ライバルで昆虫なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のライバルで昆虫な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月04日の時点で一番のライバルで昆虫なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

61.4 1 ライバルで昆虫なアニメランキング1位
空戦魔導士候補生の教官(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (655)
4397人が棚に入れました
カナタ・エイジは、学園浮遊都市の一つ《ミストガン》の空戦魔導士科(ガーディアン)本科2年に所属する生徒であり、特務小隊(ロイヤルガード)S128小隊にも所属している。しかし、ある理由によってエイジは後方支援科(ロジティクス)の手伝いをするなど、本来の任務と小隊の仲間から距離を取っていた。そんな折、エイジは同じ小隊の仲間であり同級生であるクロエ・セヴェニーから、ある小隊の教官を務めることを要請される。


声優・キャラクター
松岡禎丞、山本希望、東山奈央、野水伊織、種田梨沙、山田悠希、藏合紗恵子、柿原徹也
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

教えてやるよ―― 最強への方程式ってやつをな

タイトルの響きから壮大で硬派なアニメを想像して観ることにしたのですが,キャラクターデザインを見た瞬間に違うということを悟りました。
後から調べたら案の定ラノベ原作でした(^-^;
でも,一応最後まで観たのでレビューします。

当時あった石鹸枠と呼ばれたアニメと「魔法科高校の劣等生」を足して2で割ったような話です。
キャラクターデザインや魔甲蟲と呼ばれる敵と戦う辺りは「銃皇無尽のファフニール」みたいな感じだし,ランキング戦で他の小隊と戦う件なんかは「魔法科高校の劣等生」味を感じました。
そういえば,タイトルの付け方も「魔法科高校~」っぽいですね。
主人公が男子で,可愛い女の子たちに囲まれているハーレム状態なとことか,女の子のテンプレなキャラ,彼女たちのやたら露出の多いコスチューム,お風呂シーンとか色々これでもかとテンプレを詰め込んだようなアニメだと思いました。
ヒロインのミソラなんかは「精霊使いの剣舞」に出てたよね(笑)!?

主人公のカナタは何で周りから裏切り者って呼ばれているのか分からなかったし,裏切り者呼ばわりされてる割には堂々としてます。
彼が教官として,ミソラ,レクティ&リコの3人を教えることになるのだけど…彼まだ17歳なのよね。
フロンという空戦魔導士科長も存在するんだけど,彼女も空戦魔導士科本科3年の18歳ということらしいので学生なんですよね。
生徒会長みたいなもの??
この子たちをちゃんと教える大人の先生方は居ないわけ!?!?
3人が本当に落ちこぼれならちゃんとした先生をつけた方が良いと思うのだけど…。
カナタだって自分の勉強とかやらなきゃいけないことないのかな??
ミソラ,レクティ&リコは高校生くらいに見えるけど,実際は14歳で予科2年ということなので中学生くらい。
なんかめっちゃロリってるな。。大丈夫かな??
予科生の落ちこぼれちゃん達はけっこう痛い子達です(^▽^;)
{netabare}ミソラは上記の通りだし,初め食パンを食べながら登校する件は古典的すぎて笑ってしまいました。
しかも,ジャムの付いてる面がカナタの股間の部分に…ってマーフィーの法則かよ!!
リコは「女神なわたし」とか思いっきり中二病を発症しちゃってます。
レクティの「○○さんですぅ~。」みたいな話し方は1番痛いと思いました。
彼女はカフェでウェイトレスをすることになるんだけど,メイドじゃなくてウェイトレスね!!
他の人たちは普通のカフェの制服を着てるのに彼女だけ露出多めのひらひらフリフリの服で…それって良いの!?
そして恥ずかしくないわけ!?!?
本科生に対してはそこまでイライラしなかったけど,カナタが何で裏切り者と呼ばれてるのかが分からなかったので,ユーリに対しても「はぁ!?」って感じだったし,クロエやロイドは事情を知ってるならユーリやみんなに教えてあげれば良いのにと思いました。{/netabare}
正直,物語の作りやキャラクターに目新しさがないので安っぽく感じたし,敵である魔甲蟲も気持ちが悪いだけでどこから何の目的でやってくるのか分からずじまいで,これからも彼らは魔甲蟲と戦い続けなければならないので何の解決にもならずに終わってしまいました。
{netabare}一応,あのユーリのストーカー事件だけは解決した…のかな。
キメラ・アンタレスの目みたいなやつは相変わらずまだあるんでしょうに…。
このアニメでは予科生の落ちこぼれ3人組がメインヒロインなのだろうけど,ストーカー事件においてはユーリがヒロインっぽくてそこら辺定まっていない感じがしました。
ユーリはあんだけカナタに反発してたのに実際は好きだったのか!!
カナタは鈍感すぎない!?!?
ユーリ「2人っきりで」ってはっきり言ってるじゃん(-_-💢)ってイライラ。
わたしはこの2人がくっつけば良いのにと思いました。
お願いだから予科生の3人には手を出さないでほしい。
カナタとユーリがくっついてくれたらもう少しだけ評価あげたのにそうはなりませんでした。{/netabare}

全体的にツッコミどころが多くてイライラしたアニメでしたが,唯一良いなと思ったのはEDです。
OPの最初にチラッと出てくる空の映像がずっと続いているアニメーションでメインキャラクターの4人が空を飛んでいます。
曲も最初は特にどうとも思いませんでしたが聴き続けていくうちに良い曲だと思うようになりました。
OPはいかにもラノベ原作アニメの主題歌って感じでそこら辺にいくらでも転がってる曲調なので好きではありませんでした。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5
ネタバレ

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

スポ根ドラマを現代のラノベテイストで焼き直し

その昔、トレンディードラマと言うものが流行る前に、大映あたりが制作された
高校運動部を舞台にしたスポ根ドラマを現代のラノベテイストで焼き直した
とても拙い物語の作品。

人類の存亡をかけて異形種と戦争をしている雰囲気がまるでない、とてもぬるい
世界観であまりのもラノベ的テンプレなストーリー進行が退屈で第1話の
開始5分後ぐらいから1.5倍速でまわしてしまった。
早々に切っても良かったのだが、ラノベ特有の極端なハーレムストーリーに
ならなかったので一応完走は出来たのだが、最終話まで1.5倍速の時短再生で
流し見しつつの視聴になってしまった。
序盤から感じていたのは冒頭でも書いたが、昭和50年代あたりで製作された
スポ根物の漫画やドラマに初期設定が良く似ている事。
問題児ばかりの弱小運動部に過去そのスポーツで名を馳せた教師が赴任を
してきて顧問に就任した途端、学校側から次の大会で優勝できなければ廃部に
すると通告され、紆余曲折しながら最終的に教師も問題児たちも解り合い
一丸となり優勝を目指していく。
本作のあらすじを高校部活のスポ根物の設定で書くとこんなとこかな(笑)
今現在、活躍している作家の作品で過去の作品に似ている所はたくさんある
そうなってしまう事は致し方ない事も解るし否定はしないが似せるなら似せるで
2番煎じやパクリと言われない執筆者独自の表現で創作してほしい。
本作の舞台設定が高校の運動部だったらら差ほど違和感はなかっただろうが
人類の存亡をかけて戦っている軍の教育小隊だとどうしても違和感が出てしまう。
そういう意味で本作は基本設定のTPOが間違っていたのだろうな
まぁ軍事物に疎い作家が中途半端に戦闘物に手を出すと違和感だらけの
物語になってしまう典型だと思う。
たとえば、
{netabare}空戦魔導士課長の立場で考えれば、人類存亡の戦いの中、戦力の
底上げをする事が任務だと思うが、意味もなくE601小隊を目の敵にして行く
主人公カナタ・エイジに思う所があるのであれば自分の職権を使い本人に
対して事を起こすか遠ざければ良いだけなのに{/netabare}
とても不自然なストーリー進行になってしまっている。
また
{netabare}人類最後の砦としている空中都市がいとも簡単に空襲され
教育課程中のE601小隊がいきなり最前線に実戦配備されるあたりは
{/netabare}
「ああ!こいつら負け戦だな」と言う
感想しか出なかった。
それに数で圧倒している魔甲蟲との戦闘シーンも緊迫感がまるでなく、その割には
貧相な戦術しかない描写には残念としか言いようがない。

作画も全体的におざなりで、アクションシーンはまったく迫力がない構図と
動きで1.5倍でまわしてもまったく違和感なかったのはどういうことなのか謎だな
まぁ日常シーンも差ほど違和感はなかったが、ラノベ原作らしい
意味もなく入浴シーンや着替えシーンは無駄に多かったのは残念だな。
正直、本作の女性キャラのキャラデザにはあまり心惹かれなかったが、唯一
良かった点は女性キャラの衣装デザインは凝ったデザインで個人的には
良かったと思っている。
もう少し肌色が少なければもっと良かったかなと思ってはいるけど

今回出演している声優陣に関しては、ほとんど1.5倍速でまわしてしまっているので
演技が安定している松岡さんや東山さんなどはともかく、本作に関しては
特に言及しないでおこうかな(笑)

結論として、本作は創作の入り口である主題の構想などの原案の時点で
間違った選択をしているので、ファンタジーの戦闘物としては、どうしても
ストーリー構成が不自然に成っているのは残念。
ただ、ラブコメとしては極端なハーレムストーリーではなかったのは評価できるが逆に
メインのヒロインが誰になるかがはっきりしないので、軸がぶれているのも事実。
円盤の売り上げ次第では2期もありうるが、現状の物語の延長線だったら
視聴することはないだろうな。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

テンプレであろうと何であろうとこの手の作品は好みです・・・^^;

この作品の原作は未読ですが、この作品も出演される声優さんの配役を見て視聴を決めた作品です。
タイトルにもなっている「教官」役に松岡さん・・・^^
この時点で主人公最強系の作品だと勝手に想像していましたが・・・予想を裏切りませんでしたね^^
そして他に出演される声優さんは山本希望さん、東山奈央さん、野水伊織さん、種田梨沙さん・・・
「やった、東山さんと種田さんの組み合わせ^^」
もうこの時点でテンションMAXです(//∇//)

この物語の舞台は、魔甲蟲と呼ばれる存在に人類が地上を奪われ、住む場所を空の上に変えた世界・・・人類はこの空の上で唯一魔甲蟲と戦える「空戦魔道士」の育成に力を入れていました。

松岡さん演じるカナタ・エイジは、魔甲蟲と戦うエリート集団S128特務小隊のエースとして活躍していましたが、ある日を境に戦闘に対する態度が変わり・・・いつの間にか周囲から白い目で見られるようになっていました。
そんなある日、カナタは小隊の教官を任命されることになります。
その小隊はE601小隊・・・今までの模擬戦でただの一度も勝利したことの無い最弱集団だったのです。
こうしてE601小隊とカナタが出会い・・・物語は動いていきます。

小隊は3名で構成されており、E601小隊は以下の3人が所属しています。
ミソラ(CV:山本希望さん):赤の長髪が特徴的な小隊のリーダー。
レクティ(CV:東山奈央さん):金髪碧眼のロリ巨乳です。優しい性格ですが気弱な面も・・・
リコ(CV:野水伊織さん):自称「女神」を連呼するだけあって絶世の美少女だが性格は気まま・・・
因みに今回の推しはレクティ・・・決め手はキャラ立ちと東山さん(//∇//)

このE601小隊・・・全戦全敗するだけあって蓋を開けてみたら問題だらけでした^^;
やる気はあるけれど空回り・・・
武器が上手く使いこなせない・・・
人の目が怖い・・・
女神なのだからそんなことはする必要がない・・・
模擬戦における戦術も無くそれぞれが勝手に行動・・・

こんなダメダメな小隊にカナタがどの様なメスを入れるのか・・・それがこの作品の見どころです。
カナタは彼女達に飄々とした表情で「ん?言わなかったか?」と色々な特訓を施します。
でもその飄々として表情の裏には、教官として・・・先輩空戦魔道士として・・・魔甲蟲と戦っても決して死なない小隊を目指す熱い思いが溢れていたのでしょう・・・
一見「これで強くなれるの?」と思える事もちゃんと先に繋がっているんです^^

初めはカナタを受け入れ難かった小隊の3人・・・教官はその立場を利用して私達にあんな事やこんな事をさせているのでは?
しかもその教官は周囲から白い目で見られている人だし・・・
時々突拍子の無い注文をするカナタは、3人にとってそう映る事もあったかと思います。

時には誇りを汚したかもしれない・・・
時には冷酷だったかもしれない・・・
それはE601小隊に欠けている大切なモノに気付いて欲しい親心です・・・

E601小隊とカナタが共に過ごした時間・・・この時間は小隊にどの様な変化をもたらすのでしょうか^^?
気になる方は本編でご確認願います。

オープニングテーマは、野水いおりさんの「D.O.B.」
エンディングテーマは、la la larksさんの「ハレルヤ」
個人的には躍動感溢れるオープニングが大好きでした^^

1クール12話の作品でした。
作品はテンプレだったかもしれません・・・魔甲蟲を剣で切り倒すとき、もっと勢いが無いと切れないんじゃ・・・それじゃ撫でてるだけなんじゃ・・・?
と視聴していて気になったところが無いわけではありません。
でも、良いんです^^
最強系の松岡さんはやっぱり格好良くて・・・登場する女の子は皆んな可愛い・・・おまけに大好きな声優さんも出演してくれている・・・私にはもうこれだけで十分でした(//∇//)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 20

69.8 2 ライバルで昆虫なアニメランキング2位
ゾイド-ZOIDS(TVアニメ動画)

1999年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (223)
1640人が棚に入れました
辺境の村 ウィンドコロニーに住む天真爛漫な熱血少年・バン。遊びに出た惑星Zi(ジィ)のエレミア砂漠で盗賊団に追われ、逃げ延びた砂漠の遺跡でオーガノイド ジークと、同じ型のカプセルから出てきた古代ゾイド人 フィーネと出会う。遺跡を次々と破壊しながらバンを追いつめる盗賊団のゾイドの攻撃をなんとか凌ぎながら隠し部屋を見つけたバンは研究所のような部屋の中に、巨大な楕円形の装置、ゾイドエッグが放置されているのを発見する。ついに念願のゾイド(ティラノサウルス型)を手に入れたバンは執拗に迫ってくる盗賊団に立ち向かい、以後フィーネの過去を探るため旅に出る事になった。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

死ぬまでにもう一度観たいアニメの筆頭格(悲願の再視聴完走レビュー。そして、ついにサブスク配信解禁)

初回投稿2023/04/23。
YouTube毎週配信での再視聴を前に綴った勇み足決意表明。
長くなるので折りたたみ。
{netabare}
最近40周年を迎えたトミー(現・タカラトミー)が展開する玩具シリーズ『ZOIDS(ゾイド)』
その初の本格的な連続TVアニメとなった本作の放送開始は1999年。
コンテンツ発足から20年近く経った後と意外と遅い。

ではそれまでの『ゾイド』はどう販促していたのかというと、実写ジオラマがメイン。
地球とは異なる惑星にて金属生命体を武器に抗争する共和国VS帝国という世界観設定を、
実際の製品を並べて撮影し表現。

他のロボット玩具が再現性はともかく、販促アニメにより売り込んで来る中、
安易にアニメ化せず、獣などの非人間型メカのジオラマでひたすら押してくる『ゾイド』は、幼少の私にとって憧れを抱く孤高の存在。
ロボ好きなだけでなく、恐竜少年でもあった私は当時『小学○年生』に載っていたゴジュラスの写真などをうっとりと眺めていたものです。


だからこそ20世紀末、あの『ゾイド』がアニメ化すると聞いた時は衝撃的でした。
同時にCGの進化もゾイドの再現に挑戦できる所まで来たのかと興奮したことを覚えています。


内容は共和国VS帝国の伝統の設定に、古代ゾイド人文明にまつわるボーイ・ミーツ・ガールを走らせた構成。
バンやフィーネの顔の模様も神秘的なキャラデザです(タトゥーではなくネタバレレビューを読む )

本作の放送面での快挙は、アニメなんて局の都合で枠ごと切り捨てるあの冷淡なTBSを相手に、
当初1年程度の予定の所、好評につき5クール目まで延長を勝ち取った所。
その後もアニメ『ゾイド』は数作品シリーズ化。
90年代しばらく休眠中だったという『ゾイド』を再起動させた、まさにコンテンツ中興の祖。

その長尺も生かした2部構成。第1部の少年少女の冒険譚などに留まらず、第2部にて2年後成長した彼らの活躍まで描いたスケール感も特徴。

ですが物語自体は私はそれほど覚えていなくて。
脳裏に焼き付いているのは、XEBEC制作のアニメーション。
蒼穹の下、疾走するシールドライガーの勇姿。
トゥーンレンダリングで構築、駆動するゾイドがただひたすら格好良すぎる。


『ゾイド』史上だけでなく、CGアニメ史上でもエポックとなった重要作。
ところが当時はVHSからDVDへのメディアの転換期。視聴困難作が多数発生する谷間。
本作もまた長らくレンタルDVDも配信もなく、視聴方法はプレミア化したBlu-ray BOX(現在Amazonで新品13万円)くらいしか無かった幻の作品。

今年40周年企画の一環として4月からTOKYO MXで再放送開始。
さらには東京以外でも放送しろよ、配信しろよとの私や全国のファンの叫びが届いたのか、
5月1日(月)19:30からYouTubeのタカラトミー公式ホビーチャンネルにて毎週1話ずつ無料配信されることとなりました👏


悲願の再視聴。心ゆくまで堪能したいと思います♪{/netabare}

【物語 3.5点】
全体構成は2部構成。

ガイロス帝国VSヘリック共和国の戦争が続く中、
主人公ゾイド乗り少年バンと謎の少女フィーネらとの冒険が、
戦火の根幹へと関わっていく第一部・少年編(1~34話)。

戦後2年。成長したバンはフィーネと共に平和維持部隊に所属。
やがて世界を脅かす未知の敵と遭遇、対峙していく第二部・ガーディアンフォース編。(35~67話)。

古代遺跡から“発掘”された“オーガノイド”は機械生命体ゾイドの力を飛躍的に向上。
共に眠っていた古代ゾイド人少女・フィーネ(fine)は
超古代に滅びの災禍をもたらした“ゾイドイヴ”に関わる鍵を秘めている。

表層は、惑星Ziの超古代文明も絡めた少年少女たちのバトル冒険譚。
が、本作を価値ある物にしているのは、深層に通底する青春の価値の再認識。

少年バンは、いつも常識に囚われない思い切った言動で、
大人たちが突破できなかった窮地を切り抜け、未来を切り開く。

大人が忘れそうになっていた青春の輝きを有した少年の純粋さに惹かれるように、
打算で動いていたはずの賞金稼ぎアーバインや運び屋ムンベイも旅を共にしていく構図が心地よいです。

その観点から、印象的なのが第一部・11話「イセリナの霧の中で」
{netabare} 平和な時代を築くため帝国軍人になると妹に言い残し、故郷を飛び出したヴィオーラは女盗賊になっている。
後ろめたさを抱えてイセリナに帰って来たヴィオーラをかばって、
バンは自分こそが盗賊で皆を騙していたと、ひと芝居打つ。

これに対して、ムンベイはバンを、その甘さが命取りになると殴り飛ばす。
私には、あのワンパンチ、
バンは純粋な子供のままでいて欲しい。
粋な嘘を付いて自分が悪者になるような大人になんてならないで。
そんなムンベイの痛切な願望が拳に込められているようで、ガツンと来ました。{/netabare}


第一部は破天荒な少年バンが暴れ、周りがしゃーねーなって感じでお世話する痛快な冒険アニメでしたが、
第二部は一転、バンが大人の立場で、平和を維持する側に回った設定変更もあってか、やや体温低め。

第二部では、フィーネとゾイドイヴに関する根幹設定も絡めたクライマックスへと突き進んでいくわけですが。
当時、好評につき1クール延長を勝ち取って、尺もたっぷりあった割には、
超古代文明の謎についての解答と世界の命運を賭けた一戦を上手く絡め切れてない感じ。
ラスボスも破壊と狂気に囚われたアヒャヒャ系で深みも感じられず。

評点は、第一部4.0点、第二部3.0点。トータル3.5点といった所ですが、
第一部から続く、忘れかけた青春を思い出させてくれるスパイスが、
再視聴マラソンでも私の原動力となりました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・XEBEC

長年アニメ化していなかったゾイドがCGでついに映像として動き出す!
20世紀末、私のハートに火を付けた初見時、最大の視聴動機。

実際、シールドライガーを始め、蒼穹の下で躍動する機械生命体の挙動はいずれも魂がこもっていて。
次回予告での締めの文句「今度もめちゃくちゃ動きまくるぜ」は伊達じゃない。
ストーリーどうこう以前に、ゾイドが格好良いだけでも満腹になれるだけのバトル映像を、
ろくにCG開発環境も整備されていなかったあの頃に、
毎週供給していたのは今見ても驚嘆に値します。

第一部は、バンのライガー他、アーバインのコマンドウルフ、ムンベイのグスタフ。
あとは敵の小型竜脚類系のゾイドなど、登場CGモデルもある程度固定。

が、第二部に入ると、サソリ型や昆虫型といった複雑な造形、
超巨大移動要塞・ウルトラザウルス、果ては{netabare} ムンベイがF1じみたフォルムのゾイドレースに参戦する{/netabare} など、
第一部での蓄積に安住せず、CGによる、さらなる多様なゾイド表現を探求。
また湖底に沈む水中神殿の回では、波打つ水面のCG表現にも果敢に挑戦。

物語は第一部>第二部ですが、CGは第一部<第二部。
EDクレジットには設立間もないシリコンスタジオの名も。
(後にゲーム開発エンジンでも業績を残した会社なので、ゲーム画面でロゴを見たことある方も多いのではないでしょうか)
日本のCGシーンにとってエポックとなった一作という評価は、
再視聴時でも不変でした。


人物作画は描画、デザインの安定度共に平凡。
一方で、背景美術は、中東成分も付加された、遺跡が眠る荒野を表現した
絵になる風景を数多く提供。
アラビアンナイトな2つの月が浮かぶ夜空をバックに疾駆するライガーとか、
本当にグッと来ます。


【キャラ 4.0点】
主人公少年バン、古代ゾイド人少女・フィーネ、“オーガノイド”ジーク。
少年少女の旅に追随するアウトローのアーバインとムンベイ。

第一部のこの面子が鉄板すぎて。
第二部で、アーバインとムンベイの出番がしばらくご無沙汰になる回が続き寂しかったです。
まぁ、両人の不在を埋めたトーマも、フィーネラブなポンコツぶりなど、ネタとしては面白かったですが。
結局、第二部も終盤以降はアーバインとムンベイも仲間に復帰して来ました。


第一部のラスボス・プロイツェン閣下や、第二部及び全体のラスボスは、
上述した通りボスキャラとしては凡庸。
一方でライバルキャラのレイヴンは、こちらもベタではありましたが、盛り上げに一役買いました。
結局バンのライガーVSレイヴンのザウラーがバトルアニメとしての本作の基軸でしたし。


発明頭脳担当のサブキャラ。ドクター・ディ。
こちらもキテレツ老人ぶりが定番スパイスとなる良キャラ。
まれにしょーもない迷惑行為をしでかすのも、昔のアニメといった感じw
そのドクター・ディ。ムンベイの尻におさわりして
「私の尻は高く付くわよ」と凄まれるカットが今回、妙に印象に残りました。

昭和時代だったら、青少年向けギャグで済まされるサービスカット。
が、時は平成元年にセクハラが新語・流行語となってからおよそ10年経過した世紀末。
セクハラ自粛ムードだけど、やられた側も声を上げないのはダメだよねという被害者責任論もまだまだ強い平成10年代。

アニメもまた時代を切り取るんだなと感じたワンシーンでした。


【声優 4.0点】
主演バン役は当時、若手売り出し中の岸尾 大輔(現・だいすけ)さんが、
やんちゃな少年ロボットパイロットを提供。

フィーネ役の大本 眞基子さん。
抑揚をセーブした物静かな不思議ちゃんボイスで、“綾波系”ヒロイン像を構築。

メインお二人は良くも悪くも流行、定番かなという印象。
味わい深いのが、ここも少年少女役の若手声優を見守る、
既にキャリアを重ねていた大人役の声優陣。
ムンベイ役の渡辺 久美子さんは、奔放な運び屋の歌も含めて、
アーバイン役の故・藤原 啓治さんは、悪態をつきながらも、バンにお付き合いする。
さすらいのアウトローボイスが旅の一団を引き立てるスパイス。

独特だったのが“オーガノイド”ジーク役の鈴木 琢磨さん。
何度聞いても発声原理が分からない不思議な鳴き声ですが、
割と感情が伝わって来るのが、何とも言えない風味です。


【音楽 4.5点】
劇伴は杉内 信介氏とRobert Etoll氏の共同制作。

シンセの重低音が惑星Ziの超古代文明ロマンを煽る。
バトルアニメBGMである以上に、本作の劇伴はSFとして価値があると感じます。


OP主題歌はRAMAR「Wild Flowers」が全67話完投。
懐古なギターサウンドが牽引する、広義のロボットアニメらしからぬバラードソング。
同曲がOPを張り続けられたのは歌詞世界ゆえでしょうか。

“急に泣き出した空に声を上げはしゃぐ無垢な子供たち
慌てふためく大人をよそに遠い瞳で虹の橋 描いてる”

本作の裏に込められた、大人になって忘れがちだけど大事にしたい童心を、
この歌い出しのフレーズからガッチリと掴んで、視聴者を惹き付ける。
ファンの間で名曲と称されるのも頷けるアニソンです。


ED主題歌は4曲。
ですが、今回、再視聴した配信版では、最初の3曲がBGMに差し替え。
どうも、これらの楽曲の著作権法上の権利関係が宙に浮いている模様で。
本作が長らく配信レンタル解禁されない幻のアニメとなっていたのは、
この権利関係の処理難航が一因なのかもと穿ってみたり。

EDがBGMに?と最初は落胆しましたが、見ている内に、
これはこれでゾイドの勇姿をじっくり拝める良いEDアニメかもと、
いつの間にか毎回楽しみな時間に。

いずれにせよ、ED音楽差し替えという強硬策もあってか、
先月ようやくサブスク配信も解禁され、本作がいつでも視聴できるようになって、
本当に良かったです。


EDの中で特筆したいのが、“延長5クール目”を締めくくった
4曲目のEARTH「Your song」
2000年前後のJ-POPシーンはR&Bを受容、消化する中で、
MISIAさん、小柳ゆきさんと、関連アーティストの歌唱力が一つのピークを迎え、声量お化けがゴロゴロいた恐竜時代。
第一線まで行かなかった中にも、傑出した表現力を誇るアーティストが幾つも埋もれていて、EARTHもそんなボーカルグループの一つ。

往時のJ-POPに思いを馳せながら、響き合う奇跡を、此度も堪能させて頂きました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 12

papa0080 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

OPは隠れた名曲

ロボットアニメ好きに是非おすすめの作品

なんと言ってもゾイドが3DCGで動いているのが凄い
この年代でこんなにクオリティの高いCGを駆使したアニメは思い当たらない
ゾイド自体は結構前から存在していたがアニメになったのはこの作品が初めて…のはずです

ストーリーは平凡なはずなんだけど各話が新しいキャラによる物語であったり
新しい出来事が展開する事が多かったので退屈する事はありません
前半終盤戦、後半終盤戦ともに王道ではあるものの
熱い展開を見せてくれるのは大変よかった

キャラクター達ひとりひとりが中々の個性があるのも良い点
特に主人公の成長ぶりは見ていて本当に清々しく、誇らしく思える物でした
他にも脇役含め魅力的なキャラが多くクールをきどってる癖になりきれていない奴や
非撃墜王(笑)荒野の運び屋お姉ちゃん、不思議ヒロインちゃん
特別なゾイド、オーガノイドの相棒はメカの癖に可愛いと多彩

動物を元にしたメカは様々な種類があってモチーフも多彩
ライオン、虎、狼、恐竜、昆虫等、独特な良さがあり素直に格好いいと思えるものも多い
さらに良い点として機械生命体である事があげられます
生命体であるため傷つけば命を失う、そのためゾイドと搭乗者の間に絆が生まれる
これは家族として扱われる犬や猫と似たものであると思います

本来30話程度で終わるはずが人気が出たため60話程度制作されたのも
今後ゾイドシリーズは多数作られるもこの作品が一番人気があるのも納得出来る面白さ

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

zemin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シリーズで一番熱いゾイドバトル

辺境の村に住むゾイド好きの少年が、共和国一のゾイド乗りになり、国の危機を救うまでの成長の物語は、王道な展開ですが見応えがありました。遺跡で出会った少女と旅をするストーリーは、ルナシルバーストーリーに似ているかもしれません。

第一部(少年編)と第二部(ガーディアンフォース編)の2部構成ですが、自分は第一部の方が好きです。第二部も首都陥落からの展開はかなり熱いです!


小学生のときにリアルタイムで見ていました。いまだにシールドライガーからブレードライガーに進化した回と、少年編でのバンとレイブン決着回は覚えています。

OPとEDの曲もこの作品によく合っていて素晴らしいです。毎週、OP曲のWild Flowersが流れるのを楽しみにしていました。

My Favorite Character
バン・フライハイト(少年編)。明るく、ガッツがあり、そして子供なのに鬱陶しくない、お手本のような少年主人公キャラだと思います。バンが大人になってからは破天荒さが減って、妙に常識人になってしまって少し残念でした。(フィーネも)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3
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