商店街で日常系なおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの商店街で日常系な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月04日の時点で一番の商店街で日常系なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.5 1 商店街で日常系なアニメランキング1位
たまこまーけっと(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (2638)
12404人が棚に入れました
餅屋の娘、たまこは餅が大好きな高校1年生。
学校ではバドミントン部に所属、友人らと部活動に励みながらも、家の手伝いと新作餅の開発にいそしんでいる。
向かいにはライバルの餅屋があり、その息子・もち蔵とは幼なじみ。
もち蔵はたまこに好意を寄せており、同じくたまこのことが大好きな友人みどりと、たまこを巡ってバトルを繰り広げている。
大晦日はたまこの誕生日、商店街では毎年お祝いをするのが恒例行事になっていて、これまでプレゼントを渡せなかったもち蔵は、今年こそはとはりきっていた……が、その日、商店街に突然、きらびやかなオウムが現れた。

声優・キャラクター
洲崎綾、金子有希、長妻樹里、山崎たくみ、日高里菜、田丸篤志、山下百合恵、藤原啓治、西村知道、立木文彦、ゆきのさつき、小野大輔、辻谷耕史、津久井教生、渡辺久美子、家中宏、成田剣、日笠陽子、川原慶久、野坂尚也、下野紘、山岡ゆり
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

見れば見るほど居心地が良くなる、そんな商店街へ誘う作品

2013年放送。全12話。
2014年に、続編となる映画『たまこラブストーリー』が公開されています。


【前置き】

「けいおん!」から「日常」「氷菓」と私的に大好きな作品が続き、次は京都アニメーションオリジナル作品ということで、放送当時から楽しみにしていた作品でした。

当時も見ておりましたが、軒並み評価の高い続編映画「たまこラブストーリー」を見る前に本編をおさらいをしたいと思い、一日一話ペースで見直してみたのですが…。。。

「いやはや、こんなに面白かったっけ…?」

っと、思いの外とても楽しめた再視聴となりました。


【あらすじ】

とある街の「うさぎ山商店街」を舞台に、そのもち屋の娘である女子高生「北白川たまこ(きたしらかわ たまこ)」は、商店街の人達と毎日楽しく幸せな日々を送っていました。

ある日たまこは、南の国からやってきたという言葉を話す不思議な鳥と出会い、これまでと少~しだけ違う日々が始まるのです。



【論じてみる】
{netabare}
本作を制作した京アニは、やはり「けいおん!」の爆発的人気に裏付けされている通り、日常系作品のイロハとコツ、そしてツボをよく心得ているような気がしました。
原作ありきの作品だけでなく、このようなオリジナル作品でもその力を見せつけられたのでは、もう疑いようがありません。

監督は、山田尚子さん。
シリーズ構成(脚本)は、吉田玲子さん。
加えてキャラクターデザインも、堀口悠紀子さん。
全て「けいおん!」のメンバーであるからこそ、それが成し得たのだとも思いますけど。


本作は全体を通して、大きな抑揚のある展開はほとんどありません。
しかし、京都アニメーションらしく、話もキャラも作画もとても丁寧で、一切手を抜かず作品を描いてるのがヒシヒシと伝わります。

時系列としては作中で1年余りが経過していますが、テンポが良いという印象より要所要所をゆったり描いている感じがしました。


そのシナリオにしても、お涙頂戴なシナリオも無ければ、主人公のたまちゃんが大きく傷付いて悲しむ描写なんてのもありません。
描かれているのは、ただ、たまちゃんが家族や友達、そしてうさぎ山商店街の皆から「愛されている」ということ。

このストーリー展開に関しては、人によって好みが違うと思うので、「大きな事件が起こって欲しい」とか「急展開が待っていて欲しい」と思う方達には、退屈に感じてしまうかもしれませんね。
特に、「けいおん!」と比べると、圧倒的に認知度が低いキャラ達の、抑揚の少ないエピソードを延々見させられるわけですから。

私的には、当初の視聴ではどこかそういう展開がくるかも…と余計に身構えていた節もあり、100%楽しむことが出来なかったのかもしれません。
作画は綺麗で女の子も可愛いけど、何度も見たいとは思わないかなぁ…って印象でした。


しかし今回、キャラを理解した上で見る2周目は、当たり前ですがキャラも話もすんなり頭に入り、シナリオ的にはほとんど忘れていたのも功を奏し、非常に楽しめたのでした。
やはり日常系作品というのは、ストーリー重視の作品以上に

『繰り返し見てこそ、良さが出てくる。』

と、個人的に思いますね。
ストーリーで勝負しない分、「何度もこのキャラに会いたくなるよう作ろう。」と、存分にキャラを魅せてきますので、当然かも知れませんが。

勿論、それにハマりさえすればですけど……。



私は、この「たまこまーけっと」の登場キャラクター全員が、とても好きなのです。

たまこの家族や、その友達3人は勿論のこと。
たまこに片思い中の、イケメンなのに冴えない、もち蔵。
そして「うさぎ山商店街」の、レコード&喫茶店の主人や、オネェの花屋さん、「うさ湯」のお姉さん、…に片思いしている豆腐屋のお兄ちゃん、精肉店のオバちゃん等々。

悪人なんて誰一人いません。
子供から大人まで皆良い人で、喧嘩してる絵までもとても仲睦まじく見えるのです。

終盤では、たまこが南国へお妃様として迎えられるかも…という話が持ち上がり、たまこの存在を皆が、そしてたまこ自身も皆の大切さを再認識させられていましたね。
本作が好きだと、ここのシーンは見てるだけで自分も、そんな皆のお互いを思いやる温かな気持ちを分かち合えているようで、なんだか優しい心持ちになりました。
大袈裟な言い方かもしれませんけど。


……まぁ、喋るトリ「デラちゃん」だけは、実は序盤はあまり好きになれなかったんですけどね。
異質な存在感や、そのふてぶてしい言動、ちょっと卑猥な目付きを含めた不快な見た目も、な~んだか苛々しました…。。

妙な既視感があると思って調べたら、声を担当された山崎たくみさんは「しまじろう」の「とりっぴい」役でしたね。
どうりで既視感もあるハズです、トリですし。
そういえば、アイツも妙に不快だったなぁww

ただ、話を盛り上げる上で重要なファクターであることや、最終話での立ち振る舞いでもう帳消しになっちゃいましたね。

夕方前なのに商店街が軒並み閉まっている風景を見て、ふいに母の死を思い出してしまった たまこに対し、友達のみどりちゃんより早く顔を覆ってくれたデラちゃん。
そこから、たまこの商店街の想いを聞き、疾走し奮闘するデラちゃん。
最後の最後は、たまこ達には別れを告げず、お父さんの背中越しに言葉を添えて去るデラちゃん。

はい、デラちゃん無双でした、格好良かったよデラちゃん。
なんだかんだで戻ってきちゃう辺りも含めて。

大きなどんでん返し等は全くありませんが、最後まで「たまこまーけっと」らしい終わり方だったと思います。



さて、私的にクレームを言いたいとすれば、オープニングの「ドラマチックマーケットライド」ですね。
本作を知っている方なら、

「えっ? なんで?

 コイツ馬鹿だ!! 

 この変態は何も分かってない!!

 暑さで頭がおかしくなったんじゃねぇのか?」

などなど、思われるかと思います。

このオープニングは、たまこを演じた洲崎綾さんが歌う、作風にも合っている私的にも大好きな曲なのですが……。。。

途中から登場する、チョイちゃんが一切出てこない(絵が最後まで変わらない)のですっ!!!

「けいおん!」では、途中から登場したあずにゃん(ペロペロ)も、ちゃんと新しくオープニングに登場させてくれたのに…。。。
必ずしも重要ではなかったのかもしれませんが、どうせならネタバレでいいので、最初からチラッとだけでも登場させてあげて欲しかったです。

まぁ、何が言いたいかと言うと…

「チョイちゃん、大好きなんだよぉおおぉおおおぉぉぉおおっ!!!!!」

………意見陳述は以上です。
{/netabare}



さてここからは、作中でも大好きなキャラクター4人を、エピソードを振り返りながら語りたいと思います。

高校生枠
【牧野かんな】
{netabare}
たまこの友達で、ちょっとくせっ毛のショートヘア、キャンディー型の髪飾りをしている小柄で可愛い女の子。
表情が乏しく、マイペースと言うか…どこかヌボ~ッとしてますね。
言葉も、どこか寝起きのようなボソボソとした喋り方ですし…。。

でもソレが……、たまらなく可愛いっ!!!!!!

大工さんの娘であり、実際その腕は中々のもの。
それ故のプライドも、ちゃんと持ち合わせていましたしね。
バトン部でも、狙っていた部長の座を友達のみどりちゃんをとられた際は

「まぁ、卒業するまでには下克上しますけどね…。」

と言い不敵な笑みを浮かべたり、内面は実は結構強かな子なのでありました。

それに、時折ふいにブラックなこと言ったり、とある回では策士的に商店街を裏で操ってたり……と、毎度いつも目が離せない子でした。


たまこの友達の中では一番デラと仲が良く、「ミスター」という愛称で呼んでいる辺りも良いですね。
鳥アレルギーなのに……。。。(←このクシャミも、イチイチと可愛いww)
彼女とデラの掛け合いは、いつも緩急がついて面白かったです。

特に好きだったのは、デラを痩せさせる為にバトンを持ち出した時のシーンですね。

デラ「前から聞こうと思っていたのだが、この棒はなんなのだ?」

かんな「なんだと思う?」

デラ「さぁ……」

かんな「ハハ……、オマエをブツんだよ。」

ココは、ふいの暴言で笑っちゃいました。
ボソッとしながらも、声も表情もしっかり可愛いのがまた魅力的。

声を担当された長妻樹里さんは、「中二病でも恋がしたい!戀」の「七宮智音」役もしていましたね。
また違った声のテイストで演じられていましたが、どちらも大好きなキャラクターです。
{/netabare}


小学生は最高だぜ枠
【北白川 あんこ】
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主人公たまこの妹で、小学4年→5年生。
餅屋の娘であることや「あんこ」という名前が好きになれず、いつもどこかプリプリしていること(反抗期っぽぃ感じ?)が多い子なのですが、とにかくソレが可愛くて可愛くて。

そして、小学生ながら色恋には敏感なようで、実は作中では一番恋愛模様をクローズアップされた女の子でもありました。
あんこちゃん、言動や立ち振舞からもメン食いかと思いきや…いやはや

「あんこって、すっごく良い子だよね!」

って、みどりちゃんの台詞の通り、実は中身もちゃんと見れる子でした。
自分より小さい子に対する優しさが見えるシーンもあったりと、反抗期的部分を差し引いたら、作中でもかなり大人びた子なのでありました。


ただ、時折見せる言動はやっぱり小学生ですね。
私が個人的に萌え死んだのは、チョイちゃんの服選びに皆で行ったことを聞いた時の、この台詞ですね。

「じゃあ、次の時あんこもだよ? ね?」

あんこって自分で言っちゃってる点も含めて、メチャ可愛かったです。
そんなに言うなら、オジサンが一緒に行って……(以下略)。


日高里菜さんが声を担当されておりますが、この方が演じられたキャラはどれも良いですね。
「禁書目録」の、打ち止め〈ラストオーダー〉。
「ロウきゅーぶ!」の、香椎愛莉。
「ソードアート・オンライン」のシリカ。
「ガリレイドンナ」の、裸オーバーオール(ほっちび)。
パッと思いつくだけでも、萌え死んだ女の子ばかりです。
{/netabare}


南国枠
【チョイ・モチマッヅィ】
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あずにゃん(ペロペロ)的ポジションで中盤より登場した、デラと同じ南国から来た褐色の女の子。
年齢不詳ですが、パッと見では中学生ぐらいに見えますね。

ただ、見た目年齢とは裏腹にとてもしっかりした女の子。
これまで意気揚々と暮らしていたデラも、タジタジとなってましたね。(いいぞ、こんな[とりっぴぃ]もっとやっちまえ。)

南国育ちで世間を知らない子なのですが、たまやの家族や商店街の人達に触れ、色々なことに興味を持ち彼女なりに成長していく様子は、作中でも見ていて微笑ましかったです。
ワイドショーに夢中になる、ちょ~っと下世話な一面もあったりしますがwww

私的に一番萌え死んだところは、おもちつきを見たチョイちゃんが

「大地を祝福する踊りに似ているなっ!!」

と言い、踊りだすシーンですね。
ここでは、私的に嫌いなwwデラの言動も不快ではありませんでした。

「チョイ様!!

 それは その雨雲を誘うような手の動きっ!!

 そして、その作物の成長を促すような腰の運びは~!!

 まさに、島に相応しい大地の舞っ!!!!

 チョイ様が…、チョイ様が楽しんでおられる~~っ!!!」

よく分かりませんけど、とにかく楽しんおられて良かった良かった。
もぅクソほど可愛かったです。

かんなちゃんの舞いも可愛かったし、私的にココのシーンは神回でした。
{/netabare}


オッサン枠
【北白川 豆大(きたしらかわ まめだい)】(たまこのお父さん)
{netabare}
クレヨンしんちゃんのヒロシ役でも有名な名声優「藤原啓治さん」が声を担当。
この方が声を担当するアニメにハズレ無しというジンクスがある程、良い役で良い演技をしてくれる方です。

当初は、私的に藤原啓治さんの声が印象強過ぎて、京アニという作風では少し違和感があったのですが、ある回からやっぱり大好きになっちゃいました。
それが、可愛く楽しいだけでなく、ちょっぴりしんみり心に響かせてくれた…、このお父さんの回でした。


悲しさなどは基本的に微塵も見せていませんが、たまこは小学5年生の時にお母さんを亡くしています。
その、お母さんとお父さんの馴れ初めが、あんこちゃんの恋愛エピソードに交えられて、レコード&喫茶店の主人から語られたのです。

それはお父さんが、お母さんに向けてバンドで披露した、自作の歌の話でした。

「クニオさん、余計なこと喋んないで下さいよっ!!!」

お父さんが敬語で会話しているシーンが、とても印象的でした。
高校時代の、先輩後輩の関係だったようです。
人に、歴史ありですね。

その後、娘2人はこう言います。

あんこ「お父さんも、誰かを好きになったんだね。」

たまこ「その誰かが、私達のお母さんだよ!」

微笑ましい会話ですね。

最後に締められた、たまこのこの台詞も大好きです。

たまこ「お父さん、私ね…。お父さんのこと、も~~~っと好きになったっ!!!!」

お父さん「………(赤面www)。。。。 うっっせえええっ!!!!」

お母さんと過ごした大切な思い出を胸にしまい、母の死と最愛の妻の死を乗り越えた、この2人の会話。
そこには、悲しい出来事という描き方は一切ありませんでしたね。

なんて良い家庭だこと。
うん、そんな皆と、そんな描き方が出来る本作が、私は大好きです。

そうそう、藤原啓治さんの歌声もカッコエェ!!!
{/netabare}



【総評】

見れば見るほどハマっていく数ある日常系作品の中で、私は本作もオススメとして上げたくなりました。
「たまこラブストーリー」のおさらいのつもりが、ラブストーリーを見たらもう一度見直してみようかなって思うほど、好感を持っちゃいました。

ただ、やはり全12話でこの多彩な登場キャラ全てを描くことも出来ず、その世界観はまだまだ描ききれていない感じもします。
けど、もうちょっと見たいなって思うぐらいで止めるのが、丁度良いのかもしれないですね。


物語としてはあまり抑揚のない作品で、一度見ただけでは少し印象強くはないかもしれませんが…。
2周してみると、その世界観がとても居心地良くなっちゃいました。
丁寧な作品の強みですね。

なにより幸せで優しい気持ちになれる、見ていてホッと出来る、そんな時間をいただきました。


比較的簡潔にレビューしようと思っていたのに、これまたえらく長々としたレビューになっちゃったな…。。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
(同率1位)
『牧野かんな』声 - 長妻樹里さん
『チョイ・モチマッヅィ』声 - 山岡ゆりさん


◇一番可愛いキャラクター◇
『北白川 あんこ』声 - 日高里菜さん



以下、下衆な駄文なので〆ます。
{netabare}
さて作中、私的にとても印象に残ったシーンの一つとして上記以外にも、こちらも上げたいと思います。

それは、チョイちゃんが初めて銭湯に行った時のこと……。


のぼせてしまったチョイちゃんは、湯船に


『『『『 褐色の桃 』』』』


を浮かべるという、離れ技を披露して下さったのでした。

気が付いてからチョイちゃんは


「このような屈辱は初めてだっ!!!」


なんて仰っておりましたが、状態も良好で健康に良さそうな…、あのフォルム…。


茶色い桃が、こんなにも美味しそうだと思ったのは、私も初めてです。


本当にありがとうございまいました。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 42
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

不思議な商店街に現れた、不思議な鳥のお話

「たまこラブストーリー」を経て、ようやく「たまこまーけっと」にも理解が追い付いてきたので、思ったことをまとめてみます。
なお映画の内容のネタバレは避けたつもりです。
してたら言ってくださいね。

あらすじ
{netabare}
うさぎ山商店街の一角にある餅屋「たま屋」の娘である北白川たまこは、実家の年末のお手伝いで大忙し。そんなとき、花屋で買った花束の中に偶然大きな鳥が紛れ込んでいた上、この鳥が人の言葉を喋るのだから大驚き!

鳥は自分をデラ・モチマッヅィと名乗り、遠く離れた南の国から王子の后となる娘を探しに来たのだと言う。
デラに気に入られてしまったため、一緒に住むことになったたまこ。
うさぎ山商店街がデラによって賑やかに変わっていく、人情&青春コメディ。
{/netabare}



内容としてはオムニバスに近いと思います。
2話、3話と別々のキャラがデラやたまこと関りながら新しい感情に目覚めていきます。恋だったり、友情だったり、愛情だったり。

デラという個性的なキャラクターのおかげで、一味違った面白さがありました。

見れば見るほど不思議で、ゆるーい割には奥行きのある作りで考えさせられてしまいます。

傍から見てほのぼのコメディとして楽しめ、じっくりキャラの行動や心理を辿って青春ドラマとしても楽しめる。そんなアニメでした。


見直してみてどの回も楽しめた中で、特にオススメなのはこの辺りです。
2話 恋の花咲くバレンタイン
5話 一夜を共に過ごしたぜ
7話 あの子がお嫁に行っちゃった
9話 歌っちゃうんだ、恋の歌
10話 あの子のバトンに花が咲く
11話 まさかあの娘がプリンセス


いずれも一定のキャラクターに焦点が当てられ、見所は多いです。


また、以下のエピソードは映画との関連性が多く見られました。
{netabare}
2話「恋の花咲くバレンタイン」
ストレートに恋愛をテーマにしたお話。
ここでかんなが言った「誰が誰を好きになってもいいんだよ」という台詞が、みどりの心境に変化を及ぼしているところが重要だと思いました。


5話「一夜を共に過ごしたぜ」
もち蔵の想いとみどりの想いが初めて交錯するお話。
みどりが好きなのはもち蔵か?たまこか?
どっちとも取れる絶妙さが本当に巧いなと感心しきりです。


9話「歌っちゃうんだ、恋の歌」
たまこがずっと思い出せずに口ずさんでいた歌と思い出のお話。
豆大とひなこの馴れ初めや豆大の本音が垣間見えて、特殊EDということもあり、映画に繋がる大事なエピソードでした。


11話「まさかあの娘がプリンセス」
たまこにとって、商店街にとって大きな転機となるお話。
たまこがいなくなる不安をみどりが「わたしからクマのぬいぐるみを取り上げるみたいな」と例えた所が重要だと思います。
みどりにとってたまこはずっと側にいてほしい、依存の対象に近いと感じられる場面です。
史織は「何かが急に変わっていく」ような怖さ、かんなは「宇宙の入り口に立ったような」怖さをそれぞれ感じていた。これはすなわち自身の変化への怖さでもあります。


12話「今年もまた暮れてった」
南の国と商店街を天秤にかけて、たまこが初めて決心するお話。
たまこがやっと自分で一つの答えを出して、ここに居たい。ここが大事だ。と主張するところが重要ですね。
あと王女に選ばれたことより商店街のメダルを大事にするところ。
どんなに大きくて浮世離れした幸せより、身近にある小さな幸せを取るたまこの意思がありました。
チョイが商店街を去るとき、みどりが餞別にクマのぬいぐるみを贈る場面も見逃してはいけないと思います。たまこを留める代わりにぬいぐるみを手放す、そんなところでしょうか。
{/netabare}


少しだけ内容について感想をば。
{netabare}
たまこはかんなやみどりと、もち蔵は映研の連中とそれぞれ携帯で連絡を取り合っているのに、たまこともち蔵が二人で連絡を取り合うのはいつも糸電話。
このこだわりがすごく良いと思います。二人だけの秘密?二人だけの世界?みたいな幼なじみらしい距離感が羨ましいです。
子供の頃にもち蔵のお母さんに作ってもらったこの糸電話を大事に使っているのも、二人とも思い入れがあるからなんでしょうね。


あとダイナマイトビーンズってネーミングセンス、イカしてますね!
豆大だからダイナマイトビーンズ。直球な素直さに惚れます。
あいのうたも歌詞がド直球で聴いてるこっちまで恥ずかしくなってくる徹底さ(笑)
作詞が山田尚子監督とは、よくここまで青臭い感じを出せるなと感心しました。


たまこまーけっとは元々が緩い雰囲気なので気付かなかったんですが、今思うと6話の肝試し回は全く独立したコメディになっていて、ある種の息抜き回だったんだなと思いました。境界の彼方でいうダンス回に近い番外編ですね。
{/netabare}


放送当時はそこまで印象的ではなかったはずのこのアニメですが、見直すと色々発見があって楽しかったです。皆さんにも是非一度この不思議な世界を味わってほしいと思います。










妄想じみた考察をしてみます。


1.たまことたまこまーけっと
{netabare}
このタイトル、うさぎ山商店街のたまこが主人公だからというだけでなく、たまこと商店街の関係を表しているのではないかと思います。


どういうことかというと、この物語の舞台であるうさぎ山商店街は人々に愛され活気のある場所です。
同じくここに住むたまこも商店街の人々に愛され、必要とされる存在。

たまこが喜び勇んで商店街を盛り上げれば街も活性化し、逆にたまこが不安な心持ちのときは商店街もどんよりと静まったように見えます。

たまこに色々な感情があるように、街にも色々な顔があり、両者はお互いに作用しあっている関係です。

多分これは、商店街の姿がたまこを通して映っているからだと思います。たまこから見た世界がそのまま映像になっています。デラが映写機のように自身の目を通して世界を映すのも、そういった意味があるのかもしれません。

時系列が経過して、新たな出会いや別れがあって、その中で人々や街が変化する過程を描いていくことがテーマだとすれば、人が変われば街も変わる。街が変われば人も変わる。そういう変化って良いことなのかな、悪いことなのかな、と問い掛けられているような気がしました。

たまこと商店街全体を重ねあわせて見せることに意味があるのだと思います。

つまり、たまこ(にとって理想の)まーけっとってことです。



ある日突然南の国から来た人の言葉を喋る鳥、デラ。彼が現れたことでたまこの生活と商店街(まーけっと)の活気その両方に変化が与えられました。

このイレギュラーな要因なしで変化を起こそうとしたのが「たまこラブストーリー」であり、まーけっとの一つのifの世界・到達点なのではないかな、と思ったりしました。

もしくは、もち蔵が東京(外部)へ出ていくことを契機にして物語が動き出す、という意味では本編と似通っているとも言えます。

しかしなかなか変化しないのがたまこなんですよね。たまこが変化することはすなわち日常の終わり。TV版でいえばこの物語の終わりを示しているからです。


たまこの側からは周りの人に干渉するけど、誰もたまこへ深く干渉しようとしません。このままでは物語は終わりません。

そこで女性にとって大きな転換期である「結婚」を持ち出すことで強引に変化を迫り、それにたまこが答えを出すことで最終話を迎えられました。

結局たまこの出した結論は大きくなりたくない、成長したくないが為の現状維持であって、成長は見られなかったと考えていいですね。

ここがたまこまーけっとの一つのマイナス要素に感じられます。
何故ならクライマックスになるまでたまこが結婚について思い悩む描写があったでしょうか。おそらく、なかったと思います。

自分の将来を見据えて出した結論というよりは、目先の状況に対して咄嗟の判断をしただけという感じが尺の短さ、まとまりのなさを思わせます。



それに、ふんわりとした商店街の雰囲気に合わせて街の人々まで曖昧に描いてしまったところもマイナスに見られます。

本当に街の雰囲気の添え物くらいの役割しか担っていないような印象を受けました。

しかし、これもあえての演出だったのかも。
たまこが触れ合った人々のたまこが知り得る範囲の側面だけを描き、その他関わりが薄い人間を一切登場させないのも、たまこ視点の商店街であるから。

そうだとしても、やはり物足りなさを感じてしまったのは確か。もっと商店街の人々の出番を増やしてくれればより一層、この商店街という空間を魅力的なものに、実用的なものに出来たのでは、と思います。
{/netabare}




2.あまりに現実離れした商店街の街並み
{netabare}
見ていれば気付くかと思いますが、このうさぎ山商店街の雰囲気ってかなり異質です。現代的なキャラクターと比べてレトロで、まるでここだけ時間が止まっているようです。

どこにでもある商店街ではなく、あえて昭和にタイムスリップしたような舞台を設定したことにきっと意味があるはずです。
人々の温かみ、触れ合いが強く伝わってくる、日本のどこかにあった風景。
これなら今までの作品のような学園ものと違い、より広い世界での日常を描くことが可能です。


しかし監督はまだお若いのでこのような時代を直に体験したわけでは無いはずです。
だからどこか違和感のある光景に感じられます。実際に昭和を舞台にした作品群と比べるとチープというか、現実味が足りません。


これはあるブロガーさんの考察によるものですが、《OPでたまこがシルクハットを被っているのは、これがファンタジーだと強調する狙いがあるのではないだろうか。》・・・というようなことをおっしゃっていました。

これを見て合点がいきました。監督自身あの街並みが現実的でないことは承知で、あくまで‘それっぽい’世界へ招待しますよ、とのアピールです。

たまこが先頭に立って皆を率いているのも、これがたまこの思い描く商店街だからでしょう。

それがあの、リアルとファンタジーの入り混じった奇妙な商店街を生み出すに至った経緯です。

表向きの世界=夢のような商店街の光景=OPで、
裏向きの世界=現実のたまこ達の営み=EDと、
それぞれ全く別の裏表のような映像世界。
この両面性(虚構と現実)がたまこまーけっとの面白い所なんじゃないかと思います。
{/netabare}




3.TVと映画の関係
{netabare}
たまこまーけっととたまこラブストーリーの関係は、交響詩篇エウレカセブンとエウレカセブンAOの関係に近いような気がしました。

たまこは作品の世界を十分に描いてから後にたまこともち蔵の関係へフォーカスしていったのに対して、エウレカは先にエウレカとレントンの関係を描いてから作品の世界を掘り下げていったので、真逆の関係ではありますが。

土台をしっかり固定しておいた方がキャラクターに味が出ると見るか、謎を残しつつ後から解き明かす方が話に面白みが出ると見るか。個人的には前者の方が好きな場合が多いです。
近年は後者の作品の傾向(設定の後だし)が多いので、たまこのような掘り下げをする試みがもっと増えればいいなと思います。
{/netabare}




4. 結論
{netabare}
視聴者が普通に見て感じるよりも特異で面白い作品です。
理想と現実、日常と非日常。それらが混在した世界を表現しようとしたのが「たまこまーけっと」だったのではないでしょうか。

しかし、上手く伝わらなかったのはひとえに尺不足。1クールの制約の中でたまこを通した商店街、商店街の人々を描ききることが出来なかったのです。
日常からの変化を見せるためとはいえ、デラを中心とした南の国の設定が足かせになってしまっただろうことも想像できます。(南の国のお話も勿論好きです)
本当に惜しい…こういう潜在的な面白さを発揮できずに埋もれていく作品は山ほどあります。

その中でもたまこは「たまこラブストーリー」のおかげでこれらの魅力が引き出され日の目を見ることができたので、多少は報われましたね。
僕も映画を見たことで再びTV版を見直し、この作品を包んでいる不思議な世界を少しだけ分かったような気になれたので、とても幸せです。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 32
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

商店街に育てられた娘

餅屋の娘たまこを中心としたのほんわか日常ドタバタコメディっぽいですね。

作画は京アニっぽく、あたたかくやわらかい雰囲気でお餅屋さんに良く合っていると思います。

声優さんは知らない人も多いですが違和感は感じませんでした。
たまこの声優さん聴き慣れると心地よく、たまこらしさに合っていると思います。

※1話感想{netabare}
今回の成分 鳥4:餅屋2:大晦日2:商店街1:京アニ1

オリジナルアニメって割には「guguガンモ」に似ている様な気がします。
丸っこいピンクの良く喋る鳥、統一された家族の名前(向こうはおでん繋がり)
ちょっと偶然とは思えないんですけど…まぁ今後の展開は違うでしょう。
どうせなら喫茶店の時コーヒー飲んでくれればいいのに。(^_^)
(分からない人は一度検索してみてね)

最初に鳥が飛び出して顔に張付いた時はエイリアンのワンシーンが思い浮かびましたね。
あっ! たまこに実は何か植え付けたり……してねーか。

鳥が喋る事は平気でしたが、
外国生まれなのに日本語喋る事に疑問を感じちゃいました。(^◇^;)
あっ! たまこに飛びついた時、知識を吸収したり……してねーか。

最後を観るとロボ的なモノなのか?この鳥色々気になります!

レコードの一件を見ると、たまこのお母さんと鳥の出身国は
なにやら関係してきそうな予感がしますが、はてさて。

たまこはみんなに好かれるよい子そうなのでほんわか暖かい展開が期待できそうです。
ほんわかしながらもキッチリ伏線を張っているので結構深い話になるやもしれません。
{/netabare}
たまこの家族の話だけでなく友情やちょっとした恋模様もありそうですし、
鳥さんの謎も気になるんで最後まで視聴する作品になりそうです。

※2話感想{netabare}
今回の成分 バレンタイン5:商店街2:着ぐるみ1:おもち1:鳥1

主軸のないゆるーい日常のお話でした。
恋模様がみどりを含めた三角関係になりそうですが他には進展なしです。
暫くこんな感じでギアを上げないのかもね。
今のところ昭和アニメのリメイクというか要素をを摘んでいるだけの感じです。
このままオリジナリティーのない作品で終わって欲しくないのでもう少し頑張って。
たまこの着ぐるみ地団太は可愛かったですけどね。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
今回の成分 友情6:新学期2:クール1:鳥1

やはりギアは上がりませんでした。
でも軸はあったので感情移入できた人いるのかも。朝霧さん掘り下げ回です。
モブキャラから友達へと昇格しましたが驚く程の引っ込み思案。
今後たまこに触れながらだんだん明るくなって行くんでしょうきっと。

でもでも、今のところ作品としては「ぬるーい」んですよね。
朝霧さん、第一印象では少し冷たそうで、そういうキャラも居て欲しかったです。
実は人見知りで優しいって事ならば、それがなかなかたまこに伝わらず
もっと引っ張っても良かったのでは?と思います。
そうしたら感動につながったかも知れないですが…今回の展開あっさりしすぎです。
たまこにほんのり暖かい友達が増えましたが、それでは温度は変わらない。
時には冷たくなったり熱くなったりして起伏をつけてほしいのですが。

笑いも集団同時ツッコミをよく使うんですけど笑えてないんですよね。
毎回の喫茶店のマスターの詩人コメントが一番楽しめている状態です。
期待はしているのでギアが上がるのをじっと待っています。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回の成分 あんこ4:祭2:恋2:御輿1:柏餅1

のーんびりとどうってことない、あんこちゃんのお話。
メガネ君が好きみたいで子供らしい可愛さはありました。
部屋でくさやは後々大打撃を食らいますよ。

たまこってあの年で既におばぁちゃんの臭いがしますね。
恋に鈍いのでもち蔵くんは苦労しそうです。

いつも、季節に合わせた美味しそうなお餅が出てきてお腹が減ります。

マスターの詩人コメントはやはり毎回ありそうです。
祭りの日、多くのお店でシャッター閉じてるんですが…商売としてもったいないです。

今回はそれくらいの感想ですねー。

このアニメって休日のんびりした時間に観るものなのかな。
昭和アニメの要素だけ摘み平坦な作品を京アニ作画で作っただけなら少し寂しいです。
たまこの母との回想もあったので感動ストーリーへの期待を捨てずに観ようと思います。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
今回の成分 三角関係3:林間学校3:カナヅチ2:花火1:鳥1

今までのご近所日常物語と違う趣の回でした。
こうやって少しずつでも話が進む展開なら歓迎します。

もち蔵の恋のお話でした。
デラをキューピット役にしたら…まぁ失敗するよね。
でもなんだかみどりとのキューピットには一役買っていた気がするけど。
今回色々災難でしたがタフさは流石です。

みどりはたまこの衛士みたいで、どうやらコチラへの愛だった様ですね。
たまこは相変わらずのマイペース、もち蔵の受難は続きそうです。
でも花火を見て叫んで、夏の思い出はひとつ出来たかな?
この三角関係の行方も楽しみです。

詩人コメント楽しみにしていたのですが今回は無かったみたい。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
今回の成分 お化け屋敷3:怪談3:ミステリー2:商店街2:新婚0

アバンでお地蔵様に祈ってたけどコレも伏線になるのかな?今回だけかな?
デラの国では人形っぽいの敵に投げる風習(?)があるみたいだけど。

2話目の様にほのぼの商店街のとある日常のお話でした。
高校生三人であのお化け屋敷のクオリティーは凄いです。
先生は意外とヘタレなんですね、対して奥様は冷静でした。

ミステリーに関しては「チャンチャン♪」という音が聞こえてきそうなオチでした。
無理矢理感が強くデラの扱いが雑ですw 
喋るという一番のホラーはスルーなのですが。(^_^;

お化け屋敷にしろ、かんなは裏で色々活躍してそうで、今回はそこが焦点だったのかも。
デラを「鳥の人」と呼んだのは面白かったです。

次回は誰か来日するみたいです。
なぜデラの位置が分かったんだろう?何か秘密があるのかな?

浅い日常アニメで終わるはずがないという願望含みの目線で視聴継続中です。

整理用メモ:{netabare}
【たまこの母ひなこ】
現在音信不通。電話も手紙も出来ない様子。
亡くなったとは限らないが今の所その可能性は高い様には見える。
あんこの回想で出たが後ろ姿のみで遺影や写真なども無い。
おもちが好きだった。
たまこが口ずさむ歌はこの母からで、歌の続きを探している。

【デラ・モチマッヅィ】
かなりファンタジーな存在。
教養があり喋れて目から映像が出せる。
モチ太り。史織を気に入っている。
王子の妃を捜す旅をしている。
南国の風習かクシャミが求愛、地蔵は敵に投げると思っているらしい。
時々王子からビデオレターが届く。
{/netabare}
{/netabare}

※7話感想{netabare}
今回の成分 嫁5:占い3:風呂1:罠1

話が動いてきた気がします。
あの子ってさゆりさんの事だったんですか。
後ろ姿で判らないけど川岸でデートしてたのさゆりさんかな?
豆腐屋の兄ちゃん可哀想だけどいい人でした。
チョイちゃんも王子に恋心を抱いていて似た境遇を重ねていたみたい。
この辺り、なかなかいい演出で微妙な想いが伝わって来た気がします。

デラの位置がなぜ分かるのか疑問でしたが占いだったようです。ほんとに良く当たるなー。
デラの通信機能ってどうやったら直る(治る?)のでしょうか?

最後にはたまこの匂いに反応してたけど…
この流れだとたまこが妃候補になって行きそうな気がします。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
今回の成分 減量4:登校3:秋1:日曜大工1:クラシック音楽1

「匂い」は思い切りスルーでした。
話も日常系で進展なしです。
妃候補か母との繋がりで進展すると思っていたんですが、
シャンプーの香りが目新しかったんでしょうか?

チョイは着替えも荷物もほとんど持たず来日して、学校まで行くとは強者です。
言葉やビザの問題は目を瞑ります。
プレゼントの洋服はきっと大事に着てくれるでしょう。

デラは痩せたら機能回復するのかな?
そろそろ伏線回収&ラブコメ展開のギアが入るかな?
いろいろと来週に期待します。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
今回の成分 ラブコメ7:歌2:リバウンド1

豆大とあんこのラブコメ回でした。切なくも甘酸っぱい良い話だと思います。
歌の正体が分かりました、やるな豆大。
そういえばデラをお化けと間違えていた時に口ずさんでいました。
ですがお母さんの音痴も発覚。原曲と違いすぎないかい?
一輪挿し飾ってたのでやはり亡くなっちゃってるのかな?
でも鏡台だったのも引っかかりますが。

あんこちゃんはお別れが来ちゃいました、素直になれないのも分かります。
好きな子が引っ越すって実体験した人多いよね。
でも上手くお別れ言えたし、引っ越しても時々会えそうなので良かったね。

もち蔵も脈ありかも知れないので希望は捨てずに!
{/netabare}

※10話感想{netabare}
今回の成分 ダンス6:プレッシャー3:文化祭1

バトン部の晴れ舞台。友情と信頼が感じられいいお話でした。
上手くみんなで乗り越えられたようで良かったね。
デラはどこに隠れていたのかな?

チョイちゃんはホクロに気付くの遅すぎですけどね。
妃探しで気にしているなら尚更です。
今までのマッタリとした流れで緊張感は無いんですが
この行方、のほほんと最後まで見届けたいです。

あとコマ飛ばしの手法が多くて少し気になってしまいました。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
今回の成分 お妃6:金メダル4

たまこの気持ち関係なしに話が進んでますね。
もち蔵まで大人ぶったこと言い出してるし…
あの地団太&決めゼリフがまた観られたのは良かったですけど。
金メダルの獲得おめでとう。そういえば一話目からポイントカード集めてましたね。

匂いについては一話の花の香りなんでしょうか。
夜に匂いを発する花らしいけどなんていう花なんだろう?
花詳しくないからな。お母さんとも関わってくるのかな?

次回は波乱含みで最終回突入ですが嵐にはならず穏やかに優しく終わりそうです。
{/netabare}

※12話感想{netabare}
今回の成分 商店街8:妃1:友情1

たまこの思い出を聞いているうちに、
「そうかたまこは母親の代わりに商店街の愛情を貰っていたのか」と思えて
じんわりと暖かな気持ちになりました。
笑顔あふれる商店街はまだまだ続きそうです。
デラは相変わらず間が抜けているというか、気付かぬ花屋ともち蔵が抜けているのか…。
ともかく戻って来てくれました。
何気にもち蔵は一話の汚名を返上し最高のプレゼントが渡せました。

6話でデラもチョイも「地蔵を敵に投げる」様な発言をしていましたが、
どうやらスキンヘッドのSPの事だったみたいですね。

「匂い」は王子の匂いと花の香りが似ているから
チョイちゃんが運命付けてしまったようです。
チョイちゃんの首飾りの下にはもしかしたら印があるのかも知れません。
お風呂に入ったときも外してないので確認できないんですけど、
この2人が結ばれて欲しいです。
{/netabare}

一話目を見たときは山あり谷あり大きな感動ありの作品を期待しましたが、
観ていく内にストーリーの深みを求める作品では無いことを理解しながらも、
大きな山がくる期待を捨てられず観続けてしまいました。
(毎話感想書き留めておくと当時の気持ちが蘇りますねw)

流石に後半は気持ちを完全に切り替え気楽に、
のんびりまったりほがらかな作品の雰囲気を感じながら
観ることで作品の長所を掴めた気がします。

無難と言えば無難、大きな波は無かったですがじんわり暖かく良い話でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 63

88.5 2 商店街で日常系なアニメランキング2位
TARI TARI(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (4484)
20742人が棚に入れました
「TARI TARI」今夏放送開始 制作:P.A.WORKS、キャスト:高垣彩陽、瀬戸麻沙美、早見沙織 ほか

声優・キャラクター
高垣彩陽、瀬戸麻沙美、早見沙織、島﨑信長、花江夏樹、浜田賢二、大原さやか、木下浩之、能登麻美子、田中敦子、宝亀克寿
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

想いは潮風に乗って…

・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:

原作 - EVERGREEN
監督・シリーズ構成 - 橋本昌和
脚本 - 橋本昌和、佐藤梨香、横手美智子
キャラクター原案 - tanu
キャラクターデザイン・総作画監督 - 関口可奈味
美術監督 - 東地和生
美術デザイン - 塩澤良憲
色彩設計 - 井上佳津枝
撮影監督 - 並木智
3D監督 - 平田洋平
編集 - 高橋歩
音響監督 - 明田川仁
音楽 - 浜口史郎
音楽A&R - 吉江輝成
音楽制作 - ランティス
アニメーション制作 - P.A.WORKS
製作 - tari tari project
放送期間 - 2012年7月〜9月
話数 - 全13話

(以上Wikipediaより引用)

・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:..。o♬*゚・*:



泣いたり、笑ったり、怒ったり、想ったり。
そして、歌ったり。

青春時代、その中でもとびっきり大切な高校3年生の夏を
中心に豊かな心情描写を美しい背景の中で描いた作品です。

舞台は神奈川県のとある海辺の街。

OPアニメーション最初の方に出てくる景色に、
「おぉっ」って思われる方も多いと思います。
私も東京での学生時代、海に囲まれた鹿児島が恋しく
なった時に幾度となく訪れた場所でした。

そんな潮風の香りが漂う街の高台にある高校。
合唱部での活動をメインに友人、親、先生、商店街の人々
との人間関係が繊細なタッチで描かれていて、つい笑って
しまうシーンもあれば、心の琴線に触れる様なシーンも
沢山あります。

中でもあまりアニメでは取り上げられる事の少ない合唱部
での活動シーンはその素晴らしい友情と素敵なハーモニー
に何度も熱い感情が込み上げてきました。

歌を通じて築かれるそれぞれの友情、愛情、信頼関係。
「音を楽しむ」
音楽の素晴らしさが心に響きます。

作画もP.A.WORKSさんらしい硬そうなのに優しい線使いと
独特な配色の背景。
キャラクターの豊かな感情表現の描き方はTARITARIの世界
に私達を優しく誘ってくれます。

特に「花咲くいろは」が好きな方にはとても馴染みのある
感じに仕上がっているのではないでしょうか。
制作スタッフもほぼ一緒なので。

青春ドラマ仕立てのTARITARIを盛り上げる魅力の一つ
としてOP、ED、劇中歌を含めての音楽の素晴らしさも
大きなポイント。

合唱部が題材という事もあり、器楽の「合奏」とはまた
ひと味違う魅力に溢れた楽曲で構成されています。

楽器がなくても音楽は楽しめる、誰でも音楽は自由に
楽しめるんだよっていう事の素晴らしさがストーリー共に
優しい合唱のハーモニーで伝わります。

人それぞれが持つ大好きな事、大切な事。

形や色は違うけれどそれが一つになった時、人を動かす
大きな力になるんだ、想いは繋がるんだっていう事を
改めて感じさてくれます。

人生の中でも一際キラキラとした輝きを放つ青春期。

挫折、葛藤、希望、情熱、友情。

そして笑顔。

潮風が運ぶ素敵な青春の輝きを
是非ともこの作品で感じて頂けたらと思います。


【mio’s café】
これが私のTARITARizm♪
視聴済みの方限定ですよぉ
一応…ね♬
{netabare}

鎌倉から稲村ヶ崎、江の島、湘南海岸。
もう少し足を伸ばせば烏帽子岩とサザンビーチ茅ヶ崎。
素敵なロケーションの国道134号線。
七里ヶ浜で食べた美味しいパンケーキ。
シーキャンドルから見渡す水平線と海岸線。
車で江ノ電との並走も今では楽しい思い出です。

そんな素敵な町並みを舞台に繰り広げられるTARITARI。
まず私の目を虜にしたのはOPアニメーションで描かれた
雲でした。
「うわっ、綺麗!」
冴え渡る青い空に白い雲。
元気一杯に駆け抜ける彼女達が印象的。
これから視聴する作品のイメージを大きく膨らませて
くれるスタートでした。

第1話登場する5人のメインキャラクター。
監督の橋本昌和さんによると5人全員が主人公のこと。

でも私、ウィーン(CV:花江夏樹さん)が登場した時は
「絶対この子がこのお話の主人公だっ!」
って思っちゃいました。
だってオーストリアからの帰国子女でニックネームが
ウィーンなんですもの…
ウイーン少年合唱団を連想しちゃいますよね。
絶対歌が上手いんだとか…本当にもう…

でも最初の土下座で儚くもこの子の役所がわかっちゃい
ましたけど…。
来夏(CV:瀬戸麻沙美さん)の「土下座っ?」
笑っちゃいました。

お話の序盤から高倉教頭先生(CV:田中敦子さん)と
和奏(CV:高垣彩陽さん)が頑なに来夏を拒絶する姿。

教頭「人の心を動かすには特別な何かが必要なのです。
あなたにはそれが無い。」

「楽しむ事と楽しませる事。その両立あなたには出来は
しません。」

和奏「楽しく歌いたいだけならカラオケでも行けば!」

私的にはいきなり2人の言ってる事があまりにも無茶苦茶で
「はぁ?」
ってなっちゃったけど、後で分かるんですけれど、まひる
という大きな歌を無くした2人にとって、歌を楽しもうと
している来夏という存在は認めたくても認められない存在
だったのかな。

来夏「何もしないで後悔したくないから!」

第1話でこのお話の道筋というか大きなテーマが見えてくる
素敵なセリフでした。

とにかく登場するキャラが魅力的。
来夏は前向きで純粋で、でもどこかとぼけてて天然。
これって決めたら周りを考えずに進むタイプの女の子。
歌う事が大好きで時折見せるツッコミも可愛い。
表情や仕草がいちいち可愛くて仕方無いです。

紗羽(CV:早見沙織さん)は世話好きで困っている人を放って
おけないお姉さんタイプの女の子。
健康的で魅惑的な容姿とは裏腹にサバサバした性格の
ギャップが魅力的。
何かとみんなの間を取りもち陰で支えてくれました。
来夏とのやりとりはいっつも楽しくて大好きです。
乗馬が趣味で騎手になるのが夢。

和奏はお母さんの事もありなんとなく気持ちが後ろ向きで
内に秘めるタイプだったけど、お父さんにお母さんの
和奏に対する本当の気持ちを聞かされてからは皆んなと
前向きに笑顔で接する様になれましたね。
気持ちが徐々に変化していく姿がとても良かった。

男性陣はウィーンと大智の青春期独特の男の子の爽やかで
酸っぱい感じが凄く良かったかな。
ウィーンは5人の関係の中でワンクッション安らぎを与えて
くれる存在。
ガンバレッドを介してのヤンとのやりとりにも心が温まり
ました。
花江夏樹さんの柔らかな声も相まって優しくてちょっと
天然な感じが可愛い男の子。
でもここぞという時は強い信念とこだわりを持つギャップ
も良かった。

田中大智(CV:島崎信長さん)は本当、いい男の子。
ナイスガイ!
一言で言うなら「爽やか」。
紗羽と似て面倒見が良くて断れないタイプ。
何事も前向きに取り組む姿勢と徐々に変化する紗羽への
気持ちの変化が初々しくてとても良かった。

2人には高校生男子独特の異性に対する関心や抑えきれない
様な感情の色づき感が足りない感じもしたけど、この作品
ではこれくらいの純粋さや青々しさが良かったかも。
2人のコミカルな役どころと爽やかな感じが素敵です。

5人のキャラに共通しているのがとにかくみんな頑固。
良い意味での頑固なんです。
だからこそその壁を越えた時、素敵な人間関係が形成され
るのも頷けるキャラ設定でした。

第1話から心にスッと入ってくる感じで色んな素敵なお話が
あり過ぎて困るくらい。
お話の冒頭で流れるそれぞれのキャラの幼少期や過去の
思い出が印象的。

中でも私的には第2話と第5話、第6話、最終話が特に印象
に残りました。
全て語ると大変な事になりそうなので6話と最終話の感想を
中心に。

2話では自分の気持ちに正直に生きたいと思う来夏。
そんな来夏がほっとけなくて応援する紗羽。
まだまだ距離感はあるけど気持ちが動かされていく和奏。

来夏と紗羽。
2人だけのハーモニー。

「心の旋律」

初めて聞く歌だったのに凄いです。
序盤にしてこんなにも鳥肌が…
瀬戸麻沙美さんと早見沙織さんの歌声の清らかさと
ハーモニーの美しさに自然と込み上げてくるものが…
これが歌の力なんですね。
素敵なエンディングへの流れでした。

和奏がお母さんの本当の気持ちを知る事になった第5話。
お母さんからのメッセージ。
そして後悔する和奏。
「言えなかった。
行ってきますも…ごめんなさいも…ありがとうも…」

そして物語が大きく動き出した第6話。
全体の中でも1番大好きな回です。
ひょっとしたらこれが最終話でも良いかもって思える
くらいのお話でした。
6話だけでも何度も見ました。

登場する1人1人が明らかに和奏を応援するのではなく
そのさりげない1つ1つの言動が和奏を優しく包み込む様に
立ち直らせてくれるきっかけになる演出が見事。

お母さんとの約束を果たせなかった事に罪悪感を持ってい
た和奏に、同じ様に祖父との約束を果たせなかった来夏の
思いがけない言葉。

来夏「でも私ね、今は約束叶わなくて良かったって思う」
「叶ったら終わっちゃうでしょ?
約束があったからいつもおじいちゃんのこと思い出すの。
くっそぉっ。叶わなかったぁって。これも大事な思い出
だから」

トラウマを抱えていた和奏に別の視点を与えてくれる
私的にも予想外でもあり素晴らしいセリフでした。

紗羽ちゃんは母と娘の良き関係性。
そして和奏を馬に乗せる事により今までとは違う、
気持ちの上で1つ階段を登った世界を見せてくれました。

紗羽「景色が全然違って見えるでしょ。」

和奏の何か1つ吹っ切れた様な表情が素敵です。

大智、ウィーンはコミカルな役どころながら和奏の硬かっ
た心を柔らかく解し、和奏に再び声を出すきっかけを与え
てくれました。

お母さんとの発声練習を思い出す和奏。

まひる「遠くに和奏の大好きな人がいて、その人に私は
元気だよぉって楽しい気持ちを届けるつもりで、ねっ」

今は遠くにいる大好きな人、それは「お母さん」。

自分に言い聞かせるように声を出す和奏の穏やかな表情
が嬉しくなりました。
そしてまた和奏の声を聞いたウィーンと大智の爽やかな
表情も良かった。

高橋先生は赤ちゃんを和奏に触れさせることで子供の可愛
いさと愛おしさを和奏に感じさせている様に思えました。

高橋先生「いいのよ、素直じゃ無くても。
ただ元気で大きくなってくれれば。」

親の子供に対する想い。
自分の子供はこんなにも可愛いんだよ、あなたのお母さん
もそう思っていたんだよって事を間接的に教えてくれてる
みたいで。
初めて高橋先生の赤ちゃんを見た和奏のくだけた表情が
たまらなく素敵でした。

そしてお父さん。
まひるの本当の気持ちを知るただ1人の人。
ピアノに込められた想い。
そして和奏が初めて知るお母さんの優しくて温かくて
大きな愛情。
その愛情に触れる事により、和奏がやっと「歌」に
お母さんにそして自分に向かい合ってくれました。

「まひる、ありがとう…和奏、ありがとう…」

そんな言葉が聞こえてくる様なお父さんの涙でした。
お父さんの背中にもう私も涙が止まりません…。

ここもエンディングへの流れが最高に素敵。
和奏も加わり5人での初めての合唱。
和奏の澄み渡る歌声。
来夏、紗羽、大智、ウィーンの清らかで優しくて強くて
伸びやかな歌声も重なりここでも心が熱くなりました。

悲しいわけではないんです。
この5人のあまりの清々しさに…。
もう、泣いてばっかり…です。

最終話は最後の「白祭」
来夏の相変わらずのコミカルな感じと紗羽のツッコミに
最後まで癒されます。

雨が上がり雲の切れ間から射し込む光。
思わず見惚れてしまう作画です。

ミュージカルでの最後のセリフがこの作品の大きなテーマ
でもあった気がします。

大智「闇に覆われた世界にただ1人。道は見えない。」
ウィーン「心配ない歌声のする方へ歩き出せばいいんだ」
和奏「ならば私達は歌いましょう。互いのささやかな道標
として。」
紗羽「たとえ奇跡は起こせずとも、ただひと時の憩いのために。」
来夏「それぞれの想いを歌に乗せて今、」
全員「私たちはまた歩き出す。」

ここからの「radiant melody」への流れがもう言葉に
出来ないくらいです。
まひると和奏が作った曲。
それを指揮するのは高倉教頭先生。
先生の何かを取り戻した、或いは何か新しい物を得た様な
優しくて楽しそうな笑顔が心に響きました。

学校の生徒、先生、保護者、街の人々。
全てが1つになった瞬間。
それぞれの心の中に大切な繋がりが出来た瞬間でもありま
した。

新たな希望を胸にそれぞれの道へと進む5人。
やっぱり最後の曲は「潮風のハーモニー」。

「本日は娘が帰省するためお休みします」
の張り紙と共に料理をして和奏の帰りを待つお父さん。
玄関にちょこんと座り和奏の帰りを待つドラ。
最後まで心が温まります。

「ただいまぁ!」
ちょっと大人になった和奏の笑顔と共に私の心の中にも
爽やかな風が吹き抜けました。


お話の中では大人と子供の関係性(ある意味では現実と理想)
を極端に描いてる部分もあるかもしれませんが(特に理事長
や廃校の件…)、これはこれでドラマとして分かりやすくす
る為のコントラストとしての必要悪の様な感じで良かった
と思います。

そんな中でも子供の気持ちを信じて優しく見守る和奏の
お父さん。
娘が可愛いくて仕方なく将来が心配でつい厳しい言葉を
かけてしまうけど影では応援している紗羽のお父さん。
厳しくも深い言葉で彼女達の背中を押してくれるコンドル
クインズのメンバー。
最後は自分の職を掛けて生徒達の自主的な行動を守り抜い
た校長先生。
それぞれの素敵な大人の描かれ方も良かったです。

最近、監督さんや脚本家さん、アニメーターさんといった
スタッフの方々にも興味がわいてきて、まだまだにわか
な私ですけれど、それなりに特徴とか好みが少しわかる
様になってきたかもしれません。

まだアニメの専門的な言葉の理解度や知識は少ないです
けれど、作画、キャラクターデザインは私にとって作品を
視聴する上で興味深い要素の一つなんです。

TARI TARIに関しても色々書きたい事がある中で一つだけ
取り上げるとするならキャラの表情に関して。

キャラデザはお馴染みP.A.WORKS関口可奈味さん。
元Production I.Gでフリーを経て現在はP.A.WORKSで
活躍中のアニメーター、デザイナーさんです。

主な作品では「true tears」「花咲くいろは」
「TARI TARI」「SHIROBAKO」「Charlotte」の
キャラデザ、総作監を担当。
この作品群だけでも私的に凄いです。

京都アニメーションの堀口悠紀子さん(元京アニかな?)、
池田晶子さんと同じくらい私が好きなアニメーター・
デザイナーさんです。

その独特な線の特徴はどことなく硬くて今流行りの
デザインとは一線を画す、それでいて優しくて甘酸っぱく、
実在するかの様な女の子の生々しさや青春期のゴツゴツ
した複雑な感情を表現するのにぴったりな感じがします。

そんな関口さんのデザインで私が一番気になるのが
キャラクターの目と眉の間の窪み?の線と影。
(わかる方がいらしたら嬉しいです。)
他のアニメのキャラデでもたまに見かけるのですが、
関口さんのデザインはひときわ特徴があって特に悲しい
時、辛い時、憂いの時の表情を表現する時に凄く効果的な
感じがします。

true tearsでは影を多用、花いろでは線(弱め)+影(強め)
TARI TARIでは線(強め)+影(弱め)

と私は感じたのですが、同じアニメーターさんでも微妙な
デザインの変化が感じられて面白いですね。

最近視聴した「SHIROBAKO」ではかなり線が強いと思い
ます。
ついおいちゃんや絵麻ちゃん、矢野さんといったキャラの
表情にも目がいっちゃいました。
2015夏アニメの「Charlotte」でもキャラデ、総作監を
担当。
今までとはまた微妙に一味違うデザインがとても魅力的
です。

P.A.WORKSが面白おかしい作品だけではなく、青春期の
葛藤や恋愛感情を表現する作品を多く作っている関係上、
関口さんの絵が求められていくのはある意味必然なのかも
しれませんね。
これからも楽しみです。

TARI TARIを語る上では使用された楽曲も大きな要素。

まずビックリしたのが第1話での
「リフレクティア」合唱ver.

これはP.A.WORKSファンにとっては素敵なプレゼント。
言わずと知れた「true tears」のオープニングテーマ曲。
サビの部分だけだったけどもうちょっと聞きたかったか
な。
でも素敵な演出でした。

オープニングテーマ曲の「Dreamer」
TARI TARIの世界に私を誘ってくれる大好きな曲です。
沢山の元気と希望をもらえるような歌詞とメロディー。
そしてオープニングアニメーションとのシンクロ率が凄い
と思います。

特に私が好きなのが、
「♪いつも不安はすぐそばで
駈け出す思いを締め付けるけど〜♪」
のところの女性3人の表情のデザインなんです。

もうこれぞ関口可奈味ワールド全開!
あの3人の憂いの表情が私的に関口さんのキャラデの最大の
魅力の1つだと思います。

そこから明るいサビの部分への弾ける様な流れがこの
TARI TARIのストーリーを凝縮したような感じですね。

オープニングテーマ曲「Dreamer」がストーリーを凝縮
したような曲だとしたら、エンディングテーマの「潮風の
ハーモニー」は爽やかな曲に合わせてお話が進むにつれて
近づいていく5人の関係性がアニメーションと共にとても
良く表現されていると思います。
自分でもつい口ずさんでしまうくらい大好きな曲。
「新しい風が吹いて〜♪」
本当、出だしから素敵な曲です。

その他の挿入歌、BGMもお話のシーンにあった素敵な曲
ばかり。
「心の旋律」「goin' my way!!」「Amigo! Amigo!」
「Hau'oli♪」「熱闘ヒーローガンバライジャー」
「白浜坂高校校歌」「radiant melody」

作曲家・浜口史郎さんの曲は私は花咲くいろはで初めて
聞きましたけれど、色んなバリエーションに富んでいて
楽しかったり、心に染み渡る曲が多くて大好きな作曲家
さんの1人です。



「TARI TARI」〜たり〜たり
青春期において試行錯誤しながらも希望を持って前に進
み、出会った仲間と素敵な経験を分かち合うこの作品に
ピッタリの言葉。

大人になってあの頃の気持ちを忘れたわけでは無い。
大人になっても夢や希望はあります。

だけど背負い込むものが多すぎて大きすぎていつの間にか
自動安全ブレーキ搭載車になってしまっている自分が
います。
でもやっぱりこの様な作品に触れる事で

「進路クリア。オールグリーン!」

な気持ちになれる事が一番大切な事だと思います。

P.A.WORKSさんのオリジナル作品ではtrue tears、花咲く
いろはをはじめ若者の青春期の葛藤や恋愛感情をドラマ
仕立てで表現する作品が多いのでとても好きです。

そんなの実写ドラマでやればいいじゃんって思われる方も
いらっしゃるかと思いますが、どちらにもそれぞれの良さ
があります。
アニメでしか出来えない豊かな表現力で描かれる素敵な
ドラマに巡り逢える事をこれからも楽しみにしています。

いつの日も歌おう
この心のまま
悲しみも越えて行く
強い声

君がその勇気で
一歩進む時
思い出してほしい
煌めく瞳で過ごした日々を

いつの日も歌おう
この心のまま
響くよ 空の向こう
彼方まで

そしてまたどこかで
君に届いたら
思い出してほしい
煌めく瞳で過ごした日々を

輝く笑顔で過ごした日々を

「心の旋律」

素敵なハーモニーをありがとう。

長々とした感想、最後までお付き合い頂きまして有難う御座います。



【主要登場人物・出演者】

坂井 和奏 - (CV:高垣彩陽)
宮本 来夏 - (CV:瀬戸麻沙美)
沖田 紗羽 - (CV:早見沙織)
田中 大智 - (CV:島﨑信長)
ウィーン / 前田 敦博 - (CV:花江夏樹)
広畑 七恵 - (CV:赤﨑千夏)
上野 みどり - (CV:種田梨沙)
宮本 誠 - (CV:松岡禎丞)
教頭 / 高倉 直子 - (CV:田中敦子)
校長 / 池崎 頼 - (CV:宝亀克寿)
教師/高橋 智子 - (CV:木村亜希子)
坂井 圭介 - (CV:浜田賢二)
坂井 まひる - (CV:大原さやか)
沖田 正一 - (CV:木下浩之)
沖田 志保 - (CV:能登麻美子)
田中 晴香 - (CV:川澄綾子)
ヤン - (CV:小松未可子)


【主題歌】

オープニングテーマ
「Dreamer」
作詞・歌 - AiRI / 作曲・編曲 - 宮崎京一

エンディングテーマ
「潮風のハーモニー」
作詞 - micco / 作曲 - 杉森舞 / 編曲 - 渡辺和紀
歌(第1話) - 白浜坂高校合唱部[宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)]

歌(第3話 - 第5話) - 白浜坂高校合唱部[宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)&田中大智(島﨑信長)&ウィーン(花江夏樹)]

歌(第7話 - 第12話) - 白浜坂高校合唱部

「心の旋律 」(第2話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)

「心の旋律 」(第6話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校合唱部

「潮風のハーモニー 」(第13話)
作詞 - micco / 作曲 - 杉森舞 / 編曲 - 菊池達也 /
歌 - 白浜坂高校合唱部

【挿入歌】

「白浜坂高校校歌」(第1話、第13話)
作詞 - 橋本昌和 / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 田中大智(島﨑信長)、白浜坂高校生徒一同

「リフレクティア(合唱版)」(第1話)
作詞 - riya / 作曲 - 菊地創 / 編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校声楽部

「goin' my way!!」(第1話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 宮本来夏(瀬戸麻沙美)

「goin' my way!!(合唱版)」(第2話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校声楽部

「Amigo! Amigo!」(第2話、第4話)
作詞 - ヒカルド・クルーズ / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - コンドルクインズ(ヒカルド・クルーズと仲間たち)

「心の旋律」(第2話、第13話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校合唱部

「白浜坂高校校歌(ラテンver.)」(第3話)
作詞 - 橋本昌和 / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 宮本来夏(瀬戸麻沙美)&沖田紗羽(早見沙織)&
田中大智(島﨑信長)

「Hau'oli♪」(第4話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 白浜坂高校合唱部[宮本来夏(瀬戸麻沙美)&
沖田紗羽(早見沙織)&田中大智(島﨑信長)&
ウィーン(花江夏樹)]

「熱闘ヒーローガンバライジャー」(第9話、第10話)
歌詞 - 原田謙太 / 作曲・編曲 - 浜口史郎 /
歌 - 西之端ヒーローショウテンジャー

「radiant melody」(第12話、第13話)
作詞 - riya / 作曲・編曲 - 浜口史郎 / 歌 -
白浜坂高校合唱部&声楽部
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 94
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

誘われたり、喧嘩したり、怒ったり、笑ったり、戦ったり、負けたり、可笑しな事を言ったり、いい仲間にあったり。

凄くテンポがいい作品ですね。
物語に無駄がなく凄く沢山の大切が詰まったような作品であり毎年夏になると見たくたる作品てす。
今年の夏も見たくなりBlu-rayを出してきて見直してみました。

来夏は去年のコンクールのミスで教頭であり声楽部の顧問から部活で歌わせて貰えませんでした……高3であり歌が大好きな小夏は最後のコンクールに出たくて顧問に訴えるもやはり歌わせて貰えなくて……部活を辞めて合唱部を立ち上げようとするのだが……

確かにコンクールでミスをしたのは致命的です。
ですが、音楽科の生徒の進路が掛かってるのも解るけど1年以上そのミスを理由に歌わせないのは酷いです。
次のコンクールもミスするかもしれないなんて可能性の話しで歌わせないのは絶対に違うし、そんな横暴は許されませんよね。


そこで、来夏は合唱部を設立してますが部員を5人集める条件で、その1人を音楽経験のある和奏を誘うも彼女には否定されてしまう。

{netabare} でも、来夏は「何もしなくて後悔して諦めたくない」と言います。
そうですよね。
何かをしないで後悔するなら何かをして後悔する方が絶対に良いし、そしてなにより何もしなければ道は開けない。
それが、自分が好きな事だったり、やりたい事なら尚のことです。{/netabare}

和奏は来夏の親友の紗羽の説得で合唱部に名前だけを貸すと約束して居たのですが、何だかんだで振り回される和奏www
この子は凄く面倒見がよくて優しい子だなぁ〜と感じます。

コンクールの日に彼女達に様々なトラブルが降りかかります。

{netabare} 諦めそうになる小夏に紗羽が喝を入れます。
諦めそうなときに喝を入れてくれる人が傍に居ると言うのは有難い事です。

きっと、紗羽が居なければ、小夏のコンクールは苦い思い出しかなくなって居ました。
誰かが居てくれたから後悔しない道を選べる事ってありますよね。 {/netabare}

こうして、コンクールを何とか乗り換えた彼女達でしたが……

{netabare} コンクールが終わり「母さんにエロ本の隠し場所を教える」と脅迫されて居た来夏の弟がエロ本を処分して部を辞めると言い出したのです。
その後も何だかんだで、部員が減り3人にまで減ってしまう合唱部……

そこで廃部になりそうな合唱部と同じ境遇のバドミントン部……
バドミントン部は部員は田中が1人で頑張って居ましたが後に帰国子女のウィーンと2人でバドミントン部を続けようとするも2人……

合唱部3人とバドミントン部2人
両方部員が足りない……そこでおこなわれたのが吸収合併を兼ねた合唱部VSバドミントン部のバドミントン対決で3対2で、しかも合唱部3人の同時サーブに羽×3つと言うルール無用のバドミントン対決が始まりますww
結果、合唱部時々バドミントン部が発足されます。{/netabare}

商店街のイベントで歌う場所をコンドルクイーンズと言うバンドに譲ってしまう来夏……それに納得できない表情の紗羽
紗羽は来夏が本気だと思うから合唱部に入って力を貸してくれていたのに……

{netabare} とでも、来夏は自分からプロには勝てない、プロの演奏を見たいから部活を休む。
そんな彼女を見て信じていた紗羽が見たらどう思うでしょうか?
紗羽の気持ちって凄く解る。
相手がプロだとか上手いとか凄いって理由で手は抜きたくない。

格上に勝てるなんて自信満々に思ってるわけじゃない……でも決して勝てないとは思いたくない!
格上の人達と何かを競う時は私はそんな感じに考えてるたりします(*/∇\*)キャ
だから、紗羽の言いたい事って凄く解る。{/netabare}


さて、田中はバドミントンに真剣に向き合う男子です。

{netabare} 1人で部活も頑張って来たし本当にバドミントンに熱意を持っていて大会もベスト8……ベスト8って凄いよね。
でも、ベスト8って多分だけど本人からみたら凄く悔しいって思う。

だって、本人は優勝目指してる訳じゃん?
それでも8位……周りから凄い結果でもかなり悔しいと思う。
でも、紗羽と話して元気が出たみたいで良かった(*^^*)
で、彼は紗羽を好きになるから告白するのですが {/netabare}



さて、和奏は昔は音楽科の生徒でしたが、彼女は音楽から離れて居ました。
その理由が、和奏の母の死……死因は病気
彼女の母は音楽が好きで……

{netabare} 病気のお母さんは和奏に心配掛けたくなくて、一緒に曲を作ったり、歌ったりしたいって思ってたけど、和奏はお母さんが心配だったり受験が心配で、そんな母に当たってしまう……
そうして、残ったのが後悔……が「一緒に曲を作って居れば元気になったのかな」

和奏は母との思い出のピアノを処分する事を父に話す。
ピアノと一緒に母が作ってくれたクジラ……金魚……間を取ってイルカのストラップと一緒に……

学校から帰るとピアノもストラップもなくて……処分を頼んだのは和奏だったけど、やっぱり寂しそうに。
嵐の夜、和奏は受験の日を思い出す。

母が雨具を用意してない事を怒鳴りつける和奏……きっとこの日は多分、凄くお母さんは体調が凄く悪くて……
だから、準備出来なかったんだと思う。
私も経験あります。
今、思い返せば、しょうもない事で酷い事言ったって思うし自分の事くらい自分でしろよって思うけど、当時はそんな風には考えなかっし和奏と似た反応でした。

雨の中、受験の為のに和奏が忘れたお守りを持って着てくれた、お母さんに「こんなのいいのに!濡れるから早く帰って!」と辛く当たってしまう。

これは、体調を心配した和奏の優しさが強い言葉で出てしまった言葉です。
でも、そんなやり取りが最後になってしまった……
最後がこんなやり取りだからこそ後悔が残る。

母が倒れたと聞き駆けつけた病院のベッド。
横になった母は、揺すっても話しかけても目を開けてくれないし、言葉は返って来なくて、手を握ってもくれなければ、歌ってもくれない。

だから、2度言えない、伝えられない言葉「いってきます」「ごめんなさい」「ありがとう」2度と出来ない事「一緒にもぅ歌えない」…………彼女の心に残した後悔……{/netabare}

実は和奏は母が病気をしてる事を知らされてませんでした。

{netabare} 娘には病気の事を明かさなかった……
だから、結果としては後悔をする事になった。
知っていれば沢山話しが出来たのに、曲を作ったのに、一緒に歌ったのに、優しく出来たのに……

でも、数年前の今、和奏は父からその事実を知らされて母の愛情に気が付いた。

母の「いつか自分が居なくなっても、大事な宝物(娘)だから絶対に1人にしない!」
カッコイイ決意だと思います。

「一緒に和奏の歌を作る」お母さんとの約束……母は多分、知っていたのだと思います。
自分が、そう長くない事を……

彼女は和奏が身体に気をつけてねと言うと「和奏が一緒に曲を作ってくれたら元気になる」と言ってました。
和奏にはそれが母が悪ふざけを言ってる様にしか聞こえなくてキツい言葉になったけど……
お母さんは、きっと、残してあげたかった。

病気で自分が居なくなる事を話して曲を作ると
悲しい曲に……思い出になる。
娘と作りたかった曲は母としての優しさや強さや愛情を奏でる様な曲でありたい。

その曲を聞いて和奏が辛い時や悲しい時に元気になれる曲、新たな事にチャレンジする時に勇気を出せる曲、寂しいときにお母さんはここに居るよって解る曲じゃなきゃいけない。

お母さんが居なくなるから作る曲は悲しみが強くなる……母が居なくなって母を思い出して涙する曲にしてはいけないのです。

曲として娘にずっと、寄り添えるそんな曲を一緒に作りたかった。
だから、完成するまでは言えなかった。
いゃ、完成したとしても……

実は、私の友達も病気で亡くなりました。
その人は家族にも周りの友達にも、病気の事を話してなくて……私にも……数年前に健康診断に引っ掛かったって聞いてたけど、それからは元気そうだし大丈夫だって言うから私も安心してて……その後に友達のお兄さんから友達のアカウントから私にメッセがきて知りました。

私も和奏の様に何で病気の話しをしてくれないのかとか考えたけど、やっぱり解らなくて……
でも、和奏の母の「私は和奏に優しくして欲しいわけじゃないの」ってセリフを聞いた時に、病気になった人って凄く不安だと思う。
それでも、和奏のお母さんは、やっぱり娘が大切で娘の事を1番に考えてくれる。

病気だからって気を使われて優しくされても、やっぱり心配させちゃうし不安にさせちゃう……大切な娘にそんな顔させたくないよね。
お母さんだもん……自分の事で悩ませたくないよね。
そんな顔をさせて娘の傍にいるより、普通の親子として最期まで母として在ろうとしたのかな?と思いました。
本当に母として人として強い人だと思うし。
和奏が居るから強く有れた人だと思います。


でも、和奏が母の優しさに気がついた時には、母との約束も思い出のピアノも母の残したストラップも母との思い出の音楽も全て捨ててしまった。

だから、凄く後悔してしまう。
でも、お父さんが全て取って置いてくれた。
ピアノもストラップもそして……半分母が作った楽譜…残り半分を和奏が作る。
そうして、いつの日か2人の曲は完成する{/netabare}


この作品の5と6話が和奏のエピソードなのですが、親子の関係性をリアルに捉えていると思います。
和奏目線に立つと子供の気持ちに寄り添えるし、母目線に立つと母の気持ちに寄り添える。
凄く感情移入しやすくよく出来てると思います。
この辺りは何回見ても涙ががボロボロ出て来ます。



紗羽には夢がある騎手になるそれが彼女の夢だけど、両親に反対されてしまう。
彼女の夢は遊びだと…………

{netabare} 私は思います。
夢は遊びで語れないと……
本気じゃないと、あそこまでは出来ません。
親としては心配なのも解るけど、誰であろうと遊びだなんて言葉で夢を否定していい訳がないのです。

彼女は夢を叶えたくて騎馬の専門学校に応援したけど、細かな規定があり体重や身長制限は自分でもどうしようもなくなって……
それでも諦めて、無理なダイエットをしたり沢山無理をしてしまい最終的に流鏑馬の大会で怪我をしてしまう。
体重や身長制限が自分でもどうしようもなくなって

それでも素敵だと思ったのが、あれだけ遊びだと反対してた父親が、騎馬の学校に掛け合い説得するエピソードです。 {/netabare}

正直、ここまでしないと本気って伝わらないのかとは思うけど、やっと本気の夢だと気付いて応援してくれるのは、やっぱり嬉しいと思う(*^^*)


ウィーンはHEROが大好きな男の子

{netabare} HERO回は中々にギャグぽい?感じ?に仕上がっていましたね。
ただ、このHEROのバイトのエピソードでは合唱部が上手く纏まるのを感じました。
教頭先生にバイトの件でイチャモンつけられた後のやり取りも良かったです。
後、ひったくり犯捕まえるのもカッコよかったですね٩(ˊᗜˋ°ᵖⁱ)وヤホッ♪
しかも、ちゃんと音楽要素も入れてましたし(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) {/netabare}

さて、学園の文化祭である白祭が中止に……
その理由として……廃校のお知らせ(*꒪꒫꒪)
彼女達は白祭の為に準備してきたけど……

{netabare} それでも、そんな中、和奏が歌を作りあげる!
そうして、お母さんと作った曲を皆で歌いたいと言う。
学校が無くなるからって歌ってはいけないなんて決まりも法律もないのです!
だから、「やろうよ!白祭!」和奏の一言で諦めかけていた 皆の心に火がついた{/netabare}

卒業してバラバラになっても、この曲を皆で歌う事で思い出す。

{netabare} 歌う事て思い出す……彼の青春、
誘われたり、喧嘩したり、怒ったり、笑ったり、戦ったり、負けたり、可笑しな事を言ったり、いい仲間にあったり。した事を……

TARI TARI のたりは〜したりのたりですよね。
和奏達の紡いだ言葉をレビューのタイトルにしてみました(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

だから、小夏は訴える。
クラブ会議で、文化祭をしようって。
でも、そんな中、合唱部時々バドミントン部にトラブルが発生する!
回収業者に小道具を回収して破壊されてしまう……そんな中バラバラになりそうな仲間を繋げたのはウィーンだった。
小道具はウィーンが作ったからウィーンに言われたらねw

文化祭をやると言っても簡単ではありません。
それでも、5人しか居なかった白祭をしようとする5人を見て時には説得してお願いをして、少しづつ友達が大人達が先生達が力を貸しくれるようになってきます。

廃校は覆せない……
アニメで廃校を覆せたのはスクールアイドルくらいしかパッと思い出せないww

それでも、文化祭くらいの少しの時間くらいくれたっていいと思う。
理事長は工事が遅れるとか馬鹿な事をいい文化祭を阻止してこようとする……
お客さんが入れない様に、生徒が入れない様に学校の立ち入りを封鎖されてしまう。

この理事長は本当にクズです。
生徒の将来を脅してくるし。
コイツは理事長でしょう?学校の代表でしょう?
廃校するとは言え今は学校の理事長でしょう?
生徒の事を1番に考えるべきじゃないの?って思う。
お金の事しか頭にない人です。

でも、校長先生は凄く良かったです。
校長先生はクビが掛かってても生徒の為に立ち上がってくれた。
結構、カッコ悪かったけど先生としてはカッコよかったです。

教頭先生は校長先生を見て冷たかったけどw
合唱部時々バドミントン部の指揮者をしてくれて、声楽部が全面サポートしてくれる事になります。 {/netabare}

声楽部とは色々とありましたが最後には協力関係として一緒に1つの舞台を作りあげる。

{netabare} 紗羽は騎手になる為に留学する事を選ぶ。
留学して夢を叶える為に……諦めない道を選ぶ為に……
私は、紗羽が留学する事を決意した時に迷いなく、小夏と和奏は背中を押す。

これって凄いなぁ〜って私なら多分、寂しいなぁ〜とか弱音吐いちゃうけど、迷いなく背中押せるのはホントに凄いなぁ〜ってw {/netabare}

そうして、彼女達は自分達の道を歩き出す。

田中の告白編

{netabare} これ当時はフラれた、フラれてないで意見が割れてました。
当時の私はフラれたのだと思ってましたが多分保留にされてる?気がします。
告白された時の紗羽の表示は少し困り顔の様な感じがしました。
でも、少し表情が柔らかくなって、飛行機で旅立った後に皆が、離れて田中が1人見送りながら涙を拭うシーンがありしましたが、多分「今は目の前の夢を叶える事しか考えられないから」とかで保留にされて……卒業式で、小夏が田中を茶化してたかは多分、保留されてるんだから伝えて好感度上げておきなのサインかな?ってw{/netabare}

いつ見ても楽しむる素敵な作品ですね(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 26
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

仲間と奏でる、歌と夢のハーモニー

2012年、個人的最優秀作品。実は以前書いてたあのレビューは、私のあにこれデビュー作でした。あれから 2年半の月日が流れ、この作品に対する私の想いもより強いものとなりました。いつも以上の長文で恐縮ですが、「 TARI TARI は素晴らしい!」という想いを込めて精一杯書いたので、最後まで読んでいただけたらと願います。


◆この作品で伝えたかったこと◆

この作品で描きたかったことは、「歌のもつ魅力」と「夢を追いかける高校生たちの青春」だと思います。

主人公の少女は、ある約束を守れなかったことから大切なものであるはずの音楽を辞めてしまおうとします。

しかし、高校3年生の夏、彼女も含めて5人の素敵な仲間に出会います。

今を懸命に楽しく生きる少女。夢をあきらめまいとまっすぐに頑張る少女。恥ずかしがりながらも夢に向かって歩む少年。正義にあこがれ自分のやりたいことを探す少年。

そんな5人の高校生たちが、歌を通して出会い、心を重ねて仲間となって、時にはすれ違い支え合いながら、それぞれの、そして5人の困難を乗り越えて行く。その過程の中でそれぞれが、それぞれの夢を抱き、江ノ島の街に夢と希望を届けていく。

そんな江ノ島を舞台に奏でられる夢と希望の音楽と、歌で出会ったあたたかい仲間との青春物語。

5人の歌が私たちにくれたのは、かけがえのない思い出と感動だったのかもしれません。



◆大好きなキャラ紹介~高校生編~◆

TARI TARI はたくさんの魅力が詰まった作品ですが、その一つに「高校生らしさ」があると思います。迷いつまずきながらも、夢に向かって走り続ける。そんな高校生らしい魅力を紹介したいと思います。


☆坂井和奏(高垣彩陽さん)・・・本作の主人公。過去に対する後悔から音楽を辞めようとしますが、それは誰よりも真面目な人だから。ちょっとツンデレな所がかわいい。

♪好きなセリフ {netabare}「やろうよ!白祭」

第11話。いよいよ和奏が主人公らしくなる時です。合唱部の仲間と父がいたから、過去に対する後悔を乗り越えて未来に向かって歩み出す勇気がもてた。だから、今度は私がみんなを引っ張っていく。そんな和奏の成長を感じられる素敵なシーンでした。{/netabare}


☆宮本来夏(瀬戸麻沙美さん)・・・本作もう一人の主人公。歌えない。けど、歌いたい。そんな想いを叶えるために一生懸命伸びやかに頑張る所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「でも私ね、今は約束叶わなくってよかったって思ってる。叶ったら終わっちゃうでしょ。約束があったから、いつもおじいちゃんのことを思い出すの。」

第6話。これ、来夏のセリフですが、私の中では 今作品一の名言です。約束は果たせなかったからこそ、思い出として残り続ける。それはまるで、胸に刺さった細くて長い針のよう。そんな悲しくてやさしい痛みは、決して忘れることはないのです。{/netabare}


☆沖田紗羽(早見沙織さん)・・・本作のヒロインにして、俺の嫁(四代目)。仲間と馬のことが大好きで、自分の夢をあきらめないまっすぐな所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「好きなだけじゃダメなんですか?そんな半端な気持ちじゃありません!」

第7話。紗羽らしさが伝わってくるいいシーンです。大好きなものを、夢を追いかけたい。でも、実際はうまくいかないこともある。そんな現実に、まっすぐに立ち向かおうとする紗羽の表情がとても魅力的でした。来夏の勘違いもいい味出してます。{/netabare}


☆田中大智(島崎信長さん)・・・本作のメインキャラの一人(モブではないよ)。バドミントンが大好きで、将来の夢はプロ選手。照れ屋で女子にいじられてしまう所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「沖田。~以下不明~」

第13話。何度もリピート再生を繰り替えして口の動きを読み取ろうとしましたが、結局わかりませんでした。ささやかだけどいっしょに過ごした時間の中で、心が触れ合い惹かれ合う。そんな恋愛、私は嫌いじゃないですよ。いや、むしろ大好物です。{/netabare}


☆ウィーン(花江夏樹さん)・・・本作のメインキャラの一人(僕もモブじゃないよ)。ウィーンからやって来た日本人です。明るい性格で、少しずれている所がかわいい。

♪好きなセリフ{netabare} 「ヒーローは、挫けない。なぜなら、地球を回しているのは俺たちだから。」

第10話。ウィーンたちが引ったくり犯を捕まえるシーンです。正義のヒーローに対する憧れを胸に、自分たちも商店街のヒーローとして奮闘します。そんなウィーンの情熱と一生懸命さが私は好きです。まあ現実に、戦隊ものが好きな男子高校生がいるかは謎ですが。{/netabare}



◆大好きなキャラ紹介~大人編~◆

この作品のもう一つの魅力は、「大人が大人として魅力的」であることだと思います。これもP.A.WORKS のお家芸なのですが(SHIROBAKO や花いろなど)、この作品では「親のもつ愛情」と「音楽を愛する人」という視点で描かれていると思います。

☆和奏の父(坂井圭介)・・・和奏と妻であるまひるのことを理解し、あたたかく見守るお父さん。私は将来、こんな父親になりたいです。
☆和奏の母(坂井まひる)・・・愛する我が子に、大好きな歌を大好きになってほしい。そんな純粋な想いがまぶしくて、愛おしいです。
☆紗羽の父(沖田正一)・・・紗羽のことを大切に思うが故に、無謀な夢に反対する娘想いのお父さん。愛情の深さが伝わってきます。
☆紗羽の母(沖田志保)・・・紗羽や和奏たちのことを理解し、やさしくフォローしてくれるお母さん。時には、厳しく接することもあります。

♪教頭(高倉直子)・・・真面目な性格で、音楽が大好きだからこそ厳しい指導をする教頭先生。後半の変化はキャラ崩壊ではなく、悲しみの痛みを知る音楽家だからこそです。
♪校長(池崎頼)・・・音楽をこよなく愛するちょっと頼りない校長先生。「何が教育だ。人の弱さも、その弱さを癒す歌の素晴らしさも知らないくせに。」は名言です。

ちなみに、{netabare}理事長だけ極端に人間的弱さが描かれていないのは、「音楽の魅力を理解しない人」であることを強調するためだと思われます。{/netabare}



◆忘れられない思い出◆

この作品は私にとって、とても大切な作品です。

{netabare}この作品が放送されていた頃、私は私の人生に対して後悔をしていました。だから、和奏には強く共感しましたし、とてもまぶしく見えました。

和奏はいっしょに歌をつくるという約束をお母さんとしていましたが、叶わぬまま会えなくなってしまいました。そして、そのことに対する後悔はずっと和奏を苦しめます。

でも仲間と出会い、お父さんの支えによって立ち上がり、お母さんとの約束の歌をつくり始めるのです。

そんな和奏の姿に、私は勇気をもらいました。私もきっと後悔から立ち直り、前に向かって歩み出せる日が来ると。{/netabare}

TARI TARIは私が初めて自力で見つけた、心から出会えてよかったと思える作品です。忘れることのない思い出とともに、これからもずっときっと愛し続けていくでしょう。



◆それでも TARI TARIは素晴らしい◆

この作品は本当に素晴らしい作品だと思いますが、二つほど弱点があります。しかし、この弱点も見方を変えれば素敵な魅力になると思うで、必死に弁明させていただきます。

弱点その1、爪の甘いストーリー。

この作品を冷静な目で見てみると、ストーリー展開で少し無理があったりツッコミたくなるような箇所がたしかにあります。

でも、私はそれでいいと思っています。この作品は、技術的には未熟かもしれないけど、高校生たちが懸命に心を重ね合唱することによって素敵なハーモニーを生み、まわりの人たちの心も動かす、といった感じで描かれています。

だから、ストーリーも荒削りでいいんです。一生懸命伝えようとする想いが、少しでも伝われば。もしストーリーが完璧だったら、彼女たちがもつ高校生らしさは薄れてしまったかもしれません。

弱点その2、モブ扱いの田中とウィーン。

メインキャラは5人のはずなのに、男子二人の扱いがまるでモブキャラのように、雑に感じられる所もたしかにあります。

でもこれ、もしかしたら「あえて」かもしれません。

TARI TARIの魅力の一つに、「ユーモアさ」といいますか、クスッと笑わせるような上品な笑いが挙げられます。だから、あの二人の扱いも、そのユーモアな表現から来ているのではないでしょうか。

また、これは私の完全な妄想ですが、この作品は「女性優位」的な視点で描かれていると思います。決して女尊男卑というわけではなく、合唱のもつ特性よりこうなっているのかなと。

みなさんも中学生の時などに合唱された経験があるかと思いますが、なぜだか男子の方が声が出ない。しかも、指揮者や伴奏者はだいたい女子がやりますから、余計に男子は立場がない。(あくまで私の主観です)

そんな視点をストーリーの中に取り入れて、ユーモアあふれる作品に仕上げているのだと私は解釈しています。

このように「合唱」という文脈から好意的に捉えれば、弱点も魅力に変わります。

ああ、TARI TARIはなんて素晴らしい作品なんでしょう。



◆まとめ◆

それでも実はユーフォちゃんが完結した頃、ちょっとだけTARI TARIのことを心配してました。「あれ?すごい音楽作品が出てきたぞ。TARI TARIは大丈夫かな?」って。

でも、これはただの杞憂でした。TARI TARIにはちゃんと、TARI TARIだけの魅力がありました。

素敵な音楽ときれいな絵、かわいい高校生と魅力的な大人たち、そしてあたたかさとユーモアあふれる爽やかな青春。私が心から愛する、大切な「七神」の一つです。

仲間と奏でる、歌と夢のハーモニー。

そんなやさしくて清々しい高校生たちの青春を、夏の終わりに味わってみてはいかがでしょうか。


いつも以上の長文でしたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。



◇余談 1 ◇

『TARI TARI関連 CD の紹介』

{netabare}♪サウンドトラック
「TARI TARI ミュージックアルバム 〜歌ったり、奏でたり〜」

TARI TARIは音楽系作品ということもあって、そのBGMも素晴らしいです。ユーフォちゃんと僅差で、No.1だと思います。Disc1がサウンドトラックで、本当に素敵な音が詰まっています。Disc2には「心の旋律」や「潮風のハーモニー」などの素敵な合唱曲が収録されています。


♪キャラソンCD
「TARI TARI キャラソンミニアルバム 空盤 〜見上げたり、はばたいたり〜」
「TARI TARI キャラソンミニアルバム 海盤 〜潜ったり、たゆたったり〜」

私はOP&EDや劇中歌以外のアニソンは、正直あまり聞きません。つまり、キャラソンはあんまり好きではないのです。でも、この作品のそれはまったく違います。各キャラの性格や想いがうまく表現されている名曲ばかりです。自信をもってオススメします。


♪ドラマCD
「TARI TARI ドラマCD 旅立ちの歌」
~収録内容~
1.音楽劇 美女たちと蛙 〜Beauties and the frogs〜
2.第13話 冬だったり 立ち止まったり
3.第13話 歩き出したり 春だったり
4.合唱曲 旅立ちの歌

これこそが、TARI TARIの本当の最終回です。TARI TARIが好きな方は、必ず聞かなければなりませんよ。収録内容が上記のように、第13話の音楽劇の全容と、第13話を補完するストーリーとなっています。和奏たち5人の未来が語られているので、ぜひお聞きください。また、最後の「旅立ちの歌」も至高の合唱曲です。声優さんたちの気合いにも素晴らしいものがあり、涙なしでは聞けません。感動です。ぜひぜひ、ご試聴ください。{/netabare}


◇余談 2 ◇

『人はなぜ、歌を歌うのか?』

※完全におまけです。でもここに、この作品の本質があると思うので、最後までお付き合いいただけたらと思います。

{netabare}
人はなぜ、歌を歌うのか。それは、「人生をより豊かにするため」だと思います。

まず、人はいつ歌のでしょうか。

それは、嬉しい時、悲しい時、つらいことがあった時。そして、幸せな気持ちであふれている時。

自分の高まった感情を表現するために歌う。自分の気持ちを誰かに届けるために歌う。今の自分の想いを未来へとつむいでいくために歌う。そんな風に、私は思っています。

また、人は誰のために歌を歌うのでしょうか。

それは、自分のため、ともに同じ時間を過ごしてきた仲間のため、愛する人に大切な気持ちを伝えるため。そして、世界がやさしい気持ちであふれるように、私たちは歌うのだと思います。

そんな歌は、私たちにたくさんのものを与えてくれます。思い出や感動、ひと時の憩いの時間。

それらはきっとかけがえのないもので、人と人とをつないでくれる。そんな心の重なり合いは、大切な仲間を与えてくれる。そして、仲間とつくった大切な歌と音楽が、次の未来へと歩み出す勇気となって、夢へと変わる。私はそう、信じています。

歌の持つ一番の魅力、それは「いつでもすぐそばにある」ということ。

歌は他の音楽とは違って楽器を必要とせず、自分の身体一つでさまざまな音を奏でることができます。そして、そこに人が集まれば、より豊かな音楽となって輝きます。

歌はいつも私たちのそばにいて、うれしい時には幸せを、悲しい時には安らぎを与えてくれる。また、誰かといっしょに歌を歌えば、音と音が重なり合い、心と心が通じ合い、そこから愛や希望、そして夢が生まれてくる。それらはきっと、明日に向かう力となる。

和奏たちも歌で出会い、仲間となって、ぶつかり励まし合いながら、ともに困難を乗り越えてきた。そんなかけがえのない時間は、それぞれに夢を与え、未来へ踏み出す勇気となった。

そして、歌は一人ではつくれない。仲間がいて、色んな想いがぶつかり合って始めて、心動かす音楽が生まれるのです。

人はなぜ、歌を歌うのか。それは、より幸せな毎日を生きるため。

みなさんの日々の生活が、歌を、そして TARI TARI という作品を通して、より豊かなものなることを願いつつ、終わりの言葉としたいと思います。

最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。


{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 74

83.0 3 商店街で日常系なアニメランキング3位
たまこラブストーリー(アニメ映画)

2014年4月26日
★★★★★ 4.1 (1247)
6625人が棚に入れました
少女は、知らなかった。

将来、当たり前のように家業をついて、ずっとこの場所で
このままでいられるんじゃないかって、無意識のうちに感じていた。
そうであればいいと、願っていた。

けれど、幼なじみも友達も、少しずつ変わって行く。
少しずつ大人になっていく。
家族がいて、商店街の人たちがいて、変わらないものと変わっていくもの。

高校3年生の春。
そんなことを思い始めた少女は恋をする。

北白川たまこは、知らなかった。
それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。

そして少女は、一歩を踏み出す。

たまこ、むけました。

声優・キャラクター
洲崎綾、田丸篤志、金子有希、長妻樹里、山下百合恵、日高里菜、藤原啓治、日笠陽子、西村知道、立木文彦、ゆきのさつき、小野大輔、辻谷耕史、津久井教生、岩男潤子、渡辺久美子、家中宏、成田剣、川原慶久、山下大輝、野坂尚也
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

想いを伝える細い糸…

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企画・原作・アニメーション制作 - 京都アニメーション
監督 - 山田尚子
脚本 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
絵コンテ - 山田尚子
演出 - 山田尚子、小川太一、河浪栄作、山村卓也
作画監督 - 堀口悠紀子、丸木宣明、引山佳代
美術監督 - 田峰育子
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
設定 - 秋竹斉一
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 片岡知子、マニュアル・オブ・エラーズ
音楽プロデューサー - 中村伸一、山口優
編集 - 重村建吾
製作 - うさぎ山商店街
公開 - 2014年4月26日
上映時間 - 83分

(以上Wikipediaより引用)

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〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

もうタイトルから想像するだけで、心がキュンとなる
くらいの響きです。

前作「たまこまーけっと」をご存知の方ならあの純真無垢
なたまちゃんにラブがついちゃう。
なんだか嬉しいような寂しいような…
相手は誰?
と思いつつも思い浮かぶのは1人だけ…

1人の少女が恋する事への驚きと葛藤、そして喜びを
感じながら、1人の女性へと成長していく一歩手前の
過程を描いた、とても優しい愛おしさと切なさが感じ
られる作品でした。
そして思春期ならではの性への関心や友情が繊細な心情描写と
ともに優しいタッチで描かれています。

掛け値なしの純愛物語。
京都アニメーションが贈る83分間。
青春の輝きをどうぞ感じて下さい。


【mio's café】
視聴済みの方限定ですよぉ♪
美味しいお餅ありますΩ~ 

{netabare}
作品冒頭から登場する1つの林檎。

もち蔵が何気にコロコロしてて、最後にカウンターから
ぽろりと落ちる林檎。

何だか意味深な物語の始まり方でしたね。

今回は、お喋りなMr.鳥さん「デラちゃん」の登場は
ほとんど無く(最後の方でワンカットだけ、
あっ!デラちゃん!って思ったら消えちゃった…)、
たまこともち蔵を中心にお話が進みます。

そしてたまこともち蔵の恋のお話に絡めて、周りの人々も
成長していくお話しでもあったと思います。

物語序盤の方から、かんなちゃんの登場も多くて
相変わらずのシュールさに、ここは私的に嬉しい演出
でした。
いつの間にかバトン部員に「部長」って呼ばれているし…
実際部長では無いんですが、凄いですね、あの説得力。

「お餅だけを丸めて青春を終える気ですか、
たまちゃん‼」

「お餅は一生丸められますが、我々バトン部の青春は
今だけなんですよーー!たまちゃん‼」

やっぱりかんなちゃん、謎のカリスマ性あります。

みどりちゃんはいつも通り、たまこが大切な存在。
少しだけもち蔵に意地悪な事を言ったりするけれど、
私的には大事なたまこにもち蔵がどれだ本気でたまこの
事を好きなのか、あるいは自分から見て相応しい存在
なのか、彼女なりに試しているようにも見えました。
ただ、邪魔するだけでは無くて。

私はかんなちゃんとみどりちゃん、この2人の存在が
たまこラブストーリーでの大きなキーマンの1つ
だったとも思います。
そして物語の終盤ではこの2人にも大きな変化と絆が
生まれます。

そんなこんなで、お話しは進みますがやっぱり私的にも
最大の関心事は、

「もち蔵、いつ告るん?」

ていう事でした。興味津々。
でも、ドキドキ…

中々踏ん切りのつかないもち蔵。
うなされる様な毎日。寝ても覚めても

たまこ…たまこ…たまこ…

流石にたまこまーけっとよりも好きのグレードが
ワンランクアップしてますね。

わかるよ!もち蔵の気持ち。ましてや幼馴染み。
いつもの生活の中にたまこが普通にいるんだもん。
どうしたらいいのか分からなくなるよね。

そんなもち蔵にみどりちゃんがちょいアシスト。
ここもちょっと、みどりちゃん的にはもち蔵を
試している感じみたいだったけど、結果的にもち蔵に
告白するきっかけを与えた形になりました。

夕暮れの河原にたたずむたまこともち蔵。

作画的にもとても素敵なシーンです。
黄昏時の空にキラキラ輝く水面。
背景の美しさはもちろんですけど、やっぱり
堀口悠紀子さんデザインの横顔は大好きです。

幼い頃2人でよく遊んだ飛び石の上でたまこが
おもちを大好きな理由を語ります。

「あのさ、おもちってさ、ちっこいのに色んな人を
幸せに するんだよね。」

「柔らかくてさ、白くって、優しくって、
いい匂いがしてさぁ、あったかいんだもんなぁ。」

たまこにとっておもちはお母さんのイメージだったん
です。だから大好きで大好きでたまらないんです。
商店街と同じでかけがえの無いものなんですね。

川に落ちそうになるたまこの手首を握りしめるもち蔵。
たまこに東京の大学に行くと告げます。
たまこの潤んだ瞳の横顔、凄いです、いいですね。

そして、

「俺、たまこが好きだ!
めちゃくちゃ好きだ!だから…」

言っちゃた…

もち蔵には早く告白して欲しかったけれど、
実際、この一線を越えた言葉を聞いたら私まで
何かが壊れた、何か大きな物を失った様な気が
しちゃいました。

「ドーン!」って感じ?

「かたじけねぇ…かたじけねぇ…」

たまこのこのセリフ。私までビックリです。
そこまで、動揺するとは思ってなかったので…

でもいつもたまこの生活の中にいたもち蔵。
普通に家族の様に思っていたもち蔵。
そんなもち蔵からの「好きだ。」の言葉。
しかも、「めちゃくちゃ好きだ。」なんだもん。
たまこには今までの世界が見えなくなるのも
当然だったかもしれません。

「あっし、先に失礼するでござんす。」

これは重症ですね。

それからというものは、たまこまでもち蔵を意識して
しまう毎日。
お家のお手伝いも、バトンの練習もままならない毎日。

ここで、このお話のキーワードの1つは「キャッチ」
って言葉なんだなぁって思いました。

かんなちゃんがバトンをキャッチ出来ないたまこに言った

「磁石入りグローブを作るのです。バトンにも磁石を
くっ付ける。あら不思議、引き付け合うS極とN極。」

「どうしようもなく引き付け合うのです。」

多分、かんなちゃん的には深い意味は無かったと
思うんですけど(いや、彼女の事ならあり得るのかな?)
その話を聞いていた、たまことみどりちゃんの
(特にみどりちゃん)の表情が凄く意味深でした。

そして度々、出てきます林檎。
林檎と言えばニュートンの万有引力の法則。
引き付け合うんですね。どうしようもなく。

ここで私がちょっと思い出したお話がアダムとイブの
食べた禁断の果実「林檎」でした。
(あれは林檎では無かったと言う説もありますが、
ここは一応、林檎ということで。)

かなりうろ覚えなのですが、蛇にそそのかされて
林檎を食べてしまったアダムとイブが楽園を追放され、
それまで無かった恥じらいという感情を覚えて、
イチヂクの葉っぱでそれぞれの性器を隠してしまう
というお話しです。

そしてアダムの食べた林檎は喉仏に、イブの食べた林檎
は乳房になったと。

成長期、男性は喉仏がふくらみ、女性は乳房がふくらみ
ます。そして恥じらいを覚えます。

このお話の序盤でもたまこが急にお尻やおっぱい
のおもちを作ると言い出して、みどりやかんなのお尻を
触ったり、うさ湯でボインの女性と自分の胸を見比べて
もの哀しげな顔になったりしています。
そしてもち蔵に対しても恥じらいを見せる様になりました。

この辺り、たまこには無縁だと思われていた女性としての
性的な成長過程も柔らかいニュアンスで表現してるの
かなぁとも思ったりしました。

だから1つの林檎が登場する事で色んな事が想像出来ます。

英語のことわざで
「You are the apple of my eye」
という言葉があります。

日本語で言えば「目の中に入れても痛くないくらい
可愛い」という言葉に該当するのかな。

もち蔵にとってたまこは色んな意味で林檎だったの
かもしれません。
だからお話の冒頭で林檎をコロコロしてたのかなぁって。

そしてもう1つ私が感じたのは、たまこともち蔵の
ラブストーリーを通して周りのみんなも一緒に
成長した事でした。

中でも終盤のかんなちゃんとみどりちゃんのやりとりには
心を打たれました。

嘘をついてまでたまこをもち蔵の元へ送り出した
みどりちゃん。
1人残った教室にやって来ましたかんなちゃん。

このあとの2人の会話がとても素敵でした。

かんな「策士ですな。でも、そういうの好きですよ。」

「今ちょっといい顔してますよ。」

みどり「サンキュっ!かんなっ!」

かんな「ねぇみどちゃん。私も高いとこ登って
みますかね。」

もう、何とも言えないくらい2人の間の言葉以上の物が
伝わってきて、つい涙が出ました。

大好きなたまこの幸せを願って送り出したみどりちゃん。
1歩成長しました。
そんなみどりちゃんを見て、自分も前に進むもうと思った
かんなちゃん。
木に登った時のかんなちゃんの顔がとても素敵でした。
登った時の景色、今まで見たこと無い景色だったのかも
しれません。

この作品を見て私が感じたのは人を好きになるという
事は当たり前かもしれないけれど、とても切ない事
なんだって事。
好きになる方も、好きになられる方も。

何処かに私が置き忘れてきた思い出かもしれません。

そして「ちはやふる」を見て出会った私の好きな
一つの和歌が思い出されました。

しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は
     ものや思ふと 人の問ふまで

歌意:
私の恋心は誰にも知られない様にと心に決めて
耐え忍んできたのに、とうとうこらえきれず
顔に出てしまっているみたいです。
何か物思いでもあるのですかと人が尋ねてくるほどに。

という隠せば隠すほど表情に表れてしまう悩ましい恋心
を表現した歌です。

たまこともち蔵を見ていたら、凄くこの歌が心に
染みてきました。

最後の駅のホームでのシーンはもうなんと言ったら
いいのか分からないくらい、純愛の美しさが表現
された演出だったと思います。

今まで何度もキャッチ出来なかった糸電話。
その糸電話を見事キャッチしてからの、

「もち蔵、大好き!どうぞ!」

たまこらしい最後の言葉でした。

このあと、私にはたまこの

「やっと…やっとね…キャッチ出来たよ。
糸電話ともち蔵の気持ち‼︎」

という言葉も聞こえた様な気がしました。
いえ、確実に聞こえました。

それにしても、もち蔵泣き過ぎ…
でも、そういうもち蔵、私も好きです。
嬉しすぎるもんね!私まで…涙出ちゃうよ…

子供が大人になっていくのは嬉しいけれど寂しい気も
します。
それは作品を通して、豆大さんや吾平さん夫妻から
凄く感じました。
お互いの両親はわかっていたけれど、黙って見守って
くれてました。
でも、みんな色んな事があって今、ここにいるんです。
これから、たまこともち蔵も色んな経験をしていきます。

これから先の2人を見てみたい気もするけれど、

それは、やぶ蛇でしょうか…

〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

本当に出会えて良かった作品でした。
2人の幸せを祈って…



【主要登場人物・出演者】

北白川たまこ - (CV:洲崎綾)
大路もち蔵 - (CV:田丸篤志)
常盤みどり - (CV:金子有希)
牧野かんな - (CV:長妻樹里)
朝霧史織 - (CV:山下百合恵)


【主題歌】

主題歌「プリンシプル」
作詞 - 愛鈴 ⁄ 作曲 - 藤本功一 ⁄ 編曲 - 谷口尚久
歌 - 洲崎綾

オープニング曲「KOI NO UTA」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川豆大

エンディング曲「こいのうた」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川たまこ


【劇中曲】

「恋の歌」
作詞 - 北白川豆大 / 作曲・歌 - ダイナマイトビーンズ
「Excerpts from "The Return Of The Drowing
Witch"(Part1 - Part9)」
作曲・編曲・演奏 - Hogweed

「qum Daiwtiigyam」
作詞 - Gunung Bangep / 作曲 - Ro ga-nang / 歌 Daniels

「豆大さんへ」
作詞・作曲・歌 - ひなこ

「上を向いて歩こう」
作曲 - 中村八大 / 編曲 - 片岡知子
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 96
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

恋愛も、友情も、成長も、全ては日常の産物

2014/06/27 鑑賞四回目、レビュー更新

もしこの映画を題名だけでステレオタイプな恋愛映画のイメージで敬遠している方がいたら、一旦その考えを捨て去ってとにかく見てほしいです。

「たまこまーけっと」で作り上げた日常の世界を上から恋愛模様で塗り変えていったのではなく、元あった日常に丁寧に恋愛の色を加えていった。

日常系アニメで成功を収めた京アニだからこそ出来た日常系ラブストーリーです。

※ただ一口に日常系と言っても「らき☆すた」のような日常四コマ系、話に連続性がなくキャラクターの掛け合いだけで成立する類のものと、「けいおん!」や「たまこまーけっと」のような作品は異なる意味合いを持っていると思います。

後者では作中時間が経過しながらキャラクターが成長し、物語に変化あっての日常が表れているので、同じ日常でもそこから生じる現実感に差があります。

あらすじ
{netabare}
高校三年生―誰もが新しい進路に向かって歩み出すとき。

うさぎ山商店街に住む、大路もち蔵(おおじもちぞう)もそういった時期に差し掛かっていた。
自分の中では既に進むべき道が決まっていた彼だったが、心残りが一つだけあった。
それは生まれたときから知っている幼なじみ、北白川たまこのこと。

実はいつからかもち蔵はたまこに恋をしていた。
そしていつその想いを伝えるか踏ん切りが付かないでいた。

そんなある日、あることがきっかけでもち蔵はたまこに告白する絶好の機会を得る。
もち蔵は無事告白できるのか、もし告白できた場合たまこはそれにどう応えるのだろうか。




一方、たまこも卒業後の進路は決定していた。
しかしその決心に迷いがない訳ではなかった。

もち蔵や周りの友達のように自分の将来を見据えての進路ではなく、漫然とした進路の歩み方に不安を覚え一人悩んでいた。

高校卒業を目前に控え、たまこは色々な経験をすることになる。
そうした経験が彼女をどのように変えていくのか。

もち蔵とたまこを中心にした、少年少女の思春期を描くストーリー。
{/netabare}


最初「たまこまーけっと」が映画化すると聞いたとき、(日常系が受けなかったからラブコメかー)とか(また映画化商法かー)みたいな、ネガティブな意見の方が多かった気がします。

自分も、今までのイメージとがらりと変えて同じキャラを使った別物のようなラブストーリーを想像していました。

しかし山田監督が目指したのは、日常アニメからの‘脱却’ではなくより日常に迫った日常アニメの‘昇華’だったのではないかと思います。


何故なら、普通ラブストーリーといえば一に恋愛・二に恋愛、登場人物にとって最も重要な恋煩いを物語の軸に置いて話が進んでいくものですが、
この映画では恋愛している少女を日常の世界から切り離したりせず、あくまで日常の中に同居する一つの要素として扱っているからです。


ラブストーリーのための恋愛、ではなく日々の生活(実家の手伝い・学業・部活等)を過ごしながら感じている恋愛―当然ながら四六時中恋愛のことばかり考えていたとしても現実それだけに専念することは叶わないわけで、その意味では最も本質的な恋愛を描いていると言えます。


学校での休憩時間や放課後に友達と集まって、将来の話だったり恋愛の話をする。学校から帰って寝るまでの間に自分の部屋で、昼間話したことを思い悩んでみる。
いかにも学生らしい、こうした日常の過ごし方がリアルで良かったです。

<追記>
また単にたまこともち蔵の二人の話ではなく、みどり・かんな・史織の三人娘たちもそれぞれの未来に向けて(大なり小なり)成長していくことが見られ、青春色を強めていたのではないかと思います。
[個人的なキャラの成長度]
史織>もち蔵>たまこ>みどり>かんな>あんこ

{netabare}
史織はこの中で一番成長したのではないかと思います。
内気で引っ込み思案だった彼女は、誰の目にも触れない間に自分から殻を破って飛び出していく決心をしていました。ただ視聴者にさえその成長の過程を見せてくれなかったのは残念です。


次に大きく成長したのはもち蔵。たまこよりもち蔵の方が一つ上のステージへ登って大人びています。
彼がたまこに想いを伝えたのは、未練よりも覚悟の現れであると感じました。たまこに想いを馳せながらも決して依存するつもりはなく、むしろ一人でもやっていける強い意志が見られました。


たまこは、自分の中で意識していなかったまたは意識しないようにしていた感情をやっと認識しそれに向き合った。
そして行動に移すことが出来た点で成長があったと言えます。しかしまだ完全に自立は果たせていない、もち蔵に依存している未熟な部分は残っていました。


みどりはたまこへの依存からやっと少し抜け出すことができたといった所でしょうか。
最初自分はみどりがもち蔵に突っ掛かるのは恋心故にだと思っていたのですが、どうやら逆にたまこを取られる嫉妬心から来る行動だったらしく、まだ友達離れの段階だったのですね。
最も大人に見えるみどりがむしろ一番子供らしいというのが面白いところです。


かんなはみどりやたまこの成長を目の当たりにして、それでは自分も、と自身の障害を一つ乗り越えました。
周りの人から見れば(この中のメンバーで見れば)、ほんの小さな一歩ですが、これも立派な成長でしょう。


あんこに関しては劇中あまり出番が描かれませんでしたが、たまことの自宅でのやり取りからやはり彼女なりの成長があったのだろうと推察できます。
大きくなること、変わっていくことに対して前向きに向き合っています。彼女は元々大人びているので成長の度合いとしては最小だろうと判断しました。
{/netabare}


新海誠監督の作品のように、ストーリーの進行速度と登場人物の感情の移り変わりの速度を上手くシンクロさせ、ゆっくりと進んでいく日常の中で徐々に芽生えていく恋心を表現するのは容易いことではありません。
{netabare}
もち蔵に告白されてから、たまこは今まで気付かなかっただけで身近に(商店街の中に)あふれている人々の営みを初めて意識し、過去に自分がもち蔵に失意のドン底から助けられたことを思い出し、またかつて自分の母も同じ経験(豆大に告白され思わず逃げ出す)をしていたことを知り、自分の気持ちと向き合っていきます。
この過程がしっかりしているから、視聴者もすんなりと共感することが出来るんですね。
{/netabare}


それからアニメ映画の中にはTVアニメの拡大版・数話分の内容を凝縮したようなものが多いと感じていましたが、たまこに限ってはちゃんと映画としてのセオリー・手法を取り入れて一つの映画として成立していました。

思うに、場面の切り替え・繋ぎの部分でその工夫がなされていて、ブツ切りにならずに一つ一つのシーンが全体で調和していると思いました。


今までの日常系アニメで実践してきた、登場人物の会話や内面に生まれる絶妙な‘間’も遺憾なく発揮されていました。

たとえば二人の女の子が隣り合ってごく普通の会話をしている光景。何も特別なことはないのにスクリーンに釘付けになってしまうのは、ほんのわずかな無言の時間・無音の空間によって空気が張り詰めるような緊張感を生むからでしょう。


主に女性キャラの仕草や表情、性格などの描写に女性的な感性を強く感じるのも恋愛ものとして効果的でした。

TVアニメのときよりも大胆に赤裸々に描かれている女の子達。その中でも特にたまこの変化が顕著でした。

自分が今どうしたい・この先どうなりたいか悩んで悶えている姿や、自分の本音を素直に打ち明ける姿が新鮮でした。

TVのときはあまりに浮世離れしていて身近な存在ではなかったので、やっとヒロインとして物語に登場してくれたか、という思いです。

その証拠に
{netabare}
EDムービーはTV版のED「ねぐせ」と同じフィルム風の映像で、流れている曲がたまこの歌う「恋の歌」。主題歌のプリンシプルも良いですけど何よりこのEDが吹っ切れた感じで素晴らしかったです。
冒頭では母ひなこの真似っこに過ぎなかったものが、最後はさながらダイナマイトビーンズのような情熱的な熱唱。この変化が良い!
{/netabare}


色々と自分なりに思ったこと・考えたことを手当たり次第に書き連ねてみました。

今回の映画は、非常に少女漫画的な乙女の‘純情さ’と懐かしの青春映画的な‘青臭さ’が共存していて、幅広い層に向けて支持されるだろうと予想されます。
至高の日常系恋愛アニメまたは日常系アニメの一つの到達点としてもっともっと高い評価を受けてほしいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 48
ネタバレ

ostrich さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「手前」「予感」から「確信」「覚悟」へ

山田尚子監督作品を一通り鑑賞してから、本作を再見した。
私の見立てに過ぎないが、監督の作家性が本格的に発揮されたのは、本作からだと思う。

彼女は日常の中のスリリングな瞬間を描くのが本当にうまい。もう少し具体的に言えば、なんでもない日常を丹念に描きつつ、その中に潜み、日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情を掬いとることに情熱を傾けているように思える。
他の映像作品を例にとるなら古き良き日本映画的な作風とも言えるだろう。本作の冒頭で「松竹映画」のロゴがモノクロで映されるのは象徴的だ。私はそれほど「古き良き日本映画」を観ているわけではないのだが、これが小津安二郎や山田洋二へのオマージュだということはわかる。

その視点で思い返せば、彼女の作家性は「けいおん」シリーズや「マーケット」でも、時々、発揮されてはいた。
ただ、どちらの作品も「変わらない日常」に着地する前提があるので、決定的な変化は最後まで起きない。その手前、あるいは、その継続の予感に止めているのだ。もちろん、この選択は両作品を魅力的にしている要因でもあるのだが、現時点から振り返れば、「映画作家としての山田尚子」には足枷でもあったように思う。

その足枷を本格的に外したのが、本作だ。

すでに本サイトの優秀なレビュアーの方が指摘していることでもあるが、本作は「変わっていく日常」を描いている。もう少し、きつい言葉を使うと、日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情が表出して、日常そのものを決定的に変えていく様を描いているのだ。
そして、この過程が緻密に計算された構成と、繊細で慎重なセリフ回しによって描かれるため、大きな事件はほとんど起こらないにもかかわらず、非常にスリリングな印象となる。これが前2作品と決定的に異なる点だ。

これが端的に表れているキャラクターは、みどりだ。
本作における「日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情」とは、主には、たまこともち蔵と恋愛感情なのだが、その表出にはみどりの恋愛感情が大いに関わっている。
実はメインキャラクターの中で、初めてはっきりと他者に対して、感情を表出させるのは、主人公2人ではなく、みどりなのだ。もちろん、ストレートな愛情表現ではなく、もち蔵に対する「いじわる」としてだが、恋愛感情というのはそれも含めてのものだ。
ありふれた作品なら、みどりは自分の感情をコントロールして、2人を応援するところかもしれないが、本作は違う。逆にみどりのコントロールしようとしても出来なかった感情が、2人の状況を変化させる。結果、作品全般を通じて、みどりの行動には常に緊張感が伴うことになる。ただでさえ、繊細な主人公2人の関係が、みどりの行動でどうなってしまうのか、というスリリングさが生まれるわけだ。シナリオ用語的に言えば、狂言回しにもなっている。

これらのことは、映画「聲の形」を観た方なら、ピンとくるものがあるんじゃないだろうか。そう、おそらく、みどりは「聲の形」の植野の原型だ。もちろん、「聲の形」は原作付き作品なので、原型というのは正確さに欠けるのだけど、少なくとも、本作を経過したことで、植野を描くことができた、ということは言えると思う。
また、「リズと青い鳥」の優子あたりも「主人公たちに影響を与える、優しき敵対者」という位置づけにおいて、みどりと共通している。「リズ」における希美、優子、夏紀が語り合うシーンの緊張感は、本作のみどりに関するエピソードが原型になっているとみることも出来るだろう。
いずれにせよ、山田監督にとっては、本作でみどりを描き切ったことが、作家性を確立する重要な契機になったと思う。

    *     *     *

さて、山田監督の後続作品に触れたついでに、それらの作品と本作の全般的な比較もしてみたい。

後続作品から振り返ると、本作は「変わっていく日常」を描いてはいるものの、最終的にはそれほど変化なく物語が終わっているようにも見える。
たとえば、もち蔵が上京してからのたまことの関係については、一切触れていない。それどころか、もち蔵の上京自体、確定事項ではないのだ。その他のキャラクターの「その後」も、セリフの中で「将来のこと」として、語られているだけで、少なくとも、キャラクターたちの位置づけにはほとんど変化がない。

この辺りは前2作品を引きずっているとも言えるが、主人公たちが「変化を確信して、それを受け入れる覚悟をした」という内面の変化は確実にあるし、そここそを描きたかったのかもしれない。少なくとも、これまでは「手前」や「予感」で止めていたところが「確信」「覚悟」まで踏み込んで描いた作品ということは言える。

そして、山田監督は、次作「聲の形」で、「変わっていく日常」どころか、変わって壊れてしまった日常を再生させる物語(しかも、再生させようとしている間にまた壊れる展開もある物語)を描くことになる。
「聲の形」は山田監督の(現状の)代表作、かつ、最大のヒット作でもあるので、ここで作家性が現出したという見立てもあり得るとは思うのだが、全作品を通して観れば、少しづつ段階を踏んだうえで、「聲の形」に至っていることがよく分かる。
中でも本作は、作家性を確立した作品として、「けいおん」から始まるユートピアを出ていく過程の作品として、非常に重要だと思う。

※蛇足

本稿では、山田監督の作家性の展開について書いてきたのだが、彼女の「けいおん」から不変の作家性というか演出法である「間接表現」の巧みさについても書いておきたい。

これは今更、私が語るまでもないことだけれど、山田監督はキャラクターの心情をセリフだけに頼らず、モノや、キャラクターの行動や、風景描写などによって間接的に描くのがとてもうまい。

本作でいえば、{netabare}
たとえば、「糸電話」や「バトン」に関するエピソードだ。
もち蔵が「(たまこは)投げても、100回に1回しか受け取れない」という糸電話は、まさに2人の関係を象徴しているし、バトンはたまこの「受け取りたいけど受け取れない」もどかしさを端的に表している。{/netabare}
そして、その変化によって物語を語っていくわけだが、これがセリフ以上のエモーションを引き起こす。

その最たるものは言うまでもなくラストシーンなのだが、{netabare}私としては、ここで、たまこがもち蔵にする回答(セリフ)は、不要だとさえ思っている。あそこはもう、たまこが糸電話を受け取った時点で決着がついているよ。{/netabare}
そのくらい、山田監督の間接表現は雄弁なのだ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

74.8 4 商店街で日常系なアニメランキング4位
三ツ星カラーズ(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (444)
1671人が棚に入れました
上野の平和を守るため、朝から夕方まで街を駆け回る小学生3人娘・カラーズの活躍が描かれる。

声優・キャラクター
高田憂希、高野麻里佳、日岡なつみ、田丸篤志、玄田哲章、名塚佳織、朝井彩加、東城日沙子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

楽しいことしか楽しめなくなった、大人達へ

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
女子小学生が、「上野を救う」という名目のもと、上野でただひたすらにイタズラをしまくるという、日常系アニメ。

この辺は、多分好みが分かれるところで、ダラーズ、、、じゃなくてw、カラーズのJS3人衆を、「可愛らしい」と思うか、「憎たらしい」と思うかで、評価は真っ二つだと思う。

「みなみけ」の「南夏奈」や、「苺ましまろ」の「松岡美羽」を愛でられるなら、楽しめるアニメだと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品の難点は、作中でカラーズ本人も認めていたけど、ツッコミの不在。カラーズ内での立ち位置は一応、さっちゃんがボケで、琴葉が悪ノリ、結衣がツッコミですが、これがイマイチ微妙? というか、結衣もボケですよねw

ツッコミ的に、唯一秀逸だったのが、2話のかくれんぼのクダリ。

(ようやくさっちゃん達を見つけた結衣が)「どれだけ隠れるの? 照れ屋か!」「いや~、灯台もと暗しだったんだよ、最初は」「灯りから離れすぎても見えないわ!」「でもいっぱいすれ違え(通信でき)たよ」「いっぱいすれちがったよ、気持ちがね!」

と、こんなクダリ(不正確ですが)。これは、シンプルに笑ったわ~w でも、ここだけでしたね。

この作品はツッコミが弱いことを作者は知っていて、上記のような秀逸なツッコミを考えられる作者が、どうしてその後はツッコミをさせないのだろう?

と考えた時、(原作未読だからワカランが)作者(あるいは制作)が狙っているのは、「笑い」ではなく、「優しい(寛容な)世界」なのかな? なんて思ったりもしました。

このアニメでむしろ印象に残ったのは、上野の大人達。

みんな、結衣達に優しい(というより、激甘)w

オヤジはその代表格だけど、同年代の友達のように接する ののか や、結局色々な物をくれる さっちゃんの母。ゾンビゲームに付き合ってくれた一般市民達。齊藤だって、クソガキだのなんだの言いながらも、結局、カラーズに付き合ってあげています。

このアニメに出ている大人達は、みんなどこか子供っぽくて、寛容で、ゆとりがあります。彼ら彼女らのようなスタンス、そういう社会のスタンスこそ、作者が描きたかったのかな、って思います(それが社会的、教育的に素晴らしいかは別として)。

ボケ(ガキの理屈)にツッコム(正論を吐く)のではなく、向き合い、笑ってあげる、大人の余裕。

そんなところですかね。

この作品で一番印象的だった言葉は、6話の「明日は違う事件がおきるんだよ」というオヤジの言葉です。上野は今日も平和で、本当は何の事件も起きていません。でもそれは、大人の理屈であり、子供達にはきっと新鮮な「何か」がおこっているんです。その「何か」を見過ごさず、積極的に楽しもうとしている子供(カラーズ)は、遊びを見つける天才なんだな、と思いました。

いつから我々(大人)は、楽しいことしか楽しめなくなったのかな、、、? なんてねw
{/netabare}

【余談~ もしもカラーズがデュラララにいたらw ~】
{netabare}
きっと、折原臨也も手を焼くに違いない(笑) なんか、悪どい提案をしたのに、さっちゃんに「よし、分かった! うんこだな!」と言われ、呆れながらも降参してしまう、臨也君を妄想して、ほっこりしてしまいました(笑)

他にも、
サイモン「オ~、カラーズ。ロシア寿司ウマイヨ~。」
さっちゃん「なんだ! タダか! くれるのか?」


(ヤンキーにからまれるカラーズを助ける平和島)
結衣「あ、ありがとうございました」
静ちゃん「ガキが気にすんなって。俺はムカつく野郎をぶっ飛ばしただけだからよ」
さっちゃん「なんかその髪、うんこみたいだな!」
静ちゃん「・・・・・。」


とか、いくつでも思い付くな(笑) 多分、デュラララに女子小学生キャラがいなかったのと、デュラララのキャラがしっかりしているからですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
よし、笑ったネタを載せよう。

RPGやん(笑) パンダはその気になれば食べられる(笑)

2話目○
どれだけ隠れるの? 照れ屋か! 灯りから離れすぎても見えないわ! いっぱいすれちがったよ、気持ちがね! 、、、ツッコミが秀逸(笑) エキストラバージン、オイルw

3話目
Bパート、短い(笑) 地下街のリアルさヤバイw

4話目
光ってみて、パー(笑) 説明して?(笑)

5話目
けんだまの武器化、何気に危険だよな(笑)

6話目
雑な草(笑) ゲーム下手(笑) 斎藤はバ~カ(笑)

7話目
展示されているのか(笑) これ3つ下さい(笑) 除夜の鐘までに別れる(笑)

8話目


9話目
量産型か(笑)

10話目
ウンコで、初めて笑ったわw

11話目


12話目
ちょっといい話。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 29
ネタバレ

|箱| さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

これは先生が言ってたことなんだけど、うんこはばっちぃからゲームクリア!なんだって。

上野の街の平和を守ることを目的に優しすぎて周りに振り回されるけど一応リーダーを務める赤色の結衣、うんこが大好きすぎてうんこ問答をする癖のある騒がしい黄色のさっちゃん、クールでシニカルな言動が目立つけどゲームに関しては熱狂的な水色の琴葉で構成されたカラーズが周囲の大人たちを巻き込みながら商店街や駅などを東奔西走するという日常系のギャグアニメ。見る前に赤青黄の日常系…ゆゆ式か?と無自覚に想起してました。

この作品を鑑賞しているときに自分もこんな自由で積極的に街を楽しんでいく小学生やってみたかったなぁ(なお周囲に迷惑など)と思わせる演出が随所にちりばめられていて、小学校から帰るやいなや家で黙々とゲームを消費しながら時間を潰していた身からするとちょっとした憧れすら覚えてしまいました。

なんというか羨望のまなざしでいえば、高校生の爽やかで甘い青春に匹敵する位の必要最低限の社会的なルールを守れば何をしても許されるような小学生の特権がほんと上手く表されていて、人によっては交番の斎藤みたくクソガキ!とウザい嫌悪感を覚えたり叱りたくなるような、またはおやじみたいに子供の持つ世界観を尊重していっそのことエンジョイしたくなるような、そのカラーズの持つキッズ感を周りにいる大人たちが豊かに反応分けしていることでよりキラキラぽさやリアリティが増して個人的に暖かい癒しが得られた作品でした。

{netabare}
三ツ星カラーズの印象に残ったシーンやキャラの感想

おやじ:なんでいつも眼鏡を変えてるのかはアニメをみた限りでは不明。
好奇心の強さというか刺激を楽しむ姿勢など童心を忘れていないハツラツさが窺えてカラーズはこの人に関われて幸せだろうなぁ。わざわざ金庫やらトランシーバーやらの道具を用意してカラーズの世界観を見守ってるのとても人が良さそう。ただカラーズの暴走が凄いときは反省させるようなクソオヤジな一面も見たかった。(子供のためだと言うのならアメ横の看板に乗るのはやめさせてあげて…)

斎藤:カラーズの敵であり、上野の平和を脅かし、パトロールという名のサボりをする…と見られている警察官。警察官の職務についている斎藤はカラーズにとっての必要悪みたいな存在(いじられキャラ)なので銀杏を投げつけられたり、うんこの入った雪玉を投げられたりするのは必然なのかも。カラーズのやらかすところにだいたい斎藤いるの面白かった。

結衣:すぐに泣いてしまうなど威厳がないリーダーと弱点探し会議で責められていたけど、よくよく考えるとこの威厳のなさもとより優しすぎてしまうところがカラーズが崩壊せずに柔軟性を持てたところなのかもと思う。黄色や青色だったら主体性が強すぎてしまって混乱することもありそう。トランシーバーでハイパーかくれんぼが台無しになるからってワーワー喚くシーンは結衣ちゃんの優しさと責任感の強さが垣間見える良いシーンだったなぁ。
あとパンツの価値は貶めないように努力してるの可愛い。

さっちゃん:とにかくうんこが好きでじっとしていられない。子供の頃ってうんこを言うだけで爆笑できた下ネタの王様であるうんこ黄金期があったような気がします。チューチューカブリラもそうだけど小さいときに意味ももなく笑える変なものってあったよなとこの子のうんこ!を聞くたび懐かしい気持ちになりました(なってない)。うんこを公言することを咎めるシーンいくつもあることを考えてみるとどことなくうんこに宇宙を感じてくるような…。(うんこも元は自分の体一部だった訳でもあるので親近感もわくのもうなづける?)

琴葉:パンダみたいな猫を捕獲するときに殺すとか言いだしたり、人の頭に足を踏みつけることに快感を覚えたりステレオタイプなゲーマーの悪い癖を見ている様でヒェッとなってしまったけど、ゲーム下手くそと赤に指摘されてヘコむところをみてちょっとかわいかった。(珍しいさっちゃんの気遣いがあったことや、結衣のリーダーとしての威厳を見せようとしてるところもあってこのシーンはお気に入り)どこかひねくれてる物言いが癖になる子。

ちなみに自分はこの作品の中ではののかが一番好きなキャラです。女子高生にしかない幼馴染的バブみがロリの前だといかんなく発揮されてるので。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

上野の街の平和を守る、我らカラーズ参上!

この作品の原作は未読です。
タイトルからはどんな作品なのかは読み取れませんでしたが、キャラデザが嫌いじゃなかったことと出演される声優さんが視聴の決め手となりました。

カラーズのリーダーである結衣のCVは、NEW GAME!の涼風青葉役を務めた高田憂希さん
カラーズ二人目のメンバーであるさっちゃんのCVは、イヤホンズの高野麻里佳さん
そして三人目のメンバーである琴葉のCVは、くまみこの雨宿まち役を務めた日岡なつみさん

放送されてからそれほど時間は経っていないのですが、これらの作品を思い出すと懐かしさを覚えます。
それだけ大量の作品が巷に溢れているから…なんでしょうけれど。

この物語は、カラーズ三人組が街の平和を守ると題して上野を縦横無尽に駆け回りながら、下町情緒溢れる人々の関わりが描かれています。

上野は今日も平和…ですが、その平和の中に潜む事件…気付きとも言うと思いますが、三人組はその穴を探り当てる達人です。
火の無いところに煙を起こす三人組…という表現も概ね間違ってはいないと思います。

この作品の気持ち良いのは、元気一杯の小学生が小学生らしさを保ったまま、無邪気に遊びまわるところだと思います。
核家族の増加と生活の多様化によって人との付き合いが希薄になっている折、部屋に籠ってゲーム三昧…という子供たちが増えている中、身体を使った昔ながらの遊びをしているカラーズには好感が持てます。

とは言え、この三人組が全くの人畜無害かと言えば決してそんな事はないんですよね…
小学生らしさ…からの発想に基づく言動が時に危ういんです。
特に問題児と言えるのは、一番表情の少ない琴葉でしょうか…

琴葉が少ないのは表情だけでなく話すこと自体が他の二人よりは控えめ…
その分、真っ先に手足が出るのが琴葉なんです。
他の二人もゼロではありませんが、琴葉と比べると雲泥の差があります。
ゲームばかりしているせいで性格が狂暴化しちゃったの…?
と思わず思いたくなる場面がしばしば…
琴葉の行動は決して良いところばかりでは無かった…というのが本音です。

行動が琴葉なら言葉で危ういのがさっちゃん…
無邪気と元気の塊みたいな女の子で、決して悪気が無いのは見ていて分かります。
でも人が聞いて決して快く思えない台詞を連発するなど、言葉遣いはお世辞にも綺麗とは言えませんでした。
良くも悪くも小学生らしい…と言えばそれまでなんですけどね。

三人の中で一番無害なのがリーダーの結衣…
逆に琴葉とさっちゃんの様な強烈な個性は持っていないので、どこにでもいるちょっと礼儀正しいの女の子…という感じなのですが、振り返ってみると、一番喜怒哀楽が激しい子だった気がします。

性格が凸凹で一人でできる事なんて限られる…だけど、集まって初めて本領を発揮できるのもこの三人ならなんだと思います。
時にやり過ぎることもあるけれど、根底にあるのは優しさだったりするんです。
今どきカラーズの様な活動をするものなら糾弾されてお終い…だと思うのですが、それでもカラーズが平和を守っていられるのは、上野という土地柄が多分に影響していると思います。

大人と子供分け隔てなく人とのかかわりを大切にしている…
そんな場所だからカラーズの活動も成立し、街のみんなから受け入れられる…
これって人間の温かさや大きさ…にほかなりません。
この作品ならではの情緒が感じられる作品…だったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは「カラーズぱわーにおまかせろ!」
エンディングテーマは「ミラクルカラーズ☆本日も異常ナシ!」
どちらもカラーズ三人組のカラーズ☆スラッシュが歌っています。
どちらもノリが良くこの作品にピッタリの歌だったと思います。
個人的にはどちらかというとオープニングの方が好みだったかな…
カラオケで歌ったら楽しくなれる曲だと思います。

1クール12話の物語でした。
雰囲気から1クールで終わる作品だと思っていましたが、最後は綺麗に纏まっていたと思います。
カラーズの言動は決して良い事ばかりではありません。
だけど、小学生が元気に外を走り回っている姿にほのぼのさせて貰った気がします。
久しぶりに上野に行ってみたくなりました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

77.4 5 商店街で日常系なアニメランキング5位
それでも町は廻っている(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1367)
7135人が棚に入れました
嵐山歩鳥は、丸子商店街の喫茶店「シーサイド」で、ウェイトレスのアルバイトをする女子高校生。ある日、マスターの磯端ウキが、店を繁盛させる秘策を思いつく。それは、話題のメイド喫茶だった。しかし、関係者が誰もメイド喫茶を知らず、ウェイトレスがメイド服を着ればメイド喫茶だろうと「シーサイド」はメイド喫茶として再スタートする。同級生でありウェイトレスの同僚であるトシ子、同じ学校の先輩双葉、歩鳥に思いを寄せる同級生広章など、歩鳥の周囲の日常は流れていく。

声優・キャラクター
小見川千明、悠木碧、櫻井孝宏、入野自由、矢澤りえか、白石涼子、杉田智和、ゆきのさつき、田村睦心、仙台エリ、松来未祐、黒田崇矢、金光宣明、桜井敏治、中博史、千葉繁
ネタバレ

wkr さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ファンタジー要素がなあ

素晴らしいOPから始まり、センスのあるナンセンスなノリと作中の舞台の独特な空気感やキャラパワーで思わずクスッと出来る作品。刺されば最後まで楽しめる程の魅力があります。ただ個人的には後半ちょっとだけマンネリで、残りの3話がファンタジー入ってたのがあんまり好きじゃなかったです。ファンタジー要素に関しては、作品内で仕上がった枠組みの範疇を逸脱してしまうと急につまらない部類のメタ臭さが出てしまいなんだかなあと思いました。それでもなお全体的には安定して楽しめたのでおすすめの作品です

主人公と先生の絡みと主人公弟とエビちゃんの回が好きでした(先生との絡みが後半減っちゃって残念だったけど)。特にエビちゃん回はめちゃくちゃ好みだったので原作追おうと思います

各話の感想
{netabare}1話
この作品のOPすごいですよね。一つ一つのシーンがアニメーションとして秀逸でユーモアがあり、雰囲気はシックかつどこか茶目っけがあり生き生きしてる。作品は見たことないけどOPだけは知ってました。曲と映像が相性バッチリで素晴らしいOPです。

ああ新房さんだなあっていうような印象的な絵面ばかりだ〜。作画良い
妙に小気味がいいナンセンスなノリと無駄に情緒的で独特なキレのある作画とのミスマッチ感が絶妙。普通に面白いかも



2話
ギャラが高そうな声優当ててるキャラが犯人って話好き

主人公の声優さんの演技がキャラと合っていてすごく上手い。



3話
前半の謎解き回おもろかった。今までと同じ空気感でしっかり謎解きやってて感心してしまった。後半は新キャラ登場。原作の話をある程度飛ばして早めに登場させるのは良いですね。ナンセンスさと他要素を上手く落とし込んでいて面白い。作者さん天国大魔鏡とかいうガチガチのSF作ってるから本当に頭いいんだろうけど、この作品でもそのセンスらしさが滲み出てる



4話
割り算の余りのくだり面白かったw主人公と先生の絡み回でしたね。めっちゃ好きです。演技も凄くいい味出てて面白いwくだらなさに味があり沁みます

先生の先生と主人公が似ているってのは伏線...ではなさそう



5話
後半の小学生メイン回めっちゃ好きだから続きみたいな。甘酸っぱいこういうのもっとみたい!この子達メインでいい!エビちゃん顔赤くしてるのかわいいけどリアルにいたらキツイなあw
あと3年生くらいからは女子と関わってるととやかく言われるのは共感できる。



6話
先輩の誕生日のくだりとエロ画像削除笑ったw真田不憫...



7話
前半の真田回面白かった。真田は他キャラに比べると面白いとは思ってなかったけど今回の主人公に悶々とさせられる真田は表情豊かで面白かった
後半も普通に面白かったです。深夜の街中の妙な非現実味を初体験する主人公弟の反応に共感できます。作画の雰囲気ともよく合ってました



8話
コインランドリーで全裸はまずいですよ!と思ったらミスリードww騙されたw真田今回も可哀想
後半ED映像の回でしたね。バイオリンはネタだと思ったらガチだったw アコーディオンのファンシーな音好きなんすよね。ベースだけやけに上手い、っていうセリフありましたけど、現実はベースの上手さは一般聴衆には普通気づかれないという悲しいものですよ。もっと練習描写欲しかったところだけどこの作品だからまあ大目に。練習と称してドラムをやらされる後半羨ましい。



9話
前半の無駄に熱い試合シーン面白かったです。ラケットの持ち方や球の打ち方に違和感はあったけどそんなこと割とどうでも良くなるくらい雰囲気がスポ根のそれでした。それでもしっかりコメディやってたのは流石

後半はファンタジー入っちゃっててちょっとなあ。日常の範疇を越えちゃうといい加減なメタ要素が顔を覗かせてしまうから好きじゃない



10話
前半非日常すぎ。ネタ切れなのかな?それにしてもやりすぎ

後半もファンタジーだけどこういう話は好き。オチが面白くてアバンの伏線回収も粋。心霊関係はファンタジーと現実の境界線辺りだからセーフ?こんな死後を過ごしたいなあ。



11話
※感想書き忘れ



12話
後半の死の現実を突きつけられてからの悲壮感ある流れが良かったです。泣きの作画と雰囲気が素晴らしい。

先輩が初めて店に来た回が最終回に持ってくるのは流れ的に違和感あるし、ファンタジー寄りの話はこの作品にそぐわない。あとは「原作○○話」みたいな字幕も不必要だった。今回みたいな積み重ねが生きる回ではちょっと冷める。最後のシーンもせっかくなら全員と会って欲しかったな。

最終回は良いところも悪いところもあるけど、全体的に見れば結構良い作品だった{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

隠れた怪作

<2018/12/23初投稿>
原作既読。
本放送時に観てました。
原作は割と最近に完結。

架空の街、丸子商店街。
多摩川なんかも出てくるので神奈川県川崎市の新丸子駅周辺でしょうか。
田園調布から中原街道を西に進み、丸子橋を渡った辺り。
地味な下町が舞台です。

そんな丸子商店街の鄙びたメイド喫茶「シーサイド」(なんだそれ?)で繰り広げられる日常コメディというか、なんだろ?

他愛もない出来事にぼんやりした細かい笑いと、時おりハッとするような一言や出来事。
たまに推理ものになったりSFだったりホラーだったりファンタジーだったりUMAや隠し味程度のラブコメも。

つまり謎作品。

基本一話完結形式です。

主要な登場人物は

・嵐山歩鳥(ほとり)
推理小説が好きで将来は探偵になりたいと本気で思ってる、頭のネジが変な角度で刺さってる女子高生。
色気ゼロだけど「おまんじゅうのような」愛嬌がある。
歩鳥の弟曰く「野球の才能がある人が、バットで書道やってるような人」
シーサイドでバイト中

・辰野トシ子
歩鳥の同級生・友達・バイト仲間。
あだ名は「たっつん」「たっつんつん」
美人で巨乳でなんでもソツなくこなす。
歩鳥の相方兼お守り役その①
つまりツッコミポジション。
左利き。眼鏡。
そういや原作で野球の攻守を「攻めて、受けて」って言ってた。

・紺双葉
歩鳥、たっつんの先輩。
少年のようなクォーターのロッケンロールな美少女。
口が悪く、怖そうだけど実は極度の人見知りで甘えん坊。
歩鳥の相方兼お守り役その②
つまりツッコミポジション。
担当はベース。金髪。

・針原春江
さんま似の、歩鳥とたっつんの同級生。
卓球部。
性格がめちゃくちゃ良くて子供に好かれる。
安定した人格の極めて常識人。
たっつんとは中学時代ライバル関係。
「ピンポン」でこんな人を見たような・・・

・真田広章(ひろゆき)
歩鳥の幼馴染で同級生。
そこそこイケメンなのに自覚はなく、なぜか歩鳥に片想いしてる。
歩鳥へのリアクションが童貞。
いや女性関係のリアクションは悉く思春期の童貞のそれか。

・磯端ウキ
シーサイドの経営者兼マスターでお婆さん。
旦那に先立たれ一人でお店を切り盛りしてた。
趣味はパチンコと麻雀。
子供の頃からよく遊びにくる歩鳥の面倒を見ていた。
お守り役その③。
CVはなんと櫻井孝宏さん。
ババア役もこなすイケボ。

・嵐山猛(タケル)
歩鳥の小学校高学年の弟。
常識的な小学生。
賢く小学生の割には冷静。

・嵐山ユキコ
歩鳥の小学校低学年の妹。
ピーキー。
このまま大人にしてはいけないタイプ

他にもたくさん出てきます。
みなどこにでもいそうだけどちょっとずつ個性的でクセがある。

アニメの出来そのものは良いと思うのですが、シャフト演出が物の見事に滑った作品かなと思ってます。

特に笑いのところ。
原作の笑いはただでさえぼんやりしてるのに、アニメ版は笑いどころで溜めを作りすぎててなんだかなぁ、という感じでした。
あと歩鳥を可愛く見せる必要はなかったのでは。

その分、評価下げました。

あと、これは仕方ないとこなのですが、話数が足らず原作が本当に面白くなるところまでアニメではやれてませんでした。
アニメ放映時はまだ原作も続いてましたしね。

原作は作品掲載順が時系列になっておらずバラバラで一話完結。
なのに話と話が微妙につながっていたり。
読み進めるとどんどん面白くなってきます。
噛めば噛むほどのスルメのよう。

風変わりな作品ですがまだの方には是非観てほしい、そんな作品です。

できれば続編やってほしいけど無理だろなー。

<2019/1/1 追記>
新年初書き込みです。
一言言っておきたくて。

この原作者さん、絵柄はぬぼーっとしてわかりにくいですが実は絵がめちゃくちゃ上手。
デッサン狂うなんてことはなく、人間の体全体を的確に描いてます。
どんなポーズでも自由自在。
ついでにいろんな漫画家さんの絵柄のパロディもしれっと。

きれいな顔描く人や、迫力ある絵を描く人は数いれど、こんだけ正確に書き上げる漫画家さんはそうは見かけない。

つっても私の素人意見ですが。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 36
ネタバレ

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

(男+女) ÷ モラル = 0

原作未読で視聴。 制作はシャフトで全12話。監督は新房昭之。


『東京の丸子商店街に住む女子高生の「嵐山 歩鳥 (あらしやま ほとり )」の日常をコミカルに描く物語』。 なお、物語の舞台は、主として歩鳥(ほとり)がアルバイトをする近所の昭和臭のする喫茶店「シーサイド」で展開されます。また、作品のジャンルは日常コメディに分類されるそうです。ですからストーリーのようなものはありませんし、イベントのようなものはありません。あまり期待してはいけません。


序盤、この作品のペースに慣れるのにちょっと時間か掛かるかもしれません。ですが、2話ぐらいから徐々に慣れてくると思います。慣れたかどうかの目安としては、シーサイド店長のお婆ちゃんのメイド服姿に違和感を持たなくなった時です。



私はいつも他の方のレビューなどを参考にして次に観る作品を決定するのですが、今回は、まどマギ、物語シリースを手掛ける監督でお馴染みの「新房昭之」のタグでこの作品に決めました。彼が手掛ける作品は、ハズれが少ないんですよねホント。そして今回の場合ですが、やはり当たりでしたよ。登場人物が見事にアホばかりでとても面白かったです。特に、主人公の天然系のアホの「ほとり」、ちょっと勘違いした自意識過剰なアホの「トシ子」、男勝りなアホの「紺先輩」、この3人が揃うと会話が楽しくてもう最高でした。「三人寄れば文殊の知恵」という言葉がありますが、あれ嘘ですね。アホが3人集まっても、アホさ3倍増しでした。


制作はシャフトなので、多少の独特な演出があります。苦手な方もいるかとは思いますが、私はこの作品のようなコメディと、シャフトの独特な演出とはマッチしているのではないかと思っています。 ここで私の個人的な好みで申し訳ないのですが、私はシャフトの演出の中で俗に言う「シャフト角度(*1」と呼ばれるものが好きですね。シャフト作品でこの演出のシーンが出て来ると、「来た!シャフト角度!」と心の中で発してしまいます。私の中ではもはや歌舞伎の見得のポーズをみたいな扱いです。ただ、この作品ではあまりそれが見られなかったのでちょっと残念でした。


音楽も良かったです。オープニングの曲は、誰でも一度はどこかで聞いた事がある山下達郎作曲の「Down Town」で、それをちょっとミュージカル風にアレンジしたものでした。お洒落な感じで良かったです。ちなみに歌っていたのは「坂本真綾さん」でした。エンディングの曲は、作品中の文化祭で、ほとり・トシ子・春江・紺先輩が結成したバントの演奏でした。こちらも良かったです。


これほどの良作な作品で2期がないのが不思議です。読みたい原作がまた1つ増えてしまいました。


見ても大丈夫なネタばれです。第8話のコインランドリーのテレビから流れる野球中継。試合の得点は、{netabare}56対2{/netabare}です。無茶苦茶です。勝ってるチーム、勘弁してあげてw。




*1)シャフト角度とは、振り向き越しに顎を天井の方に向け、目線だけを下に向けて相手を見下す極端な上から目線の仕草です。(シャフ度などと言われたりもします) (。-人-。) ゴメンネ ちょっとレビュー長かった。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41

69.8 6 商店街で日常系なアニメランキング6位
八十亀ちゃんかんさつにっき(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (174)
571人が棚に入れました
東京育ちの高校生、陣界斗(じんかいと)が転校した先の名古屋で出会ったのは方言丸出しの女子高生「八十亀最中」(やとがめもなか)だった。ネコのような風貌と露骨な名古屋弁を操る八十亀ちゃんは全然懐いてくれず…。かわいい八十亀ちゃんを観察し、名古屋の地位を向上させる、大人気局地コメディ!!

声優・キャラクター
戸松遥、若井友希、小松未可子、市来光弘、東城日沙子、安藤正基、アダチ
ネタバレ

ひろくん☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

思ったよりオモロい。・・・と、言うか…好き。

{netabare}祝! 第2期決定っ!!!・・・最終回で いきなり発表するなんて、
長編大人気作品の変則 2クール分割放送以外では聞いた事が無いですね。
…初回からの反応が良かったって事でしょうかねぇ。ま、めでたいYo!{/netabare}


これ、愛知出身原作者に依る 地元民 面白disりアニメです。
取り敢えずは中京地区地盤企業等の寛大さに よって成立していますね。

アタクシ的に名古屋周辺には好きな場所が結構あるので、楽しく視聴しています。
名古屋ローカルCMまで合わせて放送されている所も ポイント高いです!


名古屋近郊についての ネタ的知識を多少でも お持ちの方であれば
より楽しめるんじゃないでしょうか?
( なので、原作単行本売上の半分以上が名古屋地区で占められているそーです。)

初回から八十亀ちゃんエラくカワイイですゼ。

第2話{netabare}
八十亀ちゃんと再会?を果たした陣クン、コメダ珈琲店にて 躊躇なく接近。

ウワサには聞いて居りましたが モーニングに “ 茶碗蒸し ” まで出すトコあるんだ!
・・・スゴ過ぎる。。。w

只草ちゃんも かなりの美少女。{/netabare}

第3話{netabare}
何故か強制入部させられている 陣クン。

言われてみれば 名古屋近郊に目ぼしい観光・行楽施設は思いつきません。。。
( 僕で思いつくのはナガシマスパーランド位です… 三重だけど。。。)
泣く程悔しがる八十亀ちゃん・・・、物凄い地元愛。ww

で、写真対決を 名駅でって此れ如何に?
うむ…只草ちゃん、まにあっく。w{/netabare}


そして、第4話まで来て 八十亀ちゃんの名前の由来が 名古屋弁の
“ やっとかめ ” である事に 漸く気づいた。w {netabare}

と、待合せ場所に来ていない只草ちゃん。
( 背後の戸松っちゃんポスターww)

『 だんれも おみゃーを助けてくれゃーせんでよ!』って、悪役その物!このセリフ。
・・・ケッコー好き。

モード学園新宿かと思いきや、名古屋にも おんなじ建物が在るのネ。
ナナちゃんネタ・・・・・・。www

陣クン、その自撮りは ちとカッチョ悪いのでは??
…八十亀ちゃん以外 地元民では無いと!?w {/netabare}


第5話{netabare}
他地域の人に対して 三重/岐阜県民の方々が

『 名古屋(の近く)から来ました!』

て、言う事について 僕は当を得ている表現だと思って居りました。

地理地勢的に名古屋圏域は愛知県でも岐阜/三重寄りの最西地域に位置し、
その人口分布を鑑みても 名古屋市周辺への双方向流動は多いハズですから。

で、岐阜にしか無いモノなんて 【 阜 】って漢字くらいです。・・・これ、ストライクwww

しっかし、赤福まで名古屋土産扱いというのは、どうにも納得いきません!()
{/netabare}

第6話
{netabare}でスガキヤのラーメンフォークが使えないネタは、
・・・こんなコト言っちゃって…大丈夫なのかなぁ〜???
と、思いつつ笑ってしまいました。

関東地区の人からすると、寿がきやって うどんのイメージの方が強いと思うのですが、
実際 名古屋に行くと、確かにラーメン&ソフトクリーム店の感じです。
( 今回のスポンサーは当然 寿がきやさんで、第2話時と違って うどんのCMを流していましたデス。)

また、只草ちゃんが八十亀ちゃんのコト可愛いって よく言ってるんですが、
ホント性格カワイイなぁ・・・陣くんに合わせ様としてるし。

『 な、なんで泣いとりゃ〜すか??? 』・・・この台詞、ツボ!!!


可愛い妹ちゃん、冒頭のみ出ていたケド・・・声というか 演技というか、
あんましっくり来なかったなぁ。
{/netabare}

第7話{netabare}
新歓会と 言いつつ 陣クンの扱いがヒドい。ww

と、今回の内容は “ だがしかし ” そのモノでした。
仕事の途中に名古屋近辺の高速道路SA/PAに立ち寄った時に よく見かける
ちょっと変わった お菓子達…あれって 地元民のソウルフードだったりするんだねぇ。

ヤングドーナツは岐阜だったっけ?クッピーラムネとかと較べると新参だよね。
ベビースターラーメン製造の松田食品、いつ頃 おやつカンパニーに
社名変更したんだろう?{/netabare}


第8話{netabare}
米兵・・・知らない人は確実に “ べいへい ” と、読んでしまう。。。
と、いうコトで 何日からか 【 コメ兵 】と、いう表記に変わっていたのデス。

大須・・・ここ、何というか、大須観音門前町の商店街だわ…秋葉原みたいな感じは殆ど全然無い。
電気街とされる場所よりも 大須観音へ続く通りの方が賑っている印象でしたね。

で、今回 “ お値打ち ” と、言うコトバに拘泥って首を振る八十亀ちゃんが とても良かった。
というか、【 只草ちゃんかんさつにっき 】 っぽい出来。・・・最後に全部を持ってかれた!!!

去りげ無く 原作者が声優デビューしちょる。w

…妹ちゃん、アレだけでギャラ貰えんの?ww {/netabare}


第9話{netabare}
前回に引続き場面は大須で “ 只草ちゃんかんさつにっき ” でした。
・・・端的に言うと、女の子に 『 キン○マ 』って言わせたいだけの お話しでした。

…お下劣ね。ww

途中 只草ちゃんが “ かんなぎ ” フィギュアを手に取っていましたが、
個人的には “ ざんげちゃん・一回 100えん ” 仕様の方が好みです。ww
( 戸松っちゃんが かんなぎ担当の声優さん だから これで良し。)

と、メインパートの最後、陣クンによるモノローグは このまま最終回なの?
と、言う感じの謎テイストをかましていました。

・・・レンズの入って無いカメラを売ってしまっている…と、いう 内容の お話しですが、
…ネタとはいえ・・・コメ兵さんからクレームは来ないのでしょうか???w {/netabare}


第10話{netabare}
のっけから 名古屋市長に依るアナウンス。
( アフレコスタジオ録音では無いっぽいねぇ???)

八十亀ちゃん…全面的に調味料頼みの お弁当。。。(笑)スゴいなぁww
味噌を取り出すポーズがエラく可愛いっ!!!
( 食べ始めると ニュータイプとして覚醒するの?って感じの効果音w )

味噌CMのダンスモノマネもカワイイ。ってか、今回 絵の印象が違うなぁ。
( 第3話で八十亀/只草ちゃんが凹み気味の表情見たいな。)
・・・可愛いくて好きなのですが。w

と、陣クンに 味噌を分けてあげるとは、大分 仲間として馴染んできた
…と、言うコトですかね。

因みにですが、ナカモの【 つけてみそ かけてみそ 】って商品、
単なるダジャレとして命名されていると思うのですが、動詞の後に述語として
『 みそ 』を使うのは 南関東弁(ガキ言葉)なので、ちと名古屋感が薄いデシ。
{/netabare}


第11話{netabare}
名古屋は暑い!・・・確かに暑い。以前仕事で小牧に向かう途中、
その年の最高気温を記録しやがった事が あって、死にそうになった思い出が。。。
( あ〜、、、只草ちゃんの気象解説…色々間違っとるでよ。。。)

そして…、今回・・・特に笑いドコロはナシ。
只々 八十亀ちゃんのカワイさをアピールする只草ちゃん。

セーラー服のデカ襟って 名古屋襟って呼ぶ事を初めて知ったのでした。。
名古屋襟、ゆーほどダサくはないと、思いますが。
そーいえば、NHKの中学生日記って名古屋局制作だったから あの制服だったんだねぇ。

あ、協力会社名がエンドロールに無い!( 第3話以来でしたか。)
来週、“ 一迅社 ” のCMが無い…とは、どう言う意味なん???
{/netabare}

第12話{netabare}
先ずは誰もが御存知…アニソン界の大御所、水木一郎センセイに依る御案内から。
ドラゴンズ愛溢れる…?w

うわぁ〜 ジャパレンカラオケ!・・・ウワサは本当であった。ww
カラオケランキング 1位は “ デラデラハッピー ” 以下テキトーw

一曲目は またまた “ かんなぎ ” ネタからwww
( 只草ちゃん、御本人サマの前で歌うという そのカンジ・・・、いいネ!)
・・・笹津ちゃん、鳥羽一郎てぇ…地元愛 溢れ過ぎ。w


シメは八十亀ちゃんの歌います、【 燃えよドラゴンズ!】・・・だから 水木一郎なんだネ。
歌詞の『 ナーゴヤドームに 』ってトコ、最初は “ 中日球場 ” だった部分を変更しているので、
間延び感を拭えないのじゃYo!。
( ここは板東英二 若しくは山本正之 ver.も聴いてみたい所ですが。。。w)

改めまして第2期製作決定!おめでとう!!!・・・次作は15分物で お願いします。
( 一迅社CMを差替えての告知って事だったんだわ…先週の件。)
{/netabare}

☆新第12話☆{netabare}

なななぁ〜んと! 東京MX TVでの再放送では 八十亀ちゃんのカラオケ選択曲が
【 燃えよドラゴンズ!】から 【 デラデラハッピー 】に差し替えられていました!

えぇ〜・・・なんでぇ〜???、、、大人の事情は ええっちゅうの!(怒{/netabare}




八十亀ちゃん担当声優、戸松っちゃんのセリフ回しが いちいち可愛い!
…ネタ振り等、構成も良いですし、ショートアニメとして上々の出来だと思います。
( 時間が短か過ぎる。10 〜 15分位は欲しい。)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

皆さんが一番好きな名古屋飯は何ですか?

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
ギャグ系ショートアニメ。名古屋ご当地ネタが多い。

また、ラブコメ的な要素もあって、結構楽しめる。

レビューには、アニメ内容はそこそこに、名古屋グルメについて書きます(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
名古屋には学生の時、試合で1度行きました。1泊2日。着いた日の昼飯と晩飯、ホテルの朝食、試合間の昼飯、試合後の夕飯の5食。

いや~、その5食を何に使おうか迷ったな~。それだけ、本当にグルメの街ですよね。

私は、味噌カツ(昼)→ひつまぶし(夜)→手羽先&ビール土手煮&日本酒で軽く一杯(次の日試合だし)→小倉トースト(朝)→天むす(昼)→味噌煮込みうどん(夕)

という飲食スケジュールでした。炭水化物ばっかりだな(笑)

私が食べた中では、ひつまぶしが一番旨かったっすね。まあ、学生にしては結構いい値段するとこ行ったのもあるけど。

根本的な問題ですが、私は赤味噌ってあんまり好きじゃないんですよね(笑) 味噌汁は白味噌が好きで、関西の甘い米味噌を愛用です。麦味噌はたまに使うけど、料理で赤味噌はほぼ使わない。なんか、八丁味噌って、少し鉄っぽい味して苦手なんですよね。

でも、名古屋で食べた赤味噌料理はどれも美味しかったです。てか、甘くして食べるんですね、あれ。つまりはまあ、私の使い方が下手なんでしょうね、赤味噌の。

やはり、それぞれの土地に、それぞれの旨いものがある日本って、とても魅力的だと思います。

さて、アニメの話ですが、言う程名古屋をディスってなくて、平和な地方弄りだと思いました。名古屋人も豚カツにソースかけるとか、スプーンフォークは使わないとか、逆張りのネタは笑えた。

個人的に一番笑ったのは、「岐阜にしかないものは、阜という漢字だけ」という弄り(笑) いや、名古屋アニメで岐阜をディスっちゃダメでしょ(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
名古屋弁いじり(笑) 豚カツにソース(笑) 

2話目 ☆2
名古屋行ったけど、モーニングは食わなかったな~。

3話目 ☆3
名古屋、観光地ないのか~。へ~。

4話目 ☆3
岐阜と三重は、名古屋が地元(笑)

5話目 ☆4
分かる分かる、近い都会を答えるよね(笑) へ~、岐阜名物なんだ。岐阜にしかないのは、阜という漢字だけ(笑) 

6話目 ☆3
箸で食ってる(笑) バカに死んでよ(笑)

7話目 ☆3
東海に犯されてる(笑)

8話目 ☆2
秋葉じゃん(笑) お値打ちに弱い、へ~。

9話目 ☆3
部長、かわいいね。

10話目 ☆3
味噌祭りやな(笑)

11話目 ☆3
名古屋襟なんてあるんだ、へ~。

12話目 ☆4
へ~、飲食持ち込みなんだ。アイドルやん(笑) エンディング(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

名古屋弁の不思議な心地良さ

アニメーション制作:サエッタ
監督:ひらさわひさよし、
シリーズ構成、脚本:WORDS in STEREO
キャラクターデザイン:早坂皐月
原作:安藤正基

愛知県出身の漫画家・安藤正基が息抜きで
ツイッターに投稿したことがきっかけとなり、
思わぬ人気を得たことで、
連載化、アニメ化された作品。

関西出身の私にとって、
名古屋は幼少期から近くて遠い土地。
旅行では九州や伊勢、長野などには行くものの、
名古屋に足を伸ばすことは1度もなかった。
名古屋を知ってしまったら納得。
観光地があまりない土地なのだ。

名古屋弁が変わっていることは、
噂では耳に入っていたが、
実際に足を踏み入れることなく時が流れる。
ところが、学生時代の友人が
愛知県で働くことになったことで、
ある時から毎年のように訪れるようになった。
観光する場所がないという不思議な都市だが、
味噌文化に染まった食べ物が、とても美味しい。
味噌煮込みうどん、味噌カツ、味噌おでんを始め、
ひつまぶし、手羽先、名古屋コーチン、
スガキヤラーメン、そして、喫茶店のモーニングまでが
名古屋グルメとして、堪能できる。

グルメを中心に色々と楽しんだが、
地元の人と交流する機会もあったのに、
名古屋弁を耳にすることはなかった。
「おみゃー」なんて言う人は皆無なのだ。
そんな私たちの期待に応えてくれるのがこの作品。
現地でも聞くことができない名古屋弁が
次々と出てくるのが新鮮だ。
しかも、愛知県出身の戸松遥の話す
名古屋弁がとても可愛いのだった。

ストーリーは名古屋の高校に転校した
東京出身の陣界斗が、高校生ながら
生粋の名古屋弁を話す八十亀(やとがめ)最中に出会い、
名古屋弁と名古屋の魅力を知っていくというもの。
八十亀ちゃんが所属する写真部も彼らとともに
名古屋を紹介していく。

1話が5分にも満たない
ただの名古屋紹介コメディなのだが、
八十亀ちゃんが可愛くて、
それを観ているだけでも癒される。
そして戸松遥が「みゃー、みゃー」という声に
惹かれて、つい毎週楽しみに観てしまうのだった。
何が優れているかというと、
やはり八十亀ちゃんのキャラクターが可愛い!
それだけでも満足できるのが不思議だ。

そして面白いのがEDの曲。
ポップなメロディに名古屋のことが盛りだくさん。
とっきん、とっきんとか、まずほかの場所では
聞くことができないだろう。
2期も決定したということで、
引き続き、癒されたい。

{netabare}※それにしてもジャパンレンタカーが
同じ名前でカラオケ屋としても経営している
店舗があるのは初めて知った。{/netabare}
(2019年6月28日初投稿)

※ほかとのバランスで点数を変更しました(3.3→3.5)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 52

66.8 7 商店街で日常系なアニメランキング7位
大家さんは思春期!(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (454)
2167人が棚に入れました
祖母から引き継いだアパートを、大家さんとして楽しく切り盛りする里中チエ(中学1年生)と、
新米サラリーマン・前田さん、チエちゃんを愛でる美人ホステス・麗子さんなどアパートの住人や
近所の人々が触れ合うほのぼのコメディ。
新米サラリーマン・前田さんは新生活を始めるために風呂なしトイレ付1Kのこのアパートに引っ越して来た。
そこでで待っていたのは女子中学生の大家さん! ?
さらに美人のお隣さんも現れて新生活の期待値が急上昇。

声優・キャラクター
久保ユリカ、木戸衣吹、山崎エリイ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

こ、このオープニングの背景でチラリと見えたアレはまさか往年の・・・^^;?

この作品の原作は未読です。最初2分間のショートアニメってとても危うい存在だと勝手に思っていました。なぜならたった2分ではストーリーを展開させる事は難しいので、視聴者にメッセージを伝える事が出来ないからです。
でも視聴してみて思ったのは、2分枠の作品は一切の無駄を削ぎ落として、純粋に主要キャラを魅せるアニメと考えると合点がいきます。

つまり、主人公以外は皆んな引き立て役で、限られた時間の中でできる限り様々な切り口で主要キャラの魅力を詰め込んでいく作品と考えると、2分というのはちょうど腹8部にちょっと満たないくらい・・・
この絶妙なバランスが成立して初めて2分枠の作品は生きてくるんだと思います。

それじゃこの作品はどうだったか・・・
いやいや・・・大家さんのチエちゃん、ムッチャ可愛いじゃないですかっ(//∇//)
中学生で大家さん稼業と両立させるとは・・・
与えられた仕事も満足に出来ないサラリーマン・・・でも入社年次は俺の方が上だよと常に高い処から他人を見下す様な大人が世の中にはゴロゴロいるというのに・・・このチエちゃん、まるで天使みたい^^

世話好きで料理上手という設定も彼女の魅力に拍車をかけています。
2階に住む前田さん・・・チエちゃんが料理や掃除をしてくれるって・・・正直羨まし過ぎです^^
ドアをカチャっと開けるとチエちゃんが料理を作って待っててくれている・・・
こんな幸せなシチュエーションが待っているなら、例えば会社でどんな辛い事があってもへっちゃらですね^^
だって、アパートに帰ってくるだけで必要以上に癒される訳じゃないですか・・・^^

チエちゃんのファッションに疎く制服が好き・・・という点もポイントが高いと思います。
女の子には可愛い格好をしていて欲しい・・・勿論そういう気持ちはあります。
でもこれって・・・際限ないんですよね^^;
宝くじで1等でも当たって大金持ちならいざ知らず、大概の人は将来の事を見据えつつ、日々の生活を送っていると思います。
時にはファッションにお金を使えない事だって、生きていれば遭遇する事もあります。
そんな時に真っ先に生活を優先してくれる・・・チエちゃんはそんな女の子に見えて仕方ありません。
こういう女の子には恩返しがしたくなりますね^^
鶴だって恩返しをするんです・・・人間だって鶴に負けてなんかいられません・・・^^;

でもチエちゃんの魅力はこんな聖人君子みないなモノばかりではありません。
中学生としての等身大の彼女・・・勝手貰ったモノが嬉しかったり、料理同好会では一心不乱に頑張る彼女・・・その根底にあるのは屈託のない眩しい笑顔に裏付けられた優しい性格そのもの・・・

他にもチエちゃんの魅力は作品の中でたくさん描かれています。
こうしてみると、2分でも伝えたいことに絞れば十分伝わることが分かります。

チエちゃんが大家さんをしているアパートには、前田さん(♂)と白井さん(♀)が住んでいますが、二人にとってチエちゃんは目に入れても痛くない愛娘のよう・・・
でも世間知らずのチエちゃんみたいな子がフラフラしてたら・・・きっと私も同じように心配することでしょう^^

主題歌は、every♥ing!さんの「Shining Sky」
明るいポップな歌で、オープニングアニメとの愛称も抜群です。
このオープニングアニメで、一瞬ですが物凄く懐かしい作品のオープニングで使われたカットが挿入されています。
もしかしたら同じではなく類似かもしれませんけど・・・^^
流石にそれを目にした時にはテンションが上がりましたね^^

1クール12話の作品でした。完走に30分もかかりません。
チエちゃんの魅力に触れてみたい方は、是非本編の視聴をお薦めします。
チエちゃんのCVは久保ユリカさん・・・キャラの魅力を最大限に引き出してくれていると思います。
同じショート枠作品で「てーきゅう」は7期まで制作されています。
この作品も続編が制作される事を期待しています^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 18

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

潔さ 【67点】

アパートの大家を祖母から引き継いだ中学生少女と、彼女を見守る人たちの日々を描く、ゆる萌えコメディ2分(OP除けば1分30秒)アニメ。


清々しいまでに潔い作品でした。
ひたすら鋭利に磨き上げた「ぐうの音も出ないほどチエちゃんがかわいい」という槍、それを構えて一直線に吶喊するだけ。
でもそれで戦えちゃうんです。
むしろ攻撃力半端ないんです。
もう私ボコボコにされちゃってるんです。
まじで完敗、くっ殺。

語りたいこと第一、チエちゃんのかわいさについては、それこそ内面から外見に至るまで
「庶民的かわいい」「素直かわいい」「天然かわいい」「背伸びかわいい」「制服姿かわいい」「猫耳かわいい」「浴衣姿かわいい」「縛った髪が子犬のしっぽかわいい」「色トレスのほつれ髪かわいい」「つーかもうかわいいからかわいい」
みたいに千の言葉でアジテーションできます。
技術面(?)でも、「あわてるチエちゃん」というおいしいシーンには作画枚数をつぎ込むし、前田さん視点ではたまに被写界深度浅めの画面処理をしてチエちゃんとの距離の近さを演出する。
神は細部に宿るんだよなぁ。
とりあえず4話は大量破壊兵器。

第二に、作品としてはかなりの剛腕で綱渡りを成功させたな、という印象があります。
視聴者がなんとか聞き取れて疲れない程度の早口での演技や、アイキャッチ(?)を即座にねじ込む強制的な場面転換。
そうした思い切り良い演出により、90秒で一つのエピソードとしてなんとか成立するようオチをつける。
「潔さ」は引き算の美です。
でも、最低限の起承転結、お話という器がないと、「かわいい」を盛り付けることすらできない。
上記は一例だけど、潔く「かわいい」を貫ける裏側には、要素を取り払いすぎて空中分解しないよう紙一重のラインで踏みとどまる、クレバーな判断が隠れているのかもしれません。
剛腕には違いないので、作品の色や視聴者の好みによっては諸刃の剣ですが、存分に楽しませてもらった私にとっては英断でした。


ちなみに、少し古いですが、5分アニメ増加の背景に言及したデジタル記事がこちら↓
 mantan-web.jp/2013/04/14/20130413dog00m200034000c.html
要は製作費が安くて利益回収のリスクが低い、ということらしい。
2分(枠的には3分)アニメだとなおさらですね。
チエちゃんのかわいさを極度に強調して印象付ける戦略は、原作漫画の宣伝アニメとしての効率性から言っても合理的。
スポンサーにとってコスパ良く、かつ萌え豚にも優しい、win-winなアニメだったのではないでしょうか。
さぁ原作を買おうか。


蛇足。
石浜さんチックなOPが吉原さんで意外だったけど、チエちゃんが空に舞うカットの疾走感からは確かに夜ヤタやモン娘を感じる。
もう一つ、ガンダムで久保さんの声が聞こえる度に「チエちゃんだ!」と和んでしまった。


【個人的指標】 67点

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

安い「萌え」に走らず、しっかりしたかわいさをショートの中で描いている

【レビューNo.63】(初回登録:2023/6/9)
コミック原作で2016年作品。2分枠の全12話。
以前「ショート枠の癒し系アニメ」で「クールドジ男子」を紹介しましたが、
個人的にはこのジャンルだと、本作が最強かなっと。

(ストーリー)
「前田さん」は就職を機に、6畳風呂なしのアパートで一人暮らしを始めるこ
とに。でもそこの大家さんは、なんと中1女子の「里中チエ」だった。
この大家チエちゃんと、酒好きでチエちゃんを愛でるのが生き甲斐の「残念美
人」の隣人「白井麗子」を加えた3人を中心に、アパートや中学校での日常を
描いたコメディ作品。

(評 価)
・チエちゃんのかわいさは正義
 いうまでもなく、この作品の命は「チエちゃんのかわいさ」です。
 まずキャラデザですが、「萌え系」でもいけるほど愛らしいデザインです。
 でも、チエちゃんは世話好きで料理が上手くてホント「ちゃきちゃき動く」
 って感じで、物語の中ではしっかり者という描写が多いです。
 しかし中1女子としては
 ・物語当初は学校に仲のいい友達がいない設定
 (部活もせず、学校が終わると真っすぐ家に帰っていた)
 ・フアッションに疎い(制服が普段気(お下がり等でたくさん持ってる))
 ・弁当が茶色い(近所のお年寄りからのおすそ分けをよく詰めてくるため)
 ・学校で特売チラシを楽しそうにみている
 等いろいろとズレているところも多いです。それでいて友達が出来始めると
 年相応の一面を見せるなど、単に見た目だけでなく作品全体から「チエちゃ
 んのかわいさ」を感じられる、しっかりした作りになっています。
 (お弁当といえば、麗子さんがチエちゃんのために奮闘する「キャラ弁回」
  はオチまで含め神回w)

・2分枠の小気味いいテンポ感
 尺が尺ですので、ポンポン話が進みます。でもせわしさを感じるわけではな
 く、むしろ最後にほっこりした余韻が残るという構成はさすがだなっと。
 ただ(途中で盛り返しが効かないので)多少外れな回もあるかな。

冒頭で「最強のショート枠の癒し系アニメ」と大風呂敷を広げましたが、
・いうてもこのジャンルのアニメは、実はあまりよく知らない。
(癒し系って基本率先して観ないんだよな)
・プロフィールの通り、この時期が私事で一番大変な時期だった。
 → この時の2分で心癒される本作はホント貴重な存在だった。
っていうことで、結構補正がかかってたりするんだよねw
それでも、このレビューのために見返したのですが、やっぱりいい作品だな。
通常アニメ1本分の時間で視聴できるので、空いた時間サクっとオススメです。

OPは「Shining Sky/every♥ing」ですが、もうOPからこの世界に浸れる
「ほら~無敵のスマイル~♪」

投稿 : 2025/02/01
♥ : 9

68.3 8 商店街で日常系なアニメランキング8位
じゃりン子チエ(TVアニメ動画)

1981年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (80)
348人が棚に入れました
浪花の小学生・竹本チエは生活能力のない父テツ、別居中の母ヨシ江に代わり、稼業のホルモン焼き屋を営む。そんな鉄を見守るのは、チエが小鉄と名付けた、額に三日月キズのあるオス猫だ。だがその小鉄の元にある日、若き猫アントニオJrが現れた。Jrにとって小鉄は、今は亡き父の仇だったのだ。

声優・キャラクター
中山千夏、西川のりお、上方よしお、鮎川十糸子、伝法三平雄、永井一郎、太田淑子、山口朱美、三輪勝恵、入江雅則
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

‐哀悼‐ 大阪の下町を舞台にした、人情話の名作を、名匠がアニメ化

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
「ちびまる子ちゃん」と「寅さん」(もしくは両津勘吉)を親子にして、この二人をコテコテの関西人にしたような作品。私は原作漫画が好きで、そこから興味を持ちました。

「じゃり」とは、「子供」を意味する俗語です。主人公の「チエ」は、バイタリティーに溢れる小学校5年生。全く働かないダメ親父の「テツ」に代わり、お好み焼き屋をきりもりしています。そんな「チエ」や「テツ」、母の「ヨシ江」、祖父母の「菊」と「おじぃ」、飼い猫の「小鉄」を中心に、大阪の下町の人情味溢れるキャラクター達の掛け合いが楽しく、心温まる作品です。正に、「吉本新喜劇」の世界観って感じです(笑)

監督は、あの「高畑勲」さん。流石は高畑勲さんだけあり、原作の空気感をよく生かし、なおかつ「格」も生み出している。声優さんも、永井一郎さんなど実力派の方や、芸人の西川のりおさんやタレント議員だった中山千夏さんなど、かなり個性豊か。でも、しっかり役にハマってるんですよね。この辺の上手さは、本当に宮崎駿さんにも見習ってほしかったですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
アニメの感想は、「総括」に結構書きましたので、そちらに。とにかく、大阪の下町を舞台にした日常系アニメとしては、原作、アニメ共に、間違いなく名作の部類に入ると思います。私は特に、「小鉄」をはじめとした、猫達のからみが好きでしたね。

さて、高畑勲監督です。先日、お亡くなりになったとの訃報を聞き、本作を思い出しました。

高畑勲監督は、どのアニメにしても、「アニメらしさ」を失わない範囲での「本当の意味での、人々の日常の営み」を、物凄く丁寧に描写される監督だったと思います。原作つきの作品も多くアニメ化されていますが、原作の理解度の高さと原作への愛、敬意を感じます。ただただ表面だけを切り取って「動く漫画(小説)」にするのではなく、原作者が伝えたいことをしっかり汲み取り、アニメならではの表現のなかで、しっかり再構成できる、稀有な才能をお持ちだったと思います。勿論、本作もそういう高畑勲監督らしさを随所に感じることができます。

武骨な見た目に反し、繊細で、知的で、こだわり(美学)が強くて。優しいのに、心の内側に燃えたぎるような「何か」がある人だと、勝手に思っていました。そういう意味で、私が大好きな作家、「梶井基次郎」と、印象がダブっている部分もあります。

高畑勲監督の代表作としては、「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「ホーホケキョとなりの山田くん」「かぐや姫の物語」などが知られています。勿論、全て視聴済みです。しかし、今回気づかされたのは、いずれにもレビューを書けていなかったということです(別に意図的に避けていたわけではないのですが)。

高畑勲監督の作品に、私は、良くも悪くも敷居の高さを感じます。「昔観た記憶でぼんやりとレビューを書いたり」「雑談でちゃかしたり」できない、しちゃいけない作品ばかりなんですよね。

一見、平易で、でもその背景には、莫大なメッセージが隠れていて。哲学的というか、文学的というか、高尚なんですよね。戦争体験も大きいと思いました。

どうせレビュー書くなら、もう一度しっかりと視聴して、ちゃんとレビューを書きたい。そう思わせてくれる、尊い作品ばかり。だから今回は、原作が好きで何度も読み返している、本作のレビューを書かせてもらいました。

「かぐや姫の物語」を、映画館で観た時の感動は、今でも忘れられません(また映画館でやらないかなぁ、、、)。私たち世代の多くは、「火垂るの墓」で、初めて戦争に触れ、2度とあの悲劇を繰り返してはいけないと痛感しました。本当に素敵で、いつまでも色褪せない作品をたくさん遺して下さいました。ありがとうございました。

御冥福をお祈り申し上げます。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21
ネタバレ

che さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

虎の褌♪羆のパッチ♪百足の歯ブラシぶら下げて~♫茶臼山で鈍甲釣り♪エテ公が真似して赤っ恥~♫

久しぶりに、一話だけ見ました。
懐かしすぎた!ってかOPが懐かしすぎたww
てか歌詞が凄いwどやって思いついたんやって感じの歌詞ですw

内容は、
まあ、大阪の西成周辺での昭和の日常って感じでしょうかw

あと、声優を結構芸人がしてます、テツは西川のりおだし。
テツは役はマジでハマってますw
マサルはシンスケじゃなかったかな?

あと、猫がよく出てくるんだけど、世の中の世知辛さを知ってて、その辺りが笑えますw
小鉄(コテツ)とアントニオJrが大好きです好きですw

物語
ユニークすぎるwwオムニバス形式だし見やすと思います。

声優
芸人使っててこれまたユニークw

キャラ
これだけリアルなダメ人間が出てくるアニメはじゃりん子チエぐらいじゃないでしょうかw
リアルだしユニークですw

作画
当時にしては綺麗な方だと思います。

音楽
OPの歌ヤバすぎるwどうやって思いついたんやって感じですw

この下のネタバレ部分は西成に関する説明なんで、
アニメにあんま関係ないで、見ないでいいと思いますw
長くなったので、ネタバレにしただけです。
{netabare}
大阪の南の方の人間ぐらいしか、分からない場所かもしれませんが、まあカオスな場所ですよw日本唯一のスラムですw
平成になっても暴動とか起きてますからwもみ消されてニュースとかには上がりませんがねw
僕は自転車でも一時間以内に行ける範囲にあるのでそれなりに知ってるんですが、普通の日本の尺度で物事を考えないほうがいい場所ですねww
今はもう全然まっしになってるんで、(新世界とかもう観光地です)昼間なら歩ける場所になってるから、大阪にきたら行ってみたらいいんじゃないでしょうか?飛田新地とかも近いし面白いかも?
車でいくのはおすすめしません、当たり屋多いんでw
知ってる人間はあの辺ではスピードだしませんw
あと、西成の辺りは夜は未だに治安悪い、、、ていうか薬中多いんで、ほんとに危険ですよ
あと場所によってはスッゲー臭いですよw歩いてるだけで服についた臭い洗濯しないとれないでです。
そんな場所から数キロのところ(天王寺)に日本一高いビル建てようってんだから大阪ってカオスだよな~ww

まあ、そんなカオスな土地が舞台ですw
{/netabare}
でも、このアニメはすごくユーモラスに作られてて、面白いですよ!出てくる人間はテツを筆頭にダメ人間多い所もリアルだし、チエちゃんの店にくる客もリアルww
なにより、脚本が最高!!

「ヤクザ脅して金巻き上げたろかな~」テツ

「アホウ!ヤクザ怖ぁてこの辺で生きていけるかい!」テツ

「(客に対して)もう止めとき、それ以上呑んだら頭オカシなる」チエ

「それよりオッサン、もう五杯目やど、(心配するな金やったらあるわ)金のことやない、あんまり悪い酒ばっか飲んでたらアホになるど。」チエ

「おバアはんのブレーンバスターが出そうや!」チエ

このセリフが面白いと感じたら見てもいいんじゃないでしょうか?w
かなり笑えますw

タイトルはOPの歌詞です読めるかな?ww
まあ読めないと思いますw僕自身、羆、鈍甲は調べるまで知りませんでしたw

褌(フンドシ)羆(ヒグマ)百足(ムカデ)茶臼山(チャブス山)鈍甲(ドンコ、淡水のハゼの一種)

こんな人におすすめ

花札の人
下町の人
昭和の人
大阪の人
ホルモンの人
虎の褌で羆のパッチの人

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

ace さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

素晴らしいドタバタコメディアニメ

昭和50年代の大阪を舞台とした、
頭のおかしいクズテツと、娘のチエを中心としたドタバタコメディアニメです

テツは現在では放送できないでしょうね
まさにクズ!!ドクズ!!!
だが・・・憎めないクズ!!

テツの憎めないところ、すごいところは
どんなくだらないことにも全力を尽くし日々生きているパワーを感じられる
というところ

そして喧嘩っ早いクズとはいえ、
困っている者がいれば急いでいるときでも助けるところ
何事にも一生懸命なところなど
なんというか、「喧嘩と祭が好きな昭和大阪のお祭り男」という風情
ヤクザや警察など誰の前であっても態度ややりたいことを変えたりしない
(テツが苦手としている人物はいるがw)
一本筋が通っている
PS4ゲーム「龍が如く」の新主人公、春日一番みたいな性格
わからない人はすまん・・・
おそらく現在では絶滅したんじゃなかろうか、この手の昭和漢は
個性の塊

一応実家が定食屋なので、無職・・・ではないんかな
でも店は娘と奥さんに任せて昼間からブラブラ・・・しているわけではなく
いたずら1つにしても全力を尽くす
非常に濃密な1日を過ごす

「体がでっかくケンカが強く、奥さんと小5の娘がいる小学1年生」
がテツです

そしてじゃりン子チエ!
しっかり者でまさに大阪下町の昭和っ子という感じ
このチエとテツが主人公として日々バカな騒動を巻き起こし、
または巻き込まれストーリーが進行していく

チエの親友のヒラメちゃんがまたいいキャラで、
おかっぱ、ヒラメ顔、鼻と眉毛がなく口が「3」という
凄まじい個性のキャラクター
一度見てみるといいwwww

びっくりしたのはテツの声優はあの西川のりお
西川のりおはNHK教育テレビでもなんか鬼?の役をやっていたり
けっこう昔からお笑い以外の界隈でも出てたんだなぁ・・・

で、この西川のりおがテツの声優として完全にマッチしていて
ドラえもん、バカボンパパの声優と同じで「このキャラの声優は
この人しかいない!」感が強い
例えば、ドラえもんの大山のぶ代ね
ドラえもんの声優が交代してからもうずいぶん経ちました・・
現在ドラえもんも昔のドラえもんも自分はドラえもんマニアなので
両方よく見ますが、いまだに現在ドラの声には違和感がある・・・
「なんか違うんだよなぁ」とか「ドラはそんなこと言わない」
みたいな違和感がある
アニメなどのキャラには「この人しかいない!」というような声優が
必ずいて、西川のりおはまさにこのテツにとって
「この人しかいない!」という声優
棒読みっぽい部分も多々あるが、変に演技臭さを感じないので
とても自然で良い

小鉄やヒラメちゃんやマサル、ヤクザなど個性的で楽しいキャラも多く、
浦安鉄筋家族などの現在のギャグ漫画の基礎となったと思われる
傑作コメディアニメ!!

テツは相当頭おかしいが
それでも同じ時代を背景に持つバカボンのパパと比べると
一般人に見えてしまう・・・
バカボンパパ・・・すごすぎる

そうえいばバカボンパパも意外にも喧嘩が強かったな
なんとなーく行動が似てるわwww

投稿 : 2025/02/01
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