宇宙ステーションで未来なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の宇宙ステーションで未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月26日の時点で一番の宇宙ステーションで未来なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.9 1 宇宙ステーションで未来なアニメランキング1位
クラッシャージョウ(アニメ映画)

1983年3月12日
★★★★☆ 3.7 (55)
211人が棚に入れました
 宇宙のなんでも屋“クラッシャー”であるジョウとその仲間たちの活躍を描いた、SF冒険アクション。原作は高千穂遥の同名小説。本作の脚本も同氏が執筆。キャラクターデザイン・脚本・監督を、原作小説の挿絵を担当している、安彦良和が手掛けた。時は未来。人類は宇宙へと進出し、他惑星への移住を開始していた。クラッシャーを生業としているジョウたちは、休暇中に飛び込みで依頼された仕事を“クラッシャー評議会”を通さずに引き受けてしまう。仕事の依頼人はバレンスチノフという男性。依頼内容は、病気の治療のために冷凍保存されている大企業の令嬢・エレナを、手術のできる医師が待つ星へと送り届けて欲しいというもの。だが、航行中に機体が原因不明の事故に遭い、全員が気絶している間に、エレナとバレンスチノフが消えてしまう。実はこれら一連の事件はすべてバレンスチノフが仕組んだ芝居だった。依頼人バレンスチノフは本当は海賊の一味で、エレナも彼が誘拐していたのだ。しかも、彼女はエレナという女性ですらなく…。果たして事件の真相は? ジョウたちは汚名をすすぐことができるのか?

声優・キャラクター
竹村拓、佐々木るん、小林清志、小原乃梨子、二又一成、武藤礼子、大塚周夫、納谷悟朗、小林修、久米明

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

宇宙が、熱い

<2021/6/13 追記>
CSで放送されてたので久しぶりに見ました
あらためて面白いですね。

アニメとして、そしてSFとしての出来が良い。
クラッシャーという稼業がカッコよい。

ただ一つ残念なところとして
本作(映画版)は原作に比べ少しストーリーが薄い感じがするのです。
原作の複数のストーリーの面白いシーンをつなぎ合わせたような気もする。
なんかぎこちないんですよね。
トラブルに巻き込まれていく必然性や
ゲストヒロインとの関係性や
キーとなるテクノロジーのヤバさや
そこら辺の掘り下げが物足らないからラストのカタルシスが物足らない

原作はそこら辺が丁寧によくできてる印象があって。
同じく宇宙海賊を敵に回す原作第2巻「撃滅!宇宙海賊の罠」なんかは物語にズンズン引き込まれました。

他にも第3巻「銀河系最後の秘宝」、第6巻「人面魔獣の挑戦」、そして第4巻「暗黒邪神教」と第7巻「美しき魔王」の話なんかは大好物でした。
タイトル安っぽいけど笑

でも総じて面白いですよ。
今のアニメにはなかなかない「スペースオペラ」としての面白さがあります。。

<2017/12/12初投稿>
昔映画館で観ました。
原作が好きで。
映画も好きでした。

そんな好きだった作品をうろ覚えでレビューしてみます。

ワープ航法が開発され普及し人類が地球から銀河の各地へ飛び出して数十年後。
極端なガス状のものを除くあらゆる惑星がテラフォーミングされ、いろんな恒星系の惑星に人は移り住み、無数の太陽系国家が形成された時代。
そこには犯罪以外のあらゆる荒事を生業とするクラッシャーと呼ばれる猛者達がいました。
元々はテラフォーミング作業を主業としていたクラッシャーは時代が移るに連れ、宇宙空間の巨大デブリの除去から要人警護、重要物の搬送、人探しなど仕事は多方面に広がり、比例して軍には及ばないものの強力な武力と高度な戦闘力を得ていきます。

そんなクラッシャーの一つ、チーム・クラッシャージョウが大暴れする痛快アクション・スペースオペラです。

クラッシャージョウは最高のSランクを誇る凄腕チーム。
若干18歳にしてリーダー、超腕っこきで技術も根性もある、ぶっきらぼうなイケメンの「ジョウ」。
パイロット兼リーダーの補佐兼後見人、全身の90%をサイボーグ化しているクラッシャー経験値∞の大男「タロス」。
紅一点で元王女とは思えないようなやりたい放題の「アルフィン」。
元浮浪児で15歳と経験は浅いがすばしっこいムードメーカーの「リッキー」。

こんな凸凹チームがとある大きな依頼を受けるところから物語は始まります。

ジョウのチームは受けた依頼を淡々とこなそうとしますが、そこには巨大な陰謀を背景とする巧妙な罠が。
彼らは騙され、窮地に陥っていきます。
そして、そこからの・・・!
あとは観てのお楽しみですが、とにかくハラハラ、ドキドキしたのを覚えています。

クラッシャーはそのルーツからならず者と見られがちですが、実は厳しい掟に縛られ、犯罪に加担したとみなされるとクラッシャー業界から追放されてしまう。(と言いながら裏社会から巧妙に情報を入手したりなんだりするんですけど 笑)
そんな縛りがあるせいで追い込まれ感がさらに増していきます。

そして、クラッシャー達が使う装備などがまた子供心をくすぐる♪
・同サイズの宇宙船では銀河中でも最高性能を誇るミネルバ
・ミネルバに搭載された複座型戦闘機のファイター1とファイター2
・おなじくミネルバ搭載の汎用型戦車ガレオン
・防弾耐熱で、あらゆる物質を燃え上がらせるアートフラッシュを胸のボタンにあしらった多機能スペーススーツのクラッシュジャケット
・小型の小惑星を一瞬で消滅させる分子爆弾
・宇宙空間でも発砲できる無反動ライフル
・ライトセーバーやビームサーベルを思い起こさせる電磁メス
・口径により破壊力が異なる戦艦兵器のブラスター砲
・通常航行の加速によるGを無効化していく慣性中和機構

などなど。

声優も覚えてます。
ジョウは竹村拓、アルフィンは佐々木るん(他にどんな作品出演されてたかはすみません。知りません)
タロスは次元大介の人。リッキーは元祖のび太。

スピード感あふれるアクションとダイナミックな宇宙での戦闘が安彦良和クォリティで楽しめます。

書き忘れてました。
安彦良和の初監督作品です。

うろ覚えなので雑な感じになってしまいましたが、数年前に映画館でリマスター・リバイバル上映してたようです。

こういうの好きな方は是非お試しくださいませ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31

75.8 2 宇宙ステーションで未来なアニメランキング2位
地球外少年少女 前編「地球外からの使者」(アニメ映画)

2022年1月28日
★★★★☆ 4.0 (51)
339人が棚に入れました
日本製宇宙ステーション「あんしん」。
地球への移住のため、ステーションでリハビリを行っていた月生まれの少年・登矢と、その幼馴染・心葉は、初めての宇宙旅行に地球からやってきた子供、大洋、美衣奈、博士とともに、ステーションと彗星の衝突事故に巻き込まれてしまう。
大人たちとはぐれ、ネットが切断された閉鎖空間。そのなかで子供たちはときに反発し、ときに助け合いながら、減圧、EVA(宇宙遊泳)、マイクロマシンの暴走と様々な困難に立ち向かう。

Tnguc さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

未来に胸馳せるスペースドリーム

~
 「電脳コイル」から約15年。磯光雄(いそ・みつお)監督の待望の新作は宇宙ステーションに住むルナリアンの少年と、そこへ社会見学に来た少年少女たちの出会いを描く。高度に発達したAIをとりまく、子どもと大人、それぞれの目線から描いた宇宙規模のファンタジーが全6話の中でさんざめく。吉田健一(よしだ・けんいち)によるキャラクターデザインを、井上俊之(いのうえ・としゆき)らが率いるアニメーションで高品質に描き、さらに、観念的だけど馴染みやすい電脳世界のエフェクト描写など、プロフェッショナルな作りは相変わらず健在だ。作画以外にも電脳コイルから引き継がれた要素は沢山あるものの、さすがに15年の歳月も過ぎれば二番煎じ感も少しは和らぐが、ある意味「ゆりかご」から抜け出せていないようにも見える。ただ、コスミックな劇伴や、藤原夏海(ふじわら・なつみ)や和氣あず未(わき・あずみ)といった新人女優賞役者の起用、さらにはネット配信の文化を上手く取り入れた物語など、コンテンポラリーな嗅覚は電脳コイルから更に精錬されている。映画前後編(サブスクだと6話)というやや特殊な話数ということもあり、各キャラの紹介や掘り下げが物足りなかった点は否めないが、近未来宇宙という題材は至極丁寧に扱われ、全くと言っていいほど無駄のない展開がシームレスに生み出されている。なお、電脳コイルでも感じたことだが、サイバーな部分が色濃くなる度、ビジュアルに反して専門的な知識が要求される。だが、可視化された通信描写の面白い表現力もあって、眺めているだけでも簡単に乗り切れる。これがなかなか絶妙。さらに、近未来的な設定もカジュアルな外見で至るところに配置されているため、視聴後には工学に対して興味が沸き立つ感情を覚えるだろう。そういった知性に訴える内容と、宇宙を舞台にしたサイエンス要素も相まり、とくに、そのような環境で成長する主人公たちの姿に共鳴した同年代の視聴者にとって、この作品は極上のセンスオブワンダーとなる。

個人的評価:★★★★☆(4.5点)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

オマージュだらけの意味は?SFエンタメとしては最高。テーマ性は後半でしょう。

 後半見る前に書いています。ネトフリに入って良かったと思える作品に出合えました。現時点ではかなり面白いです。

 本作は他作品の類似性に触れないで語ることは無理でしょう。もちろん電脳コイルがベースにあります。電脳コイルの眼鏡デバイスが不自然なことは修正したみたいですね。スマホになっていました。

 電脳コイル、愛おぼえていますか(無重力化と落下)、シドニアの騎士(質量投射、急制動の描写)、ガンダム(ララア的な精神感応、コロニー落とし、シャアの思想)、攻殻機動隊(電脳空間の描写)、プラネテス(月生まれの少女、テロ?)、宇宙ショーへようこそ(子供たちが宇宙へ観光、自販機、演出)、エヴァ(14歳)、君の名は。(彗星)等々いくらでも上げられます。セブンの設定は「アルジャーノンに花束を」をちょっと想起します…セブンポエムがありますので心情は逆ですけど。老人も何かありそうですけど、思いつきません(老人Zは考えすぎ?)。

 あのサッチーの武器みたいなやつも出てますけど、あれはプログラムだったから飛んでましたけど、本作は実体があって重力があるんですよね?プロペラのドローンなんでしょうか。これが良くわかりません。

 それとキャラの名前ですね。みんな宇宙がらみです。相模は相模原のJAXA、筑波は宇宙センター、美笹と野辺山は天文台、種子島はロケットの発射基地、ヒューストンとナサは言うに及びません。七瀬だけわかりませんが、セブンと何か関係があるんでしょうか。

 つまり、フィクションのSFと現実の宇宙に関する設定を網羅した2022年現時点までの宇宙に関する事柄の集大成なんでしょう。
 それとユーチューブです…SNSについてもテーマに含めていました。ですが、あのコメントの機能はニコニコ動画でした。あのコメントが流れる設定が如何に秀逸だったか。ニコニコ動画ってすごかったですね。
 ユニクロには何かのメッセージがあるんでしょうか。(民間アパレル企業が宇宙産業に進出?)

 さて、ストーリーそのものは、前半ですけどいいですね。宇宙開発とネットワーク社会を融合して、前述の通りいろんな宇宙的、SF的なものを放り込んで、環境問題も絡めて興味を引くストーリー展開にしています。

 若干ご都合主義に助けられている部分もありますが、あまり気になりません。むしろ色んなオマージュをしながらSF的な描写とストーリーを良くここまで作り込んだと感心しました。
 それほどわかりづらいSF設定ではないので、エンタメとしてSF慣れしていない人にも読解力のハードルは低いと思います。楽しみ易いと思います。
 ちょっと和解の部分があれよあれよという感じでちょっとなあ、ですけど。緊急事態から脱して衣食足りて礼節を知るということでしょうか。

 作画は最高レベル。宇宙や宇宙ステーションの描写も素晴らしい。EDもカッコいいい。
 それと壁面の表示のユニバーサルデザインは頑張ったんでしょうね。なかなかいい意匠でしたし、設定としても良かったと思います。

 とにかくまずエンタメとして面白い。そして後半にテーマ性の回収があるんでしょう。前後半の前半としては非常に良い出来でした。

 後半見る前ですけど満点をつけます。また、気付きがあれば追記します。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Miha yupae wo mihae binatsu pae no ga mashaa

AIが発達し、民間企業による宇宙開発が盛んになった2045年
月で生まれた最初の世代である相模登矢(サガミ・トウヤ)は陰謀論を信じる厨二病の14歳
彼ら月で生まれた子供達は先天的に発育に問題を抱えており、ソレを解決すべく当時史上最高の知能指数を誇ったAIである【セブン】によって脳にインプラントと呼ばれる装置が埋め込まれた
しかし時間と共に体内で分解される筈のインプラントは体に残り続け、登矢や幼馴染の七瀬・Б・心葉(ナナセ・バイコヌール・コノハ)の命を蝕んでいた
【セブン】は多くの謎を残したまま、AIを規制しようとする新国連【UN2.1】によって処分されてしまった
登矢はそのAI規制こそが陰謀の一端であると信じ、規制を解除してインプラントを除去する術を考えるAIを誕生させようと孤軍奮闘のハッカー活動をする日々だ
地球の重力に耐えられない2人は民間企業によって開発、運営される宇宙ステーション【あんしん】で日々を過ごしている
その【あんしん】に観光モニターとしてユーチューバーの美笹美衣奈(ミササ・ミイナ)、その弟で登矢のフォロワーでもある種子島博士(タネガシマ・ヒロシ)、【UN2.1】公認ホワイトハットハッカーの筑波大洋(ツクバ・タイヨウ)が訪れたある日、【あんしん】が周回する地球の低軌道上ではほぼありえない彗星とのニアミスが発生する
命の危機に晒されながらも、登矢の知識とチームワークでソレを乗り越える面々
しかし彗星とのニアミスは【セブン】を神の如く盲信し、AI規制を撤廃させんとする【ジョン・ドー】と名乗るテロ組織と【あんしん】が関与してる事を疑った国連軍によって仕組まれたものだった・・・


『電脳コイル』で未来予知とも言える世界観を作り上げた磯光雄監督の実に15年ぶりの新作
アニメスタイルという雑誌で企画だけは随分前から発表されてましたが「ジュブナイルは売れない」「宇宙モノはオワコン」等と否定的な意見を散々浴びせられ、あわやお蔵入りになり掛けてたところを、当時の徳間書店の編集者で現在avexのプロデューサーである岩瀬智彦氏の尽力で晴れて日の目を見る事なったわけです
最初に埋もれていた本作の企画を発掘して「アニメ化したい!」と言ったのは本作のキャラデザも担当している磯監督のジブリ時代の後輩にあたる吉田健一さんだそうで、吉田さんはシナリオ打ち合わせにも参加されてて、監督が脚本を兼任してる手前、壁役になる人が必要でその壁役が吉田さんとのこと


今作でもAIの政治参加、肌に印刷されるウェアラブル端末、身近になった宇宙旅行、簡易宇宙服、不織布で出来た宇宙ステーション等の様々な世界設定やギミックが“21世紀らしい宇宙SF”を感じさせてくれます
ファンの年齢層が高めな『宇宙戦艦〜』や『機動戦士〜』で描かれた様な宇宙はアニメでやり尽くされてしまったので、より新しい世代に向けた作品にしたかったそうです
これまでのアニメは軍人や科学者が宇宙に行ってましたが今作ではユーチューバーの子供が宇宙に行く、というのが新しいですね


特に面白いと思った設定がAIが暴走して人類を駆逐するディストピアなのではなく、シンギュラリティ(進化し過ぎて人類を超越し神に等しくなったAI)に到達したAIを抹殺から救う話でもなく、実際シンギュラリティに到達しかけたAIを「殺してしまった」後の世界が舞台だというところだと思います
主人公の登矢は“殺される事を予知出来た”であろう【セブン】が何を考えていたのか知りたがっているのです


また磯監督は20世紀の宇宙SFは夢や希望に溢れていた“肯定的な宇宙SF”だったが、21世紀初頭からソレらが「ダサい」と言われる風潮になり、“否定的なSF”が増えた
宇宙が身近になった現代、以前の“否定的なSF”もやり尽くされ、エッチなラノベ系と日常系美少女モノが跋扈してる今が“肯定的な宇宙SF”の復権の時だと思ったそうです


このレビュのタイトルは主題歌「oarana」の歌詞です
これは本作の劇伴も手掛けてらっしゃるVincent Diamante氏が造語で作った歌詞で、oaranaとはクジラを示しているそうで、劇中でクジラは【セブン】のイメージとして登場してることから人智の届かぬ存在である【セブン】が人類に向けて呼び掛けてる様なイメージの曲として作られた様です


実はほぼ全てのトークショーに参加したのでブックレットやネット記事なんかでも公にされてない裏設定なんかも一通りメモってあります
後編ではネタバレ込みで尺の都合上カットされてしまった本作の裏設定について細かく解説したいと思います
そもそも90分作品のはずがシナリオが膨大過ぎて泣く泣く30分×6話にしたものの、それでもカットせざるを得なくなったそうですから
流石はエヴァの『使徒、侵入』でも最初は2時間越えのシナリオを書いてしまった磯監督w

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1
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