恋愛で美しいなおすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの恋愛で美しいな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月08日の時点で一番の恋愛で美しいなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

94.1 1 恋愛で美しいなアニメランキング1位
月がきれい(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1815)
7671人が棚に入れました
キャッチコピーは「I love you をそう訳したのは、太宰だったか、漱石だったか……」で、中学3年で初めて同じクラスになって出会った水野茜と安曇小太郎の成長、周囲との関わり、思春期の恋などが描かれる。

声優・キャラクター
千葉翔也、小原好美、田丸篤志、村川梨衣、筆村栄心、金子誠、石見舞菜香、鈴木美園、千菅春香、井上ほの花、広瀬裕也、石井マーク、白石晴香、熊谷健太郎、岩中睦樹、東山奈央、岡和男、井上喜久子、斎藤千和、前川涼子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心模様と花ごろも

川越の中学校を舞台とした、
思春期を向かえた少年少女の恋物語。

遊園地、お祭り、街の風景、
四季の色彩がとても美しい物語。
機微な心を良くとらえた演出で、
エンディングのLINEの文字まで隙がない。
お互いを意識し始める2人、
丁寧な描写の数々、まだ微妙な距離感、
好きになるってこういうことでしょう。

各話のタイトルが小説や詩集から。
主人公が文学少年なのでいい感じです。
ネタバレレビューを読む
ひと際、月がきれいです。

初めての恋は知らないことばかりで、
戸惑ってばかりでしょう。
思ったこと感じたことの半分も伝えられない。
結末は大抵上手くいかないわけで、
たくさん泣いて大人になっていくのでしょう。

文学の言葉が紹介されていますが、
私からも少年に太宰の言葉を送ります。
「私は何も知りません、
しかし伸びて行く方向に陽が当たるようです」

真っすぐ伸びて下さい。
そのままでありのままで。

どうか末永く愛されますように。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 153
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

心がざわつく

<2017/9/17初投稿>

平凡な中学三年生の恋愛をとことん丁寧にとことん平凡に描いてます。
漫画やアニメ特有のお約束はなし。
フラグもなし。
物語の起伏も薄い。
なのに何故か心がざわざわしてしまいます。

おそらく、異性を異性として意識し始めたあの頃が蘇ってしまうから。

思春期にしかない距離感、反応の一つ一つが心地よい。

例えば
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例えば
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例えば
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ものすごい感動があるわけではないですがぼんやり心にしみていく感じが好きです。

挿入歌は複数の懐かしい名曲カバーがシチュエーションに合わせて流れます。
好みのものがたくさん。
「やさしい気持ち」は聴いてると本当に優しい気持ちになれる。
「初恋」は初恋の甘酸っぱさ、せつなさ、もどかしさが全部詰まってる。
「夏祭り」は・・・私はJITTERIN'JINN派です。
でもこのスローバラード風のカバーも良いですよ。

絵もきれい。
背景も丁寧で美麗。
大袈裟な感じがしないのが良い。
キャラクターデザインも爽やかで自然。

ところでed曲。
背景でLINE画面が出てきますが毎週変わるんですよね。
やたら気になって毎週しっかり読んでました。

このLINEのやりとり見る限りでは

ネタバレレビューを読む

と、ながなが書き連ねてきましたが、
結論としてこの作品は
現役の中学生と、中学時代の瑞々しくも不安定な気持ちを思い出して心ざわざわしたいという大人の方におすすめです。

<2018/9/1追記>
監督さんは岸誠二さん。
「天体戦士サンレッド」や最近なら「あそびあそばせ」の人です。
この二作は原作あり、「月がきれい」はオリジナルではありますがあまりの雰囲気の違いに笑ってしまいました。
芸風の幅が広い監督さんなんですね。

<2019/12/23 追記>
今、見直してるんですが、やはり良いですね。
観てると心がざわざわする。

ところで比良くんと千夏。
二人はネタバレレビューを読む

これがいい。

若い頃、特に十代なんてネタバレレビューを読む
そして苦しむ。
がんばって生きてる普通の人間らしくて、私は好感持てました。

とは言いつつ一番気になるキャラは田中さくらだったりするわけですが。
妄想を膨らませられる人は、自分の幸せも膨らませられるんですよ。
たまに弾けて消えるけど(´・_・`)

投稿 : 2025/03/08
♥ : 97

ISSA さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

You Can't Hurry Love-恋はあせらず-

1話だけ視聴。
春アニメで視聴する唯一の恋愛物語になるのかな?
最近のアニメはクズの本懐みたいなドロドロした作品多いけど。
あの手のやつは韓流ドラマに任せて置けば良いのでは…
日本の作品らしい爽やかな恋愛物語観たいと視聴。

1話だけでは細かい性格まで不明ですが…
小説家目指してる文系男子の主人公、安曇小太郎
陸上部で引っ込み思案のヒロインの水野茜
の恋愛物語かな?

制作会社はろこどる、この美、だかしかしのfeel
声優さんは若手中心…作画の感じも悪くないけど、そんなにお金は掛けてなさそう。
特徴的な作画の髪を中心のした、白い縁取…なんだ光をイメージかな?
ん~変だと思うけど。

馬でいったら大穴の万馬券に期待で押さえておきます。

3話まで視聴
ヤバいキュンキュンし過ぎる(笑)
今後も悶え死にで汚れた心の浄化させて欲しい作品ですね。


10話まで視聴
浴衣姿の茜ちゃん可愛さは春アニメ一番、恋愛してる女の子には勝てない。

東山奈央さんの歌う挿入歌の入り所とチョイスが素晴らしすぎ…
ワルキューレの頃から美声だったけど、実に心地いい。


視聴完了
万馬券というか有馬記念取っちゃいました(笑)

今時の若い人のツールだったり、投稿サイトだったり現代の若い人の部分繁栄してる所と伝統的な祭り文化の対比描いてる所も面白い。

リアリティが共感呼び、二人を応援したくなる。
絶妙のタイミングで入る音楽と二人で見たであろう風景の作画の素晴らしさ。
心憎いばかりの演出の良さが光りました。

月がきれい見てあの時思い出した大人の人も多いはず、恋愛物の傑作ですね。


※タイトルだけど変更させてもらいました
You Can't Hurry Love「恋はあせらず」
フィル・コリンズさんの代表曲単純に好きだったので。


追記
放送当時の2017春では茜ちゃん役の小原好美さんこれが初ヒロイン役、当時は無名だったけど19年に入って大活躍。

18年「からかい上手な高木さん」「あそびあそばせ」「はねバド」「やがて君になる」

19年「かぐや様は告らせたい:藤原書記」「ひとりぼっちの○○生活:八原かい」「まちカドまぞく:吉田優子」特徴的なアホっぽい女の子役増えた印象。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 86

87.7 2 恋愛で美しいなアニメランキング2位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1303)
6422人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

スカボローフェアの意味するもの

これは、とても悲しい悲しい物語。
どんなに頑張っても、どんなにあがいても、決して報われない世界を描いています。
ここに登場する子供たちは皆、兵器として戦い死ぬことを義務づけられています。
ヒロインのクトリは、最終話で「私は世界一幸せな女の子」と言ったけど、逆にそれが切なさを感じました。


今現在でも、世界のいくつかの国では、このように報われない世界があります。
若者の輝ける未来が全く見えない国…
そうならないように、私たちは頑張りましょう。


第一話目と最終話で歌われた『スカボローフェア』。
この歌は、市場の活気ある様子とは裏腹に、二度と会えない彼女への切ない想いが語られている美しくも悲しい歌です。
でも、それはあくまでも主旋律の歌についての説明。

実は、この歌には副旋律があるのです。
それは、戦争の悲惨さや残酷さを、はじめは寂しく、そして徐々に荒々しく歌っています。
このアニメでは副旋律は歌われていませんでしたが…

この歌は、およそ半世紀前にサイモン&ガーファンクルが歌い、世界中で愛された歌です。
興味がある方は、サイモン&ガーファンクルのScarborough Fair 詠唱 をぜひ聴いてください。
きっと感動するはずです。
そして、もしよければ、副旋律の日本語訳を読んでいただければと思います。


この歌は、人の心を変え、人の行動を変え、世界を変えました。
この歌と共に全米で大きな反戦運動が湧き起こり、ベトナム戦争が終結したのです。


ごめんなさい。
全然アニメのレビューになっていませんね。
 

投稿 : 2025/03/08
♥ : 55

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ある意味、驚くほど「驚き」はないかも。

超有名タイトルですが、原作のライトノベルは読んでいません。

いわゆる「人類」はヴィレム(主人公)以外滅んでいるらしいのですが、人類以外を含んでいる主人公サイドと敵対している<獣>との線引きがどういう具合になっているのか、ちょっとアニメだけ観ていてもピンときません。

クトリ(ヒロイン)をはじめとする妖精兵は、種族としては黄金妖精(レプラカーン)なんだそうです。「レプラカーン」と言われると真っ先に思い出すのは聖戦士ダンバインに出てくるオーラバトラーですが、もちろんこのレプラカーンは名前の元ネタの方ですね。

ただアイルランドの伝承の小人とは異なり、本作のレプラカーンは人間大の大きさみたいですね。

ストーリーとしては「ヒロインが社会全体のために特攻(自爆死)を強いられる」という悲劇をベースにしているということで完全に泣かせにきています。

さらに、ヒロインをはじめとする妖精兵たちがとても可愛く描かれています。もう完全に狙ってきている感じです。

一応「ヒロインの死を回避できる道を探る」ということで回避できれば悲劇が避けられるということなのでしょうが、その場合もやや「感動の押し売り」の感はあります。
(スレたダメな大人ですみません。)

とても有名な作品なので一応視聴継続はしているのですが、正直あまり期待はしていません。もし全話視聴して、ウッカリ面白かったらそれはもうごめんなさいです。

2017.6.1追記:
前回更新時の否定的な内容に反してこれを書いています。

もう完全に狙ってきている(笑)のに、逆らえない。普通に次回が楽しみになってきました。最終回次第ですけど、負けを認める方向かも…。

2017.6.27追記:
全話視聴完了。結論から言うと、負けずにすみました(笑)。

クトリの「今の私は誰が何と言おうと世界一幸せな女の子だ!」っていうのには、きっと嘘はないんだと思います。意外とちゃんと「戦時メンタル」を描けている作品だとは思うので、良作であることは否定しません。

人生のどこかでこの手の物語には出会っておくべきかとも思いますが、あえて本作じゃなくても良いという気もまたしています。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 53
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
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2話…幼女たちに信頼されるには
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3話…フラグ立てるな
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4話…待つ者
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5話…ヴィレムはなんだかんだで
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6話…良い最終回…じゃないのね
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7話…続くのですね…
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8話…日常からの
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9話…終わりの始まり
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10話…地上の日常
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11話…クトリの魂
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12話…クトリの幸せとは
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今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 51

86.1 3 恋愛で美しいなアニメランキング3位
言の葉の庭(アニメ映画)

2013年5月31日
★★★★★ 4.1 (2007)
9552人が棚に入れました
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた­…。

声優・キャラクター
入野自由、花澤香菜
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【新海監督の新作予告を観たら、行きたくなってしまいました…聖地訪問の日記追加】

雨が降る日には、空を眺めながら....
ふと、思い出すことがあるの....
二人は逢えているのかな?
なんてね...
それくらい強くわたしの心に残る作品だったということなのでしょうか...

雨の日の庭園での二人の男女のしのび逢い。輝かしい青春のひととき...

まだ何も知らない
仕事も歳も抱えた悩みも
名前さえも....
それなのに、どうしようもなく惹かれてしまう・・

そんな経験、私にもあるかもしれません

都会の喧騒から少しだけ離れ、穏やかに流れる時間を肌で感じられる自然にあふれた場所

こんな青々とした緑の中で深呼吸したらどんなに気持良いことでしょう!!試してみたくはなりませんか?
ここは、二人の秘密の場所 ...

雨降る午前。約束を交わさずともこの場所で逢い、心を通わせていく。

限りある時を惜しむかのよう
いけないと分かっていてもそれに心惹かれてしまう

二人の間にそんな少し危険な大人の恋、そんな香りを感じて

言葉のどんな力であっても、とても語りきれない部分で結びつく
人と人は、どうしてそれほどまでに惹かれ合うのでしょう...

いつのまにか想っていて
理由というのはいつも事後の話、人間だからこそ湧き出るこの気持ちは言葉では表現できません。

記憶に焼き付いた「雨」
1つ1つの描写が繊細に描かれています。
雨に濡れた新緑がしっとりした景観を生み出し、雨雫も相まってこの緑が美しい。
雨音はもちろん
葉に落ちる雨の音がとても心地良い
その全てが画面の中で調和して様々な趣きを醸し出しています。
「言の葉の庭」
恋愛や人生を感じさせ感動が胸に押し寄せる50分でした。

※ネタバレは一切ありませんが聖地訪問のため閉じます。
【2015年6月14日(日) 新宿御苑】
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【2016年3月2日(水) 新宿御苑】
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【2016年4月7日(木) 新宿御苑】
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【新宿御苑がピカチュウの森に…聖地訪問の日記追加】
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新【2019年6月22日(土)新宿御苑】
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投稿 : 2025/03/08
♥ : 183
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

雨は空の匂いを連れてくる。音、色、匂い、全て感じられる作品です。追記:9/23新宿御苑を訪れて。

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。

監督・脚本・原作・絵コンテ・演出・撮影監督・
色彩設計・編集 - 新海誠
作画監督・キャラクターデザイン - 土屋堅一
美術監督 - 滝口比呂志
音楽 - KASHIWA Daisuke(柏大輔)
プロデューサー - 川口典孝
制作プロデューサー - 伊藤耕一郎、酒井雄一
制作・著作 - 新海クリエイティブ、コミックス・ウェーブ・
フィルム
アニメーション制作協力 - アンサー・スタジオ
公開 2013年5月31日
上映時間 46分

(以上Wikipediaより引用)

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。


雨の日だからこそ出会った、出会うべくして出会った
2人のちょっと切ない恋物語。

夢を追いかける一人の男子高校生。
人間関係の縺れからある障害に悩む一人の女性。
立場や年齢は違えどそれぞれに抱える不安や悩み。

雨という透明なカーテンに遮られた独特の空間の演出が
相まって、どちらが求めるでもなく自然に2人が歩み寄る
関係性と優しい時間の経過がとても素敵でした。

雨の日限定のささやかな逢瀬。
次第に幸せと思える時間に変化していく互いの気持ち。
そして少年と女性の意外な接点。
募る想いと立場上相手の気持ちを受け止められない葛藤。
少年は気持ちの全てを女性にぶつけ、女性も最後は
心の叫びとも思える言葉で応えます。

長くて短い梅雨が明け、それぞれの道を歩き始めた2人。
この場所から立ち上がり上手く歩いていく為には靴が必要
というのが2人の揺れ動く心情描写と共に凄く繊細に表現
されていたと思います。
それも彼女にピッタリの靴が。
いつかまた大人になった少年が彼女に素敵な靴を届けに
行ける日が来るといいなぁ。
そんな思いでした。

それにしても雨って不思議ですね。
嫌だなぁって思う日もあれば、朝起きた時の雨の音が妙に
心地よい時もあります。
2度寝しちゃうくらい…
色んな思いや悩みを洗い流してリセットしてくれる。
生命が生きる力を与えてくれる。
雨が降るからこそ晴れた日にはさぁ頑張るぞって気持ち
にもさせてくれます。

新海誠監督の作品は今作品が初めての視聴でしたけれど
最初のシーンから思わず「うわっ…」って声が出ちゃい
ました。
傘や木の葉を伝い落ちる雨の雫、広がる波紋。
濡れた駅のホームに写る人影。
降り注ぐ雨を上空からの描写。
黒板に書く時のこぼれ落ちるチョークの粉。
一つ一つのシーンに本当に魅入ってしまいます。
ため息が出るくらいの映像美です。
雨の日独特の色、音、そして感じるはずのない匂いまで
私の脳内では再生されました。

そしてヒロインを演じる花澤香菜さんの演技。
前から思ってたんですけれど、あの微妙に震える様な声。
(そう感じるのは私だけかな?)
意識して出せる様な声じゃない花澤さんのあの独特の声が
大好きです。
最後のシーンでは胸がぎゅっと熱くなり思わず…
本当に素敵な演技でした。

音楽も素敵です。
特に最後の曲の入り方は背中がゾクゾクするくらい素敵
でした。
秦基博さんの歌声が本当に切なくて、心地よくて。
映像と共にこの作品の世界観を美しく表現してくれてます。

雨の日だからこそ傘をさしてお散歩。
雨を眺めながらビール片手に物想いに耽る。
そんな1日があってもいいなって思える素敵な作品です。
(あっでもビールはヤバい女って思われるからお家で…)

雨の日がちょっと楽しみになる素敵な46分間でした。


【主要登場人物・出演者】

秋月 孝雄【タカオ】 - (CV:入野自由 )
雪野 百香里【ユキノ】 - (CV:花澤香菜)
タカオの母 - (CV:平野文)
秋月 翔太 - (CV:前田剛)
寺本 梨花 - (CV:寺崎裕香)
松本 - (CV:井上優)
佐藤 - (CV:潘めぐみ)
相沢 - (CV:小松未可子)
伊藤 宗一郎 - (CV:星野貴紀)


エンディングテーマ
「Rain」
作詞・作曲:大江千里 / 編曲:皆川真人 / 歌:秦基博

BGM
「Swan Song」
作曲・編曲:KASHIWA Daisuke



【mio's café】

新宿御苑を訪れて
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投稿 : 2025/03/08
♥ : 118
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

気象現象と心情がリンク。感動的な短編です。<追記;新宿御苑訪問記>

何と言っても、気象現象にかかわる映像表現がリアル。
とくに雨の表現はアニメーションの域を超え、もはや芸術です。
そして、雨・豪雨・豪雨時の強風・天気雨・陽の光等が心情とリンクしています。

物語は単純明快。
質素なストーリーですが、心理描写と演出が優れています。
とくにクライマックスが素晴らしい。
ネタバレレビューを読む

46分と短いながらも、感動的な作品でした。

<2015.10.31新宿御苑訪問記>
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<2016.7.20新宿御苑訪問記>
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<2017.4.18新宿御苑訪問記>
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<2019.1.4新宿御苑訪問記>
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投稿 : 2025/03/08
♥ : 114

82.1 4 恋愛で美しいなアニメランキング4位
やがて君になる(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (680)
2502人が棚に入れました
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──。「私、君のこと好きになりそう」

声優・キャラクター
高田憂希、寿美菜子、茅野愛衣、市川太一、野上翔、寺崎裕香、小原好美、中原麻衣、森なな子、小松未可子
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

そして、本当の自分になる

アニメーション製作:TROYCA、監督:加藤誠、
シリーズ構成、脚本:花田十輝、
キャラクターデザイン、総作画監督:合田浩章、
原作:仲谷鳰

思春期の少年少女が直面する大きなテーマ。
自分とは一体何者なのか ―――――――
そして、なりたい自分とは。

憧れの存在に一歩でも近づきたいという想いが
少年少女たちの生きる原動力となる。
「好き」が分からない小糸侑、
「好き」を歪な形で知る七海燈子。
二人の少女たちが自分探しの旅に出る物語。

OPの映像が意味深で美しい。
つながれた二人の手に落ちるピンクと青の紫陽花の花びら。
ピンクのほうは左側の手に落ちる。
青の花びらは二人の親指で挟み込む。
花に囲まれた教室で椅子に座る少女たち。
ひとりが少女に手を伸ばすが指先を掠めて消えてしまう。
プラネタリウムの機器からあふれる星の数々。
花に囲まれた廊下で少女たちが自分の顔を隠す。
最後に再び現れたふたりの少女は手をつないでいるが、
その後、棘のある蔦に絡まった仮面を付けた姿に変わる。
ふたりが消えた後にはハナミヅキとモッコウバラが残っている。

紫陽花の花言葉がひとつのキーとなる。
作中では、その答えを知ることはできないが、
視聴者は物語の展開で、意味を感じ取ることができる。
紫陽花は色によって花言葉が変化する。
青~青紫色は「冷淡、無常、高慢、嘘つき」など。
ピンク~赤紫色は「元気な女性」、白色は「寛容」。
少女たちの心を花によって表現している。

私はこれまで百合の物語を漫画でもアニメでも
ほとんど目にしてこなかったが、この作品に関しては
寿美菜子が出演していたのが視聴のきっかけだった。
2話の時点で興味を失い、録画しているだけの状況に
なってしまったが、交流のあるレビュアーさんが、
面白いと言っていたので、何となく続きを観ることにした。
そして、6話の展開で物語に完全に引き込まれ、
本当の魅力がようやく分かった。
この作品は百合の物語だけに留まらず、
普遍的なことをテーマにしているのだと。

女性作家らしい繊細なストーリー。
キャラクターの造形がしっかり作り込まれている。
主人公のふたりはもちろん、脇役の少女たちについても
その背景がきちんと考えられているのが分かる。
例えば、後半で重要な役割を果たす叶こよみが、
2話でリボンが嫌いで可愛いものは自分のカラーではないと
語るところなどは、とてもリアリティを感じさせる。
また表情や口元の動き、会話の「間」にも
こだわりが見られる。侑と生徒会副会長の佐伯沙弥香が
初めてふたりで帰るシーンのやり取りは、とても丁寧だ。
そういう部分では『リズと青い鳥』を彷彿とさせる。

印象と実際の人物像に違いがあるという話にも現実味がある。
佐伯沙弥香はフワフワした女性に見えるが、
実際は細部に目が届き、気づいていても知らないふりができる。
キャラクターたちの徹底的な作り込みは、
作品を引き立てる特徴のひとつになっている。

全体のストーリーで大きな要素を占めるのが文化祭の生徒会劇。
燈子がずっと求めてきた本当にやりたかったこと。
劇のなかで記憶喪失の少女は、一体どんな自分を選択するのか。
侑は現実の世界で、燈子に大切なものを選び取ってもらうために
虚構の物語の結末にこだわって奔走する。

ネタバレレビューを読む
また、1話や2話を観ただけでは、
燈子が侑を好きになる理由が分からず、ただの百合物語に見えてしまう。
そのため、挫折しかけたのだが、
6話を観ると、色々な謎が明らかになり、
物語の全貌を理解することができる。
沙弥香の本心、燈子の本音が明かされる
絵作りや展開には思わず息を飲んだ。
特に川べりの演出は鮮烈だった。
ネタバレレビューを読む

1クールという限られたなかで、しっかりと構成された物語は、
原作の良さが大きかったと想像するが、よく練られていた。
最終回が残念だったが、これも原作の問題だったのだろう。
最後を上手くまとめれば、個人的には今年の作品の
かなり上位まで来るような秀逸な出来だったと思う。
しかし、今後も続いていくのであれば、
少女たちの選択が何をもたらすのか、最後まで追ってみたい。
それにしても2018年は花田十輝に始まり、終わったという感じだった。

ちょっとした余談
ネタバレレビューを読む
(2018年12月28日初投稿)

投稿 : 2025/03/08
♥ : 105
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

どうも開発された感がある

2019.01.04記


原作未読


これまで百合百合どうのこうのは未経験だったのと、花田十輝氏脚本で寿美菜子さんが先輩役をされているとの情報に誘われ視聴決定。
気づけば毎週の放送が楽しみな作品の一つとなってました。ネタバレレビューを読む

“好き”を知らず、“好き”を知りたいと思いながらも誰にも“特別”な感情を抱けない高校一年生小糸侑。
一学年上で“特別”を求められ指向するも誰も“好き”になったことがない七海燈子。
この二人の「好き」「特別」をめぐるひとつの愛のかたちを丹念な心情描写で魅せる良作です。燈子の同級生で同じ生徒会仲間の佐伯沙弥香を含めるとトリプルヒロイン?になるかと思います。

抒情的な文学をよんでいるような作品でした。そして観てて疲れます。表情や会話の間、手足の動きにジェスチャー、光の使い方や背景、OPやED、直喩に暗喩いろいろ駆使した演出で、画面からひと時も目が離せません。
演出の一つで感心するのがサブタイトルの一枚絵カットでしょうか。毎回CM前後や大事なとこで印象的なセリフと一緒にサブタイトルが映されますが、ストーリーを追っていくと膝を打つものばかりです。
ネタバレレビューを読む

話の重ね方も惹きつけるものがありました。一つは物語が“上乗せ”されていくこと。“上書き(更新)”ではありません。
ネタバレレビューを読む
ネタバレレビューを読む
そのキャラの持つ引き出しが増えていくイメージと言ったらいいでしょうか。

もう一つはむやみにイベントを作らないこと。
ネタバレレビューを読む
その分、尺を心情の極々微妙な変化や行ったり来たりの揺り戻しの描写に多くを割いてました。これで冗長さとか中弛みにならないところは素晴らしいです。

話の重ね方2点を含む演出といった技術的な特長をもって、それだけでも観る価値はありそうです。全13話は原作の4巻分に相当するとのこと。巻数だけから判断するとしてもあまり端折る必要のない話数であり、丁寧に掬いあげたんだろうことがわかります。



恋愛物語としては三人の心情を慮ると、

 『ひたすら切ない』

です。侑、燈子、沙弥香が報われることのない袋小路に迷い込んで抜け出せない。これは心が千々に乱れますよ。

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燈子を中心に侑と沙弥香が取り巻く構図です。自己肯定感がない燈子は二面性の人。特別であろうとする燈子を支える存在が沙弥香、素の弱い(なにもない)燈子を支える存在が侑。

●沙弥香
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●侑
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●燈子
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三人とも本当の気持ちを飲み込む辛さを知っているのです。

ゆっくり時間をかけて進むラブストーリーは、その進行速度とは相反して緊張感を常に孕んでます。
演出が多岐にわたるということは考察しがいのある作品になるかと思いますので、登場人物の心情をいろいろ観察してみるとより面白くなりそうです。


なお、冒頭の百合百合どうのこうの、というのはいまだよく分かりません。女性同士の恋愛ということであればそうなんでしょう。
いたく心を動かされたので、百合適性が“開発された”のかもしれませんが、じゃあ他の!とすぐなるかでいえばそれはないです。


最後に、生徒会の濃ゆい面々の中で堂島くんの存在は貴重でした。彼がいたことでだいぶ和みます。だって、けっこうヒリヒリするやりとりの連続でしたから。



-----
2019.06.16追記
《配点を修正》


どうしても「百合」ってもったいないと思ってしまう私

投稿 : 2025/03/08
♥ : 86

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今のところとても面白いです。(顔がめっちゃ芝居する!)→第7話補完作品『やがて君になる 佐伯沙弥香について』(電撃文庫)絶賛発売中! BDにはスタッフコメンタリーも!

== [下記は第2話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
現在2話目まで視聴済みです。

原作マンガはかなり有名作品だと思うのですが、未読だったのでアニメ放送開始前からとても気になっていたタイトルです。

大正時代にはやった(生まれてないから本当にはやったのかは知らん(笑))らしい「エス」(女学生同士の恋愛物)とかの継承者的な路線ですかね。40年以上前から少女漫画とかでは連綿と続く系譜の一つですよね。男性向けの深夜アニメのメインストリームからは外れた作品だと思うので爆発的には人気は出ないと思われます。

私としてはけっこう好みかも。キャラクターデザインも、わりと好きな方です。男性も出てくるのは今風なのかな?

気に入ったので推さないとと思って評価は仮に付けましたが、途中で変更すると思いますので悪しからず。
== [ここまで。] ==

2018.10.26追記:
生徒会選挙での演説前の一幕、最高でした。

後輩なのにメンタル強な侑の強キャラ感はめっちゃ好みです。侑のお姉さんもなかなか良いですね。

表情の作画、情報量が多くて凄く良いです。原作も良いのでしょうが、今のところどストライクで好みです!

2018.10.27追記:
第4話目まで視聴完了。煽りキャラの存在で話が動いてきましたね。原作未読だけど、とりあえず見つかった脚本のキャスト表が伏線だというのはわかりました。

2018.11.3追記:
第4話からの勢いで原作既刊分の単行本を全巻読破したところで、第5話を視聴終了。

原作を忠実になぞっているようで第3話の生徒会長選挙の演説が実はアニメで補足されていることがわかったりとか。実は花田先生が目立たず良い仕事をしている…?

第5話については、原作にもあるエピソードですけど怜ちゃん(侑のお姉さん)GJ(笑)!

2018.11.10追記:
第6話を視聴終了。ストーリー展開は原作にほぼ忠実ながらもオリジナルなシーンがけっこう入っていたような。

例の川での飛び石のシーンも含めて、監督・演出・脚本みんな良い仕事してますね!

2018.11.17追記:
第7話まで視聴終了。ここまでただの脇役と目されていた箱崎先生がストーリーに参加してくるエピソードが、ついにアニメでも放送でした!

なお、本エピソードで触れられた佐伯沙弥香と先輩の中学生時代のエピソード詳細を含む『やがて君になる 佐伯沙弥香について』が11/10に電撃文庫より刊行されております。

原作漫画『やがて君になる』のスピンオフ作品という触れ込みで、歪んだ女性キャラを書くことでは定評のある(?)、入間人間(いるまひとま)先生によるノベライズとなっています。

原作未読でもアニメ第7話まで観ていれば特にそれ以降のエピソードに関するネタばれ要素はありませんので、佐伯先輩に興味を持たれた方は是非お読みになることをお薦めします!

2018.12.29追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。原作コミックス5巻の4割くらいを消費して、エピローグ的に今後の展開を期待させる映像での締めでした。(← 悪く言えば「おれたた」END(笑))

結局原作の各話サブタイトルはそのまま残されて、特に特定の回が跳ばされることなくアニメ化されるという『3月のライオン』に近い形でのアニメ化となりました。この構成で原作がまだ続いているので最終回をどうまとめるかはかなり大変だったかと思いますが、シリーズ構成・脚本の花田先生、お疲れさまでした。

そんな中、劇中劇の内容を練習という形で少し先取る形で見せて、アクロバティックに話をまとめてしまいました。このアニメの制作スタッフの恐るべき底力!

脚本だけではなく演出もハイレベルな作品でした。

2019.2.4追記:
12/21にBD 1巻、1/30に2巻が発売されました。

BDの初回特典として付くブックレットには対談形式のキャストインタビューが収録されており、他にコンテ各1話分が付きます。そして毎回特典ですがスタッフコメンタリーが付くのですが、これが1、2巻とも素晴らしいです。

1巻:
キャストインタビュー: 高田憂希・寿美菜子
キャストコメンタリー: 高田憂希・寿美菜子
スタッフコメンタリー: 加藤 誠(監督)・仲谷鳰(原作者)
コンテ: 3話

2巻:
キャストインタビュー: 寿美菜子・茅野愛衣
キャストコメンタリー: 高田憂希・寿美菜子・市川太一
スタッフコメンタリー: 加藤 誠(監督)・あおきえい(第6話コンテ)
コンテ: 6話

特に演出関連のスタッフコメンタリーが大好物な私としては、アニメ化のレベルの高さにふさわしいパッケージでBD 1巻、2巻ともに大満足。以降のBD 3巻、4巻も楽しみです!

投稿 : 2025/03/08
♥ : 82

81.5 5 恋愛で美しいなアニメランキング5位
恋は雨上がりのように(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (723)
3202人が棚に入れました
ある事件がきっかけで走ることを諦めた元陸上部エースの女子高生・橘あきらと、彼女のバイト先のファミレス店長であるさえない45歳男性・近藤正己の恋物語が描かれる。

声優・キャラクター
渡部紗弓、平田広明、宮島えみ、福原遥
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

人生の雨宿り

原作コミックは未読。

中年ファミレス店長と女子高生の恋愛ということで、
胸キュンできるのか?との懸念から様子見していましたが、
ハマった方々の半端じゃない心への刺さり具合に触発され、
私も雨に打たれに飛び込み、無事、感動し、打ちのめされ、
お気に入り棚に直行と相成りました。


触れてみると、本作は恋愛ドラマでもありながら、
それ以上に、進むべき道から外れかけて彷徨っている登場人物たちによる、
人生の雨宿りといった風情の純文学的な人間ドラマがステキな良作でした。
(と言いつつ恋するJKの慕情や仕草にも終始ドキドキさせられっぱなしでしたがw)

45歳の中年男からは、瑞々しい青春など、とうに干上がっていまっていたが、
一度、JKの純情という潤いに触れれば、吸湿するだけの文学的感性を備えていた。
彼にとって彼女と雨はまさに恵みの雨。

一方の女子高生にとって、雨は自身が怪我で陸上部を辞めた挫折の象徴。
彼女にとって店長は湿った心を受け止めて乾かしてくれる存在。


ただ、ネタバレレビューを読む



無価値に思っていた自分の言動が、思いがけず他人の心を動かす煌めきとなり得る。
視点によって様々な表情を見せる雨を精緻な背景作画で再現し、
それらの天候描写も、恋愛模様に絡めつつ、揺れ動く心情を表現していく。
事象だけ記せば一文で終る雨天を、百行にする。
文系脳の真髄が随所に発揮された私好みの逸品でした。


視聴の時季は、放送された冬アニメ期間中でも悪くはないのでしょうが、
やはり梅雨が明けて、夕立の季節に移っていく……。
このタイミングがベストなのではないか?と私は思います。

もし、この機会に本作の情報やレビュー欄に興味を持ってアクセスした方がいらっしゃったなら、
これはまさに、潜在意識の鑑賞欲求と季節がリンクした奇跡だと思うので、
躊躇せず視聴に直行することをオススメします♪

投稿 : 2025/03/08
♥ : 57

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

横浜が舞台の青春群像劇(ただしおっさんが約1名)

同タイトルのマンガ原作はアニメ化されるよりも前から気にはなっていたのですが、結局読まないでいる間にアニメになると聞いたので未読のままアニメを観ることにしました。

主人公の女子高生橘あきら(たちばな あきら)がアルバイトをしている(業態はガスト、名前はガーデンなすかいらーくグループっぽい)ファミレスと、あきらが通う風見沢高校が物語の主な舞台です。ファミレスと学校のどちらも横浜市内にあるらしく、他にも話に出てくる場所は概ね横浜市内のようですね。

もちろんあきら(17歳)とのファミレスの店長である近藤正巳(こんどう まさみ: 45歳)がエピソードの中心ではあると思うのですが、ファミレスの若めのアルバイト店員やあきらが休部(?)している陸上部の関係者なども含めた青春群像劇っぽいテイストもあるストーリーですね。

あきらが短距離走での目標を見失っているところでの近藤のふとした優しさに惹かれるというのは、無いようで意外とある話なのかもしれません。ただ、それを「恋」と呼ぶべきかどうかは意見の分かれるところではあるとは思いますが。

ただ、きっかけはさておきあきらの「想い」はなにがしかの意味での本物ではあったんだと思います。

面白いのは近藤の方もあきらと接することで、自分が若かった頃に想いを馳せて「青春の輝き」みたいなものを思い出そうとするところですね。大学時代に文芸サークルでの仲間だった九条ちひろとの関係なども見どころです。

原作の分量を考えるとストーリー中でアニメ化されなかった部分はたくさんあろうかと思われますが、全12話のアニメ作品としては綺麗にまとまって終わっています。

最終回でたどり着く結論としてもわりと妥当で、収まりの良い良作となっています。

これで完結ということで続編はおそらく作られないかとは思いますが、シリーズ構成としては良くできています。実写映画の公開も予定されているようですが、キャスティングされた登場人物や尺の感じからすると映画の方も本作と似たような構成になるのではないでしょうか。

まあ、実写映画はたぶん観には行きませんけど…。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 55

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

横浜みなとみらいを背景にした等身大の恋の物語 

2018年放送中のテレビアニメ

原作 眉月じゅん 監督 渡辺歩 構成 赤尾でこ キャラデザ 柴田由香
制作 WIT STUDIO

ビックコミックスピリッツに連載中のコミックのアニメ化。

舞台は横浜みなとみらいから遠くない場所にあるファミレス。
みなとみらいの風景いいですね。
その夜景を楽しむためだけにあそこら辺のホテルに良く泊まりに行きます。

17歳の少女のピュアな恋の物語。
相手は45歳の独身だが子供がいる男性。

橘あきら CV渡部紗弓 女子高生 主人公
近藤正己 CV平田弘明 ファミレスの店長 45歳

今期の純愛枠でしょうか。
真面目に描いていて非常に観やすいアニメです。
コミックの絵柄を忠実に再現したキャラデザを横浜の街並みの中で浮き上がらせる、
落ち着いたムードは好感が持てます。

この恋の行方ですが、予想としてはアニメコミック同時終了があり得ます。
そうなったら、かなりの良作が期待できますが、そうでないと厳しそうです。
今年、実写映画が公開されるようなので、もう結末は決まっている可能性が高いですね。

特に驚くような展開は期待できないでしょうし、
リアル恋愛ドラマとして丁寧に描いてくれれば完走出来そうです。
冴えない中年とは言っても結婚歴があり子供もいると言うことで、
本物の大人ですから、主なドラマは女子高生のあきらの側にあると思います。
原作未読なので予測できませんが、小さな恋の物語に酔いたい人なら価値ある作品になりそうです。

今後、店長の元妻やあきらに恋したイケメンとか登場しそうですが、
しないかもしれません。
一人で静かに見たい作品。
ノイタミナでなくては制作できなかったようなつつましやかな物語に期待大です。

第四話 素晴らしい。
こんな作品が見たかったのです。
雪が消えたらみなとみらいへGOだ!行ってきた。

teenがマジ惚れしたら、あばたもえくぼってやつですね。
ラストシーンについて原作者との話し合いがついているのなら今期覇権推しです。

視聴終了
このラストはこれでいいです。
結末なんていらないと思います。
ひとつの恋の時間を切り取った作品として美しいエンディングでした。
甘くて、前向きになれる優しさに満ちた作品として高評価したいと思います。
原作が先に終了して直後にアニメも終了した作品ですが、
たぶん、アニメのほうが心にしみると思います。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 55

76.6 6 恋愛で美しいなアニメランキング6位
イエスタデイをうたって(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (484)
1763人が棚に入れました
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている"リクオ"。特に目標もないまま、将来に対する焦燥感を抱えながら生きるリクオの前に、ある日、カラスを連れたミステリアスな少女―“ハル"が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“榀子"が東京に戻ってきたことを知る。

声優・キャラクター
小林親弘、宮本侑芽、花澤香菜、花江夏樹、鈴木達央、坂本真綾、寺島拓篤、洲崎綾、名塚佳織、堀江瞬、小野友樹、喜多村英梨、前川涼子、遠藤大智、大塚明夫、小形満、川島得愛、小林千晃、田中宏樹、西山宏太朗、藤原夏海、本田貴子、諸星すみれ、天海由梨奈、村井美里
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ゆらぎ(※配信限定エピソードを再視聴して)

アニメーション制作:動画工房、
監督・シリーズ構成・脚本:藤原佳幸、
副監督:伊藤良太、脚本:田中仁、
キャラクターデザイン・総作画監督:谷口淳一郎、
総作画監督:吉川真帆、原作:冬目景

作品タイトルと同じ、10話からのED主題歌が印象的だ。
ブルージーなギターからは60~70年代の薫り。
調べてみるとRCサクセションの
初期の曲のカバーだった。
発売はやはり1970年。
『イエスタデイをうたって』は、
ビートルズの『イエスタデイ』を歌って欲しいと
せがむ少女についての曲だ。
ちなみにビートルズの『イエスタデイ』は、
母を失ってしまった今の自分は、
失ってしまう前の昨日の自分とは
全く変わってしまったという深い哀しみの曲。
『イエスタデイをうたって』という作品のタイトルは、
原作の冬目景が最初に考案したものを
編集者にダメ出しされて思いついたものだった。

主人公は、大学を卒業しても自分探しのために、
モラトリアムな状況を続けている魚住陸生。
いかにも、ひと昔前の人物像だ。
ある日、鴉を連れた少女・野中晴(ハル)と
アルバイト先のコンビニで出会ったことで物語が始まる。

1話ずつの完成度がとても高い。
感情の機微を丁寧に掬い上げていく。
まるでオムニバス形式に感じるほど、
序盤は余韻を残しつつ完結し、次の物語へと続いていく。

ひと昔前の年代を感じさせる時代背景。
携帯電話がなく、黒電話やカセットテープなどの
グッズが懐かしい。コンビニに外人がいない。
若者の思考にも時代性を感じさせる。
自分自身が青春時代を過ごしたころなので、
余計に感慨深くなる。
視聴すると昔の感情が呼び覚まされる。

振り返ってみると、舞台となっている02年ごろは、
バブルがはじけたといえど、
経済的にはまだ安定していて生き方の自由度が広がり、
価値観がより多様化した時代だった。
私たちは自分に正直に生きることを望み、
本当に大切なものを手に入れようとあがき続ける。
自身の心に問いかけ続けるあまり、何もできなくなる。
でも、欲しいものが必ず手に入るとは限らない。
人はどこかで、その望みに折り合いをつけて
いかなければいけないが、それをできる人と
できない人にはっきりと分かれていく。
なぜかと言うと、いつまでも追い続けることが
可能なほど自由度が高いから。
だから、動き出しても、またすぐに
立ち止まってしまうことになる。

そんななかでも人は年を取るごとに
何かを得て、何かを失いながら変わっていく。
2度と戻ってこないものもある。
懸命に生きているときはそれに気づかない。
何かが終わっても、ただ寂寥感だけが積もっていく。
でも、私たちは進み続けていくしかない。

主要人物はほぼ4人だけ。
彼らは皆、長い時間をかけた行き場のない心を抱えている。
物語が動かないため、退屈だと感じる人も多いだろう。
しかし、停滞しているようでも
登場人物の心は、いつもゆらいでいる。

空気感の演出が抜群に優れている。
桜の儚い美しさ。一方通行の想い。
「死」を身近に感じる状況。
哀しみがこみ上げる瞬間。
二度とは戻ってこない日々。
そのときのシーンに応じた劇伴も効果的で、
観ている者の心を動かす。
繊細で大切なものが零れ落ちていく。
目や手の動き、仕種、ちょっとした沈黙。
心を映しているような描写だ。

彼ら4人はずっとゆらいでいるが、
周囲の人々は、決意して前に進みだす。
ハルの同級生の湊航一や陸生の元恋人の柚原チカ。
決着をつけて自身のなかに何かを見出す。
陸生自身も少しずつではあるが前進しようとする。

軸は4人のラブストーリー。
とはいえ、この作品の核の部分は、
陸生と榀子の心情のゆらぎにある。
自分の心の在りかをずっと探っている。
似たもの同士、受け身気質のふたりが
歩んでいく方向を見つけるために
真剣に迷い続ける物語といえるだろう。
そう考えると、納得感のあるラストだった。

陸生の気持ちのゆらぎは、
世田谷線の車内での独白に集約されている。
自分で自分の心が分からない。
正直さ、誠実さを突き詰めようとすると、
自分の本質がゆらいでいくように感じる。
それでは、どうしたらいいのか。
物事を論理的に考えるのではなく、
感覚的に捉えることだ。
自分の心がどこにあるのか。
もっとシンプルに考えるべきだ。

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タイトル面から作品を考えると、
ハルが主人公のようにも思える。
そもそも作者が最初に考案していたのは
「ハル」というタイトル。
ネタバレレビューを読む

原作の量からすると、1クールでは厳しかった感はある。
ショートアニメ&ラジオドラマで補完しているが、
若干の消化不良感は残った。
ただ、作品は全話を通して、とても丁寧な仕上がり。
それぞれの動きや言葉にリアルを感じる。
懸命に生きている人間の息遣いが聞こえる。

4人が歩み出す先にささやかな幸あれ。
(2020年7月4日初投稿)

原作を読了して(2020年8月9日追記)
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配信限定エピソードを再視聴して(2023年4月16日追記)

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投稿 : 2025/03/08
♥ : 87
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

(音無響子+関口さとみ)÷2ってどう?

原作未読 18年かけて完結した名作らしい


つくづく携帯電話というツールが青少年の恋愛模様に与えた影響は計り知れないものがあると思う。
コミュニケーションの取り方が今とまるで違う。

 『ポケベルが鳴らなくて』とその主題歌のヒットが93年
 初期費用10万円越えだが携帯電話が小型化したのが94年
 PHSのサービス開始が95年
 それに引きずられて携帯初期費用の下落が起きたのが96年
 契約台数200万台から一気に10倍規模へと拡大した97年
 99年に11桁化へ

私の場合、世の女子はポケベルかピッチ(PHSのこと)かなにも持ってないかみたいな時期に大学入学し卒業年次には皆さんおおかた携帯電話を持ってたかなぁという過渡期に学生生活を送ってます。振り返ってみると移動端末を持ってない女子には独り暮らしでもしてない限りアタックすることは無かったような… 逆もしかりで「携帯持ってない」はひとつの断り文句として通用するようになりもしました。

 “チャンスが失われる”

若者にとっては死活問題。端末が手に入れやすい価格帯になってあっという間に10倍以上の規模となった裏には下心あり。かようにわずかニ、三年で恋愛のルールに大転換が起きたのです。


本作の連載開始が98年1月。構想期間などリアルタイム反映は難しいにしてもすでにNO携帯な恋愛劇はやや時代遅れ感なきにしもあらずなタイミングです。
作者冬目景の生年は1970年。物語の主役が大卒直後のフリーターであって作者とリンクさせるなら92~93年頃と携帯端末勃興前夜の計算になります。原作者が自信をもって世に送り出せる恋愛劇に携帯というガジェットは辞書に載っておりません。単純に消化して落とし込むことができなかったのではないかと思われます。
ディスりではなくて、なんとはなしに肌感覚でNO携帯な恋愛劇を描いた最終世代の作品として貴重なのでは?と思いながらの鑑賞でした。推定'96大卒くらいまでがリアルに感じる恋愛物語と言えましょう。

現在でもやってやれないことはないでしょうが20年も経てば、当時を知る若者は中年/壮年になり恋愛する感覚が追いついていかない部分あるだろうし、リアル若者は取材した上で落とし込む作業が必要なんだろうなあとぼんやり考えてました。
肌感覚でイメージしづらい若人の皆さんでも手っ取り早くどんなものか知る方法はございます。動画とかで『JR東海 X'MAS EXPRESS』のCMをいくつか見てみたらいかがかと。60秒でNO携帯時代の恋愛のクライマックスを垣間見ることができると思います。


時代背景の前フリが長くなりました。作品に戻ります。

 『49%うしろ向き、51%まえ向き』

水前寺○子がニコニコしながら歩いてきそうな大きなテーマがまずはそこにあります。
繰り広げられるのは主要メンバー男2名女2名計4人の恋愛劇で登場人物はこちら↓

魚住陸生(CV小林親弘)
野中晴(CV宮本侑芽)
森ノ目榀子(CV花澤香菜)
早川浪(CV花江夏樹)

主役は大卒フリーター魚住陸生(リクオ)♂。その同級生、新卒で高校教諭の榀子(シナコ)♀。シナコの教え子だったが高校中退した晴(ハル)♀。シナコの実家金沢からの縁、浪(ロウ)♂。で、この狭いコップの中でいろいろやり合うわけでございます。
主役はなんとはなしに“陸に住み生きる魚”よろしく居場所がなく所在もなさげな青年。それでも“野”中や“森”ノ目と陸の上に安住の地を求めてるからなのか苦しんでしまう。そんな印象を受けた序盤です。
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作品のキャッチコピーから
主役名からの類推(妄想)から
そして作品タイトル“イエスタディ”から

すっきりせず停滞しそうな物語を約束されたようなものであり、事実そんな感じの全12話でした。12話分を俯瞰するとやや途中の説明不足や強引な終幕を残念に感じる一方で、

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むしろポジティブに受け止めたい。感心することしきりでした。約束された“停滞”はおそらく原作でも鍵になってるんでしょう。そのへんをアニメスタッフが大事に扱っていることを伺わせるような作り方をされてたと思います。

この褒め言葉としての“停滞”を生んだのは明らかに二点。
7割方は主人公らのパーソナリティ。これはネタバレで各人個別に後述します。こっちがやきもきするような優柔不断な二人が中軸なので話が進みません。
残り3割はツールの不備。先述の携帯端末がないことに起因してます。即時そして直接のやりとりが減るためすれ違いが生じやすくなり、当人らの性格もあいまって話が進みません。


 2%前に進んだ(かもしれない)恋愛群像劇


“即断即決”の2020年代を生き抜く私たちにとって、“すれ違い”や“空白”。行ったと思ったら戻ったりのもどかしさを楽しむタイプの作品です。
現実においてはアニメ作品も放送延期が連発したこの時期。
立ち止まって一呼吸したのは作品や業界だけでなく我々もでした。
奇しくもそんな2020年春クールにて、視覚に頼れず音と想像で空白部分を埋めるラジオという媒体を扱った作品だったり、本作だったりが生き残ったのは偶然ではないのかもしれませんね。
例えば空白部分。画面にも映らなかった会えない時間に彼女らがどんなこと考えてたんだろう?とかを想像しながら、深まってく想いだったり徐々にズレてく想いを堪能できる良作だったと思います。



※ネタバレ所感
以下、当方ゲスモード全開でいきます。Wヒロイン評いってみよー!
不快な表現があるやもなので純粋レビュー止まりならここでブラウザバックすることを推奨します。


■(音無響子+関口さとみ)÷2

誰のことかすぐ頭に浮かんだあなたは立派な大人です。そう榀子センセですね。

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この上なく強烈な印象を残すキャラクターさんとなってしまいました。ロクなもんではありません。
…と言いながらかくいう私だったらホイホイついていくと思います。

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■少女漫画に描かれた文脈でしか男を知らない人

誰のことかすぐ頭に浮かんだ人は残念なことに私と思考回路が似通ってるかもしれません。
そう晴ちゃんのことですね。

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男二名のめんどくささも書くつもりでしたが息切れしました。野郎二人は中学生です。学校で教師を呼び捨てにしてマウント取ろうなんて高校三年生としては稚拙。黙って○○へ行け! …以上です。

ということでもう一度戻って女子二人。要は二人ともめんどくさくて二人とも魅力的なのです。
出来れば両方ともおつきあいしたいとゲスの極みなことを考えているのは私だけでしょうか。皆さんどの子がいいなぁという視点で観てるんでしょうか。その場合誰が人気あるんだろう?
最後に本作で自分だったらこの娘さんが一番いいなぁと思った人と理由をネタバレで挙げときます。
ズバリ当てたらすごいかも(笑)


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この物語を鑑賞して思ったのは女のめんどくさいはかわいくて男のそれはどうでもいいということ。
次に主役四人組以外の登場人物はわりとまともだったこと。
あと言い忘れてたけど榀子センセなんかの比じゃないくらいこいつはダメだと思ったキャラがおります。さっき最後と言っといてすみません。断トツでした。

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視聴時期:2020年4月~6月 

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2020.07.04 初稿
2021.03.07 修正

投稿 : 2025/03/08
♥ : 68
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

曇り空ばかりだ

冬目景原作、制作動画工房。

新宿にほど近い私鉄沿線の小さな街で、
悩み、迷いながらも懸命に生きる、
4人の男女の恋愛模様、そして人生。

大学卒業後に定職には就かず、
コンビニでアルバイトをする陸生の前に、
以前から彼を知るという少女ハルが現れた。

美麗なOPから役者の静かな演技まで、
とても引き込まれる演出である。
音楽も好印象で、リアルな空気感は、
とても実写ドラマに近い印象を持つ。

4話視聴追記。
過去は美化される。
前向きに生きるしかない。
ネタバレレビューを読む
等身大の役者の演技が冴えますね。
人はどこまで人を思いやれるのだろうか。

最終話視聴追記。
ネタバレレビューを読む
煮え切らないものが良く描けていると思う。

主人公、ヒロイン、2人の関係を、
劇的に前へ進めるたった1つの方法は、
ネタバレレビューを読む
ただそれが安易に選べないからこそ、
人の不完全な美しさと脆さがここにあるのです。

夜と曇り空ばかりだ。
それでもどこか美しいと思う。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 62

82.1 7 恋愛で美しいなアニメランキング7位
アルドノア・ゼロ(第2期)(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1695)
9778人が棚に入れました
西暦2016年、アセイラム姫暗殺事件から約1年半後。地球生まれでありながら火星騎士の地位を得たスレインは、専属の部下を従えて、地球軍との戦闘に参加していた。一方、新たな戦地へ赴くべく、修理を終えるデューカリオン。そこに続々と、かつてのクルーたちが戻って来る。

声優・キャラクター
花江夏樹、小野賢章、雨宮天、三澤紗千香、小松未可子、村田太志、加隈亜衣、大原さやか、中井和哉、鳥海浩輔、茅野愛衣、嶋村侑、水瀬いのり、大川透、平川大輔、夏川椎菜、興津和幸、千葉進歩、竹内良太、豊永利行、生天目仁美、三宅健太、木島隆一、逢坂良太
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

1期でまさかの最終回ネタバレレビューを読むでした。

さすがにあれはネタバレレビューを読むは無いかなぁと思っておりましたが、なんと!2期ではネタバレレビューを読むことが判明!ネタバレレビューを読むは2期の見どころの一つで間違いなしです^^

■第1話~第12話
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/08
♥ : 62
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ずっと待ってたんだからね!

3か月間、ずっと放送を待ち焦がれていました。

ふつうは録画したものを見るんですけど、今回は待っていられなくて、生で視聴しました。

13話
とっても物語のテンポが速いですね。でも、内容がとても重厚で時間も長く感じられました。
それに、前回までの放送分の謎がかなりわかったと思いました。

ネタバレレビューを読む

これから3か月、楽しみです。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 52

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

物語の展開はアクセントが利いた仕上がりを見せているにも関わらず、全般を通じて落ち着いた印象の作品。主人公2人のキャラクター性が作風に大きな影響を与えていると推測する。

本作は虚淵玄(ニトロプラス)が原案を担当するオリジナルアニメ作品です。

*原案=虚淵玄(代表作:魔法少女まどかマギカ・サイコパス)
*監督=あおきえい(代表作:Fate/Zero・喰霊-零-)
*構成=高山カツヒコ(代表作:ささみさん@がんばらない・未来日記)
*キャラクターデザイン=志村貴子(代表作:放浪息子)
*音楽=澤野弘之(代表作:進撃の巨人・ギルティクラウン)
*制作=A-1 Pictures & TROYCA

アルドノアゼロは分割2クールで制作された作品で、今作は2期目にあたります。前期を視聴していない方が途中から視聴を開始すると混乱を招くため注意が必要です。

監督の‘あおきえい’曰く「王道のロボットアニメ」として制作された作品です。しかし私を含め一部の視聴者としては「原案が虚淵さんとあっては最後まで何が起こるか解らないな…」という期待感もあったでしょう。そしてその期待に応えるように、前期のラストはいかにも波乱めいた展開を見せてくれました。
「これからどんな運命に立ち向かっていくのか」と期待に胸を膨らませながらの視聴開始となりました。

総評として「物語の展開はアクセントが利いた仕上がりを見せているにも関わらず、全般を通じて落ち着いた印象の作品。主人公2人のキャラクター性が作風に大きな影響を与えていると推測する」といった感じです。

作品全体を振り返ってみれば「おお、そうくるのか」と思わせてくれる意外性のある展開もあったりして中々楽しめたと思います。王道の中にも‘この作品らしさを’感じさせてくれた…という表現がピッタリでしょうか。

…が、しかし、ですよ?なんだか物足りないのです。

あくまで私的な感想ですが。この作品、少し落ち着いているんですよね。
笑い無し・涙無し・感動無し、と申しましょうか。
…いや、そんな批判めいた事を言いたい訳じゃ無いのです。
作品としては悪くなかったと思いますし、先にも述べたように物語も中々良かったです。文句を付ける所と言えば敵カタクラフトのデザインが個人的にダサくて嫌いって事くらいでして。

そこで推測なのですが、この作品は主人公がクールなんですよね。
地球側の主人公である界塚くんは1期の印象通り勿論クールキャラといって過言では無いと思いますが、火星側の主人公スレインくんも2期になってクール…というか、少し非情さを出してくるんですよね。そしてこの作品サブキャラも地味じゃないですか。唯一花があるヒロインのアセイラム姫は今回出番が少ないし。
この作品は「2人の主人公とヒロインのすれ違い・行き違い」とメインにしている部分が大きいと思うのですが、その肝心の2人が冷静すぎてイマイチ盛りあがれない…という部分があるのかもしれないな、と推測しました。冷静な主人公に感情移入して、こっちまで冷静に視聴してしまうという現象ですね。

例えば同じロボットアニメの主人公「コードギアスのルルーシュ」を例に挙げますと、今作の主人公の界塚くんと同じ「冷静で論理的思考の持ち主」という共通点はあると思います。しかしルルーシュはピンチに陥る度に思考を鈍らせ人間的な泥臭い感情が露わになるような心の声が聞こえてくるシーンがあったりします。つまり表面上クールではありますが、内心はそうでもない…というのが彼の魅力であり、コードギアスの魅力でもあるのですね。逆に今作の主人公界塚くんはそういう泥臭さをあまり見せてくれません。淡々と、ただただクール…という印象ですね。勿論、無理をしたり少し動揺したりもありますが、それも「彼のキャラを崩さない範囲で」といった壁を感じます。
人間関係でも同じだと思うのですが、その人の「人となり」を見る事で共感したり身近に感じることってあると思うのです。界塚くんの場合少しそこが見えづらかったのかな…と。いや仮に見えていたとしても、アニメというエンターテイメントとしては少し印象に薄かったかな、というべきでしょうか。

そしてもう一人の主人公スレインくんに関しては「姫様に対する忠義・愛情の反動が少し斜め上」を行き過ぎて共感しづらい…という部分もあるかもしれません。もう男性版ヤンデレですねw

主人公がクールで、立ちはだかる難問を冷静沈着に解決していく。
という展開が今作のウリの一つではありますが、逆にそれが原因で作品の印象が薄くなっているという気がしてなりません。例えば感情の強弱をもっと持たせてみたり、それが無理ならアクの強いサブキャラを多数出すなりする手法もアリだったのかな?と感じてしまいました。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 43

72.0 8 恋愛で美しいなアニメランキング8位
雲のむこう、約束の場所(アニメ映画)

2004年11月20日
★★★★☆ 3.6 (853)
4712人が棚に入れました
日本が津軽海峡を挟んで南北に分割占領された、別の戦後の世界が舞台。
1996年、北海道は「ユニオン」に占領され、「蝦夷」(えぞ)と名前を変えていた。ユニオンは蝦夷に天高くそびえ立つ、謎の「ユニオンの塔」と呼ばれる塔を建設し、その存在はアメリカとユニオンの間に軍事的緊張をもたらしていた。
青森に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は、津軽海峡の向こうにそびえ立つ塔にあこがれ、「ヴェラシーラ(白い翼の意)」と名づけた真っ白な飛行機を自力で組立て、いつかそれに乗って塔まで飛ぶことを夢見ていた。また2人は同級生の沢渡佐由理に恋心を抱いており、飛行機作りに興味を持った彼女にヴェラシーラを見せ、いつの日にか自分たちの作った飛行機で、佐由理を塔まで連れて行くことを約束する。
しかし、突然佐由理は何の連絡も無いまま2人の前から姿を消してしまう。

声優・キャラクター
吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

浮き上がれヴェラシーラ

新海誠、映像叙事詩の始まり。

物語を動かすのは2人の少年。
憧れの少女との遠い日の約束。
国境の向こうの塔へと、少年は飛行機を疾らせる。

日本が南北に分断統治されたもう一つの世界。
舞台は東京/青森/北海道/そして少女の夢の世界。

眠り続ける少女の夢。
ネタバレレビューを読む
今はまだ手が届かないものに共感する。

歩いても、歩いても道に迷い、
たどり着けない遥か遠くの約束の場所。
自分でも驚くほどの、遠回りを経験して、
日々成長していくものだ。
次こそはちゃんと歩こう、ちゃんと飛ばそう。
そんな気にさせられる繊細な作品です。

空の向こうに広がる透明な空、
空と雲の描写が圧倒的に美しいですね。

浮き上がれヴェラシーラ。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 54

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

近未来的 眠れる森の美女

新海誠監督が2004年に制作した90分ほどのアニメーション映画。
数年前に観た時は、集中できない環境にあったせいか、
あまり入り込めなかったのに、今回もう一度観直してみたら、
以前わからなかったことがわかって納得できた。
それに、この作画のクオリティが8年も前のものだなんて、
今だからこその驚きで。

北国らしい風景、窓や空から差す光線、舞い散る雪やそぼ降る雨。
吐く息の白さや湯呑みから立ち上る湯気、さまざまな時間帯の空の色の変化、
廃屋や駅のさびれた感じ、どこかの小さくて古い飲み屋の壁に貼られたメニュー。
思い出すまま書き出してもまだまだ足りないほど、それらは美しく、繊細。
実写映画を観るよりも感動的な景色に映るのは、
カメラで撮影しただけのものと違い、
人によって綿密に描かれたものだからなのだろうね。
それらを鑑賞するだけでも、まずは価値のあるアニメ映画だと思う。

さて、物語のほうは・・・
一言で言ってしまえば、理系的風味の純愛物語、かなと。

背景にある日本の国家的状況や事情、SF要素をはらんだ部分、
ヒロインの病気であるナルコレプシー(原因不明のまま眠り続ける睡眠障害)
など、自分的にはそれらの要素があって楽しめたのだが
観る人によっては難解だったり、退屈だったり、
無駄なエピソードに感じたりするかもしれない。

ただ、飛行機や脳神経医学、ヴァイオリン、平行世界などの
好きな要素があったものの、確かに欲を言えばもう少し、
主要な登場人物3人それぞれの想いに焦点を絞ったほうが、
テーマは伝わりやすかったのかも。

というか、結果的には1クールで見せる物語くらいの内容だったと思うから、
90分の中に中途半端に盛り込みすぎてしまった感は否めない。
ただその分、ものすごくいろいろ想像させてくれるので、
そういう楽しみ方が好きな人には良かったんじゃないかなって思う。

作中に登場する巨大な塔は、誰もが手の届かないもの、叶えられないものの象徴。
その塔に脳的リンクするヒロインとの、かつての約束を果たそうとする主人公 藤沢と、
ヒロインをあからさまに奪うことなく友情をつらぬく白川。
遠く離れた男女それぞれの孤独感と、自覚することなく通じ合っている想い。

単純なはずのテーマも、壮大なスケールの設定によって
近未来的『眠れる森の美女』を観たような感覚だった。

で、個人的に一番感情移入できたのは、ヒロインでもなく、藤沢でもなく、
彼の親友 白川。

なお、川嶋あいさんの歌われるED『きみのこえ』がとても良いです♪

投稿 : 2025/03/08
♥ : 52
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

次元を超えた想い

新海誠監督作品。

北海道が「蝦夷」と呼ばれ、他国の領土に属している、史実とは異なる歴史を歩んだ世界。
青森に住む、藤沢浩紀(ふじさわひろき)、白川拓也(しらかわたくや)は「ヴェラシーラ」という飛行機を作り、沢渡佐由理(さわたりさゆり)を、蝦夷にそびえ立つ白い塔に連れて行くという約束をする。


まず惹かれたのは、その雰囲気。
美しい風景描写、補色を利用したライティング、そして、要所要所で入るBGMの組み合わせが、独特の空気感を作り、視聴者をグイッと物語の世界に引き込んでいきます。
「雰囲気に飲まれる」という言葉がぴったりです。

そして90分をフルに使った、ストーリー展開。
史実と異なり、日本は北海道とそれ以外に分断され、軍事的な緊張下の中にあります。
青函トンネルも未完成で、塔に向かうには、軍事的に支配されている空を経由して行くしかありません。
約束当時、中学3年生だった浩紀と拓也は、それがどれだけ難しいことなのかまだ分かっていませんでした。
果たして、彼らは約束を叶えることはできるのか。


テーマは「体の距離と心の距離の違い」。
壮大な世界感の中、小さな想いに焦点が当てられています。
ここで、補色を使った光の「対比」が生きてきます。

「手が届くほどに見えているのに、行くことができないその場所」
ネタバレレビューを読む
それが「雲のむこう、約束の場所」。

同じ想いを持ち、歩み始めた、浩紀と拓也という2人の人物を出したことで、距離感の違いをうまく表現できています。
ネタバレレビューを読む
2人の想いは奇跡を起こし、約束を果たすことはできるのか。
ラストシーンでは、完全に雰囲気に飲み込まれ、鳥肌が立ちっぱなしでした。

なお、量子力学、平行世界、量子重力論といった科学用語が出てきますので、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、キャラクターたちが端的に説明してくれますし、あくまで焦点は心の動きにあります。
深く構えることなく、ムードに任せるままストーリーを追っていけば大丈夫です。
ネタバレレビューを読む
小さな心の距離感を、SFストーリーで描き、強烈な雰囲気で引き込んでくれる作品。

SFはロマンのかたまり。
恋もロマンのかたまり。

新海誠監督作品の中で一番好きなアニメ。
どちらかというとセカイ系に属し、完全な解決や、分かりやすい説明を求める人には向いていませんが、一度は観ていただきたい作品です。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 48

72.6 9 恋愛で美しいなアニメランキング9位
泣きたい私は猫をかぶる(アニメ映画)

2020年6月5日
★★★★☆ 3.7 (141)
664人が棚に入れました
見つけた、君に会える魔法――自由奔放、ちょっと変わった中学2年生、笹木美代(ささき・みよ)。クラスメイトから「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれ、学校でも家でもいつも明るく元気いっぱい。ムゲ熱烈に想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)に毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。大好きな日之出のそばにいられる唯一の方法、それは猫になって会いにいくこと。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには日之出に近づける日々。猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになっていく。このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――「猫」の世界を通して繰り広げられる、私をみつける青春ファンタジー。

声優・キャラクター
志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、大原さやか、浪川大輔、小木博明、山寺宏一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

やっぱり猫が好き

佐藤順一監督、脚本岡田磨里。
スタジオコロリド制作。

夏の縁日、少女夜行、
新しい家庭環境に折り合いを付け生きる少女。
夜の祭りで迷い込んだ不思議な猫の世界、
ネタバレレビューを読む
少年もまた現実に折り合いを付け生きていた。

決して不幸せではない。
かといって幸せでもない。

どこにでもいる少年少女の日常。
ネタバレレビューを読む
とても共感の持てる小さな物語である。

表現したい想いがある。
でも表現の仕方がわからない。

私が私でいられる時間は必要で、
ビタミンやミネラルはそこで補給され、
私と私が歩む人生との整合性が保たれる。
子供だってそうやって生きている。

高度に複雑化した関係性の中で、
私を支え導く大切な人々への、
眼差しが優しい素敵な心象風景である。

きっと、永遠は見つかる。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 49

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

見つけた、君に会える魔法…

サトジュンと岡田麿里さんがタッグを組んだオリジナルアニメ…
と聞けば気になりますよね。

ですが、私にとって結果的にラッキーでしたが、劇場での視聴を楽しみにしていた方には残念だったのではないでしょうか。
コロナウィルスの影響により、前売券の発売延期、公開日の延期…
そして劇場公開せずNETFLIXでの配信に変更されたからです。
私はNETFLIXに入会しているので視聴できましたが、多くの方々が入会している訳では無いと思うので…


私はあなたの力になりたい。好きって言われたい…

笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。
空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」という
あだ名で呼ばれている。
しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ
毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。
めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。

それは、猫の姿になって 大好きな日之出に会いにいくこと。

実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という
不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、
いつしか太郎は日之出の支えになっていた。
≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。
ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。

猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。
ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、
≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる・・・

このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――
自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

始まって直ぐ、サトジュンワールドにジブリ感がプラスされた感じがしました。
ネコと摩訶不思議な空間との組み合わせは、まさにARIAそのものです。
それに「千と千尋の神隠し」の世界観が雰囲気を助長してくれている感じ…
もう期待感が右肩上がりです。

気になるあの人は今、何をしているんだろうか…?
誰でも一度は気にしたことのあるシチュエーションだと思います。
勿論、自分では会いに行けないし、仮に会ったとしても教えて貰えないかもしれません。
そもそも、会いに行くための口実がなかったり、嫌われたくないからあと一歩が踏み出せず躊躇してしまう…

青春のど真ん中って感じが羨ましくもありますけれど…

でも、それが「自分とは全く違う何か」でなら、見せて貰えるかもしれない…
見てどうするか…それはきっと実際に見てみなきゃ分からないと思いますが、この作品の根底にはそんな「もしもワールド」が息づいていました。

この作品で秀逸だと思ったのは人との関わり方です。
最初は、ムゲが日之出の力になりたいと思い動き出しますが、人との関係性ってそんな一方的じゃないんですよね。

お互いが支え、支えられている…
何かをしてあげたいという気持ちは交錯する…
そんな心情が巧みに描かれているんです。

そして物語を彩る主題歌 ヨルシカさんの「花に亡霊」も抜群だったと思います。

作画も綺麗、キャラはしっかり動くし背景も繊細且つ緻密で申し分無しでした。
日本のアニメーションの素晴らしさが感じられる作品だったのではないでしょうか。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 19
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

既視感がある猫物語

絵柄が幼いので、あまり期待せずに観ました。
しかし、巧みな物語構成に徐々に夢中に。
それは各キャラの背景が描かれていたからかな。
人猫関係が有機的に結合し、クライマックスへなだれ込む。
見応えがありました。

恋愛ファンタジーストーリー。
破天荒な女の子ムゲはちょっとクールな日之出が好き。
でも、日之出はムゲのアタックをむげに断る。
だから、ムゲは猫に変身し、日之出に会いに行く。
しかし、ムゲはデブ猫の陰謀にハマり・・・という感じの物語。

私のもっとも好きなのはネタバレレビューを読む

ムゲの声は志田未来さん。
本業ではないけど、役に合っていたと思います。
並みいる声優陣に引けを取りません。
こっちの世界でも十分やっていけるでしょう。

背景は常滑に似ているなあと思ったら本当に常滑でした。
遠い昔に同級生の実家へ遊びに行った街。
狭い路地を上った先は・・・「猫の森?」
谷山浩子好きの同級生のことを思い出しました。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 18

76.3 10 恋愛で美しいなアニメランキング10位
ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 2nd(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (509)
2377人が棚に入れました
「最終負荷実験」という名の、アンダーワールド全土を巻き込んだ「人界」軍と闇の軍勢の戦争。戦局は、「光の巫女」アリスの奪取をもくろむ「ダークテリトリー」軍ガブリエル一派と、アンダーワールドを守ろうとする「人界」軍アスナたちとの戦いへと様相を変えつつあった。未だキリトが精神世界の奥深くで眠り続ける中、「闇神ベクタ」ことガブリエルは、現実世界から幾万もの米国プレイヤーたちをログインさせ、「人界」軍の一挙殲滅を狙う。対するアスナたちは、アンダーワールド創世の神の名を冠する3つのスーパーアカウントで抗戦する。この大戦の行く末は、今は深く眠る一人の少年――「黒の剣士」が握っている。「アリシゼーション」編 、ここに完結!

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

Underworldの開発目的は何処へ?

 「てめぇらの血は何色だーーっ」 

今は亡き塩沢兼人さんの名演から早30年

 「魂の色は何色ですか?」

生まれたところや皮膚や目の色ではなく、はたまた人間か人工フラクトライトも関係なく、個々人の在り方が大事だろうよ!と普遍的なテーマを投げかける…はずだった名作になり損ねた大作。寸評だとそうなっちゃいますね。
放送開始前の期待はこういったところでした。↓

・あのSAOの集大成
・アリシゼーション壮大だぜ!の原作既読組の声
・4クールと力の入れようがすごいな
・むしろその尺で収まるのか?

『Ⅱ』も『GGO』も楽しんだ私は期待しかありませんでしたが、『アインクラッド』を頂点に下り坂と捉える一定数のファンですら軒並み期待をもって迎えられた『アリシゼーション』でした。
どうでもいい細かいこと言っとくと、今回のUW第2部期間のCMで新章「ユナイタルリング」の存在を知り「え!?アリシゼーション最後じゃなかったっけ?」とやや興ざめした情報弱者の私です。
“これが最後”のプレミアム感が消えた瞬間でした。

『アリシゼーション』24話と『Underworld』第1部12話を通じて大絶賛とはいかず、様子見でこの最終章全11話に突入した視聴者が多い情勢でもありました。

技術的なのはようわからんので他の方の読んでください。
自分の考えるSAOの魅力は以下2つ。その予実がどうだったかを残しときます。


【SAOの魅力①】様式美と化したキャラクター

“ハーレム”“俺TUEEE”の代名詞的なところがあって、純粋に楽しむファンはもちろんのこと、「またかよ」と苦笑しながら楽しんじゃう“文句言いながらワイドショー観てる”ようなニーズも相当数いる作品。私個人はあまり重きを置いてないですけど、この文脈で語られることが多いため“お約束”の出来が作品評価に直結するといっても過言ではありません。
脇役も脇役然としておらず、脇役で複数話回せるくらいの実力者揃いだったりもしますね。リーファちゃんをAパートの4分の1くらいだけ見せ場を作って次に移るみたいな贅沢な使い方ができてしまう。

⇒結果

やることやるってこと以上に大盤振る舞いしてたと思う。リソースを過剰投入していて、おかげで後述の“魅力②”に割く時間がなくなった。もしくは中途半端にせずにバッサリ切ってバトルに全フリしたとも考えられる。これは逆効果で途中から飽きちゃいました。

ネタバレレビューを読む

困った時の○○を連発したら、ありがたみがなくなるよねって至極真っ当な感覚だと思われ、
キリト→ネタバレレビューを読む
アスナ→ネタバレレビューを読む

集大成らしく過去キャラ絡ませる展開は劇場版のようでもありました。胸アツなやつも1つありましたよ。でもどうなんでしょうね。メインストーリーに絡むキャラじゃないとこういうのってカンフル剤以上の効果を期待できないものです。せいぜい離したところでスポット投入。どうしても本作は劇薬を複数回投与して本体が弱っちゃった感が否めません。

ネタバレレビューを読む


【SAOの魅力②】ありえそうな科学技術

後述の魅力②です。私にとっての本丸。
“VRMMO”って面白そうだしありえそう。そんな近未来を想像できるSF設定が良いです。『Ⅰ』『Ⅱ』そして『アリシゼーション』と都度かたちを変えながら、といいますか茅場晶彦の残した“種”をベースに毎回違ったテーマを我々に提供してくれることを楽しみにしてた感じです。茅場が大量殺人を犯した狂人というのも設定に深みをもたらしてますしね。

そしてこの『アリシゼーション』です。これまで以上に仮想と現実の垣根が取り払われてきたこと。そのことで現実国家の関係にも影響を及ぼしてきたこと。一気に風呂敷を拡げてきたことにワクワクしました。詳細は過去の『アリシ24話』『UW第1部12話』のレビューに書いてるので余力あればそちらまで。このシリーズを捉える基本的な考え方になるので迷子になった時はそこに立ち返ることにしてます。
そんな楽しみしていた風呂敷の畳み方についてほぼゼロ回答。うーん…正直しんどい。

⇒結果

↓一応回答らしきもの
ネタバレレビューを読む

ネタバレレビューを読む



とどのつまり、楽しみにしていた【魅力②】はゼロ回答。それほど重きを置いてない【魅力①】は過剰サービスだったということです。
尺が足りないって意見が出てきそうな締め方ではあったのですが自分はバランスの問題かなと捉えてます。シリーズものの強みは作品のなにがウケていたか強みをあらかじめ分かっていることが挙げられるでしょう。目の前に原作があって、予算やら製作側の供給能力その他を考慮しながら決められた尺で視聴者が喜びそうなポイントをおさえた取捨選択をしていく。それが下手くそでした。
パワプロのサクセスモードで広島菊池選手みたいな守備職人を作成しようとして守備にパラメータ全フリしたものの、肩が弱くてゲッツーできなかったり足が遅くてかえって守備範囲狭くなったりと

 結局何したかったんだろうね~

と突っ込み待ち作品と化しました。画や音は低水準ではないし、オールドファンが喜びそうな仕掛けもあるためポッと出の凡庸な作品よりはマシ。でもほんとそれだけ。誠に残念です。




※ネタバレ所感

■【魅力②】作品からの回答

ゼロ回答としたのは先述の通りです。

ネタバレレビューを読む
ただこれだと全俺からのツッコミ必至で

ネタバレレビューを読む

という至極真っ当なものから

ネタバレレビューを読む

いらぬ心配まで焼きたくなります。やや整合性なんぞ怪しくてもワクワクする未来が見たかった。


■別れた世界線

2012年~2016年。4年越しで原作は刊行されてるようですね。
時代背景の写し鏡みたいなところは強く感じました。

A儲かるし中国との関係大事。いざとなったらドル締めりゃいいので楽勝
B韓国もセットで考えればいいし浮上の芽なさそうな日本はスルーでよくね?
C厳罰ないからどんどん機密情報持ってきな
D沖縄は国内分断の震源として使えるし北海道もいい感じ
E日本人同士やりあわせときゃコントロールしやすい

主語は米国だったり中国だったり、今は違ったりそのままだったりしますがAtoEは当時の情勢です。
米国にとって日本は対中国の防波堤ぐらいになればいいやというのが特に第1期オバマ政権(2009年~2013年)の頃は顕著でした。

ネタバレレビューを読む

冗談でもなくこんな世界でしたよ。ご存知2020年の日本を取り巻く環境は違います。AとBは劇的に変化したところかも。基軸通貨握ってるからと高をくくってたのが本格的にヤバいと気づいたのが2015年。あちらさんの基本政策が変わりました。日本も賛否はあれどCにメスいれたり、DとEはそのままだったりと変わるものは変わってきてます。

“今”だけをみると見落としますが、時系列での積み上げで見えてくる部分はあるのです。


作品自体の評価は低くしましたけど、たった10年もしない少し前の日本の置かれた情勢が色濃く出てたなぁと時代の切り取り加減のリアリティという意味では価値あるのかもしれません。
裏を返せばこうしている間も時代は変化してるわけですしね。


昭和日本の「血は何色だ?」と令和日本の「魂は何色ですか?」の本質の部分は一緒です。
それでも微妙に変化しているものがある。

ネタバレレビューを読む



視聴時期:2020年7月~9月 

-------

2020.09.20 初稿
2020.11.12 タイトル修正
2021.08.04 修正

投稿 : 2025/03/08
♥ : 61
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

War of Underworld

A-1 Pictures制作。

オーシャンタートルを占拠された現実より、
絶望的な数の海外VRプレイヤーが投入され、
アンダーワールドは混乱を極めている。
多数軍勢と勇猛に戦うアスナたちの前に、
馴染みある援軍が到着する。

UWの根幹にある人工知能開発計画は、
ネタバレレビューを読む
ようやくそこが崩れ始めている。

私的には堅調に伸びていた評価も、
劇場版を頂点に緩やかに下降している。
私のSAOの評価は現実側にあって、
平凡な中流家庭で生まれ育った大学生の、
ちょっとした冒険にあります。
平凡な日常との対比がもう少しあればなと。
シリーズ序盤の入りは好きですが、
物語内では厳しい局面が続いていますね。

最終話視聴追記。
ネタバレレビューを読む

幻想的なファンタジーの世界と、
日常空間でのエピソードがあれば嬉しい。

実り多い続編に期待しましょう。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 54

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ガッツリと、前作からの続き。ビックリの最終回でした。

放送2話目、話数での通番でいうと#14まで観た時点で、このレビューを書いています。

そもそも『ソードアート・オンライン アリシゼーション』(以下、「SAO アリシゼーション」)計4クールを下記のように分割して制作、放送している感じなわけなのですが…。

『SAO アリシゼーション』(2クール)
『SAO アリシゼーション War of Underworld』(1クール)
『SAO アリシゼーション War of Underworld 2nd』(1クール)

そしてそもそもの『SAO アリシゼーション』からしてそこまでのシリーズ作品『SAO』、『SAOⅡ』と、できれば『SAO Extra Edition』も観ておかないと良くわからない的な作品になっているので、ここまでのシリーズ作品をご覧になっていない方はさようなら…。



というわけで、何かと女性陣がひどい目に会っているSAOシリーズのような気がしますが、今回はキリトくんの義妹リーファ(直葉(すぐは))ちゃんがひどい目にあっていたのであります。

前のクール分でも思ったのですが、菊岡さんが普通に味方というのが違和感があるといえばあります。(← いつもはロクなことを考えていない役)

キリトは復活するのか? ←いや、するよね(笑)
そしてアリスの行く末や、いかに…?

シリーズのテーマのひとつとして「良く出来たAIと人間って本質的に何か違うの?」的な疑問を掲げ続けるSAOですが、今回はその渦中の人物(?)としてアリスがいます。

個人的には、ユイでもう充分に凄いとは思いますけどね。ところで、作中の「SAO事件」って2022年の出来事ってことになっているんですけどね。

そして今年は、もう2020年…。

2020.8.23追記:
#19まで視聴完了。
人間「Ζガンダム」…(笑)。
(ゼータの最終回を知ってる人には、通じると思います。)

これまでのシリーズも絶体絶命のピンチにはオカルトで勝ちを拾ってきた感はあるけど、アリシゼーション編からはこれまで以上にオカルト成分が増してきたなあ…。

2020.9.27追記:
最終回まで見終わっていましたが、更新が遅れていました。最終回の最後に宇宙をバックに字幕が出るの、ちょっと『STAR WARS』シリーズみたいで笑ってしまいました。

『アクセル・ワールド』世界とのつながりも見えてきた本作品でした。

とりあえず繰り返しておきますが、「アリスが凄い」のは良くわかったけどユイも充分に凄くないですか(笑)?

アリシゼーションを全4クールで見ると、2クール目辺りがわりと面白かったかな?

War of Underworldの2クールは、「とにかく見届けよう」って気持ちで観てましたね…。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 43

68.0 11 恋愛で美しいなアニメランキング11位
ほしのこえThe voice of a distant star(OVA)

2002年2月2日
★★★★☆ 3.4 (589)
2984人が棚に入れました
『ほしのこえ -The voices of a distant star-』 は、新海誠 監督 が制作し2002年に公開されたアニメーション映画。
2039年、人類の調査隊は火星のタルシス台地で異文明の遺跡を発見したが、突然現れた異生命体によって全滅させられてしまう。その異生命体はタルシアンと名づけられ、その脅威に対抗すべく国連宇宙軍が組織された。
2046年、中学三年生の長峰美加子は、国連宇宙軍のロボットのパイロットの選抜メンバーとなり、翌年にはタルシアンの追跡調査のため編成されたリシテア艦隊の一員として、同艦隊旗艦〔リシテア〕に乗艦、地球を発つ。ほのかな恋心を抱く友人寺尾昇を残して。調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って、地球から離れてゆくにつれ、ミカコとノボルの距離も光年単位で離れ、二人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなってしまう。
ついにはミカコは地球から8.7光年の距離に位置する惑星アガルタに降り立つ。そこでミカコは、地球に届くのに8年もかかるメールを ノボルに送信する。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

時間と距離を越えて繋がるふたり

新海誠氏が制作し2002年に公開され、数々の賞を受賞されたアニメーション映画。
監督・脚本・演出・作画・美術・編集をほとんど新海氏ひとりでこなされただけでなく、
オリジナル版では主人公 寺尾昇の声も担当されたとか。

主な登場人物は、国連宇宙軍の選抜メンバーとなり
やがては生還の保障のない遠征調査に旅立ち、
謎の異生命体と対峙する15歳の少女美加子と、
地球に残り、彼女からの携帯メールを受信している同級生の昇。
何光年先の宇宙と地球という、はるか遠く離れた距離の二人の間で、
ずれていく時間とふたりの想いを描いた作品。

携帯電話の機種がまた懐かしい形状なのだけれど、
あの当時の携帯で宇宙と交信できるかどうかのツッコミはしない方向で^^;

でも、地球に届くのに8年もかかるメールなんて、なかなかロマンがあるよね。
そして、それだけの月日の流れを待たせ、待たされるという
時間のズレと孤独感、そうしている間にも大人になってしまう二人の
心のズレを思うと、とてもせつない。

それから、これは宇宙ロボットが登場するからと言っても
バトルシーンがあるような作品ではなく、宇宙的な時間の中で育まれる恋愛モノ。
宇宙ロボットのコックピットで学校の制服を着ているっていうことも、
きっと意味のある見せ方なのだろうし、リアリティを追求するんじゃなく、
あくまでもふたりの男女の心模様に焦点を当てて観ていけば、
深いメッセージに気づくことができるはず。

自転車を押しながら下校する帰り道のふたり。
踏み切り、コンビ二、飛行機やロケットが飛んでいく青空、
そして、空から舞い降りる雪。

「秒速5センチメートル」をご覧になって感動した方ならきっと、
「あ・・このシーン、この風景・・」って場面に思わず顔がほころぶかもです。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 60
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「秒速5センチメートル」で有名な新海誠監督による、心の距離感を描いた作品。「対比」がうまく生きている

「秒速5センチメートル」で有名な新海誠監督が、ほぼ一人で手がけた、いわば自主制作に近い作品。
背景グラフィックやCG描写はとても綺麗ですが、人物画には特徴があるので、キャラクターの見た目で作品を判断する人には向いていません。
ただ、監督の描きたい「心の距離感」がどういうものか知るには絶好のアニメだと思います。


時代は、宇宙開発が進んだ近未来。
ノボルとミカコという二人の登場人物の心の距離に焦点を当てたお話です。

25分という短い劇中に何度も現れる「対比」がポイント。
近未来でありながら、寂れたバス停や石炭ストーブなど、レトロさを感じさせる日常風景と、ロボットや宇宙生命体など明らかな未来をイメージさせる描写。
ノボルをクラシックな日常に、ミカコを未来的な非日常に置き、両者を繰り返し描写することで、「時間のずれや重み」を強く感じさせてくれます。

そして、実質的に二人を繋ぐのは「メール」というこれも古典的な手段。
メールはどんなに急いでも、光の速さを超えることはできません。
地球上ではタイムラグはほぼありませんが、月にいけば往復に3秒かかり、火星にいけば往復8~40分ほどかかります。
このように距離が離れれば離れるほど、たった一言のメッセージをやりとりするのに、どんどん時間がかかっていきます。

遠ざかっていく二人の物理的な距離と声。
「心の距離」もそうやって離れていくものなのか、そこがポイントです。
ネタバレレビューを読む

切ない余韻が残りますが、
ネタバレレビューを読む
と、細かいところで希望を残してくれています。

ある程度SFの知識があった方がわかりやすいですが、テーマになっている「心の距離感」は誰でも感じ取れると思います。
「秒速5センチメートル」の雰囲気が気にいった方は、原点を知る意味でも、一度観てみるのもいいかもしれません。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 48

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

三年目ーの浮気くらい大目に見ろよ(微調整)

秒速でお馴染みの新海作品の初期の1つ。
約30分程度。

見たのは随分前だが書こう書こうと思いつつすっかり忘れていた。

ではどういう話なのかと言うと平たく言えば遠距離恋愛もの。只、他の遠距離ものと異なる点は地球と宇宙でのってこと。
未だかつてここまで超遠距離な恋愛ものを描いた作品があったろうか。いや無い。無いよね?多分無い。

今回の恋するお二人の設定は(当時)中学生。
女の子のほうが唐突にロボ乗ってエーリアンと戦いに出かけたため地球に残された男の子のほうは相手からのメールをひたすら待つしかない苦難の日々に。
しかも段々地球から離れていくごとにメールが到着する時間も伸びていき最長なんと8年かかることになる。
並の、あいや普通の男ならこの時点で今まで有難うさようならお元気でってな感じなんだろうけど、そこは我らが新海作品の男の子。待ち続けますいつまでも。
勿論、忠実な犬じゃあるまいし人間なのだから葛藤もあれば迷いもある。当然彼にもソレはある。
その辺りは実際自分の目で見てぴょん。短い作品ながらも上手く表現出来てるんじゃないかと。

しかしまぁこう聞くだけで欝になりそうな話なのだが、そんなことはある。
正直作中そして視聴後もなんて言うか酷く虚しい。いや切ない?

あぁこの感覚が秒速に受け継がれて行くのかと妙に納得・・出来るわけもなくひたすら切ない作品だった。
自分は見た順番が秒速→これ→言の葉だったんでラストどういうふうに終わるのか気になりつつも秒速の悪夢が頭を過ぎりそこはかとなく嫌な予感がしてたのだが、ラストは・・。
とネタバレになるんで興味あったら是非自分でね。続きはwebで。おっとwebは不味いのか。

作画は相変わらず綺麗だねーて感じなのだがそれに反比例して人物の絵がすこぶる微妙な気もしたが、元々この人は背景の人だと認識してるしこの作品もほぼ1人で作ったらしくそこまで突っ込むのも野暮ってもんだろう。
当然、なんで学校の制服着用で戦ってんのかとか近未来設定なのに携帯が古いだの町並みがソレっぽくないだのそのへんに突っ込み入れるのも野暮であると自分は考えるであります。が、突っ込みたい気持ちはすごく分かる。

話自体はさほど特別なものでも無いのに心に来るのが新海作品。
描きこまれた風景画で魅せるのが新海マジック。新海新海をどうぞよろしくお願いします。

ネタ風味になったがこの人の作風自分は地味に好きだったりする。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 43

72.0 12 恋愛で美しいなアニメランキング12位
千年女優(アニメ映画)

2002年9月14日
★★★★☆ 3.9 (448)
2168人が棚に入れました
芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。

声優・キャラクター
荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、徳丸完、片岡富枝、石森達幸、佐藤政道、小野坂昌也、小形満、麻生智久、遊佐浩二、肥後誠、坂口候一、志村知幸、木村亜希子、サエキトモ、野島裕史、浅野るり、大中寛子、園部好德、大黒優美子、山寺宏一、津嘉山正種

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女性そのものを描くことへの挑戦

2002年のアニメ映画で監督は故・今敏監督です。

では、簡単なあらすじを。(知っている方は飛ばしてください)

昭和の時代を駆け抜けた銀幕の大女優藤原千代子は
現在では70代になっており静かに暮らしていたが、30年ぶりに取材に応じることになる。
藤原千代子を崇拝しているインタビュアー立花源也(映像制作会社社長)
と井田恭二(カメラマン)は藤原千代子宅に訪問し、取材が始まる。
今まで語られることのなかった藤原千代子の過去が少しづつ語りだされていく。

この藤原千代子はある撮影を機に失踪、そのまま引退して
その後一切表舞台に立つことはなかったという設定なのですが、
なんか原節子さんっぽいなと思っていたら案の定モデルは原節子さんでしたw

藤原千代子は鍵の君(初恋の人)に会いたいが為に女優になり、
本作自体も様々な撮影描写を通して鍵の君を追っていくという作りになっています。
藤原千代子の回想シーンに脇役として立花源也や井田恭二を登場させるという作りや
構図、カメラワーク、そして今敏監督得意のカット割りと
その発想力だったり映像を魅せる技量はこれぞ今敏監督作品!という出来で
素晴らしいのですが、如何せんテーマがものすごく地味です。
だって言ってしまえばただひたすら藤原千代子が鍵の君を追っているだけですからねw
映像を観ているだけでもおもしろいのですが、
大きな事件や謎もあまりないのでエンタメ性は希薄なんですよね。
意外性という面でもオチが読めたという人は多いと思います。
従って全体的な印象としてはすごく地味な作品です。

本作のキャッチコピーは「その愛は狂気にも似ている」。
今敏監督が描きたかったのは恋する女の情念?
いや、私は女性そのものを描きたかったのではと思っています。

これは極めて私的な見解ですが、
私は男性と女性は違う生物だと思っています。
女性には女性にしか分からない感情や心情があり、
それは男性には理解できないものであるなんてことは
もはや古からの言い伝えと言ってもいいでしょうw
ただ、私は分からないからしょうがないで済ますことが出来ない性分なので
何故この場面で泣き出すのか? 怒り?嫉妬?それとも・・・
といった女性の感情や心情を分析・考察し、
なんとか理解そして言語化したいと思っているのですが、
おそらくその謎を解くことは一生できないと思います。
ありふれているのかもしれませんが極めて深遠なるテーマなんです。

さて、ここまで言えば私が何を言わんとしているのかもう分かると思いますが、
今敏監督は男性には理解できないと言われている女性の感情や心情を映像化するということに
挑戦したのではないだろうかと勝手に思っています。
「女は恋をすれば誰だって女優になる」
ならばその女優を描き切ることができればそれは女性そのものを描くことができたと言えるでしょう。

もし私が今敏監督の立場だったら本作のレビューを読みたいと思うのは、
それこそ酸いも甘いも噛み分けた成熟した女性のレビューですね。
そういう方が「この作品は女を描けていた」なんて評価をしてくれたら
きっと私はそっとほくそ笑むことでしょうw

投稿 : 2025/03/08
♥ : 50
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今敏監督による、斬新なアニメーション・トリックアート

今敏監督作品。2002年。

映画スタジオの社長とカメラマンが、大御所の映画女優、藤原千代子(ふじわらちよこ)にインタビューを申し込む。
そこで、ドキュメンタリーとして彼女の回想を聞くことになるのだが……。


言うなればアニメーション・トリックアート。
インタビューの中で千代子の過去を回想していくのですが、その見せ方が特殊です。

普通、回想シーンというのは、中心となるキャラクター視点でエピソードが進み、回想が終われば元のシーンに戻ってきます。
しかし、この作品の場合は、回想シーンにインタビュアーとカメラマンがそのまま登場し、回想シーンを撮影するという、非常に特殊な表現方法がとられています。

しかも、千代子は映画女優。
つまり、「過去に映画を撮影しているシーン」を、また別の映画で撮るという摩訶不思議な見せ方をしています。

その結果、どこが回想シーンで、どこが映画のシーンで、どこが現実なのか、まったく分からなくなるという奇妙な感覚を味わえます。

唯一の救いは、カメラマンのツッコミ。
「あれ、映画撮影シーンをとってたんじゃなかったんかい」など、道案内をしてくれなければ、本当に迷子になります。
このツッコミが鋭くて笑えるのですが、それはまた別の話。

そうして、伝説の女優、藤原千代子の半生が描かれていくのですが、それで終わらないのがこの作品のもう一つの魅力。
単純な引っかけを、もう一段昇華したオチが待っています。

この映画のテーマとはいったい何なのか、女性の純真な恋心なのだろうか……それとも?

そんな疑問を最後の最後に視聴者に投げかけてきます。
ここまで徹底的に騙される作品には初めて出会いました。

そのほかにも、

・シャフト協力による演出
・シームレスな画面切り換え
・表情豊かな登場キャラクター
・平沢進氏による独特なBGM

など、見所はたくさんあります。

物語そのものを楽しむと言うより、その極めてユニークな見せ方を楽しむ作品です。

もう、ジャンル特定不能な映画ですね。
87分と短いですし、一度は観ていただきたいです。
そして、見終わったら、冒頭の数分をもう一度確認してみてください。
そこである事実に気づけば……。

ネタバレレビューを読む

「へぇ! こんな作品の作り方・見せ方もあるんだ!」と、新鮮な気分になること請け合いですよ。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 45

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

千年を納得させる女優の回廊

今敏監督作。

本作は大女優千代子に、取材を行い談笑しながら物語が進まれる。名女優ゆえ、めったに取材に応じないが、何かを開ける鍵を渡すため訪れた取材陣。ただ話はソファーに座りながら、その一女優の出演作を時代と合わせ、女優の年齢の順に流されていく。

本作の面白い所は、何の前触れもなくその映画の世界に入り込ませ、そんな中、取材者2人も同じ世界に入り込み取材を行うという疑似パラレルな展開。それを現代の取材時間(ソファーでの取材)と、疑似パラレルの取材時間(映画の中)を唐突に移り変えて、時間の感覚をずらしてきやがる所。

最初の出演作で女優になる決意をした彼女と同じように、見てる側にも映画(本作)を見る価値ある、風な演出ほどこし、彼女は恋人を探して疑似パラレルの幾つもの世界を渡り歩くことになる。

出てくる疑似パラレルは、関東大震災、満州、戦時中の投獄等々。時代劇からSF風までの彷徨う時の回廊。ここが社会派アニメ的にも魅せられ、深みみたいなものを感じるし、勘ぐって社会派としても見ちゃった回廊。

疑似パラレルの変化を通して様々な役をこなしながら幾つもの物語を魅せてくるし、取材野郎も役者としても噛んでいたりして、一癖あるドキュメンタリーなのか、ロマンティックな恋なのか、社会派アニメなのか、鍵という伏線によるサスペンスなのか、と、いうフェイクらしいものを入れてくる。

「現在の取材による時間」「様々な疑似パラレルによる時間」
「疑似パラレルの中で経過する役と年齢」「演出のフェイクによる感情変化」
そんな側面を持ちながら、一つ芯を通した鍵と恋。だがその芯にも癖演出。

千年を感じさせる為に用意された幾つもの疑似パラレルやメッセージ的フェイクは、重みと不思議な軽さを伴った、心が安堵したような悲しい心地よさに包まれた。私ごときが、ことの顛末まで書くのは野暮ですなこりゃw視聴して頂きたい一作。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 37

66.2 13 恋愛で美しいなアニメランキング13位
来世は他人がいい(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (65)
221人が棚に入れました
染井吉乃は祖父である、関西最大の暴力団「桐ヶ谷組」直系「染井組」組長・染井蓮二が決めた縁談相手、深山霧島の住む、関東最大の暴力団「砥草会」直系「深山一家」のもとで暮らすことになる。 吉乃を優しく迎え入れる霧島は、爽やかで人当たりのよい、ヤクザの家系を思わせない好青年。慣れない土地に不安を抱えていた吉乃は胸をなでおろす。 ……しかし!! ある事件をきっかけに、吉乃は霧島の本当の姿を目の当たりにすることになる。

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今夜はあんたがいい

とても面白かった

霧島の奇行と会話のやりとり、そして二人を取り巻く環境のひりつく緊張感が面白いサスペンス×ラブコメ、いろんな意味でキケンな恋愛
キャラデザはだいぶクセあるけど掛け合いがテンポいいし、話が面白くて先が気になる
3人の関係性が素敵ですね!

危険な人に囲まれても怯まないで言うことは言う肝の座った吉乃の生き方が爽快
霧島も翔真もどっちもカッコ良くて最高でした
関西弁のイントネーションはなんとかしてほしい

投稿 : 2025/03/08
♥ : 14

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

物騒不穏でミステリアスなキャラが魅力的な極道ラブコメ作品!

2024/10/27
原作未読。 3話視聴レビュー

3話から登場人物が増え一気に面白くなる予感がしてきた。物語も不穏一択だし、物騒な人達しか出てこないのに魅力的なキャラ感に惹かれる。遊佐さんの演技も相まって今後がすごく気になります。引き続き視聴したいと思います。

◎視聴後レビュー
原作既読。全12話

ヤクザの孫娘"染井吉乃"と謎多き男"深山霧島"の極道系物騒ラブコメ作品。

殴る蹴る血が出るが当たり前の世界観なので、物騒度は高め。東リべ見れてた人なら余裕で見れると思います。
深山霧島の異常な愛情表現と吉乃の2面性のある肝の座り方とキレ方が見所かなと思いますが、他にも魅力的なキャラクターが多く登場します。

絵柄はちょっと癖がありますが、極道の世界ということで肝の座った(目も座った)キャラが沢山でてきます。石田彰さん遊佐浩二さんとちょっと年齢層高めのキャスティングで、見始めは少し違和感ありましたが慣れてくると気にならなくなります。
遊佐さん演じるキャラが可愛げと物騒さと吉乃への愛があって素敵でした。断然翔真派。

アニメ放送途中に原作も見ましたが、原作の方が絵が綺麗だし、アニメで省略されてるセリフも多くあったので、気になる人は原作を読んだ方が面白いかもしれません。
新キャラが登場し、二人の仲が進展した所で終わってしまったので、原作読みつつ気長に続編を待ちたいと思います。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 8

ひっく さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

敬遠してる人は今一度再考を

極道ものだから遠ざけている人、
乙女系の恋愛ものなのではないかと遠ざけている人、
今作はそのどちらも主眼に置いてない作品なので再考してほしいです。

これは、誰かのキャラに感情移入するというよりも、
常識のタガが外れた奇人と奇人の鋭利な会話劇であり、
ラブコメというよりもサスペンスを孕んだバディものに近いです。
比較対象のない独立した質感の魅力があります。

キャラクターの次の行動や言動が気になり続け、
ずっと緩やかにハラハラする感じが保たれていたのですが...、
なんというか、2クールアニメの1クール目で終わったかのような印象で、
芯を喰った本題に切り込む前で区切りをつけたよう。

でも、この作品に関しては、
これくらい丁寧な描き方じゃないと(忠実に掘り下げないと)
キャラの魅力が伝わらない作品なので、
続編を望めるかは別として、1クールものとして
解像度の高いアニメ化だったと思います。

それにしても...、最終回の大部分を他愛もない会話のラリーに割く所に、
この作品が合わせているピントを確かめられる。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 2

63.8 14 恋愛で美しいなアニメランキング14位
合コンに行ったら女がいなかった話(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (63)
174人が棚に入れました
同じゼミの女子・蘇芳さんに合コンに誘われた大学生の常盤は、同じく合コン初体験の友人・浅葱と萩の2人を連れて、胸を高鳴らせながら待ち合わせの居酒屋へ。女性陣が先に店に着いたことを知って、待たせてはいけないと急いで席に向うと…そこには、眩く輝くほどイケメンな3人の姿が。男6人と女0人の少し違った合コンが今始まる!?
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

一見「イロモノ」だが、純粋にラブコメとして面白い

【レビューNo.167】(初回登録:2025/1/26)
コミック原作で2024年作品。全12話。
タイトルからして「どうせイロモノだろ」0話切りでしたが、ABEMAで一気見
配信していたので視聴してみたら、結構面白かったなっと。


(ストーリー)
大学生の常盤は同じゼミの蘇芳に合コンに誘われので、友達の萩と浅葱を連
れ合コン会場に到着する。
しかしそこには何故かイケメンな三人が座っていたのだ。
このイケメンたちの正体は
・「男装BAR」でアルバイトしている男装女子
・時間が押していたので男装のまま合コン会場に直行
常盤たちの気持ちの整理がつかないまま、合コンが幕を開ける。
そんな男子たちを尻目に終始蘇芳のペースで合コンは進むが、会合は意外に
盛り上がり6人は以降も交流を持つようになる。


(評 価)
・男女をきちんと平等に扱って、相乗効果も生み出している、
 男装女子のメンバーですが
 ・蘇芳
  男装BARでは「王子様キャラ」で女性をメロメロに
 ・琥珀
  男装BARでは「俺様キャラ」を試行錯誤中
 ・藤
  男装BARでは「無気力キャラ」というかほとんど素
 女性陣が美形イケメン的に描かれている(普段の女子の姿もかわいい)の
 に比べ、男性陣は(浅葱は天然扱いされているが)普通のモブっぽい感じ
 で描かれています。
 この手の作品だと、結構「女尊男卑」的に描くケースも多いですが、本作
 は男子も女子もきちんと平等に扱っているので、観ていて不快感がないん
 ですよね。

 またストーリー的もかなり早い段階から
 ネタバレレビューを読む
 とカップリングが成立(といっても友達関係だが)。
 でもそれぞれに思うところがあり、3組3様のラブコメ展開をみせながら、
 時々6人で集まってというこの辺の飽きさせない話運びがホントに上手い。
 またそれぞれの男女のペアリングも秀逸で、各ペア間でしっかりシナジー
 効果を生み出しているのは見事だと思います。
 
  
・コメディの間合いなど細かい演出も上手い
 本作のコメディのウリとしては、女子たちは普段でも結構男装シーンが多
 いので、それを活かした
 ・その状態で男子に絡むと、周りからは「BL」と勘違いされてしまう
 ・たまに女装姿でデートすると、男装姿が頭に浮かび「俺はどっちが好き
  なんだ!?」と男子が悶々としたり
 しかしこれも多用することなく、適切なタイミングで上手く放り込んでく
 るのでクドさがなく、面白く視聴できるんですよね。
 
 それに男装女子とはいえ、基本は男女間のラブコメを描いた作品です。
 全体を通して割と自然体で話が流れていくという感じで、この中に上手く
 笑いを組み込んでいくテクニックがホント秀逸。
 派手さはないものの、王道パターンを丁寧・緻密に創りこんでいるところ
 に非常に好感が持てますね。
 掴みがアレなので「イロモノ」という偏見を持ちがちになりますが、普通
 のラブコメとして十分面白い創りになっていると思います。


原作者は女性の方のようですね。
だから男性作者のようなガツガツして分かりやすいラブコメと比べ、女性キ
ャラ目線でのゆっくり恋を育てていくって感じの作品ですかね。
個人的には最初は常盤が主人公だと思っていたのですが、途中から実は蘇芳
さんではという感じでしたね。

自称「ラブコメハンター」の私としては、2025冬ラブコメ作品は駄作ぞろい
で残念な結果に終わりそうですが、こういう基本をしっかり押さえた作品を
見習ってほしいところです。

3組3様、それそれのペースで恋が進んでいる感じが心地よく、
「今後どうなるのか最後まで見守りたい」
そう思わせてくれる作品でしたね。
ただ作画に「低予算感」が滲み出てる点は勿体なかったかな。


ED『王様だーれだっ/ASOBI同盟』
・「黙れよ~その口塞ぐぞ~ちゅっちゅっ♪」とか耳に残るフレーズが秀逸!

投稿 : 2025/03/08
♥ : 14

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

合コン行ったら男子が可愛かった話

普通の男子大学生3人と男装イケメン女子大生3人のグループラブコメ
どんな感情で見たらいいのかなーって戸惑いがあったけど、普通のノーマルカップルラブコメとして見れば大丈夫です
イケメン女子の恋愛、完全に主導権握っててカッコいい!

欠点は女子3人のキャラが強すぎて男子3人がモブキャラっぽくみえることかな?
女子のほうも女に戻った時にギャップで「かわいいー」ってなるの期待してたけど、イケメンが髪伸ばしただけな感じで「女装に見える」のがかなり残念
実は美女設定どこいった? あくまで男装した女子の魅力を見て欲しいってことでしょうか
別に男性になりたい女子ではないので、そこはちゃんと女子としての魅力も描いて欲しかった
これならずっと男装シーンだけで良かったかな
男装レイヤーさんって人前では男女の入れ替えしているところ見せないように頑張ってる人多いので、リアリティなくても画面に映っている間はずっと男装のままでいてほしかった

常盤と蘇芳さんの恋愛が好き
おもしろかった

投稿 : 2025/03/08
♥ : 11

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

漂う風俗嬢ガチ恋臭…。ケツの毛まで抜かれそうです。

 最終話(12話)まで観ました。2024.12.23

 カップルが3組誕生しそうな、良い雰囲気で終わりました。大学の同級生とは言え、水商売の女性とこんなに上手くいくかいな…とか思ってはイケナイ様です。

 最初の方から女性陣の好感度がマックスに近いので、リアルティは低そうです。それがまた風俗臭い…。いや…純愛ですよ!?

 EDはノリが良くて耳に残ります。まぁ、深く考えず、気楽に観るのが良さそうです。
………………………………………………………………………

 7話まで観ました。2024.11.21

 大学生達の楽しい男女交際なのか?女性達がコンセプトバーで働く男装の麗人だと言う出落ち設定のせいで、何となく不穏な感じがします。

 4話で男3人、女3人で動物園へ行ったり楽しそう…。5話でコミケにも行きます。お泊り会…!もう、デキているのか、プロに弄ばれているかのどちらかです。やってはいませんよ!?

 これ、風俗嬢ガチ恋状態なんですが…。ヒロイン3人が男装カフェの店員なのが僅かな救いか…。キャバ嬢だったら目も当てられません。

 7話でキャンプへGOー!テント泊でドキドキイベント発生!仲良しサークル活動的ですが、こんなこと現実にある?

 物語の肝として、男装女子と普通の男子大学生の交際を描くのが目的なのですが、女子に男装させるために、女性側が半ばホストみたいなキャラのため、女子側がプロなのか?そうじゃ無いのか?どっちなんだい状態で、見様によっては結構不穏な男女交際アニメになっています。

 お金のやり取りは発生していませんが、何となくお客が風俗嬢を店の外に連れ出す貸し切り営業に見えます。お出かけは何分から?最低300分から?お大尽の遊び方ですなぁ…。羨ましい!

 女性達が積極的過ぎて、男性陣に好意があると言うより、営業っぽいのが難点です。私の眼が曇っているだけかな?疑似風俗として楽しむってことで宜しいか!?

 誰向けなのかはっきりしないアニメなのかな?と、言うのが第一印象でしたが、やはり男性向けソフト賢者枠アニメの様ですね。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 2
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