任務で爆弾なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの任務で爆弾な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月14日の時点で一番の任務で爆弾なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.9 1 任務で爆弾なアニメランキング1位
SPY×FAMILY Season2(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (309)
1109人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている――
西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。
だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった!
3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。
秘密だらけの家族に、再び世界の命運は託された!?
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

愛する者のため戦うのか?戦わせないのか?

【物語 4.0点】
1期2クール目に引き続き、各回2本立て以上の構成も交えながら、
ショートシナリオでアーニャ以外のサブキャラ育成も図るのが基本線。
中盤からは今回のメインエピソードとして複数話完結の「豪華客船編」も展開。


2期もスパイ要素を絡めたホームコメディに徹するため、
本格スパイ物として期待すると進行度の遅さにじれることも。
アーニャのイーデン校での“星(ステラ)”や“雷(トニト)”の数の変動もなく、
“オペレーション<梟>(ストリクス)”にも停滞感が漂う。


ただ本作のオペレーションの目的が世界と家族の平和と捉えている私にとっては
収穫もあった2期でした。

極論、アーニャが“皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)”に成り上がっても戦争勃発したらこの作品はゲームオーバーですから。
1クール程度でオペレーションをクリアする強硬策も可能でしょうが、
その場合は人類が戦争を無くす方法はこうだ!などと言う、
フィクションでも解決策を提示できたらノーベル平和賞ものの理論を、
拙速に用意せねばならなくなる。

取って付けたような平和思想で、強引に<梟>(ストリクス)を片付けたとしても、
結局、戦争がしたい次の黒幕とオペレーションが立ち上がりグダグダになる気がするんですよねw

よって『スパファミ』の場合は成果が上がらないオペレーション<梟>のための暫定偽装家族という綱渡りコメディをノラリクラリと続ける方が良いのだろうなと私は思っています。


その観点から興味深かったのが「豪華客船編」のヨルさんの“いばら姫”としての矜持と、
最終回・12話ロイドとボンドの散歩エピソードで垣間見えた、
戦いと家族に関する考え方の違い。

{netabare} 私が凡百の戦争映画を観る気すら起きない理由の一つに、
誰かの思惑で始めた戦争が、いつの間にか巻き込まれた個々の家族や愛する人のための戦いという美談にすり替わるという詐欺的プロットがありますが。

ヨルさんは弟の外交官・ユーリと共に、
上の思惑は知らないけれど、命じられたまま家族のために“わるものさん”と戦うという生き方に疑問を抱かないまま育って来た姉弟。
豪華客船での戦いでは、ヨル自身にも生き方についての葛藤がありますが、
結局、フォージャー家を想って身命を賭す生き様を貫き通してしまう。

ここまでならば私も眉をひそめる、いつものいけ好かない美談で評点も物語3.5点でしたが、
4.0点にしたのは最終12話で放火現場からペットを助けるために危険を冒したボンドに、
ロイドが職業犬訓練よりもまずフォージャー家の一員であることを自覚して、
無事に帰ることを第一に考えるよう優しく諭す場面ゆえ。{/netabare}

ロイドとヨルには、西国(ウェスタリス)の諜報員と、東国(オスタニア)
の暗殺者というだけでなく、
戦いに対する価値観に大きな隔たりがあり、今後、火薬庫になり得ることを全体構成で示して締める。
『スパファミ』は毎クール一見静かな幕引きのようで、重た目の課題を私に残していきます。

マジメに戦争と平和について結論を急ぐ戦争映画より、
本作のような、明るいホームコメディの方が、うっかり核心を突いてしまうこともあり得る。
ロイド(偽名)は何故、子どもが泣かない世界のため、戦闘員ではなくスパイを選んだのか?
今後も、ロイドこと“黄昏”の過去などに焦点を合わせつつ、核心を見逃さないようにしたいものです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・WIT STUDIO✕CloverWorks

序盤は日常回が続くため相変わらずアーニャの顔芸が楽しいClover色が、
中盤「豪華客船戦」では緻密に構築、管理された船上バトル空間の中で、
暗殺者同士が躍動するド派手なバトルアニメーションもありWIT色が強めな感。
美しい打ち上げ花火と血しぶきのコントラストに両スタジオのコラボを実感しますw


湯浅 政明氏がコンテ・演出を手掛けたOPアニメーションも印象的。
どうあがいても溢れない紅茶に、
薄氷の上に成り立つ偽装家族が効果的に比喩されていて、私はずっと紅茶を目で追っていましたw

ユージン氏によるEDアニメーションにも温味がありました。
紙人形劇風に、時に人物の裏表をひっくり返す演出も交えて、
アーニャだけが見えている人間の二面性を表現したという深イイED。
サビでダミアンに怪しい視線を送ってほくそ笑むアーニャがツボですw


【キャラ 4.0点】
サブエピソードで周りを掘り下げても結局アーニャが可愛かったに帰結する本シリーズ。
今回は{netabare} 古語{/netabare} が得意なアーニャを通じて出生地に関するヒントが示され、
アーニャもまたボンド同様、戦争を背景とした能力開発被験者である説を思い出させられますが、
深い詮索はなく、今日もせかいはへいわ。

今後もしもアーニャ一強に変化をもたらすとすれば、私はダミアンだと思っています。
そういう意味で2話Bパートの野外学習にて、特殊クレジット演出でダミアントリオをフィーチャーしてくれたのは嬉しかったです。
ただアーニャとの関係については、{netabare} ババ抜き{/netabare} の件といい、
ダミアンは“チョロイン”過ぎて陥落する時は一気にキャラを消費し尽くしそうな懸念もw

終盤には、ロイドを巡るヨルとフィオナの“正妻戦争”にベッキーも乱入しフォージャー家に上がり込む。
ナチュラルに庶民をころすセレブ自慢といい、
ベッキーは可愛くない可愛い親友枠として育成する方針なのでしょうかw


バトルでは“わるもの”役にいちいち通り名が付されていたのもシリアス、コメディ両面で要素補強になっていました。
例えば{netabare} 鎖鎌のバーナビー{/netabare} とかw

私が敢闘賞を送りたいのはヨルの先輩で的確な“お掃除ぶり”が渋い
デッキブラシの部長さん。


【声優 4.5点】
アーニャ役の種崎 敦美さん。
秘密露見等による家族崩壊を回避するためウソを付く場面も増えたアーニャ。
ウソで誤魔化す時は、棒読み風に演じることで、
視聴者にはウソと分かる、ロイドよ何故気づかない(笑)というお馴染みの種崎さんの芸風にも益々磨きがかかる。
豪華客船にて、{netabare} 託児所から脱出するため、お姉さんにボール遊びもうすぐ飽きる~などと{/netabare} とぼけるアーニャがお気に入りですw

『スパファミ』はアニメから楽しもうと7巻で原作購読止めている私にとっては未知のシナリオに入ってきた2期。
キャスト陣は適宜アドリブも入れて演じているとのことですが、
原作未読エピソードだとどこがアドリブだか全然分かりませんねw
各々がキャラをしっかりつかんだ上で自由に演じることができているのだと思います。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は(K)NoW_NAMEが続投。
同グループには中低音でパンチを効かせるAyaka Tachibanaさんがアップテンポナンバーなどを、
キーボード弾き語り&高音ボイスで癒やしを与えるNIKIIEさんがスローバラードなどを歌唱する。
二人の女性ボーカルを駆使しした幅広い表現対応という強みがあります。

ホームコメディ色が強い『スパファミ』ではどうしても有効活用されるのはNIKIIEさんの日常ソングで、
Ayaka Tachibanaさんはこんな場面でバトルソングとは大仰な(笑)という“無駄使い”コメディ要素が強かったのですがw
今回の豪華客船ではAyaka Tachibanaさんも「Until the End」でバトルを彩ってくれました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

(妄想)目指すはルパンか、サザエさんかw

えーと、レビュータイトルは私自身の妄想、想像です。

まず、このようなレビュータイトルをつけた理由から・・・、
100%個人的な印象からです、以上!!

サーセン・・・、その印象についてw。
まずOPですね。
OPのインパクトがでかかったです。

あくまでも私の受ける印象なのですが、お洒落でPOPでカッコいい感じがしました。派手で、華やかで、ノリも良く映像とのマッチングが素晴らしい。
ちょっとイイ感じでした。
センスの良さを感じました、ちょっとスゴイと思いました。

そして、何度かこのOPを見ているうちに・・・。
アレ?この感じ・・・と思ったのです。

ココから主観がさらに暴走するのですが・・・。
ルパン味を感じてしまいました。
それも、ルパン三世シリーズが少しづつ認知されて、大人も見れるアニメとして少しづつ、おしゃれ感や粋な感じを自然にステップアップしていた頃のルパン味です。
「ルパン三世シリーズ」ってこうだよねぇ、こうじゃないとねェなんて意識がまだ確立していなくて、意識も薄かった時代に「自然とカッコよくなった時代」のルパン味デス。

最近のルパンも悪くはないんですけど、イメージが確立されている分だけ
「ルパンはこうじゃないと・・・、こんくらい洒落てないと・・・」と
無理矢理ひねり出している感があります(個人の見解です)。

そうして、このルパン味を感じたついでに、今作視聴後、思いを巡らすと・・・。
あれ、あまり物語としては進んでいないんじゃ・・・?
と思いまして・・・。

東西冷戦がどーしたこーした、も
世界平和がどーしたこーした、も
アーニャのステラの獲得、も

あまり進展はなく・・・。
「家族の絆」「互いの思い」的なところは少し深まったのかなとは思いますが。

あれれ・・・。
これどんだけシーズン重ねたら終わりが見えるの・・・?
と思った時、

もしかして、これキャラの設定だけ活かしたまま、いろいろなエピソード組み込むだけで、ずーっといけるんじゃないの?行くつもりじゃないの?

なーんて思った訳です。(100%個人の妄想、こじつけですw)

で、キャラの設定をずーっと活かしたままで続いているシリーズとして、
ルパンとサザエさんが浮かんだと・・・。

どーでもいい話を長々と申し訳ないw!!




さてと、作品のレビューをしておきましょうw。

作品としては、諸々が固まり、既に安定期と言っても良い状況かもしれません。
キャラクタも頭に入っており、それぞれの個性もサブキャラ含めて把握済みです。
そういう意味では、楽しみやすく、解りやすい環境でした。

安定期と表現したのには、前述したように「大筋の物語」としての進捗が薄く、新鮮味や大胆な動きが少なかったとの印象もあっての事です。

作画は人気作だけあって、破綻もなく、こちらも安定していたと思います。
特段視聴に問題のあるような点もなく、特にいうべきこともないと思いました。

声優さんも、もはや耳馴染んでおり、安心して視聴できるレベルです。

音楽はOPについては、映像とあいまって特筆するべきレベルの出来の良さでは無かったかと思います。
キャラの個性も良く出ていましたし、大胆な構図も面白かったです。
EDもOPとは一味違って、落ち着き感があってよかったです。

キャラについては、どれもキャラ立ちをしっかりしていて、ロイド、アーニャ、ヨルの主役組は言うまでもなく活躍していました。
もじゃもじゃもちゃんと登場して動いていますし、ダミアン組も自身のエピソードもあり、しっかりとしていました。
個人的に、おっかしかったのは11話目のエピソードでのベッキーです。
思わず吹き出してしまいそうになることがありました。
これは、今後の活躍も期待したいです。


以上、妄想も多分に含んだレビューですが、終わらせていただきます。

当然、人気作なので今後の期待もあるかとは思うのですが、
このほぼ固まっているスタイルのまま行くのか、大筋の物語を動かして進んでいくのか、個人的には興味があります。

またの機会、またのシリーズがあれば視聴をしてみたいと考えています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

嫁、大活躍!

原作未読 全12話

SPY×FAMILYの2期(Season2)です。1期から観ることをお勧めします。

今回のメインは、ファミリーの中の嫁役であるヨルさんが大活躍でした。その影で娘役のアーニャもナイスフォローでしたね。

1話完結のお話や1話の中に2〜3つのエピーソードなど、話によって色々を違っていました。

ただ、本来の目的のお話は全然進んでいませんw

ただ、一視聴者としてはコミカルな日常のお話も好きですが、もう少し本来の目的も進展してもいいかなと思っています。

Season3があればまた観たいですね^^

OPはAdoさん、EDはVaundyさんが歌っています。

最後に、名探偵コ○ンみたいに、日常をメインに黒ずくめの組織との対決が進まないのと同じく、本来の目的を果たしたら解散となるかも知れなくなるとこのお話も終わるかもしれません。(コナンの原作者の方が、黒の組織の件が解決したら作品が終わっちゃうので、なかなか進まないとか何処かで聞きました)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

61.8 2 任務で爆弾なアニメランキング2位
RAIL WARS!(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (672)
3391人が棚に入れました
超巨大優良企業・國鉄に就職し、安定した将来を夢見る平凡な高校生、高山直人。そんな俺が研修で配属されたのは、男嫌いの桜井をはじめヤバい奴だらけの「鉄道公安隊」だった! しかも、國鉄の分割民営化を企む過激派「RJ」まで暗躍し…… どうなる? 俺の人生設計!
國鉄が分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台とした、夢の鉄道パラダイス・エンタテイメント! 出発進行!

声優・キャラクター
福山潤、日野聡、沼倉愛美、内田真礼、五十嵐裕美、中原麻衣、堀江由衣

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

あまりハードルは上げずに視聴してね(´ー`;)

「今のJRが民営化されていなかったら」
「日本国有鉄道(国鉄)のままだったら」
と、いう『パラレルワールド』を描いた作品。
全12話。 原作はラノベ。


今の若い人たちは「国鉄」って言われても
ピンと来ないでしょうねw おっさんはギリww
もう30年近く前になるんですかねぇ…
当時の国鉄が民営化され、JR各社に分割されたのは。

今作はそんな「JR」が存在しないパラレルワールド。
世界観や設定はとても面白そうな作品♪と期待して
視聴を始めましたが……。
と、とにかくストーリーが雑(;´Д`)=3
ご都合主義やら行き当たりばったりやらが次々と。
稚拙なストーリー構成は個人的に命取りになりました。

その他の評価項目は、まぁ、平均的な仕上がり。
可もなく不可もなくといった所ですね。
キャラデザや声優陣など個人的にお気に入りな点も
何点かありました♪♪
それだけにストーリーのクオリティの低さが残念。

ジャンルとしては鉄道アクションもの+ハーレム♡
鉄道ファンなら楽しめるのか…それとも…。
まぁ、あまりオススメできる作品ではないかな(´▽`;)



『パラレルワールド』作品に大切なのは
しっかりと作り込まれたストーリーである。
この事を勉強させてもらった作品となりましたw
にわか者からすると、それだけでも感謝ですw





《キャスト》
高山 直人(CV.福山潤)
桜井 あおい(CV.沼倉愛美)
小海 はるか(CV.内田真礼)
岩泉 翔(CV.日野聡)
飯田 奈々(CV.堀江由衣)
五能 瞳(CV.中原麻衣)
札沼 まり(CV.五十嵐裕美)
鹿島 乃亜(CV.茅原実里)



《主題歌》
OP
『向かい風に打たれながら』/茅原実里
ED
『OVERDRIVER』/ZAQ

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

痴漢と犯罪者は許さないんだから

RAIL WARS!、見終わりました。毎回、期待して見てました。

ほんとは
{netabare}高校生のOJTとしてでなく、鉄道公安隊に新人さんとして働くという背景のほうが良かったような気もしたんですけど、{/netabare}でも良かったです。

私、桜井あおいちゃんのファンになっちゃいました。あおいちゃん、強くって、素敵!  {netabare} 格闘技も拳銃の扱いも警官顔負けでしたし。あおいちゃんの「痴漢は射殺!」の名ゼリフ、極端ですけどあおいちゃんらしいです。
あおいちゃん役の声優さんが私の好きな沼倉愛美さんだったのも良かったです。

物語は現実離れしていたけど、みんなで協力して事件を解決する姿、素敵だったと思います。高山君がリーダーというのも、あおいちゃんや岩泉君などとバランスが取れていて、このメンバーを安心して見られたような気がします。
{/netabare}
opの茅原実里さんの「向かい風に打たれながら」、あおいちゃんのアクションがあって躍動感がありました。それにEDのZAQの「OVERDRIVER」」もかっこよくって素敵でした。

2期あればぜひ見たい作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「そんなわけないやろ」鉄道アニメ

日本国有鉄道が民営化されない?
国鉄やりたい放題の鉄道アニメです。
もちろん、シナリオもやりたい放題。
毎回必ず「そんなことないやろ」的なシーン連発です。
「ここまでするか?」的な無理矢理アクションがあったり。
鉄道アニメには場違いの萌えシーンがあったり。
ドタバタエロハーレムアクションアニメの様相を呈してます。

登場人物は鉄道公安隊の見習い高校生カルテット「けいよん?」。
主人公は、普通の鉄道オタク男子高校生高山直人。
何故かモテたり、究極の危機に陥ったりです。
ヒロインは、暴力系ツンデレ桜井あおいと巨乳系デレデレ小海はるか。
さらに、普通の体力自慢男子高校生岩泉翔が加わり、話はあらぬ方向です。

鉄道好きの私としては、ドクターイエロー、C62重連に始まり。
アプト式や北斗星、懐かしのはつかりなど「オー」っていう感じ。
破綻ストーリーに半ばあきれつつも、意外に楽しめる作品となりました。

印象に残るシーンは、爆弾処理と落石検知ワイヤー射撃。
それと碓氷峠の重心移動。
ホント、「そんなわけないやろ」的な超ツッコミ所でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

86.0 3 任務で爆弾なアニメランキング3位
劇場版「幼女戦記」(アニメ映画)

2019年2月8日
★★★★★ 4.1 (478)
2507人が棚に入れました
統一暦1926年。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、参謀本部の特命であった。曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。新たな巨人の目覚めを前に、なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦果を拡大してゆく……時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。敵の敵は、親愛なる友。国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。メアリー・スー准尉。父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠、飛田展男、濱野大輝、笠間淳、林大地、小林裕介、土師孝也、小柳良寛、高岡瓶々、森川智之、福島潤、田村睦心、戸松遥、チョー、稲垣隆史
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今さらタイトルで敬遠もなかろうて

原作未読 TV版視聴済み


“存在X”とか説明なしに語られてるためTV版を視聴済みであることはお作法といってよいでしょう。
あいかわらず主人公が幼女である意味がわからない『幼女戦記』の劇場版となります。

たいしたこと書いてないけどミリタリ的見解はTV版のレビューに載せとります。
俺たたENDなTV版の最後覚えてます?※一応隠しときます。

{netabare}砂漠みたいな南方戦線に飛ばされて「どうしてこうなったー!?」ENDでした。
存在Xに対峙するには、信仰にすがるのではなくあくまで合理性で勝負する路線を突き進むのかどうなのか?と続編の注目ポイントをわたくしレビューで書いてますね。このモノの見方はブレてないです。{/netabare}

続きが気になる終わり方だったのでおおむね劇場版に期待するのはこんなところ↓
Q
1.答え出るん?
2.戦闘は派手になる? ※そこはホラ、、、映画だし(^^)

ざっくり回答は↓
A
1.出ません。
2.派手になります。市街戦闘ではぬるぬる変態的な動きをしてます。

スタッフや声優を引き継いで制作してるので大外しはありえません。安定して面白かったです。
ついでに、“信仰心と合理性”なのか“感情と理性”なのか?
“存在X”とターニャが対峙しての二項対立のような図式に見えてたけっこう重要な部分。
ターニャの対立軸として、この“信仰心”ないし“感情”を体現する存在が登場したこともファインプレー。もちろん{netabare}ターニャとの死闘の末戦死したアンソニーの娘。メアリー・スー(CV戸松遥){/netabare}のことです。

これで見やすくなりました。神VS人間よりも対立する両極端な人間同士のほうが物語が破綻しにくい。
己が正義とのぶつかり合いになって譲れない争いになりますし、元はといえば存在Xという同じ親から生まれた相反する二つの概念であるという深みとコクも出てきます。

【作品テーマ】

 存在Xとの落とし前をどうつけるのか?

⇒これは道半ばです。

【劇場版の面白いとこ】

 ◎ ターニャ VS メアリー・スー
 ○ 市街戦闘

きわめて劇場版らしい。劇場版に期待するところを満たした『劇場版幼女戦記』でありました。



※ネタバレ(もある)雑感

■世界観の意図

既視感のある国・人・軍事パーツを素直に楽しめる一方で、WWⅠとⅡをごっちゃにして~の史実との乖離や魔導部隊なる設定。純歴ヲタだとアレルギー出そうなのもわからなくもない。なんせ空飛ぶ人間が銃剣で戦闘機の翼をたたっ斬ることができちゃう世界ですから。これには一家言あって、


 これ外国でも流すんですよね?


アニメ大好きフランス・イタリアやアメリカ。ドイツも例外ではありません。それらの国を配慮して…なんてアホなことは言いませんよ。

 {netabare}ガチ史実ベースの世界作ってアナザーストーリー{/netabare} 

それに欧米人が耐えられるか?って無理だからちょっと外した世界観なのだと劇場版観て思いました。

選挙で選び渦中は熱狂した事実に蓋をして全部ナチスに罪を被せて、ニュルンベルク裁判の前と後とで分断を図り逃げ切ったドイツ。
反省したドイツを見倣え!って彼ら反省なんて微塵もしてませんけどね。「我々とは別のナチスなるもの」を作っておっかぶせただけです。もちろん賠償には応じてません。

次にアメリカ。原爆投下を正当化するストーリーは皆さん耳タコでしょう。自らの罪に向き合ってない点ではドイツと一緒。

イデオロギーにしちゃうのはどうぞご自由に!彼らの意見に乗ろうがかまいませんが、少なくとも私は日本国籍を有する者なら「違うだろ」と指摘し続けることがお作法であるとの考えです。

何が言いたいかっていうと、彼らのン百倍は反省している、なんなら反省しなくてもいいことまで、それにおかわりで“俺たちの反省はこれからだ”の勢いで反省している我々からすれば、

 {netabare}正当化だらけのお前らの豆腐メンタルじゃ受け止めるのは無理!{/netabare}

と思っちゃうんですよね。世界広しといえどもドイツ第三帝国を茶化せるくらいの表現の自由が認められてるのは我が国くらいなもんです。
ぶっちゃけ仮想ナ○スが活躍する作品なんてリアルに寄せすぎると×。これくらいのファンタジーっぷりでちょうどよいと思えるのです。そのうえでやや無理筋な作品設定については流れてる哲学が荒唐無稽でなければ無問題と考えます。


其の一:{netabare}「コミー(commie)」と共産主義者を忌避/軽蔑する単語をターニャ筆頭にガンガン発してます。

「なんでお前らソ連と組んでんねん?」みたいな。
日本に視点移せば、大日本帝国が必死でソ連食い止めてんのに何してくれてんだ?の心境です。レイトカマーのアメリカがアジア利権にちょっかい出すために日本を外そうとして失敗。中華人民共和国成立など共産国家の台頭を許し、朝鮮戦争からのベトナム戦争と余計な結果になったよな、と。
やや盛ってこれくらい言ったうえで、「でも今は仲いいよな」とするくらいでちょうどよいのです。{/netabare}


其の二:{netabare}義勇軍?メアリー・スーも狂気を帯びたちょっと危ない人設定です。

「正義を振りかざしてどんだけ無茶してきてん?」みたいな。
仮想連合国の象徴みたいな存在にメアリーを持ってきた意図。合わせ鏡と思いなさい!{/netabare}



■ドキッとくる至言

トンデモ設定もあるにはあるけど底流がしゃんとしてると私は思います。
たまにグサリとくる高速ストレートありませんでしたか?

・{netabare}「無能な働き者か…やっかいだな」

序盤。メアリー・スーの上官がメアリーを指しての一言。

 1.有能でやる気のある
 2.有能でやる気のない
 3.無能でやる気のある
 4.無能でやる気のない

リアルの現場でも3.が最も厄介であり、組織を破綻に導く存在として心にとどめて置かねばなりません。覚醒するまではひどかったですからね、彼女。{/netabare}


・{netabare}「まずもって勝つことが大事 正しく勝たねばなりません」
 「でなければいずれ歴史に笑われます」

参謀本部にて後方勤務の希望を伝えた時のターニャ。
勝ったほうが歴史を作るのはまさにまざまざと見せつけられているのが我々現代日本人でしょう。つまり転生前のおっさんターニャの知ってる歴史。賢者は歴史に学ぶ。よって、次は勝たねばなりません。
「思考放棄した俺の勝ちね」くらいの程度の低さを露わにしてるのが我が国です。軍事研究なぞしませんとドヤ顔で発表してる横で北朝鮮の核開発のために亡命する教授を輩出した某帝国大学とかなんのブラックジョークでしょう。「勝つために考えること」と「行使すること」は違います。

ガラスを拳で叩き息巻くお偉いさんに戦の収め方のプランはあるか?と問うたターニャさん。正しく勝たねばなりません。先述、日本を叩き潰したことでソ連の増長や朝鮮戦争ベトナム戦争へと発展した結果を見るにアメリカにとって正しい勝利だったのでしょうか?

リアルではこれがなかったのが大日本帝国の最大のやらかしです。正確には正しい勝利ならぬ正しい敗北のプランニング。戦闘で敗北しても戦争目的を果たす困難な作業をです。ぎりぎりで國體が守れたものの結果オーライ。次は結果オーライにならないように真剣に考えましょう。

でなければいずれ歴史に笑われます。
令和初頭の日本人が未来の日本史の教科書でどう書かれているかみものですね。{/netabare}



■(オマケ)主題歌について

{netabare}TV版の主題歌をアレンジ加えてもってくる演出にしびれます。
ターニャ役悠木さんが歌う「Los! Los! Los!」。このへん「トラ!トラ!トラ!」をなんかしら意識したのだろうと、“LOS”を調べてみましたが、スタジアムの名前だったりタイ王国の愛称だったりビンゴそうなのはなく、そのまま“LOST(喪失)”くらいの意味合いで受け取りました。

注)他のレビュアーさんからの指摘でLOSはドイツ語で別の意味があるらしいです。{/netabare}



これ2期ないと詐欺ですよ。待ってます!



視聴時期:2020年2月 

-------


2020.02.26 初稿
2020.09.21 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦争が無ければ誰からも愛されて皆に愛情を与えていた少女…

この劇場版は、テレビ版の続きです。
そして、この映画では深く考えさせられたことがあります。
それは…


今まではターニャの魔力に匹敵する敵はいませんでした。
そのため、面白みに欠けていましたが、今回は違います。
ついにターニャの力量に匹敵する好敵手(ライバル)が現れます。

その名はメアリー・スー。
彼女は、ターニャが倒したアンソン・スーの娘。
メアリーが父に贈った銃をターニャが持っていることから、ターニャを父の仇と確信します。

メアリーは信仰心が深く家族思いの優しい娘です。
戦争さえなければ、彼女は銃で人を撃つことも拳で相手を殴ることもなかったでしょう。
誰からも愛され、多くの人に愛情を与えていたはずです。

しかし、今の彼女の生きる目的は父の仇を討つこと。そのためならば彼女は何でもします。

市街地でメアリーはターニャを見つけます。するとメアリーはターニャを追いかけ、銃を連射します。
もちろんターニャは銃弾をよけるので、メアリーが放った銃弾は民家に当たり、民家が壊れます。延焼します。

当然のごとくメアリーの銃弾で多くの市民が家を失ったり傷を負ったり亡くなったりしているはずです。
だけどメアリーは気づきません。自分が不幸にしている人がいることを…
今のメアリーには、復讐心しかありませんでした。

メアリーはターニャを追い詰めます。
拳で何度もターニャの頬を殴ります。ひと思いに殺せば良いのに、メアリーはそうしません。
散々殴った後、教会の礼拝堂へターニャを引きずります。
そこで恨みを言って殺すはずだった。

だけど、すぐに殺さなかったその甘さがメアリーの命とりでした。

おそらく、ターニャならば、相手が殺せるときを見つけたら、ためらいなく殺します。なぶり殺しにはしません。だって隙を見せることになるから…
それにターニャならば、そもそも仇を討つという発想すらありえません。

だってこれは戦争だから。国同士が認め合った人と人とが殺し合う戦いだから。
仇という概念を持つと、戦争は果てしなく永遠に続くことをターニャは知っています。
彼女の考えは、いつも合理的です。

家族思いで心の優しいメアリーと合理的で冷血なターニャ。
あなたは、どちらが多くの一般市民を殺傷していると思いますか?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんでこーなった!

原作未読 1時間45分

TV版の「幼女戦記」の続きです。先にTV版を観ることをオススメします。

次々と最前線の戦場を駆け巡る(駆け巡らされる)異世界から転生させられた少女ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる帝国軍第二〇三航空魔導大隊のお話。

今回は、TV版で因縁が出来たある少女とのお話がメインとなっています。

TV版と同じく調子に乗ったところもあり、夢の後方勤務とはならず大部分が戦場でのお話でバトルシーン満載でした。

バトルシーンは大画面と音響で映画ならではの大迫力です。

ターニャの禍々しい顔芸も健在ですw 観ていると幼女という感じは全然しなくなりますねw

まだまだ続きがありそうです。次回があるのならばTVに戻ってほしいですね。

EDは、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐役の悠木碧さんが歌う「Los! Los! Los!」とTV版のOPを歌うMYTH & ROIDさんの新曲でした。

最後に、TV版と同じで自業自得な面が多かったですねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

62.4 4 任務で爆弾なアニメランキング4位
GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO-ガンスリンガー・ガール イル・テアトリーノ(TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (364)
1846人が棚に入れました
戦いに踊る人形、復讐に駆られた大人たち…廻る舞台。(イル・テアトリーノ)
舞台はとあるヨーロッパ。公益法人”社会福祉公社”
障害者支援のための首相府主催事業を表向きとするこの組織の実態は、瀕死の少女たちに機械の体を与え「条件付け」を施し、その少女たちを使って政府に敵対する勢力を秘密裏に排除する諜報機関であった。
生きることと引き換えに「義体」となった少女たち。それぞれに一人ずつ担当官がつき、いつも行動を共にしていることから、兄妹(フラテッロ)と呼ばれている。
「条件付け」により生身の頃の記憶が封印された少女たちにとっては、担当官の命令に従い、銃を持ち戦うことが何よりも幸せなのだった。
義体や担当官など社会福祉公社の側の人間、そして敵対する五共和国派側、それぞれの過去や想いが複雑に糸のように絡み合う群像劇は、否応なく悲しきクライマックスの舞台へと向かっていく。

リクポテ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

さすがに違和感が隠せない……^_^;

コミック原作 未読


生きるための身体を手に入れる代わりに、銃をもって政府のために戦う運命を背負った少女たちを描くガンスリンガーガールの第2期です。

2期はトリエラと新しい敵ピノッキオの戦いがメイン。

見終わって感じたこと・・・
他の方のレビューにもあるとおり、どうしても悪いところばかりが目についてしまうものでした。

まずキャラデザの変更。
キャラの目が大きくなっていて、変に萌えを意識したようなデザインになってしまっています。
担当官たちが1期の渋いオジサンからただの若いイケメンに豹変……
あからさまに美少女美男子を意識してる感じ……
さすがにこれは戸惑いを隠せませんね( -.-)

さらに、キャラ達の性格まで変わってしまっています。
特に義体の少女たちがやたら明るくなっていました。
ヘンリエッタとリコはすでに別人です………

戦闘シーンもどうも迫力がなくて……

そして声優の変更。
演じてくださっている声優さんにはホントに申し訳ないのですが、ほとんどがキャラに合ってないと思います。


非常に重いテーマを扱っている作品なのに、作画にしても声優さんにしても全体的に2期は明るすぎる印象を受けました。

ただ、OP,EDがすごく良かったです。
OPはKOKIAさんの歌う「たった1つの想い」

EDは「doll」
これはAngel BeatsでOP,EDを担当してくださったLiaさんと多田葵さんが1人ずつ歌ってくださっているという贅沢なものですw

どっちも大好きですが、OPは間違いなく神曲だと思います!


1期を見て気に入った方はかなり衝撃を受けるであろうこの2期。
心して見てください(>。<)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

悪意ある現実を知れ。

1期と対比すると、キャラデザイン・背景・声優に違和感しかないが、原作者である相田 裕氏が携わった結果、なぜ、こうなったとしか言えない2期。

作者が見せたい世界観で自己満足に近いが原作本来の持ち味は2期と解釈するべきか悩む処。
内容は1期に比べ義体と担当官の葛藤・苦悩である心理描写はあまり見られない。
義体である少女は、担当官に従順な殺し屋としか見えず担当官に褒められたい、もっと特別視して欲しい、愛情を欲する一面的な感情しか見えず担当官も笑顔で道具として利用する関係性になっている。
ジョゼとヘンリエッタの関係性に関わらず進展しないが、彼等担当官はその感情すら蓋をした印象が強い。
感傷的な部分としてジョゼの妹とヘンリエッタを重ねている回想。
クラエスが無為な日々を過ごし他の少女にはない喜びを内包している心理描写。
リコ、アンジェリカは部分的には観られるが付属的な意味合いでしかなかった。
1期のような感傷的なエピソードは期待しない方がいい。

それも反政府組織に身をおくピノッキオと対峙するトリエラが主軸に描かれている。
内容は短編シナリオように明確でシンプルな創りになっている。ピノッキオがフランカ・フランコと関わり人間性を取り戻す反面、殺し屋として育てられた想いとは裏腹にある感情は、トリエラと同じく主人に対する愛情でしかなかった。

その辺りをトリエラと対比させ現実の淀み嘆かわしい悪意を見せ付けると同時に互いの主人を守る想いに偽りはなく己の正義を貫く。 正義という定義は難しく、この作品において立場的な関係はあるが、社会情勢から観ず個で考えると敵がいない現実的な視点を見せているように感じた。
フランカの生い立ちを振り返ると悲劇的であるが彼女も被害者であることは変わらない。
この手の作風は答えを提示できない展開として読めてしまう物足りなさを残す余韻と相まってテーマを描く過程が見所として意味を成すのだろう。

どの立ち位置から観ても都合の悪い者は悪でしかない、どちらも救いが無い現れで勧善懲悪とはいかない。
最終話のトリエラの言葉が印象深く{netabare} 「なぜだろうね、あんまり嬉しくない」 {/netabare}トリエラ自身も理解しているが省みることは無いのだろう。
それが義体としての人生であり担当官との絆になるのだから・・・。

それだけに全員死亡フラグしかないキャラ立ちになっている作品だと感じた。

この後味の悪さが作者の狙いなのかは原作未読の為わからないが原作の終わりが気になった。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

イル・テアトリーノ=廻る舞台 原作遵守の群像劇としての再スタート そして注目してもらいたい「第8話」

ご存知の方も多いように制作スタジオ、スタッフ、キャストの総入れ替えや原作者の脚本参加といったことで1期(以下無印)とは別物に成り果てたIL TEATRINO(以下イルテア)



それは色彩設計や撮影効果が明る過ぎだったり、銃器監修がいるはずなのに戦闘シーンが大雑把だったり、わざわざイタリアロケに行った割には背景がショボかったりとかで、単純に「クオリティが低かった」の一言で終わってしまうかもれません

しかしむしろ無印との比較で、無印とイルテアでは画面的な「リッチさ」はもちろんのこと、如何にして無印が上手く演出されていたのかと気付かされる点も多いです



問題はここからで、このイルテアがガンスリという作品の「別の二つの側面」を妙な形で照らしてしまったということにオイラは見ます



まず一つ目が「群像劇」という面について

無印では大胆に時系列をずらし込んで導入話を作ったり、バラバラな視点のエピソード達を最終的に全てがヘンリエッタの視点(或いは最終話のアンジェリカの視点)に繋がるように原作をかなり改編して構成していました

これがイルテアでは原作者協力の基、原作を遵守する形の構成がなされたのです

ここで重要なのはイルテアには義体少女でも担当官でもない主役格が現れるというところ

それが第2話から登場し、生身で義体と張り合う青年用心棒「ピノッキオ」

彼は完全に敵側の人間であり、彼の視点から見ると義体少女側は仲間の命を奪う非情な存在として描かれるのです

主役側と敵側の視点がほぼ隔週話の間隔で切り替えられながら描かれた今作は、単純に悲劇を背負った義体少女への情の念だけで視聴することを良しとせず、良くも悪くも無印に見られた「お涙頂戴モノ路線」から脱却します
そして血で血を洗うような物語の本質にある残酷さをより際立せて、ガンスリの世界観全体にそこはかとなく漂う「潜在的な不快感」を駆り立てました

結果としてこの物語の真の主役が果たしてピノッキオだったのか、ピノッキオと対峙したトリエラだったのか、或いは(あえて無印からの続編と考えるのであれば)ヘンリエッタだったのか

「誰にも肩入れしない勝者無き物語」はなにひとつまとまらないうちに終わりを迎えてしまいます
この点は端的に構成力不足を感じ、如何なものかと思いました



もう一つの面が少女の殺し屋というキャラクターに対する「シニカルホラー」的な面

画面が明る過ぎるという指摘が見られるように、この作品の重いテーマとはあまりにギャップがありすぎる色彩や撮影効果

さらには新人声優の多数起用で、あまりにフレッシュすぎる義体少女役の演技など

少女達の幼さを強調するあまり、いざ彼女達が「人殺し」を始める様は、それはあまりに冷酷で目を背けたくなります

これに関して特に印象的なのが、リコが拷問のために命乞いをする大の大人をタコ殴りにして返り血を浴びるシーンやトリエラとピノッキオの最終決戦など

義体少女が命令のためなら冷酷な殺人マシンと化す様は、さながら悪趣味なバイオレンス映画にも近い

思えば無印では、悲しげな目で相手に銃口を向けたショットで終われば=殺害
とか
義体少女達が過去に遭った、レイプや暴行などの陰惨な境遇をあえて描写したりはせず、少し遠まわし気味の会話の中で説明するとかしたものです
これらショッキングな表現や直接的な言葉を用いずとも、それとなく魅せる演出が無印には光っていました



以上の2点はガンスリという作品を語る上で忘れてはいけない「刺激」的な要素であり、この点に強く惹かれた視聴者(読者)も多いことであろうと推察します

そして同時にイルテアが強く照らし過ぎてしまった、「ガンスリという“麻薬”が持っている毒素みたいなモノ」でもある、と解釈していただければ幸いです



さて長くなってしまったがオイラがここまでイルテアにムキになる理由が一つあって、
ずばり言って「第8話がネ申回」というところにあるのです

第8話のサブタイは「クラエスの一日」

ご存知の通り、義体少女の一人クラエスは施設の外には一切出ない一見すると不自由な暮らしをしています
が、彼女は施設の中で本を読んだり、家庭菜園を嗜んだり、映画を見たりする生活を送っています

そんな彼女の「限られた世界での無限の自由」というものを淡々と描くのがこの第8話なのです

ある日、いつもと同じ毎日を過ごしていたクラエスが、めったに足を踏み入れない射撃訓練場に入るとそこには、担当官ジョゼに指導されながら射撃訓練をするヘンリエッタの姿がありました
そこで薄っすらと浮かんでくる、彼女が無くしたはずの記憶・・・

無印でのクラエスのエピソード(無印:第5話)の直接的な続編とも言える珠玉のエピソードであります

この回では当然のこと戦闘シーンなどは無く、丸一日かけてクラエスの私生活を追うだけの、言うなれば暗い雰囲気の日常系アニメのよう

しかしながら無印に限りなく近い印象の何かをオイラは受けました

クラエスを担当する声優は水野理紗
そして彼女の担当官ラバロ役は堀内賢雄
おわかりいただけますでしょうか?
彼女達はほとんど皆無と言っていい「無印を経験している役者」なのです

多くのキャラクターが、無印とは別の印象を受けるのに対し、クラエスとラバロだけは地に足の着いた落ち着きを感じるのはそんなところにもあるのかもしれませんね

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30
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