女子大生で冒険なTVアニメ動画ランキング 3

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早速見ていきましょう!

66.5 1 女子大生で冒険なアニメランキング1位
裏世界ピクニック(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (296)
921人が棚に入れました
「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」……。実話怪談として語られる危険な存在が出現する〈裏世界〉。そこは、現実と隣合わせで、謎だらけの世界。紙越空魚(かみこし そらを)は廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見し、そこで仁科鳥子(にしな とりこ)と出会う。この出会いが空魚の人生を一変させる。鳥子は空魚に〈裏世界〉の探索の協力を依頼する。彼女は〈裏世界〉で行方不明になった「冴月」という女性を探していた。探検と研究、そしてお金稼ぎのため、空魚は鳥子と行動をともにする。非日常へ足を踏み入れた二人は様々な怪異と遭遇し、危険なサバイバルが始まる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日高里菜、富田美憂

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

小さな自殺

アニメーション制作:LIDENFILMS×FelixFilm、
キャラクター原案:shirakaba、
監督・シリーズ構成:佐藤卓哉、
キャラクターデザイン・総作画監督:西畑あゆみ、
音楽:渡辺剛、原作:宮澤伊織

ストルガツキー兄弟の原作で
タルコフスキー監督が映画化した『ストーカー』。
現実世界に異世界である「ゾーン」が現出し、
そこには願いの叶う部屋があるという。
探検者たちは、道先案内人である「ストーカー」とともに
部屋を目指して異世界を探索する。
計算されつくされた構図と異様な雰囲気の絵作り。
そして信仰や哲学的思考によって全編が構成され、
名作の1本とされる作品だ。
原作の直訳が『路傍のピクニック』で、
アニメはここからタイトルを考案したという。

主人公の紙越空魚(かみこし そらを)は、
ネットで流布されている都市伝説・ネットロアを
調べることを趣味のひとつとしていた。
偶然に裏世界に通じる場所を発見し、
散策していたとき、仁科鳥子と出会い、
一緒に冒険をすることになる。
裏世界で怪異に接したことが原因で、
空魚は普通では見えないものを
右目で見ることができるようになり、
グリッチと呼ばれる危険ポイントを回避したり、
怪異を認識して攻撃することができるようになる。
鳥子は行方不明になった友人を探すために
裏世界を訪れるようになった。
怪異をさわった影響で左手が透明になり、
裏世界のものを掴める能力を手に入れたのだった。

視聴前の段階での期待値が高かった作品。
実際に流布しているネットロアを題材にしているという
設定が面白そうだし、やり方によっては、
どんな内容にもなる懐の深さがあるように感じた。
タルコフスキーとはいかなくても、
深掘りするにはもってこいの題材だ。

ところが1話目の段階から全ての面で低空飛行。
途中断念する人が続出した。
個人的には題材が好みだったので、
最後まで観続けたが、断念する人が多いのも納得。

原因のひとつはキャラクターのことがほとんど分からないこと。
最終回まで観ると、ようやくふたりの行動原理が
朧気ながら見えてくるのだが、「死亡」する可能性すらある
裏世界に好んで入り込む理由付けが致命的に足りない。
観ていると誰しもが「なんで、こいつら異世界に行くの?」と
いう疑問が常について回るので、物語に集中できない。
キャラの背景描写についても中途半端で、
ふたりに友達がいないことは分かるが、
それ以外の情報はほとんど提示されない。
ふたりが友情(愛情?)を育むところにも
入り込むことができないのだ。

そして重要な部分である怪異の描写が
全く恐くない。これは敢えてそういう方向性で
デザインしているかもしれないが、あまりにも微妙。
恐くない怪異のデザインはいいとしても、
それでは、一体どういう方向で作ったのかというのが
全く見えてこない。適当なデザインにしか見えないのは、
作品における失敗だろう。
怪談話をネットにつなげ、
そこから裏世界という場所を考案したお話として、
設定の魅力が活かされていない。
全話鑑賞した感想としては、
「何がやりたかったのか分からない」ということだった。

裏世界の不思議なところで、怪異と会って、
それを退治していくストーリーだが、
メインのネタともいえる閏間(うるま)冴月の行方の調査が
全く何も進展していないのもどうかと思うし、
追加キャラの瀬戸茜理についてもメインの物語と
ほとんど関係してこず、機能していない。
きさらぎ駅米軍救出作戦などは、
最初から最後まで疑問符だらけだった。
米軍にも怪異にも殺される二重の危険があったわけだが…

酷評ばかりしてきたが、
ひとつ、この作品で良さそうだと感じたのは、
空魚と鳥子の関係性だ。
ふたりともが孤独で、現実世界の何かから
逃れるようにして裏世界に好んで入り込む。
ずっと観ていると、それはまるで繰り返される
小さな自殺のようだ。
キャラクターの態度にそんな悲壮感はないが、
ふたりが出会ったからこそ、まだ生きているという
絶望感のなかの「救い」のようなものが漂っている。
そこを上手く拾い上げることができたなら、
もう少し面白くなるような気がする。
それと、OP、EDともに好み。
DLしてよく聴いている。

ピクニックという軽い響きのなかで
怪異や人の心に巣食う恐怖、百合を表現した作品。
しかし、目指したものが
途中で霧散してしまったように感じる。
(2021年3月27日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女子大生コンビが「裏世界」に足を踏み入れるホラーSFエンターテインメント百合作品(アニメ化としてはやや微妙)

原作は早川文庫JAから刊行で、現在第5巻まで刊行済みです。原作付きのアニメ化作品の中で、私が2021年冬クールの新作で最も期待しているのが本作です。

たまたま「裏世界」で遭遇して以来、「生命の危機」を互いに助け合って乗り切る、紙越空魚(かみこし そらを)と仁科鳥子の女子大生コンビによる冒険活劇物です。

昔なら人づての噂話として伝わり、現代では「ネットロア」などと呼ばれるネット上でも語り継がれる実話怪談によるホラー要素や、タルコフスキー監督によって映画化された『ストーカー』などのSF作品リスペクト、原作者が『そいねドリーマー』などでも取り組んでいる「百合」要素、そして作中で扱われる銃器などのミリタリー要素といった属性満載のエンターテインメント作品です。

どのような映像化がされるのか、期待が止みません。今夜1/4深夜、いよいよ放送開始!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話「くねくねハンティング」では、エピソードの内容的にも今後の戦闘シーンのアクションがどのくらいのレベルに描かれるかは判断がつきにくいですね。

用語規制をクリアするのに、キャスト自らに「ピー」って言わせるのは面白い演出だと思いました。まあ、この場合円盤などの商品でもそのままになるのは自明ですけどね…。

OPに市川夏妃(いちかわ なつみ)がいますし、話の区切りを考えるとおそらく原作3巻当たりまではアニメ化されそうです。ファイル11の映像化がされるなら楽しみです!

※そういえば、瀬戸茜理(せと あかり)がOPだけじゃなく空魚の大学の学食にもいましたね!
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.1.12追記:
第2話まで視聴終了。

第三のメインキャラ、小桜さんが登場ですね。基本的に自宅に引き籠っていますが外出できないというほどでもない、そして登場キャラの中では比較的常識人な彼女が鳥子と空魚に振り回される様が見物です。

お金のやり取りの場面は「裏世界」というよりは少し「裏社会」風味…(笑)。

余談: Cパートの打ち上げは第1話と同じ居酒屋だったようなんですが、原作で打ち上げが居酒屋じゃない回のときに場所はちゃんと居酒屋以外に変わるんでしょうか…?

2021.1.19追記:
第3話まで視聴終了。

原作者の宮澤伊織先生によるアニメオリジナル脚本回でした。原作では第2話のエピソードのすぐ後にくるはずだったエピソードは第4話以降に先送りになるんでしょうか?

宮沢伊織先生ご本人のtweetによると「原作ではもう入れる隙間のないエピソード、初期の空魚鳥子の空気感を思い出しながら書きました」ということでしたので、この時点での二人の関係性の掘り下げ回ということだと理解しています。

原作本編では内心の描写がされるのは空魚ばかりで鳥子の内面描写はないんですけど、アニメもこれは変更しないみたいですね。内面描写は第1、2話と比べると多めだった気はしています。

2021.3.7追記:
エピソード順変更以外に10話もサブタイトルからするとアニメオリジナル回がありますね。

原作だとわかっていることなんですが、アニメ版で在日米軍はどうなってしまったんだろう…?

2021.3.29追記:
第12話(最終話)まで視聴終了していましたが、レビュー更新が遅れていました。懸念された在日米軍問題は一応の解決を見たので、それは良かったです。

製作委員会の名称として「DS研」がクレジットされていたのですが、本編中でDS研は最後まで名前すら出てくることはなかったので残念です。

アニメで興味を持ってから原作ないしはコミカライズ版に流れてくるのであればあまり違和感はないのかもしれませんが、逆だと単にエピソードがカットされている以上の違和感があるだろうと思います。

ただ、キャスティング自体は良かったんじゃないかと思います。アニメ化された小桜さんは可愛かったです。

「まだかな~。空魚ちゃん、まだかな~…。」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不思議

<2021/1/5 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベでしょうか
第一話見終えての感想は「不思議」

裏世界に紛れ込んだうら若き女子二人の「{netabare}命懸けのプチ冒険譚{/netabare}」
だからピクニック。

裏世界と言ってもカタギじゃない人の世界ではありません。
と言ってもカタギの人もどうもいないようです。

そこは現実世界の{netabare}裏側にある、都市伝説が具現化してる{/netabare}世界、ってことなんでしょうか。
そこら辺はまだよくわからない。
これから少しづつ紐解かれていくのでしょう。

で、何が不思議かというと。
「裏世界が不思議」とかではなく
なんというか。
その。
雰囲気?
微妙にズレてるというか。

主人公たちの掛け合いとか
第一話登場の「くねくね」のクネクネっぷりとか
キャラ造形とか
物語の作りそのものとか
それらが、ラノベ原作とも、漫画原作とも、たまにあるオリジナルアニメとも妙に異なる。
なんか古いSFジュブナイル小説の匂いがするような。

1話見ただけなのでまだわかんないですけどね。

<2021/3/23 追記>
見終わったよ。

点数つけるの難しいっすね。
特別良いところも、特別悪いところもあまり思いつかない。
かといって平凡でもない。

話が意味わからんところ多々ありますが。
でも昔のジュブナイル小説にはそういう何がしたいのかよくわかんないの結構あったし。
大昔の「や・お・い」、つまり「ヤマ無し・オチ無し・意味無し」と呼ばれるスタイルの作品なのかな。

百合っぽい雰囲気はちょっとマイナスですかね。
酒飲める年齢でこの「友達以上恋人未満な百合関係」はちょっと違和感。
しっかり・はっきり・がっつり現実的なレズビアンなら物語として面白味が増したかもですがどうでしょう。
百合ものが得意なわけではないので適当な感想ですが。

でも総じて空気感は好み。
決してホラーではなく「非日常を楽しむ日常もの」
ピクニックですし。

自分はハマるというほどではないけど、なんとなく毎週楽しめました。
なのでこの点数です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

68.9 2 女子大生で冒険なアニメランキング2位
ID-0(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (266)
1036人が棚に入れました
Iマシン―― それは極限環境での作業を行う大型ロボットの総称である。
連盟アカデミー学生のミクリ・マヤはIマシンを使用中に事故に巻き込まれるが、
Iマシンに乗り海賊同然のオリハルト掘削を行うエスカベイト社の宇宙船に助けられ、
その一員として働かされるはめになる……。
かつて『無限のリヴァイアス』『スクライド』を生み出した
『コードギアス 反逆のルルーシュ』の谷口悟朗監督と、
『機動戦士ガンダム00』の脚本・黒田洋介が再びタッグを組んだ『ID-0』は、
深宇宙の彼方を舞台にした、かつてないロボットアクションだ。
 アニメーションキャラクター原案は『LAST EXILE』の村田蓮爾、
メカニックキャラクターデザインは『機動戦士ガンダム00』の海老川兼武が手がける。
制作はセルルック3DCGの表現で高い評価を得るサンジゲン。
フル3DCGで表現される、キャラクターとIマシンの魅力、
誰も見たことのない深宇宙のスペクタクルな風景は本作の見どころだ。
 一癖も二癖もあるメンバーの中で過ごしながら、マヤは“人間”とは何かを知っていくことになる。

ー失くした記憶に潜むのは、希望か絶望かー

声優・キャラクター
興津和幸、津田美波、松風雅也、大原さやか、小山力也、金元寿子、小澤亜李、皆川純子、上田麗奈

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

オリハルトとかいう鉱物…(ちゃんとSFだった)

アレ、絶対なんかアカン奴や…!
設定とストーリーに、古典SFっぽい匂いを感じる。これは、観よう!

2017.4.19追記:
2話目まで視聴。この、直接的な説明じゃなくて会話の内容や絵で設定が見えてくる感じは凄く良いですね。作画で「けものフレンズ」がダメだった人にも大丈夫そうだし。事前チェックはしてなかったけど、次回が楽しみで仕方がない(笑)!

…まあ、あんな風に流行るわけではないと思いますが。

2017.6.26追記:
久しぶりに「SFアニメを観た」という満足感を得ました。わかりやすい異星文明との接触ではありませんでしたが、広い意味で「ファーストコンタクトもの」でしたね。ううむ、宇宙は広い…(笑)。

一部のIマシンのデザインがやや痛々しかった気もしますけど、それはストーリーにはあんまり影響しないのでまあいいです(笑)。

Iマシンの設定としてMT技術を前提にしている以上、人型ロボットであることにも必然性はありましたしね。

本当の意味で危機が去ったんだか去らなかったんだかはハッキリしないという終わり方も、その後のストーリーを想像する余地や続編を作る可能性を残していて良かったです。

本編とは直接関係ないはずなのですが、Blu-ray&DVDの宣伝という名目(笑)のあの謎のクイズ形式CMは面白かったです。円盤の映像特典に「PV&CM集」って書いてあるから、あれも入ってるのかな…?

ハヤカワ文庫JAからノベライズ版も出てるようですが、これはアニメだけ観れば満足ですかね…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

熟練の設定・世界観を懸命に伝える若さがもう少し欲しかった

総じてベテランスタッフたちが構築した物語設定、世界観に噛み応えがあり、
それらを咀嚼していくことに喜びを感じられる
良質なSFアニメだったと思います。

1クールだとメインストーリーを折り畳むのに精一杯で、
2クールの方が良かったかな?と終盤思うこともありました。

私はIマシンや別の身体に魂を移した経験はないので、
元の肉体を離れてもアイデンティティを確立している、
エスカベイト社員たちのサブエピソードの掘り下げ等を通じて、
共感度を上昇させてから最終決戦に挑みたかったという悔恨は確かにあります。

ただ1クールで中途半端にサブシナリオに寄り道して、
メインストーリーがクラッシュするよりは全然まし。
抑える所は抑えつつ着地を決める辺りに熟練の力技を感じました。


一方、視聴者とのキャッチボールについては幾つか疑問も残りました。
その辺りを語るにはやはり最終回クライマックスの……

{netabare}「ソーラン節」(笑)については触れておかねばならないでしょうw

実は「ソーラン節」……私は意外とすんなり受け入れられました。
それは多分、私が佐咲紗花さんが歌う本作のOPが結構お気に入りで繰り返し聴いていたのが一因。

本作は公的にも罪人、狂人、或いは絶滅生物として、
なかったことにされている民間の連中が、
軍とか公的機関とかを向こうに回して大立ち回りするお話でもあります。

佐咲さんのOPはSFでいきなりサンバでも踊りかねないw異端の楽曲ではあります。
が、一方で、公には光が当たらないアウトローの民が魂を揺さぶる歌だの踊りだので存在を誇示する。
表現の世界でもしばしば描写されて来た構図。その精神の継承も感じてはいました。

だから同じ佐咲さんが歌うニシン漁民謡ソング・「ソーラン節」が流れた時も、
民間掘削業者による一世一代の大仕事らしいBGMだな(笑)と受け止められました。

後で知りましたが「ソーラン節」は本作のティザーPVで使われたこだわりの一曲だそうでw

以上は憶測に過ぎませんが、「ソーラン節」はテキトーなウケ狙いではない。
長年インプットとアウトプットを重ねて来たベテラン作家にしか打てない、
渋い一手だったと私は捉えています。


……では、だからと言って、荘厳なクラシック風BGMによる王道演出を期待していた視聴者が、
訳の分からない「ソーラン節」で台無しにされたと苦言を呈するのは、
決して不当な批判ではないと思います。

そもそも本作はトレンドに乗って人気を取りに行く作風でもないとは思いますが、
それでも私は練り上げた物語をより多数の心に響かせる選択肢として、
「ソーラン節」が最適解だったとは思えないです。


もう一つ、ED後お決まりの「ご長寿早押しクイズ」らしき設定・用語クイズ風のネタCM(笑)
についても、面白かったけど(笑)
視聴者とのキャッチボールという点では勿体ないなと思った演出。

私はあそこは例えクソ真面目過ぎると言われても、
HPで連載されていた「クレアの「ID-0」用語解説」を流して設定を掘り下げて、
より多くの人に理解を深める時間を取っても良かったのでは?と思います。


私も、脚本一行も書けない一視聴者の分際でこんなことを言うのはおこがましいのですが……。
本作のベテランスタッフ陣が初めて世に創作物を出した時、
自分たちが作り上げた物語世界を懸命に伝えるのに、
「ソーラン節」や「ご長寿早押しクイズ」を選択しただろうか?
ユーモアを交える余裕が足りなくてもいい。
青臭く、泥臭く、物語をぶつけてくる若々しさがもう少し欲しかった……。

本作TV放送時に“谷口悟朗監督×黒田洋介氏の原点”として毎回流れた、
『無限のリヴァイアス』Blu-rayBOX販促CMのことも思い出しつつ、
そんな感想も抱いたアニメ視聴でした。{/netabare}



【四話までの感想】魂の漂流

長いので折りたたみ。
{netabare}

あにこれの序盤感想を拝見していて、ピン♪と来て視聴し始めた3DCGアニメ。

科学が進歩し過ぎて、意識を自由に飛ばせる段階に到達し、
肉体と魂の境界や行方が不確実になった宇宙時代。
これによりアイデンティティの確立が困難になった世界観に、
進路決定以前の女子学生を巻き込み、自分探しをこじらせつつ、
鉱石掘削SFアニメという何とも渋いジャンルでテーマを着実に掘り進んでいく、
地道なSF作品になって来た印象。

スタッフ陣は谷口吾朗監督&構成・脚本・黒田洋介氏ら、
かつてヒット作も飛ばした制作者を軸にした布陣。

けれど本作はブームを狙うというより、ベテランの域に達したスタッフたちが、
肉体と魂の在処といった、SF作品が繰り返し問うてきた王道テーマに挑み、
確かな足跡を残しておきたいという意志を感じる大人の味わい。

現代で言うとインターンシップに挑み始めている頃の学生から
広義の社会人?で構成されたキャラ設定からして、
およそ中高生受けを狙っているとは思えませんw

さらにEDを担当する影山ヒロノブ氏の円熟味の増したボーカルが、
当該世代のハートを深掘りします。

毎回、見終わって、設定用語に解説動画が必要なSFアニメっていいなと思える大人のブレイクタイム♪
若干の予習復習により、この宇宙の仕組みを理解、整理しつつ、
中盤以降もしっかりと物語を掘り進んで行きたいと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シドニア以来の本格的なSFを期待してましたが……

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
う~ん、評価が難しいです(すごく好きで楽しめたけど、なんか、こう惜しいというか)。

私はこのアニメのレビュータイトルを、途中までは「本格SFをライトな作風で」としていました。その頃(7話目くらいまで)は評価を4にしていて、その後、下げてしまいました(その時点でサンキュー下さった方、申し訳ありません)。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
エバートランサーやIマシンといった設定は面白く、また、SFにつきもので、もはや説明すらいらないような「ワープ」を「ミゲルジャンプ」と呼称し、それが「武器」「運輸」など様々なことに応用され、「経済」を支えているという設定は素晴らしいです。正に、「世界を創造」しているなと感心しました。これだけいろんな事柄をカチっとリンクさせ、しかもそれを説明臭くならないよう、エンタメの中で魅せられる手腕には脱帽していました。本当に、力があるスタッフが集まったのだな~と。

……だからこそ、終盤のドタバタには残念さを感じてしまいました。

SFアニメにおいて、大きな展開で始めて、小さな展開に落ち着いてしまうのはどうも苦手です。

イド(主人公)の正体、は確かに作品のストーリー上の縦軸で、それが宇宙の謎や危機と繋がっているのは王道なんですが、なんかこう、ケイン有栖川の部分に踏み込んでから(8話以降)は人間ドラマになってしまい、それをこんな本格的なSFを背景で行うのはもったいないと感じました。

イドの正体とか過去の贖罪とかよりも、普通に「格好良い宇宙海賊が世界を救う」というエンタメの方が観たかったかなと。そのぐらい、キャラが良かったとも言えます(リックとか特に)。

終盤は特に駆け足で、いったい、何がどう解決したのやら。

最終的に頭に残っているのは、子安さんの「怪演」っぷり(まあ、私の中で子安さんと言えば、ガンダムWのゼクスなんで、もっと落ち着いた格好良いイメージなんすけどw)と、謎の「ソーラン節」なんですよね(汗) もっとも、各所で話題沸騰、主に不評のソーラン節ですが、超個人的には好きでした。というのも、なんか「ターンAガンダム」を思い出したので、違和感が少なかったからだろうと思います。男の作業というか、なんか「太古感」「壮大さ」「芸術的センス」は感じましたよ。ただ、「色々ぶち壊し」という意見は理解できるし、客観的に観ればそうだよな~と共感できます。あれは、素晴らしいED(やはり影山さんはレベルが違う)とのギャップが悪い方に出たんだな、と。

とにかく、このアニメ、惜しむべきは一期の尺しかなかったということですね。この優秀なスタッフならば、あと12話あれば、各キャラの背景を更に掘り下げつつ、設定や世界観をカッチリ説明し、イドの人間ドラマと世界の危機を、もっとドラマチックに演出出来たはず。多分このアニメ。制作が表現したいことの半分も出しきれなかったのかな、でも我慢して、プロ集団らしく、きちんと完結までもっていったのかな、と、そう思います。

う~ん、名作の予感は感じてたんだけどな~……。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
{netabare}
ご丁寧に、世界観の説明から。最終的には、宇宙の神秘とか人類の存続の危機に立ち向かいそう。深みありそうなSF設定にライトな作風、テンポも良いし。なかなか期待できるな。途中のクイズは笑えた、銀河英雄伝説パロw Cパートにサービスシーンあり。
{/netabare}

2話目
{netabare}
これ、エスカベイト社の面々、実際の身体を失っている感じなんですね。気になるのは、MTSし、iマシンが壊れた時、その間の恐怖の記憶が「失われる」というもの。失われた記憶はどこへいくのか。ひょっとすると、それが純粋な記憶の塊になり、宇宙を漂い、どこかに蓄積され……とかね。途中に見えた記憶が、イドのものなのか、オリハルトに蓄積された誰かの記憶なのか。やはり、クイズは面白いw
{/netabare}

3話目
{netabare}
あれ? 世紀の迷作「コメットルシファー」的な展開ですか(笑)? ボブソンジャンプ連発ですねw ずいぶんペラペラと説明してくれる親切な敵キャラw あの隕石群を操ってるのはあのネコミミ少女だろうね。今回はエヴァパロで〆w
{/netabare}

4話目
{netabare}
お~、物理シールド、逆に新しいw 中尉さん、完全に仲間になる流れだ~(もしくは軍に戻って間接的に協力するか)。それぞれの能力を最大限に活かしてのチームワーク、胸熱だね。Cパート、団体芸w
{/netabare}

5話目
{netabare}
たまにある、ちょっとしたサービスシーンはなんだろう(笑) イド、格好良いな(他にも知りたがってる奴がのクダリ)♪ なんか、リック、最後はアマンザを守って逝くのかなぁ、スレッガーのように……。人間だから出来ること、Iマシンだから出来ること。Cパート、グレイマン可愛いなw クイズはシュール系w
{/netabare}

6話目
{netabare}
なんか、あんまり人間ドラマにはもっていってほしくないというか、世界を狭めてほしくないな。と、思ってたが、イドの過去とセカイのヒミツが良い感じに交わりそうだね!
{/netabare}

7話目
{netabare}
リックの格好良さが際立っていましたね。なんか、謎の真相に触れた感じ。大きい要素(SF)と、小さい要素(仲間との絆)を同時に深めていく、良いアニメを展開ですね。
{/netabare}

8話目
{netabare}
戦闘シーンもなかなか面白かったです♪ 裏切り、あるのかな?
{/netabare}

9話目
{netabare}
なんか、人間ドラマになってきたな。あまり世界を小さくしてほしくないんだけどな。同じエバートランサーでも、事情は四者四様ですね。
{/netabare}

以下、書いたのに、保存前に消しちゃった(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

66.6 3 女子大生で冒険なアニメランキング3位
白鯨伝説(TVアニメ動画)

1997年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (40)
195人が棚に入れました
『白鯨伝説』(はくげいでんせつ)はNHK衛星第2テレビジョンで放映された番組「衛星アニメ劇場」内で1997-1999年にかけて放送されたTVアニメシリーズ。ハーマン・メルヴィルの小説「白鯨」をモチーフに、監督の出崎統が長年温めていたアイディアから制作したSFアニメである。出崎統・杉野昭夫の共著「アニメーション制作技法~『4701白鯨』を創る~」誌上の題材「4701白鯨」が原案となっている。
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