学園で蘊蓄なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の学園で蘊蓄な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月27日の時点で一番の学園で蘊蓄なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.0 1 学園で蘊蓄なアニメランキング1位
ラーメン大好き小泉さん(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (571)
2294人が棚に入れました
今日もどこかで、彼女はラーメンを食べているー
クールで無口な美人女子高生の小泉さんは毎日おいしいラーメンを求めて食べ歩く生粋の“ラーメン通”だった。
小泉さんはラーメン以外のことには興味がなく他人と馴れ合わない。ただひたすら求め続けるのは“ラーメン”のみ!
ラーメンあるところに小泉さんあり!ひたすらストイックにラーメンを食べ続けるその姿は見る人すべてを魅了する。
ガツンと本格派ラーメングラフィティ、いざ着丼!

声優・キャラクター
竹達彩奈、佐倉綾音、鬼頭明里、原由実、中村悠一、植田佳奈、豊崎愛生

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

今は無きTVチャンピオン「ラーメン王選手権」を想う。(登場ラーメン店視聴メモを追加)

第2話までを視聴済みで、これを書いています。有名タイトルである原作マンガですが、未読です。
(→ その後、原作コミックスは既刊分を読みました!)

ある意味「美麗な女子高生の好物がラーメン」という出オチで終わってしまっているという見方もありますが、小泉さんのラーメンを食べる姿勢、態度はたぶんラーメン好きな人のそれであろうと思いますので、好感度は高いです。

ところで二十年以上前から十数年前までの間、テレビ東京系の番組で『TVチャンピオン』という雑学や特技などを決められたテーマで出場者が競う番組がありました。

この番組は現在も特番として放送される『元祖!大食い王決定戦』のご先祖様なのですが、そのTVチャンピオンの競技のひとつとしてラーメン店に関する知識を競うという「ラーメン王選手権」というのがありました。

私自身はラーメンは嗜む程度ですが、過去にこの番組は好きで観ていたので、小泉さんが語るラーメンについての蘊蓄は頷けるところも多々あって面白いです。ちなみに私も小泉さん同様、基本的にラーメンは独りで食べることが多いです。

ということで個人的には小泉さんのように熱心にラーメンを食べまくることはありませんが「ラーメン図鑑」的な興味は引き続き持っているので、おそらく視聴し続けると思います。

あ、「出前一丁」とかは凄くわかりやすいですが、ED主題歌での背景アニメのいろいろなインスタントラーメンやカップラーメンのTV CMのパロディは面白いですね。

ちなみにキャラクターのビジュアル的には、小泉さんよりは大澤悠(おおさわ ゆう)の方が好みです。見方によっては、ただの小泉さんストーカーですけどね…。

おまけ: ところで私の好きな「太陽のトマト麺」はパスタの亜種という見方もできるとは思いますが、小泉さん的に「ラーメン」にカテゴライズされるのでしょうか?(ちなみにこの店の初心者に私がお勧めするのは「太陽のチーズラーメン」Bセット(セット提供がなければ「太陽のチーズラーメン」+「らぁリゾ」)
→ 軽くググってみたところ、原作コミック4巻で取り上げられているようですね。

以上、「どこがアニメのレビューやねん」ということで失礼いたしました。

== [登場ラーメン店視聴メモ] ==
一杯目: 春木屋、ラーメン二郎、天下一品
二杯目: 蒙古タンメン中本、パパパパパイン
三杯目: (ハワイの)マクドナルド、天下一品(喜連瓜破店)、一蘭
四杯目: たいめいけん、一風堂
五杯目: トロケの台所、太陽のトマト麺、山手ラーメン本郷安庵、麺創房無敵家
六杯目: すごい煮干しラーメン凪、ミスタードーナツ、麺ダイニングととこ、支那そばや+無垢ツヴァイテ+YUJI RAMEN(新横浜ラーメン博物館)
七杯目: 浅草名代らーめん与ろゐ屋、自家製麺伊藤、中華そばつし馬、佐賀ラーメン美登里、博多らーめんいのうえ、らーめん弁慶
八杯目: ラーメン甲子園居酒屋さくら、吉村家
九杯目: 野郎ラーメン、ホープ軒
十杯目: 楽食拉麺 菊や(閉店)、スシロー、神楽坂飯店
十一杯目: どうとんぼり神座(かむくら)、麺屋丈六、ぼっこ志、龍棋信RIZE、ラーメンstyle JUNK STORY、麺のようじ、カドヤ食堂、世界一暇なラーメン屋
十二杯目: スガキヤ、味仙(みせん)、藤一番(ふじいちばん)、春木屋

※店舗名はあったりなかったりしますが、気にしないでください…。

※原作を読みました。4巻で出てきた店舗は新宿ミロードにある「太陽のトマト麺 NEXT」っぽいですね。ちなみに「らぁリゾ」(ふりかけのかかったライス:
シメに使う)にはちびリゾ(小ライス)もありますよ。 (2018.1.20追記)

2018.1.25追記:
次回予告からすると「太陽のトマト麺」くるのか!?

2018.2.2追記:
第5話: 来ましたね太陽のトマト麺。店舗は新宿MYLORDにある「太陽のトマト麺NEXT」ですね。小泉さんのチョイスもこの店では鉄板メニューの「太陽のチーズラーメン+らぁリゾ」でした!

2018.2.9追記:
第6話: 小泉さんの言葉の通り、関西で「冷麺」といえばいわゆる「冷やし中華」のことですね。そして小泉さんは浴衣姿で夏のイベント開催中のラー博へ…。

2018.2.16追記:
第7話: 原作エピソードに心当たりがないのでアニメオリジナル回でしょうか。作中では季節は夏のようです。サブタイトルは『全国』ですが、小泉さんは日本中のラーメンをいかにして食べ歩くのか…(笑)?

そして悠は安定のストーカーぶりですね。そして美登里はたぶんもうお店はやっていない…。

2018.2.25追記:
第8話: ご当地ローカルな全国のインスタントラーメンをお店で作ってくれる居酒屋さくらと、家系ラーメン総本山の吉村家。家系だと私は職場の近所にある武蔵家の支店をよく利用していますが、けっこう長いことやっていたトッピングのタイムサービスが無くなった代わりにライスが無料になりました。

2018.3.2追記:
第9話: マルタイ棒ラーメン。そこにラーメンがあるから食べるのだ。小泉さんがガスコンロで野外クッキング。お餅も入れてましたね。

豚野郎ラーメンと背脂チャッチャ系は、個人的にはほぼ見てるだけ…(笑)。

2018.3.12追記:
第10話: 北千住にあった、おかしなメニューばかりの菊やはもうありません。小泉さんとの会話が悠の脳内で、すべて都合よく改竄されている…。

このえぴーソードの後でのアイキャッチでのジングルが、普段とは違う変調されたアレンジバージョン(イ短調?)になっていましたね!

ちなみに私は回転寿司屋で麺類を頼んだことはありません。

2018.3.16追記:
第11話: 悠のラーメン再現力がヤバい(笑)。そして大阪ラーメン食べ歩きがヤバい。新キャラで、原作で潤(委員長)と並んで私が好きな悠の従姉である絢音(あやね)さん登場!

2018.3.23追記:
第12話: エピソード「名古屋」は原作コミック2巻に収録。悠ちゃん、小泉さんとの初メールがそれで良いのか(笑)!?

2018.12.21追記:
新宿ミロードの「太陽のトマト麺 NEXT」の業態が「太陽のトマト麺 with チーズ」に変わっていました。ちなみに竹下通りのお店も12/15から「太陽のトマト麺 with チーズ」の業態で営業するらしいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 84

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

♪ ラララ ラーメンと一緒に前髪食べてる小泉さん

2018年放送中のテレビアニメ 全12話

原作 鳴見なる 監督 セトウケンジ 構成 高橋龍也 制作 Studio五組
AXsiZ

セイレンに続く共同制作となる作品です。
本天沼と梅里、すぐ近くの会社なので話が通るんでしょうね。
監督はLAST EXILE以来のベテランスタッフでGONZOやAIC系を経て監督4作目です。

まんがライフSTORIA連載のコミックが原作ですが、
アニメ化以前に連続テレビドラマ4話とテレビスペシャルドラマ2本がありました。
実写版小泉さん役は「早見あかり」。
作品の性質上実写ドラマ先行は納得できます。

さて、テレビアニメ12話にどう構成するのかが見どころですが、
3話まで見てやや不安感が・・・

個人的にラーメンが好きではないのが原因かもしれません。
また、従来のグルメコミックと違う点として、
ラーメンを思いっきりおいしがるキャラが主人公と言うのはマンネリを呼ぶかもしれません。

本作の語り手であるボーイッシュ少女「大澤悠」の新妻風ラーメン手料理が、
最大の盛り上がりになるような嫌な予感が・・・

しかし、3話まで見て3話が最高だからこの後が不安とか、
おかしな考え方なので、ここは今後のさらなる盛り上がりに期待して視聴継続です。

小泉さん CV竹達彩奈 身長152cm ロングヘアー
大澤悠 CV佐倉綾音 身長160cm ショートヘアー

この身長差が百合と言うより変態っぽくていいですね。

第4話の立ち食いラーメン屋の普通の醤油ラーメンと塩ラーメン+バター
が今までで一番おいしそうでした。

新宿ゴールデン街の朝ラーメン、神田すずらん通りの冷やしラーメン
どっちもまずそうw
鳴子橋ってどこですか?この醤油ラーメンは旨そう。

☆今期初完走作品となりました。

つまり、毎週最も楽しみにしていたと言うことかもしれませんが、
「異世界食堂」と同様に家族の同意を得られて見れたのが原因でしょうね。

ラストの小泉さんの「は~」には胸が熱くなりましたが、
流石にこのための布石「は~」が30回以上と言うのはやり過ぎでは・・・
アニメの出来は標準以上、流石は「ゆゆゆ」のスタジオ五組です。
普通に考えて15分アニメで製作が順当でしょうが、フルサイズでやりぬいた根性は評価できると思います。
ソフトが売れる作品ではないでしょうが、ゴールデンタイム再放送で評価が上がりそうな佳作でした。

一気観は・・・無理かもw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52
ネタバレ

おぬごん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

小泉さんのおかげでラーメン屋に行く頻度が増えました…

ただでさえ体重気にしてるのに……

……じゃなくて、実写ドラマ化もした人気漫画が原作です。木曜飯テロ枠その1ですねw
ちなみに私がこの作品を知ったのは、よく行く近所のバーミヤンのテーブルに「バーミヤンが漫画で紹介されました!」って貼り紙が貼ってあったのがきっかけだったりしますw

基本的には美少女JKの小泉さんがラーメンを食べるだけの話なのですが、それだけに視聴者を飽きさせない工夫が見事でした
ラーメンに合わせた話作りもそうですが、相方(?)の悠と、いかにもJKな美沙と潤の使い分けが良かったですね
特に一話通じて悠が登場しなかった9話からの、続く10話のギャップは凄まじいものがありましたwww
Abemaの最速放送だと前回→最新回と2話連続放送なので、その落差がより際立ったんですよねw

ラーメンの紹介も丁寧で、かつ薀蓄や美味しく食べるポイントなどもしっかり抑えていて好印象でした
特に印象的なのが、小泉さんが他人に「それ美味しいの?」と聞かれた時に必ず言う「私は好きです」という言葉です
作中登場する尖ったラーメンの数々は、人によって好き嫌いが分かれて当然
それを分かった上で「美味しいよ!」「絶対食べてみて!」と言わず「私は好きです」と言える小泉さんに(作者に)、確かなラーメン愛を感じました
あと、つけ麺や汁無し麺に逸れず、ラーメンだけで完走したのも評価したいですね

メイン4人のキャスティングには実は結構こだわりがあって、恐らくオーディションじゃなく指名だったんでしょうね
小泉さん役は声優界の食いしん坊代表・竹達彩奈、悠役は百合が大好きで花澤香菜について語り出すとかなりヤバイあやねる、美沙役はラーメン屋でバイトするほどのラーメン好きの鬼頭明里、そして潤役は声優界きってのラーメン好きとして有名な原由実
食いしん坊やラーメン好きが演技に活かされていたのかはちょっと分かりませんが、あやねるの悠は演技なのか素なのか分からなくて、毎回笑わされましたw
『ゆるキャン』のレビューで「なでしこの『リンちゃ~~~ん!』は何度聞いても幸せな気持ちになれる」と書きましたが、悠の「小泉さあああん!」は何度聞いても笑ってしまいますw
あと麺をすする音、あれどう録ってるんでしょうか
『うまるちゃん』では田中あいみが実際にカップ麺を食べてましたけど、この作品で毎回麺を食べてたら声優の負担が半端ないでしょうし…w

酷い歌詞(褒め言葉)なのにいい歌なOP、EDも好きです
インスタントorカップラーメンのCMパロディと、テレビの変遷を描いたEDも素晴らしかったですね
余談ですが、放送前は「ドラマ同様にOPかEDのどっちかはあの曲のカバーになる」と予想…いや、確信していたんですが、違いましたw


明るく楽しく丁寧で、多種多様なラーメンのように飽きさせない作りで、毎回飯テロされていました
タイトルのとおり、小泉さんのおかげでラーメンの魅力を再確認し、ラーメンの消費量が増えてしまいました……
ダイエットアニメはよ……



~以下、ラーメン好きとしての余談~
実は私、あにこれに来る随分前はアニメじゃなくラーメンのレビューサイトにいたほどのラーメン好きですw
というわけでこの作品に出てきたラーメンについていくつか語っていきます
※アニメ本編にも触れてますが、ほぼ自分語りです
{netabare}
・一杯目「ヤサイマシニンニクカラメ」
言わずと知れた「ラーメン二郎」。このアニメを見て数年ぶりに池袋店に行きましたw
不意打ちを食らった悠がちゃんと完食したのはかなり好印象でした
私は「ヤサイマシカラメニンニク少なめ」でいつも頼んでます。ニンニクあんまり好きじゃなくて
ただ私は、二郎を食べることに全く苦痛を感じないタイプです。最初から最後まで美味しく完食します
ちなみに私の青春だった高田馬場店は私の卒業と時を同じくして閉店し、現在は花屋になっていたり…
その後早稲田通りにできた用心棒にもよく行ったんですが…そこも潰れたんですよね
ジャンクガレッジも潰れちゃいましたし、早稲田~馬場はJ系に厳しい

・一杯目「こってり」
こちらも言わずと知れた「天下一品」。そしてこちらもアニメを見て2年ぶりくらいに食べましたw
サイドメニュー含めてカロリーと味の暴力ですよねw
大学時代たまり場だった友人の家の近くにあったので、私にとって天一は大学時代を思い出す一杯です

・二杯目「北極」
こちらも有名な「蒙古タンメン中本」。放送期間中、EDを歌っている西沢幸奏とコラボしていましたねw
私は辛いのが苦手なので、いつも味噌タンメン野菜増しを頼みます
蒙古タンメンくらいなら完食できるんですけど、翌日の腹と肛門が……

・三杯目「味集中カウンター」
こちらも有名店「一蘭」ですね。ここを選ぶ小泉さんが非情すぎて笑いましたw
味は王道を征く豚骨ラーメンで美味しいと思いますが、福岡県民的には値段が…(後述)

・四杯目「ようしょくてん」
たいめいけんにラーメンがあるのは知っていましたが、あんな裏口みたいな所があったんですね!
オムライスしか食べたことないけどw
ボルシチとコールスローの味と安さは衝撃的でしたね~

・四杯目「赤or白」
「一蘭」と双璧をなす豚骨ラーメンの有名店「一風堂」ですね。
ちゃんとモヤシに触れていたのは素晴らしいですね!モヤシあってこその一風堂です!
ただ一風堂はぶっちゃけそこまで美味しいとは思わないんですよね…そして一風堂も値段がネックで…
福岡のラーメンって400円~600円+替え玉100~150円あたりが相場なので、普通の福岡県民は一蘭や一風堂をはじめ、博多の駅ビルに入ってるような700円超のラーメン屋に入るのは躊躇しちゃうんですよね~

・五杯目「行列」
池袋の「無敵家」!懐かしいな~、行列に引かれて大学入ったばかりの頃よく行きました!
でも無敵家は確かに美味しいんですが、あれだけ並んで食べるほどかと言われるとまた微妙でして…w
池袋には他にもっと美味しい店があると気付いてしまったので、もう何年も行ってないですね~

・七杯目「全国」
「与ろゐ屋」と「伊藤」はラーメン狂時代に行きました!
どっちも浅草らしい、シンプルに出汁と醤油で勝負する素晴らしい味でした
ちなみに放送当時「与ろゐ屋じゃん!」ってツイートしたら、与ろゐ屋の公式アカウントにファボられましたw

・八杯目「家系」
家系は男の味ですよね!男回にしたのほんと分かってるな~!
まあ普段出ないキャラな分、この回だけちょっと台詞回しが下手だったけど…
家系は大好きなんですが、恥ずかしながら吉村家はまだ行ったことがないんですよね~
球界を代表するラーメン通・阪神メッセンジャーが最も愛する吉村家…いつか行ってみたいです

・九杯目「背脂」
同じ背脂でも燕三条系ラーメンは好きなんですが、背脂チャッチャ系はあんまり好きじゃないんですよね…
この回にも出てきた無鉄砲なんかは、一緒に行った友達は絶賛でしたが私は無理でした

・十二杯目「名古屋」
台湾ラーメンは微妙ですが、台湾まぜそばは大好きです!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

63.9 2 学園で蘊蓄なアニメランキング2位
バーナード嬢曰く。(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (215)
814人が棚に入れました
バーナード嬢こと町田さわ子と読書家の友人たちが図書室で繰り広げるブンガクな日々。古今東西あらゆる本への愛と、「読書家あるある」に満ちた“名著礼賛”ギャグ!

声優・キャラクター
喜多村英梨、小松未可子、市来光弘、洲崎綾
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不敵な笑みが意外とかわいいド嬢の前途に幸あれ

学校の図書室を舞台にした"名著礼賛"ギャグアニメ。本編3分。

「読書家に憧れるけど読書がめんどくさい‥」バーナード嬢曰く。それは読書家にならんとする者の多くが通る道、そして一端の読書家になったのちも度々通る事になる道? ブリキ男も若干そんなです。

若年期、身近に(主に年上の)読書ジャンキーがいると、その人の知識量とか視野の広さに圧倒され、憧れ、近づこうと、おばかな子供は無謀な事を考えるものです。気持ちだけが先んじて、いきなり難しい本を読もうと試みるのは子供の常、人の常、バーナード嬢の常。

バーナード嬢こと町田さわ子同様、奇しくも中学時代にメルヴィルの「白鯨」に手を付けたブリキ男、夏休み丸々かけて辞書を引き引き読み進めた記憶があります。文庫本のやつでしたが‥当時の私にとっては文章のみならず、内容的にも難し過ぎました。あれは大人になってから読むものです(笑)しかしながら、こんな分不相応の読書も実は決して無駄にはならないのが読書の面白いところ。読み終えた後の充足感と経験から得た自信が次の本を読む強い動機になるのです。読む冊数を重ねる毎に解せる語彙が増えていき、瀬田貞二さん訳の※1指輪物語全巻とか創元推理の※2ポオ小説全集とか読了する頃には、大体どんな文章でも読める様になっているものです。

でもやっぱり上の様な読み方は邪道。途中で諦めて読書嫌いになったり、似非読書家になったりする原因を多分に含んでいますので、あまりお勧め出来ません。青い鳥文庫とか岩波少年文庫みたいに、名著揃い、全訳なのにすいすいと読める本を地道に読んで、ある程度満足したのち、より難しい本に取り組んだ方が楽しく読書を続けられると思います。

子供でも大人でも読書習慣を身に付けようと思う人は、何よりも先ず"知りたい"と思う情熱を持つ事が肝要です。それを駆動力に変えて子供向けの本でも、大人向けの本でも、絵本でも、気の赴くままに読みまくるのです。一冊読み終えた頃には次に読みたい本が定まっているはず。これを延々と繰り返し、時代を越え、分野を越え、様々な書物をがむしゃらにむしゃらむしゃらと食べていくと、いつの間にかあなたも読書家の仲間入り。ふと振り返った時に、現在という読書履歴の末端から-小枝、大枝、幹へと-過去へと連なる"既読ツリー"の全容をはっきりと見下ろす事が出来るでしょう。

読書ノススメみたいになってしまいました(汗)

本編について

1話
{netabare}
初回は本のタイトルネタ。似非読書家のさわ子の唯一の得意ジャンル? SF小説中心の話題になってますが、さわ子、大御所のアシモフ先生の本すら一冊も読んでなし‥「アシモフってモフモフしちゃって‥」とか、余計な事言ってたら、真の読書家である神林(かんばやし)しおりさんの逆鱗に触れていました。神林さんのエキサイトする一人語りにさわ子も遠藤君も引き気味‥。延々と続く薀蓄満載のマシンガントークを受けて、困り顔から茫然自失、口半開き惚け顔になるさわ子の表情の変容に笑かされました。
{/netabare}
2話
{netabare}
今回のスミカさんの台詞「小学生の頃からシャーロキアンを続けて10年」という言葉に語弊が無いなら、舞台は高校だったんですね‥。キャラデザが幼い感じだったので中学生だと勝手に勘違いしてました。神林さんの読書量、中学生にしてはかなり異常なので少し安心(何が?)

作中で触れられていた"いつか読む"から"読まなくてもいいかも"の流れ、よ~く分かります。神林さん断言してましたね(笑)ブリキ男の家には大量の書(新刊は殆ど読まないので9.9割以上が古本)が溢れかえっていますが、全く手をつけていない本は一冊も無いものの、読了した本は半数以下‥。多分かなりの倹約家であろう私ですが、古本の誘惑だけには逆らいがたい‥。探していた本、面白そうな本を見つけてしまうと、ついつい手に入れたくなってしまうのです。これも読書家のさがというやつ‥。

今読んでる本を読み終えたら"何々を読もう"とは思ってはいるのですが、情熱は目まぐるしく変化するもので、その本を読了する頃には別の本に興味が移ってしまい。"いつか気が向いたら読もう"と最初の本はうっちゃられる形となり、そして必然の結果、"読まなくてもいいや"が生まれるのです(笑)

作中で紹介されていた本の中では、一般的には恐らく最も知名度の低いのが「スターメイカー」になると思いますが、この書は多彩な惑星、そこに生まれる生命、文明を描き出したSF小説の金字塔。かの※フリーマン・ダイソン先生をして、人工の生物圏(スペースコロニーとか)の発明の名誉はステープルドンに与えられるべきと言わしめたほど‥。物語的な面白さは皆無に近い内容ですが、広大な星々の世界を舞台にした正に宇宙年代記という趣。天文学、生物学などにご興味がおありになる方なら、とりわけこの書にかけがえの無い価値を見出す事が出来るでしょう。多くの科学者、SF作家に多大な影響を与えた名著中の名著ですので、ブリキ男がSF小説最高の一冊として皆さんにお勧めするとしたら間違いなくこの書です。でも神林さん、どういう意味で冗談って言っていたんだろう‥?

前回の鉄拳制裁の事を謝罪した神林さん、せっかく謝ったのに、またしてもさわ子のイイカゲントークにバイオレンスで応酬してましたね‥。やはりこの二人が話すとこうなってしまうのか‥。さわ子、鷹揚な態度で神林さんを許してあげたのに、また散々な目にあってちょっとかわいそうでした‥。

それはそれとして、今回はスミカさんにも出番があります。ホームズの"バリツ"について触れていました。アレは確かに謎です。一説によると日本語の"武術"の聞き間違えとか‥。あと"周ロック・ホームズ"ってなんぞや? レアアイテムなのかどうかは知りませんが、何というか‥色々とヒドイ‥。世にはまだまだ私の知らぬ、埋もれた名著、奇書が無数に存在する様です(笑)

※1:1935オラフ・ステープルドン著、1935年発表の書。

※2:数学、物理学の権威として知られている御仁。恒星のエネルギーを全て回収、利用するとされるダイソン球という宇宙建造物のアイディアを創案した事でも有名。娘に現ICANN(インターネットの地球規模のDNSの管理に関わる非営利団体)の会長でインターネット創始者の一人であるエスターと、天文学者のエミリー、息子にアリュート・インディアン伝統の船"バイダルカ"の唯一無二の研究家であるジョージを持つグレートなお父様でもある。ダイソン先生の著書「叛逆としての科学」いつか読みたいなぁ‥‥‥‥! ッこの思考パターンはマズイ(笑)
{/netabare}
3話
{netabare}
今回はSFと村上春樹さん、シャーロックホームズ関連のお話。

SFという略号、色々な意味を持たせたい気持ちは分かるけど、私的には発明者である「アメージング・ストーリーズ」の初代編集長に敬意を払って、"サイエンティフィクション"とするか、似た意味で広く認知されているサイエンス・フィクションで良いと思う‥。アシモフ先生とかハインライン氏ですらこの言葉の定義に独自の解釈を与えたがっていたらしい‥。神林さんの憤りも少しは分かる気が‥。

村上春樹さんの本は私、翻訳本を除いては「風の歌を聴け」以外多分一冊も読んでない‥。紆余曲折など無いとても読みやすい本だったと記憶してますが、最近のは、きざったらしくて難しそうな文章に変わっているのでしょうか? 作中でさわ子が真似してた中二病台詞満載の感じの本ならあまり読みたく無い‥(汗)村上春樹さんの最近の翻訳本では(といっても結構前だけど)ル・グゥインの「空飛び猫」シリーズの翻訳がとても柔らかくて読みやすい文章だったと思います。ねこ好きにはおすすめの本です。

スミカさんと神林さんの意外な共通点「※シャーロック・ホームズの宇宙戦争」は是非読みたい。ワトスンとかハドスン夫人、ドイル著の「失われた世界」のチャレンジャー教授も登場する様です。エンタメ小説として楽しめそうですね。

今回は神林さんのバイオレンスネタ無くて、最初の2話よりさらに好印象でした。わたし、ギャグとは言え図書館という場所に暴力を持ち込むのが気になっていたらしい‥。まぁ、神林さんのキャラ変わり様が無さそうなので、次回はどうなるか分からないケド‥(汗)

それにしても短いながらも情報量の多いアニメです。それでいて上手く纏まっているのは脚本、演出の妙。でも最後まで観終える頃には"読みたい本リスト"が大変な事になりそうです(笑)

※:スミカさんの口にしていたパスティーシュという言葉は"作風の模倣"という意味のフランス語の日本語表記(発音)。パロディもこれに含まれるらしい。
{/netabare}
4話
{netabare}
学生時代は有名作家の本は長編でも短編でもいいから一冊は読むという妙な読書スタイルだったので(ちょっとさわ子みたい)カフカもその中に‥。当然選ばれるのは一番薄い「変身」。それ程ページ数多くないし、中井正文先生訳の読みやすい文体なのに、虫が苦手だったり、セールスマンが苦手だったりして(笑)描写に不快感を抱きつつも苦労して読んでみたものの結局は断念。レビュー書くに際して再読を試みましたが、やはり途中で断念。無理な読書は時間の浪費になりますのでやめました(汗)

興味を持って読める書の方が明らかに早く読めますし、記憶にも残りやすいもの。知名度に捉われず、気の赴くままに読む方が良いと再確認させて頂いた次第。これもこのアニメの効能の一つですね。名著と呼ばれる書は無数にありますがどうせ全部は読めません。無理に手を出して火傷するという事を繰り返すと、さわ子みたいな読書離れが進んでしまうかも‥。ちょっと関係ないけど、さわ子風にカフカふかふか(作中ではそんな台詞ないけど)とか文学少年(少女)の前で言うのはやめといた方が無難ですよ‥? 多分トラブルの原因になります(笑)

神林さんが紹介しようとしていたJ・P・ホーガン氏の「星を継ぐもの」は続き物の1巻目。「ガニメデの優しい巨人」、「巨人たちの星」と続きます。1、2巻は不可解な事件から始まるSFミステリーといった趣。最後はちょっとスペースオペラ風味になりますが、※1「2001年宇宙の旅」とか※2「宇宙のランデヴー」とかが好きな人なら楽しめる事請け合い。単品でも良い読後感を味わえます。イギリス人作家による作品という事もあってか、男女関係などの話を必要以上に盛り込まず、節制のあるハードSFになっていると思います。

わたし、このレビュー書くまで知りませんでしたが、実はこの作品3部ではなく、現在5部まで刊行されており『内なる宇宙』と『Mission to Minerva(未訳)』という書もシリーズに含まれるそうです。「巨人たちの星」が切りのいい所で終わっていたので「内なる宇宙」が続編だって知りませんでした。未読なので近いうちに是非読んでみたいなぁ‥。

漫画「2001夜物語」の作者、星野之宣先生が漫画版を描かれているそうです。これも読みたいなぁ‥(またかっ!)

本編について、ほぼお約束となってしまった神林さんのさわ子お仕置きパート。今回はこめかみぐりぐりとか‥。見慣れたせいもありますが、神林さん少しだけ優しくなった様な‥。

そして今回の目玉はさわ子お手製「星を継ぐもの」の作品紹介ポップ‥‥‥って‥何の紹介だっ!(神林さん風に)‥冒頭で紹介された「銃・病原菌・鉄」への読書姿勢よりもヒドイ‥。さわ子、獄中で少し本読んだ方がいいのかも‥(笑)

さわ子のイーカゲンさと神林さんのまっとうさに、何だかんだで癒されて、笑かされて、納得させられてしまうアニメです。

※1:月面で発見された黒い板"モノリス"の調査についてのお話。

※2:太陽系内に巨大な円筒形物体が飛来し、その調査を行うお話。
{/netabare}
5話
{netabare}
三大奇書と聞いて「三国志演義」「水滸伝」「西遊記」とか答えない方が稀なのでは? とか思ったり‥。夢野久作の小説は例によって「少女地獄(短編集)」だけ読みました。ドグラマグラはちょっとは読んだけど、わざと難解な文章にしている様で時間の無駄な感じがして、すぐに読むのやめました。理路整然と書かれた文章は好きだし、心地良く韻を踏んだ文章も好きですが、こういうのは私は必ず断念してしまいます。読めないのではなく読みたくない‥。生身の人に対して抱く感情と似ています。読書にも相性があります。

神林さんの人の目など気にせず全身全霊を持って読書に当たるという心意気には前面同意。ファッションで読書するとかいう珍奇な風習があるらしい昨今、神林さんの言葉には力がありました。

あと1頁に1行くらいしか文字が書かれていない芸能人の書いたヨクワカラナイ紙束(本とは呼べぬ)。電子データか、あるいは10ページ位の小冊子にまとめればいいのに‥。こんなものの為に樹木の伐採が行われていると思うと資源の無駄としか言いようが無くて悲しい。以前ニュースかなんかで見たスポーツ選手の名言集だのがありましたが、やっぱり1頁に一行程度の文章しか書かれていないスタイル‥。勿体無いので切にやめて欲しいと願う。

神林さんも読んで失望するか怒るかするだろうなぁと勝手に想像してしまいました。
{/netabare}
6話
{netabare}
今回はさわ子の意見は言わずもがな、神林さんの意見にも全く共感を抱けず、置いてけぼりな感じでした。

私の場合、読了した本の後書きか、お気に入り作家の作品から、あるいはそのエッセイから、次に読む本を決定する事が殆どで、書店などのベスト10から読む書を選択するという行為の意図が分かりませんでした。というか出来ない‥。やっぱりファッション?

作中にあった質問、私だったら一冊も知らない"と答えるしかないでしょうね(笑)

前回の神林さんが語った読書に対する姿勢とはかなり離れた印象を受けました。

ただ自分のお気に入りの本に興味を持った人に、その本をあげたくなってしまう気持ちはよ~く分かります。持ってる本ぽんぽん人にあげてしまう性質のやつなので‥。それでまた買い直すんですが(笑)
{/netabare}
7話
{netabare}
古本屋のあれこれの話ですが、今回の話にも付いていけず訳が分からず。時と場合によって、必然とも言える成り行きで読みたい本を選択している私には新刊であるとか古本であるとかが、本を読む優先順位に影響を与える理屈が良く分かりませんでした。トレンドに乗るとかそういう心境なのでしょうか? だとしたら、やはり前回に続いてまたもやファッションの話の様な気が‥。せめて誰か一人でも反対意見を言う人がいて欲しかった気がします。

あと古本の価格の話ですが、最低価格がどこも100円になったのは多分BOO○OFFの所為で、私が子供の頃に通っていたいくつもの古本屋は小説でも漫画でも一冊30円とか50円とか、100円以下で売っている本がざらで、むしろ100円以上だとそれだけで購入を考えるレベルでした(笑)

今でも昔ながらの価格を通して頑張っている古本屋さんは稀にあります。学校の近くとか駅の裏通りとかで、もしそんなお店を見つけたら、本好きにとって間違いなく人生の宝になります。

本への書き込みについてですが、あれあると私は余計な事に気が回って読むのに集中出来ない事があります。最悪なのがどこを参照にしているのかすら分からない長ったらしい蛍光ペンでの塗り潰し‥、ネットショップなどに注文してそういうのに当たると外れを引いたも同然で、私の場合、別に本を買い直さねばなりません。

本の書き込みは本自体の価値を下げますし、誰かに貸す場合にも、返し読みする時にも邪魔この上ないのでやめた方が良いと思います。どうしても気になった箇所には、私は付箋を入れるようにしています。回収不可な感熱紙のレシートなどを適当な大きさに切って本に挟めておくのです。頭のところに少しばかりのメモを書いておけば索引としても機能し割と便利なのでお勧めです。

前回から紹介される本の冊数も減っているし、薀蓄も少なく、あるあるらしい話も?なので、あまり楽しめていない気がします。
{/netabare}
8話
{netabare}
神林さんの「最低でも1000冊読んでからSFを語れ」って言い過ぎでないかい?って思いました。学生だしそこまで時間を取れないだろうし、ハヤカワ文庫SFをだいたい2~3日で1冊読むとしても、読める本の冊数は年間120~180冊程度、控え目に見積もって単純計算すれば1000冊読むのにだいたい9年掛かる‥。作中の神林さんが15~8歳だとして、6~9歳の頃からそのペースで読み続けないといけない事になります。他のジャンルの本だって読んでいるだろうし、そりゃあいくら何でも無理、知ったかが過ぎるって気がしました‥。

読書数を誤魔化す行為をあるある話の様に見せてしまうと、第二、第三のバーナード嬢を生み出してしまう危険が増してしまうのでは?という気が‥。

あと背表紙のあらすじを読みたく無い場合、敢えて目を通さない選択をする自制心を大抵の読書家は身に付けていると思いました。私は良くそうしてます。
{/netabare}
9話
{netabare}
今回は本のカバーデザインのお話‥。学生時代古本屋通いだった私は吹きっ曝しで日に焼けたカバー無しの古本とか、安ければむしろ好んで手にしていたので、そこら辺は正直どうでもいいお話でした。ですが、ついうっかり表紙デザインに騙されて買ってはいけないものもあります。山本史郎訳の「ホビット ゆきてかえりし物語」はわたしの知りうる限り、その最たるもので、誤訳、迷訳だらけでひど過ぎる‥。原著か瀬田貞二先生訳の本を読むのが良いのです。装丁は美しければちょっと嬉しくなる程度のもの‥熱を入れて語るほどのものでは無い気がしました。昔読んだ岩波の布表紙の「はてしない物語」にはそれなりに心踊らされるものがありましたが‥。アウリン付いてたら最高だったけど(笑

紹介された本「氷」については、私はアンナ・カヴァンという作家の名すら知りませんでしたが、ド嬢の原作者の施川ユウキ氏はどうやらカフカ繋がりでこの書に触れる機会を得た様に思えます。でも私の歩んできた読書道からは両者とも外れた所にありました。残念。

本の事はさておき、さわ子と神林さんの心も体も暖まるお話は良かったです。さわ子、手とかぎゅってしたり、腕組んだりしたら、神林さん恋しちゃうじゃないか‥(笑)
{/netabare}
10話
{netabare}
さわこ風邪を引く、というお話。前回のお話の続き?

火の消えた様な図書室でしたが‥スマホにたびたび掛かってくるさわこからのどーでもいい話。さわ子の存在感は健在でした。病床にありながら至極元気。夏目漱石の「こころ」の教科書の抜粋箇所に文句言ってましたが、これは私にも分かるあるある話でした。

でもよくよく考えてみるとこのアニメ、読書観以外の熱い語りが一つも無い様に思えてきました。本の内容に触れていたとしてもあらすじの抜粋くらいなので、さわ子知識で十分‥。登場人物みんながド嬢ド氏に見えてきてしまいます‥そしてブリキ男も(笑)4分枠だから仕方ないんですけど‥。もし1冊の本について込み入った話をし始めたら30分枠でも多分足りないでしょうし‥。

でもまぁ、さわ子の元気さと神林さんのかわいさには、つい顔がほころんでしまうアニメです。

終幕近くの話。女子が部屋に置いてたらモテそうな本として遠藤君が「星の王子様」を挙げてましたが何故に?という感想。皮肉めいたお話だし、あまりモテそうじゃない気が‥。さわ子も神林さんもうえ~な表情してました。イーニッド・ブライトンの学園ものとか、イーディス・ネズビットのファンタジーとか置いてあった方が無害そうでモテそうな気はします。あくまでも想像ですけど‥。そもそも読書女子ってモテるんでしょうか(笑)

初回で期待していた様な内容のアニメにはなりませんでしたが、台詞の応酬を聞いているだけでも楽しめるアニメなので、最後まで視聴したいと思います。
{/netabare}
11話
{netabare}
「メロス、激怒した?」‥今回の注目所なのかも知れませんが、前に置かれた神林さんの台詞と何ら脈絡が無かったので私は特に笑えませんでした(汗)子供の頃はハッピーエンドに誤魔化された感がありましたが、改めて考えるとメロスってかなりヒドイやつ。自分勝手な理由から親友を名指しして人質にする様に王様に頼むし、居眠りするし‥。

そして神林さんが投げてしまった書として紹介されたトマス・ピンチョンの話。この人の本も私は一冊も読んだ事無し。説明を聞く限りでは私には読み進めるのが絶対無理‥という気はします。冗長で長ったらしくても平易な表現で書かれた本の方がずっと好きなので‥。翼を持った言葉で語りかけた。とか‥。

それにしてもさわ子、読めない事まで読書家ぶる為の材料にしようと打算するなんてどこまでもまっすぐな子‥(汗)

往復書簡の話では、神林さんがさわ子の良い所を色々と書き綴っていてラブレターみたいになってしまっていましたが、さわ子の知ったかぶりでさえも美徳の一つとして捉え始めている神林さん、もうさわ子に恋しちゃってますね(笑)

ところで、このアニメのテーマの一つとなっている知ったかぶりと知らないフリ、どちらが罪深いんでしょう? 私には良く分かりません。私に限って言えば、前者を忌避して後者を容認する傾向がある様です。別に後者の方が頭の良い選択とは思えませんし、誤解を生む点では同じ気はしますが‥。

上の話の関連で読書家の人に一言‥自分の部屋に友人を招いた時、その人が読書とは無縁の人であったならば十中八九してくる質問がありますので気をつけましょう。「これ全部読んだの?」というものです。こんな時、実際にそうだとしても「だいたいは」とか「半分くらいは」とかばか正直に答えてはいけません。間違いなく変態のレッテルを貼られます。正しい答え方は「読み終わった本なんか飾っとくわけ無いだろ」だと思います。これであなたはその人の警戒を解く事に成功し、特に感心も持たれず、悠々と読書ライフを楽しむ事が出来ます。多分‥。昔エライ人に聞いた受け売りですけど‥。

また学生の方は休み時間などに教室で読む本の選定にも注意されたし。目立つとろくな事が無いので出来るだけ難しい本は読まないのです。そうすれば誰の感情も逆撫でする事無く割と安心して読書出来ます。思えば学生時代の私の読書スタイルはド嬢と真逆で、いかに読書マニアに見られない様にと気を割いて読書していた時期があった事を今更ながら思い出しました。特に重そうな本を天下御免で読んでいると取り返しのつかない事になるのでお気を付け下さい(汗)似たもの同士の集まる部室とかで読みましょう。

‥知ったかぶりも知らないフリも自己防衛の類だったんですね(笑)
{/netabare}
最終話
{netabare}
学生時代、電車で本に熱中し過ぎて降り損ねた経験が何度かあるので、私は電車で本が読めません。あれってどうしたら予防出来るんだろう? 集中すると周りが見えなくなるやつなのでどうしようもない気もしますが(汗)

ディストピア小説の古典と言えばザミャーチンの「われら」を思い出しますが、あれも今回のお話で紹介されたディストピアン・ラブストーリーに含まれるんでしょうね‥。おすすめの小説です。テリー・ギリアムの映画「未来世紀ブラジル」の元ネタかも知れません。

このアニメ、内容を欲張っている様でしっかりとコンパクトにまとめているところに脚本の素晴らしさを感じます。今回も歯切れの良いすっきりとした視聴後感を味わわせて頂きました。
{/netabare}
主人公のさわ子はいかに読書家らしく見られるかという事ばかり考えている横着者の典型、何というかちびまる子的な性格。自信ありげな表情が印象的です。まどマギのさやか役と言えば誰でも知ってる喜多村英梨さんがゆる~いノリで演じてらっしゃいます。

市来光弘さん扮する男子キャラの遠藤君は語り部と概ねさわ子の相方の役回り。当たりは柔らか、落ち着いた口調の癒しキャラ?です。

神林さんはSF小説マニア。生真面目で暴力的な重度のオタク少女の様です。演ずるは小松未可子さん。「幸腹グラフィティ」の椎名さんとか「灰と幻想のグリムガル」のユメ役でも活躍されている方ですね。

遠目から上の3人の様子を見守る図書委員の人、長谷川スミカ役はたまこまーけっとのたまこ役とかシドニアの騎士の星白役とかで知られている洲崎綾さん。1話では殆ど台詞ありませんでしたが、公式によれば※3シャーロキアンとの事。今後の活躍が楽しみです。

漫画版の試し読みもしてみましたが、登場人物は多分以上の4人だけ。先生とか他の生徒とかは登場しない様です。またアニメ化に際してキャラデザが大幅に刷新されているのには驚きました。私見ではこちらの方が断然かわいい印象。でも時たまディフォルメが強調されて原作テイストになります。やはりこちらもいい味出してます。担当されたのはゴンタさんと言う方。

最後まで観終えて、最終話にかけてはさわ子と神林さんの友情物語として色合いが増し、それを中心にお話が上手~く纏められており、本が好きな人にもそれ程好きでも無い人にも受け入れられそうな要素も十分に感じられるアニメと言う印象で落ち着きました。

他者の読書履歴を覗く事は楽しい事ではありますが、一冊の本を読み終えた後に、既に次に読みたい本が決定している私みたいなやつにとって、それほど役には立たない事も痛感。でもいつか読みたいと思わせる数々の書との出会いをアニメを通して提供してもらえる事自体感動でした。

さわ子、神林さんありがとう。


最後に‥「人間は無用な知識が増えることで快感を感じる事が出来る唯一の動物である。」とアシモフ先生は言って‥‥ません! どっかのバーナード氏かバーナード嬢がでっち上げたのでしょう。そんな台詞をさわ子にさらっと言わせるとはなかなかのリアリティ‥。油断ならぬアニメの様です(笑)

「字ばっかの本つまんねー」とのたまうバーナード嬢の読書家への道は遠い‥。


※1:言語学者でもある著者の文章の精密さ、徹底した世界観の作りこみからなる壮大な物語。エルフ、ドワーフ、オークなどの一般的なイメージはトールキン先生の功績によって定着したものと言っても過言ではありません。主人公が弱者である点も、それ以前のヒロイックファンタジーで描かれがちだった古典的英雄像とは大きく異なります。前日譚として「シルマリルの物語(未完)」「ホビットの冒険」、いくつかの草稿をまとめたものとして「終わらざりし物語」があります。
ファンタジー文学入門の足掛けとなる必読の書として推したい一書です。

※2:怪奇、推理、冒険、SF、喜劇、風刺など、多岐に渡るE・A・ポーの才能を4冊で堪能出来ます。(詩と詩論を入れれば5冊)
怪奇小説作家として名高いポーですが、ジュール・ヴェルヌと共にSFの草分け的存在としても知られ、推理小説という一ジャンルの創始者としても有名です。後のシャーロック・ホームズシリーズのホームズとワトソン、探偵と聞き手というスタイルは、ポーのデュパンと"私"から生まれました。またポーは暗号解読、密室殺人、心理トリック、叙述トリック、意外過ぎる犯人像など、後の推理小説の中に見られる多くのアイディアをたった数編の短編および中編で世に送り出した功績もあります。

※3:1888年発表の「緋色の研究」に始まる、コナン・ドイル卿が著した推理小説群"シャーロックホームズ"シリーズのマニアの事。

※:レビュー内の"バーナード氏になりかけた事がある"という記述を消しました。1周もしていない本の事を語るさわこの姿勢や、同様に、新刊ベストの既読数を誤魔化すさわこと神林さんの心境はわたしの想像を絶していました(汗)意味があるのかその行為‥と呆れ気味になってしまったので‥何だか虚言癖に悩む人のあるある話、延いては自嘲ギャグみたいでした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

これ、実は神林が主役だろ…(笑)!

…と言いたくなるくらいの町田さわ子(バーナード嬢)との名(迷)コンビぶり。

5分のショートアニメ。なのであっという間に観られますが、内容は意外とちゃんとあります(笑)。ED(らぶ!ライブラリー)しかつきませんが、なかなか歌詞が良いので私は好きです。

視聴開始時はマンガ原作未読でした。が、放送前から作品紹介を読んでめっちゃ気になってました。

期待通り楽しく観ることができました。バーナード嬢(町田さわ子)の言動もさることながら、周囲の「リアル読者家」の面々の言動も楽しみどころですね…。

神林さんは登場頻度といい発言数といい、主役のさわ子以外の中で突出している気がします。得意分野がSFとはいえ、読書分野は広そうなのでそのせいもあるのでしょうか。

なかなかアニメが面白かったので、結局10話目を観終わったあたりで原作マンガ(既刊: 3冊)を買ってしまいました。ちなみに絵柄はアニメの方がかなりかわいく見やすいです。それでも原作の雰囲気を損ねていないので、そこを買っての4.5ですね。

登場人物は下記の4人(たぶん全員同学年)です。

町田さわ子(自称: バーナード嬢)
(CV:喜多村英梨)
読書家ぶりたい高校生の女の子。実際に読んでいない本について読んだかのような言動をするなんちゃって読書家。読書をナメた言動で神林しおりにしばしば殴られることも…。

神林しおり
(CV:小松未可子)
主にSFをメインに、だがSF以外のジャンルでも主に小説をかなり読んでいる高校生の女の子。たぶん本の内容についての知識は4人のうちでいちばんある。町田さわ子への主なツッコミ役だが、SFオタクっぽい言動で逆にツッコまれることも…。

遠藤君(下の名前が作中で出てこない)
(CV:市来光弘)
ひと昔前に流行った自己啓発本や実用書を読んで、「たいしたことは書いていなかった」と批評する趣味を持つ高校生の男の子。この趣味にお金はかけたくないので、古本屋での購入が多い。ただ、もちろん普通に小説も読む。

長谷川スミカ
(CV:洲崎綾)
図書委員。コナン・ドイル作の「シャーロック・ホームズ」の網羅の他、ミステリー小説を読むのが好き。しかしミステリーしか読まないというわけではなく、神林しおりや遠藤君に薦められた本を読むことも…。

話数的には町田さわ子と神林しおりは毎回出演、遠藤君や長谷川スミカは登場しない回もしばしばあるといった感じです。

町田さわ子の言動に他の登場キャラクターは呆れたり驚かされたりしながらも、ちゃんと仲良くなっていくのは微笑ましいです。

ストーリーは原作3冊からの抜粋で、それぞれの話数のストーリーはほぼ原作通りです。ただ、原作で実名が出ているものでアニメでは伏せられたもの(映画タイトルなど)はありました。

今後も原作で続巻が出たら読むでしょうが、もしアニメで続きが出てもたぶん観ると思います。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 33
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

本好きにだけわかるギャグ

【総合評価☆☆☆☆☆】
 本好きには堪らない快作だが、ある程度の知識がないと、面白さがわからないだろう。以下では、「見たけれど笑えなかった」という人のために、敢えてギャグのオチを説明しておく(未見の人は読まないように)。

 知識のある人には爆笑必至なのが、「メロス、激怒した?」という決め台詞である(第11話)。
{netabare}
 この発言の元ネタとなるのが、2014年のアメリカ映画『イコライザー』。深夜のカフェで『老人と海』を読んでいた真面目そうな男に、まだあどけなさを残す風俗嬢らしき女性が「魚、釣れた?」と声を掛ける。
 ヘミングウェイの『老人と海』は、アメリカ人なら知らない人はいない国民文学だが、日本の『吾輩は猫である』や『人間失格』などと同じく、最後まで読んだ人は必ずしも多くない。小さなボートで一本釣りに出たキューバの老漁師が、長い格闘の末に巨大なカジキを捕らえる過程を描いた小説で、魚が釣れるのは終盤に入ってから。したがって、「魚、釣れた?」との問い掛けは、言外に「カッコつけてるだけでなく、ちゃんと読み進めてる?」というニュアンスを含む。
 ところが、おそらく『老人と海』を読んだことのない町田さわ子は、裏の意味を解さず、読書家同士のお洒落な会話に思えたらしい。真似をしたくなり、神林さんに『走れメロス』を持たせて、映画に倣った決め台詞を口にしようとしたものの、深く読み込んでいなかったので、有名な冒頭の一文しか言えなかった。お前がカッコつけてるだけじゃないか--というオチである。
{/netabare}

 『ドグラマグラ』のジレンマを理解するには、少し頭を使う必要があるだろう(第5話)。
{netabare}
 まず、町田さわ子が「文学クイズ!三大奇書と言えば?」と(「日本の推理小説」という縛りを無視して)質問、これに対し、神林さんが『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』と正答した上で、夢野久作の『ドグラ・マグラ』を勧める(私は『黒死館』押しだが)。
 ところが、「読んだ者は精神に異常をきたすと言われている」との説明に町田さわ子が反応し、「(これを読んでいるフリをすれば)狂気の世界に心酔しちゃってるこの私、“取り扱い注意”みたいなアピールになりそう」と言ったことに、神林さんは激怒する。「(他人からどう思われるかを気にしていると)濃厚で価値のある読書体験は得られない」とまくしたてられ涙目になった町田さわ子は、「私が間違っていた…(中略)…今からどっぷりと溺れるように読み耽るよ、『ドグラマグラ』を」と答える。
 ここで、神林さんは、自分がとんでもないジレンマに陥ったことに気がつく。他人の目を意識した皮相な読みでは、読書家の本義にもとる。だが、町田さわ子のような頭が空っぽな人間が『ドグラマグラ』に没頭すると、精神に異常をきたしかねない。で、自分が勧めた本を取り上げざるを得なくなったわけである。
{/netabare}

 ジャレド・ダイアモンド著『鉄・病原菌・銃』を巡るやりとりは、この本の内容を理解している人には噴飯物(第4話)。
{netabare}
 ダイアモンドは、遺伝子資源が文明の興亡を左右すると主張した。家畜化可能な大型動物は、海洋や緯度の差が運搬の障害となり、飼育域が限られる。例えば、インカ帝国は、熱帯地方の豊かな植生を利用して高度な文明を発展させたが、ウシのように農耕にも食用にも使える便利な大型動物がいなかったため、生産余力が小さく、また、人畜共通感染症に対する免疫が生じなかった。これが、少数のスペイン人に侵略されただけで、人類史上まれに見る壊滅的な文明崩壊が起きた原因だ--というのが、ダイアモンドの考えである。
 『鉄・病原菌・銃』は、このようにグローバルな観点から文明史を説き明かした著作であり、タイトルは内容とあまり関係がない。にもかかわらず、読まずにPOPを作ろうとした町田さわ子は、奇妙なタイトルにこだわってばかり。「読んでから言え!」などと偉そうな口ぶりで、その臆面もない知ったかぶりが笑える。
{/netabare}

 このほか、「あるいは牡蠣でいっぱいの海」という翻訳タイトルに隠された意味、『スターメイカー』が推薦できない理由、『怒りの葡萄』と映画『インターステラー』の共通項など、読んだことのある人には「そうだそうだ」と頷ける話題が満載。主役二人の声優も抜群の演技力で、何度見ても楽しめる。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5
ページの先頭へ