勇者で冒険なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の勇者で冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月30日の時点で一番の勇者で冒険なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

57.8 1 勇者で冒険なアニメランキング1位
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(アニメ映画)

2019年8月2日
★★★☆☆ 2.9 (83)
133人が棚に入れました
少年リュカは父パパスと旅を続けていた。その目的は、ゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母を取り戻すこと。 旅の道中、遂にゲマと遭遇し、魔物たちと激しい戦いを繰り広げるパパス。 しかし一瞬のスキをつかれ、リュカが人質にとられてしまい、手出しができなくなったパパスは、リュカの目の前で無念の死を遂げる―― それから10年。故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」というパパスの日記を発見する。 父の遺志を受け継ぎ、リュカは再び冒険の旅にでることに。 立ちはだかるいくつもの試練、そしてビアンカとフローラ、2人の女性をめぐる究極の選択。果たして冒険の先に待ち受けるものとは!?

声優・キャラクター
佐藤健、有村架純、波瑠、坂口健太郎、山田孝之、ケンドーコバヤシ、安田顕、古田新太、松尾スズキ、山寺宏一
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

親から子へ、そして孫へと受け継がれる使命

この物語の原作は、エニックス社が1992年に発売した『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』のゲームです。
そしてドラゴン・クエストⅤは、ゲーム要素だけでなく、壮大な物語でもあります。
それは、親から子へ、そして孫へと使命が受け継がれる感動作でした。

物語は、主人公のリュカが五歳のときから始まります。
リュカは父親と共に、世界中を旅しています。
旅の目的も、その先に何があるのかも、リュカは知りません。
だが、大きな運命の渦に巻き込まれ、リュカは想像を絶する日々を体験します。
{netabare}
以下はドラゴンクエストⅤについてですので、映画ではカットされている箇所や変更されている箇所もあります。
古い記憶なので間違いもあるかもしれません。

父親が亡くなり10年経って、初めてリュカは父親の旅の目的を知ります。
母親のマーサは、リュカが生まれて間もなく、魔界に連れ去られたのでした。
魔界からマーサを救い出すことができる唯一の人物『天空の勇者』を探し出す。それが父パパスの旅の目的でした。

父の遺志を受け継ぎ、リュカもまた世界中を旅します。
長く、辛い日が続きます。

やがて彼は旅の途中で結婚し、子供ができます。
子供が10歳になったとき、リュカはついに天空の勇者を見つけるのです。

そのとき、リュカはきっと次のように感じたことでしょう。
「どうりで父親のパパスが世界中を旅しても、見つけられなかったはずだ…
 だって、そのときは、天空の勇者はまだ生まれていなかったのだから…
 その天空の勇者が、こんなにも身近な存在として現れるなんて…、夢のようだ」と…

そして、マーサを救い出す新たな旅が始まるのです。


また、心にジーンときた箇所を、いくつか以下に書き記します。好きなところだけ読んでください。

パパスと天空の剣: {netabare}
天空の勇者だけが使用できる『天空の剣』をパパスが見つけたとき、
「なんで私には、この剣が使えないのだ…」と、パパスは悔しがり、嘆きました。

きっとパパスは、天空の剣を使い、今すぐにでもマーサを救いに行きたかったのでしょう。
そのときのパパスの悔しさが、心に沁みました。
{/netabare}


ルドマン家の宿命: {netabare}
サラボナに住む大富豪ルドマンは、実は先祖代々から受け継がれた使命を持っていました。
150年前の先祖ルドルフは怪物ブオーンを封印しました。しかし、その封印は150年ほどしか持ちません。
封印が破られたら、もう一度ブオーンと戦い、封印する必要があります。それは命がけの使命でした。

先祖ルドルフから、まだ見ぬ150年後の子孫ルドマンへ宛てた手紙が、とても辛い内容でした。
ルドマン家が娘フローラの結婚相手を募集した真の目的も、実はブオーンと戦える勇者を見つけるためだったのです。
そう考えると、ルドマンもフローラも、辛い宿命を背負っていたのです。
{/netabare}


ルドマンとフローラ: {netabare}
リュカがビアンカと結婚する際、ルドマンとフローラは、結婚式の準備を全て行い、結婚費用全てをルドマン家で支払いました。
本来はフローラのための結婚式だったのですが、リュカとビアンカのために懸命に準備したのです。

二人は凄く心が大きく、清らかでした。
そして、結婚式の翌朝、リュカとビアンカたちが旅立った後、
ルドマンがフローラに、「もう泣いても良いんだよ」と言うと
フローラはルドマンの胸に顔を埋めて号泣します。
実はフローラは、リュカが大好きで結婚したかったのです。彼女はとても立派な女性でした。
{/netabare}


サラボナの町の人のうわさ: {netabare}
サラボナの町の人たちは、ルドマン家を尊敬していました。
でも、ルドマンが娘フローラのために準備した結婚式を、見ず知らずの旅人リュカとビアンカのために行ったことを知ると、
ルドマンのことを「お人好しの馬鹿」のように軽蔑します。その軽蔑の期間は11年ほど続きます。
でも、11年後に、サラボナの町に災いをもたらしていたブォーンをリュカ達がやっつけると、
町の人たちは、ルドマンのことを「先を見通した凄い人」だと、再び尊敬します。

人の噂というのは、いつも無責任であてにならないものです。自分をしっかりもつこと。それが大事だと思います。
{/netabare}


過去へ帰った際のできごと: {netabare}
リュカはゴールドオーブを取り戻すために過去へと旅します。
旅立つ前に妖精の女王は、「過去に行くのはとても辛いことですが、それでも行くのですか?」とリュカに念押しします。
リュカには大切な目的があったので、「行きます」と元気よく答えるのですが…
でも、リュカが旅立った過去は、父親パパスが亡くなる数日前でした。

リュカは幼い頃の自分に会い、「どんな辛いことがあっても頑張るんだよ」と言い、さらに「お父さんを大切にするんだよ」と告げます。

このときの言葉には、リュカの悲痛な叫びがこもっていました。
そして、リュカが過去から現在へ戻る際、パパスの死ぬ瞬間をもう一度見ることになります。見たくもないものを見せられるのです。
そして現在へ戻ってきたリュカは、大粒の涙を流し、床にうずくまります。声にならない叫び声をあげます。
妖精の女王は、そんなリュカの悲しみを察し、しばらくリュカには誰にも会わせないようにしました。

このときのリュカの気持ちは想像を絶する辛さ、悲しみがありました。思わず私も涙を流してしまいました。
{/netabare}


カボチ村での出来事: {netabare}
カボチ村では、怪物が毎晩現れるため、村人は恐れていました。
怪物は農作物を食べ荒らしはしますが、決して人を襲いません。
それどころか、怪物を見て恐怖のあまり足をもうつれさせ怪我した村人を、怪物は背中に乗せ村まで運んだりしました。
でも、村人は怪物を退治することを決め、お金を出し合い、リュカに怪物退治を依頼します。

リュカが怪物に出会うと、それはリュカが昔飼っていたキラーパンサーでした。
キラーパンサーはリュカを思い出し、リュカと行動を共にします。
それを知った村人は、リュカが自分が飼っている怪物で村からお金をだまし取ったと誤解します。
そしてその誤解は最後まで解けずに、リュカ達は村から追い出されます。

人というのは自分勝手な都合で人に責任を押し付ける無責任な生き物です。
そうならないように日々謙虚に生きることが大切だと思いました。
{/netabare}


ポートセルミで聞いた天空の勇者の正体: {netabare}
港町ポートセルミで、「天空の勇者を見た」という人にリュカは出会います。
でも、その人の話をよく聞くと、その人が天空の勇者だと勘違いしていた人は、リュカの父親パパスでした。
その人は、「あんなに強くて立派な人は世界中探しても他にいない。名前はパパスといっていたな」と、盛んに語ります。

リュカは、天空の勇者の話ではなかったけど、その話を聞いて嬉しくなりました。
だって、見ず知らずの人が、リュカの大好きな父親のことを盛んに褒めているのですから。

この話を聞いたとき、私も思わず頬笑みました。
{/netabare}
{/netabare}

私は昔、このゲームをしたときに、物語の素晴らしさに感動しました。
そして原作の小説を読み、涙を流しました。
原作は、NHKの大河ドラマと比較しても遜色ないほどの素晴らしい内容です。

ドラゴンクエストⅤのゲームをされたことがない方は、映画を見る前に少しでもやっておくことをお勧めします。
映画は約100分ほどしかありません。そして主人公が子供の頃の話は、大幅にカットされています。
だからゲームをしたことが無い方は、物語について行けないかもしれませんし、ゲーム経験者の方が大いに感動するシーンも、あまり感動できないかもしれません。

壮大な物語を語るには、あまりにも短い時間でした。
でも私は、この映画が大好きです。

この映画は、ラストが原作と異なっています。
このラストに関しては、賛否両論がありますが、このラストがあるからこそ、ユア・ストーリー なのでしょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 30

スカイオーダー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ザ・ドラクエ(ファンとしては今年一番の映画)

初めて映画を観ていることを忘れるくらい、ドラクエの世界に入っていた。
使われているBGM全てが「すぎやまこういち」さんのドラクエミュージックだからかもしれません。

大げさかもしれないけれど、長年のドラクエファンなので、
アベンジャーズ・エンドゲームのときよりも感激したかも。

また上映期間内に共有できる人と観に行きたいです。

ちなみにレビューで超低評価をしている人が多いかもしれませんが、
それはとある1シーンでのことですが、
本物のドラクエファンであるのであれば
これもアリだと思いました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

瑞樹 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ブームを過ぎて観たからこそ高く評価できた

まず前提として、私はドラクエ5がすごく好きです。

散々ネットで叩かれていた本作。
どんなひどいオチだったか、誰もが大声で語っていたため、観ていない自分もすでに知っていました。

好きな作品だっただけに、「なんで夢オチみたいにしたんだ」と残念がっていました。
でも好きな作品だからこそ、いつかは観たいと思っていました。

ブームを過ぎてみんなの記憶から薄れた現在。
ようやく視聴できました。

面白かったです。
3DCGがよく作り込まれていて、長いドラクエ5のストーリーをじょうずにまとめていて、オチも想像よりひどくなかったです。むしろドラクエ5のファンに配慮したようなところも見受けられて、うれしかった。

事前になにも知らず映画館に行っていたら、たぶんボロクソ叩いていたと思います。
きちんとオチを受け入れた上で冷静に観られたからこそ、「素敵な映画を観た」という幸せな感想にいたりました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

65.5 2 勇者で冒険なアニメランキング2位
ブレイブストーリー[BRAVE STORY](アニメ映画)

2006年7月8日
★★★★☆ 3.6 (443)
2629人が棚に入れました
三谷亘(ミタニワタル)は小学5年生。どこにでもいるような、普通の少年だった。ある日、幽霊が出ると噂される"幽霊ビル"で、要御扉(かなめのみとびら)に出会う。そこを潜り抜けると、亘たちが住んでいる現世(うつしよ)とは違う不思議な世界・幻界(ヴィジョン)が広がっていた。数日後、夜中に目が覚めた亘は、気分転換に散歩に出かけたが、たまたま幽霊ビルで隣のクラスの優秀な転校生・芦川美鶴(アシカワミツル)が上級生に痛めつけられている現場に居合わせてしまう。助けようとした亘もまた暴力を振るわれるが、亘によって解放された美鶴は魔術を使って漆黒のバルバローネを呼び出した。そして、上級生に反撃する。最後には、バルバローネは上級生たちを飲み込み、消してしまった。夢としか思えないその光景が亘の心を掴む。そして美鶴は姿を消した。

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ザ・子供向け!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。2時間の作品。原作未読。
 ボーイミーツボーイから始まる冒険ファンタジーです。キャラが立っていて、喜怒哀楽があって、ハッピーエンドであるなど、子供向けの要素がふんだんに織り込まれています。
 ややペースが早いかなという印象を受けましたが、小学生くらいの子供が2時間飽きずに見続けるためには、このくらいのペースでまくし立てる必要があるのかもしれません。現実世界における起承転結と、ファンタジー世界における起承転結が明瞭なので、分かりにくいという印象は受けませんでした。

 主人公のワタルも友人のミツルも、家族にトラブルを抱えていることが物語の基礎にあります。そしてワタルは、家族関係を取り戻し、ミツルを助けるために冒険を進めていきます。
 子供にとっての根源的な恐怖は、親の死にあると思います。次点として、家族との不和、友人の死や友人との不和といったところでしょう。もちろん大人にとっても同様の問題はあるのですが、子供の世界は大人の世界よりも圧倒的に小さいため、身近にいる家族や友人に関する問題の比重はかなり大きいものだと思います。そのために、作中では、ワタルと冒険仲間との人間関係をあまり描かずに、ワタルとミツルの行動原理である家族関係と友人関係を中心に据えたのだと思います。
 エンディングもハッピーエンドと言えるものですし、子供向け作品としては良作だと思いました。


 ただ、大人の視聴に耐えられるかというと、かなり厳しいものがあると思います。
 大人は、意識しているかどうかは別にして、状況に対する説明を必要としてしまいます。例えば、家族の不和という問題があったときに、子供なら「それはイヤだ」という感情だけで行動することが出来るのですが、大人は感情だけで行動することは困難です。「なぜそうなったのか」「解決策は何があるのか」など、行動するためにより多くの情報を収集しようとしてしまいますし、そのような思考から抜け出すことは出来ません。
 この作品では、家族関係のトラブルは冒険のきっかけに過ぎないものですし、ワタルとミツルの関係の描き方も十分であるとは思えません。主人公の成長の過程やそれ以外のストーリー全般についても説明に不足しています。掘り下げようと思えば掘り下げられるだけの題材は揃っていますが、そこに対する言及は非常に薄いという印象を持ちました。でも、それが悪いというのではなく、大人の行動原因としては不足しているが、子供が行動するには足りるものであるということなのだと思います。つまり、子供が分かる範囲で描いてあれば十分なのだというスタンスに立っているのでしょう。

 物語の最後で描かれるハッピーエンドも、大人にとってはあまり納得のできるものではありません。古典的な手法ですが、病院のシーンとかで「死んだ人に涙が落ちたら生き返った」みたいなものってありますよね。「思いが生んだ奇跡だ!」みたいなやつです。問題解決の方法として、原因と結果にミスマッチが起こってしまっているパターンです。この作品に使われているエンディングは、このような手法の亜種というべきもので、感情以外の情報を求めてしまう大人から共感を得るのは厳しいでしょう。
 ただ、個人的には、子供向けの作品としてはこれでいいのだと思います。ドラえもんでもポケモンでも、いわゆる子供向けを謳っている作品は、ご都合主義だろうが原因と結果のミスマッチだろうが何でも使って、全力でハッピーエンドを目指してもらいたいと思っています。また、こういう手法で満足できることが、子供の特権なのだと思います。大人は楽しめないかもしれないけど、子供なら確実に楽しめる。そういう意味では、この作品は子供向けとして成功したといえるのではないでしょうか。

対象年齢等:
 小学生くらいの、特に男の子に好まれる作品だと思います。
 これ以外の世代の方は、子供向けであることを十分に理解した上で視聴した方が良いでしょう。大人の視点で子供向け作品を見ても辛いだけなので、大人が大人として楽しむために見るのは推奨しません。子供の視点に立てば、楽しめる作品だと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3

メア さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原作との差が

ずいぶん前に見た。

歌(決意の朝に)はとてもいい歌で
 作画もよかったと思う。

話自体も悪い内容ではない。
 ないはずなんだがなぁ。
  なんかいろいろ省いたり潰したりしすぎてよく分かんない内容になってしまった作品な気がする。
特に後半。

とりあえず、これ見て面白かったが気に食わない人は宮部さんの小説でも読んでみてください。
確か3部構成(上・中・下)だったと思う。
 違ってたらすいません。じきに調べます。
原作のほうが話の中身が(圧倒的に)多く、感動(?)シーンや悲しい(?)シーンがかなり追加されてます。こっちが原作だから追加って表現ははおかしいけど。

話自体は王道ファンタジー。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4

Daiki@キツネ子 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これはボクの勇気の話

すっごくひさしぶりです!
このアニメを観たのは^^

自分はこの作品がすっごく大好きです!

自分がまだ小学生低学年のころに何度かみて
そのときちょっと感動したのを覚えています。

主役は小学生のワタル君とミツル君で
ミツル君は少し大人っぽくて違和感があると思う。

このアニメはファンタジー系であんましバトルとかは
ないです。

でも少し迫力があると思う。

このアニメの見所は自分的に後半ですね、
多分だけど感動すると思う

というより感動してほしい!

このアニメは人気がないようで少し残念です
でも理由が原作の話を映画ひとつに詰め過ぎたせいなんですよね
(そんなこと知らずに好きだったんですね・・・自分)

でもどうか暇つぶしにでもいいので
見て欲しいなと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

71.2 3 勇者で冒険なアニメランキング3位
モアナと伝説の海(アニメ映画)

2017年3月10日
★★★★☆ 4.0 (46)
280人が棚に入れました
世界中で愛されるディズニー・アニメーションの魅力のひとつであるヒロインの歌声も今作も健在だ。数々の伝説が残る島で生まれ育ち、幼い頃の「ある体験」がきっかけで海と運命的な絆で結ばれ、「海に愛される」という特別な力を持つようになった16 歳の美しい少女、モアナの物語。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラプンツェル、アナ雪を正当に受け継ぐミュージカルでありつつレッドタートルからのマッドマックス+ウォーターワールドがロードオブザリングなもののけ姫!?

ディズニーによる長篇3DCG映画
『リトルマーメイド』『アラジン』『プリンセスと魔法のキス』を手掛けたロン・クレメンツ&ジョン・マスカーの黄金コンビが挑む初のCG映画でありつつ、『ラプンツェル』や『アナ雪』の流れを正当に受け継ぐミュージカル映画
今回オイラは字幕で観ました
今のところ日本では2Dのみの公開ですが後出しで3Dも公開されるようです


舞台はオセアニアをモデルとした無数の島が点在する南国
伝説では女神テ・フィティが命を作り出すとされていた世界で、半神半人の勇者マウイはある日「テ・フィティの心」とされる翡翠色の石を盗み出した
しかし「テ・フィティの心」を狙う火の神テ・カァとの争いで「心」とマウイにもたらされた変身能力の源である「神の釣り針」が失われてしまう
この伝説を祖母から聞かされた村長の娘、モアナ
彼女は「海に選ばれた者」として島を出て、珊瑚礁を越え、海の向こうのどこかにあるというテ・フィティの島へ「心」を返すという運命が待ち構えていた
海の向こうの世界に興味をそそられるモアナだったが村長である彼女の父は頑なにモアナが海に出ることに反対し、次代の村長となるため島に留まるよう言い付けるのであった
しかしテ・フィティの心が失われたことで広がっているとされる「闇」がモアナの住んでいる島にも迫り、椰子の木は枯れ、魚は消えていった
モアナの祖母は自身の死期が迫る中でモアナに「選ばれた者」としての使命とかつて先祖達は島を渡り行く船旅人だった証である船を彼女に残す
モアナは大海原にたった独り、「心」を返す冒険に出る事を決意するのであった・・・


『アナ雪』の大ヒットも記憶に新しいところではありますが、『ベイマックス』『ズートピア』とディズニーではミュージカル以外の映画が続いていたので今回は『アナ雪』以来となるディズニーらしい王道ミュージカル映画となっています
序盤は世界観や心情を表す歌が絶え間なく流れ続け、まさに『アナ雪』のディズニーが帰ってきた!感が伝わってきます


これだけで往年のディズニー映画好きにはたまらないところではありますが、中盤から登場する勇者マウイ
彼の体には、彼のこれまでの生き様を示したタトゥーが自動生成されアニメーションする、という魔法がかかっているのです
このタトゥーのアニメ自体は昔ながらの2D、つまりセルアニメの手法で描かれるのでこれには往年のディズニーファンはきっと心をくすぐられる想いでしょう


その一方で、3DCGとしたことで表情を変えていく波の表現や「海」そのものがキャラクターとして物語に絡んでくる様、さらにはオセアニアの彫りの深い人々の表情など2Dには難しい部分の表現を豊かにしています


そしてこの映画、一番驚かされるのが一見いつものディズニープリンセスものとして始まっておきながら、中盤以降は『ベイマックス』や『アーロと少年』をも上回るアクション大作となっているところでしょうw


あまり詳しく書けないのがもどかしいですが、それこそ『マッドマックス』+『ウォーターワールド』な戦闘シークエンスや『ロードオブザリング』や『もののけ姫』を思わせるクライマックス、そして最近ではヴィランズらしいヴィランズを描かなくなったディズニーでは久々に痛快なまでの【悪】として登場する蟹の怪物タマトアの攻防など
縦横無尽に展開する手に汗握る大冒険は全ディズニー映画の中でも随一と呼べる出来だったでしょう


普通にアクション映画が好きな人も観て損は無いと思います


個人的に惜しい、と思うのはストーリー面やアクション面ではなくオリジナルのモアナ役のアウリイ・クラヴァーリョ、吹替版の屋比久知奈、日米共にモアナの声優がイマイチだったことですね
もちろん歌は上手かったのですが、声優としてはまだまだかな、と
それにオリジナルのマウイ役で「ザ・ロック」ことドウェイン・ジョンソンが役への入り込みも歌も上手いってことで完全に美味しいところを持っていってしまっているのも気になりましたね
もう彼で一本映画作ってしまえよ、と


それと先述のとおり「海」という立派なマスコットキャラがいて、コイツが『アラジン』の魔法のじゅうたん的なサイレントマスコットとして機能してるにも関わらず、コレとは別にニワトリとブタのマスコットが出てくるのはちょっと余計でした


また、音楽もオイラとしては南国が舞台なのだからハワイアンやガムランやタスマニアミュージックがガンガン流れるのかと勝手に思ってましたが、そこはやはりアラビアンナイトにポップソングを流してしまうディズニー
良くも悪くもディズニーミュージカルなのです
実際は南国音楽2割、カントリー2割、レゲエ2割、エピック4割って感じでしたね
細かいことですがオイラは『ソング・オブ・ザ・シー』のケルト音楽の様に舞台となった世界観を象徴する音楽がバンバン流れてくる方が好きですね

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

海に選ばれし少女・モアナ。盗まれた海の心を返す旅。

ディズニー長編アニメーション56作目。

110分ほどの作品です。

● ストーリー
モテゥヌイ島に伝わる伝説。

女神の島テ・フィティには不思議な力があり、
命を生み出すことができた。そして世界は命で満たされた。

しかし、マウイという男にその心を盗まれたことにより、
海を闇が浸食し始めた。

しかし、すべての海が闇に侵食される前に海に選ばれし者が現れ、
テ・フィティに心を返す日が来るはず…。


海と南の島が舞台。

モアナが海に選ばれた者だとわかり、
テ・フィティに心を返すための旅をするもの。

全体的に飽きずに楽しめましたが、
冷静に振り返ると、ストーリーはそれほど特別なものではありません。

だけど、
歌とキャラと映像で観客を楽しませる技術が秀逸なのです。

合間合間に挟まるミュージカルを使った
ストーリーの見せ方が素晴らしい!

すっかり魅せられてしまいました♪


● キャラクター
主人公のモアナは、
村の掟や両親の気持ちを気にしながらも
海への憧れが捨てられない少女。

自分のやりたいことも、
村の人たちのことも、
自分が大切にしたいことのために行動する少女。

ディズニーの主人公らしい、
まっすぐな子です^^


伝説に登場し、
モアナと共に旅をすることになるマウイ。

筋肉で巨体。
筋肉?なんだか柔らかそうな体だけど。笑

全身、自分の伝説のタトゥーでいっぱい。

タトゥーの中で動き回るミニ・マウイが
私の中ではベストキャラ♪

マウイの本心を表す、
まるで相棒のような存在が可愛い^^

これはナイスアイデアだな~。


● 音楽
ミュージカルな表現が主体にあるのか、
挿入歌はかなり多め。

音楽と映像を合わせた表現方法は
もはやディズニーの代名詞とも言えるでしょう。

今回もクオリティ高すぎ!


【 「どこまでも~How Far I’ll Go?」/ モアナ(cv.屋比久知奈) 】

この作品の主題歌です。

青い海に広がるような、
伸びやかな歌声が気持ちいい♪


【 「俺のおかげさ」/ マウイ(cv.尾上松也) 】

今回映像も合わせて一番好きなのがこの曲かも。

本編は3Dコンピューターアニメーションメインの作画。
その中で、セル画と合わせて作られたこの映像。

テイストの違う作画が合わさると、
こんな世界ができるんだと見入ってしまいました。

ただでさえリアルな人物。
そこに絵が加わると、人物のリアルさがより際立って、

まるで
実写にアニメ―ションが入り混じっているような錯覚に陥りました。

いやー、素晴らしかった。


● まとめ
ストーリーに大きな捻りがない分、
子どもも抵抗なく楽しめると思うけれど、

雰囲気としては
子どもより大人のほうが好きになれるタイプの作品かもです。

私は全体的にミュージカルシーンがお気に入り♪
サントラも購入予定^^

同時上映され、DVDにも収録されている短編アニメーションの
「インナー・ワーキング」も大好き♪

ぜひモアナと合わせてお楽しみください^^

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これぞディズニーの海!!

とても良かったです。ディズニーの音楽の使い方やっぱり素晴らしいわ。

自分は心が振り切れるほど共感及び感動を覚えた作品には甘めの評価になります。(^^;;

モアナは、ディズニーが描く美しい海を大画面で見るために劇場へ行きました。CMで聴いた主題歌は、美しいメロディーだなと思いましたが、アナ雪ほど印象には残っていませんでした。
でも、そこに映像が乗ると音楽の良さが倍増して、とても心を打つ演出となりました。

{netabare}
主題歌が掛かるシーンでは二度涙腺に来ました。あの演出はずるい!死者に見送られて船出するとか。泣くでしょ。
お婆さんが亡くなることは容易に予測出来たし、エイの入れ墨の話からそういうシーンは来るんじゃないかと思ってました。でも、やっぱり泣けるからずるい。
島の先人達の霊も皆モアナを見守っている。映像の美しさと雄々しさに圧倒されっぱなしで、あの手の演出には弱いらしい自分。最近人の死に直面したばかりだからかもしれませんが。あれはずるい。
{/netabare}

ストーリーは南の島を題材にした王道ファンタジー。愛と勇気と友情、そして神々の伝説と冒険。これ嫌いな人はいないでしょ?
突っ込みどころがないわけじゃないし、期待通りの(予測しやすい)ストーリーだけど、主人公が決意し、挫折し、また立ち上がるという感情の起伏の作り方がとても上手く、また観客をぐいぐい引き込んでしまう演出が見事でした。気持ち良く乗せられました。

あと、巷ではマッドマックス呼ばわりされているようですが、モアナがまるでピーターパンのようでした。強過ぎる!(流石アメリカンシネマ)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18

75.8 4 勇者で冒険なアニメランキング4位
映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(アニメ映画)

2020年9月11日
★★★★☆ 4.0 (21)
111人が棚に入れました
自由なラクガキをエネルギー源として空に浮かぶ王国、その名も「ラクガキングダム」。しかし、時代の流れか、近年地上でラクガキを目にすることも減り、王国はエネルギー不足により滅びようとしていた…。「ラクガキングダム」の王国軍は国の命運をかけて、地上への進撃を開始!! その下にはなんと、しんのすけたちが暮らす春日部が!! 描いたものが動き出す、王国の秘宝「ミラクルクレヨン」を与えられし勇者は…まさかの“ちょ~お気楽5歳児”野原しんのすけ!! 果たしてしんのすけは、ほほ~いと描いたラクガキたちと世界をお助けできるのか!?

声優・キャラクター
小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、神谷浩史、山田裕貴、りんごちゃん、きゃりーぱみゅぱみゅ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

やっちゃえば~、ラクガキは春日部を救うぞぅ

 劇場で初めて令和になってから、クレヨンしんちゃんの映画見たです。クレしん映画において、やたらトラブルに巻き込芽れる春日部だなぁです。クレしんにしては、音楽も何だか凝った感じがしたです。

 空に浮かぶラクガキングダムが崩壊の危機にさらされていていです。ラクガキングダムの防衛大臣の陰謀???により、「ウキウキかきかき作戦」が決行されるのを防ぐため、ミラクルクレヨンが宮廷画家により、勇者として野原しんのすけに託されることにです。
 制圧された春日部を奪還するため、しんのすけや、ミラクルクレヨンから生まれた、ブリーフ、ななこお姉さん???(ニセななこ)、ぶりぶりざえもんと共に、ユウマも途中加えて立ち向かうお話だったです。
 ラクガキがテーマなだけに、しんのすけがラクガキで奇跡を起こす展開は見所です。

 ブリーフ、ニセななこ、ぶりぶりざえもんが、しんのすけに引けを取らず個性的だったです。
 終盤、自分の身を顧みないブリーフ、ニセななこの決意行動は、胸を打たれるです。
 ぶりぶりざえもんも相変わらずで、お調子者で一瞬敵に寝返る行動もとるけど、良いところもあったり、大活躍するので必見です。

 前半、可笑しな乗り物に乗った、変な格好をした兵士たちが、春日部を襲撃するところは、非常識と非現実すぎる行動で、クレしんえいがらしかったです。

 やはり、相変わらずなしんのすけが、全体的にらしさを占めている印象がしたです。ミラクルクレヨンをどう最後使っていくのか?しんのすけも含めて、ユウマもやさしさを見せてくれたと思ったです。

 一番印象に残ったのは、終盤のラクガキから出てきたものもそうですが、前半の春日部に戻ろうとする、しんのすけ、ブリーフ、ニセななこ、ぶりぶりざえもんの行動、ユウマとの出会いと行動を共にする展開だったです。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 5

ハルヒ激love35 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

下手したら将来、令和最高傑作と言われかねない、歴代でもtop10には入れる傑作

ハイグレ~ジャングルまではビデオやらDVD、オトナ帝国からず〜っと毎年足を運んでいますが、今作は久々にきましたね〜。
初めてですね、”クレヨンしんちゃん”というタイトルを回収した作品は。ニセななこお姉さんは間違いなくヒロインです。最後は涙無しではいられなかったです。
あとぶりぶりざえもんのカッコ良さ、これはブタのヒヅメ以来じゃないでしょうか。救いのヒーローの名は伊達じゃないです。
サブキャラの無駄のなさや、子ども達が頑張っているのに対しての大人達の反応、風刺的な描写もあり大人向けとしても好評価です。
いやほんと、声優とか時代とかじゃないんですよ。
声優が交代したから、昔の作品の方が出来が良かったとかでスルーされてる方々、勿体ないですよ〜

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まさにタイトル回収作品

シリーズ28作目。

「クレヨンしんちゃん」というタイトルを回収するかのような作品。素晴らしい作品だった。
{netabare}
不意打ちだった。ここ7年は橋本監督と高橋監督が交互に手掛けていて、この2人によって当時暗黒期だったしんちゃん映画をここまで立て直してきたわけだけど、ついに今年新しい監督に代わるということで(しかも順番的には高橋監督で私は高橋監督の作品が好きだったため)、正直期待せずに劇場へ足を運んだ。
それがまさかこんなロボとーちゃん以来の感動作を見せられるとは思いもよらなかった。

作画も綺麗で良く動き、音楽にもこだわりを感じた。そして何より脚本がかなりの仕上がりだった。
前半から伏線が散りばめられ、物語の終わりにかけて回収していく様が気持ちいい。
今回は野原一家やカスカベ防衛隊すらほとんど活躍しないという珍しい作品ではあったが、過去作で見たことがあるようなシーンも多く、過去作へのリスペクトを感じた。
しかも毎度おなじみになっていたねんどアニメをOPでなくEDにもってくるなど、既存のルールに囚われない挑戦的なところも兼ね備えていた点も評価したい。

おなじみキャラを封印したとは言え、しんちゃんの孤独な戦いかと言えばそうではなく、落書きによって生み出されたブリーフ、ななこ、ぶりぶりざえもんがそれぞれ魅力を持って描かれ、終盤の演出にそれぞれが一役買っている。

前半は冒険もので、終盤はしんちゃん映画としては珍しい殺伐とした画を持ってきていたが、最後は「カンフーボーイズ」や「B級グルメ」のような歌と映像によって突き抜け、そのカタルシスを表現している。

おそらくぶりぶりざえもんが劇場でしゃべったのは「ブタのヒヅメ」以来だと思うので、それも感慨深いものを感じた。ぶりぶりざえもんの人間臭さが相変わらず良かった。
誰しも生きていれば長いものに巻かれなければいけない瞬間ってあると思うんだけど、そんなぶりぶりざえもんが悩みながらも最後には良い行いをするというところに私たちはロックを感じたり、勇気をもらえたりするのではなかろうか。

京極監督、最初なめててすみませんでした。お見逸れしました。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3
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