レジェンドで異世界なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のレジェンドで異世界な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月26日の時点で一番のレジェンドで異世界なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.3 1 レジェンドで異世界なアニメランキング1位
悪役令嬢転生おじさん(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (168)
463人が棚に入れました
52歳の真面目な公務員、屯田林憲三郎は交通事故で死んだ。 ……はずだったが 目を覚ますとなんと彼は娘がハマっている乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に転生していた!! 転生した人物はゲームの主人公、アンナ・ドールの恋路を邪魔する悪役令嬢、グレイス・オーヴェルヌ。 そこで本来のグレイス同様、悪役令嬢として立ち振る舞おうとするグレイス=憲三郎。 だが、自身の経験値からアンナを包み込むような親目線発言と庶民的な言動を優雅なものに自動変換する能力【優雅変換(エレガントチート)】が相まって自身の評価が爆上がり! さらに意図せずゲーム攻略対象のイケメンたちとフラグが立ちまくりで!? 異世界で生き抜くための武器は剣!?魔法!? いいえ、社会で培ったおじさんスキルです!! おじさん×異世界転生×悪役令嬢でお届けするほのぼのコメディ、堂々開幕(スタート)!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

キャラの魅力と視点の独自性で今季No1を実現。非常に面白いが…

 この作品の面白さは、なんなのか。言語化が少々難しいですがちょっと「はめふら」との類似性を感じます。キャラの魅力が最大のポイントなのは間違いないと思います。「はめふら」のカタリナの脳内会議に対応しているのが、憲三郎になっているといえるでしょう。そこが現世の家族やオリジナルのグレイスの存在も相まって、さらに強化されています。

「無職転生」の元の人が出てくるのがちょっと邪魔に感じたのに対し、本作においては、中年の親父の面白さに転換できたのが素晴らしい工夫です。性別がクロスしているのもありますが、やはり父親目線ですよね。これが奏功しています。 ゲーム攻略で死なずに何とかするという悪役令嬢ものの攻略に父親目線を絡めることで、作品のエンタメ度を上げたとも言えます。

 また、作品に謎がありそこに向かっている感じも飽きない理由です。俺TUEEEのチートで魔王を倒すのではなく、ギルドに所属してダンジョンで活躍するのでもなく、婚約破棄や追放されて復讐するでもなく。悪意がないのでストレスがありません。


 アニメそのものの演出やテンポがいいので、それらが楽しめたことも大きいでしょう。マツケンサンバや999を持ってくるあたり、視聴者を楽しませようという制作者の意識が感じられました。

 アンアの母やグレイスの母の素性や現世とのかかわりなどの考察がしたくなる感じですが、そこはまあいいかなと思います。というのは設定でどうにでもなる部分です。一応、種はまかれているようなので、考察できる材料はあるのかもしれませんけど。
 面白いポイントが作品の設定そのものと、個々のエピソードに依存しているので、謎解きは大きな要素にならない気がするからです。結果的にそこのストーリーを追う楽しみはありますけど、それを楽しんでいたかというとそれほど大きな要因ではない気がします。テーマ性も本作に関しては気になりません。

 憲三郎が50代の中年ということで、視聴者層とあうのか?という疑問もありますが「なろう系」は40代50代の男性がメインということで、アニメの異世界転生ものよりも少し年齢が高めだそうです。その40代50代を引き付けたので、成功したのかもしれません。面白いですが爆発的人気ではないので多分分析すると面白い結果になりそうです。そのマーケティングが意図か偶然かわかりませんが、上手くある層にはマッチしていた気がします。

 何はともあれ、とにかく面白い作品でした。エレガントチートと父親目線と好感度のエフェクトだけでここまでキャラ立ちさせて、面白い作品に仕上げたのは見事だと思います。

 私個人としては今季ナンバー1です。とにかく見ているとあっという間に終わっていて、次回が待ち遠しいというTVアニメの正しい見方を久しぶりに体感しました。異世界ものと範囲を広げて考えても面白さなら上位に来ます。

 ただし、作品の評価としては、満点はつけがたいですし極端な高評価にはできません。名作とは呼べないし、秀作と言っていいのかも迷います。
 作品が尻切れトンボなのはありますが、既視感は多くはないもののやはり今までの異世界ものの枠内から大きくは脱却できておらず、テーマも含意も非常に薄い作品だからです。

 優れたエンタメ。ただ、見るたびに発見があるような作品でないため、2,3回が限界かなと。そういう作品を狙ったと思いますのでそういう評価でいいと思います。

 まあ、最終回を見たばっかりなので第1印象で簡単な感想ですが、また、気が付いたことがあれば追記するかもしれません。







以下、視聴時の感想。



第1話 テンプレ構造をメタ的な視点でギャグに落とし込んでいるのが素晴らしい。

{netabare} 通常25時配信は翌日の朝に見るのですが、本作は楽しみで見てしまいました。キャラデザはそのまま上山道郎氏の作風ですね。アニメ化でここまで元絵の再現度が高いのも珍しいですね。力が入っている気がします。演出や作画が丁寧でこれは制作会社…あるいはスタッフは当たりのようですね。

 第1話の感想は非常に面白かったです。24分があっと言う間でした。優雅変換(エレガントチート)素晴らしいです。キャラは本来的な意味でのチート設定ではない感じなんでしょうか。王子の名前が思い出せないときの裏の名前が映画俳優ばかりでしたが、デンドロビウムと言う単語がありました。その辺のスタッフの遊び的なのも散りばめられるのでしょうか。

 やはり視聴前に予想した通り、思いっきりテンプレの構造ですね。それをメタ的に分解して、50代の公務員の視点に落とし込んで世界観を作り出したのはさすがです。物事の本質を抽出する力に長けているのでしょう。あるいは原作者を投射したのが主人公なのかもしれまません。その構造自体をギャグにしたんですね。想像以上にギャグよりです。

 不満があるとすると、もう少し女性としてのグレイスで進行した方が乗っかれるかな、という気がしなくはないですが、まだ1話ですからその辺は2話以降でしょう。

 そして、OPを見る限り元のグレイスが檻に閉じ込められていました。これが内面世界だとするとそこにドラマがありそうです。

 EDアニメは素晴らしかったです。動きと演出がかなりいいのでびっくりしました。曲のチョイスもいいですね。 {/netabare}


第2話 元のグレイスの内面が気になる。本当に性格が悪い娘だったのか?

{netabare} 冒頭3分が延々と52歳のオッサンのモノローグでした。しかも結構作画が良かったりして。もうちょっとグレイスに寄るかと思ったら基本、グレイスはアバターとしての役割で、内面はずっと憲三郎で行くという事なんでしょう。

 というのは、今週は3話あたりで話が展開し始める前に、淡々とキャラ紹介なのかな、と思っていたら元のグレイスに何かありそうな示唆がありました。
 親方のところに昔は遊びに行っていたというのもそうですが、猫耳メイドを過去叱っていたセリフが要するにまともな指導なんですよね。不器用で言い方の問題なんでしょうか。この辺は管理職論でもあります。パワハラと愛のある指導の線引き問題にもなりそうです。

 つまり、内面が憲三郎でないと、元のグレイスの人格を救済するための話にならないのかなという感じがしました。

 漢字とかそろばんとか、構造的にはベタな事をやりながらも、キャラを上手に動かしているので見ごたえがあります。

 作画はいいところはいい、手抜くところは手抜いていて上手く処理しています。手抜きも止め絵をスクロールしてごまかしたり、ずっと見せ続けるのではなく、まして崩れるのではなくて、演出で工夫しているのでアニメとして成立しています。

 それと次回予告がいいですね。期待させます。トータルで言えば話もアニメも水準が高いレベルだと思います。

 追記 2回目見ていて気が付きましたが、冒頭の出勤時のJR津田沼駅(妻沼田駅)前の歩道橋の上に「ツマヌダ格闘街」のドラエ・ドリャーエフと主人公がいました。これにはうれしくて涙がでました。{/netabare}


第3話 話的にも予算的にも溜めの回だったかな。それでも面白いですけどね。

{netabare} 木曜日の夜…というか金曜日の朝が辛いです。なんで私は無理して1時からみているんでしょう?もちろん面白いからなんですけど。

 今週はまあワンクッションの週だったかなあ。話はあまり展開しませんでした。男を攻略するという進展はありますが「えっ、私の年収低すぎ」のミームとか小ネタのギャグ回という感じでした。

 予算節約回でもあったのかもしれません。止め絵が多くて海外発注回かなあという感じもありました。いずれにせよ、それでも面白いんだから大したものです。やっぱりキャラの魅力を作り出すといいですね。グレイス(憲三郎)だけでなく、アンナも男性キャラも魅力的だなあと改めて思いました。{/netabare}


第4話 展開は想定の範囲内も、ちょっと作画やテンポ、キャラの扱いに不満がある回でした。

{netabare} なんか、作画が紙芝居になった気がします。最後の2分くらいは良かったですけど。今までは止め絵を上手く使って、演出で面白さはキープしていましたが、今週の奥さんのオタク描写の時のカクカク作画は今のところ唯一の失敗だと思います。ただ、次週予告を見ると来週はよさそうなので、このまま悪くなる一方ではないことを祈ります。

 話そのものもちょっとテンポも悪かったし、ゲーム世界のキャラももちろん面白かったんですけど、何となくギャグの量的に物足りない感じでした。展開は予想はしていましたがそうきましたか。娘と奥さんは回想だけにしては存在感がありましたからね。グレイス本体の絡みとどっちが優先するかと言えば、こっちが先でしょうね。ただ、1クールでグレイスと絡むのかなあ…

 ちょっと不安感が出る4話でした。来週頼みます。{/netabare}


5話 十分面白いけど、現世パートでマイナスにならないかは気になります。

{netabare} ちょっととっ散らかった回でしたが、テンポが良かったです。ゲーム内と現世の同じ場面を見せるのも長すぎると飽きる要因でしょうけど、ほどほどの長さでした。他の異世界ものは開始10分で飽きてくることも多いですが、本作は全部見ても体感10分くらいで、あっという間に過ぎ去ります。

 前半に汗やプンプンの漫符(マンガの記号表現。汗が白い水滴で表現されていた)が入ったのがちょっと驚きましたが、演出で担当者によって独自性を出しているのでしょうか。

 魔法の先生と奥さんが似ていますが、同じ人物じゃなかったんですね。その線もちょっと妄想していましたが外れました。現世パートいいんですけど、やっぱりゲーム世界の没入感が減るのがマイナスになるかもしれないなという危惧がちょっとあります。今のところ上手く処理していますが、今後のオリジナルグレイスの使い方と絡んでどうなるか、ですね。

 途中出てきた緑髪の少女の作画が妙に良かったですが、今後重要キャラになるんでしょうか。コミカル路線でしたけどね。

 5話まで来てこのクオリティなら1クールは面白く見られそうですね。ちょっと話が3話までと比べて停滞感はありますが、エピソードが面白いので十分だと思います。{/netabare}


6話 面白いけど、進展が欲しい気もします。

{netabare} 面白い。とても面白いんですけど、なんか想像と違う展開?もうちょっと元グレイスとの絡みと現世復帰に焦点があたるかと思っていましたけど、そこは結構ゆっくり進む感じみたいですね。単行本も人気で結構出ているようなので、1クールだと何か中イベントがあってそれで終わりって感じでしょうか。大きなイベントで元グレイス様をちょっと見たかったんですけどね。

 そして、面白さを維持しているとはいえ、やはり冒頭の2、3話に比べると徐々にマンネリ化します。今週の様々な出来事は以前見たものの繰り返しになってきています。

 そこを補うのが現世な訳ですがやっぱり次の展開が欲しいと思います。魔法の発表で何かあるのでしょうか?あるいは今回あった、ビーストを通じて何か進展があるのか。{/netabare}


7話 この分だと元グレイスは描かないのかな。2期を是非最終回で発表してほしい。

{netabare} 原作が既刊7巻らしいので1クールで終わりまで描くのかなと思いましたが、それほど進めないみたいですね。面白いからいいんですけど、ちょっと元グレイスの話が見たかったなあ。最終回で2期のアナウンスなかったら原作を読もうかなという感じですね。とはいえアニメは丁寧な作りだしキャラに愛着が出てきただけに、早めに2期が見たいですけどね。

 そうそう、緑の髪の眼鏡の子が活躍してないですよね。後半でどう活躍するんでしょうか。

 しかし、異世界ものであまり目立った作品のない亜細亜堂にしては、丁寧に作りましたねえ。OPの感じだと作品内からの切り抜きっぽい部分があるので、完パケあるいはだいぶ作りためてからのスタートなんでしょうか。であるなら、他の仕事は受注せずこの2期を是非お願いしたいところ。もう半分が過ぎてしまいました。面白い作品は早くすぎさるなあ…{/netabare}


8話 グレイスの話が進んでいるのがいいです。1話で3回楽しんでます。

{netabare} 停滞しているようで、何となく話が進んでいるんですかね。元のグレイスが努力家で真面目過ぎる故にきつくなったのは、既に伏線というより明言されている感じです。彼女のこころを溶かしきるまで描けるのかどうか。あと4話くらいだとすると駆け足だし、既刊の巻数からいってちょっと厳しいとは思います。あとは母と兄がどういう役割になるのかですか。

 それにしても、それほど高予算作品とは思えませんが、丁寧な作画と演出で非常に見やすくていいです。

 今回もあっという間で体感5分でした。本当に面白い。今回そしてもう1回見て「蠱惑の壺DX」で外国の反応を見て3回楽しめるんですよね。本当にいい作品だと思います。{/netabare}


9話 予算貯めのローコスト回かな?

{netabare} OPが始まるまでの1分ちょっとくらいの作画が何となく気が抜けたような作画だったし、紙芝居感がある作画でした。話の内容もあいまって、予算を貯める回だったのかもしれません。ただ、まあ、EDはそれほど作画的に入カロリーではないにしても、特殊EDにしたということは手抜きではないと思いますけど。MAOさんの999が聞きたかった気もしますが、サビの部分を聞く限り、あまり音程があわないのかな?

 なんか意味がない息抜き回だった感じです。次回予告だと10話は力が入っていそうなので、来週に期待ですね。ただ、9話も相変わらずテンポはいいし演出も悪くないので、ちゃんと面白くみられました。

 そう…この作品、内容も面白いんですけど、演出とテンポに見るべきところがある気がします。原作からそうなのかもしれませんが「なろう」系の他の作品に是非、見習ってほしいです。引き延ばしではなく、無駄を削ってこそ面白くなりますので。

 あと、3話くらいですね。今のところ今季で一番面白い…ですけど、他がひどすぎるからなあ{/netabare}


10話 アンナの母とグレイスの母…次回以降何かありそうな感じですけど?

{netabare} 結局アンナの母が元貴族なら、魔法を使える理由もわかります。それと前半とってつけたように里帰りのエピソードがありました。つまり、母が魔法や貴族と関係あるということだけ強調して終わりました。今後の伏線ということでしょうか。
 母繋がりで考えれば、グレイスの母が戻るのとアンナの母に何か関係ありそうですけど、どうなんでしょうね。昔の知り合いとかなんでしょうか。

 あと2話くらいで何か進展がありそうですが、どうなるんでしょうね。 {/netabare}


11話 鏡のシーンがとても良かった。全体的に演出が凝っていた気がします。

 面白いのはいつも通りですが、今回は画面が良かったです。動きという点ではこの作品は物足りないのですが、画面の構成というか見せ方がいいんですよね。特に感心したのは、途中の鏡にグレイスが映っているシーンです。

 芝居の打ち合わせをしているときに、自分を見つめるような視線の動きが、役柄ということとグレイスの存在の2重の意味性を感じて、一瞬のシーンですがいい効果を産んでるなあと感心しました。これは意図的に演出としてやってますよね。この演出力があるからこの作品は面白さが倍増しているなあと思います。薔薇と時計に意味があるのかどうかですが…まあ、後で考えます。
 逆に雲のシーンは違和感がありました。夕方になったという表現だけなんでしょうか。予算上の手抜きなのか。

 それと緑のメガネっ子は期待どおり面白い子でした。それとアンナの苦労もサラリと入れたり、エレガントチートを逆手にとっています。ドラえもんのパロディにガラカメのパロディ。盛り沢山で本当に退屈しない話です。

 ということで後1話…なのかな?今季ナンバー1はほぼ確定ですが、最終回でオリジナルグレイスと母親関連で何か出てくるのでしょうか。



 




視聴前 「ツマヌダ格闘街」が大好きなので楽しみです。

{netabare} 私は原作の上山道郎氏の「ツマヌダ格闘街」が大好きで全巻揃えています。視点がバキやケンガンアシュラのような筋肉と謎理論でなく、梶原一騎のような気合とマッチョイムズだけでなく、非常に説得力があるディテールが描けていました。
 ディテールの描き方は中国武術マンガの名作「拳児」とも違い独自性がありました。しかも主人公の男女の描く物語が面白いんですよね。特にヒロインは魅力的でした。それ以降活躍がなく残念に思っていたら本作の原作と知って、是非見たいと思っています。

 氏の格闘の描き方から言って独自の視点ながらも、エッセンスをくみ取っていると思います。そして物語をちゃんと入れてくると思います。原作はアニメを数話見てから購入を考えます。がんばっていただきたいです。{/netabare}

投稿 : 2025/04/26
♥ : 11

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ソーシャル・コントラクト

シンプルなタイトルは面白い説
ベテラン作家が汎用パーツで再構築した悪役令嬢

アニメでわかる!アサーティブネス

エレガントチートがもたらす俺ツエーの爽快感。アラフィフ世代のレジェンド古典サブカル小ネタから、サラリーマンあるあるやビジネス蘊蓄小ネタまで。脳に優しい完全解説にて誰でも「わかる」親切設計で、理想的で心地よいやさしい社会なおじさんケア動画でもある。設定や名前を覚える必要のないストレスフリーで、若者や独身だと味わい尽くせない人生の機微までも内包する器の大きさ。そのうえでしっかりとエモさもあるなんて。プロの作家の設計はすげえな。

お涙頂戴メロドラマではないので掘り下げガー、ある程度の社会経験や子供がいないと感情移入ガー、エロくはないのでキャラの魅力ガー。尖った深夜アニメを求めると微妙かも。

思い切りのいいメリハリ作画。気の抜けたヘボ作画とキメどころの超作画のギャップも演出の一部とするリソース管理。ご都合の方便に留まらないエレガントチートのカタルシス。サブカル小ネタもドン!せずにさりげなくて嫌味がない。おっさんゆえに赤面モジモジがないのでキモさもないし、優しい上司や親目線なのでイキリ感もなければ胸糞エログロな厨二感もない。優れた原作と優れたアニメ化のケミストリーが産んだ傑作。

OP・曲はいいけど声がなあ
ED・ミエミエなバズ狙いでスベリ気味

3・4
説明の嵐なのに嫌味が全くない。すごい。

親父ギャグやそろばんなどのコメディパートが後の展開の布石になるとは。ちゃんとしてる。「このアニメを見て人生変わりました!」みたいな尖り具合はないけれど、完成度の高いエンタメだと思う。アサーティブってこういうことだよな。見るビジネス書。これマジでおじさん向けだわ。でもある程度そういうのに触れてなかったり普段から考えてないとピンとこないのかも。もっとドン!ってやったほうがわかりやすいのかもだが、それをしないところがこの作品の心地よさだったりする。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 1
ネタバレ

ひっく さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

良い人を見るのは本当に気持ちがいい

役所勤めで堅実に家庭を築いてきた公務員・憲三郎が、娘がプレイしていた乙女系魔法学園ゲームの世界の悪役令嬢に憑依し、持ち前の人の好さで周囲の社会を良くしていく話。

多くのアニメに求められるようなスリリングな展開はほとんどないし、ギャグ要素はあれど緩やかにクスっとさせたりマニアックさでニヤっとさせるタイプなので、他人に率先して薦めるようなとっかかりはあまりないんだけど、最後まで毎週ちゃんと観るのが楽しみに思えた良いコメディ作品。

「普段はあまり目立たないけれど、他人を尊重し愛することができる優しいおじさん」である憲三郎が悪役令嬢になったことで、はじめは悪役のペルソナを全うしようとするも根の人の良さが災い(?)して為すこと全てが周囲からの尊敬を買うこととなり、そのうち学園のリーダーとしてただただ学園を良い方向へ導いていくという細やかな話になっていき1期を終える。憲三郎はまだ現世には戻って来れていない。

平和であることはある意味で平坦でもあるのだけれど、それでも魅力的だったのは主人公はじめ登場するレギュラーメンバーの人の良さ。悪役令嬢が悪役じゃなくなったことで完成した「リアリティのない優しい世界」を視聴者は共有し、憲三郎とともに平和を噛みしめる。視聴者はいつの間にかこの平和な世界が壊れないように応援し、平和を見守り、平和を推しているのだ。{netabare} そこに中盤、娘がゲームに干渉できることに気付くという展開を経て、家族の絆という新しい軸も描かれ始める。 {/netabare}色んな切り口で「良い人達を観る気持ちの良さ」がコメディテイストでライトに描かれ続ける。

たぶんこれを楽しみに感じた自分もまた現代社会の人間関係に疲れているのだろう。虚構の異世界で優しい人々の会話を観る癒しがあったアニメ。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 1

75.5 2 レジェンドで異世界なアニメランキング2位
この素晴らしい世界に祝福を!3(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (326)
1154人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。 「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。 そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。 その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の冒険譚を聞きたいというもの。護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや――― 「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」 王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!? カズマが目を開けると、そこはなんと王都! アイリスに乞われて滞在するうちに、王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。 しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?

声優・キャラクター
カズマ:福島潤
アクア:雨宮天
めぐみん:高橋李依
ダクネス:茅野愛衣
ルナ:原紗友里
荒くれ者:稲田徹
クリス:諏訪彩花
ウィズ:堀江由衣
バニル:西田雅一
ゆんゆん:豊崎愛生
ミツルギ:江口拓也
アイリス:高尾奏音
クレア:矢作紗友里
レイン:上田麗奈
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ララティーーーナ!

原作未読 全11話

この素晴らしい世界に祝福を!の3期です。関係性から1・2期、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』を事前に観ることをオススメします。

本編は約7年ぶり劇場版からでも5年ぶりの3期となります。

ただ、2023年にスピンオフ作品の『この素晴らしい世界に爆焔を!』がありましたのでそこまで懐かしさはありませんでしたね。

でも、この作品はカズマ・アクア・めぐみん・ダグネスの4人が揃わないと面白くないですね。

今回は、大きく前半後半と分かれていますが、両方ともダクネス(ダスティネス・フォード・ララティーナ) が物語のキーとなっております。

ダクネス役の茅野愛衣さんになんてことを言わせるんだ!というシーンがこれまで以上にありますw

お調子者のカズマ、普段は駄女神ですが結構凄い事をしているアクア、猪突猛進のめぐみんw、肝心な時にドMな本性が出てしまうダグネスと相変わらずのメンバーです。

楽しく観させてもらいました。最後はスッキリした終わり方をしていますね。

また、続きがあるといいですね。

OPはMachicoさん、EDはアクア役の雨宮天さん・めぐみん役の高橋李依さん・ダクネス役の茅野愛衣さんが歌っています。

最後に、「安楽少女」というモンスターが出てきますが、CVは小清水亜美さんでオーデションの時にあるアドリブをいれて受かったそうです。
本編を観ると確かにアドリブ{netabare}(舌打ち){/netabare}は見事なものでしたw(何回もさせられたそうですw)

投稿 : 2025/04/26
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そうだ、冒険に出よう。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期、スピンオフ作品と劇場版は視聴済です。
個人的には第2期と第3期の間にスピンオフ作品である「この素晴らしい世界に爆焔を!」が挟まれたことでより理解度が増した上、一層の愛着が持てるようになったと思っています。


交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだった
ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)
ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。
「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!

めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。
トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、
借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、
魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。

そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。
その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の
冒険譚を聞きたいというもの。
護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、
カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや―――

「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」

王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!?カズマが目を開けると、
そこはなんと王都!
アイリスに乞われて滞在するうちに、
王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。

しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

これまで、アクア、めぐみん、ダクネスの3すくみ状態でしたが、この均衡が少しずつ崩れて来た様に感じるのは、私だけじゃないと思います。

アクアに対する無茶振りや、めぐみんのエクスプロージョンの空打ちといったこれまでの笑いのツボは少し影を薄めた感じがします。
特にアクア…個人的には天ちゃんの演じるアクアが大好きなので、もっと活躍して欲しいんですけどね。

代わりに存在がとりわけ大きくなったのがダクネスで間違いないでしょう。
今期の作品を視聴して思ったこと…
やっぱりダクネスって、アレなんです??
好きなのかなぁ…
でも、好きじゃなきゃ越えられない一線ってあると思うんですけど、そこを悠々と乗り越えてくるのって、考えてみるとダクネスだけなんですよね。

そして、ダクネスにとって脅威…となるかもしれないキャラも登場してきましたね。
ベルゼルグ王国の第一王女であるアイリス王女…
CVが高尾奏音さんでしたが、イメージがピッタリでしたね。

高尾さんでググってみると、私にとっては新しい発見がありました。
高尾さん、元々アース・スター エンターテイメントに所属されていたんですね。
「てーきゅう」「ヤマノススメ」「世界でいちばん強くなりたい!」などの有名どころを輩出していた会社で、特に「世界でいちばん強くなりたい!」は初の30分枠アニメだったことから、自虐ネタを交えて宣伝していたのを良く覚えています。

そんなアース・スター エンターテイメントさんですが、声優・タレント事業から撤退した上、会社自身も吸収合併により解散していたとは恥ずかしながら知りませんでした。
もう「てーきゅう」の様な尖った作品は放送されないんだろうなぁ…なんて思うと少し寂しい気がします^^;

少し本題から逸れちゃいましたね^^;
今期も安定的な面白さだったので、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Machicoさんによる「Growing Up」
このすばのオープニングと、Machicoさんの組み合わせは最早鉄板ですね^^
エンディングテーマは、アクア・めぐみん・ダクネスによる「あの日のままのぼくら」
エンディグの曲風も毎度お馴染みの…という感じが溢れていて良かったと思います。

1クール全11話の物語でした。
これまでずっと全10話だったので、今期ももしや…と思っていましたが、全11話でした。
原作は既に完結していると聞いています。
「冒険に出よう…」と言っておきながら、もしやアクセルの街で完結するんじゃ…と危惧するようになってきました。
まぁ、それはそれで面白いですけどね。
続編の発表、楽しみにしてます。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 19
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やはりこの4人が中心だと面白い。会社変更がかえって新鮮だったかも。

 あー面白かった、と素直に言える作品でした。制作会社が変わって作画や演出の雰囲気は2期や映画よりも落ちたといえば落ちたかもしれません。

 しかしながら、主人公カズマ+3人のヒロインの揺るぎないキャラ構成で作品そのものに力があります。ですので視聴中は2期までと比べて…のような感覚にはなりませんでした。

 というより、むしろギャグとして飽きが来るのを防ぐ効果があったかもしれません。アクアを中心としてダクネス以外の女性の描き方がよりギャグテイストになりましたが、そこが新鮮で面白かったです。
 その描き方のせいか、ゆんゆん、クリス、ウィズ、アイリスの使い方も出すぎないわりに印象に残ります。

 そして内容そのものですが、2期まではヒロインとしてはめぐみんが中心で、コメディリリーフとしてアクアが不動の地位。その2人と比較してダクネスは何かうっとしいというか、恥ずかしいキャラであまり好きになれませんでした。
 それがダクネスが中心になった3期はちゃんとダクネスに魅力を感じるんですよね。今回はめぐみんがむしろうるさいだけの役回りです。つまり、焦点の当て方がうまいのでしょう。

 前半がカズマのクズっぷり+アイリス、銀髪盗賊団の登場、後半がシリアスな話と構成もバランスがよく11話楽しめました。

 まあ、満点は盛りすぎだと思いますし、作画は4くらいでいいと思いますが、他は4.5つけたいですね。この作品は不思議なことに音楽いいんですよね。特にEDは素晴らしかったです。

 4期早く…というか、もう最後まで作っても採算とれるでしょう???会社作っちゃえばいいじゃないですか。




1話 作画はいいし面白いですが、カズマにちょっと疲れるかも。

{netabare}  やはりこの4人ですね。ひょっとしたら「爆炎」もこの作品と並行して見たら感情移入できて面白いかもしれません。

 原作4作目の映画版の紅魔の里に行く前の部分ですね。非常に独特な魔物が登場です。時系列がおかしくなるのでオリジナル要素を入れています。人気キャラ?なので分からなくはないですが、ちょっと引き延ばしのマインドがないか心配ですが様子見ですね。

 心配していた作画が良くなりすぎないか問題は、がんばって雰囲気を1期に揃えようという努力はちゃんとしているみたいです。

 ただ、1話を見てちょっと疲れました。カズマが絶好調過ぎてノリが強烈なので1期2期を視聴して感覚を合わせないと、きついかもしれませんね。 {/netabare}


2話 このクオリティなら安心して見られそうです。

{netabare} ということで、作画や演出はもちろんテンポもいいので、視聴継続は当然として満足度も高くなりそうです。ダクネスの表情も良かったです。

 ということでアイリス王女様登場ですね。待ちかねました。ちょっと思っていたよりもキャラデザが微妙な気がしなくはないですけど。最後の方だけは作画というか女性たちが妙に美人でした。

 文句があればレビューするかもしれませんが、今のところ良さそうです。楽しめそうです。{/netabare}


3話視聴後に追記 OPEDがいいです。特にEDは最高です。

{netabare} このシリーズ、EDが妙にいいです。余韻ですよね。今回も気に入りました。

 それとキャラデザは微妙に変わっています?3人の女子が妙に顔がかわいい気がします。{/netabare}


5話 放送事故みたいな沈黙がすごい。表情もカットも大胆な演出でした。

{netabare} エリス様との沈黙シーンはちょっと驚く時間でした。表情もいつにまして豊だし、作画もちょっと雰囲気が違いました。場面の転換もかなり思い切ったタイミングだったと思います。このセンスは「このすば」的な感じもするのですが、今までにはなかった新しさを感じました。

 この5話はかなり面白かったと思いますが、アニメのクオリティの高さも感じました。{/netabare}


6話 いいんですけどなんか物足りない回でした。

{netabare}  原作では一番盛り上がる回だし、実際本作アニメ版も悪くはなかったですが、なぜか淡泊な感じでした。
 期待では10に対して、8くらいというか。合格が7だからいいんですけど、もったいないというかなんというか。無難ではあるんですけど…うーん。

 5話は逆に期待以上でしたから、シリーズ全体が悪いというわけではないと思います。今回の演出のレベルなのか次回以降に力を蓄えたのかわかりませんが、今回はサラッと終わっちゃった感がありますね。

 まあ、やっと銀髪盗賊団が登場ということでいいんですけどね。「爆炎」は残念でしたが、こっちのスピンオフはぜひ見たいですね。{/netabare}


7話 アクアの下半身エロくない?声優さんにちょっと違和感。

{netabare} アクアの下半身の描写が妙にエロかった気がするのですが…気のせいじゃないと思います。じっくり見てしまいましたから。3期はかなり抑え気味だったのが7話はちょっと特殊だった気がします。

 それと6話よりよかったと思いますが、しかし、声優さんの演技がちょっと不思議な感じでした。
 「このすば」芸を本人が真似しているという感じというか、ほんの僅か間が悪いというか。監督なのか音響監督なのか知りませんが、ちょっと違和感を感じました。 {/netabare}


8話 ダクネスが可愛くなった半面、重くシリアス化したことの是非。

{netabare} ダクネスというキャラは1,2期は作りすぎというか少し不自然な造形というか、騒がしさがちょっとうっとうしというかで、あまり好きじゃないキャラでした。

 ただ、この3期…まあ、2期の最後の方くらいからアクアよりもキャラが自然な感じになってきて、少しずつ好感が持てるようになってきました。

 その好感が曲者で、キャラとしては非常にいいキャラだし可愛くなってきたんですけど、面白さが減ってきた気がします。貴族としての責任を背負いすぎでシリアス化してますし、カズマへの気持ちも重いです。
 その一方でめぐみんとアクアは、面白さはとんがってきているんですけど「ギャグ要員」なんですよね。

 めぐみんはそれでもまだカズマとの関係性でキャラが成立してるんですけど、アクアは少し形式化してしまった気はします。

 まあ、微妙なバランスの問題なんですけどね。カズマが面白さの中心ですし、エリス・アイリス(銀髪盗賊団)の投入が成功したので、周囲のキャラが少々ズレたところで作品としての面白さは成立していますのでいいんですけど、3人のヒロインたち…特にダクネスの変化はいいのか悪いのか。

 原作ではそれほどキャラの変化は感じませんでしたが、アニメだと結構顕著に感じました。アニメの制作陣の変更で解釈が変化した結果、増幅したのかもしれません。{/netabare}


9話 あと2話かあ。なぜコマ切れにするのかとも思いますが、飽きないうちがいいのかな。

{netabare} まあ以前見たのと同じような話ですけど、この作品なので許されるという感じでしょうね。作画も少し荒れてきた気がしますが、強引に乗り切るのでしょう。それもやっぱりカズマありきですね。爆炎を再挑戦しましたが、やっぱりそれほど面白く感じませんでした。

 噂によると11話らしいのであと2話かあ。なぜヒットする作品だとわかっているのにコマ切れにするんでしょう?ただ、ギャグは飽きがくるのも事実ですので休むのはいいですが、さすがに賞味期限が近い気もします。

 あのタヌキのしっぽって、腰から生えてたんですね。初めてしりました。{/netabare}


10話 ギャグのシリアス化にも耐えうるカズマという奇跡的なキャラ造形

 ギャグのシリアス化現象というのはどんな作品にでも起こりえるものです。本作も例外ではないんでしょう。ただ、この作品はもともとそういう厨2的なカッコつけを含めての作品なので、作風を保っているといえば保っています。

 結果的にやっぱり面白いんですよね、本作は。というよりカズマというキャラが素晴らしいのでしょう。3人のヒロインやその他のサブキャラたちのキャラ性を引き出しつつ、話の中心としてどっしりとした安定感があるキャラ造形は、ひょっとしたら作者の能力の枠を超えて奇跡的に降臨したのか、とも思えます。
 力があるキャラなので、カズマはシリアスをやっても受け入れられるキャラとしての力強さがあります。もちろん、3人のヒロインに支えられてこそ、なんですけど9話のタヌキのお姉さんの話もちゃんと面白いですからね。

 逆に言えば、失礼ながら原作者の他の作品や本作スピンオフと比較して、本作は突出して面白いということなんですけど。

 ということであと1話かな。開始前は不安でしたが楽しませてもらいました。

投稿 : 2025/04/26
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