忍術で時代劇なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の忍術で時代劇な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月11日の時点で一番の忍術で時代劇なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.2 1 忍術で時代劇なアニメランキング1位
地獄楽(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (273)
913人が棚に入れました
時は江戸時代末期。 抜け忍として囚われ死罪人となった元・石隠れ最強の忍“画眉丸”は、極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰れば無罪放免となれることを告げられる。 画眉丸は最愛の妻と再会するため、打ち首執行人“山田浅ェ門佐切”とともに仙薬があるという島へ向かうことに。 島に上陸した画眉丸と佐切に立ち塞がったのは、同じく仙薬を求める死罪人たち。そして、島に潜む未知の生物、人工的で不気味な石像、島を統べる仙人たち...... 謎多き島で、果たして画眉丸は仙薬を見つけ出し、生きて帰ることが出来るのか——!?
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

自由や人間性と表裏一体の怪物性

“神仙郷”の“不老不死の仙薬”を巡る“執行人”と“死罪人”のペアたちと
島の化け物たちとの戦い等を描いた同名コミック(未読)の連続アニメ化作品の1期目(全13話)


【物語 4.5点】
バトルシーンが続くアニメにストーリー性などない。
この論評、私は必ずしもそうではないと思っていまして。

テーマに根ざしたキャラが、その性をぶつけ合うバトルには、
時にセリフ以上に物語を拡張する効果があると私は思っています。

本作などは物語性があるバトルアニメの最たるもの。


『地獄楽』の作品タイトル、「弱さと強さ」など二項併記する各話タイトルからして、
相反する物を飲み込む度量を感じる本作。

近年、私は、特に欧米から流入してくる自由で多様なら手放して全て良しとするかのような風潮に、無思慮を危惧して警戒してしまいます。

本作の場合も、例えば武士には武士、女には女の生き方がある。
分をわきまえさせる封建社会の息苦しさも描く。
が、一方で、全てがボーダレスな神仙郷の世界観。
動物と植物、男と女、その他様々な宗教観が無秩序に混ざり合い、とっ散らかる異様も描く。

人は何にでもなれるが、何にでもなれちゃう人間って実は怖いよね。
イエ制度で縛って安定させる封建社会にも一理あるかも?
いやそれでも怪物の如き人間の自由意志こそ最高のディナーでしょ?{netabare} 最高の丹(たん)の素材でしょ?{/netabare}

グロで思索のリミッターを外され、キャラやバトルを通じて、
忌憚なく反証を繰り返す心地よさに酔いしれる。

このバトルアニメには哲学があります。
と、同時に、これからは中道や中庸を知る東洋思想の出番だと強く思います。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・MAPPA

極彩色を多様した背景美術で構築された神仙郷のないまぜな生態系。
地獄か?桃源郷か?判然としないまま、
花を咲かせた人間が笑って死ぬ狂気を伝えるのに十二分。

表裏一体のテーマについても、OPアニメーションにて、
雌雄で絡まり合う天仙様の輪郭が歪むカットなどが、気色悪いくらい体現。
相変わらず同スタジオは、キメラじみた門神や竈神(そうしん)、天仙の植物形態?といったグロテスクな物体を躍動させるのが上手いですw

バトルアニメーションについても、特に初回の画眉丸と佐切のファーストコンタクト。
人物配置と、画眉丸の目線の動きの一致から、
やはり、CGによる空間構築と管理においては、信頼できる所だと安心。


ただ、捨てキャラなし、意志のないバトルや背景は許されない、というハードルを乗り越え続けるのは骨が折れたのか、
作画カロリーは初回をピークに徐々に消耗。

心臓破りの8話で息が上がりかけた所で、放送休止を挟んで、
何とか1クール終了のチェックポイントまで辿り着いた感。

初回のクオリティで完走できれば満点まで突き抜けたのですが、高望みでしょうか。


EDで毎回笑ってしまうのが、クレジットの“MAPPA”の字の小ささ。
15年程前にゲームがハイデフ化した頃、テキストが豆粒化し、
32インチ高解像度以上じゃないとプレイが困難になったトラウマを思い出しましたw

これスマホの低解像度モードとかじゃ絶対読めませんよねw
配信で様々な環境、デバイスで視聴するトレンドに反発するかのようなMAPPAの主張?
なるべく大きなモニターで受け止めて差し上げましょう。


【キャラ 4.5点】
氣(タオ)を体得した天仙様が治める神仙郷。
打ち首を家業にしてきた執行人の剣術。凶行を重ねてきた死罪人の技の数々。
盲目の剣士が到達した心で見るという境地は、氣(タオ)の流れをも捉える。

挑戦者は、各々違う道の極め方で、氣(タオ)を扱えるだけの資質を体得済み。
人知を越えると思われた天仙に肉薄する人間の脅威。
この構図もまたキャラ設定を活用したテーマの深化。

制作決定した2期以降では五行説設定も明示されるようなのでそちらも楽しみです。


主人公の忍・画眉丸は“妻帯者”。
“伽藍の画眉丸”と恐れられる程、冷酷無慈悲な強さを極めた男が、
妻に再会するためという目的を持つことで、優しさを知る。
それを画眉丸は弱さだと悩むが、担当執行人の佐切は弱さを知ることも強さだと励ます。

ここまでならノワール物でもよくある暗殺者の葛藤。
ですが本作はさらに、弱さと強さの併存を、
陰陽説を取り込んだ氣(タオ)の理論に結びつける所が非凡。

悟った気になった所で、{netabare} 画眉丸の妻は里長の幻術では?{/netabare} との疑惑。
主人公も作品もまだまだ底を見せず。考察をサボらせてはくれません。


息をするように殺す画眉丸と、打ち首の生業に悩む佐切。
などカップリングによる両論併記も、題材に関する議論を深める好材料に。

サブに至るまで回想劇による掘り下げも深く、基本的にどうでもいいモブキャラはいません。
私は士遠(しおん)と典坐(てんざ)の師弟関係のエピソードが印象的でした。


ただキャラ名は、特に執行人が全員、山田浅ェ門・〇〇なので覚えるのが大変でしたw


【声優 4.0点】
画眉丸役の小林 千晃さんと、山田浅ェ門・佐切役の花守 ゆみりさん。
メイン2人は生真面目な固めのボイス。

そこへ剣豪・巌鉄斎役の稲田 徹さんの大口。
くのいち・杠(ゆずりは)役の高橋 李依さんの奔放な軽口。
ボイスも硬軟織り交ぜて珍道中のバランスを取る感じ。

りえりーの色仕掛けボイスに惑わされて杠の胸の谷間ばかりよそ見してしまう私は、
神仙郷では花を咲かせる間もなく即死でしょうねw


天仙たちは甲斐田 裕子さんと諏訪部 順一さんのダブルキャストで雌雄同体の驚異を表現。
陰陽を司る雌雄がまぐわうことで氣(タオ)を高めてみたり、
両ボイスを合成して怪異感を高めてみたりと素材として重宝。

怪物だらけの島で純朴なロリボイスを提供するのが、
ピンク髪の謎の少女・メイ役の小原 好美さん。
しかしこんな幼気な声色の娘を、
{netabare} 道士が雌雄で氣(タオ)を高める訓練相手{/netabare} にしようと企むなんて。
天仙様は全員打ち首ですな~wまぁ、首切っても死なんけどw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
謎の島のサバイバル感を演出する太鼓も交えた怪しげな戦闘曲もあり、
心情を美しく彩る綺麗なピアノとストリングスもあり。
清濁併せ呑む覚悟をBGMも後押し。

OP主題歌はmillennium parade×椎名林檎のコラボ曲「W●RK」
蠱毒(こどく)のような世界観に並のアーティストじゃ呑まれてしまう?と懸念しましたが、
初回にこれを聴いて大丈夫だとホッとしましたw
因みに「わーく」と読むが「WORK」ではない。
私みたいに「WORK」と検索して、何で配信されてないの?と右往左往することなどないようw

ED主題歌はUru「紙一重」
惨劇が繰り広げられた末に、ようやく一息付けるラブバラード。
もっともEDアニメは大量出血してますがw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1期まではなかなか面白いです。駄作か秀作かは2期で決まりそう。

 生死を表裏から見ているような陰陽とか男女の性とかは面白いテーマだと思います。宗教や仙人思想などとを取り入れた島の設定、画眉丸と佐切というキャラの配置が男女だし公儀と罪人、生きたいという意識と殺していいのかという悩みなどの対比も良かったです。
もちろん地獄と極楽の対比もいいですね。生死観とか正義と悪みたいな組み合わせを象徴しています。花の描き方も不気味さが雰囲気を作っています。

 何より話は前に進んでいます。一応ですけど。

 テンセン様ですか。彼ら?が出てきてやっと物語が進みますが、前半の殺し合いが何だったの?とちょっと思ってしまいます。エンタメですから、キャラの強さとか背景の説明にある程度のバトルを積み重ねるのはいいと思うのですが、ちょっと冗長だった気がします。
 死んだキャラ達が物語に活きているか、と言えばあまりそういう感じもないので。

 で、テーマというか設定です。性的なまぐわいとかが出てくると、愛染明王とかカーマ的な感じです。日本→中国→インドみたいな宗教の源流をさかのぼるような感じになるんでしょうか。あるいは立川流みたいなものも連想します。
 物語全体では、画眉丸の妻との関係や妊娠、メイの設定などとの関係など何か言いたい感じはあります。
 

 そこが真剣に深掘りしてテーマ的に納得感があればいいんですけどね。なんとなく「タオ」設定がいかがわしすぎます。
 タオかあ。丹田とか気功などの感じですが、それが不死の秘密?なんか設定を設定で説明されるような、いかがわしさが急に出てきました。

 とはいえ、一応仙人といえば八仙で、テンセンが7人でメイを加えると8人だし、蓬莱と言う設定などなど考えると初めから一貫した設定に沿っているのかな、という気もします。

 ここまでの部分だとどうとっていいかわからない感じです。宗教や仙術について深掘りしているか、と言われると設定止まりな気がします。陰陽の部分だけ男女の愛情と性、出産と不死みたいなものを描いている感じはありますが。

 話は面白いと思います。話も進んでいるし。ただ、タオという設定だけで不死という設定を説明してしまうのはいただけません。
 そしてちょっと冗長かなあという気もします。もうちょっとペースを上げて欲しい気もします。なんか終わりに近づくにつれて佐切の影がどんどん薄くなって意味が希薄になっていますし。

 ということで、今後でしょうね。この先の展開しだいで駄作にも秀作にもなる感じです。そろそろ、テーマとか展開、設定をまとめに入って欲しいかなあ。余計なエピソードとかキャラはラスボスに関わるもの以外は増やさないで欲しいです。
 せっかくここまで作ったのだから、うまく2期でまとめてくれることを切に願います。

 評価のオール4は結論が見えておらず何とも言えないので、暫定の意味です。ただ、暫定とはいえ1期だけなら評価としては4を切る水準ではないと思います。



以下 8話時点の中間の感想です。

8話 かなり面白い。最大の興味は「妻」です。

{netabare} 死を商売にする2名が、罪人・公儀の表裏で自分の生き方を見直す話のようです。ダブル主人公といっていいかもしれません。

 画眉丸は妻の言葉、佐切は人を殺すことへの拒絶から迷いがある点が対比です。忍者と武家・剣術家という裏にある環境の対比もありました。また、佐切には女としての生き方の問題も含んでいるようです。また、男女のペアの物語が幾つかあるので、生死と愛情の問題にも注目でしょう。

 そして丹、つまり丹薬ですね。これはどうも人間の生命を苗床に育つ植物からできているような印象です。忍者の親玉の不老不死との対比でどんなところに重なってくるのかは楽しみな要素です。

 で、道教思想の架空の島、蓬莱島がモチーフというか神仙島は蓬莱島の別名です。秦の始皇帝で有名なアレですね。徳川将軍の生に対する執着と殺し合いを楽しむところは恐らく始皇帝からでしょう。

 木の化け物と娘のいる場所は、陰陽道的なモチーフもあるし中華的でした。

 島に出てくるクリーチャーが宗教的な要素を含んでいるのは、逆説的な恐怖のためなのかもしれませんし、人間の心に潜む死への恐怖が生み出した存在としての宗教を何か表現しているのかもしれませんが、この辺は今のところ保留です。

 結果として仙人=あの2人の男女が不老不死というだけでは面白くないですね。忍者の頭領とどうかかわってくるのか。
 そして一番気になるのは結局画眉丸の妻がどうなっているか、ですね。生きていても意識がないとか、見るに堪えない姿にされている。子供を産むだけの機械のような表現もあったので、子供を作らされている。そして殺されている。どうなるんでしょうか。

 若干、あの大男がなぜ必要だったかが首を傾げるところですが、佐切覚醒と深掘りするのに必要だったから?

 まあ、まだ話は半分です。かなり面白い部類に入るのではないでしょうか。生死と愛情つまりエロスとタナトスが根底にはあります。
 人生観・生死観などをテーマとして更に深めていってもいいし、エンタメとして舞台の種明かしの意外性やも期待できるし、ヒューマンドラマとして佐切の生き方や妻がどうなってその結果画眉丸がどうなるか見どころが多い作品です。 {/netabare}




 

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

余計な事は考えるな ただ殺せ 血まみれた世界から抜け出すために 生き抜くために…

この作品の原作は未読です。
レビューを書くためにwikiをチラ見して知ったのですが、原作は全13巻全127話で完結しているそうです。
こういう作品がアニメ化されるのって嬉しいですよね。
だって、物語のラストまでアニメ化される可能性が飛躍的に向上すると思うから…

商業的に連載途中でアニメ化される作品が大多数を占めており、それ自身は決して悪い事ではないと思いますが、往々にして原作の途中までアニメ化されてその後プッツリ…
という作品もきっと同じくらい多いと思います。

ラストまでアニメ化して欲しい作品って、きっと挙げたら絶対キリが無いと思います。
これって、とっても勿体ないと思うのですが、それは私だけでしょうか…?


時は江戸時代末期。

抜け忍として囚われ死罪人となった元・石隠れ最強の忍“画眉丸”は、
極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰れば
無罪放免となれることを告げられる。

画眉丸は最愛の妻と再会するため、打ち首執行人“山田浅ェ門佐切”とともに
仙薬があるという島へ向かうことに。

島に上陸した画眉丸と佐切に立ち塞がったのは、同じく仙薬を求める死罪人たち。

そして、島に潜む未知の生物、人工的で不気味な石像、島を統べる仙人たち……

謎多き島で、果たして画眉丸は仙薬を見つけ出し、
生きて帰ることが出来るのか——!?


公式HPの序章を引用させて頂きました。

完走して振り返って思う事…
総じてクオリティの高い作品だったと思います。

作画良し、動き良し、そして物語良しと3拍子揃った優等生的作品です。
アニメーション制作はMAPPAさんと聞いて、このクオリティも納得…

因みに制作はツインエンジンさんで制作委員会方式は採っていないようでした。
最近では珍しいのではないでしょうか。
それだけ自信作…ということの裏返しなのでしょう。
実際相当に面白かったですし…

それに設定が面白いですよね。
物語を紡ぐのは罪人…
しかも命令を遂行したら無罪放免が約束されるとしたら、多少の危険を冒してでも命令を遂行したくなるのも分かります。

しかも、一度その無人島に入ったら単独で脱出するのが難しい場所だったら
罪人に逃げられることもありません。
ただし、それは島から「不老不死の仙薬」を持ち帰れば…のお話ですけれど。

ですが、やはりそんな美味しい話が早々転がっている訳ありませんよね。
島に上陸した途端、一行を歓迎してくれたのは凡そ異形のモノたち…
そしてこれまでの常識が通用しない場所でもありました。

そして、一瞬の油断が命を左右するこの状況は、ヒトの本心を曝け出すんです。
本人ですら自覚症状の無い言動が無意識に出てきたり…

この作品の主人公である画眉丸は、自分には心が無いと言っていました。
自分の心はたった一人の方を向いていると…
ですが、ゆみりん演じる佐切や、ココちゃん演じるメイと接するうちに色々な側面が見えてくるから不思議です。

もちろん、その側面は一朝一夕で得られるものではありません。
これまでの生き方そのもので彼が変わってしまったのか、それとも忍びとして小さいころから植え付けられたものなのかは分かりません。

ですが、早々に第2期の制作が発表されました。
原作も完結しているとの事なので、この辺りの顛末を明らかになっていくことでしょう。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、millennium parade × 椎名林檎さんによる「W●RK」
エンディングテーマは、Uruさんによる「紙一重」
オープニングテーマがヤバいくらい格好良いです。
この楽曲もきっと2023年春アニメアニソンBEST10に名前を連ねることでしょう。

1クール全12話の物語でした。
ゆみりんやりえりーを始めとする声優さんによる相乗効果もあると思いますが、毎週の視聴が楽しみで、メッチャ堪能させて貰いました。
続編の情報を首を長くして待っていますね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

58.0 2 忍術で時代劇なアニメランキング2位
バジリスク ~桜花忍法帖~(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (132)
476人が棚に入れました
慶長の世に起きたる三代将軍世継ぎ争いは、甲賀、伊賀の忍法殺戮合戦へと飛び火、それは凄惨を極めた。散り行く花弁たちの中にあり、愛に生きようとした男と女もまた、儚くも美しく散った――が、しかし。伝え聞くところ、服部半蔵が継子・響八郎の手によって、つかの間か、永劫か――二枚の花弁は生を与えられ、忘れ形見をまた2つ、残したという。甲賀八郎、伊賀響。それぞれに父、母に良く似た眼を持って生まれた宿命の子供たち。
時は寛永、太平の世。忍びはもはや無用の長物、行く末は陰り行くのみ。“血”と“力”によってなんとかその礎を磐石なものにせんと、甲賀、伊賀の者達は八郎、響にあることを望んだ。
“契り”――実の兄妹にして、二人は契りを結ぶ宿命を背負わされていた。
宿命に翻弄され、迷い生きる八郎と、己の深き真情に従い、愛に生きる響。二人が織り成す生の先には、未知なる現象“桜花”が生まれ、其処に乱世の影がにじり寄る…

声優・キャラクター
畠中祐、水瀬いのり、桐本拓哉、山口りゅう、藤翔平、チョー、さかき孝輔、茶風林、櫻井トオル、落合福嗣、市来光弘、三木眞一郎、早見沙織、上田麗奈、佐倉綾音、名塚佳織、豊永利行、土田大、佐々木梅治、堀江由衣、土師孝也
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

2クールというのは、シナリオが「バッチリ」決まってないと、冗長になるという「リスク」もあるよね(笑)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
いや~、(ダジャレ的にも)苦しいレビュータイトルだな~。「バッヂリ」「リスク」(笑)

私のレビューで、こういうしょうもないレビュータイトルになる時は苦しい証拠です(自爆) あまりに見処がないというか、掘っても掘っても何も出てこなかった故の誤魔化しというかw

一応、忍者モノなんですが、ただの戦国異能バトルで、忍者らしい格好よさを感じられませんでした。

まず、忍べよ、と(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
基本的には、私はグロとか死とか苦手なんだけど、それが「忍」や「侍」、「兵士」なんかだと大丈夫です。戦いが仕事だし、殺す覚悟、殺される覚悟があり、腹を括っているしね。

だから、本作のグロさは大丈夫でした。よって、「グロいから苦手」というアビリティは発動していません。

その上で、言います。

シンプルニツマラナイ(笑)

なんだろうね? 忍術がトンデモ技(もう、忍術というより魔法)ばかりなのもつまらなかったし、忍者なのに非情じゃないとか、仲間を大切にとか。「忍者モノ」というより、「人情モノ」(苦笑)

例えば「仲間を大切に系」だと、NARUTOは少年漫画だし、むしろそこが売りだから良かったけど、バジリスクは違うでしょ。もっと、陰謀とか裏切りとか色仕掛けとか色仕掛けとか蜥蜴の尻尾切りとかが無いと、物足りない(笑)。良さがない。

終盤の超展開で、視聴者をビックリさせるというのは良いのですが、その終盤まで、視聴者がどれだけ残っていたんだろう? 「そうか辛抱」が「超」必要だったのか(「桜花忍法帖」、、、いや、ダジャレはもう良いってw)

最後まで頑張って観た感想は、わずか6文字。

ワケワカランw

なぜ、この作品が2クールでなんだろ? 他にもっと2クールにしてほしい作品なんて、いっぱいあるんだけどな(ドラマ性を廃して、それこそ十二大戦のように、1クールでスッキリ忍術バトルの方が面白かったと思います)。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
う~ん、まだ、話がつかめない。前作のストーリーは頭に入ってるけど、キャラがあやふやだな~。

2話目
前作のおさらい回。少しの謎を残して。やっぱり、メインっぽいのも、アッサリ逝くねw

3話目
う~ん、ワケわからんな(笑) 術があまりにも突拍子が無さ過ぎるとね。

4話目
忍術が派手になるのは良いけど、あまりにもファンタジー過ぎてな。車イス、飛んだ(笑)

8話目
感想かいてたけど、保存してなかった(笑)

9話目
目なのに声も聞こえるの? 普通にスナイパーが一番格好良い(笑)

10話目
理不尽な遠距離射撃。

13話目
術って、そういうメンタル的なことなの?

18話目
マシンに乗って特攻。忍術?(笑)

22話目
どんどん死んでいくな~。ガンダムか。

23話目
信長、生命力MAX! まさかの超展開w

24話目
ネタバレしてなけりゃ、めっちゃ強い(笑) 結局、天膳。庇うより切れば? また、ビターエンド? 最後までよくわからん(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

仇怨よ、いざ葬り去らん…

この物語は、「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」から10年後の舞台が描かれています。
物語は直接的な関わりは薄いですが、前作における伊賀と甲賀の「在り方」が本作の設定に強く表れています。

本作における伊賀と甲賀のそれぞれの忍びの立ち位置、思想や言動など、前作を視聴していた方がより理解できると思います。

本作の見どころはもう一つ…
前作のヒロインは、伊賀の女棟梁である朧…CVは奈々様でした。
そして本作のヒロインである伊賀響のCVはいのすけ…
いのすけが奈々様の大ファンであるのは周知の事実…
時を超え、同じ立ち位置のキャラを演じられるのは、いのすけのとって感無量だったのではないでしょうか。

だから勿論、いのすけの演技には注目していた訳ですが…
この作品、はやみん、あやねる、に名塚さんや上田さんなど旬の声優さんが次々出てくるんです。
そしてほっちゃんや奈々様も…改めて振り返ると凄い顔ぶれが揃っていますね。

10年前…徳川の下命により繰り広げられた伊賀と甲賀の忍び達の壮絶な忍法合戦…
その顛末もまた壮絶だったと言っても過言ではありません。

当時の棟梁は甲賀卍谷衆が弦之介、伊賀鍔隠れ衆が朧…
実力が拮抗していた甲賀と伊賀は、それぞれの棟梁が対峙することとなり、運命に抗いながらも宿命に翻弄された二人の言動…私は納得することしかできませんでした。

それから10年後がこの作品の舞台…
本作品の棟梁は甲賀五宝連が八郎、伊賀五花撰が響なのですが、二人とも先代から引き継いだ「瞳術」の使い手だったんです。

驚くのはそれだけではありません。
八郎の瞳術は瞳に映る相手の敵意を返す『矛眼術』で、これは弦之介の瞳術と瓜二つ…
そして響の瞳に映る相手の敵意を無くす『盾眼術』は、朧の見るだけであらゆる忍法を強制的に破る「破幻の瞳」にそっくりなんですよね。

そう、まるで弦之介と朧の生まれ変わりのように八郎と響が見えてしまうんです。
でも今回は10年前と決定的な違いがありました…
八郎と響が血を分けた兄妹だということです。

10年前は甲賀と伊賀の繋がりの深化を目指してお互いの棟梁同士を婚姻させようとの動きがありましたが、実の兄妹ならそれも叶いません。
それでも忍びの者たちは、同じ轍を踏まないよう共に暮らしていたのですが、成尋衆なる忍びの者たちの不穏な動きをきっかけに、悲しみへと物語が動いていきます。

忍びや暗殺者…陰で暗躍する人を描いた作品はそれなりに制作されていると思います。
どれにも共通しているのは、ハッピーエンドの結末が見えないこと…
忍びになったきっかけは人それぞれ…
ですが、もしまっとうな生活を送っていたら、生粋の忍びの家系以外でこの道を選択する可能性は限りなくゼロに近いと思うんです。
それでも選ばざるを得なかった…そんな彼らにもっと救いの手があっても良いのでは…?
と思ってしまうのは私だけでしょうか。

みんな年ごろの男女じゃありませんか…
色んな思いの錯綜を垣間見てきました。
淡く、吹けば飛び去ってしまいそうなほど小さく燃ゆる心の火…

お互いの身を案じながら…一生懸命手を伸ばし続けて…
でも、有事の時には我先にと決して何をも厭わない決意…
仲間のために必ず一矢報いようとする気概…
そして最後まで仲間を思い続ける強い気持ち…

もし巻き込まれさえしなかったら、彼らの人生は確実に違っていたと思うんです。
だから一生懸命であればあるほど、胸が苦しくなります。
今回はどんな結末を迎えるのでしょうか。
そして忍びは報われるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、陰陽座さんの「桜花忍法帖」
エンディングテーマは、奈々様の「HOT BLOOD」と「粋恋」
どちらの楽曲も作風にピッタリ合っていて好きでした。

2クール全24話の物語でした。
完走して一つ思ったこと…
この作品を視聴する前に、やはり前期を視聴しておくべき、ということです。
特にラストの展開なんかは前期を見ていないとチンプンカンプンだと思います。
総じて堪能させて頂いた作品になりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

面白かったのにいろいろ残念

山田風太郎の原作小説は当時としては非常に画期的であり、「カムイ伝」「NARUTO」「伊賀の影丸」などの忍者漫画はもちろんのこと、「サイボーグ009」「デビルマン」や「Fate stay night」なども山田風太郎の影響を強く受けています。祖とも呼べる作品です。

エロスとバイオレンスが強く、まるで超能力者のような忍者たちの忍術合戦や欧米スパイ小説のような政治背景(主に江戸前期)、伊賀と甲賀に分かれたチームによるサバイバル、バトルロイヤルなどアメコミにも似たようなお話が多いですが、ほぼ1960年代シルバーエイジアメコミと同時期に発表されているのも注目に値します。(MARVELのX-MENが良い例)
その山田風太郎原作「甲賀忍法帖」のアニメ化続編である本作ですが、甲賀源之助や朧が死に絶えて、甲賀と伊賀の戦争が終わってから10年という設定であり、生き残りの里の忍者たちが世継ぎとなる子供たちを育てている場面は小山ゆうの「あずみ」を思い出し、非常に面白かったですが、子供たちが成長してからの後半戦がやたら陳腐に見えるのと作画もよろしくないです。脚本家が変わったのかと思うほどキャラクターを活かしきれていないので、前作のような個性的な奇妙奇天烈忍者があまり登場しないので非常に観ていて退屈です。

良いところはいろいろあるのですが、それよりもお話全体に締まりがないので本当に残念。しかし、これが日本の創作の要であるところは伝わって来るので、おまけしてこの点数になります。

全話視聴:前作と異なり、起承転結があやふやで作画も中の下。どうもアニメ化に恵まれていない気がします。うーん。。。内容はいいんですけど。。。宝の持ち腐れかと

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

68.4 3 忍術で時代劇なアニメランキング3位
忍風カムイ外伝(TVアニメ動画)

1969年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (24)
155人が棚に入れました
忍者漫画の巨匠・白土三平のライフワーク『カムイ伝』。そのサイドストーリー的な活劇&人間ドラマ劇画のアニメ化。忍者の世界に理想を見ていた若者カムイは、そこが掟に縛られた殺戮のみの場と知って抜け忍となる。追撃してくるかつての仲間を、やむなく必殺技「飯綱落とし」「変移抜刀霞斬り」で返り討ちにしながらカムイは不確かな日々を送る。そんな彼を待つのは、荒涼の時代に生きる無数の人々の、哀しくそして懸命な姿だった。

声優・キャラクター
中田浩二、池田昌子、二階堂有希子、栗葉子、家弓家正、城達也
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

変移抜刀霞切りっ!

1969年全26話、原作白土三平氏、制作エイケン 

ギネス認定長寿アニメと言えばサザエさん日曜630東芝枠、
その前番組が本作だった、
忍者もの第一人者白土三平氏原作ものの中で、
当時最も氏の世界観に忠実だった様に想える、
技も奇想天外過ぎずフィクションな中にもあり得る、理屈通るみたいな、
身体左右に揺らし腰裏の剣は左右どちらからも抜ける状態で、
相手の懐に飛び込み斬るとか、
飯綱落しってのは木の上からバックドロップだったり(ちょとムリポ)、
後に霞切りは敵にコピーされるんだけど、
これを破ったのが十文字霞崩しで二刀流、
左右どちらから抜かれても対応でき結局両腕切り落とすみたいな、
作画も当時としては破綻少なく水谷良一氏の音楽も良かった、
同年代放送だったどろろの野沢氏もよかったけどカムイの中田氏も、
ニヒルでぴったりだった、
ニヒルという要素は当時カッコ良かったんだけど今だと、、
単に根暗なのかな~、、
話としては21話から26話最終回までが衝撃的だった、
ラストも凄かったね。
月日貝の章ともされる最終回までの一連の話は、
当時原作にはないオリジナルで白土氏の描き下ろしだったと云われる、
後にスガルの章として原作上でも発表された、
この部分最近実写映画にもなったけど、
イマイチだったな~残念。。

以降は幼気な少年だった私に多大なる影響?及ぼした事象について(/\;)
{netabare}
21話で抜け忍のくノ一(女忍者)スガル登場、
このおね~ちゃん?がカッコええ、当時からマセガキだった私は、
時代劇「風」のかがりや赤影出てくるくノ一も大好きだったけど、

千本っていうのかなデカい針みたいなの、
敵の風上に立ち自らの髪切って風に乗せ其処に千本投げて敵の目を潰す、
主人公カムイの必殺技初めて破ったのもスガルだった、
このスガル、忍びの正体隠し漁村漁師の女房で子沢山(クソッ)←?
でも一番上の娘は年頃のおねーちゃんサヤカ嬢だった(おっ)←コラッ
その漁村に遭難したカムイが流れ着いて、
海難で凍えるカムイに経緯しらないスガルの旦那、

「二人で裸になって温めてあげなさい」(・・;)←メザメタ?

そんな事もありスガルの娘のサヤカはカムイに惚れてしまう、
サヤカの愛の告白シーン、

浜辺でスっ裸、、、(・・;)←トドメ。。

もう母娘共々面倒みてやろうじゃね~かヽ(^。^)ノ←既に妄想

毛もハエてない小学生のガキだったんスけどね~(^_^;
だから語り継がれる最終回も別の意味でガッカリだった、
いきなり次がサザエさんって謂われてもね、、、
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

momomax さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

懐かしの昭和アニメ

再放送すると観ちゃいます。
白土三平作品好きですね!

カムイがめちゃくちゃ格好イイです。
せつない話も多かった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

☆カムイ伝のスピンオフ

ラストはなかなか衝撃的でした。独特の暗い雰囲気が漂う作品です。


時代的には東大安田講堂をめぐる学生と機動隊の事件とか
ベトナム戦争や公民権運動なんかがあった頃のアニメです☆


1969.4.6-9.28(全26回)フジテレビ日曜18:30枠

原作/白土三平



追記欄_


2009年松竹で映画化(松山ケンイチ主演)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 2
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