伝奇で幻想的なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の伝奇で幻想的な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月19日の時点で一番の伝奇で幻想的なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.7 1 伝奇で幻想的なアニメランキング1位
蟲師(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (1967)
10557人が棚に入れました
「蟲」(むし)は作者の創作であり、我々が一般的に知っている「虫」いわゆる「昆虫」ではない。「蟲」とは、我々の世界でいえば幽霊や妖怪のような存在がそれにあたり、霊能力者を「蟲師」(むしし)という「蟲」専門の医者、かつ研究者、退治者としている。
時代設定については「鎖国を続けた日本」、もしくは「江戸期と明治期の間にある架空の時代」といった所との事。ゆえに作中においては、登場人物は主人公を除いて全員和装をしており、登場する風景も日本の原風景を思い起こさせるようなノスタルジックなものとなっている。
本作は、「蟲師」である主人公ギンコが「蟲」により引き起こされる様々な謎を解き明かしていく物語であり、基本的に一話完結で物語が構成されている。

声優・キャラクター
中野裕斗、うえだゆうじ、土井美加
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

完成度が高く、催眠術のように人をひきつけるアニメ

原作未読。

「蟲(むし)」と呼ばれる下等で生命の根源に近い存在。
その蟲の専門化である「蟲師(むしし)」のギンコ。
彼の旅の回想録、1話完結の全26話です。


いやー、ハマりました!

まず、独特の雰囲気がポイント。
和風で静けさを持った風景が、ノスタルジーを感じさせます。
そして、光、闇、色、音、声、間の取り方。
どれもが、まるで催眠術のような空気感を作り出し、画面にひきつけられます。


ストーリーは蟲と呼ばれる、人ならざる存在に関するものです。
しかし、動植物や妖怪や幽霊、八百万の神々のどれとも異なります。
動植物ではないが、何かをよりしろにすることで生命活動を行っている存在。
それも、「音」「文字」「夢」などの抽象的なものに支えられて生きています。

そんなあいまいなものからヒューマンドラマを展開する発想力はお見事です。
そして、1話完結にも関わらず、初めから終わりまで安定したクオリティです。

なお、ハッピーエンドとは限らず、疑問を残すような終わり方も多いです。
これを良しとするかは人によるでしょう。
しかし、テーマにつながっているのは確かです。


テーマは「命のあり方」といったところ。
人も蟲も命ある存在です。
しかし、人も蟲も「そこにあるだけ」で互いに影響しあっています。

ただ生きているだけで相手を傷つけてしまうこともある。
そんなとき、何を優先するべきなのか? 共存の道はあるのか?
ギンコの旅を通して、さまざまな考え方を表現しています。
{netabare}
人にも蟲にも罪はありません。
ギンコはあるがままを受け入れ、共存できる道を探しているように見えますね。
他の蟲師のやり方(蟲退治)を嫌がっている面があります。

12話で明らかにされたギンコの過去。
ギンコはぬいと一緒にいた記憶が失われているはずです。
しかし、彼はぬいと同じ考え方を持っています。
トコヤミや光脈に触れたことによる影響なのかもしれません。

つまり、その根源である蟲たちの行動原理も、ギンコの行動から読み取れるのかもしれません。
その方法が「あるようにあるだけ」なのかも。
{/netabare}

テーマは深いですが、そこまでシリアスというわけではありません。
ギンコがおちゃめな点を見せて、ちょくちょく笑わせてくれます。
その他の登場人物は、1話完結のせいもあって覚えにくいです……というか覚えられません。
まあ覚えなくても問題ないのでご心配なく。


1話ごとに深みがあり、全体的に解釈が難しいです。
また、穏やかな雰囲気に飲まれ、見ていると眠くなるかも。
しかし、かめばかむほど味の出る話。
1周目では、出来事を追って終わってしまった話も、2周目には、別の意味が見えてきたりします。


ジャパニメーションの力が存分に発揮されていますね。
完成度が高く、人をひきつける力を持っています。
しかし、内容の抽象性を考えると、考察が好きな人や雰囲気アニメが好きな人に合う作品だと思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 105

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

原風景の中の幻想美

ほとんど何の予備知識もなく観始めた初回。
まず、Ally Kerrの歌うOP「The Sore Feet Song」で唸ってしまった。
なんて柔らかで、やさしいんだろう。
整備された庭ではなく、自然そのままの草原のきらめき。
そんな印象からも、物語に対しての期待が高まった。

透明感のある作画も、無駄のない音楽も、どこか懐かしい。
今まで観たどのアニメ作品とも違う新しさを感じつつ、
1話完結型 全26話の物語に、どんどん惹き込まれ、
架空の話のはずなのに、すごくリアリティがあり、
実際に蟲も蟲師も存在するのかも・・と信じたくなるほど。

きっとそれは、多くの現代人が失ってしまっているような
魂レベルでの原風景との出逢いを、そこに感じたからなのかもしれない。
そしてたぶん、蟲が人間の言葉を使ったりしないということも大きかったように思う。

主人公は蟲に関するあらゆる事件を扱う、蟲専門の医者、研究者であるギンコ。
また、ギンコ以外は、ほぼ1話ごとに登場人物が違うのも特徴。

これまで、霊的なものや妖怪、怪異など扱った作品はさまざまあったが、
この『蟲師』で描かれる話は「蟲」により引き起こされる様々な謎を解き明かしつつ、
人に憑依して害を及ぼすような蟲であっても、むやみに退治するというのでもなく、
登場する人物の背景によっては、決してハッピーエンドでもないので、
そういう部分でもリアリティを感じたのかなと。

そしてなぜそうなのかを考えれば、蟲というものは結局、
生態系の中に生まれる精霊に近い、命の源流のようなものだから、
自然と人とのベストな距離を保ちつつ、本来は共存していくべきものなのだろうと、
観ている間そんなことを考えていた。

ちなみに、EDも各話ごとに違い、曲も幽玄の世界というか、心の奥を
そっと叩いてくるような静かで美しい曲ばかりなので、じっくり余韻に浸れる。
同時に、この作品の丁寧な作りに驚かされながら、スタッフさんたちの愛情も感じた。

どの話も秀逸と思うけれど、個人的に特に心にやきついているのは
「緑の座」「瞼の光」「沖つ宮」「籠のなか」「暁の蛇」「一夜橋」「綿帽子」「春と嘯く」

しみじみと、人間というものの儚さを考えさせられ、
そんな命を大切にしたくなる作品だった。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 98

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「蟲」も「人」もそれぞれが「在るように在るだけ」

この物語を見るにあたって
まず「蟲」という存在をよく理解する
必要があります。

この物語の「蟲」というのは私たちの知る昆虫の「虫」とは
異なるものです。特に違う点は非常に「霊的」な
存在であるということです。なので
ほとんどの人には見えません。

しかし 私は本質的には「蟲」と「虫」は
似ていると思います。
「蟲」は生命を育む過程でさまざまな現象を起こします。
それは我々人に影響を及ぼすものもいれば
そうでないものもいます。
それは昆虫の「虫」も同じです。
例えば 
蚊が産卵のために人の血を吸ったり
蜂が巣を守るために人を刺すなど
大なり小なり人に影響を及ぼすものです。

つまり「蟲」と「虫」との違いは
人に見えるか見えないかだけの違いだと思います。
この作品はその見えないもの「蟲」が
私たち人にどのような影響を及ぼしあるいは
現象を起こすのか…
その「蟲」と人がどのように関わっていくか…
という所が見どころだと思います。

「蟲」が人にあたえる影響には
人にとってとても害であり
悲しかったりするのもあります。
ただ 注意してほしいのは
どこかの怪物や悪霊みたいに意味もなく
害を及ぼすのではなく
「蟲」も人も生きるために
それぞれが「在るように在るだけ」ということです。

続章とても楽しみです^^

投稿 : 2024/12/14
♥ : 94

73.6 2 伝奇で幻想的なアニメランキング2位
蟲師 続章(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (728)
4007人が棚に入れました
およそ遠しとされしもの──下等で奇怪、見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達。それら異形の一群を、ヒトは古くから畏れを含み、いつしか総じて“蟲"と呼んだ。時に蟲はヒトに妖しき現象をもたらし、そしてヒトは初めてその幽玄なる存在を知る。ヒトと蟲との世を繋ぐ者──それが“蟲師"。すべての生命は、他を脅かすために在るのではない。みな、ただそれぞれが、在るように在るだけ──。

声優・キャラクター
中野裕斗、土井美加

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

やっぱり蟲師、8年経っても大丈夫!

原作未読。

見る人を不思議ワールドに吸い込む「蟲師」が帰ってきた!

1期の放送は2005年~2006年。
8年以上という長い空白がありながら、クオリティは健在です。

安定感がものすごいです。
1話完結なのですが、どの話から見てもすいすい入れます。
そして、時間を引き延ばせば、そのまま映画にできるようなレベルの高さです。

シナリオだけではなく、アニメーションの質にも注目。
咳き込むときの細かい服の動きとか、風になびく草花の動きなど。
ぬるぬる動くし、原画の枚数が多分やばいです。
激しい動きは少ないですが、その分ごまかしがききません。


さて、「蟲師」の世界では、人間も蟲も、ただ在るように在るだけ。
それなのに、お互い影響しあってしまう。
その相互干渉で引き起こされる異変を、解決して歩くのが蟲師の役目。

今回は「自然のままでいることの大切さ」というのが目立っていた気がします。
存在領域を侵し、蟲の世界に手を染めた人間は、その代わりに何かを失うことになる。

ただ、それを見たギンコは、忠告はしますが、無理に止めたりはしないんですよね。
ギンコは蟲師の中でも特に蟲寄り、ほぼニュートラルな立ち位置にいます。
しかし、やっぱりギンコも人間です。
最終的には本人の意志を尊重します。

その結果、因果応報となることが多いですが、必ずしもバッドエンドというわけではありません。
一度懲りた人間が、成長して再び歩み出す。
そんなパターンが多いです。
1期に比べれば、どうしようもない状態というのが少ないですね。
 
しかしまあ「蟲師」って、ハッピーにもバッドにも簡単に転びそうな話ばかりなんですよね。
ちょっと選択を変えるだけで結末ががらりと変化する。
そして、結末のパターンをどちらか一方に決め打ちしない。

淡々とできごとを追いかけるだけで、ルールみたいなのがない気がします。
言ってしまえば、日常アニメなのかも。
ただし、蟲のいる日常。


ギンコのキャラは相変わらずいいですね。
無表情で淡々と専門知識をしゃべるギンコ。
それでもずっと聞いていたくなるような不思議な語りぐさ。
無愛想に見えて、義理堅く、結構お茶目。

声優(俳優)さんの力も強いです。
1期の雰囲気をそのままに、自然体で演じてくれています。


「蟲師」、私は大好きなアニメです。
しかし、もちろん合う合わないはあります。
絵がのっぺりしていて苦手とか、ストーリーの起伏が少ないとか、理由はいろいろ。

ただ、オリジナリティだけは確かなものだと思うんですよ。
「蟲師」に似た作品を挙げてくださいと言われても、ちょっと浮かびません。
ときどき「夏目友人帳」が引き合いに出されますが、「異形のものが見える」という以外、共通点はないと思います。
この「独特な世界観と雰囲気」にハマる人が増えることを願います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 62

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

雰囲気漂う伝奇もの( - . ¦¦¦ )y-~~

名作、良作の呼び声高い伝奇もの作品。
分割2クール、全20話。


前作から約10年を経ての続編となるようです。
今回、時間の都合で前作は未視聴でしたが
前作からの繋がりを気にする事もなく視聴できました。

物語の概要は至ってシンプル。
「蟲師」である主人公・ギンコが「蟲」と
対峙していくというもの。

見慣れぬ「蟲」や全体的に暗い配色、音楽など
一見、不気味な雰囲気が漂うアニメですが
そこはこの作品の世界観を盛り上げる要因。
丁寧な作画も特徴の1つですね。

ギンコ役の中野裕斗、ナレーションの土井美加も
いい味を出してくれています(・∀・)v

心温まる話から不思議な結末を迎える話まで
各話充実したお話が揃っていました。
どの話も1話完結で構成されているものの
観ている人を引き込む力を持った仕上がりは秀逸。


まだ観てない方にはオススメしたい作品ですが
「蟲」の映像がダメって方もいるかも(;´∀`)
数話観て判断して頂ければとw

元来、人の持つ心の闇や恐怖などを「蟲」という存在と
独特の世界観で表現した見事な作品だと思います。




《キャスト》
ギンコ(中野裕斗)
ナレーション:土井美加



《主題歌》
OP
『SHIVER』/ Lucy Rose

投稿 : 2024/12/14
♥ : 51

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

蟲師は蟲師

分割2クール、2クール目は秋に放送予定

原作未読 全10話 + 蟲語(むしがたり、スタッフによる座談会)全2話(6.5話×2回・10.5話)

蟲という普通の人には見えないが生命を根幹をなす生き物に、人々が干渉することにより様々な出来事が起こります。
その地域、地域での蟲とのかかわりあいを、蟲師と呼ばれる蟲についての生業としているギンコを通じて描いています。

きめ細やかな背景の描写と作画、そこに流れてくる素敵なBGM、怖くも美しい蟲の描写、蟲師の世界が帰ってきました!

1期と同様、いえそれ以上に作画や音に圧倒されましたね。

ギンコが旅の中の蟲に関するお話で、1話完結なので観やすいです。

全話印象深いお話ですが、その中でも6話の「花惑い」は非常に印象深かったですね。

全てがハッピーエンドには終わりません。人間の欲深さや醜い部分も出てきます。

でも観終わった後は嫌な気持ちにはなれません。作画、演出、内容がそうさせるのかも知れませんね。

2期から観ることも出来ますが、1期から観るとギンコの生い立ちから仲間との出会いなども描かれていますので、お時間があれば是非観てくださいね。
オススメです。

OP・EDともに蟲師の世界に引き込まれますね。

最後に、6.5話が2回もあって違う話なのかと思いましたが、同じでしたw あれだけのクオリティを保つように頑張っている制作現場は大変なのでしょうね。

8月にある特別編「棘の道」と2クール目楽しみですね~

投稿 : 2024/12/14
♥ : 48

71.0 3 伝奇で幻想的なアニメランキング3位
蟲師 続章(後半エピソード)(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (411)
2385人が棚に入れました
それは何処であったか、何時であったか。
白き髪と緑の目を持つ少年は、
世と生命の“理”を──そして己が居るべき処を照らす光を知った。
(第十一話 「草の茵(くさのしとね)」より)

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ただ生きるために」

この作品は、これまで1期、日蝕む翳、そして続章の前半と視聴を続けてきました。
圧倒的な作画とSEのクオリティーは、1期から着実に向上してきているので、視聴を楽しみにしてきた作品です。

人と蟲・・・普段はお互いの領分で慎ましく活きているだけ・・・
でも、この世という場所に両者が存在するということは、例え曖昧だとしてもお互いの接点は必ずあるんですよね・・・
普通に生活していれば、決して足を踏み入れる事の無い境界の狭間・・・
何の因果なのか人も蟲もそこに迷い混んでしまい、お互いが結び付いてしまう・・・

それが良いことなのか、それとも悪いことなのか・・・
一概に括れないところにこの作品の旨みが凝縮されているように思います。

でも、大概はちょっぴり淋しいです・・・じゃなかったら、お互いの共存の道がもっと早くから模索されていたことと思います。

結びついたお互いは決して多くは望みません。
望みはただ一つ、生きたいと思い生きるために行動すること・・・
ただそれだけ・・・

でもお互いが結びついたその先にあるのは、ただそれだけの願いを持つことすら難しい世界・・・
人はコミュニケーションにより状態を訴えることができますが、多くの蟲にはコミュニケーション能力が皆無・・・だから痛いのか、苦しいのかすら分かりません・・・
中には声にならない叫びを発していた蟲もいたかもしれません・・・

人と蟲が接する世界であるからこそ、蟲師の存在はとても大切です。
蟲師の多くは人を助けてくれますが、蟲により近しい存在であるからこそ時には断腸の思いをしたこともあったことと思います。

それでもギンコには蟲が集まってくるといいます・・・
蟲にとって蟲師の存在とは何なのでしょう・・・?
忌むべき者・・・? 安息をくれる者・・・?
それとも自分達の存在に気付ける蟲師に何かを伝えたがっているの・・・?

こんな事を考えながら視聴しましたが、後期の10話もあっという間でした。
終盤になると、この作品が終わってしまう事に対する寂しさを感じながらの視聴でした。

この作品は「原作が面白いんだから、それだけを見て、忠実に映像化する」
というコンセプトを掲げてアニメ化されたそうなのですが、極めて納得できる作品でした。
個人的には、もう一度淡幽さんの登場を期待していましたけれど・・・^^;

族章は前期10話、後期10話に「棘のみち」を加えた計21話でしたがしっかり堪能させて貰いました。
そして今夏には「鈴の雫」が上映されるとの事です。
この「鈴の雫」は最終エピソードだとか・・・どの様に纏められるのかがとても楽しみです^^

投稿 : 2024/12/14
♥ : 32
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

蟲師の赴く道

原作未読 全10話

蟲という普通の人には見えないが生命を根幹をなす生き物に、人々が干渉することにより様々な出来事が起こります。
その地域、地域での蟲とのかかわりあいを、蟲師と呼ばれる蟲についての生業としているギンコを通じて描いています。

蟲師 続章の続きです。続きといっても1話完結なので前半を観なくても大丈夫です。

今回は、どちらかといえば怖いお話やバッドエンドの方が多かったように思えます。{netabare}ギンコの過去のお話もありましたね~{/netabare}

1期から観ているとバッドエンドの方が多い感じがしますので、これが本来の蟲師なのでしょうね。

作画も音楽も前半と同じく、この独特の雰囲気を見事に表現されています。

何ともいえない不思議な蟲の世界、1話観て気に入ったら是非最後まで観てくださいね。 オススメです^^

OP 前半と同じ曲でした。

最後に、舞台「詠舞台 蟲師」が3月に、劇場版 蟲師 続章「鈴の雫」夏に決まりましたね~ まだまだ蟲師の世界は続きそうです^^

投稿 : 2024/12/14
♥ : 30
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

銀太郎飴

原作未読。

蟲師の続きの続き。
ストーリーは1話完結なので、どこから見ても基本的には大丈夫です。

この作品は、世にも奇妙な日本昔話という感じで、

- 古き良き日本のイメージ
- 生き物とも現象とも取れない「蟲」を中心とした、摩訶不思議な世界観
- ハッピーエンドともバッドエンドとも取れない終わり方

という特徴があります。

毎回話の内容は異なりますが、どの話も、家族や人と人とのつながりがテーマに据えられています。

ただし、「家族愛ってすばらしい!」のように、単純な人間賛歌になっていません。
人間の身勝手さだったり、譲れない部分だったり、そういう負の面も描かれています。

そして、それが悪い結果になるとも限らない。
何が正しくて、何が間違っているなんてことは一切語りません。

在るように在り、主人公のギンコが介入するものの、それが良い結果にも悪い結果にも繋がります。

- ギンコが来たからみんな救われた!
- ギンコの忠告を無視したから不幸な目にあった!
- 悪は滅びる

……とは限らないわけですね(※)。
それが世にも奇妙な物語的というか、おもしろみのひとつ。
「登場キャラは幸せになれたのかな?」なんて考えちゃいます。

※そうはいうものの、ギンコが現れたときのあの安心感は何だ!


そして、パターン化されているわけではないのに、毎回魅せてくれます。
好きの度合いはありますが、ハズレ回が見当たりませんでした。
{netabare}
月が井戸の入り口だったときは「ホワァァァァ」ってなった。
{/netabare}

残念だったのは、メインストーリーに進展がなかったこと。
ギンコは主人公ながら、舞台や登場人物はその回固有のものです。
最後に2話くらいかけてギンコに関するストーリーが展開されることを期待していたのですが……。
そういう意味では金太郎飴的。
ただ、「在るように在る」ならそれが正しい姿なのかも。


蟲師は物静かな叙事詩なので、熱さや展開の派手さを求める人にはまったく向きません。
こういう言い方は好きではないのですが、大人向けの作品です。

初代から一貫してクオリティが高いので、この作品から見て気に入った方は、ぜひ他のシリーズも。
同じ感覚で、安心して見ることができますよ!

投稿 : 2024/12/14
♥ : 30
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