れんげ さんの感想・評価
4.3
この作品を手がけてくれた全ての人へ『愛してるぜ!』
2014年4月放送。
ノイタミナ枠、全11話。
【前置き】
『心のなかで、3回唱えろ!!
ヒーロー見参! ヒーロー見参! ヒーロー見参!
そうすりゃオイラがやってくる! ピンポン星からやってくる!』
こんな明朗闊達な台詞が清々しい本作は、卓球を軸にした人間ドラマを描いた快作です。
原作は、こちらもアニメ映画化された「鉄コン筋クリート」でも有名な「松本大洋さん」で、1996~7年に連載。全5巻。
でもやっぱり、松本大洋さんの代表作といえば、本作『ピンポン』だと個人的に思います。
連載から4年後には窪塚洋介さん主演で実写映画化もされ、当時かなりの話題作となりました。
(実際にメチャ面白かったです、クドカン&窪塚さんだし。ブクロサイコー!)
私はこの実写映画から入り、後に原作も読みこの独特の松本大洋ワールドにのめり込んでいった人間です。
一時の感情に過ぎることなく、今も心に残り続ける程に…。
さて本作は、更にそれから10年余り経ってからのアニメ化。
しかも、予てより松本さんと交流が深い「湯浅政明さん」が監督に就任。
前情報としては、もう「これでどこから文句が出ようか!」と思うレベルでしたね。
発表時の私は、発狂にも似た歓喜の声を上げたものです。
あの独特の絵柄をクールアニメとしてどう描くのかという不安も勿論ありましたけど、何よりシナリオが1クールで描きやすい量なので、原作通り描けばそれだけで十分に面白くなるという確信もあったのです。
……ただ、そのシナリオが新たな味付けで更に魅力を増すとは…、これは嬉しい誤算でした。
では、勢い余って原作や実写映画まで再視聴しちゃったので、それを踏まえて「ピンポン」という作品と、アニメ版の良さを存分に語りたいと思います。
【あらすじ】
片瀬高校1年で、幼少期から一緒に卓球をしていたペコとスマイルが主人公。
卓球は強いがその才能に自惚れていたペコと、ずっとそのペコの後ろにいた内気なスマイル。
ただ、その卓球の才能は静かに、スマイルにも微笑みかけていたのです。
コーチとの試合からインハーハイ予選、これまで試合に消極的だったスマイルが、その才能の片鱗を見せます。
しかしペコは自身の実力を過信し続け、圧倒的に実力差が合った筈の旧友にも敗北をきすのでした。
コーチから見初められ、メキメキと頭角を現すスマイル。
自暴自棄になったペコは再び、スマイルのヒーローとして彼の元へ返り咲けるのか……。
【論じてみる】
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では、ここからはキャラクターについて、好きなシーンを交えて語りたいと思います。
(※全部読むと長くなるので、視聴した方が好きなキャラのトコだけでも見て下されば嬉しいですwww)
【ペコとスマイル】
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【佐久間 学(さくま まなぶ)/アクマ】
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【孔 文革(コン・ウェンガ)/チャイナ】
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【オババとバタフライジョー】
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【総評】
原作にも実写映画にも無い、新たな「ピンポン」の魅力を引き出せたアニメとなったのではないでしょうか。
監督と原作者が深い交流であるからこそ、ここまでの仕上がりを見せられたとも言えるでしょうね。
自分の中では、シナリオ構成はアニメ、絵は原作、音楽面は実写映画、と綺麗に票を分けた結果となりました。
先でも述べた通り、こう別のメディアを比べ合うのもおかしな話かもしれませんが。
それでも、他の媒体では出来ないアニメならではの良さを活かした内容だったのは、間違い無いです。
多少の不満はありましたが、それでも大いに3ヶ月間楽しませてもらった感謝の気持ちを込めて、タイトルの通り製作者全ての人に、オババみたく
『『 愛してるぜ! 』』
って言いたくなりました。
絵に抵抗が無い方も、むしろある方も、是非このシナリオを思う存分楽しんでいただきたいと思います。
作中の台詞を引用すると
「真夏にカーテン閉めきって、たかが2.7gの玉の行方を必至に追いかける根暗なスポーツ」
に、大の男達が思いっきり必至に向きあう様を描いたのが、本作です。
ではでは、とても長々としてしまいましたが、読んで下さり本当にありがとうございました。
◆一番好きなキャラクター◆
『佐久間 学/アクマ』声 - 木村昴さん
◇一番可愛いキャラクター◇
『ムー子』声 - 栗田エリナさん
以降、どーでもいい話なので、〆ます。
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