、各話のダイジェスト版をつくってみましたので、視聴するときの足しにしてください。
ネタバレが多く含まれるので、嫌な方は読み飛ばしてくださいましぃぃm(_ _)m

■1話~24話
{netabare}
テンマとヨハンの出会いと凋落、そしてヨハンという人物が何者か?その謎をテンマを中心にして紐解いていきます。
一話一話の話が伏線になっており、徐々にヨハンの本質が見えてきます。
そして様々な人々と関わるにつれて、ヨハンがミュンヘンにいる事をつきとめ次の舞台へ。
ここでのキーワードは『511キンダーハイム』
{/netabare}
■25話~39話
{netabare}
物語はミュンヘンに潜伏しているヨハンを中心に話がはじまり、ミュンヘン一の財閥であるシューベルトに寄生し、ヨハンは周辺の人々を巻き込み更なる悲劇を招きます。
ここではDr.ライヒワインと元刑事のアル中であるリヒャルトを中心として物語の謎解きが展開されます。
そしてヨハンの暗殺に失敗したテンマとニナは1冊の絵本から更にヨハンとニナを生んだ母親の存在を掴み、舞台はプラハに移ります。
ここでのキーワードは『なもなき怪物の絵本』『チェドック橋』『3匹の蛙』
{/netabare}
■40話~50話
{netabare}
チェコを舞台に元スパイのグリマーが、511キンダーハイム元院長ペドロフに取材を行う事でMonsterの出自を本人が語る録音テープと、人体実験レポートの存在をしる事になります。
この録音テープを求め、チェコを舞台に元秘密警察、チェコ警察、グリマー&テンマ、そしてヨハンによる四つ巴の争奪戦が展開されます。
一方、ルンゲは長期休暇と称してチェコに滞在し、なもなき怪物の絵本を元ネタに独自捜査を慣行、ついに赤いバラの屋敷の真実にたどり着きます。
ニーナとディーターはチェドック橋と3匹の蛙の謎を追いもとめ・・・点と点が繋がり線となっていきます。
しかし!!ついにテンマはチェコ警察に逮捕され、舞台はドイツのデュッセルドルフへ。
キーワードは『赤いバラの屋敷』『エヴァ』
{/netabare}
■51話~57話
{netabare}
テンマは逮捕され失意のどん底におちますが、警察にはこれまでの真実を話し、説得を試みようとします。
そんな中、テンマの逮捕を知ったエヴァとDr.ライヒワイン、そしてテンマに命を救われた患者達が無罪を主張すべく、テンマの弁護を担当する様に
法曹界の寵児といわれる弁護士フリッツ・バーデマンに掛け合います。フリッツは別の弁護士であるアルフレート・バウルからの説得によりテンマの無実を証明すべく動き出します。そしてエヴァもテンマが無罪である事を証言する決心をしますが・・・思いもよらぬ事態が発生します。
エヴァの命が危ういと感じたテンマは、脱獄士の手を借りて脱獄を決行しますが、エヴァは行方不明となります。
そして担当弁護人であるフリッツから『なもなき怪物』の著者であるフランツ・ボナパルタについて書かれたメモを入手したテンマは、再度チェコの赤いバラの屋敷にむかい、ボルフ将軍から赤いバラの屋敷の秘密とエヴァの居場所の
手がかりを得ます。舞台はフランクフルトへ
{/netabare}
■58話~63話
{netabare}
赤ん坊の部下であるマルティンは、エヴァの用心棒&世話係を依頼されるがエヴァの抱える苦しみや、寂しさを理解していくうちに彼女に惹かれていきます。
しかし、組織の長に何事かを頼まれ、市内の数多くのパーティーに参加するだけのエヴァの役割とその目的が達成され、用済みになった事をマルティンは知る事になります。
テンマはマルティンからエヴァとヨハンの居所、ヨハンに弟子ができた事、そして組織の長『ペトル・チャペック』と、その陰謀をしる事になります。
(一匹狼ガンマン・マルティンに乾杯!!)
一方、過去を何も思い出せず苦しむニナはDr.ライヒワインとDr.ギーレンの催眠療法によって、ついに驚愕の記憶が蘇ります・・・そしてすべてを悟ったニナは、この事件を終わらせるため、テンマをおいかけてフランクフルトへ。
そしてペトル・チャペックを追うテンマは、偶然にもチャペックによって家族を失ったミラン一家と出会います。その一家と過ごすうちにテンマは己の復讐に
意味があるのか苦悩し、ある決心をすることになります。
その頃、バイスバッハ刑事とDr.ギーレンはフランクフルト内で発生している
全く無関係と思われた複数の連続殺人事件が、ヨハンが関係している事を突き止めます。いよいよ終盤!!、役者はそろっタンゴ!!舞台は引き続きフランクフルト。  
キーワードは『ペトル・チャペックの陰謀』『ヨハンの弟子』
{/netabare}
■64話~67話
{netabare}
パンダこれはぁぁ!!物語の展開はさらに奈落へと急降下!!
ペトル・チャペックの陰謀は、ヨハン??と弟子の『クリストフ・ジーバーニッヒ』??によって、無残にも水泡と化します。そして廃人とかしたペトル・チャペックからヨハンの居場所、そして自分たちの出自を聞き出したニナは、ついに本丸にてヨハンと対面します・・・。
一方テンマは、マルティンからの情報をもとにヨハンの弟子『クリストフ』の居所をつかみ、偶然にも居合わせたエヴァと共に尋問し、ヨハンの本丸をつきとめます。
そして、ヨハンとニナは自分たちの記憶について、驚きの真相がニナからカミングアウトされます。次の舞台はルーエンハイム。
キーワードは『フランツ・ボナパルタとその息子』
{/netabare}
■68話~74話
{netabare}
田舎町のルーエンハイムに、何か異常な事件の臭いを嗅ぎつけてきたルンゲそしてグリマーは、その臭覚を頼りに町の捜査に乗り出します。一方、テンマはニナからの情報を頼りに、フランツ・ボナパルタの息子を訪ね、ついにルーエンハイムにフランツ・ボナパルタの影を見出します。
しかし、ルーエンハイムでは町の住人であるコンラットが何者かに銃殺された事をかわきりに、ついにヨハンの完璧な自殺が開始されます・・・。そして事態を食い止めるべくルンゲ、グリマー、テンマ、ニナたちが最後の壮絶な戦いに挑みます…驚愕の最終話へ。
人に戻った超人シュタイナーよ!!永遠なれぇぇ!!( TДT)
{/netabare} 
■さらにネタバレ注意!! Monsterの謎とポイント
{netabare}
Q1:ヨハンとニナはどんな出自だったのか?
A1:才色兼備な母と有能な軍人の父との間にうまれた子供
  です。すべてが仕組まれた結婚・出産である事をしり
  夫婦で逃走を図りますが捕まります。
  父親は殺され、最終的には3匹の蛙でアンナは子供
  たちを置き去りにして逃走します。
  したがってヨハンたちたちは洗脳や空虚感
  そして、恐怖にさらされる幼少時代を過ごしました。

Q2:グリースハイムの公園のメッセージは何のために
  だれが?何のためにやったのか?
A2:これはペトル・チャペック率いる極右派組織が、自分
  たちの組織の邪魔になる人間たちをヨハンの弟子『ク
  リストフ・ジーバーニッヒ』を使って、ヨハンに
  殺人を委託し、ヨハンが連続殺人者達を使って実行
  しました。
  極右組織はヨハンを利用して自分たちが国のTOPに
  なろうとしていたと考えています。

Q3:67話の終盤でヨハンに銃殺された男は誰?
A3:おそらくヨハンがプロデュースしていた連続殺人犯の
  一人だと思います。
  それ以上の意味はないみたいなので、かませ犬だと
  思ってます。

Q4:フランツ・ボナパルタがやりたかった事は?
A4:外見も能力も有能・優秀な男女同士をつがわせ、
  生まれてくる子供たちを国の総統にすべく、完全無欠
  の完璧な人間をつくる事です。
  これによって数多くの子供たちが人格改造によって
  洗脳され、無実の人々が、殺戮されるという事態に
  まで発展してしまいました。

Q5:フランツ・ボナパルタは何故赤いバラの屋敷で
  大量殺人を行ったのか?
A5:ヨハンと二ナの母であるアンナに恋をしたボナパルタ
  は、母親と双子を開放するために、アンナ達や実験の
  事を知っている人々をこの世から消し去りたかった
  から。

Q6:最後の舞台であるルーエンハイムでヨハンがやりた
  かった事はなんだったのか?
A6:本当の両親そして自身の記憶・自我・名前を奪われた
  ヨハンはその張本人であるフランツ・ボナパルタや
  自分を知る人々を皆殺しにして、そして、自らの命を
  絶つ事で、フランツ・ボナパルタを名のなき怪物に
  しようとした。
  (完全な復讐だと個人的には考えています)

Q7:なぜヨハンは自殺することにしたのか?
A7:自分のつらい過去の記憶が、実は二ナの記憶で
  あった事から自分の存在が、そもそも無意味で空虚な
  存在だと感じたからだと考えています。

Q8:ニナはヨハンと同じ残酷な体験をしたにも関わらず、
  なぜニナだけがまともに育ったのか?
A8:ニナは赤いバラの屋敷から逃げる際に、ボナパルタ
  から怪物になってはいけないと暗示をかけられたので
  無事であったと考えています。
  二ナの残虐な話を聞いたヨハンは、何も言われな
  かったので、そのまま怪物になってしまった…。
  
Q9:最終話でヨハンはまた行方不明になったが何故??
A9:よく分かりま千円・・・わからず肥やしいですっ。
  彼は本当の名前を手に入れる事で、母親に会いに
  行った??もしくはそれとも死んで埋葬されてしまっ
  た??と考えてます。ちょっと煮え切らないかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

チェコ抄

原作厨

いつかは!と思いつつ店晒しにしちゃってたよん
皆さんもおありでしょう。私にとって『MONSTER』がそんな作品の一つです。
おおかたスイッチが入るとあっという間なのに、事前に全74話と聞けば腰は重くなります。

一言で“ミステリー巨編”になります。原作はみんな大好き浦沢直樹氏。現代人の基礎教養くらいに思ってますのでどんなお話かは割愛しときます。wiki拾うとこんな感じ↓

引用)
ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品。冤罪、猟奇殺人、医療倫理、病院内での権力闘争、家族の在り方(親子愛、兄弟愛)、人間愛、児童虐待、アダルトチルドレン、トラウマ、東西冷戦構造、ベルリンの壁崩壊の以前以後のドイツ社会などをテーマとしている。

てんこ盛り過ぎですね。そのくせお話としてはまとまっているという奇跡的な作品はそうそうお目にかかることはできません。よってボリュームさえ気にしなければGO!かと。というより表裏の話で、1クールで収まりのいいサスペンスもの良さは認めつつ、本作のように長尺で追いかける楽しみを得られる作品は唯一無二くらいで思ってます。
私からは重い腰を上げた“きっかけ”とアニメ作品としての“視聴する意義”の2点だけに留め、内容については特に触れずにしとこうかと思います。


■きっかけ

1.頭脳明晰つながり!?
 {netabare}佐々木望さん東大卒業とのニュースに触れ、出演作見たら“ヨハンリーベルト”とある{/netabare}
2.東欧の虐げられチルドレン
 {netabare}最近観た『ブラックラグーン』の双子の設定でなんとなくオーバーラップ{/netabare}
3.ようつべ
 {netabare}インパルスの往年の名作コントがタイミングよくピックアップされてたり{/netabare}

原作知らん方すみません。しょーもないもんですが立て続けでこれもご縁となりました。


■視聴する意義

“原作準拠”“老優らの置き土産”の2点です。


1.原作準拠
 全18巻分を74話で提供。1巻あたり4.11話分の充分な尺が用意されていました。細かくチェックはしてませんが、無理な短縮やアニオリはありません。
 キャラデザインも原作準拠。配役にも違和感全くなし。原作ファンとしては文句つけようがなかったです。原作そのまんまという印象です。

2.老優らの置き土産
 1990年代後半を舞台に物語は進行します。ただその発端/契機となるのは10~20年前ということになりまして当時の大人たちが壮年や老年期を迎えわんさか登場してくるお話です。もちろん少年は青年になって…と時の流れを感じさせるわけであります。
 そこで大事なのが過去ひと悶着あった現代のご老人たちからにじみ出る深みや凄味を画と音で表現できるか否か。もちろん音部分を担うのが声優さんなんですが“豪華”というのもおこがましいくらいで、“圧巻”と言い換えても大袈裟ではありません。
 冷戦崩壊の震源地“ベルリンの壁”を抱えるドイツにて“東”の負の遺産その当事者たちの苦悩を演じ切られてます。
 2004年時点での老人役だからそれなりに鬼籍入られてる方もいらっしゃいまして、しばらくアニメから離れていて本作が遺作という方もちらほら。2021年11月時点での物故者をご紹介しますがその演技を通じて遺言めいたものを感じ取ることができるような気がしませんか。
 
★主要人物 ※一応隠しておきます
{netabare}・小林勝彦(Dr.シューマン役):テンマが立ち寄った偏狭な村にある診療所の偏屈医者
・永井一郎(Dr.ライヒワイン):序盤から最後まで登場する精神分析医。テンマやニナの理解者
・熊倉一雄(赤ん坊):フランクフルト極右界の大物。フランクフルトトルコ人街焼き討ちの首謀者
・家弓家正(ギュンター・ゲーデリッツ):ニナをエサにヨハンを担ぎ上げようとしたドレスデン大教授
・北村弘一(ヴォルフ将軍):旧東ドイツの元将軍。ヨハンに周囲の人間を次々殺されちゃってました
・田中信夫(ペトル・チャペック):ボナパルタ直属の部下。細身でメガネ。これも東からの亡命者
・野沢那智(フランツ・ボナパルタ / クラウス・ポッペ):いやーもう説明不要の絵本作家さん
・有川博(リヒァルト・ブラウン):私立探偵。酒が理由で辞めたミュンヘン署の元敏腕刑事さん
・大塚周夫(ペドロフ):511元院長。プラハで無認可の孤児院経営してましたよ
・坂口芳貞(カレル・ランケ):大佐。チェコ秘密警察を母体とする闇組織のボスになってました{/netabare}

 たしかな演技力に裏打ちされた唯一無二の“声”を持ってるレジェンドばかり。主要人物の演者さんだけで多くの方が亡くなられております。
 戦友らの回想をベースとした『永遠のゼロ』でも“振り返り”の柱だった夏八木さんが映画公開時点でお亡くなりになられてたりしましたが、否が応でも時の流れの残酷さ/無常を感じさせるのですよ。

そしてwikiにも載らない各話ゲストもたまらない布陣です。
★主要でないけど印象的な方々
{netabare}
・大木民夫(ニナの父/5話他):リーベルトさんじゃなくてフォルトナーさんのほう
・納谷悟朗(盲目の老人/5話):Uボート乗務経験ありのヨハンに英仏語を教えてた爺さん
・有本欽隆(グロス/10話):コソ泥ヘッケルを追い回す借金取り
・有本欽隆(アンナの父/57話):フォルトナーさんじゃなくてリーベルトさんのほう 二役ですね
・渡部猛(探偵/21話):フォルトナー夫妻を殺した元刑事の片割れであるミュラーが雇った探偵
・谷口節(ジーベル/22話):ヨップ夫妻殺しの真犯人(模倣犯)。連続中年夫婦殺人事件の一環と工作
・青野武(ハイトマイヤー/24話):山荘の老人。ハノーファーのとある組織のナンバー2までのぼりつめた
・弥永和子(偽マルゴット/25話):お金持ちシューバルトから金むしり取ってたでっぷり娼婦
・中島聡彦(リントナー父/27話):カール(シューバルト)育ての父
・田の中勇(老人/34話):ベトナム人女医のもぐり診療所待合室にいた老人
・川久保潔(ガルブレヒト院長/40話):グリマー初登場時にいた某孤児院の院長
・杉田郁子(スーク刑事の母/-):プラハ署スーク刑事の母。アルツハイマー進んでましたね
・矢田耕司(ムスタファ/-):チャペックを殺そうとした幼馴染ミランのとこの居候の一人
・たてかべ和也(老人/68話):物語最後の地ルーヘンファイムでアル中や少年にこっそり銃を渡す人{/netabare}

 繰り返します。遺言です。


結局全74話を連休利用してほぼ3日で完走。いやー内容を若干うろ覚えだったとはいえ引き込まれました。超満足!お腹いっぱいです。



※余談

■同世代

たぶんこれもきっかけの一つだと思います。
『ハイスコアガール』の時も感じたんですがほぼ同世代なんですよ。ヨハンとアンナ(ニナ)の双子とね。
同世代の子がこんな過酷の運命を背負わされてるんかー!って謎の一体感もあるし、いい歳したおっさんが回顧がてらにってのもあります。
ブロンド美女学生設定であるアンナさんも40代半ば。同い年アンジェリーナ・ジョリーの現在の御姿をみるにいい歳の取り方してたらいいなぁと彼女の幸せを願わずにはいられません。


■チェコ好き

たぶんこれもきっかけの一つだと思います。
リアルでプラハ訪れた時に“蛙3匹の看板”探したことは内緒。欧州の中でもお気に入りの地の一つです。

{netabare}OP映像に“カレル橋”映ってましたよね!?{/netabare}



視聴時期:2021年11月

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2021.11.14 初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

我ながら、最近こういう「アニメに関係の薄い雑談レビュー」ばかりだな~(自爆)w

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
浦沢直樹さんの代表作のミステリー漫画が原作。

原作全巻持ってます。よって、途中断念しています(アニメの出来に興味があり、数話観ただけですからね)。

アニメーションの出来としては悪くないと思いますよ。作画とか演出とか音楽とか、そういう部分で「は」文句はないっすよ。

レビューでは、「浦沢直樹さんの作品(漫画)に対する私見」と「アニメや漫画、映画等の表現媒体による金の稼ぎ方」などを、かなり批判的に書いてるので、本作がお好きな方には合わないかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
浦沢直樹さんの漫画は、「YAWARA!」「MASTERキートン」「Happy!」「MONSTER」「20世紀少年」「
PLUTO」と全巻読んでいる。

なんだめっちゃ好きじゃん、となりそうですが、実はそうでもない(笑)

いや、厳密には「めっちゃ好きだった」

「YAWARA!」「MASTERキートン」「Happy!」

までは楽しく、「MONSTER」「20世紀少年」でガッカリ、もう読まないかな、という感じだ。

多くの方が指摘されているので今更なのだが、本当にこの人の作品は、「読んでる最中は最高に面白く」「読み終わると最高にガッカリする」ことが多い。

これをどう評価するか。「盛り上げた方が異常に上手い」とするか、「畳み方が異常に下手」とするか。

いや、個人的には、「畳むつもりがない」を推したい。「20世紀少年」のラストには驚愕したが、(私は)その後に読んだ「MONSTER」で、「常習だったのか」と思った。

これ、漫画だから許されている手法じゃないかと思う。もしくは、ドラマ。つまり、「連載形式」。

アニメ、漫画、小説、映画、ドラマ。

様々な媒体がある中で、どう、お金を回収するか。

アニメは、視聴終了後に円盤やグッズ、イベントなどでお金を落としてもらう必要がある。が、「最終話でガッカリした作品」に、誰がお金を使うだろうか? 「ウマ娘2」が好例で、誰もが感動するラストで、まだこの世界に浸っていたいと思ったから、あれだけゲームに流れたのだろう。お見事としか言いようがない。

映画や小説の場合、「クチコミ」が大事だと思う。「カメラを止めるな!」が好例だと思うけど、初動が鈍くても、その作品を観終えた人が高評価し、SNSでバズったりマスコミが取り上げることでロングランすれば、お金は回収できる。小説なんて、名作認定されれば数十年単位で売れ続ける。

しかし、漫画やドラマは違う。

ドラマの場合、円盤の売上というよりは、スポンサーがどう金を出すか=放送中の視聴率(CMの稼働数)が大事。これは、「あなたの番です」が悪例で、最終回であれだけ(悪い意味で)期待を裏切られても、それまでの2ヶ月半ですでに(CMをたくさん観てもらうという)目的の9割は達成できているわけで。最終話がつまらなくても、まさかスポンサーのイメージが落ちるわけじゃないし、続編は作れなくても、新作の別物つくれば良いわけで。「ヤリ逃げ」がかなり許されてしまう媒体だと思う。

漫画もそう。連載中に盛り上がれば、掲載雑誌は売れ、単行本も売れる。最終回がつまらなくても、まあそれまで単行本を買い続けた読者ならとりあえず最終巻も揃えるだろう。それで、「オチがつまらない」と悪評が立ったところで、困るのは中古本屋くらいで、作者の懐は痛まない。勿論、完結後の重版はされにくくなるだろうけど、長期連載していれば、それまでの数年間は売れ続けているのだから、充分に元はとれている。

よって、「畳むことを想定せずに、風呂敷を広げるだけ広げた作品」の方がむしろ、大ヒットしてしまう現象が生まれやすい媒体だと言える。

先日私は、「ベルセルク」のレビューに、「未完であっても、それまでの長い間に楽しませて頂いただけで満足。感謝しかない」と書いたが、それとは全く別次元の話で。

「ベルセルク」のように、「完結したくても、出来なかった」作品は、どうしようもない。それはそれできちんと受け止める(他にも、雑誌の廃刊とか、作者の健康問題。広く言えば、打ち切りなどもこの部類です)

最悪、「力不足でまとめられない」のも、まあ、仕方がないと思えなくもない。

しかし、本作、また、「20世紀少年」と2作もくらうと、これは意図的なんじゃないかと勘繰ってしまう。まして、これだけ実績ある漫画家である。

いや、浦沢さんに、そこまでの悪意があるとも思ってないけどね。もっと単純な話で、「余韻」や「考えさせるラスト」を勘違いしてるんじゃないかとも思う。

「YAWARA!」のようなスポ根(恋愛モノ)は、ある意味畳み方は簡単で、「優勝」と「結婚」には誰でも納得する。それを、「テンプレ」とか「既視感」「予想の範囲内」と言う人は少ないだろう。だから、浦沢さんの「盛り上げる才能」がよく生かされているのだと思う(そういう意味でも、「スラムダンク」は凄いが。あのラストの展開なのに、大満足させてるからねw)。

「MASTERキートン」は、そもそもが短編集みたいな作品であり、1話完結の中でラストも決まっていた。まあ、芥川龍之介みたいに、短編は神がかり的に上手くても、長編はそこそこっていう作家もいるし、そういう才能の持ち主なのかもしれない。

ミステリーは、ここが難しい。「期待通り」過ぎるなら、「予想の範囲内」だし、「予想を裏切って」も、「納得できない」なら、やはり駄作になる。

「誰もが予想できず、誰もが納得するラスト」を考えるのは、本当に至難の技だ。自分に出来るかと言われたら絶対に無理。でも、プロにはそこに期待したくなってしまうのも、人の性。

ただ、、、俳句の下五で裏切られる、とはやっぱり違うわけで。あれは数秒で読めるから腹立たないけど、漫画は、長期連載になると十年近いからね。「その時間返せよ」となる気持ちも出てくる。

勿論、私に読解力が無さすぎるだけで、このラストを余韻や考えさせられるラストと捉える方もいっぱいいるのだと思う。アニメ含め、エンタメなんて嗜好品だから、自分が好きならそれで良いし、嫌いならそれでも良い。

少なくとも私には、「ただのガッカリラスト」でしかないんですよね、本作は。それだけですが、ミステリーはそれだけで全部が台無しになってしまうジャンルだと思っています。好きな方には申し訳ないm(_ _)m
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

67.7 7 憎しみで記憶なアニメランキング7位
ヴァンパイア騎士 Guilty(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (332)
1866人が棚に入れました
緋桜閑の死によって、学園は平和を取り戻していた。相変わらずガーディアンの仕事を忙しくこなす優姫。
そこへ、しばらく姿を見せなかった零が戻ってくる。零が無事だったことに安堵する優姫。ところが、零は閑殺しの嫌疑をかけられ元老院から狙われてしまう。枢が零の無実を証明しなかったことで、優姫は枢に反発し…。

声優・キャラクター
堀江由衣、宮野真守、岸尾だいすけ、千葉進歩、福山潤、諏訪部順一、保志総一朗、皆川純子、喜多村英梨、水野理紗、安元洋貴、中原麻衣、折笠富美子、郷田ほづみ

一条華蓮 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

三角関係と静かさと主人公のウザ正義感

全然ラブコメ要素の無い少女漫画三角関係。
とはいっても好きだとか二人の男にあからさまに言い寄られるのではなくて、
違う慕い方をされる女子が二択を迫られるけど、
恋心ではなくて愛着や優先すべき理由で選ぶ相手を変えるので
三角関係に見えるだけというか。

終始、チェロがBGMに流れるような、ものものしい雰囲気でシリアス。
でも第一期から通して、涙する場面は無かった。
つまりそこまで切ないわけではない。

一番切なく寂しい気がしたのは最後の、本当に選ぶ時。
さようならを言わないように交わす言葉の数々が、
本音を隠すように、でも互いに分かり合っていてきれいだった。

とにかくこの何でもない主人公がイライラする。
別に特別可愛いわけでも魅力あるわけでもないのに執拗に丁重扱いされる。
少女マンガの主人公はたいてい、読者に感情移入してもらうために
自分を主人公に置き換えやすくするため敢えてハードルを下げているが、
第三者からすればあの主人公を特別扱いすることにむしろ白ける。
結局特別な理由は・・・はいはい、そういう付加価値ね と呆れた。

あと、主人公にありがちな、自分勝手に正義をふりかざして良い子ぶる。
これがかなりウザい。
人の足を引っ張ることになって迷惑しかかけず、
挙句人に助けてもらうことになって、神妙な顔で謝る、この繰り返し。
そりゃ自分は良いよね、人の力で思いを遂げて、途中までやるフリすれば
やる気を評価してもらえて良い子認定してもらえるんだから。
暗に最後は誰かが何とかしてくれると思ってるから先走る。
こういうのは痛い目に遭ってマジで迷惑って村八分にならないと気づかない。
「頑張ったんだね」「救いたかったんだね」「人を想う気持ちを持った優しい子」
と高く評価する周りが居るからいつまでもこういう主人公は迷惑かけ続ける。
本当に邪魔だと思う人が大勢居ても、一人でも味方する偽善者が居れば
たちまち悪者扱いされるから迷惑ってのも大声で言えないよね。

貴族主義とか学校いちのモテ男と交際みたいな展開が好きな人にはお勧め。
ブリッコがむかつく人はイライラするだけだと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

future☆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

1期では出てこなかった優姫の過去が...。1期と違ってキチッっと最後しまっていたので良かったです♪

.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

作品の舞台となる全寮制の私立「黒主学園」には、一般生徒が通う普通科(デイ・クラス)と、エリートで美形である吸血鬼(ヴァンパイア)が通う夜間部(ナイト・クラス)が存在するが、普通科の一般生徒には吸血鬼ということを秘密にしなければならなかった。学園理事長の義娘である黒主優姫は普通科の一年生。学園の秘密を守るため、幼馴染の錐生零と共に「守護係(ガーディアン)」を務めている。5歳より前の記憶を持たない優姫と吸血鬼に両親を奪われた零。二人もまた大きな秘密を持っていた。


.。o○ ○o。.キャスト.。o○ ○o。.

黒主優姫:堀江由衣
錐生零:宮野真守
玖蘭枢:岸尾だいすけ
一条拓麻:千葉進歩
藍堂英:福山潤
架院暁:諏訪部順一
支葵千里:保志総一朗
早園瑠佳:皆川純子
遠矢莉磨:喜多村英梨
星煉:水野理紗
黒主灰閻:郷田ほづみ


.。o○ ○o。.放送日.。o○ ○o。.

2008年秋アニメ(2008年10月~2008年12月)



.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.

OP「輪廻-ロンド-」ON/OFF
ED「砂のお城」分島花音


.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

1話「宿命の罪人達~ギルティ~」

2話「永遠の約束~パラドックス~」

3話「瑠璃玉の肖像~ミラージュ~」

4話「悪魔の胎動(リビドー)」

5話「従属の罠(トラップ)」

6話「偽りの恋人(ラヴァーズ)」

7話「茨の口づけ(キス)」

8話「追憶の螺旋(スパイラル)」

9話「復活の狂王(エンペラー)」

10話「戦いの序曲(プレリュード)」

11話「二人の命(ソウル)」

12話「世界の果て(ピリオド)」

13話「ヴァンパイアの騎士(ナイト)」(最終話)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人間×吸血鬼の学園Ⅱ

ナイトクラスわーきゃーから1話始まります。

{netabare}
1期で零が、緋桜 閑(純血種)を殺害した事になっているくだりから、
元老院(雑種の集まり)に狙われたり、ハンター協会から
呼び出しを受けたりと、玖蘭 枢の代わりに色々と巻き込まれーの。

優姫が純血種で、枢の義理の妹で許嫁と色々と複雑な事情や
実の親殺しの純血種(伯父)に狙われちゃいます。

理事長が伝説のハンターとか、もうとんでも設定やら、
ハンター協会の長と元老院が裏で繋がってたりとドロドロ…

女性専門家の見所ポイントは、藍堂の枢への忠誠心での行動や言動かな?
あとは、美形ヴァンパイアな男キャラのみ?
{/netabare}

中途半端感なく上手く終わらせてる感じだった。
1期では、色々わからなかった事が分かる2期です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

68.4 8 憎しみで記憶なアニメランキング8位
マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 2nd SEASON(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (161)
540人が棚に入れました
願いの代償、それは希望か絶望か――。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

ただのソシャゲアニメ

まどマギのソシャゲを原作とするアニメ。
まどマギは一番好きだけど、ソシャゲは嫌いなのでゲームは未プレイ。
正確にはリリース日に少しだけやったけど、つまらなかったのでやめた。
あ、今期アニメで個人的ワーストです。

{netabare}
まず、まどマギ外伝とタイトルある割にやってることはまどマギというよりもTHEソシャゲという感じのストーリーでつまらない、というかそれならまどマギ外伝とか名乗るなよって思う。

ストーリーがほんとにソシャゲテンプレでつまらない。
ドッペル、コネクトみたいな意味不明な設定が追加されてるし、ほんとにまどマギの外伝を描く気はないんだなって感じた。
ドッペルはほんとにまどマギにあるべき設定じゃない。
魔女化する恐れがあるとはいえ、ソウルジェムが濁ることへの対策ができるって...。
コネクトは...いる?
この設定ほんとなくても描けたでしょ。

まどマギにおいて重要な存在の魔女の扱いも酷い。
というか、この作品で魔女との戦闘シーンあったっけ?
揚げ句の果てには魔女を養成って、立場が逆転してないか?
緊迫感のかけらもない。
魔法少女同士の内輪もめばかり描かれていてつまらない。
尤も魔法少女同士の対立も必要だとは思うんだが、それしか描かないのはなんかなぁ。
何を願って魔法少女になったのか?という要素も掘り下げられないし、ほんとにまどマギではないという印象。
きゅうべぇに関しても存在感が全くないし。
というか、魔女どころかマギレコの要素のウワサすらどっかに行ってません?

本編キャラの扱いも気に食わない。
そもそも本編キャラを出す意味が分からない。
本編キャラがマギレコのしょうもないキャラに指図されてるのを見るとイライラするだけだし、指示されて戦ってるだけならほんとに本編キャラ出す意味ってあったのか?
本編キャラが出てくる度にこんな駄作に出すなよって気分になった。

マギレコのキャラに関しては覚えきれない。
ソシャゲ原作らしくキャラ数が多すぎるせいで全然キャラを把握できない。
もちろん重要人物の数人は覚えているのだが、半分ぐらいのキャラは1期から半年ぐらい空いたこともあって公式サイトなどを見ないと全く思い出せなかったし、印象も弱い。
そもそも不要なキャラ多すぎないか?
マギレコ5,6人ぐらいのメインキャラで同じような話にできたんじゃないか?
このせいでキャラ関連のストーリーが何もかもつまらない。
特にツルノやサナに全然思い入れがないせいで終盤何かやられても全く面白くないんだよね。
こういうところもまどマギじゃなくてただのソシャゲアニメだという印象。

当然キャラも覚えきれてないし、設定も覚えきれてないので展開は原作勢以外には非常にわかり辛い不親切アニメ。
一期はまだマギレコキャラだけでやっていたし、ウワサを倒すという話の筋が通っていて、一部のキャラはしっかりと掘り下げがされていたので中盤部分は結構楽しめたんだが、2期は良かった要素が一つもなかった。
まどマギの独特な演出もこの作品だと寒く感じた。

良かった点は"前半部分の"作画かな。
ところで、まどマギ本編のキャラの声が結構変わってるのは少し悲しい...。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 1/10
ここゲームの冒頭に見た覚えある。
つまらなすぎて一瞬でやめたけど。
このアニメまどマギ感出さないでほしいわ。
まどマギ本編に泥を塗ってるように見えてしまう。
マギレコオリジナルのキャラだけでやってほしい。
まどマギ本編の5人が出てるシーン目逸らしたくなる。
謎変身ポーズ。作画はいい。
声も若干違和感あるなぁ。

2話 1/10
何がどうなってる?
一期のストーリー全く覚えてないわ。キャラも全然。
ドッペルとかいうゴミ設定マジでやめてくれ。
マギウスが正論でやちよは八つ当たりしてる風にしか見えんわ。
魔法少女同士で戦うの多いなぁ。魔女はどこ行ったよ。
作画がすごいことぐらいしかいいことない。
戦闘作画に関しては本当にすごい。
やちよが全く好きになれん。
作画が神なとこ申し訳ないが酷い。
 
3話 1/10
この黒髪機密漏らしすぎだろ。
マギウスの翼の手を借りる気はないって散々色々と教えてもらってたじゃないかw
グリーフシードなんであんないっぱいあるんだよw
これまどマギに比べると~とか以前に全く面白さが分からん。
原作勢以外置いてけぼりじゃん。でんでん現象か?
THEソシャゲアニメって感じのストーリーだな。
ほんとソシャゲアニメってつまらない寒いノリ多いな。
そのうえで話が意味不明な方向にぶっ飛んでる。
戻ってこれた理由も良くわからんし感動なんてできねえ。
しかもあのマギウスの奴もう完全に味方じゃないか。
まどか出す意味ある?
マギレコキャラだけで良くね?

4話 1/10
結局なんでいろは生きてたの?
クロエ何で味方になってんだ?
台風ってワルプルギス?
まさかワルプルギスまで簡単に管理するんじゃないよね?
なんで話し合いしに来てるのに戦ってんの?w
え?で、結局何でこいつらここにいるの?
魔女を養成とかほんと本編レイプだな。
コネクトってなんだよw
は?こいつメインキャラじゃなかったか?
そんな簡単に魔女化させるの?
ドッペルとか言うしょうもない設定か。
雑すぎだろ。ほんと作画は...。
もうだれがだれか全くわかんねえ。
楓の退場適当すぎ。
本編のさやかの魔女化のとこはもっと絶望感ある演出だったのにな。

5話 0/10
ソシャゲってほんと感情をなくすとか脳を操作みたいなしょーもない設定好きだな。
杏子声変わりすぎじゃないか?
それと無理に声出そうとしてるからか違和感がある。
マギレコはどうでもいいけど、次の映画で声変わってるのは悲しいなぁ。
もうほんと何やってるかわからんな。
この二人はマギウスだっけ?
そもそもまどマギって魔法少女が魔女を対処する話なはずなんだがもうそれとは全く別物になってるよね。
つまらない以前に理解不能だわ。
ブルリフやスカネクの方がまだ分かりやすい。
原作勢は理解できないほうがバカとか言ってるがアニメだけでこれを理解するのは無理がある。一気見ならまだしも。
場所もキャラも言動も状況も何もかもがわからない。
なんでクロエとこんなに仲良くなってるの?
こいつ元はいろはを連れて行くように言われてた人だよね?
まどマギって魔法少女同士の戦いがメインのアニメだったっけ。

6話 0/10
作画死んでる?
このマギレコの青髪がほむらポジションなのなんかな。
顔崩れてないか。
なんかまどマギのキャラが変な奴の指示に従ってるの嫌だな。
これ何がどうなってるんだよ。
マギレコのキャラ印象薄すぎるせいで何もわからんわ。
防衛ガバガバか? あほくさ 

7話 0/10
ほんとマミさんに気持ち悪い変な設定が追加されてるの嫌いだわ。
出た、洗脳w ゲームが大好きな糞展開。
ウワサと一体化ってなんだよ。整合性。
この白髪がだれか全く覚えてない。
いや、こいつこんな単純な説得で味方になってくれるのかよw
コネクトとか言う糞設定、しかも本編OPの曲名を使った設定やめてくれ。
本編キャラいる? 
作画も露骨に落ちてるな。
ほんと操られて狂う展開嫌いだわ。マジで気持ち悪い。
ほんとは-5点ぐらいつけたい回。ワースト回。

8話 2/10
開幕不快。演出が滑ってる。
何がどうなってるんだか。本編キャラいる?
ワルプルギスやらないのかよ。
これでワルプルギスが釣れたりしたらほんとにまどマギとして崩壊してると思うよ。
え、こいつらここに何しに来たんだよ。
つるのじゃなくてこの戦い全体に焦点を当ててくれないと意味わからん。こいつが会いたかった人だっけ? 
{/netabare}

曲20段階評価
OP「ケアレス」7.5/10
ED「Lapis」 7.0/10

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

願いの代償、それは希望か絶望か――。

この作品の原作ゲームは未プレイです。
第2期に相当するので、前期未視聴の方は第1期から…と言いたいところですが、この作品を堪能するには、本編である「魔法少女まどか☆マギカ」と、劇場版である「[新編] 叛逆の物語」を先に視聴することをお勧めします。

本編と物語の内容や時系列が重複しているのも理由の一つですが、「魔法少女まどか☆マギカ」の世界観を肌身で感じて貰うのが何より大事だと思います。
それに、魔法少女の歩んできた紆余曲折は、この外伝だけでは語りつくせませんから…


願いの成就とひきかえに、人知れず戦い続ける魔法少女たち。
しかし環いろはは、自分の願いを忘れてしまっていた。

『魔法少女になった時、私は何を願ったんだっけ?』

日常の中にぽっかりと空いた穴。
失われてしまった大切ななにか。
理由もわからないまま、戦いつづける毎日……。

そんなとき、魔法少女たちの間で噂が流れはじめる。

『神浜に行けば、魔法少女は救われる』

魔法少女とウワサの集まる街、神浜市。
失われた願いを求める、環いろはの物語がはじまる――。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返って思うこと…
これって、もしかすると原作ゲームをプレイしないと、内容が理解できない類の作品だったりします…?

wikiにはこう記載されていました。
「2011年に放送されたテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の外伝作品にあたる同名スマートフォン向けゲームアプリを原作とし、アニメオリジナル要素を加えて再構成した作品」

思い返せば、本編から外伝に物語が大きく移行しているので、多少なりとも頑張らなきゃ置いてけぼりにされると第1期の時には物語に必死に食いついていました。

ですが、今回の物語の難易度…というより、物語の大きさや展開が想像の遥か斜め上でした。
本作品の総監督・シリーズ構成を担当した劇団イヌカレー(泥犬)さんは、2019年のインタビューで、こう言っていたんですよ。
「TVアニメの方だけを観てもストーリー的に完結できるようにとは考えております。
そのため細かい部分の設定などは若干変更しているのですが、すでにゲーム『マギアレコード』をプレイしている人にとって全く違うものにはならず、かといってボリュームダウンした再現映像でもないアニメになればいいかと思います。」

このセリフを、「TVアニメだけ見ても本編と同じくらい楽しめる作品」と私自身が勝手に変換しちゃっていたのかもしれません。
考えてもみれば、原作ゲームをプレイしている方々の方を向いてしまうのも当然なのかもしれませんね。
TVアニメのみ視聴している私より、よっぽど鋭い目線を持っていると思いますので…

だから一番重要なのは、アニメを視聴して原作ゲームに興味を持ってもらうこと、若しくは、原作ゲームの評価を落とさないこと、になってしまうんでしょうね。
配信されてから4年と息の長いゲームですからね…

と、割り切るには相応の時間がかかりました。
当たり前です…本編は、私の中でお気に入りの棚序列第18位の作品なんですから。
それと同じくらいにハードルを上げていたのは、きっと私だけじゃ無いと思うんです。

別にこの作品が面白くないと言っている訳ではありません。
環いろはも目的と、物語の進むべき先はハッキリしているのですが、最初と最後を繋ぐプロセスが良く理解できなかったのが本音です。

オープニングテーマは、ClariSさんによる「ケアレス」
エンディングテーマは、TrySailさんによる「Lapis」
そういえば、ClariSさんが顔出し解禁されたのは、私的にニュースでした。
どちらの楽曲も通勤中にヘビロテしています。

1クール全8話の物語でした。
これは初めから全8話を想定していたのでしょうか。
全8話ってあまり目にすることの無い話数です。
もしかすると、第3期が全4話とか全5話になる…ということはありませんよね^^;
これじゃただの分断ですので…

個人的には、もちょや天ちゃんの頑張りがアニメ視聴組にもしっかり評価されて欲しいと思っています。
そのためにも第3期「Final SEASON -浅き夢の暁-」で一挙に盛り返してくれることを期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

夢のコネクト

 「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」の続きとなるお話で離れ離れになったいろはを求めて、マギウス本拠地ホテルフェントホープを探すことから、話が進むです。三日月荘のみんなを再び取り戻すことが目的、マギウスの計画阻止が目的のお話になるです。

 先行して前回登場の京子、さやか、マミだけでなくついにあの魔法少女達も参戦、夢の競演が見られる展開になっていくです。
{netabare} やちおが進むことで、前作わずかな登場の黒江と合流するです。小さいキュウベイもどこに導くのか?です。
 前作よりも活躍する黒江、見られたです。

 いろはの夢の世界とか出てきて、結構興味深く面白かったです。今回に目立つコネクトにも注目です。
{netabare} 変わり果てたかえでが、結局どうなるのか?だったです。{/netabare}

 マギウスの陰謀{netabare}灯花のエンブリオイブ覚醒作戦の全容が{/netabare}明らかになるです。

{netabare} 立ちはだかるマミ、鶴乃に対して、魔法少女共同戦線はファン必見だったです。
 ついに乗り込んだ最後の最後、ねむの行動は、「to be continued」が、いつになるやらニクイ結末です。{/netabare}どうなるのか?「私、気になります!だったです。前作は、続きがあるのかわからない結末だったけど、今回その点をはっきりさせただけでも、良しだったと思うです。

{netabare} ほむらを導く謎の少女によって、いろは、まどかの競演を後で見られた今回は、前作より気に入っているです。魔法少女まどか☆マギカ外伝であるからですかねです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
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