夏アニメ映画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の夏成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月24日の時点で一番の夏アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.7 1 夏アニメランキング1位
蛍火の杜へ(アニメ映画)

2011年9月17日
★★★★☆ 4.0 (1075)
5221人が棚に入れました
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという山神の森に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる。

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋は儚い人の夢

「夏目友人帳」の緑川ゆきが原作で、同作品のアニメスタッフによって作成された短編映画です。


恋は儚い人の夢。
蛍の様に光り、白銀の雪のように輝き、やがて……。


誰もが開始3分で「あっ……これは」と思うはず。
分かってるんですよ、分かってるのに30分後には泣いている私がいる。


蛍は裏表のない、明るくも利発な女の子。

ギンは雰囲気こそ神秘的なものがあります。
しかし、その行動は迷い、恋し、決断する、真っ直ぐな男。

ピュアなキャラによるピュアなラブストーリーです。


{netabare}気軽に触れられる{/netabare}男子生徒。
蛍から{netabare}のプレゼントのマフラーを身につける{/netabare}ギン。
二人が{netabare}会えない季節も{/netabare}どんどん距離が縮まっていく。
ちょっとしたシーンにも説得力がありますね。

夏のイメージが強い本作ですが、冬があるからこその夏。
それが夏の風物詩である「蛍」と冬のイメージがある「ギン」という名前に込められた意味なのかもしれません。


そしてラスト。
涙が止まらない。

{netabare}
お面越しのとてもとても美しいキス。
その後ギンは転びそうになった人間の男の子に触れてしまいます。

「来い、蛍。やっとお前に触れられる」

お面の向こうの蛍の顔はそれまでにないほどの笑顔でした。


……でもね、これは事故ではないんです。
何年も何十年もお祭りに参加しているギンが、うっかりミスをするとは思えない。

「何があっても、私に触らないでね」

この約束がある限り、ギンも蛍も直接お互いに触れることはできません。

そして、後の妖怪の言葉。

「ギンはやっと人に、触れたいと思ったんだね」

つまり、これはギンの意志だったわけです。

確固たる意志を持っていたわけではないのかもしれません。
しかし、ギンは、蛍との約束を破ることなく、罪悪感を残すこともせず願いを叶えたかった。

そのためにギンは事故を装い、{netabare}「人の手というチャンス」{/netabare}を掴んだのでしょう。
{/netabare}


わずか45分という短くシンプルなストーリー。
それでいながら洗練されていて、温かさ、切なさ、色んな感情が溢れてきます。

美しいお話で完成度が高く、今まで見たアニメ映画の中では一番。
本当に大好きな作品です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 140
ネタバレ

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

10年分の想いを、今ここに・・(ギン視点で観てみました)

ねえ、蛍。
俺はずっとここに居るよ?
何年、何十年たとうとも。
たとえ、君の瞳に写らない
そんな存在だとしても。

俺が過ごした、途方もない時間。
そんな中で、蛍と過ごした時間は ほんの一瞬だった。
でもね、俺にとってはその一瞬が大切で愛おしくて、仕方がなかった。

蛍は俺に、優しくて、温かい感情をたくさんくれたね。
でも、それは、切なくて、苦しくもあったんだよ?
蛍は気付いてないかもしれないけれど・・
まるで夏の夜に光る、ホタルのヒカリのような、
そんな儚くて脆い、だけど、強くて、美しい。
そんな日々だったね。

蛍は俺に「忘れないで」と言ったよね?
忘れる訳がない。忘れたくない。
でもね、蛍は忘れてしまってもいいんだよ?・・


蛍に出会ったのは、蛍がまだ小さい時だった。

{netabare}

~蝉の詩、笑い声・・~
鳥達の囀り、木々の揺れる音・・
そんな森達の雑談と共に聞こえた、泣き声。
それが蛍だった。
蛍は、俺を見ても少しもこわがらなかったよね。
むしろ、楽しそうに俺に触れようとして来た。
まだ小さい蛍には「消える」という意味さえ理解出来なかったんだろう。
でも、俺には それが素直に嬉しかったよ。
1人の存在として認められているようで。

~夕やけの茜色、帰り道、遠回り~
「何かデートみたいデスネー」「色気のないデートデスネー」
そんな他愛ない会話を繰り返したね。
手をひいてあげる事は出来なかったけれど、
その先から伝わるこの想いは、一体何なんだろう?
何だか、胸の奥が温かくなるような・・

別れる時、蛍は俺の名前を聞いた。
俺の名前は・・無言・・疑問と不安。
そんな時、風が俺の背中を押した気がした。

~約束は「また明日」~
明日も来ると走って行った、蛍。

「ギンだ」

翌日 本当に蛍はやって来た。
そして、約束の場所で、待っていた俺が居た。

~夏はただ、咲き誇り~
冷たい小川に、暑い夏の日差しが差し、キラキラしてる。
全てが美しく、夏が輝いていた。
それは、蛍が側に居るからなんだよ?
蛍と見る全てが、今までとはまるで、違って見えた。

~その命輝かせ~
俺はただ、生かされて、ただそこに存在しているだけだった。
何も意味をもたない、あやふやなモノ。
だけどね、今まで感じた事のない、自分の存在。
俺は自分というものをこんなにも感じる事が出来るんだ。
夏が待ち遠しい、蛍に会える事が、素直に嬉しい。
そう思えた。
そんな夏が何度も何度も訪れた。

ある夏の事だった。
蛍は俺を驚かせようとして、見事に木から落ちて来た。
俺は、そんな蛍を受け止める事が出来なかった。
自分の存在が無くなってしまう事を恐れたのか・・?
そんな気持ちとは裏腹に、蛍は安堵の顔を見せた・・
そして、大粒の涙を流した。
何故泣いてるのかは、分かってた。
涙は止め処なく流れ続ける。
でも、俺は その涙を拭ってあげる事も出来ず、ただ、その泣き顔を見続けた。

出会わなければ、こんな想いをさせなかった?・・
出会わなければ、こんな想いはしなかった?・・

~終わらない、お話のその先に気付いて~
蛍は毎年、会う度に、成長していく。
それは、普通の人間の子なら当たり前の事なのは分かっていた、、つもりだった。
少しづつ、目線が近くなって来る。
それを複雑に感じつつ、俺の感情に違う何かが芽生えはじめた。
いつか感じた想いとは、全く別物。

蛍に・・会いたい。
蛍に・・触れたい。

この胸を締め付ける感覚は・・

~カラス達遠ざかり、どこかへと飛んでゆく~
離れてる時間がこんなにも長く、辛く感じるなんて・・
今まで考えた事も無かったよ。
蛍は今何をして、何を見て、何を考えてる?
いつからか、俺の中は蛍でいっぱになっていた。
いつか、こんな気持ちが届く日が来るのだろうか?

真っ白な雪の上に散る椿が一際紅く見えた。
俺の心の中のように。
真っ白な心の中に、真っ赤に燃える感情が一つ・・
蛍がくれた温もりで、いつもの冬より、身体も心も温かかった。

~夏はただ駆け抜ける、宝物、しまうように~
ある夏、蛍は言った。
春も、秋も、冬も、俺の事を考えていた、
そして、もっと一緒に居たいと。
俺は、自分という存在の全てを打ち明けた。
打ち明けなければならないと思った。
俺は、蛍を幸せにはしてあげられないから、永久に・・
こんな俺の為に犠牲になる事なんてない、もうここには来なくていいよ?
俺はずっとこうして、だだ存在しているだけで、何も変わらない。
“決して忘れられない、かけがえのないモノが一つ増えた事以外は”
だけど、蛍から返って来た言葉は優しく、心が苦しくなった。
そして思った。もう、こんな夏を続けていてはいけないと・・

~いつまでもなつかしい、あの頃は黄金色~
いつか蛍と行きたいと思った、 「妖怪達の夏祭り」。
誘うのは、ちょっと照れ臭かったけど
蛍は喜んで、行きたい!っと言ってくれた。
そして、少し不安な言葉を口にする。
不安な事はないよ、だって蛍は、俺が守るよ?
そう言うと蛍は、少し頬を紅くして
「そういう事を言われると、飛びつきたくなってしまう」と言った。
・・「飛びつけばいい、本望だ」
もし、それで俺が消えても何の後悔もない、今なら全て受け止める事が出来る。

~何気ない毎日の片隅を照らしてる~
手を伸ばせば、届く距離。
一番近くに居るのに、一番遠い存在。
俺は、蛍を抱きしめたかった。
そして、その手に、その髪に、頬に、
一瞬でいい・・その温もりに触れたい。
もう、気持ちが抑えきれなくなっていた。

~夏はまた、やってくる約束を守るように~
祭はいつもの夏と同じようにやって来た。
でも、今年は隣に蛍が居る。
毎年思い描いていた光景。
「デートみたいデスネー」「デートなんデスネー」
10年前、初めて会った日に交わした会話。
10年越しの、始めてのデート。
やはり、あの日のように手はひいてあげられない。
でも、振りなら許されるよね?

息を吹きかけると回る風車。
金魚すくいをする子供は、尻尾を隠しきれてなくて。
偽物の綿あめが空に浮かび上がり、その空に花火が咲き誇る。
蛍はそんな光景に、ずっと笑顔だったね。
その笑顔を見て俺も笑った。

このまま時間が止まってしまえばいい・・。
そんな、叶わぬ願いをそっと胸にしまい込んだ。

楽しい時間は一瞬だった。
蛍と過ごした10年分の夏がそうだったように。
そして、俺は帰り道に全ての想いを蛍に伝えた。
こんな事を言っても困らせてしまう事は分かっていた。
だって2人は決して交わる事はないのだから。
そして、お面越しにくちづけをした。
これが蛍に触れられる精一杯。
蛍に捧げる、精一杯の気持ち。

蛍は今どんな顔をしてる・・?

そんな時、小さな子供が飛び出して転びそうになった。
俺は咄嗟にその腕をつかんだ。

・・刹那、指先から光を放つように消え始めた。
「あの子は、人の子だったのか・・」

もう、何もこわくはなかった。
ただ、願いは一つ。

「来い、蛍!やっとお前に触れられる」


ねぇ?蛍、覚えてる?
初めて会った日の事を。
笑いあった夏の日々を。
俺は忘れた事なんてなかったよ。
春も、秋も、冬も、会えない日々
ずっと蛍の事を考えていた。
蛍としたい事でいっぱいだった。
蛍とみたい物でいっぱいだった。
蛍と感じたい事でいっぱいだった。

でも、もうさよならなんだね。

蛍、こんな俺に気付いてくれてありがとう。
こんな俺を受け入れてくれてありがとう。

蛍の温もりを感じながら、最後に伝えたい事があった。




「好きだよ」



~夏はただ咲き誇り、その命輝かせ・・~






※~〇〇~
ED・おおたか静流『夏を見ていた』

{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 58
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

出逢ったのが彼女で良かった

『夏目友人帳』でおなじみのスタッフでおくる50分ほどのアニメ映画で、
なんともせつない、だけど心にやさしくしみるお話。

主な登場人物を公式サイトから抜粋すると


〔ギン〕
山神の森に住むキツネの面をかぶった少年。

〔竹川 蛍〕
6歳の時 森で迷子になったところをギンに助けられて以来、
彼に懐き、毎年の夏 彼のもとへ通うことになる少女。


ある夏、妖怪たちが住むと言われている山神の森で迷子になった蛍。
泣いているところを助けてもらったのが、ギンとの出会い。

それ以来の毎夏 森で逢うことを重ね、強く惹かれ合っていくのだが、
人でも妖怪でもないというギンには
「人に触れると消失してしまう」という掟のようなものがあり、
互いに触れ合えないまま蛍だけが高校生へと成長し、
やがてふたりは・・・というお話。

触れ合えないという大きな枷があるせいで、
手を繋ぐことも、抱きしめることもままならない関係。
蛍がまだ幼さの残る少女だった頃は面白おかしく描かれるのだけれど、
中学、高校へと成長していく彼女の、彼への想い方や、
お互いの向き合い方の変化、そしてなんとも初々しい二人の逢瀬など、
丁寧にきめ細やかに描かれていくので、
観ているこちらはもどかしくも切ない想いに駆られる。

このお話は詳しく書いたら野暮なのであまり書けないが、
{netabare}
ギンの正体の真相というか素性に加え、
胸が苦しくなるような出来事が起きた後の妖怪たちの言葉に、
{/netabare}
「あぁ・・・そういうことだったのか」と
山神様がかけた術の本当の意味がわかり、
こらえていた涙がどっとあふれてしまった。

雰囲気的には、『夏目友人帳』1期の8話「儚い光」や
3期の4話「幼き日々に」に近いテーマを感じた。

せつないけれど、悲しいのとは違う温かさ。
妖怪たちや山神の純粋でやさしい想いと、ギンへの愛情。
それらは、観る前に想像していた以上のもので。

また、これは2回以上観るとすぐに気づけるのだが、
蛍の選んだ道がわかる部分にも、ほっとできて。
とても良い後味と、しっとりした余韻に、
エンドロールがなくなってもなお、みつめ続けてしまうほどだった。

満天の星がきらめく夜空や、緑深い森に流れる木漏れ日のようなピアノ曲や
少しとぼけた感じのオルガンのメロディーも、
ふんわりとしたこの作品の空気感を盛り上げてくれる。

現実的に考えれば、少女がたった一人で森に行くというだけで
事件が起きそうな不安がよぎるし、ましてやギンなんて不審者扱いを受けそうな
今の世の中なのに、なんて平和なんだろう・・と。
観ていると・・・のどかでゆったりしていた時代が恋しくなる。

そして個人的に、ずっとずっと大切にしておきたい愛すべき作品の1つです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 81

88.2 2 夏アニメランキング2位
サマーウォーズ(アニメ映画)

2009年8月1日
★★★★☆ 4.0 (4191)
21309人が棚に入れました
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界、OZ(オズ)。そのメンテナンスのアルバイトをしている高校生の健二は、憧れの夏希先輩から田舎に行くというアルバイトを頼まれる。気楽に応じた健二だったが、実は夏希の本家とは武家の血筋を受け継ぐ旧家、陣内家であり、曾祖母である烈女・栄のために夏希のフィアンセのふりをするというアルバイトだったのだ。さいわい栄は健二を認め、芝居は平穏のうちに終わるかに見えたが、その夜健二はケータイに届いた謎の数式を、数学の問題と考えて解いてしまう。しかしそれは、OZ世界を崩壊させ、現実世界をも混乱させる大事件の幕開けだった。

声優・キャラクター
神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、仲里依紗、斎藤歩、富司純子

gibuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

声優に声をあてて欲しかった

ストーリー、個々の人物、作画などは非常に良かったので、
総合するとすごく良い評価になります。
ただ1つ惜しむらくはCV。
声優に声をあてて欲しかったです。


良い声、良い演技をなさる俳優は数多くいらっしゃいますが、
本作に声をあてた俳優さんは
「声のみで表現する」力が少し足りなかったように思います。
出演は俳優達の成長のためだったのかもしれませんが、
ラストシーンの違和感は忘れられません。


名のある俳優をCVにすることによる
宣伝効果は大きなものがあると思います。
俳優自身のネームバリューもそうですし、
事務所のバックアップも声優よりすごいでしょう。
ただ、「声のみで表現する」声優の能力をもって
作品をより素晴らしいものにすることで補えなかったのかと思うと…
それだけが心残りです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

友情・愛情・感動・絆・おばあちゃーん!!

まず一言!!ヾ(・o・*)シ
「サマーウォーズ」は大人から子供までどんな年齢層でも楽しめるような作品なので、多くの方々に観
て頂きたいなぁーと思える作品なのです♪
 
タイトルとパッケージのイラストからはとても想像できない様な、とっても壮大な物語なのですよ!!
なんといっても、今回の物語の舞台となっている長野県上田市の自然豊かな田舎風景とパソコン・仮想
空間・アバター・アカウントと言った現代社会の代名詞とも言えるIT文明を、見事なまでに融合させた
シナリオ構成には本当に関心させられましたのです(゚0゚*)ホ--ッッ!
 
■超簡単なあらすじ!!
世界一のセキュリティーを誇るOZと言うバーチャル空間がありました。そのセキュリティーゆえに、全
世界の人々のあらゆる身近な生活から、企業、政治、軍事まで密接にかかわるネットワークとなってい
たのです!
OZの世界でアルバイトをしていた主人公の健二。ある日の夏、本作のヒロインで先輩の夏希から、ちょ
っと変わったアルバイトに誘われてしまうのでした!!
そして、なぜか夏希のおばーちゃんの家に行く事になるのですw
その旅先で、健二がOZに関わるある事件を起してしまうのです!!その事件が引き金で、全世界が大混乱
におちいってしまうのです!!
お世話になっている夏希の田舎、陣内家の人たちとともに、この大混乱に立ち向かっていくのです!
健二と夏希の運命はいかに!!
 
■ここが見所かもね!!
・一見普通の男の子の健二ですが、とってもすごい能力が!?そもそもこんな能力なかったらねぇw
・花札やったことない人はちょっとだけルールを覚えておくと、感動が2倍になるかもね♪
・上田市と言えば!!そう幸村ですよ♪陣内家=真○家なのですね、そんな由緒正しい家柄に注目♪
・栄おばあちゃんの侘助(わびすけ)対する言動と行動に注目!!なぎなた姿は素敵でした♪
・『74』→『75』この数字覚えておいてくださいね♪名シーンですw
・警察官の翔太にはイラっとできますwでもこういうキャラいないとねぇ♪
 
 
他にも見所がたくさんですが、緊迫感も味わえて、人と人との絆、家族愛など、いろんな感情を味わう
ことが出来る作品した。とにかく、栄おばあちゃんが最高です!家族全員が慕っているのが本当に良く
わかりますよ♪
田舎を思い出させてくれるアニメってあまりないですよね。私のおばあちゃんの家も長野なので尚更でしたw
観てよかったなぁ~おもしろかったなぁ~ってED曲聴いて余韻に浸ってくださいね♪

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30

しょうすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

感涙物語でした( p_q)エ-ン

オンライン上のバーチャルワールドで自動クラックAIプログラムが暴走し 乗っ取られ現実世界に危機が近づいていきそれらを止める為、親戚達が協力し合い抗っていく家族愛物語…

何か題材的に考えるとそんな面白くなさそうなんですがいっぱい感動出来る名作だと思います^^b

キャラクター的にはイマイチな感じでしたが感動出来ましたし素直に楽しかったです^^
国内外で映画賞受賞とか言われてもピンとこないけどw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

89.6 3 夏アニメランキング3位
時をかける少女(アニメ映画)

2006年7月15日
★★★★☆ 4.0 (4039)
21190人が棚に入れました
東京の下町にある高校に通う女子高生・紺野真琴は、ある日踏切事故にあったのをきっかけに、時間を過去に遡ってやり直せるタイムリープ(時間跳躍)能力に目覚めてしまう。最初は戸惑いつつも、遅刻を回避したり、テスト問題を事前に知って満点を取ったりと、奔放に自分の能力を使う真琴。そんなある日、仲の良い2人の男友達との関係に、微妙な変化が訪れていく。

声優・キャラクター
仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、原沙知絵、谷村美月、垣内彩未、関戸優希
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

どうしようもなく、時は過ぎ去っていく

アニメーション製作:マッドハウス
監督:細田守、脚本:奥寺佐渡子、音楽:吉田潔
キャラクターデザイン:貞本 義行、原作: 筒井康隆

子供から大人になるとき、私たちは色々な痛みや哀しみを経験する。
そのことによって、私たちは屈託のない気持ちのままでは
いられなくなってしまう。
それは「良し悪し」ではなく、誰もがいつかは通る道だ。
ただ15歳のときに通る人がいれば、
40歳まで通らない人もいる。大人になるということは、
何か大きな洗礼が必要なのかもしれない。

『時をかける少女』は、真琴が子供から大人になる物語だ。
そういう視点で作品を見ると、テーマがより鮮明になる。
最初の真琴は、ただの子供だ。
とても明るく屈託のない性格が、多くの人から愛されている。
彼女は「今」の生活がとても気に入っていた。
「今」がずっとずっと続けばいいと思っていた。

{netabare} ある日、真琴は偶然に時間を戻す能力を身につける。
それによって夏休み前の楽しいひとときを繰り返せるようになる。
失敗してもやり直せる。考えなければならないことが起こったときは、
その問題が自分には起こらないようにしてしまう。
何が起こってもやり直せる世界は、とても居心地が良かった。 {/netabare}
しかし「今」という時を先延ばしにしたことで、
真琴の周りの環境は大きく変化していく。
多くの人の歴史が変わり、自分自身を含め、
たくさんの人が傷ついてしまう。
また、どれほど時間を戻しても取り戻せないものもある。
それは、いくつもの偶然が重なった瞬間だけに存在する、
人の気持ちだった。

未来は少しのことがきっかけで大きく変わってしまうこともある。
だからこそ、「今」という時間のなかで起こる出来事に、
真剣に向き合って考えることの大切さに真琴は気付く。

この作品はタイムリープの部分などで難点があるとは思う。
しかし、真琴の想いは、とても上手く表現できている。
誰かのために必死になって走る真琴の姿は魅力的だ。
そして奥華子の曲がシーンと絶妙に重なって、深く心に残った。
(2018年12月4日初投稿)

忘れられないシーン(2018年12月5日追記)
{netabare} 私はこの作品が大好きで何度もリピートしているのだが、
雀犬さんのレビューを読んで色々思い出したことがあったので、
少し追記したいと思う。

ひとつは、やはり坂道で転がっていくシーン。
ここは動きとともにとても印象的だ。
止め絵やスローモーションを効果的に使って、
転がってボロボロになっていく様子は衝撃的だった。
新海誠監督の『君の名は』にも同じようなシーンがあって、
観たとき、これは明らかに時かけのパクりだろうと思っていたら、
どこかのインタビューで監督が、あっさりと認めていた。
それほどインパクトのある良いシーンだった。

次にスクランブル交差点のシーン。
全てが止まったお互いの姿が見えない人込みのなかで、
真琴はこれからやりたいことについて、
千昭を探しながら会話を交わす状況がとてもせつない。
人込みのなかで、声だけが響くシチュエーションは
観ている者の心を動かすほどの哀しみを感じさせる。

また、奥華子の曲が流れる最後の跳躍のシーンも忘れられない。
時間を遡るなかで転校生としてクラスに来た千昭が喧嘩をしたこと、
仲良くなった功介と3人で雨の日にひとつの傘に入って
帰ったこと、千昭が真琴に告白をしたことなど、
これまでの色々なことを思い出していく。

そして、ラストの河原のシーン。
実写映画で使われるような望遠での固定カメラ。
煌めく川が流れ、車が左右にゆっくりと走っている。
真琴のそばを自転車が通り過ぎる。
どうしようもなく過ぎ去っていく時間のなかで、
ふたりが別離を迎えるシーンには心を揺さぶられた。
監督のこだわりがとてもよく分かる絵作りで、
これをやりたかったから、監督は作品を作ったのではないかと
思えてしまうほどの名シーンだ。
良い映画には、こういう心に刻まれるシーンが
たくさんあるものだと再認識させてくれた。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 92

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

時を越えても良い作品なのですね!!

「時をかける少女」ってタイトルだけは昔から良く耳にしていたのですが、原田知世さんの映画を含
め、今までまったく見た事がありませんでした!!
アニメ化されてからも、観た記憶はなかったので、よし、観てみようと思って視聴を開始・・・・
(^・ω・^).....ンニュニュ?デジャブ!?
無機質で嫌な予感を感じさせる、商店街の機械仕掛けの音楽隊!!
・・・・・なんか知ってるよこれw
どうやら、ふとつけたテレビでちょうど放送されてた所をそのまま観たのだと思いますね♪
まったくもって覚えていなかったので、面白くなかったのかなぁ~などと考えながら見ることになっ
たのです♪
 
物語は、真琴(まこと)・千昭(ちあき)・功介(こうすけ)の仲良し3人組がいつものように野球をした
り、ごくごく普通の学校生活を送るはずだったのです。
でも、この日はちょっと不幸な1日だったのですね♪プリンを食べ損ねたり、家庭科で油に引火させ
たり・・・それだけでは終わらずに、帰り道に死を覚悟するような踏み切り事故に遭ったのです!!
その瞬間にタイムリープに目覚めた日でもあったのです♪
タイムリープを手にした日からの真琴の日常が劇的に変わって行くのですよ!!
 
■「時をかける少女」で外せないポイント♪\_(*゚▽゚)
・黒板に書かれた「time waits for no one」観終わった後でこの意味の重みを感じてくださいね♪
・真琴と千昭の関係に注目!!親友から恋心に変わるタイミングってどこだったのでしょうか?
 友達の友梨との会話なんかもヒントになりますね-(・0・。)
・魔女おばさんの言葉に注目!!「待ち合わせに遅れてきた人がいたら・・・」この言葉に真琴がとった
 行動とは・・・
・千昭の言葉「未来で待っている」に込められた想いとは・・・o( ̄ー ̄;)ゞううむ
 その後、真琴が功介言った「実はやることが決まったんだ」に答えが見え隠れしますね♪
 
色々突っ込み所は満載でしたけど、人間観察が好きな人ならきっと楽しめたはずですよ♪
タイムトリープ後の世界で微妙に違っている人間模様をぜひ堪能してみてください、そして、真琴の
心理描写を絶妙に表現・演出している所も、全体を通して注目して欲しいですね♪
何気なくすごしている、何気ない時間って、良く考えたら取り戻せないのですよね(゚-゚*)(。。*)ウンウン
「時は金なり」って言う言葉がありますが、まさに、時間は貴重であり有効なものであるから、無駄
に費やしてはいけないよって、改めて時間の尊さを教えられたような気がするのです♪
そんな貴重な時間を割いても、観て損はない作品だと思いますよo(`⌒´*)oエッヘン!
 
最後に、主題歌:ガーネットの歌詞は真琴の気持ちが込められていて、観おわった後に改めて聞くと
改めてジーンとなれますよ♪歌詞が千秋の言った言葉のネタバレにもなっているからなのかもw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 42

MKT さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

夏に見たい青春アニメ

この映画がきっかけで奥華子さんのガーネットに完全にハマりました(笑)

☆時をかける少女 / ガーネット
http://www.youtube.com/watch?v=b_Y4XXkJDW0

いやぁ なんとも言えない切ない余韻が残るエンディングでした。
まさに夏に見たい青春アニメという感じです。

タイムリープで過去に戻れるかぁ。
俺ならいつに戻るかな?
小学生からやり直したいなんて欲は言わないから、
去年の夏に戻りたいかなぁ・・・。

でも戻れないしなぁ。

過去になんて戻れないこそ、後悔の無いように人生楽しんで行こう!と改めに思い返すきっかけになりました☆

投稿 : 2024/11/23
♥ : 20

67.3 4 夏アニメランキング4位
劇場版 ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH(アニメ映画)

2011年8月27日
★★★★☆ 3.8 (344)
2032人が棚に入れました
 大富豪のお嬢様ナギと、ひょんなことからその執事となった平凡な高校生ハヤテが繰り広げる騒動をコミカルに描く畑健二郎原作の人気TVアニメの劇場版。同時上映に「劇場版 魔法先生ネギま! ANIME FINAL」。夏休みも残りわずかとなり、ハヤテとナギはゲームもアニメもない田舎暮らしを体験すべく西沢さんの田舎へとやって来る。ネットもケータイも繋がらない田舎生活に退屈しながらも、夏休みを無事に終えられると思っていたハヤテだったが…。

声優・キャラクター
白石涼子、釘宮理恵、田中理恵、伊藤静、高橋美佳子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

パロディギャグの「さらにその一歩先」を行く傑作の誕生! 【ナギとハヤテの神隠し】或いは【三千院ナギの消失】

これは本当に良い映画でした!
時は夏休み、舞台となるのは日本のド田舎
三千院ナギお嬢様と執事の綾崎ハヤテ、そしていつもの面々が西沢歩さんの招待でやってきたのはネットもゲームもアニメも無いド田舎


まず驚いたのは前作であるテレビアニメ2期では原作の時間軸で言うところの『3月』までのお話だったのですが、今作では『8月後半』が舞台ということで知らん間に時間が進んでやがりましたw
特に説明も無しに新キャラがいたりとかで【アニメ3期を先取りする内容】なんだなーと一瞬で補完しましたわw
ほらほらw視聴者の『物語を補完する力』が試されてますよー
ハヤテにしては粋な計らいやなー、ってかこんなの超初級ですよー
皆さーん着いて来てますカー?


けど、後々調べてみると『そもそも原作の最新話がまだ6月』らしいので【原作より先行したお話】だったようです;
新キャラもまだ原作に出ていないらしいので、原作ファン的にもサプライズがチラホラとあるようですね、これは率直にスゴイ!の一言


もちろんシリーズお馴染みのパロディギャグも健在で、今回は特に『伏せ字』などはせずにバンバン実名でパロってきますのでwこちらもお楽しみに


さて、今回の劇中ではナギお嬢様ほか数名が『神隠し』にあってしまい、この他の人物達の記憶が改編されるという事件が発生します
書き換えられた記憶でハヤテは自分の仕えるべきお嬢様が『とある別人』に入れ変わってしまったことに気付きません
この辺のパラドックス的な困惑の描き方が本当に最高です!
さらにこの事象そのものが「ハルヒ消失」や「千と千尋」のパロになっているという高度な作品でした


ヒナギク、マリアといったハヤテとの恋模様が気になる二人のヒロインにも、ちゃんとスポットを当てている所も素晴らしい限りです
ナギお嬢様一辺倒なシナリオで、どうせ『釘宮病患者向け』なんでしょ?って敬遠されてるお方はモッタイナイですぞ><


オチに関してもスゴイ!
今回の事象を引き起こした人物に動機が無いのはオカシーだろーwとか高を括っていたオイラですが
ラストで黒幕の素性が明かされ、全て納得しましたw


作画面では流石にJC制作の2期を超えられまいw
と思っていましたが、原作のデフォルメ絵の再現など2期よりさらに磨きが掛かっていて大変満足です
小森監督は本当に良い仕事をしてくれましたね!今後も是非監督を続けていただきたいです^^b

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14

ともか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本編視聴者へのプレゼント。 良い意味で意表を突かれる内容だった。

約70分のアニメ映画。
アニメ第1期『ハヤテのごとく!』と、第2期『ハヤテのごとく!!』を視聴済み。

原作にないオリジナルの物語だそうだが、登場人物の説明等がないので、
アニメ版の視聴、もしくは原作既読であることが ほぼ必須だと思う。

本編に登場した主要人物たちが夏休みの最後に田舎へ遊びに行くお話。
そして、着いた先で不思議なことが起こる。
約1億5千万円の借金だけを残して両親に捨てられ、
40年間執事として働くことで借金を返済することになっている主人公・綾崎ハヤテ。
そんな彼が今すぐに借金を全額返済できて自由の身となり、
普通の少年として人生を歩み直す権利をもらったら、彼はどんな判断をするか、
というシンプルな内容の物語。

そう、「ハヤテ」シリーズといえばドタバタパロネタ(ラブ)コメディのイメージだったが、
この作品は単純ながら一貫したストーリーがある。
そういう意味で、私にとって意表を突かれることになった。
個人的には、少しだけ子供の頃に見そうな不思議な夢を見ていた気分にもなれた気がする。
また、ハヤテがどんな展開を通じて答えを出すかを、
ちょうど良い尺でコンパクトに楽しむことができた。


声優は本編と変わらず。
作画は長い間見てきたものから変わっていたので少し不思議な感じもしたが、
大崩れしているわけではないし、簡単にキャラの見分けもつくので問題なかった。

演出面では田舎の雰囲気を出しているためか、
バックミュージック等が少なくて全体的に静かな気がした。

キャラについては本編と同じ人物だけれど、
(ハヤテシリーズの作品としては)物語が重視されているので、
ひたすらギャグを連発していた時に比べると少し元気がなかった印象。

音楽について、1回しか視聴していないため使用された曲も覚えていないけれど、
雰囲気は作品に合っていて良かったと記憶している。


とても易しく、嫌なこともほとんど起こらない物語なのでストレスなく楽しめそう。
ハヤテシリーズをご存知で この劇場版を未試聴の方は、
短時間で手軽に観られるので、試しに一度観てみてはいかがでしょうか?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 17
ネタバレ

ぴの@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

まとまっているいいアニメ映画でした~~

ハヤテの劇場版ということでどういうものかと思いましたが、正直に言っておもしろかったです。

{netabare}舞台は、歩のおばあちゃん家で、自然がきれいでしたね。
マングローブの初めての映画作品ということで力を入れていたんでしょうか~~(●^o^●){/netabare}

少しシリアス系が強い今回のハヤテでしたが、いままでのギャグのセンスも失わない良いものだったと思います。

OPは水蓮寺ルカの「僕ら駆け行く空へ」でしたが、明るい曲でけっこう好みです。
また、主題歌のfripSideの「Heaven is a Place on Earth」もいい曲ですね~~。

残念なのは上映時間が短いのでちょっと物足りないかなというところがありますが、良い映画でした。
どうせなら、ネギまがあの出来ならハヤテだけを上映すればよかったのではないかと思いますが…


あとは、アテネ編を映画でもアニメでもいいので映像化してほしいですね\(^o^)/

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

66.7 5 夏アニメランキング5位
河童のクゥと夏休み(アニメ映画)

2007年7月28日
★★★★☆ 3.8 (211)
972人が棚に入れました
夏休み前のある日、小学生の帰り道に上原康一は大きな石を拾った。持ち帰って水で洗うと、中から何と河童の子供が!!第一声は「クゥ?!!」。康一はこの河童を「クゥ」と名付ける。クゥは康一たちと同じ言葉を話し、何百年もの間、地中に閉じ込められていたことがわかる。最初は驚いた家族もクゥを受け入れ、クゥのことは秘密にしようと決めるが・・・。


声優・キャラクター
冨澤風斗、横川貫大、田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

河童菌~♪河童菌~♪ いじめ・・ダメ、絶対!

『下校途中、川辺で河童の子供を偶然発見した少年「上原 康一」と、その少年に「クゥ」と名付けられた河童の子供とのひと夏の心温まる友情を描いた物語』


映画のトータル時間は約140分と長いですが、とてもほんわかする時間を過ごせました。心温まる話が好きな方にはおすすめですね。観終わった後、じわーーーっときます、じわーーーっとです。分かりますよね?この感覚。また、この作品は2007年のものなので、ほんの少しキャラクターデザインは古く感じるかもしれませんが、内容は全く問題ありませんでした。脚本はしっかりしていました。


物語の流れは、ざっくり分けて3部ぐらいに分かれていると思いました。1部は「思い出作り」、2部は「騒動」、そして3部は言いません。つまらなくなるので・・。出会いがあればその逆もってやつです。分かりますよね大体ね。


監督は「原 恵一」さんです。クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」や「嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦」を手掛けた方です。ですので、さすがに家族間の掛け合いはお見事でした。上原家が野原家のように見えましたよ。


康一とクゥとが夏休みに2人だけ行った旅は良かったです。ちょっぴり不安でちょっぴりドキドキ、そんな雰囲気が感じられました。


2013年に監督の原恵一さんが続編にあたる小説「河童のクゥ 6年目の夏休み」を発売しているので、ぜひ映像化してほしいです。その続編では、康一は高校生になっているそうです......あーーダメだぁぁー、また小説読みたくなってきたぁぁー、脳が震えるぅぅぅ。


この作品の中で、河童伝説のある岩手県の遠野市が出てくるのですが、そこで河童って見る事は出来るのでしょうか?と言うか、河童を見た事ある方はいますか?ちなみに私事で申し訳なのですが、自慢じゃないですが私は河童を見た事がありますよ。私の周りには結構沢山いるんですよエロ河童。でも私はそんな人達が近くにいても、屁のかっぱなんですけどね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おっさん…(;_;)

以前後半の方だけTVで観て、きっとこれは少年が河童と風変わりな一夏を過ごして、でもやっぱりいつまでも一緒ってわけにはいかないけどハートフルな話なんだろうな、と思っていました。

またTVでやっていたので初めの方から観たところ、だいたいは上記に当てはまるのですが、さらに事細かな人間社会の滑稽さや皮肉な状況を盛り込んだ話でした。

クゥより気持ちを持っていかれたのは、捨て犬「おっさん」。おっさんーー!!おっさん〜〜!!
{netabare}のんきそうでいて、その過去と生涯が辛かった。
学校で殴られるようになって、はけ口として犬を殴るようになってしまった飼い主が、その後どうなったのか。おっさんはきっと気がかりだったでしょうね。
「人間は、変わっちまう」
「ずっと殴られてやりゃぁ、よかったのかな…」って。
以前目にした「虐待されている最中でも親を愛していました」っていう言葉がよぎりました。とても悲しい。 {/netabare}

色々、胸に痛かったです。


妹のありそうな幼児っぽさがうまいですね。知ったかぶったり、河童に対して家庭内の縄張り争い?繰り広げたり、変なところに物隠したり。

主人公の少年の言動…とくに言葉遣いは、すごく「今風な」感じだったり、テレビ出演に浮かれたりと、主人公でありながら社会の一部で翻弄されるように描かれていて、単なる勇気と良心に満ちてはおらず、甘くなかったですね。
でもそんな彼が大手を振って笑って過ごせる世界でもなく、そんなはずじゃなかったのに1人きりで受け止めなければならない状況に追い込まれるところなどリアルでした。もっとも、少しだけ分かち合えた少女の存在や、頼れる家族の繋がりなど、やはりハートフルな部分も生きていました。

原監督は長いことこの作品を映像化したくて、クレしんで結果を出してやっと着手できたものの、原作者の方は完成を見ずに亡くなられたそうで。(wikiうけうり…)
込められた想いが伝わる作品でした。


現在は消失してしまった座敷童の宿、主人公が実際泊まるには人気過ぎて難しかったかな…?「3年先まで予約がいっぱいの宿」だったそうで。今も再建を目指してるんですね。

主人公家族の住んでいた東京の田舎な街並、見覚えがありちょっと懐かしかったです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「オトナ帝国」の原監督による渾身の一作。児童文学アニメと侮るなかれ!!

2007年劇場公開。
本編、約140分。


【前置き】

初期の「劇場版クレヨンしんちゃん」の多くに携わってきた、原恵一監督の劇場映画。
原作があまりアニメ化に至らない児童文学ということから、原監督の意向とは裏腹に中々制作出来なかった経緯があり、「オトナ帝国」(2001)「アッパレ戦国大合戦」(2002)等の実績を経て、やっと本作の制作に着手したそうです。

原作者であえる木暮正夫さんは、本作の完成目前に他界されたそうですが、本作の数々の受賞歴や何よりその出来に対し、きっと雲の上から監督に賛辞の言葉を送っていらっしゃることでしょう。


小学生の姪が遊びに来ていたので、年齢的にもピッタリと思い、宿題終わりのご褒美に身内一同で本作を鑑賞しました。
子供は子供なりに、大人は大人なりに皆無言でじっくり本作を見ていました。
それを遠目で見て一人ほくそ笑む私。
……なんとも変な絵でしたね。



【あらすじ】

小学5年生の「上原 康一(うえはら こういち)」は、下校途中に偶然、川辺に埋もれていた大きな石を見つけます。

好奇心からその石を割ってみると、中には化石のように干からびた生物が出てきたのでした。
それは、長い間地中で仮死状態になっていた『河童』の子供だったのです。

なんとか家族を説得した康一は、その河童に「クゥ」と名付け、共に生活を始めました。
当初は、あるトラウマから人間に対し警戒心を抱いていたクゥでしたが、康一や家族の厚意を機に、徐々に信頼を寄せるようになっていくのですが……。



【語ってみる】
{netabare}
原作が児童文学であることに加え、タイトルや絵の雰囲気からも、本作は子供向けのイメージが強いように感じます。
実際、DVDレンタルでは子供向け棚に入れられていることも多いですね。

しかしその中身は、原監督が原作を大幅にアレンジして上で、環境問題からイジメ、更には過剰なマスコミ報道等、非常に現代社会に対し訴える内容となっており、子供と大人でまた見方が大きく違う作品だと私は思っています。
こういう点は、まさに「オトナ帝国」「戦国大合戦」の様相に似ており、監督の得意分野なのでしょうね。

ただ、それらの作品と大きく違う点として、描写として非常に過激なシーンが幾つかあり、特に小さな子供が見るには注意が必要かもしれません。
冒頭の、クゥの父親が腕を切り落とされ斬殺されるシーンに始まり、陰湿なイジメ、動物虐待、ある事象から鴉が木っ端微塵になり血が飛び散るシーン等がそうですね。
決して、内容の無い不必要な過激描写ではありませんが。



さて、本作を見てまず感じたのが、キャラクターの生々しさでしたね。

本作で登場する上原一家は、決して個性の強い特別な家庭ではありません。
故に子供達の言動や行動は勿論、その大人の立ち振る舞い等も妙に生々しく、それぞれ世代の近いキャラを見たら、変にこそばゆい気持ちにさせられます。
だからこそ、妖怪と過ごすという圧倒的な非現実から、リアリティーの強い内容にもすんなり持っていけたのでしょうね。

このリアリティーさに一役買ったのが、キャラと同世代の子役声優の起用でしたね。
本職である声優さんの子供声の演技が素晴らしいのは私も重々存じ上げているつもりですが、やはり声質から純朴な演技力まで、リアリティーさにかけて言えば本物の子供には敵う筈もありませんものね。
ただ正直、2010年以降の子役声優と比べると、本作での子役は演技的に拙く聞こえたのが本音です。
(特に、感情の起伏が激しいシーンでは。)

お父さん役は「田中直樹さん(ココリコ)」、お母さん役は女優の「西田尚美さん」。
こちらも本職の声優さんではありませんんが、これがまたどちらも名演でした。
特に田中さんは、元々かなりの動物好きなので、動物に対しての台詞には演技力以上の重みがあったように感じました。



物語は、大きく分けて3つ。
『出会い』と『事件』、そして『別れ』で構成されています。

『出会い』は、全体的に子供向けを意識した構成で、クゥとの不思議だけど楽しい日常風景を元に、彼らに信頼が芽生えていく様子が丁寧に描かれています。
秘密に河童を飼い、喜ぶ長男。
自分の地位を河童に脅かされたように感じ、嫉妬する妹。
世話が大変だとぼやきつつ、愛を向ける母。
妙な無責任さで、無邪気に河童と遊ぶ父…。
そして、唯一彼と心で声を交わせる、飼い犬の「オッサン」(←名前)。
先でも述べましたが、彼らのこの行動の生々しさがあって、初めて大人も鑑賞出来る内容に仕上がったように感じます。

そうそう、ここの途中で、河童の生き残りを探しに、康一とクゥが岩手県遠野市まで足を運ぶシーンがあるのですが、ここで出てくる座敷童子は妙~なインパクトがありましたね。
姪は、ここで彼女が歌う童歌を妙に気に入っておりました。
確かに良いメロディーです…、ケド…なんか怖いんだよなぁ……。。。


さて、話の根幹となるのは、この後の『事件』。
クゥの情報を嗅ぎつけたマスコミが騒ぎ出したことをキッカケに、遂に家族はクゥを連れてテレビ出演を快諾することになります。
ここの流れとして、父親が会社の得意先の頼みで断り辛かったことや、これまで頑なにクゥの秘密を守っていた康一が、テレビに出られると聞くや急に態度を変えて喜ぶ様等があり、これまでと違う人間の浅ましさが見え隠れし出したシーンでもありましたね。

その浅ましさは、結果的に何一つ好転することは無く、一つの命と、クゥの叫びにより登場した伝説の生き物によって、一応の解決を見せます。
ただそれは、過剰なメディアが先から一変し、クゥを危険視し隔離すべきだと手の平を返すことにも繋がりました。
去年だけでも、どれだけこの手のマスコミ報道に覚えがあるでしょうね…、なんとも胸糞が悪かったです。


ここから『別れ』の構成となる、以降の30分弱。
ここはハッキリ言って、非常に大人向けなシナリオ構成であり、大騒動の後日談のように基本的に淡々と描かれ『事件』時のような盛り上がりにも欠けるので、子供は退屈するように感じましたね。
(実際、姪は退屈そうでした。大人としては全くなのですが。)

クゥとの別れは、いわば必然です。
最初とは打って変わり、とても真剣な表情で父親が言った

「俺達とクゥは違うんだ、住むところも…生き方も。

 今の暮らしは、クゥにとって自然じゃないんだよ。」

という台詞に、康一も遂に引き下がることしか出来なくなりましたね…。
それは作中、彼が自分の損得でなく、初めて100%クゥの為を思って出した結論だったように思います。

最後にクゥが言った通り、彼はそんな自分を責めていたようですね…。
実際ハッキリ言って、決して完璧な付き合い方ではなかったでしょう。
ただ、それでもクゥは、それを否定することもなく

「オメェに貰った命、大事にするからな~。」

と言いました。
この奇跡の出会い…この短い夏休みの出来事は、彼らにとって、代え難いかけがえのない日々であったことが窺えましたね。
{/netabare}



【クゥ以上に心動かされた存在、オッサン】
{netabare}
本作はタイトルの通り、河童のクゥを物語の主軸として描かれているのですが…。
それ以上に視聴者に強烈な印象を与えるキャラクターが、上原家で飼われている犬の『オッサン』でしたね。
なんともインパクトのある名前ですが、
「拾った時、なんとなく顔がオッサンだったから。」
というのが由来だそうです。
こういうの、小学生にありがちだから困る。(後述)

オッサンは、犬の中では珍しく心で会話が出来るようで、クゥとは人間よりも近い視点で、側で話を聞いてやれる存在でした。
初めて会話した時にオッサンが言った、

「このウチの連中は、そう悪い奴らじゃねぇ。」

という言葉は、クゥが上原家に対し心を開くキッカケの一つになったことでしょうね。
見た目は可愛い雑種犬なのに、こう声色や物言いがホントのオッサンそのものなのが、また良い味を出していました。
(まぁ齢10才は越えているようなので、実際人間的に言えばオッサンですしね。)


実はこのオッサン、人間に飼われるのは、これが2回目でした…。
中盤、メディアに騒がれ浮かれる康一に不安がるクゥを見て

「人間は急に変わることがあるからな…、俺の前の飼い主がそうだった…。」

と、オッサンは自身の昔話を話してくれたのです。
それは、子供の頃は仲良く遊んでいた飼い主から、ある日突然虐待を受けるようになった、見るも聞くも非常に痛ましい話でした。
学校でイジメを受けるようになった飼い主は、その腹いせにオッサンに暴力を振るい始めたんですね…。

「悲しかったよ…。殴られるのも嫌だったし、そんなアイツを見るのも嫌だった…。

 俺は…逃げた……。」

その先で出会ったのが、幼稚園の頃の康一。
オッサン曰く、「子供の頃のアイツに似てた」そうで、彼に着いて歩いたのだそうです。

話の終わりに、「人間はなんで変わるんだろう…。」「なんでだろうなぁ…。」と顔をしかめ合うこの2匹の会話は、自分自身にも問題提起されているような気分になりましたね。
年々このシーンは、涙なしでは見れなくなってきました…。


この後、オッサンはクゥがテレビで騒ぎを起こした時も、呆然とする上原家の中で唯一、自ら咄嗟に動きクゥを逃がしてくれました。
ただこの行動は、クゥを乗せたオッサンを面白がって追いかけて来たヤジウマの車によって、オッサンが事故に遭い命を落とす結果へと繋がるのです…。


『アイツ、ちゃんと生きてるかなぁ…。あのまま殴られてりゃ良かったかなぁ…。

 そうすりゃアイツも気が晴れて…、また…あの頃みたいに……。』


最後の最後にこう言い残す辺り…、やっぱりずっと前の飼い主を引きずっていたんですね…。

そんなオッサンの最後を看取り泣き崩れるクゥを見て、今度は写真を取り出す人間達…。
この一連のシーンは、自分が同じ人間であることが恥ずかしくなるぐらい胸糞の悪い絵が続き、本気で苛々しましたね。

悲しみと怒りと辛さが同時に込み上げるので、好きなシーンとは決して言えませんが、ただ作中で一番印象に残ったシーンでした。
メインであるクゥの、どのエピソードよりも…。

終盤に撮った、オッサンの写真を真ん中にして皆オッサンのようにベロを出して笑う写真は、オッサンがいてくれたからこそ出来た…家族とクゥの心が本当に一つになった時の一枚でしたね。
ありがとうね、オッサン。

しかし子供向けと思いきや、容赦無く救いも無く死んでしまうのは衝撃でしたね。
家族が自責を背負い意識改革する部分でも話として必要なのは分かりますが、足に後遺症が残る程度でも…と思ってしまうのが本音です…。

前の回想シーンも含めて、動物好きの人にはかなり胸を抉る映像のある作品となるので、その点は要注意ですね。
私にとっては、「Another」等のどんなグロ映像よりも、本作の方が目を背けたくなりました。
{/netabare}



【総評】

児童文学を題材にしたアニメ映画として、子供が楽しみしっかり学ぶことの出来る作品だと、私は自信を持って言えます。
(終盤は小さい子だとダレかねないですが、しっかり見て学んでほしいですね。)
加えて大人にも、きっと胸にズキンと突き刺さるシーンが幾つもあることでしょう…。

私は、本作はハッキリ言って、どちらかと言えば大人向けな映画だと思っています。
メインは河童ではありますが、そのクゥと飼い犬を通し、生々しく描かれた家族が、失敗し…そして成長する物語ですので。
前半と後半の描き方の落差はかなり違いますので、そういう意味でも後半までじっくり見て御判断下さい。


さて、作中でクゥがこう言う場面がありましたね…。


「父ちゃんが言ってた…。

 人間は、水や地べたを俺達から奪い、そのうち風や空や、神様の居場所まで自分達のものにしちまう。

 それと引き換えに、魂を失くしちまうだろうって…。」


いつか、この父ちゃん河童が言ったことを、思いっきり否定できる未来が訪れたら良いですね。


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『オッサン(犬)』声 - 安原義人さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『菊池 紗代子』声 - 植松夏希さん




以下、犬の名前について。
(どーでもいい話なので、〆ます。)
{netabare}
作中に登場する犬の「オッサン」ですが、ホント子供は犬に阿呆な名前を付けますよね。
犬側からしたら、たまったものじゃないでしょうに。


本作を見て、小学生時代に友達らと犬の名前について話す機会があったのを、思い出しました。

「チビ」「ラッキー」「ララ」みたいな可愛い名前もいれば、

「アンコ(食べ物)」「バームクーヘン(食べ物)」「ジョイ(洗剤)」「うんにゅ(?)」等、ちょっと耳を疑う名前もチラホラ。


中でも、今も忘れられない名前が『バター』ですね。


当時は聞き流していましたが、大人になって初めて、その犬の名付け親は家族の誰だったのかが気になりました。

お母さんとかじゃないといいなぁ……。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28

61.4 6 夏アニメランキング6位
劇場版AIR(アニメ映画)

2005年2月5日
★★★★☆ 3.5 (171)
956人が棚に入れました
 2000年に発売され大ヒットしたPCゲームソフト『AIR』を、「エースをねらえ!」「あしたのジョー」など多くの名作を手掛けてきたアニメ界の重鎮・出崎統監督が映画化したファンタジー・アニメーション。少女と青年が織りなす時空を超えた恋愛物語が、色彩豊かな映像で綴られてゆく。 その海辺の小さな町には、背に白い翼を持った姫君と、彼女を護衛した青年の悲恋の物語が言い伝えられている。姫君は、その異様な姿のため屋敷に閉じ込められていた。ある時、姫君の前に一人の青年が現われ、外の世界のことを話して聞かせ、喜ばせる。しかし、そんな2人には悲しい運命が待っていた…。この町に住む少女、神尾観鈴は、病気がちで学校にも行かず、友だちもいない寂しい日々を送っていた。翼の姫君に自分を重ね合わせる観鈴。そんなある日、人形劇をしながら旅をしている青年、国崎往人が観鈴の前に現われる…。

声優・キャラクター
川上とも子、久川綾、緑川光、西村ちなみ、井上喜久子、神奈延年、三木眞一郎、冬馬由美、今野宏美、永島由子、潘恵子

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゲームプレイヤー以外なら楽しめる作品かもと思います。

TV版を2度ほど1話で断念、もう総集編だけでいいやと総集編だと思った「劇場版」を視聴。

出出崎に驚嘆w

そのまま引き込まれ視聴終えました。

2005年2月封切りの「劇場版AIR」は東映アニメーション制作。
2005年1月からTV放映された「AIR エアー」は京都アニメーション制作。
TV版の方が公開は先となりましたが、制作自体は劇場版の方が早く、2004年秋公開予定だったのが延期され2005年2月封切りとなった模様。

この「劇場版AIR」は制作が東映アニメーション、監督:出﨑統氏、脚本:中村誠氏と重量級w、物語、場面構成は「ガンバの冒険」や「宝島」ファンには堪りませんw

劇場版を見終わった後にTV版とOVAを見ましたが、京都アニメーション制作のTV版はまた趣が違いますね。

劇場版はゲームをやってない私でも映像、ストーリー共々十分楽しめました^^

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

困難に立ち向かう人間の強さを描く

この劇場版AIR(東映アニメーション)はTVアニメ版(京都アニメーション)に先駆けて制作したもののTV版に遅れる形で公開され、原作ファンから大顰蹙を買ったあげくTVアニメから入った新規ファンからも叩かれるという散々な評価を受けている作品であります。

出崎監督ならではの原作改変や独特な演出が美少女ゲームの支持層から外れてしまったことが原因かと思うのですが、個人的にはこの映画とても好みです。


本来多数登場するヒロインを排して往人(ゆきと)と観鈴(みすず)の関係をクローズアップさせ、TV版より詳しく現在と過去の行き来を描写することで、より物語の核心に触れることができました。


また、出崎監督の見せるドラマチックなカットと場面構成、そして登場人物の人間臭さは情緒があって見応えがあります。

特に晴子さんに関しては、キャラクターとして強く息づいていて情に訴えかけるものがありました。

観鈴ちゃんに対しても、あえて汚い部分や強引な所を出すことでより現実的なキャラクターに仕上がっていると思います。
往人との間にある障害の大きさを自覚しながらもストレートに自分の好意をぶつけていく彼女には、儚さを超える生命力を感じました。

観鈴ちゃんの語りが過去と現在を上手くリンクさせて、それぞれの神々しさが一体化している様子も綺麗です。

夏の眩しさ、海の美しさ、そして祭りの騒がしさが物語を彩ってくれています。


作画はやや粗い部分も見られますが、それよりも演出面に抵抗のある人が多そうです。

音楽は静かな主張のない作りが特徴だと思います。映像に比べ地味な印象ですが、むしろそこがいいのかも。

声優で、往人はやはり緑川さんが良いです。クールな見掛けの中に秘めた熱さを表現するには適任だと思います。

一本の映画としては非常に筋の通った良作だと思います。AIRの色眼鏡を無しに見てみると楽しめました。

出崎監督の解釈が知れるオーディオコメンタリーも面白かったです。(監督の出崎さんと脚本の中村さんの対談)
特に監督の人生観・恋愛観そして創作への考え方は貴重だと思います。

主人公とヒロインの関係性、そして互いに自身の殻を打ち破ろうとする意志の強さを明確に示した人間ドラマでした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

☆出崎節 AIR

原作ファンの支持が得られないで問題も多々あったらしい
劇場版です。

出崎先生のオリジナリティ溢れる演出テクニックが強すぎた
為と思われます。入射光や白い画面やたたみかけるハーモニーと大胆なトラッキング

なのでこのアニメは一人の天才的演出家の作品を楽しむための
作品とわりきって観るアニメだと思います。(*^_^*)


監督/出崎統


製作-東映アニメーション、フロンティアワークス


2005年2月5日公開(上映時間91分)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6

61.6 7 夏アニメランキング7位
宇宙ショーへようこそ(アニメ映画)

2010年6月26日
★★★★☆ 3.6 (160)
677人が棚に入れました
村川村は、都会から遠く離れた自然囲まれた土地。夏休みの子供だけの合宿のために小学校に集まった夏紀達5人は、行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れるのだが…。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、生月歩花、鵜澤正太郎、松元環季、吉永拓斗、藤原啓治、中尾隆聖、五十嵐麗、小野坂昌也、竹田雅則、宮本充、飯野茉優、江川央生、斎藤千和、伊藤和晃、日髙のり子、銀河万丈、飛田展男

ガチHOMO野郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙かわいい

名前だけは知ってたけど観たことなかったシリーズ第1弾は本作、『宇宙ショーへようこそ』です。
長いことレンタルのパッケージだけ見て手を出さずにいましたが、実際観てみるとパケ裏のあらすじなどなどによる逆詐欺だったことが明らかになりました。

なんといってもこの作品の見所はキャラの良さ。
どいつもこいつもいい奴ばかりです。
キャラ付けはちょっとありがち感とか漂いますが、今の時代ありがちじゃないキャラは大体どっか破綻しているので物語を進めるのに適したキャラクターだったと思います。
あと宇宙人のデザインが秀逸。
キモかわいいという表現が一般的な気もしますが、個人的には直球かわいかったです。
後述する某キャラなんて家で飼いたい。

次に作画。
劇場版だけあってやはり流石の出来でした。
狂気の作画や手抜き風味などもなく、非常にハイレベルです。
あと序盤の色味とかがジブリ風味に感じられましたがそこはまあ個人の感覚ということなので深くは突っ込まないでいただきたい。
また色々な架空の存在の造詣が素敵です。
個人的には、過去これ以上俺好みな宇宙はトップをねらえ!以外では観たことないです。

音響面はまあ劇場版のクオリティだな、って感じで特筆すべき点を見出せませんでした。
唯一語るとしたら「Happy Birth Day to You」ですかね。
あれはすごい耳に残ります。

ここまで色々と書いてきましたが、ひとまず断言できるのはサブキャラの宇宙人、インクショップの看板娘であるインクちゃんがかわいいってことです。
まったくもって美少女キャラではございませんが、メインキャストのヒーロー(女)、ヒロイン(女)を押しのけてかわいいです。
言うなれば小動物。
頭部の髪の毛っぽい部分がメインの腕みたいになってるので乗り物のハンドルを切る時とか首を傾げてるみたいでマジたまりません。
上のほうで色々褒めたり貶したりしてますけどそのシーンだけでもこの作品を観る価値があると思います。
マジです。

そんなわけで、あなたも是非夏のバカンスに宇宙旅行をお楽しみくださいってこった。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙人、拾いました。

「ありがとう、おかげで助かりました」

全校生徒たった5人の小さな小学校に通う仲良し5人組は
行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れて、
ミステリーサークルと、傷だらけの犬を目撃し持ち帰る。

手当をして元気になると・・
人の言葉をしゃべる!
二足歩行で人間みたいに歩く!
小学二年生の女の子を「美しい・・」と褒め称えて口説くw
こんなの犬じゃねぇ!・・普通じゃないと・・。

だが、彼は犬・・ではなく宇宙人だったのだ。
{しかも名前はシンプルなポチ。}

ポチは介抱してくれたお礼として
一行は月で修学旅行をすることになった
{羨ましすぎるから私も仲間に入れて欲しい!w}
月では数々の宇宙人、見たことない乗り物やお菓子
地球にもあるファーストフードやコーラもある
{ただし地球で買うより高い}

物語に深く関わるキーワードの
今宇宙で最も注目されている番組「宇宙ショー」を楽しんでる中
月からの地球便がすべて通行禁止になり、帰れなくなってしまう・・。

帰れない。修学・・襲愕旅行(;゚Д゚)!
月でアルバイト
{netabare}
特急に乗るため一行は乗車料をバイトして稼ぐことに・・

良いなぁ。
私も月でバイトした~い!!(笑)
地球にもある宅急便、ベビーシッター
ピザの配達、アイドル、メカニック系なんでもアリ!!
今やってる仕事?そんなの放って月へ行く!w
{何て言って責任感強くて出来ないw}
{/netabare}

136分・・2時間弱あるのでとても長いです。

前半ジャングルジムごと月へワープするのとか
銀河鉄道の夜を思い出すような宇宙を駆ける列車
月を旅行したり別の惑星に行ったり
宇宙人の友達が出来たりとか
大人になると忙しさの中忘れちゃったような
子供の頃の夢とか詰まっていて見ながら
良いなーと思いながら観てました。

ポチ、かっこいいよポチ
{netabare}
ポチが初登場の頃から
犬にしてはイケメンすぎる声だな・・と一目惚れ(笑)
7歳に対して「あまねさん」と敬語なところと
本気で口説いちゃうところとか
実は教授なとことか好きすぎるw

最後あまねちゃんがポチにちゅーして
ポチがめっちゃ照れてるのが可愛い!
「いつかあまねさんを迎えに行く」
と言っちゃうところが素敵!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

童心をくすぐる最高のファンタジー

ホントに大好きな映画です。

頭が突き抜けるほど晴れた夏の空、
自然に囲まれたド田舎の年齢バラバラの小学生5人がひょんなことから宇宙へと旅行に行くお話。

夏というのは不思議で何かが起こるような気がして仕方のないものです。特に子どもにとってはね。
だから、空からタイムマシンが落ちてこようが、いきなり汎用人型決戦兵器に乗せられようが
「やれやれ」といいながら心の中ではワクワクしてしまうものです。
この作品内ではそんな行き着く先も消滅の仕方をも忘れた欲望が水を得た魚のように、そりゃもう存分に暴れまわります。

この映画には強く明確なメッセージやテーマはありません。
少年少女1人1人の想いや行動から湧き出てくる活力がとてもすがすがしいことが魅力のひとつとなっています。
映画に出てくる背景やあらゆるもののデザインは好奇心をくすぐるものですし(特に人の動きが好き)
声優さん方の演技も子供ならではのあどけなさが伝わる名演技でした。

主人公たちはいろんなものが詰まったストーリーを通して
周りのすがた形の違う宇宙人たちと自分たちを比較し人間らしさを、
そして彼らやいつもそばにいる周りの友達に改めて触れることでその人の良さ、
または自分らしさをほんの少しだけれど見つけることができました。

本当に良い物語でした。


{netabare}

ジャングルジムが浮かんでいくシーンに感動しました。
すごく素敵で幻想的で引き込まれました。一番好きなシーンです。
もちろん宇宙ショーでの戦いシーンもとても良かったです。

登場人物ではインクがかわいかったです!
宇宙船の操縦なんかもたくましくて、でもかわいくて。
キャラデザもGOOD
その分最後の別れは悲しかったです。

なつきも好きだった。
なにかやろうとしても少しかっこつけたがって、しかも上手くいかなくて。
悩んだりしてるシーンなんかも含めてとても共感できました。
彼女にしかわからない彼女の葛藤をひとり抱えこみ、なんとか頑張ろうというこころが好きでした。


{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12
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