人生で浮気なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の人生で浮気なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.2 1 人生で浮気なアニメランキング1位
デス・パレード(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1027)
5261人が棚に入れました
「いらっしゃいませ クイーンデキムへようこそ」
何も知らない二人の客を迎えたのは、不思議なBAR『クイーンデキム』と白髪のバーテンダー『デキム』。「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」彼の口から語られるデスゲームへの誘い。やがて剥き出しになる客達の本性。
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム。
裁定者デキムが二人の客へ下す裁定とは…。


声優・キャラクター
前野智昭、瀬戸麻沙美、大久保瑠美、細谷佳正、内山昂輝、白石涼子、柚木涼香、玄田哲章
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人間に人間は裁けない

デスビリヤードとしてアニメミライでやっていたものが1クールでアニメ化したもの。デスビリヤードが割と面白かったので、期待値は高かった。

相違点はネタバレレビューを読む

同時に死んだ2人がゲームをして転生するか否かを決めるというのは同じ。また、クイーンデキムに連れてこられた時点では2人は死んでいるという認識はなく、ゲームをするうちに死に至るまでの記憶を思い出していく。

デキムは90Fある裁定フロアのうち、15Fで裁定を下している。今作で謎に包まれたデキムについて明かされる。デスビリヤードを見て面白いと感じた人には見てもらいたい作品。ただ、毎回、ゲームしているわけではない。ネタバレレビューを読む神の視点からしか人は裁けないが、人間らしさを手に入れたあとはどう裁くのか。やはり、人間は様々な背景があり、どんな奴でも淡々と裁くことはできないということだろう。そう考えると裁判で判決を出すというのも人生を左右するものであるから、慎重にじっくりしても最適解はないということかなと。このアニメの制作側マッドハウスが何を考えて作ったかは分からないけど。

OPのFlyersは映像でキャラクターたちが踊っているし、曲調的にも体が勝手に動きそうな感じ。EDは数話ほどゲームをさせられた人の映像で幸せそう。

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 5
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

感情の果てには『愛』があったというお話

2015年1月~ 日本テレビ系列にて放送
全12話

突然、何も知らない二人の人物がたどり着いた不思議なBAR『クイーンデキム』
出迎えたのは白髪のバーテンダー『デキム』

「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」

半ば強制的にデスゲームに参加させられ、二人はやがて人間の本性がむき出しになっていく
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム
人間の本性を暴いた先に下す『裁定』とはいったい…


まず物語の構成
2話完結のお話から始まり、1話完結の話もあれば
終盤に向けて含みを持たす繋ぎの回もあったり
展開の仕方が様々な作品です

また、あえて物語の結末や登場人物の行動原理
世界観の説明をぼやかすことで
物語の空白を作っているところが特徴です

一応、結論というのは導き出されますが
明確な答えを提示してくれることは無く
果たしてそれが正解なのか?
そんなことを考えてしまうような
文学的な趣きの強い作品でもあります


キャラクターデザインは決して流行りの絵柄では無いものの
洗練されていてカッコイイ絵柄
また全体的に作画がとても良く動きの激しいシーンや
細かい日常の仕草など細部にわたって作画レベルの高さが印象的
特に表情豊かな゛作画の芝居゛が声優さんの凄みのある演技と相まって
思わずおぉっ!唸ってしまう場面が多々ありました
特に9話のゲスト声優 藤原啓治さんの演技と11話のスケートシーンは
このアニメのベストシーンだと思います


そしてこのアニメには実に様々なテーマが内包された作品であると思っています

『既存の自動化された体制への反抗』であるとか
『見ている人の死生観に問いかける』ものであるとか
『正しい人生、より良き人生とは』みたいなものとか

しかしそのどれもがキャラクターや世界観と同じく
明確な回答を提示してくれる作品ではありません
視聴者がどれに重きを置いて見るのか
取捨選択が必要な作品だと感じました

それでも最終回の予告映像を見るとこの作品の主題が何となく感じとれると思います
最終回だけ2分程度のロングバージョンの予告が公開されていて
内容は劇場版の予告みたいな作りになっていて核心的なネタバレは無いので
この予告を見てから視聴すると印象が変わってくるかもしれません
もちろんフラットな状態で見たいという人は閲覧注意です


デス・パレードLast episode予告動画[Long ver.]

https://www.youtube.com/watch?v=40_pSjR_1OM


【総評】
一貫してダークな雰囲気で人間の黒い部分を暴いていく物語かと思いきや
ギャグに徹した回があったり素直に感動できる回があったり
作画・声優・演出が高いレベルで融合した物語の幅広さが印象的でした
それゆえにどっちつかずな展開が気になる人は多いかも
見終わった後、後味の悪いような感覚はありませんが
心によく分からない引っかかりが出来てそれが何なのか考えてしまうような
良くも悪くも簡単には消化できずに様々な感情を呼び起こす作品でした

あとOPがすごくファンクでキャッチーなノリの良い曲でお気に入りです
OPバンド BRADIOは他の曲もどれも素晴らしいです

多くの謎を残し、キャラクターがその後の展開を予感させる態度だったので
2期というものをどうしても考えてしまいますが
個人的には今回、原作・監督・脚本を務めた立川譲さんには
「俺の描きたい物はまだまだあるんだ」
という野心的な心意気を感じたので全く別の新しい作品を期待してます



以下、最終回を中心にネタバレ感想


感情の果てには『愛』があったというお話

ネタバレレビューを読む


11話までの各話感想
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 52
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

そもそも何故裁定するのだろう。何故を想像する作品。

ジャンル        :リドル・ストーリー
話数          :全12話
原作          :立川譲 / マッドハウス
アニメーション製作 :マッドハウス
監督          :立川譲
シリーズ構成・脚本 :立川譲
キャラデザイン    :栗田新一
音楽          :林ゆうき
OP           :「Flyers」作詞 - 真行寺貴秋 / 作曲・編曲・歌 - BRADIO
ED           :「Last Theater」作詞 - Ryosuke・Ryo / 作曲 - Ryo
              / 編曲 - NoisyCell・PABLO a.k.a. WTF!? / 歌 - NoisyCell

参照元        :Wikipedia「デス・ビリヤード」

【あらすじ】
 何も知らない二人の客を迎えたのは、不思議なBAR「クイーンデキム」と白髪のバーテンダー「デキム」。彼は命を懸けたゲームをするよう二人を誘う。そしてゲームを始めた二人はやがて本性が露となって行く。ゲームの果てに自らを「裁定者」と明かすデキムが下す裁定とは…。 デス・パレード公式ページ「作品紹介」参照

【特徴】
①リドル・ストーリー(結末を曖昧にした話)
②シリアスで湿っぽい
③感動

【長所】
①徐々に明かされる記憶の意外さに驚かさせる
②デキムの下した裁定結果の是非を考察させるパターンと意図的に伏せられた裁定の結果自体を考察させるパターンの 2種類ある
③デキムの成長過程が描かれている
④登場キャラに謎が多い

【短所】
①考察ポイントとは別の伏線は回収されない
②確かな解を求める事は出来ない

【短評】
ネタバレレビューを読む 

【総括】
 全体的に湿っぽい雰囲気ですが、怨嗟の感情が渦巻いておどろおどろしい雰囲気の回もあれば、少しおちゃらけた雰囲気の回や心温まるやさしい雰囲気の回もあり、心揺さぶる話が多いです。また、ゲームで判明する記憶には意外性があって飽きる事の無い作りになっています。そして、最大の特徴は視聴者に考察を促す作りである事です。以上の事から笑いを求めている、湿っぽい空気が苦手という方以外にはお勧め出来る内容かと思います。

【思った事・蛇足】

デキムはトーテムでも特異な存在のようです。
というのも、生を全うした人間を尊敬しているからです。
何故特異であるかというと
その他のバーテンダーは只管来訪した客をルールに則って裁くだけで
人間を尊敬する事は無いからです。


因みにトーテムで働く従業員は人間ではないです。


それにしても
何故デキムは生を全うした人間を尊敬しているのでしょうか。
謎です。


私は何と無く尊敬する理由について作中の内容から感じ取ったのですが
尊敬する理由も結局推測の域を出ない訳です。
けれども
もやもやする事は無く
「そういう事で良いか」と勝手に納得出来ました。
(納得出来なかったらつまらなかったかもしれない…。)


それと
上では一切触れませんでしたけど
心理描写が丁寧で「感動出来る」物語になっていました。
なので
感動する事を目当てに観るのも良いかなと。
そう思います。




2期やらないかなー。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 19

64.2 2 人生で浮気なアニメランキング2位
カラフル-Colorful(アニメ映画)

2010年8月21日
★★★★☆ 3.5 (413)
1779人が棚に入れました
死んだはずの“ぼく”は、プラプラという天使らしき少年から“おめでとうございます。あなたは抽選に当たりました”と話しかけられる。大きな過ちを犯して死んだ魂のため輪廻のサイクルから外れてしまうはずだったが、再挑戦のチャンスが与えられたというのだ。そして、自殺したばかりの中学生“小林真”の体を借りて、自分の犯した罪を思い出すため下界で修行することに。ところが、父は偽善者で、母は不倫中、そして自分をバカにする兄とは絶縁状態という最悪の家庭環境。おまけに学校でも、友だちがひとりもいない上に、秘かに想いを寄せる後輩ひろかが援助交際をしていた事実を知ってしまうなど、まるで救いのない日々だった。そんな中、真の体に収まった“ぼく”は、真っぽくない振る舞いで周囲を困惑させてしまうのだが…。
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今立っている位置から見えるものとそうでないもの

「おめでとうございます!あなたは選ばれました!」
「あなたはもう一度人生をやり直せるのです。」

ひとつの人生を終えた魂が今まさに輪廻の輪から外れようとしているときにそう言われた。
なんでもその魂は生きているときに「過ち」を犯したらしい。
その償いだとかなんとかでまあいわば全く知らない家族の中でホームステイをするわけだ。半年ほど。
その魂が入る身体の主はもうすぐ死ぬらしくその交代で入るだとか。
「小林真」その身体を示す名前だった。
小林家の家族構成はこう。
4人家族で人がいいだけが取り柄の父、家庭に不満を抱え、さらにちょっと前まで浮気をしていた母、
大学受験真っ最中で弟とは疎遠な兄、そして自殺した中学3年生の弟小林真。
これから6か月間、その魂はこの家族と一緒に生活し自分の「過ち」を見直さなければならない。
もちろん彼自身もよりにもよってこんな家なのかと辟易した。
学校生活も同じようなものだ。
小林真が自殺を図ったのだから当然白い目でみられてしまう。
居場所は美術部の部屋の特等席だけだった。
そこには話す相手もいた。小林真の恋憧れるあの人も。
小林真が描いた絵を自分の目の前に置き、それを眺めながら思った。
「これから何をすればいいのだろう。」

自分ではない「自分」を生きること。
魂が小林真の身体に入ることで何が見えるのでしょうか。果たしてちゃんと意味があったのでしょうか。


個人的に好きな作品です。
設定が面白いですね。死んだ人間が他人の身体に入ってほんの少し人生をやり直す。
顔も体も声もその存在も他人ですから仮面の心理みたいなもので一種の「自由」が生まれます。
自分じゃないから周囲の人にどう思われてもいいや、みたいな。
個人の生活を俯瞰的に見つめることができるんです。確かに「見直す」にはすごく良い設定です。

作画も綺麗でした。
人は線を少なく、背景は細部まで描き込まれ、そして丁寧に。
不足はなく、過剰な部分もないその作画は、限りなく実写に近づけることで、物語をより現実的に語るためのすべとして良い働きをしていました。

この作品が投げかけてくることは直接的ではありました。
けれど、どこをどう拾い、どう感じるのかは人それぞれであるのが周知の事実。
おそらくこの作品はそれが顕著に表れるのではないかと思います。
魂が入った小林真が「答え」に行き着くまでの過程で描かれる内容は、
シリアスでいて、もっとも「ありそうなこと」なのでいろんな場面で様々なことを想うのではないでしょうか。
そんな気がします。


現実的効用のある映画でした。稀にみる良いアニメ作品です。
自分を見つめ直すということに一つ力を貸してくれると思います。


ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 31
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

お、重たい・・・

 初見でした。2時間の社会風刺もの。
 社会風刺と少年の成長を扱った作品としては、比較的良い作品だと思います。

 とはいえ、残念な部分も多いですけどね。一部の声優さんとBGMは今一つでしたし、テーマをセリフでしゃべり過ぎていたような気もしました。脚本に関しては分かりやすさを重視していたのかもしれませんけどね。
 あと、アニメっぽさが希薄なのも気になりました。実写で作っても同じものが作れてしまいそうな感じはあります。アニメ映画ではありますが、日常を切り出したもの、という印象が強かったです。

 どこかで見たことがある作風だなぁ、と思ったら「河童のクゥと夏休み」と同じ監督でした。クレヨンしんちゃんシリーズも手掛けているようです。
 どちらも社会風刺の作品ですが、「河童のクゥ」が子供向けであったのに対し、こちらは中高生向け。少年の成長譚という共通点はありますが、世代にあったテーマを的確に取り入れているので、キチンと棲み分けはできていると感じました。

 この作品に限らず、社会風刺もの全般に言える少しの疑問があります。
 「河童のクゥ」は、人間と自然の対比を大枠として、友人関係における問題を踏まえながら「生」について考える、という小学生向けの作品です。
 一方、「カラフル」は、親子を中心とした家族観を大枠として、友人関係における問題を踏まえながら「生」について考える、という中高生向けの作品です。
 この二つの作品に関わらず、子供から思春期へと作品の対象を変えると、「世界」の描き方がスケールダウンしてしまうように思います。思春期に考えるべきことは、「自然」のような概念的な事柄よりも「コミュニティ」のような具体的な事柄の方が望ましい、ということなのでしょうかね。コミュニティにおける「自己」があやふやなっているときには、「自然」がどうのというよりも、まず「自己実現」すべきだ、ということでしょうか。

 そりゃそうだという思いがありつつも、大人向けの風刺作品も基本的には「自然」に触れずに「自分」を考える、というものが多いですから、一体どこで全体的指向から個人的指向へと転換されるのかな、と少し疑問に思った次第です。世代の問題ではなく、「自然」について考える作品の方が珍しい、という単純な答えなのでしょうかね。

 この作品の社会風刺部分は、非常に重たく感じました。明るくポップな作品でも見ようと思っていたときに、タイトルのみでレンタルしたせいもあるのですが、見ている最中は非常に陰鬱な精神状態で、期待とのギャップもあり少し参ってしまいました。


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プラプラ:ネタバレレビューを読む

対象年齢等:
 中高生向けです。
 中高生向けなんですが、その割には少し表現が子供っぽ過ぎるような気もしました。難しい表現はほとんどなく、中高生を子ども扱いしすぎているようにも思えました。個人的には、中高生をあまり子ども扱いせずに、少し背伸びさせるくらいの方が良いと思っています。そこは少し残念かな。

 大人が見る必要性は薄いのかもしれませんが、やはりいろいろと考えさせられるとは思いますよ。そういう意味では、必ずしも中高生向けではないのかもしれません。少なくとも私は見てよかったと思いました。

 正面から社会風刺に取り組んだ作品はあまり多くないですから、まずは「河童のクゥ」か「カラフル」に手を出すのが良いのではないでしょうか。批判的な事柄も書きましたが、見るべき作品だとは思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 4
ネタバレ

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

世界があまりにもカラフルだからこそ、僕が僕であるために。

 パッピーエンドです、と最初にそう言ってしまう意味があり…。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、小林真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなくてはならないのだ。真は絵画きが得意で美術部に所属し、中一で虐めを受け、自分の世界に籠り、友達はいない。やがてぼくは、真が父親を軽蔑し、兄に軽蔑されていて、母の不倫を目撃し、想いを寄せる後輩のひろかの援助交際を目撃したことが自殺の原因だとわかる。どうせ真の人生だし、好きで下界へ来たわけじゃないし、と軽く見ていたぼくは、やがて真を取り巻く人たちの欠点や美点が見えてくるようになって、人の様々な彩色の真実へと、またぼくと真の真実に気づいてゆく…。

 ストーリー序盤で、或いはあらすじで大凡の終幕展開を察する人がいるだろう。しかし私は、この作品を察して結構な物語なのではないのかと思っている。それは、自殺という題材が重くのしかかった先の、生前で罪を犯した〈ぼく〉が、或いは自殺を犯した〈真〉が「ぼくは生きてます」と言うまでの主人公の心の変化を、希望を持つ瞬間を期待させるからだ。そして「それ(ぼくが犯した罪を認識すること)」だけが本作の全てではないと確信している。察する通りなら一辺倒だな、という予測は幕切れ方では的中かもしれないが、別の意味合いで見事に裏切ってくれる。
 「おめでとうございます、抽選に当たりました!まさにラッキーソウルです!」軽薄な天使の言葉から始まる本作の日常活写には、小林真が浮動する思春期の世界が発見できる。絵描きが得意で、中一で虐めを受け、自分の世界に籠り、鬱的に嘔吐を繰り返し、美術室と家族が拠り所の中で、母親と想いを寄せていた後輩の酷な真実に遭遇し、無念もないまま自然な心持ちで睡眠薬を多重服用した。生きることなんかよりも、死ぬほうがずっと楽で魅力的に思えた。 ぼくは生前に犯した罪を解釈する為に自殺した小林真の体のホームステイし、(例えてドラえもんのもしもボックスのように)真がもし死んでいなかったらの世界を、そこでは飽くまで真の代役として体験する。そして、真が自殺を図ったという事実がもたらす出来事と、当の本人にぼくという別の人格が入ることから、変貌していく真の・周囲の人の心の、”色”。変化することで物事の角度が変わり、またそこから明かされる色の違う真実。自殺志願者へのメッセージなどではなくて、カラフルという名の日常を、飾らずに伝える。ここにあると思う。

 人生とは、気づいていそうで気づいていないことが、案外たくさんあるものだ。その気づいていない場所で、自分が誰かを救ったり傷つけたりしていることもまた、思っているよりもちょっぴり多めにあるものだ。小林真の数少ない周囲の人の、そんなことが、自殺したという事実と別人格の真(ぼく)という出来事から明るみに出る。そんなことに、ボクが気づいたとき、ぼくから涙が溢れると、プラプラが現れる。「泣いてるのか?」なぜ小林真が聞くべき言葉を(真実を)僕が聞いているんだろう。「ぼくじゃない。真の涙だ」そうして、ボクのなかにあった小林家のイメージの色合いが最初は黒一色だったのが、よく見るといろんな色が含まれていた。黒もあれば白もあり、赤も青も黄色もあって、角度を変えれば青と黄色から緑が生まれたり、明度も変わり、綺麗な色から醜い色まで、どんな色だって見えるようになる。
 感受性の鋭い少年少女を知る平凡さに悩む親世代(母親という存在)も、良心を抱くが故に察しが鈍く心情を捉えにくい陳腐な大人(父親)も、思索もせずにその機械的な学習能力で下方を見下す学生(兄)も、精神の脆さから心の移り変わりがめまぐるしい多彩な思春期の少女(ひろか)も、他人の持つ世界に憧れを持ち自分の世界を見出そうとする若人(唱子)も、非凡の孤独を身に憶えもどかしくも平凡を求める人(ぼく)も、誰もが人並みに変わっていて、傷もので、それが普通なのだ。私は普通でもいいんだと、誰もが自分の色を持っていて、誰もがその自分の彩りを表現している。だからこそ世界は限りなくカラフルで、人混みに惑わされて本当の色を自分の色が分からなくなることも時々ある。
 著者の森絵都さんや、監督の原恵一さんからのメッセージはここらへんにあったのだ。この多彩な世界。あまりにもカラフルすぎて、自分がわからなくなる世界。僕が僕であるために、私の色であるために、色に塗られて生きてゆこう。例えそれが何のためだか分からなくとも、カラフルが何より綺麗なのだ。

 小説の最終頁から先に文字がないのをみとめた時、映画館の退場ゲートを通った時、抱えているもどかしい様々な不安が和らいで解消に向かっていることを理解出来た。
 本作のイメージソングが、尾崎豊「僕が僕であるために」(カバーはmiwa)であることが、少しハマりすぎていると思うのは私だけだろうか。

映画に対する著者のコメントが好印象に載っていたので記載。
《 原監督は魔法のように〈ふとした瞬間〉を掬いとる。
友達同士のじゃれあい。他愛の無い冗談。
気になる誰かの笑顔。なにげない約束。
振り向くといつもそこにある眼差し。
この映画を観た人は、
私たちの日常がそんな〈ふとしたものたち〉に支えられ、
カラフルに彩られていることに気づくだろう。 》


以下、評価に対するメモ。
ネタバレレビューを読む


あらすじ、原作小説の紹介文、参考、加筆。
2013.8.4「「世界は君が思っているよりもずっとcolorfulだよ」という「意見」であると感じる」投稿。
2014.3.28「世界があまりにもカラフルだからこそ、僕が僕であるために。」更新。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 26
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