ラブレターで手紙なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのラブレターで手紙な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番のラブレターで手紙なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.7 1 ラブレターで手紙なアニメランキング1位
ヴァイオレット・エヴァーガーデン Extra Episode(その他)

2018年7月4日
★★★★★ 4.1 (203)
1312人が棚に入れました
ヴァイオレット・エヴァーガーデン BD&DVD第4巻に収録。

第4話と第5話の間の、数か月間に起きた物語。
ヴァイオレットのもとに舞い込んだとある歌姫からの代筆依頼を描く、特別番外編を収録!

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Times heals all sorrows_Get over, no worries_Cause nothing is more precious than love_Nobel, faithful, she is as pure as the driven snow_Oh dear heart, so sweet

好きだ好きだと言いながら円盤を買っていませんでした
奇しくも2019年7月18日の木曜日、京アニ第1スタジオで痛ましい事件が発生してしまい、何か僕に出来ることは無いのか?と模索した結果、「やはり僕には何も出来ない」という結論に至り、とりあえず好きだと公言している作品の円盤ぐらいは揃えておこう、とその日のうちに通販で円盤を取り寄せました
2018年冬期に全13話が放送、今観返しても京アニ最高傑作だな!と豪語できる名作中の名作ですが、テレビシリーズについてはそちらの方でレビュを書かせていただいたのでこちらは円盤の最終巻に1本だけ収録されてるOVAについて


第4話でアイリスの付き添いで初めて代筆の出張をこなしたヴァイオレット
第5話ではそれから数ヶ月経って、いくつかの大きな仕事をこなした後、婚約した姫と王子の国際結婚を手助けする大役を務めます
この第5話のラストでヴァイオレットは初めて劇中で笑顔を顔に出すのですが、いくらなんでも4話と5話の仕事の内容に差がありすぎる;
ってことで4話と5話の間にヴァイオレットが急成長、彼女のドールとしての人気も鰻登りするキッカケとなったエピソードが今作というわけです


ドール育成学校の師範、ローダンセ教官の推薦でヴァイオレットに初めて指名の依頼が訪れる
オペラ座の歌姫、イルマ・フェリーチェが恋文の内容を依頼したいという
しかしイルマの依頼は酷く抽象的で、全ての人が共感出来る恋文にする必要がある、と無理難題を押し付けるのだった
度重なる駄目出しに息詰まって弱音を吐いてしまうヴァイオレット
やがてその恋文の内容とは新作オペラのクライマックスを飾る歌曲の歌詞だと知る
愛を知らないヴァイオレットが、愛の歌など書けるはずも無い
愛について書かれた本を読み漁ったり、C・H郵便社の仲間達の協力もあり、ソレらしい言葉を選ぶことを覚えていくヴァイオレット
しかしイルマが本当に納得の出来る歌詞を書くためには、イルマがその新作オペラに強く拘る真意を知る必要があると悟るのだった…


5話で初めて笑う、と先述した通りこの話のヴァイオレットはまだ感情表現が希薄で、依頼主の真意を汲み取る力も拙い
その辺りが前半だいぶコミカルに描かれつつも、イルマがオペラに託す真意というのがあまりにも壮大で情緒的な為、後半では一気に真剣みが溢れだすスケールの大きなお話になっています
とても円盤のオマケというレベルではなく、クライマックスのオペラのシーン等も作画に要求されるクオリティがべらぼうに高い
もはや劇場版に相当する内容です!といっても過言ではないOVAとなっています
また、イルマ役のキャスティングに日笠陽子
イルマが歌う歌曲をわざわざTRUEに歌わせていることからも今作の“本気度”が伝わるかと思います


このエピソードのAパートのコンテ、演出はシリーズ演出も務めた藤田春香さんが行っています
ちょうど明日、藤田春香“監督”の処女作となる『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』を劇場に観に行くので期待が高まっているところであります


今作自体はネトフリでも配信されてるようですが個人的に円盤を揃えて欲しい理由は今作以外にももう1つあります
テレビシリーズ放送中に新宿ピカデリーにて数話分をまとめて再編集し、音声を5.1ch化した劇場公開版が各巻の特典ディスクについてるんです
これが結構テレビシリーズと違ってて、もちろん本編カットの数を増やしたり減らしたりしてるわけでは無いのですが、OPやEDの入りが全然違ったりと一気観するのに特化した繋ぎの良い編集になっているんです
OPが無いところにあったり、EDがあるところに無かったりとかね
一話一話に浸るのも良いのですが、改めて一気観してみても味わい深い作品であることが感じ取れる編集になってますので映画感覚で観るのにはコチラの編集が断然オススメです
ですから買ってくださいw揃えてくださいw円盤をね


今作でイルマがオペラに託した思いは、結果的に後々のヴァイオレットの感情を育んでいく事、すなわち娯楽文化が人の感情を育てるって事に繋がっているんです
京アニがアニメを作り続けているのも同じで、誰かの感情を育んだり、傷ついた人を救う事に繋がっているんだと思います


時間が解決出来ない事もありますが、逆に言えば時間が解決出来る事もあるんですよ
作品は生き続けますからね
今はただ、僕に出来ることを

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

無料配信なのでツッコミ弱めですが・・・

依頼の仕方にアイディアがあるのだが、本人のプライド如何でなく、うまいといわせる表現が必要だと思いました。イルマの機知に踏み込まずにいる分、ただでさえ地味な展開が、さらに地味になっている気がするのです。要は、躍動感がないのです。
いろいろ、考えてみましたが、単純な話だけに、起伏がなければ、それまでの評価。歌詞の依頼と聴いて、郵便局のメンバーで貸しを出し合うシーンなどは、評価すべき点ですが、男性の意見のみ公開。これでは、期待が裏切られてしまいます。
あとは、ラストのシーンで使う恋文の歌詞が、聞き取りにくいところがよくない。譜面に歌詞が乗っているのですが、なぜか、歌詞が訴えてこない。主役個人の恋文を読み上げているだけなのですから、それでよいのでしょうが、・・・まあ、僕が2度3度見れば解決する問題ですが・・・万人の心を打つとかいう肩書きはどこに行ってしまったのか? 若干疑問が残りましたが、今回思ったのは、せっかくの話なんだから、時間の流れと画の光沢に統一感を持たすべきと思いました。暗めな色が多く使われていた気がしたので、凸ってる部分が気になりました。
作品としては、ストーリーが流れるだけ。僕のかいたコンクール作品の欠点および特長と一致するので、そう見えたのかもしれませんが、インパクトが足りないのは、共通の課題のようです。よしとするには、もう少し書き込みが必要だなと思いました。画になると、文字を追うような快感ではなく、も/2019っとなにか違うものを探ってみる必要はありそうです。個人的には、自分の作品がどう読まれて、どう、人に見られるのかのいい模範になりました。
展開が読めるわけでもないけど、サプライズもなしでは、やはり物足りませんね。

9/1 追記
改めてみてみると、「あれ?的外れなこと書いたかな?」と思いレビューを見て、思ったよりまともでよかったと思いました。
改めて感じるのは、オペラがオペラたらしめた時代のがオペラであって、現代劇には、現代劇的な方法(作中)と現代的な解釈(現在)の両方への共感がないと立体感が浮かび上がらないのではないか? と、仮説ですが。壮大であればよいわけでなく、現代の人が共感するものを、過去の縛りで作ってできるわけがない。やはり、エヴァガのよさは、イレギュラーではなく、・・・エキストラ回だった。汗・・・ヴァイオレットのひたむきな成長なのである。結果、「愛してる」を理解するのに、この回で一度にやられてもね。なのである。それにしても、軍人にシュッとした顔の男はいないのか? 男は食わなきゃ武器をもてないのか? などという、(おえらいさんに付き合いがあるのかな。貴族は戦せずなのか?)軍に光は似合わぬのかね?暁佳奈。と、ギルベルトがもう少し男前なら、再会もあったのに。と、少し思った。作品の完成度と、社会的な評価は別というのも、少し理解をしたほうが、数字も大事です。今回の作品が悪いとは言わないけどね。

2019/4/28 追記
長々言っても始まらない。
つまりは、人の心を打ったのは、今回の依頼の手紙が、役者としての彼女の表現、つまり、同時代を生きた人間に共通する心の、最もきれいなところが、一般人との垣根のない、彼女のすべての心を表現するところに、オペラとしての大きな価値があったのかな、などと今は考えています。女優さんの社会への視線が、女優というか一人の人間としての素養が、感動の原点である。ということは間違いなさそうです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

ふぁんた さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

陽だまりの中にあるようなボーナスエピソード

4と5の間の話ですね。
こんな一話完結物語をたくさん紡いで欲しかったです。


やはり戦争で引き裂かれる若い人々の想いというのはそれだけで心にくるものがあります。
このお話はさらにストーリーを上手いことヴァイオレットちゃんの仕事に絡めながらクライアントの、そしてヴァイオレットちゃん本人、さらには観客全ての人に戦争は終わりそれぞれの戦後を歩んでいこう、その先は陽だまりのように暖かな未来があるから、、、
というメッセージになっているような物語だと感じます。


もう、、{netabare}最後のヴァイオレットちゃんが作詞した歌のシーンは本当に嗚咽が出るくらい泣いてしまいました。丁寧に歌詞をわかりやすく歌ってくれていたのでヴァイオレットちゃんが、イルマの恋人に対する想い、そしてその想いを乗り越えて人々に希望を与えなければという想いに、最終的にに寄り添うことができた成長が詰まったシーンでした。{/netabare}

平和で恋人、家族、友人と普通に笑ってお話しして時間を過ごせる喜び。そんな普通だと思っていたような幸せを失ってしまった人々の、または奪ってしまう戦争、、、
そんな悲劇は本当に二度と起こってほしくないですね。



4から5話の急激な成長ー


合理的な無駄のない軍人としての思考から、{netabare}イルマとの修行を通して新旧さまざまな愛物語にふれ、目を見張るようなスピードで知識を蓄えるヴァイオレットちゃん。
この描写が後の貴族の教育係をできるくらいの教養を身に付けることができたのだと理解できます。

しかし、それだけでは本当にそれぞれの物語をもつ個人に届くような手紙は書けません。

知識を蓄えそれをただ美辞麗句として並べるだけではなく、イルマ本人の想いに触れ、さらに行方知れずの人々の愛に触れ、そして自分の想いを感じ、、
人の気持ちを解さなかったヴァイオレットちゃんがたくさんの人々の心に寄り添い、とうとうその想いをのせた今を生きる人々への詩を書けたことは、今までの感情を持たない道具としてのヴァイオレットちゃんを見てきているだけに涙が止まりません。{/netabare}

こんなこの時期のヴァイオレットちゃんの成長エピソードはもう少し見たかったです。


イルマの声優さんは、演技もさることながら、戦後の傷ついた人々を先導する女神のような力強い歌声で、苦難の時には人々を勇気付ける傑出した人物が出るものだなと、物語ながら感じてしまう演技でした。


もちろん今まで通り作画はため息が出るほど美しく、人物それぞれの表情も繊細に表現されています。光の表現も劇場という舞台設定があるため、もしくは陽だまりと対比するためか昼と夜、夜の闇の中での照らす光(それは戦争の傷)、曇り空、夕日、素晴らしくシーンと人物の感情を表していました。


個人的に駅にあったロウソクが並んでいる風景は、ミラノの教会で見た鎮魂のロウソクとオーバーラップしました。
心に打たれるものがありました。



行き詰って本棚の角でうなだれるヴァイオレットちゃんにはとにかく正直萌えます。笑

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

72.6 2 ラブレターで手紙なアニメランキング2位
泣きたい私は猫をかぶる(アニメ映画)

2020年6月5日
★★★★☆ 3.7 (139)
661人が棚に入れました
見つけた、君に会える魔法――自由奔放、ちょっと変わった中学2年生、笹木美代(ささき・みよ)。クラスメイトから「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれ、学校でも家でもいつも明るく元気いっぱい。ムゲ熱烈に想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)に毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。大好きな日之出のそばにいられる唯一の方法、それは猫になって会いにいくこと。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには日之出に近づける日々。猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになっていく。このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――「猫」の世界を通して繰り広げられる、私をみつける青春ファンタジー。

声優・キャラクター
志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、大原さやか、浪川大輔、小木博明、山寺宏一
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

猫になりたいし人間になりたい!でも、やっぱり……本当は

主人公、笹木美代ことムゲはネコに変身出来る女の子。
ネコの国のお面屋と言う仮面売りのネコから貰った仮面でネコになる。

彼女は家庭環境が少し複雑
{netabare} と小学生の頃に母が出て行ってしまい学校で虐められてしまう。
家庭では父と再婚した母である薫に気を使いながら生活する日々に嫌気が刺していた。{/netabare}

しかし、そんな日常を支える存在が居ました。
恋をしていた同級生の日之出君。
しかし、彼女のアタックはストレートで行き過ぎた愛情表現。
日之出君にはウザがられてしまう。

居るよね……こう言う冗談か本気か解らない愛情表現してくる人……
本気かジョークか解らないから適当にあしらったら傷ついたとか言う人ww
まっ、私は愛情表現とか苦手なので正直凄いとは思いました。

しかし、彼女の本気が伝わるシーンが…
{netabare} 日之出の悪口を聞いた時に校舎の三階くらいから飛び降りて悪口を言う男子に向かっていく所ですね。
誰かの為に怒られる事は本当にその人を理解して大切に思っているからです。 {/netabare}

しかし、私は一方で心配にもなりました。
{netabare} その悪口の中にムゲの悪口もありましたが自分の悪口は「どうでもいい」そうです。

多分、その理由は……
気にしないとか、ウザイから相手にしないのとか、そうした事ならいいのですが……

ムゲの場合は他人に関心がなくなってる。
理由としては傷つき過ぎているのではないでしょうか?
多分、小学生の頃から母の件で虐められて……心無い言葉を言われてきたのです。

解りやすく言えば、傷つき慣れてる。
でも、痛み、悲しみ、苦しみ、辛さ、これらの事に慣れるなんて事は絶対に有りません。
何千何万と繰り返そうと慣れはしません。
それでも、慣れたように振る舞えるのは、自分の幸せを諦めてしまっているから……何も感じないし悪意を流せるのは傷ついている事に気づかないくらい傷ついてしまっている。

だから、私は傷つき慣れてるって言葉は少し違う気がしています。
傷つき過ぎてるのです……だから、どうでもよくなっている……自分も他人も全て……諦めている。
人間として生きる事に…… {/netabare}

彼女はネコになります!
ネコは可愛いです。
私はネコの身体能力が欲しいです。

自分よりも何倍もある壁をひとっ飛び!
屋根から屋根へ飛び移る!
高いところから飛び降りても平気!

きっと、あんなに自由自在に身体を動かしたら気持ちいいですよꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ
それにきっと私がネコになれば可愛いのでチヤホヤもされます(*^^*)

え?誰ですか?お前がネコになったら山奥の廃村に捨てられそうと思った人は?(*꒪꒫꒪)

さて、話を戻して。

ネコになったムゲは日之出に可愛いがられます(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)
人間としてアピールしても冷たい日之出もムゲネコにはデレデレ(///ω///)

人としては周りに必要とされてないと感じたムゲはネコだと必要に思ってくれる人がいる。
しかも、想い人です。

{netabare} そんな中、家庭で揉めてしまいます。
義母の薫さん。
父の再婚相手で、ムゲを娘の様に接してくれるし気にかけてくれる優しい人……

でも、ムゲの立場だと中々受け入れられません。
薫さんの立場からしたら早く仲良くなりたいとか、お母さんって呼んで欲しいし、自分の母だと思って我儘を言って欲しいし甘えて欲しいと思います。{/netabare}

でも、ムゲからすれば……やっぱり心の準備が必要です。
{netabare} 思春期だし、仲良く出来る人もいるけど、やっぱり中々認められなくて、気遣いや優しさがウザかったり……自分の居場所がなくなるんじゃないかな?とか考えてしまうかも知れません……

だから、ムゲは気持ちを吐き出して家を飛び出した。
ムゲの言葉にはビックリしたと思う。{/netabare}
けど、私は薫さんは嬉しかったのかな?とも思いました。

確かに言葉は酷かった……普段の態度から薄々は気づいていたと思うけど……
{netabare} でも、初めて向き合ってくれた気がしたんです。
ムゲは薫さんの話しの質問を無視しなかったけど返事は適当だったり弄れたり……
でも、この時は向き合って気持ちを伝えてくれた。
それが嬉しかったんじゃないかな?って思う。
自分の気持ちを伝えてくれるってやっぱり最初の1歩だと思うので。

ムゲは家出します。
もぅ、人間なんていやだ……そんな気持ちが……彼女の顔から……人の仮面が剥がれ落とさせた。
仮面屋が言うには、人間を嫌になったら人の仮面が剥がれ時間が立てば完全にネコになるそうなんですが、この仮面屋に人の仮面を奪われてしまいます…… {/netabare}


一方、ネコも人間になりたいと思っています。
薫さんの飼い猫……キナコ

キナコは薫さんが子供の頃から大切にしているネコです。
彼女は言います。
{netabare} ネコと人は寿命が違う……
でも、人になれば薫さんと一緒にずっと長く暮らしていける。
だから、人間になりたい!

そうして、キナコはムゲの仮面を手に入れてムゲに成り代わり人間ムゲとして暮らし始めます………… {/netabare}

話を戻して……
{netabare} ムゲが家出した後に父と薫さんや友達の皆が必至にムゲを探してくれます。
ムゲは日之出君に好かれたい、他の人はどうでもいい、そう考えていたけど……実は居たんです。
ムゲを必要としてくれる人達がこんなにも居たんです。

そうして、ネコムゲは日之出君に自分の気持ちを伝えたいと思います。
だから、人間に戻るために……伝える為に身体を取り戻す為に動き出す。{/netabare}


キナコはムゲにすり変わり薫さんの傍にいるけど……
{netabare} 薫さんはキナコを捜してます。
張り紙をしてドアを開けて餌を置いて、晴れの日も雨の日も探しています。
キナコはムゲの身体で気持ちを伝えますが、伝わりません。
ムゲの姿の言葉はムゲでしかなくキナコだとは気づいて貰えないからです。

人間になれば一緒に居る時間過ごせると思った。
けど、薫さんにはネコのキナコも大切でキナコの捜索で中々一緒にいられないし、心配そうな顔をしてるし……
キナコもネコとして大切にされていた事に気づく。 {/netabare}

1人と1匹を見て感じたのは。

世の中には、自分なんて必要ない、居なくなりたい、誰かに何かになりたい、とか考えてる人も少なくないと思うんです。

生きてると楽しい事なんて毎日はないし大変な事ばかりだったりする世の中です。
お仕事や学校、日常生活に人付き合い……色々な悩みを抱えてる人が殆どかな?

でも、人1人にしてもネコ1匹にしても必要ない者とかはなくて……
やっぱり周りには心配してくれる人や居なくなると悲しんでくれる人も絶対にいるわけで……
それは多分、頑張って必至に生きてるうちは見えずらい存在かもしれない。
ムゲもキナコも自分が居なくなって気づいた訳ですし。

例え、見えなくても、気づけなくても、実は自分にはそうした人達が居てくれている。
それは救いであり希望ではないでしょうか?

{netabare} ムゲとキナコが身体を取り戻した後に、ムゲは人と向き合う事を頑張る事にしたみたいです。
自身を1度失う事で、そう思い直せるくらい成長したんだなぁ〜と思いました。 {/netabare}

この作品を見て……

1番感じたのは「他人を思いやる事」と同じくらい「自分を思いやる事」の大切さを感じた気がします。

{netabare} ムゲは自分よりネコに……キナコは自分より人間になりたかった。
だから、自分を捨てたし、捨ててしまった。

けど、ムゲはムゲだから日之出君はネコ世界まで助けにきてくれたし最後は告白してくれた。

キナコはキナコだから薫さんが必至探してくれた。 {/netabare}

他人が実はこんなに思ってくれてる訳です。
それなら、やっぱり自分自身が自分を大切にしないと、誰かを悲しませちゃうかもしれませんし、何より頑張っているのだから自分自身も自分の味方であってあげて欲しいなぁ〜と思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

タイトルが良かったって話

「マヤ、仮面をかぶるのよ」とはドラマにもなるほど有名な原作は少女漫画のガラス仮面に出てくる名台詞です。
猫をかぶるとはちょっと違ったニュアンスですが、自分を演じるという意味では同じかなと。
さて今回はネタバレ割とある感じ何で全体的に隠しちゃいます。
{netabare}
そう、最初は私は猫をかぶるってこういう意味だと思っていました。
ところが、始まって数分もすれば、ああ、なんだ違ったのかなんて少し残念になりつつも主人公ムゲを見守るわけです。
話が進むにつれ、ムゲの正体が明かされていき中盤になったころには猫をかぶるというタイトルの意味も理解できるようになってくる。別に何となくそうだと思ってたんだからね! などと言いたくなるほど、分かりやすいストーリー展開だ。猫をかぶらず正直に言うと、外連味がない。
猫ネタは使い古されているし、過去のトラウマや高校生の惚れた腫れたはこういったものの常套句。
猫ネタが出たあたりからストーリー展開は何となく想像できてしまって、いい意味で裏切ってくれることを期待して見ていたのにそうでもなかった。あくまでも分かりやすく物語は展開されていく。
それゆえだろうか、ムゲの感情の揺れを感じ、同じく揺さぶられるおじさん一匹が画面の前。あろうことか涙を流す。感動したわけじゃない、思わず同情してしまったんだ。これに関してはやはり岡田磨里の脚本だなって感じになる。自分の中に閉じ込めてしまっている思いをキャラに語らせたら右に出るものはいないんじゃないか? ストーリ展開というより内面を見せて感動させる系のアニメになっている。そしてそれに見合った力を持った絵だった。
やっぱり母親同士が喧嘩するシーンなんかは彼女の脚本らしいななんてスタッフロールをみて思い返したりする。それでもやっぱりちょっと猫ネタは使い古されていて差別化に失敗している感は拭えず、物語全体としては今までの彼女の作品群からすると物足りない。ファンだけに!

この作品の最大の魅力は絵です。
背景はメチャクチャ良い。自然で美しい。そして不思議な使い方をしている場面がチラホラあった。何だこの演出の仕方は! と通してみた後に見返したりして。奥を固定して手前を動かしている?なんか立体的に見えるような不思議な感覚は新しかった。
何と言っても猫の絵がスゴイ! メッチャ可愛いし、動きもなかなか良い。こういった動物の動きや造形ってリアルにすればするほど気持ち悪く見えたりするので、どれくらいアニメの絵として見せるのかがカギだと思います。猫にも表情を与える事に挑戦しているので人間の表情の動きを合わせてしまうとこれが本当に気持ち悪く見えるんですが、これが上手く書かれている。原画の人超絶猫好きなのでは?

音楽がなんか挿入歌というより、PVみたいになってる。これは「君の名は」現象と言っても良いかもしれませんが、正直効果的になっておりません。なんか流行りに乗っかっただけなのでは?
歌が主張しすぎていて、物語の超絶大事な場面で内容を希薄にしてしまっている。ヨルシカさんは個人的に好きなアーティストだったので期待していたし、期待した通り良い歌なんですが、今回は残念ながら悪い方に効果が生じていると思われます。悲しい。
そのほかのBGM場面の雰囲気を上手に演出していたんじゃないだろうか。特に気にならなかったし。

志田未来、いやぁ懐かしいなこの名前。
あまりTVを見なくなってしまったのでこの方はどういう活躍をしているのか近況が分からないですが、女王の教室は好きだった。全体的には良かったんだけれど、端々に少し違和感があったりもするけれど、一人二役みたいな感じになってるのでそのの使い分け自体は上手いななんて思う。対話は良いんだけどそれ以外で言葉の始めが弱めに入る時があるんだけど、ドラマとかではきっと自然なんだけれど、アニメのように意識的に作りこまれているものに対してだと少しズレて感じるんだよね。だからといって舞台のように発声を一言目から大きくしすぎてもそれはそれで違和感出るだろうし。
自然ん演技はそれで良いんだけれど、アニメは自然ではないからそこのギャップを埋めるのは一朝一夕では難しいのかもね。それも上手くできるアクターの人達も一定数いるから才能ってやつなのかもしれないけれど。
決して志田未来がダメという訳じゃなくて、アニメとドラマの違いについての考察なんで独り言みたいなものだという事で許されたい。

他にはちょい役で出た三木眞一郎さんの声がやっぱり好きで演技も好きだ。それとこれはウィキで知ったんですが、おぎやはぎの小木が出てたらしい。気づかなかったぜ。まだ見てないでここまで読んだ方は見つけてみてもらいたい。見たうえで読んだ方は思い出してもらってどれだったか当ててみてほしい。{/netabare}

おススメできるラインを超えているかちょっと微妙だけれど、岡田磨里好きなら良いだろうし、猫好きなら見ても良い。
何かしら琴線に触れるものがあるならって感じかな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

言葉通り猫を被る

常滑市が舞台

中学2年の笹木美代は、その奔放な行動・言動で周囲から「無限大謎人間」略して「ムゲ」と呼ばれていた。美代は好意を抱いているクラスメイトの日之出賢人に連日話しかけていたが、素っ気ない反応しかなく、親友の深瀬頼子に心配されるほどだった。だが、美代には秘密があった。夏祭りの夜に言葉を話す猫の妖怪(猫店主)からもらった「猫になれる仮面」で、白猫になり、その姿で賢人の元に出向いて、私生活を見聞していたのだ。その白猫を賢人は「太郎」と名付けてかわいがり、美代はそこで見知った賢人の姿にさらに恋慕を募らせていた。というあらすじ。


志田未来演じる美代は思春期も相まって主に家庭環境に対して泣きたいほど辛いけど、弱音を吐けない性格で猫を被った生活を送る。あえて空気が読めない性格を装っているんだ。無理していてそら、きついなと。
自分の思春期近辺のことを思い出して面倒くさかったなあ恥ずかしいなあと思い出して共感するやら恥ずかしいやら複雑な感情が…。
そして、文字通り猫も被って猫になる。猫になれば楽だけど人間をやめれば想いを伝えることができなくなってしまう。

賢人は賢人で女の子を泣かすなんて酷いこと言うもんだ。
寿美菜子演じる小学生時代からの美代の親友である深瀬頼子が両親の離婚が原因で美代がいじめられていたときも寄り添ったのは中々のファインプレー。
最後は猫さんにたちに助けられて無事解決で良かったんでない?

賢人の姉がしれっと可愛い。
川澄綾子演じる水谷薫と大原さやか演じる実母の斎藤美紀がキャットファイトは見ていて面白かった。実母が悪そうにしか見えんな。


主題歌
花に亡霊
挿入歌
夜行
ED
嘘月
いずれもヨルシカ。流れるような楽曲たちだった。違和感なさすぎであんまり印象に残っていない。泣


備忘録・ストーリーの流れ
以下は完全なネタバレ
{netabare}
母は美代の小学生時代に離婚して家を離れ、父と暮らす自宅には家事の手伝いとして薫という女性が住む。再婚ではないところがなんか複雑。再婚で妹か弟がいたらより複雑になったのだろうか??自宅に居場所がないと感じる美代は、賢人と一緒になって家を出たいと考えていた。
ある日、賢人を悪く言う同級生の坂内に、美代は食ってかかり、弁当を落としてしまう。見かねた賢人から手作り弁当を分けてもらう。賢人の笑顔をもっと見たいと、美代は放課後に猫になって賢人の家に赴くが、陶芸職人である賢人の祖父が陶芸工房を閉めることになると会話が交わされて賢人は落ち込んでいた。帰宅してからもう一度猫の姿で賢人に会う。そのとき賢人は「(美代のように)思っていることをはっきり言えればいいのに」と。美代は、賢人の力になりたいと、家に戻って手紙を書く。

翌日、手紙を坂内が奪って勝手に読み上げる。手紙は賢人が取り返すが、「俺とおまえは違う。それにそういうの押しつけてくる奴は嫌いなんだ」と手紙を握り潰す。美代は落ち込んで帰宅する。そこに薫から同居していることへの感想を聞かれ、美代は「気にしていない」と愛想笑いで返すも、いつもそうした態度を示すことに疑問を呈されて、「大人は勝手すぎる」と両親や薫への憤懣をぶちまけた。

家を飛び出し、猫になって賢人の家で夜を明かし、翌朝「猫なら学校に行かなくてもいい」「もう美代はいいや」と思ったとき、人間の仮面が転がり落ち、猫店主が出現。完全に猫になる前に人間の仮面を付ければ元に戻れると言いながら、人間の仮面を持って消えてしまう。

美代が失踪して、美代の父と薫は学校に相談に行く。そこに賢人と頼子も呼ばれ、美代が消えたことを知る。賢人は帰宅後に美代を探しに出かけ、猫の美代もそれに同行した。その場で賢人は美代のことを何も知らなかった、謝らないととつぶやくが美代にはその声が切れ切れに聞こえた。完全な猫になりつつあると美代は気づく。

ところが美代が猫になったままの間に、学校に美代が登校する。行動や言動が以前の美代とは違うと周囲は訝る。偽物の正体は薫の飼い猫であるきなこだった。きなこは、薫への恩返しとして長く一緒にいるために仮面を手に入れて人間になったと美代に話し、美代の寿命を猫店主と自分で折半することになっているのだと言う。ようやく見つけた猫店主から次の夏祭りに美代が完全な猫になると聞かされ、その後を追って空の上にある、猫だけにしか見えない「猫島」に美代は足を進めた。

次の夏祭りの日、きなこは「猫のきなこ」を案じる薫を見て人間のままよりも猫に戻ったほうが良いことを悟る。きなこは賢人の家に出向いて自分の正体を明かし、本物の美代がどうなっているのかも話した。きなこは誰からも愛されていないと感じている美代を助けられるのは賢人だけだと話す。賢人はきなことともに「猫島」に向かう。

たくさんの猫に助けられ、一旦は失敗したが、人間に戻ることができて最後は手繋ぎハッピーエンド。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
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