団地で幼馴染なおすすめアニメランキング 2

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早速見ていきましょう!

75.4 1 団地で幼馴染なアニメランキング1位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (391)
1362人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

他の吸血鬼がでてから急に面白くなくなりましたね。

1話 夜とは大人の世界。少年がどう成長するんでしょうか。期待枠です。

{netabare}  情報が無くても分かる「だがしかし」の作者の絵柄です。ということは、この作者の最大の特徴は「女性の内面は描けない」ということです。「だがしかし」でほたるはしゃべるだけしゃべりますが、結局内面を見せません。あのグルグルの目は、ほたるの時からおもっていましたが、内面がない非人間性なんだと思います。

 セックスの話は顔を赤らめないで、恋愛の話は恥ずかしい。14歳なのに女性がわからない、性に興味がない。非常に現代的ですね。これは痛い人には痛いと思います。世代が近い人からは共感を得るんでしょうか。
 ノイタミナ枠ですから、この辺りにテーマ性は見出せそうですね。夜の世界とはすなわち「大人の世界」のアナロジーです。新橋的な酔っ払いも出ていましたね。あのシーンがつまり自分たちは大人とは違う側にいるということでしょう。

 つまり、大人の世界を少年が知る話なんでしょう。吸血姫は成長はしません。「だがしかし」の結末は知りませんが、ほたる同様少年の前を通り過ぎるだけでしょう。ちょっとフリクリのハルコの雰囲気もありました。

 それにしてもいい夜空、背景でした。少年が見る夜の世界は不思議な色がついています。それは現実でもあり現実ではない世界で未知の世界ということでしょうか。空を飛ぶというのは飛翔でもあり、また地に足がつかない不安でもあります。

 ナズナさん、肉体はエロかったです。だけど、内面がないのでエロく感じない。それはあの瞳のせいなのか、言動のせいなのか。

 本作の結論がどうなるにせよ、いいところに目を付けましたね。令和の14歳はエヴァのシンジと違い、性に興味がもてない。自己肯定感がないのではなく、自分自身が理解できない感じです。さてどういう話になるか楽しみです。実は成長を否定したりして。それはそれで面白そうです。 {/netabare}



2話 吸血=〇ックス。EDに多分全部何かを込めている。

{netabare} まあ、セックスとか伏字にするようなものでもないですが、題名なので慎みました。

 あれ、化物語?という感じでスタートしました。ちょっとメタ的な虚構感を出したいんでしょうか。EDとか見るとそんな感じもあります。

 それは良いとして、なるほど吸血はセックスのアナロジーという感じなんですね。年上のビッチ女…というより食事のためなら「パパ活女」という感じでしょうか。いや、EDとかみるともっと直接ですね。風俗嬢的です。恋愛には照れてしまうという感情が非常に納得できます。

 私はどうも魅力的な売春婦キャラにメチャメチャ弱いので、ナズナさんが一気に気に入ってしまいました。照れると急にナズナさんがエロく見えるのが不思議です。

 EDはすごかったですね。ちょっと信じられないくらいのクオリティでした。美術面でもそうですけど、テーマ性がフルフルで込められている感じです。
 EDではナズナのエロをあえて強調しています。「泡」はソープ嬢的ともいえるし、直接そうでなくてもそういった場面を連想させます。ナズナの本来の生き方を表しているのでしょう。ペットボトルやグラスが溢れでていましたね。露骨なアナロジーですね。

 レモンは何でしょうね。甘酸っぱさの象徴でしょうか。レモンの花子言葉は「誠実な愛」らしいです。それがグルグル回っていたし、レモンから汁が溢れています。
 ナズナさんが、作り物の街を破壊する存在なのはわかりました。イスは普通は権力の象徴ですけど…どうでしょう。光が当たっているのでそういう意味はありそうですが、あまり権力的なイスにも見えません。この辺りが思いっきり何かを象徴していましたね。単純に見れば既存の社会、価値観の破壊者ですが、どうでしょうね。今後どうなるかちょっと楽しみです。


 で、売春婦との恋愛ドラマは悲恋が多いですよね。まあ、吸血姫は直接売春婦ではないですが、住む世界が違う…うーん。少年マンガだからどうでしょう。子供になって遊ぶというのも無邪気に見えて欠落や寂しさですからね。しかもその遊び道具がトランシーバー…おもちゃのコミュニケーションツール…まだまだ気持ちの伝え方が子供だ、ということでしょう。

 いずれ少年が成長すると、やっぱりフリクリみたいに目の前を通り過ぎて行くんでしょうか。他の女性キャラも出るみたいだからどうでしょうね?

 あおりと俯瞰の画面がある作品は作画技術に自信がある証拠でしょう。安心して見られます。
 で、新キャラでましたね。彼女と最後くっついてナズナとは…になるとまさにフリクリですがどうでしょうね?

 とにかく2話、素晴らしいストーリーと演出、EDには感動しました。視聴は決定ですね。 {/netabare}


3話 生々しすぎて正視に堪えない、という人がいても不思議じゃない感じです。

{netabare}  改めてOPじっくり見ると、OPのイチジクの葉ですけど、恥ずかしいものを隠すの意味があります。りんごは禁断の果実でもあり、誘惑でもあります。まあ、そういう話ですね。吸血で友達の前でそういうのやめてとか。いつもやってるの?とか。EDもそうでしたが、本作は全編にわたってアナロジーがちりばめられています。
3話の副題が「いっぱい出たね」ですし。

 アキラと再会した後の、ナズナとの布団のシーンもまさにその行為のアナロジーですし。女の友達と数回あうだけで、俺の事好きとか思春期過ぎるでしょう。なんでもラブ。セリフの通りですね。主人公はナズナを好きになるために一緒にいたのに、アキラにも期待する。主人公のマインドはやはり幼いです。

 で、友達とは何か、なぜ連絡を取らなかったのか、か。そして、学校の存在意義…か。やっぱり既存の社会に対する価値観もテーマなんでしょうか。吸血姫は異質な存在…すべて破壊するもの。夜とは反社会。セックスは隠すべきもの。

 なぜナズナが怒っているのか想像ができない。友達の定義。解答が言葉にならないと何も理解できない主人公。ゼロかイチかの解答を必要とする。現代的ですね。思春期の肉体と精神のモヤモヤに解答が欲しい。そして誰かとつながりたい。生々しすぎます。本作に本能的感情的に反発する人も出てくるのでは?

 これは難しい話ですね。テーマを深掘りするほど訳がわからなくなる沼にはまりそうです。どう展開しどう畳むのでしょうか。

 それにしてもアキラちゃん、ふくらはぎ…腓腹筋、ヒラメ筋が発達しすぎですね。3:42を見てください。ナズナが夜の女でなよっとしているのとは対照的です。スポーツやっている設定かな。この辺りの対比にテーマ性を集約して絵で見せたのだとすれば作画はものすごく優秀ですね。

追記 あれ?肩幅も広いし…アキラって名前って…ひょっとして男…にしては胸あるよね???ただ、髪型とか、顔の造形とか…んん?腰から下の骨格と子供のころの足が内股なのは女性的なんだけど…ただ、瞳と睫毛がなあ…

 幼馴染の性別は疑えの原則が発動?名前が中性的だし…うーん。ブルーピリオドの1話ではちょっと騙されたしなあと思ったら声優さんが??? {/netabare}



4話 今のところずっと言葉遊びです。アキラが出てきたので飽きてはいません。が、単調になりつつありますね。


{netabare} なんか「14歳すぎ」ですね。見ているのがすごく恥ずかしいです。思春期のモノローグ。キスがどうとか性行為とか好きとか嫌いとか。手が触れるだけで恥ずかしいとか。

 遊ぶとか寝るの意味をどうとるかとか。少年誌だから暗喩で終わるんでしょうけど、問題は内面にどこまで踏み込めるかです。ナズナさんは舞台装置なので、もちろんコウの内面です。アキラまで行ければなおいいですね。
 せっかく恋愛と性行為の対比をしているわけですけど、今のままだと寸止めドキドキで終わるんでしょうか。少年誌だから限界あるし、そのための吸血姫ですからね。
 
 とはいえ、朝井アキラちゃんを出すことで設定の理解は進んでいます。結局、朝井アキラちゃんは思いっきり巨乳少女そのままでしたね。男だったら面白かったのに…と思いつつも、アキラが求めているのは友情問題、孤独などはあるみたいですね。

 恋愛ゲームのシーン面白かったです。プレステだし。萌えをメタ的にギャグにしているし…

 視聴継続して、また新キャラが出てきたり方向性が分かってきた辺りでレビューすると思います。 {/netabare}


5話 エロすぎ笑った。なお、彼女に元カレとの〇〇〇について聞いてはいけません。聞きたくても我慢しましょう。

{netabare} あるいは彼女が風〇嬢だったらどうしますか?それで生活していたんだけどなあ、と言われたら。

 いや最高でしたね。「楽しいのもストレス」というのも良かったし、なんかNTR…ではないですけど、彼女の昔の性体験を聞くようなドキドキ感。それが風俗勤めとか…

 男心と思春期の性欲。すごい話です。なんとなく思春期に引き戻されたような感覚がとてもいいです。

 あとナズナちゃんのエロさって肌の色?{/netabare}


6話 非日常とはなにか?変性意識状態を良く描けていました。

{netabare}  会社員の日常のしんどさ。会社の仕事が日常生活に精神的に喰いこんできます。さらに白河さんの場合深夜の呼び出しがありました。彼女に必要なのは非日常でした。

 その非日常の最たるものがナイトプールですね。プールというのは水が大量にある、というだけで不思議な場所です。そこに深夜、半裸の男女がいて、妖しい照明に、更にお酒も入って…さらに塩素の匂いなども相まって、普段の意識とは全く異なる世界です。これは催眠にかかっているようなものですね。

 そこでナンパをしていた男2人が思いのほかいい人というか普通の人というのも注目ポイントでしょう。解放によって性格が変わるんでしょう。また、解放することが苦手なコウ君がナイトプールで一人だけ日常から抜け出ていなかったのも描写として優れていました。

 そして、学校のプールに真夏に忍び込んで遊ぶ。これもまた、中学生くらいのときにやる非日常です。中学生のコウくんにとってナイトプールは場所が異質すぎて解放感よりも警戒感なんでしょうね。むしろ中学校のプールくらいのほうが、コウくんの非日常にとっては、リラックスできるのでしょう。ナズナちゃんと2人きりになれますし。

 思春期のコウくんと白河さん、そしてナイトプールの2人組。それぞれの日常と非日常。ストーリー展開も見せ方もとても素晴らしかったと思います。

 これを見ると本作のいう夜更かしは「変性意識状態」についてを描いているということがわかります。変性意識状態というのは、ググって貰えればわかります。(ウィキの説明はたいしたことがないので、変性意識-盆踊りとか変性意識-音楽、変性意識-登山とかでググってみてください。)

 意図してか図らずもなのかわかりませんが、非日常の中に身を置くと自己肯定感につながるそうです。その一方で宗教的なトランス状態に陥り、洗脳にかかったりもするみたいです。要するに薬物ですね。
 そういうところを掬い上げたこの6話は、非日常の大切さ、人間というものが非常に良く描けていました。

 レジャーや遊び、そして違う人と話すこと。これの有効性も表現できていたと思います。

 つらい現実もあり、NTR的なモヤモヤ、エロスもあって、何か人の心をざわざわさせる回でした。かなりの人の心に刺さるのではないでしょうか。生々しすぎて正視できない人がいても不思議ではないですね。

 なお、アキラちゃんはもう出てこないとなると、それぞれのキャラはゲストキャラ?となるとゲストで1テーマがあるんでしょうか。アキラちゃんの回では友情と男女…と短絡的に読み取っていましたが、描かれている内容はもう一度確認しておいた方がよさそうですね。


追記 「変性意識」ですが、ググり方は「変性意識-ハレとケ」…でもいいですね。ハレとケ…つまり共同体も祭りもなくなった現代人が生き残るためには?という、非日常という生存戦略をアニメという形で見せてくれている感じがあります。

 それとナズナちゃんの家がいわゆるミニマリスト的な感じなのも含意がありそうですね。モノを持つこと、持たないことの意味も考えたほうが良さそうです。 {/netabare}


7話 あー展開してしまいましたね。ストーリの進行を慌てた感じです。これはちょっと嫌な予感がします。

{netabare} 人間が増えて行く分にはよかったんですけど、吸血姫かあ…答えが全部ではないですけどセリフで語られてしまいましたね。せっかくの文学的なモヤモヤがあったのにちょっともったいないですね。
 吸血鬼同士の会話に女のテクニック的なものがありましたけど、やっぱり実際にコウくんを外で順番にナンパ(死語?)してほしかったなあ。

 ちょっと作者があきちゃったんですかね?それともこの退廃的な雰囲気が少年マンガでは受け入れられないので、分かりやすくしちゃった?
 最後の感じだと吸血鬼化にタイムリミットがあるんでしょうか。

 それにしても、不思議な街だなあとおもってましたけど、今回って海浜幕張?の幕張メッセ周辺?まあ、いろいろお世話になった場所なので何となく記憶にあります。
 あれって京葉線の高架っぽいですよね。で、ラウンジ的な場所の背景にあったのはメッセの国際展示場に見えました。あの最後にいた場所は近隣のホテルのラウンジかスイートルームの一部かなにか?
 ただ、初めの喫煙所ですけど、駅は海浜幕張ではないと思いますので、隣の新習志野辺りなんですかね?確認してませんけど。{/netabare}



8話 感覚的情緒的なものが、思考的観念的になった?

{netabare} 1年っていうのは、どうでしょう。受験までの日数のアナロジーでしょうか。中学生の大人になるまでの悩みですから、当然タイムリミットはあるでしょうね。となると、本作はやっぱりフリクリエンドな気がしてきました。

 ナズナちゃんが「好きになる」という気持ちがわかったらどうでしょうね。旧来の価値観だと目の前からいなくなるのが正解です。つまり、最後の事件としてあの吸血鬼との抗争の末、吸血鬼になれなくても命は助けるけどみんないなくなるとか記憶をなくすとか?
 期限がついたということは、ナズナちゃんは彼を眷属にしないし、彼の前から去ってゆくのが一番濃厚ですね。

 ナズナちゃんは、おいしい血をすう…つまり、メリットがあるから近くにいます。いっぽうでコウくんは現状から逃げたいのでナズナちゃんにすがります。この関係が崩れないと成長がないです。既存の価値観を崩すということで、工夫がある終わり方になると面白いのですが、どうなるんでしょうか?

 キャラ的には「だがしかし」の焼き直しになりそうな配置になってしまいました。原作者は多分女性の描写が苦手なんでしょうね。ホタルちゃんほどではないですけど、ナズナちゃんの内面も非常に単純だし、他の吸血鬼はステレオタイプのビッチあるいは婚活女子だし。
 となると「だがしかし」の最終回のがっかり感を再現するんでしょうか。少年向けだからしょうがないとはいえ、唐突というか無理やりすぎでしたね。

 全体的な構造が非常にわかりやすくなってしまいました。極めて思考的観念的になって行きつつあります。夜更かしの感情的感覚的情緒的な話から、どんどんわかりやすく思春期の悩みを見せてしまっています。特に7話以降で当初の幻想的な訳の分からない話の中のモヤモヤ感が急速に薄れつつあります。

 話展開させないで、最後突然ナズナちゃんがいなくなる、みたいな感じがよかったかなあという気もします。まあ好みの問題ですけど。{/netabare}



最終話 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。 

 吸血鬼になると人を殺すか眷属にするか、あるいは我慢するという設定が足枷になって、畳めなくなった感じですね。原作がどうなっているのかしりませんが、アニメ版のオープンエンディング、つまり今後の事は視聴者に委ねる、というのは、狙った結末ではなく畳めなくなったのでなんとかソフトランディングを狙った風に見えました。

 コウくんの吸血鬼になる=人を殺すか渇望に耐えるという悩みがどこかに行ってしまいましたね。物語を展開させるために吸血鬼の部分をクローズアップさせたのが、破綻を生んだ気がします。

 前半は、吸血鬼になるには恋愛というきっかけが必要で、なった後は、他人の性や欲望が無ければ生きられない、という大人の世界=夜の世界のアナロジーで、酔っ払いとか会社員のおねーさんとかで大人の世界の厳しさと、アキラちゃんで友情などもかなりいい感じだったと思います。
 うまく思春期を描いていたのに、物語の中心が吸血鬼設定に移行したことで、視点がブレた気がします。

 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。狙いも演出も悪くなかっただけに竜頭蛇尾感がすごくて、残念な結果でした。




 

投稿 : 2025/01/04
♥ : 26
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

「QK月」一般理論とノイタミナちゃぶ台返しして、ドテンして墜ちて逝く

「予測不能のラブコメディ?」というのはどこかで聞いたような話ですが
ノイタミナ枠の本作にも当てはまりそうな雰囲気がそこかしこに漂っております。

主人公が純情中学生ということからして、ラブコメ方向に進むのは妥当とも思えますが
ヒロインがQK月という設定が吉と出るか凶と出るかは、最終結末を見ないことには
判断できないのかもしれません・・・

ただ、今更手垢にまみれたQK月ヒロインの物語を繰り返したところで
恐らくは今までにない斬新な展開を描くことは困難を極めるものと予想せざるを得ないのが
宿命であるように思われます。

●ダンス・ウイズ・バンパイアソング
{netabare}クラスメイトとのちょっとした人間関係のもつれから不登校になり
夜の街に繰り出す主人公でありましたが、このように中学生にありがちな要素に対して
多くの視聴者は共感するところ大いにあったのであろうと予測できます。

廚二病を患う頃合の中学生にとって夜の街に繰り出すことは特別な意味があり
それ自体が神秘的でファンタジー溢れるものであったのでしょう。

本作における夜の街の情景がやたらと煌びやかだったのは、そんな廚二病的心理の立ち位置から
見える世界観を反映しているからなのかもしれませんし、またそういう
廚二病的ファンタジーの世界ならばヒロインが吸血鬼でも不自然さはなく
むしろその世界観に合っていると言えないこともないように思われます。

ただそのような廚二病ファンタジーをノイタミナ枠で押し出され、かつ
遥かに年上の大人がそのすべてを肯定的に受け止められるかと言えば、
そういう感受性も所詮は子どもの発想にしか思えず、むしろネガティブなリアクションが
帰ってくるのが必然であるように思われます。

また別の解釈として、ヒロインの吸血鬼が(エンキスで示されたように)堕落の象徴であり
ある種の堕落論的救済により主人公並びに現代人を救い出そうという意図も垣間見られますが
堕落論だけで万事解決という発想は安易であり、子供騙しにしか思えない
というのが正直なとこであります。

日々の学校生活にだるさを感じたり、夜遊びに興味津々になったり、異性に興味が出たり、
異性のことがわからず思い悩んだり、日常というレールから無性に逸脱してみたくなる衝動に
駆られたりだとか、その程度の気持ちならば理解はできますが、そこから突然?
何故吸血鬼に恋して、吸血鬼の眷属にならねばならないとかいう発想は飛躍が惨過ぎです。
あまりに発想がぶっ飛び過ぎで、理解がまるで追いつきません。

吸血鬼から見たら人間の文化や社会様式などあらゆるものがおかしいということになるのかも
しれませんが人間の価値規範とはズレ過ぎている吸血鬼のものの見方が本当に正しいのかと言えば
あまりに極端すぎて人間一般が受け入れられるものではないでしょう。

このような吸血鬼と人間の価値観の違いからくる対立関係は、
吸血鬼が存在する限りどこまでもついてくるものだと考えられます。

結局のところ人間と吸血鬼とは相対立する立場にあり、
軽いノリで互いが結ばれるものではないのが一般的セオリーであります。

恋愛のハードルが上がれば上がるほど盛り上がりもしますが、
高いハードルを越えるのにはそれなりの理由なり動機なり
強い思いがなければ不可能であるはずなのです。
問題の主人公のノリが軽すぎだけでなく説得力ももまるでないとしたら
もはやこれは設定の失敗と言わざるを得ないでしょう。

吸血鬼設定によりロミオとジュリエット的効果を狙ったのかもしれませんが
その路線で見事にまとめ上げた「Vampire in the Garden」には遠く及ばず
またラブコメの「月とライカと吸血鬼」と比べても見劣りし
更に別路線ではありますが「寄宿宿舎のジュリエッタ」と比べても
恋愛面での盛り上がりが今一つで見所も少ない本作最大の問題点は
中途半端な設定に中途半端な主人公の性格があるのではないのかという
結論に至る次第であります。{/netabare}

●悪夢的デジャヴは繰り返す
{netabare}ラブコメ展開からシリアスに急転しつつも結局最後はぬるいラブコメで終わる・・・
これは「エンキス」や「ヴェルメイユ」と同じようなパターンでありますが
更に付け加えますと本作含めすべてエナジードレイン系ヒロインという点も共通しています。

普通のラブコメに興味がない当方としましてはノイタミナ作品らしくこの展開を
華麗にぶった斬ることに密かな期待を抱いておりましたが
最後は元の鞘に収まるという結末ならば、期待が失望に変わってしまうのも
当然の帰結であると言わせていただきましょう。

純愛が悪であるとは言いませんが、吸血鬼との純愛、あるいは共存関係が
そう簡単には成り立ち得ないのは必然であり、それが大前提にあるからこそ
あの探偵というキャラが割り込んできたと考えるべきであり、
そうであるからこそ、警察という強制力に対して無力である中学生の少年が
人間社会の道理を遥かに超越しているような双方の(存在を隔てる)障壁を
いとも簡単に乗り越えらるという話にはそれなりの説得力が必要であると
いうことになるように思います。

恋には障壁があった方が盛り上がるのはその通りですが
それで吸血鬼をヒロインにするのは安易かつ既に使い古された手であり
しかもヒロインだけでなく他の吸血鬼も異常に人間に寛容というなら
主人公とヒロインの二人だけの「特別な関係性」というのも意味は薄れ
結局ただのぬるいラブコメに終わってしまうわけですが、そうであるならば
途中でシリアスな展開を挿入したことはむしろ逆効果ではなかったのか
という気がいたします。

結末の説得力の無さの背景にはもしかしたら致命的尺不足があったのかもしれませんが、
本編を見終えた個人的な印象としましては、オチに納得できない{/netabare}というのが結論でございます。



@avexの野望と計略 ~音楽についてのお話~
{netabare}ここで音楽の話をしようと思ったのには理由が2つあります。
一つは「パリピ孔明」が「あにこれ」ユーザーに好評だったこと
次に本作のOPEDを担当する「Creepy Nuts」の曲に対しても好意的な意見が予想外に多かった
という事情を鑑みそのように思い至った次第であります。
「Creepy Nuts」とはMC/R-指定とDJ/松永からなるヒップホップ系音楽ユニットです。

「ヒップホップ」の語源についてですが、
「ヒップ」にも「ホップ」にも弾ける、躍動するという意味合いがあり
それを受け作られた言葉が「ヒップホップ」ということであります。
「ヒップホップ」をもの凄く簡単に言うなら米国の黒人文化が由来の音楽やダンス、
またはそういうものを複合的に組み合わせたパーティーであるということになります。
ヒップホップとは、ラップ・DJ・ブレイクダンス・グラフィティ(お絵描き)から成るらしいですが
ここではラップ・DJ・ブレイクダンスの3つについて言及してまいります。

要するにヒップホップ音楽について焦点を絞っていこうという話ですが
ヒップホップ音楽とは何なのか簡単に言いますとダンスパーティーために
演奏される音楽ということになるのかと思います。
クラッシック音楽のようにただ演奏に聴き入るのではなく、音を体で感じながら踊るということが
重視されるという傾向があるのがヒップホップ音楽ということなのだと思われます。

「パリピ孔明」の「パリピ」とはパーリィピーポー(=Party People)のことであり
ダンスパーティー参加者を意味するのだという話になりますが、
そのパーリィに使用される音楽は当然ヒップホップということになるわけです。

パリピ孔明には「KABE太人」なるラッパーが登場しますが、もしかしたらその元ネタは
「Creepy Nuts」のMC担当R-指定その人なのかもしれません。
KABE太人はMCバトル選手権で3連覇を果たしていますが、同じようにR-指定氏も
「ULTIMATE MC BATTLE」で3連覇を成し遂げています。
R-指定氏の性格について触れますと、どうやら(病的なまでに?)神経質なところがあり
そういう意味ではKABE太人に通じるものがあるようにも思われます。

ちなみにMCバトルの「MC」とは要はラップのことを言うわけですが、
非常に大事なのがその語源で「master of ceremonies」であるということを
是非とも頭に焼き付けて頂きたく思います。
簡単に言えば司会者のことを意味しますが、お喋りという意味もあるらしいです。
また「MC」には「microphone controller」という意味合いもあるという話ですが
いずれにしてもそのマイクパフォーマンスが示すものは
ラップでありラップをする者ということになるかと思います。

MCと言えばMCハマーであり、M.C.A.Tが思い浮かびますが
MCとはラッパーを意味するものだということが再確認できるわけです。
MCハマーとか随分昔の話になりますが、
アニメ「おぼっちゃまくん」ED曲が実は彼の楽曲でありました。

MCハマーとM.C.A.Tの曲を単純比較して言えることは、MCハマーの方は歌の要素が皆無のただのラップにすぎず極論を恐れずに言えば、リズムに合わせてお経を読んでるのと変わらないのに対し、
M.C.A.Tの「Bomb A Head」などはラップの要素と歌の要素を
何とか両立させようとしてるふしがあるように思えます。

その違いの背景にはダンス音楽の文化と聞くための音楽文化の差があるのだと推測いたしますが
聞くための音楽文化に属する日本人としては音が単調なラップの音を延々と聞かされても
途中で飽きたりげんなりするのはやむを得ないことのように思われます。

@avexの音楽には個人的にはあまり興味がなかったのが正直なところですが、
このような文化の違いを踏まえて改めて考えてみると例えばTRFやgloveなどの小室哲哉が作ってきた
音楽も、ヒップホップ的なダンスミュージックを聞かせる音楽として巧いこと再構築しているという
点を考慮するならば、狙いは悪くないという結論になるのかもしれません。

@avexという企業はヒップホップなどの黒人文化やダンスミュージックに敏感に反応する若者層向けの音楽作りに的を絞り活動してきたようですが、現状日本の若者にとってラップがここまで身近になった
ことを考えたら彼らの戦略は概ね当たりだったということになるのでしょう。

4年くらい前の話になりますが、何気に赴いた音楽フェスにてオレンジレンジが「上海ハニー」を
披露した場面でそれを聞きながら若者たちが楽しそうにひたすら踊っているのを見かけました。
その時は少しばかり不思議な光景を見てるような気がしましたが、
今にして思うとパーリィピーポーはその時既に
日本に蔓延していたということを意味していたのでしょう。

ジャネットジャクソンの影響をもろに受けた安室奈美の頃から、ラップが邪魔にしか聞こえなかった「m-flo」の「come again」、それと同じような構成のアニメ「Z MAN」OPソング「Dots And Lines」やエウレカセブンOPソング「FLOW」の「DAYS」そして
無職童貞ニジウラセブンのテーマソング「HOME MADE家族」の「少年ハート」、何から何まで…
当時はダンス系ミュージックやらラップありきの音楽について深く考えることはありませんでしたが
気が付けば日本において黒人文化とその音楽が蔓延しており
だからこそEXILEというダンスパフォーマンスユニットが話題になり
三代目 J Soul Brothersなどが若者に注目されるということになるのでしょう。

ヒップホップやディスコ(今のクラブ)ブームはかつて廃れたはずでした…
結局のところヒップホップ音楽は聞くためには向いてなく音が単調ですぐに飽きられ
ブームは下火になったのですが、他の様々なジャンルの音楽に影響を与えたり、逆に影響を受けたり
相互作用を受けながら進化を遂げ、聞くに値する音楽性を兼ね備えたより複合的で奥深い
ものとなって今に至るわけです。

リズム&ブルースやらジャズやらオルタナティブロックやらそいう類の小難しい話を明快に説明できるほど音楽についての詳しい知識があるわけではないのでざっくり言いますが、
かつてヒップホップ音楽やラップソングが単調で聞くに値しないと言えても
現在のヒップホップ系ダンスミュージックが同じように単調であるとは言い切れず
聞くに値しない音楽と決めつけることも無理があるというのが正直な意見であります。

「Creepy Nuts」の楽曲がヒップホップ系以外の人から広く支持されるのも
それを物語る事象を表しているのだと思います。
「夜更かしの歌」はラップの傾向が強いですが、それと比べると「堕天」の方は歌の方向に比重を置いている感が強く聞く音楽として十分成立しているような気がします。
かつてのMCはラップができればそれでよく歌が下手だったり、歌えなくても問題なかったのですが
今時の音楽シーンにおいてはそれではヒップホップ系のファン以外からは
支持されるのは不可能ということになるでしょう。

歌えるラッパー、あるいは歌うようにラップができるのがR-指定氏の最大の強みでありますが、
そのプロトタイプとはそもそも伝説の天才シンガーマイケルジャクソンであったのだと思います。
マイケルジャクソンの音楽といえばやはりダンス系ミュージックですが、歌の才能恵まれた彼の歌は
聞かせる音楽としても十分過ぎるくらいのクオリティーがあり、
その抜群のリズム感でラップも当然器用にこなすのであります。

彼のような天才は永遠に二度と現れないであろうと思えましたが、
実に世界は広く、二人目の天才が見事に誕生するのであります。
その人の名は「Bruno Mars」、マイケルジャクソンの生まれ変わりと称されるアーティストです。

https://youtu.be/SDPITj1wlkg
DJマークロンソン&ブルーノマーズ&ビヨンセ(スーパーボール・ハーフタイムショー)

個人的にはラップというのはお経にしか聞こえず興味が持てなかったのですが、
(マイケルっジャクソン同様)Bruno Marsのラップ系ソング聞いた時は
別次元の衝撃を受けました。歌が上手いラッパーのラップは歌と区別できないくらいメロディアスで
全然別ものというのが結論でございます。

https://youtu.be/2XWq-RhjYIg
「Uptown Funk」はDJ/Mark RonsonとBruno Marsのコラボ楽曲ですが
ヒップホップ系ミュージックではDJというのが当たり前のようについてきます。

「DJ」とはディスクジョッキーのことをいい、
ダンスクラブのBGM=レコードなどの円盤を掛ける人を意味します。
今のクラブがかつて「ディスコ」と呼ばれていた由来がディスクやディスコティーク
(レコード演奏による踊り場)だということですが、現在のDJは打ち込み系音楽機器を
操作するのが主流になりつつあるようです。
小室哲哉と言えばどちらかと言うとテクノやハウス系の音楽の傾向が強い印象がありますが、
発生がヨーロッパかアメリカかの違いがあっても、打ち込み音源を基本とするダンスミュージック
という点ではスクラッチなどが特徴的であるDJプレイも、大きな意味での音楽性については
今となってはそれほど差異がないような気がいたします。

打ち込み系音源については敬遠する人もいるようですが、例えば「堕天」という曲のように
ジャズのテイストを加えたり音楽を簡単にアレンジできたりするのは、作曲側としては
大きなメリットがあると言えるのかもしれません。
そもそもヒップホップやクラブミュージックは生演奏を前提としていないと言われたら話は
終わってしまいますが、それでもヒップホップ系ダンスミュージックの躍進は
恐らく今後も止まらないだろうということだけは間違いないようです。

今時では学校の授業科目にダンスがあるのが当然となりました。
生徒も先生も踊るのが当たり前のパーリィ時代とは、
@avexにとっては笑いが止まらない状況であるのかもしれません。 {/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

楽曲が結構印象的だったなと

この既視感のあるデザインは?と思ったところ、やっぱりだがしかしの作者コトヤマさん原作なのね。
だがしかしと同様にボーイミーツガールな作品。そして出会う女性は破天荒。違うのはいちいち発言がエッチな感じなところか。なのに、恋バナは苦手なギャップ。
思春期の葛藤・夜更かしの背徳感・ちょっとしたラブコメを詰め込んだ作品。夜の背景にも力が入っている。美術さんありがとう。

可愛らしい女の子の告白を断って他の女子から色々言われた挙句の不登校と。女の子の告白を断ったくだりのせいで主人公に一切共感できないんだよなあ。
頑張って女性を好きになろうとするっていう発想が凄い。アセクシャルってわけでもないのか?

夜に誰もいない場所を歩くのが快感なのは分かるが。特に、誰もいない夜の公園でブランコは楽しい。ですけど、何に遭遇するか分からない夜は怖いものだ。
友達がいないわけでもなく、かけがえのない人が2人もいて心強い。アキラちゃん良い娘すぎて泣けてくるよ。

男の娘もいるが他の吸血鬼との交流や恋バナ。不穏な感じだったり、ちょっと協力したり。一応、なずなちゃんとコウの関係進展に寄与している。
吸血鬼退治する探偵の女はなんか嫌いですわ。顔見たくないが彼女もまた、コウが吸血鬼になりたい気持ちの葛藤を引き出すために、必要だったのだろう。

最終話のキスは情熱的でエロい。

ラブコメとして見てしまった自分がいけないのか頑張って好きになるというあたり共感できず、モヤモヤしてしまった。それを除けば分かりやすくて良いのだが。


OP
堕天 Creepy Nuts
ED
よふかしのうた Creepy Nuts
挿入歌
ロスタイム Creepy Nuts
堕天は歌詞が流れながら映像が進行していくのが印象的。一旦、小休止して楽曲が終わったのかと見せかけてサビを流す印象的な編集。背徳的な歌詞でまさに堕天していた。リンゴっていうのがアダムとイブの原罪を表現しているのかな?
よふかしのうたのED映像でなずなちゃんがジオラマをやりたい放題ぶっ壊すのが印象的。歌詞の中身も夜更かしをしだして始めた背徳感溢れる内容。作品の雰囲気にぴったりだった。本家のMVも見たが、オードリーが流れているのはなんか笑。
いつも思うけど、R-指定てどういう経緯で付けたんだろうね?


「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。さらには、夜に眠れない日々が続いている。そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。彼女は、夜の住人・吸血鬼。コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。「俺を吸血鬼にしてください」ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは......「人が、吸血鬼に恋をすること!」果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!?ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__


第1夜 ナイトフライト
“眠れない”中学2年生・夜守コウは、初めて夜に誰にも言わずに外に出た。昼間とは異なる雰囲気の町中を歩いていると、フードをかぶった年齢性別不詳の人物に声をかけられた。それが吸血鬼・七草ナズナとの出会いだった。

第2夜 てかラインやってる?
吸血鬼になる方法…それは「人が、吸血鬼に恋すること」 コウは、夜の住人・吸血鬼になるため、そしてナズナに恋をするため、今日も夜中にひとり外に出た。ナズナに会うため街を彷徨う。

第3夜 いっぱい出たね
「夜守、何してんの」 ナズナとの夜ふかし帰りに、幼馴染のアキラに遭遇したコウ。学校に来なくなったコウを心配していたと話すアキラ。再会以降、ナズナと遊んだあとにアキラと会うことが習慣になっていく……。

第4夜 せまくない?
ナズナからキスされた!キスは好きな人同士がする行為…ということは僕はもう、ナズナちゃんのことが好きなのでは!?つまり“吸血鬼を好きになる”という目標は達成された? コウは意気揚々とした気持ちでナズナに会いに行く。

第5夜 そりゃ困ったやつですね
ナズナが“添い寝屋”を営んでいることを知ったコウ。正式な衣装だというナース風コスプレ姿のナズナからマッサージを受ける。意外にもツボなどを心得てるナズナのマッサージにリラックスし始めてきたところに、呼び鈴が鳴る……。

第6夜 楽しい方がいいよ
毎日同じだと飽きちまう!おもしろい遊びを考えた結果、2人でナイトプールに繰り出すことに。 “大人の世界”にのまれ気味のコウをよそに、ナズナは“お酒が飲める!”とテンションが上がり……。

第7夜 眷属作り
急な雨に降られ、高架下で雨宿りをしていたコウ。近くの喫煙所でサラリーマンが女子高生に声を掛け、振られる姿を見かける。コウの視線に気づいた女子高生は「今見てたっしょ?」と声を掛けてきた。

第8夜 どいつもこいつも
ナズナ以外の吸血鬼、セリ、ニコ、ミドリ、ハツカ、カブラと知り合ったコウ。そして、初めて血を吸われてから1年以内に吸血鬼にならなかった人間は、一生吸血鬼になれないということを知り……。

第9夜 ずるい
セリとカラオケに行くことになったコウ。セリは最近、恋愛感情を拗らせた通称ダル男に付きまとわれているようで、カラオケ中もドア越しに中を除く人物が現れる。ダル男の存在が面倒になったセリは、殺そうと決意するが……。

第10夜 盗撮画像を拡大して見る
ミドリに頼まれ彼女の勤務先のメイド喫茶でバイトをすることになったナズナ。コウは客としてナズナの動向を見守っていたが、とある盗撮事件の犯人探しをすることになって……。

第11夜 吸血鬼って知ってるかい?
ナズナに促され、添い寝屋の客引きをしていたコウ。疲れていそうな女性に声を掛け、2人で喫茶店に入る。ふと、その女性の煙草や手袋が気になり、コウは女性に職業を尋ねる。差し出された名刺には“探偵”の文字が……。

第12夜 今日ウチ親いないんだ
10年間、血を吸わなかった吸血鬼が餡子によって殺された。餡子に「君は吸血鬼を何も知らない」と言われ、悩み始めたコウ。真昼からは「吸血鬼になって何がしたいんだ?」と問われ、悩みは深まるばかりで……。

第13夜 よふかしのうた
警察から逃げていたところをハツカに助けられたコウ。ハツカに吸血鬼を殺せる人間がいることを話し、さらに今、吸血鬼になるかならないかで悩んでいることを打ち明けた。一方、ナズナは、ニコ、ミドリ、セリに会っていて……。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17

71.2 2 団地で幼馴染なアニメランキング2位
雨を告げる漂流団地(アニメ映画)

2022年9月16日
★★★★☆ 3.8 (56)
252人が棚に入れました
まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに
取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。
その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。
すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。

泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

巣立ち〜大切な場所から羽ばたく物語〜

取り壊しが決まっている団地
別名、幽霊団地に忍び込んだ小学生6人が団地ごと別世界に飛ばされて帰る方法を探すってお話です。

実は、この団地は主人公の船祐とヒロイン夏芽が住んでいました。
夏芽には母が居ますが一時期訳ありで、船祐と船祐のおじいちゃんと暮らしてます。

しかし、おじいちゃんも亡くなり今は別々になり元の家にくらしていました。
夏芽は当時{netabare} 家庭環境に悩まされていて…船祐達と暮らす中で、こちらが本当の家族みたいに感じて居て…… {/netabare}

でも、船祐は彼女を{netabare} 居候{/netabare}としてしか思っていなくて……今も昔も
なんか寂しいよね。
{netabare} 自分は家族の様に思っているのに認めて貰えないとか感じて貰えないのはさ…… {/netabare}

昔は多分…悪気はなかった。
{netabare} 病院で船祐の「お前のおじいちゃんじゃないのに」ってセリフがショックで病院を飛び出す夏芽を「追いかけろ!」と船祐を叱りつけるおじいちゃん。 {/netabare}

船祐は多分単純に解らなかった…夏芽が飛び出した理由もおじいちゃんが怒った理由も。

けど、今は多分解っている、、、
でもそれを認められないのは、もしかしたら船祐は……
恥ずかしかっただけかな?
なんか照れくさがったり、少し意地を貼ってみたり?
中々素直になれないお年頃?
相手が女の子だと余計に見えを張っちゃったり……

{netabare} サッカーでも点数を取れるのは夏芽らしいし、その事も気にしていたのかな?

夏芽は2人でツートップって言っていたのにね。 {/netabare}
多分、本当に思う事が色々あって認められなかった。
それが今……でも、漂流する事で夏芽の{netabare} 家族への想い{/netabare}を知って成長します。


謎の少年ノッポ

彼の正体は知りません(´・ω・`)
{netabare} 謎のままで終わりました。{/netabare}

なので、私なりの推測を立てました。
彼の正体は多分、付喪神かな?
誰かに大切にされた物や場所に宿る存在。
またはそうした気持ちから生まれる精霊。

彼はずっと団地の住人を見てきたと言います。
{netabare} 中でも船祐と夏芽の笑った顔が好きだった。
きっと、ノッポはそんな2人だから、夏芽の目の前に現れた。{/netabare}

でも、船祐と夏芽は喧嘩を始める。
{netabare} それはノッポが好きだった2人じゃないし、喧嘩をする2人の怒りと泣きそうな顔が辛かったでしょうね。
しかも、夏芽が足を滑らせ屋上から転落……
漂流したのもその瞬間でした。 {/netabare}

多分、無意識にノッポが{netabare} と助けようとしたのかな? {/netabare}
だから、ノッポは{netabare} と 「君たちを連れてきたのはボクかもしれない」と{/netabare}話した。

あんなに幸せそうな2人の笑顔で1杯の団地の思い出が悲しい思い出になる……それが悲しかったからあのタイミングでの漂流……

あの世界がなんなのかもわかりませんが。
もしかしたら、大切な物や場所が行きつく場所……人で言う天国や地獄……あの世的な世界だったのかな?と思いました。

あの観覧車もそうです。
{netabare} 令依菜の大好きな観覧車…… {/netabare}
彼女も大好きだった場所……あの観覧車が作品のMVPだった気もしますね。
観覧車の{netabare} お姉さん {/netabare}凄く頑張ってましたからね。

{netabare} 沈んでしまいそうな団地を全員で助け出すシーンは{/netabare}素敵でしたね。
皆さん、超怪力です。
{netabare} 1本のワイヤーに沈みかけの団地をすくい上げる訳ですからね {/netabare}
最近の小学生は力がありますね。

さて、ノッポも夏芽も多分1番大好きな物が詰まったいた団地…… {netabare} だから帰ることよりも団地にいる事を選ぼうとする。 {/netabare}

大好きな場所に居たい。
ここから出たくない……そう思える場所ってあると思う。
でも、そこに囚われていてはいけないのです。
船祐が言う通り出て行かなくてはいけないのです。

その場所が無くなっても……思い出や気持ちは消える事はなくて……その場所があったから私は今ここを進んで行けるんだって胸を張って思えるように。

帰ってきた夏芽は母に聞きます。
{netabare} 「甘えていいの?」と……母の答えは…… {/netabare}

結局、夏芽にとってあの団地での生活は本当に素敵な家族との日々だったのだと思います。
でも、今はその家族の形はなくて……帰らないで団地に引きこもっていても多分いつかは孤独に押しつぶされていたと思うし、何より……本当に娘を大切にしているお母さんとの大切な家族の形を失っていたと思います。

夏芽にとってこれからがスタート。
本当の家族としての……

さて、物語自体は普通かな?
まっ、物語自体が基本団地の中だけで展開されていくので飽きる人は飽きそうですね。

後は、少しメッセージ性が弱いかな?
感情移入出来なくはないけど伝わりにくくは感じます。
謎が多すぎてスッキリって感じもないですね。

私的には謎は残さないで欲しかったかもw
ミステリーならともかくミステリーではないので……

時間があるし見てみようかな?感覚で見る方が楽しめる作品かもしれません。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

団地は思い出を巡る方舟

石田 祐康監督のオリジナル青春アニメ映画及びNetflix配信作品({netabare}120{/netabare}分)
(劇場版を鑑賞)

【物語 3.5点】
小6最後の夏休み。少年少女たちの団地での“漂流記”を描く。
物語の柱は、団地育ちの航祐、夏芽二人。あとは団地に棲む謎の少年・のっぽ君。
特に取り壊しが決まった団地への未練が捨てきれないヒロイン・夏芽の抱えた物を、
漂流中の不思議なサバイバル体験、それに伴う子供同士の衝突などにより解き明かし、
ひと夏の成長を促すジュブナイルの王道。

よって種が明かされない漂流団地の仕組みについて説明を求めるよりも、
夏芽の心情周辺に焦点を当てた方が、迷わず航海できると思われます。
この視点から見れば、ここで起こしたトラブルで夏芽の何を掘り起こそうとしているのか、
明確な脚本意図が伝わると思います。
何より思春期一歩手前の小6の背伸び感たっぷりの人間模様は瑞々しく、
ロリショタは歓喜できると思いますw

惜しむらくは、団地アニメとしての個性がもっと欲しかった所。
築60年、様々な人生を見守ってきた団地。
とありますが、メインシナリオから共有できるのは航祐、夏芽の6年くらい。
歴史を感じる団地の描写や、団地伝統の夏祭りを示唆するカットなどで、雰囲気は味わえますが、
そこは団地建築当時の住民の営みなど、エピソードとして頂きたかったです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオコロリド

同スタジオの真骨頂である、ゲリラ豪雨などの圧巻の天候描写。
加えて“団地監修”を迎えて、描き込んだ漂流団地ほか建物、廃墟も出色の出来。

躍動する人物描写により再現された小6のワチャワチャ感も上々。
ちょっと目を離すと何しでかすか分からないガキンチョの危なっかしさが、
子供たちだけの漂流で解放されるドキドキの冒険要素。
終盤だけでなく、頭ぶつけたりするシーンも結構あったりして。
一歩間違えれば一人二回ずつくらい死んでます。


【キャラ 3.5点】
主人公格の航祐と夏芽。ツートップのキャラ解像度、団地への愛着度は良好。
“やすじい”に関するわだかまりと掘り下げは感動的。
夏芽は居場所を見失い漂流しがちな現代っ子の縮図です。

が、ここも団地と縁が深いのがこの二人とのっぽ君くらいというのが……。
七人で漂流するなら、過半数は団地関連の子供で固めて団地への愛を叫んでもらった方が、
クライマックスの共感度もアップしたと思うのですが……。
結局、団地以外のキャラの家族愛は隅に追いやられがちでしたし。
パワー担当で、{netabare}母ちゃんのコロッケ{/netabare}くらいしか愛を叫べなかった譲(ゆずる)君が不憫でなりませんw

ただし、団地を知らない子供たちの中でも、
令依奈は高飛車な憎まれ口で、シナリオの転換点として機能していました。
男子を原始人呼ばわりしつつ、航祐の前では赤面する。
ロリのツンデレは最高の遊園地アトラクションですw


【声優 4.5点】
主役の航祐役には田村 睦心さんの少年ボイスを、ヒロイン・夏芽役には瀬戸 麻沙美さんを、オーディションで選出。

他にはおっとり眼鏡枠の珠理役に花澤 香菜さんを指名し、
令依奈役の水瀬 いのりさんの喧嘩腰をなだめて見守る構図。

のっぽ役には声変わり前の少年も巧みに演じる村瀬 歩さん。
一人で場を賑やかにする大志役の小林 由美子さんのワンパク少年ボイス。

などなどキャストは声優陣で固める。

音響は、同じセリフを雰囲気を変えて複数収録し選りすぐる手法をしばしば用いる。
これは高確率でOKを連発できる実力を有した声優でないと難しい方法。
人気声優の名前じゃなく、技術を求めて、それを作品に生かせていると好感します。

ジーンとくる場面も多々ありましたが、
私にとっては物語以上に声優さんの演技にグッときた面が大きいです。

総じてロリショタ大歓喜ということで(←クドいw)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は石田監督とは『ペンギン・ハイウェイ』でも組んだ阿部 海太郎氏。
ストリングスを押し出した感動系だけでなく、
“お化け団地”要素もフォローしたコミカルなホラー系も提供しエンタメ性を付加。
店内放送風のBGMで、思い出のトリガーとなる演出も、ノスタルジーを醸し出す。

効果音も、実際に団地で生音を拾うなど、多彩な音源を駆使して、
団地が漂流する超常の中でも、地に足が付いた実在感で、あの夏が夢じゃなかったことを示す。

主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。「消えてしまいそうです」
他に挿入歌「夏枯れ」も提供。
小6にしてはチョット背伸びし過ぎな感はあるものの、
詩的な歌詞で夏の思い出を噛み締めることができる佳作サマーソング。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 27
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

哀しみの感情、包み込む幸せ

アニメーション制作:スタジオコロリド
監督:石田祐康、脚本:森ハヤシ、石田祐康
キャラクターデザイン:永江彰浩、
演出:渡辺葉、間﨑渓、竹内雅人、木村拓、増田惇人、
作画監督:近岡直、西村幸恵、黄捷、加藤万由子、
荻野美希、三浦菜奈、薮本和彦、水野良亮、坂口歌菜子、
渡辺暁子、平井琴乃、櫻井哲也、宇佐美皓一、篠田貴臣、斎藤暖

海上を漂流している、
SOSの文字の描かれた団地。
屋上には人の姿。
石田祐康監督が映画制作に取りかかる前に描いた
1枚のイメージボードだ。

その絵から生まれ出たのは、
それぞれの心のなかで、
ひっそりと留まって固まっていた残滓が
海上を漂う物語だった。

主人公は小学6年生の熊谷航祐と兎内夏芽。
幼馴染の男の子と女の子。
ふたりは、夏芽の両親の離婚と母の仕事の事情から、
同じ団地で姉弟のように育ったが、
航祐の祖父である安次の死がきっかけで、
関係性が変化してしまう。
そのふたりに加えて、航祐のことが気になる
羽馬令依菜と令依菜の長年の友人である安藤珠理、
航祐の親友である橘譲と小祝太志、
謎の少年・のっぽという登場人物たちが
不思議な漂流生活を送ることになる。

どちらかというとイメージ先行の作品だが、
それが好ましいものなので、安心して観られる。
昔は絶妙なコンビだった航祐と夏芽。
今でもお互いのことを大切に考えているが、
安次の死によって負った傷があまりにも大きすぎて、
なかなか修復できない。
ふたりにとって、大切な思い出は、
取り壊しが決まった団地での暮らしだった。

幸せな時間は住んでいた場所に残り続けるのか。
大切な思い出は建物がずっと覚えていてくれるのか。
暮らしていた団地や場所が、
人に対して何か影響を与えることがあるのか。
{netabare}簡単に言うと「付喪神」と呼ぶのかもしれないが、
この作品に限っては、団地自体が
色々な人々の想いを受けて持つことになった
「心」と言ったほうが正しいと思う。{/netabare}

映画を観て思い出したのは、
重松清のニュータウンを題材にした一連の小説だった。
日本で一時期流行った、東京や大阪郊外の大型マンション群。
夢見て購入した自分たちの未来が次第に変容し、
思い描いた夢と大きくずれていくさまを
ユーモアとシリアスを交えて情感たっぷりに
描いた作品で、多くの共感を呼んだ。
そこにあるのは、心の底から求めた願いの形。
人々が傷つきながらも、大切なものを渇望する物語の流れに
どこか似た香りを感じたのかもしれない。

ただ、この作品で思うのは、
細部におけるキャラクターへの寄り添い方や
心情の描き方が物足りないということだった。
中心は航祐と夏芽なのだから、
このふたりの心情をもう少し丁寧に描いて欲しかった。
イメージとしては、とてもよく分かるのだが、
例えば夏芽と母親の関係性や
航祐と夏芽の大切な思い出を
もっと丁寧に描き、現在につなげても良かったと思う。
{netabare}正直なところ、令依菜絡みの話は、
ほとんど必要がなかったと思うし、
珠理との話ももっと短縮できたのではないだろうか。
そもそも遊園地の部分の話が長すぎるし、
個人的には枝葉に時間をかけ過ぎているように思えた。{/netabare}
これは構成と脚本の問題が大きい。
もっと時間を短縮できただろうし、
その分、航祐と夏芽のつながりが強固になる部分を
膨らませて欲しかった。

とは言え、絵的なイメージやキャラクターの感情表現などは
目を瞠る箇所がたくさんあった。
子どもたちと一緒にひと夏の冒険譚を楽しませてもらった。

誰にでも大切な思い出が心のなかに必ずある。
そして、昔の想いを自分のなかで
昇華させながら成長する。
マイナスの感情もプラスの感情も併せて、
心のなかで何かを生み出す。

そうやって、私たちは大人になっていくのだ。
(2022年9月24日初投稿)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 29
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