nyaro さんの感想・評価
3.0
2話 今回が秋事件の本質だと思います。読み解きましょう。
第1話 古今東西稀に見るクズヒロインと主人公に戦慄しよう
{netabare} 原作はシリーズ全部既読です。ネタバレはもちろんしません。盛り上がってきました。やはり小説原作はストーリーのボディがしっかりしていて、面白いです。推理小説なのでテーマ性よりも何を楽しむかが問題になります。そこは春夏である程度提示されています。
結末まで知っていなくても春夏を知っていれば、アニメにおける2人の言動や表情、演出には納得感があります。サブキャラ達も一癖も二癖もある描写がなかなかいいですね。ギスギス感にワクワクします。
ただ、古今東西でここまで非人間的(クズともいう)なヒロインと主人公はいないだろうな、というくらいの2人です。特に春夏で小佐内の悪魔性を堪能したと思いますが秋はどうなることやら。そこがお楽しみポイントですね。哀れな子羊たちは太刀打ちできるのでしょうか。
やなぎなぎさんのEDは素晴らしいです。{/netabare}
2話 今回が秋事件の本質だと思います。読み解きましょう。
クレームブリュレとマロングラッセ。「禁断の喜び」と「上辺が本性にすり替わる」。小佐内ゆき…恐ろしい子…です。このセリフの真意こそこのシリーズの本質と言っていいでしょう。そして、何を見せられているんだという比較的分かりづらくも親切な説明でした。
そして、小鳩組ですが「今はいろいろ知ってるけど」は小佐内組の「手もつないでない」の対比ですね。仲丸にとって小佐内は「可愛いには可愛いけど地味」らしいですが、小鳩にとって仲丸は「いい子」らしいです。その辺もどうやって読み解くかです。
ここがアニメ版において、原作での小鳩と瓜野の推理活動がかなり省略されている理由だと考えられます。つまり「事件の犯人は」よりも、なぜそこに2組のカップルがあるのか?ですよね。そこを「小市民」シリーズとして味わうのが良いと思います。
この味わいが本作の根底に流れる「動機」だとしたときに、必死になる瓜野の承認欲求の表現がちょっと淡泊な気もします。アニメ作中で一応頑張っている表現にはなっていますが、原作ではもっと丁寧に推理・現場活動をしています。それと小鳩の推理を開示したい欲求が、仲丸が理解してくれない故に満たされずストレスが溜まってゆく様子の描写がないですね。そこもマイナスポイントですね。
この作品の本質を理解している故の省略だと思いますが、その一見無意味っぽい描写に味わいがある作品です。この省略によってそれぞれのキャラ理解とこの作品の「真の謎」つまり「なぜそこに2組のカップルが誕生したのか」が弱くなる気もします。
あと1期1話の冒頭で小鳩が「小佐内が洋菓子派」という原作にはないセリフを付け足した意味がここにきて破綻しています。なぜあのセリフを足したのか疑問がまだ解消しません。小鳩が和菓子屋ということで何かのアナロジーなんでしょうか。