ライバルで心理戦なおすすめアニメランキング 7

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早速見ていきましょう!

81.7 1 ライバルで心理戦なアニメランキング1位
りゅうおうのおしごと!(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (850)
3819人が棚に入れました
玄関を開けるとJSがいた―

「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」

16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。九歳

「え?、・・・弟子?え?」

「・・・おぼえてません?」

覚えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。
ストレートなあいの情熱に、八一も失いかけていたモノを取り戻していくのだった。

声優・キャラクター
内田雄馬、日高里菜、佐倉綾音、金元寿子、茅野愛衣、久保ユリカ、橋本ちなみ、小倉唯

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

16歳の竜王なんて原作1巻の頃はただの絵空事と思っていたけれど…。(追記: 10歳の囲碁プロ棋士(女子小学生)誕生に寄せて)

== [下記は第1話視聴時レビューで以下、視聴前レビューと追記レビューが続きます] ==
第1話を観ました。アニメの1話目として構成するための時系列の整理などはあったものの、欠落して拾われなかったエピソードは今のところないと思います。

作画も良く、『りゅうおうのおしごと!』のアニメのツカミとしてはほぼほぼ満点かと思います。

1巻目で八一が対戦する神鍋歩夢(かんなべ あゆむ)の他、JS研の面々が喋っていたり、他の女流棋士が台詞はないものの八一とあいの横を通り過ぎて行ったりしていました。この辺りはアニメならではの演出ですね。

通常OPがEDに使われていましたが、夜叉神天衣(やしゃじん あい)や祭神雷(さいのかみ いか: 通称イカちゃん)、釈迦堂里奈(しゃかんど りな: 別名エターナルクイーン)なども出ていました。イカちゃんや釈迦堂さんも本編で出番があるのでしょうか。楽しみです。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで] ==

== [以下、視聴前レビュー] ==
2017年冬アニメ本命候補作ということで、視聴前レビューです。

原作は同タイトルのライトノベル(GA文庫刊)で、作者は『のうりん』の作者として知られる白鳥士郎先生です。まだ原作は終了していませんが、おそらくアニメは区切り良く終われるものと思われます。

タイトルの「りゅうおう」は将棋の棋戦タイトル「竜王」のことです。主人公の九頭竜八一(くずりゅう やいち)は中学生でプロ棋士となり高校には進学しておらず、16歳4ヶ月で史上最速の竜王タイトル保持者となったという設定です。

この『3月のライオン』の桐山零よりも凄い経歴は1巻刊行当時は「まあフィクションだからね」と軽く流せたのですが、藤井四段の登場により絵空事とは言えなくなってきました。

まあ、それはさておき普通なら竜王とはいえ十代の男の子が容易に弟子などとるはずもないわけですが、あにこれのあらすじにもある通りそこに小学校3年生の雛鶴あい(ひなづる あい)が、弟子にしてくれと現れるところから物語は始まります。

本作の構成要素としては「将棋」、「ロリ成分」、「ラブコメ」が三本柱として挙げられると思います。加えて「成長物語」としての構造も持っています。

「将棋」については主人公の他、あいを始めとするヒロイン・サブヒロインがことごとく将棋関係者である点、「ロリ成分」についてはあいを始めとするヒロイン・サブヒロインを含めた女子小学生が多数出てくる点、「ラブコメ」についてはあえて「ヒロイン・サブヒロイン」という書き方をしている通り八一を男性主人公とするハーレムラブコメ的な構造がある点が該当します。

ヒロイン(と敢えて言ってしまう)の年代は小学生のあいと夜叉神天衣(やしゃじん あい)、中学生の空銀子(そら ぎんこ)、そして年上のおねえさんポジションの清滝桂香(きよたき けいか)と多岐にわたります。

そして少なくとも原作では加えて八一以外にも「ヒロイン」相当のキャラクターに関しては同時に「女性主人公」とも言える局面・エピソードがあり、各々の成長物語として読むことができます。

これら将棋/ロリ成分/ラブコメ/成長物語の4つのうちの2つ以上に乗っかることができれば、おそらく楽しく視聴できると思われます。

原作のの知名度や書籍売り上げ的にはもちろんですが、個人的には2018年冬アニメ本命候補の1つでお勧めです。
== [以上、第1話視聴前レビュー] ==

2018.1.16追記:
第2話目を観ました。ちゃんと八一と歩夢が対局している盤面が出ましたね。原作で具体的な盤面を想定していたか覚えていませんので後で読み直してみます。誰が監修しているんだろう?
→ アニメのホームページのスタッフのところに野月浩貴 八段がアニメ将棋監修としてクレジットされていました。にゃん^^さん、情報提供ありがとうございました。

2018.3.28追記:
全話視聴完了。序盤はキャラ萌え要素を強めに押し出して視聴者を掴もうと試みて、原作の「将棋に関する真剣勝負」的なシリアス成分は、ほぼ終盤の3話くらいに集めてきた感じのシリーズ構成でした。

1クールで原作5巻分は尺的にきつかったとは思うのですが、ここが話のひとつの切れ目でもありどうやら原作者の意向でも沿っていたようなので、こういうものだと思うことにします。

原作の知名度アップ、売り上げ増への貢献はたぶんそこそこ見込まれていてその目的は果たしたといえると思います。

改めて「原作は面白いですよ」と言っておきます。ただ、JS要素はだいぶん薄まってきている気がするのでそちらに期待の向きに対してはご期待には沿えないかもしれないのですが…。

あと、ご承知の通り現実の方が「原作殺し」にかかっていてそこは今後どうなるんでしょうね(笑)。

2019.1.31追記:
将棋と囲碁という違いはあるものの、つい先日10歳の少女である仲邑菫(なかむら すみれ)さんが4月からプロ棋士となることが決まりました。プロ棋士内定に際してや格上相手と目される対局に際しての記者会見がYouTubeで観られたりするのですが、この会見の様子などを観ていると雛鶴あいのキャラクター造形にはライトノベル特有の記号化を感じる一方、一面のリアリティも感じました。

仲邑さんは既に女流のトップ棋士や元世界最強棋士などと対戦しているのですが、「胸を借りる」などという様子は見せず普通に「負けて悔しい」、「もっと強くなりたい」と言い放つメンタルを備えています。

あいちゃん以外のヒロインやサブキャラクターの子供たちは「ライトノベル的に造られた」感じが濃厚ですが、あいちゃんの場合は何らかの道で天才と称されたり早くから第一人者として活躍する人に独特の雰囲気を湛えていて、常人の感覚からはかけ離れた部分があるのはある程度リアリティを原作者なりに検討した上でのものなのだろうなと思ったのでした。

原作は決着していないのですが、あいちゃんはラブコメ的な決着の如何によらず、きっと他の女性キャラとは一段違う八一と並ぶ「主人公」なんでしょうね。

……ということで、原作はけっこう面白いです(笑)!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 67
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

胸が熱くなる、熱血将棋アニメ(少々、ロリ系ラブコメ要素あり)

原作未読。最終話まで視聴。

最初の頃は『ロリ系ラブコメアニメか?』と思っていました。
しかし、3~4話辺りで、間違いに気付きました。

この作品は、かなり胸が熱くなる、熱血将棋アニメでした。
「3月のライオン」とは一味違う、熱血将棋アニメです。

盤上を見つめる真剣な眼差しに、心を鷲掴みにされます。

ただし、『ロリ系ラブコメ』要素も、かなり紛れていますけどね(笑)
”緊張”と”緩和”のバランスの取れた、かなり面白い作品でした。

【物語】
真剣な将棋モードとラブコメのバランスが良かった。
感動と笑いは相性が良いと再確認できました。

【作画】
非常に安定していたと思います。
特に、真剣モードの『目力』はとても良かった。

【声優・キャラ】
豪華な声優陣が、個性豊かなキャラを上手く演じていたと思います。

【音楽】
OPは曲も画も、とても良かった。
みんなの真剣な眼差しに、OPだけでも感動があった。
EDも、銀子ちゃんの恋心を描いた、いい感じのEDでした。


【以下は、各話レビュー的な「何か」です】(笑)
{netabare}
【第1話】
主人公は、弱冠16歳で竜王のタイトルと取った若き天才・九頭竜八一。
小学3年生の雛鶴あいと再会し、あいを内弟子として育てることに・・・。

掴みは満点。今後の展開に期待。

【第2話】
JS研ですか?小1もいるんですか・・・?
ロリ王確定ですね(笑)
JS&JC絡みのハーレムラブコメか?

【第3話】
あいの真剣勝負はなかなか目を見張るものがあった。
単純なハーレムラブコメではないのかも?

【第4話】
もう一人のあい(天衣)ちゃん登場。
やはり、将棋の時は真剣だ。
単純なロリ系ハーレムラブコメではないらしい。

【第5話】
うん!見誤っていた。
これは、ロリ系ハーレムラブコメなんかじゃない!
真面目な将棋アニメだ。
スポコン系だ!

ただ、主人公の周りが可愛い女の子だらけなのが少々気にはなる(笑)。

【第6話】
八一は苦手な相手の対策に勤しむ。
あいも新たな壁にぶち当たる。
相変わらず熱い物語。

【第7話】
桂香さん回。感動回。
研修会の年齢制限が近づいてきている桂香さん。
「20歳の私へ」~「10歳の私へ」
ありきたりな話かもしれないけど、感動した。

八一の姉弟子・銀子の「将棋星人」の話も良かった。
銀子の八一に対する本音。
普段はクールな銀子の熱い思いが伝わってくる。

順序が逆になったけど、八一の「諦めない将棋」も良い話だった。
弟子のあいから学んだ「あきらめない将棋」が窮地の八一を救い、八一は更なる高みへ更なる・・・。

相変わらず熱い物語。

【第8話】
女流棋界最大の棋戦「マイナビ女子オープン」
チャレンジマッチ(予選の予選)にあいと天衣、桂香が参加。
本戦で1勝すれば、研修会の成績とは関係なく、一気に女流棋士になれるので、桂香にとっては起死回生のチャンス。

【第9話】
マイナビ女子オープンの予選が始まる。
無事に1回戦を勝ち抜いたあいと天衣、桂香。
あいの2回戦の相手は女流帝位・祭神雷。
この日は8月1日。
あいにはどうしても負けられない理由が・・・。

あいが身を乗り出して「こう、こう、こう・・・」と呟きだすと、こちらも熱くなる。

後半、八一の竜王戦の相手が決まる。
現役最強の『名人』
タイトル100期・永世七冠を賭けて八一とのタイトル戦に駒を進めてきた最強の敵。
八一も最大の戦いが始まる。

【第10話】
竜王戦は7戦して先に4勝した方がタイトルに輝く。
現・竜王の八一は名人に圧倒され、3連敗。
後がなくなった八一は、余裕がなくなって・・・。

八一の絶望的な気持ちはよく分かる。
名人に今までの努力を否定されたようなものだから・・・。
小学生のあいちゃんに当たってしまったのも、理解出来なくもない。
それだけ八一は真剣だってことだし・・・。

『3連敗からの4連勝』この後の物語の展開は分かっている。(恐らくですけどネ)
大事なのは過程だと思う。
今後の展開から目が離せない!

【第11話】
マイナビ本戦開幕。(10話から)
あいは1回戦敗退。
天衣は1回戦突破。一足先に女流棋士の申請資格を得るが、とりあえず保留すると言う。

銀子は八一の元へ。
しかし、八一は「迷惑だ!」と言って追い返してしまう。

銀子からその話を聞いた桂香は・・・。

桂香のマイナビ1回戦の相手は「永遠の女王“エターナルクイーン”」釈迦堂。
起死回生で女流棋士を目指す桂香の最大の挑戦が始まる。
そして・・・。

今回も良い話でした。
言葉や態度で八一を励まそうとした、あいと銀子。
それに対して桂香は、{netabare}最強の敵との将棋で、八一を励ました。
「報われない努力はないんだ!」って。{/netabare}

ラストの前夜祭は、どう見ても{netabare}八一とあいの披露宴{/netabare}にしか見えないですよね・・・。
まあ、大人ばかりだから、誰も本気にはしていないんだろうけど(笑)
ただ、あいの両親のから見れば{netabare}嫁に出したようなものなのかも知れない{/netabare}、なんて思いながら見ていました。

しかし、銀子ちゃん。
なかなか苦労が報われないですねぇ・・・。

【第12話】
この作品の最大の魅力である、”緊張”と”緩和”のバランスが心地良い、とても良い最終回でした。

あいちゃん、可愛かった。
銀子ちゃん、可愛かった。
ただし、声を大にして言いたい!
私はロリコンになった覚えはありません!
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 66
ネタバレ

すがさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ろりろりん♪

あいくるしい女子小学生が出てくる将棋アニメ。

将棋部分はガチだが、将棋の知識が無い人でも気軽に楽しめるような作りになっていた。
ちょっと違うけど、イメージとしては『ロウきゅーぶ!』に近いかも。


\小 学 生 は 最 高 だ ぜ !/


さらに、登場人物に、実在する棋士の要素を入れていたり、
シナリオに、将棋界で実際にあったエピソードを織り混ぜていたり、
対局では、プロの実戦で現れたことのある展開が使われていたりと、
将棋ファンに向けた楽しみもきちんと用意されているので私もニッコリ。

私は以前、新潟から東京の将棋会館へ足を運んでいたほどには将棋バカで、
自宅の本棚にも、何十冊もの戦術本が並んでいる。

オタク特有の自分語りになるが、私の語彙は、それらの将棋本による影響をかなり受けていると思われ、
友人や先生から「可笑しい表現」を指摘されることもしばしば。
自分ではよくわからないけれど、あにこれでレビューを書く際にも、もしかしたらその癖が若干入っているかもしれない。



以下、知っているとドヤ顔できる(かもしれない)将棋界の小話など
↓↓↓
{netabare}
【「詰め将棋」について】
{netabare}
作中でも説明されているように、「詰め将棋」とは、将棋の基礎的な特訓である。
多くの「詰め将棋」を解いて暗記することで、
放っておくと王様が確実に詰まされてしまう状態["詰めろ"]にいち早く気付くことができるようになる。

勝てそうな場面なのに、詰まし切れずに逆転されてしまったり、相手のヤバイ攻めをうっかり放置してしまったせいで"頓死"したり…なんてことが減って、
逆に負けそうな場面では、相手をワンチャン"頓死"させるバリエーションが増える。
要するに、勝利の可能性が格段に広がるわけだ。

おそらくほとんどの日本人が知っているであろう有名な若きプロ棋士、藤井聡太さんは、
普通にプロ棋士も参加しているような大規模な「詰め将棋大会」で、なんと小学6年生の時に優勝している。

その藤井さんが、今なお快進撃を続けていることからもわかるように、
「詰め将棋」能力とは、定められた時間制限の中で闘う将棋対局において、とても大切な力なのである。


竜王タイトル所持者である「八一」に匹敵するほどの「詰め将棋」能力を持った「あい」ちゃんが、具体的にどうヤバイのか、

…おわかりいただけただろうか。{/netabare}



【人間の棋力と「将棋ソフト」について】
{netabare}
私が言うまでもなく、"物事を吸収する力"というのは、年齢が若いときほど大きく、
大人よりも高校生が、高校生よりも小学生が、小学生よりも幼稚園児の方が、成長スピードは速い。

高校3年生から将棋を学び始めたという「桂香」が、棋力に伸び悩んでいたのも至極当然のことで、
強い棋士というのは、幼少の頃から将棋に浸かっていた人が大半を締めているのだ。

八一闇落ち回で、八一が銀子に「奨励会員ごときが~」みたいな暴言を吐いてしまうシーンがあったが、
「奨励会員」というだけで、一般人とは次元が違うレベルの強さだし、
「奨励会」の下部組織に相当する「研修会」に入るだけでも、人生を懸けるだけの覚悟が必要となる。

そんな人たちの中で、最終的に結果を出すことのできた桂香のエピソードは、その努力量を想像すると感動せざるを得なかった。
これ、原作ラノベで読んだら号泣しそう。


話は変わるが、藤井聡太さんの強さの根幹は、幼い頃からの、将棋の学習方法にあると云われている。

それは、「将棋ソフト」を使った戦術研究である。

《人類と最強CPU、どっちが強い?》
なんてテーマの企画は、誰もが一度は聞いたことのあるものだと思うが、
CPUの性能は年々着実に成長していき、
数年前、「将棋ソフト」の棋力は、プロ棋士のそれを遥かに上回っていることが結論付けられた。

「最強CPU」は、腕自慢棋士の挑戦相手なんかではなく、今や現代将棋を塗り替えていくもの、
"人類が学ばせていただくためのコンテンツ"となったのだ。

人類が長年の研究により築き上げてきた戦術を無情にも覆していく「将棋ソフト」。
一手一手が好手なのか悪手なのか、ある場面での最善手は何だったのか、敗着はどの手だったのか、
これまで将棋の研究をしていく中で、いくら人間が考えてもはっきりとしなかった場面の形勢を、数値として親切に教えてくれる「将棋ソフト」。

もう、神様、仏様、ソフト様って感じ。

そして、そんなに頭の良い「将棋ソフト」が台頭し始めたのは、ほんの数年前のことである。
もちろん、それは、パソコンさえあれば誰でも自由に利用できるものなのだが、
現役のプロ棋士の幼少期には、そんな便利システムは存在しなかった。

それに対して藤井さんは、十代前半のフレッシュな脳で、「将棋ソフト」を使った濃密で非常に効率的な学習法によって、将棋の知識を取り込んできたというわけだ。

「大のベテランたちが、新人にやられ続けて情けない。」
とかいっても仕方がないのである。

だからといって、
「環境とタイミングに恵まれた藤井さんはズルい!強くて当たり前じゃん!」
というのも理不尽な話だが、
実際のところ、藤井さんの快進撃はこれからも続くだろうし、
そんな藤井さんを越えうる棋士が現れるとしたら、それは藤井さんよりも若い世代でしかありえないだろうな、というのが、私の考えである。

まあ、藤井さんがズルいっていうよりかは、ソフトがチートすぎる。こんなんチーターや!


チートすぎる「将棋ソフト」だが、それゆえに問題も抱えている。
レーティング性のネット将棋アプリなどで、ソフトに最善手を教えてもらいながら対局をするという《ソフト指し問題》だ。

リアルで向かい合って対局をする棋士には関係無いことなのだが、
私のように、スマホやタブレット、PCなどでネット将棋を楽しんでいるアマチュアの間で、そんなしょうもない行為が横行している。
(とはいえ、大体は指し手の時間間隔と手順のキモさで簡単にバレるから、即刻通報されて垢BANされる。)

「ソフト指し」、やられるとマジで勝てないから止めてほしい…。{/netabare}



【将棋対局における「棋譜」について】
{netabare}
この作品の対局は、元となる対局が存在しているのにも関わらず、盤上がほんの一部しか映らないなあと感じた人もいると思う。放送当時は、
「にわか作者」
「手抜き」
「もっと具体的な手順を見て戦術を勉強したかった!」
といった、辛辣な意見もあった。

これについて触れていこう。

「作者がにわかだから対局を鮮明に再現できない」ってのに関しては、この作品創作に日本将棋連盟の協力があることから的外れ。

あとの2つに関しては、そもそも、
「この作品の本質はソコじゃない。」
といってしまえばそれまでなのだが、もうひとつ大きな理由が考えられる。

それは、近年の将棋界で問題とされている、
《棋譜の著作権問題》だ。
これには、将棋連盟も頭を抱えているようである。


事の始まりは、とある将棋系人気YouTuberが、
とある棋戦(公式大会)で行われている対局の棋譜を、リアルタイムで並べて検討する、
という内容の配信をしていた時のこと。

その大会を運営?する会社がその配信者に、
「権利侵害」と、Twitterで警告をした。

ネットニュースになるくらいには大事になったが、実際に事件にはなっておらず、
配信者がその配信を止め、無難に謝罪するような形で、その出来事は解決した。
しかし、ここで大きな疑問が生まれる。

《何の権利が侵害されている?》

映像の二次配信をしていたのであれば明確な著作権違反であるが、本件では、放送番組そのものの映像や音声は流れていない。
ただ配信者が自らのPCを使って、駒を並べていたにすぎないのである。(※ただし、視聴者が吸いとられるので公式に"迷惑"はかかる。)

しかし、某社は配信者に、「権利侵害」と伝えた。

これまで、
《ボードゲームの棋譜に著作権は無い》
というのが通説であったのだが、
判例が無い以上、誰かが裁判を起こして確認するか、日本将棋連盟からの太鼓判を待つしかない。

どこまでが大丈夫で、どこからがアウトなのか、結局誰も回答を出せなかったから、
その出来事をきっかけとして、多くの配信者(やその視聴者)は、
公式戦の解説動画や、検証動画などで用いる棋譜について、非常にセンシティブに取り扱うようになった。


だから、本当にあった対局が用いられている『りゅうおうのおしごと』でも、
盤上を長時間映し続けることは、敏感な視聴者から批判の声を浴びるリスクがあるのだ。{/netabare}{/netabare}



最後に、この言葉を残してレビューを締め括りたいと思う。

{netabare}
姉 弟 子 L O V E ♥️{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 40

81.6 2 ライバルで心理戦なアニメランキング2位
ちはやふる3(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (347)
1668人が棚に入れました
クイーンになる夢も、将来の夢も諦めたくない! この一瞬に一生を懸ける―――――高校2年生の夏、新入部員と共に全国大会へ出場した千早たち瑞沢高校かるた部。団体戦では常勝校・富士崎高校を破り瑞沢高校が念願の初優勝、個人戦ではB級が太一、そしてA級では新が優勝を果たす。千早は団体戦で負傷した右指の手術も無事成功し、太一と共に富士崎高校の夏合宿に参加する。顧問の桜沢先生によるスパルタな指導にもめげず、名人・クイーン戦に照準を合わせ練習に励んでいた矢先、出場が危ぶまれるある事実を知ることに……一方、チームを持つことでかるたへの可能性が広がることが知った新は、かるた部創設に向け動き出していた。新たなるライバルの登場、これからの進路、クイーンになる夢……等身大の高校生によるひたむきでまっすぐな想いと情熱が溢れ出す第3期が開幕!

声優・キャラクター
瀬戸麻沙美、細谷佳正、宮野真守、茅野愛衣、奈良徹、代永翼、潘めぐみ、入野自由、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

普通どこかでダレてくるもんですよ

原作既読 1期2期視聴済み

『アニメ3期決定!』

1期放送が2011年。2期2013年。ざっくり7年ぶりなわけであります。
この吉報は多くのファンから歓迎の意をもって迎えられました。自分も高揚感がハンパなかったっす。
聞けば、実写映画ヒットとメディアミックスでの収益化。福井での細く長いファンのバックアップ。単純に「原作のストックが…」というわけにはいきません。商売面でも企画を通すだけの材料が揃っての3期ということで大げさでもなく奇跡的な続編となりました。ひとえに感謝感謝です。
なお、どんな内容でどんなキャラがいてみたいな説明はばっさりカットであいすみません。
競技かるたに取り組む高校生らの奮闘記です。

 {netabare}方言指導 安済知佳{/netabare}

アニメに限らず映画『上の句』『下の句』『結び』もなんですかね。名も知れた華のある声優さんが裏方に回り後方から支援にあたる。細谷さんのセリフ部分を録音して毎度提供してたりしたんだとか。
福井南雲会と藤岡東高校。そこに確かな“福井”があった裏に福井人あり。
起用の経緯までは存じ上げませんが、このクレジットから役職や知名度に関係なく「良い作品作るぞーっ!」という熱のようなものが伝わってきます。
作品そのものも以前と変わらぬ熱量をもった安定の名作でした。

 ・質の高い原作
 ・継続したスタッフ
 ・変わらぬモノづくり

正直これ以外ではパッとしない『99RadioService』の継続起用もそうだし、2クールものでの楽曲使用では一般的な手法。1クールで曲交替をせずに2クール通して同じ楽曲を使い続けるやり方も1期2期そしてこの3期も変わることはありません。
1期から9年経過してるわけです。
キャストだってキャリアを重ね現在、皆一線級の活躍をされてます。監督さんはじめクリエイターさんだってそう。9年の蓄積を糧に色気を出したくなるのが本音でしょうに見事なまでにそのまんま。継続は力なりを実践されてますね。古典に向き合う上での“型”や“作法”を大事にしてるともいえます。

 {netabare}“作品制作の熱量”{/netabare}

 {netabare}“変えない勇気”{/netabare}

1期からの視聴者は変わらぬ様式美を堪能できます。
原作の信頼とそれを活かす勝利の方程式を知り尽くしたスタッフが仕上げる逸品にハズレはなしです。


 とかいって実は3期ってマンネリなん?


これがまた違うんですな。同じことやってても現状維持も覚束なくて“劣化”と捉えられることも少なくないシリーズもの。
瑞沢高校の面々。間違いなく本作の中枢を担う高校生たち使ってきっちりと掻き回してくれます。ざわつきの原因はしっかり1期からの流れを汲むもので納得感もある。本作の源泉、ちはや・太一・新のかるたを通じた三角関係のことです。
そしてこの三人が作品の根として、瑞沢高校かるた部を例に、同級の机くん・肉まんくんは第二波。1期25話で定評を得てからの第三波で筑波くん・花野菫。登場順で分けられると思うのですが…
想像してみてください。人気作であればあるほど通常は一→二→三と後続のキャラになるにつれ思い入れは浅くなってきます。『SLAM DUNK』みっちーやリョータ『俺ガイル』いろはすのように後から出てきてきっちり中枢に入り込んでくる事例は複数あるものの、けっこう難しい作業なはずです。
そんな『ちはやふる』3期は花野菫のターン。{netabare}この一年間過ごしたかるた部での時間が彼女を人間的に成長させました。“人間的に”です。未だ見ぬ4期ではかるた的な覚醒にも余地を残してたりします。筑波くんは変わらず筑波くん(笑){/netabare}


安定感のみならず、本流でしっかり動きをつけてきたわけでマンネリとも無縁な良作といって差し支えなく、これまで1期2期と視聴されてきた層が視聴を躊躇う理由は皆無と思われます。
ここまでで失速らしい失速も感じませんのでご新規さんも1期25話ずつとボリューミーではありますがこれらを安心材料とみてぜひこの世界に飛び込んできてくれたら嬉しいですね。お待ちしてます。



※ネタバレ所感

■この作品の恐ろしいところ

1.{netabare}もの凄く高いレベルで安定{/netabare}

これまで上のほうで書いてきたやつです。引退間際のイチローだって並の選手と比べれば高いパフォーマンスを残してたのにどうしても比較対象がイチローとなってしまうくらいには我々もマヒしてる。
ここではジョージ・シスラーの年間安打記録を更新した頃と変わらぬパフォーマンスを数年後も保っていて「いやー、良いシーズンだったね」と日常を楽しんでるのに似てるくらい普通の出来事。それでいて「内野安打減ったのは年齢じゃね?」とか無責任に放言してたりもする。
キープするための努力は確実にある。振り子足の幅が狭くなったことやサイズアップといったマイナーチェンジは言われてみないと気づかないレベルなんです。
 

2.{netabare}じじいと子持ちママを主役に!{/netabare}

まさにこの選択をできてしまうのが『ちはやふる』という作品の凄みだと心の底から思います。このレビューで一番訴えたいこと。
高校選手権の比重の高かったこれまでのシリーズからその上流工程、名人戦クィーン戦に重きを置いた3期でした。そして各々絶対王者に挑む挑戦者にこの人選。あり得ない(褒め言葉)。

{netabare}原田秀雄(CV三宅健太)猪熊遥(CV坂本真綾)両名のことです。
片や爺さん。初の名人戦。元々ナイス脇役の原田先生を無理に表舞台に乗せたところでという不安。
片や出戻り。3期初登場の元クィーン。坂本真綾さんで話題作り。はいはい分かりますとノーマーク。

ひとつ冷静になって、爺さんと出戻り以外の選択肢はなかったか?
例えば名人対綿谷新にしとけば新VS太一を活かした展開に容易に繋げられます。強い男子は他にもいます。須郷みたいな若手でも坪口(白波会)や村尾(南雲会)みたいな中堅どころでも不思議はありません。
そんな男子と比べて女子側。こちら対クィーンは新キャラで穏当だった気もします。めぐむたんやまさかの桜沢先生も選択肢としてはなくはないんですけどね。
挑戦者確定で思ったこと。原田先生は想定外。猪熊さんは桜沢先生との絡みも楽しく、とはいえ両名ともかませ犬ポジションを大きく逸脱しないだろうくらいで構えてました。

結果、

 {netabare}誰ぞ二人をかませ犬と誹ることができようか?{/netabare}

周防名人にとって初めて本気で闘わないと勝てない相手だったのが原田先生。
詩暢ちゃんにとって自分以上に札に好かれてるかもと思わせしめた相手だったのが猪熊元クィーン。
鉄面皮と言ってよい圧倒的な個性持ちだった二人の心をぐらつかせる激戦は本作のクライマックスだったと思います。それでいて、千早・新・太一ら若人の物語ともがっつり繋がっているというね。{/netabare}


あと超絶に好きだった猪熊さんのこの台詞。

{netabare}「やっぱりお腹の子、女の子だと思う。お願いしたのよ。男の子でもいいから勝たせてくださいって」

母になると○○ちゃんママの呼称を受け入れて折り合いをつけてく過程が生じます。この子には自分が必要だと思う母性の発動で徐々に消えてく個性や本人の意思。要は諦める作業です。
そんなして一度切り替えたスィッチを再度切り替えるのは旦那の協力があっても困難極まりないことでしょう。復帰するにしても自分なりのルールを決めて。とても納得感がある心の動きです。
そんな思いをして復帰して、マイルールをしっかり守って、でもやっぱり限界はあって子供にも負担をかけて、とクィーン戦を前にして無理がたたってるのも見え隠れしてきた猪熊遥。思い出できたからと気持ちが切れてもおかしくありません。彼女にとってあくまで日常は普段の家庭生活なんです。
そんな彼女がクィーンへの執着を示した精一杯の願い事が上のセリフ。男子三人はマジたいへん。ガキンチョの叫ぶ「一生のお願い!」とは比べ物にならない重みがあります。イマイチ理解できてなさそうな未婚の桜沢先生の表情もいい。{/netabare}



■名人戦クィーン戦に向けて

・名人戦
対立構図や対比がシンプル。
周防名人に新と太一が絡むのでまだ読めないところはある。

{netabare}「青春全部かけてから言いなさい」
を地でいき、かるたに人生を賭けた男と、かるたにしか人生を見いだせなかった男の対比だったのが原田VS周防でした。
全部かけて運命の女神は微笑んだか?運命戦の結末が一つの答えでした。
それでも試合後の清々しい先生の表情が素晴らしい。{/netabare}

{netabare}未来の挑戦者/太一と新はそれこそ一つに絞れないほど多くの場面で、行動言動の比較があったり、同じだったりしてました。その中で一つだけ印象的な場面を挙げると、周防名人のインタビュー場面。
名人を引き留めた新と名人の引退を望んだ太一がどうしようもなく二人らしい。
「真島 おめぇ 卑怯なやつやのー」
引退を望んでることが卑怯とはならないでしょうが、名人につっかかる新を目の当たりにして思うところがあったんだろうなとみられる後の展開です。
卑怯な奴である自分を克服するストーリーが太一自身には必要ですからね。{/netabare}

・クィーン戦
けっこう同じもの同士。

{netabare}若宮詩暢と綾瀬千早に絞られたと思われる。{/netabare}




そもそも最初のアニメ化の時点で紆余曲折があったものらしい。曰く、“売れなそうな商品”。
「セールス的な期待値は低いがアニメ化する意義ある作品」と関係者が企画を通し結果ヒット。

その後、ペイできる実写版がもう完結したし、3期をやる旨味がほぼほぼ無かったろうところをアニメ続編実現にこぎつけたことが至極ありがたい話です。
4期やってくれるかな!?根拠なく全幅の信頼をこの関係スタッフに置いときます。宜しくね!


最後に原田先生役での石塚運昇さんと宮内先生役での藤田淑子さんの訃報に際しあらためましてご冥福をお祈り申し上げます。
後任を見事に務めた三宅健太さん鳳芳野さんお疲れ様でした。



視聴時期:2019年10月~2020年3月 リアタイ

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2020.05.06
《配点を修正》-0.1


2020.03.30 初稿
2020.05.06 配点修正
2020.10.23 修正

投稿 : 2024/12/28
♥ : 55
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

時は流れゆく、波は砕け散る

アニメーション制作:マッドハウス
監督:浅香守生、シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン:濱田邦彦、
音楽:山下康介、原作:末次由紀

2008年に講談社の少女漫画雑誌
『BE LOVE』で連載を開始して10年以上。
現在では、コミックスが45巻まで刊行され、
累計発行部数は2500万部を超える。
その影響力は、全国に伝播し、
かるた競技人口を大幅に押し上げた。

私は2期が始まるタイミングで
アニメ1期の再放送を視聴し、
物語世界の虜になった。
2期の放送終了時には諸々の理由で、
アニメ化が当分は難しいことが確定していたため、
コミックスを全巻購入。現在も追いかけている。
ちなみに実写映画は未視聴。
映画ヒットの恩恵もあってアニメ化につながったので、
実写化が宣伝として大いに役立った好例だ。

綾瀬千早、綿谷新、真島太一という
幼馴染の3人が物語の中心。
それに加えて部活のメンバーや
ライバル、先生、主人公たちの家族までを
深く掘り下げて描写しているのが最大の特徴だ。
まさに、微に入り細を穿つという言葉が当てはまる。
もちろん、競技かるたの魅力も
余すところなく表現しており、
ポイントを分かりやすく解説。
勝負の分かれ目における思考法や作戦、
必殺技?までを描くことで、
地味と思われていた競技を魅力的に見せている。

3期における最大の見どころは、
これまで楽しく過ごしてきた日々や関係性も
永遠には続かないことを
多くのキャラクターが自覚することだろう。
特に3人の関係性はモラトリアムの状態が
長年続いていたが、決着をつけなければ
ならない時期が迫っていた。
作者がこの物語世界を終わりに向けて
動かし始めたことがはっきりと感じられる3期だった。

競技かるたによってつながった幼馴染3人は、
それぞれに競技に打ち込む理由がある。
千早は競技かるたに対する一途な気持ち。
強さを渇望し、遠くにいる好きな人を近くに感じながら、
クイーンの座を目指している。
新は永世名人の祖父の才能を受け継ぎ、
幼少から積み重ねた努力によって
祖父が辿った道を歩んでいる。
太一は、かるたとの決別を常に意識しながらも、
複雑な想いを胸に抱いて競技を続けている。
才能の面でふたりより大きく後れを取る太一だったが
競技かるた特有の「感じ」とは別方向の
記憶力と洞察力に磨きをかけて覚醒し、
千早を脅かすほどの実力を発揮する。

原田先生の活躍や猪熊遥の登場が、
このクールのもうひとつの大きな見どころ。
両者は膝の痛みや母乳の出る体を抱えた状態で、
年月がもたらす残酷さを何度も味わいながら
懸命に戦っていく。
原田先生は、千早と太一に対して、
いつも含蓄ある言葉を投げかけてくれる存在。
その戦いぶりに、特に太一は心を動かされる。

人は時間経過の必然として変わっていく。
高校卒業後の進路はもちろん、
3人の関係性も、ずっと同じではいられない。

太一は、小学生のとき
千早が好意を持っていた新にかるたで勝利するために
新の眼鏡を隠すという行動に出てしまう。
そのときの自身の暗い感情とずっと対峙しながら、
千早や新のような真っ直ぐな生き方を目指した。
そして、仲間とともに競技かるたに青春をかけてきた。
「青春全部懸けたって、新より強くはなれない」と
思っていた太一は「懸けてから言いなさい」と
原田先生から窘められる。
この言葉が、ずっと太一の心の奥にある。
千早のことが大好きで、ずっと一緒にいたい気持ち。
太一にとってのかるたを続ける理由。
それは千早の存在だけだと思い込んでいる。

{netabare}告白の前に開催された太一杯。{/netabare}
原作を読んでいたときは、
あまり必要のないエピソードだと感じていたが、
アニメで改めて観ると、
ある意味、このクールでいちばん重要な話だと感じた。
ここで行われた源平戦が3人の原点。
競技かるたが人生を豊かにしてくれるのだ。

{netabare}そして、太一の退部後にその気持ちに対して
千早が想う源重之の歌。
「風をいたみ 岩うつ浪(なみ)の おのれのみ
砕けてものを 思ふものかな}
(風が強くて波が岩に向けて砕け散るように、
私だけが心が砕けんばかりに、
あなたを思い悩んでいる)
「私が岩だったんです。岩で粉々に砕いていたんです。
太一の気持ちを。ずっと、ずっと」と
千早は言葉を絞り出す。
千早は太一のこれまでの気持ちを深く想像していた。{/netabare}

太一の行動と決断は、どのような結果をもたらすのか。
かるたを好きな人々の感情と
仲間に対する想いを掬い上げながら、
物語はいよいよ終盤に向かっていく。

3人の関係性の変化とともに、
クイーン・若宮詩暢と名人・周防久志の
生き方にもスポットが当たる。
新は、競技かるたに対しての深い理解を求めて、
千早や太一から1年遅れでチーム作りを始める。
競技かるたがもたらしてくれた大切なもの。
それはどんな形となって現れるのだろう。

感情が解き放たれるクライマックスが近い。
(2020年4月25日初投稿)

15年の連載を終えた原作
(2023年4月2日追記)

{netabare}昨年末に最終巻の50巻が発売され、
完結を迎えた『ちはやふる』。
実は読了したのは、つい最近のことだった。
最終巻のコミックスは購入していたのだが、
ずっと放置して、読めずにいたのだった。
それは終了するのが名残惜しいというよりも、
終わり方については、おおよそ想像ができていたので、
敢えてすぐに読まなくてもいいだろうという思いだった。
もちろん、そこには終わってしまう一抹の寂しさもあったのだが。

そして読了したあと、
納得できる部分も多かったし、驚かされることもあった。
改めて末次由紀氏の温かさに触れたような気にもなった。
この作品は、小倉百人一首のかるたを広く全国に広めて、
競技人口を増やすことに大きく貢献した。
また、読み手やトップの競技者、競技かるたを楽しむ
多くの人々の想いにもスポットを当てた。
競技に対する深い理解も作品のなかで表現した。
最終回を迎えるにあたり、作者が思っていたことは、
おそらく競技かるたとそれに関わる人々に対する
「感謝」だったのだろう。
いや、ある意味、当然のことかもしれないが、
15年間の連載を通して、マイナーな競技かるたに
関わった作者は、コミックスの登場人物のような人々と
ずっと交流してきたのだろうという気がした。
私がちはやふるを読んでいて、いつも感じていたのは、
登場人物たちの圧倒的なリアリティとそこにある深い理解だった。
どのキャラクターも、まるでそこにいるように、
楽しんだり、悩んだり、苦しんだり、そして仲間たちと
喜びを共有していた。
私にとっては、それは奇跡のようにも思えた。
人の気持ちに寄り添うというのは、
こんなにも辛いものなのだと思いもした。

そんなことを含めての最終盤。

作者が行き着いたもの、
選んだもの。

それが凝縮されているように感じた。
長年にわたる競技かるたの世界との関わりで
着地したところは、深い感動を与えてくれた。
ぜひ、アニメで最後まで表現して欲しいと願う。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 67

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ずっとスポ根なの?恋とかないの?→恋愛モード突入!!

3期も、開始早々、息も尽かせない激しい展開!

百人一首の競技やってる人、
ひたすら格好よく見えます!!

観てるだけなのに、
このまま試合に出ても勝てそうなグライ。
何か、競技かるた、解ってきてる気がします!

でも実際は、肉体も、脳も酷使する
マインドスポーツ!

そんな簡単な訳、ないですよね(´д`|||)(>_<)

でも、それでいいんです!

千早ちゃんには、
選ばれれた人にしか見られない世界、
しっかり見届けてほしい!



♪♪♪♪→って思ってたら、
名人位挑戦者決定戦の終了直後!
新君が、唐突過ぎるタイミングで
千早ちゃんにいきなり!!!!
周りにかるた部のみんなとかもいるのに(>_<)

これは恋愛免疫ゼロの千早ちゃんでなくても、
固まっちゃいますね~(≧▽≦)

ここでまさかの、周防名人も参戦?
太一に瞬殺されてたけど(#^.^#)

さあいよいよ、
太一v.s.新の、戦いの始まりでしょうか?!


◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻

24首観終わりました。
本当は何日か前に観終えてました。
3期までずっと、おまけ回入れて25話ずつ。
4期がラストで、ちょうど100首で完結だと思うけど、
原作のボリューム考えると、あと25話で、
きっちりまとめられるのか、心配です( ̄▽ ̄;)

お話の方は、ラスト近くからは、
恋バナ全開でしたね(#^.^#)
太一と千早の不器用さが、際立ってて、
菫がどんどん格好よくなってしまって。

富士崎合宿で始まり、富士崎練習風景で終わる展開。
お話の切り方が、2期同様に、
不自然に中途半端な感じですけど、
「恋バナもあるけど、これは熱血かるたストーリーなの!」って強調してる感じで、
私は続きを素直に待ちたいって思いました。

3年生になった途端にあんなことになったけど、
予備校では、太一君と周防さんが、
運命的に遭遇しちゃって、
ちゃんと太一君の、先に続く道があって、
きっと新君と、東西決戦になる流れ。
個人戦にシフトした太一は、
団体戦をとうとう手に入れた新と、
凄くいい戦いが出来ると思うんです。

ちはやふるは、熱血の、
からくれないの紅色だけじゃなくて、
青春のサクラ色や、かなわぬ恋心の深い青も混ざって、
いよいよクライマックス!
って感じです。

凄く、待ち遠しいです(≧▽≦)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 47

89.7 3 ライバルで心理戦なアニメランキング3位
DEATH NOTE-デスノート(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (2485)
12947人が棚に入れました
「そのノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という力を持つ、死神が落とした恐るべきノート・デスノート。
天才的な頭脳を持ち、退屈を持て余していた高校生・夜神月(ヤガミ・ライト)がそれを拾った時から、すべては始まった。デスノートを使って、世の中に溢れる犯罪者たちに次々と死の制裁を下していく月(ライト)は、いつしか「キラ」と呼ばれるようになる。
果たして月=キラは、世界を救う救世主なのか。それとも独裁的な殺人者なのか。
キラを崇拝する者、その行為を否定する者。世界は大きく揺れ動いていく…。
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ジャンプらしからぬ作品。

原作 漫画 既読

週間少年ジャンプ掲載されてた作品です。

少年ジャンプには3原則があります。
1、友情
2、努力
3、勝利
このデスノートにはちょっと当てはまらない、云わば邪道作品。(良い意味で)

一言で言えば「面白かった!」
リアルタイムで観ていましたが、
毎回ドキドキハラハラさせられ、毎週楽しみでした。

名前を書くだけで人を殺せるノート
それを使って夜神月(やがみライト)が犯罪者を葬り、犯罪の無い世界を創ろうとします。
神でもない一個人が人を殺す・・・やっていい事ではない・・・。それは殺人です。

それを止めようとするLとの頭脳戦。
驚く展開&スリリング、難しい話作りに関心させられます。

個人的意見ですが~
ライトのしている事は間違っているけど・・・
自分には子供がいますが、もし、子供が事故とかではなく、殺害されたり、イジメで自殺したとして、その犯人をライトが葬ってくれたら、きっと感謝してしまうと思います。(自分はそんなにできた人間ではないので・・・。)
ライトがいなくても、自分が地獄に堕ちてでも犯人を殺してしまうかもしれないです。(子供が殺されたと考えただけでも気が狂いそう)

Lの登場により、ライトがどんどん悪者に(特に目つきが・・・)なって行ったのが、ちょっと残念でした。
もし、Lの様な人間が現われなかったら、どんな世界になったのか?
ちょっと観てみたいですね~。(こんな事考える自分はいけないかな?)

物語の最後は、 {netabare} 社会的モラルとしたら、やっぱりな結果で、何かもやもやするというか、いまいちスッキリしない最後でした。 {/netabare}

作品的には楽しめたけど、
もし自分がノート拾ったら・・・
もし自分の家族が犯罪者に殺されて、ライトがその犯人を裁いたら・・・
もし、自分の友達がライトだったら・・・
自分はどうする?どうしたのだろう?
など、いろいろ考えさせられた作品でした。

Lとの頭脳&心理戦もかなり熱く、続きが気になる作品です。

見る価値は十分あります。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 66
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

誰もが一度は考えるテーマ性。緊張感が途切れない!

原作既読。実写映画視聴済み。

名前を書き込むと人を殺せる「デスノート」。
夜神月(やがみ らいと)は、ふとしたきっかけでデスノートを拾う。
「世の中を良いものにする」という信念の元、彼は犯罪者を次々に殺害。
やがて「キラ」と呼ばれるようになっていく。

対するは、世界最高の天才名探偵「L(エル)」。
キラを捕まえるために全力を尽くす。

お互い、正体も居場所も分からない状態から、相手を出し抜き、見つけ出す。
そんな両者の頭脳戦を描いた物語です。

テーマは「正義とは何か、裁きとは何か」と言ったところでしょうか。
犯罪者がいなくなるのは喜ばしいことです。
しかし、人の手で、犯罪を犯した人間を殺すことは正しいのか?

横から見て楽しむ話なのですが、見所がたくさんあります。

・目的は変わらないものの、その手段が徐々にゆがんでいく、夜神月の心理描写
・誰も思いつかないようなLの作戦
・両者だけではなく、私たち一般人に近い周囲の人々の行動
・スピード感のあるアクションシーン。

頭脳戦がメインにもかかわらず、緊張感がいつまでも途切れません。


【テーマ性について】

私は現在、法律関係の資格取得を目指しています。
法文を読んでいると、法律のもつ矛盾性が見えてきます。

例えば、
・人にウソをついてはいけない
・人を傷つけてはいけない

この二つの法律があったとします。
「人をかばうためにウソをついた人をどう裁くか」と言われたら、何と答えますか?

単純化してみましたが、このように法律は矛盾でいっぱいです。
むしろ、矛盾が無ければ弁護士も裁判所も必要ありません。
どこかに価値基準=正義の基準を置かなければいけません。
これらを指摘する言葉が作中にあります。
{netabare}
夜神総一郎「確かに、法律は完全ではない、それは、人間が不完全だからだ。今の法律は正しくあろうとした人間が積み上げてきたものだ」
{/netabare}

しかし、キラはその基準を自分自身に置いてしまっています。

誰もが抱く、「悪人はいなくなって欲しい」という気持ち。
これは、キラの価値観にもつながります。
そして、その価値観に共感させつつも、キラを悪役として描く。
それには、「命はかけがえのないものだ」といった「倫理観」「道徳観」と対立させる意味があります。

ただの天才同士の頭脳戦に留まりません。
自分の価値基準を判断する材料にもなる、良くできた作品だと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 101

にゃにょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

頭脳戦楽しかったです

頭脳戦がとても面白かったです。
不思議能力系のお話はたくさんありますが、能力を使っての直接バトルが多い中、こういった駆け引きメインで相手の出方をみていくような戦い方は珍しいと思います。
しっかりとしたストーリーで見応えがあり面白かったです。
有名な作品でもありますし観て損はないと思います。

さて、私は原作を先に読んで実写映画も観ましたが、アニメが他に劣っているようには感じませんでした。
アニメにはアニメの良さがあったように思います。
実写映画ではストーリーがかなり変更されていますし(あれはあれで凄く面白かった!)、原作を読んで細かずぎてつっかえてしまった人にはアニメ版から観るのもありかもです。
絵と文字だけの世界に音が入るだけでもかなり見易さが違ってくるのではないかと思いますので…。

特に目立って不可な部分はなかったように思います。
ストーリー文句なく面白かったです。(原作と違った部分にも私はそれほど違和感は感じませんでした。)
作画、とても綺麗でした~。
音楽、イイんじゃないでしょうか…?
声優さんの頑張り具合は素晴らしかったと思います。
キャラ、癖のある奴ばかりで面白いです。
ミサミサはアニメのほうが可愛かったかも~♪

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15

79.2 4 ライバルで心理戦なアニメランキング4位
天鏡のアルデラミン(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (905)
5026人が棚に入れました
隣接するキオカ共和国と戦争状態にある大国、カトヴァーナ帝国。その片隅で一人の青年が戦乱に巻き込まれようとしていた。名はイクタ・ソローク。戦争嫌いの怠け者で女好きという、およそ軍人とはかけ離れた人物だ。幼馴染であるヤトリシノ・イグセムとともに高等士官試験を受けた彼は、二次試験への送迎船で、看護学校出身のハローマ・ベッケル、旧軍閥名家のマシュー・テトジリチ、そしてヤトリと同じく忠義の御三家の一角、レミオン家のトルウェイ・レミオンと出会うこととなる。道中、彼らと賑やかな時間を過ごしていたその時、突如船が座礁する。総員退艦となり脱出する5人……だが、そこで一人の少女が船から海へ落ちる姿が目に入る。ためらわず、大荒れの海に飛び込むイクタ。そして、彼は少女の小さな手を握った。時に帝歴905年。それが後に常怠常勝の智将と呼ばれた男と、帝国最後の皇女と呼ばれた女の初めての邂逅。“約束された敗北"へと向かう、物語の発端である――。

声優・キャラクター
岡本信彦、種田梨沙、水瀬いのり、金本涼輔、間島淳司、千菅春香

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

悪くないかな…。→ まともな戦記物で、面白い!(…ので原作買った。)

ライトノベル原作(電撃文庫刊)。既刊10巻なので不人気ではないはずですが、私は未読です。
→ 面白いので原作を買って読み始めました。現在既刊10巻すべて読了。(2016.10.1)

契約した精霊がパートナーとして各キャラについています。主人公のイクタは、同郷で名家の娘っぽいヤトリが仕官のために都へ上るにあたって、試験でヤトリを助けたり引き立て役になったりするために同行します。

途中で同じ試験を受けに行く人たちと一緒に乗った船が難破して…、ということで後は書きませんが、とりあえず主人公は軍師・参謀タイプです。

そういう設定で1話目から有能そうに見える主人公はなかなかいない気がしますが、イクタはちゃんと有能そうだったので視聴継続して完走しました。

かなりちゃんとした戦記ものです。

本作は主人公のイクタ以外の、「騎士団」を始めとする周辺キャラが魅力的です。原作では敵方も魅力的ですが、アニメ化範囲では顔見せ程度の感じで「続きが知りたければ原作で」になってしまいますね。

…作画は、崩れというよりは動きの点でちょいちょいダメっぽいですが(笑)。
2016.07.30追記: 力の入れ処をわかっているようです。これは大丈夫そう。

全13話で原作3巻まで+後の巻からの幼少期回想エピソードを消化しました。

原作はかなり長い話になりそうで、アニメ化部分はいわばプロローグみたいなものです。

2017.12.12追記:
原作は13巻に到達。もうすぐ終わるっぽいあとがきでした。そういえば原作ではわりと重要人物である気がするトリスナイ(カトヴァーナ帝国宰相)って、アニメではキャスティングされていないどころか、ロクに名前も出てこないですね…。

続編が作られれば登場するとは思うんですけど、まあアニメ化された範囲では名前は出ていても事実上出番はなかったですからね…。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 59
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

内容の詰まった戦記物でキャラクターを見るのも楽しい

2016年夏アニメ。ライトノベル原作、全13話の戦記物です。
原作は2巻途中まで読了。ペースとしては原作3巻までのアニメ化のようですね。
原作より全体的に地味な印象に作られたアニメというのも珍しいかも。

キャラ物と戦記物のバランスの良さが良いですね。これは原作の良さでもあり、きちんとアニメにも反映されていると思います。
原作からのカットや短縮が沢山あるだろうと思っていたのですが、原作の内容もかなり詰まっているのであまりカットしていませんね。全13話でストーリーをキリの良い所まで進めるためにどうしても詰め込み気味になってしまった印象。
カトヴァーナ帝国の斜陽ぶりがわかりにくくなっていることと精霊の活躍が少なくなっていること、軍事関係のシーンが少なめになっているのも勿体無い点ですが、原作の進み具合からしてここしか切りようがなかったと思われます。
必要な情報を言葉での説明に頼らない(あるいは尺のために削らざるを得ない)ため、繰り返し視聴する人向きだと思います。

キャラクターは全体的に個性がわかりやすくイクタ以外のメインキャラクターが皆常識的なので、かなり見やすいと思います。人間関係もさっぱりしていてとても印象がいいです。
イクタは女たらしだったりと癖のある性格で、何話か進まないと良い所がはっきりと出てこないので苦手な人は苦手だったようですが、私はとても好きですね。{netabare}「人材の適材適所」という考えがイクタ本人にあるため、汚れ役を引き受けることが多くて痛々しいシーンもあるのですが、そこが良いバランスになっています。{/netabare}

キャラクターの配置も上手で、完璧系キャラと成長型キャラの両方が味方におり、それぞれに抱える問題・はっきりした美点欠点が設定されているため、誰にも感情移入できるし、好みのキャラクターは見つけやすいと思われます。

精霊も可愛くて好きですね!
見た目はちょっと癖がありますが動きや仕草が可愛らしく、主人に対する献身が健気ですし、物語に必要な存在として大切に描写されマスコット然としていないのが好印象です。……ねじまき要素は原作でも大分後にならないと出てこないという話。それはちょっと残念です。

キャラクターデザインに原作イラストよりずっと地味な絵柄を選択したのはチャレンジだったと思います。
でも堅実な世界観を作るという明確な意図が感じられて面白いですし、それぞれ良し悪しはありますが、個人的にはマシューのキャラクターがしっかり嵌っているのはアニメ版の絵柄だと思います。

戦闘シーンに作画全力投球というのが徹底していて素晴らしいです。接近戦に力が入るのは勿論ですが、長距離狙撃のシーンも本当に丁寧な作画ですし。
他の部分も常にきちんとしていて、コンテ演出も常に安定していて映像面で違和感は全くありませんでした。

OPは絵と歌詞の意味が物語が進むにつれ分かって行く作りで、最後まで見るととても感慨深かったです。じわじわ嵌って行きました。

{netabare}
第5話で子ども時代のイクタのヤトリに対する「君がいないと僕怪物に食べられちゃう」の台詞が色々想像させられますね…怪物とは狼の群れなのか、他の何かなのか。
むしろ人間を襲撃したものの返り討ちにあい、群れを崩壊させられた狼達のほうが喰われた側という描写なのが意味深です。
狼たちも幼少のイクタとヤトリも、戦った理由は生き残るため。弱肉強食ならぬ弱肉弱食とでもいうべき構図がやりきれない。
(※「弱肉弱食」という言葉は何年も前にどなたかのブログで見かけました。ブロガーさんのことも内容のことも今ではうろ覚えなのですが、酷く象徴的なこの言葉が忘れられません。)

人間もまた、正常な感性を持ち泥を被ってでも誰かを守ろうとする人(リカン中将、トァック少佐、カンナ、デインクーン)ほど腐った国に、あるいは周囲の大きな意思に喰われ飲み込まれていきました。
主人公であるイクタでさえ相手を納得させる言葉を用意することで自分の意志に他人を巻き込んでいくのですが、そこに理性と誠意があるからやりきれないものにはならずに済む。
他者と関わり合いながら生きていく上で人は「喰らわずにいられない存在」なのかも知れませんが、喰うか喰われるかの関係にならずに済む方法も、イクタの生き方によって明示されているのが良いなと思います。

第9話「ささやかな面目の行方」での食堂のシーンは正直その時は笑って見ていたんですが、「戦士」「勇者」にさらには「騎士」と次話で「ケダモノ」という言葉が飛び出したことで、人間のサガと理性、第5話で示された喰うものと喰われるもの、第8話「いつか、三度目に」から繋がる守りたいものと守れないもの、と明確にテーマ性が纏まっていく興味深い構成になっていると感じました。
……まさか伏線なんて思わなかったよ、あの猥談シーンw 考えてみれば尺がカツカツなんだから無意味なシーン入れるわけ無いですねw

「戦士」と「勇者」を飾らない自分だとすれば、「騎士」は他者にいかに誠実に向き合うかという理想を自分自身に課す在り方なのではないかと思います。
そして「ケダモノ」は自分のために他者を食い荒らすことに抵抗感を持たない存在。それは仔のために人間を襲った狼にさえ劣る在り方です。

シャミーユが願う国の在り方は、国を人に見立てるならば「騎士」に近いものなのでしょうね。しかし、シャミーユは自身の目的のためにイクタを喰らい飲み込もうとしています。敗戦国の軍事最高責任者なんて、正しく“すり減らされて捨てられる英雄”であるのは間違いないのですから。
イクタにとっては大事な存在(ヤトリ)を喰われないために逃げ出すか、人を喰らうばかりでない国を作るかという二択になるわけですが、どちらにせよ、仲間や身近な人が喰らわれる可能性は非常に高い酷な選択です。

イクタとヤトリの信頼関係を象徴する演出として二人の背中合わせの構図が一貫して強調されてきましたが、向かい合うシャミーユとイクタは全く正反対の関係性なのですよね。喰うか喰われるかという緊張状態にさえ見えてしまう。
第1話からずっと見て来たこのOP、本当によく出来ているなと思います。
{/netabare}

他の人の感想にもあるとおり、先がすごく気になる作品になってしまいましたが、本作単品でも十分に楽しめるようにはなっています。
色んな理由で1クールでの構成が難しい作品だったと思われますが、ヤスカワショウゴさんのシリーズ構成凄く良かったです。
物語の入り口という形にはなってしまいますが、気になる人にはオススメします。(2016.11.17)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

エイニス さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

主人公最強

主人公最強系アニメです
個人的には主人公最強系の中ではかなり良い作品だと思います

理由は明確です
ちゃんと理由がある強さだから
潜在能力が〜だとかそういう類の理由の強さではない
それって最近無かった設定なので
どこがどう最強で、どうしてなのかとか
そういう部分で楽しめるからです

あとはそうですね
アニメだからと全てがハッピーとかじゃなく
光だけでなく影もきちんと描かれてるのもいいです

それと個人的には重要な事ですが
女の子だけで物語が構成されてるとかじゃなく
カッコいいオッサンとかも登場するのもオススメです
すごく重要な要素です!!!

現時点は10話まで見たところですが
良ければ参考にして下さい

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

89.2 5 ライバルで心理戦なアニメランキング5位
銀河英雄伝説(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★★ 4.3 (948)
4066人が棚に入れました
西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。宇宙に進出した人類は、専制政治を敷く銀河帝国と民主共和政を唱える自由惑星同盟の二大勢力に分かれ、 150年にもわたる断続的な戦争を続けていた。長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、両陣営に2人の英雄が出現する。銀河帝国の貧乏貴族の家に生まれたラインハルトは、姉を皇帝に奪われた事をキッカケとして、銀河帝国を奪い取る野望を胸に軍人となり、出世していく。 一方、敵国である自由惑星同盟にあって、不本意ながら軍人になってしまい、不本意にも関わらず功績を立て続けるヤン・ウェンリー。 一見正反対の彼ら2人の登場により、人類の歴史が大きく展開し始める
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

銀英とあにこれとアニメ業界について

あにこれに参加して1ヶ月時点で書いたレビューを書き直しました。

この作品のレビューを書くのが目標だった。(2013/11)
{netabare}
◆一つのアニメとして

色々な要素を一つ一つ見て、トータルして完成度が高いのは攻殻。

ただ、銀英はアニメ作品というの枠の外。それをあえてアニメ作品
として評価するとしたら・・、

物語:98.0 作画:3.5 声優:72.0 音楽:4.0 キャラ:86.0

こういった馬鹿げた事になってしまう。

名作アニメ達が「3階建て、エレベーター、室内プール、シアター
ルーム、防音設備完備、トイレは各階に5つ」とかそんな規模なのに、

「万里の長城みたいなのを作りたいんだけど・・、一応設計図はある
んだ」と、そして出来てしまった。

つまりアニメ作品単体と比較するのではなく、アニメ業界全てと対比
すべきよーなもの。


◆世間一般でのイメージ

検索 富野由悠季VS田中芳樹
検索 銀河英雄伝説対ガンダム全作品

方向性が違うので、比較するような事では無い気がする。


◆対象年齢

ある程度水準が高めの大人にしか多分本当の価値は理解できない。

けど、中学~高校の若いうちに見た方が、色々な意味で有益な作品。
10人中7~8人位が分かる程度の内容にはなっています。


◆若いうちに見る意味

キャプテン翼は日本だけではなく海外のサッカー選手にまで大きな
影響を与えた訳ですが、

検索 キャプテン翼をこよなく愛する海外のサッカー選手
検索 キャプテン翼に影響をうけた海外のサッカー選手

それは単に面白いサッカー漫画であるという事で、サッカーを始め
るきっかけや精神面、モチベーション部分に良い影響があった。

キャプテン翼を読んだ、あるいは視聴した
⇒ドライブシュートが打てるようになった
⇒それが実際のサッカーでも役に立った
という事では無い訳です。

最近話題の黒子君のミスディレクションにしても、バスケで使える
かと言えば、使えない、無理がある。

銀英も基本的にはそういった性質、作品を見ただけで具体的な何か
が向上するという事ではなく、あくまでエンターテイメント。

しかし、サッカー作品ならサッカーに、バスケ作品ならバスケに、
同じ分野に関わらない限りはほぼ役に立たない多くの作品と違って、
銀英は普通の人生を送る上でも色々な面で良い影響がある。

多くの事に興味が持てるようになる、知識が吸収しやすくなる。

学生のうちは国語(現代文、古典)、政治(政治経済)、哲学(倫理)
歴史(日本史、世界史)、軍事(戦略、戦術)、権力や宗教、戦争の
本質、世の中の仕組み、魅力的な話し方、文章の書き方等。

自分は理系で学生の頃は興味無い分野は嫌々勉強していましたが、
この作品をもっと早く見てれば色々楽しめたはず、知識が身に付くの
も早いかっただろうな・・と、今でも思います。


ニュースを見ていてもビジネス書籍を読んでいても銀英の内容は頻繁
に思い出す「下手糞な言い方してるけど、結局銀英の~じゃん」的な。

イメージ出来るシーンがあると、面倒な話もすぐに理解出来る。

「マンガで分かる~」シリーズの本をジャンル問わず数百冊まとめて
読むよーな、そういった効果があります。

小説(原作)になると序章がキツめなので、まずはアニメから見るの
をオススメします。


◆物語

話の完成度は異次元。三国志クラス。とても個人の脳内から出て来た
話だとは思えない。

星界の紋章、まおゆう(原作の方)、コードギアス、狼と香辛料、カイジ
他福本作品、医龍(漫画だけ)、C - The Money~省略、一部ガンダム
作品(seed destiny等)、攻殻、十二国記、MONSTER、ヨルムンガンド、
デスノート、プラテネス。

全部足して萌えや恋愛、異能の力を抜くと、銀英っぽい話が出来る
かもしれない。


◆キャラ

やはり三国志クラス。

キャラ数を1/10にしても、やはり5.0を付けてしまうと思う。


◆作画

ある程度は我慢してください。

物語、声優、キャラで5.0以上を付けれない為、その分を盛って5.0に
しておきます。


◆声優

桁が違う。作品が出来た時期が非常に良かった。

検索 銀河声優伝説


◆音楽

OPとEDは我慢してください。これも盛ります。

戦闘時はクラッシック使っているので、多分不満は無いはず。


◆名言

名言だらけと言われてる作品と比べ、桁が「2つ」違う。

だから現在でもよくパクられるし、あのアニメのこの名言のネタ元は
ここだったのか・・が結構あると思います。

この銀英の原作者の田中芳樹が、どこからそのネタ持って来たのかを
調べる作業が自分の中で今もなお続いており、その為に読んだ書物が
100~200冊どころではない。だからこそ若い人に薦めたい。


◆戦術は戦略に従属し、戦略は政治に、政治は経済に従属する

銀英で出て来る名言を1つだけ、その応用の仕方も含めて紹介。

現実でも通じる話で、普通の作品はこれ等の一部だけが扱われる
のですが、銀英だと全てが登場し、それ等の関係性が分かります。

 経済 > 政治 > 戦略 > 戦術

【経済】
お金とモノ、それ等の流れ、社会の生産活動の調整、あるいは生産
活動そのもの。個人ならば自分にお金が流れる仕組み(≒何の職
に就くのか、何の仕事をするのか?給与は?)、といった感じ。

【政治】
お金をどう使うか配分を決める、時にはその一定量を戦争に向ける
事もある。

個人ならお金と時間を何に向けるか?戦争に関しては「何を戦争と
捉えるか?」で変わって来ると思います。(一般的には受験や資格
試験、あとは恋愛系、異性に対してのアプローチとか)

【戦略】
どこと戦うか、何と戦うか、そもそも戦うか否かの決定。敵を分析
して戦闘前に有利な状況を作り出したり、計画を立てる。

誰でも知っているであろう「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
というのも、ここに関係してくる。勝てそうにないなら、避けたり
先延ばしにしたり。

【戦術】
戦う事にした、あるいは戦わざるを得なくなった。ではどう戦うか、
追撃は?撤退するタイミングは?という話。

個人で考えると「アニメの視聴」は政治面、戦略面での失敗の類。

アニメ好きで膨大な時間(時にはお金)を投入している方、自分も
同じですが、その時間を有効に使う方法はいくらでもあります。

撤退が嫌なら経済、政治、戦略面に良い影響を与える視聴の仕方を
考えると良いです。

【補給は大事】
銀英は補給を重点的に捉えていて、その事で「実際の戦争は・・」
と軍事オタクの方々によく突っ込まれている。

個人であれば食事や睡眠。精神が疲弊して来たら気分転換、休息、
英気を養う為に遊んでみたりと、そう考えると納得出来るはず。

田中さんがサボるのが好きなので「単に性格が出ているだけ」とも
考えられますけど。


◆話は分かりやすくする事

ある程度専門知識を持ってしまうと、インテリぶって自己満足で相手
の理解を無視して話を進める人が多く、

自身高校~大学の頃はそういった傾向があった訳ですが、この作品
見てからそれが無性に恥ずかしくなり、なるべく知識が無い人にでも
通じる言葉で話す事を心がけるようになりました。

自分より遥かに頭が良くて知識がある人が、分かりやすい面白い話、
つまり銀河英雄伝説を書いていた(アニメでやっていた)ので敗北感
で一杯に、チンケな見栄やプライドをへし折られた訳です。


専門的な事を誰にでも分かりやすく話すのは、自分1人が理解する
3倍の理解が必要ならしいですが、理解不足のお馬鹿に限ってあまり
一般的ではない用語を使い、難しく分かりにくく話す。

聞き慣れない用語を並べるだけ、具体例が出せない、イメージさせる
事が出来ない、簡単に言い換えられない ≒ よく分かっていない。


現実で歴史に「天才」として名を残している人の言葉で

シンプルさは究極の洗練である(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

とか。あとはアインシュタイン、

Everything should be as simple as it is,but not simpler

訳:できるだけシンプルに、ただしシンプル過ぎないように
  できるだけシンプルに、そしてシンプル過ぎないように とか。

銀英の原作者の田中芳樹は「一体何が凄いのか?」という事ですが、
アインシュタインの方の「名言のそのもの」みたいな人で、

情報の噛み砕き方、翻訳の仕方、そのバランス感覚が神憑っている。

この内容は簡単にした方が良い、これは比較した方が分かりやすい、
ここは具体例を出した方が良い、~な内容は直接だと不味いので笑い
に繋げてぼやかす、ここは直球で、ここは理解の妨げになるので全て
省略、これは大事なのでしつこく、みたいなセンス。


人間の脳みそは「大体の事は理解できるが、ちょっと分からない事が
がある位の情報」に出会った時一番活発に働く、心地良いと感じると
言われていますが、

知識が全く無い人にとってのそのレベルの内容を常にキープしている、

「少し難しい、分からない事もあるけど、大体理解出来る、頭に入る、
面白い、どんどん読める、どんど見れる」な感じ。


という事は「元々簡単なジャンルの情報」とか「元々興味がある人に
エンターテイメント性を抜きにして教えるだけ」だったら、出来る人
は結構いる訳ですが(池上○の学べるニュース!みたいな)、

本来一部専門の人しか扱わない情報の数々を大衆が見て楽しめる
レベルにまで落とし、娯楽作品として加工、それが流行るという事が
いかに不気味な事か。


各界で天才と言われている人も、所詮「食えそうな食材を(含めて)
料理している」訳でして、田中は本来食えないもの、彼以外は調理が
できないものを組み合わせて、一流の料理にしてしまった。

古めの漫画、アニメでたまにある「カレーを作ったら爆発した」の逆、

「食材とは思えないものから、見栄えが非常に良い料理が出来、それ
が非常に美味しい」というケース。

食材選択、分量の調整、味付け、料理の腕等で皆が争っている時に、
錬金術的なことをやらかした。


銀英より面白い作品、消費者ニーズに合っている(萌え、エロ、恋愛、
厨二、ゲーム系)作品は腐るほどありますが、銀英は人生で役に立つ
健康食品で構成されているので、いくら食べても大丈夫です。

似た事を冨樫作品(幽遊白書やHUNTERXHUNTER)のレビューにも
書きましたが、彼もまた錬金術士の1人でありながらも、メインで使用
するのは化学調味料たっぷりの有害物質。

非常に美味い、腕は超一流、しかし現実では何の役にも立たない。

2人ともサボり癖がある事で有名ですが、錬金術は膨大なエネルギー
が必要なのでしょう・・ね。そう思わないと、腹が立って仕方がない。


◆比喩を使う

普通の人は本読んだり会話した時に、その内容の1/10も記憶に残る事
がないらしいですが、だったら「少しでも伝わった方が良い」

大抵の場合、話は10のうち7~8位が伝われば十分で、10のうち7~8位
が正確ならばあまり問題は生じない。

そして7~8/10で良いなら例え話、比喩を使うのが手っ取り早く伝わり
やすい。

銀英には色々な比喩が出てきて、古いものや特殊なものも多いですが、
比喩というもの自体に興味が持てるようになると思います。

そもそも銀英という話自体大型の比喩みたいなもので、どの分野の事
も7~8/10程度の中身しか無いし、正確さもやはり7~8/10くらい。

だからこそ簡単で理解しやすい。


◆でも、より正確にしなければいけない話もある

主観なのか客観なのか、想像なのか事実なのか、自分の言葉なのか
誰かに聞いた言葉なのか、本音か建前か、絶対か多分か、

~らしい、おそらく~、~とも言える、~のような、~だと~が主張
している等。

より正確に伝える為に大雑把にまとめたり、別の言葉で言ってみたり、
自分のレビューでも結構あると思いますけど、主に銀英・・というか
田中芳樹の影響。という言い方自体が、田中の影響。


◆話は面白く、印象深く

ネットが一般に普及し、情報過多の時代なので、情報を選別しパッケ
ージングする(まとめる)技術は多くの人が向上している訳ですが、

その分「誰が」の部分、個性が薄れている、記憶にあまり残らない。

大半がテンプレ通りで、似たような情報を似たようにまとめている。

そんな中で「個」を出せるのは、非常に大きな武器になる、アニメの
レビューを書くのをやめても様々な場面で役に立ちます。


◆銀英の作者、田中芳樹の凄いところ

表現、創作を生業にする人の中で天才と呼ばれる方は結構いますが、
言葉の響き、使い回し、意味ありげなぼやけた表現で読者、視聴者を
惹きつける人ばかり(歴史に名を残している人含め)の中で、

そういったセンスを十二分に持ちながらも、基本的には「言葉の持つ
意味、内容の力」でダイレクトに惹く。

芸術家的な気取りがない、含みで盛る部分が無い、あっさりしている。


・名言や過去の偉人達と友達感覚

「権力、権威」を重視しない気持ちが「情報、過去の偉人達」にまで
及んでいて、必要以上に敬意を持っていない。

嫌いなもの、納得のいかないものはあっさり否定が出来る、ひねくれ
た解釈も出来る、だから普通組み合わない様々な情報と結び付いて、
通常の作品の数百倍になる量の数々の名言が生まれる。

いかなる名言、表現であろうとも一般的な情報と同等、一度原点部分、
意味の方に立ち返り、ストーリーの状況に応じてアレンジしあっさりと
再構築が出来る。

知識が凄いんじゃねーんです、知識も化け物染みてますが、その使い
方が凄いんです、色々な作品に出逢えば出会う程にその凄さが分かる。

最終的にはその部分を学んで欲しいです。そうすれば少ない知識でも
書ける事、話せる事の幅が何倍、何十倍にも広がると思います。
{/netabare}
アニメ視聴数が100未満、銀英を見た事が無い若い人に向けてのメッセージ的な。


あにこれの影響力とアニメ業界全体について
{netabare}
◆あにこれの影響力

運営している方々が優秀なお陰で「アニメ ○○」という検索ワード
でランキング、おすすめ、口コミ、評価等で1位や2位にあり、アニメ
業界の人間は意識せざるを得ない。

消費者からの評価、口コミというのは年々影響力が強くなっている為、
「ここでダメな評価をされにくい作品」を制作しなくてはならない。

少なくとも「どういったものが好まれるのか」の傾向はある程度掴む、
余程アホな企業じゃ無い限りは、その位の仕事はしているはず。

検索 今年のアニメのBD/DVDの初動売上をまとめたら凄いことになった

とは言うものの、ここの評価と売上には「あまり関係性は無い」ので、
そこまで重視はされない。


・業界への影響力を向上させるには

売れたアニメは片っ端から見て評価する人が増え、ここのランキング
が売上に近い形になれば、あにこれというサイト自体と、各レビュー
の影響力が増す訳ですが、

普通にレビューを書く分には、そんな事まで考える必要は無いと思う。

政党で言うと国会の議席数が20未満の野党、いくら騒いでも直接的な
効果はあまりない。

しかし、文章には、というよりも言論には数値とは別の力がある訳で、
優れた意見、主張、見解、分析、批評、論評は人から人へと伝搬する。

小さな点、たとえ1行レビューからだろうと、それが真に的を得ている
のであれば、爆発的に広がっていく。

たかだかレビューサイトの1つと言えども、アニメ業界の人々に「良い
作品を作ろうと思わせる力」「クソな作品を気分良く作らせない力」は
十分に有しているので、

そういった環境でレビューを書いているという事は覚えておくと良い
ような。「いくら文句を書いても無駄」とか、そんな事は無いです。


◆イノベーター理論(Innovator theory)

1、イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する層。市場全体の2.5%を構成。

2、アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集
を行い判断する人々の層。市場全体の13.5%を構成。

3、アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。慎重派ではあるものの、
全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成

4、レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。周囲の大多数が使用して
いるという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成

5、ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベー
ションが伝統化するまで採用しない。市場全体の16.0%を構成。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。


マーケティングの世界では有名な理論で、顧客を新製品やサービスの
購入態度で分類したものですが、「評価」というのも同様。

つまり「2.5%の人の行動(評価)が、97.5%の人の行動(評価)に影響
を与える」という事。

「積極的に新しいアニメを見て、自分で考え自分で評価しいてる」という人
は現在のあにこれでは非常に多く、

アニメは視聴だけならば無料という事もあって、イノベーターの割合は
他のジャンルより多いと思いますが、

それでも10%~20%位の人の行動(評価含む)が、80%~90%に影響
を与えていて、

レビュアーは大多数に影響を与える少数に属しているという事。

勿論、影響を与えると言っても一部(マイノリティを気取りたい人とか、
厨二病的な人)にはマイナスの影響だったりもしますが。


銀英だとハイドリッヒ・ラングが

「全体を100としてそのうち51を占めれば多数による支配を主張でき
 ます。ところが、その多数派もいくつもの派閥に別れています。

 即ち、その51のうち26を占めれば、100という全体を支配できます。
 多数支配などという共和制の建前が、如何に虚しいものであるか~」

という話をしていますが、そんな感じで考えても良いですし、あとは

パレートの法則:経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成
するうちの一部の要素が生み出しているという説(80:20の法則)

カオス理論のバタフライ効果:通常なら無視できると思われるような
極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象

とか。

実際、どの程度の影響があるかはよく分からないですけど、レビュー
を書くという事は「大多数に影響を与える行為」な訳です。

レビューの内容に迷った時はその事を意識する。


読者に与える影響

他のレビュアーに与える影響

長期で考えて、あにこれに与える影響

更に長期で考えて、アニメ業界全体に与える影響


普段はろくな事を書いていないので、あまり他の方のレビューを紹介
したくないですが、今書いている事自体が

劣悪な衆愚アニメの決定版
http://www.anikore.jp/review/242462/

このレビューの内容が伝搬したものであり、それは書きながら不意に
思い出したのですが、あにこれの隅っこであろうと、誰かはこの事を
訴え続けていかなくてはならない。

銀英的に言うと、政治権力に対するジャーナリズム、そういった立場
にレビュアーはあるという事。

最近クソアニメばかり視聴し、あまり本気でレビューを書く気が起き
ない自分は、二度とこんな事を書くことは無いような気もする。

よって、これを読んでいる誰かが「頑張ってやらないとダメな事」な
訳です。頑張ってください☆

ペンは剣よりも強し。こいつは真理など滅多に存在しない人間社会
の中で、数少ない例外の一つだ。と、ヤン提督も仰っておられます。


◆マズローの欲求5段階説

ビジネス絡みだとたまに持ちだされる話ですが、長期間レビュアーを
していても、似たような欲求の変化が起きる。

自己実現欲求  : 自己の向上、活動をより充実したものにしたい
  ↑
尊重、承認欲求 : レビュアーとして尊重されたい、承認されたい
  ↑
所属、愛の欲求 : メッセージが欲しい、交流したい等
  ↑
安全の欲求 : 批難されたくない、叩かれたく無い
  ↑
生理的欲求 : 読まれたい、サンキューが欲しい

多分、こんな感じ。

欲求を外でも満たせるなら、最初の欲求以外の途中の段階をすっ飛
ばす事もあるでしょうし、必ずしも下から順にという事はないです。

「頑張ってやらないとダメ」とか書きましたが、欲求が最終段階に到達
した一部が勝手に考えて上手く書くと思うので、他に欲求があるうちは
特に意識する事は無いと思います。


◆アニメ業界の衰退

検索 アニメ業界、売上4年連続減、テレビ放送頼みからの脱却を模索
検索 5年ぶりに制作分数が増加、レポートから見るアニメ業界の現状

実際は低迷とか衰退とか言う程にひどい事は無いですが、予兆のような
ものは確実にある。

製品ライフサイクルでいう成熟期~衰退期の段階で

検索 【アニメとマーケティング分析3】今のアニメ産業の『ライフサイクル』について考察!

少し知識があると誰でも考えるよーな話。


銀英の 第40話 ユリアンの旅・人類の旅 から、一部の話を

~しかしながらその平和が続く中で、人類の上にいわゆる中世的停滞
の影が持ち掛かりました。

疲労と倦怠が希望と野心を抑え、消極が積極に、悲観が楽観に、退嬰
が進取に取って代わるようになって来たのです。

実際に科学技術による新たな発見や発明が後を絶ち、人類の生存圏の
拡張も再び頭打ちになっていったのです。

更に政治的にも民主共和政治が自浄力を失い、利権漁りと権力闘争に
のみ興味を示す衆愚政治と化していったのです。

社会的活力が失われ、社会生活や文化は廃退の一途を辿った、人々は
無気力化し老若男女を問わず麻薬や酒、性的乱交や、神秘主義に耽る
者が続出した。

あるいはスピードや暴力に刺激を求め、事故や犯罪が激増し、反比例
して検挙率は低下した。

生命を軽視し、モラルを嘲笑する傾向は深まる一方だった~


人類の未来の架空の歴史の話な訳ですが、開拓が一段落して頭打ちに
なると、大抵のものはグダグダになる。

創造的活力が失われ、アニメ業界、文化は廃退の一途を辿る、人々は
萌豚化し老若男女問わず萌えやエロ、ハーレム話に耽る者が・・

とか、そんな感じに。

進撃の巨人は良い作品だと思いますが、閉塞感の中でスピード、暴力
という点では「まさに衰退期の象徴そのもの」で、ちょっと危ない。


と言っても視聴側には大した被害は無い訳でして、一番悲惨なのは

検索 アニメ制作の現場で働く20代の平均年収110万円

採算ラインに届かないアニメが大量に制作された結果

アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki - 売上ライン一覧

その皺寄せが下っ端に来ている、というのはどこの世界でも同じ事。


◆あにこれは多分まだ成長期

登録者数の推移は知らないので、そういった点ではよく分からない訳
ですが、レビューの質は日々向上し、多様化している気がする。

各自がレビュアーであると同時に読者。そして技量に関係なく読者数
とその質が調整出来る、という点は上手く使えば非常に快適。

どうやって調整するかは書かないですが、察してくださいな事ですが、
単純に増やす事に躍起になった後は、レビュー内容についても色々と
考えると面白いと思います。

作品へのレビューは様々な点からのアプローチが可能で、ここで評価
基準になっている物語、作画、声優、音楽、キャラ以外からでも、


・見た時の状況

年齢が高い方の書く、当時の視聴状況についての話は面白いので好き
です。


・歴史的なアプローチ

ヤン提督の如く、歴史からの考察。歴史と言っても色々な歴史からの
アプローチが可能で、あにこれに長く居るとその歴史からでも色々と
書ける。


・売上からのアプローチ

ここの評価と売上は全く違うので、

検索 アニメDVD・BD売り上げまとめwiki

dvdbd.wiki.fc2.com と www38.atwiki.jp/uri-archive/? の2種類

検索 アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki

この2つはチェックしておくとレビューの幅が広がるかと。


・社会学的、工学的アプローチ

得意な人はやれば良いと思いますが、あにこれだと若干供給が多過ぎ
な気も。インテリな方々が多いんですよね、ここ。


・原作や声優、監督、スタッフ等からのアプローチ

レビューとしては王道ですけど、それだけに若干供給過多気味。


・笑いに繋げる

笑えるレビューが若干少ない気がする。Amazonの

アニマル ビッグフィギュア【親キリン】(等身大フィギュア)とか
対ライフル用防弾シールド

のレビューでも読んで、そういった方向性で突っ走るのも良いかと。


◆言葉は大事に使いなさい、ユリアン

言葉では伝わらないものが、確かにある。だけど、それは言葉を使い
尽くした人だけが言えることだ。

だから、言葉というやつは、心という海に浮かんだ氷山みたいなもの
じゃないかな。

海面から出ている部分はわずかだけど、それによって、海面下に存在
する大きなものを知覚したり感じとったりすることができる。

言葉を大事に使いなさい、ユリアン。

そうすればただ沈黙しているより、多くの事をより正確に伝えられる
のだからね。


◆ポプラン、シェーンコップ、ムライからの影響

自分の話になりますが・・

・ポプラン、シェーンコップからの影響

この2人私生活が酷い有様でも、年少者に対しては「まともぶった事を
言う事がある」訳で、最低限のモラルは有している。

ヤンや田中芳樹とかはどう頑張っても届きそうには無いものの、この
2人くらい・・には、なんとか、的な気持ちがある。


・ムライからの影響

あんなジジイは嫌いですけど、彼が第39話でユリアンに話していた事
はこれまで迷った時に何度も思い出す事になったし、現在ここまでの
内容を書いているのも、ムライからの影響が大きい。


~ 今だから言うが、私の任務はヤン提督の引き立て役だったのだ。

別に卑下したり不平を鳴らしている訳では無い。ヤン提督は指揮官と
しての資質と、参謀としての才能を両方兼備する珍しい人だ。

あの人に参謀が必要だとすれば、それは他人がどう考えているのかを
知って作戦の参考にする為さ。

だから、私としてはエル・ファシルの英雄に参謀として望まれた時、
自分の果たすべき役割は何かと考えて、すぐには結論を出せなかった。

それが出たのはイゼルローン陥落以後だ。で、私は役割を弁えて殊更
常識論を唱えたり、メルカッツ提督にも一線を引いて対応したりした
訳だ。

鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな ~


要するに、自分が必要無いと感じた時も「できる事は何か?」を考え、
その役割に徹する、普通は積極的にやらない事をする、という事。

と言ってしまえばどこの誰でも言いそうな話ですが、たまたま自分に
はムライの言葉が強く残っていた。

あにこれに来た直後、自分よりアニメそのものに対しては知識豊富な
人が沢山いる、そんな状況何を書こうか迷った末に、あにこれ全体に
不足していたものを補う役割に徹しようと思った。

その為には、一部から憎まれようが嫌われようが知った事では無い。

という点についは、「あしたのジョー」からの影響もあり、ストレス解消
という意味での利害も一致したのですが・・。


私は役割を弁えて殊更変な視点でのレビューを書きまくったり、人気
作品にも一線を引いて対応したりした訳だ。

鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな!


2013年夏に復帰した時、今度はレビュアーの質が向上しているという
点に目が行き「自分は何も書く必要なくね?」という状況に陥る。

「私が死んでも代わりはいるもの」じゃねーですけど、現代人特有の
「あれっ、自分いらなくね?」的な捻くれた感じ方は普通にする訳で、
そうすると途端にやる気が無くなる。そして休止。

冬に復帰した直後(つまり現在)もまた同じ事で悩み始めたのですが、
「あにこれがレビューサイトとして正常に機能している」という点では
特に問題は無いものの、

アニメ業界全体は? 萌えエロ産業で、問題だらけ。

レビュアー全体は? 自分と同じように休止する人は多い。

あにこれの細部は? 改善点を上げればキリが無い。

問題点は見えても、不満はあっても、自分にはなんとかする力が無い。

とはいえ、その事をレビューに書くことは出来る訳で、あとはそれを
読んだ力のあるレビュアー(将来的に力を身に付ける人を含め)達に
熱意は伝わる、そしてなんとかしようと活動するかもしれない。

ヤンは民主主義の芽を上手く残した、熱が冷めやすい自分は熱が急激
に上がった際に湧きでたここまでの思考をレビューに残す。

この行為の意義については、後世のアニメ好き達が判断する事さ!
{/netabare}
こちらはアニメ視聴数が100以上、投稿レビュー数もそれなりの人への話。
銀英の話を持ち出しているので、多少のネタバレを含みます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 88

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

徹底して高水準を突き詰めたアニメ

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

長期間もののアニメは、作品の中身が真水であることは少なく、水増しが主であるが、銀河英雄伝説はすべて真水である。
それはTVアニメの見逃しによりストーリーがわからなくなり、結果的に重要な回を設けられないという問題点をすべてOVA作品にすることで解決しているからだ。
視聴していない回があるのならば、購入して観ればよい。拠って見逃すことによる混乱は回避された。
過去のネックとなっていた問題が消失したことにより、本編だけでも110話という壮大なストーリーを描ききることが可能となったのである。
今でこそ映像技術の差により粗さが見られるが、OVA作品による手抜きのない画像だけで構成されている。作画崩壊などありえない。
また、当時の著名な声優はほぼすべて登場するため、銀河声優伝説と評される時もある。
要約すると、非常に質の高いSF作品の原作、画質では豊富で潤沢な予算が取れるOVA作品、銀河声優伝説というほどの豪華な声優陣、音楽は重層なクラッシックと、
何一つとして低レベルの要素がない作りになっているのだ。

銀河英雄伝説には名言集ができるほどの名言が散りばめられている。
ネットでは個人的に挙げるものが多くあり、検索すれば簡単に閲覧できる。
その中でも、これから視聴する人に向けて、ヤン・ウェンリーとラインハルト・フォン・ローエングラム、
二人の名言の幾つかを紹介したい。


ユリアン、戦っている相手国の民衆なんてどうなってもいい、などという考えかただけはしないでくれ。国家というサングラスをかけて事象をながめると、視野がせまくなるし遠くも見えなくなる。できるだけ、敵味方にこだわらない考えかたをしてほしいんだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

法にしたがうのは市民として当然のことだ。だが、国家が自らさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき、それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ。なぜなら民主国家の市民には、国家の侵す犯罪や誤謬に対して異議を申したて、批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

ユリアン、吾々は軍人だ。そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる。軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない。それは不公正なことではない。なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ神髄があるからだ。強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない。


        ――――ヤン・ウェンリー――――

人間の歴史に「絶対的な善と絶対的な悪の戦い」など存在しない。あるのは、主観的な善と主観的な善との争いであり、正義の信念と正義の信念の相克である。
一方的な侵略戦争の場合ですら、侵略する側は自分こそ正義だと信じているものだ。戦争が絶えないのはそれゆえである。人間が神と正義を信じているかぎり・・・戦争は無くなるはずがない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。貴官たちは言論の統制を布告した、それだけでも、貴官たちが帝国の専制政治や同盟の現在の政治を非難する資格はなかったと思わないか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

中尉……私は少し歴史を学んだ。それで知ったのだが,人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。命以上の価値が存在する、という説と、命に勝るものはない、という説とだ。
人は戦いを始めるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年も続けてきた……このさき、何千年もそうなんだろうか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

戦う以上、犠牲が皆無と言う事はありえない。だが同時に、犠牲の増加に反比例して戦勝の効果は減少する。
 この双方の命題を両立させる点に用兵学の存在意義があるはずだ。
つまり最小の犠牲で最大の効果を、という事であり、冷酷な表現を用いれば、いかに効率よく味方を殺すか、という事になるだろうな・・・。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


軍隊は暴力機関であり、暴力には二種類あるって事だ。
支配し抑圧するための暴力と、解放の手段の暴力だ。国家の軍隊というやつは、本質的に前者の組織なんだ。
残念な事だが、歴史がそれを証明している。権力者と市民が対立した時、軍隊が市民の味方をした例は非常に少ない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


敵の望む事を汲んで乗ってやる、そののち反転。油断した敵を撃破。敵の美点、長所を利用する。敵の思考パターンにそった行動を予測して、その方向にわざと動かしてやる。こちらが一次的に有利になったからといって喜んで動くと敵の策略にはまる。戦略を読め。予測内の思考をするのは凡人。予測を超える思考ができて名将だ。


        ――――ヤン・ウェンリー――――


信念とは、過ちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が厚いほど、その下の顔は醜い。
信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等な事だ。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

固い信念なんてもんは かえって信用おけんね。だいたい戦争なんてものは固い信念を持った者同士が起こすんだからね。
正義と信念こそ、この世で最も戦いを好むものだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

さて、もうすぐ戦いが始まる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。
勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば、たいした価値のあるものじゃない。それでは、みんな、そろそろ始めるとしようか!

        ――――ヤン・ウェンリー――――


国家が細胞分裂して個人になるのではなく、主体的な意志を持った個人が集まって国家を構成するものである以上、どちらが主でどちらが従であるか、民主主義社会にとっては自明の理でしょう。人間は国家がなくても生きられますが、人間なくして国家は存立しえません。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


戦略および戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね。(中略)種をまいた後、ぐっすり眠って、起きてみたら巨大な豆の木が天にむかってそびえていた、というのが最高だな。 

        ――――ヤン・ウェンリー――――

簒奪(さんだつ)が世襲より悪いなどと、誰が定めたのか。それは既得権を守ろうとする支配者の自己正当化の論理にすぎないではないか。簒奪や武力叛乱による以外、権力独占を打破する方法がないのであれば、変革を志す者がその唯一の道を選ぶのは当然のことである。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

奪ったにせよ、きずいたにせよ、最初の者は賞賛を受ける資格がある。それは当然だ。 
……だが、自分の実力や努力によることなく、単に相続によって権力や富や名誉を手に入れた者が、何を主張する権利を持っているというのだ? 奴らには、実力ある者に対して慈悲を乞う道が許されるだけだ。おとなしく歴史の波に消えていくことこそ、唯一の選択だ。血統による王朝などという存在自体がおぞましいと私は思う。権力は一代かぎりのもので、それは譲られるべきものではない、奪われるべきものだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

運命? 俺は俺の長所によって成功し、自分の短所によって滅びるだろう。運命などに俺の人生を左右されてたまるか。全て、俺の器量の範囲内だ!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は宇宙を盗みたいのではない、奪いたいのだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私に学ぼうと思うな。私の模倣は誰にもできぬ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

体制に対する民衆の信頼を得るには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

ロイエンタール「勝利か死……ですか」 ラインハルト「違うな。勝利か死かではない 勝利か、より完全な勝利かだ」

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

最も強大で賢明な者が世を支配すればよい。政治体制はどうでもよい。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は覇者たろうと志してきたし、それを実現するためにひとつの掟を自分自身に科してきた。つまり、自ら陣頭に立つことだ。
かつて戦って倒してきた能なしの大貴族どもと私が異なる点はそこにある。兵士たちが私を支持する理由もだ。
戦うにあたり、卿らにあらためて言っておこう。かつてのゴールデンバウム王朝の過去はいざ知らず、ローエングラム王朝あるかぎり、銀河帝国の軍隊は、皇帝が必ず陣頭に立つ!
ローエングラム王朝の皇帝は、兵士の背中に隠れて、安全な宮廷から戦いを指揮したりする事はせぬ!
卿らに誓約しよう、卑怯者がローエングラム王朝において、至尊の座を占めることは、決して無いと!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――


追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 50

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ウマ娘と海外の反応のせいで周回すること度々。古典に相応しいエンタメとテーマ性のバランス。

長大な戦記であり、魅力的なキャラを奇跡の超豪華声優陣が演じた歴史的な傑作である本作ですが、そういった甘味以上に重要なのはその民主主義に対する思想性であると私は思います。


コロナの混乱だけでなく、現在の日本は大変な状況です。愛国の名の元に行われる右傾化、年間何万人という自殺者、表向きは健全をうたいながら横行している弱肉強食と自己責任論、不誠実な政治に対する忖度と無気力。


自由民主主義は聞こえはいいですが、国民各人がそれを健全に維持する責任と義務を怠れば簡単に腐敗する。まさに、作中の自由惑星同盟の衰退ぶりを指摘していたヤンウェンリーの言葉が今ほど現実の物になっている時はないでしょう。作中の数々の箴言を単なる言葉にせず、胸に刻んで各人ができる範囲内で精一杯のことをやらなきゃならない時が来ているのかもしれません。


「政治家の仕事なんてせいぜい税金の公平な再分配と、国民の生命と生活を守ることぐらいだよ」


「この世ので何が一番恥知らずで醜い行為か?。それはありもしない愛国心で大衆を煽って犠牲にし、自分達は安全圏で利益を貪ることだ。」


マジな話だけでは本作の魅力は語れないのでキャラ萌えな部分にも少し触れます。私の好きなオーベルシュタインは、おそらく明治の三傑の一人である大久保さんに、ナポレオンの獅子心中の虫にして一番頼りにしていた陰謀家ジョセフフーシェを一摘まみ足したような人物です。故に、愉快で原色で描いたような本作のキャラクターの中で、複雑で決して安易に親しみ難い人物です。


陰謀家で秘密主義者、それでいて無私で徹底的な合理主義者、誰からも嫌われながらもその有能さと国家に対する無私さで一目おかれる男。複雑微妙で、決して最後まで解き明かされない謎を残して去っていく姿は、他の作中キャラの劇的な死とは対称的ながら違った尊厳があります。


そんなロボットのような冷たい人間でありながら、企らまざるどこか皮肉なユーモラスさと魅力を備えているから実に忘れがたい大好きなキャクターなのです。なにより塩沢さんボイスが最強。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 31

70.6 6 ライバルで心理戦なアニメランキング6位
弱虫ペダル NEW GENERATION(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (299)
1453人が棚に入れました
インターハイでの激闘を終えた、総北高校自転車競技部。

1年の小野田坂道は、同級生の今泉や鳴子と共に、ニューバイクに乗り換え、3年生が抜ける新生チームとしての新たな闘いに向けて走り出していた。
総北の新キャプテンに任命された手嶋も、盟友の青八木と共に連覇を目指し動き出す。そんな中、坂道は憧れの先輩である巻島から、ある事を告げられる...。

声優・キャラクター
山下大輝、鳥海浩輔、福島潤、岸尾だいすけ、松岡禎丞、宮田幸季、諏訪彩花、諏訪部順一、潘めぐみ、安元洋貴、森久保祥太郎、伊藤健太郎、代永翼、阿部敦、野島健児、宮野真守、下野紘、羽多野渉
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんか顔が少女漫画みたいに!? 内容は変わってないから物語重視なら問題なし。

1話の感想 ★★★★ 4.0
インハイ後
{netabare}
顔変わりすぎw
今泉は顔尖ってて、なんか前よりブサイクになってる。
2年の先輩とか原型留めてないレベル。
目かな?目が大きくなったのがアカンのかな?
でも、景色とかはより綺麗になってていい感じ。
バイクも新しくなり、これから新たなスタートなんだが…
小野田の調子はイマイチっぽい。{/netabare}

2話の感想 ★★★☆ 3.5
不調の小野田
{netabare}
凹みすぎたろ、小野田。
どれだけ巻島先輩が心の支柱だったんだ…
でも、手嶋先輩のおかげで少しはマシになったかな?{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
ヒルクライム大会
{netabare}
手嶋、キャプテンらしいことするじゃん!
実力でではなく、ガッツでみんなを率いるタイプか!
おかげで、小野田が息を吹き返した!!{/netabare}

4話の感想 ★★★★ 4.0
優勝は…
{netabare}
小野田の完全復活だな!
あんなんだが、才能は手嶋さん以上ってのが信じられん。
3年生たちはこれで引退…
金城さん、田所さん、精神的な支柱が居なくなることが与える影響とは…
来年、1年生は何人入るかな?{/netabare}

5話の感想 ★★★☆ 3.5
泉田の考え
{netabare}
確かにインハイでは、クライマーの片鱗も見せたが、鳴子からスプリンターを取るのは酷じゃないか…
鳴子はスプリンターだからこその鳴子だろう。
{/netabare}

6話の感想 ★★★★☆ 4.5
スプリンターの意地
{netabare}
御堂筋の進化により負けてしまった鳴子。
鳴子ってあんがい負けっぱなしよな。
鳴子の悲しんでる姿には心揺さぶられた。
こっちも泣けたよ…
鳴子には元気になってほしい。{/netabare}

7話の感想 ★★★★☆ 4.5
走行会
{netabare}
アブの筋肉が増えてた!!
今回は背筋か〜
アブは先輩を超えたな!
なかなか熱いばとるだった。
次は、山岳が先輩を超える番だな!{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
来年こそは
{netabare}
今回はシルバーの髪の人が1番熱かったな。
山岳もこれで前に向ける。
みんながみんな、3年生たちは立派すぎ。
こんな立派な人、大学でもそういないぞ?{/netabare}

9話の感想 ★★★☆ 3.5
新年度
{netabare}
今年は新入生が大量だな。
全員が残るわけではないと思うが、それでも多いよな。
やはり優勝のおかげかな。
杉本、なんか雰囲気変わってるやん。
ギャグ要員から脱却なるか。{/netabare}

10話の感想 ★★★★☆ 4.5
杉本の力
{netabare}
あの杉本がかっこいいだと!?
泣きそうになったんだが。
吠え方のダサさが身近に感じる。
もし自分があの高校にいたら杉本くらいのポジションなんだろうな。{/netabare}

11話の感想 ★★★★☆ 4.5
決着
{netabare}
杉本、惜しかったな…
今回はとてもかっこよく見えた。
杉本も2年になったんだな〜
小野田も2年らしく1年をリードできる走りが出来るじゃん!
去年の巻島さんの登りを見た時と同じような反応をしてたな。{/netabare}

12話の感想 ★★★★ 4.0
インハイ予選
{netabare}
ほぼ周回遅れを巻き返して、トップとは凄すぎ。
そりゃ、観客も燃えるわ。
仲間の大切さを教えるのかと思いきや、結局は仲間にも負けたくないって気持ちを教えることになったな。
確かに、そっちの方が総北っぽい。{/netabare}

13話の感想 ★★★★ 4.0
合宿スタート
{netabare}
鏑木は意外と体力とかは普通だよな。
走りは早いが。
鏑木は手嶋と青八木コンビみたいに、2人で真の力が出せるタイプか。
確かに、酷だが頑張れ。
それより、ここに来ての新キャラが登場!{/netabare}

14話の感想 ★★★★☆ 4.5
古賀さん
{netabare}
絶対に古賀さんを入れるべきだろ!!
みんなのこと知ってるし才能あるし!
でも、手嶋も頑張って来たからな〜
こういうのを監督やキャプテンは決めなあかんのか…
難しい仕事だ。{/netabare}

15話の感想 ★★★★ 4.0
ようやくゴール
{netabare}
古賀さん…
あんたの涙は忘れへん!
御堂筋に負けて以来、鳴子は成長したな。
気合が違う。
鏑木はまだ自分の方向性に気づかず。
はよ、気づけアホ!{/netabare}

16話の感想 ★★★★ 4.0
2度目のインハイ
{netabare}
おいおい、鏑木よ〜
いきなり敵の精神攻撃に動じてどうする!!
まぁ、1年だからしゃーないのか?
でも、先が不安だ。{/netabare}

17話の感想 ★★★★ 4.0
スタート前
{netabare}
スタートまでが長いよ。
ようやく始まったなインハイ!
小野田は単純で扱いやすいな。
しかも、ムードを良くしてくれる!
いいね、あんな人が1人いるだけで全然違って来るからな。{/netabare}

18話の感想 ★★★☆ 3.5
スプリント始め!
{netabare}
まだ鏑木は自分の脚質分かってないんかい!
先輩方、教えたってーな。
でも、才能は飛んでもなさそう。
恐ろしいな〜
アブは健在で嬉しいよ。{/netabare}

19話の感想 ★★★★ 4.0
銅橋
{netabare}
はみ出していると色々あるんだな〜
性格がアレだから良かったが、小野田くんみたいなのなら地獄だよ。
引きこもりになっても、不思議じゃない。
そういう意味では銅橋は適任だよな〜{/netabare}

20話の感想 ★★★★ 4.0
スプリント結果
{netabare}
ようやく神様の正体が分かっ…てないな。
気づけよ!!
しかし、スプリンターの才能は半端ないな。
スプリンターの自覚を持ってもっと努力すれば化けるぞ。{/netabare}

21話の感想 ★★★☆ 3.5
箱根の戦略
{netabare}
箱根がそんな作戦でくるとは。
やはり王者して何もをしてでも勝たないといけないって事なのかな。
小野田は、呑み込まれることなく入れるのか?{/netabare}

22話の感想 ★★★☆ 3.5
ゼッケン1の宿命
{netabare}
周りからの妨害、あれいいの?
確かにしゃーない気もするがまったくフェアじゃないやん!
自転車って、ローカルルールが多い気がする。
真波の愛され自慢には素直にムカついたw{/netabare}

23話の感想 ★★★★ 4.0
小野田の反撃
{netabare}
流石、小野田ちゃん!
1なだけあるな〜
今回、また新しい曲になったな。
正直、前回のヒメの方がよかった。
しかし、小野田の鼻歌クライムってw
ダサいな。{/netabare}

24話の感想 ★★★★☆ 4.5
手嶋の全力
{netabare}
手嶋さん、めちゃくちゃ頑張るやん!
手脚が限界に達してからの持久力、パないな。
この人、十分凄いと思うけどな。
他の小野田や真波が才能ありすぎなだけ!
こりゃ、ワンチャン行けるか?{/netabare}

25(最終)話の感想 ★★★★ 4.0
1番に山に登るのは
{netabare}
最後は小野田が決めちゃうと思ってたんだけど、来なかったな。
手嶋さんは真面目だね〜
待たなくても誰も文句なんか言われなかったのに。
初勝利を目前にして、敵を待つとか普通無理だよ。
いい人だよな〜
手嶋を助けた小野田には、やはり主人公かと思わされたね。
今期はここまでか…
1期のように1日目は終わるかと思ってたけど、終わらんかったな。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

道半ば

原作未読 全25話

弱虫ペダルの3期です。1期から観ることをオススメします。

総北高校自転車競技部に所属している主人公の小野田 坂道(おのだ さかみち)を中心に全国のライバルたちや仲間とともに切磋琢磨して成長していくお話です。

今回は3年生が卒業して新入生が入ってきて2年生なった坂道たちがどんな活躍をするのか楽しみに観ていました。

でも今回は、1・2期ではあまり目立っていなかった新3年生の手嶋・青八木や新キャラたちが活躍していましたね。

全国大会もまだ途中、坂道・今泉・鳴子・御堂筋たちと新キャラたちがどう絡んでいくのか、そしてどんな結果になるのか、2018年1月に4期が発表されましたので楽しみです。

OP・ED どちらも爽やかな曲でした。

最後に、今回もCパートがありました。本編では熱いお話が多いので、独特の楽しいお話が好きですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

hidehide さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

全てを通して

劇場版を含め全て観てます。
はじめの一歩、ですかね。
一方は『強いって何だろう』と苦悩し、
一方は『速いって何だろう』と。
凡人の自分には、勝ちゃ強い、速いとしか
考えませんでしたが(笑)
入学→入部→試合→合宿→インハイ→卒業→新入部員→、そして再びインハイ、とテンポがイイのか
はしょりすぎなのか、何にせよ、飽きずに観れてますし、各ゴール際は『んんんんん!』とつい足が
動いて観ています。
確かに卒業して層が薄くなりましたが、
だからこそ、どうなるか、が、楽しみですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

63.3 7 ライバルで心理戦なアニメランキング7位
しおんの王(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (144)
882人が棚に入れました
幼い頃に何者かに両親を殺害され、そのショックから事件での記憶と、言葉を失くしてしまった主人公の少女「安岡紫音」。殺害された両親の遺体には、犯人により「将棋の王将」が残されていたが、犯人の意図がつかめぬまま、事件は迷宮入りとなってしまっていた。
 さらに、紫音の両親の殺害された翌日、羽仁真(当時八段)は、神園修から、初めてのタイトル「角聖」を奪取。そして同日、羽仁真の実弟・悟の婚約者であった瀬戸一美が心臓発作で死亡した。瀬戸一美は、事件の数日前に安岡家を訪れ、紫音にも会っていた。これらの事件の重なりは、果たして偶然なのか。

声優・キャラクター
川澄綾子、朴璐美、水野理紗、郷田ほづみ、松風雅也、松本保典、國府田マリ子、中尾隆聖

とうみょう さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

7手で十分

私は将棋なんかに興味はないって人いますね?
でも実は皆さんも常に将棋を指してますよね?

例えば→こうしたら→こうなって→こうなる

↑こんな思考を日常でするでしょ?それが将棋です

ね?指してないとは言わせませんよ!
だから皆さんも立派な棋士ですね!!

では早速始めましょうか!
先手は僕から行きますよ!

それでは、お願いしますm(__)m

先手、とうみょう「このアニメを観てください」

後手、あなた「面白いんですか?」

先手、とうみょう「しおんちゃん可愛いです」

後手、あなた「はぁ?頭大丈夫ですか?」

先手、とうみょう「しおんちゃん可愛いです」

後手、あなた「・・・いや、私の話聞いてます?」

先手、とうみょう「しおんちゃん可愛いです」

後手、あなた「まいりましたm(__)m」

以上、7手を持ちまして、
先手とうみょう初段の勝ちでございます

お疲れ様でしたm(__)m

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

将棋+サスペンスの新感覚アニメ

2014/01/26追記(ネタバレ注)

まず最初に、将棋を目当てに見ることはオススメしません。
このアニメはあくまで将棋の棋士を中心としたサスペンスがテーマであって、将棋界の現状や将棋の戦法を教えてくれるいわゆる‘将棋アニメ’ではないと思います。
だから逆に、将棋に詳しくなくサスペンス系のアニメが好きな人なら多分楽しいです。実際自分は全く将棋が分からないですが、このアニメは楽しませてもらいました。
幼いながら強い意志を持って生きる主人公のしおんや、ライバルの斉藤・二階堂それに羽仁名人や神園九段など、登場人物の個性の強さが何よりの魅力です。

所々原作と改変してある部分があります。例として
{netabare} ・斉藤歩の恋人(もちろん女の子)が登場しない
このキャラは原作でもあまり必要性を感じませんでしたし、尺のため出さなくて正解だと思いました。一応歩の家庭や日常生活の場面で登場していますが、活躍という活躍はありません。

・ 横山刑事(ベテランの方)の過去エピソードが省略されている
原作には、昔横山刑事が紫音の両親殺害事件の捜査に参加し、結果として解決出来なかったという話がありました。けっこう重要なエピソードではありますが、サブキャラなので仕方ないですね。

・紫音が喋れるようになるタイミングが、原作では最後の対局が終わり数日経った後の歩との何気ない会話中なのに対して、アニメでは対局中になっている
原作は後日談に関しては尺が割かれているので、ゆっくりと日常の中で紫音が言葉を取り戻す演出が表現されています。アニメでは尺の関係でこの後日談が大幅に省略されているので、駆け足気味で残念ですね。でも、羽仁名人に追い詰められついに紫音が喋る展開も中々熱いと思います。

・羽仁名人が現場に残した物証が水絆創膏からマニキュアに変更されている
これは彼が幼い頃貧しい生活をしていたことと繋がるのですが、アニメ版では一切改変しマニキュアになっています。これはこれで羽仁のアダルトなイメージと合っていて良いと思います。

そしてこれが一番重要であり、個人的にアニメ版を高く評価したい部分で、

・紫音が羽仁名人との最後の対局で身に付けていたものが、原作では歩から貰った星形のペンダントとなっているが、アニメでは普段着けている勾玉のペンダントのままになっている
この改変によって、紫音が今まで身に付けていたペンダントが、母の物ではなく羽仁からの贈り物であると判明したとき、紫音がその過去を決別する意味でペンダントを引きちぎるアニメのシーンが活きてくるのです。
単なる歩との絆だけでなく、自分の力で過去に立ち向かう紫音の意志の強さが見てとれる、間違いなくこのアニメ史上最高のシーンであると思います。
{/netabare}
このように、尺や整合性を考えスタッフが色々苦心したことが分かると思います。
大体が省略の意味で改変されていますが、最後二つはいわゆる‘良改変’の部類であると思われます。
自分はアニメを見終えた後で原作を全巻揃えて読んだのですが、やっぱりアニメの方が面白かったです。前述のシーンのような、作画が粗くとも地味なシーンが多くとも許せてしまう、川瀬監督の演出力に魅せられたのだと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 12

ほるん吹き さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

将棋を選び、将棋に選ばれた少女の物語

幼少の頃、目の前で両親を惨殺され、さらにはそのときのショックで言葉も失ってしまった悲劇のヒロイン・紫音。犯人の正体や動機は謎のまま。
その後は、隣の家に住んでいて深い繋がりもあった、安岡夫妻の元に引き取られます。
義父は棋士であり、その影響で元々将棋に熱中していた紫音は、両親亡きあとひたすら将棋に打ち込んでいきます。

紫音の女流棋士としての成長を見守りつつ、次々と明かされていく事件の真相にも目が離せない、将棋&サスペンスの話です。


紫音は見た目ちょっと幼い感じの中学生の女の子。社交的で人当たりもいいとっても出来た子です。喋る事が出来ない彼女は、筆談や表情によって相手との意思疎通を図ります。暗い過去を背負っている分、どこか儚げでもありました。
将棋に対しては凄く真っ直ぐで、勝ちや真剣勝負にこだわる姿勢も好感が持てました。

対局シーンに関して、私は将棋のルールをよく知らずに見ていましたが、それでも気迫あふれる攻防、ギリギリの駆け引き・巧妙な心理戦など、楽しめる要素は充分ありました。

紫音の両親を殺した犯人は数々の証拠から「将棋に詳しい人間」である事が分かっており、この登場人物の中にいるのは明らかなので、誰が何の為に?と色々推測していくのもおもしろいです。

また、結末が原作のコミックスと多少異なるので、アニメが楽しめたならぜひそちらもチェックしてほしいです!

投稿 : 2024/12/28
♥ : 14
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