平安時代で心温まるなおすすめアニメランキング 2

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67.4 1 平安時代で心温まるなアニメランキング1位
AIR IN SUMMER[エアーインサマー](OVA)

2005年10月5日
★★★★☆ 3.8 (305)
1686人が棚に入れました
時は遡って1,000年前。翼人の守護の命を受けた柳也は、神の使いとされながら捕われの身のような生活を送る翼人・神奈と出会い、心を通わせるが…。"

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「では世はそなたに命ずる。母上の元まで、世をあないせよ。」でございます。

正八位下(しょうはいちげ) 左衛門大志柳也(さえもんふだいさかんりゅうや) 神奈備命が命。(かんなびのみことがめい。) 違えぬいたし事を制約いたし候。(たがえぬいたしことをせいやくいたしそうろう)

レビュータイトルは本編(AIR)の8話にて、神奈備命(かんなびのみこと)こと神奈様のお言葉。そして冒頭の台詞は衛者である柳也(りゅうや)様が神奈様に約束の誓いを建てる際の台詞でございます。柳也様、普段は神奈様に対してタメ口をきいておりますが、いざ主(あるじ)である神奈様からの命が下りますと、冒頭の台詞の様にいきなりのシリアスモードに突入するのでございます。このギャップが素敵・・・。ともかくカッコ良いのでございます。

本作はAIR本編の8話、9話で描かれる、1000年前の物語部分をピックアップした作品でございます。
っと申しましても、しょせん25分×2話の短いお話。翼人伝説を本格的に描いた作品と言う訳ではなく、本編8話で語られます神奈様と柳也様、そして裏葉様のお三方が神奈様のお母上に会うため、共に旅をするお話部分を補完した内容となります。
本作での魅力はなんと申しましても”神奈”様の可愛さを思う存分味わい、そして愛でられると言う点でございます。従いまして、AIR本編をご覧になられておられません方、本編の8話、9話に魅力をお感じにならない方がご覧になられましても、恐らくは理解することは難く、そしてご覧になって面白い作品ではないかと存じます。

AIRと言う作品における翼人伝説は物語の核でございます。物語におきまして、最後の翼人である神奈様は悲劇の結末を迎えることとなります。当然悲劇の結末であるが故に物語が成り立つのでございますが、そのままではあまりに不憫・・・。正に鬱になってしまいます。そこでと言う訳ではございませんが、本作品では神奈様の楽しい思い出部分。そう、母君を求めて3人で旅をする部分について、楽しくおかしく描いている作品なのでございます。

本編の尺の都合上、あまりにもあっさりと描かれてしまいました”旅”部分。実は色々なエピソードがございました。追っ手を避けながらも3人は家族の様に寄り添い、そして日常のなにげない事に幸せを感じていく・・・。そういう部分について、本作ではスポットを当てて描写しております。そうする事で、本編背景となる翼人伝説を補完し、神奈様の悲しい運命・・・そして彼女を慕い、命がけで彼女を助け様とした者達の”思い”をより深く伝えたいのだと存じます。

本作ではともかく神奈様の魅力を最高に引き出しております。高貴で世間知らず、そして無邪気で一途な思いを持つ神奈様。彼女が長年幽閉されていた社殿を飛び出し、追っ手に追われながらも慕ってくれる2人の従者(柳也様、裏葉様)と続ける旅。見る物全てが珍しく、そして体験する事全てが楽しい・・・。そういう感情を彼女の生き生きとした表情と仕草で上手に表現してございます。クスッとする笑いあり、そして意外や意外、神奈様の女の子な部分まで!
従者の裏葉様の可愛くお茶目な魅力も全開でございます! 柳也様の悲しい過去も語られます。そしてそのエピソードから、何故に柳也様が神奈様の為に命をかけるのか・・・の理由が明かされます。2話と短い作品ではございますが、その作画はAIR本編と同等、全く手抜き無しでございます。キャラクタの描写は逆に上回るほど。当然主題歌は”鳥の詩”でございます。本編8話、9話に感動を感じられた方、神奈様と言うキャラクタに魅力を感じた方、是非ご覧になって最高に愛らしい”神奈”様を愛でて下さいませ。そしてAIRと言う作品をより理解し、愛していただけるとワタクシも大変嬉しいと思うのでございます。

神奈様は翼人としてでは無く、一人の少女。普通の少女として生きていただきたかった・・・。彼女が笑ってくれるなら、彼女が楽しいと感じてくれるなら、それを守りたい。そしてその日常を命に代えても守りたい。ワタクシがもし彼女と同じ時を過ごすなら、作中の裏葉様と同様、この身をかけて彼女を守るのかも知れません・・・。そう思わせる魅力が彼女にはございました。 大好きでございます! 神奈様!

「力 風 我らの今こそ ものが受け継ぐ 星の見る夢 遠い悠久の ふさわしき羽に 魂にすべを」
受け継ぐべきでは無かった悲しい運命・・・。空に眠る一人の少女が見る夢が、どうか幸せであります様に・・・。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 20

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1000年前の小さな物語をあなたは観ますか?観ませんか?

■視聴するかの判断はあなた次第ですよ  \_( ・_・)ハイ シンロケッテイシテクダサイネー
『AIR IN SUMMER』を観て良かったと思う人、別に見なくても良かったよーって思う人、意見が分かれ
ると思うのです!
以下のいずれかに該当する人は是非ご堪能してくださいね♪
ひとつも当てはまらない人は、本編だけでも十分『AIR』という作品の良さは伝わるので無理に見よう
としなくても大丈夫ですよ♪
 
【適正チェック項目】
・とにかくAIRが大好きな方、迷わずどうぞ♪
・本編ではなかなか見れなかった、無垢で幼さが残りつつもお茶目で生き生きとした表情を思う存分味
 わいたい神奈ファンの方♪
・計算高く毒舌でも、神奈の事を誰よりも理解し愛情を注いできた裏葉さんファンの方♪
・神奈に対する思いは裏葉と遜色なし、誠実で真摯な柳也の過去をちょっとだけ覗いてみたい方♪
・本編で描かれた1000年前の物語で旅の道中が気になってしょうがない方♪
・とにかくAIR作品のコンプリートを目指している方。
・暇で退屈で死んじゃいそうな方♪ (..)(・.)(: )(¨)( :)(.・)(..)ゴロゴロ
 
←(・_・┐)))チェック中(((┌・_・)→
※一つでも当てはまれば見る価値はありますよ♪
 
■総評
神奈・裏葉・柳也の3人の絆の強さを感じられる作品となっていましたね♪
本編で3人の結末を知っているので、ちょっぴり切なさを感じたりもしましたけど、3人の笑顔をたく
さん見ることが出来て、こういう関係って素敵だなって微笑ましく思えたりもしました♪
神奈ちゃんってこんなに可愛い子だったんだって思えるような物語ですね。
私は『AIR』も大好きですし3人とも大好きなキャラなので、『AIR IN SUMMER』を観れて本当に良かっ
たなぁーと心から思えました♪
 
■お・ま・け
OP/EDのLiaさんの歌声を聞いただけで本編が走馬灯のように思い出されました♪
やっぱり名曲ですね♪
 
2011.07.22・第一の手記

投稿 : 2025/01/25
♥ : 26

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

翼人の悲劇を描く幻想的ストーリー AIRよりこちらが本編

2005年放送のテレビアニメ 2話

原作 Key 監督 石原立也 構成脚本 志茂文彦 制作 京都アニメーション

同年1~3月に放送されたAIR本編の特別編として8~9月に放送された。
AIR本編は石原立也、山本寛、武本康弘、らの絵コンテによる挑戦的な作風で、
それはそれで凄いと思うんですが、物語としての魅力はほとんど感じられませんでした。
真面目にアニメ化すればクラナド同様の4クールくらいの分量がある原作の、
ダイジェストとして制作された大掛かりなPVと言うのが正解ではないかと思います。
劇中でも少し語られた過去編も映像化されず、観終わった後に唖然となるアニメともいえます。

そして、同年放送されたわずか2話の本作こそが、
AIRの本編であることに同意する人も居るのでは、と思います。
最低でも2クール、うち過去編が6話くらいあれば、
アニメだけでも楽しめたんでしょうが、相当調べない限り理解は無理です。
これは、同年公開された出崎統監督の東映版も同様です。

しかし、完全理解とか目指さずにアニメとしての完成度であれば、
このエアーインサマーは(当時としては)非常に優れています。
自分の意見としては、黙ってこの2話を観て、感動して終わりにしたらどうか、と言うものです。

この2話だけで幻想的ストーリーは完結していますし、満足できます。
逆に言えば本編だけ見てこちらを観ていない人は、迷い道から抜け出せません。
原作を知らないためアニメの感想でしかありませんが、
AIR本編は頭の変な少女を攻略するだけのギャルゲー映像化。
こちらは、そのバックボーンと言いつつ、物語として完結した作品。
という感想です。

AIR本編はKeyのPVであると同時に京アニのPVとして素晴らしい作品ですので、
そのつもりで観れば・・・何度も観れば、なんとか効果で泣けるのかもしれません。

この作品も完全に理解するのは無理ですが、
ファンタジー作品としては価値の高い物語と映像で筋が通っていて、
お勧めできます。
本編だけ見た人は急いで補完してください。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 28

62.6 2 平安時代で心温まるなアニメランキング2位
マイマイ新子と千年の魔法(アニメ映画)

2009年11月21日
★★★★☆ 3.6 (136)
391人が棚に入れました
小学3年生の新子は、山口県の片田舎に住む普通の女の子。友だちや家族に囲まれ、この町にあった平安時代の地方の国の都「国衙」について空想することが好きだった。そんなある日、東京から貴伊子という生徒が転校してくる。貴伊子が気になった新子は、次第に親しくなっていくが……。

声優・キャラクター
福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

マジでゲスな言い方を許していただけるのなら『ALWAYS 三丁目の夕日』+『耳をすませば』or『今敏監督作品』≒『おもひでぽろぽろ』

昭和30年代の山口県防府を舞台に、芥川賞作家の髙樹のぶ子が自らの子供時代をモデルにした自伝的小説が原作


当時の防府は1000年前の平安時代の遺跡が出土することが話題となっていたため、主人公の新子は平安時代の人々がこの地でどんな生活をしていたのか?
そんな空想に耽る日々を過ごしていた


新子の通う小学校にやってくる東京からの転校生、貴伊子や男子生徒達のリーダー格、タツヨシらとの忙しない子供時代が語られます


ひょんなことから揺らいだり、また元通りに結ばれたりする友情の話だったり
大人の都合に振り回され、子供だけでは如何ともし難い状況に立たされる無力感の話だったり
いくつものジュブナイルストーリーに時折“新子の空想の平安時代”がオーバーラップしつつ美しい映像で紡がれていきます
作画面はホント凄い


この作品が持ってる価値の半分はコレが2009年制作だってことでしょう
現代においてこんな作品が生まれるってのがなんとも希有なことです
セル時代のジブリ作品を髣髴とさせる温かみと懐かしさを感じる映像が、かつてジブリ作品にも関った片淵須直監督を中心としたスタッフの技術力で見事に作り出されていることに感銘
良い意味で既視感のある映像とお話


既にこのことをご指摘のレビューも多数見受けられるようですが、昭和30年代のノスタルジーにすんなり浸れる方に一番オススメ


正直にお話自体はそれほど後味の良いものではありませんw
良くも悪くも気恥ずかしくなるような話や、エグい内容のクライマックスがリアリティをかきたてる


『おもひでぽろぽろ』のように“あえて今、過去を振り返っているんだ”という自覚的な演出は特別ないです
完全に昭和30年代へのタイムトリップ状態
ノスタルジー以外に昭和への【浪漫】みたいのを求めてご覧になるのであれば『コクリコ坂から』の方が全然良い作品ですよ(キリッ


興味深いのがこの作品、公開当時は興行的にあまりにも振るわなかったため、片渕須直監督が「このままだとDVD化も難しいかも・・・」と苦言を発する状態にまで追い込まれたものの、「この作品を子供と見たい!」というお母さん層を中心とした口コミで一気に火が付いて、公開劇場を増やそうと署名活動まで起こる騒ぎになり、結果的に1年以上のロングラン公開となった逸話があること



こんなにもアニメファン、一般層の両面から愛された映画も昨今珍しいです
逆に子供と一緒に見ることを強要するのはちょっと微妙な気がしますがw
先述の映像面や村井秀清さんの軽快な音楽とか、何気見所もイッパイなんで「ハッピーエンドじゃなきゃやーよー」ってお方以外は率直にオススメします
いやまあwハッピーの定義なんて知りませんけどねwww

投稿 : 2025/01/25
♥ : 28

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「マイマイ新子」→「この世界の片隅に」の流れでOK。

原作未読で視聴。


『空想好きな主人公の少女「新子(しんこ)」が、1000年前の歴史に思いを馳せながら、同級生や上級生達との遊びを通して出会いや別れ、そしてどうする事も出来ない厳しい現実を経験して共に成長していく』という93分の物語。 物語の舞台は昭和30年代の山口県防府市(ほうふし)。


この作品の監督・脚本は、「この世界の片隅に」という名作を世に送り出した「片渕須直」さんです。ちなみに、この作品は2009年に発表され、「この世界の片隅に」が2016年です。


この作品を観終えた後で、「どんなストーリーだった?」と聞かれてもハッキリとは答えられません。作品終盤までとくに大きなイベントなようなものはありません。簡単に言えば、昭和30年代の山口県に住む子供達の日常を描いた作品と言えばよいかと思います。日常系ですね。

作品の7割は、新子と友達とが野山や麦畑を駆け回って遊んでいるシーンでした。ハイキングしている気分になれますよ。遊びも昔の子供の遊びなので、ノスタルジックな気分を味わえると思います。 トトロ好きなら楽しめる。と言えば、作品の雰囲気を分かってもらえるのではないかと思います。


東京から転校生してきた親友の「喜伊子」を通して、都会っ子と田舎の子供との対比がありました。都会っ子はオシャレで、田舎の子供はボロを着て、都会っ子は靴を履き、田舎の子供は草履を履き・・といった具合にです。なかなか面白い見せ方でした。意識して観てみて下さいね。


新子が空想して1000年前の平安時代を想像する場面がよく挿入されるのですが、ちょっと説明不足で分かりづらいかと思います。ので、「新子が空想してるんだなぁー」ぐらいでいいと思いますよ。


時々、方言や訛りが凄くてセリフが聞き取れない事がありますが、そこはノリ一発で乗り越えましょう。大丈夫、同じ日本語じゃないですか。それにしても方言や訛りはいいですよね?聴いていると癒されますよ。ちなみに、オラもぉよぉ~、田舎さぁ育じぃだもんでぇ~ 訛りさぁ酷いんだぁけんどぉもよぉ~ だどもぉ、こんなオラっちぃでぇさえ~ 都会さぁ行ぐぅと・・・「私は地方出身ですが、都会では方言など死んでも話しませんよ、死んでもね」と標準語になります。何なんでしょうねこの現象って。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 34
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

時代が流れても変わらないもの

タイトルからすると「???」だが、
マイマイとはつむじのことで、おでこの生え際につむじがある新子が主人公。
舞台は昭和30年の山口県防府市。
おじいさんに聞いた話から、今住んでいるあたりの千年前を空想するのが
大好きな小学生3年生の新子と、東京から転校して来た父子家庭のお嬢様、
貴伊子との友情を育みながら、大人の世界と対比させつつ、
子どもたちの心の成長を描くお話。

とにかくまず、花や緑にあふれた景色が美しい。
そしてまだ戦後の諸々を残した昭和30年代の暮らしや風景、空気感。
小道具の至るところまで、ノスタルジー。
物語の中で新子は、その時代からさらに1000年前を空想しているけれど、
観ているこちらは、50年以上前にタイムスリップしたような感覚で
みつめていることに気づかされる。

子どもたちがまだたくさんいて、年上のガキ大将がいて、
自然の中で遊んでいるうちに知らず知らず、身についていくいろいろなこと。
小川を板切れでせき止めて小さな池を作り、花々で飾ったり、
木の実を取ってきて遊んだり、麦畑にもぐり込んで遊んだり・・・
天の川がきれいに見える夜空の下で、ホタルが飛んでいたり。
羨ましくなるほど、まぶしい景色は、
そんなふうに遊んだことがない自分でも、不思議に懐かしさを覚えた。

でも、ただ懐かしい、楽しいことばかり描かれているわけではなく、
死や別れ、不倫や借金など、大人の世界で起きている現実的な出来事の様々を
同時に垣間見みながら身も心も成長していく子どもたちの姿に、
世代を超えた時の流れというものを、しみじみ感じさせられる部分も良かった。

1000年経っても変わらない道や木々、緑の風景。
1000年経っても変わらない、子ども特有の気持ち。
{netabare}
物語の後半、新子の友達 タツヨシくんが言う。

「いっしょうけんめい 遊ぼうや。
 遊んで、自分たちの子どもにいろんな遊び、教えちゃろうや!」

きっと、これがこの作品の要だったのではないかな。

後半、東京弁でおしとやかだった貴伊子が、山口弁でイキイキと話すその笑顔に、
なんだか、じわっときてしまった。
{/netabare}
これは間違いなく、しんみりと、しみじみ味わう大人向けの作品。

ちなみに原作は、高樹のぶ子さんの自伝的小説「マイマイ新子」
コトリンゴの歌う主題歌「こどものせかい」も雰囲気にぴったりだった。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 27
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