友情で幻想的なTVアニメ動画ランキング 4

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87.5 1 友情で幻想的なアニメランキング1位
色づく世界の明日から(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1142)
4896人が棚に入れました
物語の始まりは数⼗後の⻑崎。⽇常の中に⼩さな魔法が残るちょっと不思議な世界。主⼈公の⽉白瞳美は17歳。魔法使い⼀族の末裔。幼い頃に⾊覚を失い、感情の乏しい⼦になった。そんな瞳美の将来を憂えた⼤魔法使いの祖⺟・⽉白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。突然、⾒知らぬ場所に現れとまどう瞳美の視界に鮮烈な⾊彩が⾶び込んでくる…。

声優・キャラクター
石原夏織、本渡楓、千葉翔也、市ノ瀬加那、東山奈央、前田誠ニ、村瀬歩
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アズライト

色が見えない少女がタイムスリップするお話。

1話
{netabare}
主人公の月白 瞳美は色覚異常で周囲と馴染めません。
周囲が夢中になれる風景であったりを共有できない。
人と馴染めない分、周囲のイメージと違って、瞳美は純粋。
本作がテーマとして扱っている「色」について、
色が見えないから、哀しい、と言うわけではなく、
哀しいから、色が見えないように感じました。
母親との別離、年数の経過、友人の欠如、そういったことから色が見えないのかな。

瞳美は魔法なんて大嫌いという。魔法使いという自分の家系に対するものか、「一人でも大丈夫」という魔法を使ってしまう、自分の心の弱さに入り込むからだろうか。
葵 唯翔の絵(デジタルで・・・)により、瞳美の世界に色が戻る。

今作が瞳美の色を取り戻すためには、何が必要であるのか、それを追っていくことは必要でしょうね。
その中で、心が純粋で脆い瞳美の、細やかでいじらしい感情の動きを期待しています。

サブのポイントとしては、自分の元々持つ、魔法使いと言う血筋や、一人でも大丈夫となってしまった現状で友人の存在について、どのように肯定していくのか、と言う部分を重視してます。

それにしても、瞳美の髪が銀色なのは外人の血でも入ったのだろうか。琥珀ばあちゃんもしくは瞳美の親は外人と結婚したのかな(笑)
キービジュでは、色はそんなに銀色じゃなかったから、アニメ的表現だろうか。
{/netabare}

2話【モノクロ】
{netabare}
二話で多用された瞳美のモノクロの世界と色のある世界の一瞬の切り替え。

モノクロ写真は、色、という情報が抜け落ちて、過去の事象(写真の中に収めた物)をみています。
その時、私は、写真を取った時の時間の流れよりも、自分の生きている時間の流れが、はやいような気がするのです。
なので、瞳美の世界は、私の生きる時間とは少し時間の流れが違うような、そういう錯覚を覚える印象を受けました。

また、色のある世界から、モノクロの世界に変わるシーンは、私の感じる世界がこう見えて、瞳美の世界がこう見えてしまうのか、そういうショッキングさが感じられて、瞳美の抱える色覚障害というものが、瞳美に与える影響の大きさを納得してしまいましたね。

{/netabare}

3話【暗示】
{netabare}

今回は瞳美に対して暗示によってどうなるか、というアプローチがなされていましたね。
ポッキーを杖代わりにした時も(ポポッキーとかいってたかな?)、
曾祖母である瑠璃が「初心者はこういうものをつかったほうがやりやすい」
という事を言っていましたね。
つまり、魔法使いのオールドなイメージ、大きな帽子に杖を携えたような、そんなイメージで、なりきった気分になったほうが使えるということかもしれません。
それは、私は魔法が使える、という思い込み、自己暗示を掛けやすくなるための一つの手助けでしょうね。

そのほかにも、水色の星砂を撒いたので水の上を歩けると思い込んだ瞳美の思い込み、
人に色が見えないことを隠す理由にある、他人への思い込み、
モノクロ写真なら自分にもできるかもしれないという、希望のような思い込み、自己暗示。

彼女が色が見えないことや魔法が使えないことは、彼女自身が自分にアレができるコレができると思い込めるような自己肯定によって、解決されるのかもしれません1ね。


{/netabare}

【魔法が解けるとき】
{netabare}
二話で瞳美が「魔法なんて大キライ」という言葉を、前篇と後編で使い、その心境の変化を、表情や声色で表しましたね。
この言葉を自己暗示のように繰り返していた瞳美。
「一人でも大丈夫」という言葉の小さな魔法、思い込みのように、この言葉も小さな魔法なのかもしれません。
それが二話の後半で言った「魔法なんて大キライ」という言葉はどこか魔法が解けかけたような…そんな印象になりました。
{/netabare} 

4話【世界】

{netabare}
一人のか弱い少女のお話と見ていましたが、世界との向き合い方、セカイ系っぽいお話をするかもしれません。
「魔法の力を与えてくれたこの世界に恩返しがしたいの」
そういった60年前のババ…(ゲフンゲフン)琥珀は、瞳美からみて、大人に見える、もしくは先を見ているように見えたでしょう。

琥珀が作品中で悩みであったりとかを抱えるかどうかは、作品の最終回に深く関わってくるでしょうね。

琥珀は世界を肯定しており、作品世界の理の一部である「魔法」を肯定しています。
つまり、瞳美は、世界の理である魔法の力を有していながらにして、否定していることが、色が見えない原因になっているのだと、今回感じました。
潜在的な瞳美の魔法の力が琥珀の魔法によって引き出されたことからも、彼女の心によって色が見えないことを、彼女の中に内在する魔法が作り出しているのでしょう。
でもそれって…少しおせっかいな世界かなと、思いもするんですよね。

また、写真部の皆の恋や物語も平行して進んで言っていますが、一つ一つの物語に意義があり、それぞれの物語が最終的に帰結する場所へ意味があることを期待させて頂きます。

{/netabare}

5話【魚】
{netabare}

今週は写真部の女性メンバーのあさぎの恋を回収する話も絡めてましたね。
あさぎの恋が、あさぎを成長させる要因として作用する方向に持っていったのは素晴らしいと思います。
ただ、主人公である瞳美をあさぎの成長の間接的な原因としたポジションにおいたままだったため、瞳美とあさぎの距離は縮まっていないことが気がかりです。

さて、今回は瞳美が葵に渡した星砂(懐かしい思い出の星砂)、それをつかうことによってあおいが金色の魚を見るという展開がありました。
ひとみが魚をみたときは、あおいのデジタル絵を見たときです。
つまり、星砂が魔法の類であるならば、あおいのデジタル絵は、別の魔法がかかっているのかもしれません。それは、あおいが絵に込めた思いが、魔法として絵にかかっているということであってほしいですね。


{/netabare}

6話【写真】

{netabare}
今回は色々転換点になりそうですね。

まずはあさぎの恋ですが、部長との関係を「小学生時代の関係のままで良い」から、変えたいと思ってあのように部長の手を振り払った。あさぎの拙さが残るコミュニケーション方法にとても青春を覚えますね。

次に、あおいの絵の中に瞳美が入ってしまったことについて。
情報が多いので整理しましょう。
①絵の中に入る時、アズライトがモノクロの世界で光っているように見えた
②絵の中の奥には、死んだ金色の小魚、死んだ大きな金色の魚がいた。
③瞳美が絵の中の奥で立っていた場所は瞳美曰く「荒れた場所」
④絵の中には渦まきが中心にあるような湖(もしくは海)があって魚はそこにながれた。
⑤渦巻きの中心に行こうとする魚を、網のような物を持って捕まえようとしていた人がいた。
⑥絵の中の事を聞かされたあおいは、なにか思うことがありそうだった。

では、内容を考えてみましょう。
まず①については、絵に入ったのは瞳美の魔法によるものであるという事の裏づけでしょうね。アズライトは魔法の力を増幅させるような意味合いを持ち、それを描いたものです。
②について、これについての疑問点は誰の心の内を描いたものであるのかという事。
これはあおいの心の内を描いたものであるのか、それとも瞳美の中なのか。
というのも、⑥のようにあおいは自分の絵に対しての迷いを描いているように見えつつ、後半で瞳美に色が見えるようになるとき、彼女の心の変化によって大きい魚の状態が変化することがあることが、この描写の疑問点です。
この疑問点については保留しておきたいですね。④と⑤を理由として解釈すると、小魚はあおいの心のもの、大魚は瞳美の心のものであるかもしれません。

③番についてですが、瞳美があおいに、瞳美のために絵を描くから見てほしいという言葉で、荒れた場所に色がついたことから、瞳美のポジションを表現したように見えます。

さて、絵の中についてはこれくらいにして、瞳美の世界に色がもどったことについて考えます。
あおいの干渉によって瞳美の心が変化したために色が見えるようになった、ということは、誰が見ても間違いないでしょう。
なぜ色が見えるようになったかについては、色が見えるようになったとき魚が登場したため、色の見える見えないは魔法の関係していることは明らかかと思われます。
色が見えるようになったときに死んだ大魚が金色になり蘇った事については、瞳美の心の中での変化をえがいたものでしょう。
あおいの干渉というのが、「君のために絵を描くから、君に完成した絵を見てほしい」というのですが、魔法を作り出しているのは瞳美であるために、瞳美の心の内がいまどうなっているのか、という事が重要なのです。
色が見えないのは瞳美が世界を肯定できないせい、と以前書きましたが、
あおいの干渉で、瞳美が世界に肯定できるものが出来た、と考えると、
おのずと今後の展開が見えて来るような気がします。

それと、魔法写真美術部が仮装をして写真を取りにいったとき、瞳美が道のブロックの写真を取っていることが非常に印象的に見えました。
その残った写真は他の人が見ればただブロックを取っている物にしか見えないかもしれない。ですが、写真を取った瞳美がその写真を見れば、この時どういう思いで写真を取ったのか、他に心躍るような景色はそこにあったのに、ブロックを取った理由。写真という映像を保存する媒体が、人の記憶や感情を呼び出す装置になるというのが、とても面白い描写でした。

{/netabare}

7話【好き】
{netabare}
今回は胡桃回でしたね。個人的には胡桃に共感をもてた良回のだけれど、進路の話と捉えるととたんに面白くないと感じる方もいるかもしれません。
私は今回は、「好き」を強く意識させられる回だったと感じています。
その「好き」とは恋愛感情におけるものではなく、物事に対しての「好き」ということ。

物語を考える前に、少し胡桃の状況を整理しましょう。
①胡桃は人生をかけるほどの好きなものが無いことに悩んでいる。
②胡桃の姉が好きなものを仕事にしたことをすごいと思いつつ、①の自分と比較して、劣等感を感じている。
③劣等感を感じていた胡桃であったが、千草によって自分の好きをあせらずに見つけることを気付かされた。


私が共感を感じたのは、胡桃の姉への感情。姉へ尊敬を見せていると同時に劣等感にさいなまれている彼女に、未発達な高校生としての悩みとして適当であることを感じました。
物語としてのこの悩みへの解決について、千草という部内でも胡桃に近い存在であり、お調子者的な性格である事が、よい解決を迎えた理由だと思います。

私なんかは胡桃に対し、自分は自分、他人(姉)と自分を比べるな、と、彼女の好きが見つからないことに対する回答とは別の頓珍漢なことを言いたかったのですが(まあそれは、胡桃の姉に対する劣等感に対しての意見なのですが)、千草は、ひとによって好きの度合いは違う、好きなものはいつか見つかる、あせることはないと、いつもの調子で言い、胡桃を救い上げました。これが胡桃の側にいて、そして高校生であり、お調子者である千草の考え方であり、登場人物の性格の提示がとても上手くいっている回だと思われました。


ちなみに「ヴィーナスの重荷」というタイトルから、荷物を置いて、走りだす胡桃や千草のシーンを考えると、ヴィーナス=胡桃であり、胡桃にとって、好きなものがなければならないというような、足かせのような考え方を重荷と考え、それを置いて走り出すことが、胡桃の悩みの解決シーンとしてさわやかさを演出していましたね。

{/netabare}


8話【光】
{netabare}
さて、いよいよ来ましたね。今まで世界を祝福してきた琥珀のアイデンティティを脅かそうとする展開が。

瞳美の「(未来に)帰りたくないなあ、ここにいたいなあ」という発言が琥珀の気持ちを大きく揺り動かしました。

では、琥珀がなぜその発言で動揺してしまったか。
琥珀は、世界を自分に魔法を与えたことを肯定しており、感謝しており、恩返ししたいと考えています。
その恩返しの手法として、魔法で人を幸せにしたいということで、人の願いを魔法で叶えるために、魔法の勉強にまい進してきたわけです。
瞳美に対しても、いつか帰りたくなるだろうと思い、自分が未来から送ったこともあり、その願いを叶えるために、時間遡行魔法の練習を積み上げていたわけです。
しかし、瞳美の今の思いは異なりました。この時間にいたいという瞳美の願いに対して、モノローグとして「私は魔法で人を幸せにしたい、でも魔法で人を幸せにするのは本当に難しい」と語ります。
琥珀の中に流れた感情を整理しましょう。
①瞳美が幸せだと思うことを叶えてあげたい。
②未来に帰すことは瞳美の幸せだと勝手に思っていた(瞳美は未来に帰りたい?という琥珀の問いは、琥珀自身なら帰りたいと思うエゴイスト的質問だった)
③瞳美のここにいたいという気持ちを、全肯定できない。
④瞳美のこの世界に留まらせることは、瞳美のためになるのか、それとも、幸せになるのか
つまり、琥珀は瞳美は元気になったら帰りたいだろうという、琥珀視点で考えていたのですが、そうではなかったため、瞳美を幸せにする方向性が見えなくなってしまったことが、動揺した理由だと見ています。

この状態に入ったことで、琥珀は瞳美の幸せにすることがどういうことか、自分が魔法で人を幸せにしたいと思っていたがその具体的方法を考えるようになるのはかもしれませんね。
その過程の中で、現状魔法写真美術部のグループの中で誰に支えられることなかった琥珀が、グループの中でのやり取りを通して変化していく展開が見られるんじゃないかと期待しています。

そして、その問いの中に、琥珀が上手くいっていない時間遡行魔法に必要なものが存在しているんじゃないかなと、考えるばかりです。


さて、本筋以外の話から読み解きますが、今回では瞳美の取る写真が雰囲気が変わった事を部内の皆に指摘されていましたね。光の意識が出てきたと。
この作品は色づきを大事にすると共に、光による煌きが重要視されていますが、それを強調するのと同時に、光の当たらない闇の部分を見ることもあるということです。

以前の瞳美は、「光なんていらないという写真が多かった」と部内の人間から言われています。では、瞳美がどこを見ているか、という視点で考えると、部内の人に色が見えないことを告白していない時は、彼女は闇を見ていました。それが告白後は、光を見ている。

つまり、瞳美が今の時間にいることで、色が見えるという希望の光に囚われているならば、光の当たらない闇の部分は、瞳美の目に入っていないもの、魔法写真美術部に依存し、彼女の自立という部分の視点が、瞳美には見えていないという指摘が、琥珀の動揺のシーンにはあるのかもしれません。



追記です。ここからは、琥珀という登場人物について、やはり考えなければだめだろうということを感じています。
私の琥珀に対するイメージは、本音をぶちまければ酷いものですが、
瞳美に対する、私は経験あるからわかるよ感
琥珀の大人びた仕草についているニセモノ感
思春期を経験していないかのような家族との関係
まあ、他にもいろいろ言いたいのですが、それは上記のものと類似事項になりそうなので控えます。
上記のものからもわかるように、琥珀を非常に大人びて見せていますが、素人目にもわかる、うそ臭さ。
この感情を悪いように考えるのではなく、製作者の意図するものだとしたら?
現に8話、あの冒頭で琥珀が「世界にありがとうといいたい、世界に恩返しすることに決めた」なんて、普通の人ならありえないほど世界を最初から肯定するわけです。意図して一般人と乖離、もしくは他の登場人物との差を示しているようにしか見えません。
つまり、この8話から、琥珀の性格が、周りの高校生と乖離しているように見せきったところから、いやいや、彼女にも、弱くて、同年代の子に支えてもらいたい事や変わる事ができるんですよって事を示してくれるんだと、期待しています。
{/netabare}

9話【時間】
{netabare}
今週を告白回と捉えるか、ショウ回と捉えるかそれが問題だ!
はい、ということで、今回はショウ(部長)という人に焦点を向けた回だと思っております。
一番印象深いシーンはあさぎと一緒にショウが撮った写真を見ながら会話するシーンで、ショウが写真で取ったその時間について語っているときです。
日々流れていく人の営みを眺めて、その日常を肯定、愛おしいと思っているのではないかと感じさせてくれます。
同時に、その写真が瞳美と一緒に行きとったものであり、ショウが瞳美を意識していることからも、未来に帰ってしまう瞳美に対する、今一緒にすごしている時間が一瞬かもしれないという辛さを含んでいることも伺えるのかもしれませんね。
{/netabare}


10話【友達】
{netabare}
意外にもあさぎと瞳美のすれ違いはすぐに終わりましたね。
あさぎと瞳美の距離感が埋まっていないことは以前の回に書きましたが、今回の事でかなり近づいた事から、方向性は間違っていません。ただ、物語の構成として、重大なことに見せかけて次の回であっさり解決させてしまうのは、正しいのか、少し疑問です。

さて、今回瞳美の親について、触れられました。
瞳美がショッキングな出来事により色が見えなくなったことは、1話で書いたときにも触れましたし、作品内で瞳美自身が色が見える時期があった事は匂わせていました。
幼少期の瞳美を置いて出て行ってしまった瞳美の母親、ようはネグレクトというものですが、この出来事は母親だけが問題ではないことは、あおいが瞳美を励ます時にいったとおりです。瞳美の母親がネグレクトした原因は、様々な原因に寄るものです。
今回のネグレクトの事案について、琥珀自身はどう考えているでしょうか?
魔法の力を与えてくれた世界に感謝したい琥珀、その琥珀の子供は魔法の力を有さない。という事は、琥珀の子育ては、容易ではなかったはず。
世界に祝福された人間が、祝福されていない人間を育てるようなものです。
どこかで琥珀とその子供の歯車が食い違い、子供の性格に影響を与えたと考えます。瞳美という子供が母親に自分の魔法の力を見てもらい喜んでもらおうとすることに、喜びの感情を得られなかったとするなら、それは瞳美の母親の人格を形成した環境に原因があります。
正しく、いや、100%正しいなんて事象は存在しませんが、もし魔法が使えない母親が、魔法が使える子供が喜んで使う姿を見たときに、その母親が経験してきた、魔法が使えなくて苦しんだ経験を、子供は経験しなくて済むんだと、安堵と喜びを覚えるのが、ゆがんでいない人間です。
そのゆがみがこの瞳美の母親には存在し、周囲の環境、親である琥珀を含め、そういったところからネグレクトの芽は生まれているのだと感じました。
瞳美が色が見えなくなったのが母親のネグレクトだけが原因とするなら、ネグレクトするような母親を作ったのは、琥珀だという事が言えますね。

そしてその話題について、作品内で琥珀に自分の子がネグレクトをする未来が打ち明けられるか?という疑問が出てきます。
シュタインズゲート曰く、世界線の収束により、そのことが伝えられても、琥珀は瞳美へのネグレクトの発生を止めることは出来ないでしょうね。
もしくは、タイムパラドックスの回避のために、そのこと自体が伝えることが出来ないという事になるかもしれません。伝えたらネグレクトが発生しなくなるので、瞳美が過去に来る未来がなくなり、過去にいる瞳美は消滅もしくは帰還するかもしれません。

ラストシーンに瞳美が過去に来た理由を考え始める描写があります。
瞳美は自発的に過去に来ていないという事を含めると、過去の琥珀にその理由を尋ねるところから始まるかもしれません。
しかし、未来の琥珀は「いけばわかるわ」という言葉から、誰かに教えてもらうようなことではないことであるのは明確です。
個人的な考えですが、写真部の人間との会話の中から考えると、この写真の時はこんな事があったよねということを思い出せる、だとか、非常に仲間内での出来事を重要視している事が伺えます。
瞳美が写真部の友達たちと共有した時間の中から、過去に来た答えは瞳美自身により導かれるのではないかな。

それと、今回の見所は、瞳美が泣きじゃくりながら、自分に怒っているシーンですね。ないている内容についてはいいとして、悲しんだり怒ったりする感情の爆発が、瞳美には必要なんだと表現してくれたシーンでした。
つまり様々な感情が彼女の世界の色付きを形成してくれるということなのかもしれませんね。
{/netabare}

11話【琥珀】
{netabare}
他のレビュワーさんのレビューを見る限りでも、良い印象ではない回であることは確かです。
私も、この回について、違和感が感じた事があるのでそれを整理します。

まず、前回までに何も触れていない時間魔法に対する世界の修正力がいきなり出てくる。これは単純にダメですね。
つぎに、前回で過去に来た意味を瞳美が考え始める描写があったが、今回はそれに全く連続性が無い。
これは個人的な感想に入るかもしれませんが、琥珀のおしつけがまさMAX。世界が瞳美を消しちゃうんだからしょうがないといって、グループの意見を納得させることを1話の中で消化するという、急ぎ足で無理やり話をまとめた感を出しています。瞳美の意思と、琥珀の意思がまだ反している演出があるところは、まだ琥珀に期待したいですね。

そして、瞳美とあおいの恋愛については、紙飛行機を追いかけていったら、二人が出会うのはまだわかるけれども(あおいの元へという魔法がかかっているため)、あった瞬間抱き合う、そんな関係まで発展していたっけ?という、物語の急変ぶりにショックを受けました。

この11話で残念なのは、やはり琥珀について、舞台装置化してしまいそうな不安が残ります。
今回の琥珀は、時間魔法が成功させることができるかどうかについてばかり不安にしていて、瞳美の心に気づけていない、瞳美がここに来させた意味を考えていないという描写であればいいのですが。つまりこの回を、琥珀の失敗回と捉えて、来週が琥珀の成長回と期待できなくはないわけです。
もし、本当に琥珀が時間魔法をするだけの存在であり、瞳美の心を考える友達のポジションを持っていないなら、琥珀は物語の舞台装置であるという、残念な役回りしか与えていなかったという評価になってしまうでしょうね。


前回の感想で、タイムパラドックス回避のために、瞳美が消滅・もしくは帰還するかもしれないということは書いたけど、今回とは全く文脈が違います。琥珀がネグレクトを発生させないようにしたら、瞳美が過去にくるか?という文脈で話しました。

今回出てきた世界の修正力は、二つの発生の理由が考えられます。(作り手のご都合というものを排除した場合)

まず、琥珀が過去に行かなくて済む未来になったから働いた、というのが物語を良心的に見た場合の感想になります。

次に、琥珀の言ったとおり、本当に世界が元通りの世界にしようと修正するために発生したという理由。こちらが本当になると、魔法という力に向き合って、変化してきた瞳美の成長を描いてきた物語が、なかったことにすべきという力であるわけですが、この方向で本当に物語を進めるか不安ですね。
好意的に見れば、瞳美の取り巻く世界は瞳美を祝福しているようには見えないわけです。しかし、琥珀は自分に力を与えた世界を感謝しており、瞳美に対してあまりにも残酷な運命を突きつける世界に対して、世界を愛する琥珀が、世界に何を思うのか、それが気になりますね。


{/netabare}

【幸せ】
{netabare}

瞳美の色が戻った時、母親と見たときの花火や、過去に行く直前に見た花火を思い起こさせて、とても色彩のあるシーンでした。

琥珀については魔法の神様に瞳美がもう少しこの時間にいることを神頼みしたり、未来に変える直前に瞳美に謝っていたりと、琥珀の無力感が際立ったいました。
同時に、瞳美の心に生まれた気持ちを、「それって幸せってことなんじゃない?」と、言い当ててしまう辺り、琥珀は大人なのか、それとも若者なのか、微妙なポジションに立っています。

今回、「幸せ」が宿ることで、瞳美は色が見えるようになったような、そういう印象を受けました。母親と一緒に見た花火の時は、瞳美のなかに幸せがあったのでしょう。1話に瞳美が「誰かと見ても楽しめない」といった沈んだ気持ちを吐露する場面を拾ってきたのが幸せを強調していました。
その為、やはりストーリーの中で、瞳美の変化を出した表現というのは、作品を見る人に大きな感動を与えてくれたと思います。

最終回への次回予告が「私の色は何色なんだろう」という一言で、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」を思い出して、空気も読めずクスリとしてしまいました。

それと、先週から引き続いた瞳美とあおいのハグについて、今週見ればわかるとおり、まだ瞳美もあおいも自分の好意を伝え切れていないように見えました。あのような熱いハグをしておいて恋人関係まで発展しない所が、この二人らしいですね。

最終回を前に少しおさらいといいますか、拾われているかわからなかった描写について。
あおいについて。最初に瞳美があおいの絵の中に入った時、大きな渦の中心に導かれる魚と、それを捕まえようとする影。この描写はあおいの悩みを含んでいたと考えるのが良いでしょうね。あおいの悩みが解決されたと同時に、この描写が示していたことは提示されたのだと思います。
あの金色の魚は、あおいが幼い頃に書いた絵ですが、瞳美との関係は、最終回、明らかにされるのでしょうか?楽しみですね。

それと私がずっとイメージしてきたこの作品の作品像について。
OPの映像で、魔法写真美術部のメンバーが揃って同じ方向を見て並んでいるシーンがあります。同じ時間を共有し、様々な悩みや青春を共に助け合い語り合い経験し、そして繋がりが強くなった友達を得ることが、この作品に求めていたことでした。
だから、琥珀だけが、その輪の中に入りきれていないのが、はがゆかった。
私は、琥珀がもっと魔法写真美術部に、精神的に心をおいてほしかったのだと思います。魔法がうまくいくように、部の皆の協力を得る、ではなく、琥珀自身のメンタルに仲間の存在があって欲しいと思い続けていました。

最終回、どのような物語になっても、私はこの作品を好きでいられると思います。

{/netabare}

13話 【色】
{netabare}
ほぼすべての伏線の回収回なので、非常にすっきりした部分が多いですね。
まず、色について。今作品は陰影による表現を活かしていましたね。光によって照らし出される明るい色と、その光によって生まれる暗い色。明るい色も暗い色も、どちらも併せ持って自分を好きになってほしいと、あおいは瞳美に言い残しました。それは、色とは、瞳美の持つ様々な感情の部分であり、それを肯定することで、瞳美は自分を好きになれる、もしくは母との離別に対する後悔や自責の念に向き合うことができるのだと感じました。

次ですが、未来の琥珀が人生の後悔について語ります。彼女が近くの人を幸せに出来なかったこと、このことについては、琥珀の娘について、魔法が使えないことについて、親族からの目から守ることが出来なかったことや、そして瞳美についてもそれによって色を見えなくしてしまったこと、その後悔が含まれていましたね。
つまり、作品内で17歳の琥珀という人間が成長しない理由は、
60年後にようやく過去の後悔を吐露する未来が決まっていたからでしょうね。
つまり、琥珀が家族に対して省みる力は、60年前の琥珀にはなかった。琥珀が60年前の時点でただの青年であった事を示したのではないでしょうか。

以下、最終話で気になった事。
魔法写真美術のお別れの言葉を言い合うシーンがリアルすぎる。
あおいの絵だけ色が見えることの理由。ずっと好きだった絵本だから、ということなのかな。世界を肯定しているか、の話と絡めると、あおいの絵、または絵本の中の世界が瞳美は幼い頃から好きだったから、色が見えたのかな。

色が見えるようになった理由。これは瞳美の気持ち、世界に色が溢れているという、世界に対して好きになれること、この辺りの問題提起を解決してくれたと思う。
60年後の琥珀が仕掛けた魔法が、琥珀の気持ちを汲み取る魔法であった事。今の琥珀には気持ちを汲み取る力が欠けているので技術的に無理というより人間的に無理なのだろう(ちょっと琥珀に厳しすぎる見方かな?)。



{/netabare}

まとめ
{netabare}
技術的なことや芸術的なことはわかりません。わかりませんというのは、人によって美しいと感じるものは人それぞれだと考えているためです。
特定の色に弱い色覚障害を持った人に、その色を美しいよねといっても、共感が得られない疑問にぶつかってきました。華やかだよね、という言葉ひとつとっても、それぞれの華やかへの定義が違う事に悩んでいました。

この作品において私は、モノクロによって強調された世界であったり、日の当たり方、世界の時間の流れによって作り出された美しいワンシーンであったり、人の感情が抑えきれない時の姿を、直感的に美しいと感じることは出来たと思います。(ただ、私は作品内で色鮮やか、といわれるシーンの一部が、何が素晴らしいのか、よくわかりませんでした。それが人と私の違いだと思います。)
どうやったらこの作品の作画を述べることができるのか、ずっと考えてきました。
ですが、私はアニメの技術的なことは素人であり、直感的に感じた事を、何かしらの言葉にするしかないという考えになりました。それは、美しいと感じた時の感情、喜び、ときめき、わくわく、そういった私の中から生まれる1次的な感情を、性格の違う他人にロスなく伝え、共有したいと考えました。それらの感情を得た時に初めて、作画が良いと、言うことができるのだと私の中での定義ができました。時には、感情が異なりぶつかり合うこともあるけれども、その事象ですら、私はこの作品では悪いものだとは思わなかったです。それは押し付け合いではなく、相互の感情への理解によって生まれるのだと感じています。

この作品は、仲間と共有する時間、時間そのものは世界にある物として、その時間の中で共有した感情の愛おしさを、感じさせてくれる作品でした。

{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 60
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最終話&総評 瞳美の魔法についての考察

タイトルからはどんな話なのかわからない。作画がきれい、というのが第一印象。

第1話 あの男子は……
{netabare}
瞳美が飛ばされた家の男子は、祖父じゃないかな。
結ばれるために瞳美が必要とか、ベタな展開を考えてしまった。

ただ、瞳美が恋愛すると、パラドックスが起きてしまう。
瞳美がもともと2018年にいたとかなら恋愛もできるか。

色々予想したくなる作品。
きっと花火のシーンはまた出てくるだろう。
{/netabare}

第2話 今後の展開を予想してみた
{netabare}
瞳美の視点で話が進むから、景色はすべて白黒なのが正しいんだろうな。

”唯翔=瞳美のじっちゃん”はありそう。琥珀よりも瞳美のほうが好きになるおいしい展開もあるし。

瞳美は、子供のころまでは色が見えていたけど、魔法でじっちゃんの絵を焼いてしまい、魔法が嫌いになって、色も見えなくなったとか。唯翔の絵だけは色が見えるのはじっちゃんだから。
記憶を取り戻したあと、琥珀に話して、琥珀が魔力を溜めることになる……。

現時点ではこんな感じで予想してみた。
{/netabare}

第3話 よくある入部物語
{netabare}
写真部に入部するパターンってよくある。話も作りやすくて無難な部なんだろう。体育会系でもいいと思うんだけど。

次回は琥珀が登場するから、謎の部分も明らかになるだろう。
予想としては、唯翔と琥珀は仲が悪くて、そのうち瞳美がじっちゃんたちだと気づいて、仲を取り持つ。でも、唯翔は瞳美のほうを好きになっている……。

瞳美が飛ばされたのが唯翔の部屋っていうのが、琥珀と唯翔の関係を示す伏線になっていると思う。

この時点で、瞳美が過去に来た経緯を、琥珀が知っているかどうかが、次回のポイントだと思う。
{/netabare}

第4話 瞳美は恋愛しないのか?
{netabare}
瞳美が未来からきたことを話したの意外。恋愛要素がなくなってしまった。琥珀の恋愛を導く役になるのか。主役が恋愛しないのもどうかと思うけど。

瞳美が色が見えないのは、幼いころにすごい魔法を使ってまわりに迷惑をかけたからかな。唯翔が危ない目にあったときにその魔法が現れて、幼いときの記憶を取り戻すとか。あの魚が伏線なんだろうけど、よくわからん。唯翔が関係している可能性は高いと思う。
{/netabare}

第5話 予想を考え直してみた
{netabare}
よく考えたら、唯翔が瞳美のじっちゃんなら、名前くらい憶えているはず。つまり、メインキャラのなかに、琥珀の相手はいないことになる。古本屋のお兄さんがちょっとあやしいかな。本を買うのが目的でないとか、ベタな感じで。

予想を考え直してみる。
色が見えなくなったのは、瞳美が幼いときで、未来の唯翔となんか関係がある。瞳美が未来からきたのを唯翔は知っているので、幼い瞳美と再会しても気づくはず。この再会したときに、なにかがあって、色が見えなくなった。

あの魚は未来の唯翔が描いたものだとパラドックスが起きてしまう。高校時代に見せられた魚をモチーフにして描いたことになるから。幼い瞳美が魔法で出したと考えられる。

色が見えなくなったのは、なんかすごい魔法を使ったから。それをまた学校で出したときに、(未来の)唯翔も思い出す……そんな感じで予想しておく。
{/netabare}

第6話 絵筆に変えるんじゃないか
{netabare}
瞳美が色が見えなくなった要因が、唯翔にもあるのがほぼ確定したと思う。

気になるのは、唯翔が教えるまえから、瞳美は金の魚を知っていたのか、という点。
瞳美が魔法で見たのは、絵がうまく描けない唯翔の心理描写だから、金色の魚も唯翔の心理面から出たのかもしれない。

金色の魚については、二つ考えられる。
・幼いころに見せてもらった記憶が呼びさまされて魔法で出てきた
・唯翔の心の中にあるものを魔法で出した

いまのところ、瞳美が色が見えなくなったのは、未来の唯翔の絵(金色の魚?)を台無しにしたのが原因と予想している。タブレットだから微妙と思ったけど、金の魚を描いたころを思い出して、筆に変えるかもしれない。
{/netabare}

ここまでの予想と考察
{netabare}
1クールなら半分なので、これまでの予想と考察をまとめてみた。

・瞳美が色が見えなくなった原因は、未来の唯翔と関係がある
唯翔の部屋に飛ばされたのは意味があるはず。
唯翔が絵を描く気になったのをきっかけに色が見えたから(一時的か)。
有名な画家になった唯翔の絵を魔法で台無しにしたのか?


・唯翔は絵筆で描く
タブレットだとデータが残るので、瞳美が未来の唯翔の絵を台無しにする展開にできないため。
キャンバスに向かってるほうが絵になる。


・琥珀の相手、瞳美のじっちゃんは、メインキャラにはいない
名前くらい憶えているはず。
琥珀が会っていて、瞳美が会っていない男性。古本屋のお兄さんが有望。


・瞳美の魔法は、記憶のなかにあるものを表示させるのか?
琥珀の汽車と唯翔の魚から。
なにかとトラブルになりそうな魔法でもある。


・未来に戻ってから(花火はまだ続いている)、あさぎと将の孫と出会う
さらに、唯翔によく似た男子が現れて……。


・パラドックス
過去に飛ばされた経緯を瞳美から聞いて、未来の琥珀が魔法を使ったとすると、パラドックスが起きる。
魔法を使う動機が生まれたのが、魔法を使ったあとにあるからだ。
{/netabare}

第7話 なにを話すのか予想してみた
{netabare}
瞳美が気になることを言って終わっているけど、伏線っぽいのがないのでそれほど重要とは思えない。こんな感じかな。

「わたし、そろそろ未来に帰ろうと思うの」

馴染み過ぎて視聴者も忘れてそうだから。
ほかに思いつかない。瞳美は主人公なんだけど、色が見えない以外はそれほどの存在感がない気もする。
{/netabare}

第8話 伏線回か
{netabare}
予想して観てる者には伏線回にしか思えなかった。
色が見えなくなった要因に唯翔が関係しているのは予想済み。

琥珀の相手と考えている古本屋のお兄さんがふたたび登場。かなり有力になったと思う。
さらに、琥珀が初めて魔法を使って、襖に穴をあけた点。これと同じことを瞳美がやってしまったのではないか。穴をあけたのは、未来の唯翔の絵かな。
絵本という新たな伏線が出てきた。現時点ではイラストを唯翔が担当してたと想像するくらい。

何十年もかけて瞳美を過去に送ったんだから、戻すときも何十年もかかると考えられる。だけど、そうならないはず。瞳美が未来に戻りたいと思った瞬間に戻れる気はする。

瞳美のセリフも伏線のような気がしてならない。

部員といるほうがいいと思う心情の変化がわかりにくい。瞳美がいた未来では、冷たい人間ばかりなのか?
問題なのは瞳美の心の内なんだと思う。
瞳美が未来に戻ろうとする心の変化がどう描かれるか、そこが重要な気がする。
{/netabare}

第9話 恋愛要素は伏線なのか?
{netabare}
未来からやってきた人と結ばれる映画はあったけど、その場合、生まれた子供が未来を救うという伏線になっていた。
瞳美と唯翔の恋愛は伏線なのか?

ちなみに、琥珀の場合はこう予想している。
瞳美のために魔法を勉強する→本屋に通う回数が増える→店員のお兄さんと結ばれる

瞳美が現れたことによって、琥珀もあさぎも恋愛感情が大きく変わった、そういう流れなのか。生まれていない瞳美が変化を及ぼすとパラドックスだと思うけど。

瞳美と唯翔の恋愛要素は、別れの切なさを演出するためか。
それなら、別れる以上の未来に帰る理由がないといけない。

第1話を少し見直した。
たぶん、母親とのエピソードがあるだろう。母親が読んだ絵本のなかに唯翔の絵が出てきたのかも。
あと、瞳美に声をかけてきた二人の女子生徒の髪の色は、あさぎと胡桃と同じ気がする。孫じゃないか。
{/netabare}

第10話 ある程度予想できる展開
{netabare}
第1話を見ていたら、今回の話はある程度予想できる。
ただ、こういったエピソードを入れると、ストーリーのバランスが悪くなると考えていた。
なぜなら、

琥珀は魔力を溜めるより、生まれてくる娘の教育方針を考えたり、色が見えなくなる孫の症状を未然に防ぐほうがいいからだ。
運命は変えられない(既定路線)とするなら、あさぎの運命を変えているのが不自然になる。


瞳美を過去に送ったのは、唯翔に会わせるため、と考えるのが自然。
過去を変えるためとは考えにくい。それなら、琥珀が行くほうがいい。

ただし、瞳美が飛ばされた過去で、瞳美を過去に行かせる理由を作ったら、パラドックスになる。
だから、琥珀は理由を知らないと考えられる。

パラドックスを回避するところに、理由があるのかもしれない。
未来に戻る理由は母親に会うため、というのが有望になったと思う。
{/netabare}

パラドックス回避についての考察
{netabare}
問題なのは、時間魔法を使った琥珀の動機。
いまのところ、

瞳美を過去に送ったのは、瞳美が未来から送られてきたから

となっているため、原因(動機)と結果が同じになっている。
瞳美が未来からきたという記憶があるかぎり、パラドックスは起きる。
だから、琥珀(その他大勢)の記憶消去。これがパラドックス回避の必須条件となる。

記憶がなければ動機も消える。さらに、娘や孫の変化に対応していない琥珀の不自然さも解消される。
写真は残るので、瞳美は謎の美少女として語り継がれる。

動機が消えたので、新たに作る必要がある。
書き置きが定番だろう。ただし、

高校時代に瞳美が現れたことを、いっさい書いてはいけない

瞳美に関する情報を与えた時点で、パラドックスが起きるからだ。
60年後に孫が大変なことになるから魔力溜めといて、といったメッセージにするしかない。

未来改変でも回避できるが、このアニメはそういった雰囲気はない。
回避せずにそのままいく可能性はある。
{/netabare}

第11話 そんな魔法を、孫にかけるなよ
{netabare}
レビューを読むと、あまり評判がよくないようだ。
急展開とはあまり思わなかった。
将の前フリがあるから、唯翔の告白はあるだろうし、瞳美もそろそろ帰るだろうから、この二つが同時に進んでもおかしくない。
唯翔が告白した瞬間に、瞳美が未来に帰って、60年後に返事すると予想している。

ただ、時のあわいは唐突。

そんな危険な魔法を、孫にかけるなよッ!

って突っ込んだ。

無事に戻るのだろうけど、瞳美がどの時間帯に戻るかで、少し変わってくる。

1.琥珀が時間魔法を使うまえ
この場合、瞳美は二人いて、一人は花火に行っている。
無事に未来に戻ったので、琥珀は時間魔法を使う決意をする。

2.琥珀が時間魔法を使ったあと
この場合、瞳美は一人だから、問題ない。
だけど、無事に戻ってくるかわからずに、琥珀は時間魔法を使ったことになる。

安全を確認してから過去に送りそうなので、1の可能性が高そう。
ただし、視聴者に突っ込まれる可能性も高くなる。
{/netabare}

パラドックス回避についての考察 2
{netabare}
このアニメのパラドックスを説明するには、瞳美と琥珀にこんな会話をさせるといい。

「どうして、琥珀が高校生のときだったの?」
「だって、瞳美が高校二年のときに現れたから」
「そうじゃなくて、どうして高校二年を選んだの?」
「だからあ、わたしが高校二年生のときに瞳美が現れたからだって」
「そうじゃなくて、ああ、もう、琥珀のばかあ」

琥珀が高校二年を選んだ動機があいまいなのがわかる。
唯翔と恋愛し、瞳美の症状が改善したから、という理由ができても、パラドックスは回避できない。
「高校二年のときに、瞳美が唯翔と恋愛したから、高校二年を選んだ」となるからだ。


・なぜ、瞳美は、あさぎを知らないのか

瞳美が生まれたら、あさぎは会いに行くはず。うさぎのぬいぐるみを持って。
唯翔には魔法を封印した理由も話している。それなのに、幼い瞳美に関わっている様子はない。

歴史の修正力で、記憶が消えていると推測できる。魔法使いにも働くので、瞳美と琥珀からも記憶が消える。

記憶が消えたことで、瞳美を過去に送る動機も消え、パラドックスを回避できる。ただし、時間魔法を学ぶ動機も消え、留学先から帰ってきた理由も変わることになる。
{/netabare}

第12話 なぜ、琥珀に聞かないのか?
{netabare}
高校生=文化祭は定番すぎる。瞳美と唯翔にもっと特別な時間を設けたほうがよかった。
最終回直前なのに、とくに盛り上がりそうな前フリもない。
告白されて色が見えて終わる気がする。

琥珀の"お相手"が貸本屋(古本屋だと思ってた)のお兄さんなのは、ほぼ確定かな。瞳美が首をかしげたのは、ちょっと露骨な演出だった。

幼い瞳美に見せるために、唯翔が絵を描きそうな前フリも見られた。
絵本の伏線があるから、それの回収だろう。だけど、絵本を見せても、瞳美は色が見えるわけではない。都合のいいところだけ未来改変するかもしれないが。

瞳美は過去にきた意味を考えている。なぜ、琥珀に聞かないのか。自然現象ではなく、琥珀が送ったのだから、琥珀に聞けばいいだけ。なんの前フリなのかわからない。

色々疑問点が残っているので、最終回のまえに、考察してみる予定。
・なぜ、高校生の唯翔なのか。未来の唯翔ではダメな理由とは
・未来の病院では治療できないのか
・未来の高校生には、あさぎのようないい子はいないのか
{/netabare}

最終回を予想してみた
{netabare}
1.唯翔が告白した瞬間、瞳美は返事をする間もなく、未来に戻される

2.60年後、家のなかに、瞳美が現れる

3.無事に戻ってきたので、琥珀は、花火を観に行っているもう一人の瞳美のもとに駆けつける

4.過去から戻ってきた瞳美は、金色の魚が描かれた絵本を見つける

5.唯翔からのメッセージとわかり、さらに母親に読んでもらったときの幸せな時間を思い出し、絵本を懐に抱きながら涙する→視聴者も涙

6."時間魔法を使ったあと"の琥珀のもとに、瞳美が駆けつける

7.第1話で声をかけられた女の子たちが、あさぎと胡桃の孫だと気づく

8.花火を見ながら絵を描く高校生男子を見つける

9.唯翔の孫だとすぐにわかり、告白の返事(声をかけるだけかも)をする

10.すべての色が見える→視聴者感動


疑問点を考察したけど、残り1話では解決しないと結論に至った。
だから、シンプルなラストを考えてみた。

あさぎと胡桃の孫を見つけて、意外と近くに『幸せ』はあって、それに気づかせるために、瞳美は過去に行ったのだった……そんな最終回を予想しておく。
{/netabare}

最終話&総評 瞳美の魔法についての考察
{netabare}
色が見える瞬間はもう少し華やさが欲しかった。
モノクロの世界で『幸せ』を見つけたのに、モノクロの世界が瓦解する描き方は違和感があった。
瞳美が瞳を閉じて、ひらいた瞬間、色づけばよかった。ひ・と・みだけに。


【総評】
・作画について
キャラデザも含めて、星5をあげられるレベル。
作画の評価が、そのまま作品の評価につながるのは当然のこと。ストーリーにツッコミどころがなければ、傑作として歴史に残っただろう。

・パラドックスについて
結局回避はなかった。
色が見えたのが先か、時間魔法が先か、考えても答えは出ない。その結果、なぜ過去に送る必要があったのか、というテーマと言えるものが疑問のままになった。
時間のあわいよりは、パラドックスを回避してほしかった

・瞳美の魔法について
人を色で表したシーンがいくつかあった。色=心としていいだろう。いっぽう、瞳美の魔法は、記憶や心のなかのものを具象化(抽象化?)させるものと考えられる。これらのことから

瞳美にとって、色を見ることと、魔法を使うことは同等、なのではなかろうか。

瞳美は、魔法を使えない魔法使いになろうとして、自分に魔法をかけた。その結果、色が見えなくなった。モノクロの世界が瓦解したシーンは、色が見えた瞬間というより、自分にかけた魔法が解けた瞬間と考えれば、また違った感想が出てきそうだ。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

素敵な物語でした

(物語の感想は長いので最後に後回し。「P.S.」以降の文章で少しネタバレに触れますので、そこだけセクションで隠しています)

【作画】ーーーーーーーーーーーーーーー

P.A.Worksらしく、とても美しい作画でした。

特に「色」をテーマにしていること、芸術を嗜む少年少女たちの物語だったこともあり、作中では様々な色彩、画風を取り入れており、物語抜きで評価しても「美しい作品だな」と感じました。


【キャラ・声優】ーーーーーーーーーーー

キャラデザはこれまたP.A.Worksらしく、出てくるキャラはみんな美男美女でした。モブキャラですら美少女なあたり、P.A.Worksの力の入れ様は恐ろしいw

声優さんは、各々キャラクターの雰囲気と完全にマッチしていましたし、演技力も申し分なかったので、しっかり物語に没入できました。

本作は「クセの強すぎるキャラ」は出てこず、物語を無駄にかき乱すこともないので、綺麗にまとまってました。たぶんこの作品はそれで良かったと思います。


【音楽】ーーーーーーーーーーーーーーー

OP/EDともに良かったですが、特にOPの雰囲気が物語の世界観に合っていて、最高に良かったです。Aメロのアルペジオから希望と不安と儚さを感じ、サビでは明るさもありつつ、切なさを感じるコード進行で・・・とにかく美しいと感じました。

映像自体も、サビに合わせて主人公が駆け出すだけでもう・・・期待が膨らんじゃいます(定番ですけどw)。それら全てまとめて「青春だなぁ」と感じられるOPでした。

EDも流石のやなぎなぎさんです。「凪のあすから」の時もEDと挿入歌がやなぎなぎさんでしたが、やなぎなぎさんのバラードとP.A.Works作品の相性は抜群だなって。物語に漂う「切なさ」の面をぐっと引き立ててくれます。


【物語】ーーーーーーーーーーーーーーー

完全に事前情報なしで観初めて、タイトルや イメージデザインからは想像してなかった「ファンタジーもの」で少し驚きましたw 正確には『ファンタジー + 青春』といったところですかね。

イメージデザインでは、制服姿の女子2人(瞳美と琥珀)が描かれているだけなので「よくある青春学園もの」かとは予想していましたが・・・そう単純な話ではありませんでした。物語の導入で「時間逆行」という要素を知り、 俄然 期待が膨らみました。

(追記:順序が逆ですが、最終話を観終えてからPV第1〜3弾を観たら、大事な設定はだいたい説明されてたんですねw)

第一話の冒頭で主人公が抱えている問題(障害)に触れ、この作品タイトルの意味を察してみると、中々に秀逸なタイトルだなと感心しました。「色づく世界」・・・なるほど魅力的なテーマでした。

また、第一話の冒頭、魔法使いの家系である月白 瞳美(主人公)と祖母の琥珀の会話、『高校二年生の私(60年前の祖母)に会いに行きなさい』という導入からしてもう秀逸だな、と。だとすると、現に今こうして相対している瞳美と祖母の関係はいったい・・・と、期待せずにはいられませんでした。

「時間逆行」という導入からして、「結末の展開」はほぼ運命づけられてしまうものの、その過程をどのように描くのかという点で、期待を大きく上回る物語を用意してくれていました。

時間逆行や魔法使いといったファンタジー要素に、部活動の青春や恋愛模様、そして主人公が抱える障害などなど、様々な要素が混じりあう作品でしたが・・・観終わってみれば、それらすべての要素が効果的に機能していたな、無駄な要素は一つも無かったな、という感想に至りました。

物語が目まぐるしく展開したり、劇的な展開があるわけではないので(クライマックスを除く)、人によって本作の評価は分かれるかもしれませんが・・・

私は「登場人物たちの心がどのように動くのか」という点を大事にしており、本作は主要人物たちの心が大事に描かれていると感じられたので、私はとても満足できました。久々に温かい気持ちになれる作品に出会えました。



[P.S.] ここからは視聴済みの方へ

この作品を最後まで好きでいられた方は、最終話を迎えたのち、もう一度 物語冒頭を振り返ってみて欲しいです。なんだったら、もう一度 第1話を視聴するのもオススメです。私はそうしました。

祖母「やっと準備が整ったわ」
瞳美「星砂時計・・・」
祖母「そう。時間魔法の必需品。今日のために60年分、満月の光を浴びさせ続けてきたのよ」

祖母「あなたは今から、高校2年生の私に会いに行きなさい」
祖母「いきなり言われて戸惑うのも無理はないけど、これは決められたことなのよ」
瞳美「どうして?」
祖母「あっそれは・・・行けばわかる♪(満面の笑み)」

祖母「まぁ友達や恋人と別れたくはないとか、そういうのはあるだろうけどw」
瞳美「別に・・・そういうの・・・どうでもいい」
祖母「・・・あなたの悪いクセよ(両頬に手を添えて目を合わすように促す)」
祖母「(抱きしめながら)瞳をそらさないこと。せっかく行くんだから、楽しんでらっしゃい」

少なくとも第1話の時点では、物語の導入のための会話でしかありませんでした。祖母はいたって明るい口調で・・・「時間旅行だと思って楽しんできなさいな♪」くらいの気軽さで話しかけているようにも思えました。

しかし物語の全てに触れた上で、もう一度 冒頭の祖母との会話を思い返すと、全く違う印象を受けるはずです。

冒頭で {netabare}祖母がしたためている手紙、瞳美を送り出すために待ち合わせ場所に向かう祖母の心境、祖母が言った「準備」が指す意味、祖母が過ごした「60年」の日々、そして瞳美を送り届けた場所{/netabare}・・・などなど。祖母の言葉の1つ1つ、祖母の一挙手一投足に、どれだけの想いが込められていたかを想像してみて欲しいです。

琥珀(祖母)が最終話で自分は何者だと自覚し、60年後のその日を迎えるまでにどれだけの「準備」をしてきたのか・・・明確に描かなくたって、明確に言葉にしなくたって、想像に難くないですからね。私はそこがこの作品の一番素敵な点だと感じました。

ちなみに「60年」という時の流れの意味について、作中で触れていましたっけ?触れていれば私の聞き逃しになりますが・・・、とりあえず私なりに妄想してみました。

{netabare}60年とは、単純に「満月の光の “充填期間” としてそれだけの歳月が必要だった」というだけの話なのでしょうか?

私はそうではなく「琥珀が常に時間魔法と向き合い続けても、完成に至るまでに60年という歳月がかかってしまった」ということなんじゃないかと解釈しました。

それは、最終話の琥珀の心の声が裏付けていると思います。

『瞳美を未来に返したのは、私の時間魔法じゃない・・・。そのことは私だけが知っている。瞳美の無意識の魔法が解けることが、旅のリミットだったんだ。未来の私がかけた大きな魔法は・・・今はまだ、届かない。けど・・・いつか、きっと・・・』と。

また、この心の声より前にも「本当にすごいのは、私じゃなくて瞳美の方だった」とも言っていたはずですし。つまり「自分はまだ、何者でもない」ということを自覚しているんですよね。

その『いつか』にたどり着くために、まだ何者でもない自分が、時間魔法を操る『大魔法使い』と呼ばれる域に達するまでに、『60年』という歳月が流れてしまったのではないでしょうか。

ちゃんと時の流れも追ってみましょう。

祖母としての琥珀は、できることならすぐにだって瞳美の問題を解決してあげたかったはずです。もっと言えば『瞳美が問題を抱えることになる原因』を突き止められれば、問題を抱える前にそれ自体をどうにかしたかったはずです。

ただ・・・その原因を突き止めることは叶わず、瞳美が問題を抱えてしまう様を指をくわえて見ていることしかできなかった・・・。また、今すぐどうにかしてやれる手立てもない。史実を知っていながら、何も成す術がなかった。それでもいつかは瞳美の問題をどうにかしてあげたいと、時間魔法を求め続けた。そうやって何度も悔しい想いをしながら、ようやく『いつか』の日を迎えられた・・・。これが琥珀の辿った「60年」の日々なんじゃないかと想像しました。

だからこそ、最終話の現代で再開した際の言葉に繋がるのでしょうね。

『私の願いは、魔法で人を幸せにすること・・・。でも、一番近しい人たちを幸せにすることはできなかった。許してちょうだい・・・』と、涙を流しながら。

そして瞳美からも「ううん。私の方こそ・・・琥珀がどれだけ私のことを思ってくれていたか・・・気づかなくてごめんなさい。私、もう大丈夫よ」と言ってもらえて、そこでようやく琥珀が辿った60年の日々は報われたのでしょうね。

なんかもう・・・素敵すぎです。

それに、祖母は瞳美のことを「単なる孫娘」とは思ってはいなかったってことですもんね。『かつての親友』であり『これから親友になる』という、とても不思議な関係なのだから。

瞳美が生まれてからの17年間、この特別な想いをずっと抑えながら、瞳美の成長を見守ってきたんですよね・・・そんなことを説明されたって瞳美が混乱するだけだから。改めてOP主題歌の『17才』というタイトルも深いなぁ・・・って感じました。

こんなふうに、琥珀はいろんな想いを抱えながら、60年間、時間魔法と向き合ってきたんですよね。琥珀の人生を想像すると、いろんな感情で胸が締め付けられます。

もちろん琥珀は結婚もし、子も孫も生まれ、幸せなことはたくさんあったでしょう。ただ琥珀の過ごした60年、背負っていたものの重みは、常人のそれとは違うものだったでしょうね。{/netabare}

解釈が正しいかどうかなんてわかりませんが、私はこのように「物語の中で明確には描かれなかった背景や心情」に想いを馳せるのが好きです(ちゃんと説明が必要な部分を省かれるのは好きじゃないですが)。登場人物たちの心を、描かれなかった部分まで含めてちゃんと追いかけたいなぁ、と。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

67.0 2 友情で幻想的なアニメランキング2位
ローゼンメイデン (スタジオディーン版)(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (644)
3711人が棚に入れました
ひきこもりの中学生・桜田ジュンの元に届いた一通のダイレクトメール。

まきますか まきませんか

その選択により世界は枝分かれした。
「まきます」を選んだジュンは真紅と出会い、
「まきません」を選んだジュンは真紅と出会わないまま、やがて大学生になっていた。
決して交わるはずのない世界。
だが、ふたつの世界は繋がってしまった…!!
ひきこもりを克服して外に出たものの、自分の居場所を見つけられない「まか
なかった」ジュン。
「ローゼンメイデン」が存在するはずのない世界にやって来た真紅。
その出会いがもたらすものは…!?

声優・キャラクター
逢坂良太、沢城みゆき、千葉千恵巳、田中理恵、桑谷夏子、森永理科、志村由美、野川さくら、真田アサミ、倉田雅世
ネタバレ

pastaくんくん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

視聴中

■イントロダクション

このレビューは,
・アニメに対する全体の感想(放送終了時に書きます)
・各話に対する感想のメモ
・漫画原作に対する感想・布教
の順で構成されます.

■全体的な感想

■メモ
アニメ視聴開始の時点では原作未読

一話
{netabare}凄まじいスピード感でローゼンメイデンの成り立ちや,存在意義を説明していたが,そのへんはわかりやすかった.しかし,主人公の姉がすでにローゼンメイデンの夕食を用意するなど,人形としてではなく生命として受け入れてる当たりにに唐突感が否めなかった.これは,このような演出なのか,時間の都合で端折っているのか,それともローゼンメイデンの前のアニメを見てればわかることなのか不明.しかしながらも,物語の根幹である「アリスドールになるためにローゼンメイデンが戦う」ということに謎めいた設定があるような雰囲気を残しつつも,しっかりと主題をわかり易く提示していたので,続きが気になる第一話であった.{/netabare}

二話
{netabare}いきなりパラレルワールドがはじまったので理解するのに時間を要したが,そこで一話使うのではなく,「まいた」世界とスピーディーに連結したのでだるさがなかったし,真紅の体が急に送られて来なくなったり,「巻いた」世界で何がおこったのかを,良い感じで謎めかせれていて演出が良かった.{/netabare}

三話
{netabare}
このアニメは,シリアス満載のバトルアニメなのか,美少女ドールを愛でる萌えアニメなのか,青少年の絶望を表現するヒューマンアニメなのか,わからない,しかしそれらがうまく絡み合っているのか,スピード感があるので(少しありすぎて主人公の感情描写が唐突すぎる感もあるが),楽しく見れるし,原作を読みたい!って強く思った.
とにかく期待は毎話ごとに膨らんでいっている.{/netabare}

四話
{netabare}今回は真紅をかわいがる回だった.時折デフォルメされてかわいくなる真紅と,美しい真紅,両方とも良い感じ.{/netabare}

五話
{netabare}途中までは雰囲気良かった.主人公の「変化」の兆しや,ドールの可愛らしいいざこざがテンポよく流れていった.後半はすこし理解が追いつかないところがあった.メグと水銀灯の関係,アリス・ゲームは人の命を奪う?指輪をはめることの意味,雪華綺晶があらわれるタイミング,目的,メグの魂を奪った理由(ローザミスティカがほしいんではないのか?),気になりすぎる.{/netabare}

六話
{netabare}・ずっと思っていたが,途中で挟まれる絵本はいつ回収されるのか.
・なぜ主人公は兄貴をみて驚いたのか.いいからいいから,って着いていってなんで帰りたいみたいになってるのか・・
・ドール同士ってなんでこんな変なバトルするのww
・今までの話でわからなかったところも解決されてないし,そのまま話を進められていって,ほんまにようわからんくなってきた.
・まさかアリス・ゲームの考案者になるとかいうそういう設定なのか?輪廻なのか?{/netabare}

■ついに耐え切れず原作を読みました(幻冬舎の方のみ).

原作で説明されるアリス・ゲーム,ドール達の使命,「契約」やローザミスティカの設定の細かさ,ストーリー・テーマの深さ,絵の美しさ,どれをとっても素晴らしい原作でした.

しかし,この原作の内容をうまくアニメにまとめられていないというか,今までの感想にも書いてありますが,これだけ深く濃い内容が前提にあるのに,いきなり巻かなかった世界に突入するのは少々厳しいような感じもあります.

それでも続きが気になるし,謎が気になる作りになっているので,良アニメなのは間違いないのですが,隠された情報量が多すぎてパンクしそうでした.これは新参には敷居が少し高いアニメかもしれません.

七話
{netabare}原作の一部分を読んだので大分わかるようになりました
やはり罠だったのか,しかし世界を再構築することが単純に雪華綺晶の罠で終わるのかどうかは疑問.この作品自体の奥深くにあるテーマと密接に絡んでいるからこそ,単純な罠・バトル展開の一要素で終わらないのでは?と,(ヤングジャンプの方をまだ読んでないので)思います.
一話が終わるのがすごく長く感じます.これはアニメを見ている時に集中して考えてる証拠ですね.良作なアニメ(主にセカイ系,厨二系)ではこういうことがしばしばあります.{/netabare}

■やはり耐え切れなくなって

ヤンジャンの方も含めて,原作全て読みました.素晴らしい漫画です.この漫画の感想も最後に書きたいと思います.しかし,漫画を読んだことでアニメに対する味方が若干異なったのも事実です.その変化を踏まえて今後の話の感想はかきます

八話
{netabare}前半はかなり駆け足しで過ぎていった.会話もあまりなく,描写だけで話を追うのはかなり難しそうな感じだった.原作を読んでいなかったら,前半にもなにか含みがあるのではと思ってしまいかねないような構成だったが,あの辺りがよくわかってなくても大したことはないと思う.
後半の真紅の「人形遊びの手はとめて,その手で扉を開いて外へ出て行くのだわ」というセリフはこの作品のテーマに密接に関わっているのだが,それがうまく伝わっていないような(直接的にはジュンの成長を表現していることはわかるが,ローゼンメイデンの真骨頂(後述)はうまく表現できていないような)気がした.
最初は原作をしらなかったので,謎が謎を呼び消化不良になりかねなかったが,原作を読んだあとだと非常にすんなり見れる.これは原作をしらない新規の人(私も当初そうだった)にとってわかりにくい構成になっているし,新規の人にローゼンメイデンの素晴らしさをダイレクトに伝えられていないかもしれないとおもった.ローゼンメイデン自体の評価は漫画の中でもかなり高いが,アニメでその価値を的確に伝えられていないことからアニメの評価は少し下がるかも知れない.しかしやはりキャラデザなどはすばらしい.{/netabare}


■原作への感想

この作品は,今まで読んだ漫画作品の中でも10指に入る名作だと思っています.この作品のもつテーマ,ストーリーの組み立て,伏線とその回収のタイミング,画力,どれをとっても一級品だと思います.

漫画というものは文字だけで構成されるわけではなく,コマや画,カメラワークによって作品が作られるので,一つのシーンや言葉を多角的に捉えるのが難しい(逆に言えば,作者の考えをストレートに表現でき,それを読者に伝えられる)メディアだと考えています.

しかし,

「ローゼンメイデン」は解釈の仕方が多様に存在し得るところが物語を重厚なものにしていると考えています.一つのシーンや言葉が何を意味しているのか,視点が違えば受け方が違う,漫画でここまで多層にテーマが入り組んでいるのも珍しいし,それなのに破綻していない.バトルは物語内でも揶揄されるほどお粗末なときもありますが,バトル漫画であり,鬱漫画でもあり,青少年啓発漫画でもあり,人間とは何かという漫画でもあり,萌え要素もあり,救いも有り,絶望が有り,ひとことで説明できないとはまさにこのことです.

大きなテーマ以外にもtaleごとにトピックのような物があり,それも多重な構造をなしていることが多いです.カチッとしてないのに,破綻してない,意味がわからなくない.こちらに考えるスペースを多分に与えながらも,どこかに答えを忍ばせているような,それを我々が探しているような.そのような作りになっていて,読者を引き込みます.

どのドールが好きかというのは,話のネタにはなりますが,この作品の本質ではないと思います.絵によってそのような扱いをウケるのかもしれませんが.

これ以上書くとネタバレをしてしまいかねないので,ココらへんにしておきますが,とにかくすばらしい原作なので,一度読んでいただきたい.かなり漫画を読んできましたが自信をもって薦められる作品.

投稿 : 2025/01/04
♥ : 4
ネタバレ

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ゴスロリ...着てみたい...。

ジャンル:
アンティークドール
バトル
ファンタジー

原作 ヤングジャンプ(コミックバーズから移籍した)

作者 PEACH-PIT   (代表作:しゅごキャラ)

ドールのファッションがゴスロリ。
愛らしいドール達(キャラクター)を愛でるアニメでしょうか。
それに合わせているのか、演出もリリシズムです。

雰囲気はとても暗く、泥々した沼に足を吸い込まれるような粘着質で精神にへばりつく類の感情を抱きます。
バトルの描写も幻想的。心理描写もそれに近いです。

不登校気味の主人公の心理描写がメランコリー。
そういう所が、コーヒーのようなコクのある描写につながっているのですけれど。

引っ込み思案な性格な主人公。
社会に上手く馴染めず、デリカシーや優しさの欠片も無い店長を見下して自己を正当化。
というか、そうでもしないとあんな職場やっていけないですよね。
そんな主人公が真紅と出会うことによって変わっていく。
ローゼンメイデンってそういうお話。

ストーリーは、ちょっと甘美的なものを感じるくらいの甘味も含まれます。
構成されている要素はメランコリックな描写が多くて、苦味のあるコーヒーなんですけれどね。
人形のお洋服、心理、契約....。口の中でとろけて消えてしまいそう。

■描写

キャラクター描写は、前作を観てないと分からない所もあるかもしれません。蒼星石、水銀燈の過去話。
比較的、分かりやすいように作られていますので、ある程度の感情移入は出来るのではないでしょうか。人次第ですが。
どっぷりと感情移入しようと思うと、旧作を観る必要があるかもしれません。

■前作との相違点

前作とは違う所は、主人公が大学生だということですね。
主人公が中学生だった時の現実世界の描き方は、どこか夢の中にいるようなファンジターっぽさが強調されていたのですが、大学生になり一気にリアリティが出ています。
それでも、ファンタジーっぽいのは間違いありませんが。

ヤングジャンプに連載されているだけあって、前作がドールの可愛さを描く回があったのに、大衆受けに修正されていますね。

前作は古いアニメなので、最近の作画に慣れている方にはおすすめ出来ません。
それでも、独特な雰囲気が漂っています。癖になるようなゴスロリ感...。
新作の方が大衆受けするような感じ。爽やかで可愛らしいテイストに仕上がっています。

所々に含まれる暗示。
本作には主人公の内面を暗示しているようなシーンが多々あります。
物や登場人物を使って、上手く説明していますね。
{netabare}
過去の自分がドールを渡しに行くのは、過去で失敗した事でも、やり直せるという暗示。
過去の自分がやってくるというのは過去との対比の効果があるといっても良いのではないでしょうか?
{/netabare}


■テーマ「選択肢はいくらでも作れる」
{netabare}
真紅が大学生のジュンと別れた時や十三話を見ればよく分かると思います。
「劇団の美術を担当してくれないか」と誘われたり。
本社の部長に努力が認められたり。
努力をすれば選択肢はいくらでも増えるのです。(不治の病や障害などの異例はあるけれど)

「忘れないで」選択肢はいくらでも作れるのです。
真紅と出会う前のジュンは内気な性格で、過去への後悔を背負いながら生きていきましたが、努力一つで選択肢はいくらでも作れるのです。
過去の自分が登場する展開はその表れなのです。あの時、違う選択をしていた自分が表れる...。生々しいけれど、過去をやり直せると訴えかけるのであれば、分かりやすい演出方法でした。
{/netabare}


番外編



■コミックバーズからヤングジャンプの移籍について
{netabare}
ネット上で噂されていることを簡単にまとめてみました。
既出だとは思いますが、知らない方はお読みください。

コミックバーズで、ローゼンメイデンを連載して、アニメ化も成功して、グッズの売り上げも上々。他誌の作品「しゅごキャラ」も人気が出始めて、PEACH-PITは勢いに乗り始めていました。コミックラバーズで看板とも呼べる位置に見られるようになったのです。

それがコミックバーズの方が気に食わなかったらしく、どうやら「調子に乗りすぎた」という烙印を押されたみたいです。アニメがヒットしたくらいで態度がデカくなったからでしょうか。
そもそもコミックバーズは漫画専門店だけで取り扱われているようなマイナー雑誌なのに、アニメ化の成功した作家に対して、そんな大きな顔が出来るのでしょうか...。
そういった所も突っ込みどころ満載なのですが、コミックバーズの編集者はPEACH-PITに対して嫌がらせを始めます。

ファンからのファンレターも届けずにゴミ箱へポイッ。
わざとなのか、不注意なのかは知りませんが、原稿も無くしてしまったり。

そういう境遇に遂に耐えられなくなったPEACH-PIT
コミックバーズから出て行くことを決意します。
バーズ内で人気のあったメイデンの最終話。表紙は別の作品で飾られていました。

それを集英社が目をつけて、人気だったことから、ヤングジャンプに「移籍しないか?」ということを持ちかけたとのこと。
コミックバーズの態度も最低最悪のいじめっ子と同じことをしているゲスでしょうが、それを利益になるから買収した集英社も色々な意味でやり手ですね。
私としては、しゅごキャラやローゼンメイデンが好きなので嬉しい限りなのですが...。
{/netabare}

■主人公(大学生)は実は作者なのではないでしょうか。(上記を踏まえて。)

{netabare}

バイト店長(コミックバーズ)
大学生(作者)
真紅(ローゼンメイデン)
もう一つの世界(ヤングジャンプ)
中学の時の桜田ジュン(編集者)
もうひとつの真紅の体(新しいローゼンメイデン)
本社の部長(漫画評論家、もしくは世間)

と考えると面白いと思います

コミックラバーズ(バイト店長)は作者(大学生)にローゼンメイデンが流行ったからといって、いい気になっていた作者の事を嫌い、作者に嫌がらせを続けます。

作者(大学生)は自分で作った真紅(ローゼンメイデン)と触れ合うことにより、様々な選択肢があることを知ります。
しかし、作者はそれが自分で作ったものではないレプリカだと知り、落ち込みます。中学生の時の桜田ジュン(ヤングジャンプ編集者)が、「なら、自分の人形を作ればいいじゃないか」と話しかけます

そして、中学生の桜田ジュン(編集者)が新しい真紅の体(連載枠)を作者に渡し、作者はもう一つ世界(ヤングジャンプ)にローゼンメイデン(真紅)を移籍させます。そして、作者自身も最終話で補足されましたがNのフィールドで待ち合わせ(打ち合わせ)をするのです。

少なからず、作者がヤングジャンプ移籍に伴い、その影響を受けていることは事実でしょうね。店長の態度が悪くて、その本社の部長(漫画評論家、ももしくは世間)が来るところなどは、「そこから影響を受けたのではないか」という考察が出来ます。


店長(コミックバーズ)も主人公(作者)の事を認めるしかないんじゃないでしょうかね?

{/netabare}

...ちなみに私が好きなのは水銀燈です><

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

原作者の偏見が酷いアニメ

アニメオリジナルと違って原作に寄せています
1話ダイジェストは自分は気にはなりませんでしたが、肝心のストーリーが無理でした

まかなかった主人公がボロアパートに住んでて負け組・暗いみたいになってて
正直偏見も甚だしいなと思ったからです

原作者はゾンビアローンの時も同様にいじめられっこ?でしたが
原作者はそういう描写を良しとしているのでしょうか?
それにしても偏見が酷すぎると思います


環境論が全てを担っているので、そもそも引きこもりやニートは暗い訳じゃありません 何なら成功している人のほとんどが環境悪ければ引きこもり・ニートなってます これを信じれる人も環境悪い場所いる人だけです

NHKへようこそでも同じように偏見が並べ立てられていて
そうした状態を良しとした人が(社会人は喜ぶので)評価している感が強いです
それとこのまかなかった主人公の偏見が最高潮に酷いなと思いました

「ひぐらしのなく頃にOVA?」と同じように別人の同一人物(真っ赤な偽物系の類)タイプだと思ってます

主人公が1期2期と同じ主人公なら、そもそもボロアパートではなくてあの一軒家に要るはずですから
それに主人公は才能が出来る場所で開花させていると思います
つまりはああいう人生を辿る事など有り得ないのです

ですからまかなかった主人公を悪者のように
根暗にしたところが原作者の偏見的なものかと思いました


こうした事を突っ込むのは野暮かもしれませんが、
漫画、アニメ、ドラマ、映画で引きこもりやニートをこうしたように捉えていて
安易な嫌味な解釈をされているのが凄く鼻に尽きます
こうした状況は黒人差別よりも差別問題に匹敵すると思います

マスメディアもそうしたような捉え方が出来るニートしか記事にしませんから
物語だから仕方ない で済ませられる問題なんですが、多分当事者は凄く嫌な印象を受けるでしょうね

これは美談でも同様にそうした発言が多いと思います
就職しに来た人にニートがいて採用した話なんかは特に
「ニート自身が自分のせいでここまで生きてきました」という題材を元に話している点です
いわば、そうした考えが無ければ「社会復帰不可能」のようなレッテルがそこに存在しているのです
いやば、社会から本当に切り離されて社会不適合という無意味なレッテルと扱いを受けて、どうにも動けなくなります これが「暗く見られる要因」です

つまりは本人の意思関係無く
引きこもりやニートを「暗く見たい」人がかなり多く占めているのです
ですからこうした偏見が酷い描写は少なからず批判しなければならないと思っています コンプライアンスや差別問題をユニバーサル的にどうこうしている昨今ですが、未だに引きこもりやニートは自己責任だのなんだの言ってる人がいてて頭に来ますね そういうので解決されるような安易なものではありませんから

それに引きこもりやニートは悪くありません
環境が悪ければ、勝ち組や成功者になった殆どは引きこもりやニートに至ります それが現実なんです



肝心のストーリーも人形を作っていく事ばかりに集約されてる気がします
成長物語なのかもしれませんが主人公の暗さが自分からも周りからもあって嫌味なシナリオだなと思いながら見てました
スロースタートな成長物語だったんで見るのが苦しかったです


自分はアニメオリジナルな1期2期が好きなんだと思いました
原作品なこのアニメは好きじゃないです
なので評価も当然低いです

投稿 : 2025/01/04
♥ : 1

76.5 3 友情で幻想的なアニメランキング3位
巌窟王 -がんくつおう(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (603)
3364人が棚に入れました
パリの青年貴族・アルベールは退屈な日常に飽き、刺激を求めて、親友のフランツとともに、カーニバルで賑う月面都市・ルナを訪れていた。
そのころ、ルナの社交界では東方宇宙からやって来た謎の紳士、モンテ・クリスト伯爵の話題でもちきりだった。オペラ座でモンテ・クリスト伯爵の姿を見たアルベールはその存在感に圧倒され、成金とも怪人とも呼ばれるその紳士に興味を引かれる。やがて、モンテ・クリスト伯爵との交流を深めていったアルベールは、伯爵の妖しい魅力の虜となっていく…。
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

良作SFミステリー

「三銃士」で有名なアレクサンドル・デュマ・ペールの小説「モンテ・クリスト伯」を元にしたアニメ。
脇役の一人に過ぎなかったアルベールを主人公にしたり、
未来のパリや、宇宙を舞台にしたりとSF色を強くしてる。

制作:GONZO 全24話

一部衣装をANNA SUIがデザインしたり、
作画は衣装や模様にテクスチャーが浮かんだり目に慣れるまで独特ですが綺麗です。
愛と復讐がテーマなので、貴族同士の泥沼満載なので人によっては視聴中ストレスが溜まるかもしれない。
精神的に不安になるような背景と効果とキャラが若干いるので、
ファミリーで観たり、お子様と観るのはオススメできないです。
一人でコッソリ嗜むのがオススメ。

衝撃の18話{netabare}
EDで有人操縦式の人型ロボット兵器みたいなのが出てたので気になってましたが、あれは「鎧」と呼ばれるようですね。
突然鎧で戦う場面見たときは「間違えて違うアニメの録画したかな??」と思うほど世界観とマッチしてなかったですw
その鎧の威圧感と不自然さに爆笑してたら、実はアルベールは一服盛られて
フランツが戦ってると気づき表情が青ざめました。

アルベールのことを「友以上に」想い、伯爵の真の姿を見破って警告していたのはフランツだったんですね。
アルベールは潜伏偵察するときも正面から行こうとしたり純粋ゆえの世間知らずでしたが、フランツのような良い友達に恵まれたことは唯一の幸運でしょう。
フランツが惨たらしい死を迎え、アルベールが叫び、唐突に迫るEDには
あまりにも恐怖を感じて・・18話を観た後は何もやる気が出ずベッドに横たわってはフランツのことを考えました。
普段アニメの内用は引きずらないはずですが、次の日の仕事の時さえ落ち込むほどにこのアニメにハマったことに気づいたのです。{/netabare}

OPとED{netabare}
OPとEDがどちらもJean-Jacques Burnelの曲。
洋楽のアニソンって珍しいですよね。
どちらもモンテ・クリスト伯爵/エドモン・ダンテスの心情を歌った歌詞でOPは「WE WERE LOVERS」最終回で和訳付きで流れるので鳥肌です。
EDは「You won't see me coming」ドラム連打から曲が始まり復讐や恨みを綴った歌で歌詞の中に何度も「エドモンダンテス」と入ってることから23話のクライマックスに繋がります。

<親愛なるアルベールへ>
(20話のフランツの手紙がメッセージ性があったので忘れないように一部記したいと思いました)

「君がこれを読む時はおそらく俺はもう傍にはいないだろう
だからプレゼントの代わりに聞いて欲しい
アルベール・・いいか 決して誰も恨むな
俺、思うんだ

愛する気持ちも、憎む気持ちも、
最初は人を思う気持ちから生まれたんだって
悲しいことに思いは時として相手に届かず愛が憎しみに姿を変えることもあるだろう
そんなときは子供の頃を思い出して欲しい
傷ついても傷ついてもまっすぐにしか愛せなかったあのころを

どうか生き続けてくれアルベール
傷つくことを恐れずまっすぐに人を愛して
お前に逢えて本当に幸せだった」

この言葉があったからこそ、アルベールは誰も憎むこともなく
ただ真っ直ぐに生きて、第一話の世間知らずな少年ではなく
誰かを懸命に愛せる人に変われたのだろう。
この作品のメッセージ性はこの手紙の中にあると思う。
予告で言っていた「待て、しかして希望せよ」の言葉の意味を
最終回のエドモンの手紙で知り、今、余韻に浸る {/netabare}

感想とまとめ{netabare}
視聴時、凄くストレスが溜まった・・
一日一話で見てると前半(特に一話目なんて)穏やかな始まりだったけど
後半に進むにつれて貴族同士の泥沼やユージェニーの両親、エロイーズに凄く腹が立った。ユージェニー可哀想すぎる・・。
アンドレア・カヴァルカンティ侯爵が外面良くしてるのに時々悪意に歪んだ表情を見せるのが素直に気持ちが悪くてスタッフの魅せ方がすごく上手いと思った。
毎回語り手がフランス語でシャレオツって思ってたら22話で語り手が巌窟王と知る。
巌窟王+エドモンダンテス=モンテ・クリスト伯爵と知るまでの過程も丁寧で面白い。
ペッポが女装の美少年という設定を途中忘れて、アルベールがユージェニー奪回する20話は心に染みた。最終回でモデルになったのは意外(笑)
最終回でアルベールが苦労の末に大使の秘書となり、ヴァランテーヌとマクシミリアンが幸せそうで良かった。 {/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 41
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

人は愛するが故に笑い、泣き、そして憎む…。それでも僕は…

(2012/9/9:1週目)
{netabare}1話~9話までは引き込まれるように観ていましたが15話までは少し中だるみ感が個人的にですがありました(^_^;)それ以降は食い入るように観れたので良かったです!

フランツの言葉で印象に残ったのは、「愛しさと憎しみなどは人を思う感情から生み出される」ですね。
モンテ・クリスト伯爵の復讐は人を想うが故に起こった事なのかもしれません…

良い作品でした!まだ観たことがない人はぜひ一度観てください(^・^){/netabare}

(追記:2012/11/30 2週目)
25年前、無実の罪を期せられた伯爵が25年後に復讐相手の家族を巻き込みながら復讐を成し遂げる物語です。

内容は復讐劇だけあって、かなり濃いですが主役は伯爵ではなく、アルベール子爵です。

伯爵の復讐ですが、{netabare}「他人の恨みや妬みと言うものは本人の預かりしらぬ所で密かに成長していくものです。本人が幸せであればあるほど」{/netabare}からもわかるように憎しみを強く抱いています。

ですが、{netabare}ダングラールに復讐を果たす際,伯爵(巌窟王)は毅然とした顔をしていたのに対しエドモンは泣き顔だった{/netabare}ので、憎しみだけでなく友人に手を掛ける事に対する悲しみもあったのでしょう。

そんな伯爵の最大の復讐相手であるアルベール子爵に送った言葉が{netabare}「待て。しかして希望せよ」{/netabare}でした。
なぜ、この言葉を送ったのか?{netabare}「悲しい時に想いが相手に届かず、愛が憎しみに姿を変える時もあるだろう・・そんな時は子供のころを思い出してほしい。傷ついても傷ついても真っ直ぐにしか愛せなかったあの頃を」{/netabare}から思うのは、かつての伯爵はアルベールのような真っ直ぐな性格だった事が窺がえます。

復讐事態は伯爵メインで進みますが、もう一つの復讐(伯爵の大きな復讐の過程として利用された)で観られるカヴァルカンティ候(CV:関智一)の演技力にも目を向けてみて下さい。

伯爵の復讐は絶望、憎しみ、畏怖の念に満ちていたかもしれない。それでもアルベールは{netabare}「貴方(エドモン)のように生きたい」{/netabare}と伯爵の{netabare}死に際{/netabare}に言った。

伯爵の真っ直ぐな愛が何時しか憎しみに変わり、復讐という形で幕を閉じたとしても、それでも僕は傷つく事を恐れずに、かつての伯爵のように真っ直ぐに人を愛する…



以下、楽曲の和訳
(検索したら見つかったので勝手ながら拝借しましたm(__)m)
・OP

{netabare}心にもない残酷な言葉
そして嘘もあった

決して貴女を泣かせるつもりなどなかった

でも愛とは私達を弱くする反面
強くもするもの

そしてまもなく

私は完全に貴女に心を奪われた
貴女に溺れ

自分を見失い 貴女に魅了され
翻弄されて 私は茫然とする

すべては思うままに

だから今宵私は歌おう
全ての友への歌を

二度と会うことのない友へも

昔の友
いまでも敬愛する友たち

そしてもう一度会いたい
友の為に歌おう

貴女が私を愛してくれることを
ただ祈る そして
私を信じてくれることを

私と共に笑い 共に泣き
静かなる時を共に過ごしてくれることを祈る

永久の愛を私に

貴女と私は恋人同士だった

二人の夢が潰えたのは
人生のせいではない

そう友の裏切り

そして私達が結ばれることは
もう決してなくなった{/netabare}

・ED

{netabare}私はもはやかつての私ではない

そして、お前の目にするものは、真実と異なっている
 
私はお前に会う為に、こうして宇宙を越えてきた

未知なる物を恐れる事はない

お前は気付かないだろう

お前は気付かないだろう

私の一撃までは!
                                         
私が一人の男だった時、一人の女性を愛した

しかし今の私は過去から来た化物だ
 
復讐は時間をかけ慎重にやるのが効果的なのだ

遠からず全ては私の思惑どおりになるはずだ

お前は気付かないだろう
  
お前は気付かないだろう

私の一撃までは!

お前は気付かないだろう

お前は気付かないだろう

私の一撃までは!

エドモン

私の名を呼ぶがいい

それが私の名だ

エドモン

それが私の名だ!
                   
エドモン

私の名前なのだ!!{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 31
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

本当に残念だ… 隠れた名作

これだけでも無くせばかなり良かったと思う点
・ホモ臭+女装少年{netabare}(ペッポ){/netabare}
・女性向けを狙ったのかと思わせるキラキラ演出
・23話の {netabare}エドモン・ダンテスへのキス{/netabare}
・テクスチャを使った作画

兎に角ストーリーは素晴らしい出来。
まぁ過剰なホモ演出というか実際ホモは一人でガチホモしいのは無いので男でも十分楽しめる。
ってかちゃんと女の子のヒロインいるので安心して下さい。

ただ如何せん前半のスローペースがキツイかもしれないが
平和な日常→謎が少しずつ判明→後半からの怒涛の結末への流れ
もう兎に角後半の怒涛の流れが面白い。
我慢すればそれだけの見返りはあると思います。
後クズ大人の権力争いやら仮面夫婦やら不倫やらでドロドロします。昼ドラみたいです。総じて親はクズです。ただそこが面白いんですけどね。
後は上記の事柄かな。

もっと突っ込みたい点
・無駄に長くて覚えにくい名前
名前を覚えるのがめんどくさいがまぁフランス人だもんね。
・やたら出演人数が多い
顔と名前と人間関係を覚えるのがry
・人間関係が整理しにくい
まぁ人間ドラマだからしょうがないけど度々wiki見て確認して誰が誰と家族で誰が誰と不倫してるとか確認してるうちにややネタバレ食らったのは痛かった。見てない人は見終わってからwiki見ましょう。


疑問点
{netabare}・なんで少年の女装設定にした?素直に少女じゃダメなの?
・なんで23話でキスした?ハグだけで良かったのでは?これのせいでなんか冷めちゃったんですが…
・なんで23話で親父を置き去りにした?まぁ助けなくても良かったけど母親助かるなら助けたほうがスッキリしない?むしろ親父だけ死ぬなら母親も死んでも良かったのでは?
・23話どうして天井が崩れて崩壊したの?まぁ演出なんだろうけど
・なんでテクスチャとかいうの使った?まぁ後半には慣れてたから気にならなかったけど慣れるのに12話位はかかった。
・どうしてホモ要素を取り入れた?原作もそうだから?フランスなら普通なの?どうして日本風にしなかった?
・フランスってホモ多いの?ほっぺにキスは挨拶なの?
・どうして男のキラキラ演出を入れた?女向けにしたの?それとも煌めいたらいい男に見えるの?
・なんでニューヨークに一緒に駆け落ちしなかった?やっぱホモだったの?伯爵とケリを付けたいからって事でいいのかな?
・前半やたらダレてないか?十数話にまとめたほうが面白かったのでは?
・つかみが足りなさ過ぎない?
・10年程度でのし上がれるのか?
・金の亡者のおっさん何処行った?
・やっぱりペッポは主人公が好きだったの?
・このアニメって知名度高いの?売り上げ上がったの?
・このアニメをダメにした犯人って
友情デザイン - 小林誠?
・巌窟王のフランス語わかんないんだけど?{/netabare}

何はともあれ見どころは後半の怒涛の流れですねぇ~
本当に凄いです。一気にフラグ回収していきます。
そこまでがダレて長いし顔と名前を覚えるのが大変で残念なんですが、8話から解決編へ!12話でムネキュン!頑張って18話まで見れれば泣けるかも?もうその後は怒涛の展開です。
時間があれば是非ともお勧めしたいかもしれない隠れた名作でした。
それからEDマジかっけぇ!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13

69.0 4 友情で幻想的なアニメランキング4位
あまんちゅ!~あどばんす~(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (213)
830人が棚に入れました
 伊豆の町で生まれ育った小日向光と、東京から引っ越してきた大木双葉。ともに夢ヶ丘高校に入学した二人は、スキューバダイビングと日常の何気ない出来事の中に、たくさんの幸せを見つけてきた。かつては何事にも消極的だった双葉だが、明るく前向きな光のおかげで一歩前に踏み出す喜びをいくつも経験。さらに、双葉は念願だったオープンウォーター・ダイバーの実習にも合格し、次はアドバンスド・オープンウォーター・ダイバーを目指すことに。一度きりのかけがえのない高校生活は、まだまだこれからが本番。素敵な日々は終わらない、二人でともに歩む日々が続くかぎり、ずっと。

声優・キャラクター
鈴木絵理、茅野愛衣、大西沙織、梅原裕一郎、伊藤静、久保ユリカ、井上喜久子、山本亜衣、加隈亜衣、洲崎綾
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

相棒(バディ)になるために、自立する

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期に比べ、やや百合成分とファンタジー成分が濃くなったが、安定の癒し系作品。キャラや空気感は流石で、3ヶ月、癒され続けました~♪

唯一残念だったのは、肝心のダイビングの作画かな。もしそこを、P.Aや京アニレベルでやってくれれば、、、というのは、流石に贅沢言い過ぎですね(笑)


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「何でもない時に集まれるのは、特別な人だから」
「ダメな時は現実で、良い時は夢だと思うのはもったいない。良い時も現実」
「他人と過去は変えられないけど、自分と未来は変えられる」
「欠点とかコンプレックスを上手に受け止めると、立派なチャームポイントになる」

1期同様に、名言がたくさん出ましたね。空気感も前作の良さをキチッと引き継いでいましたし、相変わらず癒し成分がこんもり。

ただ、「ダイビング」と「友情」にポイントをしぼった1期に比べ、ファンタジー的な要素や、百合百合しい描写も増え、ちょいと雰囲気は変わった印象でした。

これは好みの問題だと思うのですが、個人的には1期のリアル路線の方が良いなと思いました。本作なら5話や12話みたいな話。

まあ、天野さんは、4話や7~9話みたいな「日常生活に入り込むファンタジー」を描くのが得意な方ではありますが、「ARIA」のような元々ファンタジー要素が強い世界観ではドンピシャでしたが、「あまんちゅ」は現代の日本を舞台にしているので、ちょっと戸惑ってしまいました。

本作に限って言えば、ファンタジーは(せめて4話程度に)抑えて、百合ももっと抑えて、王道の友情・成長物語&ダイビングの魅力を伝えていくような作品が良かったのではないかな~と。

だから、リアル路線での見処だった、てこのアドバンス取得、成長を魅せる部分は凄く好きでした。最終話のナイトダイビングなんかは分かりやすいけど、1話目のシャワーシーンでなんの躊躇もせずにみんなの前に裸で出る、みたいな部分など(初めの頃のてこなら、絶対にやらないだろうから)、日常の細かなところに仲間との絆の深まりや、逞しく成長した様を観られて感動しました。1期のてこは、ただただピカリに憧れて、手を引かれながら自分の殻を破ろうとしていた雛鳥、って感じでしたが、大きく青い空を知り、そこを親鳥(ピカリ)と並んで自由に飛ぶために、どんどん成長をしていく。そんな感じを受けました(それがレビュタイです)。実際に、ピカリもてこからたくさんの「素敵」をもらい、学んでいましたしね。

にしても、やはりピカリは稀有なキャラクターだなと思います。ボーイッシュとも違うし、突拍子もないことはするけど、がさつなわけではないし。元気で積極的だけど、本当は恥ずかしがり屋でたまにちょっとネガティブで。男前で女の子らしい素敵なキャラクター。例えば、お風呂で水着外しちゃって恥ずかしくて出られなくなったシーンとか、普通の(ピカリ的立ち位置の)アニメキャラなら、気にせず出ようとして周りが焦る、みたいになりそうなもんです。でも、絶妙なラインでちゃんと女の子なのが素敵だし、物事の良い面だけを自然体で捉える、大好きなキャラクターです(風呂のシーンで初めてピカリに萌えましたw 細すぎないのも、健康的でピカリらしくて良いですね)♪

あと、てこ役の茅野愛衣さん、流石の演技力です。てこは「心の中の声」も多いんだけど、普通の会話とちゃんと演じ分けされてました。「心の声」の時は、ややトーンを落とし、話し始めを少し溜めるような感じで、普通の会話は、語頭からパーンと声を出すような感じというか。目を閉じて聞いてもちゃんと違いが分かるので、凄いなと。


最後に一言。1期からずっと思っていることを。

あの(制服の)スカート、走りにくそうw

3期あったら観たいですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目○
相変わらず、仲良しだな~。シャワーの後、全裸を恥ずかしがらずに出ていく てこ に、成長(強くなった)と、仲間との関係性の深まりを感じたり。1期最初のころの てこ なら、間違いなく、(女同士でも)恥ずかしがって出ていかなかった気がする。ガラケーから、スマホに(笑) この作品、ダイビングの作画がショボいのが、致命傷なんだよね(汗) ピカリが刀で、てこ が鞘って感じかな。「何でもない時に集まれるのは、特別な人だから」

2話目
君の名は(笑) 秘密が嬉しい、か。信頼関係やな。花火の作画はわりと頑張ったかな、時間的に。

3話目
ダイビングの怖さをちょこっと。てこの成長をちゃんと。何気に、てこの服装がエロイ(笑) どんなイビキやねん(笑) 他人と過去は~って言葉は、松井秀喜さんも言ってたよね、昔。素敵宣言。(作画以外は)どこまでも美しい作品だな。

4話目
久々に制服だが、相変わらず走りにくそうだ(笑) ふらいんぐうぃっちかな? 夢の中だから(笑) 夢の中で夢に気付くの、楽しいよね。ちょいと小説的な話。

5話目○
ふ~ん、ダイビング知識だね。何気にテクニック必要なんだね。まあ、厳しくしないとね、命に関わるし。でも、なぜ初心者を最後尾にするの?

6話目
ハロウィン。一番嫌い(馴染めない)行事だな(笑) ピカリ、妙なテンションだな(笑) 百合百合してますなw 変態じゃかねぇか(笑)

7話目
夜の校舎の階段の静けさ。多分、海の中に似ているんだろうね。だから、嫌いじゃない。ピーター、スゲェ反射神経と身体能力(笑) 姉ちゃん先輩、照れてるw 「楽しい時間はいつか終わるから、ピカピカに輝く」。あまんちゅにしては珍しく、恋愛成分多目。

8話目
なにやらファンタジーだよな~。ちょい微妙。

9話目
まあ、姉ちゃん先輩含め、この作品で恋愛話やるとしたら、ファンタジーでしかできないということなのかな。ほ~、ブルーストライプ(笑) 先生だったのは、意外。まあ、誰が一番素敵かと言うと、間違いなく弟君先輩だなw

10話目
年越しか~。弟君先輩、いつもハーレムだな、蹴られるけどw あまり百合百合するのもな~。一人の時より、大勢の時の方が孤独を感じてた、か。欠点とかコンプレックスを上手に受け止めると、立派なチャームポイントになる。

11話目
ことりちゃん、このぐらいのファンタジーなら好きだな。え~、こころちゃん、男だったの(苦笑) ビックリだわ。

12話目
良い最終回でした。やはり、こういう作風が良い。
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

新たな出会いの予感に満ちた再出発…さぁ、"素敵んぐ!ワールド"の続きを始めましょう。

この物語の原作は未読ですが、天野こずえ先生といえば「ARIA」
「ARIA」といえば、私のお気に入りの棚序列第1位の「ARIA The ORIGINATION」(第3期)
2012年に本格的にアニメの視聴を始めてから不動の1位に輝いている作品…

その先生の書かれた漫画のアニメですもん…「視聴しない」という選択肢がある筈がありません。
もっとも、今期は「あまんちゅ!」の続編に位置するので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

公式HPのイントロダクションを拝見しました。
「美しい伊豆の海と豊かな自然、そしてあたたかな仲間たちに見守られて、二人の少女の絆が紡ぐ"蒼の物語"が、新たに始まります…」

…もう興味しか湧いてこないんですけど!

かやのん演じる大木双葉…中学までは東京に住んでいましたが、高校に入ると同時に伊豆に引っ越してきました。
もともと恥ずかしがり屋で引っ込み思案な彼女でしたが、ぴかりと…そしてスキューバ・ダイビングとの出会いが彼女を大きく変え始めていました。

中学までの彼女の面影を今はもう見る事はできません。
何せ大木双葉…いいえ、でこはもう「楽しいの達人さま♪」なのですから…
伊豆に引っ越してきてまだ1年も経っていないというのに…

この作品を見ると出会いの大切さを痛感します。
良い出会いほど心を豊かにしてくれますし、良い意味で自分を変えることができます。
この作品のでこが良い例です。

でも、出会うだけじゃダメなんですよね。
一番大切なのは、どんな風に同じ時間を共有できるか…
どれだけ素直のありったけでいられるか…
そして相手のありったけにどれだけ浸れるか…

きっと当たり前のやり取りで良いんだと思います。
そこに自分らしさと相手を思う気持ちがあれば十分及第点なんだと思います。

でこは前期でスキューバ・ダイビングとの出会い、ぴかりと一緒に海に潜りたい理由から、バディと一緒にダイビングできる「PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コース」の資格を取得しました。
そして今期はもう1ランク上の「PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コース」の資格取得を目指すことになります。

この作品の素晴らしいのは、言わずもがなですが温かいという単語が陳腐に思えるほどのアツアツの人間関係です。
でもこの作品はそれだけじゃないんです。
題材にしているスキューバダイビングの表現が堪らなく素敵なんです。

海から上がったあとのやり取りでこんなのがありました。
こ「あの、でこさん。」
で「なに?」
こ「やっぱり、怖かったですか?」
で「全然…全然だよ。ライトのおかげで地上と同じ色だから、魚も人も空を飛んでいるように見えるんだよ。」
こ「…。」
で「海の劇場にキラキラのスポットライト…その中で空を舞う水の妖精ウンディーネたち。まるで異世界ファンタジーだよ。」

この台詞だけでも情景が浮かんできそう…
でも、みんなの目の前には、本当に異世界ファンタジーが広がっているかのような神秘的な空間が広がっているんです。
だからこの作品は、きっとスキューバダイビングの魅力を専門誌とは切り口を変えながら余すことなく伝えてくれているのだと思います。

そして絶対に忘れてはいけない人が二人…
水無 茜と姫野 ちずるです。
CVがそれぞれ葉月絵理乃さんと、斎藤千和さん…
もうピンと来た方もいらっしゃると思います。

そう…水無 茜はARIAの主人公・水無灯里にそっくりで声優さんも一緒なんですよ。
苗字は一緒ですしね…
そして姫野 ちずるはARIAの藍華・S・グランチェスタと声優さんが一緒…
苗字の「姫」はARIAの「姫屋」にも通じているのでは…?

この二人のやり取りを聞いていると、いつか定番の台詞が飛んできそうな気がしてなりません。
姫「恥ずかしい台詞禁止!」
水「えー。」

個人的な勝手なお願いですが…葉月絵理乃さんの活躍がもっと見たいです。
きっと仕事にもペース配分があると思うので無茶は言えませんが、改めて葉月さんの台詞が耳に入ると、その次が聞きたくて堪らなくなるんですよね。

オープニングテーマは、鈴木みのりさんの「Crosswalk」
エンディングテーマは、坂本真綾さんの「ハロー、ハロー」
こ、これは甲乙付けられないです^^;

1クール全12話の物語でした。
今期も素晴らしかったです。もう何も言う事はありません。
ですが、個人的にはARIAの構成を踏まえてもう少し先までアニメ化されると嬉しいです。
原作未読なので、予想でしかありませんけれど…
この2期はもう1クール後編があって、ことりたち下級生の成長に目を向けつつ、卒業する姉ちゃん先輩らを送り出す感動のストーリーが2期の後半。
これでARIA2期の「The NATURAL」と構成が合いますよね。
そして集大成となる3期はでことぴかりの高校生活最後の年…
きっと楽しいの達人さま♪らの残り1年を全力全開で過ごしながらお互いの進む道を見つけるんだろうなぁ…
でもこれじゃ「The ORIGINATION」の焼き直しになってしまう…?
そんな事ありませんよね。
それでも涙腺は決壊、破壊、壊滅するんでしょうけど…^^;

投稿 : 2025/01/04
♥ : 17
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

テコかピカリか、それが問題だ

転校してきたテコはビビリ。
中学ではおっかなびっくりながら、少ない友人を見つけてそれなりに幸せだった。
引越しと同時に新しく入った静岡伊豆・伊東の高校で委縮していた。

ピカリは地元で海が好きなダイバー。
頭を固定するネジ穴自体が元々少ないのだが
変であっても思いやりに溢れている。

その二人が出会ったのが一期だった。

時間を重ね、わずか数か月でお互い無二の友人となる。
テコにはピカリとダイビング部という憩いと成長の場を手に入れ
控え目ながら大きな存在感を発揮していた。

もはや彼女を控え目と評価するのは誤りだろう。
声の大きさや口調で人格を断定することの愚かさに気付かされる。
声が小さくても意志の強いもの
いつも元気でも不安に思っているもの
いくつもある人の表側の一つを見てそれがその人なのだと言うのは
それができるのは他人だから、他人で居続けたいからだろう。

ダイビングには資格があって段階分けされている。
テコを除く他の部員、先生は多分色々資格を持っている。
その有無で潜れる所や水深が決まっているのだろう。
それでテコだけが行けない先がある。

ピカリと、ピカリたちと一緒にダイビングを楽しみたいと考え、
アドバンスの資格を取得する決意をする。

何となく、ここでテコとピカリの存在が決別して肩を並べたような気がする。
セットじゃなくて、アラカルトでも認知されているみたいな。


さて、ここからが本題だ。
テコかピカリか、どちらが魅力的かが問題だ。

今、前向きに成長したテコにピカリが大きく貢献をしているのは否定できないが
テコがテコだからピカリは惹かれたわけなので、
テコの魅力のいくつかはピカリに依るものがあると考えられなくもないが
ややこしいのでそんなことどーでもいい!!!

…と引っ張りましたが、この2期で決めるのは脳内大戦争を起こすのと、
すでに↑にある文章の数倍、数十倍を要するのでこれぐらいで。
投げっぱなしの結論で言えばどっちもアリだ。

{netabare}ここまで引っ張ったので一応結論を
顔と髪と雰囲気の好みで言えば断然テコ
笑顔が太陽のように眩いピカリ
ついでに
体も感情もわがまま姉ちゃん先輩
大人なまとちゃん
将来性の塊ことりとこだま、ぜひ作中で身長伸びて欲しいです
こころちゃん…だが男だ、だが男だ

・・・・・・・・・・ピカリかなぁ、けど若い嫁ができたしなぁ。
ハッ、ま、まさか、今後の展開によってはテコにも嫁が!?
どうやら、俺の寿命もここまでのようだ。
高校時代に、学生時代に女の子と付き合いたかった
…さよなら俺の青春、さよなら俺の人生
還暦独身、定年退職できずに数年働き、退職後数週間で孤独死だな。

姉ちゃんの内面が出るようなイベント増えないかな
あんな変則技じゃなくて、もうちょっと味わい深いやつ。
弟くんも何かあったらいいのになぁ

どーでもいいことですが、テコは「てこ」、ピカリは「ぴかり」って文字での認識ですが
読み易いようにしました。{/netabare}



さて、2期の内容。

ARIAでも苦手だった不思議な話があります。
不思議を不思議だけで終わらせるのはそこまでイヤじゃないが、
作中の現実と合わせるのは苦手。
{netabare}まーあの2,3話使った話、
ギャルゲの主人公の扱いもあったししゃーないわな。
姉ちゃん先輩・・・{/netabare}

そう言えば、アニメ作品より先に作中の舞台を観光していたようで幸せです。

新キャラが3人出てきます。そのうちの1人は出番が多い。
色んな意味で心を揺さぶられましたwww

今回はテコさんが大成長した感じですが
成長というより時を重ねて純粋なテコへと磨かれているんだろうな。


二人が卒業してちゃんと大人な目標へと進む後姿を観たいなぁ。
なんか人間関係とか自分とか、前に進むこととか、
地味に考えさせられるステキな作品でしたー

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10
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