任務で未来なTVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の任務で未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の任務で未来なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.0 1 任務で未来なアニメランキング1位
銀河機攻隊 マジェスティックプリンス(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (797)
3984人が棚に入れました
地球暦2110年。
宇宙に進出を果たした人類は、数多の資源小惑星を手中に収め、その未来と繁栄は約束されたかに思えた。しかし、外宇宙への橋頭保たる木星圏に、汎銀河統一帝国を名乗る謎の勢力・ウルガルが襲来。地球は存亡の危機に陥った。その頃、遺伝子操作で宇宙に適応できる人類を生み出そうとするプロジェクトによって生まれた特務機関 MJPに所属するチームラビッツの少年達は、最新鋭の戦闘デバイス「アッシュ」を受領し、あろうことか、全地球防衛軍・GDFの撤退の盾として前線に送り込まれてしまう。圧倒的な戦力を誇る敵軍に対し、果たして彼らは生き残ることができるのか…。

声優・キャラクター
相葉裕樹、浅沼晋太郎、日笠陽子、井口裕香、池田純矢、東地宏樹、沢城みゆき、伊藤静、浅野真澄、野島裕史、鳥海浩輔、鈴木千尋、緑川光、ゆかな、諏訪部順一、町田政則、山本和臣、梁田清之、勝杏里、村瀬歩、藤原祐規、大原さやか、渡辺明乃
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

残念なことこの上ない人間賛歌

全24話
ジャンル:ロボットアニメ
ブランド:動画工房×オレンジ

ロボットアニメの印象といえば、独自の世界観・専門用語に加えヒューマンドラマが描かれている。追い討ちをかけるようにコメディ要素が希薄で、楽しみ方がよく分からない。その為にストーリーの中核まで内容把握に専念しないと付いていけず、敷居が高かいと感じさせる。それ故、本作も敬遠しがちになるのも致し方ないジャンルだと想う。それだけにエンターティンメント性がない為、退屈に感じてしまうからだろう。

だが、ラノベの先駆けである「残念キャラ」をティストしコメディ要素を膨らませ、それぞれの成長過程を描かれることでキャラがストーリーを引っ張っている。ストーリー展開としては、中盤までウルガルという未知の生物が襲ってくる目的が掴めないですが、敵と戦う以前にキャラに興味を持たせる日常シーンをできるだけ取り上げ作品に深みを与えている。その下積みによって、戦う意味、存在目的、仲間との一体感を丁寧に創り緊張感あるバトルに仕上がっていく。この主要キャラ5人は、作中で残念ファイブと呼ばれており、それは視聴者目線でもダメっぷりは伝わり、緊張感のないバトルシーンにおいても同じく不安を感じた(笑)

ただ、ロボットアニメを見やすくするキャラ設定に留まらず、バトルシーンの迫力が凄まじい。視聴された方には言わずと知れたことだが、14話においてスピード感ある作画、組み手になった際の手数の多さには圧巻させられる。また、チームで戦っていることを認識させる構図が多く、日常シーンの意味を無駄にしておらず、チーム連携で一個体撃破し、敵との兵力さを補っている。ご都合主義設定がほとんど見られず、機体のエネルギー切れや弾切れなど、観ている者が感じる疑問に対しても忠実に表現されている。

さらに残念ファイブというチームだけで戦っているわけではなく、搭乗クール、メンテナンスチームといった人間関係も描写され人との絆を大事にしている。
それらに裏打ちされたヒーローの在り方について考えたシナリオの素晴らしさも相まって、それぞれのキャラが成長し向き合う姿が本作の魅力になっている。

最終話は2期へのフラグ・物語として完結はしていないが良い節目になっている。超展開で強引に終わらすこともなく私的ながら大変満足している。
キャラデザで敬遠される方もいると思うが、残念なキャラ達を温かく見守って欲しい作品である。


1クール終了・節目レビュ {netabare}
継続アニメで嬉しかったので少し節目に書いてみました。

今季のロボット作品(革命機ヴァルヴレイヴ、翠星のガルガンティア)のなかでは、シナリオ・作画と突出してはいないが地味ながら安定した作りになっている。

中盤まで掴み所がなく、くだらないギャグばかりで無双ロボットとなんちゃってヒーロー展開で惰性で観ていた枠。

それも期待させる要素が多いのが理由になっている。

■サブタイから誰か死んだりするのか超展開への期待。

■石川智晶さんの歌詞から連想させる意味を考えるとシリアス展開になるのかも。

■キャラデザインの平井久司さんが携わる作品はシリアス色が強く表現されている。

■シリーズ構成は、けいおん!の吉田玲子さんでミスマッチなのか。吉とでるのか見所。

■今季デートアライブの監督でもある元永慶太郎さんが同時進行でどうなんだろう・・・と一抹の不安を抱くが、過去作品を調べるとヨルムンガンドや刀語と期待せざるおえない。

と、魅力的な要素が多い。

それもキャラ掘り下げを重視したスロースタートで所々粗さはあるが、近未来の日常生活を描き徐々に成長する過程を描いている。その下地が出来上がる辺りが5話ぐらい。

また、残念キャラというのが特徴。
今までにない新しいキャラ設定に挑戦している。

『アニメ!アニメ! 元永慶太郎監督インタビュー』によると、「ガンダムやエヴァではないロボットアニメを」を作って欲しいという依頼によるもので、準備期間に4年かかっている。

キャラは全員どこかしら頭が緩く、それこそ人間味あるキャラ立ちになっている。その背景として、遺伝子操作によって作られた子供達5人の陰鬱な部分を引き出すわけでもなく、今の環境で楽しみ必死に生きる姿とのギャップあるザンネンファイブ。
それぞれに共通した残念さがバカらしく個性を活かし緊張感あるバトルでも笑える。
必死なんだけど、空回りしている感じ。だけど、成長してゆくとそういうバカさ加減も減りガムシャラさがでてくる。
幼稚だけど回が進むにつれて面白さが増してゆく。
けいおんに限らず日常アニメ的な気持ちにさせるのが不思議なんですよね。
過酷な運命を背負っていることは変わらないけどキャラのツボを抑えた使い方が巧いのかもしれない。

謎の勢力・ウルガルと呼ばれる敵の全貌も中盤からわかってくる。その目的が{netabare}優秀な遺伝子を取り込み種の絶滅回避する。{/netabare}勘のいい人は展開も読めそうだけど、死の設定があることから13話以降からシリアス推しになるのだろう。それでもシリアス・コメディパートのメリハリは崩れない創りで多くの方が楽しめる作品になると想う。

日常的ロボットアニメで独特のシナリオ構成で作中キャラと同じく成長してゆく物語の面白さが詰まっている作品。

2期でボロボロな展開になったら、また作品のイメージも変わるだろうけど現状かなり満足しているw{/netabare}

以下 各話レビュー

1話{netabare}
謎の勢力「ウルガル」から攻撃を受け、全地球防衛軍はMJPに助け求める。
その組織にいる「残念5」と呼ばれる個人の能力は高いがチームとしてはバラバラな5人がいきなり出撃し、気合で乗り切り倒す と1話で突っ込み要素が多すぎるアニメ。

MJPという組織の機体は、それぞれに個人のDNA情報を組み込まれていて、それにシンクロし機体そのものに意思があるような? まるで、輪廻のラグランジェのような機体という印象;
そして残念5は、それを搭乗した後に知るという緊張感がないシーン。
ウルガルは敵に見えるが、その存在がポイントなのか?

なぜいきなり出撃なのか不明、訓練生からその展開は省きすぎでは?
それともDNA情報からして優秀とわかっているから搭乗させたのかな と良いように考えると。
恐らく、その辺りの葛藤やチームとしての心理描写等が見られると想うが・・・王道ストーリーとして進むなら、深夜枠にする意味を考えてしまう。 

機体デザインは普通だが、バトルシーンの迫力が欠ける。
そして機体の出撃シーンが分割とかダメでしょ;

しばらく様子見になる作品かな。。{/netabare}

2話{netabare}
ヒーローとしてチヤホヤされるが、新たな敵に臆する残念5。
そして一般市民からバッシングコメントで動揺する気持ち。
戦闘兵器として養成されている機関らしいが、設定が弱いな・・・敵がいきなりチート的な存在とか、
思いつきで進んでいる雰囲気がする。 {/netabare}

3話{netabare}
前回、敵襲に情けをかけてもらい、何とか追撃されなかった残念5。その件を周りの視点からグダグダと批判される、無駄な演出に尺を取りすぎている。後半パートに駆け足で、再び敵襲と・・・来週に間延び、引きなんだろうが構成が下手すぎる。
ストーリーとして新キャラが一瞬登場、後は無能な指揮官が暴走し残念5が敵襲にピンチに追いやられ来週へ。コメディ部分は苦笑すらでなかったですね。{/netabare}

4話{netabare}
ウルガルの攻防によりタマキの危機をイズルが助け奮闘するが、帰還命令がでない状況に拍車がかかり追い込まれる残念5。さらに状況は悪化しリンリンによる帰還命令が下るとすでにケイを守ろうとしたイズルは瀕死状態へ・・・死にかけ間際、GDFドーベルマン部隊が援護し無事生還。
まず、サブタイトル「喪失」に期待していましたが、誰も死ぬことはなく釣られた感が否めないです。 他に喪失したモノは、機体しかないですねw それもあると想いますが、前回から小出しに心情描写が入るシーンの多くが、”彼等にいくら金をかけていると想っているのか!”という戦闘兵器として作られた闇を象徴させる。 また、機体はパイロットの深層心理によって左右される為、彼等は口には出さないが機体は素直になる。
だが、彼等はMJP入学する以前の記憶は消されているという設定から、恐らく薄っすらとしか認識できていないのだろう。コメディ要素がない方が無難な構成で驚いた。少しづつ死を実感してゆく残念5だが、そろそろ敵の全貌が見えないと辛い。{/netabare}

5話{netabare}
観方がなんとなくわかった、イズルのヒーローになりたい。すごくシンプルなテーマだけど難しいね。 決断する・諦めない・仲間を信じる。この3つを展開として描き、そこにオリジナリティとしてアッシュ機体の生きたいという本能を絡ませた内容とわかった。今までの流れが下地とわかった回で良かった。{/netabare}

6話{netabare}
ダイジェスト卒業式は少し無理あるねw 今迄、学校の話が無かっただけにキャラ達の学園生活を見せられても微妙; スズカゼ教官&月刊ヒーローズPRの回だったw Aパートで消化してウルガルの話へ進んでよかったのでは? と想った。{/netabare}

7話{netabare}
唐突に名前の連呼そして癖ありすぎ、ラマタ、シカーラ? とか異星人としてかなり区別されているが、目的なんだw? 家族について個々の想いあたる話と一応、戦略っぽいモノもあるが戦術でゴリ推しだろうなw{/netabare}

8話{netabare}
無駄に熱いバトルになってきたw 前回の家族と卒業みたいな話から覚悟を決めたら無双っぽいレベルまで上昇して笑ったw ウルガルの言葉も時々、字幕でなんか凝っているな。戦術になる予想通りの展開だな、それにしても相変わらずの無能指揮官で、そろそろ誰かドーベルマン辺りが消えるのかと想ったりした。{/netabare}

9話{netabare}
ウルガルからの亡命、あるある設定とアッシュの関係性もわかって、ジアート・緑川さんがテオーリア伊藤さんを探していると。全貌が少し見えたが、なぜ亡命したのか、なぜ無意味な狩りをせず遊びとして侵略しているのか、その辺りがわかるのかな。地味に加速してきた展開だけど、後3話でまとまるのかw{/netabare}

10話{netabare}
なかなかおもしろい、やはり序盤で尺くいすぎだな。ウルガルの目的が種の絶滅しない為に進化を促す遺伝子を全宇宙に放ち育ったのが地球人で、優秀な遺伝子を回収する狩り。
■不明な点、多分回収されないと想う設定。
なぜ、敵内部で遺伝子の取り合いしているのか分からないw
この遺伝子は個人にしか対応しないのか?
遺伝子を回収し、個人が取り込むことでその1人だけが救われ、他は死んでは意味をなさないのでは?
ウルガルの中でも強い種だけ残る淘汰システムと解釈するべきなら、内部分裂のような会議もわかるが。
後、荷電粒子砲を反射させる連中が敵の対戦相手ぐらい分かるだろw

と、どこかであった設定だな・・・なんだっけ忘れたw 要は地球人とウルガルは元を辿れば同じ人種で、ウルガルの特性というかテオーリアの遺伝子で作れたのが残念5っぽい予感。 異星人言葉も判明すると同時に切り替えている辺りは憎いねw 後はケイの嫉妬が可愛いなw
面白くなってきたが残り2話では中途半端に終わりそうな残念アニメになりそうだ。{/netabare}

11話{netabare}
火星にウルガル残存機体からデータ回収。タマキのハーモニックのレベル上昇によって機体が臨界点を超え壊れかけたが一命をとりとめる。 と、内容は特筆した点はないが、ウルガル残兵は優秀な戦士の遺伝子によって作られた消耗品のクローンとのこと。カートリッジがないと生体維持がでなきない、与える命令に忠実な機械と変わらないとのこと。 テーオリアの命は命という見解も階級によって支配されているのか、カートリッジがないと意思はないのか? と細かい設定だが気になった。
データ解析でウルガル人の拠点以外に何がわかるのか来週ですね。
そして来週ではまだ終わらない雰囲気ですw 地味に嬉しい。
唐突に終わるのは勘弁して欲しい。{/netabare}

12話{netabare}
まさかの2クールでしたw タマキとケイのサービス回、コスプレシーン見せます! みたいな日常内容。 濃縮練乳ドリンクは飲みたくないな、吐き気がするだろ; 来週は総集編で再来週から本筋になりそう。{/netabare}

総集編{netabare}
普通にナレーションして、日笠陽子と井口裕香の現場感想でしたね。 声優ファンにとってかなり嬉しいサプライズだけど、中の人に興味なければ・・・・ですねw 声優業の苦労や現場の楽しい雰囲気があって作られているみたいです。ラジオ感覚で聴いていたのですいませんw 早く13話の新キャラがどうなるのか観たいのが本音w{/netabare}

13話{netabare}
やっと学校の新キャラ・アンジュ登場。二重人格で面白すぎるw ビンタでスイッチ切れるとか、リンリンも面倒な部下かかえた感が否めないw キャラデザも男でも女でも後付できるし、今はどっちでもいいかな。 人数バランス考えると女っぽい。
それにしてもブラックアッシュの動く速さとカメラアングルの構図と観ているだけでテンション上がった。ハーモニックレベル上昇しすぎで、そのうち爆破しそうな予感もするけどw
イズル・アサギ・ケイの三角形ラブコメっぽい所も進展するのか今後次第ですね。{/netabare}

14話{netabare}
アンジュの有能さを見せるコメディとジアートとのバトル。
イズルはテオリーアに試されたのか分からないがハーモニックレベルの上昇により覚醒し同時にジアートも覚醒しアンジュなんか目じゃないぜ状態の応戦で援護もあって命からがら迎撃。
アッシュの本能が色濃くでるほど機体はついていかないのが課題になりそうであるが、自我もぶっ飛ぶ辺り一種のトランス状態で諸刃の剣っぽい。 それにしてもバトルシーンの作画がんばっていた。 おぉぉ~と、つい見入っていたw 来週のイズルに注目だね。{/netabare}

15話{netabare}
アッシュとパイロットが同じ遺伝子で作られているから親和性・ハーモニックレベルがピークになると自我が失われるとのこと。 まるでもう1人の自分が分離し乗っ取られ性格も行動も別人ですねw さすがにイズル以外が書けば漫画はおもしろいのかもとか想ったりしたw ケイのケーキーは甘すぎて三途の川へいつでも逝けそうだね。
バトル内容は、アンジュに協調性を教えることが趣旨になっていたのでイズルと一波乱おきそうな感じ。
ウルガルはテオリーアを捕獲し連れ戻す目的が何かそろそろわかりそうな雰囲気ですね。
次回はアサギが中心なんで進展はないと想うがw{/netabare}

16話{netabare}
アンジュの2重人格は未だにわからないが、素直なお礼も戦場になると暴走しそうな気がするw その反面、イズル・アンジュのWエースと称される中アサギが劣等感に追いやられる。アサギの良さはイズルとは違う指揮統率力ある見せ場が次のバトルで観れるのか期待!テオリーアとの会食の意味は何なのか?と途中でウルガル陣営が襲来し曖昧だが気になる所。
政治会合も地味ながら世界的な結束はなく、我が国がウルガルを倒し、その後の国益を優先させようとするGDFもアッシュ以外に何か裏を隠していそう予感がしますね。{/netabare}

17・18話{netabare}
バトル絵、特に18話クラインとレッドの殴り合いに速さ。手数の流れによってスピード感が生まれ、レッドの悲壮感がヒシヒシと伝わって来る。いつもながら高水準の作画を保っていて、スルガの長距離砲は迫力もあって安心して観れた。ただ、シナリオとして前後約2話を使うエピソードではないが、アサギの心情変化・そして他メンバーのハーモニックレベル上昇と全体的に成長しているとわかるが、クラインの足掻くシーンが薄く見えてしまう物足りなさを感じてしまった。団長クラスの無双的な力に自惚れ独断で行動するほど冷静さには欠けており、ジアートのお膳立てになった印象が強い。ジアートとルメスの関係も相互利益として成り立っている所を観ると、裏切りもありだが、瞬殺されたラダを観るとジアートの独壇場になりそうな雰囲気がある。アッシュ量産計画しないと全員死亡フラグしか立たないほど追い込まれてしまったね~戦略差があり過ぎだな。{/netabare}

19話{netabare}
冒頭からガッカリスリーの死亡フラグ立ち過ぎの会話・ゲートの確認指令。最終的にゲートを破壊して撤退させ地球を守る形で終わらすのか、ジアートをぶっ倒すのか気になる処ではあるが・・・ガッカリスリーあっての希望としか言い様が無い。緊張感ある演出で、やっぱり、死ぬのか・・・と想いながら「Respect Me」が流れた瞬間、ランディの死に台詞に鳥肌立ってしまった、恰好よすぎだろ!死は唐突に来るものだが、地味に馴染んできた頃に、この展開は卑怯だな。次はアンジュの死亡フラグが立ちそうな気もするが・・・・{/netabare}

20話{netabare}
重苦しい雰囲気が艦内にあふれタマキがイカ塩を泣きながら食べる姿は、絵として躍動感もあるけど今迄の印象とのギャップが露骨なほど見せることで場の静寂な空気がヒシヒシと伝わる。初めて身近な死を経験し、各々の心情に死に対する怖さを植えつけられ緊張感をもたす回になっていた。
同時にテオーリアとシモンの遺伝子操作で生まれたイズルとアサギの兄弟という真実が無いはずの絆が結束を強めているが、イズル・ケイ・アサギの恋模様は進展するのか。ウルガルのゲートにどう対応するのか佳境ですね。最後の決戦に向けて、思い残しがないような日常回をいれるだろうし纏め方に期待する。イズルの死亡フラグも濃厚だけど(苦笑){/netabare}

21話{netabare}
イズルの代わりにテオーリア参戦、スターローズが主力艦となる作戦プランを考えると、1人1殺で軍団長を倒せるのかとなるわけだが・・・恐らくイズルが覚醒して窮地を凌ぐのだろう。アサギの兄貴節が良い方向に流れて胃薬もいらなそうとわかったw ケイ・タマコ・アタル達の血のつながりもわかると設定の興味が増すのだが無いかな。後は、アンジュの暴走っぷりが楽しみw
ただ、アンジュはどうしても蚊帳の外のような空気がとれていないのが残念ではある。{/netabare}

22話{netabare}
アサギがリーダーとして作戦を開始するが、遭遇戦により計算外の攻防となる。1人1殺という流れが消えルティエルとタマキの高速戦をもう少し描いて欲しい部分はあったが、やっぱりチーム戦でようやく倒せるレベルという機体性能は変わらないね。スルガの遠距離射撃あってカバーできて連携プレーは良い流れになっていた。アサギの苦労も虚しくマーカーを貼り付けるも高エネルギー障壁に加え囲まれる絶体絶命のピンチに・・・アサギの特攻により回避しても死にそうな。まだジアートも出てこないし後2話が駆け足になりそうな。{/netabare}

23話{netabare}
ジアート来たー何とか登場してきたけど、見せしめに殺すような展開はないんだねw 怒りでイズル覚醒パターンかと思ったけど、アッシュ本来の性質を呼び起こしジアートとのガチバトルもクライマックスになってきた。ドルガナが最強の将という割には、地味な絵が多くしっくりこないかな。そして、またしてもゲートが壊せない・・・スターローズで次こそは破壊できるのか、それともイズル頼みになってゲート破壊して一時的に地球は救われたENDになりそう予感が強いかな。アッシュ量産型の出陣が早ければ戦況も大きく変わっていた可能性が高いが、この辺りは演出としての補足になっていた分かりやすい。超展開で残念5全員覚醒はやめて欲しいw{/netabare}

24話{netabare}
不満が聞こえてきそうな終わり、2期へのフラグ立てとなっていたが、私的ながら良い節目になっていた。分をわきまえた終わり方と思えばいいのかな、ジアートを含めウルガルの生死が曖昧にはなっているが、それだけ圧倒的な兵力の差を見せ付け、人類の存亡をかけた戦いとわかる。最後はイズル中心に描き、新ヒーロー誕生というコンセプトをストレートに打ち込んできた。伏線として、シモンとジュリアと呼ばれる者の関係がアッシュにどう関与しているのか、イズルのもう1つの人格はアッシュの人格はは生存本能に応えるシステムの他に秘められたエピソードが気になるところではある。後日談が少しぐらい尺を作って欲しかったが、ストーリー・キャラ設定が活かされた作品で満足している。振り返ると序盤からよくぞここまで楽しませてくれたと感謝している。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 50
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

全然完結してねえええ(最終話まで

1~23話までを 9月20日(金)15:00より無料配信予定
http://ch.nicovideo.jp/mjp
↑こちらのページにある動画が20日より全て無料開放されます。

【出演:浅沼晋太郎・ブリドカットセーラ恵美】 『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』最終回放送直前特...
【会場のご案内】
2013/09/19(木) 開場:19:40 開演:19:50
http://live.nicovideo.jp/watch/lv152330606


●関連URL
番組公式サイト:http://mjp-anime.jp/
番組公式twitter:http://twitter.com/MJP_anime
まとめwiki:http://www51.atwiki.jp/mjp_s/
ニコニコ動画(公式配信):http://ch.nicovideo.jp/mjp 毎週(月) 23:30更新 4/8-

なんか説明不足な部分も多々ある感じがする。
まぁ後々わかるタイプのアニメなんでしょうねストーリーは。

キャラデザが一部特殊なんだろうけど私は好きかも。
キャラは主人公がヒーローに憧れ、惚れっぽいアホの子、記憶の良い気さくな奴、あがり症なイケメン、クールな女の子の5人「ザンネン5」だがなかなかいいメンツ。
それと「ガッカリスリー」も良いキャラ。
しょぼい主人公アニメが多い中これは主人公らしさがちょくちょくあるのでなかなか好き。

ロボットのデザインはVVV>マジェプリ>ガルガン
取り敢えず爆乳ばっか。兎に角でかい。
個人的にはサイズより感度重視派なので惹かれない。

悲壮感とか緊張感が全然伝わってこないのがなんだかなぁ…
まぁよく言えば安心して見れるしギャグ路線なのかな?結構面白く明るいアニメ。


GDF広報室提供「MJPザンネンラジオ」
http://onsen.ag/program/mjp/
こちらもお勧め!
ブリドカットセーラ恵美さん(ナトリ・シオン 役)
なんでこの人がラジオやってんのか未だに意味がわからん。


1話~8話までの相関図
http://p.twpl.jp/show/orig/tIE2o

6話まで
{netabare}6話で今までの養成所みたいなとこから出て行くわけですが、いやぁあの僚から出て行く時の感じが凄く良い演出だった。
特にバスに乗って送り出される時の敬礼(`・ω・´)ゞ
あれは泣けました。
何はともあれここで綺麗な区切りが付きましたね。{/netabare}

1話から6話
ここまでが第一章だそうです。(ラジオ06より)
新兵たちというタイトルがあるそうです。

7話~12話
{netabare}いきなり悪役が勢揃い。
あれ?見てるアニメ間違えたか?と思うくらいなんか凄く違うアニメに…
使い捨てレールガンはやりすぎじゃないか!?
別に使い捨てなくても…コスパがry
山田ぺこさんwww随分濃いキャラがここにきて現れたな…
部屋に戻れよからの皆同じ部屋に集まる心理すげーわかるw
僚で暮らしてた時なんてこの流れが当たり前にあったなぁ…
いいよねこういう仲間思いな流れ。
ってか一々おっぱいでかすぎだろw

うーんやっぱMJPが今季ロボアニメでは一番良いなぁ。
良くも悪くも無難でいい感じ。

8話
マンザイ3が強すぎるだろと思ったら、
緑の母艦がチート性能すぎるw
1発2億ってww貨幣価値知らんけど凄そうだ…
だからいちいち皆おっぱいでかすぎだろw
筋肉自重w敵の白い機体かっこいいなぁ
しっかし今回戦闘が凄かったなぁ次回が楽しみだ。


9話~14話までの相関図
http://p.twpl.jp/show/orig/tQvOY

9話
敵が人間だってのは内緒なのか。
そしてまたいつものように集まるメンバーww
噴水さんが仕事してるw
いよいよネタバレタイムか。

10話
話が壮大になってきた…
テオーリアと以前友達だったとかどういう事。
ケイの嫉妬が捗るな。
実験用のうさぎか…
ジアートが緑川光すぎる。キャラ濃いなぁ。

11話
宇宙イカって完全にヒディアーズじゃねぇかw
潜入工作面白いな。宇宙以外で戦うのもなかなか良い。
岩が崩れた時絶対にゃーんっていったよなw
うーむ見入ってしまった。やっぱ面白い。

12話
なんだこのコスプレ回w息抜き回なのか。
やばい塩辛マジ食いたくなるw
アイハブコントロールって聞くとプラネテス思い出す。
ケイはなんで園児の服着てんだよw
ケイブチ切れwww
まぁ唯一いらない回だった。{/netabare}

13話から第三章「激闘」 ラジオより引用

13話~
{netabare}総集編ただのつぎはぎだけじゃなくて声優出てましたね。
やっと13話。新型ってロボットかなんかかな?
まだキャラ増えるのか…あぁそうだ総集編でいたっけ。
最後話まとめられるのか怪しくなってきたなぁ…
新キャラ後輩なのか。アンジュって男なのか?男の娘なのか?
どっちなんだ。変な髪型だなぁ…模擬戦だと!?
エロい事が頭をよぎってしまったのは俺だけじゃないはず…
アンジュ早すぎwうわうわ上から目線になったww
なんとも分かりやすい奴だ。ナイスケイ!
オペレーション硫黄島?
何故いちいち発進のシーンを全部写すんだ…
4画面とか分割して尺縮めろよ。ってか尺稼ぎしすぎだろ。
長い長い。
アンジュ何してんだ?ビビって動けなかったのかな?
アンジュ捕獲されそうな予感がしてきた。
アンジュ無双すぎる。
駄目な事してもこのアニメは怒られたり落とされたりしないのね…
後半入って誰か死んだりして展開広がらないのかな…
OPED変わったけどなかなか良い曲だ。

14話書き忘れ

相関図15話~
http://p.twpl.jp/show/orig/jjMNy

15話
アッシュにも自我がある…だと…!?
人造人間なの?EVAなの?しぬの?自我の覚醒に期待したい。
ケイはイズルにゾッコンだなw
漫画が面白いから変なのかw
アッシュの自我が覚醒して飲み込まれつつあるのかな?
それとも同化してるのか。
タマキは惚れっぽいだけだろw
ちょwケイのケーキそんなやばいのかよw
ギャグなのかシリアスなのかわからんw
レッド機体修理中なのか。
アンジュまた狂っとるw
敵は光学迷彩あるのか。
コアってなんだ?新機体?
カメムシだったりゴミムシだったり虫が好きだなアンジュ。
相変わらず敵弱いな。なんか単調すぎる流れだな。
うーん伸び悩みだなぁストーリー的になんかどかんと来ないかなぁ。


16話
そろそろ大きな展開が見たい。このままじゃ普通すぎて面白くない。
イズル明らかに謎のフラグが立ってるな。
キリッとしてってどういう事wケイ可愛いなw
アンジュの歓迎会か。なんかうまそうなもん食ってるなぁ。
会食か。過去が明かされるとかかな?
シモン司令はどうなってんだ。駆け引きってなんだよ。
ライノス。権益確保は重要だな。
なんでデートって事になってんだよwケイ嫉妬しないのか?
塩辛もケーキもどっちもだめだろw
3人なら私も安心だし。やっぱ嫉妬してたのかw
教官の職だと!?まさかの戦線離脱か?
まさかのお好み焼きw
うおタマキが好きだったのか!!チョロインだし簡単に落とせるぞw
山田が選んだのかお好み焼きw
ちょw鉄板に手のせるなw
絶対防衛圏突破とか地球やばいんじゃ…
最終防衛ライン突破された的な意味でいいのかな?
あれ?またED変わった!?


17話
忙しくて見るの後回しになってしまった。ってか前後編だし続けて見たかったのもある。今回どうなるやら。
OPがなかなか良いよね!
アンジュ別行動なのか。学園ピンチ?DNAサンプルが目的なのか。
クレイン死亡フラグが…
ジアートの妹だったのか。
ってか話遅過ぎないか?色々伏線回収しないまま終わりそうだ。
クレイン動き速すぎw
ほほう新しい装備になるのか。
だからいちいち出撃場面出さなくていいから…公式で見放題じゃないかこの場面。テンポ悪すぎ。
アンジュの装備どうなってんだよまったくw
いってきマンモスwwネタが古いwいってきマングースww
大気圏突入かっこいい。
チームラビッツのエースはイズルだったのね。
たまきそりゃないだろww
光学兵器?超ウルトラ遠距離スナイパーライフルかよ。
説明乙wホント中の人凄いわw
ちょまw光学兵器どんだけ強力なんだよwって全然効いてねぇ…


18話
はずしたって事なのか?
OPの受け入れよ弾幕どんだけジアート好きなんだw
接近戦激しいな。
マイクロウェーブエネルギーすげぇな。
敵の機体硬すぎだろ。タマキはフラフラいつまでやってんだw
しっかしまぁ戦闘シーンぬるぬる動くな作画半端ない。
光学兵器エネルギーオーバーかなんかで爆発したのか?
クレイン今度こそ逝ったか。
敵幹部一匹倒すのにメッチャ苦労したな。こんなんで話数足りるのか?
整備間に合うのかよ。全機ボロボロじゃねぇか。整備班良い奴しかおらんw
え?なんで怒られてるんだ?怒るとこちげぇだろ。
なんだ続けて攻め込んで来ないのかよ。
緑川さん緑の川が写ってますよw
おっ?まさかの内部分裂か?
ジアート速すぎ強すぎwまた一人逝ったか。

このアニメやっぱ鬱展開一切やらないのかな…
戦争やってんのに味方一人も死なないんじゃ緊張感がまるで伝わってこないな。
まぁ13話当たりからドカンと展開動くかと思って期待してたけど無かったから最後までこんな調子なんだろうとは思っていたけど期待はずれだったな。
平和ボケ専用アニメな感じだなぁ。まぁ最後まで見るけどさ。
どれだけ風呂敷畳めるか見ものだ。


19話
まーたAV鑑賞会かよw
女の子硬いのがいいってどういう事w
まさかのアンジュ参加wやっぱり男だったのか?
そして性格がまた暴走中。スイッチわからんやつだな。
戦争が終わったら結婚…死亡フラグが…
全人類をまとめて反攻作戦?
イズルに陰りだと?
ゲート破壊作戦。
戻ったら渡すんです…って死亡フラグっぽいんだが。
イズル再検査か。何が起きてるんだろう。
女の敵ロボかっけぇ。メッチャ強いな。
うっわアッサリやられた…
ああああああああ。やっぱり死亡フラグだったか。
ランディー(´;ω;`)ブワッ
チームドーベルマン生存1名って事でいいのかな?
ED変わったか。

いよいよ大詰めになってくるのかな?
なんかこっから急に死人がバタバタ出そうだなぁ。
緊張感が出てくるから次回から楽しみだ。
一体誰が生き残れるのやら。なんか全員死んでもおかしくなさそうだ…


20話
棺桶?雰囲気がヤバイななんか…BGM無しか…
あれだけフラグ乱立した場合なんか知れっと生きてました落ちとか来るかと思ったが。
AV先輩(ランディー)とタマキ好き(パトリック)やっぱ死んじゃったんだな(´・ω:;.:...
もう今週から誰死んでもおかしくないな。
まさにお通夜モード…
パトリックのプレゼント塩辛だったか(´;ω;`)ブワッ
ドーベルマンが命をかけて持ち帰ったデーターどれだけ重要なんだろ。
パトリック(´;ω;`)
お腹痛い~っておい食い過ぎかよw
イズルに何が起きてるんだ。老化だと!?
アッシュに乗って覚醒したせいだったのかやっぱ。
アンジュも再検査か。戦うどころじゃ無くなってきたな。
誕生の経緯…
首脳会議か。GDF作戦参謀アマネ大佐。
パイロットはやっぱDNA登録型なのか。
他の人間乗って大丈夫なのか?あら?起動?おいおい大丈夫かよ。
ゲートを破壊すれば本当に終わるのだろうか?
テオーリア実はスパイだったとかって落ちじゃないよなぁ…
MJP?ウルガルの?テオーリアの機体だったのか。
テオーリアも戦うのかな?
アサギとイズルに共通のDNAか。なる程ねぇそういやそんな話いつだかあったっけ。
ウルガルからもたらされたDNAだと?テオーリアとは兄妹って事だったのか。
シモン司令のDNAも使われてるのか。パイロット皆兄妹だったのか。
伝えたい琴は早めに伝えておいたほうがいいね。
なんでホモ展開想像してんだよイズルw
兄妹の話やっぱしちゃったか。お兄ちゃんww
作戦の指揮はアマネ大佐が行うのか。
ED変わったか。6機の光。全員生還するんだろうか…
次週「決戦前夜」再来週からまた戦闘開始かな。
後4話でどうやってまとめるんだろうか…


21話
大艦隊戦やるのか…エグザイル並みのを期待してしまうんだが…
あれ?今更気付いたがOPのイズルの影がジアートじゃね?これってまさかジアートと実は同じDNAでとかって落ちになるんじゃ…何かきずいてはいけないものにきずいてしまった感じがする。まっ関係無いって事もあるからまだわからんか。
「決戦前夜」
おにいちゃんっぽいよねっておいおいw
なんだ皆にバレてんのかよwスルガ拒否すんなw
タマキだけは別な感じするけどなw
イズル退艦命令だと?ゴディニオンに搭乗する事は許可するって戦艦の話か?
イズル出撃出来ないのかよ…
レッド5使えないけどテオーリアが出るのか?
最後のシカーラ。
自らの命を優先して…まぁ人間だけだよな人の為に命をはる馬鹿は…
なんだ色んな軍隊があったんだな地球も。
割りと適当な作戦だな。まさにタマキの言うツッコんでってドーンだなw
アサギ死亡フラグなんじゃ…
ダニール「時には遺伝子に逆らい心に従うのが人間なのだと」
アンナ…ただの駄々っ子じゃねぇか…と思うが遺伝子に逆らう話の後だと色々深い。
アニキって超アニキかよwww
ロックをかけただと!?イズルどうやっても出れないのか…
ダメだ全員死亡フラグにしか見えない…
あー頼むからイズルとケイだけは幸せになってほしい。
スターローズは地球とケーブルでつながってたのかな?
全面戦争開始だな。
もうダメだ悪い予感しかしない…絶対死ぬんだろわかってんだよ皆死んじゃうんだろ…
あぁ鬱鬱する。


22話
敵はニ個艦隊。イズルお茶くみで紐付きw
アサギリーダーになったか。お兄ちゃんw
目的はゲート破壊。出撃体制はとってないが鉢合わせ。
奇襲で攻撃開始。地球の全戦力が援護。
パトリックを落とした奴…やっぱタマキ突っ込んだか。
ジアートのラマダは出てきませんよっと。
食堂のおねぇさんの差し入れはノリ無しオニギリか。中身が一々豪華w
凄い新兵器があったもんだな。
凄い連携と凄い戦闘シーンだった。
アサギツッコんで大丈夫なのか…このフラグ乱立は…
アンカー刺さったか。戦艦の巨大なレーザー砲発射。
発射したエネルギーが消失だと?
あちゃー一気に囲まれて大ピンチじゃねぇか。
後2話しかないんだけどどうなる事やら…
そういやアサギ死ななかったな。まぁ来週のほうがやばそうだけど。


23話
さてどうやってこのピンチを切り抜けるのか。ラスト二話。
亜光速誘導弾の飽和攻撃も効かず。
ジアート出陣か。
子猫ちゃんw聞こえるにゃんってw
あらシリアスパートでもお兄ちゃん呼びなのか。
ウルガル最強の将?
こんなんで本当に話をたためるのだろうか…
イズルいきなり皆に告白か。死亡フラグじゃないか。
書きたい漫画があるから僕はまだ死にませんっておいw
機体直ってたのかよ。覚醒でもするのかな?
やっとジアートvsイズルか。
戦艦何処へ向かうんだ?全艦で突撃する気だったのかよ。
量産型アッシュなんてあったのか。援軍メッチャ多いなw
タマキが押してるでかいのまた新しい装備か?
テオーリアいよいよ戦闘に参加か?
ストラガルレーザー消滅かよ。
レッド5完全覚醒か。一体何が起こるんです?
スターローズをぶつけるだと?
ありゃもう終わってしまった。これホント来週で終わるの?
色々ぶん投げて中途半端に終わる未来しか見えないんだけど…
不安しか無いなぁ…
イズルが完全覚醒したからパワーインフレでゴリ押しで終わったら駄作。
「宇宙に散る花」ってなってるからイズル死にそうだけど主人公補正で生きててよかったねENDかな。微妙すぎる…
なんか色々残念なアニメだったなぁ。


24話
スターローズだけじゃなくまさか全艦突っ込むとか無いよな?
おい強行突破する気なのか?ジアート引く気無しか。
イズルバーサーカー状態か。一体何と戦ってるんだ…
ケイどうやってイズルを取り戻す気なんだ?やっぱり説得か。
戻ったか。あれ流れ遅くないか?
トメートだかポテートだかw
ケイのケーキ食べたく無いのかよww
「HEROになる為」再覚醒か?
おいおいジアートも覚醒出来るのかよwなかなか勝負着かないな。
いやいや戻れも何も戻りようが無いだろ。
スターローズは誰が乗ってたんだ?お父さんしかわからん。
中身だけでジアート倒したか。一緒に吹っ飛んだか?
ゲートが壊れて新たな進化とはなんだ?残った敵機はどうなるんだ?
生きてたか。あれ?なんかおかしい?
うわーこれで終わりかよぶん投げやがった…
元々二期予定で作成されたのか?完全に丸投げENDじゃないか…
ジアート死んだのかも怪しいし。
残った敵機体どうなったのかわけわかんないし。
なんで新たな進化なのかわけわかんないし。
テオーリアどうなったんだよっていう。
もうわけわからん。最悪の終わり方しやがった。
続編早く見せてください。これで終わったら最悪だろこのアニメ。売り上げ的に続編出そうに無いから困る…
駄目だこりゃ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 43
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残念な主人公たちがヒーローになるまでの物語

★第25話「未来への翼」レビュー
(2016.9.29 BS11にて視聴)

今回の脚本は、TVシリーズでは軍事・SF考証担当で
脚本も全24話中5話分を執筆した、鈴木貴昭氏が担当。

初放映時、最終話の第24話が
各局で2013年9月19日~27日頃放映だったので、
当に3年ぶりの新作。とても楽しく視聴しました。

OP&EDは2クール目の楽曲を流用。
特に、EDのクギミヤ・ケイ(日笠陽子)とイリエ・タマキ(井口裕香)の
「アリガトウ。タダイマ。」は、
3年待って続編を迎えるにあたりとても感慨深いものがありました。
{netabare}
残念ながら、既存のキャラの後日談は描かれず、
2016年11月公開の劇場版の新キャラ紹介と劇場版前日談で終わった。

既存キャラは、整備士長の西園寺レイカと
ガトゥ司令が台詞付でほんのちょっとだけ登場。

主たるチームラビッツの面々は、台詞なしのアバンタイトル以外
本編では、バンク映像の搭乗したアッシュの戦闘シーンこそあれど
彼らの声も姿もなし。

ファンの一人としてはチームラビッツの後日談が観たかった。
でもなかなか新キャラも面白そうな設定で楽しめた。

杉田智和演じるその名もずばりスギタ教官。
そしてルーキーのチームフォーンの4名。

ザンネンの伝統は新キャラでも例外ではなかったようで…。

相変わらずよく練られたキャラ設定で劇場版が楽しみになった反面、
キャラがしっかり立っていた彼らゆえ、1クールでもTVシリーズで
じっくり描いた後で劇場版にして欲しかったという思いも抱く。

描かれた時系列は、第17,18話の都市学園防衛戦から
第22話のオペレーション・ヘヴンズゲート開始時まで。

都市学園防衛戦時のバトルはファンの一人としてとても燃えたので
それを防御シェルター内のモニターで魅入って同じように燃えている
チームフォーンの面々に感情移入も容易だった。

因みに杉田氏は公式HPでのコメントで
一時は本作の1ファンだったことをカミングアウトしてたが、
最近、その文章はカットされていた。
本放送と同時期放映のロボアニメのライバル、「翠星のガルガンティア」で
必要不可欠の重要キャラを演じていたので無理のない配慮に思う。
{/netabare}


以下は、2015.09.23 18:37投稿分

久しぶりにブルーレイで全話再視聴出来たので、2014/12/29に投稿したレビューを全部書き直しました。

放映後、ピンポイントでいろんな回を観返すことはよくありましたが、全話リピートはこれで3度目になります。
(以下制作にまつわる裏ネタは、webサイト”アニメ!アニメ!”の記事の監督インタビューより頂戴しました)

<主要スタッフ>
監督:元永慶太郎
シリーズ構成:吉田玲子(ロボットアニメを手掛けるのは今作が初めて)
軍事・SF考証:鈴木貴昭
脚本:吉田玲子(1-4,6,7,13,16,20,21,24話)、鈴木貴昭(8,11,15,19,23話)
志茂文彦(5,9,10,14,17,18,22話)、伊藤ヒロ(12話)
キャラクターデザイン:平井久司
音楽:渡辺俊幸

<通称マジェプリ、MJP、全24話>
既に吉田さんと平井さんはスタッフとして決定済の制作チームに元永監督が後から参加。
「ガンダムやエヴァではないロボットアニメを」というお題の下、
準備期間約4年で生れた宇宙が舞台のロボットアニメ。

<主人公は、チームラビッツ(通称ザンネン5)>
男3人、女2人が今作の主人公たち。
2クール目は性別不明の1人も加わり6人となります。
それぞれのアッシュと呼ばれる搭乗ロボットは、
以下のネーミング通りに色分けされている。

ブルー1、パープル2、ローズ3、ゴールド4、レッド5(実際のカラーリングは紅白)、
そして2クール目からはブラック6も加わり合計6機体となる。

チームリーダー、イズルの描く漫画からも察せられるように、
戦隊ヒーローをリスペクトしたかのような設定となってます。
因みにザンネンファイブいう命名は、吉田玲子さん。

<そして「ザンネンだっていいじゃない」のキャッチコピー>
誰もがザンネンで、誰もがヒーローというコンセプトで、
メインの主人公たちの成長を軸に、群像劇を織り込み
最終回のカタルシスに向けて積み上げられたエピソード群は
とても丁寧に描かれています。
しかも緩急自在で話に深みがあり、始終飽きることがありませんでした。
話に中だるみを感じた方もいるようですが、自分は問題ありませんでした。

平井さんがノリノリで生んで、監督のOKが出た総勢50人に及ぶ登場人物たちの群像劇と
思考停止しまうほどのスピード感あふれる3DCGアクションの魅力も素晴らしい。

人間ドラマ、ヒーローの成長もの、ロボットバトル、宇宙戦争、戦時下でのシリアス、日常コメディなど
バラエティに富んだ内容を、無理なく高度に融合させることに成功してると思います。
死亡フラグを叩き折るキャラ達の逞しさも魅力。

恋愛要素は、あまりドロドロベタベタしてないので割とさっぱりしている。
そんな中、突然の悲劇のイベントもあるが、一瞬の悲しみの後には尾を引かせない工夫が上手い。
重すぎず軽すぎない、絶妙なバランス感覚を終始保っていて後味が良い。

<内容的にはロボットアニメ全盛期の夕方放映向け?>
序盤のストーリー展開から惹きこまれる方は少ないでしょう。

主人公たちの未熟さが目立ち、話の進み方が遅いと感じるかも。
物語開始当初は、漫画チックなキャラデザに耐性なく、
コメディ路線の緩くて軽い話と見間違えてイラッとしたり、
深夜アニメのくせに子供向け、ありきたりとばかり、
割と簡単に見切ってしまった視聴者も多かったことでしょう。

特に、ガンダム&エヴァ系のファンの多くの引きつけは弱いかもしれません。

ただ、日常会話の面白さは、吉田さんの真骨頂です。
やはり『けいおん!』での実績は伊達じゃありません。

あまり期待せず、拘りや先入観持たないニュートラルな状態で観ることをおすすめします。

自分にとっては第6話「卒業」が分岐点でした。
この物語が輝きだすのは、主人公たち5人が、
ヒーローとして本当のスタートラインに立った、この話以降にあると思います。
全校生徒から敬意を持って見送られる彼らたち。
以来、チームラビッツの面々は愛しく目が離せなくなりました。


<3度目の全話視聴を終えて>
王道の展開がとても心地いい。
良く練られた物語で、童心に返って安心して楽しめる作品だと思います。
特に吉田玲子さんの脚本は人間ドラマとして秀逸です。

多くの今作のファンの方と同感で、
やはり最後に後日談が欲しい所ではありましたが、
何度も観ても楽しめる魅力があることを再確認しました。

いまだ色あせないクオリティに敬意を表し、
ザンネン5ならぬ、オール5で評価を更新、
この作品は傑作とさせていただきます。

ここでの評価はあまり高くないのは非常に残念です。

<でも「ザンネン!」で終わってなかった!?>
初放映後2年と数か月経った現在、続編制作の朗報はいまだありません。
やはり円盤の売り上げが続編制作ラインに達してないのが一番の原因でしょうか?
しかし、2015年8月26日、パチスロ化記念ではあるものの、秋葉原において、
展示や声優トークショーなど、盛りだくさんのマジェプリのファンイベントが開催されました。
何百人ものファンが駆け付け、約4時間のイベントは大盛況だった模様。
2年以上経ってもいまだ根強いファンが残ってるのは大変心強い。
続編の望みが全くのゼロではないと思えたちょっとうれしいニュースでした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

68.6 2 任務で未来なアニメランキング2位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (354)
1487人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





----------------------------------
20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


-----
2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/02
♥ : 69
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

もうやだ

1話感想{netabare}
ひと言で“魂”って言うと「作り手の入れ込み」も含まれるので「そりゃあるだろ」と思ってしまうし、そういうことを言いたいんじゃないってのも分かるので…そうさなぁ、せめて“自我”と表現して欲しかった。
扱いとしては車が近いと思うのだけど、思い入れを抱く人は普通に居るんじゃない?

それよりも…主人公グループの男子3人にそれぞれ妹が居て…。
ひょっとしてこの世界って生む子供の性別が定められてたりする?
第一子は男で次は女で、みたいな(一姫二太郎のが良い気がするが)。
セックスは専らロボット相手で、子作りは人工子宮とか?
まだ全然分からないけどそこら辺の世界観描写に期待。
プラメモみたいな作り手に余りにも都合の良すぎる設定は勘弁。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
2話、あれ?あれれ?
まーた自分語りで恐縮なのですが…2017年にAICがメガゾーン23の新作を作るとかでCFを募ってました。
自分がその存在に気付いた時にはもう募集終わってたんだけど、そこで紹介されてるイメージボードや設定を見てあれこれと想像を膨らませてました。
なのだけど…あっるぇ?ビートレスがなんかそれで想像したのと似通った展開が…(SINじゃなくXIの方、イヴが有機ボディ持ちだそうで、アナログハックのシーンとか非常にやりそうな予感が)。
レッドボックス自体がイヴ+ガーランドみたいなモンだろうし、もしこれで「実はこの世界は巨大な宇宙船の中でしたー」なんてオチが来たら卒倒するかも知れん。

そして3話、な~んかHIEが人間に対し誘導尋問や催眠商法を仕掛けてるように見えてしまうのはワザとかな?
といいつつ自分が誘導尋問って何さ?ってのよく分かってないんだけどね…選択肢を限定し、あたかもそれ以外の選択肢は無いかのように嘯(うそぶ)き、どっちがマシかで尋問者に都合のいい回答を迫る手口ってのは誘導尋問ちゃうかなぁ。
アナログハック自体が催眠商法だし、催眠商法は認可されてる世界ってことかな。
だとしたら主人公は例外として、あの世界の人間がHIEに冷たいのはある意味当然、信用ならんからね、心に壁作っちゃうね。
人間が人工知能に操作されてるっていうか、そういう勧誘に惑わされない精神が人間に求められてるとか、そういう話?
主人公は今後そういった展開になるのかね?「レイシアがボクを意識誘導してくる」とか言って溝が出来るとか。
「私コイツ殺したいんでマスター許可出して。責任はそっち持ちで」って振舞いはどう見ても、ねぇ…。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
まず総集編(5,5話)の感想。
この世界の治安レベルが分からない、総集編でそこら辺の説明してるれるのかなー?と期待したけどそれも無し。
銃ひとつとっても、「現代のリアル日本人(視聴者)が国内で手に入れるよりもよっぽど困難な管理の行き届いた世界」に見えるんだけど、そこでポンと銃手に入れてテロ組織って…うーん?
赤いのが手配した※、と考えようとしても「無いものは用意できない」ちゃうかなー、と。
(※その場合、テログループに銃器が渡ったのは最近ってことになるので違うか)
まずどこで作ってる?どこか戦争してるってこと?軍の払い下げであろうともその行方は追跡されるんちゃう?
演習終了後、薬莢と弾丸の数が合わなかったら大騒ぎになる世界じゃないのか?
作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。
多分これ、原作(活字)なら勝手に補完されてたことが、映像になることでアラが出てしまった例な気がする。
アラって書くと失礼かな、映像化に際して美術の練り込みが甘いというか。
そこへもって総集編でしょ?「そんなこと描いてる暇なんか無い」と言われてるみたいで、う~ん。

透明化して侵入も「上に花びらが積もる」とか描いて欲しかったんだけどねぇ。
手間かかって大変なのは分かるけど、世界観に対して拘りが薄いというか、ホント事務的にアニメ作ってるだけって印象になって…う~ん。

そして新展開の6話感想。
HIEのタイプ名(カテゴリ名)レイシア級と個体名レイシアが一緒なのがちと紛らわしい気がするけどまぁいいや。
レイシア級の最優先目標は自己の保身で、個体ごとに手段はバラバラで、中には人間を利用することも辞さないってのも居るって感じだろうか。
自己の保身は最後の最後まで与えてはいけないものだと思うんだけど…コントロール下に置けなくなる(「あ、これ失敗だ」となっても処分できない)のは明白じゃん、と。
まぁそうしてしまった世界ってことなんでしょう、まいっか。

人間と作り物の違いがどうたらの問答、それ自体は構わないんだけど、「アニメキャラにそれ言わせる?」とメタ的なことを思ってしまうのは野暮だろうか。
そっち方向に話進んだ方が面白い気がするけど、そんなこと無いよね。
ってか小物に未来的ガジェットがほとんど見られなくなってしまったのが気掛かり…「そこまで細かく美術やってる暇なんか無い」って言われてるみたいでのう。
総集編のせいもあって「未来世界を描いたアニメとして大丈夫か?」って疑惑が段々と強まってるワケですが…ホント大丈夫かな?{/netabare}

20話までの感想{netabare}
あーあ、言わんこっちゃない。
6話までの感想の段階で
「作中描かれる背景が余りにも“隅々まで管理の行き届いた世界”しか映さないものだからどうにも違和感。
単純にスラム街とか地下に治安の悪い世界が広がってるとか、一瞬でいいので画面に写ってれば済む話なんですけどね。」
と指摘しました。
また、主人公周りの仲良し男3人グループにそれぞれ妹が居て、そいつらも親交があるってのは“普通ではない”と受け取ってしまい、妙なことを考えてしまうワケで。
子供を産む数や性別まで管理されてる?ヘタしたら自然分娩も行われてない世界なのかな?とかね。
で、そんな「どんな世界だかようワカラン」ままストーリーだけは進んで…

14話で唐突にスラムや売春宿的なものが登場

やっぱ居るんじゃーーーーん!!
遅い、遅すぎる、もっと早くに入れるべきでしょー。
この描写がないと何がマズいかっていうと「なんでも自動化できるようになったら人間は働く必要があるのか?」っていう、それだけで一つの作品が書けるような設定になっちゃうワケで。
かくいう自分は、欲しいと思った物は全て機械が自動で用意してくれるようになったら、人間はただひたすら無気力になるんじゃないかなーと思ってまして。
要は貧富の差が無くなる、不満が無くなる、欲が無くなる、争いごとが無くなる。
んでもって「そこまでは行ってない」ってのを示すためには「じゃあ不満持ってる連中→働かないと生きていけない連中→貧困にあえぐ連中」を出しておけよと。
ぶっちゃけこの世界の人間は何で働いてるのかワカラン、どんな職業が存在してるのかワカラン。
ケンゴの実家だって、本来はHIEに任せれば済むところを「拘り(趣味)があって自分で料理作ってる」って描写してたじゃーん?
そういう意味でないなら何故あのシーンを挿入したと。
そうしてる間にストーリーだけは進んで、レイシアの目的が語られます(まだ嘘かも知れないが)

資源の再配分

えええ、今更?
繰り返しになるけど「これだけのテクノロジーがあるならとっくにそれは済ませてるんじゃね?え、そこまで至ってないの?」と戸惑ってしまい、どうにも唐突で…。
農業…ってか生産業なんて全部HIEがやってる世界じゃないのか。
不労収入をディスってたが、働かずとも暮らしていける世界って理想郷じゃないのか。
現実ではそのために搾取される人間が居るのがアカン訳だけど、それをHIEが引き受けてくれるなら問題解決じゃね?
あとは自己実現でも目指して趣味に没頭すればいいじゃん。
繰り返しになるけどケンゴの実家はそういうことを表現したシーンじゃなかったのか…本来お店の業務はHIEに全任せして遊んで暮らせるところを、拘り(趣味)で自分(親父=人間)でやってるだけ、ってことじゃないのか。
身の丈に合わせて慎ましく生きてりゃいいのに「もっと暖衣飽食したい」と欲望を広げる既得権者を打倒するって話?
ぶっちゃけアラトもそっち側の人間だよね?、貧困者に同情するシーンとか無いし。

それと上記の考えと同時に別のツッコミ──別っていう割にはリンクしてるんだけど──もずっと頭に浮かんでて。

ハードウェアとソフトウェアがちぐはぐ。
「ちぐはぐな世界を描いた作品」ってことではなく、場面によって設定が変わるというか。
一番あれー?と思ってるのが、HIEとヒトの中間的存在、要は部分的にサイボーグ化した身障者が居ない。
腕だけサイボーグ、足だけサイボーグ…もっと深化して脳以外サイボーグってのも居ていいんじゃね?
HIEとヒトとの対立だか融和だか、とにかく二極に分かれての意見の衝突なら、間を取り持つ・ないし板挟みになって心揺り動かす中間的存在がいた方が良い気がするんだが…。
ひょっとしてそのポジが妹?もしくは眠り姫?と思ったがそんな気配は今のところ無い。
アラトは幼い頃事故に巻き込まれて云々ってのもあったので「実はその時に?」って可能性もあるけどオチに持ってくるようなもんじゃないだろう。
つかレイシアみたいなアンドロイドがあるなら、人型であることを捨てた作業用ロボットもっと出すべきじゃね?
なんで人型ってペナ負ってるのに最強やねん。
「こんなこともあろうかと」とばかりに後から後から新装置出しまくるし…それ作ったのも機械?原料の仕入れ先は発展途上国?
何もないところに電流通せば小麦粉や金塊が生えてくるって世界じゃあるまい?


で、上記の文句って結局は(役職の名前よく知らんが)背景だか美術だかが頑張ってれば回避できたことなんだよね。
6話までの感想と大差無いんだけど(6話の時点で見抜いてたことになる?)、「アニメスタッフにそこまで頑張ってる余裕が無い」ってのが諸悪の根源で…。
乱暴なこと言っちゃえばどんなにストーリーがつまらなくても“近未来的面白ガジェット”がしっかり描かれてたら一定の評価はしちゃうねん、自分は。
けどそれが無い、そこまでやってる余裕が無い。
そのせいで結局は世界観がよく掴めず、出される情報は唐突になり、とても茶番めいたものに成り下がってしまった。
もはやストーリー以前の問題になっちゃって…原作者もこれは苦笑いなんじゃ?
しっかしなんつーか…「現場は大変」ってのは同情するべきなのか?
まさか…今はアニメの数が多すぎるって問題提起をするためにワザと自爆かました?とさえ思えてきたり。


悪い点ばかり書いてしまったので良かった点。
レイシアは元は試作機で、完成一度頓挫した中後継機が作られて、そのノウハウで完成したのがレイシア(だからレイシア“級”って総称がありながらレイシアが最後機)とか、作成順で性能差が出るネタとかは好きでした。
とはいえそれの魅力を存分に表現しきれてたかというと…う~ん。{/netabare}

最終回まで見て{netabare}
放送後回しになった残り4話見たけど感想は↑で書いたのと一緒。
未来がどうとか世界をどうとか、そんなこと言われても「現状がどうなのかがワカラン」、その世界での「今現在」の描写が弱くてどう変えたいのか・どう変わったらヤバいのかとかが全くワカラン。
この世界では人間は働いてるの?どんな職業があるの?
もうここからワカラン事態なので、ホント分からん。
同じこと繰り返すばかりになるのでもう止めとく。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

科学の子

高度AIや、それに駆動されるアンドロイドが社会に入り込んだ世界。

メカ的な技術設定を練るのではなく、法律体系に組み込まれるアンドロイドという視点から世界設定を作り上げているのが斬新だ。
直接に現代社会を反映し、現代的な問題へ通じる巧妙な設定はSFの王道とも見えるが、ラノベアニメ的なフレームがその斬新さの発揮を妨げているようで、少し残念だ。


日本のTVアニメの第一号は『鉄腕アトム』だが、「お子様向け番組」のその最初期から、既に「人間とロボットの関係性」=ロボットと人間を分かつもの、道具とロボットとの差異性、人間によるロボット支配の根拠、などなどの主題が既に盛り込まれていた。
社会的な問題意識をアニメに盛り込むことを嫌うアニメファンも少なくないようだが、仕方がない、TVアニメは、その始祖からしてそういうものだったのだ。

『アトム』と同様に、人間とアンドロイドの混淆する本作の「世界」は、「社会の構成員としてのロボット」という、『アトム』以降にあまりアニメが注目していなかった領域を数十年ぶりに復活させたようだ。

そのTVアニメの始祖において、人間とロボットの関係は、しばしばマイノリティ差別やレイシズムの比喩として用いられ、時には奴隷労働のメタファーでもあった。
が、21世紀の本作の「世界」では、ロボット=AIアンドロイドの位相は、複雑にねじれている。

法的に、いわば人間に奉仕する存在として規定されている本作のアンドロイドは、一方で人間の上に立ち、人間の行動を管理するものでもある。

かつて、日本で海外労働者と言えば、半合法的な疑似的な奴隷労働者のようにイメージされることが殆どだった。
ジャパンマネーを目当てに、日本人のやりたくない汚れ仕事を這いつくばって求めるガイジン労働者。
今でも漠然とそう考えている人も多いようだが、現代の国際競争力を省みれば、低賃金の日本人労働者を効率よく働かせるよう「管理」するためにやってくる管理専門家のほうがリアリティがある。
カルロス・ゴーンのような「管理者」は、欧米人だけでなくMBA取得の東アジア人であってもおかしくないのが今日のリアリティだ。

一方的に奴隷的「奉仕者」であった『アトム』のロボットと、「奉仕者」と「管理者」に分裂する本作のアンドロイドの位相差は、こうした時代的な位相差に対応している。


「管理者」兼「奴隷労働者」のAIアンドロイドと「人間」の関係を表現しているのが、主人公の妹だ。

見た目が美少女でおいしい食事を提供してくれるなら、出自がどう見ても怪しいAIアンドロイドでも、平然と、何の葛藤もなく差し出される料理を口にしてしまう妹は、餌をくれるなら給餌員が誰であろうと関心を持たない豚小屋の豚=家畜のようなものだ。

何も考えずに満腹して陽だまりでまどろむ自堕落な満足に浸りこみ、その満足がどのようなものに支えられているかに無関心な妹は、ゼロ年代論壇の「動物化した人間」そのものであるといってもいい。

妹の自堕落な「動物化」=家畜化を支えているものは、大きく言えば「法体系」だといえる。

半ば家畜化しながら、真の「家畜」のように最後に処分される不安を覚えることなく「奉仕」として疑問を持たずに受け入れていられるのは、消費者=契約の「主体」は「人間」であるという法律体系が基礎にある。

契約が可能であるのは、主体が「自身に関するすべてのことを、合理的に判断し決定する能力を持つ」近代的な「人間」であることを前提としているからだ。
「自身に対する決断の全責任を負える」近代的な人間の契約は、どのようなものであっても有効であるという前提が、すべての商取引=消費を支える。
民事的な契約主体の「人間」観は、民法や商法のみならず、すべての法体系=社会制度の基礎となって、社会を動かしている。

この「自律する人間」が否定されるとしたら、すべての社会制度とともに、すべての商取引=契約=消費も根拠を失って崩壊するだろう。
だが、「自律した人間」が、自身を管理する「面倒」を外注して世話して「もらう」契約を欲望するとき、「自律」性はどこに行くことになるのか。

半ば家畜化して、「自律した」人間から逸脱して事実上の「動物化した」妹が、契約主体として消費を続けていられるのは、崩壊を回避する社会システムの本能が、「空洞化した人間」の空洞化した自律性を「見ないこと」にする欺瞞を必然化するからに他ならない。
事実性に注目して人間の動物化=非・人間化を承認すれば、「人間」を主体とするすべての経済活動や社会関係は無効化する。

現行制度では「主体」ではないAIが無条件に「人間」に奉仕することは、逆に、「人間」の「主体」性が変化していないと擬態する、ある種の「詭弁」でもある。

おそらく作中の大多数の人間を代表している妹が、平然と消費者=奉仕を受けるものとして自堕落に飽食していられる背景には、このように社会の構造変化と過渡期性のバランスがある。


契約において、「人間」は、自律して判断力のある近代的な「人間」=有効な契約主体であるとみなして、契約の有効性を担保しようとする倒錯は、主人公がAIアンドロイドとの「契約」において、現実のアプリやソフトウェアのインストールに似た、「同意」を求められるシーンにも表現されている。

それは、ラノベ的な「スーパーガールとボクのトクベツな絆」のように見せかけながら、それだけにとどまらない。

AIアンドロイドを含めたすべての機械類の操作や作動において、全責任は主体である「人間」がとるという「契約」の原則は、主体が空洞化して「動物化」した実態から目をそらして、契約それ自体の有効性を成立させるための欺瞞ともいえる。
が、誰も読み通せない膨大な契約条件の最後に「同意」を強制する現実のアプリのインストールと同型的であるように、「自律した主体」の自由意思での契約という建前を通そうとする現実を、意識したものでもある。
誰も予測できない未来の瑕疵や損害を「自己責任」の名目で使用者に「同意」させる現実の欺瞞と、判断能力が空洞化した「動物化」した主体に「自律した」人間としてAIアンドロイドの責任を引き受けさせる「契約」の二重化。

主人公とAIアンドロイドとの「使用者責任」を巡る「契約」は、ラノベ的な「美少女との約束」と見えながら、近い将来にAIによる自動運転車が人身事故を起こした際に、すべての人間が直面することになるだろう。

こうした、「契約」を有効化するために無理やりに「人間」を「自律した人間」とみなそうとする欺瞞は、作中の「アナログ・ハッキング」にも表れている。

この設定の不快な印象は、人間の意志の捻じ曲げを、「自分の主体的な判断」であると思い込ませるところにある。
契約は、「自律した」主体が「自由意思」で結んだものでなければならないという法律体系が、事実上の「洗脳」を、「自発的な意志」に見せかける気色の悪い欺瞞を生む。

作中の「世界」において、このアナログハックがさほど問題視されている様子がないのは、これが現実世界の広告代理店と同じことをしているだけと、視聴者には直観されるためだろう。

普通の消費者が広告代理店にいかがわしさを感じているのは、消費者に無理やり商品を売りつけたい本音が透けて見えながら、法体系の建前から、消費者が「自分の判断で」その商品を選んだように意志を操作しようとするねじれが明らかだからだ。

アナログハックは、まさにこの代理店的な欺瞞を表現している。
こうして「自律性」を掘り崩される現実世界の人間が、作中の「妹」を代表とする人間たちの描写を裏付ける。


だが、こうしたすぐれて現代的な諸要素が、いまひとつ説得的に前景化してこないのは、戦闘美少女のバトルというラノベアニメ的なフレームに囚われているからであるように見える。

問題意識の塊のような「妹」の造形も、ラノベ的フレームでは単なる「能天気」キャラに矮小化されてしまう。

主人公に敵対する各陣営は、上述の問題意識に自覚的に見えはする。
問題意識があればこそ、「現状」の社会への敵対行動として現れるのだから。
だが、戦闘美少女のバトルに縛られている結果、問題意識同士が前景化して激突する事態には至らない。

なにより、全体の枠組みを「戦闘美少女と、特権的につながっている取り柄のないボク」というラノベアニメ的設定に定めているため、アンドロイドに人格を見るような主人公の設定も、主役AIアンドロイドに「好意」を寄せるためにする不自然な方便のようで、『アトム』的なロボットと人間の融和を主導するわけでもない。

ラノベアニメ特有の文法に縛られる結果、主人公の立場を「ともかく戦闘を否定して現状を維持する」以外の地点に持っていくことができない。
近代的「人間」の「尊厳」を主張するかのような主人公の立ち位置は、「闘争」をあらかじめ絶対悪として禁じるラノベ的制約にとらわれている以上、単に闘争しない現状維持の日常を絶対視しているだけとしか印象付けられない。

社会の根本におかれた根源的な矛盾を構造化した「世界」で、敵対勢力がその矛盾に向き合っているのに、主人公がラノベ定型であれば、いくら悩んでいるように見せかける描写が続いたところで、単に武力衝突について「のみ」逡巡しているような矮小さから脱することはできない。
原理的な社会矛盾がそこかしこに暗示されているのに、主人公が必死にそこから目をそらし続けているような印象ばかりが残る。

その先に見えるのは、主人公に都合のよい結末しか迎えることがないという予定調和だ。
それは、いかなるものであれ、「自律」を失った「人間」が否定されることのない、「動物化」した人間の自堕落さに直面することのない「世界」だろう。


法体系にAIを組み込んだ「世界」は、法治社会において「科学」がもたらすAIと人間の矛盾にまで踏み込んだ舞台を、用意はした。
が、舞台の上の「物語」が、ラノベ様式ではなくSFであったなら、と思わずにいられない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

70.6 3 任務で未来なアニメランキング3位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (309)
1134人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

堂嶋大介は認められたい

【概要】
 2019年冬。全12話のオリジナルアニメ。3DCGで制作されたSFサバイバルアクション。監督はコードギアスなどで知られる谷口悟朗。

 このアニメの良い所。それは

一、THE ORAL CIGARETTESのOP曲「ワガママで誤魔化さないで」
二、ミロのケツ
三、ルウのケツ

-- 以上 --

 高名な監督が手掛ける作品ということで期待していたんだけどな。まさか「刻越えのデリダ」に匹敵する、時間もの失敗作オリジナルアニメを2クール連続で引くとは思わなかった・・・

【3DCGアニメ】
 revisionsは全編3DCGで制作されている。クオリティは高いと思うのだけど、実は3Dの日本アニメはrevisionsに限らず、逆に海外で人気がない。最近で国外でも好評だった3DCGアニメは「宝石の国」くらいじゃないだろうか。

 どうも海外のアニメファンは日本の伝統的なセルアニメーションの持つテクスチャに魅力を感じているようで、日本以外でも制作されている3DCGのアニメならわざわざ異国の映像作品を観ようとは思わないのかもしれない。+Ultra枠は世界を見据えた作品をラインナップをするという方針だったのだが、前作のINGRESS、そして本作と3DCGアニメはどちらも不評でフジテレビ制作サイドの戦略ミスのように思う。(さすがにまずいと感じたのか次作のキャロル&チューズデイは2Dらしい)

 3DCGは日本のアニメの特色が失われるというやや感傷的な理由だけではなく、最初のモデル作成に手間がかかるため、あまり多くのキャラやセットを用意できないという欠点がある。本作においては渋谷を舞台にしておきながら、実際に画面に映るのは学校、市役所、そして荒野と設定を活かせていないし敵キャラも親玉の3体を除いて量産型で面白味に欠ける。アーヴ側の人間がミロ1人しか登場しないのは3DCGの足枷によるもので、未来人の二大勢力が3人と1人で代表して争うというなんとも寂しいことになっている。設定は壮大なのに小じんまりした映像になってしまったのは残念である。

【SFサバイバル群像劇】
 公式での謳い文句によるとrevisionsはジュブナイル(青春)+パニック(災害)+アンサンブル(群像劇)とのことなのだが、色んな要素を寄せ集めた結果、1クールで処理できず中途半端に終わるというありがちな失敗をしているように感じた。

 {netabare}まずこのアニメは青春群像劇とは言い難い。5人の高校生がメインキャラクターだが視点は随分と偏っており、基本的に主人公の堂嶋大介+他の誰かという組み合わせでしか話は進まない。大介の「ヒーローになりたい」という葛藤が常にお話の中心で、暴走気味の主人公と他のキャラの意見がぶつかる場面が執拗に描かれる。未来の渋谷でどう生き延びるかという状況で、一般人からするとどうでもよい、大介と他の人間との衝突ばっかりやっているのだからうんざりする。視聴者からしてもどうでもいいことだ。

 一見優等生に見える他の4人にも決して欠点がないわけではない。ガイは優秀であるがゆえに人を見下しがち、ガイの双子の妹ルウも同じく優秀だが感情的、マリマリはおっとりした性格だがピンチ場面ではの優柔不断、慶作は典型的な「いい奴」なのだが、彼には悩みがある。慶作はマリマリが好きなのだが、お人良しすぎてマリマリへの恋心を打ち明けないまま大介に譲ろうとしている。マリマリは大介をちょっと意識しているのだ。

 こうしたお話のネタがあるのにも関わらず、全12話を通して5人の関係性はほぼ変化がない。ただ大介が自身のヒーロー願望とどう折り合いをつけて成長するかというだけのお話で、5人のキャラクターの心情が交錯することはあまりなく、大介がルウ兄妹と絆を修復して終わりだ。青春物として単調であまり面白いとは思えなかった。仲直りする場面でMiyuuの歌声が響けば視聴者は感動してくれると思ってないだろうか。挿入歌で誤魔化さないで!

 災害(サバイバル)としてはさらに厳しい。revisionsは未来人の思惑によって渋谷を街ごと未来に転送される、という設定である。渋谷の街の外は見渡す限りの荒野が広がっており、化け物に成り果てた未来人revisions(リビジョンズ)が襲い掛かってくる。ライフラインを絶たれた現代人がいかにして生き延びるのか、という問題は当然力を入れて描写すべき事柄だ。

 ところが、このアニメは人々の生活が全くと言っていいほど描かれないのである。食料も水もどうやって調達しているのか不明。電気は都合よくリビジョンズと敵対関係にある未来人アーヴがモビルスーツ用の電源を供給してくれる。災害時の生活の描写がなければ臨場感に欠けるし、だいいち面白くない。せっかくの面白くなりそうな設定をなぜ活かそうとしないのだろう。しかし次第に人々が不安でイライラしていく様子だけはちゃんと描かれる。何だこの本末転倒な感じは。第6話でムラついた保健室の先生がいきなり主人公を性的に誘惑してくるが、結局何のフラグでもなかった。大人の色気で誤魔化さないで!

 さらに言うとSFとしても褒められたものではない。最初のうちは量子脳という概念を持ち出して渋谷の街を未来に転送した状況を何とか筋道を立てて説明しようとしていたが、最終的にラスボスは時間の概念を超越した存在になり、完全にロジックを放棄してしまう。第一話のミロが5人それぞれに告げた予言も伏線として回収されず、一体あれは何だったの?感が果てしない。ラストバトルはどこで戦っているのかもよく分からない。そして謎の友情パワーで打開。何だ、このジャンプの打ち切り漫画みたいな終わり方は。デウス・エクス・マキナで誤魔化さないで!
{/netabare}

【主人公】
 さて、ここからが本題。本作一番の問題点、それは皆から「うざいうざい」と叩かれる主人公、堂嶋大介のキャラクターである。

{netabare}
 幼い頃、主人公の大介は誘拐事件に合い、不思議な女性・ミロによって助けられる。ミロは大介に「あなたたち5人にいつか大変な危機が訪れる。忘れないで。あなたがみんなを守るのよ」と予言を残して去る。

 その日の出来事が忘れられない大介は俺が皆を守らなければならないという強迫観念に囚われ、問題児になってしまう。独善的な正義感を振りかざし、街のチンピラに絡んで相手に怪我をさせても悪びれる様子はない。仲間からありがた迷惑だと批難されても「だってあの時ミロはみんなを守れって言ったじゃないか!」と逆ギレする。冒頭から印象最悪のキャラだ。

 さて第1話の終盤に話が大きく動く。未来人の力で渋谷転送が起こり、非常事態になると大介は「やっぱり俺が正しかったんだ!」と犠牲者が出ている状況にも関わらずニヤニヤしている。そして未来からやってきたミロからパワードスーツ「ストリングパペット」を受け取ると彼は憧れのヒーローになれたと狂喜乱舞する。しかしパペットはもう2体あり、他の4人も操縦できることが分かると大介は手柄を横取りされてしまうとばかりに露骨に嫌な顔をする。その後も人命よりも自身の功名心を優先する態度を取り、あらゆる人達の反感を買う。

 はっきりいってここまで悪く描かれる主人公は珍しい。だが、周囲の人間が彼を白眼視していることも強調されるため、「大介のヒーロー願望はやがて挫折し、そこから成長して真のヒーローになるお話だろう」とは容易に想像がつく。一応視聴者への目配せはできているのである。が、だからといって温かい目で彼の成長を見守ることができることができるかというと疑問だ。

 不人気主人公・大介クンは、要するにひたすら

 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい

と言っている。これは最近よく聞く「承認欲求」というやつである。承認欲求は誰しもが持つ欲望で、例えばレビューにサンキューを押す行為はレビュー自体の評価をするというよりはむしろサンキューを送り合うことで参加者の承認欲求を満たし、SNSを活性化させる意味合いが強い。ご存知の通り他のSNSにも同様のイイネ!機能はだいたい用意されており、このイイネ!(=他者からの承認)を集めることは現代人の関心事になっている。

 ならば彼の「認められたい」という思いはある程度共感できるのではないか?と思うが残念ながらそうは感じなかった。本作の設定はそもそもがおかしいんだよな。堂嶋大介はヒーローになろうとして問題行動を度々起こし、皆の評価を大きく下げている。これは逆で、メサイア・コンプレックスというのは他の何らかの要因で周囲の評価が低くて、すでに固まってしまった自分の評価を一気に挽回しようという思いに駆られ、自分がヒーロー的な活躍をすることに執着するんだよ。要するに一発逆転を狙っているのである。

 大介のようにわざわざ自分で状況を悪くしているだけの人間には違和感しか感じない。大介は無理にヒーローになろうとしなけば何も問題もない高校生だ。大介の設定を再確認すると、虐められているわけでもなく、友達もいるし、貧乏でもなく、隠れ巨乳の幼なじみが好意を抱いているという状況にある。彼がヒーローになりたいと意固地になる理由は何なのか全く伝わらない。(両親がいないのかと思ったらみんなを守りたいからと勝手に親元を離れたらしい。アホか。)

 あのさ、人はみんなコンプレックスを抱えて生きているんだよ。ブサイクだとかデブだとかワキガだとか頭が悪いとかハゲだとか皮膚炎だとか貧乳だとか性にまつわるエトセトラとか。それなのに特にコンプレックスもなく生きている人間が、勝手なヒーロー願望に駆られ、承認欲求を求めて自滅するアニメを観て共感できるわけがない。うざい・うざくない以前に人間として理解できないし、僕ははっきりいってこんな主人公に興味がない。
{/netabare}

 インタビュー記事(※)で谷口監督は「共感できる主人公である必要はない。」と発言していたが、本当にそうなのだろうか。もしかして制作スタッフは承認欲求が悪だと勘違いしてはいないだろうか。「もっと褒めてほしい」「評価されたい」という思いは人の誰しもが持つ基本的な感情であり、モチベーションの源として必要なものだ。問題なのは承認欲求が一向に満たされない状況にあるのであって、そこに説得力がなければいくらドラマチックな展開を先に用意しても心に響かない。大介のヒーローになりたいと渇望する気持ちにもっと共感できればこのアニメの評価は全く違ったような気がする。


※https://jp.ign.com/revisions-anime/31881/interview/revisions-cg

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ワガママで誤魔化さないで

1話感想{netabare}
自分も結構気軽に「なろう系」って言葉使っちゃってるけど、最近はそれの主流も変わってきてるみたいで、さえないクズ主人公がイケメンクラスメートと異世界行って、そこでは主人公が大活躍して、今まで自分を馬鹿にしてたクラスメートをいびり倒すってのが流行ってるらしい。
まぁ、のび太がジャイアンやスネ夫を滅多刺しにして出木杉クンから神のように信奉され靴なめさせてしずかちゃんを犯すのが流行ってるらしい(犯すと「さすが、さすが」と賞賛される)。
そういう系の作品がアニメ化され出したらキツいなぁと思ってたのだけど…あ、先手打ってきた?
この作品、主人公は暫くの間「のび太が調子に乗ってる段階」を続けるんじゃないかな?
途中で挫折なり「これじゃアカンわ」と立ち止まる展開になる…と思うのだけど、そうではなくずっと調子乗りっ放しで行ったら笑える。
1話じゃまだ分からないですけどね、なろうに阿(おもね)るかカウンター決めるか、今後の展開が気になります。
自分はカウンター決めると思うんだけどなぁ。
ただ、こういう作りは“鉄のラインバレル”がそうだったけど、当時ですら「主人公が調子に乗ってる(後でしっぺ返し食らうのがバレバレなのに)」段階で「主人公気に入らない」として見るの辞めた人が続出だったような…。
主人公は子供の頃、あんな状況でそんなこと言われたら「神から啓示を受けたレベル」で陶酔しちゃってもおかしくないかなぁ~とは思うのだが…それでもダメな人はダメなんかな。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
やっべニヤニヤが止まらないw
ニヤニヤの根拠は「コイツ鼻っ柱折られるんだろうなぁ」を感じるから…とはいえ本当にそんな展開になってくれるかどうかは未来予知能力の無い私には確証が無い。
と思ったら、これって先にネトフリで全話配信されたやつなのか。
なるべくネタバレは見ないように警戒してるけど、どうやらそこら辺は安心して良いっぽい。
但し吠え面かくハメになるのはずっと先らしい…のだけど、片鱗は早くも3話で見せ始めてるかな?

自分語りしてもしょうがないのだけど別にカッコつける気もないので言っちゃうと、主人公の言動に身に覚えが無いワケではない。
クラスで出し物するってのに練習でクラスの連中はヤル気が無く「コイツらつかえねー」と下に見てたんだけど、いざ本番になったら皆しっかり演技して、練習の時必死こいてた自分を振り返って「あれ、オレなに思い上がってたんだ?」と自己嫌悪したこと、あるあるw
他にはにわか知識をひけらかしてたら、その相手が実はその道の専門家で釈迦に説法してたと後から知って顔から火が出る思いになったり、あるあるww
大抵の人はそういう経験(下だと思ってた人間が自分よりよっぽど上等だと思い知らされる経験)って多かれ少なかれあると思うのだけど、「オレも若かったなぁ」と笑って話せるくらいでないとトラウマ抉ってキツい、のか?
自分はアレだなぁ、逆にそういうのがクセになってそういう作品を好む傾向にあるのかも知れない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああもう主人公が可愛くてキスしたいレベル、性的な意味じゃなくて孫を可愛がるお爺ちゃん的視線でね。
5話、電力はカドだし敵がまさかの…ベタすぎて「まさかそんなありきたりな展開はないだろー」と思ってたハダカデバネズミ展開。
もう何万回使い古されたネタだ?
ちょっと前にやってた“グリッドマン”でも「まさかそんなことはないだろーハハハ」と流されたネタで、ここまで直球なのはむしろ「もうひと捻りなにかありそう」とさえ思える。
なにより6話。
まぁ、こうなるわな。
ってか…う~ん、ここぞとばかりにこの作品を警棒にして他作品を殴るようなマネするのもアレですが、さっき例で出した“グリッドマン”もその意思を感じたのだけど、生温い異世界転生モノに「こりゃちょっとアレじゃね?」と思ってるクリエイターはそれなりに居るんじゃないかな。
元居る世界に帰ろうとも思わない、現地の人はあくまで自分を賞賛するための道具としか思ってない、自分と同じ立場の人間がもし居たとしても自分より劣ってることを望んでる、等々のソレ系。
クリエイターがそういうのを不快に思ってるかどうかまでは知りませんが、最近そういうのが流行ってるのであるならそのカウンター作品を作りたくなるのはある意味健全とも。
まぁ自分は不快でしょうがなかったんですけどね、ここまで直截に「言ってやりたかったこと」を出してくるとはなぁ…ゲシュペンストのメッセージね。
ってかちっと書き出してみたんだけど、ここまで辛辣に書けるのは5chでもそう居ないんじゃない?さすがプロだなーと感心するレベル。
そこまで言っちゃって大丈夫?とさえ思えるんだけど、だ、大丈夫だよね?
しっかしまぁ…これでゲシュペンストの言ってたことは大間違い・ただの精神攻撃だったで終わったらちょっと寂しいかな。
逆に主人公開き直って「ああそうだとも、オレはこの世界で一番偉いんだ、喝采せよ」とか言って終わったら皮肉利きすぎてて笑い死ぬかも知れん。

一方でユミコ先生がコワイ。
極限状態に追い込まれてヘンな宗教に目覚めちゃったみたいな…自分の本性に向き合ってるのか目を逸らしたがってる(正当化したがってる)のか、どっちなんだろうなぁ。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
キターーー、遂に鼻っ柱折られる展開に。
散々オレが守るオレが守る言ってたのに守ることができずに意気消沈、ヒャッホウ。
ところで──
あんま言わないようにしてたんだけど、すっごく富野臭くない?
反省房入りしたり、「ボクが一番ガンダムを上手く使えるんだ」みたいなこと言わせたり、目の前で母親殺されたり。
おかげで8話でケイサクの母が殺された時はキターーーと思ってしまったし、その後の激怒パンチではカミューラランバンの仇!と言って欲しいと思ってしまったり(実際のカミューラランバンでは感情露わにしてないけど)。
一方ワザとケイサクを煽ってチハルを始末しようとしたニコラスの謀反だと思うのだけど、この展開はどっちかっつーと戦隊ヒーローモノの方が近い?
折角待ち望んだヒトの体を手に入れた瞬間死亡って…RPGの復活した瞬間勇者に倒される大魔王かな?
実際あそこで死んでくれなかったら人工量子脳によって渋谷が固定されてたんだろうし、復活させてはいけない大魔王的ポジよね。
更にケイサクが消えて腕だけ落ちるところは「アブドゥルー!」と叫びそうになった。
…うん、ご免なさい、既存作品ばかり挙げちゃって非常にヲタ臭くてキモいと思われてそう。
だけど作ってる側はそういうの狙ってるんじゃないかなー?
意図的に「どこかで見たアレ」をブッ込んでるような気配を感じる、ハダカデバネズミもそうだし。
なんかの作品で似たような意図を感じる作品があったんだけど思い出せない、あっちはそれが鼻についたのにこっちはそれがむしろ楽しい。
これの違いは何だろ?と考えると、明らかに知っててワザとやってるのと、知らずに似通ってしまったことの違い…なのかなぁ?
単に自分が富野好きだからか?
よくよく考えるとこれがダメそうな方はイデオンもダメそうだし。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
ネタバレは見ないようにしてはいたのだけどちょろっと見てしまい、そこでは「主人公はダイスケではなくケーサク」みたいなことが書かれてて、「え、そんなこと可能なん?」と、どんな展開ならそうなるのか想像できずに居たのですが──。
ナルホドそういうことか。
あはは、確かにこりゃあ主人公はケーサクだw
こういう話好きですよ、運命の星の元に生まれたワケでもない「馬の骨(ダイスケ)」が世界を救うって話。
ゲームwizardryではワザとボーナス値の低いキャラを育成したもんです。

最初に最終回の感想書いちゃったけど、10・11話くらいでは非常に勿体無いという感情に襲われました。
ダイスケが鼻っ柱折られてやっとマトモになった後の描写や、黒岩が死んで指揮系統が混乱とか、渋谷住民の不安が不満に変わって治安悪くなるとか、単純にサバイバル要素とか、もっとやってくれよ!と。
くそう、2クールあったらそこら辺ねっとりじっくりどんよりやってくれたのかなぁと思うとホント勿体無い。
この感情って前にも経験したことあるなぁと思ったら…ああ、“ID-0”だ。
監督同じじゃーん!
“コードギアス”が有名だけど、1クール作品を作る場合こういったのが持ち味なのか?
「あれ?そのネタ掘り下げればスゲー面白そうなのに流しちゃうの?」って感じの。
ぐぬぬ、なんか悔しいなぁ、この監督には2クール以上の仕事回して欲しいなぁ。

タイムトラベルの話って同期放送で自分が見てる分だけでも“えんどろ~”“デートアライブ3”でも扱ってて「ホント好きねぇ」とちょっと飽きてるキライがあるかも?
それに結局は誰が記憶保持能力者(リーディングシュタイナー持ちって言った方が通じやすそう)かでどうとでもなっちゃうというか。
物語の核になる部分なのに余り興味は沸かなかった。
最後のホウチュウの叫びは「お前ガノンかよ?」って感じだったし、ムキューの本体は“ファンタスティックプラネット”だし、最終回のCパートはもうホラー作品の定番。
わざと既視感を刺激するような作りを狙ったんじゃないか?と思ってるのだけど見当違いかなぁ?
よく言われてるダイスケの性格だけど、やっぱり自分は気にならない。
後で更正されるのは明白だし、周囲のキャラもちゃんとウザがってたし。
それよりも「どう見ても難アリの性格なのに誰も(作者含め)おかしいと気付いてなさそう」って作りの方が個人的には苦手。

同監督が1つ前に手掛けた“ID-0”と比較すると、あっちでは意図的に民衆を画面に映さないようにしてましたが、こっちでは普通に映してましたね。
個人的にはこっちのが良いかなぁ、もっと掘り下げてくれたら更に良かったんだけど…。


総評
2クール以上やってくれぇ!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


-----
2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 47

69.9 4 任務で未来なアニメランキング4位
星界の紋章(TVアニメ動画)

1999年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (136)
748人が棚に入れました
『星界の紋章』は、森岡浩之によって執筆されたSF小説(スペースオペラ)、ライトノベル、及びそれを原作としたアニメ作品。また「星界の紋章」の番外編で、ラフィールの出生に関する話を描いた「星界の断章」がある。
 人類が、太陽から0.3光年離れたところに発見した「ユアノン」なる素粒子を利用した恒星間宇宙船を開発し、惑星改造により太陽系外に居住惑星を拡大し始めて何世紀も後のこと…。ハイド星系・惑星マーティンの政府主席の息子ジント・リンが幼少の頃、彼の故郷は「アーヴによる人類帝国」なる星間帝国の大艦隊によって侵略を受けた。彼の父ロック・リンは降伏と引きかえに貴族の称号を得、そのためジント自身も帝国貴族の一員となる。それから7年後、ハイド伯爵公子となったジントは、皇帝の孫娘ラフィールと運命的な出会いをする。 その時からジントは帝国貴族として生きていく事を決意する。

声優・キャラクター
今井由香、川澄綾子、高島雅羅、遊佐浩二、友川まり、陶山章央、藤貴子、千葉一伸、塩沢兼人、小杉十郎太、深見梨加、土井美加、鈴木英一郎、子安武人、日野由利加、石塚運昇、池水通洋
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

簡単にデレない娘さんの強烈な魅力

原作未読


劇場版控えてるとか祝円盤発売とかの商売っ気を感じない&空気を読まないラインナップが魅力のJ-COMさんの今クール再放送メニューのうちひとつ。
1999年1月~3月と“製作委員会”方式もまだまだおおっぴらになったかどうかな20年以上前の作品です。かつ衛星放送のみの On Air で知名度は底の底。

・WOWOW放送で認知度低め
・OPが服部克久のインストゥルメンタル
・Bパート終了。CM後のED。
・鬼籍に入られた声優さんらの在りし日のお姿

スペースオペラがどんなものか私はよく知りませんし、宇宙空間のあれやこれやで興奮する男の子でもなかったし、時系列でアニメ文化史を語れるほど造詣も深くありません。
どんな位置づけの作品か語る言葉は持ちあわせてませんが、上記4点をもって古い作品に価値を見い出してもいいかも。20年以上前の作品は視聴のハードルが上がるものですが古典もいいもんです。

今は配信会社。昔は衛星放送。聴けば一発でわかる曲の数々、服部克久氏。御年80歳を超えお見かけする機会もなくなり郷愁を誘います。OPインストとEDへの入り演出も最近は滅多に見ることはありません。
塩沢兼人、石塚運昇、鈴置洋孝。声を聞いただけでその人だと分かるのが声優さんという存在でした。
ためしに同時期の作品眺めたら、子供向けなキャラもの。頭身低めで目が大きい女の子を前面に出したもの。パッと見そんなのが大半ですね。「あー秋葉原にいる人こういうの好きそうだよねー」な作品群です。明らかにそれらとは違う匂いがします。
1999年は宇多田ヒカルのファーストアルバムが邦楽アルバム売上史上最高位を記録した年です。リアタイ時は家電買う以外の目的では秋葉原に目もくれない人生を歩んでおりました。


前置き長くなりましたが、普通に面白いですよ。
ハヤカワ文庫のSF小説が元ネタです。『グインサーガ』や海外の翻訳ものの堅いイメージがあってあまり読んだことのないレーベル。複数巻刊行済なので1クールで収まるわけないのですが、きちんと13話の中で一定の結論を用意してます。
最近「俺たちのなんとかは…」「大事なお知らせ!2期決定!」「続きは劇場で!」「この続きは3か月後だよん」とぶん投げエンドばかりに遭遇してたので、やや駆け足だったとしても作り手の誠意に静かに感動します。たまたまかは置いといて過去作品はきちんとけじめつけてるものが多い印象です。

画面比率ワイド(16:9)とスタンダード(4:3)の差も懐かしかったり、ここまではほぼ昔の作品の作り方ならではの部分しか書いてませんが、内容も古臭いって感覚は僕の場合ありませんでした。


では内容について。
地球ではない、とある人間の住む惑星に人外さん“アーヴ”が押し掛けて、降伏勧告みたいなことをするところから始まる物語。
で、何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった.的な話に発展するのですが、この侵略する側のアーヴの皆さんが誇り高く聡明でこちらに感情移入してきます。それでいて“奴隷の平和”みたいなテーゼは微塵もありません。


 ね?わかんないでしょ?


基本は人間ジント♂(CV今井由香)と人外さんラフィール♀(CV川澄綾子)のボーイミーツガールなんです。
ヒロインのデザインは置いといてとにかくこのラフィールが魅力的です。「俺は女性を見た目ではなく性格で」とポイント稼ぎたい男子はぜひご視聴ください(適当)。

誇りが高く聡明で寿命の長い種族です。人間との寿命差が引き起こす哀感はあります。ここを全面アピールの『さよならの朝に約束の花をかざろう』という名作もありますが本作この1クールでの優先順位は高くありません。
むしろ“誇りが高く聡明”この種族適性を前面に出してくることで生じるジントくんとのすれ違いを楽しみ、徐々に絆を深めていくさまに目を細めることができると思います。

さらに

「そなた」「であろう」「するがよい」

が口癖のやんごとなきご身分のラフィールにひざまずく快感がありますね。これニッチなフェチシズムであるかどうかは現物を確かめていただければと。

{netabare}「ラフィールと呼ぶが良い」

と笑顔で語りかけた某シーンでは自分電気が走りました。{/netabare}

一見尊大に見えますが、本来の性格は素直。嘘がつけない性格でもあります。
簡単にデレないし、ほっぺ赤くしないし、ラッキーなんとかも皆無だし、サービスショットもありません。あの冴えないヒロインだって感情を爆発させたのにラフィールはそれがない。


耐えられますか?

1.好き好き光線だしまくりな女の子の好意に気づかない鈍感主人公を「ヘタレてんな~」とマウントとりながら睥睨することに

2.テンプレ化したツンデレ娘に「あーまたこのパティーンかよ」と辟易したフリして実は安心している自分に

慣れてしまっているそこのあなた!

簡単でない娘をいざ目の前にしたからって掌返しのクレームは受けつけません。…と煽っときます。



※オマケ

■子安さんとゲスキャラの好相性

いやもうこれはそれっぽいのが出てきた時にエンドテロップで答え合わせしましょう。
「あ~やっぱり!」となるかと思います。

{netabare}クロワールのことですよ。{/netabare}



■帝国軍の敬礼

誇り高く聡明なアーヴの皆さんの帝国軍。軍略は妥当性があり、リスクを一つずつ排除して合理的な判断を下そうと助力している描写あり。事にあたっての指揮官の覚悟と部下への命令内容もアツいものがある。上官も上官なら即座に意を酌む部下たちもかっこよい。
そんな彼らの敬礼。

{netabare}オリラジ藤森が「サンキューでーす」してるようにしか見えないという罰ゲーム{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 地上波再放送

-----


2020.03.14 初稿
2020.09.27 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

王道をゆくジュブナイルSF

私は放送当時のオタクではないし、オタク情報網もだいぶ低レベルなので多くを知らない。
しかし、最近、ちょっと昔の情報をちょろちょろ仕入れられ、このアニメも知るに至った。正確には前から名前は聞いていたのだが、まあ普通にラノベ原作ものにも、SFものにもそんなに興味はなかったのだが、界隈では有名らしいので視聴。

結果として期待通りであり、なるほど、これは有名になるじゃろという出来だった。うん、面白い。


昔のラノベって普通に臭さ薄めでラノベってよりジュブナイルなんだなあ。
現代で見て、これは、という目新しさはそんなに無いが、非常に丁寧に作られており、王道なSF作品と呼べる出来に仕上がっている。
なんというかラノベアニメにありがちなツッコミどころが少ないし、個性的とは言わないが作画も丁寧で、ちゃんとアニメを作っている感じがする。
上橋菜穂子系(守り人シリーズとか)とか思い出した(こちらについては原作しか知らん)。まあ刊行年代も近いか。

スペースオペラ系と呼ばれているが、宇宙船での戦争がメイン、という作品では無く、地球風の星に潜伏したり、独自の規律をもつ宇宙船に滞在したりといった内容が主。
正直あんまりロボットバトル要素とか、宇宙船バトルみたいなの好きじゃないので、その辺はよかった。同様に宇宙バトルモノ(?)系が好きでない人も楽しめると思う。
ただ、正直地上潜伏編は惜しい出来で、ああ、この人は宇宙を書くべき人なんだなと思った。遊園地の逃避行のシーンは演出が遊べばより面白いシーンにできたと思う。

もっとも特筆すべき点はやはり世界観の作り込みであり、架空の種族や星、国、制度、といった世界観全体が十分な説得力を持っていることか。架空の世界の設定ってあんまり現実感わかないから、説明されても面白く感じないのだけど(特に宇宙系はテンプレ感が強くて)、この作品では世界に引き込まれた。
あと、世界観が結構重厚な反面、外面も内面もキャラクタ造形は近現代のラノベやらアニメに近しい部分もあり、そのへんのズレも面白い。でもまあ、やっぱりラノベ作品という印象は薄いが。

残念な点は続編以降戦記メインになりそうなことか、普通にこのテイストで、主人公とヒロインの二人での権威のない冒険をもうちょっとみたかった。エピソードの数的には少ないので食い足りない感じ。
そして、見てみないことにはわからないが、私はあまり大規模な戦記はあまり好きではないので不安。

もう一つ残念な点を述べると、まあ世界観の説得力と、王道で面白いジュブナイル的ストーリー、より他の魅力はないということか。面白くはあるが、良くも悪くも王道、という感じはある。

でもまあ、名作だね。記憶の波に飲まれて消えるにはちょっと勿体無い作品かなと。



【戦争というテーマ】(どうでも良いので畳んだ)
{netabare}
詳しくはないのでわからないが、戦争モノというのは、もう廃れたが昔はだいぶ流行っていた。2000年前後のアニメ作品では司令官と部下など、ヒエラルキーのある組織での戦いの話はよく見受けられる。一方最近は個人の争いに焦点を合わすことは多くとも、こういった戦記もの、というのはあまり見ないように感じる。これを、戦争が終わってから時間が随分経って来たからだ、と私なんかは憶測するが、あんまり信憑性は持てない。
{/netabare}

-------------
追記
昔のラノベが全部良きジュブナイルだ、というのは暴論ですね。この時代のハヤカワで出版されたラノベっていうのでこの作品はむしろ特殊らしいし。昔、"吸血鬼ハンターD"とかいう昔のラノベを読んでクソほどつまらなかったのを思い出した(個人の感想)。アレを良きジュブナイルとは言いたくない。それに1990年にはスレイヤーズも刊行されているのだから。まあただ、ラノベ界隈の方向性がまだ今のように定まっていなかったのは事実だと思うが。

また、他方で著者がこの作品を"ジュブナイル"としてでなくやはり"ラノベ"として出版したかったのは概ね明白であり、そこを勘違いしてはいけないかもしれない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ボーイ・ミーツ・ガール(SF風味)(2017.5.23: 大幅改稿)

視聴時点で原作小説(ハヤカワ文庫刊)既読。WOWOWでの有料放送だったため、たぶんアニメ自体の知名度は低めだと思います。

<星界>シリーズとして『星界の戦旗』へと続き続巻刊行中です。原作シリーズとして『星界の戦旗』は未完なのですが、その前日譚である本作はきっちりストーリーの区切りがついています。

原作のカバーイラストは、プリンセスメーカーなどで有名な赤井孝美さんです。そのままの絵柄だとアニメでは動かせません(笑)ので、アニメではそれなりに線の整理されたキャラクターデザインになっていますが、原作イラストの面影はなんとなく残っている気がします。

本作品世界では居住可能惑星の探査と亜光速宇宙船による宇宙移民により人類は銀河の各星系に広がっていますが、主人公ジントが居住するハイド星系は超光速航行の技術を持っておらず、惑星ハイドは独立した経済活動を行っている民主的な惑星国家です。

そんなハイド星系である日、宇宙空間での謎の爆発が発生して「アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリFrybarec Gloer Gor Bari)」、通称「アーヴ帝国」に所属しているという宇宙船が出現して、ハイド星系の帝国への帰属を迫るのです。

その日から、ハイド国政府主席だった父の息子であったジントの数奇な運命が始まり、それから数年の時を経て皇女ラフィールとの運命的な出会いを果たすのです…。


<星界>シリーズはいわゆる「スペースオペラ」です。スペースオペラではどうやって星間航行を可能にするかが1つの課題だと思うのですが、本シリーズではそのアイディアがユニークで、またこの航行手段により宇宙船同士の戦闘が特殊なものになっています。この効果により、潜水艦での戦闘のような独特の緊張感が産まれ、かなり見ごたえある戦闘シーンとなっていると思います。

またヒロインであるラフィールを含めて「<アーヴ>は宇宙での活動に適するような遺伝子改造により発生した種族で、ビジュアルが普通の人類と異なる」という設定があります。

逆に<アーヴ>が地上世界(惑星の地表)で生活することは皆無で、この辺りの生活習慣の違いから発生するジントとラフィールの常識のギャップもなかなか面白いところですね。もちろん、我々の常識はジントに近いわけですけれども。

<アーヴ>の設定に忠実なビジュアライズをすると、普通のアニメキャラ(髪や瞳が青くエルフ耳の美形キャラ)になるというのは、原作者が狙ってやっていることではあるのですが、これも面白いですね。

あと、言語オタク的には作中のオリジナル言語「アーヴ語」が面白いかもしれません。アニメでは、ストーリー冒頭のナレーションがアーヴ語です。

OPはオーケストラ演奏による雄大なもので、インストゥルメンタルです。いわゆる「主題歌」という奴ではありません。めっちゃカッコいい曲ですね。

SF、スペースオペラ好きにはお薦めです。ジュブナイルものとしても楽しめると思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

65.0 5 任務で未来なアニメランキング5位
活撃 刀剣乱舞(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (148)
638人が棚に入れました
審神者により宿された付喪神――刀剣男士。
和泉守兼定は、歴史を改変すべく現れる時間遡行軍からとある積荷を奪取するため、初陣の堀川国広とともに幕末の世に出陣する。
辛くも任務を成し遂げた二振りに下されたのは、新たな指令。『文久三年のとある城下町に、新たな時間遡行軍現る』と。
わずかな情報を頼りに、現れる遡行軍を迎え撃つ和泉守と堀川。しかし数で勝る遡行軍には二振りだけでは太刀打ちできず、窮地に陥ってしまう。そんな二振りの前に現れたのは、彼らの主“審神者”だった。

声優・キャラクター
木村良平、濱健人、榎木淳弥、山下誠一郎、櫻井トオル、斉藤壮馬、皆川純子、永塚拓馬
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

もう、映画じゃん!

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
活劇(立ち回りなど動きの激しい場面を中心とした映画・演劇。アクションドラマ)と銘打つだけあり、内容的には、前作(花丸)の日常系からガラッと作風を変え、シリアス&バトルになりました。

内容(ストーリー)も悪くないですが、とにかく素晴らしい作画を観るだけでも価値があるアニメだと思います。特にバトルと背景は、ホントに綺麗です。

原作未プレイ&花丸(前作)視聴済み


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
刀(物)としての矜持や責任感と、人(刀剣男子)としての自由や、やりがいの中での葛藤。今の主(歴史を守る任務)と前の主と(坂本龍馬や土方歳三などを歴史をねじ曲げてでも救いたいと思う)の狭間で悩む葛藤を描くのが本筋の物語だと思います。

また、前作(花丸)との違いは、「前の主(歴史上の持ち主)」の性質や関係性を大きく持ち込んでいることですね(花丸でも多少はあったけど)。例えば、「和泉守兼定(土方歳三)」と「陸奥守吉行(坂本龍馬)」の対立なんか分かりやすいです。刀剣男子自身ではなく、「前の主(新選組)」をバカにされたことで激怒する兼定など、熱かったです。

前作は日常系ゆえに登場人物を増やし、ファンサービス&販促を狙った感じでしたが、本作はストーリー重視のために、かなりキャラを搾っていましたね。基本ですが大事なことです。

歴史的な解説も、かなり詳しくなりました。坂本龍馬の逃げる経路や細かいエピソードなど(歴史に疎いので、史実かは知りませんが)、楽しく観られました。

あと、Wikipedia程度の情報ですが、土方歳三が死の間際、少年兵に渡したのは写真と毛髪であり、刀(兼定)という情報はないみたいですね。現存する兼定も、土方が持っていた物とは長さが違うらしく、その出所は謎なのだとか。だから、土方歳三の最後を、国広だけが見ていて兼定は見ていないというのは(かなり重要なエピソードだけど)、アニメスタッフの創作になるのかな? 私は歴史に疎いので良くも分かりませんが、きっと歴史好きな方なら、こういう僅かな違いとかも楽しめるんでしょうね♪

これは不満というほどのことではないのですが、最大公約数的には人気があるので、幕末や戦国時代をメインに据えるのは理解できるのですが、やはり見飽きた感はあるので、どうせなら南北朝時代とか、あまりアニメで扱われないあたりを観たいな~と思ったり。

さて、この作品、なんか一部の人にスッゴい批評されてますね。原作レイプ? と言われても、私は原作をやってないし、特段、本シリーズに深い思い入れがあるわけではないから分かりません。

でもまあ確かに、(勿論許可はとっているだろうけど)ずっと謎だった「主」を1話目からサラッと出したのはやりすぎだったかな? とは思いました。「主」は、いわばプレイヤー自身だと解釈していますが、それを具現化されると怒る人もいるのでしょう。私も基本は「RPGの主人公は喋らない」方が好きですし(自分を投影できるから)。

原作好きな方が怒るのであれば、原作付きアニメとしては、確かに良くはないですよね。

とはいえ、やっぱり高クオリティのアニメであることは否定できないと思います。少なくとも作画は。

個人的に不満があるのはOPかな。折角、シリアスで格好良い作風なんだから、ああいうアイドルソング的な感じではなく、もっと和風だったり、格好良い感じの曲の方が良かったな~と思いました。
{/netabare}

【余談1 ~剣道部的、刀の用法について~】
{netabare}
バトルの作画は前作に比べて格段に良くなったが、刀の用法としては、少し雑だった印象。例えば、刀を刀で(キン、キンって)払うとか、実際はほとんどやらないしね。折れるし、刃こぼれするし。

例えば、剣道の段審査で行う「日本剣道形」は、各古武術の流派(つまり日本刀古来の使い方)からきているが、七種類あるうち、刀と刀が接触するのは、三本目(突き返し突き)、四本目(突き返し面)、五本目(面擦り上げ面)、六本目(小手擦り上げ面)の四種類。その中に刀を刀で払う動作、例えば切り落としや応じ返しという動作は一切含まれない。四種類全て、「鎬(しのぎ)」という、刀の上部(峰と腹の間)で刀を擦るようにして、相手の刀の軌道を変える(そらす、受け流す)動作になる。残りの三種類は抜き技なので、相手の攻撃をかわして攻撃する動作だ。

ここからも分かるように、刀は基本的に、相手の攻撃を弾いたり受け止めたりしするようには作られていない。そういう「打ち合う」動作は、竹刀が開発され、剣道という競技になってから生まれている。

真剣での勝負の防御は、基本的に「避ける」か「そらす」。刀を大切にしているアニメだけに、そこまでリアルに作画出来れば、剣道部的には更に満足だった。まあ、それやると迫力には欠けるけど。

というのは、難癖ですよw 本当は書かなくて良かったんだけど、剣道部、という名前を使っている以上、キャラ付けの為にもなんか書かなければと思い、無理矢理、重箱の隅をつついてみました(笑)
{/netabare}

【余談2 ~ 作品の成分に個人的には違和感が ~】
{netabare}
……にしてもアニメ成分に作為的なものを感じるのは、私だけでしょうか……。マイナス要因が多すぎるし、それぞれの成分にほぼ同数の票が入っている不自然さ。(&少しでもポジティブな成分入れると、即座に-連打されて消されるって……)。

てか、原作改悪はまあ(本人の捉え方だし、主観の要素が強いから)あっても良いとして、「作画悪い」って、この作品で作画が悪いと言われたら、世の中の大半のアニメはクソ作画ということになるとは思うけど……。

作品に対しての賛否は自由。絶賛も酷評も好きにやって良いと思ってます。本作が気にくわないなら、ガンガン叩いても良いと思います。

でも、「一人一票」ってのは大切だと思うんだよな……。

(勿論、これが完全に私の邪推で、本当に多くの方が批判しているのなら、何の問題もなく、正当な行為だと思います。何が正しい(真実)かなんて分からないから、結局は各々の判断ですかね)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
まず、作画がヤバイ。劇場版やん。前作(花丸)とはガラッと作風を変えてきたね。人助けするなと言って人助けする兼定が良いね。え~! 「主」出して良いのかな? 蜻蛉切り、メジャーどこが来たね~。

2話目
持ち主やら由来やら、丁寧に説明するのは、華丸になかった特徴ですね。

3話目
ピンチからの増援。ワルくはない。実に王道だ。

4話目
なんなもう、映画だな、完全に。蜻蛉切り、折れはしないだろうけど、かなりシリアスな展開。

5話目
シリアス継続。いよいよ本丸に。

6話目
へ~、2205年の設定なんだ。全体を守れても、個の犠牲を悩む、良いシーンでしたね。

7話目
三日月、強いな~。第一部隊、一軍って扱いなん?

8話目
ちょっと良い話。なんか、前作(花丸)みたいでしたね♪

9話目
前の主のことを嬉しそうに語る刀剣男子、良いね♪ ちょっと腐のかほりはするけどw

10話目
いや、煙の描写とか凄いだろ、これTVアニメだぞw 幕末は盛り上がりますな~。蜻蛉切りがあれだけ苦戦した大太刀を、わりとアッサリ。

11話目
背景からキャラが浮いている感じは、ある意味ゲームっぽいので、これはこれでアリかな。なるほど、土方歳三以上に、土方歳三を本当は助けたい兼定の為に動くのか。

12話目
いや、本当に良いのか? 微妙に歴史変わらないか? 1000って、ムリゲーじゃね?

13話目
背景は、本当にキレイだな。人の動きはちょい変だけど、それは贅沢言い過ぎか。ラストのバトルは単純に熱かった。にしても、やっぱり千体は無理だったんじゃ? 100で良かったんじゃないかとw
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

瀬名 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

刀剣乱舞が好きな人には良い

花丸のほんわか日常系とは違い、戦闘&シリアスな展開をメインにしたバージョンですね。

一応書いておきますが、登場人物の背景はこんな感じ。

和泉守兼定→土方歳三の愛刀
堀川国広 →同じく土方歳三の愛刀。和泉守兼定の相棒的立ち位置。
陸奥守吉行→坂本龍馬の愛刀
蜻蛉切  →本多忠勝の槍。天下三名槍の一振り
薬研藤四郎→織田信長の短刀(でもこの設定は出てこない)
鶴丸国永 →平安時代からある太刀。伊達家との縁が深め

ちょっと出てくる登場人物

三日月宗近→平安時代に作られた太刀。天下五剣の一つでもっとも美しいとされる
大典太光世→同じく天下五剣の一つ。
髭切   →源氏の重宝。
膝丸   →同じく源氏の重宝。
骨喰藤四郎→足利尊氏に献上されたり、豊臣へ献上されたりした刀。元は大薙刀の脇差。

こういった刀が出てくるので、歴史上の人物に興味があるなら試し見して観るのは良いかと思います。

ゲームの刀剣乱舞自体では、刀剣たちの物語に関する掘り下げはほぼないので、というかボイス自体が少ないので、ファンにとっては格好良い殺陣が見られて喋ってくれるだけで喜ばしいかと思います。

作画はufotable。fate/zeroなどを製作したところなので、作画に対する期待値は高かったかと思います。
実際、良かったです。
序盤なんて映画っぽく観えるほど手が込んでいた気がする。
戦闘時の躍動感も格好良かったし。
爆撃とか海とか、なんかリアルすぎて、アニメ作画の人物が浮くほどでした。
そこはなんか、バランス面でもっとアニメっぽくして良かったのではとは思うけれど。

肝心の物語ですが、まぁ基本はゲーム刀剣乱舞をプレイした人が観ること前提なのでしょうね。
初見にとっては、まず設定についていくのが大変かと。
正直、ゲームをやっていても理解しきれない設定とかはあるので、初見はさらに「?」という部分があるかと思います。

アニメなどでは、基本的に敵側には黒幕やらボスやらの存在が背景にあるのがお決まりですが、これに関しては時間遡行軍ってなんぞや?って感じですしね。
黒幕とかそもそもいないし。
妖っぽい、どんな思想や理念を持っているかもよくわからない時間遡行軍という名の敵が絶え間なく淡々と出続けるのみ。

そういった曖昧な設定が根本なので、わかりやすい敵設定がないんですよね。
なので、他の作品らとは根本的な物語背景が異なり、わかりにくさや感情移入のしずらさはあると思います。
もう、そういうものなんだと割り切るしかないw

ただ、今回のメイン出演キャラが新撰組や坂本龍馬の刀だったということもあり、物語的には初見でも入り込めるように工夫されていた感はあります。

刀の擬人化の話で、主と刀の関係性を見せてくる場面は感動しました。
坂本龍馬を思う陸奥守吉行のストーリーはとても良かった。
この話が一番初見でもわかりやすかったのではと思います。

それ以降はずっと新撰組ターンでしたね。
堀川国広が不穏な動きをする流れは、正直観ているのがしんどかったです。
ゲームをプレイしているファンからすれば、裏切り行為を働きそう…という不穏なキャラが出てくること自体、嫌なんですよ…。

でも、そこを自分の為にではなく、相棒の和泉守兼定のためだったという理由だったというところで救われます。

なので、刀剣乱舞を知っている視聴者としては、十分に楽しめる内容ではありました。
ただ、OPとかで本能寺の火の中にいる薬研とか出てきていたのに、本編では少しも触れず、織田信長が元主だったということさえ伏せられていたので、謎でした。
なら普通の戦闘シーンを挟んでおけば良かったのでは?と。

映画化が決まっているそうなので、その辺で触れるのでしょうか?
うーん、謎w

今回は第一部隊と第二部隊の12人しかほとんど出てこず、キャストを絞りに絞ったのは良い選択だったと思います。


音楽の部分では、何だかすごいufotable〜って感じが個人的にしましたw
でも良かったです。


と、個人的な評価は高い活撃刀剣乱舞。
ただ、初見の人がどう思うかは本当にわかりません。
刀が好きであれば、結構楽しめるのかもしれないし、擬人化と世界観の設定についていけずに意味不明で終わるのかもしれない。

そして、2話〜5話くらいまでの印象が正直とても薄い。
初見を引き込める内容を意識したのだろうか?と思うほど、初見バイバイな気がしました。

序盤こそもっと見応えのある内容にした方が良かったような気がしますね。
坂本龍馬が関わってくる話が良かっただけにもったいない。

よくわからないうちに物語はトントン進んでいき、置いてけぼりを食うような感覚。
刀剣乱舞を知っている人ならばついていけますが、初見はまずこの辺りで観るのをやめるのではないでしょうか。

なので、こんなダラダラと書きましたが、初見向きではなく、刀剣乱舞ファンならば観ると楽しいアニメだと思います。

イケメンがたくさん出てきて声優も豪華というビジュアル面で言えば、初見でも楽しめるのかも。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ufotableが贈る剣劇活劇譚、開幕。

この作品の原作ゲームは未プレイですが、2016年の秋アニメで放送された「刀剣乱舞-花丸-」は視聴済です。
でもこの作品は前作との物語上の繋がりは無いので、この作品から視聴しても十分に堪能できると思います。

ですがこのシリーズは刀剣を擬人化した作品…刀剣は常に主の懐にその身を置き、主の危機から身を挺して守り抜く存在…
だから戦闘時における激しい主の息遣いも、時には目を覆いたくなるような惨状ですら受け入れざるを得なかった…
そんな自らの忠義を尽くす存在が最も身近で、常日頃からその温もりを感じているが故に背負ってしまう悲しくも儚い刀剣の運命をしっかり堪能したい方は、是非前期の視聴もお勧めします。

戦国の世を渡り歩いてきた刀剣たちの今度の敵は、時間を遡り歴史に介入して史実の改変を試みる時間遡行軍…
そして今回時間遡行軍の歴史改変のターゲットは、徳川15代の歴史が激しく揺れ動いた幕末…

刀剣たちに課せられた使命は「歴史を守る事」
そんな時間遡行軍から歴史の改変を阻止するために派遣された刀剣部隊は、新撰組の土方歳三の愛刀とされる和泉守兼定と堀川国広
坂本龍馬の愛刀として知られる陸奥守吉行
「切れ味は抜群だが主人の腹は切らない」言い伝えが残る薬研藤四郎
本多忠勝が愛用した事で知られる天下三名槍である蜻蛉切
平安時代の刀工、五条国永の作である鶴丸国永の6振りからなる混成部隊…

物語が始まって直ぐに感じられるのは、主に対する刀剣たちの思いです。
楽しい思い出…ばかりじゃありません。
むしろ辛く悲しい…無念の思いの方が強かったのではないでしょうか。
それでもどれだけ時を重ねても主への忠義は薄れるどころか増すばかり…

私たちは刀剣ではありません。
ですが、大切な人への思いを貫く気持ちを持ち合わせているのはお互い様…
だから主に対する思いは嫌というほど伝わってくるのです。

何故物語の時代は幕末なんだろう…
でもその答えは痛みと涙に直結している事が直ぐに分かりました。

おかしいじゃありませんか…
そもそも土方歳三と坂本龍馬の愛刀がどうして同じ舞台に配属されているのか…
土方歳三は攘夷派で、坂本龍馬は開国派で思想が真逆なんです。
永遠に交われない人同士が一緒にいても、きっと報われないと思います。
そしてそれは当人だけではありません…当人を慕う人もまた然りなんです。

だから思います。
幕末から明治にかけて多くの血が流れました。
本当に私たちの先輩の辿り着いた答えはその一つしか無かったのでしょうか…?
若しくはどうしてもう少し欠けたピースを集める事ができなかったのか…?
例えば白虎隊…本当に会津の城が炎上していたのか、確認できなかったのでしょうか。
もし手前の城下町が炎上していただけ、と知る事ができたなら、飯盛山で19人もの若い命の華を散らす必要も無かったのに…

史実に忠実であり続けること…
時にはそれが残酷なほど厳しく、身を焦がすほど苦しいこと…
和泉守兼定率いる第2部隊が何を見て何を感じたのか…
そして第2部隊に課せられた天命や如何に…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

ufotableさんらしさである躍動感が半端ない作画に後押しされたこの作品…
視聴するまではただの女子向け作品だとばかり思っていましたが、それは大きな勘違いでした。
男性が視聴しても十分に感動できる作品だと思います。

オープニングテーマは、斉藤壮馬さんの「ヒカリ断ツ雨」
エンディングテーマは、Kalafinaさんの「百火撩乱」
Kalafinaさんの曲…相変わらず素晴らし過ぎです。

1クール13話の物語でした。
幕末での第2部隊の役目はひと段落しましたが、直ぐに次の任務が言い渡されていました。
そう…第2部隊のこれからの活躍は劇場版で見る事ができるそうです。
今後の続報が楽しみです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

63.0 6 任務で未来なアニメランキング6位
エガオノダイカ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (203)
702人が棚に入れました
地球より遥かかなたの星にある、笑顔に溢れた王国。王女のユウキは十二歳、そろそろ多感なお年頃。毎日泣き、笑い、時にはときめいたり…?しながら、王宮で楽しく暮らしている。日々を彩るのは、忠実な家臣たち。教育役のレイラ、政治を補佐するイザナ、騎士団長ハロルド、そして……幼馴染の側近、ヨシュア。「ユウキ!気合と根性さえあれば、何だってできる!」「……もうっ。またそれ~!?ヨシュア、もっと貴族らしくしてっ!」ステラは十七歳、有能かつクールな軍人。けれど微笑みはいつも絶やさない……笑顔は生きるためには、欠かせないから。これは、遠い星に生まれた、二人の少女の物語。

声優・キャラクター
花守ゆみり、早見沙織、松岡禎丞、佐藤利奈、神奈延年、置鮎龍太郎、小市眞琴、榎木淳弥、松山鷹志、長久友紀、増田俊樹、石谷春貴、白石稔
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

エガオニナルカ?

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
アニオリのロボアニメのダメなパターンの方、って感じですかね。

雰囲気や出だしの感じはかなり良かったんですが、肝心のストーリーでおおこけしました。ロボットアニメ自体は大好物なので、期待はしてたんですけどね。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まず一番の問題は、「クラルスの停止=文明の崩壊」みたいな論調で物語を進めてきたのに、最終話Cパートでいきなり、「え? 結構、普通に文明を維持できるんじゃん」となったところ。あれはズルいと思う。話が違う。

という事で、あくまで、「クラルスの停止=文明の崩壊」と考えてレビューを進めていきたいと思う。そうじゃないと、ユウキの行動に是も非も言えないから(兵器だけが停止し、文明が維持できるならば、そりゃ理想的だから)。

ユウキのとった行動は控えめにいっても最悪で、まさかただの箱入りワガママ王女様のままで最終話までいくとは思わなかった。じゃあ、縄文時代や弥生時代は争いが無かったのか? 充分な食料や医療がない中で、幸せに長生きできたのか? など、たくさん疑問が浮かぶ。

もしこういう「ハッピーエンド」を目指すなら、「クラルスの軍事転用だけを止めるウィルスを流す(ナノマシンの改造)」とかにすりゃ良い(勿論葛藤は生まれないが)。

構成的にも、とてもとても疑問が残る。

本作はダブル主人公の形式をとり、相互にそれぞれの陣営を見せていた。その中で、敵味方に分かれた二人の主人公が出会い、どう平和に導くかが見処になる作品だったはずだ。

そんな二人の大切な「邂逅」を、まさか最終話の終盤にもってきて、しかも、一方(ユウキ)の考えに全のっかりとか、マジか?と思った。もう一人の主人公であったステラのとった行動は、「止めない」という消極的なものだけで、だったらなぜ、主人公を二人にしたのか分からない。

ダブル主人公のメリットは、立場や境遇などの違いから、見える風景が変わり、異なる主張をもった者同士がぶつかり合い、それでも互いを認め、異なる二人だからこそ辿り着けるゴールを見つけるところにあると、私は考えている。

例えば、ダブル主人公×戦争 モノの金字塔、「銀河英雄伝説」は、ラインハルトとヤンという二人の天才が、直接顔は見合わせずとも、常に相手を意識し、敵の味方以上に相手のことを深い部分で理解していからこそ、感動が生まれた。

けれど本作は、二人が直接顔を合わすまでは、互いから何かを受けとるのではなく(というかユウキに関しては、ステラを個人として認識すらしてないと思うし)、むしろ、自分の味方から多くを学び、たくさんのものを受けとってきた。だから、最後に敵側についたステラには、裏切り者のような印象をもってしまった。会って数十秒の敵国の姫のありきたりな台詞に感動し、祖国をあっさり裏切った、そんな風に捉えられてしまわないだろうか?

ダブル主人公のデメリットは、片方を深める時間が半分になることだ(だから銀英伝は長大だった)。これだけ、ユウキのやりたいことを100%叶えるなら、普通に王国サイドのエピソードだけで充分だった。また、ダブル主人公の良さを生かすなら、7話くらいで二人を出会わせ、二人がそれぞれに1つのゴール地点に向かっていくような構成の方が良かったと思う。

さらに、普通に考えて「クラルスの全停止」というのは、愚作としか思えない。ナノマシンを使いきり、人が住めない環境になるのが、明日明後日の危機でないのなら、まずはこの情報を全世界に公表し、王国は帝国に即事降伏(敵対勢力がなくなることで、兵器によるナノマシンの浪費は防げる)。日常生活におけるクラルスの使用も最低限に抑えつつ、代替のエネルギー開発か、ナノマシンの発明・生産に全力を尽くす。その上で、全て上手くいかなかった場合は、一次産業の推進(人力での農業指導や農具の生産、家畜を充分に増やすなど)や治安機関などをしっかり整備した上で、今回のユウキのように、クラルスの全停止を行う。そのぐらいのことをやった上で行わないと、限られた食料や文明の遺産を巡り、間違いなく略奪が横行し、戦争以上の被害を生んでしまう可能性もある。マジで、雑だと思う。

これだけの悪さがある作品なので、視聴後の感覚的には☆1でも良いのだが、1~4話くらいまではしっかり楽しめるなど、良さもあったので、まあ、☆2かな。

あと、ネタバレに繋がるようなOPをつくるのは、特にアニオリならやめてほしいと思った。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
クラルスの全停止=文明の崩壊みたいな論調で物語を進めてきたのに、最終回Cパートで、わりと普通に生活出来ているようなので、話が違うと思った。

ダブル主人公の良さを全く生かさず、最終回になってようやく邂逅し、すぐに意気投合する二人がよくわからん。

てか、クラルス全停止、兵器が止まって世界が平和になりましためでたしめでたしとか、頭お花畑かよ(向日葵だけに)w

☆1でも良いが、序盤はまあ楽しめたので、☆2で。
{/netabare}


【1話ごとの感想(視聴時毎回更新)】
{netabare}
1話目「ソレイユの少女」☆3
{netabare}
器の大きさをみせる、主人公。なんか、好きな世界観っぽい。

《今後の展望》
王女が有能且つ良い人なので、彼女の成長を描くというより、理想と現実のギャップに悩みつつも、それを乗り越える様子を描くんだろうな。笑顔の代価、というタイトルが気になるな。ヨシュアかユウキのどちらかが死んだりする?
{/netabare}

2話目「戦乱の真実」☆4
{netabare}
なんか、OPが盛大なネタバレになっているような、、、。ヨシュアの死亡、思ったより早かった。

《今後の展望》
こうなると、王女の闇堕ち、本領発揮で帝国を蹂躙することもありそうだけど、多分、爽やか路線だな。OP観る限り(苦笑)
{/netabare}

3話目「微笑みの戦士」☆4
{netabare}
戦場で親を殺した(かもしれない)兵士が、その子供に桃缶を配る。そして、家を爆破に巻き込み、助け、罵倒される。しっかり「人間」を描いているな。

《今後の展望》
1話ごとに主人公サイドを変えていく、ダブル主人公構成でいくのかな。銀英伝もそないな感じだし、好きな構成ではあるかな。
{/netabare}

4話目「希望の選択」☆4
{netabare}
王女の素人判断で最悪の結果を招く。なかなかちゃんとドラマを作る気があるな。

《今後の展望》
科学力と経済力、地の理は王国にあるが、戦力(物量)と勢いは完全に帝国にある中、やはり逆転の一手は、ユウキの覚醒しかないでしょうね。ただ、最終的には和解、和平だろうから、互角まで戻せば良いわけだけど。帝国に物資は無さそうだし。
{/netabare}

5話目「分隊の一夜」☆3
{netabare}
昔世話になった先輩軍人、、、わっかりやすい、死亡フラグ(笑)

《今後の展望》
リリィもいつか死にそうですね。ユウキにとってのヨシュアの死に釣り合う存在が、ステラにとってのリリィっぽいし。
{/netabare}

6話目「運命の岐路」☆3
{netabare}
総数五万!? かなり大規模なロボット軍団がいるんだな。いくら士気を上げるためとはいえ、戦術を考える人が前線に出るの? ユウキが指揮をとる(覚醒する)きっかけ作りか。

《今後の展望》
やはり、ユウキ無双の展開かな。今回追い討ちをしなかったことが、後々、ステラとの和解、共感の種になるのかな?
{/netabare}

7話目「王宮のひまわり」☆2
{netabare}
退役、メデタイ、メデタクナイは、微妙なところだな。こっちのチームも、かなりキャラは深まったな。ピアーズを殺したか、これはちと残念。なんか、体よく悲劇を背負わせて、ちょいキャラを殺していく。こうなると、ピアーズを殺すために、今回、彼をとってつけたように引き立てたことになる。こういう、キャラの生かし方、殺し方は嫌いです。キャラクターは、ちゃんと生きて、どうしようもなく、死なないと。

《今後の展望》
帝国側、ステラサイドにも死の悲しみは必要で、だとしたら、ヨシュアに釣り合うのは、リリィか隊長かと思っていたら、ピアーズというちょいキャラに悲劇を背負わせて退場させる手段に出たか。今後を、想像したいと思えなくなったな。とりあえず、ユウキ無双ですね。
{/netabare}

8話目「最後の伝言」☆3
{netabare}
イザナ、死亡。最後に一花咲かしたら死んでいく流れを続けるのか?

《今後の展望》
新型クラルスのリスク。世界が滅ぶとか、そんなんでしょ、多分。
{/netabare}

9話目「暁の挽歌」☆3
{netabare}
王国編が続いたね。笑顔の代価とは、人々がクラルスによって笑顔になった代価として、環境が犯されることもあるんだね。う~ん、パタパタ人が死んでいくな~。ハロルドも死に、いよいよ王国は人材不足だな。

《今後の展望》
次は帝国編を2話続けるのかな? 最終的には、世界の全てのクラルスを活動停止にするの? てか、これ、ストーリーまとまるか?
{/netabare}

10話目「魂の発火」☆3
{netabare}
戦争被害者との触れ合い。素直に笑う、ステラ。悲劇の予感しかしない。ここで、隊長の死か。ここで両陣営の物語がひとつにまとまるのね。

《今後の展望》
ステラ、最後は隊長の孤児院を引き継ぐのかな。次はステラとユウキの邂逅だろうね。二人はどんな決意をするのか。やっぱり、新型クラルスを使って、全クラルスの停止かな。でも、それで争いがなくなるほど、世界はシンプルなのかな?
{/netabare}

11話目「二人の決意」☆2
{netabare}
隊長への熱い思いに、なんかこっちがついていけないな。ダブル主人公ものだけに、片側の掘り下げは不十分になるわけだし。ユウキが、父の死というツラい事実を、母親に言わせず、自ら言ったのは、偉いと思った。

《今後の展望》
まさかこれ、クラルス全停止でハッピーエンド、にはしないよね? クラルスを全停止するならするで、現実的な代替案がないと。
{/netabare}

12話目「笑顔の代価」☆1
{netabare}
よく娘だと分かったな。母親の超能力か? なぞの挿入歌(笑) 野菜は元気になるって、ナノマシンは自己増殖するの? じゃないなら、「減らなくなった」だけ(現状維持)で、回復はしないでしょ。

いや、確実に間違いなく、ユウキもステラも刺されると思うんだけど。

ここまでダメな最終回も珍しい。総合評価まで1にしようか悩むレベルです(汗)

《今後の展望》
2期や劇場版はないな。100%。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

ダイカ君の笑顔がステキでした

3話までの感想{netabare}
大地が作物育ちにくくなって食料を巡って戦争ってのは非常にシンプルで分かりやすい。
主人公、お姫様には辛いニュースは聞かせたくないって、お人形扱いかよー。
「お前は何も知らずに神輿に担がれてりゃそれでいいんだ」と言ってるみたいで、ああこれがのちに代価に繋がるのかなぁと思ってたら2話で主人公死んじゃった!?
それ以前に「篭城だー」と言ってた次のシーンではもう撤退してて、2話は展開がぶっ飛んでるっていうか…何かトリックでも仕掛けてるのか?
ってことで気になる3話を待ってみたら…ヨシュアどころかソレイユ王国側全然出ないw
くっそww引っ張りおるwww
内容も、命令果たすためなら恨まれても構わんっていうもので、個人的には大好きな部類。
(ここぞとばかりに叩きのネタに使うのもどうかと思うが、“ゴブスレ”がそういう作品だと思ったら全然違ってヌルくてビビった)
もしこれで最終回、「世界が平和になったーやったー」ってところでステラが子供に撃ち殺されたら大絶賛します(嫌味ではない)。

それにしても…これ言ったら世界観台無しだし無視すべきことなんだけど、肥料って鉱物由来だぞ、水耕は特に。
なので作中のプラントはどっちかっつーとグランディーガ側の方が得意ってのが自然で…いやいいんですけどね。
大地で作物が育たないのはマグマエネルギーが枯渇したせい(ダリフラネタ)みたいな、クラルスラピス掘りすぎたって展開にはならんだろうなぁ?{/netabare}

4話感想{netabare}
戦争の用語?はよく知らんけど、いわゆる二次遭難みたいな展開。
退去命令出されたけど従わずに留まって抗戦しようとする民衆が居て、そいつら助けに行ったら全滅。
ん?全滅か?途中からロボだけ映してトレーラーがどうなったか映ってないのでちと不明。
どちらにしろ…う~ん、タマランw
ってか退去命令なんて住民全員が大人しく従うワケないじゃーん。
姫様はカリスマあるんだっけか?じゃあ姫様直々に発令すれば叶ったかも知れんけど、そうできない事情──新型クラレス絡みで報告を伏せた──を生み出したヤツは切腹モンだろう。
あとかつての和平式典で乱入してきたの、あれは帝国の手によるものなのかテロリスト(第三勢力)によるものなのか、どっちなんだろ?
ソレイユ側は帝国のしたこととしてるみたいだけど、そうであるなら式典の場に帝国の要人が来ていない(町ごと爆発させる計画に要人送るかね?)と、もっと早い段階で気付けそうなもんだが…。
第三勢力によるものならグランディーガ側もお偉い人がテロに巻き込まれてると思うので、両者痛み分けとしてまだ歩み寄る余地があるような?
“反新型クラレス”の勢力が居るような気がするんだが、どうだろうか…。

それにしてもヨシュアは死にっ放しなんかね?
1話のシミュレーション装置に個人データが残っててそこから…みたいな展開だったらヤダなぁと思ってるのだけど、どういう扱いしてくつもりなんだろう。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
なるほどねー、2話でヨシュアを殺したことで「この作品はメインキャラでも容赦なく退場させる」って印象を植え付けられたみたい。
5話ではリリィが死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしながら見ることが出来ました、というか死亡フラグ立てまくりで思い返してみると結構笑える。
でもって9話までの感想としては…実はユウキの側近連中に裏切り者でも居るんじゃね?と思ってたけどそうじゃないっぽい。
「担ぐ神輿は軽い方が良い」と側近が意図的に姫をお馬鹿に仕立て上げてたってことにすりゃこれまでのアレコレも納得のいく方向で収められたと思うのだけど、そうじゃないのかー。
更に言うと“LOSUTSONG”のように、王国視点と帝国視点で実は時代が違ってたりして、なーんてこともうっすらと考えていたけどそれも違うっぽい。
う~ん予想外れてばかりだなぁと思ってたら、↑で書いてた第三勢力キター!
やっぱ昔テロ起こしたのはグランディーガ帝国ではなくてベルデ皇国?公国?ってところだったらしい。
とはいえ今はもう滅んでるみたいだけど…とりあえず現在戦争をしてる二国はどっちも被害者みたいなものなので、そっち方向で和平エンドって可能性は…あるんかなぁ?

また、どうしてベルデ皇国は新型クラスル開発を阻止しようとしたかって形で「この世界の仕組み」が9話でやっと明かされる。
…。
ソレイユ王国はトップに報告しないのが慣わしなのか?
ナ、ナノマシーンかぁ。
作物が育たなくなり出してる原因にも繋がるワケだけど、これは航空兵器が存在してない理由にも繋がってる?
上空はナノマシーンの濃度が薄いとかで。
でもこれだとナノマシーンには「ムラ」があるってことで、今までそれを匂わす描写(風向きによってエンジンの調子が変わるとか)は無かったので違うんかな。
と、いうよりも、だ。
ナノマシーンは自己増殖して~とか言ってたけど、じゃあどうやったら増殖できるのか・促進可能なのかの解明はしないのかいな?
人間側からの干渉ではどうにもできないとか明かしてないので、最後ナノマシーン増殖方法が見付かってめでたしめでたしエンドの可能性が…あ、あるかな?
もしくは高濃度の・パンパンにナノマシーンの詰まったコンテナでも見付かったりして。
なんか物語最後のカット、立派に咲いたヒマワリのアップで終わりそうな気がして、それに向けてどう展開するかで考えてしまいまして…。

もう一個気になるのは3話で接収したプラント、あれはクラルス使っての栽培だったよね?
ナノマシ-ン周りの設定と矛盾してない?
また、接収しといてそれ以降帝国側がどんな分析したのか全然触れないんだよなぁ、それ真似て食料確保できるようになれば当面の戦争は回避できそうな気がががが。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
10話…え、待って、9話でやっとクラルスの謎明かしたと思ったらまたこんな話?
3話の焼き直しじゃん。
いやだからさ、戦争の悲惨さ見せたいんだったら孤児に「母さんの仇!」と撃ち殺させようよ。
孤児から花束渡されて受け取ろうとしたらその下から銃口が…とかやろうよ。
もし衝撃的な死を描きたいんだったら、作戦で手柄上げて、隊員から誉められて「よせやい照れるぜ」と照れ隠しでサイドカー乗り回してたら補助席に放り込まれてた手榴弾のピンが外れてドカーンくらいやろうよ。
ダグラム見よう(ダイマ)、うん。

けどそんな10話はまだマシだった、11話は…えええ、今の時代にコレ?
原始共産主義というか“地球へ”のナスカ編というか。
そういう発想も分かるんだけど…科学の発展に対し「果たして本当に大丈夫なのだろうか?」と不安がる気持ちというか。
そういうのってひと昔前のやれ公害だ自然破壊だのと騒がれた頃に散々見た気がしてのう。
それ以降もちょくちょくあるにはあるし、最近では“ダーリンインザフランキス”も挑戦はしたけど結局有耶無耶にするのが精一杯で、そうそう書けるものじゃない気がする。
…原発事故を受けて今後そういう系がまた流行りだすのかね?
最終回ではもういきなり千年後になって「あの頃は大変だったらしい」としてユウキは伝説の悪魔か魔女のように語り継がれ、それでいてその時代の住民はクラルスとは別の動力で文明を建て直し背景にはヒマワリが咲いててエンドでいいんじゃね?と思ってしまったり。

ってなことを11話観終わった後に下書きしてました。
ゴチャゴチャ言わずに最後まで見よう、と思って投稿しなかったのだけど…。
ってことで最終回の12話…スコーっ、思いっきりズッコケちゃった。
「えっ、なんで?」というのが第一印象。
人類には厳しい冬の時代が到来するんじゃないの?ポルポト政権下よりも酷い時代に…ならんの?
武器を奪ったところで石や棒で戦争続けるだけだと思うのだが…「そもそもなんで戦争始めたの?」をお忘れか?
3話でクラルス使ってのプラントもあったし、それもシャットダウンしたんだぞ?
???
クラルス停止装置を起動した時感動を誘うような挿入歌が流れたが、思い切り空回りしてて虚しかった。
ダブルヒロインとか視点切り替えによる云々とか誰が誰の娘とかどうでも良くなった。{/netabare}

総評{netabare}
悪い方向で騙された。
「きっと○○なんだろう」という好意的展望は総て打ち砕かれました。
姫様が頭お花畑なのはきっと側近(教育係)に裏切り者が居るからだろう、クラルスを使っても作物がちゃんと育つ技術がきっと開発されるんだろう、クラルスの真の動力たるナノマシンを増殖する技術がきっと見付かるんだろう、クラルス停止して姫様は処刑されるんだろう、クラルス停止で人類は10分の1とかに減ったりするんだろう…。
全部「そんなことはありませんでした」。
最後のオチも、自分は一体12話も何を見させられてたんだと考えてしまう肩透かしなものです。
いっそのこと最後にダイカって名のキャラが笑顔で登場してくれたほうがまだマシだったんじゃないかと思うくらい虚無。
もしこれから見ようという方は、何も期待しない方が良いと思います。
というより、これ見てアニメを嫌いにならないで。{/netabare}

余談{netabare}
11話で本軍が対面してた平原が赤く描かれてて「お?アッケシソウかシチメンソウかな?」と思ったら(他のアニメだと“宝石の国”の何話かのエンドカードでアッケシソウ(多分)があったので記憶にある人も居る…のか?)12話でアップが出て、赤かった正体がヒガンバナで平凡すぎてガックシ。
多分そこまで考えてないと思うけど、ヒガンバナならヒガンバナで「今後大規模な飢饉に見舞われる暗示かも?」(ヒント:救荒植物)ってネタにもなりえたけどそんな展開にはなりませんでした。
というか、言わないようにしてたんだけど、ひょっとしてユウキの名前って有機農法から来てる?
…。
有機農法自体はJASで厳格に規格されてるけど、ちょっと外れるとエセ科学や宗教臭い魔境が広がってまして…。
最後のオチを見るにスタッフはそんな魔境出身なのかな?と思わなくもない。
監督“ヒロイックエイジ”の人なのにねぇ…いやあれも宗教臭いっちゃあ臭いか。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

笑った私は素敵でしょう・・・ね?どう?どや!素敵でしょ?

タツノコプロ創立55周年企画オリジナルアニメーション、とのこと。


そのまんま『笑顔の代価』となるのでしょう。好物である不穏な展開が待ち受けてそうなタイトルが視聴の決めてでした。鬱展開カモン(^^)

王国と帝国。二つの勢力に別れての戦争もので主力兵器はロボットという世界が舞台です。キービジュアルからは想像つかないですけどね。王国側の王女ユウキ(CV花守ゆみり)と帝国側の一兵卒ステラ(CV早見沙織)のWヒロインになります。
戦争の原因は資源エネルギーに絡んでと妥当な理由でした。
タイトルから“笑顔は何と引き換えなのか?”
OP映像から“ユウキとステラはどう絡むのかなぁ?”
そんなところが気になる序盤です。


観終わって、、、そこそこ期待した通りの“不穏さ”ではありました。
エガオにまつわるオチのつけ方やたぶん監督が描きたいであろうテーマも伝わってきます。ただわかりづらい。

戦争もののくくりで本作を捉えるとして、陣営の違う二人を主人公に据える場合、まずはお互いの関係を決めてくれると楽だったのです。
 ・一番手っ取り早いのは二人をライバルにしちゃうことでしょう。
 ・次に考えられるのは敵味方を超えた友情物語にしちゃうことでしょう。
これがどちらでもなく関係性は不明のまま。
ただそれ自体は悪くないことです。後半に結びついてこればいいだけの話。

次に早い段階で二人が会うなり相手を認識すること。接点を作ってあげないと一つの作品のなかで別個の物語を追うハメになるからです。これもないため、視聴者は二つを追いながらの集約待ち状態が続きました。これもそれほど悪くないことです。
代わりかどうかは知りませんが、同じ事柄を王国視点で次は帝国視点でと交互に見せる演出が何回かあって理解を促してました。
おもしろい演出でしたが、《話の進行速度》を代価として払った感じですね。終盤近づいてももやもやが依然として残ります。
{netabare}9話以降、クラルスとは何ぞや?が解明されたあたりから物語は加速していきますが、{/netabare}どうしても終盤慌てて畳んだような印象です。

 尺不足ではなくこれは脚本が悪いです。

並行で物語を進行させる場合、興味を引き付ける要素を要所で挿れないと置いてけぼりになります。その悪い見本。
最終盤はいろいろ繋がって作品のメッセージも受け取りましたが、それまでの組み立てのしょっぱさから{netabare}ラストカットのユウキとステラの二人に{/netabare}感情移入できた方がどれほどいたでしょうか?私は2週めでやっとおぼろげながら見えてきた感じでした。

 『その笑顔のためにどんな代償を二人は払ったのだろうか?』

ここに注視する必要がありそうです。鬱展開は好物です。ただしそれは人間の根っこ部分を摑まえてこそ。メッセージ性があるものの根っこが弱い、もったいない作品でした。
テロップ挿入ありのOP。「笑った私は素敵でしょう」とストレートなED。OPはムービーがネタバレやんと思いつつ、両曲とも作品世界に合っており肝いりだったことがわかります。


※以下ネタバレ所感
■笑顔の意味
ヒロイン二人の笑顔には別々の意味がありました。
{netabare}ユウキ:幼くして両親を失う不幸に見舞われながら周りの助けもあり、愛情を注がれて育った娘の笑顔。
王女らしく笑顔の対象は自国民だったり『公』に向いている。しかし次々と愛する人(家臣含む)を失っていき、笑顔は消えていく。愛する人を失わずに済む日が訪れた時に笑顔は取り戻せるのだろう。{/netabare}

{netabare}ステラ:幼くして両親を失う不幸に見舞われ里子に出されても厄介者扱いで、愛情を注がれずに育った娘の笑顔。
自己防衛ありきで笑顔の対象は自分『私』に向いている。仮の居場所(軍)を見つけ必要がなくなり、笑顔は消えていく。在りし日のかすかに残る記憶。人と人との繋がりを取り戻せた時に心から笑える日が訪れるのだろう。{/netabare}

{netabare}ユウキは民を統べる者としての自覚が芽生え、その責任を全うしようとすることで。
ステラは戦災孤児や隊の仲間の温もりに触れ、居場所を見つけようともがくことで。
クライマックスに向けて両者の心の変化みたいなものが集積していき、ラストピースをレイラさんが埋める。そして繋ぐ。ここはちゃんと筋が通っているんですよね。{/netabare}


■メッセージ
非戦反戦であることは明確です。王国にも帝国にもそれぞれ兵士たちには愛する者がいて、と。両陣営の視点で描かれているので狙いはある意味分かり易い。戦争なんてろくなもんじゃない。その通り!
なんだけど、物語の収束のさせ方が自分には刺さらない刺さらない。受け取ったメッセージに共感するまでには至りませんでした。

{netabare}作中でも再三指摘されてましたが、動力源(クラルス)を失えば、新たな争い生まれないわけないでしょうに。自覚あるだけマシと言えなくもないが、クラルス停止の正当性の根拠に持ってきたのが住環境の維持、すなわち環境破壊の阻止です。しかも1000年後。
これは問答無用でグレートリセットすればなんとかなる、のテロリストの発想ですよ。クラルス停止してもいいようにエコ手法を周知徹底するロードマップを敷くとか代替エネルギー研究するとかまじめな議論すっ飛ばすやり方はどうも性に合いません。そんな真っ当なツッコミに対しての反論が{/netabare}

{netabare}『気合と根性さえあれば、なんだって出来る…』
ヨシュアの伏線回収です。 ダメだこりゃ (*´▽`*){/netabare}

賢明な皆さんならもうお気づきでしょう。既視感のあるプロパガンダ臭がプンプンで胡散臭いったらありゃしないのです。
エンタメはエンタメで楽しみたいのでこういうのいらんかなぁ。リアリティの欠如した作品は今の時代ウケませんよ、タツノコプロさん。
GO!GO!がコンセプトの55周年企画なそうですが、これが非難轟々にならないことを切に願います。


■オマケ
1.CV花守ゆみり
ユウキが野営のキャンプで食事にありついてるシーン。もうすぐ冬ですね。
※出典:寒い季節にキャンプを楽しむアニメ
2.役名リリィ
仲間が戦死する度にこのフレーズが耳から離れない
「さよならはやってくるけれど ずっと先だって思ってた」
※出典:ゾンビがアイドルするアニメ

お粗末さまでした。



-----
2019.08.25追記

視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴

ED『この世界に花束を』のフレーズ。「笑った私は素敵でしょう」
これ放送中は気にならなかったのですが、最終話を観終わって、

 「素敵って言えや、ゴルァ!」

と迫られてるかのように感じました。作中のメッセージが押しつけがましかったのが理由です。お姫様は自分は良いことしてる!って信じて疑ってないですよね。だいたいこの手の方って人の話聞かないんですよ。



2019.03.29 初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 46
ページの先頭へ