幻想的で戦争なTVアニメ動画ランキング 2

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早速見ていきましょう!

72.0 1 幻想的で戦争なアニメランキング1位
クジラの子らは砂上に歌う(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (555)
2471人が棚に入れました
砂の海に覆われた世界を舞台とするファンタジー。

砂上を漂う巨大な船・泥クジラでは、サイミアと呼ばれる超能力を持つ代わりに短命な少年少女たちが暮らしていた。外の世界を知らないまま、泥クジラの上で短い一生を終えると信じていた記録係の少年・チャクロが、泥クジラに漂着した廃墟船の中で1人の少女と出会ったことから物語が動き出す。

声優・キャラクター
花江夏樹、石見舞菜香、梅原裕一郎、島﨑信長、金元寿子、小松未可子、神谷浩史、田丸篤志、加隈亜衣、山下大輝、石田彰、KENN
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

自由を求めて

J.C.STAFF制作、2017年秋アニメ。
砂漠の海に浮かぶ「砂クジラ」と呼ばれる巨大な船で生活する人々を描く本格ファンタジー。
原作はミステリー・ボニータで連載中の少女漫画です。2017年12月現在で既刊10巻。
アニメ版の終盤(第10話以降)はダイジェストになっているので、
原作で続きを読む場合は第5巻から読むことを推奨します。

§設定§
砂クジラには500人ほどの人々が住み、住民は印(シルシ)と無印(ムイン)に区別されます。
住民のおおよそ9割は印であり、サイミアという念力のような超能力を使うことができます。
しかし印は長く生きられず、20~30歳程度で寿命が来ます。
残りの1割はサイミアを使えない無印で、印と比べて長寿であり島の運営を担っています。
サイミアと短命、印の2つの特徴が物語に大きく関わってくることが予想される設定ですね。

砂クジラの人々の独自の風習や砂の海に囲まれた風景、独創的な世界観が展開されますが
主人公チャクロが語り部となり自分たちに起こった出来事や
物語の世界を説明しながら進行するため物語の世界に入りやすいと思います。
各所に散りばめられた謎も興味をひきます。

§暗い物語§
そのような設定で、物語は砂クジラの人々の穏やかな暮らしを描くところから始まるのですが
恐らく見終えた人は総じて「暗い」という印象を持つはず。
原作を知らずに見た人は予想外の殺伐とした展開の数々に戸惑ったかと思います。

実は最近暗いストーリーは受けが悪く、
アニメに限らずドラマでも重苦しい展開になるとガクっと視聴率が下がるそうです。
おそらく現実に希望が持てない時代ゆえに、フィクションの世界で暗い気分になる物語は見たくないのでしょう。
第2話で急展開があり、それ以降陰鬱とした展開が続くためどうしても評価は低くなってしまうのかなと思います。
アニメにハッピーエンドを求める人は多く、残念ながら本作が人を選ぶ作品であることは間違いないでしょう。

§演出への批判§
{netabare}
さて、もうひとつアニメ版のクジ砂で評価が芳しくない要素として演出が挙げられます。
とりわけ批判が集まったのは「ギャグシーンが浮いている」「戦闘シーンに動きがない」の2点。

まずギャグシーンについて。
原作通りといえば原作通りなのですが、コミックスを見ると分かるのですがとても小さいコマで描かれているのです。
なのでギャグシーンが悪目立ちせず、重苦しい雰囲気を多少なりとも和らげてくれます。
ところがアニメでは見開きも小さいコマも同じ大きさで見せる必要があります。
結果、アニメで見るとどうも浮いている。特に帝国の襲撃後は空元気にしか見えず、暗い印象を拭えない。
「兵士が棒立ちしている」と批難された戦闘シーンについても、原作もこんなものなのですが、
一枚絵と動きのあるアニメはやはり観る側の感じ方が違うわけで、
少年マンガのように兵士と睨み合っている場面に変えるなどして違和感のないようにして欲しかったですね。
馬鹿正直に原作通り描いてしまったのが敗因なのかなと思います。
それにしても各所で感想を見ると演出に関して辛辣なコメントをよく見かけました。
ここまで言われるのは他の要因があると思われます。

クジ砂を視聴してまず沸き上がる感情は「怒り」でしょう。
平穏に暮らす泥クジラの人々を無差別に処刑する帝国の兵士への怒り、
そして一方的に集団自決を決行しようとする身勝手な老人たちへの怒り。
特に最も可愛らしく描かれた甘えん坊の女の子、サミの命を奪ったのは絶対許せない出来事です。
相手に苦痛を与えることに悦びを感じるリョダリの存在も見る者の神経を逆撫でする。
敵のアパトイア兵士は感情を持たない人形のような人間なので同情する必要もない。

おそらくみんな思ったでしょう。帝国を完膚なきまでに叩き潰し、チャクロにはサミの敵を討ってほしいと。
しかしチャクロは最後までサイミアで人を傷つけることはできず、
前回に続きオウニが汚れ役を一手に引き受ける展開。
オウニと同等の力を持つ団長はスオウが止めに入ったため憎きピンク頭にとどめをさせず、
まだ幼い印の子供たちがサイミアを使って兵士を殺すシーンが描かれる。
そこにバトル物の敵を倒す爽快感は一切なく、ただただ後味が悪い。
帝国の襲撃を受ける第3話からスキロスを沈める第9話までストレスのたまる展開が続きました。
それゆえ、やり場のない怒りの矛先は作品批判へと向き、
演出の悪さや原作改変(実はほとんど変わっていない)を叩く流れになってしまったのではないかと思います。
戦闘シーンとギャグシーン以外の演出は情感豊かに表現できていたと思うのですが…
{/netabare}

§印と無印§
{netabare}
クジ砂を一言で言うと「自由のための戦い」を描いた物語です。
罪人を処刑しようとする帝国を前に印たちは戦いを決意し、自由を勝ち取ろうとする。

物語の終盤、印たちが短命である理由が明かされる。
無印の代表であるスオウもまた、自由のための戦いを始める。
印と無印、それぞれが誇りをもって暮らせる新しい共同体を作らなければならない。
外向きの自由だけでなく、内なる自由という視点が加わることでストーリーの厚みが増したと思います。

また本作のもう一つのテーマだと思うのが「メメントモリ」。
ラテン語で「死を想え」という意味の言葉です。
戦争や飢餓、疫病の流行。かつて死は日常と隣り合わせにあるものでした。
平均寿命の長くなった現代では、人は必ずいつか死ぬという実感を持ちにくい。

死を想うことは、かけがいのない今を大切に生きることにつながるし、
自分本来の可能性に気付くきっかけにもなる。

帝国との再戦を見ていて、
「無印は無駄に長生きで、戦いに参加せず隠れてばかりの腰抜け」だと思った人は多いはず。
そして印たちが帝国に復讐し、その手を血に染めることを望んだのではないかと思います。
しかしファレナの秘密が明かされ、印の双子が無印たちを役立たずと糾弾したとき、
私たちは心の中で蔑んだ、無印と同じ立場で物語を見ていたことに気付くのです。

――私たちは印ではなく、無印でしかない

実に皮肉で、計算された物語の構造。
言うまでもなく、この物語の主役は島民の9割を占める無印たちです。
不平等な命を与えられた印たちの戦いや生き様から、
現代人が忘れてしまったメメントモリの精神を思い出す。
それがこの話の到達点なのではないかと私は思います。
{/netabare}

§色と名前の話§
チャクロは茶黒、オウニは黄丹、スオウは蘇芳、ギンシュは銀朱と
泥クジラの人々の名前は色が由来になっています。

ED曲のタイトルは「ハシタイロ」。
ハシタイロとは薄い紫で、中途半端な色という意味合いです。
この曲は名前を持たない元帝国兵士の少女、リコスの歌なのですね。
歌詞だけでなく、曲調が徐々に力強くなっていく感じが感情を取り戻していくリコスの姿と重なります。
この曲が秋アニメの中で一番好きな曲でした。

§総評§
難しいテーマに挑戦している意欲作。こういう作品は高く評価したいですね。
確かに演出にやや難があるのだけども、作り手の生真面目さの産物と思えば許容範囲。
世界観とキャラクターデザイン(特に美少年)の良さには目を見張るものがあります。

新天地を目指し旅立つ場面でアニメは終了していますが
残念ながらアニメの二期は厳しいように思うのでこの先は原作で追いかけたいと思います。
ストーリーの縦軸がしっかりしている作品は続きに期待が持てます。
クジラの子たちが自由を手にする日が来ることを願いつつ。

2018.09.29追記
原作12巻まで読んだけど相変わらず陰気な展開が続いているんですよね。
チャクロが主人公らしくなるのはまだ先のようです・・・

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

空想の島国

*誤字修正


流砂の海を征く「泥クジラ」の遭遇する事件を、「記録者」の主人公の目を通じて語る年代記のような物語。

漂流する「島国」の社会は、同年輩の視聴者には『ひょっこり ひょうたん島』を少し思い出させるかもしれない。が、現代の「島国」は、そのような牧歌的な設定を許さないようだ。

「泥クジラ」社会は、昭和の「愉快な大統領」に統治(?)される「島」とは異なり、独特の身分制度と階級制によって維持される、どこか抑圧的な鬱屈を伏流させた社会と描写される。

漠然とした抑圧が、鬱屈する若者と社会との摩擦や衝突を駆動し、「泥クジラ」という「島国」を揺るがす大事件にも影を落としてゆくのだが、こうした物語と、それを基礎づける設定の数々が、どうもうまくかみ合っていないようで、力の入った映像表現の割に、散漫な印象を与えてしまっているように思われる。


冒頭では、一見ユートピア風に見える島社会が、一方では不穏な気配を漂わせて、背後に複雑な背景を持つと暗示する、巧妙な表現を見せている。

{netabare}ある日突然に、平和な「泥クジラ」を一方的に抹殺しようとする「帝国」に直面することから、物語は急展開を迎える。
全く未知であった島の「外部」に、攻撃という形で直面する「島」の若者たち。
「泥クジラ」の周囲に広く「世界」が広がり、複雑な設定を備えたファンタジー「世界」であると明かされるのだが、「戦争」に直面して揺らぐ島社会の描写から「ファンタジー」性が中途半端にしか感じ取れないのは、ここで明かされる設定やその描写が、妙に既視感を与えるためであるようだ。


周囲を砂の「海」に囲まれた「島国」で、日常的に「外」を意識しないまま、生活と「海外」は無縁であると感じている。

過去に、「世界」=外部から「罪人」であると判決されており、「老人」はその記憶に囚われている。

過剰に「罪人」であると自己認識する老人が社会を支配し、若者をも「罪人」であると教えようとする。

それゆえ、「老人」は反撃を許さず、「外」からの「攻撃」を無抵抗で受忍することを強制する。

昔の「罪」と自分たちは「関係ない」と認識する、「現実」に直面して「目覚め」た「若者」は、「攻撃」は理不尽で一方的な「悪事」であると規定し、「反抗」は「被害者」である自分たちの「純粋」な「避難行動」であると自己規定する。

反抗=戦闘への懐疑は「悪事」への加担であり、「純粋」な「避難行動」の「犠牲」である死者への裏切り行為であるとみなされる。


こうした「泥クジラ」社会の描写は、現実のSNSで、時には1通いくらのバイトによって大量に発信されている特定集団の妄言を生み出すネトウヨ的な歴史観と現実認識を、ほとんどなぞっているように見える。

もちろん、本作のファンタジーの「世界」は、現実の歴史修正的な妄想の「世界観」とは無関係だろう。

現実の、過去・現在・未来と連続性をもって国際社会間に存在する「国家」の国際関係と、完全に外部世界と断絶していながら突如として「外部」と接触するファンタジーの「島国」には、何の関連性もない。

が、現実を戯画化する意図は無いにしても、空想世界を構想するにあたって、たまたま目に入りやすい言説が侵入してきたとは考えられる。

特別に現実の戦争や国際関係に関心を持っていない作者が、「しっかりした」世界を創造しようとして改めて周囲を見回したとき、手近にあふれて目に付きやすい言説であったというだけのことで、歴史修正主義や新しい教科書には関心はないに違いないのだろう。

現実においては妄言である歴史観は、完全なファンタジーの設定としては必ずしも不自然なものとは言えない。


しかし、「しっかりした」世界の基礎が「妄想」の歴史観から分泌されている結果、重みのある描写ともっともらしい語り口の割に、物語から、どうにも落ち着かない散漫な印象が滲み出してくるように見える。

若者と支配層の老人の対立が、妙に原理に立ち入ることなく、「若い」が無条件で正しく優位であるという雰囲気の中で曖昧な思考停止に解消されてしまうような印象は、理屈を考えることなく「自虐」を信じ込む思考停止的な態度が二重写しに見えるからだろうか。

「泥クジラ」の若者の「外の世界」への憬れが、妙に抽象的で取ってつけたように見えてしまうのも、この「世界」の基礎が参照する妄言の世界観が、外国への抽象的な憎悪と、裏腹の劣等感から生まれている反映かもしれない。
妄言の影響がにじみ出ているのならば、「外の世界」への「憧れ」は嘘くさくならずにはいられない。

主人公の「記録者」の目的や目指すところが今一つ説得的に見えてこないのも、語るものが「年代記」=歴史である以上、設定の「基礎」を鑑みれば、語る意図や視点の妥当性が担保されていないような違和が生じても当然ではないだろうか。


繰り返すが、現実の妄想的世界観を具体化するために作品が創られているわけではない。

主題は、あくまでファンタジー世界での登場人物たちの「生」そのものだろう。
が、もっともらしさを期待して引用したものが、現実そのものではなく妄想であったことが、ファンタジーの効果を、逆に「絵空事」の方向に引きずってしまう。

一方的に過酷な運命に直面する「無垢な」被害者の抵抗という形で物語を展開したかったのかもしれないが、それにしてはモデルとする物を戦後日本としたのは効果的ではなかったようだ。
しかもモデルが「現実」そのものではなく、その妄想的解釈だと見抜けなかったとあれば尚更だ。
「現実」に色目など使わず、思い切ってファンタジーに振り切っていれば、と惜しい気になる。

せっかくファンタジー的に構築された悲劇的な試練が、妄想の被害者意識に構成された歴史観を持ち込んでしまったことで、説得力が大きく削がれてしまっているようだ。



社会から不当な扱いを受けていれば、抗議をするのが当然だろう。
搾取されているのが生命力そのものとすれば、なおさらだ。

自然に湧き上がるであろう反発を、異議申し立てが単なる「不平」であるかのような、殊更に粗暴な行動として描き、搾取を自主的に納得して行儀よくしているかぎり忖度して悪いようにはしないよう配慮してやると、必要悪を押し付けられた「被害者づら」で抑圧の自己弁護を図る指導者層の島社会の描写。

上から下まで全員が被害者意識にとらわれる中、究極の被害者=戦闘の「死者」の失われた生命を引き合いにして島社会の構造を容認する「記録」は、中立に見せかけようとしているにも関わらず、視点の妥当性が疑わしいと感じざるを得ない。

やはり現代日本とファンタジーの相性は良くないようだ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

零弍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

新しい雰囲気、感覚

独特の世界観があり、そこに住まう人達にも我々とは少し違った価値観がある。
固有の用語がそれなりに多いが、
それがまた味を出す。
公式サイトにも用語解説が載っているので、
何言ってるか分からないと言わず、
内容をじっくり楽しんでほしい。
何よりこのアニメは引きが上手い。
一度見始め、慣れてきた頃には、止まらなくなっているだろう。


わくわく、ゾクゾクする
{netabare} と思っていたら外の世界は、、、
泥クジラへの襲撃、大切な人達の死の連続、、
襲う喪失感。。。
あぁこういう作品だったのか、と。
今後どういう展開になるのか、、、
EDも1話とは違った印象を感じた。
{/netabare}
↑(3話までのネタバレを含む)


{netabare} つまり あの女の子が...
ってことなのか?
ますます先が気になってくる
{/netabare}
↑(4話感想・ネタバレ有)


{netabare} 長老会ってのもやはり敵では無かったんだ。長い間、自分たちが罪人だと思って生きて来なければならなかったと考えると思想も前向きになれないってのも分かる気がする。
スオウの演説、これが人を束ねるってことなんやなって。
そしてオウニの力強い後押しと「そうだ!」と力を貸すことの表明。とてつもない頼もしさを感じた。
しかし本当に、話が進むごとに本当にEDの印象が変わる。
今回は、巨大な船・それを複数持つ帝国・さらにその他の国も複数ある、といった世界の規模、大きさに関する新事実が浮かび、変わらないはずのPVの中に世界の有様をおぼろげに感じることができた。
泥クジラが沈まなくて良かった。
{/netabare}
↑(5話までの感想・ネタバレ含む)


{netabare} 心を取り戻したリコスが可愛いw
せっかくチャクロ好きになりかけてるのに
サミのことばっかでちょっとリコス可愛そう。
もっと構ってあげて!!
あと、エマ可愛い。mj天使。
天使...なのか?
タイトルは『明日』なのね 。
今回のEDにはみんなが撒いた砂、個々の魂。
更にこれから予想される戦火での血の色。
それらの雰囲気を感じました。
{/netabare}
↑(6話感想・ネタバレ有り)


{netabare}エマの歌がふつくしい...
砂上の『友』・愛しき『友』
エマ達は幾千もの長い時の間、
クジラの民の事を観て来たんやね。
そして、クジラの民つえぇ、
能力自体はくじらの民の方が上なんやね。
オウニのアクションがカッコ良すぎた。
毎回コイツの強キャラ感がすごい。
故郷を襲撃するリコスの心はどんなんなんやろな...
出てる感情を見る限り、
もう完全にクジラ側の人間やね。
ハクジの最期、カッコ良すぎる...
敵のスキロスへの扉を前にして
主人公が待つ側に着いた時に嫌な予感はしたが...
侵入組の勢力も大幅に削られ、
塔には穴まで開けられて、
今後どうなってしまうんや...
{/netabare}
↑(7話感想・ネタバレ込)


{netabare}ネリの歌がまた聴けるとは、
そして[手]の意味する処とは。
さらに、ヨダリの過去が明らかに。
心が壊れる原因ってのは
いつだって環境なんだよな。
心を取り戻した、というより
「知った」と言うのかな。
でも、スオウは心を「観た」と言っていたな。
狂っているのはヨダリか、それとも世界か、
若しくは世界がヨダリを狂わせたのかも。
人を殺して「遊ぶ・戯れる」ヨダリにも、
[生]への執着はあるんやな。
ヨダリがもしこのまま生きていたら
心変わりも出来たのかな。
シコン・シコクという新キャラも登場
オウニに似ている...兄弟か?
更に、ファレナの先祖の罪とは一体...
そして短命の訳とは...
「短い一生に生まれた夢」
というEDの歌詞にも通じるのかな
{/netabare}
↑(8話感想・ネタバレ有り)


{netabare}ニビとオウニのチームプレー最強かと思いきや
拳銃とは卑怯な...
ニビを殺され、怒りに狂うオウニ、つえぇ...
オウニにとって
ニビがどれほど大きな存在だったのか。
オウニがみたのは幻覚か、それとも...
ヌース・スキロスからの洗脳?に打ち勝ち、
チャクロが放った言葉、
「痛みや苦しみ全てが、
俺たちの生きてきた記録だから」
確かに、痛みや苦しみがあってこそ、
生きてるって事なんやろうな...
そしてスキロスの言葉からするに、
スキロスの住人は痛みを感じないのか?
{/netabare}
↑(9話感想・ネタバレ有り)


{netabare}スキロスの世界にも
不思議な社会があるんやなぁ。
舞台はファレナに、
水遊びって...裸っ?!!?
このアニメにもサービスシーンあるんかw
ちゃんと男女で分け方はあるんやね。
そして小舟に乗った謎のお客の登場
てか、スノウの出迎え方ウケるw
裸族の長扱いされてて草
お客の国では「美味い」のことを「マズイ」
って言うのか?
エマの登場シーンって、
毎回どこか切なげだよなぁ...
船には舵がある、そういえばそうだよな。
ファレナの舵を握った民たちは、
一体どこへと向かうのだろうか。
{/netabare}
↑(10話感想・ネタバレ有り)


{netabare}むっちゃ血出てるのに全然痛くなさそう...
てか、超ブラックやんけ、この世界...
一方、
なんか儀式的なの始まったーー
合唱で舵取りか...
11話にして再出発です。一体何処へ...
寿命を延ばす薬草の話聞いて足を退けたり、
地理を説明したり、
お客むっちゃ優しいやんけ。
ここで幾多もの歌詞の伏線も回収。
まさか泥くじらの動力源が印の命だったとは...
サイミヤの源も命だったのか...
体内モグラのシコンとシコク、
今までずっと鬱憤が溜まってたんやろうな...
側に立ってみれば言ってることも一理あるんだよね。
むしろ、印の真実を知った後だともう..
{/netabare}
↑(11話感想・ネタバレ有り)


{netabare}ヨダリのピエロ姿ちょっと可愛いw
なんかここに来て新用語結構出てくるな。
マソウさんの送別式。
「泣いちゃダメだ、泣かないぞ。」
→「構わん。今日は泣け!」やられた...
あぁ、やっぱ涙には弱いわ、、、
人の死を泣くことがやっと許されたんや。
結構スパート掛かったけど綺麗な終わり方やったかな。
最後にOP流すの、結構良かった。
{/netabare}
↑(12話感想・ネタバレ含む)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

76.6 2 幻想的で戦争なアニメランキング2位
ソマリと森の神様(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (382)
1673人が棚に入れました
森の中で私は"それ"と出会った。それ(人間)は、わたし(ゴーレム)を「おとうさん」と呼んだ----。地上は異類異形の人外たちが支配する世界。人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。そんなある日、森の番人である「ゴーレム」とひとりの人間の少女が出会う。滅びゆく種族「人間」と森の番ゴーレムの父娘の絆を綴った旅の記録・・・

声優・キャラクター
水瀬いのり、小野大輔、七海ひろき、鈴木達央、小野友樹、早見沙織、小林ゆう、速水奨、関智一、茅野愛衣、高垣彩陽、柴田理恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「人間がマイノリティである世界」の果てを目指す旅。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
ジャンルはファンタジー、ロードムービー。テーマは、父娘愛、差別、といったところかな。

一番近い作品は、「魔法使いの嫁」かなと。優しい雰囲気に、優しくない展開が。

本作、☆4(高評価)と迷った。全体的には良い作品だと思う。だが、やはり☆3にとどまったのには、ひとつ気になった点があり、、、ということを、レビューに書きたいと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
一番好きだった話は、ハイトラとウゾイの話。カニバリズム、とは少し違うけど、確実に背負ってしまった罪。難しい話だったけど、「生き方」というのを、色々考えさせられた。

また、全体として漂う、優しい雰囲気、ソマリのキャラクターなど、好意的に観られる部分も多い。

この作品は、「ソマリの視点」で観るか、「ゴーレムの視点」で観るかで、感じ方が変わると思う。

「ソマリの視点」であるならば、「人間差別」の面が強く出るし、「ゴーレムの視点」ならば「父娘愛」が強く出るのだろう。

私には子供がいないので、「ゴーレムの視点」で観ることは叶わなかったが、そうできれば、感情移入できて、さらに本作を楽しめたのかもしれない。

私は多分、「ソマリの視点」で観たのだと思う。でも、「人間が差別されて可哀想」とは思わなかった。

この点が、ちょっと心に引っ掛かっている部分。

というのは、「人間は差別されて当然だ」と思っているわけではなく、「人間が差別される理由にピンとこない」から。

ていうか逆に、他の「その他大勢」の種族が気持ち悪いんだよね、みんな仲良すぎて。

この世界は、大変な多種族国家だ。あれだけ容姿(身体というか、器官というか)が違えば、文化や考え方だけでなく、食べる物や、もっと根元的な部分で、「違う」と思う。

例えば、「コアラがユーカリしか食えない」みたいに、ある種族とある種族が「食う・食われる」の関係になっていたら。あるいは、ある種族の体内に普通にある菌が、ある種族にとっては致命的なダメージを与えるとしたら。

もう、生存競争しかないんだよね、どうしようもなく。

ところが、この「超多種族国家」では、皆が同様の、ていうか「人間みたいな」生活を送っていて、仲良さげに暮らしている。

それは理想的で、美しい。もしかしたら、長い歴史の中で、そういう「色々」を乗り越えた後の世界なのかもしれない。

でも、じゃあなぜそこに、人間は仲間に入れなかったのだろう?

これがもし、「マクロス的な感じで、人間族が他の惑星から来た」とかなら、まだ分かるけど、この惑星でずっと一緒に生活してきたんでしょ? 他の種族も、容姿こそ人間と全然違うけど、文化、風習、考え方はほぼ人間。だったら、仲良くできないかなぁ?

本作での人間の立ち位置は、「人間は何も持たない弱い種族であり、だから他の種族を極端に怖がり、戦争を起こし、負けたため、現在は他種族から迫害さ、絶滅危惧種になっている」というものだが、出発点に疑問がある。

そもそも人間は他の種族に比べて、排他的で差別的な生物なのだろうか?

今の我々の世界を見渡した時、他の種族(例えば、犬や猫)を家族のように愛したり、自分とはおおよそ関係のない種族を絶滅から守る努力をしたりすることが、他の種族(色々な動物)に出来るだろうか? 基本的に、「本能」による「弱肉強食」に支配されている種族(動物)に。

確かに、人間は「意図的な差別」をしてしまう種族かもしれない。でもそれは、それだけの「知恵」を得た裏側にあるものであり、もし他の動物が、人間と同レベルの知恵を手に入れたら、同じように、、、ひょっとしたら、人間以上の「差別」や「排斥」を行うかもしれない。

勿論、私の論は、人間を極めて好意的に見ているのだけれど、この作品は逆に、人間の負の側面を、殊更に強めて見せているように思う。

この作品は、「人間」対「その他、全種族」という二元化がされているが、本来は、「人間」は数多の種族の1種にしか過ぎず、「その他、全種族」にも、それぞれに明確な違いがあると思うんだけど、その違いが「容姿以外には示されていない」部分が、本作をやや薄っぺらくしているのだと思う。

同じ世界観の中で、登場する種族をもう少し限定し、それぞれの種族の違いや軋轢、そこにどう折り合いをつけているかまでをきちんと描き、なぜ人間はそうなれなかったかをきちんと示せれば、この作品はグッと深みを増し、伝えたいテーマがよりしっかり伝わったと思う。そういう意味では、勿体なかったなと。

あと、ゴーレムの寿命が近いことが、1話の段階で「CMで」ネタバレしてるのは、どうだろう(そういう作品、結構あるけど)。3話か4話くらいで明かされた方が、より心に染みたと思う。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
世界観の説明はよく分かった。ソマリが良いキャラやな。「それは時と場合による」w

2話目 ☆3
ぬくい、めんこい、もふもふ~w 鬼の二人、良い人だな。時間制限ね、CMでバレてたのがマイナスだな。

3話目 ☆3
今までもジブリだったけど、地下は今までよりジブリだな(苦笑)

4話目 ☆4
美しく、良い話だな。完璧な親なんていない。そこで、ゴメンねが言えることは、大切だな。お金は働けば手にはいるが、ソマリの代わりはいない。メチャ良い話。

5話目 ☆3
人間との出会い。ハイトラ、ウゾイ。1年後の姿かな。

6話目 ☆5
それで良い。殺そうと決意して、殺せるわけじゃないよな、普通。悲しいけど、なくはない世界か。カニバリズム、と少し違うけど、確実に罪を背負う。この話は難しい。どこまでも理知的なゴーレムの味が出ているな。

7話目 ☆4
特になにかかあったわけじゃないが、なんか、染みる話。静かに、染みる話。

8話目 ☆3
魔女は、魔力をもった人間ってわけじゃないんだね。人間がマイノリティな世界。人間が弱いから、排除して、安寧を得る。これは人間が悪いように描かれているけど、人間も虐げられる立場だったわけだし。難しい話だけど、多分、色々なことを互いに忘れた世代でしか、分かり合えないよな。

9話目 ☆3
幸せな時間。歯が抜けるとか抜けないとか、そんな小さなことで、平和だな(笑)

10話目 ☆


11話目 ☆3
人間の、におい。においで分かるなら、もっと早くバレそうだけどね。

12話目 ☆3
ゴーレム、強い(笑) う~ん、結局、なに一つ回収しきれてないじゃんね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファンタジーだからこそ心理描写が大事

原作未読


つくづくジブリは偉大だと思う。


『ラピュタ』のロボット兵が『トトロ』のメイちゃんを連れ『千と千尋の神隠し』並に素性を知られてはいけない世界を闊歩する話。


これでこの作品どんなん?の回答となり得るからである。共通認識ができてるんですよね。

完全なファンタジー世界です。先述のロボット兵みたいなのが“ゴーレム”森の番人。メイちゃんみたいなのが“ソマリ”ゴーレムに拾われた人間。
長寿命であるゴーレムは寿命が尽きる日が近いことを自覚し、ソマリのために同種族の人間のもとへ彼女を返すあてのない旅に出ます。種族はいろいろ。人間は捕食対象で絶滅種扱いという世界です。

例によって世界観構築が勝負のファンタジー世界ということでは、概ね成功しているように見えます。
原作連載中の事情もあってか中途半端な終幕ではありましたが、一区切りつけてはいるのでそこは賛否両論というところですね。


ソマリのフード姿。目的のあるあてのない旅。このへんは↓

 {netabare}『銀河鉄道999』のメーテルと星野鉄郎の関係を彷彿させる。{/netabare}

感情のない大人と身寄りのない娘の交流。このへんは↓

 {netabare}『LEON』のレオンとマチルダの関係とも言えなくもない。{/netabare}

いずれも名作の予感を感じさせる立ち上がりではありました。


 {netabare}二人はどうなるのか?{/netabare}


本作のテーマです。
そしてこのテーマにこだわるか否かで作品評価が変わるといえるでしょう。
私はテーマ(と感じたもの)にこだわるとした上で「きちんとした結末から逃げたな」とネガティブな評価をしてます。なぜ逃げたのかな?と考えると原作(未読)のまずさに落ち着きました。このへんは後述。
意見は別れるところで、ファンタジーの世界観、全12話で一区切りと評価すべきポイントもある作品です。1クールだし観て損はない作品だと申し添えておきます。
そして声優“柴田理恵”。これはこれからどしどし仕事来るんじゃないかなというくらいの水準でした。貴重なのでこれ見たさという視点でもお釣りくるかもしれませんよ。


以降に展開するのは、本作品を面白いと感じた方には面白くない内容かもしれませんのでご容赦を。

※ネタバレ所感


■ソマリちゃんごめんよ

水瀬さん良かった!の声が並ぶはずですが、そここそ声が甲高くて苦手でした。周波数高めです。

{netabare}声だけでもないです。お使いにもいけるので5歳以上小学生低学年程度の設定でしょう。教育受けてないからの言い訳も立つし物分り良い必要はないです。だが我慢ならぬ鬱陶しさ。当初は天真爛漫キャラなんだろうなぁくらいで流してましたけど、作品自体の人間種の描き方が雑で、単に人間を描けないのね、という方向に考えが向いていきました。{/netabare}


■種族としての人間(重要)

ゴーレムとソマリの関係が作品のテーマとしたら、人間とその他種族との関係や未来は作品テーマを貫いてる重要な部分です。
この人間の描かれ方に首を捻りまくった私です。さっき後述するとした原作の不味さに繋がる部分。

{netabare}排他的になる理由が薄くないですか?むしろ「理由は無い」といってもいいんじゃないですか?
自分と違うからといって排斥する。そんな人間種の描写が繰り返されました。

・ケモノに襲われた人間の子供を助け、負傷してるその子を抱きかかえ親元を訪ねたら銃殺さる
 →さすがにそれはヒドイんでないかい?
・それまで仲良くやってたのに人間の幼女助けるために空を飛んで身バレしたらアウト!
 →え?目の前で助けてるの見てるのに言い分も聞かないんですか?
 →幼女とだけは理解し合えてた!っていい話にならんよ

“排他的な人間”を描きたいがための結論ありきで深掘りできず無理筋な描写になってます。こっち(異形)は何にも思ってないのにむこうがヒドイからは充分伝わってくるけど。人間があんなん(DQN)なのでこの点は説得力ありましたがなんだかなぁ。{/netabare}

これは嫌な感覚でした。

{netabare}人間だけが排他的でだから滅亡したというのを言いたいのでしょう。
なお、人間以外の異形の種族間での軋轢は一切描かれてません。

異なる種族は始めから仲良しなのです。以前は軋轢があったけど克服したよ的発想が作者になさそう。
人間だけひどい奴らです。そのひどい理由が全く描けてません。差別する奴はただ差別したいから差別するんだ!って浅っ!!そして薄い。杉村太蔵の政治評論ばりに薄口でございました。{/netabare}

この人間とその他種族との関係が納得感のあるものであれば幾分ましだったことでしょう。
巡り巡って異種族間のつなぎ役にもなってたソマリの存在意義が生じてくるからです。
ここも原作者はせいぜい「話せばわかる」くらいの発想なんだろうなぁと気持ちがひいてきました。
さらに巡り巡って連載終わってないのを考慮するとしてもアニメの結末はしょうがないだろうと諦観。きっと{netabare}「シビアなの描けないな」「描いてもつまんなかっただろうな」{/netabare}期待できなかったので、このお茶濁しエンドが限界だったと思えるのです。



あらためまして、、、ジブリは偉大です。
一方で巨匠の限界は主に後期の作品で露呈してました。
戦闘機設計者の意思や奮闘を描きつつ、その熱意の結晶の活躍の場は徹底的にぼかす。そんな作品が彼の最後(一応ね)の作品となってます。

奇しくもそれと同じ感覚が湧いてきた『ソマリと森の神様』。全般的に悪くない雰囲気で流れてくのに「そこ描かなかったら意味ないじゃん」という残念さ。そんなとこまでジブらなくていいのになぁ。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.06 初稿
2020.05.02 タイトル修正/修正
2020.10.11 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 58

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

森の中で、私は"人間(ソレ)"と出会った…

この作品の原作は未読ですが、いのりんとはやみんが出演するのを知り視聴を決めた作品です。
しかも、いのりんが主役…放送の始まる前から嬉しさMAXでした。


地上は異形たちが支配する世界。
人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。

そんなある日、
森の番人である「ゴーレム」と
ひとりの人間の少女が出会う。

滅びゆく種族「人間」と森の番人ゴーレムの
父娘の絆を綴った旅の記録。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

いのりん演じる主人公のソマリは、凡そ5~6歳くらいの好奇心旺盛で天真爛漫な女の子です。
ソマリは森の番人である小野大輔さん演じるゴーレムと一緒に旅をしていました。
森の番人であるゴーレムが森を離れて街から街へと渡り歩くのは、どうしても果たしたい目的があるから…

個人的な推測ですが、ゴーレムは森を離れて生きていける存在では無い様な気がしています。
勿論、森から一歩でも外にでたら即死することは無いんでしょうけれど、番人であるが故に森から恩恵や加護を受けていたでしょうし…
きっと、森の中から出なければ生活に支障をきたすでしょうから、必要最低限の範囲で森から出ることはあったと思いますが、ずっと離れることは恐らくないんだと思います。
ゴーレムにとっても森の中の方がきっと居心地が良いでしょうから…

それなのに、ゴーレムはソマリと旅することを選択しました。
もしかするとゴーレムとしての禁忌を犯しているのかもしれません。
物語の中でゴーレムは色々悩んでいましたが、旅をすると決めた時点で物凄い選択をしたんだと思います。
覚悟が無いと取り得る選択肢じゃきっとないのだから…

それだけゴーレムの中でソマリの存在が大きかったことの裏返しだと思います。
2人の親子関係…最初は形だけだったのかもしれません。
そりゃそうです。実際の親子じゃないんですから…
今で言う「里親制度」の様なモノでしょうか。

それがどうです…?
2人の中でそれぞれの存在がどんどん大きくなっていくのが手に取るように分かるのですから…

小さな女の子とゴーレムが旅を続ける物語…
この物語に魅せられた最大の理由は、いのりんと小野さんの演技にほかなりません。

いのりんに子役を演じさせるのは正直反則なのではないでしょうか…
特にソマリの様な天真爛漫な子はヤバいと今回ハッキリと分かりました。
ソマリの感情の起伏に一喜一憂するだけじゃ済まされませんので…
ラストの池の畔でのシーンは、完全に涙で前が見えなくなりましたよ。
それだけじゃありません。
「流石いのりん^^」と思える場面が沢山ありましたからね。

それはゴーレムを演じる小野さんの演技も然りです。
「みなみけ」で「カレーのうた」を披露した方と同一人物とはとても思えません^^

2人の旅は決して順風満帆ではありません。
それにゴーレムは自身に大きな爆弾を抱えていましたから…
ゴーレムを見ていると、「親として自身との向き合い方を見つめる必要性」というメッセージを感じずにはいられませんでした。
現実でも同じことが言えると思います。
例えばもし自分が重篤な病に罹患してしまったら…家族とどう向き合えばよいのだろう。
家族にどう向き合って欲しいと思うのだろう…

今、新型コロナウイルスに大勢の方が罹患され、多くの方が亡くなっています。
現状で日本は緊急事態宣言を出す状況では無いと首相は言っていますが、右肩上がりで感染者が増加しており、増加のカーブは国外と見比べても遜色が無いことから、いつ何が起こってもおかしくない状況なんだと思います。
家族への向き合い方…考えてみる良い機会なのかもしれません。

オープニングテーマは、森山直太朗さんの「ありがとうはこっちの言葉」
エンディングテーマは、いのりんの「ココロソマリ」
個人的には、いのりんがしっとりと歌いあげているエンディングが大好物でした。

1クール全12話の物語でした。
原作の連載が続いている事からも、無難な纏め方だったのではないでしょうか。
妙なアニオリ回を入れると、世界観や物語を壊してしまいそうな気がするので…
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
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