Witch さんの感想・評価
4.5
TV版からの手のひら返し?! 壮大なスケール感は劇場版ならでは
【レビューNo.104】(初回登録:2024/1/21)
オリジナルアニメ映画で2023年作品。100分程度。
(TV版の完結編)
(ストーリー)
地表を覆った大雪原から逃げるように人々は巨樹「軌道樹」の上に「天膜」を
作って生活していた。 天膜に住む少年カイナは、軌道樹の根元から登ってきた
リリハという少女と出会う。
リリハはアトランドの王女で、
・雪海に住む者は水を求め、軌道樹のふもとで暮らしていること
・現在水を巡る争いが起き、アトランドがバルギアと対立していること
・リリハは水を無限に出せるという賢者に助けを求め、天膜に登ってきたこと
が明かされる。
賢者がいないことがわかると、リリハはカイナとともに軌道樹を降り、アトラ
ンドへ戻ろうとする。途中リリハはバルギアにさらわれるも
・カイナはアトランドの人々と協力して、無事リリハを救出。
・バルギアとの戦争にも勝利。
・アトランドの地下にある旗が巨大な軌道樹と水への地図になっていることを
発見。
→ バルギアの造船技術があればそこへいくことが可能。
劇場版ではアトランドとバルギアが協力して、巨大な軌道樹を目指すところか
ら描かれています。
(評 価)
・TV版からの手のひら返し?! 劇場版は高評価
・TV版の方もリアタイで観ていましたが、
・はじめは独特の世界観が琴線に触れ、興味深く視聴していたが
・次第に間延び感等失速を感じはじめ
・最後は「約ネバ2」を彷彿させるような、やっつけ感と「ご都合主義の
権化」と化して閉口。
ということで、個人的にはあまりいい印象はなかったので、劇場版も正直
あまり期待せずって感じでしたが・・・
・劇場版はハッキリというと、「ナウシカ」そのものです!!
まあTV版の頃から「ナウシカ」っぽさがありましたが、劇場版では更にそ
の傾向が強まり(一部をオマージュしたとかいうレベルではなく)誤解を
恐れずにいうと、最初から最後まで完全トレースといっていい位のレベル
だなっとw
しかし個人的には
・その名作をしっかり下敷きにしているからこそ、過不足なく物語が奇麗
に流れ、一本筋が通った作品に仕上がっている。
・それでいて(「ナウシカ」のパ●リを見せられたという感じではなく、)
ちゃんと「大雪海のカイナ」という作品を観たという満足感が得られる。
TV版の低評価を手のひら返しするに十分な内容だったかなっと。
・尺の割り振りが丁度よかった
個人的には(プロフィールにも書いてあるように)劇場版のような長時間の
作品は苦手なんですが、そんなことも気にする暇がない程、没入することが
出来たかなっと。その要因の一つが序盤・中盤・終盤がしっかり形成され、
それぞれに見どころがあり、尺の割り振りも丁度よかったように感じました。
~以下重要ネタバレ~
ネタバレレビューを読む
伊達に「劇場版」を語っているわけではなく、純粋に
「これ、劇場で観た方勝ち組やろ!!」
と思える程「劇場映え」する出来だったように感じました。
個人的には
ネタバレレビューを読む
という位で、非の打ちどころがないんじゃないですかね。
メインテーマも「Re:CREATORS」で触れた澤野弘之さんで、こちらも作品を
盛り上げるのに一役買ってたように思いますし。
TV版からの手のひら返しが凄いですが、その位個人的にはよく出来た作品で、
劇場でみせるに相応しい内容だったと思います。
それだけにTV版の失速ぶりが勿体なかったなと。